WO2022038933A1

WO2022038933A1 - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

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Publication number: WO2022038933A1
Application number: PCT/JP2021/026633
Authority: WO
Inventors: 豊大石; 浩司松村; 理貴近藤; 優子宇野
Original assignee: 富士フイルム株式会社
Priority date: 2020-08-18
Filing date: 2021-07-15
Publication date: 2022-02-24
Also published as: JPWO2022038933A1; CN116034341A; TW202215221A; US20230161732A1; EP4202674A1; EP4202674A4

Abstract

情報処理装置は、少なくとも１つのプロセッサを備え、予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する。プロセッサは、格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って前記新規オブジェクトを振り分ける。プロセッサは、格納対象のオブジェクトが、前記複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに前記更新オブジェクトを振り分ける。

Description

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

　開示の技術は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。

　データ及びメタデータを含んで構成されるオブジェクトを記憶する複数のストレージノードを備えたオブジェクトストレージシステムにおいて、複数のストレージノードへのオブジェクトの振り分けに関する技術として、以下の技術が知られている。

　例えば特開２０１０－２７２０１１号公報には、新規作成又は更新後のオブジェクトが登録されるべき登録先ノードを、当該オブジェクトを識別するためのオブジェクトＩＤに基づいて行うことが記載されている。また、更新後のオブジェクトＩＤのツリー部として、更新前のオブジェクトのオブジェクトＩＤにおけるツリー部の値を設定することが記載されている。

　特開２０１７－１８４１９５号公報には、複数の実ストレージノードのいずれかにオブジェクトを送信する経路における複数の通信機器において、オブジェクトに一意に付与される識別子に基づくオブジェクトの転送先を決定する第１のルールを設定する場合に、識別子を複数の実ストレージノードのいずれかに割り当てる第１の割り当て関係と、複数の通信機器及び複数の実ストレージノードの接続関係とに基づいて行うことが記載されている。

　特開２００４－２２９１３０号公報には、トラヒックを振り分け先装置群へ振り分ける振り分けルールの変更要求を受け、トラヒックのセッションが、ルール変更要求前に確立した既存セッションであるのか、ルール変更要求後に確立した新規セッションであるのかを判断し、セッションが既存セッションであると判断された場合、ルール変更要求前の振り分けルールに従って、トラヒックを振り分け先装置群へ振り分け、一方、セッションが新規セッションであると判断された場合、ルール変更要求後の振り分けルールに従って、トラヒックを振り分け先装置群へ振り分けることが記載されている。

　オブジェクトストレージシステムにおけるオブジェクトの更新処理は、既存オブジェクトの上書き保存ではなく、更新後のオブジェクトが既存オブジェクトとは別のオブジェクトとしてストレージノードに格納される。

　また、オブジェクトストレージシステムにおいて、システムの信頼性向上及び負荷分散等のために、複数のストレージノードを用意し、ユーザから送信されたオブジェクトを、予め設定した振り分けルールに基づいて、複数のストレージノードの何れかに振り分けることが行われている。

　このようなシステムにおいて、ストレージノードを新たに追加した場合、ストレージノードの追加前に策定された振り分けルール（以下、旧ルールと称する）に従ってオブジェクトの振り分けを行うと、新たに追加されたストレージノードにオブジェクトを振り分けることができない。そこで、新たに追加したストレージノードを振り分け先に含めるように新たな振り分けルール（以下、新ルールと称する）を策定することが考えられる。この場合、旧ルールに従って振り分けられた既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトが新ルールに従って振り分けられる場合があり、その結果、既存オブジェクトが格納されたストレージノードとは異なるストレージノードに更新オブジェクトが格納される場合がある。このように、既存オブジェクトと更新オブジェクトとが互いに異なるストレージノードに格納されると、最新のオブジェクトの特定が困難となるおそれがある。

　なお、以上の説明では、振り分けルールの変更が、ストレージノードの追加に伴って行われる場合を例示したが、ストレージノードの追加とは無関係に振り分けルールが変更されることも想定される。また、複数の振り分けルールが併存し、状況に応じて振り分けルールを使い分けることも想定される。いずれの場合においても、複数の振り分けルールが存在することで、既存オブジェクトと更新オブジェクトとが互いに異なるストレージノードに格納されるおそれがあり、最新のオブジェクトの特定が困難となるおそれがある。

　開示の技術は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、複数のストレージノードのいずれかにオブジェクトを振り分けるための振り分けルールが複数存在する場合でも、最新のオブジェクトの特定を容易にすることを目的とする。

　開示の技術に係る情報処理装置は、少なくとも１つのプロセッサを備え、予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する処理を行う。プロセッサは、格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って新規オブジェクトを振り分ける。プロセッサは、格納対象のオブジェクトが、複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに更新オブジェクトを振り分ける。

　プロセッサは、格納対象のオブジェクトを受け入れる複数の収容領域のうちの第１の振り分けルールに対応付けられた第１の収容領域に収容されたオブジェクトについては、第１の振り分けルールに従って振り分けてもよい。また、プロセッサは、複数の収容領域のうちの第２の振り分けルールに対応付けられた第２の収容領域に収容されたオブジェクトについては、第２の振り分けルールに従って振り分けてもよい。

　振り分けルールとして、ストレージノードの追加前に設定された第１の振り分けルールと、ストレージノードの追加後に設定され、追加されたストレージノードを振り分け先に含む第２の振り分けルールと、を含む場合において、プロセッサは、格納対象のオブジェクトが、新規オブジェクトである場合、第２の振り分けルールに従って新規オブジェクトを振り分けてもよい。また、プロセッサは、振り分け対象のオブジェクトが、更新オブジェクトである場合、第１の振り分けルール及び第２の振り分けルールのうち、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに更新オブジェクトを振り分けてもよい。

　更新オブジェクトが対応する既存オブジェクトと同じ識別情報を有する場合、プロセッサは、識別情報に基づいて、オブジェクトの振り分け先となるストレージノードを決定してもよい。この場合、プロセッサは、識別情報のハッシュ値を、適用する振り分けルールに応じた除数で除算したときの余りの値に基づいて、オブジェクトの振り分け先となるストレージノードを決定してもよい。

　プロセッサは、格納対象のオブジェクトを受け入れる収容領域の作成指示及び、収容領域に受け入れられるオブジェクトの格納先となるストレージノード群の設置場所の指定を受付け、作成指示がなされた収容領域に受け入れられるオブジェクトを、指定がなされた設置場所に設置されたストレージノード群に振り分ける際の振り分けルールとして、指定がなされた保管場所に対応付けられた振り分けルールを適用してもよい。

　開示の技術に係る情報処理方法は、予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する処理を行う情報処理方法であって、格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って新規オブジェクトを振り分け、格納対象のオブジェクトが、複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに更新オブジェクトを振り分ける処理を情報処理装置が備える少なくとも１つのプロセッサが実行する情報処理方法である。

　開示の技術に係る情報処理プログラムは、予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する処理を情報処理装置が備える少なくとも１つのプロセッサに実行させるための情報処理プログラムであって、格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って新規オブジェクトを振り分け、格納対象のオブジェクトが、複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに更新オブジェクトを振り分ける処理をプロセッサに実行させるための情報処理プログラムである。

　開示の技術によれば、複数のストレージノードのいずれかにオブジェクトを振り分けるための振り分けルールが複数存在する場合でも、最新のオブジェクトの特定を容易にすることができる。

開示の技術の実施形態に係るストレージシステムの構成の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係るルール情報の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。開示の技術の実施形態に係る第１の振り分けルールに従うオブジェクトの振り分けの態様の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係る第２の振り分けルールに従うオブジェクトの振り分けの態様の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係るＣＰＵが、情報処理プログラムを実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。開示の技術の実施形態に係る決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。開示の技術の実施形態に係るストレージシステムの構成の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係るルール情報の一例を示す図である。サーバ群が設置されるリージョンと、振り分けルールとの対応関係の一例を示す図である。開示の技術の実施形態に係るルール情報の一例を示す図である。

　以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は適宜省略する。

［第１の実施形態］
　図１は、開示の技術の実施形態に係るストレージシステム１００の構成の一例を示す図である。ストレージシステム１００は、情報処理装置１０及びサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃを含んで構成されている。ストレージシステム１００は、ネットワーク４０を介して端末装置５０に接続されている。端末装置５０は、ストレージシステム１００を利用するユーザによって使用されるコンピュータである。ストレージシステム１００は、端末装置５０から格納要求があったオブジェクト３０を保管し、端末装置５０からオブジェクトの読み出し要求があった場合、要求されたオブジェクトを読み出して端末装置５０に送信する。オブジェクト３０は、データ本体と、データ本体に関するメタデータとを含んで構成される。

　サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃは、それぞれ、ストレージノードを構成するものであり、端末装置５０から格納要求があったオブジェクトは、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに格納される。なお、図１には、ストレージノードを構成する３台のサーバが例示されているが、ストレージシステムが備えるサーバの数は適宜増減することが可能である。

　情報処理装置１０は、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの負荷を分散させるロードバランサとして機能する。情報処理装置１０は、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの各々に接続されている。端末装置５０から格納要求があったオブジェクト３０は、情報処理装置１０に供給される。情報処理装置１０は、端末装置５０から供給された格納対象のオブジェクト３０を、所定の振り分けルールに従ってサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに振り分ける。振り分けルールは、例えば、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの各々に対するオブジェクトの分配比率（振り分け率）を規定したものであってもよい。

　図２は、情報処理装置１０のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置１０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１、一時記憶領域としてのメモリ１２、及び不揮発性の記憶部１３を含む。また、情報処理装置１０は、ネットワーク４０に接続されるネットワークインターフェース１４、及びサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃが接続される外部インターフェース１５を含む。ＣＰＵ１１、メモリ１２、記憶部１３、ネットワークインターフェース１４、及び外部インターフェース１５は、バス１６に接続される。

　記憶部１３は、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）、ＳＳＤ（Solid State Drive）、又はフラッシュメモリ等の記憶媒体によって実現される。記憶部１３には、後述する情報処理プログラム６０及びルール情報６１が記憶される。ＣＰＵ１１は、情報処理プログラム６０を記憶部１３から読み出し、メモリ１２に展開し、実行する。なお、ＣＰＵ１１は、開示の技術におけるプロセッサの一例である。

　ストレージシステム１００へのアクセスは、例えば、端末装置５０上で動作するウェブブラウザ上に表示される管理コンソールを介して行う。ユーザは、ストレージシステム１００にオブジェクトを格納する場合、管理コンソール上でバケットを作成し、バケット内に格納対象のオブジェクトを配置する。バケットとは、格納対象のオブジェクトを受け入れる仮想的な収容領域である。ユーザは、複数のバケットを作成することが可能である。ユーザが、管理コンソール上で、オブジェクトの識別情報であるオブジェクトキーが付与されたオブジェクトをバケット内に配置し、オブジェクトのアップロードを指示することで、そのオブジェクトがストレージシステム１００に送信され、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに格納される。

　情報処理装置１０が、格納対象のオブジェクトをサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃに振り分ける際の振り分けルールはバケットに対応付けられる。複数のバケットが作成された場合、バケット毎に振り分けルールが情報処理装置１０に設定される。バケットと振り分けルールとの対応関係及び振り分けルールの内容は、情報処理装置１０の記憶部１３にルール情報６１として保存される。

　図３は、情報処理装置１０の記憶部１３に保存されるルール情報６１の一例を示す図である。図３には、第１のバケットに対応付けられた第１の振り分けルールと、第２のバケットに対応付けられた第２の振り分けルールが例示されている。図３に示す例では、第１の振り分けルールとして、サーバ［１］２０Ａへのオブジェクトの分配比率を５０％とし、サーバ［２］２０Ｂへのオブジェクトの分配比率を２５％とし、サーバ［３］２０Ｃへのオブジェクトの分配比率を２５％とすること（分配比率２：１：１）が規定されている。また、第２の振り分けルールとして、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃへのオブジェクトの分配比率を、それぞれ３３．３％とすること（分配比率１：１：１）が規定されている。

　情報処理装置１０は、例えば、ユーザがバケットを新規に作成した場合に、図３に例示するような振り分けルールを含むルール情報６１を生成し、これを記憶部１３に保存する。このとき、情報処理装置１０は、ストレージシステム１００が備えるサーバの台数及びその処理能力等に応じて各サーバに対するオブジェクトの分配比率を算出してもよい。振り分けルールは、情報処理装置１０の管理者が任意に設定及び変更することも可能である。

　図４は、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃにオブジェクトを振り分ける場合における情報処理装置１０の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。図４に示すように、情報処理装置１０は、受付部７０、選択部７１、決定部７２及び送信部７３を含む。ＣＰＵ１１が情報処理プログラム６０を実行することにより、情報処理装置１０は、受付部７０、選択部７１、決定部７２及び送信部７３として機能する。

　上記したように、ユーザがバケット内に格納対象のオブジェクトを配置してアップロードを指示すると、格納対象のオブジェクトがストレージシステム１００に送信される。格納対象のオブジェクトには、そのオブジェクトが配置されたバケットの識別情報が付随している。受付部７０は、端末装置５０から送信された格納対象のオブジェクトを受け付ける。

　選択部７１は、格納対象のオブジェクトをサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃに振り分ける際の振り分けルールを選択する。具体的には、選択部７１は、格納対象のオブジェクトに付随するバケットの識別情報に基づいて、当該オブジェクトが収容されたバケットを特定する。選択部７１は、ルール情報６１を参照し、特定したバケットに対応する振り分けルールを、格納対象のオブジェクトについて適用する振り分けルールとして選択する。例えば、選択部７１は、格納対象のオブジェクトが第１のバケット内に収容されたものである場合、第１のバケットに対応付けられた第１の振り分けルールを選択する。一方、選択部７１は、格納対象のオブジェクトが第２のバケット内に収容されたものである場合、第２のバケットに対応付けられた第２の振り分けルールを選択する。

　決定部７２は、選択部７１によって選択された振り分けルールに従う振り分け先を、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの中から以下の手順で決定する。決定部７２は、格納対象のオブジェクトの識別情報（オブジェクトキー）のハッシュ値ａを算出する。決定部７２は、選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂでハッシュ値ａを除算したときの余りｃを算出する。決定部７２は余りｃの値に対応付けられたサーバを、格納対象のオブジェクトの振り分け先として決定する。

　例えば、選択部７１によって選択された振り分けルールが、図３に例示された第１の振り分けルール（分配比率２：１：１）である場合、決定部７２は、振り分けルールに応じて定まる除数ｂとして４（＝２＋１＋１）を導出する。決定部７２は格納対象のオブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを除数ｂ（＝４）で除算したときの余りｃが０又は１である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［１］２０Ａに決定し、余りｃが２である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［２］２０Ｂに決定し、余りｃが３である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［３］２０Ｃに決定する。これにより、図５Ａに示すように、格納対象のオブジェクトの、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃへの振り分けを、第１の振り分けルールに従う分配比率（２：１：１）で行うことが可能となる。

　一方、選択部７１によって選択された振り分けルールが、図３に例示された第２の振り分けルール（分配比率１：１：１）である場合、決定部７２は、振り分けルールに応じて定まる除数ｂとして３（＝１＋１＋１）を導出する。決定部７２は、格納対象のオブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを除数ｂ（＝３）で除算したときの余りｃが０である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［１］２０Ａに決定し、余りｃが１である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［２］２０Ｂに決定し、余りｃが２である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［３］２０Ｃに決定する。これにより、図５Ｂに示すように、格納対象のオブジェクトの、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃへの振り分けを、第２の振り分けルールに従う分配比率（１：１：１）で行うことが可能となる。

　上記のように、格納対象のオブジェクトの識別情報（オブジェクトキー）のハッシュ値ａを、選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂで除算したときの余りｃに応じて振り分け先を決定することで、格納対象のオブジェクトのサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃへの振り分けを、選択された振り分けルールに従う分配比率で行うことが可能となる。余りｃと、振り分け先となるサーバとの振り分けルール毎の対応関係は、ルール情報６１に含まれていてもよいし、ルール情報６１と別に記憶部１３に保存されていてもよい。

　送信部７３は、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのうち、決定部７２によって決定された振り分け先となるサーバに格納対象のオブジェクトを送信する。格納対象のオブジェクトは、振り分け先のサーバが備えるハードディスク等の記憶媒体に記憶される。

　ここで、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに既に格納されている既存オブジェクトを更新する場合について考える。この場合、既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトが、既存オブジェクトとは別のオブジェクトとしてストレージシステム１００に格納される。すなわち、ストレージシステム１００におけるオブジェクトの更新は、いわゆる「データの上書き」ではなく、「更新オブジェクトの追加」によって行われる。このようなシステムにおいては、更新オブジェクトが対応する既存オブジェクトが格納されたサーバとは異なるサーバに格納されると、最新のオブジェクトの特定が困難となる。

　ユーザは、既存オブジェクトを更新する場合、既存オブジェクトと同一の識別情報（オブジェクトキー）が付与された更新オブジェクトを、既存オブジェクトが収容されたバケットと同じバケット内に配置する。従って、情報処理装置１０は、既存オブジェクトについて適用した振り分けルールと同じ振り分けルールに従って更新オブジェクトを振り分けることが可能である。

　また、情報処理装置１０は、上記したように、オブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを、選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂで除算したときの余りｃに応じて振り分け先を決定する。更新オブジェクトの識別情報は、既存オブジェクトの識別情報と同じであるので、更新オブジェクトについて算出される余りｃは、既存オブジェクトについて算出される余りｃと同一である。従って、情報処理装置１０は、既存オブジェクトが格納されているサーバと同じサーバに更新オブジェクトを振り分けることが可能である。

　以下に、情報処理装置１０の作用について説明する。図６は、ＣＰＵ１１が、情報処理プログラム６０を実行することによって実施される処理の流れの一例を示すフローチャートである。情報処理プログラム６０は、例えば、端末装置５０からオブジェクトの格納要求があった場合に実行される。なお、記憶部１３には、図３に例示するような、バケット毎の振り分けルールが定められたルール情報６１が予め保存されているものとする。

　ステップＳ１において、受付部７０は、端末装置５０から送信された格納対象のオブジェクトを受け付ける。

　ステップＳ２において、選択部７１は、ステップＳ１で受付けたオブジェクトについて適用する振り分けルールを選択する。具体的には、選択部７１は、受付けたオブジェクトに付随するバケットの識別情報に基づいて、当該オブジェクトが収容されたバケットを特定する。選択部７１は、ルール情報６１を参照し、特定したバケットに対応する振り分けルールを当該オブジェクトについて適用する振り分けルールとして選択する。

　ステップＳ３において、決定部７２は、ステップＳ２で選択された振り分けルールに従う振り分け先を、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの中から決定する決定処理を行う。ここで、図７は、決定処理の詳細を示すフローチャートである。以下、決定処理について、図７のフローチャートを参照しつつ説明する。

　ステップＳ１１において、決定部７２は、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトの識別情報（オブジェクトキー）のハッシュ値ａを算出する。

　ステップＳ１２において、決定部７２は、ステップＳ２で選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂでハッシュ値ａを除算したときの余りｃを算出する。

　ステップＳ１３において、決定部７２は、ステップＳ１２で算出した余りｃの値に基づいて、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトの振り分け先を決定する。

　図６を参照し、ステップＳ４において、送信部７３は、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトを、ステップＳ３で決定した振り分け先となるサーバに送信する。当該オブジェクトは、振り分け先のサーバが備えるハードディスク等の記憶媒体に記憶される。

　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１０は、それぞれストレージノードとして機能するサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに、予め設定された振り分けルールに従ってオブジェクトを振り分ける。情報処理装置１０は、振り分け対象のオブジェクトが、新規に作成された新規オブジェクトである場合、新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って新規オブジェクトを振り分ける。また、情報処理装置１０は、振り分け対象のオブジェクトが、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているサーバと同じサーバに更新オブジェクトを振り分ける。

　開示の技術の実施形態に係る情報処理装置１０によれば、振り分けルールが複数存在する場合でも、更新オブジェクトは、対応する既存オブジェクトが格納されたサーバと同じサーバに格納されるので、最新のオブジェクトの特定を容易にすることが可能である。

　また、情報処理装置１０は、ユーザによって作成されたバケット毎に振り分けルールを設定する。すなわち、情報処理装置１０は、第１の振り分けルールに対応付けられた第１のバケットに収容されたオブジェクトについては、第１の振り分けルールに従ってオブジェクトを振り分ける。第２の振り分けルールに対応付けられた第２のバケットに収容されたオブジェクトについては、第２の振り分けルールに従ってオブジェクトを振り分ける。このように、バケット毎に振り分けルールを設定可能とすることで、サーバの効率的な運用が可能となる。

［第２の実施形態］
　ストレージシステム１００にストレージノードとして機能するサーバを増設する場合について考える。図８には、サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅが、新たに追加された場合が例示されている。サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅの追加前に作成されたバケットに対応する振り分けルール（以下、旧ルールという）は、サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅの存在を想定したものとなっておらず、従って、旧ルールに従うオブジェクトの振り分け先には、追加されたサーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅが含まれないことが通常である。

　図８に示す例では、旧ルールとして、サーバ［１］２０Ａへのオブジェクト３０の分配比率を５０％とし、サーバ［２］２０Ｂへのオブジェクト３０の分配比率を２５％とし、サーバ［３］２０Ｃへのオブジェクト３０の分配比率を２５％とすること（分配比率２：１：１）が規定されている。オブジェクトの分配比率は、例えばサーバの処理能力に応じて定めることが可能である。すなわち、より高い処理能力を有するサーバに対するオブジェクトの分配比率を、より高く設定してもよい。これにより、サーバの処理能力を加味した負荷を均一にすることができる。

　サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅの追加後においても、旧ルールが適用される限り、サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅにオブジェクトを振り分けることができない。そこで、本実施形態に係る情報処理装置１０においては、あるバケットに対して設定された振り分けルールが変更可能とされている。すなわち、ストレージノードとして機能するサーバが新たに追加された場合、追加されたサーバが振り分け先に含まれる新たな振り分けルール（以下、新ルールと称する）が、情報処理装置１０に設定される。

　図８に示す例では、新ルールとして、サーバ［１］２０Ａへのオブジェクト３０の分配比率を２０％とし、サーバ［２］２０Ｂへのオブジェクト３０の分配比率を１０％とし、サーバ［３］２０Ｃへのオブジェクト３０の分配比率を１０％とし、サーバ［４］２０Ｄへのオブジェクト３０の分配比率を３０％とし、サーバ［５］２０Ｅへのオブジェクト３０の分配比率を３０％とすること（分配比率２：１：１：３：３）が規定されている。

　図９は、本実施形態に係る情報処理装置１０の記憶部１３に保存されるルール情報６１の一例を示す図である。図９に示すように、情報処理装置１０の記憶部１３には、サーバの追加前に策定された旧ルール（第１の振り分けルール）と、サーバの追加後に策定された新ルール（第２の振り分けルール）が記憶される。情報処理装置１０は、例えば、バケットの作成時に旧ルールを生成し、これを記憶部１３に保存し、サーバの追加時に新ルールを生成し、これを記憶部１３に保存する。情報処理装置１０は、新旧の振り分けルールを生成する場合、例えば、その時点において設置されているサーバの処理能力を加味した負荷が均等になるように振り分けルールを生成する。また、情報処理装置１０は、新旧の振り分けルールを生成する場合、どの振り分けルールが最新であるのかを示す履歴情報をルール情報６１に含める。

　本実施形態に係る情報処理装置１０は、ＣＰＵ１１が情報処理プログラム６０を実行することにより、受付部７０、選択部７１、決定部７２及び送信部７３として機能する（図４参照）。

　受付部７０は、端末装置５０から送信された格納対象のオブジェクトを受け付ける。

　選択部７１は、格納対象のオブジェクトをストレージノードとして機能するサーバに振り分ける際の振り分けルールを選択する。本実施形態において、選択部７１は、格納対象のオブジェクトが新規オブジェクトである場合、その時点において最新の振り分けルールを選択する。すなわち、情報処理装置１０の記憶部１３に、新ルールが保存されている場合、格納対象のオブジェクトについて適用する振り分けルールとして、新ルールが選択される。一方、選択部７１は、格納対象のオブジェクトが更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールを選択する。すなわち、選択部７１は、格納対象のオブジェクトが更新オブジェクトであり且つ対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールが旧ルールである場合、格納対象のオブジェクトについて適用する振り分けルールとして、旧ルールを選択する。一方、選択部７１は、格納対象のオブジェクトである更新オブジェクトに対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールが新ルールである場合、その格納対象のオブジェクトについて適用する振り分けルールとして、新ルールを選択する。

　選択部７１は、格納対象のオブジェクトについて選択した振り分けルールと、そのオブジェクトの識別情報と対応付けた振り分けログを作成し、この振り分けログを記憶部１３に保存する。選択部７１は、振り分けルールを選択する際に振り分けログを参照し、格納対象のオブジェクトが、新規オブジェクトであるか更新オブジェトであるかを判定してもよい。例えば、格納対象のオブジェクトの識別情報と同じ識別情報を有するオブジェクトが、振り分けログに記録されている場合、そのオブジェクトは更新オブジェクトであると判定することができる。また、格納対象のオブジェクトが更新オブジェクトである場合、振り分けログを参照することで、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールが旧ルールであるか新ルールであるかを判定することができる。

　決定部７２は、選択部７１によって選択された振り分けルールに従う振り分け先となるサーバを決定する。具体的には、上記した第１の実施形態に係る情報処理装置１０と同様、決定部７２は、格納対象のオブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを算出し、選択部７１によって選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂでハッシュ値ａを除算したときの余りｃを算出し、余りｃの値に基づいて、当該オブジェクトの振り分け先を決定する。

　例えば、選択部７１によって選択された振り分けルールが、図９に例示された新ルール（分配比率２：１：１：３：３）である場合、決定部７２は、振り分けルールに応じて定まる除数ｂとして１０（＝２＋１＋１＋３＋３）を導出する。決定部７２は格納対象のオブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを除数ｂ（＝１０）で除算したときの余りｃが０又は１である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［１］２０Ａに決定し、余りｃが２である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［２］２０Ｂに決定し、余りｃが３である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［３］２０Ｃに決定し、余りｃが４、５又は６である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［４］２０Ｄに決定し、余りｃが７、８又は９である場合、格納対象のオブジェクトの振り分け先をサーバ［５］２０Ｅに決定する。これにより、格納対象のオブジェクト３０の、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［５］２０Ｅへの振り分けを、新ルールに従う分配比率（２：１：１：３：３）で行うことが可能となる。

　更新オブジェクトの識別情報は、既存オブジェクトの識別情報と同じであるので、更新オブジェクトについて算出される余りｃは、既存オブジェクトについて算出される余りｃと同一である。従って、既存オブジェクトが格納されているサーバと同じサーバが、更新オブジェクトの振り分け先として決定される。

　送信部７３は、決定部７２によって決定された振り分け先となるサーバに格納対象のオブジェクトを送信する。格納対象のオブジェクトは、振り分け先のサーバが備えるハードディスク等の記憶媒体に記憶される。

　以下に、本実施形態に係る情報処理装置１０の作用について、図６を参照しつつ説明する。

　ステップＳ１において、受付部７０は、端末装置５０から送信された格納対象のオブジェクト３０を受け付ける。

　ステップＳ２において、選択部７１は、ステップＳ１で受付けたオブジェクトについて適用する振り分けルールを選択する。具体的には、選択部７１は、上述の振り分けログを参照することで、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトが新規オブジェクトであるか更新オブジェトであるかを判定する。選択部７１は、ステップＳ１で受付けたオブジェクトが、新規オブジェクトである場合、その時点において最新の振り分けルールを選択する。一方、選択部７１は、ステップＳ１で受付けたオブジェクトが、更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールを選択する。選択部７１は、振り分けログを参照することで、既存オブジェクトについて適用された振り分けルールを特定する。

　ステップＳ３において、決定部７２は、ステップＳ２で選択された振り分けルールに従う振り分け先を決定する。具体的には、決定部７２は、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトの識別情報のハッシュ値ａを算出し、ステップＳ２で選択された振り分けルールに応じて定まる除数ｂでハッシュ値ａを除算したときの余りｃを算出し、余りｃの値に基づいて、格納対象のオブジェクトの振り分け先を決定する。

　ステップＳ４において、送信部７３は、ステップＳ１で受け付けたオブジェクトをステップＳ３で決定した振り分け先となるサーバに送信する。当該オブジェクトは、振り分け先のサーバが備えるハードディスク等の記憶媒体に記憶される。

　以上のように、本実施形態に係る情報処理装置１０は、それぞれストレージノードとして機能する複数のサーバのいずれかに、予め設定された振り分けルールに従ってオブジェクトを振り分ける。本実施形態では、振り分けルールが、サーバの追加前に設定された旧ルール（第１の振り分けルール）と、サーバの追加後に設定され、追加されたストレージノードを振り分け先に含む新ルール（第２の振り分けルール）と、を含む場合を想定する。情報処理装置１０は、振り分け対象のオブジェクトが、新規オブジェクトである場合、最新の振り分けルール、すなわち新ルール（第２の振り分けルール）に従って新規オブジェクトを振り分ける。情報処理装置１０は、振り分け対象のオブジェクトが、更新オブジェクトである場合、旧ルール（第１の振り分けルール）及び新ルール（第２の振り分けルール）のうち、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているサーバと同じサーバに更新オブジェクトを振り分ける。

　本実施形態に係る情報処理装置１０によれば、振り分けルールが複数存在する場合でも、更新オブジェクトは、対応する既存オブジェクトが格納されたサーバと同じサーバに格納されるので、最新のオブジェクトの特定を容易にすることが可能である。なお、本実施形態では、旧ルール及び新ルールの２つの振り分けルールがルール情報６１に含まれている場合を示しているが、この態様に限定されない。例えば、振り分けルールの更新が２回以上行われた場合には、ルール情報６１には、３つ以上の振り分けルールが含まれる。

［第３の実施形態］
　上記のように、情報処理装置１０は、作成されたバケットに対して振り分けルールを設定する。情報処理装置１０は、バケットに対する振り分けルールの設定を以下のよう行ってもよい。

　ユーザは、端末装置５０を用いて、管理コンソール上でバケットを作成する際に、そのバケットに収容されるオブジェクトの格納先となるサーバ群の設置場所（以下、リージョンという）を指定することが可能である。ユーザがリージョンを指定してバケットを作成し、そのバケットにオブジェクトを配置してアップロードすると、そのオブジェクトは、指定されたリージョンに設置されたサーバ群に格納される。

　本実施形態において、振り分けルールは、予めリージョンに対応付けられている。図１０には、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃが設置されたリージョンＡに振り分けルールＡが対応付けられ、サーバ［４］２０Ｄ及びサーバ［５］２０Ｅが設置されたリージョンＢに振り分けルールＢが対応付けられ、サーバ［１］２０Ａ～サーバ［５］２０Ｅが設置されたリージョンＣに振り分けルールＣが対応付けられている場合が例示されている。

　図１１は、本実施形態に係る情報処理装置１０の記憶部１３に保存されるルール情報６１の一例を示す図である。図１１には、リージョンＡに対応付けられた振り分けルールＡ、リージョンＢに対応付けられた振り分けルールＢ、及びリージョンＣに対応付けられた振り分けルールＣが例示されている。振り分けルールＡは、リージョンＡに設置されたサーバ［１］２０Ａ～サーバ［３］２０Ｃの各々に対するオブジェクトの分配比率を規定したものである。振り分けルールＢは、リージョンＢに設置されたサーバ［４］２０Ｄ～サーバ［５］２０Ｅの各々に対するオブジェクトの分配比率を規定したものである。振り分けルールＣは、リージョンＣに設置されたサーバ［１］２０Ａ～サーバ［５］２０Ｅの各々に対するオブジェクトの分配比率を規定したものである。

　端末装置５０からのリージョンの指定を伴ったバケットの作成指示は、情報処理装置１０によって受け付けられる。情報処理装置１０は、作成指示がなされたバケットに収容されるオブジェクトを、指定されたリージョンに設置されたサーバ群に振り分ける。情報処理装置１０は、当該バケットについて適用する振り分けルールとして、当該バケットについて指定されたリージョンに対応付けられた振り分けルールを設定する。情報処理装置１０は、図１１に例示したルール情報６１を参照し、指定されたリージョンに対応する振り分けルールを、当該バケットについて適用する振り分けルールとして設定する。

　情報処理装置１０は、例えば、リージョンＡを指定するバケットの作成指示を受け付けると、そのバケットに受け入れられるオブジェクトについて適用する振り分けルールとして、リージョンＡに対応付けられた振り分けルールＡを設定する。情報処理装置１０は、そのバケット内に収容されるオブジェクトを、振り分けルールＡに従って、リージョンＡに設置されたサーバ群に振り分ける。

　上記の各実施形態において、例えば、受付部７０、選択部７１、決定部７２及び送信部７３といった各種の処理を実行する処理部（processing unit）のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ（processor）を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア（プログラム）を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるＣＰＵに加えて、ＦＰＧＡ等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス（Programmable Logic Device：PLD）、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。

　１つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの１つで構成されてもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡの組み合わせや、ＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ）で構成されてもよい。また、複数の処理部を１つのプロセッサで構成してもよい。

　複数の処理部を１つのプロセッサで構成する例としては、第１に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、１つ以上のＣＰＵとソフトウェアの組み合わせで１つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第２に、システムオンチップ（System on Chip：SoC）等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を１つのＩＣ（Integrated Circuit）チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの１つ以上を用いて構成される。

　更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路（circuitry）を用いることができる。

　また、上記実施形態では、情報処理プログラム６０が記憶部１３に予め記憶（インストール）されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム６０は、ＣＤ－ＲＯＭ（Compact Disc Read Only Memory）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Digital Versatile Disc Read Only Memory）、及びＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム６０は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。

　なお、２０２０年８月１８日に出願された日本国特許出願２０２０－１３８２２１の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims

　少なくとも１つのプロセッサを備え、予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する情報処理装置であって、
　前記プロセッサは、
　格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、前記新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って前記新規オブジェクトを振り分け、
　格納対象のオブジェクトが、前記複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに前記更新オブジェクトを振り分ける
　情報処理装置。
　前記プロセッサは、
　格納対象のオブジェクトを受け入れる複数の収容領域のうちの第１の振り分けルールに対応付けられた第１の収容領域に収容されたオブジェクトについては、前記第１の振り分けルールに従って振り分け、
　前記複数の収容領域のうちの第２の振り分けルールに対応付けられた第２の収容領域に収容されたオブジェクトについては、前記第２の振り分けルールに従って振り分ける
　請求項１に記載の情報処理装置。
　前記振り分けルールとして、ストレージノードの追加前に設定された第１の振り分けルールと、ストレージノードの追加後に設定され、追加されたストレージノードを振り分け先に含む第２の振り分けルールと、を含み、
　前記プロセッサは、
　格納対象のオブジェクトが、前記新規オブジェクトである場合、前記第２の振り分けルールに従って前記新規オブジェクトを振り分け、
　振り分け対象のオブジェクトが、前記更新オブジェクトである場合、前記第１の振り分けルール及び前記第２の振り分けルールのうち、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに前記更新オブジェクトを振り分ける
　請求項１に記載の情報処理装置。
　前記更新オブジェクトが対応する既存オブジェクトと同じ識別情報を有し、
　前記プロセッサは、前記識別情報に基づいて、格納対象のオブジェクトの振り分け先となるストレージノードを決定する
　請求項１から請求項３の何れか１項に記載の情報処理装置。
　前記プロセッサは、前記識別情報のハッシュ値を、適用する振り分けルールに応じた除数で除算したときの余りの値に基づいて、格納対象のオブジェクトの振り分け先となるストレージノードを決定する
　請求項４に記載の情報処理装置。
　前記プロセッサは、
　格納対象のオブジェクトを受け入れる収容領域の作成指示及び、前記収容領域に受け入れられるオブジェクトの格納先となるストレージノード群の設置場所の指定を受付け、
　前記作成指示がなされた収容領域に受け入れられるオブジェクトを、前記指定がなされた設置場所に設置されたストレージノード群に振り分ける際の振り分けルールとして、前記指定がなされた設置場所に対応付けられた振り分けルールを適用する
　請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の情報処理装置。
　予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する処理を行う情報処理方法であって、
　格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、前記新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って前記新規オブジェクトを振り分け、
　格納対象のオブジェクトが、前記複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに前記更新オブジェクトを振り分ける
　処理を情報処理装置が備える少なくとも１つのプロセッサが実行する情報処理方法。
　予め設定された振り分けルールに従って、格納対象のオブジェクトを複数のストレージノードの何れかに格納する処理を情報処理装置が備える少なくとも１つのプロセッサに実行させるための情報処理プログラムであって、
　格納対象のオブジェクトが新規に作成された新規オブジェクトである場合、前記新規オブジェクトの格納要求があった時点において設定されている振り分けルールに従って前記新規オブジェクトを振り分け、
　格納対象のオブジェクトが、前記複数のストレージノードのいずれかに格納されている既存オブジェクトの更新である更新オブジェクトである場合、対応する既存オブジェクトについて適用された振り分けルールに従って、対応する既存オブジェクトが格納されているストレージノードと同じストレージノードに前記更新オブジェクトを振り分ける
　処理を前記プロセッサに実行させるための情報処理プログラム。