WO2019146650A1 - レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

レーザ光を導波するマルチモードファイバを備えたレーザ装置において、四光波混合の発生を抑制すること。レーザ装置(1)は、レーザが生成したレーザ光を導波するマルチモードファイバ(LDF)と、マルチモードファイバ(LDF)において生じ得る四光波混合のポンプ光となる上記レーザ光の高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を処理する高次モード処理部(MP)と、を備えている。

Description

レーザ装置
 本発明は、レーザ装置に関する。
 材料加工の分野では、近年、ファイバレーザ装置が広く用いられている。ファイバレーザ装置とは、コアに希土類が添加された光ファイバ(以下、「増幅用光ファイバ」とも記載)をレーザ媒質とするレーザ装置であり、共振器型のファイバレーザ装置やMOPA型ファイバレーザ装置などが知られている。
 ファイバレーザ装置では、高出力化を進めると、非線形光学効果が問題となる。例えば、非線形光学効果の一種である誘導ラマン散乱の散乱光は、レーザ光の発振を不安定化させたり、増幅用光ファイバにポンプ光を供給するポンプ光源の信頼性を低下させたりする原因となることが知られている。
 このような問題に対処するための技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、誘導ラマン散乱の散乱光のパワーを検出し、検出したパワーに応じて励起光源を制御するファイバレーザ装置が開示されている。
日本国公開特許公報「特開2015-95641号公報」
 本願発明者らは、マルチモードファイバを含むファイバレーザ装置の出力光に、複数の導波モードが関与する四光波混合のストークス光及びアンチストークス光が含まれていることを発見した。
 図6は、ファイバレーザ装置の出力光のスペクトルを示すグラフである。図6に示すグラフにおいては、レーザ光のパワーが1045W、2020W、3010W、4040W、5020Wとなる場合の各々について、ピークパワーで規格化した出力光のスペクトルを示している。図6に示すグラフにおいて、1070nmに現れたピークは、このファイバレーザ装置が発振するレーザ光に対応する。図6に示すグラフよれば、このレーザ光の他に、このレーザ光よりもピーク波長の長い光、及び、このレーザ光よりもピーク波長の短い光が存在していることを、確認することができる。発明者らはさらに検討を進め、これらの光は、複数の導波モードが関与する四光波混合のストークス光及びアンチストークス光であることを見出した。また、図6に示すグラフによれば、ストークス光及びアンチストークス光のパワーがレーザ光のパワーに対して指数関数的に増加することを、確認することができる。
 なお、図6に示す出力光のスペクトルは、誘導ラマン散乱の散乱光を抑制するための各種対策が施されたファイバレーザ装置によって得られたものである。このような対策が施されていないファイバレーザ装置では、四光波混合のストークス光の存在を確認することが困難となる場合がある。なぜなら、このような対策が施されていないファイバレーザ装置では、四光波混合のストークス光のピークが誘導ラマン散乱の散乱光のピークに埋もれてしまう場合があるからである。本願発明者らは、マルチモードファイバを備えたファイバレーザ装置に誘導ラマン散乱の散乱光を抑制する技術を適用することによって、四光波混合のストークス光及びアンチストークス光の存在を確認することに初めて成功した。
 四光波混合のストークス光及びアンチストークス光は、それらのパワーが大きくなると、誘導ラマン散乱の散乱光と同様、レーザ光の発振を不安定化させたり、増幅用光ファイバにポンプ光を供給するポンプ光源の信頼性を低下させたりする原因となる。したがって、レーザ光の発振が不安定化し難い、又は、ポンプ光源の信頼性が低下し難いファイバレーザ装置を実現するためには、四光波混合のストークス光及びアンチストークス光の一方又は両方のパワーをモニタすることが重要になる。
 上記のような問題は、ファイバレーザ装置に限らず、レーザ光を導波するマルチモードファイバを備えたレーザ装置一般において生じ得る。本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザ光を導波するマルチモードファイバを備えたレーザ装置において、四光波混合の発生を抑制することである。
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーザ装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、コアを備え、該コアが上記レーザ光を導波するマルチモードファイバと、上記コアにおいて四光波混合が生じた場合にポンプ光となる上記レーザ光の高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を処理する高次モード処理部と、を備えている。
 本発明の一態様によれば、レーザ光を導波するマルチモードファイバを備えたレーザ装置において、四光波混合の発生を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置の構成を示すブロック図である。 (a)は、図1に示したレーザ装置が備えている高次モード処理部の斜視図である。(b)は、(a)に示した高次モード処理部の一部を構成するフォトニックバンドギャップファイバの横断面図及び縦断面図である。 図2に示したフォトニックバンドギャップファイバが備えている第1コアと第2コアとの間における結合効率の長さ依存性を示すグラフである。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置が備えている高次モード処理部の斜視図である。(b)は、(a)に示した高次モード処理部が備えているコアの横断面図である。(c)及び(d)は、それぞれ、(a)に示した高次モード処理部を構成するコアを伝搬する基本モード(LP01)及び高次モード(LP11)の分布を示すコンター図である。 本発明の第3の実施形態に係るレーザ装置の構成を示すブロック図である。 マルチモードファイバを備えたファイバレーザ装置の出力光のスペクトルを示すグラフである。 (a)は、vパラメータが6であるマルチモードファイバに関して、伝搬定数差の周波数依存性を示すグラフである。(b)は、vパラメータが8であるマルチモードファイバに関して、伝搬定数差の周波数依存性を示すグラフである。(c)は、vパラメータが10であるマルチモードファイバに関して、伝搬定数差の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置が備えているフォトニックバンドギャップファイバにおける、第1コアを伝搬するLP11モードと第2コアを伝搬するLP01モードとの結合効率を、フォトニックバンドギャップファイバの素子長の関数として表したグラフである。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置が備えている高次モード処理部の斜視図であり、(b)は、高次モード処理部が備えるコアの断面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置が備えているコアにおけるLP01モード及びLP11モードのパワー分布を表すグラフであり、(b)は、高次モード処理部におけるLP01モード及びLP11モードの透過率を、高次モード処理部の関数として表したグラフである。
 本願発明者らは、マルチモードファイバを含むファイバレーザ装置の出力光に、複数の導波モードが関与する四光波混合のストークス光及びアンチストークス光が含まれていることを発見した。
 図6は、ファイバレーザ装置の出力光のスペクトルを示すグラフである。図6に示すグラフにおいては、レーザ光のパワーが1045W、2020W、3010W、4040W、5020Wとなる場合の各々について、ピークパワーで規格化した出力光のスペクトルを示している。図6に示すグラフにおいて、1070nmに現れたピークは、このファイバレーザ装置が発振するレーザ光に対応する。図6に示すグラフよれば、このレーザ光の他に、このレーザ光よりもピーク波長の長い光、及び、このレーザ光よりもピーク波長の短い光が存在していることを、確認することができる。また、図6に示すグラフによれば、これらの光のパワーがレーザ光のパワーに対して指数関数的に増加することを、確認することができる。
 本願発明者らが行った検討の結果、これらの光は、マルチモードファイバにおいて生じる、複数の導波モードが関与する四光波混合、より具体的には、LP01モードとLP11モードとが関与する四光波混合のストークス光及びアンチストークス光であることが分かった。なお、LP01モードとLP11モード以外の高次モードとが関与する四光波混合、又は、2つの高次モードとが関与する四光波混合がマルチモードファイバにおいて生じた場合に、この四光波混合のストークス光及びアンチストークス光がレーザ装置の出力光に含まれ得る。
 なお、図6に示す出力光のスペクトルは、誘導ラマン散乱の散乱光を抑制するための各種対策が施されたファイバレーザ装置によって得られたものである。このような対策が施されていないファイバレーザ装置では、四光波混合のストークス光の存在を確認することが困難となる場合がある。なぜなら、このような対策が施されていないファイバレーザ装置では、四光波混合のストークス光のピークが誘導ラマン散乱の散乱光のピークに埋もれてしまう場合があるからである。本願発明者らは、マルチモードファイバを備えたファイバレーザ装置に誘導ラマン散乱の散乱光を抑制する技術を適用することによって、四光波混合のストークス光及びアンチストークス光の存在を確認することに初めて成功した。
 〔第1の実施形態〕
 (レーザ装置の構成)
 本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置1について、図1を参照して説明する。図1は、レーザ装置1の構成を示すブロック図である。
 レーザ装置1は、単一波長のレーザ光を発振する加工用のファイバレーザ装置であり、図1に示すように、m個のポンプ光源PS1~PSm、m個のポンプデリバリファイバPDF1~PDFm、ポンプコンバイナPC、増幅用光ファイバAF、2個のファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2、レーザデリバリファイバLDF、レーザヘッドLH、モニタ装置としての検出器(不図示)、及び、制御装置としての制御部(不図示)を備えている。ポンプ光源PS1~PSmとポンプデリバリファイバPDF1~PDFmとは、互いに一対一に対応する。ここで、mは、2以上の任意の自然数であり、ポンプ光源PS1~PSm及びポンプデリバリファイバPDF1~PDFmの個数を表す。なお、図1においては、m=6の場合のレーザ装置1の構成例を示している。本節においては、検出器及び制御部以外の各部の構成について説明する。
 ポンプ光源PSj(jは1以上m以下の自然数)は、ポンプ光を生成する。ポンプ光としては、例えば、ピーク波長が975±3nm又は915±3nmのレーザ光を用いることができる。本実施形態においては、レーザダイオードをポンプ光源PS1~PSmとして用いている。ポンプ光源PSjは、対応するポンプデリバリファイバPDFjの入力端に接続されている。ポンプ光源PSjにて生成されたポンプ光は、このポンプデリバリファイバPDFiに入力される。
 ポンプデリバリファイバPDFjは、対応するポンプ光源PSjにて生成されたポンプ光を導波する。ポンプデリバリファイバPDFjの出力端は、ポンプコンバイナPCの入力ポートに接続されている。ポンプデリバリファイバPDFjを導波されたポンプ光は、この入力ポートを介してポンプコンバイナPCに入力される。
 ポンプコンバイナPCは、ポンプデリバリファイバPDF1~PDFmの各々を導波されたポンプ光を合波する。ポンプコンバイナPCの出力ポートは、第1ファイバブラッググレーティングFBG1を介して増幅用光ファイバAFの入力端に接続されている。ポンプコンバイナPCにて合波されたポンプ光のうち、第1ファイバブラッググレーティングFBG1を透過したポンプ光は、増幅用光ファイバAFに入力される。
 増幅用光ファイバAFは、第1ファイバブラッググレーティングFBG1を透過したポンプ光を用いて、特定の波長帯域(以下、「増幅帯域」と記載)に属するレーザ光を増幅する。本実施形態においては、コアに希土類元素(例えばイッテルビウム、ツリウム、セリウム、ネオジウム、ユーロピウム、エルビウムなど)が添加されたダブルクラッドファイバを増幅用光ファイバAFとして用いている。この場合、第1ファイバブラッググレーティングFBG1を透過したポンプ光は、この希土類元素を反転分布状態に維持するために用いられる。例えば、コアに添加された希土類元素がイッテルビウムの場合、増幅用光ファイバAFの増幅帯域は、例えば、1000nm以上1100nm以下の波長帯域である。この場合、レーザ装置1が発振するレーザ光の波長は、1000nm以上1100nm以下に設定される。増幅用光ファイバAFの出力端は、第2ファイバブラッググレーティングFBG2を介してレーザデリバリファイバLDFUの入力端に接続されている。
 ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2は、増幅用光ファイバAFの増幅帯域に含まれる特定の波長帯域(以下、「反射帯域」と記載)に属するレーザ光を反射する。第1ファイバブラッググレーティングFBG1は、反射帯域における反射率が第2ファイバブラッググレーティングFBG2よりも高く、ミラーとして機能する。この第1ファイバブラッググレーティングFBG1としては、例えば、中心波長が1070±3nmであり、半値全幅が3.5±0.5nmである反射帯域を有し、その反射帯域における反射率が99%以上であるファイバブラッググレーティングを用いることができる。一方、第2ファイバブラッググレーティングFBG2は、反射帯域における反射率が第1ファイバブラッググレーティングFBG1よりも低く、ハーフミラーとして機能する。この第2ファイバブラッググレーティングFBG2としては、例えば、中心波長が1070±3nmであり、半値全幅が3.5±0.5nmである反射帯域を有し、その反射帯域における反射率が60%であるファイバブラッググレーティングを用いることができる。このため、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2の反射帯域に属するレーザ光は、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2にて繰り返し反射され、増幅用光ファイバAFにて再帰的に増幅される。このように、増幅用光ファイバAFは、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2と共に、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2の反射帯域に属するレーザ光を発振する発振器を構成する。増幅用光ファイバAFにて再帰的に増幅されたレーザ光のうち、第2ファイバブラッググレーティングFBG2を透過したレーザ光は、レーザデリバリファイバLDFに入力される。なお、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2の反射帯域の中心波長は、1070±3nmの他に、例えば、1030nm、1040nm、1050nm、1060nm、1070nm、1080mm、1087±6nm、1090nmであり得る。したがって、レーザ装置1の発振波長は、1070±3nmの他に、例えば、1030nm、1040nm、1050nm、1060nm、1070nm、1080mm、1087±6nm、1090nmであり得る。
 レーザデリバリファイバLDFは、第2ファイバブラッググレーティングFBG2を透過したレーザ光を導波する。レーザデリバリファイバLDFの出力端は、レーザヘッドLHに接続されている。レーザデリバリファイバLDFを導波されたレーザ光は、このレーザヘッドLHを介して加工対象物Wに照射される。
 (マルチモードファイバにおける四光波混合)
 レーザ装置1を構成する増幅用光ファイバAF、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2、及びレーザデリバリファイバLDFは、マルチモードファイバにより実現し得る。本実施形態では、レーザデリバリファイバLDFをマルチモードファイバとしている。このため、レーザ装置1では、レーザデリバリファイバLDFにおいて、複数の導波モードが関与する四光波混合によって、ストークス光が増幅され、アンチストークス光が生成され得る。なお、増幅用光ファイバAFをマルチモードファイバにより実現した場合には、増幅用光ファイバAFにおいても、複数の導波モードが関与する四光波混合が生じ得る。
 ここで、複数の導波モードが関与する四光波混合とは、マルチモードファイバを導波されるレーザ光の基本モードの光及び高次モードの光をポンプ光として、或いは、マルチモードファイバを導波されるレーザ光の第1の高次モード成分と第2の高次モード成分をポンプ光として、周波数整合条件及び位相整合条件の両方を満たすストークス光及びアンチストークス光が増幅又は生成される現象のことを指す。ここで、基本モードとしては、LP01モードが挙げられる。また、高次モードとしては、LP11モード、LP21モード、LP02モード、LP31モード、LP12モードなどが挙げられる。
 例えば、マルチモードファイバを導波されるレーザ光のLP01モード成分及びLP11モード成分をポンプ光として、LP11モードのストークス光が増幅され、LP01モードのアンチストークス光が生成される場合、周波数整合条件及び位相整合条件は、以下のように書き下すことができる。
 周波数整合条件:ωs+ωas=2ωp、・・・(1)
 位相整合条件:β’(ωs)+β(ωas)=β(ωp)+β’(ωp)-γ(P+P’)。・・・(2b)
 また、マルチモードファイバを導波されるレーザ光のLP01モード成分及びLP11モード成分をポンプ光として、LP01モードのストークス光とLP11モードのアンチストークス光とが生成される場合、周波数整合条件及び位相整合条件は、以下のように書き下すことができる。
 周波数整合条件:ωs+ωas=2ωp、・・・(1)
 位相整合条件:β(ωs)+β’(ωas)=β(ωp)+β’(ωp)-γ(P+P’)。・・・(2a)
 ここで、ωpは、レーザ光のピーク角周波数であり、ωsは、ストークス光のピーク角周波数であり、ωasは、アンチストークス光のピーク角周波数である。また、β(ω)は、角周波数ωのLP01モードに対するマルチモードファイバの伝搬定数であり、β’(ω)は、角周波数ωのLP11モードに対するマルチモードファイバの伝搬定数である。また、Pは、レーザ光のLP01モード成分のパワーであり、P’は、レーザ光のLP11モード成分のパワーである。また、γは、非線形係数である。
 ここで、LP01モードに対するマルチモードファイバの伝搬定数β(ω)は、角周波数ωを変数とする公知の多項式により与えられ、マルチモードファイバの分散をその係数として含む。同様に、LP11モードに対するマルチモードファイバの伝搬定数β’(ω)は、角周波数ωを変数とする公知の多項式により与えられ、マルチモードファイバの分散をその係数として含む。したがって、マルチモードファイバの分散を変えれば、伝搬定数β(ω),β’(ω)の関数形が変わる。そして、伝搬定数β(ω),β’(ω)の関数形が変われば、周波数整合条件及び位相整合条件の両方を満たす角周波数ωs,ωas、すなわち、ストークス光及びアンチストークス光のピーク角周波数ωs,ωasが変わる。そして、ストークス光及びアンチストークス光のピーク角周波数ωs,ωasが変われば、ストークス光及びアンチストークス光のピーク波長が変わる。したがって、マルチモードファイバにおいて生じる、四光波混合のストークス光及びアンチストークス光のピーク波長は、そのマルチモードファイバの分散に応じて決まる。なお、マルチモードファイバの分散は、公知の方法、例えば、マルチモードファイバの屈折率分布を測定することによって求められる。
 なお、ここでは、LP01モードとLP11モードとが関与する四光波混合について説明したが、マルチモードファイバにおける四光波混合に関与する導波モードは、LP01モード及びLP11モードに限定されない。すなわち、マルチモードファイバの導波モードから任意に選択された2つの導波モードが関与する四光波混合が生じ得る。例えば、LP11モードとLP21モードとが関与する四光波混合のように、第1の高次モードと第2の高次モードとが関与する四光波混合が生じ得る。この場合の周波数整合条件及び位相整合条件は、LP01モードとLP11モードとの間の四光波混合と同様に与えられる。
 本願発明者らは、LP01モードとLPmnモード(LP01モード、LP11モード、LP21モード、LP02モード、LP31モード)との組み合わせに関して、下記の式により定義される伝播定数差Δβを計算した。下記の式(3)において、βmnは、LPmnモードの伝搬定数を表し、f0は、四光波混合のポンプ光となるレーザ光の周波数を表す。また、βmnの後に付したf=f0+Δfは、そのβmnが周波数f=f0+Δfにおける伝搬定数であることを表し、βmnの後に付したf=f0-Δfは、そのβmnが周波数f=f0-Δfにおける伝搬定数であることを表し、βmnの後に付したf=f0は、βmnが周波数f=f0における伝搬定数であることを表す。
 Δβ=βmnf=f0-Δf+β01f=f0+Δf-β01f=f0-βmnf=f0 ・・・(3)
 上記の式(3)により定義される伝播定数差Δβが0になるΔfが存在する場合、周波数fがf0-ΔfであるLPmnモードのストークス光が増幅され、周波数fがf0+ΔfであるLP01モードのアンチストークス光が生成される四光波混合が生じる。上記の式(3)に現れるΔfのことを、「周波数シフト」と呼ぶ。
 図7の(a)は、vパラメータが6であるマルチモードファイバに関して、本願発明者らが計算した伝播定数差Δβの周波数シフトΔf依存性を示すグラフである。図7の(b)は、vパラメータが8であるマルチモードファイバに関して、本願発明者らが計算した伝播定数差Δβの周波数シフトΔf依存性を示すグラフである。図7の(c)は、vパラメータが10であるマルチモードファイバに関して、本願発明者らが計算した伝播定数差Δβの周波数シフトΔf依存性を示すグラフである。ここで、vパラメータとは、aをコア径、nをコアの屈折率、nをクラッドの屈折率、λをレーザ光のピーク波長として、下記の式(4)により定義される量である。
 v=2πa(n -n 1/2/λ ・・・(4)
 図7によると、vパラメータが6、8、10のマルチモードファイバでは、LP11モードのストークス光が増幅され、LP01モードのアンチストークス光が生成される四光波混合が生じることが確かめられる。この場合の周波数シフトΔfは、5~6THz程度(波長15~20nm程度に相当)である。また、図7によると、vパラメータが6、8、10のマルチモードファイバでは、より高次の導波モード(例えば、LP21モード、LP02モード、LP31モード)のストークス光が増幅され、LP01モードのアンチストークス光が生成される四光波混合も生じ得ることが示唆される。このときの周波数シフトΔfは、8THzよりも大きくなる。
 レーザ装置1において、マルチモードファイバであるレーザデリバリファイバLDFを導波されるレーザ光には、(a)増幅用光ファイバAFにて増幅された後、レーザデリバリファイバLDFを順方向(レーザ光の出射方向と同方向)に導波されるレーザ光と、(b)加工対象物Wにて反射された後、レーザデリバリファイバLDFを逆方向(レーザ光の出射方向と逆方向)に導波されるレーザ光と、が含まれる。レーザデリバリファイバLDFを順方向に導波されるレーザ光の2つの導波モードをポンプ光とする四光波混合のストークス光及びアンチストークス光は、(1)レーザデリバリファイバLDFを順方向に導波され、(2)加工対象物Wにて反射され、(3)レーザデリバリファイバLDFを逆方向に導波された後、第2ファイバブラッググレーティングFBG2を介して増幅用光ファイバAFに入射する。一方、レーザデリバリファイバLDFを逆方向に導波されるレーザ光の2つの導波モードをポンプ光とする四光波混合のストークス光及びアンチストークス光は、レーザデリバリファイバLDFを逆方向に導波された後、第2ファイバブラッググレーティングFBG2を介して増幅用光ファイバAFに入射する。
 第2ファイバブラッググレーティングFBG2を介して増幅用光ファイバAFに入射したストークス光及びアンチストークス光は、そのピーク波長又はそのピーク波長周辺の波長が増幅用光ファイバAFの増幅帯域に含まれている場合、増幅用光ファイバAFを導波される過程で増幅される場合がある。このため、増幅用光ファイバAFを逆方向に導波されるストークス光及びアンチストークス光のパワーが大きくなる場合がある。このようなパワーの大きいストークス光及びアンチストークス光が増幅用光ファイバAFを導波されると、レーザ光の発振が不安定になる可能性がある。また、このようなパワーの大きいストークス光及びアンチストークス光が、増幅用光ファイバAFの上流側から出射され、ポンプ光源PS1~PSmに入射すると、ポンプ光源PS1~PSmの信頼性が低下する可能性がある。
 なお、本明細書において、「マルチモードファイバ」とは、2個以上の導波モードを有する光ファイバのことを指す。マルチモードファイバの有する導波モードの個数は、マルチモードファイバの設計に応じて決まり、例えば10個である。2個以上10個以下の導波モードを有する所謂フューモードファイバは、マルチモードファイバの一例である。また、本明細書において、「ストークス光」とは、特にことわりがない場合、マルチモードにおいて複数の導波モードが関与する四光波混合によって生じるストークス光のことを指し、「アンチストークス光」とは、特にことわりがない場合、マルチモードにおいて複数の導波モードが関与する四光波混合によって生じるアンチストークス光のことを指す。
 (高次モード処理部)
 本実施形態に係るレーザ装置1は、コアとクラッドとを備えたマルチモードファイバにおいて生じる、複数の導波モードが関与する四光波混合の発生を抑制するために、高次モード処理部MPを更に備えている(図1参照)。高次モード処理部MPは、上記マルチモードファイバのコアにおいて四光波混合が生じた場合にポンプ光となる上記レーザ光の高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を処理するための構成である。なお、本実施形態においては、基本モードであるLP01と、最低次の高次モードであるLP11とが四光波混合のポンプ光となる場合を例とする。
 ところで、マルチモードファイバにおいて生じ得る四光波混合のポンプ光となり得るレーザ光の高次モードの光は、LP11モードに限定されるものではない。このことは、図7に示した伝搬定数差の周波数依存性を示すグラフからも明らかである。たとえば、図7の(a)に示したようにvパラメータが6であるマルチモードファイバを例とした場合、LP11のみならずLP21、LP02、及びLP31も四光波混合のポンプ光となり得る。また、図7の(a)には図示していないが、LP12及びLP41も四光波混合のポンプ光となり得る。
 なお、本願発明者らが検討した結果、本実施形態において取り扱う最低次の高次モードであるLP11をポンプ光の1つとする四光波混合は、上述したような様々な高次モードをポンプ光の1つとする四光波混合を考え得るなかで、観測可能な条件内において周波数整合条件及び位相整合条件の両方を満たしやすい組み合わせてであることが分かった。実際、図6に示したグラフに現れている2つのピークであって、レーザ光のピーク波長を挟み込む2つのピークは、基本モードであるLP01と、最低次の高次モードであるLP11とをポンプ光とする四光波混合のストークス光とアンチストークス光とに起因するピークであることが本願発明者らの検討により分かった。
 この構成によれば、レーザ装置1は、マルチモードファイバのコアにおいて四光波混合が生じ得る場合にポンプ光となる高次モードの光に対して、該コアの内部から外部へ取り出す、又は、該コアの内部においてそのパワーを低下させるという処理を施すことによって、該コアの内部から除去することができる。したがって、レーザ装置1は、四光波混合の発生を抑制することができる。
 本実施形態の高次モード処理部MPは、レーザデリバリファイバLDFの上流側端部及び下流側端部の少なくとも何れかに設けられていればよい。本実施形態では、ポンプ光源PSjが配置されている側を上流側と呼び、レーザヘッドLHが配置されている側を下流側と呼ぶ。したがって、図1に示すように、第1ファイバブラッググレーティングFBG1から第2ファイバブラッググレーティングFBG2に向かう方向をx軸正方向とした場合、x軸負方向側が上流側であり、x軸正方向側が下流側である。
 本実施形態の高次モード処理部MPは、図1及び図2の(a)に示すように、レーザデリバリファイバLDFの中途区間に挿入されている。ここで、高次モード処理部MPによって分断されたレーザデリバリファイバLDFのうち、上流側のレーザデリバリファイバのことを上流レーザデリバリファイバLDFUと称し、下流側のレーザデリバリファイバのことを下流レーザデリバリファイバLDFDと称する。なお、レーザデリバリファイバLDFの上流側端部に高次モード処理部MPを設ける場合には、第2ファイバブラッググレーティングFBG2とレーザデリバリファイバLDFとの間に介在するように高次モード処理部MPを設ければよい。また、レーザデリバリファイバLDFの下流側端部に高次モード処理部MPを設ける場合には、レーザデリバリファイバLDFとレーザヘッドLHの間に介在するように高次モード処理部MPを設ければよい。
 なお、本実施形態において、レーザデリバリファイバLDFは、図2の(a)に示すように、コアCOと、クラッドCLとにより構成されたシングルクラッドファイバである。コアCOの実効断面積Aeffは、レーザデリバリファイバLDFがマルチモードファイバ(フューモードファイバ)とし機能するように定められている。実効断面積Aeffは、例えば、レーザデリバリファイバLDFが許容すべき導波モードの個数に鑑みて適宜定めることができる。レーザデリバリファイバLDFがマルチモードファイバとして機能するため、それを分断することによって得られる上流レーザデリバリファイバLDFU及び下流レーザデリバリファイバLDFDの各々も当然のことながらマルチモードファイバとして機能する。
 図2の(a)に示すように、高次モード処理部MPは、フォトニックバンドギャップファイバPBGFと、クラッドモードストリッパCMSとにより構成されている。図2の(a)は、高次モード処理部MPの斜視図である。図2の(b)は、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの横断面図及び縦断面図である。ここで、横断面とは、後述する第1コアCOP1の中心軸に直交する断面を意味し、縦断面とは、図2の(b)の横断面に示した直線AA’に沿った断面を意味する。直線AA’は、横断面に含まれる直線のうち第1コアCOP1の中心と第2コアCOP2の中心とを通る直線である。なお、図2の(b)に示した座標系において、図2の(a)に示したx軸正方向と一致する方向をx軸正方向と定めている。図2の(b)に示した座標系において、(1)直線AA’に沿った方向のうち、第2コアCOP2の中心から第1コアCOP1の中心へ向かう方向をy軸正方向と定め、(2)x軸正方向及びy軸正方向と共に右手系の直交座標系を構成する方向をz軸正方向と定めている。
 フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、図2の(b)に示すように、第1コアCOP1と、第2コアCOP2と、クラッドCLPと、複数の高屈折率ロッドHIRとを備えている。第1コアCOP1と、第2コアCOP2とは、互いに並走するよう(本実施形態では平行)に配置されている。なお、図2の(a)においては、第1コアCOP1及び第2コアCOP2の形状を判別しやすくするため、高屈折率ロッドHIRの図示を省略している。
 第1コアCOP1、第2コアCOP2、クラッドCLP、及び複数の高屈折率ロッドHIRの各々は、何れも柔軟性を有し、例えば、x軸方向に沿って一直線状に延伸した状態においては、円柱状の形状を有する。それぞれの外径の大小関係は、高屈折率ロッドHIRの外径<第1コアCOP1の外径=第2コアCOP2の外径<クラッドCLPの外径となっている。なお、クラッドCLPの外径及び第1コアCOP1の外径の各々は、それぞれ、レーザデリバリファイバLDFのクラッドCLの外径及びコアCOの外径と等しくなるように構成されている。
 図2の(b)の横断面図に示すように、第1コアCOP1と、クラッドCLPとは互いに同心円状に配置されており、第1コアCOP1の側面をクラッドCLPが取り囲むように配置されている。すなわち、図2の(a)に示した状態において、第1コアCOP1の中心軸とクラッドCLPの中心軸とは一致しており、x軸方向に沿っている。
 第2コアCOP2は、クラッドCLPの内部であって、第1コアCOP1が配置されていない部分、すなわち、クラッドCLPの中心から偏心した位置に配置されている。第2コアCOP2の中心軸は、第1コアCOP1の中心軸及びクラッドCLPの中心軸の各々に沿っている(本実施形態では平行である)。第1コアCOP1と第2コアCOP2との間に生じる結合の強さは、主に第1コアCOP1と第2コアCOP2との中心間距離に依存している。したがって、この中心間距離は、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの設計パラメータの1つである。
 第1コアCOP1の屈折率nCOP1は、クラッドCLPの屈折率nCLPよりも高く、例えばレーザデリバリファイバLDFのコアCOの屈折率nCOと等しくなるように構成されている。一方、第2コアCOP2の屈折率nCOP2は、屈折率nCOP1を下回り、クラッドCLPの屈折率nCLPと等しいか屈折率nCLPを上回るように構成されている。
 複数の高屈折率ロッドHIRは、クラッドCLPの内部であって、第1コアCOP1及び第2コアCOP2が配置されていない部分に配置されている。各高屈折率ロッドHIRは、互いに沿うように(本実施形態では平行に)配置されている。また、各高屈折率ロッドHIRの中心軸は、第1コアCOP1、第2コアCOP2、及びクラッドCLPの各々の中心軸に沿っている(本実施形態では平行である)。複数の高屈折率ロッドHIRの各々は、横断面を平面視した場合に、六方細密構造をとるように配置されている。また、高屈折率ロッドHIRの屈折率nHIRは、屈折率nCOP1を上回るように構成されている。隣接する高屈折率ロッドHIR同士の中心間距離、及び、屈折率nHIRは、何れもフォトニックバンドギャップファイバPBGFの設計パラメータの1つである。
 フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、上述した複数の設計パラメータを好適に定めることによって、レーザ光の所定の波長(本実施形態においては1070nm)において、第1コアCOP1におけるLP11の実行屈折率と、第2コアCOP2におけるLP01の実効屈折率とが互いに整合するように構成されている。このように構成されたフォトニックバンドギャップファイバPBGFにおいて、第1コアCOP1をLP01及びLP11が伝搬する場合、LP01は、第2コアCOP2と結合せず第1コアCOP1の内部及び近傍に分布して伝搬する。一方で、第1コアCOP1を伝搬するLP11は、第2コアCOP2を伝搬するLP01モードと結合する。そのため、第1コアCOP1の一方の端面に入射したLP11は、第1コアCOP1におけるLP11及び第2コアCOP2におけるLP01としてフォトニックバンドギャップファイバPBGFを伝搬する。
 ここで、LP11モードにおける第1コアCOP1と第2コアCOP2との間における結合係数は、図3に示すように0と1との間で周期的に振動する。結合係数が0である場合、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において第1コアCOP1に入射したLP11は、第1コアCOP1におけるLP11として伝搬する。一方、結合係数が1である場合、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において第1コアCOP1に入射したLP11は、第2コアCOP2におけるLP01として伝搬する。
 したがって、結合係数が1となるようにフォトニックバンドギャップファイバPBGFの長さLを定めることによって(具体的には、図3に示した長さL1、又は、長さL1の奇数倍となるように長さLを定めることによって)、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において第1コアCOP1に入射したLP11は、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの他方の端面において第2コアCOP2から出射される。
 このように、長さLが長さL1、又は、長さL1の奇数倍となるフォトニックバンドギャップファイバPBGFは、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において第1コアCOP1にLP01及びLP11が入射した場合に、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの他方の端面において、LP01を第1コアCOP1から出射し、LP11を第2コアCOP2から出射する。すなわち、このように構成されたフォトニックバンドギャップファイバPBGFにおいて、LP11が第1コアCOP1から第2コアCOP2へ取り出される際に、LP11からLP01へ変換されて取り出される。このようにして、フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、LP01とLP11とを分離することができる。
 なお、本実施形態において、フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、第1コアCOP1を伝搬するLP11と、第2コアCOP2を伝搬するLP01モードとを結合するように構成されている。しかし、フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、第1コアCOP1を伝搬するLP11と、第2コアCOP2を伝搬するモードのうちLP01モード以外の何れかのモードとを結合するように構成されていてもよい。
 なお、本実施形態では、一方のポンプ光となる高次モードの光がLP11である場合について説明しているため、フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、上述したように構成されている。しかし、フォトニックバンドギャップファイバPBGFは、本実施形態の構成に限定されるものではなく、一方のポンプ光となる高次モードの光のモードに応じて適宜設計することができる。例えば、一方のポンプ光となる高次モードの光がLP21である場合、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一例は、LP21を第1コアCOP1から第2コアCOP2へ取り出される際に、LP21からLP01へ変換されて取り出すように構成されていればよい。
 クラッドモードストリッパCMSは、コアCOCとクラッドCLCとを備えた光ファイバである。クラッドモードストリッパCMSは、レーザデリバリファイバLDFのクラッドCLの外側面に、該外側面を覆う樹脂層RLを形成することによって得られる。したがって、コアCOC及びクラッドCLCの各々は、それぞれコアCOとクラッドCLと同じ構成を有する。そのため、クラッドモードストリッパCMSは、レーザデリバリファイバLDFと同様にマルチモードファイバとして機能する。
 樹脂層RLを構成する樹脂材料は、その屈折率nRLがクラッドCLの屈折率nCLを上回るように構成されている。nRL>nCLであることにより、クラッドモードストリッパCMSは、クラッドCLに分布しているクラッドモード光を樹脂層RLに浸み出させ、最終的には、クラッドモードストリッパCMSの外部へ散逸させることができる。したがって、クラッドモードストリッパCMSは、クラッドCLに分布しているクラッドモード光を除去することができる。なお、クラッドモードストリッパのコアCOC及びクラッドCLCの各々は、それぞれ、実質的に下流レーザデリバリファイバLDFDのコアCO及びクラッドCLと連続した1つの部材である。しかし、以下では、コアCOC及びクラッドCLCに対してコアCO及びクラッドCLとは異なる符号を付けることによって区別する。
 本実施形態において、増幅用光ファイバAFが生成したレーザ光は、x軸方向に沿ってレーザデリバリファイバLDFを伝搬する。そこで、本実施形態では、(1)フォトニックバンドギャップファイバPBGFの上流側の端面(すなわち入射端面)を上流レーザデリバリファイバLDFUの下流側の端面(すなわち出射端面)に接続し、(2)フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側の端面(すなわち出射端面)をクラッドモードストリッパCMSの上流側の端面(すなわち入射端面)に接続し、(3)クラッドモードストリッパCMSの下流側の端面(すなわち出射端面)を下流レーザデリバリファイバLDFDの上流側の端面(すなわち入射端面)に接続している。換言すれば、クラッドモードストリッパCMSは、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側に設けられている。
 したがって、コアCOCは、クラッドモードストリッパCMSの入射端面において第1コアCOP1に光学的に接続されており、クラッドCLCは、該入射端面において第2コアCOP2に光学的に接続されている。クラッドCLCに対して第2コアCOP2から結合したLP01は、クラッドCLCを伝搬するクラッドモード光となる。上述したようにクラッドCLCの外側面には樹脂層RLが形成されているため、クラッドモード光は、樹脂層RLを介してクラッドCLCの外部へ散逸する。すなわち、クラッドモードストリッパCMSは、クラッドモード光をクラッドCLCの外部へ散逸させる。また、第1コアCOP1は、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの入射端面において上流レーザデリバリファイバLDFUのコアCOに光学的に接続されており、第2コアCOP2は、該入射端面において上流レーザデリバリファイバLDFUのクラッドCLに光学的に接続されている。
 このように構成された高次モード処理部MPによれば、上流レーザデリバリファイバLDFUのコアCOをx軸方向に(順方向に)伝搬してきたレーザ光が基本モードであるLP01と高次モードであるLP11とを含んでいる場合、LP01は、そのまま第1コアCOP1とコアCOCとを伝搬して、下流レーザデリバリファイバLDFDのコアCOに至る。一方、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの入射端面において第1コアCOP1に入射したLP11は、上述したようにフォトニックバンドギャップファイバPBGFの出射端面において第2コアCOP2からLP01として出射される。第2コアCOP2から出射されたLP01は、クラッドCLCに入射し、樹脂層RLを介してクラッドモードストリッパCMSの外部へ散逸する。したがって、高次モード処理部MPは、レーザデリバリファイバLDFにおいて生じ得る四光波混合のポンプ光となるレーザ光の高次モード成分(すなわちLP11)を除去することができる。結果として、下流レーザデリバリファイバLDFDのコアCOを伝搬するモードは、そのほとんどがLP01となるため、レーザ装置1は、下流レーザデリバリファイバLDFDにおいて生じ得る四光波混合を抑制することができる。
 本実施形態においては、結合係数が1となるようにフォトニックバンドギャップファイバPBGFの長さLを定める場合を例として、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの機能について説明した。しかし、長さLは、結合係数が1となる場合に限定されるものではない。第1コアCOP1に入射したLP11のうちある程度のLP11を第2コアCOP2のLP01に変換することができれば、下流レーザデリバリファイバLDFDのコアCOを伝搬するLP11の強度を抑制することができるため、レーザ装置1は、四光波混合をある程度抑制することができる。そのため、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの長さLは、図3に示した結合効率が少なくとも0.5以上となるように定められていることが好ましい。
 本実施形態においては、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側にクラッドモードストリッパCMSが設けられている場合を例に、高次モード処理部MPの機能を説明した。しかし、クラッドモードストリッパCMSは、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの上流側に設けられていてもよいし、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側及び上流側の両方に設けられていてもよい。フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側及び上流側の両方にクラッドモードストリッパCMSが設けられている場合、これらのクラッドモードストリッパCMSの各々は、請求の範囲に記載の第1クラッドモードストリッパ及び第2クラッドモードストリッパに対応する。
 フォトニックバンドギャップファイバPBGFの上流側にクラッドモードストリッパCMSが設けられている場合、クラッドモードストリッパCMSは、x軸負方向(逆方向)に伝搬するレーザ光(すなわち戻りレーザ光)にLP11が含まれている場合に、このLP11を除去することができる。しがって、前者の構成を採用したレーザ装置1は、上流レーザデリバリファイバLDFU及び増幅用光ファイバAFにおいて生じ得る四光波混合を抑制することができる。
 また、クラッドモードストリッパCMSが戻りレーザ光に含まれているLP11を除去可能であるため、この構成の高次モード処理部MPは、戻り光のパワーを低減することができる。したがって、レーザ装置1は、加工対象物Wにて反射されたレーザ光が戻りレーザ光となり得る場合であっても、その戻りレーザ光がレーザ装置1(特に各ポンプ光源PSj)の信頼性を低下させることを抑制することができる。
 フォトニックバンドギャップファイバPBGFの下流側及び上流側にクラッドモードストリッパCMSが設けられている場合、順方向に伝搬するレーザ光に含まれているLP11と、逆方向に伝搬するレーザ光に含まれているLP11とを何れも除去することができる。したがって、後者の構成を採用したレーザ装置1は、下流レーザデリバリファイバLDFD、上流レーザデリバリファイバLDFU、及び増幅用光ファイバAFにおいて生じ得る四光波混合を抑制することができる。
 本実施形態においては、クラッドモードストリッパCMSの樹脂層RLの上流側の端部がクラッドモードストリッパCMSの入射端面と一致するように構成されている。したがって、該入射端面において、コアCOCは、第1コアCOP1と直接接続されている。しかし、クラッドモードストリッパCMSの樹脂層RLの上流側の端部は、クラッドモードストリッパCMSの入射端面よりx軸正方向側に位置するように構成されていてもよい。この場合、クラッドモードストリッパCMSとフォトニックバンドギャップファイバPBGFとの間にはレーザデリバリファイバが介在することになり、コアCOCは、第1コアCOP1と間接的に接続されることになる。この場合であっても、高次モード処理部MPは、図2の(a)に示した構成と同様の効果を奏することができる。
 なお、クラッドモードストリッパCMSをフォトニックバンドギャップファイバPBGFの上流側に配置する場合であっても、上述した場合と同様に、クラッドモードストリッパCMSとフォトニックバンドギャップファイバPBGFとの間にレーザデリバリファイバが介在してもよい。
 〔第1の実施形態におけるフォトニックバンドギャップファイバの実施例〕
 第1の実施形態におけるフォトニックバンドギャップファイバPBGFの実施例について、図8を参照して説明する。
 本実施例においては、フォトニックバンドギャップファイバPBFGの緒元を、以下のように定めた。
 第1コアCOP1の直径:13.8μm、
 第1コアCOP1の屈折率:1.45、
 第2コアCOP2の直径:13.8μm、
 第2コアCOP2の屈折率:1.4465、
 クラッドCLPの屈折率:1.45、
 高屈折率ロッドHIRの直径:1.6μm、
 高屈折率ロッドHIRの屈折率:1.7、
 高屈折率ロッドHIRの間隔:4μm。
 図8は、本実施例に係るフォトニックバンドギャップファイバPFGFにおける、第1コアCOP1を伝搬するLP11モードと第2コアCOP2を伝搬するLP01モードとの結合効率を、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの素子長Lの関数として表したグラフである。
 図8に示すグラフによれば、素子長Lが4.35mmのときに、上記の結合効率が1になることが分かる。したがって、素子長Lを4.35mmに設定すれば、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において、LP11モードとして第1コアCOP1に入射した光を、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの他方の端面において、LP01モードとして出射することができる。素子長Lが4.35mmの奇数倍であるときにも、同様のことが可能である。
 なお、素子長Lが3.68mm×n以上5.01mm×n以下(nは任意の奇数)であれば、上記の結合効率が0.95以上になる。また、素子長Lが3.42mm×n以上5.27以下(nは任意の奇数)であれば、上記の結合効率が0.9以上になる。また、素子長Lが3.04mm×n以上5.66mm以下であれば、上記の結合効率が0.8以上になる。これらの構成を採用する場合であっても、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの一方の端面において、LP11モードとして第1コアCOP1に入射した光の大部分を、フォトニックバンドギャップファイバPBGFの他方の端面において、LP01モードとして出射することができる。
 〔第2の実施形態〕
 本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置が備えている高次モード処理部MP’について、図4を参照して説明する。図4の(a)は、高次モード処理部MP’の斜視図である。図4の(b)は、高次モード処理部MP’が備えているコアCOMの横断面図である。図4の(c)及び(d)は、それぞれ、コアCOMを伝搬する基本モード(LP01)及び高次モード(LP11)の分布を示すコンター図である。なお、本実施形態に係るレーザ装置は、高次モード処理部MP’を除いて図1に示したレーザ装置1と同じ構成を有する。
 図4の(a)に示すように、高次モード処理部MP’は、レーザデリバリファイバLDFの中途区間に挿入されている。換言すれば、高次モード処理部MP’は、レーザデリバリファイバLDFを構成する上流レーザデリバリファイバLDFUの下流側端部であり、且つ、下流レーザデリバリファイバLDFDの上流側端部である位置に設けられている。本実施形態において、上流レーザデリバリファイバLDFU又は下流レーザデリバリファイバLDFDは、請求の範囲に記載の第1のマルチモードファイバの一態様である。
 高次モード処理部MP’は、図4の(a)に示すように、コアCOMとクラッドCLMとを備えたマルチモードファイバにより構成されている。この高次モード処理部MP’を構成するマルチモードファイバは、請求の範囲に記載の第2のマルチモードファイバの一態様である。高次モード処理部MP’は、コアCOMの内部に形成された第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2を更に備えている。
 コアCOM、クラッドCLM、第1添加ロッドDL1、及び第2添加ロッドDL2の各々は、何れも柔軟性を有し、例えば、x軸方向に沿って一直線状に延伸した状態においては、円柱状の形状を有する。コアCOMの外径は、コアCOの外径と一致するように構成されている。また、クラッドCLMの外径は、クラッドCLの外径と一致するように構成されている。
 第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2の各々には、レーザ光のパワーを低下させる添加物が添加されている。この添加物は、レーザ光を吸収することによってレーザ光のパワーを低下させるものであってもよいし、レーザ光を散乱することによってレーザ光のパワーを低下させるものであってもよい。この添加物の例としては、鉄(Fe)や、銅(Cu)などの金属が挙げられるが、上述したレーザ光のパワーを低下させることができる添加物であればどのような添加物であってもよい。
 図4の(c)に示すように、コアCOMを伝搬するLP01の分布強度は、コアCOMの中心において最も高くなり、その中心から遠ざかれば遠ざかるほど低下する。一方、図4の(d)に示すように、コアCOMを伝搬するLP11の分布強度は、コアCOMの中心からy軸正方向及びy軸負方向に偏心した2つの極大点において最も高くなり、コアCOMの中心に近づけば近づくほど低下する。したがって、上述した2つの極大点の近傍領域においては、LP11の強度がLP01の強度を上回る。
 図4の(b)には、LP01の強度がLP11の強度より顕著に高くなる領域である領域R01と、LP11の強度がLP01の強度より顕著に高くなる領域である領域R11とを二点鎖線で図示している。図4の(b)の横断面に示すように、第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2の各々は、領域R11の少なくとも一部と重なるように配置されている。換言すれば、第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2の各々は、LP01の強度がLP11の強度より顕著に高くなる領域である領域R01には重ならないように配置されている。すなわち、上記添加物は、LP11モードの光の強度がLP01モードの強度を下回る領域の少なくとも一部には添加されていない。
 このように構成された第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2は、コアCOMをLP01及びLP11が伝搬する過程において、LP01及びLP11の双方のパワーを低下させる。しかし、LP01のパワーの低下量と、LP11のパワーの低下量とを比較した場合、LP11のパワーの低下量がLP01のパワーの低下量を上回る。したがって、高次モード処理部MP’は、マルチモードファイバにおいて生じ得る四光波混合のポンプ光となるLP11を除去することができる。換言すれば、高次モード処理部MP’を備えたレーザ装置1は、四光波混合の発生を抑制することができる。
 第1添加ロッドDL1及び第2添加ロッドDL2は、順方向に伝搬するレーザ光に含まれているLP11と、逆方向に伝搬するレーザ光に含まれているLP11とを区別することなく、そのパワーを低下させることができる。したがって、高次モード処理部MP’は、下流レーザデリバリファイバLDFDにおいて生じ得る四光波混合と、上流レーザデリバリファイバLDFU及び増幅用光ファイバAFにおいて生じ得る四光波混合との両方を抑制することができる。
 なお、高次モード処理部MP’の長さLは、低下させたいLP11のパワーに鑑み適宜設定することができる。
 〔第2の実施形態における高次モード処理部の変形例〕
 第2の実施形態における高次モード処理部MP’の変形例(以下、「高次モード処理部MP”」と記載する)について、図9及び図10を参照して説明する。
 図9の(a)は、高次モード処理部MP”の斜視図であり、図9の(b)は、高次モード処理部MP”が備えるコアCOMの断面図である。
 図9の(a)に示すように、高次モード処理部MP”は、レーザデリバリファイバLDFの中途区間に挿入されている。換言すれば、高次モード処理部MP”は、上流レーザデリバリファイバLDFUの下流側端部と、下流レーザデリバリファイバLDFDの上流側端部との間に設けられている。本実施形態において、上流レーザデリバリファイバLDFU又は下流レーザデリバリファイバLDFDは、請求の範囲に記載の第1のマルチモードファイバの一態様である。高次モード処理部MP”は、コアCOMとクラッドCLMとを備えたマルチモードファイバにより構成されている。この高次モード処理部MP’を構成するマルチモードファイバは、請求の範囲に記載の第2のマルチモードファイバの一態様である。
 図9の(b)に示すように、高次モード処理部MP”のコアCOMは、中心軸を含む円柱状の第1領域COM1と、第1領域COM1を取り囲む円筒状の第2領域COM2と、により構成されている。第1領域COM1と第2領域COM2との境界は、第2領域COM2を通るLP11モードのパワーが第2領域COM2を通るLP01モードのパワーを上回るように設定されている。
 第2領域COM2には、レーザ光のパワーを低下させるための添加物が添加されている。この添加物は、レーザ光を吸収することによってレーザ光のパワーを低下させるものであってもよいし、レーザ光を散乱することによってレーザ光のパワーを低下させるものであってもよい。この添加物の例としては、例えば、鉄(Fe)や銅(Cu)などの金属が挙げられる。ただし、レーザ光のパワーを低下させることができる添加物であればどのような添加物であってもよい。なお、第1領域COM1には、このような添加物が添加されていない。
 このように構成された高次モード処理部MP”は、コアCOMをLP01モード及びLP11モードが伝搬する過程において、LP01モード及びLP11モードの双方のパワーを低下させる。しかし、LP01モードのパワーの低下量と、LP11モードのパワーの低下量とを比較した場合、LP11モードのパワーの低下量がLP01モードのパワーの低下量を上回る。したがって、高次モード処理部MP”は、マルチモードファイバにおいて生じ得る四光波混合のポンプ光となるLP11モードを選択的に除去することができる。換言すれば、高次モード処理部MP”を備えたレーザ装置1は、四光波混合の発生を抑制することができる。
 図10の(a)は、外径が28μmのコアCOMにおけるLP01モード及びLP11モードのパワー分布を表すグラフである。図10の(a)によれば、コア中心からの距離が4.3μm以上の領域において、LP11モードのパワーがLP01モードのパワーを上回ることが分かる。したがって、この場合、第1領域COM1の外径(すなわち、第2領域COM2の内径)を4.3μm以上に設定すれば、四光波混合を抑制する効果を有する高次モード処理部MP”を実現することができる。
 図10の(b)は、第1領域COM1の外径(すなわち、第2領域COM2の内径)が20μmであり、第2領域COM2の外径が28μmである高次モード処理部MP”におけるLP01モード及びLP11モードの透過率を、高次モード処理部MP”の関数として表したグラフである。第2領域COM2に添加する金属の添加量は、光の減衰率が10dB/mとなるように決められている。図10の(b)によれば、高次モード処理部MP”によって、四光波混合のポンプ光となるLP11モードが選択的に除去できることが確かめられる。
 〔第3の実施形態〕
 本発明の第3の実施形態に係るレーザ装置3について、図5を参照して説明する。図5は、レーザ装置3の構成を示すブロック図である。
 レーザ装置3は、単一波長のレーザ光を発振する加工用のファイバレーザ装置であり、図5に示すように、m個のポンプ光源PS1~PSm、m個のポンプデリバリファイバPDF1~PDFm、ポンプコンバイナPC、増幅用光ファイバAF、2個のファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2、k個の励起光源PS’1~PS’k、k個のポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’k、ポンプコンバイナPC’、種光ファイバSF、増幅用光ファイバAF’、レーザデリバリファイバLDF、レーザヘッドLH、高次モード処理部MP1、及び、高次モード処理部MP2を備えている。
 本実施形態に係るレーザ装置3の備えるポンプ光源PS1~PSm、ポンプデリバリファイバPDF1~PDFm、ポンプコンバイナPC、増幅用光ファイバAF、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2、レーザデリバリファイバLDF、及び、レーザヘッドLHは、それぞれ、第1の実施形態に係るレーザ装置1の備えるポンプ光源PS1~PSm、ポンプデリバリファイバPDF1~PDFm、ポンプコンバイナPC、増幅用光ファイバAF、ファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2、レーザデリバリファイバLDF、及び、レーザヘッドLHと同様に構成されている。
 以下、第2ファイバブラッググレーティングFBG2とレーザデリバリファイバLDFとの間に追加されたポンプ光源PS’1~PS’k、ポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’k、ポンプコンバイナPC’、種光ファイバSF、及び増幅用光ファイバAF’について説明する。なお、ポンプ光源PS’1~PS’kとポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’kとは、互いに一対一に対応する。ここで、kは、2以上の任意の自然数であり、ポンプ光源PS’1~PS’k及びポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’kの個数を表す。なお、図5においては、k=6の場合のレーザ装置3の構成例を示している。
 ポンプ光源PS’j(jは1以上k以下の自然数)は、ポンプ光を生成する。ポンプ光としては、例えば、ピーク波長が975±3nm又は915±3nmのレーザ光を用いることができる。本実施形態においては、レーザダイオードをポンプ光源PS’1~PS’kとして用いている。ポンプ光源PS’jは、対応するポンプデリバリファイバPDF’jの入力端に接続されている。ポンプ光源PS’jにて生成されたポンプ光は、このポンプデリバリファイバPDF’jに入力される。
 ポンプデリバリファイバPDF’jは、対応するポンプ光源PS’jにて生成されたポンプ光を導波する。ポンプデリバリファイバPDF’jの出力端は、ポンプコンバイナPC’の入力ポートに接続されている。ポンプデリバリファイバPDF’jを導波されたポンプ光は、この入力ポートを介してポンプコンバイナPC’に入力される。
 ポンプコンバイナPC’は、ポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’kの各々を導波されたポンプ光を合波する。ポンプコンバイナPC’の出力ポートは、増幅用光ファイバAF’の入力端に接続されている。ポンプコンバイナPC’にて合波されたポンプ光は、種光ファイバSFを介して増幅用光ファイバAF’に入力される。なお、本実施形態において種光ファイバSFは、レーザデリバリファイバと同様にマルチモードファイバにより構成されている。
 増幅用光ファイバAF’は、ポンプコンバイナPC’にて合波されたポンプ光を用いて、特定の波長帯域(以下、「増幅帯域」と記載)に属するレーザ光を増幅する。本実施形態においては、コアに希土類元素(例えばイッテルビウム、ツリウム、セリウム、ネオジウム、ユーロビウム、エルビウムなど)が添加されたダブルクラッドファイバを増幅用光ファイバAFとして用いている。この場合、ポンプコンバイナPC’にて合波されたポンプ光は、この希土類元素を反転分布状態に維持するために用いられる。例えば、コアに添加された希土類元素がイッテルビウムの場合、増幅用光ファイバAF’の増幅帯域は、例えば、1000nm以上1100nm以下の波長帯域である。増幅用光ファイバAF’から出力されるレーザ光のピーク波長は、例えば、MO部と増幅用光ファイバAF’との間に波長変換素子が含まれていない場合、MO部の発振波長に一致又は略一致する。或いは、MO部と増幅用光ファイバAF’との間に波長変換素子が含まれている場合、MO部の発振波長に特定の波長を加えた波長、又は、MO部の波長から特定の波長を減じた波長に一致又は略一致する。
 以上のように構成されたレーザ装置3は、ポンプ光源PS1~PSm、ポンプデリバリファイバPDF1~PDFm、ポンプコンバイナPC、増幅用光ファイバAF、及びファイバブラッググレーティングFBG1~FBG2をMO(Master Oscillator)部とし、種光ファイバSF、ポンプ光源PS’1~PS’k、ポンプデリバリファイバPDF’1~PDF’k、ポンプコンバイナPC’、及び増幅用光ファイバAF’をPA(Power Amplifier)部とするMOPA型のファイバレーザとして機能する。レーザデリバリファイバLDFを導波され、レーザヘッドLHを介して加工対象物Wに照射されるレーザ光のピーク波長は、例えば、MO部と増幅用光ファイバAF’との間に波長変換素子が含まれていない場合、MO部の発振波長に一致又は略一致する。或いは、MO部と増幅用光ファイバAF’との間に波長変換素子が含まれている場合、MO部の発振波長に特定の波長を加えた波長、又は、MO部の波長から特定の波長を減じた波長に一致又は略一致する。
 本実施形態に係るレーザ装置3においては、増幅用光ファイバAFにて増幅された種光が、マルチモードファイバである種光ファイバSFを導波され、増幅用光ファイバAF’にて種光から増幅されたレーザ光が、マルチモードファイバであるレーザデリバリファイバLDFを導波される。また、本実施形態に係るレーザ装置3においては、加工対象物Wにて反射されたレーザ光が戻りレーザ光となり、その戻りレーザ光がマルチモードファイバであるレーザデリバリファイバLDFを導波され、場合によっては、戻りレーザ光がマルチモードファイバである種光ファイバSFを導波される。この際、レーザデリバリファイバLDF及び種光ファイバSFの少なくとも何れかにおいて、複数の導波モードが関与する四光波混合によって、ストークス光が増幅されると共に、アンチストークス光が生成される。なお、増幅用光ファイバAF’もマルチモードファイバであり得る。この場合、増幅用光ファイバAF’においても、複数の導波モードが関与する四光波混合によって、ストークス光が増幅されると共に、アンチストークス光が生成され得る。
 本実施形態において、高次モード処理部MP1は、図2に示した高次モード処理部MPと同じ構成を有する。すなわち、図5に示すように、レーザデリバリファイバLDFは、上流レーザデリバリファイバLDFUと下流レーザデリバリファイバLDFDとに二分されており、高次モード処理部MP1は、上流レーザデリバリファイバLDFUと下流レーザデリバリファイバLDFDとの間に挿入されている。高次モード処理部MP1は、図2に示した高次モード処理部MPと同じ効果を奏する。
 本実施形態において、高次モード処理部MP2は、その挿入されている位置と向きとを除いて、図2に示した高次モード処理部MPと同じ構成を有する。具体的には、図5に示すように、種光ファイバSFは、上流種光ファイバSFUと、下流種光ファイバSFDとに二分されており、高次モード処理部MP2は、上流種光ファイバSFUと、下流種光ファイバSFDとの間に挿入されている。高次モード処理部MP2においては、そのクラッドモードストリッパがフォトニックバンドギャップファイバの上流側に配置されている。この構成によれば、高次モード処理部MP2は、戻りレーザ光に高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光であるLP11が含まれている場合に、このLP11をクラッドモード光として除去することができる。したがって、高次モード処理部MP2を備えていることによって、レーザ装置3は、種光ファイバSFにおいて生じ得る四光波混合を抑制することができる。
 なお、本実施形態において、レーザ装置3は、高次モード処理部MP1及び高次モード処理部MP2の両方を備えているが、その何れか一方を省略することもできる。すなわち、レーザ装置3は、高次モード処理部MP1及び高次モード処理部MP2のうち少なくとも何れか一方を備えていればよい。
 また、MO部として共振器型のファイバレーザ装置を用いる構成について説明したが、これに限定されない。すなわち、MO部として共振器型のファイバレーザ以外の種光源を備えていてもよい。MO部を構成する種光源としては、例えば、発振波長(発振するレーザ光のピーク波長)が1000nm以上1100nm以下の波長帯域に含まれるレーザダイオードを用いることができる。レーザダイオードの代わりに、レーザダイオード以外の半導体レーザ装置、固体レーザ装置、液体レーザ装置、又は気体レーザ装置を用いても構わない。
 また、第3の実施形態において、MO部とPA部とが種光ファイバSFを介して連結されたMOPA型のファイバレーザについて説明したが、これに限定されない。すなわち、MO部とPA部とが、プリアンプ部を介して連結されていてもよい。このプリアンプ部には、例えば、コアに希土類元素が添加された光ファイバ(すなわち、増幅用光ファイバ)を用いることができる。このようなプリアンプ部を用いれば、レーザヘッドLHから出力されるレーザ光のパワーをより大きくすることが可能になる。また、MO部とPA部との間に、音響光学素子(AOM:Acoustic Optic Modulation)を更に備えていても構わない。音響光学素子は、外部から電流により制御することによって、種光(MO部の出力光)を透過するON状態と、種光を反射するOFF状態とを切り替えることができる。このような音響光学素子を用いれば、レーザヘッドLHから出力されるレーザ光のパルスパターンを自在に制御することが可能になる。
 なお、第1の実施形態において説明した好ましい構成は、本実施形態に係るレーザ装置3にも適用することができる。第1の実施形態において説明した好ましい構成を本実施形態に係るレーザ装置3に適用した場合、第1の実施形態において説明したその好ましい構成に対応する効果が、本実施形態に係るレーザ装置3においても得られる。
 〔その他の実施形態〕
 第1及び第2の実施形態においては、共振器型のファイバレーザ装置について説明し、第3の実施形態においては、MOPA型のファイバレーザ装置について説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これらの形式のファイバレーザ装置に限定されない。すなわち、本発明は、任意の形式のファイバレーザ装置に適用することが可能である。
 更に、本発明の適用範囲は、ファイバレーザ装置に限定されない。すなわち、任意のレーザ光源と、このレーザ光源から出力されたレーザ光を導波するマルチモードファイバとを備えたレーザ装置は、本発明の適用範囲に含まれる。ここで、レーザ光源は、固体レーザ装置、半導体レーザ装置、液体レーザ装置、又は気体レーザ装置であり得る。例えば、YAGレーザ(固体レーザ装置の一例)と、このYAGレーザから出力されたレーザ光を導波するマルチモードファイバとを備えたレーザ装置は、本発明の適用範囲に含まれるレーザ装置の一例である。このようなレーザ装置においては、マルチモードファイバにおいて複数の導波モードが関与する四光波混合が生じ得る。このため、四光波混合のストークス光及びアンチストークス光の一方又は両方のパワーをモニタすることは、このようなレーザレーザ装置においても有効である。
 〔まとめ〕
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)は、レーザ光を出射するレーザ光源(PS1~PSm,PS’1~PS’k)と、コア(CO,COP1,COP2,COC,COM)を備え、該コア(CO,COP1,COP2,COC,COM)が上記レーザ光を導波するマルチモードファイバと、上記コア(CO,COP1,COP2,COC,COM)において四光波混合が生じた場合にポンプ光となる上記レーザ光の高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を処理する高次モード処理部(MP,MP’,MP1,MP2)と、を備えている。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記高次モード処理部(MP,MP1,MP2)は、上記マルチモードファイバの上流側端部及び下流側端部の少なくとも何れかに設けられたフォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)であって、上記コアである第1コア(COP1)と、該第1コア(COP1)とは別の第2コア(COP2)とを備え、上記第1コア(COP1)と上記第2コア(COP2)とが互いに並走しているフォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)を備えており、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)は、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を上記第1コア(COP1)から上記第2コア(COP2)へ取り出す。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記高次モード処理部(MP,MP1,MP2)は、コア(COC)とクラッド(CLC)とを備え、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられたクラッドモードストリッパ(CMS)であって、該クラッドモードストリッパ(CMS)のコア(COC)が光学的に上記第1コア(COP1)に接続されており、且つ、該クラッドモードストリッパ(CMS)のクラッド(CLC)が光学的に上記第2コア(COP2)に接続されているクラッドモードストリッパ(CMS)を更に備えており、該クラッドモードストリッパ(CMS)は、自身の上記クラッド(CLC)を伝搬する光であるクラッドモード光を該クラッドの外部へ散逸させる。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記クラッドモードストリッパ(CMS)は、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)の下流側に設けられていることが好ましい。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記クラッドモードストリッパ(CMS)は、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)の上流側に設けられていることが好ましい。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記クラッドモードストリッパ(CMS)を第1クラッドモードストリッパ(CMS)として、上記高次モード処理部(MP,MP1,MP2)は、コア(COC)とクラッド(CLC)とを備え、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)の上流側及び下流側のうち上記第1クラッドモードストリッパ(CMS)が設けられていない側に設けられた第2クラッドモードストリッパ(CMS)であって、該第2クラッドモードストリッパ(CMS)のコア(COC)が光学的に上記第1コア(COP1)に接続されており、且つ、該第2クラッドモードストリッパ(CMS)のクラッド(CLC)が光学的に上記第2コア(COP2)に接続されている第2クラッドモードストリッパ(CMS)を更に備えていることが好ましい。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)の長さは、上記第1コア(COP1)と上記第2コア(COP2)との間の結合効率のうち、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光に対する結合効率が、0.5以上となるように定められていることが好ましい。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記フォトニックバンドギャップファイバ(PBGF)が上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を上記第1コア(COP1)から上記第2コア(COP2)へ取り出すときに、取り出された光のモードは、他のモードへ変換される。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)において、上記マルチモードファイバを第1のマルチモードファイバとして、上記高次モード処理部(MP’)は、コア(COM)を備え、上記第1のマルチモードファイバの上流側端部及び下流側端部の少なくとも何れかに設けられた第2のマルチモードファイバにより構成されており、該第2のマルチモードファイバのコア(COM)のうち、上記高次モードの光のパワーが上記四光波混合のポンプ光となる上記レーザ光の基本モードの光のパワーを上回る領域の少なくとも一部には、上記レーザ光のパワーを低下させる添加物が添加されている。
 本発明の一態様に係るレーザ装置(1,3)は、上記四光波混合のポンプ光となる上記レーザ光の基本モードの光は、LP01であり、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光は、LP11である場合に一層効果的である。
 〔付記事項〕
 本発明は上述した実施形態、変形例、又は実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態、変形例、又は実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上述した実施形態では、スペクトル測定器及び制御部を構成要素とする光パワー推定装置について説明したが、光パワー推定装置は、少なくともスペクトル測定器及び制御部を備えていればよく、スペクトル測定器及び制御部以外の構成要素を備えていても構わない。
 1、3          レーザ装置
 PS1~PSm    ポンプ光源
 PDF1~PDFm  ポンプデリバリファイバ
 PC         ポンプコンバイナ
 AF         増幅用光ファイバ
 FBG1~FBG2  ファイバブラッググレーティング
 PS’1~PS’k   ポンプ光源
 PDF’1~PDF’k ポンプデリバリファイバ
 PC’         ポンプコンバイナ
 AF’         増幅用光ファイバ
 LDF        レーザデリバリファイバ
 LH         レーザヘッド
 MP,MP’   高次モード処理部
 PBGF       フォトニックバンドギャップファイバ
 COP1,COP2  第1コア,第2コア
 CLP,CLM    クラッド
 COM        コア
 DL1    第1添加ロッド
 DL2    第2添加ロッド
 CMS        クラッドモードストリッパ
 COC        コア
 CLC        クラッド
 RL         樹脂層

Claims (10)

  1.  レーザ光を出射するレーザ光源と、
     コアを備え、該コアが上記レーザ光を導波するマルチモードファイバと、
     上記コアにおいて四光波混合が生じた場合にポンプ光となる上記レーザ光の高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を処理する高次モード処理部と、を備えている、
    ことを特徴とするレーザ装置。
  2.  上記高次モード処理部は、
      上記マルチモードファイバの上流側端部及び下流側端部の少なくとも何れかに設けられたフォトニックバンドギャップファイバであって、上記コアである第1コアと、該第1コアとは別の第2コアとを備え、上記第1コアと上記第2コアとが互いに並走しているフォトニックバンドギャップファイバを備えており、
     上記フォトニックバンドギャップファイバは、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を上記第1コアから上記第2コアへ取り出す、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3.  上記高次モード処理部は、コアとクラッドとを備え、上記フォトニックバンドギャップファイバの上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられたクラッドモードストリッパであって、該クラッドモードストリッパのコアが光学的に上記第1コアに接続されており、且つ、該クラッドモードストリッパのクラッドが光学的に上記第2コアに接続されているクラッドモードストリッパを更に備えており、
     該クラッドモードストリッパは、自身の上記クラッドを伝搬する光であるクラッドモード光を該クラッドの外部へ散逸させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
  4.  上記クラッドモードストリッパは、上記フォトニックバンドギャップファイバの下流側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
  5.  上記クラッドモードストリッパは、上記フォトニックバンドギャップファイバの上流側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
  6.  上記クラッドモードストリッパを第1クラッドモードストリッパとして、
     上記高次モード処理部は、コアとクラッドとを備え、上記フォトニックバンドギャップファイバの上流側及び下流側のうち上記第1クラッドモードストリッパが設けられていない側に設けられた第2クラッドモードストリッパであって、該第2クラッドモードストリッパのコアが光学的に上記第1コアに接続されており、且つ、該第2クラッドモードストリッパのクラッドが光学的に上記第2コアに接続されている第2クラッドモードストリッパを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項3~5の何れか1項に記載のレーザ装置。
  7.  上記フォトニックバンドギャップファイバの長さは、上記第1コアと上記第2コアとの間の結合効率のうち、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光に対する結合効率が、0.5以上となるように定められている、
    ことを特徴とする請求項2~6の何れか1項に記載のレーザ装置。
  8.  上記フォトニックバンドギャップファイバが上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光の少なくとも一部を上記第1コアから上記第2コアへ取り出すときに、取り出された光のモードは、他のモードへ変換される、
    ことを特徴とする請求項2~7の何れか1項に記載のレーザ装置。
  9.  上記マルチモードファイバを第1のマルチモードファイバとして、
     上記高次モード処理部は、コアを備え、上記第1のマルチモードファイバの上流側端部及び下流側端部の少なくとも何れかに設けられた第2のマルチモードファイバにより構成されており、
     該第2のマルチモードファイバのコアのうち、上記高次モードの光のパワーが上記四光波混合のポンプ光となる上記レーザ光の基本モードの光のパワーを上回る領域の少なくとも一部には、上記レーザ光のパワーを低下させる添加物が添加されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  10.  上記四光波混合のポンプ光となる上記レーザ光の基本モードの光は、LP01であり、上記高次モードの光のうち少なくとも1つのモードの光は、LP11である、
    ことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載のレーザ装置。
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