WO2014174570A1

WO2014174570A1 - ストレージ管理計算機、ストレージ管理方法、およびストレージシステム

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Publication number: WO2014174570A1
Application number: PCT/JP2013/061784
Authority: WO
Inventors: 京子三輪; 鈴木　克典; 泰隆河野; 司柴山; 金子　聡; 幸徳坂下
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2013-04-22
Filing date: 2013-04-22
Publication date: 2014-10-30
Also published as: US20150234618A1

Abstract

　仮想ストレージ装置を提供するストレージ装置の筺体間データ移行中に仮想ストレージ装置の構成を変更する指示を実行する場合に、適切なストレージ装置へ適切なコマンドを発行する。　ストレージ管理計算機のプロセッサは、第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、第１ストレージ装置から第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に操作指示を実行する場合、操作指示及び状態情報に基づいて、第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、対象ストレージ装置へ操作コマンドを送信する。

Description

ストレージ管理計算機、ストレージ管理方法、およびストレージシステム

　本発明は、ストレージの構成を管理する技術に関する。

　近年、企業や個人が利用するデータの量は急激に増加している。そこで、ストレージ装置及びホスト計算機をスイッチやハブで接続し、柔軟なデータ管理を可能にするＳＡＮ（Ｓｔｏｒａｇｅ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）や、ＮＡＳ（Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ａｔｔａｃｈｅｄ　Ｓｔｏｒａｇｅ）といった技術を利用したストレージシステムが広く利用されている。また近年では、ストレージ装置が持つリソースを効率的に利用するために、物理的なストレージ装置上に仮想的なストレージ装置（仮想ストレージ装置）を構築する技術が知られている。

　また、個別に稼動していたストレージシステムをスムーズに仮想ストレージシステムの構成要素とする制御装置が知られている（例えば、特許文献１）。この制御装置は、複数の管理対象の各々についての第一と第二の管理識別子を記録した識別子対応情報を記憶し、第一の管理識別子を指定した要求を上位装置から受信し、受信した要求で指定されている第一の管理識別子に対応した第二の管理識別子を識別子対応情報から特定し、特定された第二の管理識別子を第一のストレージシステムの処理部に出力する。第二の管理識別子は、第一のストレージシステムでの処理のために使用される種類の管理識別子である。第一の管理識別子は、上位装置で認識される種類の管理識別子である。

　また、複数台のストレージ装置からなるストレージシステムにおいて、ストレージ装置間で複製ボリュームを移行するボリューム移行方法が知られている（例えば、特許文献２）。このボリューム移行方法において、複製ボリュームのコピー元ボリュームおよびコピー先ボリュームを、仮想化装置とのパスが既に設定されている第１のストレージ装置からそのパスが設定されていない第２のストレージ装置に移行する場合に、仮想化装置が、第２のストレージ装置との間のパスを設定する。差分ビットマップの準備が完了したときに、仮想化装置が、ボリュームに対するアクセス要求を、第１のストレージ装置ではなく第２のストレージ装置に行うように設定する。

　また、データ移行の際に、重複したＩ／Ｏの発生を抑制し、ホストへの応答性を向上させるストレージシステムが知られている（例えば、特許文献３）。このストレージシステムは、第１ストレージ装置の有する第１ボリュームに記憶されたデータを第２ストレージ装置の有する第２ボリュームへ移行させ、第１ボリュームから第２ボリュームへのデータの移行状態を管理し、上位装置から第２ボリュームへのアクセス要求を処理し、第１ボリュームから第２ボリュームに未だデータが移行されていない未移行領域へのアクセス状態に基づいて、上位装置のアクセス先を第１ストレージ装置へ切り替えさせる。

特開２００８－０４０５７１号公報特開２００７－１１５２２１号公報特開２００６－１４６４７６号公報

　仮想ストレージ装置を含むストレージシステムは、仮想ストレージ装置の構成を変更するための操作の指示を取得した場合、その命令に指定された仮想リソースの識別子に基づいて、その仮想リソースに対応する物理リソースの識別子を特定する。操作の対象の物理リソースが筺体間データ移行中である場合、操作の対象の仮想リソースに複数の物理リソースが対応付けられているため、その操作が失敗することや、不要なコピー等の動作が発生してストレージシステムの性能を低下させることが考えられる。

　上記課題を解決するために、本発明の一態様であるストレージ管理計算機は、第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置に接続された通信制御デバイスと、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納するメモリと、前記通信制御デバイス及び前記メモリに接続されたプロセッサと、を備える。前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する。

　本発明の一態様によれば、仮想ストレージ装置を提供するストレージ装置の筺体間データ移行中に仮想ストレージ装置の構成を変更する指示を実行する場合に、適切なストレージ装置へ適切なコマンドを発行することができる。

図１は、実施例１の計算機システムの構成を示す。図２は、ストレージ装置１０００の構成を示す。図３は、ホスト計算機２０００の構成を示す。図４は、管理計算機４０００の構成を示す。図５は、仮想ストレージ装置の構成を示す。図６は、ストレージ装置１０００と仮想ストレージ装置６０００の関係を模式的に示す。図７は、筺体間データ移行を模式的に示す。図８は、ストレージ情報テーブル４１３１の構成を示す。図９は、物理リソース情報テーブル４１３４の構成を示す。図１０は、プール情報テーブル４１３５の構成を示す。図１１は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅの構成を示す。図１２は、ボリューム割り当て情報テーブル４１３９の構成を示す。図１３は、コピーペア情報テーブル４１３Ａの構成を示す。図１４は、プロセッサ性能情報テーブル４１４１の構成を示す。図１５は、ポート性能情報テーブル４１４２の構成を示す。図１６は、プール性能情報テーブル４１４３の構成を示す。図１７は、キャッシュ性能情報テーブル４１４４の構成を示す。図１８は、管理タスクテーブル４１５０の構成を示す。図１９は、管理操作評価テーブル４１６１の構成を示す。図２０は、評価ルールテーブル４１６２の構成を示す。図２１は、筐体間データ移行登録処理を示す。図２２は、管理操作登録処理を示す。図２３は、管理タスク実行処理を示す。図２４は、第１管理操作変換処理を示す。図２５は、実施例２の管理計算機４０００の構成を示す。図２６は、管理操作展開テーブル４１６３ｂの構成を示す。図２７は、展開ルールテーブル４１６４ｂの構成を示す。図２８は、第２管理操作変換処理を示す。

　以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。

　本実施形態では、当業者が本発明を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本発明の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。

　更に、本実施形態は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。

　なお、以後の説明では「ａａａテーブル」、等の表現にて実施形態の情報を説明するが、これら情報はテーブル等のデータ構造以外で表現されていてもよい。そのため、データ構造に依存しないことを示すために「ａａａテーブル」等について「ａａａ情報」と呼ぶことがある。

　さらに、各情報の内容を説明する際に、「識別子」、「ＩＤ」という表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。

　以後の説明では「プログラム」を主語として説明を行う場合があるが、プログラムはプロセッサによって実行されることで定められた処理をメモリ及び通信ポート（通信制御デバイス）を用いながら行うため、プロセッサを主語とした説明としてもよい。また、プログラムを主語として開示された処理は管理サーバ等の計算機、情報処理装置が行う処理としてもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアによって実現されてもよい。

　また、各種プログラムはプログラム配布サーバや、計算機が読み取り可能な記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。

　なお、管理計算機は入出力デバイスを有する。入出力デバイスの例としてはディスプレイとキーボードとポインタデバイスが考えられるが、これ以外のデバイスであってもよい。また、入出力デバイスの代替としてシリアルインタフェースやイーサーネットインタフェースを入出力デバイスとし、当該インタフェースにディスプレイ又はキーボード又はポインタデバイスを有する表示用計算機を接続し、表示用情報を表示用計算機に送信したり、入力用情報を表示用計算機から受信することで、表示用計算機で表示を行ったり、入力を受け付けることで入出力デバイスでの入力及び表示を代替してもよい。

　以下、実施例１の計算機システムの構成について説明する。

　図１は、実施例１の計算機システムの構成を示す。

　計算機システム６０は、ストレージ装置１０００ａ（１）、１０００ａ（２）、１０００ｂ（１）、１０００ｂ（２）と、管理計算機４０００と、ホスト計算機２０００ａと、２０００ｂと、管理ネットワーク４０と、ストレージネットワーク５０とを有する。以下の説明において、ストレージ装置１０００ａ（１）、１０００ａ（２）、１０００ｂ（１）、１０００ｂ（２）と、管理計算機４０００とをストレージシステムと呼ぶことがある。

　なお、以降の説明において、ストレージ装置１０００ａ（１）、１０００ａ（２）、１０００ｂ（１）、１０００ｂ（２）のように、符号において数字の後に続くアルファベットや括弧内の数字により要素を区別する必要がない場合、そのアルファベットや括弧内の数字は省略されることがある。

　ホスト計算機２０００ａとストレージ装置１０００ａは、ストレージネットワーク５０を介して相互に接続されている。同様に、ホスト計算機２０００ｂとストレージ装置１０００ｂは、ストレージネットワーク５０を介して相互に接続されている。また、ストレージ装置１０００ａと、ストレージ装置１０００ｂは、ストレージネットワーク５０を介して相互に接続されている。

　更にホスト計算機２０００ａ、ストレージ装置１０００ａ、ホスト計算機２０００ｂ、ストレージ装置１０００ｂは、管理ネットワーク４０を介して管理計算機４０００に接続されている。

　ストレージネットワーク５０は、主として、ＩＯ（Ｉｎｐｕｔ／Ｏｕｔｐｕｔ）要求に基づいてホスト計算機２０００ａとストレージ装置１０００ａとの間で行われる通信と、ＩＯ要求に基づいてホスト計算機２０００ｂとストレージ装置１０００ｂとの間で行われる通信とに使用されるネットワークである。更に、ストレージネットワーク５０は、ストレージ装置１０００ａとストレージ装置１０００ｂとの間のリモートコピーのための通信に使用される。

　ストレージネットワーク５０として、例えば、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）、又はＳＡＮ（Ｓｔｏｒａｇｅ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）を採用することができる。ストレージネットワーク５０は、ネットワークスイッチやハブ等を含んでいてもよい。本実施例のストレージネットワーク５０は、ファイバーチャネルプロトコルに基づくＦＣ（Ｆｉｂｒｅ　Ｃｈａｎｎｅｌ）－ＳＡＮである。

　管理ネットワーク４０は、管理計算機４０００が、ホスト計算機２０００ａ、ストレージ装置１０００ａ、ホスト計算機２０００ｂ、及びストレージ装置１０００ｂを管理する際に使用されるネットワークである。本実施例の管理ネットワーク４０は、ＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）プロトコルに基づくＬＡＮである。ただし、本実施例の構成は、ストレージネットワーク５０と管理ネットワーク４０とが１つのネットワーク上に形成されることを否定するものではない。例えば、ストレージネットワーク５０がＩＰプロトコルに基づくネットワークで構成された場合、ストレージネットワーク５０と管理ネットワーク４０とを一つのネットワーク上に形成することもできる。

　ストレージ装置１０００ａ、１０００ｂは、基本的に同じ内部構成を有するが、運用上、異なる役割が割り当てられる。すなわち、ストレージ装置１０００ａは、通常の運用時に稼働する主系のストレージ装置であり、ストレージ装置１０００ｂは、障害や保守作業の発生によるストレージ装置１０００ａの停止に備えて待機する副系のストレージ装置である。従って、主系のストレージ装置１０００ａ及び副系のストレージ装置１０００ｂ内の一対のボリューム上のデータは、リモートコピー（ミラーリング）によって、その同一性が維持される。

　図２は、ストレージ装置１０００の構成を示す。

　ストレージ装置１０００は、ディスク装置１１００と、ディスクコントローラ１２００と、を有している。

　ディスク装置１１００は、プール１１２０を有する。プール１１２０は、物理リソース１１２１を含む。ここで、物理リソース１１２１は、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ　Ｄｉｓｋ　Ｄｒｉｖｅ）やＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）などのメディア（記憶媒体）によって提供される記憶領域のリソースである。物理リソース１１２１を提供するメディアの種類については特に限定しない。プール１１２０は、物理リソース１１２１のグループである。プール１１２０は、ＲＡＩＤ（Ｒｅｄｕｎｄａｎｔ　Ａｒｒａｙ　ｏｆ　Ｉｎｄｅｐｅｎｄｅｎｔ　Ｄｉｓｋｓ）により冗長化された物理リソース１１２１のグループであるが、ＲＡＩＤ以外の方法により１つ以上の物理リソース１１２１をグループ化したものであっても良い。この図では、プール１１２０が４つ、物理リソース１１２１が５つ存在しているが、この限りではなく、それぞれ１つ以上存在すれば良い。この図は、ストレージ装置１０００により提供される論理ボリューム１１１０（１）、１１１０（２）を模式的に示す。論理ボリューム１１１０（１）に接続されるプール１１２０は、ＲＡＩＤによって構成されており、論理ボリューム１１１０（２）に接続されるプール１１２０は、Ｔｈｉｎ　Ｐｒｏｖｉｓｉｏｎｉｎｇ技術やＡｕｔｏｍａｔｅｄ　Ｔｉｅｒｉｎｇ技術による容量仮想化ボリュームを提供するように構成されている。ただし、この限りではなく、両方がＲＡＩＤにより構成されても良いし、両方が容量仮想化ボリュームを提供するように構成されても良い。また、容量仮想化ボリュームを提供するプール１１２０は、ストレージ装置１０００のハードウェア仕様によって、物理リソース１１２１ではなく論理ボリューム１１１０を割り当てられて構成されても良い。この場合、物理リソース１１２１がＲＡＩＤにより構成されたプール１１２０を構成し、このＲＡＩＤにより構成されたプール１１２０から切り出された論理ボリューム１１１０（１）が、容量仮想化ボリュームを提供するプール１１２０に含まれ、容量仮想化ボリュームを提供するプール１１２０から論理ボリューム１１１０（２）が切り出される。容量仮想化ボリュームを提供するプール１１２０の構成は特に限定されない。

　ディスクコントローラ１２００は、制御メモリ１２１０と、プロセッサ１２２０と、キャッシュメモリ１２６０と、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０と、Ｉ／Ｆ（Ｂ）１２４０と、ディスク装置との接続のためのディスクＩ／Ｆ１２５０と、を有している。ここで、Ｉ／Ｆは、インタフェースを示す。ディスクコントローラ１２００内の構成要素は、バスを通じて接続されている。

　キャッシュメモリ１２６０は、ホスト計算機２０００から受けたライト要求に従うデータや、ホスト計算機２０００から受けたリード要求に応じて論理ボリューム１１１０から読みだされたデータを一時格納する。

　また、ストレージ装置１０００は他に、ストレージ装置１０００のユーザがデータを入力するための入力デバイスや、ストレージ装置１０００ａのユーザに情報を提示するための出力デバイス等を有していても良い。

　プロセッサ１２２０は、制御メモリ１２１０内のプログラムに従って、制御メモリ１２１０内のデータの入出力、ディスクコントローラ１２００が有する各Ｉ／Ｆを通じたデータや制御命令の入出力を制御する。一台のストレージ装置１０００は、複数のプロセッサ１２２０を搭載していてもよく、プロセッサ１２２０毎に担当処理を振り分けてもよい。例えば、プロセッサ１２２０毎に担当する論理ボリューム１１１０を決めてもよい。

　制御メモリ１２１０は、プロセッサ１２２０により用いられるプログラムやテーブルを記憶する。制御メモリ１２１０は例えば、制御プログラム１２１１を記憶する。

　制御プログラム１２１１は、ホスト計算機２０００からのＩＯ要求の処理、ストレージ装置１０００が持つリソース（プロセッサ１２２０の処理能力や、制御メモリ１２１０、キャッシュメモリ１２６０、プール１１２０など）を仮想化し、仮想化ストレージ装置として提供する処理、同一の仮想ストレージ装置に割り当てられた物理リソース１１２１を含む複数のストレージ装置１０００間での筐体間データ移行やリモートコピー、および管理計算機４０００から指示された処理などを行う。

　制御プログラム１２１１は他に、物理リソース１１２１を用いてプール１１２０を作成する機能や、プール１１２０を用いて論理ボリューム１１１０を生成する機能、論理ボリューム１１１０を、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０を通じてホスト計算機２０００に割り当てる機能や、管理計算機４０００からストレージ装置１０００の構成や設定の変更要求を受け付ける機能などの、ストレージの機能を有している。

　ディスクコントローラ１２００は、プール１１２０の一部を用いて論理ボリューム１１１０を作成する。論理ボリューム１１１０は、１つ以上の物理リソース１１２１が割り当てられ、ディスクコントローラ１２００によって、ホスト計算機２０００へ提供される、論理的な記憶領域である。ここで、論理ボリューム１１１０（１）は、１又は複数の物理リソース１１２１が割り当てられており、論理ボリューム１１１０（１）の容量と、それを構成する物理リソース１１２１の合計の容量とは等しい。但し、物理リソース１１２１がＲＡＩＤによって冗長化されている場合、論理ボリューム１１１０（１）の容量は、それを構成する物理リソース１１２１の合計の容量より少ない場合もある。一方、論理ボリューム１１１０（２）は、ホスト計算機２０００に対して提供される仮想的な論理ボリュームであり、ホスト計算機２０００からの書き込み要求に応じて、物理リソース１１２１が割り当てられる。具体的には、ディスクコントローラ１２００は、論理ボリューム１１１０（２）に対するデータの書き込み要求を受領したときに、当該書き込み要求の対象領域に物理リソース１２２１が割り当てられていない場合、物理リソース１１２１を論理ボリューム１１１０（２）に割り当て、当該割り当てられた物理リソース１１２１にデータを書き込む。これによって、ホスト計算機２０００へ提供される論理ボリューム１１１０（２）の記憶容量を、実際に割り当てられている物理リソース１１２１の合計容量よりも、大きくすることができる。このような技術は、Ｔｈｉｎ　Ｐｒｏｖｉｓｉｏｎｉｎｇ技術と呼ばれる。また、論理ボリューム１１１０（２）に複数の物理リソース１１２１を割り当てる場合、物理リソース１１２１の提供元のメディアの種類（ＨＤＤやＳＳＤなど）は異なっていても良い。さらに、ディスクコントローラ１２００がＡｕｔｏｍａｔｅｄ　Ｔｉｅｒｉｎｇ機能を持つ場合、論理ボリューム１１１０（２）に書き込まれたデータの格納先である物理リソース１１２１は、ホスト計算機２０００からのアクセス頻度などに応じて動的に変更されることができる。例えば、ホスト計算機２０００からのアクセス頻度が高いデータは、ＳＳＤなどの高速であるが高価な物理メディアから提供される物理リソース１１２１へ格納し、ホスト計算機２０００からのアクセス頻度が低いデータは、ＳＡＴＡ（Ｓｅｒｉａｌ　Ａｄｖａｎｃｅｄ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ　Ａｔｔａｃｈｍｅｎｔ）などの低速であるが安価な物理メディアから提供される物理リソース１１２１へ格納する。なお、この図２では、上述の２種類の論理ボリューム１１１０（１）、１１１０（２）が１つずつ存在しているが、この限りでなく、どちらか一方のみ、もしくは２種類が混在していてもよく、１つ以上の論理ボリューム１１１０が存在していれば良い。

　図３は、ホスト計算機２０００の構成を示す。

　ホスト計算機２０００は、メモリ２１００と、プロセッサ２２００と、Ｉ／Ｆ（Ａ）２３００と、Ｉ／Ｆ（Ｂ）２４００と、を有している。これらの構成要素はバスを通じて接続されている。メモリ２１００は、プロセッサ２２００が用いるプログラムとデータを記憶する。メモリ２１００は例えば、アプリケーションプログラム２１１０と、構成管理プログラム２１２０と、を記憶する。

　アプリケーションプログラム２１１０は、ストレージシステムへのＩＯ要求を行うプログラムであり、どのようなプログラムであっても構わない。

　構成管理プログラム２１１０は、ストレージシステムの構成を変更するためのプログラムである。構成管理プログラム２１１０は、管理計算機４０００からの指示に基づき、ストレージシステムの構成を変更するコマンドを生成し、そのコマンドをストレージ装置１０００に対して発行（送信）する。当該コマンドは、論理ボリューム１１１０の中の制御ボリュームに対してコマンドを書き込むことによって発行される。コマンドが制御ボリュームに書き込まれると、ストレージ装置１０００は、書き込まれたコマンドで指定された記憶領域に対して操作を実行する。言い換えれば、ストレージ装置１０００がコマンドを処理するためには、少なくとも一つの制御ボリュームを含む必要がある。

　プロセッサ２２００は、メモリ２１００内のプログラムに従って、メモリ２１００内のデータの入出力や、Ｉ／Ｆ（Ａ）２３００又はＩ／Ｆ（Ｂ）２４００を通じてデータや制御命令の入出力を制御する。

　ホスト計算機２０００ａは他に、ホスト計算機２０００ａのユーザがデータを入力するための入力デバイスや、ホスト計算機２０００ａのユーザに情報を提示するための出力デバイスや、データを記憶するための二次記憶デバイス等を有していても良い。

　図４は、管理計算機４０００の構成を示す。

　管理計算機４０００は、メモリ４１００と、プロセッサ４２００と、Ｉ／Ｆ４３００と、を有している。

　プロセッサ４２００は、メモリ４１００内のプログラムの実行や、メモリ４１００内のデータの入出力や、Ｉ／Ｆ４３００を通じたデータの入出力や、Ｉ／Ｆ４３００を通じたストレージ装置１０００へのコマンドの送信等を行う。

　管理計算機４０００は他に、管理計算機４０００のユーザがデータを入力するための入力デバイスや、管理計算機４０００のユーザに情報を提示するための出力デバイス、データを記憶するための二次記憶デバイスを有していても良い。また、管理計算機４０００は、メモリ４１００内の各種テーブルを、二次記憶デバイス上に保持しても良い。

　なお、本実施例では、管理計算機４０００とストレージ装置１０００が別々の装置として示されているが、この限りではなく、管理計算機４０００はストレージ装置１０００が同一の筐体内に存在しても良い。また、管理計算機４０００のメモリ４１００内のプログラムがストレージ装置１０００の制御メモリ１２１０内に格納され、ストレージ装置１０００のプロセッサ１２２０が当該プログラムを実行することで、管理計算機４０００と同様の機能を実現しても良い。

　メモリ４１００は、プロセッサ４２００が用いるプログラムとテーブルを記憶する。
メモリ４１００は例えば、構成管理プログラム４１１０と、仮想構成管理プログラム４１１１と、ストレージ情報テーブル４１３１と、物理リソース情報テーブル４１３４と、プール情報テーブル４１３５と、ボリューム情報テーブル４１３Ｅと、ボリューム割り当て情報テーブル４１３９と、コピーペア情報テーブル４１３Ａと、プロセッサ性能情報テーブル４１４１と、ポート性能情報テーブル４１４２と、プール性能情報テーブル４１４３と、キャッシュ性能情報テーブル４１４４と、管理操作評価テーブル４１６１と、評価ルールテーブル４１６２と、管理タスクテーブル４１５０と、を記憶する。

　なお、以下の説明において、ストレージ情報テーブル４１３１と、物理リソース情報テーブル４１３４と、プール情報テーブル４１３５と、ボリューム情報テーブル４１３Ｅと、ボリューム割り当て情報テーブル４１３９と、コピーペア情報テーブル４１３Ａとを構成情報と呼ぶことがある。また、プロセッサ性能情報テーブル４１４１と、ポート性能情報テーブル４１４２と、プール性能情報テーブル４１４３と、キャッシュ性能情報テーブル４１４４とを性能情報と呼ぶことがある。

　管理計算機４０００は、複数の物理的なストレージ装置１０００を管理する物理ストレージ管理者と、ストレージ装置１０００を用いて構築される仮想ストレージ装置を管理する仮想ストレージ管理者とからの入力を受け付ける。物理ストレージ管理者は、ストレージ装置１０００の物理的な保守（例えば故障したディスクの交換など）や、仮想ストレージ装置に対する物理リソース１１２１の割り当ての指示、筐体間データ移行の指示等を行う。仮想ストレージ管理者は、仮想ストレージ装置により提供される仮想記憶領域のホスト計算機への割り当ての指示や、記憶領域のコピーやバックアップの生成の指示等を行う。物理ストレージ管理者には、構成管理プログラム４１１０へのアクセス権が予め与えられている。仮想ストレージ管理者には、仮想構成管理プログラム４１１１へのアクセス権が予め与えられている。

　構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージ管理者からの入力に応じてストレージシステムにおける物理ストレージの構成を管理するためのプログラムである。構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージを管理するためのユーザインタフェースをユーザに提供し、そのユーザインタフェースを介して受け付けた、筐体間データ移行などの操作を、ストレージ装置１０００へ送信する。

　構成管理プログラム４１１０は他に、ストレージ装置１０００の制御プログラム１２１１と通信することによって、ストレージ装置１０００の構成情報および性能情報を収集する機能や、ストレージ装置１０００ａとストレージ装置１０００ｂ間でコピーペアを作成し、当該コピーペアを操作する機能や、物理リソース１１２１をプール１１２０に割り当てる機能や、プール１１２０を用いて論理ボリューム１１１０を生成する機能や、論理ボリューム１１１０をＩ／Ｆ（Ａ）１２３０を通じてホスト計算機２０００に割り当てる機能や、特定の時刻に特定の処理を行うスケジューラ機能などの、管理計算機の機能を有している。

　構成管理プログラム４１１０は、ストレージシステムを管理するための操作の種類によって、ホスト計算機２０００上の構成管理プログラム２１２０を介してストレージ装置１０００にコマンドを送信したり、構成管理プログラム４１１０が直接ストレージ装置１０００にコマンドを送信したりする。これにより、構成管理プログラム２１２０と同様、ストレージ装置１０００の構成を変更するコマンドを生成し、ストレージ装置１０００に対して発行する。

　仮想構成管理プログラム４１１１は、仮想ストレージ管理者からの入力に応じてストレージシステムにおける仮想ストレージの構成を管理するためのプログラムである。仮想構成管理プログラム４１１１は、仮想ストレージ装置を管理するためのユーザインタフェースをユーザに提供し、そのユーザインタフェースを介して仮想ストレージ装置の操作を受け付ける。

　以下、ストレージシステムにより提供される仮想ストレージ装置について説明する。

　図５は、仮想ストレージ装置の構成を示す。

　この図では、２台のストレージ装置１０００（１）、１０００（２）を用いて、２台の仮想ストレージ装置６０００（１）、６０００（２）が構築されている。また、２台のストレージ装置１０００（１）、１０００（２）および２台の仮想ストレージ装置６０００（１）、６０００（２）を含むストレージ装置グループ７０００が構築されている。例えば、仮想ストレージ装置６０００（１）は、２台のストレージ装置１０００（１）、１０００（２）を用いて構築されている。

　図６は、ストレージ装置１０００と仮想ストレージ装置６０００の関係を模式的に示す。

　この図では、ディスクコントローラ１２００が、ストレージ装置１０００内のプール１１２０の一部を用いる論理ボリューム１１１０を、仮想ストレージ装置６０００内の仮想ボリューム６１１０に割り当てている。なお、複数の論理ボリューム１１１０（１）、１１１０（２）、１１１０（３）、１１１０（４）の中には、論理ボリューム１１１０（４）のように、どの仮想ストレージ装置６０００にも割り当てられていないものが存在していても良い。プール１１２０（１）、１１２０（２）、１１２０（３）、１１２０（４）は夫々、論理ボリューム１１１０（１）、１１１０（２）、１１１０（３）、１１１０（４）に割り当てられている。また、この図では、ディスクコントローラ１２００が、ストレージ装置１０００内の論理ボリューム１１１０を仮想ストレージ装置６０００に割り当てている様子を示しているが、ストレージ装置１０００が持つ他のリソース（プロセッサ１２２０、制御メモリ１２１０、キャッシュメモリ１２６０、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０、Ｉ／Ｆ（Ｂ）１２４０等）を仮想化して、仮想ストレージ装置６０００に割り当てても良い。

　仮想構成管理プログラム４１１１は、仮想ストレージ装置６０００の構成（ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ、仮想ストレージ６０００内の仮想ボリュームの設定）を変更する管理操作の指示（操作指示）を受け付ける。管理操作の指示は、管理操作の対象の仮想ストレージ装置６０００や仮想ボリューム６１１０を示す識別子である仮想ＩＤを指定する。管理操作は、リモートコピーに対する操作であるリモートコピー操作と、仮想ボリューム６１１０に対する操作であるボリューム操作とを含む。以下の説明において、リモートコピーのコピーペアにおけるコピー元の論理ボリューム１１１０をコピー元ボリューム（プライマリボリューム：Ｐ－ＶＯＬ）と呼び、コピーペアにおけるコピー先の論理ボリューム１１１０をコピー先ボリューム（セカンダリボリューム：Ｓ－ＶＯＬ）と呼ぶことがある。リモートコピーは、仮想ボリューム６１１０を含む二つのボリュームをコピーペアとし、コピー先ボリュームをコピー元ボリュームに同期させる。リモートコピー操作は、リモートコピーのコピーペアを作成するリモートコピーペア作成や、コピーペアの同期を一時中断するサスペンド、コピーペアの同期を再開するリシンク（再同期）、コピー先ボリュームに格納されたデータでコピー元ボリュームを上書きするリストアを含む。ボリューム操作は、たとえば仮想ボリューム６１１０を削除するボリューム削除を含む。

　構成管理プログラム４１１０は、仮想構成管理プログラム４１１１により受け付けられて登録された管理操作の指示を、ストレージ装置１０００の構成（ストレージ装置１０００内の論理ボリュームの設定）を変更する管理操作のコマンド（操作コマンド）に変換する。管理操作のコマンドは、管理操作の対象のストレージ装置１０００や論理ボリューム１１１０を示す識別子である物理ＩＤを指定する。管理操作のコマンドは、管理操作と同様、リモートコピー操作とボリューム操作とを含む。

　以下、リモートコピーにおけるコピー元の論理ボリュームのデータを他のストレージ装置の論理ボリュームへ移行する筐体間データ移行について説明する。ここでの筐体は、ストレージ装置１０００である。以下の説明及び図面において、筐体間データ移行をデータ移行と呼ぶことがある。

　図７は、筺体間データ移行を模式的に示す。

　この図は、ストレージシステムにおける筺体間データ移行前の状態Ａと、筺体間データ移行中の状態Ｂと、筺体間データ移行後の状態Ｃとを示す。

　状態Ａにおいて、ストレージ装置１０００ａ（１）内の論理ボリューム１１１０（１）をコピー元とし、ストレージ装置１０００ｂ（１）内の論理ボリューム１１１０（３）をコピー先とする、リモートコピーのコピーペアが作成されている。ここで、コピーペアの状態は、コピー先ボリュームがコピー元ボリュームに同期するペア状態である。更に、ストレージ装置１０００ａ（１）及びストレージ装置１０００ａ（２）を用いて、仮想ストレージ装置６０００（１）が作成されている。ここで、仮想ストレージ装置６０００（１）内の仮想ボリューム６１１０（１）には、ストレージ装置１０００ａ（１）内の論理ボリューム１１１０（１）が割り当てられている。

　その後、ストレージ装置１０００ａ（１）内の論理ボリューム１１１０（１）を移行元ボリュームとし、ストレージ装置１０００ａ（２）内の論理ボリューム１１１０（２）を移行先ボリュームとする筺体間データ移行が実行されることにより、ストレージシステムは状態Ｂになる。このとき、論理ボリューム１１１０（１）と論理ボリューム１１１０（３）とのペア状態が継続すると共に、移行先の論理ボリューム１１１０（２）をコピー元とし、論理ボリューム１１１０（３）をコピー先とするリモートコピーのペアが作成される。また、論理ボリューム１１１０（１）と論理ボリューム１１１０（２）が仮想ボリューム６１１０に割り当てられている。ここで、論理ボリューム１１１０（１）における移行前のデータが仮想ボリューム６１１０に割り当てられ、論理ボリューム１１１０（２）における移行後のデータが仮想ボリューム６１１０（１）に割り当てられる。

　その後、筺体間データ移行が完了することにより、ストレージシステムは状態Ｃになる。このとき、論理ボリューム１１１０（１）と論理ボリューム１１１０（３）とのペアが解除され、論理ボリューム１１１０（２）と論理ボリューム１１１０（３）とのコピーペア状態が継続する。ここで、論理ボリューム１１１０（２）が仮想ボリューム６１１０（１）に割り当てられている。

　本実施例のストレージシステムによれば、ホスト計算機２０００は、筺体間データ移行前、筺体間データ移行中、筺体間データ移行後のいずれの状態であっても、仮想ボリューム６１１０（１）に割り当てられた仮想ＩＤを指定してデータのリード又はライトを実行するため、筺体間データ移行の状態を考慮することなく仮想ボリューム６１１０（１）へのアクセスを続けることができる。以下の説明において、筺体間データ移行における移行元ボリュームが属するストレージ装置１０００を移行元ストレージと呼び、移行先ボリュームが属するストレージ装置１０００を移行先ストレージと呼ぶことがある。

　以下、管理計算機４０００に格納されるテーブルについて説明する。

　図８は、ストレージ情報テーブル４１３１の構成を示す。

　ストレージ情報テーブル４１３１は、ストレージ装置１０００の情報と、仮想ストレージ装置６０００の情報と、ストレージ装置１０００及び仮想ストレージ装置６０００の関連の情報とを示す。ストレージ情報テーブル４１３１内の一つのエントリは、ストレージ装置１０００及び仮想ストレージ装置６０００の一つの組み合わせに対応する。

　ストレージ情報テーブル４１３１は、或るストレージ装置１０００が属するストレージ装置グループ７０００を識別するためのストレージ装置グループＩＤ４１３１０と、当該ストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１３１１と、当該ストレージ装置１０００が持つ全てのプール１１２０の容量の合計である総容量４１３１２と、当該ストレージ装置１０００が持つ全てのプール１１２０の空き容量の合計である総空き容量４１３１３とを有する。ストレージ情報テーブル４１３１は更に、当該ストレージ装置１０００を割り当てられている仮想ストレージ装置６０００を識別するための仮想ストレージＩＤ４１３２１と、当該仮想ストレージ装置６０００が持つ全ての仮想ボリューム６１１０の容量の合計である仮想総容量４１３２２と、当該仮想ストレージ装置６０００が持つ全ての仮想ボリューム６１１０の空き容量の合計である仮想総空き容量４１３２３と、を有する。

　ストレージ情報テーブル４１３１は、これらの情報に限らず、ストレージ装置１０００の他の情報や、仮想ストレージ装置６０００の他の情報や、ストレージ装置１０００と仮想ストレージ装置６０００との関連についての他の情報を格納しても良い。また、ストレージ装置１０００の情報と、仮想ストレージ装置６０００の情報と、ストレージ装置１０００及び仮想ストレージ装置６０００の関連について情報とが、互いに異なるテーブルに格納されても良い。このストレージ情報テーブル４１３１によれば、管理計算機４０００は、或るストレージ装置グループ７０００に属するストレージ装置１０００と仮想ストレージ装置６０００を識別でき、或るストレージ装置１０００の物理リソース１１２１を割り当てられた仮想ストレージ装置６０００を識別できる。

　図９は、物理リソース情報テーブル４１３４の構成を示す。

　物理リソース情報テーブル４１３４は、ストレージ装置１０００内の物理リソース１１２１の情報を格納するテーブルである。物理リソース情報テーブル４１３４内の一つのエントリは、一つの物理リソース１１２１に対応する。物理リソース情報テーブル４１３４は、或る物理リソース１１２１が属するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１３４０と、当該物理リソース１１２１を識別するための物理リソースＩＤ４１３４１と、当該物理リソース１１２１が割り当てられたプール１１２０を識別するためのプールＩＤ４１３４２と、当該物理リソース１１２１の容量４１３４３と、当該物理リソース１１２１の提供元のメディアの種別を示すメディア種別４１３４４と、当該物理リソース１１２１の提供元のメディアのディスク回転数４１３４５と、を有する。この図においては、メディア種別４１３４４の値は、「ＳＡＴＡ」または「ＳＳＤ」のいずれかであるが、これに限らず、メディアの種別を示す情報であれば良い。また、この図において、メディア種別４１３４４が「ＳＳＤ」の場合、ディスク回転数４１３４５の値は「ｎ／ａ」である。これはＳＳＤにはディスクがなく、したがってディスクの回転も起こり得ないことを示している。ディスクの回転がないことを示す方法はこれに限らず、他の表現方法であっても良い。また、物理リソース情報テーブル４１３４は、この図に示した情報に限らず、物理リソース１１２１の他の情報を格納しても良い。

　図１０は、プール情報テーブル４１３５の構成を示す。

　プール情報テーブル４１３５は、ストレージ装置１０００が持つプール１１２０の情報を格納するテーブルである。プール情報テーブル４１３５内の一つのエントリは、一つのプール１１２０に対応する。プール情報テーブル４１３５は、或るプール１１２０が属するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１３５０と、当該プール１１２０を識別するためのプールＩＤ４１３５１と、当該プール１１２０の容量４１３５２と、当該プール１１２０の空き容量４１３５３と、当該プール１１２０の種別を示すプール種別４１３５４と、を有する。この図においては、プール種別４１３５４の値は、「ＲＡＩＤグループ」、「Ｔｈｉｎ　Ｐｒｏｖｉｓｉｏｎｉｎｇ」、「Ａｕｔｏｍａｔｅｄ　Ｔｉｅｒｉｎｇ」のいずれかであるが、これに限らず、プール１１２０の種別を示す情報であれば良い。なお、この図において、プール種別４１３５４が「ＲＡＩＤグループ」であるプール１１２０は、論理ボリューム１１１０（１）に対して１又は複数の物理リソース１１２１の容量を予め割り当てることが可能なプールである。また、プール種別４１２５４が「Ｔｈｉｎ　Ｐｒｏｖｉｓｉｏｎｉｎｇ」であるプール１１２０は、ホスト計算機２０００からの書き込み要求に応じて、物理リソース１１２１を論理ボリューム１１１０（２）に割り当てることが可能なプールである。さらにプール種別４１２５４が「Ａｕｔｏｍａｔｅｄ　Ｔｉｅｒｉｎｇ」であるプール１１２０は、複数種類のメディアにより提供される物理リソース１１２１を割り当てられており、かつホスト計算機２０００からの書き込み要求に応じて、物理リソース１１２１を論理ボリューム１１１０（２）に割り当てることや、ホスト計算機２０００から論理ボリューム１１１０（２）に対するＩ／Ｏアクセスの頻度などに応じて、論理ボリューム１１１０（２）に割り当てる物理リソース１１２１の提供元メディアの種別を変えることや、既に割り当て済みの物理リソース１１２１の記憶領域に書きこまれたデータを別の物理リソース１１２１の記憶領域上に移行することが可能なプールである。また、プール情報テーブル４１３５は、この図に示した情報に限らず、プール１１２０の他の情報を格納しても良い。

　構成管理プログラム４１１０は、定期的に性能情報の要求をストレージ装置１０００へ送信すること等により、ストレージ装置１０００の性能情報を受信し、メモリ４１００へ保存する。これにより、管理計算機４０００は、ストレージ装置１０００内のリソースの負荷に基づいて、操作対象を選択することができる。

　図１１は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅの構成を示す。

　ボリューム情報テーブル４１３Ｅは、論理ボリューム１１１０の情報と、仮想ボリューム６１１０の情報と、論理ボリューム１１１０及び仮想ボリューム６１１０の関連の情報とを示す。ボリューム情報テーブル４１３Ｅ内の一つのエントリは、論理ボリューム１１１０及び仮想ボリューム６１１０の一つの組み合わせに対応する。

　ボリューム情報テーブル４１３Ｅは、或る論理ボリューム１１１０が属するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１３Ｅ０と、当該論理ボリューム１１１０を識別するためのボリュームＩＤ４１３Ｅ１と、当該論理ボリューム１１１０の容量４１３Ｅ２と、当該論理ボリューム１１１０の切り出し元であるプール１１２０を識別するためのプールＩＤ４１３Ｅ３と、当該論理ボリューム１１１０が使用可能なキャッシュメモリ１２６０を識別するためのキャッシュＩＤ４１３Ｅ４と、当該論理ボリューム１１１０が使用可能なプロセッサ１２２０を識別するためのプロセッサＩＤ４１３Ｅ５と、当該論理ボリューム１１１０が制御ボリュームであるか否かを示す制御フラグ４１３Ｅ６、とを有する。ボリューム情報テーブル４１３Ｅは更に、当該論理ボリューム１１１０に関連する仮想ボリューム６１１０が属する仮想ストレージ装置６０００を識別するための仮想ストレージＩＤ４１３８０と、当該仮想ボリューム６１１０を識別するための仮想ボリュームＩＤ４１３８１と、当該仮想ボリューム６１１０の仮想容量４１３８２と、を有する。

　制御ボリュームとは、ホスト計算機２０００ａから記憶領域を操作するためのコマンドが書き込まれる領域である。本実施例では、制御ボリュームである場合の制御フラグ４１３Ｅ６の値は「ｔｒｕｅ」であり、制御ボリュームでない場合の制御フラグ４１３Ｅ６の値は「ｆａｌｓｅ」である。また、ボリューム情報テーブル４１３Ｅは、この図に示した情報に限らず、論理ボリューム１１１０の他の情報や、仮想ボリューム６１１０の他の情報と、論理ボリューム１１１０及び仮想ボリューム６１１０の関連とを示す他の情報を格納しても良い。また、論理ボリューム１１１０の情報と、仮想ボリューム６１１０の情報と、論理ボリューム１１１０及び仮想ボリューム６１１０の関連について情報とが、互いに異なるテーブルに格納されても良い。

　この図において、仮想ストレージＩＤが「ｖＳＴ．１」であって仮想ボリュームＩＤが「ｖＬＵ．１」である仮想ボリューム６１１０には、ストレージＩＤが「ＳＴ．１」であってボリュームＩＤが「ＬＵ．１」である論理ボリューム１１１０（１）と、ストレージＩＤが「ＳＴ．２」であってボリュームＩＤが「ＬＵ．１」である論理ボリューム１１１０（２）の２つのボリュームが割り当てられていることがわかる。これは、論理ボリューム１１１０（１）から論理ボリューム１１１０（２）への筺体間データ移行中であることを意味する。

　図１２は、ボリューム割り当て情報テーブル４１３９の構成を示す。

　ボリューム割り当て情報テーブル４１３９は、ホスト計算機２０００と、ホスト計算機２０００に割り当てられた仮想ボリューム６１１０との関係を示すテーブルである。ボリューム割り当て情報テーブル４１３９内の一つは、ホスト計算機２０００及び仮想ボリューム６１１０の一つの組み合わせに対応する。

　ボリューム割り当て情報テーブル４１３９は、或るホスト計算機２０００を識別するためのホストＩＤ４１３９０と、当該ホスト計算機２０００に割り当てられた仮想ボリューム６１１０が属する仮想ストレージ装置６０００を識別するための仮想ストレージＩＤ４１３９１と、当該仮想ボリューム６１１０を識別するための仮想ボリュームＩＤ４１３９２と、を有する。ボリューム割り当て情報テーブル４１３９は、この図に示した情報に限らず、ホスト計算機２０００と、そのホスト計算機２０００に割り当てられた仮想ボリューム６１１０との関係に関する他の情報を格納しても良い。さらにボリューム割り当て情報テーブル４１３９は、ホスト計算機２０００と、ホスト計算機２０００に割り当てられた論理ボリューム１１１０との関係を示す情報を格納しても良い。

　図１３は、コピーペア情報テーブル４１３Ａの構成を示す。

　コピーペア情報テーブル４１３Ａは、リモートコピーにおいてコピーペアとなる二つの論理ボリューム１１１０の関係を示すテーブルである。コピーペア情報テーブル４１３Ａ内の一つのエントリは、一つのコピーペアに対応する。

　コピーペア情報テーブル４１３Ａは、或るコピーペアを識別するためのペアＩＤ４１３Ａ０と、当該コピーペアのコピー元のストレージ装置１０００であるコピー元ストレージを識別するためのコピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１と、当該コピーペアのコピー元の論理ボリューム１１１０であるコピー元ボリュームを識別するためのコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２と、当該コピーペアのリモートコピーに使用するコピー元のポートを識別するためのコピー元ポートＩＤ４１３Ａ３と、当該コピーペアのコピー先のストレージ装置１０００であるコピー先ストレージを識別するためのコピー先ストレージＩＤ４１３Ａ４と、当該コピーペアのコピー先の論理ボリューム１１１０であるコピー先ボリュームを識別するためのコピー先ボリュームＩＤ４１３Ａ５と、当該コピーペアのリモートコピーに使用するコピー先のポートを識別するためのコピー先ポートＩＤ４１３Ａ６と、当該コピーペアの状態を示すペア状態４１３Ａ７と、当該コピーペアが属するコピーグループを識別するためのコピーグループＩＤ４１３Ａ８と、を有する。同一コピーグループに属するコピーペアはデータの一貫性が保証されることを意味し、データの一貫性を保証したい論理ボリューム１１１０は同一コピーグループに登録される。コピー元ポートＩＤ４１３Ａ３及びコピー先ポートＩＤ４１３Ａ６に示されているポートは、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０を示す。ペア状態４１３Ａ７の値は例えば、コピーペアを同期させる状態である「Ｐａｉｒ」や、コピーペアの同期を一時中断させた状態である「Ｓｕｓｐｅｎｄ」等である

　図１４は、プロセッサ性能情報テーブル４１４１の構成を示す。

　プロセッサ性能情報テーブル４１４１は、プロセッサ１２２０の性能情報を格納するテーブルである。プロセッサ性能情報テーブル４１４１内の一つのエントリは、一つのプロセッサ１２２０に対応する。

　プロセッサ性能情報テーブル４１４１は、或るプロセッサ１２２０を識別するためのプロセッサＩＤ４１４１０と、当該プロセッサ１２２０を有するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１４１１と、当該プロセッサ１２２０の処理能力の使用率を示す使用率４１４１２と、を有する。処理すべきＩＯコマンド（リードコマンド及びライトコマンド）が多い場合など、ストレージ装置１０００の負荷が高まると、使用率４１４１２の値は高くなる。例えば、使用率４１４１２の値は、ストレージ装置１０００が処理できるＩＯコマンドの最大量に対し、実際に処理しているＩＯコマンドの量の割合［％］として求められる。プロセッサ性能情報テーブル４１４１は、この図に示した情報に限らず、プロセッサ１２２０に関連する他の情報を格納しても良い。

　図１５は、ポート性能情報テーブル４１４２の構成を示す。

　ポート性能情報テーブル４１４２は、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０（ポート）の性能情報を格納するテーブルである。ポート性能情報テーブル４１４２内の一つのエントリは、一つのポートに対応する。

　ポート性能情報テーブル４１４２は、ポートを識別するためのＩＤ４１４２０と、当該ポートを有するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１４２１と、当該ポートの転送量［ＭＢ／ｓ］を示す転送量４１４２２と、を有する。ポート性能情報テーブル４１４２は、この図に示した情報に限らず、ポートに関連する他の情報を格納してもよい。

　図１６は、プール性能情報テーブル４１４３の構成を示す。

　プール性能情報テーブル４１４３は、プール１１２０の性能情報を格納するテーブルである。プール性能情報テーブル４１４３内の一つのエントリは、一つのプール１１２０に対応する。

　プール性能情報テーブル４１４３は、或るプール１１２０を識別するためのプールＩＤ４１４３０と、当該プール１１２０を有するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１４３１と、当該プール１１２０に対する単位時間（１秒）あたりのＩＯ数を示すＩＯＰＳ４１４３２と、を有する。プール性能情報テーブル４１４３は、この図に示した情報に限らず、プール１１２０に関連する他の情報を格納してもよい。

　図１７は、キャッシュ性能情報テーブル４１４４の構成を示す。

　キャッシュ性能情報テーブル４１４４は、キャッシュメモリ１２６０の性能情報を格納するテーブルである。キャッシュ性能情報テーブル４１４４内の一つのエントリは、一つのキャッシュメモリ１２６０に対応する。

　キャッシュ性能情報テーブル４１４４は、或るキャッシュメモリ１２６０を識別するためのキャッシュＩＤ４１４４０と、当該キャッシュメモリ１２６０が属するストレージ装置１０００を識別するためのストレージＩＤ４１４４１と、当該キャッシュメモリ１２６０の容量４１４４２と、当該キャッシュメモリ１２６０の使用率［％］である使用率４１４４３と、を有する。キャッシュ性能情報テーブル４１４４は、この図に示した情報に限らず、キャッシュメモリ１２６０に関連する他の情報を格納してもよい。

　図１８は、管理タスクテーブル４１５０の構成を示す。

　管理タスクテーブル４１５０は、構成管理プログラム４１１０が実行する管理タスクの情報を格納するテーブルである。管理タスクは、管理計算機４０００からの指示により登録され、ストレージ装置１０００により実行される管理操作を示す。管理タスクテーブル４１５０内の一つのエントリは、一つの管理タスクに対応する。

　管理タスクテーブル４１５０は、或る管理タスクを識別するためのタスクＩＤ４１５００と、当該管理タスクを示すタスク種別４１５０１と、当該管理タスクのパラメタを示すタスクパラメタ４１５０２と、当該管理タスクの実行の開始の予定時刻又は実行が開始された時刻を示す実行開始時刻４１５０３と、当該管理タスクの実行の状態を示す実行状態４１５０４と、当該管理タスクの実行を完了する予定時刻を示す実行完了予定時刻４１５０５とを有する。

　タスク種別４１５０１には、管理タスクの種別を示す識別子が登録される。例えば、管理タスクが筺体間データ移行である場合、タスク種別４１５０１の値は「データ移行」を示し、管理タスクがリモートコピーペア作成である場合、タスク種別４１５０１の値は「リモートコピーペア作成」を示す。

　タスクパラメタ４１５０２には、管理タスクを実行するのに必要なパラメタが登録される。例えば、管理タスクが筺体間データ移行である場合、タスクパラメタ４１５０２には、移行元ストレージＩＤ、移行元ボリュームＩＤ、移行元コピーグループＩＤ、移行元ホストポートＩＤ、移行元コピーポートＩＤ、移行先ストレージＩＤ、移行先ボリュームＩＤ、移行先コピーグループＩＤ、移行先ホストポートＩＤ、移行先コピーポートＩＤ、が登録される。また、管理タスクがリモートコピーペア作成である場合、タスクパラメタ４１５０２には、コピー元ストレージＩＤ、コピー元ボリュームＩＤ、コピー先ストレージＩＤ、コピー先ストレージＩＤ、が登録される。

　また、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクを登録する場合に、当該管理タスクの実行開始時刻４１５０３を登録する。また、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクの実行中に、当該管理タスクの実行状態４１５０４と、当該管理タスクの実行完了予定時刻４１５０５とを更新する。実行状態４１５０４は、例えば当該管理タスクが「未実行」であるか「実行中」であるかを示す情報や、「実行中」の管理タスクの進捗［％］等を示す情報である。

　本実施例において、仮想構成管理プログラム４１１１は、管理タスクを登録する場合に、仮想ストレージＩＤや仮想ボリュームＩＤ等の仮想ＩＤをタスクパラメタ４１５０２に登録する。また、構成管理プログラム４１１０は、ストレージ装置１０００に管理操作のコマンドを発行する際に、操作対象のＩＤを、仮想ＩＤから、対応するストレージＩＤや論理ボリュームＩＤ等の物理ＩＤに変換する。この場合、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤから変換された物理ＩＤに関する情報も管理タスクテーブル４１５０に登録してもよい。

　図１９は、管理操作評価テーブル４１６１の構成を示す。

　管理操作評価テーブル４１６１は、ストレージシステムの状態を評価するための評価ルールを示すテーブルである。管理操作評価テーブル４１６１内の一つのエントリは、管理タスクのタスク種別とストレージシステムの状態との一つの組み合わせに対応する。

　管理操作評価テーブル４１６１は、管理タスクのタスク種別４１６１０と、当該管理タスクの実行時におけるストレージシステムの状態４１６１１と、評価対象のリソースを示す評価対象リソース４１６１２と、当該管理タスク及び当該状態の組み合わせに対応する評価ルールを示す評価ルールＩＤ４１６１３と、を有する。

　タスク種別４１６１０に示されている複数の値の夫々は、管理タスクテーブル４１５０のタスク種別４１５０１が取り得る値である。タスク種別４１６１０の管理タスクの実行が指示され、且つストレージシステムの状態が状態４１６１１に登録された状態である場合、構成管理プログラム４１１０は、評価対象リソース４１６１２のリソースについて、評価ルールＩＤ４１６１３に示された評価ルールを用いて評価する。以下の説明において、評価ルールＩＤがｉ（ｉは整数）である評価ルールを評価ルール（ｉ）と呼ぶことがある。

　例えば、仮想構成管理プログラム４１１１がリモートコピーリストアの管理タスクを登録し、構成管理プログラム４１１０がその管理タスクに応じて管理操作コマンドをストレージ装置１０００へ発行する時、リストア先ボリューム（コピー元ボリューム、プライマリボリューム）が筺体間データ移行中だった場合、評価ルール（１）、（２）、（３）、（４）、（５）の評価を実施することにより、管理タスクに指定された仮想ＩＤを移行元の論理ボリューム１１１０の物理ＩＤに変換するか、移行先の論理ボリューム１１１０の物理ＩＤに変換するかを判定する。また、仮想構成管理プログラム４１１１がリモートコピーリストアの管理タスクを登録し、構成管理プログラム４１１０がその管理タスクに応じて管理操作コマンドをストレージ装置１０００へ発行する時、リストア元ボリューム（コピー先ボリューム、セカンダリボリューム）が筺体間データ移行中だった場合、評価ルール（１）、（２）、（５）、（６）、（７）の評価を実施する。また、仮想構成管理プログラム４１１１がリモートコピーペア作成の管理タスクを登録し、構成管理プログラム４１１０がその管理タスクに応じて管理操作コマンドをストレージ装置１０００へ発行する時、コピー元ボリューム（プライマリボリューム）が筺体間データ移行中だった場合、評価ルールＩＤが（１）、（２）、（８）、（９）、（１０）、（１１）を実施する。

　図２０は、評価ルールテーブル４１６２の構成を示す。

　評価ルールテーブル４１６２は、管理操作を実行する際、移行元のストレージ装置１０００である移行元ストレージが有する論理ボリューム１１１０に対して操作するか、移行先のストレージ装置１０００の移行先ストレージが有する論理ボリューム１１１０に対して操作するかを判定するためのルールを示す。評価ルールテーブル４１６２内の一つのエントリは、一つの評価ルールに対応する。構成管理プログラム４１１０は、管理操作の操作対象として移行元ストレージ及び移行先ストレージの何れかを選択する際、移行元ストレージの評価値である移行元スコアと、移行先ストレージの評価値である移行先スコアを算出する。構成管理プログラム４１１０は、全ての評価ルールを評価した後、移行先スコアが移行元スコアより高い場合に移行先ストレージを選択し、そうでなければ移行元ストレージを選択する。

　評価ルールテーブル４１６２は、評価ルールＩＤ４１６２０と、条件４１６２１と、移行元選択フラグ４１６２２と、移行元加算スコア４１６２３と、移行先加算スコア４１６２４と、を有する。

　評価ルールＩＤ４１６２０は、或る評価ルールの識別子であり、管理操作評価テーブル４１６１の評価ルールＩＤ４１６１３に対応する。条件４１６２１は、当該評価ルールにおいて判定されるストレージシステムの状態の条件を表す。

　移行元選択フラグ４１６２２は、評価対象リソースの状態が当該条件を満たす場合に移行元ストレージを操作対象として選択するか否かを示す。移行元加算スコア４１６２３は、ストレージシステムの状態が当該条件を満たす場合に移行元スコアに加算される値を示す。移行先加算スコア４１６２４は、ストレージシステムの状態が当該条件を満たさない場合に移行先スコアに加算される値を示す。

　評価ルール（１）について説明する。管理操作評価テーブル４１６１によれば、当該評価ルールは、筺体間データ移行中にリモートコピーリストア又はリモートコピーペア作成が実行される場合に適用される。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行先ストレージにおいて制御フラグが「ｔｒｕｅ」である論理ボリューム１１１０（移行先制御ボリューム）の数が０であること、すなわち、制御ボリュームが移行先ストレージにないことである。ストレージシステムの状態がこの条件に適合している場合、移行先ボリュームに対してリモートコピーリストアのコマンドを発行することができないので、当該評価ルールの移行元選択フラグ４１６２２は「Ｙｅｓ」であり、操作対象として移行元ストレージが選択される。

　評価ルール（２）について説明する。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行元ストレージにおいて制御フラグが「ｔｒｕｅ」である論理ボリューム１１１０（移行元制御ボリューム）の数が０であり、且つ移行先ストレージにおいて制御フラグが「ｔｒｕｅ」である論理ボリューム１１１０（移行先制御ボリューム）の数が０より多いこと、すなわち制御ボリュームが移行元ストレージにはないが、移行先ストレージにはあることである。移行先ストレージに制御ボリュームがない場合は評価ルール（１）にて移行元ストレージが選択されるため、評価ルール（２）の条件に適合していない場合とは、移行元ストレージおよび移行先ストレージの両方に制御ボリュームがある場合である。この場合、移行元及び移行先のどちらのボリュームの管理操作も実行可能である。しかし、移行元に対して管理操作を実行すると、後に移行を再度行わなければならなくなるため、当該評価ルールの移行先加算スコア４１６２４は移行元加算スコア４１６２３より高く設定されている。

　評価ルール（３）について説明する。管理操作評価テーブル４１６１によれば、当該評価ルールは、リストア先ボリューム（コピー元ボリューム）の筺体間データ移行中にリモートコピーリストアが実行される場合の評価である。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行先ストレージでリモートコピーに使用されるポート（移行先コピーポート）の転送量が５０ＭＢ／ｓより高く、かつ移行元ストレージでリモートコピーに使用されるポート（移行元コピーポート）の転送量が５０ＭＢ／ｓより低いことである。移行先コピーポートの負荷が所定値より高く、且つ移行元コピーポートの負荷が所定値より低い場合、移行元ボリュームへリストアする処理は、移行先ボリュームへリストアする処理より高速になるため、当該評価ルールの移行元加算スコア４１６２３は移行先加算スコア４１６２４より高く設定されている。

　評価ルール（４）について説明する。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行先ストレージのプロセッサ１２２０（移行先プロセッサ）の使用率が３０％より高く、かつ移行元ストレージのプロセッサ１２２０（移行元プロセッサ）の使用率が３０％より低いことである。移行先プロセッサの負荷が所定値より高く、且つ移行元プロセッサの負荷が所定値より低い場合、移行元ボリュームへリストアする処理は、移行先ボリュームへリストアする処理より高速になるため、当該評価ルールの移行元加算スコア４１６２３は移行先加算スコア４１６２４より高く設定されている。

　評価ルール（５）について説明する。当該評価ルールの条件４１６２１は、コピー元ボリュームが属するコピーグループ（コピー元コピーグループ）に筺体間データ移行が未完了である論理ボリューム１１１０（移行未完了ボリューム）があることである。もし、この状態で操作対象として移行先ボリュームを選択し、移行先ボリュームへリストアすると、そのコピーグループ内のリストア先が、移行元ストレージ内の論理ボリューム１１１０と移行先ストレージ内の論理ボリューム１１１０とを含む。すなわち、コピーグループ内のコピー元の論理ボリューム１１１０が、移行元ストレージと移行先ストレージに跨ってしまう。コピーグループ内のコピー元が複数のストレージ装置１０００を跨ぐことができないといった制約がある場合に有効である。反対に、コピーグループのコピー元が複数のストレージ装置１０００を跨いでもよいという場合、当該評価ルールは除外されてもよい。

　評価ルール（１０）の評価ルールについて説明する。このルールについては、管理操作評価テーブル４１６１によれば、リモートコピーペア作成を実行するときにコピー元ボリュームが筺体間データ移行中である場合の評価である。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行先ストレージのキャッシュメモリ１２６０（移行先キャッシュ）の使用率が２０％より高く、かつ移行元ストレージのキャッシュメモリ１２６０（移行元キャッシュ）の使用率が２０％より低いことである。移行先ストレージで使われているキャッシュメモリ１２６０の負荷が所定値より高く、反対に移行先ストレージのキャッシュメモリ１２６０の負荷が所定値より低い場合、移行元ボリュームを用いるリモートコピーペア作成は、移行先ボリュームを用いるリモートコピーペア作成より高速になるため、当該評価ルールの移行元加算スコア４１６２３は移行先加算スコア４１６２４より高く設定されている。

　本実施例では、キャッシュメモリ１２６０の使用率は、リモートコピーペア作成時だけ考慮され、その他のペア操作（リストア等）時には考慮されない。リモートコピーペア作成時には、コピー元ボリュームに格納された全データに対する初期コピーが実行されるためキャッシュメモリ１２６０の負荷が性能上重要視され、その他のペア操作時には、リモートコピーペア作成時ほど重要視されないためである。なお、リモートコピーペア作成以外のペア操作の場合にキャッシュメモリ１２６０の使用率を考慮する評価ルールが用いられてもよい。

　評価ルール（６）及び評価ルール（８）は、評価ルール（３）と同様の評価である。但し、評価ルール（８）の場合、ポートの転送量の閾値が評価ルール（３）より低い３０ＭＢ／ｓになる。評価ルール（８）はリモートコピーペア作成の場合であり、リモートコピーペア作成の初期コピーにおける負荷がリストアより高いため、評価ルール（３）より厳しい条件が設定されている。

　評価ルール（７）及び評価ルール（９）は、評価ルール（４）と同様の評価である。但し、評価ルール（９）の場合、プロセッサ１２２０の使用率の閾値が評価ルール（４）より低い２０％になる。評価ルール（９）はリモートコピーペア作成の場合であり、リモートコピーペア作成の初期コピーにおける負荷がリストアより高いため、評価ルール（４）より厳しい条件が設定されている。

　評価ルール（１１）の評価ルールについて説明する。当該評価ルールの条件４１６２１は、移行先ボリュームが属するプール１１２０（移行先プール）のＩＯＰＳが１００００よりも高く、かつ移行元ボリュームが属するプール１１２０（移行元プール）のＩＯＰＳが１００００よりも低いことである。移行先ボリュームのプール１１２０の負荷が高く、反対に移行先ボリュームのプール１１２０の負荷が低い場合は、移行元ボリュームを用いるリモートコピーペア作成が、移行先ボリュームを用いるリモートコピーペア作成より高速になるため、当該評価ルールの移行元加算スコア４１６２３は移行先加算スコア４１６２４より高く設定されている。

　本実施例では、プール１１２０の負荷は、リモートコピーペア作成時だけ考慮され、その他のペア操作（リストア等）時には考慮されない。なお、リモートコピーペア作成以外のペア操作の場合にプール１１２０の負荷を考慮する評価ルールが用いられてもよい。

　また、構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージ管理者からの入力に基づいて、条件４１６２１や、移行元加算スコア４１６２３や、移行先加算スコア４１６２４等を設定しても良い。また、構成管理プログラム４１１０は、ストレージシステムの運用に応じて、各測定値が移行元スコアや移行先スコアに与える影響を変更してもよい。

　以上が管理計算機４０００のメモリ４１００に格納されるテーブルである。

　以下、管理計算機４０００の動作について説明する。

　構成管理プログラム４１１０は、ユーザインタフェースを介して物理ストレージ管理者からの入力を受け付け、その入力に基づいてストレージ装置１０００及び仮想ストレージ装置６０００の登録の指示を取得する。その後、構成管理プログラム４１１０は、指示されたストレージ装置１０００との通信により、そのストレージ装置１０００の構成情報を取得してメモリ４１００内のテーブルへ保存する。その後、構成管理プログラム４１１０は、ユーザインタフェースを介してストレージ装置１０００及び仮想ストレージ装置６０００の登録完了を、物理ストレージ管理者へ通知する。通知の方法は、ＧＵＩ　（Ｇｒａｐｈｉｃａｌ　Ｕｓｅｒ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）やＣＬＩ　（Ｃｏｍｍａｎｄ　Ｌｉｎｅ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）などのユーザインタフェースを介して通知する方法や、ログにメッセージを出力するなどの方法があるが、特に限定されない。この際、ストレージ装置１０００を用いる仮想ストレージ装置６０００を指示された場合、構成管理プログラム４１１０は、ストレージ装置１０００の構成情報に基づいて仮想ストレージ装置６０００の構成情報を生成してメモリ４１００内のテーブルへ保存する。

　図２１は、筐体間データ移行登録処理を示す。

　筐体間データ移行登録処理において、構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージ管理者からの入力に基づいて、筐体間データ移行の管理タスクを登録する。

　ステップＳ２０００にて、構成管理プログラム４１１０は、ユーザインタフェースを介して物理ストレージ管理者から筐体間データ移行の指示の入力を受け付け、その入力に基づいて筐体間データ移行の指示を取得する。この指示は、移行元ストレージ及び移行先ストレージ等の物理ＩＤを指定しても良いし、移行元ボリューム及び移行先ボリューム等の物理ＩＤを指定しても良い。

　ステップＳ２０１０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された指示に基づいて、移行元ストレージＩＤ、移行元ボリュームＩＤ、移行先ストレージＩＤ、及び移行先ボリュームＩＤの組を決定する。ここで、構成管理プログラム４１１０は、移行先ストレージで使用されるポートも決定する。当該ポートは、ホスト計算機２０００からアクセスするポート以外に、移行元ボリュームがリモートコピーペアに含まれる論理ボリューム１１１０であれば、リモートコピーに使用されるポートを含む。なお、Ｓ２０００で移行元ボリュームと移行先ボリュームが指定された場合は、構成管理プログラム４１１０は、指定された内容に従って移行元ストレージＩＤ、移行元ボリュームＩＤ、移行先ストレージＩＤ、及び移行先ボリュームＩＤの組を決定する。

　ステップＳ２０２０にて、構成管理プログラム４１１０は、指示された筐体間データ移行に関する情報を管理タスクとして管理タスクテーブル４１５０に登録し、このフローを終了する。

　以上が筐体間データ移行登録処理である。この処理によれば、管理計算機４０００は、筐体間データ移行の管理タスクを登録することができる。

　図２２は、管理操作登録処理を示す。

　管理操作登録処理において、仮想構成管理プログラム４１１１は、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、管理タスクを登録する。

　ステップＳ４０００にて、仮想構成管理プログラム４１１１は、ユーザインタフェースを介して仮想ストレージ管理者から管理操作の指示の入力を受け付け、その入力に基づいて管理操作の指示を取得する。当該指示は、管理操作の対象である仮想操作対象を指定する。仮想操作対象は、仮想ストレージ装置６０００の仮想ストレージＩＤ及び仮想ボリュームＩＤ等の仮想ＩＤにより指定される。当該指示がリモートコピーにおけるペア操作であれば、当該指示は、コピー元ボリュームを有する仮想ストレージ装置６０００の仮想ストレージＩＤと、コピー元ボリュームの仮想ボリュームＩＤと、コピー先ボリュームを有する仮想ストレージ装置６０００の仮想ストレージＩＤと、コピー先ボリュームの仮想ボリュームＩＤとを指定する。また、当該指示は、ストレージ装置１０００へ管理操作のコマンドを送信する時刻（開始時刻）を指定してもよい。

　ステップＳ４０１０にて、仮想構成管理プログラム４１１１は、取得された指示に基づいて、管理操作に関する情報を管理タスクとして管理タスクテーブル４１５０に登録し、このフローを終了する。

　以上が管理操作登録処理である。この処理によれば、仮想構成管理プログラム４１１１は、仮想ストレージ装置６０００に対する管理操作を登録することができる。なお、仮想ストレージ管理者が仮想ストレージ装置６０００に対する管理操作を直ちに実行させたい場合、管理タスクテーブル４１５０の実行開始時刻４１５０４に現在時刻を指定すればよい。なお、構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージ管理者からの入力に基づいて、物理ＩＤを指定する管理操作を管理タスクテーブル４１５０へ登録しても良い。

　図２３は、管理タスク実行処理を示す。

　管理タスク実行処理において、構成管理プログラム４１１０は、登録済みの管理タスクを実行する。管理タスクは、筐体間データ移行登録処理や管理操作登録処理により登録された筐体間データ移行や、管理操作（リモートコピーペア作成、リモートコピーリストア等）である。管理タスク実行処理は、定期的に実行される。管理タスク実行処理の実行の時間間隔は、予め決められていても良いし、物理ストレージ管理者等からの入力により指定されてもよい。なお本実施例において、管理タスク実行処理は、管理操作登録処理等の他の処理とは別のスレッドで実行されているものとする。

　ステップＳ３０００にて、構成管理プログラム４１１０は、定期的に管理タスクテーブル４１５０を参照する。

　次にステップＳ３０１０にて、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０内の各管理タスクについて、現在時刻と、管理タスクテーブル４１５０の実行開始時刻４１５０３とを比較し、実行開始時刻４１５０３が現在時刻より前である管理タスクがあるか否かを判定する。実行開始時刻４１５０３が現在時刻より前である管理タスクがない場合、構成管理プログラム４１１０は、このフローを終了する。実行開始時刻４１５０３が現在時刻より前である管理タスクがある場合、構成管理プログラム４１１０は、処理をステップＳ３０２０へ遷移させる。

　ステップＳ３０２０にて、構成管理プログラム４１１０は、実行開始時刻４１５０３が現在時刻より前である管理タスクを選択タスクとして選択し、選択タスクのタスクパラメタ４１５０２を参照し、選択タスクが仮想ＩＤを指定するか否かを判定する。構成管理プログラム４１１０は、選択タスクが仮想ＩＤを指定する場合に処理をステップＳ３０３０へ遷移させ、そうでない場合に処理をステップＳ３０６０へ遷移させる。ここで、構成管理プログラム４１１０は、例えば、選択タスクのタスクパラメタ４１５０２に登録されているＩＤが、ボリューム情報テーブル４１３Ｅ内のストレージＩＤ４１３Ｅ０及びボリュームＩＤ４１３Ｅ１等であれば物理ＩＤと判定し、選択タスクのタスクパラメタ４１５０２に登録されているＩＤが、ボリューム情報テーブル４１３Ｅ内の仮想ストレージＩＤ４１３８０及び仮想ボリュームＩＤ４１３８１等であれば仮想ＩＤと判定する。例えば、仮想構成管理プログラム４１１１により登録された管理操作は、仮想操作対象（仮想ＩＤ）を指定する。また、構成管理プログラム４１１０により登録された筐体間データ移行は、操作対象（物理ＩＤ）を指定する。

　次にステップＳ３０３０にて、構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅに基づいて、選択タスクに指定された仮想ストレージＩＤ及び仮想ボリュームＩＤを、ストレージＩＤ及びボリュームＩＤに夫々変換する。具体的には、構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅのエントリの中から、仮想ストレージＩＤ４１３８０と仮想ボリュームＩＤ４１３８１の組が、選択タスクのタスクパラメタ４１５０２に含まれる仮想ストレージＩＤと仮想ボリュームＩＤの組に一致するエントリを特定し、当該エントリのストレージＩＤ４１３Ｆ０とボリュームＩＤ４１３Ｅ１を取得する。なお、筐体間データ移行が実行されていない状態でステップＳ３０３０が実行される場合、仮想ストレージＩＤと仮想ボリュームＩＤの一組に対し、物理ストレージＩＤと物理ボリュームＩＤの一組だけが取得される。一方、筐体間データ移行が実行されている間にステップＳ３０３０が実行される場合、仮想ストレージＩＤと仮想ボリュームＩＤの一組に対し、移行元ボリュームを示すストレージＩＤとボリュームＩＤの組と、移行先ボリュームを示すストレージＩＤとボリュームＩＤの組との二組が取得される。

　次にステップＳ３０４０にて、構成管理プログラム４１１０は、ストレージＩＤ及びボリュームＩＤにより指定される論理ボリューム１１１０が筐体間データ移行中か否かを判定する。前述したとおり、筐体間データ移行が実行されている間にステップＳ３０３０を実行すると、ストレージＩＤとボリュームＩＤの二組が取得される。そこで、構成管理プログラム４１１０は、取得されたストレージＩＤとボリュームＩＤの組の数によって、筐体間データ移行中か否かを判定してもよい。構成管理プログラム４１１０は、論理ボリューム１１１０が筐体間データ移行中であると判定された場合に、処理をステップＳ３０５０に遷移させ、論理ボリューム１１１０が筐体間データ移行中でないと判定された場合に、処理をステップＳ３０６０に遷移させる。

　ステップＳ３０５０にて、構成管理プログラム４１１０は、仮想操作対象を指定する管理操作を、操作対象（対象ストレージ装置）を指定する管理操作に変換する管理操作変換処理を行う。また、管理操作変換処理は、仮想操作対象に対応する移行元ボリュームと移行先ボリュームの中から操作対象を選択する。管理操作変換処理の詳細については後述する。

　次にステップＳ３０６０では、構成管理プログラム４１１０は、管理操作変換処理により変換された、構成変更などの管理操作のコマンドを生成し、その管理操作の対象として指定されたストレージ装置１０００へＩ／Ｆ４３００を介して発行（送信）する。なお、管理操作の種別によって、ホスト計算機２０００上の構成管理プログラム２１２０を経由して発行してもよい。

　次にステップＳ３０７０にて、構成管理プログラム４１１０は、実行された管理操作によって変更されたストレージ装置１０００や仮想ストレージ装置６０００の構成情報を、収集し、収集された構成情報をメモリ４１００内のテーブルに反映する。

　次にステップＳ３０８０にて、構成管理プログラム４１１０は、実行された管理タスクを管理タスクテーブル４１５０から削除し、このフローを終了する。

　以上が管理タスク実行処理である。この処理によれば、構成管理プログラム４１１０は、登録された管理タスクを実行することができる。

　本実施例において、構成管理プログラム４１１０は、前述のＳ３０５０の管理操作変換処理として、以下に示す第１管理操作変換処理を行う。

　図２４は、第１管理操作変換処理を示す。

　第１管理操作変換処理において、構成管理プログラム４１１０は、仮想操作対象に対応する移行元ボリューム及び移行先ボリュームの何れかを操作対象として選択し、仮想操作対象を指定する管理操作を、選択された操作対象を指定する管理操作に変換する。

　ステップＳ５０００にて、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０から選択タスクのタスク種別４１５０１を取得し、管理操作評価テーブル４１６１のエントリの中から、タスク種別４１６１０が、取得されたタスク種別に一致するエントリを選択し、当該エントリの評価ルールＩＤ４１６１３内の評価ルールＩＤを取得する。例えば、「リモートコピーリストア」の管理操作の実行時に、リストア先（コピー元）ボリュームが筐体間データ移行中である場合、評価ルールＩＤとして１、２、３、４、５が取得される。

　次にステップＳ５０１０にて、構成管理プログラム４１１０は、移行元スコアと移行先スコアを初期化し、移行元スコアと移行先スコアの夫々の値を０に設定する。

　次にステップＳ５０２０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された評価ルールＩＤから一つを選択し、評価ルールテーブル４１６２から、選択された評価ルールＩＤに対応する評価ルールを取得する。

　次にステップＳ５０３０にて、構成管理プログラム４１１０は、ストレージシステムの状態が、取得された評価ルールの条件４１６２１に適合するか否かの判定を行う。ここで、構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅ、プロセッサ性能情報テーブル４１４１、ポート性能情報テーブル４１２１、プール性能情報テーブル４１４３、キャッシュ性能情報テーブル４１４４等に基づいて、ストレージシステムの状態を判定する。構成管理プログラム４１１０は、状態が条件に適合しないと判定された場合に処理をステップＳ５０４０へ遷移させ、状態が条件に適合すると判定された場合に処理をステップＳ５０６０に遷移させる。

　ステップＳ５０４０にて、構成管理プログラム４１１０は、評価ルールテーブル４１６２から、取得された評価ルールの移行先加算スコア４１６２４を移行先スコアに加算する。

　ステップＳ５０６０にて、構成管理プログラム４１１０は、評価ルールテーブル４１６２から、選択された評価ルールが移行元ストレージを操作対象として選択することを示すか否かを判定する。ここで、構成管理プログラム４１１０は、選択された評価ルールＩＤに対応する移行元選択フラグ４１６２２が「Ｙｅｓ」である場合、必ず移行元ストレージを操作対象として選択することを示す。言い換えれば、移行先ストレージを操作対象として選択することができないことを示す。ここで、構成管理プログラム４１１０は、移行元選択フラグ４１６２２が「Ｙｅｓ」である場合に、処理をステップＳ５１００に遷移させ、そうでない場合に、処理をステップＳ５０５０に遷移させる。

　ステップＳ５０５０にて、構成管理プログラム４１１０は、評価ルールテーブル４１６２から、取得された評価ルールの移行元加算スコア４１６２３を移行元スコアに加算する。

　次にステップＳ５０７０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された全ての評価ルールＩＤの選択を完了したか否かを判定し、全ての評価ルールＩＤの選択を完了した場合に、処理をステップＳ５０８０へ遷移させ、そうでない場合に、処理をステップＳ５０２０へ遷移させ、次の評価ルールＩＤを選択する。

　ステップＳ５０８０にて、構成管理プログラム４１１０は、移行先スコアが移行元スコアより高いか否かを判定し、移行先スコアが移行元スコアより高い場合に処理をステップＳ５０９０へ遷移させ、そうでない場合に処理をステップＳ５１００に遷移させる。

　ステップＳ５０９０にて、移行先ボリュームを操作対象として選択し、仮想操作対象を指定する管理操作を、選択された操作対象を指定する管理操作に変換し、変換された管理操作をメモリ４１００に保持し、このフローを終了する。操作対象は、移行先のストレージＩＤとボリュームＩＤにより特定される。その後、構成管理プログラム４１１０は、管理タスク実行処理をステップＳ３０６０に遷移させ、移行先ボリュームに対する管理操作のコマンドを発行する。

　ステップＳ５１００にて、移行元ボリュームを操作対象として選択し、仮想操作対象を指定する管理操作を、選択された操作対象を指定する管理操作に変換し、変換された管理操作をメモリ４１００に保持し、このフローを終了する。操作対象は、移行元のストレージＩＤとボリュームＩＤにより特定される。その後、構成管理プログラム４１１０は、管理タスク実行処理のステップＳ３０６０に遷移し、移行元ボリュームに対する管理操作のコマンドを生成し、操作対象のストレージ装置１０００に送信する。

　以上が第１管理操作変換処理である。この処理によれば、管理計算機４０００は、リモートコピー操作の種別とストレージシステムの状態とに応じて、最適な操作対象を選択し、操作対象に対するコマンドを生成することができる。また、移行元ストレージ及び移行先ストレージのリソースの負荷を用いて、最適な操作対象を選択することにより、ストレージシステムの性能の低下を防ぐことができる。また、移行元ストレージ及び移行先ストレージにおける複数のリソースの負荷を用いて、移行元ストレージ及び移行先ストレージの夫々の評価値を算出することにより、最適な操作対象を選択することができる。また、移行先ストレージが制御ボリュームを含まない場合に、移行元ストレージを操作対象として選択することにより、管理操作の失敗を防ぐことができる。

　以下、前述のステップＳ５０３０の詳細について説明する。

　評価ルール（１）を選択した構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅから、ストレージＩＤ４１３Ｅ０の値が移行先ストレージを示す全てのエントリを選択し、選択されたエントリの制御フラグ４１３Ｅ６を移行先制御フラグとして取得する。その後、構成管理プログラム４１１０は、移行先制御フラグの中に「Ｙｅｓ」が含まれている場合、ストレージシステムの状態が、取得された条件４１６２１に適合すると判定する。

　評価ルール（２）を選択した構成管理プログラム４１１０は、前述の移行先制御フラグを取得すると共に、ボリューム情報テーブル４１３Ｅから、ストレージＩＤ４１３Ｅ０の値が移行元ストレージを示す全てのエントリを選択し、選択されたエントリの制御フラグ４１３Ｅ６を移行元制御フラグとして取得する。その後、構成管理プログラム４１１０は、移行先制御フラグの中に「Ｙｅｓ」が含まれており、且つ移行元制御フラグの中に「Ｙｅｓ」が含まれていない場合、ストレージシステムの状態が、取得された条件４１６２１に適合すると判定する。

　評価ルール（３）は、リモートコピーリストア時にリストア先ボリューム（コピー元ボリューム）が筐体間データ移行中である場合に適用される。この場合、構成管理プログラム４１１０は、次の処理を行う。
（Ｓ５２３１）構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２の組が移行元ストレージ及び移行元ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー元ポートＩＤ４１３Ａ３を移行元ポートＩＤとして取得する。
（Ｓ５２３２）同様に、構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２の組が移行先ストレージ及び移行先ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー元ポートＩＤ４１３Ａ３を移行先ポートＩＤとして取得する。
（Ｓ５２３３）構成管理プログラム４１１０は、ポート性能情報テーブル４１４２から、ポートＩＤ４１４２０が移行元ポートＩＤを示すエントリを選択し、当該エントリの転送量４１４２２を移行元ポート転送量として取得する。更に構成管理プログラム４１１０は、ポート性能情報テーブル４１４２から、ポートＩＤ４１４２０が移行先ポートＩＤを示すエントリを選択し、当該エントリの転送量４１４２２を移行先ポート転送量として取得する。
（Ｓ５２３４）構成管理プログラム４１１０は、移行元ポート転送量及び移行先ポート転送量を用いて、ストレージシステムの状態が条件４１６２１に適合するか否かを判定する。

　評価ルール（６）は、リモートコピーリストア時にリストア元ボリューム（コピー先ボリューム）が筐体間データ移行中である場合に適用される。この場合、構成管理プログラム４１１０は、評価ルール（３）の処理において、Ｓ５２３１及びＳ５２３２に代えて、次のＳ５２３１ｂ及びＳ５２３２ｂを行う。
（Ｓ５２３１ｂ）構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー先ストレージＩＤ４１３Ａ４及びコピー先ボリュームＩＤ４１３Ａ５の組が移行元ストレージ及び移行元ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー先ポートＩＤ４１３Ａ６を移行元ポートＩＤとして取得する。
（Ｓ５２３２ｂ）構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー先ストレージＩＤ４１３Ａ４及びコピー先ボリュームＩＤ４１３Ａ５の組が移行先ストレージ及び移行先ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー先ポートＩＤ４１３Ａ６を移行先ポートＩＤとして取得する。

　評価ルール（４）は、評価ルール（３）と同様、リモートコピーリストア時にリストア先ボリュームが筐体間データ移行中である場合に適用される。この場合、構成管理プログラム４１１０は、次の処理を行う。
（Ｓ５２４１）構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅから、ストレージＩＤ４１３Ｅ０とボリュームＩＤ４１３Ｅ１の組が移行元ストレージ及び移行元ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのプロセッサＩＤ４１３Ｅ５を移行元プロセッサＩＤとして取得する。
（Ｓ５２４２）構成管理プログラム４１１０は、ボリューム情報テーブル４１３Ｅから、ストレージＩＤ４１３Ｅ０とボリュームＩＤ４１３Ｅ１の組が移行先ストレージ及び移行先ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのプロセッサＩＤ４１３Ｅ５を移行先プロセッサＩＤとして取得する。
（Ｓ５２４３）構成管理プログラム４１１０は、プロセッサ性能情報テーブル４１４１から、プロセッサＩＤ４１４１０が移行元プロセッサＩＤを示すエントリを選択し、当該エントリの使用率４１４１２を移行元プロセッサ使用率として取得する。更に構成管理プログラム４１１０は、プロセッサ性能情報テーブル４１４１から、プロセッサＩＤ４１４１０が移行先プロセッサＩＤを示すエントリを選択し、当該エントリの使用率４１４１２を移行先プロセッサ使用率として取得する。
（Ｓ５２４４）構成管理プログラム４１１０は、移行元プロセッサ使用率及び移行先プロセッサ使用率を用いて、ストレージシステムの状態が条件４１６２１に適合するか否かを判定する。

　評価ルール（７）と、評価ルール（９）についても、評価ルール（４）と同様の手順で評価される。

　評価ルール（５）は、リモートコピーリストア時にリストア先ボリューム（コピー元ボリューム）が筐体間データ移行中の場合に適用される。この場合、構成管理プログラム４１１０は、次の処理を行う。
（Ｓ５２５１）構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピーグループＩＤ４１３Ａ８がリストア対象コピーグループを示すエントリを選択し、当該エントリの当該エントリのコピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２を取得する。
（Ｓ５２５２）構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０から、取得されたコピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２で特定される全ての論理ボリューム１１１０の筺体間データ移行が完了しているか否かを判定する。

　評価ルール（８）は、リモートコピーペア作成時にコピー元ボリュームが筐体間データ移行中である場合に適用される。この場合、構成管理プログラム４１１０は、評価ルール（３）の処理において、Ｓ５２３１及びＳ５２３２に代えて、次のＳ５２３１ｃ及びＳ５２３２ｃを行う。
（Ｓ５２３１ｃ）構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２の組が移行元ストレージ及び移行元ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー元ポートＩＤ４１３Ａ３を移行元ポートＩＤとして取得する。
（Ｓ５２３２ｃ）同様に、構成管理プログラム４１１０は、コピーペア情報テーブル４１３Ａから、コピー元ストレージＩＤ４１３Ａ１及びコピー元ボリュームＩＤ４１３Ａ２の組が移行先ストレージ及び移行先ボリュームの組を示すエントリを選択し、当該エントリのコピー元ポートＩＤ４１３Ａ３を移行先ポートＩＤとして取得する。なお、構成管理プログラム４１１０は、物理ストレージ管理者からの入力に基づいて、リモートコピーペア作成の指示において移行元ポートＩＤ及び移行先ポートＩＤを指定しても良い。ストレージ装置１０００毎にリモートコピーに使用できるポートＩＤが予め定められており、構成管理プログラム４１１０は、そのポートを移行元ポートＩＤ及び移行先ポートＩＤとして指定しても良い。

　評価ルール（１０）の評価は、評価ルール（４）の評価において、プロセッサ性能情報テーブル４１４１に代えて、キャッシュ性能情報テーブル４１４４を用いる。

　評価ルール（１１）の評価は、評価ルール（４）の評価において、プロセッサ性能情報テーブル４１４１に代えて、プール性能情報テーブル４１４３を用いる。

　以上の処理によって、管理計算機４０００は、仮想操作対象を指定する管理操作をストレージ装置１０００へ発行する際に、適切な操作対象を選択することができる。例えば、リモートコピーリストア操作が実行されるときに、リストア先ボリューム（コピー元ボリューム）が筐体間データ移行中である場合、移行元ボリュームと移行先ボリュームのうち、最適なリストア先を選択することができる。ここで、管理計算機４０００は、評価ルールに従って、移行元ボリュームにリストアする場合の移行元スコアと、移行先ボリュームにリストアする場合の移行先スコアとを算出して比較することにより、すなわち効率よくリストア可能なリストア先ボリュームを選ぶことができる。

　本実施例によれば、仮想ＩＤを指定して管理操作が指示された場合に、ストレージシステムの状態に応じて、その仮想ＩＤに対応する適切な物理ＩＤを特定することができる。これにより、仮想ストレージ管理者が、物理ストレージの状態を意識せずに管理操作を指示する場合であっても、効率よく管理操作を実行することができる。

　仮想操作対象として指定された仮想ボリュームに対応する論理ボリュームが筐体間データ移行中である場合、仮想操作対象から操作対象への変換ができても、管理操作の実行ができない場合や、管理操作を実行しても実効性がない場合がある。

　例えば、管理操作登録処理により、仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、或る仮想ボリュームに対するボリューム削除の管理操作を登録したとする。当該仮想ボリュームに割り当てられた論理ボリューム１１１０である対象ボリュームが筐体間データ移行中でない場合、構成管理プログラム４１１０は、当該仮想ボリュームに対応する対象ボリュームを特定し、対象ボリュームを削除するだけでよい。しかし、対象ボリュームが筐体間データ移行中である場合、当該仮想ボリュームに対応する対象ボリュームは移行元ボリュームと移行先ボリュームの２つになる。ボリューム削除の目的を考慮すると、移行元ボリュームと移行先ボリュームの何れか一方を削除するだけでは不十分である。

　以降の説明において、仮想構成管理プログラム４１１１により登録された管理操作を、異なる管理操作に変換する処理を、変換あるいは展開と呼ぶことがある。

　本実施例においては、実施例１との相違点を主に説明し、実施例１との共通点については説明を省略する。

　以下、実施例２の計算機システムの構成について説明する。

　本実施例において、計算機システム、ストレージ装置１０００、ホスト計算機２０００の構成は、実施例１と同様であるため、説明を省略する。

　図２５は、実施例２の管理計算機４０００の構成を示す。

　実施例１のメモリ４１００と比較すると、実施例２のメモリ４１００は、実施例１のプログラム及びテーブルに加えて、管理操作展開テーブル４１６３ｂと、展開ルールテーブル４１６４ｂとを格納する。

　図２６は、管理操作展開テーブル４１６３ｂの構成を示す。

　管理操作展開テーブル４１６３ｂは、或るタスク種別の管理操作を展開するときに使用する展開ルールの識別子を示す。

　管理操作展開テーブル４１６３ｂは、タスク種別４１６３０と、展開ルールＩＤ４１６３１と、を有する。管理操作展開テーブル４１６３ｂ内の一つのエントリは、一つのタスク種別４１６３０に対応する。展開ルールＩＤは、当該タスク種別に対応する展開ルールの識別子である。以下の説明において、展開ルールＩＤがｉ（ｉは整数）である展開ルールを展開ルール（ｉ）と呼ぶことがある。

　図２７は、展開ルールテーブル４１６４ｂの構成を示す。

　展開ルールテーブル４１６４ｂは、管理操作を別の管理操作に展開するルールである展開ルールを管理するテーブルである。

　管理操作展開テーブル４１６３ｂは、展開ルールＩＤ４１６４０と、条件４１６４１と、動作４１６４２と、を有する。管理操作展開テーブル４１６３ｂ内の一つのエントリは、一つの展開ルールに対応する。展開ルールＩＤ４１６４０は、或る展開ルールの識別子である。条件４１６４１は、当該展開ルールで管理操作を展開するためのストレージシステムの状態の条件を示す。動作４１６４２は、ストレージシステムの状態の当該条件を満たす場合の構成管理プログラム４１１０の動作を示す。構成管理プログラム４１１０が、当該管理操作を実行する際、ストレージシステムの状態が、タスク種別に対応する展開ルールの条件４１６４１に適合している場合、登録された管理操作を動作４１６４２に示された管理操作に展開して実行する。

　以下、展開ルールの詳細について説明する。

　仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、仮想ＩＤを指定するリモートコピーペア再同期の管理操作を登録したとする。この場合、構成管理プログラム４１１０は、管理操作の実行時に展開ルール（１）を選択する。このとき、実施例１の管理タスク実行処理と同様、仮想操作対象が筐体間データ移行中であるとする。展開ルール（１）の条件４１６４１は、ストレージシステムの状態が次の条件Ｃ１１～Ｃ１６の全てに適合することである。
（Ｃ１１）リモートコピーペア再同期の対象のコピー元ボリューム及びコピー先ボリュームを再同期対象ボリューム群とし、再同期対象ボリューム群がリモートコピーに使用しているポートをコピーポートとするとき、コピーポートを再同期対象ボリューム群と共有する論理ボリューム１１１０であるポート共有ボリュームが存在する。
（Ｃ１２）ポート共有ボリュームが筐体間データ移行中である。
（Ｃ１３）コピーポートのポート転送量が１００ＭＢ／ｓ以上である。
（Ｃ１４）再同期対象ボリューム群が使用しているプロセッサをコピープロセッサとするとき、コピープロセッサを再同期対象ボリューム群と共有する論理ボリューム１１１０であるプロセッサ共有ボリュームが存在する。
（Ｃ１５）プロセッサ共有ボリュームが筐体間データ移行中である。
（Ｃ１６）コピープロセッサの使用率が５０％以上である。

　ストレージシステムの状態が展開ルール（１）の条件４１６４１に適合する場合、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤを指定するリモートコピーペア再同期の管理操作を、筐体間データ移行の一時中断（Ｍ１１）と、物理ＩＤを指定するリモートコピーペア再同期（Ｍ１２）と、一時中断された筐体間データ移行の再開（Ｍ１３）との管理操作に展開して実行する。Ｍ１１は、ポート共有ボリュームの筺体間データ移行の一時中断と、プロセッサ共有ボリュームの筺体間データ移行の一時中断とを含む。Ｍ１３は、ポート共有ボリュームの筺体間データ移行の再開と、プロセッサ共有ボリュームの筺体間データ移行の再開とを含む。ここでポート共有ボリューム及びプロセッサ共有ボリュームをリソース共有ボリュームとすると、構成管理プログラム４１１０は、リソース共有ボリュームとそれを含むストレージ装置１０００とを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、筐体間データ移行の一時中断のコマンドを送信する。更に構成管理プログラム４１１０は、リモートコピーペア再同期の仮想ＩＤに対応するストレージ装置１０００及び論理ボリューム１１１０を選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、選択された論理ボリューム１１１０のリモートコピーペア再同期のコマンドを送信する。更に構成管理プログラム４１１０は、Ｍ１１で選択されたストレージ装置１０００へ、筐体間データ移行の再開のコマンドを送信する。

　仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、ボリューム削除の管理操作を登録したとする。この場合、構成管理プログラム４１１０は、管理操作の実行時に展開ルール（２）を選択する。条件４１６４１に「ＡＬＬ」と登録されている場合は、対応する管理操作の実行が指示されると無条件で、対応する動作４１６４２を実行することを意味する。この場合、ボリューム削除の対象の仮想ボリューム６１１１０を削除対象ボリュームとするとき、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤを指定するボリューム削除の管理操作を、削除対象ボリュームの筐体間データ移行のキャンセル（Ｍ２１）と、当該筐体間データ移行の移行元ボリュームのボリューム削除（Ｍ２２）と、当該筐体間データ移行の移行先ボリュームのボリューム削除（Ｍ２３）との管理操作に展開して実行する。ここで構成管理プログラム４１１０は、移行元ボリュームとそれを含むストレージ装置１０００とを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、筐体間データ移行のキャンセルのコマンドと、ボリューム削除のコマンドを送信する。更に構成管理プログラム４１１０は、移行先ボリュームとそれを含むストレージ装置１０００とを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、ボリューム削除のコマンドを送信する。展開ルール（２）によれば、筐体間データ移行中に仮想ボリューム６１１０を削除する場合、その仮想ボリューム６１１０に対応する移行元ボリューム及び移行先ボリュームの両方を確実に削除することができる。

　仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、リモートコピーペア作成の管理操作を登録したとする。この場合、構成管理プログラム４１１０は、管理操作の実行時に展開ルール（３）と展開ルール（４）と展開ルール（５）とを選択する。

　展開ルール（３）の条件４１６４１は、作成されるコピーペアのコピー元（ペア作成元）ストレージに制御ボリュームが無く、且つ当該コピーペアのコピー先（ペア作成先）ストレージに制御ボリュームが無いことである。ストレージシステムの状態が展開ルール（３）の条件４１６４１に適合する場合、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤを指定するリモートコピーペア作成の管理操作を、コピー元ストレージへの制御ボリューム作成（Ｍ３１）と、コピー先ストレージへの制御ボリューム作成（Ｍ３２）と、物理ＩＤを指定するリモートコピーペア作成（Ｍ３３）との管理操作に展開して実行する。ここで構成管理プログラム４１１０は、コピー元ストレージ及びコピー先ストレージを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、制御ボリューム作成のコマンドと、リモートコピーペア作成のコマンドとを送信する。

　展開ルール（４）の条件４１６４１は、作成されるコピーペアのコピー元（ペア作成元）ストレージが制御ボリュームを含まず、且つ当該コピーペアのコピー先（ペア作成先）ストレージが制御ボリュームを含むことである。ストレージシステムの状態が展開ルール（４）の条件４１６４１に適合する場合、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤを指定するリモートコピーペア作成の管理操作を、コピー元ストレージへの制御ボリューム作成（Ｍ４１）と、物理ＩＤを指定するリモートコピーペア作成（Ｍ４２）との管理操作に展開して実行する。ここで構成管理プログラム４１１０は、コピー元ストレージを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、制御ボリューム作成のコマンドを送信する。更に構成管理プログラム４１１０は、コピー元ストレージ及びコピー先ストレージを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、リモートコピーペア作成のコマンドを送信する。

　展開ルール（５）の条件４１６４１は、作成されるコピーペアのコピー元（ペア作成元）ストレージが制御ボリュームを含み、且つ当該コピーペアのコピー先（ペア作成先）ストレージが制御ボリュームを含まないことである。ストレージシステムの状態が展開ルール（５）の条件４１６４１に適合する場合、構成管理プログラム４１１０は、仮想ＩＤを指定するリモートコピーペア作成の管理操作を、コピー先ストレージへの制御ボリューム作成（Ｍ５１）と、物理ＩＤを指定するリモートコピーペア作成（Ｍ５２）との管理操作に展開して実行する。ここで構成管理プログラム４１１０は、コピー先ストレージを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、制御ボリューム作成のコマンドを送信する。更に構成管理プログラム４１１０は、コピー元ストレージ及びコピー先ストレージを選択し、選択されたストレージ装置１０００へ、リモートコピーペア作成のコマンドを送信する。

　展開ルール（３）、（４）、（５）によれば、リモートコピー作成の実行時、コピー元ストレージ及びコピー先ストレージの中で制御ボリュームが存在しないストレージ装置１０００に制御ボリュームを作成することにより、リモートコピー作成の失敗を防ぎ、確実にコピーペアを作成することができる。

　以下、管理計算機４０００の動作について説明する。

　筐体間データ移行登録処理、管理操作登録処理、管理タスク実行処理については、実施例１と同様であるため、説明を省略する。

　本実施例において、構成管理プログラム４１１０は、前述のＳ３０５０の管理操作変換処理として、第１管理操作変換処理の後に、第２管理操作変換処理を行う。

　図２８は、第２管理操作変換処理を示す。

　第２管理操作変換処理において、構成管理プログラム４１１０は、仮想構成管理プログラム４１１により登録された管理操作を、ストレージ装置１０００により実行可能な管理操作に変換（展開）する。

　ステップＳ６０００にて、構成管理プログラム４１１０は、管理操作展開テーブル４１６３ｂから、管理操作の種別に対応する展開ルールＩＤを取得する。

　次にステップＳ６０１０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された展開ルールＩＤの一つを選択し、展開ルールテーブル４１６４ｂから、選択された展開ルールＩＤに対応する展開ルールを取得する。

　次にステップＳ６０２０にて、構成管理プログラム４１１０は、ストレージシステムの状態が、取得された展開ルールの条件４１６４１に適合するか否かを判定し、状態が条件に適合する場合に、処理をステップＳ６０４０へ遷移させ、そうでない場合に処理をステップＳ６０３０へ遷移させる。

　ステップＳ６０４０にて、構成管理プログラム４１１０は、操作対象のストレージ装置１０００が、取得された展開ルールの動作４１６４２を実行することができるか否かを判定し、動作が実行可能である場合に処理をステップＳ６０５０に遷移させ、そうでない場合に処理をステップＳ６０６０に遷移させる。

　ステップＳ６０５０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された展開ルールの動作４１６４２をメモリ４１００保持する。ここで構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０に取得された展開ルールの動作４１６４２を登録しても良い。

　次にステップＳ６０３０にて、構成管理プログラム４１１０は、取得された全ての展開ルールの選択を完了したか否かを判定し、選択を完了した場合に、このフローを終了し、そうでない場合に処理をステップＳ６０１０へ遷移させ、次の展開ルールＩＤを選択する。

　ステップＳ６０６０にて、構成管理プログラム４１１０は、ユーザインタフェースを介してエラーを出力し、このフローを終了する。

　以上が第２管理操作変換処理である。

　例えば、管理操作登録処理により、仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、或る仮想ボリュームに対するボリューム削除の管理操作を登録したとする。管理タスク実行処理により、構成管理プログラム４１１０は、仮想操作対象に対応する操作対象を取得する。また、ボリューム削除に対応する評価ルールは管理操作評価テーブル４１６１に含まれていないので、構成管理プログラム４１１０は、第１管理操作変換処理をスキップする。

　第２管理操作変換処理において、構成管理プログラム４１１０は、管理操作がボリューム削除であるため、展開ルール（２）に従って、ボリューム削除の管理操作を展開する。展開ルール（２）の条件４１６４１は「ＡＬＬ」であるため無条件で動作４１６４２を取得する。ここで、構成管理プログラム４１１０は、削除対象ボリュームの筺体間データ移行をキャンセル（中止）し、移行元ボリュームと移行先ボリュームを削除する。ここで、構成管理プログラム４１１０は、移行元ボリュームと移行先ボリュームに格納されたデータをシュレッディングしてからそれらのボリュームを削除してもよい。その場合、対応する動作４１６４２に、シュレッディングする管理操作が設定される。

　また、例えば、管理操作登録処理により、仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、或る仮想ボリュームを用いるリモートコピーペア作成の管理操作を登録したとする。管理タスク実行処理により、構成管理プログラム４１１０は、仮想操作対象に対応する操作対象を取得する。このとき、コピー元ボリュームが筐体間データ移行中であるとする。構成管理プログラム４１１０は、コピー元ボリュームの仮想ＩＤに対応して移行元ボリュームと移行先ボリュームの物理ＩＤを取得する。第１管理操作変換処理により、構成管理プログラム４１１０は、移行元ボリュームと移行先ボリュームの何れに対して管理操作を実行するかを決定する。なお、実施例１では、管理操作がリモートコピーペア作成である場合、構成管理プログラム４１１０は、評価ルール（１）、（２）、（８）、（９）、（１０）、（１１）に基づき評価を実施していたが、本実施例では、評価ルール（１）以外の条件４１６２１を確認し、コピー元ボリュームを移行元ボリュームとするか、移行先ボリュームとするかを決定する。なぜなら、本実施例では、コピー元ボリュームを有するストレージ装置に制御ボリュームがなければ当該ストレージ装置に制御ボリュームを作成するため、移行先ストレージに制御ボリュームがないからといって必ずしも移行元ストレージを選択する必要がないためである。ここでは、コピー元ボリュームとして移行先ボリュームが選択されたとする。

　その後、構成管理プログラム４１１０は、第２管理操作変換処理を行う。管理操作がリモートコピーペア作成コマンドの場合は、展開ルール（４）に従って、リモートコピーペア作成の管理操作を展開する。評価ルール（４）の条件４１６４１は、コピー元ストレージに制御ボリュームがない、である。ここでは、コピー元ボリュームとして移行先ボリュームが選ばれたため、構成管理プログラム４１１０は、移行先ストレージに制御ボリュームがあるか否かを確認し、制御ボリュームがない場合、動作４１６４２を実行する。本実施例において、構成管理プログラム４１１０は、移行先ストレージに制御ボリュームを作成し、リモートコピーペア作成を実行する。

　また、例えば、管理操作登録処理により、仮想構成管理プログラム４１１１が、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて、或る仮想ボリュームを用いるリモートコピー再同期の管理操作を登録したとする。第２管理操作変換処理により、構成管理プログラム４１１０は、リモートコピーペア再同期の速度に影響を与える筐体間データ移行の一時中断を実行し、その後、リモートコピーペア再同期を実行し、その後、一時中断した筐体間データ移行を再開させる。これにより、構成管理プログラム４１１０は、筐体間データ移行に対してリモートコピーペア再同期を優先させることができる。

　なお、展開ルール（１）は、リモートコピーに使用されているポートおよびプロセッサが高負荷になっていると、それらのポート及びプロセッサを共有している論理ボリューム１１１０であるリソース共有ボリューム（ポート共有ボリューム及びプロセッサ共有ボリューム）の筺体間データ移行を全て一時中断してしまうことになる。そこで、展開ルール（１）は、筐体間データ移行の進捗が所定の閾値より小さい筐体間データ移行だけを一時中断しても良い。ここで構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０の実行状態４１５０４に示されている進捗を用いても良いし、現在時刻から実行完了予定時刻４１５０５までの時間に基づいて進捗を算出されても良い。また、展開ルール（１）は、複数の筐体間データ移行の夫々に優先度を設定し、優先度が所定の閾値より低い筐体間データ移行を一時中断しても良い。このように、展開ルール（１）は、リソース共有ボリュームの中の特定の論理ボリューム１１１０のみ筺体間データ移行を一時中断してもよい。また、展開ルール（１）は、管理タスクテーブル４１５０の実行状態４１５０４を参照し、リソース共有ボリュームの筐体間データ移行が現在から一定時間以下で完了するか否かを判定し、現在から一定時間以下で完了すると判定されればその筺体間データ移行を中断するのではなく、筺体間データ移行の完了を待ってからリモートコピーペア再同期を行うようなルールを有していてもよい。また、リモートコピーペア再同期の管理タスクを実行する際に、複数の筺体間データ移行が実行中である場合、リモートコピーペア再同期の速度に影響を与える筐体間データ移行を選択して一時中断させることができる。

　なお、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０内の実行完了予定時刻４１５０５に基づいて、管理タスクテーブル４１５０内の管理タスクの実行順序を変更しても良い。例えば、構成管理プログラム４１１０は、管理操作の実行をストレージ装置１０００に指示する前に、そのストレージ装置１０００の構成情報及び性能情報から、管理タスクテーブル４１５０の実行完了予定時刻４１５０５を推定し、最後の管理タスクの実行完了予定時刻４１５０５が予め設定された完了時刻以前であるか否かを判定する。完了予定時刻４１５０５が完了時刻以前でない場合、構成管理プログラム４１１０は、管理タスクテーブル４１５０の実行状態４１５０４が「未実行」である管理タスクを取得し、実行開始時間４１５０３を変更することにより、取得された管理タスクの実行順番を入れ替え、再び実行完了予定時刻４１５０５を推定する。構成管理プログラム４１１０は、入れ替えられた実行順番が完了時刻の要求を満たす場合、その実行順番で管理タスクを実行する。完了時刻は、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて仮想構成管理プログラム４１１１により設定されても良いし、物理ストレージ管理者からの入力に基づいて構成管理プログラム４１１０により設定されても良い。これにより、完了時刻の要求に適した実行順番で複数の管理タスクを実行することができる。

　なお、管理操作変換処理は、第１管理操作変換処理を含まなくても良い。また、評価ルールの一部や、展開ルールの一部が省かれても良い。

　管理操作変換処理は、仮想ボリューム６１１０等の仮想操作対象を指定する管理操作に基づいて、適切な論理ボリューム１１１０を指定するコマンドを生成することができる。また、管理操作変換処理は、リモートコピー操作とボリューム操作の何れかの管理操作に基づいて、適切な一つ又は複数のコマンドを生成することができる。

　本実施例によれば、構成管理プログラム４１１０は、仮想ストレージ管理者によって登録された管理操作を実行する際に、その管理操作及びストレージシステムの状態に応じて管理操作を加える等の変換を行い、変換された管理操作をストレージ装置１０００に実行させることができる。例えば、構成管理プログラム４１１０は、ボリューム削除が実行された時に、削除対象ボリュームが筐体間データ移行中の場合は、移行元ボリュームと移行先ボリュームの両方を削除するように管理操作を変換し、適切に管理操作を実行することができる。

　また、構成管理プログラム４１１０は、仮想ストレージ管理者からの入力に基づいて登録された管理操作を適切なコマンドに変換することができ、仮想ストレージ管理者がストレージ装置１０００の構成を意識しなくても、適切なストレージ装置１０００に対して管理操作のコマンドを発行することができる。

　以上の実施例で説明された技術は、次のように表現することができる。
（表現１）
　第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置に接続された通信制御デバイスと、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納するメモリと、
　前記通信制御デバイス及び前記メモリに接続されたプロセッサと、
を備え、
　前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージ管理計算機。
（表現２）
　前記操作指示は、前記仮想ストレージ装置内の仮想ボリュームを指定し、前記仮想ボリュームの構成の変更を指示し、
　前記操作コマンドは、前記対象ストレージ装置内で前記仮想ボリュームに対応する対象ボリュームを指定し、前記対象ボリュームの構成の変更を指示する、
表現１に記載のストレージ管理計算機。
（表現３）
　前記通信制御デバイスは更に、第３ストレージ装置に接続され、
　前記操作指示は、前記第３ストレージ装置内の特定ボリューム及び前記仮想ボリュームをペアとするリモートコピーの操作と、前記仮想ボリュームに対する操作のうち何れか一つを指示する、
表現２に記載のストレージ管理計算機。
（表現４）
　前記操作指示が、前記リモートコピーのリストア及びペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージの何れか一つを前記対象ストレージ装置として選択し、前記対象ボリュームに対して前記リストア及び前記ペア作成の何れかを指示する前記操作コマンドを生成し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
表現３に記載のストレージ管理計算機。
（表現５）
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中で前記リモートコピーに用いられるリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リストア及び前記ペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記リソースの負荷に基づいて前記対象ストレージ装置を選択する、
表現４に記載のストレージ管理計算機。
（表現６）
　前記プロセッサは、前記リソースの負荷を示す情報を、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置から受信し、前記受信された情報を前記メモリへ保存する、
表現５に記載のストレージ管理計算機。
（表現７）
　前記状態情報は、前記第２ストレージ装置が、前記操作コマンドに応じた処理を実行するための制御ボリュームを含むか否かを示し、
　前記操作指示が、前記リストア及びペア作成の何れかの指示であり、且つ前記第２ストレージ装置が制御ボリュームを含まない場合、前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択する、
表現６に記載のストレージ管理計算機。
（表現８）
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置と前記第２ストレージ装置と前記第３ストレージ装置の夫々が、前記操作コマンドに応じた処理を実行するための制御ボリュームを含むか否かを示し、
　前記操作指示が、前記ペア作成の指示である場合、前記プロセッサは、前記状態情報に基づいて、前記対象ストレージ装置及び前記第３ストレージ装置の中で、制御ボリュームを含まないストレージ装置を特定ストレージ装置として選択し、前記特定ストレージ装置内に制御ボリュームの作成を指示する制御ボリューム作成コマンドを生成し、前記制御ボリューム作成コマンドを前記特定ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
表現６に記載のストレージ管理計算機。
（表現９）
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置と前記第２ストレージ装置と前記第３ストレージ装置の中で、前記リモートコピー及び前記筺体間データ移行の何れかに用いられるリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リモートコピーのペア再同期の指示であり、且つ前記対象ストレージ装置内で前記リモートコピー及び前記筺体間データ移行に用いられるリソースの負荷が所定の負荷条件を満たす場合、前記筺体間データ移行の一時中断を指示する一時中断コマンドと、前記対象ストレージ装置に対して前記ペア再同期を指示する前記操作コマンドと、前記筺体間データ移行の再開を指示する再開コマンドとを生成し、前記一時中断コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記再開コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
表現３に記載のストレージ管理計算機。
（表現１０）
　前記操作指示が、前記仮想ボリュームの削除の指示である場合、前記プロセッサは、前記筺体間データ移行を中止する中止コマンドを生成し、前記第１ストレージ及び前記第２ストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択し、前記対象ストレージ装置内で前記仮想ボリュームに対応するボリュームの削除を指示する前記操作コマンドを生成し、前記中止コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
表現３に記載のストレージ管理計算機。
（表現１１）
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中で前記リモートコピーに用いられる複数のリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リストア及び前記ペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記複数のリソースの負荷に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の夫々の評価値を算出し、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージの中から評価値が高いストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択する、
表現５に記載のストレージ管理計算機。
（表現１２）
　前記プロセッサは、前記仮想ストレージ装置の操作を指示する複数の操作指示を取得し、前記複数の操作指示を前記メモリへ格納し、前記複数の操作指示の完了時刻の要求を取得し、前記状態情報に基づいて、前記複数の操作指示による操作が完了する完了予定時刻を推定し、前記完了時刻の要求と前記完了予定時刻とに基づいて前記複数の操作指示の実行順序を変更する、
表現３に記載のストレージ管理計算機。
（表現１３）
　第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置に接続され、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納する管理計算機を用いて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、
　前記管理計算機を用いて、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージ制御方法。
（表現１４）
　第１ストレージ装置と、
　第２ストレージ装置と、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置に接続された管理計算機と、
を備え、
　前記管理計算機は、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置に接続された通信制御デバイスと、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納するメモリと、
　前記通信制御デバイス及び前記メモリに接続されたプロセッサと、
を含み、
　前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージシステム。

　以上の表現における用語について説明する。ストレージ管理計算機は、管理計算機４０００等に対応する。第１ストレージ装置は、移行元ストレージ等に対応する。第２ストレージ装置は、移行先ストレージ等に対応する。通信制御デバイスは、Ｉ／Ｆ４３００等に対応する。状態情報は、構成情報や性能情報等に対応する。リソースは、Ｉ／Ｆ（Ａ）１２３０、プロセッサ１２２０、キャッシュメモリ１２６０等に対応する。

　１０００：ストレージ装置、　１１００：ディスク装置、　１１１０：論理ボリューム、　１１２０：プール、　１１２１：物理リソース、　１２２０：プロセッサ、　１２１０：制御メモリ、　１２６０：キャッシュメモリ、　１２００：ディスクコントローラ、　２０００：ホスト計算機、　４０００：管理計算機、　６０００：仮想ストレージ装置、　６１１０：仮想ボリューム

Claims

　第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置に接続された通信制御デバイスと、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納するメモリと、
　前記通信制御デバイス及び前記メモリに接続されたプロセッサと、
を備え、
　前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージ管理計算機。
　前記操作指示は、前記仮想ストレージ装置内の仮想ボリュームを指定し、前記仮想ボリュームの構成の変更を指示し、
　前記操作コマンドは、前記対象ストレージ装置内で前記仮想ボリュームに対応する対象ボリュームを指定し、前記対象ボリュームの構成の変更を指示する、
請求項１に記載のストレージ管理計算機。
　前記通信制御デバイスは更に、第３ストレージ装置に接続され、
　前記操作指示は、前記第３ストレージ装置内の特定ボリューム及び前記仮想ボリュームをペアとするリモートコピーの操作と、前記仮想ボリュームに対する操作のうち何れか一つを指示する、
請求項２に記載のストレージ管理計算機。
　前記操作指示が、前記リモートコピーのリストア及びペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージの何れか一つを前記対象ストレージ装置として選択し、前記対象ボリュームに対して前記リストア及び前記ペア作成の何れかを指示する前記操作コマンドを生成し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
請求項３に記載のストレージ管理計算機。
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中で前記リモートコピーに用いられるリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リストア及び前記ペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記リソースの負荷に基づいて前記対象ストレージ装置を選択する、
請求項４に記載のストレージ管理計算機。
　前記プロセッサは、前記リソースの負荷を示す情報を、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置から受信し、前記受信された情報を前記メモリへ保存する、
請求項５に記載のストレージ管理計算機。
　前記状態情報は、前記第２ストレージ装置が、前記操作コマンドに応じた処理を実行するための制御ボリュームを含むか否かを示し、
　前記操作指示が、前記リストア及びペア作成の何れかの指示であり、且つ前記第２ストレージ装置が制御ボリュームを含まない場合、前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択する、
請求項６に記載のストレージ管理計算機。
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置と前記第２ストレージ装置と前記第３ストレージ装置の夫々が、前記操作コマンドに応じた処理を実行するための制御ボリュームを含むか否かを示し、
　前記操作指示が、前記ペア作成の指示である場合、前記プロセッサは、前記状態情報に基づいて、前記対象ストレージ装置及び前記第３ストレージ装置の中で、制御ボリュームを含まないストレージ装置を特定ストレージ装置として選択し、前記特定ストレージ装置内に制御ボリュームの作成を指示する制御ボリューム作成コマンドを生成し、前記制御ボリューム作成コマンドを前記特定ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
請求項６に記載のストレージ管理計算機。
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置と前記第２ストレージ装置と前記第３ストレージ装置の中で、前記リモートコピー及び前記筺体間データ移行の何れかに用いられるリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リモートコピーのペア再同期の指示であり、且つ前記対象ストレージ装置内で前記リモートコピー及び前記筺体間データ移行に用いられるリソースの負荷が所定の負荷条件を満たす場合、前記筺体間データ移行の一時中断を指示する一時中断コマンドと、前記対象ストレージ装置に対して前記ペア再同期を指示する前記操作コマンドと、前記筺体間データ移行の再開を指示する再開コマンドとを生成し、前記一時中断コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記再開コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
請求項３に記載のストレージ管理計算機。
　前記操作指示が、前記仮想ボリュームの削除の指示である場合、前記プロセッサは、前記筺体間データ移行を中止する中止コマンドを生成し、前記第１ストレージ及び前記第２ストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択し、前記対象ストレージ装置内で前記仮想ボリュームに対応するボリュームの削除を指示する前記操作コマンドを生成し、前記中止コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信し、前記操作コマンドを前記対象ストレージ装置へ送信する、
請求項３に記載のストレージ管理計算機。
　前記状態情報は、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中で前記リモートコピーに用いられる複数のリソースの負荷を示し、
　前記操作指示が、前記リストア及び前記ペア作成の何れかの指示である場合、前記プロセッサは、前記複数のリソースの負荷に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の夫々の評価値を算出し、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージの中から評価値が高いストレージ装置を前記対象ストレージ装置として選択する、
請求項５に記載のストレージ管理計算機。
　前記プロセッサは、前記仮想ストレージ装置の操作を指示する複数の操作指示を取得し、前記複数の操作指示を前記メモリへ格納し、前記複数の操作指示の完了時刻の要求を取得し、前記状態情報に基づいて、前記複数の操作指示による操作が完了する完了予定時刻を推定し、前記完了時刻の要求と前記完了予定時刻とに基づいて前記複数の操作指示の実行順序を変更する、
請求項３に記載のストレージ管理計算機。
　第１ストレージ装置及び第２ストレージ装置に接続され、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納する管理計算機を用いて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、
　前記管理計算機を用いて、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージ制御方法。
　第１ストレージ装置と、
　第２ストレージ装置と、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置に接続された管理計算機と、
を備え、
　前記管理計算機は、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置に接続された通信制御デバイスと、
　前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の状態を示す状態情報を格納するメモリと、
　前記通信制御デバイス及び前記メモリに接続されたプロセッサと、
を含み、
　前記プロセッサは、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置を用いる仮想ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作指示を取得し、前記第１ストレージ装置から前記第２ストレージ装置への筺体間データ移行中に前記操作指示を実行する場合、前記操作指示及び前記状態情報に基づいて、前記第１ストレージ装置及び前記第２ストレージ装置の中から対象ストレージ装置を選択し、前記対象ストレージ装置の構成を変更する操作を指示する操作コマンドを生成し、前記対象ストレージ装置へ前記操作コマンドを送信する、
ストレージシステム。