WO2011037214A1 - 基地局、端末局、無線システム、無線制御方法、および記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
[課題] 周波数利用効率を高めることが可能な基地局、端末局、無線システム、無線制御方法、および記憶媒体を提供する。 [解決手段] 基地局は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う管理手段と、を備える。
Description
本発明は、基地局、端末局、無線システム、無線制御方法、および記憶媒体に関する。
無線通信において、周波数資源には限りがあるため、周波数を有効利用するための技術が重要視されている。そこで、近年、“コグニティブ無線(cognitive radio)”技術が注目を浴びている。コグニティブ無線は、例えば、無線基地局自らが、利用対象の全周波数帯域のうち、無線基地局周辺で現在空いている周波数帯を探し出して通信に利用するものである。例えば、他の無線システムにおいて、現時点で使われていない周波数帯が存在している場合、自無線システムの基地局は、この周波数帯を用いて無線通信することができる。従って、周波数資源を有効に利用することができる。
コグニティブ無線において、基地局や基地局がカバーするエリアに存在する端末局は、電波が存在していない周波数帯を検出する。ここで、電波が存在していない周波数帯を検出する手法としては、例えば、利用対象の全周波数帯域のうち、通信に利用したい候補の各周波数帯の信号強度(信号レベル)を検出する手法を挙げることができる。
具体的には、まず、利用対象の全周波数帯域をある一定の帯域を有するバンドに区切る。そして、広帯域に亘って動作可能な直交復調器・シンセサイザなどのRF(Radio Frequency)回路により、RF信号をベースバンド信号に変換する。基地局や端末局は、それぞれのバンド内の信号強度(すなわち、電力量)を測定し、測定した信号強度が所定の閾値よりも低いバンドを探索する。また、中心周波数を順次変えてそれぞれのバンド内の信号レベルを測定していき、信号強度が低いバンドを探索するという手法も考えられる。
ここで、信号強度が閾値よりも低いバンドは、他の無線システムへの与干渉、あるいは、他の無線システムからの被干渉の影響が小さいものと判断することができる。従って、このようなバンドは、空き周波数帯と見なすことができ、すなわち、無線通信に使用することができる。
特許文献1には、自無線通信局装置における受信信号の信号強度の測定結果(空き周波数の判定結果)のみならず、他の無線通信局装置における測定結果(判定結果)をも利用して、自無線通信局装置周辺における空き周波数帯を探索することについての記載がある。
特許文献2には、複数の無線通信機によって検出される各周波数の利用状況とそれら無線通信機の位置情報とによりデータベースを作成し、該データベースに基づいて推測される利用可能周波数を用いて通信を行うことについての記載がある。
コグニティブ無線において、基地局や基地局がカバーするエリアに存在する端末局は、電波が存在していない周波数帯を検出する。ここで、電波が存在していない周波数帯を検出する手法としては、例えば、利用対象の全周波数帯域のうち、通信に利用したい候補の各周波数帯の信号強度(信号レベル)を検出する手法を挙げることができる。
具体的には、まず、利用対象の全周波数帯域をある一定の帯域を有するバンドに区切る。そして、広帯域に亘って動作可能な直交復調器・シンセサイザなどのRF(Radio Frequency)回路により、RF信号をベースバンド信号に変換する。基地局や端末局は、それぞれのバンド内の信号強度(すなわち、電力量)を測定し、測定した信号強度が所定の閾値よりも低いバンドを探索する。また、中心周波数を順次変えてそれぞれのバンド内の信号レベルを測定していき、信号強度が低いバンドを探索するという手法も考えられる。
ここで、信号強度が閾値よりも低いバンドは、他の無線システムへの与干渉、あるいは、他の無線システムからの被干渉の影響が小さいものと判断することができる。従って、このようなバンドは、空き周波数帯と見なすことができ、すなわち、無線通信に使用することができる。
特許文献1には、自無線通信局装置における受信信号の信号強度の測定結果(空き周波数の判定結果)のみならず、他の無線通信局装置における測定結果(判定結果)をも利用して、自無線通信局装置周辺における空き周波数帯を探索することについての記載がある。
特許文献2には、複数の無線通信機によって検出される各周波数の利用状況とそれら無線通信機の位置情報とによりデータベースを作成し、該データベースに基づいて推測される利用可能周波数を用いて通信を行うことについての記載がある。
特許文献1は、空き周波数帯の検出精度を高めるために、センシングを行う基地局や端末局が存在するエリア全体で、利用対象の周波数帯が空いているかどうか(すなわち、利用可能かどうか)を判断する構成を採用する。しかしながら、上記構成の場合、エリアの一部で空き周波数帯が存在したとしても、他のエリアで空いていない場合には、空き周波数帯域はない、つまり対象周波数帯域は利用できないと判定される虞がある。すなわち、特許文献1の場合、周波数の有効活用が十分になされない可能性がある。
また、通常、ある周波数帯が割り当てられた無線システムの通信エリアが複数の基地局により構成され、端末局が複数の基地局からの送信信号が受信できる場合、最も受信信号レベルの高い基地局に接続して通信を行う。そのため、電波の到達範囲における周波数利用状況を検出する特許文献2記載の方法の場合、検出対象の周波数帯が使用されている範囲が、実際に通信に使用されている範囲よりも広くなる。従って、空き周波数帯として利用可能な範囲が縮小してしまう可能性がある。すなわち、特許文献2の場合、周波数の有効活用が十分になされない可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、周波数利用効率を高めることが可能な基地局、端末局、無線システム、無線制御方法、および記憶媒体を提供することを目的とする。
また、通常、ある周波数帯が割り当てられた無線システムの通信エリアが複数の基地局により構成され、端末局が複数の基地局からの送信信号が受信できる場合、最も受信信号レベルの高い基地局に接続して通信を行う。そのため、電波の到達範囲における周波数利用状況を検出する特許文献2記載の方法の場合、検出対象の周波数帯が使用されている範囲が、実際に通信に使用されている範囲よりも広くなる。従って、空き周波数帯として利用可能な範囲が縮小してしまう可能性がある。すなわち、特許文献2の場合、周波数の有効活用が十分になされない可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、周波数利用効率を高めることが可能な基地局、端末局、無線システム、無線制御方法、および記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明の基地局は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う管理手段と、を備える。
また、本発明の端末局は、自無線システムと通信可能な端末局であって、前記自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果を、前記推定結果に基づいて前記自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う無線リソース管理手段へ通知する通知手段とを備える。
また、本発明の無線システムは、自無線システムと、該自無線システムと通信または放送を行うことが可能な端末局を備える無線システムであって、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおいて前記端末局との通信または放送に使用する無線リソースの管理を行う管理手段と、を備える。
また、本発明の無線制御方法は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定し、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う。
また、本発明の記憶媒体は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する処理と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う処理とを端末局または基地局のコンピュータに実行させるための制御プログラムを記憶する。
また、本発明の端末局は、自無線システムと通信可能な端末局であって、前記自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果を、前記推定結果に基づいて前記自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う無線リソース管理手段へ通知する通知手段とを備える。
また、本発明の無線システムは、自無線システムと、該自無線システムと通信または放送を行うことが可能な端末局を備える無線システムであって、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおいて前記端末局との通信または放送に使用する無線リソースの管理を行う管理手段と、を備える。
また、本発明の無線制御方法は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定し、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う。
また、本発明の記憶媒体は、自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する処理と、前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う処理とを端末局または基地局のコンピュータに実行させるための制御プログラムを記憶する。
本発明によれば、周波数利用効率を高めることが可能となる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る第1の実施形態の基地局1の構成例を示すブロック図である。自無線システムに属する基地局1は、推定部2(推定手段)と、管理部3(管理手段)とを備える。推定部2は、基地局1のカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する。ここで、カバーエリアとは、基地局1との通信または放送が可能な地域を意味する。管理部3は、上記推定結果に基づいて基地局1における通信または放送についての無線リソース管理を行う。また、例えば、センシング装置のうちの少なくとも1つは、自無線システムの基地局1および該基地局1のカバーエリアに存在する端末局のうちの少なくとも一方である。
ここで、自無線システムの基地局1のカバーエリアと他の無線システムのカバーエリアとがオーバーラップした無線システムを想定する。このような無線システムの場合、例えば、互いに異なる周波数帯域が割り当てられた複数の他の無線システムがある場合と、複数の周波数帯域が割り当てられた少なくとも1つの他の無線システムがある場合を想定することができる。
このような無線システムにおいて、まず、推定部2は、自無線システムである基地局1のカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からセンシング情報を得る。推定部2は、得られたセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは、優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する。そして、管理部3は、上記推定結果に基づいて基地局1における通信または放送についての無線リソース管理を行う。
管理部3は、無線リソース管理の一例として、例えば、「周波数帯域の管理(使用する周波数帯域の選択)」を行う。具体的には、管理部3は、上記カバーエリア内に位置する端末局から接続要求を受けた際、その端末局の位置と、上記カバーエリア内における他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況とに基づいて、該端末局との通信または放送において使用する周波数帯域を選択する。例えば、管理部3は、端末局および基地局1が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選択することができる。このような周波数帯域を選択することにより、同一周波数干渉を回避した通信または放送を行うことができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、自無線システムは、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
また、「周波数帯域の管理」の他の一例として、管理部3は、他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況に基づいて、自無線システムの基地局1が使用する周波数帯域を、基地局1からの送信電波が所定の基準を満たすような周波数帯域とすることができる。
この場合の「所定の基準」としては、第1に、自無線システムの送信局(例えば、基地局1)からの送信信号を受信する受信局(例えば、端末局)での受信品質が所定品質を満たすか否かとの基準を挙げることができる。さらに、上記「所定の基準」としては、第2に、同一周波数帯域を使用する他の無線システムの送信および/または受信品質への影響度(劣化度)が所定範囲内に収まるか否かとの基準を挙げることができる。
また、無線リソース管理の一例として、管理部3は、「送信電力の管理」を行うことができる。具体的には、管理部3は、自無線システムの基地局1からの送信電力を、所定の基準に基づいて、管理(選択)することができる。この場合の「所定の基準」としては、例えば、上述した第1および第2の基準とすることができる。
また、無線リソース管理の一例として、管理部3は、「通信方式/変調方式/符号化率の管理」を行うことができる。具体的には、管理部3は、他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況と、自無線システムの基地局1と端末局との距離に応じて、通信方式/変調方式/符号化率を選択することができる。例えば、距離が小さい場合、管理部3は、通信方式をOFDMとし、変調方式を64QAMとし、符号化率を7/8とすることができる。上記において、OFDMは、Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略であり、QAMは、Quadrature Amplitude Modulationの略である。一方、距離が大きい場合、管理部3は、通信方式をDFT−s−OFDMとし、変調方式をQPSKとし、符号化率を1/12とすることができる。上記において、DFT−s−OFDMは、Discrete Fourier Transform−spread−OFDMの略であり、QPSKは、Quadrature Phase Shift Keyingの略である。なお、通信方式/変調方式/符号化率は、複数の距離レベルに応じて設定することも可能である。
[第2の実施形態]
本実施形態の概略について説明する。本実施形態において、自無線システムの基地局または該基地局のカバーエリアに存在する端末局は、1つ以上のセンシング装置(例えば、端末局または基地局)からセンシング情報を得る。これらの基地局または端末局は、得られたセンシング情報に基づいて、他の無線システムが、利用対象の周波数帯域を、上記カバーエリアにおいて使用している地域を推定する。そして、自無線システムの基地局は、その推定結果に基づいて、自無線システムにおいて通信または放送に用いる無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理の例として、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率等の管理を挙げることができる。以上の構成(動作あるいは機能)により、自無線システムは、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を使用することができる。
以下、本実施形態の詳細について説明する。図2は、本発明に係る第2の実施形態の無線システム10の一例を示すシステム構成図である。無線システム10は、他の無線システム11と自無線システム12とを備える。他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。また、他の無線システム11は、基地局101~103を備える。この場合、基地局101は、システム帯域のうちの周波数帯域f1を利用する。基地局102は、システム帯域のうちの周波数帯域f2を利用する。基地局103は、システム帯域のうちの周波数帯域f3を利用する。
自無線システム12の基地局201は、そのカバーエリアが、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアにオーバーラップするように配置される。また、本実施形態の場合、基地局201のカバーエリア内に、端末局202~208が存在すると仮定する。
ここで、先ず、端末局202~208の概略的機能について説明する。端末局202~208は、自無線システム12の基地局201と通信する機能と、他の無線システム11が使用する周波数帯域f1、f2、f3をセンシングする機能とを備える。自無線システム12の基地局201のカバーエリアに存在する端末局202~208は、例えば、基地局201の指示に基づいて利用対象の周波数帯域f1~f3をセンシングする。端末局202~208は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)を、自無線システム12の基地局201へ送信する。以下、センシングの一例として、他の無線システム11の各基地局101~103からの受信信号の電力値を求める場合を例に挙げる。
次いで、基地局201の概略的機能について説明する。基地局201は、端末局202~208から収集したセンシングデータに基づいてセンシングマップを作成する。基地局201は、このセンシングマップにより、基地局201のカバーエリアにおいて、他の無線システム11がどの地域でどの周波数帯域f1~f3を利用しているかを認識することが可能となる。基地局201は、上記認識に基づいて基地局201における通信または放送についての無線リソース管理を行う。基地局201は、無線リソース管理の一例として、例えば、「周波数帯域の管理(使用する周波数帯域の選択)」を行う。具体的には、基地局201は、自己のカバーエリア内に位置する所定の端末局から接続要求を受けた際、その端末局の位置と、該カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域の地理的利用状況とに基づいて、該端末局との通信または放送に利用する周波数帯域を選択する。例えば、基地局201は、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選択することができる。
図3は、図2に示す端末局202~208の構成例を示すブロック図である。端末局202~208は、送受信アンテナ301と、スイッチ302と、周波数利用状況推定部303と、無線送受信部304と、スイッチ305と、復調/復号部306と、変調部307と、位置情報推定部308とを備える。
送受信アンテナ301は、無線信号を受信し且つ送信することが可能な送受信兼用のアンテナである。送受信アンテナ301の受信機能は、他の無線システム11の各基地局101~103からの無線信号を受信する機能(センシング時受信機能)と、自無線システム12の基地局201からの無線信号を受信する機能(通常時受信機能)とを含む。送受信アンテナ301の送信機能は、自無線システム12の基地局201へ無線信号を送信する機能を含む。ここで、送受信アンテナ301は、受信用アンテナと送信用アンテナとに分かれた構成であっても良い。
スイッチ302は、センシングを行う場合、送受信アンテナ301と周波数利用状況推定部303とを接続する。一方、スイッチ302は、センシングデータを基地局201へ送信する場合、あるいは基地局201との間で通常の通信を行う場合、送受信アンテナ301と無線送受信部304とを接続する。
周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果として変調部307へ出力する。周波数利用状況推定部303の詳細構成については、後述する。
無線送受信部304は、受信処理時、送受信アンテナ301を介して受信した無線信号に対して、受信電力増幅、ダウンコンバート、A/D変換等の処理を行い、当該処理後の信号をスイッチ305へ出力する。この場合、スイッチ305は、無線送受信部304と復調/復号部306とを接続する。復調/復号部306は、スイッチ305を介して入力する信号を復調および復号し、ユーザデータや制御信号を出力する。
送信処理時、ユーザデータと、制御信号および/またはパイロット信号と、周波数利用状況推定部303から出力されるセンシング結果(例えば、受信信号電力値)と、位置情報推定部308から出力される端末局の位置情報(緯度、経度)とが、変調部307へ入力される。変調部307は、入力した上記情報に対して、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等の処理を施し、スイッチ305へ出力する。この場合、スイッチ305は、変調部307と無線送受信部304とを接続する。無線送受信部304は、スイッチ305からの信号に対して、D/A(Digital/Analog)変換、アップコンバート、送信電力増幅等の処理を施し、該処理後の信号を、スイッチ302を介して送受信アンテナ301へ出力する。該処理後の信号は、送受信アンテナ301から基地局201へ送信される。
位置情報推定部308は、例えば、GPS(Global Positioning System)から、自端末局の位置情報(緯度、経度情報)を取得する。取得された位置情報は、変調部307を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。ここで、位置情報推定部308における位置推定手段は、GPSに限定されることはない。例えば、GPS以外の位置推定システムを用いることも可能である。あるいは、端末局202~208自らが複数の基地局からの受信信号を用いて自端末局の位置を推定する方法を採用することも可能である。
図4は、端末局202~208を構成する周波数利用状況推定部303の詳細構成例を示すブロック図である。周波数利用状況推定部303は、直交復調部309と、シンセサイザ部310と、バンドパスフィルタ311−1~311−nと、電力算出部312−1~312−nとを備える。ここで、nはセンシング対象となる周波数帯域の数を表す。すなわち、本実施形態の場合、他の無線システム11には、f1、f2、f3の3つの周波数帯域が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されているので、n=3となる。
シンセサイザ部310は、入力した周波数情報に基づいて周波数信号を生成し、これを直交復調部309へ出力する。直交復調部309は、スイッチ302を介して送受信アンテナ301から入力される無線信号を、上記周波数信号を用いて復調する。直交復調部309の出力は、バンドパスフィルタ311−1~311−nへ入力する。バンドパスフィルタ311−1~311−nは、センシング対象の各周波数帯域での信号を抽出する。ここで、バンドパスフィルタ311−1のセンシング対象の周波数帯域は、f1である。バンドパスフィルタ311−2のセンシング対象の周波数帯域は、f2である。バンドパスフィルタ311−3のセンシング対象の周波数帯域は、f3である。
バンドパスフィルタ311−1~311−nの各々は、抽出した信号を、電力算出部312−1~312−nへ出力する。電力算出部312−1~312−nは、各周波数帯域(例えば、f1、f2、f3)の信号電力値を各々に算出し、これを信号電力値(センシング結果)1~nとして、変調部307へ出力する。信号電力値1~nは、最終的には、基地局201へ送信される。この場合、端末局202~208は、信号電力値1~nをそのまま送信することもでき、あるいは、特定の送信信号フォーマットに従った値に変換して(例えば、量子化値など)送信することもできる。
図5は、図2に示す基地局201の構成例を示すブロック図である。基地局201は、電波検出用アンテナ401と、周波数利用状況推定部402と、センシングマップ生成部403(推定手段)と、通信用周波数帯/地域決定部404と、受信用アンテナ405と、を備える。さらに、基地局201は、無線受信部406と、復調/復号部407と、制御信号生成部408と、変調部409と、無線送信部410と、送信用アンテナ411と、無線リソース管理部450(管理手段)と、を備える。
電波検出用アンテナ401は、他の無線システム11の各基地局101~103からの無線信号を受信するためのアンテナ、すなわちセンシング専用のアンテナである。受信用アンテナ405は、端末局202~208からの無線信号を受信するためのアンテナである。送信用アンテナ411は、端末局202~208へ無線信号を送信するためのアンテナである。
周波数利用状況推定部402は、図3に示す周波数利用状況推定部303と同様の構成である。すなわち、周波数利用状況推定部402は、電波検出用アンテナ401を介して他の無線システム11の基地局101~103から受信する各無線信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値(センシング結果)を算出する。周波数利用状況推定部402は、センシング結果と基地局201の位置情報とを含むセンシングデータを作成し、該センシングデータをセンシングマップ生成部403へ出力する。なお、基地局201の位置情報は、センシングマップ生成部403自身が取得することができる。その場合、周波数利用状況推定部402は、センシングマップ生成部403に対して、位置情報を出力する必要はない。
無線受信部406は、受信用アンテナ405を介して受信した無線信号に対して、受信電力増幅、ダウンコンバート、A/D変換等の処理を施し、当該処理後の信号を復調/復号部407へ出力する。
復調/復号部407は、無線受信部406から入力する信号を復調および復号し、ユーザデータ、制御信号、およびセンシングデータ(端末局202~208のセンシング結果と位置情報)を出力する。センシングデータは、センシングマップ生成部403へ入力される。
センシングマップ生成部403は、周波数利用状況推定部402から入力するセンシングデータ(基地局201がセンシングした結果)および復調/復号部407から入力するセンシングデータ(端末局202~208がセンシングした結果)を、センシングマップへマッピングする。センシングマップ生成部403は、マッピングの結果としての情報であるマッピング情報(センシングマップ情報と呼ぶ場合もある)を、通信用周波数帯/地域決定部404へ出力する。
通信用周波数帯/地域決定部404は、上記マッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらの周波数帯域が使用されている地域を決定し、「通信用周波数帯/地域情報」として出力する。通信用周波数帯/地域情報は、制御信号生成部408、無線送信部410、および無線リソース管理部450へ送られる。
無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理(例えば、周波数帯域の選択や送信電力制御等)を行う。
制御信号生成部408は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報と、通信のために上位レイヤの制御部(不図示)または無線リソース管理部450から送られてくる制御信号と、センシング情報とを入力する。制御信号生成部408は、これらの情報を所定の通信用フォーマットに合わせた制御信号として生成し、変調部409へ出力する。ここで、センシング情報とは、端末局202~208に対するセンシング指示情報であって、具体的には、センシングを行う端末局情報、センシングを行う周波数帯域情報、センシング頻度情報(センシングを行うタイミングや周期)についての情報などを含む。
変調部409は、制御信号生成部408から出力される制御信号と、上位レイヤの制御部等から送られるユーザデータやパイロット信号とを入力する。変調部409は、これらの信号に対して符号化、インターリーブ、変調、マッピング等の処理を施した後、無線送信部410へ出力する。
無線送信部410は、通信用周波数帯/地域決定部404から出力される通信用周波数帯/地域情報を入力として、通信用周波数帯に合わせて、D/A変換、アップコンバート、送信電力増幅等の処理を行う。無線送信部410は、当該処理実行後の信号を、送信用アンテナ411を介して端末局202~208へ送信する。
尚、以上説明した基地局201において、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上の説明において、基地局201でのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201でセンシングを行わない場合、基地局201の構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
図6は、図5に示すセンシングマップ生成部403の詳細構成例を示すブロック図である。センシングマップ生成部403は、マップフォーマット決定部412と、マッピング部413と、メモリ部414と、マップ補間部415とを備える。
マップフォーマット決定部412は、基地局201の動作開始時等に入力されるマップフォーマット決定情報により、マップフォーマットを決定する。マップフォーマット決定情報は、例えば、センシングマップを作成するエリアの広さ、センシング結果をマッピングするグリッド(後述)の寸法、あるいは、センシング結果をマッピングする観測点(後述)の位置や観測点間の距離などである。
マッピング部413は、マップフォーマット決定部412から出力されるマップにセンシング結果をマッピングしてセンシングマップを生成する。メモリ部414に前回までのセンシングマップ情報が記憶されている場合、マッピング部413は、その情報を予めマッピングしておき、そこへ新たなセンシング結果をマッピングしていく。また、同一位置に複数のセンシング結果がある場合、マッピング部413は、最新のセンシング結果をマッピングすることもでき、あるいは、複数のセンシング結果を平均(例えば、加算平均や重み付け加算平均)した値をマッピングすることもできる。
マッピング部413から出力されるセンシングマップは、マップ補間部415へ入力するとともに、メモリ部414に記憶される。
マップ補間部415は、マッピング部413から出力されるセンシングマップに補間処理を施す。マップ補間部415は、補間処理が終了したセンシングマップを、センシングマップ情報として、通信周波数帯/地域決定部404へ出力する。ここで、マップ補間の例について説明する。例えば、センシングを行う端末局が存在しない観測点について、信号電力値が等しくなる観測点を線で結合して補間する。なお、センシング結果が存在する位置間の補間は、直線補間だけでなく、二次補間など複数の点の間を補間する方法であれば適用可能である。
図7は、端末局202~208におけるセンシング処理に関する動作例を説明するためのフローチャートである。尚、本動作例が実行される端末局は、センシング指定された端末局である。センシング指定は、例えば、予め、基地局201から行われているものとする。
まず、端末局202~208は、センシング条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、センシング条件の成立例としては、例えば、基地局201等により予め設定されたセンシング時期になった場合等を挙げることができる。
端末局202~208は、センシング準備を行う(ステップS2)。具体的には、端末局202~208は、スイッチ302を操作して、送受信アンテナ301と周波数利用状況推定部303とを接続する。端末局202~208は、センシングを実行する(ステップS3)。具体的には、端末局202~208の周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果として変調部307へ出力する。
ここで、図8は、端末局202~208における、受信信号の電力算出例を示すグラフである。この場合、簡単のため、他の無線システム11の各基地局101~103は、同一の送信電力で送信しているものとする。図8において、横軸は周波数を表し、縦軸は算出した信号電力値を表す。また、図8における端末202~208は、図2に示すような位置に存在しているものとする。例えば、図2に示すように、端末局202は、基地局101の近くに存在し、基地局102や基地局103からは離れている。従って、図8から諒解されるように、基地局101が使用する周波数帯域f1の信号電力値が高く、それに比べて基地局102および103が使用する各周波数帯域f2、f3の信号電力値は低くなる。また、図2に示すように、例えば、端末局204は、基地局101と基地局102からの距離が等しい位置に存在し、基地局103からは離れている。従って、図8から諒解されるように、周波数帯域f1と周波数帯域f2の信号電力値が等しく、それらに比べて周波数帯域f3の信号電力値は低くなる。さらに、例えば、図2に示すように、端末局207は、基地局101、102、103からの距離が等しい位置に存在する。従って、図8から諒解されるように、全ての周波数帯域f1~f3の信号電力値が等しくなる。
ここで、再び図7の説明に戻る。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される(ステップS4)。
図9は、自無線システム12の基地局201におけるセンシングマップ作成に関する動作例を説明するためのフローチャートである。尚、以下の説明では、基地局201ではセンシングを行わない場合を例に挙げて説明する。
基地局201の無線受信部406は、端末局202~208から「センシングデータ」を受信したか否かを判定する(ステップS10)。センシングデータ(センシング結果と位置情報)を受信した場合(ステップS10においてYes判定の場合)、無線受信部406は、センシングデータを、復調/復号部407を介して、センシングマップ生成部403へ送信する。センシングマップ生成部403は、端末局202~208から通知されるセンシング結果を、センシングマップ上にマッピングし、センシングマップを作成する(ステップS11)。センシングマップが作成された後、無線受信部406は、センシングデータの受信の有無について再度確認する。
ここで、図10は、第2の実施形態における自無線システム12の基地局201において作成されるセンシングマップの一例である。センシングマップにおいて、他の無線システム11の複数の基地局101~103の受信信号電力値が等しくなる位置が、各基地局101~103のカバーエリアの境界である。これにより、各基地局101~103がカバーする地域が判明する。すなわち、図10に示すように、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内において、無地で示す領域は、周波数帯域f1が使用される領域、すなわち、基地局101のカバーエリアである。斜線で示す領域は、周波数帯域f2が使用される領域、すなわち、基地局102のカバーエリアである。網点で示す領域は、周波数帯域f3が使用される領域、すなわち、基地局103のカバーエリアである。
図11は、自無線システム12の基地局201における無線リソース管理に関する動作例を説明するためのフローチャートである。
基地局201の無線受信部406は、端末局202~208から「接続要求」を受信したか否かを判定する(ステップS20)。接続要求を受信した場合、無線受信部406は、接続要求を、復調/復号部407を介して、無線リソース管理部450へ送信する。尚、接続要求は、端末局の位置情報を含む。無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から通信用周波数帯/地域情報(他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域を示す情報)を取得する(ステップS21)。無線リソース管理部450は、接続要求を行った端末局の位置と、通信用周波数帯/地域情報とに基づいて、該端末局との通信または放送に用いる無線リソースの管理を行う(ステップS22)。例えば、無線リソース管理部450は、自無線システム12において使用する周波数帯域の選択を行う。より詳細には、図10を参照し、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内において、所定の端末局が、例えば、周波数帯域f2が利用されている領域に位置し、そこから、基地局201に対して接続要求を発行する場合を想定する。この場合において、周波数帯域f2が利用されている領域とは、基地局102のカバーエリアと基地局201のカバーエリアとがオーバーラップする領域のことである。この場合、無線リソース管理部450は、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域(f2およびf3)以外の周波数帯域(f1)を選択する。基地局201は、選択された周波数帯域により端末局と接続する(ステップS23)。
以上説明した第2の実施形態によれば、自無線システム12の基地局201は、自カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域f1~f3の地理的利用状況を鑑みて、端末局との通信または放送に利用する周波数帯域を選択する。この場合、例えば、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域が使用されるので、同一周波数干渉を回避した通信または放送を行うことができる。すなわち、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
尚、上記の動作例の説明では、基地局201ではセンシングを行わない場合を例に挙げたが、基地局201においてもセンシングを行い、その結果をセンシングマップに反映させることが可能であることは言うまでもない。その場合、周波数利用状況推定部402は、電波検出用アンテナ401を介して他の無線システム11の基地局101~103から受信する各無線信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値(センシング結果)を算出する。周波数利用状況推定部402は、センシング結果と基地局201の位置情報とを含むセンシングデータを作成し、該センシングデータをセンシングマップ生成部403へ出力する。
また、上記の説明では、端末局202~208が存在する位置を用いてセンシングマップを作成する例を示したが、センシングマップの作成方法は、これに限定されない。例えば、自無線システム12の基地局201のカバーエリアを複数の地域(グリッド)に分割し、端末局202~208の各センシング結果を、その端末局が存在するグリッドでの値としてセンシングマップを作成することも可能である。ここで、1つのグリッドは、例えば1km四方や10m四方のように正方形のものでも良いし、縦10m横20mのように長方形のものとしても良い。そして、この場合、他の無線システム11の各基地局101~103からの受信信号電力値が等しくなるグリッドが、各基地局101~103のカバーエリアの境界となる。従って、基地局201は、それぞれのグリッドにおいてどの周波数帯域が使用されているか認識することができる。
さらに、例えば、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内に複数の観測点を配置し、端末局のセンシング結果を、その端末局から最も近い1つの観測点での値としてセンシングマップを作成することも可能である。観測点は、例えば東西南北の方向に1km間隔や10m間隔のように等間隔のものでも良いし、東西方向は10m間隔、南北方向は20m間隔のように方向により異なるものとしても良い。さらに、観測点は、自無線システム12の基地局201のカバーエリアにおける地形や建物などの地理的条件を考慮して設定することも可能である。この場合、他の無線システム11の各基地局101~103の受信信号電力値が等しくなる観測点が、各基地局101~103のカバーエリアの境界となる。従って、基地局201は、それぞれの観測点においてどの周波数帯域が使用されているか認識することができる。なお、端末局202~208から送信される位置情報が観測点の位置に一致しない場合、マップフォーマット決定部412は、端末局202~208が存在する位置に最も近い観測点にマッピングを行う。
また、各基地局101~103のカバーエリアの境界の決定は、必須ではない。例えば、それぞれのグリッドもしくは観測点毎に他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3を判定し、その結果に基づいて、自無線システム12が適切な無線リソース管理を行うことも可能である。これによっても、他の無線システム11に割り当てられた、もしくは、優先的な使用が許可された周波数帯域f1~f3を使用することが可能となる。
図12は、第2の実施形態の端末局202~208における周波数利用状況推定部303(図3参照)および基地局201における周波数利用状況推定部402(図5参照)の、第1の変形例である周波数利用状況推定部460の詳細構成例を示すブロック図である。この周波数利用状況推定部460の、周波数利用状況推定部303に対する差異は、新たに、信号電力比算出部313を備える点にある。周波数利用状況推定部460において、この信号電力比算出部313以外の構成は、図4に示す構成と同じであるため、それらについては図12において同一の符号を付すとともに、それらの説明については省略する。
信号電力比算出部313は、各電力算出部312−1~312−nから出力される各周波数帯域f1~fnでの信号電力値を用いて、以下のようにして信号電力比を算出する。
信号電力比1=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−2から出力される信号電力値)
信号電力比2=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−3から出力される信号電力値)
・
・
・
信号電力比n−1=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−nから出力される信号電力値)
信号電力比n=(電力算出部312−2から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−3から出力される信号電力値)
・
・
・
信号電力比n(n−1)/2=(電力算出部312−(n−1)から出力される信号電力値)/電力算出部312−nから出力される信号電力値)
本実施形態の場合、n=3であるから、信号電力比1~3を得る。信号電力比1は、(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/(電力算出部312−2から出力される信号電力値)となる。信号電力比2は、(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/電力算出部312−3から出力される信号電力値)となる。信号電力比3は、(電力算出部312−2から出力される信号電力値)/(電力算出部312−3から出力される信号電力値)となる。
信号電力比算出部313は、上記の信号電力比(例えば、信号電力比1~3)を求め、これらをセンシング結果として、変調部307へ出力する。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。
基地局201のセンシングマップ生成部403は、各端末局202~208から送信されるセンシング結果(この場合、信号電力比)に基づいて、センシングマップを作成する。この場合のセンシング結果は、2つの基地局の信号電力値により求めた信号電力比であるので、センシングマップ作成部403は、信号電力比が1(または、0dB)となる点、すなわち、2つの基地局からの信号電力値が等しくなる点をセンシングマップ上にマッピングしていく。この操作により、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
なお、センシング結果として自無線システム12の基地局201へ送信する信号電力比は、真値で送っても良いし、dB値で送っても良い。さらには、量子化値など、決められた送信信号フォーマットに変換して送っても良い。
図13は、第2の実施形態の端末局202~208における周波数利用状況推定部303(図3参照)および基地局201における周波数利用状況推定部402(図5参照)の、第2の変形例である周波数利用状況推定部470の詳細構成例を示すブロック図である。図13に示す周波数利用状況推定部470の、周波数利用状況推定部303(図4参照)に対する差異は、新たに、信号電力比較部314を備える点にある。周波数利用状況推定部470において、この信号電力比較部314以外の構成は、図4に示す構成と同じであるため、それらについては図13において同一の符号を付すとともに、それらの説明については省略する。
信号電力比較部314は、電力算出部312−1~312−nから出力される各周波数帯域での信号電力値を用いて、各基地局101~103の中から最大の信号電力値となる基地局または周波数帯域を検出する。最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報は、センシング結果として、変調部307へ出力される。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。
基地局201のセンシングマップ生成部403は、各端末局202~208から送信されるセンシング結果(この場合、最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報)に基づいて、センシングマップを作成する。この場合のセンシング結果は、各端末局が存在する位置において信号電力値が最大となる基地局情報または周波数帯域情報であるので、センシングマップ生成部403は、センシングマップ上に基地局情報または周波数帯域情報をマッピングしていく。この操作により、どの地域でどの基地局(周波数帯域)の信号電力値が大きいのかが明らかとなる。従って、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
ここで、各基地局101~103のカバーエリアの境界線の引き方は、様々なアルゴリズムの適用が可能である。例えば、基地局101が最大の受信信号電力値となる端末局Aが存在し、基地局101とその端末局Aとを結んだ直線上に、基地局102が最大の受信信号電力値となる端末局Bが存在するとする。このとき、端末局Aと端末局Bとの間に基地局101と基地局102のカバーエリアの境界が存在するので、端末局Aと端末局Bの中間位置が境界とみなしてセンシングマップを作成することが可能である。
また、センシング結果として基地局へ送信する基地局情報または周波数帯域情報は、基地局番号や周波数帯域番号であっても良く、あるいは、量子化値など、決められた送信信号データフォーマットに変換して送っても良い。
以上説明した第2の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、以上説明した第2の実施形態では、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、以上説明した第2の実施形態では、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
また、以上説明した第2の実施形態の基地局201(図5参照)において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、基地局201の無線リソース管理部450は、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、以上説明した第2の実施形態では、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
図14は、センシングマップ生成手段を搭載する端末局50の構成例を示すブロック図である。端末局50の、端末局202~208(図3)に対する差異は、さらに、センシングマップ生成部52を備える点にある。図14において、このセンシングマップ生成部52以外の構成は、図3と同等であるため、図14において同一の符号を付し、それらの説明については省略する。
センシングマップ生成部52は、図5に示すセンシングマップ生成部403と同じものを採用することができる。
端末局50において、周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果としてセンシングマップ生成部52へ出力する。この時、位置情報推定部308は、自端末局50の位置情報(緯度、経度)を推定し、センシングマップ生成部52へ出力する。
一方、無線送受信部304(受信手段)は、他の端末局から、センシングデータ(センシング結果(例えば、受信信号電力値)と位置情報)を受信し、復調/復号部306を介して、受信したセンシングデータをセンシングマップ生成部52へ出力する。
センシングマップ生成部52は、自端末局および他の端末局のセンシング結果を、センシングマップへマッピングする。センシングマップ生成部52は、マッピングの結果としての情報であるマッピング情報を、無線送受信部304を介して、自無線システム12の基地局201へ送信する。すなわち、センシングマップ生成部52は、マッピング情報を通知する手段として機能する。基地局201の通信用周波数帯/地域決定部404は、端末局50から受信したマッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらの周波数帯域が使用されている地域を決定し、「通信用周波数帯/地域情報」として出力する。基地局201の無線リソース管理部450は、「通信用周波数帯/地域情報」に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理とは、例えば、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率の管理である。
尚、この場合においても、基地局201は、必ずしも通信用周波数帯/地域決定部404を備える必要はない。基地局201の無線リソース管理部450は、端末局50から受信したマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出すればよい。
尚、基地局201においてもセンシングを行い、その結果をセンシングマップに反映させることが可能であることは言うまでもない。この場合、基地局201は、自己のセンシングデータを端末局50へ送信する。端末局50のセンシングマップ生成部52は、基地局201のセンシングデータを、無線送受信部304を介して受信する。
さらに、この場合のセンシング結果は、受信信号電力値に限定されず、上述したように、信号電力比、あるいは、最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報であってもよい。
また、複数の端末局でアドホック的なネットワークを構成する場合には、センシングマップを基地局へ送信せずに、センシングマップを生成する端末局がリソース管理を行い、複数の端末局間で通信または放送を行うことも可能である。この場合、所定の端末局(例えば、センシングマップを作成する端末局)が無線リソース管理部を備える。この場合の無線リソース管理部は、図5に示す無線リソース管理部450と同じものを採用することができる。
そして、この端末局は、さらに、通信用周波数帯/地域決定部404(図5参照)を備えることもできる。この場合、端末局の無線リソース管理部は、通信用周波数帯/地域決定部404が出力する「通信用周波数帯/地域情報」に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理とは、例えば、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率の管理である。
尚、端末局において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、端末局の無線リソース管理部は、センシングマップ生成部から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、端末局のセンシングマップ生成部は、例えば、マッピング情報を、無線送受信部304(図14参照)を介して自無線システムの基地局の無線リソース管理部(あるいは、通信用周波数帯/地域決定部)へ送信することもできる。または、端末局のセンシングマップ生成部は、例えば、マッピング情報を、端末局自らが搭載する無線リソース管理部(あるいは、通信用周波数帯/地域決定部)へ出力することもできる。すなわち、端末局において、センシングマップ生成部は、マッピング情報を通知する手段として機能する。
さらに、無線リソース管理部は、必ずしもセンシングマップを生成する端末局に搭載されるとは限らず、センシングマップを生成しない端末局に搭載される場合もある。
[第3の実施形態]
第3の実施形態と第2の実施形態との差異は、端末局におけるセンシング方法と基地局におけるセンシングマップ作成方法が異なる点にある。第2の実施形態において、端末局は他の無線システム11の基地局101~103の受信信号電力値と自端末局の位置情報とをセンシングデータとして自無線システム12の基地局へ送信する。これに対して、第3の実施形態では、端末局は、基地局101~103の受信信号電力値とその信号の電波到来方向推定値とをセンシングデータとして自無線システム12の基地局へ送信する。そして、自無線システム12の基地局におけるセンシングマップ作成の方法も、上記センシングデータの違いに伴い第2の実施形態と異なる方法にて行われる。
尚、以下において詳細に説明する第3の実施形態の無線システムに関し、その構成(他の無線システム11および自無線システム12の数とそれらの位置関係、並びに各構成(基地局の数))は、第2の実施形態の無線システム10(図2参照)の構成と同様であるものとする。さらに、第3の実施形態においても、他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。そして、第2の実施形態と同様に、自無線システム12の基地局201Aのカバーエリア内に、以下で説明する複数の端末局202A~208Aが存在すると仮定する。
図15は、第3の実施形態の端末局202A~208Aの構成例を示すブロック図である。端末局202A~208Aは、第2の実施形態の端末局202~208(図3参照)が備える周波数利用状況推定部303の代わりに、信号強度/方向算出部315を備える。その他の構成については図3と同様であるため、図15において図3と同一の符号を付し、それらの説明については省略する。
信号強度/方向算出部315は、他の無線システム11の基地局101~103より受信する受信信号からその基地局が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値を求め、さらに各基地局101~103からの電波到来方向を推定する。信号電力値と電波到来方向推定値は、センシングデータとして、自無線システム12の基地局201A(後述)へ送信される。この場合、端末局202A~208Aは、信号電力値と電波到来方向推定値を、基地局201Aに対して、そのまま送信することもでき、あるいは、特定の送信信号フォーマットに従った値に変換して(例えば、量子化値など)送信することもできる。
図16は、図15に示す端末局202A~208Aを構成する信号強度/方向算出部315の詳細構成例を示すブロック図である。図16に示す信号強度/方向算出部315と図4に示す周波数利用状況推定部303との差異は、周波数帯域毎に方向算出部316−1~316−nを新たに備える点にある。信号強度/方向算出部315の方向算出部316−1~316−n以外の構成については、図4に示す構成と同様であるため、図16において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
方向算出部316−1~316−nは、バンドパスフィルタ311−1~311−nからの出力信号を用いて、各周波数帯域f1~f3を使用する基地局101~103からの電波到来方向を推定する。推定方法として、例えば、アレー入力の相関行列の固有値・固有ベクトルにより到来方向を推定するMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムに基づいて推定する方法を挙げることができる。もちろん、方向算出部316−1~316−nにおける推定方法は、上記MUSICアルゴリズムに限定されず、到来方向推定が可能なアルゴリズムであれば如何なる方法でも適用可能である。
電力算出部312−1~312−nにおいて算出された各信号電力値1~nおよび方向算出部316−1~316−nにおいて推定された各電波到来方向推定値1~nは、センシングデータとして変調部307へ出力される。
図17は、第3の実施形態の基地局201Aの構成例を示すブロック図である。この基地局201Aと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、周波数利用状況推定部402の代わりに、信号強度/方向算出部416を設ける点にある。この信号強度/方向算出部416は、図15に示す端末局202A~208Aが備える信号強度/方向算出部315と同等である。基地局201Aの信号強度/方向算出部416以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図17において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。ただし、図17におけるセンシングマップ生成部403の動作は、センシングデータの内容が第2の実施形態と異なることに基因して、第2の実施形態の基地局201の動作とは異なる。よって、以下その点について説明する。この場合、基地局201Aは、自身ではセンシングは行わず、端末局202A~208Aからのセンシングデータのみに基づいてセンシングマップを作成する場合を例に挙げる。
図17に示す基地局201Aのセンシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aから送信されるセンシングデータ(この場合、信号電力値および電波到来方向推定値)を用いてマッピング処理を実行する。
図18は、第3の実施形態における自無線システム12の基地局201Aにおいて作成されるセンシングマップの一例である。センシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aで推定した電波到来方向を、対象の基地局(他の無線システム11の各基地局101~103)に向かう方向に合わせる。そして、センシングマップ生成部403は、対象の基地局の信号電力値の大きさにより対象の基地局との距離を決定してセンシングマップ上にマッピングしていく。ここで、例えば、他の無線システム11の基地局102を例に挙げれば、センシングマップ生成部403は、基地局102と自無線システム12の基地局201Aとの間の距離を、例えば、10等分する。そして、センシングマップ生成部403は、信号電力値の大小により、マッピング位置を決定する。具体的には、センシングマップ生成部403は、例えば、信号電力値が大きければ基地局102の近くの位置へマッピングし、受信信号電力値が小さければ基地局102から離れた位置へマッピングする。このような操作を行うことで、各基地局101~103の信号電力値が等しくなる位置が判明する。従って、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
尚、上記では、他の無線システム11の各基地局と自無線システム12の基地局201との間を10等分する例を挙げたが、必ずしも10等分である必要はなく、任意の数に区分できることは言うまでもない。
また、上記では、他の無線システム11の基地局101~103の位置は既知であると仮定している。基地局101~103の位置情報の取得方法としては、各無線システムの基地局位置などの情報が集約され且つダウンロードすることが可能なデータベース装置から取得する方法や、他の無線システムとの情報交換により取得する方法を挙げることができる。
基地局201Aの通信用周波数帯/地域決定部404は、上記マッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域を決定し、通信用周波数帯/地域情報として出力する。
無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理(例えば、周波数帯域の選択や送信電力制御等)を行う。
以上説明した第3の実施形態において、端末局202A~208Aは、他の無線システム11の基地局101~103より受信する受信信号から各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における各信号電力値を求める。さらに、端末局202A~208Aは、各基地局101~103の電波到来方向を推定する。そして、基地局201Aのセンシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aから送信されるセンシングデータ(信号電力値および電波到来方向推定値)を用いてマッピング処理を実行する。
以上の処理により、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。従って、第2の実施形態と同様に、第3の実施形態の基地局201Aは、自カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域f1~f3の地理的利用状況を鑑みて、自無線システム12において通信または放送に用いる無線リソースの管理(使用する周波数帯域の選択や送信電力制御)を行うことができる。すなわち、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を使用することができる。従って、周波数利用効率を向上させることができる。
さらに、第3の実施形態の場合、マッピング処理は、電波到来方向推定値に基づいて行われるため、端末局202A~208Aおよび基地局201Aの位置情報は不要となる。従って、例えば、端末局202A~202Aにおいては、図3に示すような位置情報推定部308は不要である。従って、端末局202A~208Aの構成を簡素なものとすることができる。
なお、以上説明した第3の実施形態において、基地局201Aでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Aでセンシングを行わない場合、基地局201Aの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第3の実施形態において、基地局201Aは、各基地局101~103の各信号電力値および各電波到来方向推定値に基づいてセンシングマップを作成する例を挙げた。しかしながら、センシングマップの生成方法はこれに限定されない。例えば、基地局201Aは、2つの基地局間の信号電力比と、該2つの基地局各々の電波到来方向推定値を用いてセンシングマップを作成することも可能である。
また、第3の実施形態の基地局201Aにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第3の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第3の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第3の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第3の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の特徴は、センシング動作の頻度を端末局毎に異ならせる点にある。電波の到来状況や他の無線システム11の通信状況の変化に伴い、利用対象の周波数帯域を利用する他の無線システム11のカバーエリア(具体的には、基地局101~103の各カバーエリア)も変化する。従って、カバーエリアの変化に合わせてセンシングマップの更新が必要となる。このとき、変化するのはカバーエリアの境界であるため、センシングマップの更新は他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近を重点的に行えば良い。そこで、第4の実施形態の場合、作成したセンシングマップにおいて、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近に存在する端末局はセンシング頻度を高く設定し、一方、境界から離れて存在する端末局はセンシング頻度を低く設定する。自無線システム12の基地局は、端末局から受信したセンシングデータに基づいて、センシングマップを更新する。
尚、以下において詳細に説明する第4の実施形態の無線システムに関し、その構成(他の無線システム11および自無線システム12の数とそれらの位置関係、並びに各構成(基地局の数))は、第2の実施形態の無線システム10(図2参照)の構成と同様であるものとする。さらに、第4の実施形態においても、他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。そして、第2の実施形態と同様に、自無線システム12の基地局201B(詳細については後述する)のカバーエリア内に、複数の端末局202~208が存在すると仮定する。
図19は、第4の実施形態において、端末局202~208が他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近に存在するか否かを判定する際の判定概念図の一例である。まず、各端末局202~208が存在する位置と、対象となる基地局101~103のカバーエリア境界線との間の距離をdと定義する(図19において不図示)。一方、カバーエリア境界線(図19において太実線で示す)からの距離に関する閾値をTH1とする。閾値TH1は、各端末局202~208がカバーエリア境界線付近に存在するか否かを判定するための距離に関する閾値である。自無線システム12の基地局201Bは、距離dと閾値TH1とを比較する。距離dが閾値TH1よりも小さい場合、基地局201Bは、その端末局はカバーエリア境界線付近に存在すると判断し、該端末局に対して高頻度センシングを指示する。一方、距離dがTH1以上の場合、基地局201Bは、その端末局はカバーエリア境界線から離れていると判断し、該端末局に対して低頻度でのセンシング(高頻度センシング時の頻度より相対的に低い頻度でのセンシング)を指示する。
尚、図19において、他の無線システム11の基地局101のカバーエリア境界線(太実線で示す)からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線501(点線で示す)とする。また、基地局102のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線502(一点鎖線で示す)とする。さらに、基地局103のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線503(破線で示す)とする。ここで、他の無線システム11の基地局101のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1より小さくなる範囲は、格子模様で示す範囲となる。さらに、境界線501、502、503で囲まれた範囲が、他の無線システム11の基地局101、102、103を合わせた高頻度センシング領域である。この高頻度センシング領域内に位置する端末局(例えば、図19において、端末局204、205、206、207)は、高頻度でのセンシングを実行する。一方、この領域内に位置しない端末局(例えば、図19において、端末局202、203、208)は、低頻度でのセンシングを実行する。
図20は、第4の実施形態の基地局201Bの構成例を示すブロック図である。基地局201Bと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、さらに、センシング端末決定部417(センシング決定手段)を備える点にある。基地局201Bの、このセンシング端末決定部417以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図20において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報を、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する。ここで、通信用周波数帯/地域情報は、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域に関する情報である。さらに、センシング端末決定部417は、所定の装置(例えば、上記レイヤの制御部、無線リソース管理部450、あるいは記憶装置(不図示)等)から、上記閾値TH1を取得する。センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報と閾値TH1とに基づいて、上記の高頻度センシング領域内に存在する端末局、高頻度センシング領域内に存在しない端末局を各々に抽出する。センシング端末決定部417は、各端末局の情報(例えば、識別情報)と、センシング頻度指示情報(高頻度センシングを行うか、低頻度センシングを行うかを指示する情報)とを、制御信号生成部408へ出力する。制御信号生成部408に入力した上記情報は、変調部409、無線送信部410、および送信用アンテナ411を介して、端末局202~208へ送信される。高頻度センシングの指示を受けた端末局(例えば、図19において、端末局204、205、206、207)は、センシングを高頻度に行う。一方、低頻度センシングの指示を受けた端末局(例えば、図19において、端末局202、203、208)は、センシングを低頻度にて行う。
以上説明したように、第4の実施形態において、カバーエリアが変動する可能性が高いエリア(すなわち、カバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線内)に存在する端末局のセンシングが、重点的に行われる。従って、全端末局が同頻度(高頻度時よりも低い頻度)でセンシングを行う場合と比較して、センシングマップの更新速度が向上し、他の無線システムのカバーエリアの変化にも迅速に対応可能となる。
しかも、カバーエリアの境界線付近に存在しない端末局のセンシング頻度を、高頻度センシング時の頻度よりも相対的に低い頻度(場合によっては、全端末局が同頻度に設定されている場合の頻度よりも低頻度)にすることができる。従って、システム全体の消費電力を抑えることができる。
尚、上記閾値TH1の数は、1つだけに限らない。複数の閾値(例えば、TH1、TH2、・・・;TH1<TH2<・・・)を設定し、各閾値により定められる範囲において、異なるセンシング頻度を設定してセンシングマップの更新を行うことも可能である。閾値TH1により定められる範囲に存在する端末局のセンシング間隔をT1、閾値TH2により定められる範囲に存在する端末局のセンシング間隔をT2とし、T1<T2とすることで、より更新の必要性の高い端末局で高頻度のセンシングを行うことが可能となる。
さらに、上記では、他の無線システム11の基地局101~103のカバーエリアの境界付近に存在する端末局が高頻度でセンシングを行う場合を例に挙げたが、センシングを行う端末局の選択は上記の例に限定されない。つまり、センシング端末決定部417は、各端末局におけるセンシングの有無自体を決定することもできる。例えば、他の無線システム11の所定の基地局から所定距離以上離れた位置に存在する端末局(あるいは、所定の基地局のカバーエリアから所定距離以上離れた端末局)では、その基地局についてのセンシングを実行しないようにすることもできる。あるいは、センシング端末決定部417は、他の無線システム11の基地局のエリア境界付近に存在する端末局、他の無線システム11の基地局から一定距離内に存在する端末局、および他の無線システム11の基地局の境界線から一定距離内に存在する端末局のうちのいずれかの端末局に限定することも可能である。
図21は、第4の実施形態において、他の無線システム11の所定の基地局(例えば、基地局102)から所定距離以上離れた位置に存在する端末局(例えば、端末局209)、あるいは所定の基地局(例えば、基地局102)のカバーエリアから所定距離以上離れた端末局(例えば、端末局209)を判定する際の判定概念図の一例である。
図21に示すように、まず、基地局102からの距離に関する閾値THbを設定する。基地局201Bのセンシング端末決定部417は、基地局102からの距離が閾値THbを越える位置に存在する端末局が存在するか否かを判定する。閾値THbを越える位置に端末局が存在する場合(例えば、図21において、端末局209)、センシング端末決定部417は、端末局209に対して、基地局102のセンシングは行わないよう指示する。
あるいは、基地局102のカバーエリアの境界線(図21において、一点鎖線で示す)からの距離に関する閾値THaを設定する。基地局201Bのセンシング端末決定部417は、基地局102のカバーエリアの境界線からの距離が閾値THaを越える位置に存在する端末局が存在するか否かを判定する。閾値THaを越える位置に端末局が存在する場合(例えば、図21において、端末局209)、センシング端末決定部417は、端末局209に対して、基地局102のセンシングは行わないよう指示する。
なお、以上説明した第4の実施形態において、センシングの実行要否あるいは頻度についての決定は、自無線システム12の基地局201Bにおいて行われる場合(具体的には、センシング端末決定部417によって実行される場合)を例に挙げた。しかしながら、上記決定は、基地局201Bのみで行われるとは限らず、例えば、端末局にて行われてもよい。
また、以上説明した第4の実施形態において、基地局201Bのセンシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する通信用周波数帯/地域情報に基づいて、センシング端末局の決定(センシング頻度の決定も含む)を行うと説明した。しかしながら、上記に限定されず、センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報ではなく、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、センシング端末局の決定(センシング頻度の決定も含む)を行うことも可能である。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の特徴は、複数の端末局をグループに分け、グループ内で分担してセンシングを行う点にある。
図22は、第5の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201C(詳細については後述する)のカバーエリア内に存在する複数の端末局601~622の散在状況を示すカバーエリア図である。
図23は、第5の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201Cのカバーエリア内において、複数の端末局をグループ化する方法例を示す概念図である。
図23に示すように、まず、基地局201Cのカバーエリアを縦方向のライン701~705と横方向のライン706~710により複数のグリッド(この場合、4×4のグリッド)に分割する。そして、1つのグリッド内に存在する端末局を同一グループとする。例えば、図22および図23を参照すると、縦方向ライン702および703と、横方向ライン706および707とにより生成されるグリッド内に存在する端末局601~604を同一グループとする。
このように、端末局を複数のグループに分けた場合、同一グループに存在する端末局のセンシング結果は類似する蓋然性が高い。従って、同一グループ内の全端末局が同時にセンシングを行う必要性は低く、いずれかの端末局がグループの代表としてセンシングを行えば良い。
代表となる端末局の決定方法としては、例えば、端末局IDの数字が大きな順(または小さな順)で決定する方法を挙げることができる。あるいは、代表となる端末局は、端末局クラスの大きな順(または小さな順)、アクティブモードとなってからの経過時間の長い順(または短い順)、あるいは、今までにセンシングを行った回数の多い順(または少ない順)で決定されてもよい。また、所定の基準に基づいて、センシングを交代で行わせるような制御(換言すれば、センシングを行う代表端末局を変更する制御)を行うこともできる。もちろん、代表となる端末局は交代せずに、所定の端末局のみがセンシングを行う方法であってもよい。
図24は、第5の実施形態の基地局201Cの構成例を示すブロック図である。基地局201Cと第4の実施形態の基地局201B(図20参照)との差異は、さらに、端末局グループ決定部418(グループ決定手段)を備える点にある。基地局201Cの、この端末局グループ決定部418以外の構成については、図20に示す構成と同様であるため、図24において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報を、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する。ここで、通信用周波数帯/地域情報は、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域に関する情報である。端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報に基づいて、予め決められた規則に沿って端末局のグループ分けを行う。端末局のグループ分け情報は、センシング端末決定部417へ出力される。センシング端末決定部417は、各端末局のグループ内からセンシングを実行する端末局を選択して決定する。センシングを行う端末の決定方法(代表となる端末局の決定方法)は、上述したとおりである。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、複数の端末局をグループ分けし、グループ内で分担してセンシングを行う。従って、全端末局がセンシングを行う場合と比較して、センシングによる端末局と基地局間の信号送受信によるシグナリングオーバーヘッドを削減することができる。さらに、センシングの必要性の高い端末局のセンシングを優先させることにより、センシングマップの更新速度が向上し、他の無線システムのカバーエリアの変化にも迅速に対応可能となる。
もちろん、第5の実施形態の場合においても、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
なお、以上説明した第5の実施形態において、端末局をグループ化する他の方法として、例えば、特定の基地局からの受信信号電力値が、ある一定の範囲内となる端末局を同一グループとする方法を挙げることができる。
また、以上説明した第5の実施形態において、基地局201Cの端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する通信用周波数帯/地域情報に基づいて、端末局のグループ分けを行うと説明した。しかしながら、上記に限定されず、端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報ではなく、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、端末局のグループ分けを行うことも可能である。
また、以上説明した第5の実施形態において、端末局のグループ分けを基地局201Cにおいて行う場合(具体的には、端末局グループ決定部418によって実行される場合)を例に挙げたがこれに限定されることはない。例えば、ある端末局がセンシング結果を収集して端末局のグループ化を行うことも可能である。
また、以上説明した第5の実施形態の基地局201Cにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上説明した第5の実施形態において、基地局201Cでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Cでセンシングを行わない場合、基地局201Cの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、以上説明した第5の実施形態において、センシングの方法として、信号電力値を算出する場合を例にあげたが、センシングの方法はこれに限定されない。例えば、センシング方法として、信号電力比や最大の信号電力値となる基地局情報や周波数帯域情報を算出する方法であってもよい。
また、第5の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第5の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第5の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第6の実施形態]
第6の実施形態の特徴は、自無線システム12の基地局が電波伝搬推定機能を備え、推定結果をセンシングマップの初期値と設定し、他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界付近に存在する端末局で優先的にセンシングを実行する点にある。
図25は、第6の実施形態の基地局201Dの構成例を示すブロック図である。基地局201Dと第4の実施形態の基地局201B(図20参照)との差異は、さらに、伝搬推定部419(電波伝搬推定手段)を備える点にある。また、基地局201Dは、図20に示すセンシングマップ生成部403に替えてセンシングマップ生成部403Dを備える。基地局201Cの、これら伝搬推定部419およびセンシングマップ生成部403D以外の構成については、図20に示す構成と同様であるため、図25において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
伝搬推定部419は、他の無線システム11の基地局の受信信号レベルを推定し、位置情報(緯度や経度など場所を特定する情報)とともにセンシングマップ生成部303へ出力する。
図26は、図25に示す基地局201Dを構成するセンシングマップ生成部403Dの詳細構成例を示すブロック図である。伝搬推定結果は、センシングマップの初期値としてメモリ部414に入力される。
伝搬推定部419は、他の無線システム11の基地局配置情報、基地局送信電力情報、アンテナパラメータ情報、エリア内の地形や存在するビルの情報を含んだ地図情報などを入力パラメータとして、他の無線システム11の基地局のカバーエリア内の受信信号レベルを推定する。ここで、推定結果は、位置情報(緯度や経度など場所を特定する情報)と、その位置での基地局から送信された電波の受信信号電力値または伝搬損値である。なお、他の無線システム11の基地局情報は、データセンターなどから取得しても良いし、基地局間の通信により取得しても良い。
自無線システム12の基地局201Dは、他の無線システム11の基地局の電波伝搬推定結果をセンシングマップにマッピングし、センシングマップ作成時の初期値として利用する。そして、基地局201Dは、予め設定される所定の閾値を越える受信信号レベルの地域を、他の無線システム11の基地局のカバーエリア内とする。
他の無線システム11の基地局のカバーエリアが判明すると、カバーエリア境界に存在する端末局において優先的にセンシングを実行することができる。ここで、カバーエリア境界に存在する端末局か否かの判定は、前述した第4の実施形態に示したような、カバーエリア境界からの距離に関する閾値TH1を用いて行うことができる。これにより、他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界付近に存在する端末局が優先的にセンシングを実行する。
以上説明したように、第6の実施形態によれば、基地局201Dが電波伝搬推定機能(伝搬推定部419)を備えることにより、他の無線システム11の基地局のカバーエリア情報を、センシングに先立ち取得することができる。従って、その情報をセンシングマップの初期値として利用することができるので、センシングマップ作成過程において迅速に他の無線システム11のカバーエリアを求めることができる。
なお、以上説明した第6の実施形態において、自無線システム12の基地局201Dが電波伝搬推定機能(伝搬推定部419)を備える場合を例に挙げたが、端末局間で通信を行う場合には、ある端末局が上記電波伝搬推定機能を備えることも可能である。この場合、その端末局は、伝搬推定部419と同等の構成を搭載することができる。
また、以上説明した第6の実施形態の基地局201Dにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上説明した第6の実施形態において、基地局201Dでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Dでセンシングを行わない場合、基地局201Dの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第6の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第6の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第6の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第7の実施形態]
まず、第7の実施形態の特徴について概略的に説明する。端末局は、センシング結果や位置情報とともに、端末局が存在する高度(標高)に関する情報も合わせて自無線システム12の基地局へ通知する。基地局は、予め設定される高度に関する閾値を越えない高度に存在する端末局のセンシング結果のみを、センシングマップ作成時に使用する。
ここで、他の無線システム11の中には、高層ビル等の高所でのサービスを想定していない、あるいは対応できないものも存在する場合ある。この場合、カバーエリア内であっても、高層ビルでは信号強度が弱かったり、同期が確立しなかったりする。そのため、高層ビルなど高所に存在する端末局でのセンシング結果を用いてセンシングマップを作成すると、他の無線システム11のカバーエリアを狭く判定することになる。
そこで、本実施形態の場合、端末局は、気圧高度計などにより高度情報を測定し、センシング結果や位置情報と合わせて自無線システム12の基地局へ通知する。基地局は、予め設定された高度に関する閾値Thを越える位置に存在する端末局のセンシング結果を、センシングマップに反映させずに排除する。これにより、センシングマップにおける他の無線システム11のカバーエリアを狭く判定することを回避できる。この場合、閾値Thは、例えば10mなどと設定する。
ここで、高層ビル等の高所においても十分なサービスを提供することが可能な無線システムも存在するので、このような場合、高度に関する閾値Thは、それぞれの無線システム毎(無線システムに割り当てられた周波数帯域毎)に異なった値を設定する。
なお、高度情報の測定は、気圧高度計に限定されるものではなく、高度に関する情報を得られる方法であれば如何なる方法であっても良い。
第7の実施形態の端末局は、図3に示す端末局202~208と同等である。但し、位置情報推定部308は、GPSなどから得られる位置情報(緯度、経度)に加え、気圧高度計などから得られる高度情報から端末局の存在する高度(標高)を特定し、要求されるデータフォーマットに従って位置情報として出力する。
第7の実施形態の自無線システム12の基地局は、図5に示す基地局201と同等である。但し、センシングマップ生成部に関しては、センシングマップ生成部403(図6参照)に代えてセンシングマップ生成部403Eとする。
図27は、第7の実施形態の自無線システム12の基地局201を構成するセンシングマップ生成部403Eの構成例を示すブロック図である。センシングマップ生成部403(図6参照)とこのセンシングマップ生成部403Eとの差異は、センシングマップ生成部403Eが、さらに、外れ値除外部420を備える点にある。センシングマップ生成部403Eの、この外れ値除外部420以外の構成については、図6に示す構成と同様であるため、図27において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
外れ値除外部420は、基地局201または端末局から、センシング結果を入力する。この場合、センシング結果には、基地局201または端末局の高度情報が含まれる。外れ値除外部420は、上記高度情報と所定の高度閾値とを比較する。高度情報が閾値を下回る場合、外れ値除外部420は、該センシング結果をマッピング部413へ出力する。一方、高度情報が閾値以上の場合、外れ値除外部420は、該センシング結果をマッピング部413へ出力せずに廃棄する。
以上説明したように、第7の実施形態において、自無線システム12は、サービスを想定していない高度に存在する端末局でのセンシング結果を、センシングマップ作成に用いない。従って、他の無線システム11のカバーエリアを過剰に狭く判定するのを防ぐことができ、センシングマップの作成精度を向上させることが可能となる。
尚、以上説明した第7の実施形態において、自無線システム12の基地局201が外れ値除外部420を備え、端末局からのセンシング結果を基地局201側にて判定する場合を例に挙げた。しかしながら、外れ値除外部は端末局に設けることも可能である。以下、詳細に説明する。
図28は、第7の実施形態の変形例としての端末局202E~208Eの構成例を示すブロック図である。端末局202~208(図3参照)と端末局202E~208Eとの差異は、端末局202E~208Eが、さらに、外れ値除外部317を備える点にある。端末局202E~208Eの、この外れ値除外部317以外の構成については、図3に示す構成と同様であるため、図28において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
外れ値除外部317は、周波数利用状況推定部303から受信信号電力値を入力するとともに、位置情報推定部308から自端末局の位置情報を入力する。ここで、外れ値除外部317は、先に説明した外れ値除外部420と同様の動作を行う。すなわち、自端末局が存在する高度が所定の閾値以上の場合、外れ値除外部317は、自端末局のセンシング結果を、センシングマップ作成に反映させないようにする。一方、自端末局が存在する高度が上記閾値を下回る場合、外れ値除外部317は、自端末局のセンシング結果を、センシングマップ作成に反映させる。
すなわち、外れ値除外部を基地局201が備える構成と同様に、高い位置に存在する基地局あるいは端末局のセンシング結果を除外することが可能となる。従って、他の無線システム11のカバーエリアを過剰に狭く判定するのを防ぐことができ、センシングマップの作成精度を向上させることが可能となる。
尚、端末局202E~208Eが外れ値除外部317を備える場合、端末局202E~208Eは、基地局201に対して、センシングデータに加えて、該センシングデータをマップ作成に反映させるか否かを示す、制御信号フォーマット判定値などの付加情報を送信することもできる。その場合、付加情報は、0値(センシング結果をマッピング部413へ出力する)、あるいは、1値(センシング結果をマッピング部413へ出力しない、または、センシング結果をセンシングマップへマッピングせずに破棄する)とすることができる。
なお、以上説明した第7の実施形態において、基地局201でのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201でセンシングを行わない場合、基地局201の構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第7の実施形態の基地局201において、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第7の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第7の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第7の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第7の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第8の実施形態]
第8の実施形態の特徴は、自無線システム12における送信局と受信局間の通信または放送を、送信局からの送信信号が他の無線システム11の送受信に与える干渉を考慮した所定の基準を満足する、送信局と受信局間でのみ行う点にある。
干渉を考慮する所定の基準として、以下では、距離を用いた場合を例に挙げる。
ここで、例えば、図2に示す無線システム10において、利用対象の周波数帯域を利用する他の無線システム11の基地局のカバーエリア外で、自無線システム12の基地局201が、その周波数帯域を用いて端末局202~208と通信または放送を行なう場合を想定する。基地局201から端末局202~208への通信または放送は、センシングマップにより判明する他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界線と基地局201との間の距離よりも近い位置に存在する端末局とのみ遂行される。すなわち、基地局201と端末局との間で遂行される通信または放送における所要送信電力量が、他の無線システム11において基地局201と同じ周波数帯域を使用する基地局のカバーエリア内に届かない範囲で、上記通信または放送を行なう。以下、図29を用いて、より詳細に説明する。
図29は、第8の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201のカバーエリアと、自無線システム12の基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリアと、端末局801との位置関係を示す第1のカバーエリア図である。
上記の通信または放送の一例として、以下では、自無線システム12の基地局201から端末局801へ送信する場合(Downlink通信)を例に挙げる。図29において、基地局201から他の無線システム11の基地局102のカバーエリアまでの距離をaとし、基地局201と端末局801との距離をbとする。なお、他の無線システム11の基地局102では、基地局201と同一の周波数帯域が使用されているものとする。ここで、距離a>距離bの場合、本実施形態では、基地局201から端末局801への上記Downlink通信は、可能となる。
すなわち、基地局201からの送信電波は、基地局201と同一の周波数帯域を使用する基地局102のカバーエリア内へは届かない。従って、自無線システム12の通信または放送が、他の無線システム11の受信局に与える干渉を抑えることができる。
図30は、第8の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201のカバーエリアと、自無線システム12の基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリアと、端末局801との位置関係を示す第2のカバーエリア図である。
上記の通信または放送の一例として、以下では、端末局801から自無線システム12の基地局201へ送信する場合(Uplink通信)を例に挙げる。図30において、端末局801から他の無線システム11の基地局102のカバーエリアまでの距離をcとし、自無線システム12の基地局201と端末局801との距離をbとする。ここで、距離c>距離bの場合、本実施形態では、端末局801から基地局201への上記Uplink通信は、可能となる。
すなわち、端末局801からの送信電波は、基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリア内へは届かない。従って、自無線システム12の通信または放送が、他の無線システム11の受信局に与える干渉を抑えることができる。
図31は、第8の実施形態の基地局201Fの構成例を示すブロック図である。この基地局201Fと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、基地局201Fが、さらに、通信端末決定部421(決定手段)を備える点にある。基地局201Fの通信端末決定部421以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図31において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
通信端末決定部421は、通信用周波数帯/地域決定部404の出力である使用可能な周波数帯域とその地域の情報に基づいて、通信または放送可能な端末を決定する。
例えば、基地局201Fから端末局へのDownlink通信の場合、図29において、距離bが距離aよりも小さい場合、通信端末決定部421は、基地局201Fから端末局801への上記Downlink通信を可能とする。図29において、距離aは、基地局201Fと、基地局201Fが使用する周波数帯域を使用している他の無線システム11の基地局102のカバーエリアの境界との間の距離を示す。また、距離bは、基地局201Fと端末局801との間の距離を示す。
一方、端末局801から基地局201FへのUplink通信の場合、図30において、距離bが距離cよりも小さい場合、通信端末決定部421は、端末局801から基地局201Fへの上記Uplink通信を可能とする。図30において、距離bは、端末局801と基地局201Fとの間の距離を示す。また、距離cは、端末局801と、基地局201Fが使用する周波数帯域を使用している他の無線システム11の基地局102のカバーエリアの境界との間の距離を示す。
通信端末決定部421の出力信号(通信または放送可能な端末情報)は、無線リソース管理部450に送られて、自無線システム12の無線リソース管理に供される。
以上説明した第8の実施形態によれば、自無線システム12における送信局と受信局間の通信または放送は、自無線システム12における送信局からの送信信号が、他の無線システム11の送受信に与える干渉を考慮した所定の基準を満足する送信局と受信局間のみで行う。従って、他の無線システム11への与干渉を回避しつつ、他の無線システム11に割り当てられた周波数帯域を利用した通信または放送を行うことが可能となる。
尚、以上説明した第8の実施形態では、干渉を考慮する所定の基準として距離を用いた場合を例に挙げたが、上記に限定されない。例えば、同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11および自無線システム12の各基地局の受信信号電力値の比が、所定の基準を満たす場合に限り、自無線システム12の通信または放送を可能とすることもできる。
例えば、他の無線システム11の基地局の受信信号電力値(P1)と自無線システム12の基地局の受信信号電力値(P2)との比(P1/P2)が、予め設定されるしきい値THp以上となる場合のみ、自無線システム12の通信または放送を可能とする。
尚、以上説明した基地局201F(図31参照)において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、基地局201Fの通信端末決定部421は、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、第8の実施形態においては、通信または放送可能な端末の決定を、自無線システム12の基地局201Fにおいて行う場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、端末局間で通信または放送を行う場合には、ある端末局がセンシング結果を収集し、通信または放送可能な端末局を決定する構成とすることも可能である。その場合、端末局は、通信端末決定部421と同等の構成を搭載することができる。
なお、以上説明した第8の実施形態において、基地局201Fでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Fでセンシングを行わない場合、基地局201Fの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第8の実施形態の基地局201Fにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第8の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第8の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第8の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第8の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
また、以上説明した第1~第8の実施形態において、基地局および端末局は、専用のハードウェアで制御されると説明した。しかしながら、これらの基地局および端末局は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、基地局および端末局内部の記憶媒体、あるいは、外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。また、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年9月24日に出願された日本出願特願2009−218750号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1は、本発明に係る第1の実施形態の基地局1の構成例を示すブロック図である。自無線システムに属する基地局1は、推定部2(推定手段)と、管理部3(管理手段)とを備える。推定部2は、基地局1のカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する。ここで、カバーエリアとは、基地局1との通信または放送が可能な地域を意味する。管理部3は、上記推定結果に基づいて基地局1における通信または放送についての無線リソース管理を行う。また、例えば、センシング装置のうちの少なくとも1つは、自無線システムの基地局1および該基地局1のカバーエリアに存在する端末局のうちの少なくとも一方である。
ここで、自無線システムの基地局1のカバーエリアと他の無線システムのカバーエリアとがオーバーラップした無線システムを想定する。このような無線システムの場合、例えば、互いに異なる周波数帯域が割り当てられた複数の他の無線システムがある場合と、複数の周波数帯域が割り当てられた少なくとも1つの他の無線システムがある場合を想定することができる。
このような無線システムにおいて、まず、推定部2は、自無線システムである基地局1のカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からセンシング情報を得る。推定部2は、得られたセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは、優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する。そして、管理部3は、上記推定結果に基づいて基地局1における通信または放送についての無線リソース管理を行う。
管理部3は、無線リソース管理の一例として、例えば、「周波数帯域の管理(使用する周波数帯域の選択)」を行う。具体的には、管理部3は、上記カバーエリア内に位置する端末局から接続要求を受けた際、その端末局の位置と、上記カバーエリア内における他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況とに基づいて、該端末局との通信または放送において使用する周波数帯域を選択する。例えば、管理部3は、端末局および基地局1が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選択することができる。このような周波数帯域を選択することにより、同一周波数干渉を回避した通信または放送を行うことができる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、自無線システムは、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
また、「周波数帯域の管理」の他の一例として、管理部3は、他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況に基づいて、自無線システムの基地局1が使用する周波数帯域を、基地局1からの送信電波が所定の基準を満たすような周波数帯域とすることができる。
この場合の「所定の基準」としては、第1に、自無線システムの送信局(例えば、基地局1)からの送信信号を受信する受信局(例えば、端末局)での受信品質が所定品質を満たすか否かとの基準を挙げることができる。さらに、上記「所定の基準」としては、第2に、同一周波数帯域を使用する他の無線システムの送信および/または受信品質への影響度(劣化度)が所定範囲内に収まるか否かとの基準を挙げることができる。
また、無線リソース管理の一例として、管理部3は、「送信電力の管理」を行うことができる。具体的には、管理部3は、自無線システムの基地局1からの送信電力を、所定の基準に基づいて、管理(選択)することができる。この場合の「所定の基準」としては、例えば、上述した第1および第2の基準とすることができる。
また、無線リソース管理の一例として、管理部3は、「通信方式/変調方式/符号化率の管理」を行うことができる。具体的には、管理部3は、他の無線システムの周波数帯域の地理的利用状況と、自無線システムの基地局1と端末局との距離に応じて、通信方式/変調方式/符号化率を選択することができる。例えば、距離が小さい場合、管理部3は、通信方式をOFDMとし、変調方式を64QAMとし、符号化率を7/8とすることができる。上記において、OFDMは、Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略であり、QAMは、Quadrature Amplitude Modulationの略である。一方、距離が大きい場合、管理部3は、通信方式をDFT−s−OFDMとし、変調方式をQPSKとし、符号化率を1/12とすることができる。上記において、DFT−s−OFDMは、Discrete Fourier Transform−spread−OFDMの略であり、QPSKは、Quadrature Phase Shift Keyingの略である。なお、通信方式/変調方式/符号化率は、複数の距離レベルに応じて設定することも可能である。
[第2の実施形態]
本実施形態の概略について説明する。本実施形態において、自無線システムの基地局または該基地局のカバーエリアに存在する端末局は、1つ以上のセンシング装置(例えば、端末局または基地局)からセンシング情報を得る。これらの基地局または端末局は、得られたセンシング情報に基づいて、他の無線システムが、利用対象の周波数帯域を、上記カバーエリアにおいて使用している地域を推定する。そして、自無線システムの基地局は、その推定結果に基づいて、自無線システムにおいて通信または放送に用いる無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理の例として、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率等の管理を挙げることができる。以上の構成(動作あるいは機能)により、自無線システムは、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を使用することができる。
以下、本実施形態の詳細について説明する。図2は、本発明に係る第2の実施形態の無線システム10の一例を示すシステム構成図である。無線システム10は、他の無線システム11と自無線システム12とを備える。他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。また、他の無線システム11は、基地局101~103を備える。この場合、基地局101は、システム帯域のうちの周波数帯域f1を利用する。基地局102は、システム帯域のうちの周波数帯域f2を利用する。基地局103は、システム帯域のうちの周波数帯域f3を利用する。
自無線システム12の基地局201は、そのカバーエリアが、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアにオーバーラップするように配置される。また、本実施形態の場合、基地局201のカバーエリア内に、端末局202~208が存在すると仮定する。
ここで、先ず、端末局202~208の概略的機能について説明する。端末局202~208は、自無線システム12の基地局201と通信する機能と、他の無線システム11が使用する周波数帯域f1、f2、f3をセンシングする機能とを備える。自無線システム12の基地局201のカバーエリアに存在する端末局202~208は、例えば、基地局201の指示に基づいて利用対象の周波数帯域f1~f3をセンシングする。端末局202~208は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)を、自無線システム12の基地局201へ送信する。以下、センシングの一例として、他の無線システム11の各基地局101~103からの受信信号の電力値を求める場合を例に挙げる。
次いで、基地局201の概略的機能について説明する。基地局201は、端末局202~208から収集したセンシングデータに基づいてセンシングマップを作成する。基地局201は、このセンシングマップにより、基地局201のカバーエリアにおいて、他の無線システム11がどの地域でどの周波数帯域f1~f3を利用しているかを認識することが可能となる。基地局201は、上記認識に基づいて基地局201における通信または放送についての無線リソース管理を行う。基地局201は、無線リソース管理の一例として、例えば、「周波数帯域の管理(使用する周波数帯域の選択)」を行う。具体的には、基地局201は、自己のカバーエリア内に位置する所定の端末局から接続要求を受けた際、その端末局の位置と、該カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域の地理的利用状況とに基づいて、該端末局との通信または放送に利用する周波数帯域を選択する。例えば、基地局201は、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域を選択することができる。
図3は、図2に示す端末局202~208の構成例を示すブロック図である。端末局202~208は、送受信アンテナ301と、スイッチ302と、周波数利用状況推定部303と、無線送受信部304と、スイッチ305と、復調/復号部306と、変調部307と、位置情報推定部308とを備える。
送受信アンテナ301は、無線信号を受信し且つ送信することが可能な送受信兼用のアンテナである。送受信アンテナ301の受信機能は、他の無線システム11の各基地局101~103からの無線信号を受信する機能(センシング時受信機能)と、自無線システム12の基地局201からの無線信号を受信する機能(通常時受信機能)とを含む。送受信アンテナ301の送信機能は、自無線システム12の基地局201へ無線信号を送信する機能を含む。ここで、送受信アンテナ301は、受信用アンテナと送信用アンテナとに分かれた構成であっても良い。
スイッチ302は、センシングを行う場合、送受信アンテナ301と周波数利用状況推定部303とを接続する。一方、スイッチ302は、センシングデータを基地局201へ送信する場合、あるいは基地局201との間で通常の通信を行う場合、送受信アンテナ301と無線送受信部304とを接続する。
周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果として変調部307へ出力する。周波数利用状況推定部303の詳細構成については、後述する。
無線送受信部304は、受信処理時、送受信アンテナ301を介して受信した無線信号に対して、受信電力増幅、ダウンコンバート、A/D変換等の処理を行い、当該処理後の信号をスイッチ305へ出力する。この場合、スイッチ305は、無線送受信部304と復調/復号部306とを接続する。復調/復号部306は、スイッチ305を介して入力する信号を復調および復号し、ユーザデータや制御信号を出力する。
送信処理時、ユーザデータと、制御信号および/またはパイロット信号と、周波数利用状況推定部303から出力されるセンシング結果(例えば、受信信号電力値)と、位置情報推定部308から出力される端末局の位置情報(緯度、経度)とが、変調部307へ入力される。変調部307は、入力した上記情報に対して、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等の処理を施し、スイッチ305へ出力する。この場合、スイッチ305は、変調部307と無線送受信部304とを接続する。無線送受信部304は、スイッチ305からの信号に対して、D/A(Digital/Analog)変換、アップコンバート、送信電力増幅等の処理を施し、該処理後の信号を、スイッチ302を介して送受信アンテナ301へ出力する。該処理後の信号は、送受信アンテナ301から基地局201へ送信される。
位置情報推定部308は、例えば、GPS(Global Positioning System)から、自端末局の位置情報(緯度、経度情報)を取得する。取得された位置情報は、変調部307を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。ここで、位置情報推定部308における位置推定手段は、GPSに限定されることはない。例えば、GPS以外の位置推定システムを用いることも可能である。あるいは、端末局202~208自らが複数の基地局からの受信信号を用いて自端末局の位置を推定する方法を採用することも可能である。
図4は、端末局202~208を構成する周波数利用状況推定部303の詳細構成例を示すブロック図である。周波数利用状況推定部303は、直交復調部309と、シンセサイザ部310と、バンドパスフィルタ311−1~311−nと、電力算出部312−1~312−nとを備える。ここで、nはセンシング対象となる周波数帯域の数を表す。すなわち、本実施形態の場合、他の無線システム11には、f1、f2、f3の3つの周波数帯域が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されているので、n=3となる。
シンセサイザ部310は、入力した周波数情報に基づいて周波数信号を生成し、これを直交復調部309へ出力する。直交復調部309は、スイッチ302を介して送受信アンテナ301から入力される無線信号を、上記周波数信号を用いて復調する。直交復調部309の出力は、バンドパスフィルタ311−1~311−nへ入力する。バンドパスフィルタ311−1~311−nは、センシング対象の各周波数帯域での信号を抽出する。ここで、バンドパスフィルタ311−1のセンシング対象の周波数帯域は、f1である。バンドパスフィルタ311−2のセンシング対象の周波数帯域は、f2である。バンドパスフィルタ311−3のセンシング対象の周波数帯域は、f3である。
バンドパスフィルタ311−1~311−nの各々は、抽出した信号を、電力算出部312−1~312−nへ出力する。電力算出部312−1~312−nは、各周波数帯域(例えば、f1、f2、f3)の信号電力値を各々に算出し、これを信号電力値(センシング結果)1~nとして、変調部307へ出力する。信号電力値1~nは、最終的には、基地局201へ送信される。この場合、端末局202~208は、信号電力値1~nをそのまま送信することもでき、あるいは、特定の送信信号フォーマットに従った値に変換して(例えば、量子化値など)送信することもできる。
図5は、図2に示す基地局201の構成例を示すブロック図である。基地局201は、電波検出用アンテナ401と、周波数利用状況推定部402と、センシングマップ生成部403(推定手段)と、通信用周波数帯/地域決定部404と、受信用アンテナ405と、を備える。さらに、基地局201は、無線受信部406と、復調/復号部407と、制御信号生成部408と、変調部409と、無線送信部410と、送信用アンテナ411と、無線リソース管理部450(管理手段)と、を備える。
電波検出用アンテナ401は、他の無線システム11の各基地局101~103からの無線信号を受信するためのアンテナ、すなわちセンシング専用のアンテナである。受信用アンテナ405は、端末局202~208からの無線信号を受信するためのアンテナである。送信用アンテナ411は、端末局202~208へ無線信号を送信するためのアンテナである。
周波数利用状況推定部402は、図3に示す周波数利用状況推定部303と同様の構成である。すなわち、周波数利用状況推定部402は、電波検出用アンテナ401を介して他の無線システム11の基地局101~103から受信する各無線信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値(センシング結果)を算出する。周波数利用状況推定部402は、センシング結果と基地局201の位置情報とを含むセンシングデータを作成し、該センシングデータをセンシングマップ生成部403へ出力する。なお、基地局201の位置情報は、センシングマップ生成部403自身が取得することができる。その場合、周波数利用状況推定部402は、センシングマップ生成部403に対して、位置情報を出力する必要はない。
無線受信部406は、受信用アンテナ405を介して受信した無線信号に対して、受信電力増幅、ダウンコンバート、A/D変換等の処理を施し、当該処理後の信号を復調/復号部407へ出力する。
復調/復号部407は、無線受信部406から入力する信号を復調および復号し、ユーザデータ、制御信号、およびセンシングデータ(端末局202~208のセンシング結果と位置情報)を出力する。センシングデータは、センシングマップ生成部403へ入力される。
センシングマップ生成部403は、周波数利用状況推定部402から入力するセンシングデータ(基地局201がセンシングした結果)および復調/復号部407から入力するセンシングデータ(端末局202~208がセンシングした結果)を、センシングマップへマッピングする。センシングマップ生成部403は、マッピングの結果としての情報であるマッピング情報(センシングマップ情報と呼ぶ場合もある)を、通信用周波数帯/地域決定部404へ出力する。
通信用周波数帯/地域決定部404は、上記マッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらの周波数帯域が使用されている地域を決定し、「通信用周波数帯/地域情報」として出力する。通信用周波数帯/地域情報は、制御信号生成部408、無線送信部410、および無線リソース管理部450へ送られる。
無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理(例えば、周波数帯域の選択や送信電力制御等)を行う。
制御信号生成部408は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報と、通信のために上位レイヤの制御部(不図示)または無線リソース管理部450から送られてくる制御信号と、センシング情報とを入力する。制御信号生成部408は、これらの情報を所定の通信用フォーマットに合わせた制御信号として生成し、変調部409へ出力する。ここで、センシング情報とは、端末局202~208に対するセンシング指示情報であって、具体的には、センシングを行う端末局情報、センシングを行う周波数帯域情報、センシング頻度情報(センシングを行うタイミングや周期)についての情報などを含む。
変調部409は、制御信号生成部408から出力される制御信号と、上位レイヤの制御部等から送られるユーザデータやパイロット信号とを入力する。変調部409は、これらの信号に対して符号化、インターリーブ、変調、マッピング等の処理を施した後、無線送信部410へ出力する。
無線送信部410は、通信用周波数帯/地域決定部404から出力される通信用周波数帯/地域情報を入力として、通信用周波数帯に合わせて、D/A変換、アップコンバート、送信電力増幅等の処理を行う。無線送信部410は、当該処理実行後の信号を、送信用アンテナ411を介して端末局202~208へ送信する。
尚、以上説明した基地局201において、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上の説明において、基地局201でのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201でセンシングを行わない場合、基地局201の構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
図6は、図5に示すセンシングマップ生成部403の詳細構成例を示すブロック図である。センシングマップ生成部403は、マップフォーマット決定部412と、マッピング部413と、メモリ部414と、マップ補間部415とを備える。
マップフォーマット決定部412は、基地局201の動作開始時等に入力されるマップフォーマット決定情報により、マップフォーマットを決定する。マップフォーマット決定情報は、例えば、センシングマップを作成するエリアの広さ、センシング結果をマッピングするグリッド(後述)の寸法、あるいは、センシング結果をマッピングする観測点(後述)の位置や観測点間の距離などである。
マッピング部413は、マップフォーマット決定部412から出力されるマップにセンシング結果をマッピングしてセンシングマップを生成する。メモリ部414に前回までのセンシングマップ情報が記憶されている場合、マッピング部413は、その情報を予めマッピングしておき、そこへ新たなセンシング結果をマッピングしていく。また、同一位置に複数のセンシング結果がある場合、マッピング部413は、最新のセンシング結果をマッピングすることもでき、あるいは、複数のセンシング結果を平均(例えば、加算平均や重み付け加算平均)した値をマッピングすることもできる。
マッピング部413から出力されるセンシングマップは、マップ補間部415へ入力するとともに、メモリ部414に記憶される。
マップ補間部415は、マッピング部413から出力されるセンシングマップに補間処理を施す。マップ補間部415は、補間処理が終了したセンシングマップを、センシングマップ情報として、通信周波数帯/地域決定部404へ出力する。ここで、マップ補間の例について説明する。例えば、センシングを行う端末局が存在しない観測点について、信号電力値が等しくなる観測点を線で結合して補間する。なお、センシング結果が存在する位置間の補間は、直線補間だけでなく、二次補間など複数の点の間を補間する方法であれば適用可能である。
図7は、端末局202~208におけるセンシング処理に関する動作例を説明するためのフローチャートである。尚、本動作例が実行される端末局は、センシング指定された端末局である。センシング指定は、例えば、予め、基地局201から行われているものとする。
まず、端末局202~208は、センシング条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、センシング条件の成立例としては、例えば、基地局201等により予め設定されたセンシング時期になった場合等を挙げることができる。
端末局202~208は、センシング準備を行う(ステップS2)。具体的には、端末局202~208は、スイッチ302を操作して、送受信アンテナ301と周波数利用状況推定部303とを接続する。端末局202~208は、センシングを実行する(ステップS3)。具体的には、端末局202~208の周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果として変調部307へ出力する。
ここで、図8は、端末局202~208における、受信信号の電力算出例を示すグラフである。この場合、簡単のため、他の無線システム11の各基地局101~103は、同一の送信電力で送信しているものとする。図8において、横軸は周波数を表し、縦軸は算出した信号電力値を表す。また、図8における端末202~208は、図2に示すような位置に存在しているものとする。例えば、図2に示すように、端末局202は、基地局101の近くに存在し、基地局102や基地局103からは離れている。従って、図8から諒解されるように、基地局101が使用する周波数帯域f1の信号電力値が高く、それに比べて基地局102および103が使用する各周波数帯域f2、f3の信号電力値は低くなる。また、図2に示すように、例えば、端末局204は、基地局101と基地局102からの距離が等しい位置に存在し、基地局103からは離れている。従って、図8から諒解されるように、周波数帯域f1と周波数帯域f2の信号電力値が等しく、それらに比べて周波数帯域f3の信号電力値は低くなる。さらに、例えば、図2に示すように、端末局207は、基地局101、102、103からの距離が等しい位置に存在する。従って、図8から諒解されるように、全ての周波数帯域f1~f3の信号電力値が等しくなる。
ここで、再び図7の説明に戻る。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される(ステップS4)。
図9は、自無線システム12の基地局201におけるセンシングマップ作成に関する動作例を説明するためのフローチャートである。尚、以下の説明では、基地局201ではセンシングを行わない場合を例に挙げて説明する。
基地局201の無線受信部406は、端末局202~208から「センシングデータ」を受信したか否かを判定する(ステップS10)。センシングデータ(センシング結果と位置情報)を受信した場合(ステップS10においてYes判定の場合)、無線受信部406は、センシングデータを、復調/復号部407を介して、センシングマップ生成部403へ送信する。センシングマップ生成部403は、端末局202~208から通知されるセンシング結果を、センシングマップ上にマッピングし、センシングマップを作成する(ステップS11)。センシングマップが作成された後、無線受信部406は、センシングデータの受信の有無について再度確認する。
ここで、図10は、第2の実施形態における自無線システム12の基地局201において作成されるセンシングマップの一例である。センシングマップにおいて、他の無線システム11の複数の基地局101~103の受信信号電力値が等しくなる位置が、各基地局101~103のカバーエリアの境界である。これにより、各基地局101~103がカバーする地域が判明する。すなわち、図10に示すように、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内において、無地で示す領域は、周波数帯域f1が使用される領域、すなわち、基地局101のカバーエリアである。斜線で示す領域は、周波数帯域f2が使用される領域、すなわち、基地局102のカバーエリアである。網点で示す領域は、周波数帯域f3が使用される領域、すなわち、基地局103のカバーエリアである。
図11は、自無線システム12の基地局201における無線リソース管理に関する動作例を説明するためのフローチャートである。
基地局201の無線受信部406は、端末局202~208から「接続要求」を受信したか否かを判定する(ステップS20)。接続要求を受信した場合、無線受信部406は、接続要求を、復調/復号部407を介して、無線リソース管理部450へ送信する。尚、接続要求は、端末局の位置情報を含む。無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から通信用周波数帯/地域情報(他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域を示す情報)を取得する(ステップS21)。無線リソース管理部450は、接続要求を行った端末局の位置と、通信用周波数帯/地域情報とに基づいて、該端末局との通信または放送に用いる無線リソースの管理を行う(ステップS22)。例えば、無線リソース管理部450は、自無線システム12において使用する周波数帯域の選択を行う。より詳細には、図10を参照し、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内において、所定の端末局が、例えば、周波数帯域f2が利用されている領域に位置し、そこから、基地局201に対して接続要求を発行する場合を想定する。この場合において、周波数帯域f2が利用されている領域とは、基地局102のカバーエリアと基地局201のカバーエリアとがオーバーラップする領域のことである。この場合、無線リソース管理部450は、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域(f2およびf3)以外の周波数帯域(f1)を選択する。基地局201は、選択された周波数帯域により端末局と接続する(ステップS23)。
以上説明した第2の実施形態によれば、自無線システム12の基地局201は、自カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域f1~f3の地理的利用状況を鑑みて、端末局との通信または放送に利用する周波数帯域を選択する。この場合、例えば、接続要求を行った端末局および基地局201が位置する地域で使用されている周波数帯域以外の周波数帯域が使用されるので、同一周波数干渉を回避した通信または放送を行うことができる。すなわち、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
尚、上記の動作例の説明では、基地局201ではセンシングを行わない場合を例に挙げたが、基地局201においてもセンシングを行い、その結果をセンシングマップに反映させることが可能であることは言うまでもない。その場合、周波数利用状況推定部402は、電波検出用アンテナ401を介して他の無線システム11の基地局101~103から受信する各無線信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値(センシング結果)を算出する。周波数利用状況推定部402は、センシング結果と基地局201の位置情報とを含むセンシングデータを作成し、該センシングデータをセンシングマップ生成部403へ出力する。
また、上記の説明では、端末局202~208が存在する位置を用いてセンシングマップを作成する例を示したが、センシングマップの作成方法は、これに限定されない。例えば、自無線システム12の基地局201のカバーエリアを複数の地域(グリッド)に分割し、端末局202~208の各センシング結果を、その端末局が存在するグリッドでの値としてセンシングマップを作成することも可能である。ここで、1つのグリッドは、例えば1km四方や10m四方のように正方形のものでも良いし、縦10m横20mのように長方形のものとしても良い。そして、この場合、他の無線システム11の各基地局101~103からの受信信号電力値が等しくなるグリッドが、各基地局101~103のカバーエリアの境界となる。従って、基地局201は、それぞれのグリッドにおいてどの周波数帯域が使用されているか認識することができる。
さらに、例えば、自無線システム12の基地局201のカバーエリア内に複数の観測点を配置し、端末局のセンシング結果を、その端末局から最も近い1つの観測点での値としてセンシングマップを作成することも可能である。観測点は、例えば東西南北の方向に1km間隔や10m間隔のように等間隔のものでも良いし、東西方向は10m間隔、南北方向は20m間隔のように方向により異なるものとしても良い。さらに、観測点は、自無線システム12の基地局201のカバーエリアにおける地形や建物などの地理的条件を考慮して設定することも可能である。この場合、他の無線システム11の各基地局101~103の受信信号電力値が等しくなる観測点が、各基地局101~103のカバーエリアの境界となる。従って、基地局201は、それぞれの観測点においてどの周波数帯域が使用されているか認識することができる。なお、端末局202~208から送信される位置情報が観測点の位置に一致しない場合、マップフォーマット決定部412は、端末局202~208が存在する位置に最も近い観測点にマッピングを行う。
また、各基地局101~103のカバーエリアの境界の決定は、必須ではない。例えば、それぞれのグリッドもしくは観測点毎に他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3を判定し、その結果に基づいて、自無線システム12が適切な無線リソース管理を行うことも可能である。これによっても、他の無線システム11に割り当てられた、もしくは、優先的な使用が許可された周波数帯域f1~f3を使用することが可能となる。
図12は、第2の実施形態の端末局202~208における周波数利用状況推定部303(図3参照)および基地局201における周波数利用状況推定部402(図5参照)の、第1の変形例である周波数利用状況推定部460の詳細構成例を示すブロック図である。この周波数利用状況推定部460の、周波数利用状況推定部303に対する差異は、新たに、信号電力比算出部313を備える点にある。周波数利用状況推定部460において、この信号電力比算出部313以外の構成は、図4に示す構成と同じであるため、それらについては図12において同一の符号を付すとともに、それらの説明については省略する。
信号電力比算出部313は、各電力算出部312−1~312−nから出力される各周波数帯域f1~fnでの信号電力値を用いて、以下のようにして信号電力比を算出する。
信号電力比1=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−2から出力される信号電力値)
信号電力比2=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−3から出力される信号電力値)
・
・
・
信号電力比n−1=(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−nから出力される信号電力値)
信号電力比n=(電力算出部312−2から出力される信号電力値)/
(電力算出部312−3から出力される信号電力値)
・
・
・
信号電力比n(n−1)/2=(電力算出部312−(n−1)から出力される信号電力値)/電力算出部312−nから出力される信号電力値)
本実施形態の場合、n=3であるから、信号電力比1~3を得る。信号電力比1は、(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/(電力算出部312−2から出力される信号電力値)となる。信号電力比2は、(電力算出部312−1から出力される信号電力値)/電力算出部312−3から出力される信号電力値)となる。信号電力比3は、(電力算出部312−2から出力される信号電力値)/(電力算出部312−3から出力される信号電力値)となる。
信号電力比算出部313は、上記の信号電力比(例えば、信号電力比1~3)を求め、これらをセンシング結果として、変調部307へ出力する。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。
基地局201のセンシングマップ生成部403は、各端末局202~208から送信されるセンシング結果(この場合、信号電力比)に基づいて、センシングマップを作成する。この場合のセンシング結果は、2つの基地局の信号電力値により求めた信号電力比であるので、センシングマップ作成部403は、信号電力比が1(または、0dB)となる点、すなわち、2つの基地局からの信号電力値が等しくなる点をセンシングマップ上にマッピングしていく。この操作により、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
なお、センシング結果として自無線システム12の基地局201へ送信する信号電力比は、真値で送っても良いし、dB値で送っても良い。さらには、量子化値など、決められた送信信号フォーマットに変換して送っても良い。
図13は、第2の実施形態の端末局202~208における周波数利用状況推定部303(図3参照)および基地局201における周波数利用状況推定部402(図5参照)の、第2の変形例である周波数利用状況推定部470の詳細構成例を示すブロック図である。図13に示す周波数利用状況推定部470の、周波数利用状況推定部303(図4参照)に対する差異は、新たに、信号電力比較部314を備える点にある。周波数利用状況推定部470において、この信号電力比較部314以外の構成は、図4に示す構成と同じであるため、それらについては図13において同一の符号を付すとともに、それらの説明については省略する。
信号電力比較部314は、電力算出部312−1~312−nから出力される各周波数帯域での信号電力値を用いて、各基地局101~103の中から最大の信号電力値となる基地局または周波数帯域を検出する。最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報は、センシング結果として、変調部307へ出力される。一方、位置情報推定部308は、自端末局の位置を推定し、位置情報として変調部307へ出力する。変調部307は、センシングデータ(センシング結果および自端末局の位置情報)に対して所定の処理(例えば、符号化、インターリーブ、変調、マッピング等)を施す。所定の処理が施されたセンシングデータは、スイッチ305、無線送受信部304、スイッチ302、および送受信アンテナ301を介して、自無線システム12の基地局201へ送信される。
基地局201のセンシングマップ生成部403は、各端末局202~208から送信されるセンシング結果(この場合、最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報)に基づいて、センシングマップを作成する。この場合のセンシング結果は、各端末局が存在する位置において信号電力値が最大となる基地局情報または周波数帯域情報であるので、センシングマップ生成部403は、センシングマップ上に基地局情報または周波数帯域情報をマッピングしていく。この操作により、どの地域でどの基地局(周波数帯域)の信号電力値が大きいのかが明らかとなる。従って、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
ここで、各基地局101~103のカバーエリアの境界線の引き方は、様々なアルゴリズムの適用が可能である。例えば、基地局101が最大の受信信号電力値となる端末局Aが存在し、基地局101とその端末局Aとを結んだ直線上に、基地局102が最大の受信信号電力値となる端末局Bが存在するとする。このとき、端末局Aと端末局Bとの間に基地局101と基地局102のカバーエリアの境界が存在するので、端末局Aと端末局Bの中間位置が境界とみなしてセンシングマップを作成することが可能である。
また、センシング結果として基地局へ送信する基地局情報または周波数帯域情報は、基地局番号や周波数帯域番号であっても良く、あるいは、量子化値など、決められた送信信号データフォーマットに変換して送っても良い。
以上説明した第2の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、以上説明した第2の実施形態では、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、以上説明した第2の実施形態では、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
また、以上説明した第2の実施形態の基地局201(図5参照)において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、基地局201の無線リソース管理部450は、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、以上説明した第2の実施形態では、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
図14は、センシングマップ生成手段を搭載する端末局50の構成例を示すブロック図である。端末局50の、端末局202~208(図3)に対する差異は、さらに、センシングマップ生成部52を備える点にある。図14において、このセンシングマップ生成部52以外の構成は、図3と同等であるため、図14において同一の符号を付し、それらの説明については省略する。
センシングマップ生成部52は、図5に示すセンシングマップ生成部403と同じものを採用することができる。
端末局50において、周波数利用状況推定部303は、他の無線システム11の基地局101~103の各受信信号から、各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力を算出し、センシング結果としてセンシングマップ生成部52へ出力する。この時、位置情報推定部308は、自端末局50の位置情報(緯度、経度)を推定し、センシングマップ生成部52へ出力する。
一方、無線送受信部304(受信手段)は、他の端末局から、センシングデータ(センシング結果(例えば、受信信号電力値)と位置情報)を受信し、復調/復号部306を介して、受信したセンシングデータをセンシングマップ生成部52へ出力する。
センシングマップ生成部52は、自端末局および他の端末局のセンシング結果を、センシングマップへマッピングする。センシングマップ生成部52は、マッピングの結果としての情報であるマッピング情報を、無線送受信部304を介して、自無線システム12の基地局201へ送信する。すなわち、センシングマップ生成部52は、マッピング情報を通知する手段として機能する。基地局201の通信用周波数帯/地域決定部404は、端末局50から受信したマッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらの周波数帯域が使用されている地域を決定し、「通信用周波数帯/地域情報」として出力する。基地局201の無線リソース管理部450は、「通信用周波数帯/地域情報」に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理とは、例えば、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率の管理である。
尚、この場合においても、基地局201は、必ずしも通信用周波数帯/地域決定部404を備える必要はない。基地局201の無線リソース管理部450は、端末局50から受信したマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出すればよい。
尚、基地局201においてもセンシングを行い、その結果をセンシングマップに反映させることが可能であることは言うまでもない。この場合、基地局201は、自己のセンシングデータを端末局50へ送信する。端末局50のセンシングマップ生成部52は、基地局201のセンシングデータを、無線送受信部304を介して受信する。
さらに、この場合のセンシング結果は、受信信号電力値に限定されず、上述したように、信号電力比、あるいは、最大の信号電力値となる基地局情報または周波数帯域情報であってもよい。
また、複数の端末局でアドホック的なネットワークを構成する場合には、センシングマップを基地局へ送信せずに、センシングマップを生成する端末局がリソース管理を行い、複数の端末局間で通信または放送を行うことも可能である。この場合、所定の端末局(例えば、センシングマップを作成する端末局)が無線リソース管理部を備える。この場合の無線リソース管理部は、図5に示す無線リソース管理部450と同じものを採用することができる。
そして、この端末局は、さらに、通信用周波数帯/地域決定部404(図5参照)を備えることもできる。この場合、端末局の無線リソース管理部は、通信用周波数帯/地域決定部404が出力する「通信用周波数帯/地域情報」に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理を行う。ここで、無線リソースの管理とは、例えば、使用する周波数帯域の選択、送信電力制御、あるいは、通信方式/変調方式/符号化率の管理である。
尚、端末局において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、端末局の無線リソース管理部は、センシングマップ生成部から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、端末局のセンシングマップ生成部は、例えば、マッピング情報を、無線送受信部304(図14参照)を介して自無線システムの基地局の無線リソース管理部(あるいは、通信用周波数帯/地域決定部)へ送信することもできる。または、端末局のセンシングマップ生成部は、例えば、マッピング情報を、端末局自らが搭載する無線リソース管理部(あるいは、通信用周波数帯/地域決定部)へ出力することもできる。すなわち、端末局において、センシングマップ生成部は、マッピング情報を通知する手段として機能する。
さらに、無線リソース管理部は、必ずしもセンシングマップを生成する端末局に搭載されるとは限らず、センシングマップを生成しない端末局に搭載される場合もある。
[第3の実施形態]
第3の実施形態と第2の実施形態との差異は、端末局におけるセンシング方法と基地局におけるセンシングマップ作成方法が異なる点にある。第2の実施形態において、端末局は他の無線システム11の基地局101~103の受信信号電力値と自端末局の位置情報とをセンシングデータとして自無線システム12の基地局へ送信する。これに対して、第3の実施形態では、端末局は、基地局101~103の受信信号電力値とその信号の電波到来方向推定値とをセンシングデータとして自無線システム12の基地局へ送信する。そして、自無線システム12の基地局におけるセンシングマップ作成の方法も、上記センシングデータの違いに伴い第2の実施形態と異なる方法にて行われる。
尚、以下において詳細に説明する第3の実施形態の無線システムに関し、その構成(他の無線システム11および自無線システム12の数とそれらの位置関係、並びに各構成(基地局の数))は、第2の実施形態の無線システム10(図2参照)の構成と同様であるものとする。さらに、第3の実施形態においても、他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。そして、第2の実施形態と同様に、自無線システム12の基地局201Aのカバーエリア内に、以下で説明する複数の端末局202A~208Aが存在すると仮定する。
図15は、第3の実施形態の端末局202A~208Aの構成例を示すブロック図である。端末局202A~208Aは、第2の実施形態の端末局202~208(図3参照)が備える周波数利用状況推定部303の代わりに、信号強度/方向算出部315を備える。その他の構成については図3と同様であるため、図15において図3と同一の符号を付し、それらの説明については省略する。
信号強度/方向算出部315は、他の無線システム11の基地局101~103より受信する受信信号からその基地局が使用する周波数帯域f1~f3における信号電力値を求め、さらに各基地局101~103からの電波到来方向を推定する。信号電力値と電波到来方向推定値は、センシングデータとして、自無線システム12の基地局201A(後述)へ送信される。この場合、端末局202A~208Aは、信号電力値と電波到来方向推定値を、基地局201Aに対して、そのまま送信することもでき、あるいは、特定の送信信号フォーマットに従った値に変換して(例えば、量子化値など)送信することもできる。
図16は、図15に示す端末局202A~208Aを構成する信号強度/方向算出部315の詳細構成例を示すブロック図である。図16に示す信号強度/方向算出部315と図4に示す周波数利用状況推定部303との差異は、周波数帯域毎に方向算出部316−1~316−nを新たに備える点にある。信号強度/方向算出部315の方向算出部316−1~316−n以外の構成については、図4に示す構成と同様であるため、図16において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
方向算出部316−1~316−nは、バンドパスフィルタ311−1~311−nからの出力信号を用いて、各周波数帯域f1~f3を使用する基地局101~103からの電波到来方向を推定する。推定方法として、例えば、アレー入力の相関行列の固有値・固有ベクトルにより到来方向を推定するMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムに基づいて推定する方法を挙げることができる。もちろん、方向算出部316−1~316−nにおける推定方法は、上記MUSICアルゴリズムに限定されず、到来方向推定が可能なアルゴリズムであれば如何なる方法でも適用可能である。
電力算出部312−1~312−nにおいて算出された各信号電力値1~nおよび方向算出部316−1~316−nにおいて推定された各電波到来方向推定値1~nは、センシングデータとして変調部307へ出力される。
図17は、第3の実施形態の基地局201Aの構成例を示すブロック図である。この基地局201Aと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、周波数利用状況推定部402の代わりに、信号強度/方向算出部416を設ける点にある。この信号強度/方向算出部416は、図15に示す端末局202A~208Aが備える信号強度/方向算出部315と同等である。基地局201Aの信号強度/方向算出部416以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図17において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。ただし、図17におけるセンシングマップ生成部403の動作は、センシングデータの内容が第2の実施形態と異なることに基因して、第2の実施形態の基地局201の動作とは異なる。よって、以下その点について説明する。この場合、基地局201Aは、自身ではセンシングは行わず、端末局202A~208Aからのセンシングデータのみに基づいてセンシングマップを作成する場合を例に挙げる。
図17に示す基地局201Aのセンシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aから送信されるセンシングデータ(この場合、信号電力値および電波到来方向推定値)を用いてマッピング処理を実行する。
図18は、第3の実施形態における自無線システム12の基地局201Aにおいて作成されるセンシングマップの一例である。センシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aで推定した電波到来方向を、対象の基地局(他の無線システム11の各基地局101~103)に向かう方向に合わせる。そして、センシングマップ生成部403は、対象の基地局の信号電力値の大きさにより対象の基地局との距離を決定してセンシングマップ上にマッピングしていく。ここで、例えば、他の無線システム11の基地局102を例に挙げれば、センシングマップ生成部403は、基地局102と自無線システム12の基地局201Aとの間の距離を、例えば、10等分する。そして、センシングマップ生成部403は、信号電力値の大小により、マッピング位置を決定する。具体的には、センシングマップ生成部403は、例えば、信号電力値が大きければ基地局102の近くの位置へマッピングし、受信信号電力値が小さければ基地局102から離れた位置へマッピングする。このような操作を行うことで、各基地局101~103の信号電力値が等しくなる位置が判明する。従って、図10に示すように、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。
尚、上記では、他の無線システム11の各基地局と自無線システム12の基地局201との間を10等分する例を挙げたが、必ずしも10等分である必要はなく、任意の数に区分できることは言うまでもない。
また、上記では、他の無線システム11の基地局101~103の位置は既知であると仮定している。基地局101~103の位置情報の取得方法としては、各無線システムの基地局位置などの情報が集約され且つダウンロードすることが可能なデータベース装置から取得する方法や、他の無線システムとの情報交換により取得する方法を挙げることができる。
基地局201Aの通信用周波数帯/地域決定部404は、上記マッピング情報に基づいて、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域を決定し、通信用周波数帯/地域情報として出力する。
無線リソース管理部450は、通信用周波数帯/地域決定部404から入力した通信用周波数帯/地域情報に基づいて、自無線システム12において使用する無線リソースの管理(例えば、周波数帯域の選択や送信電力制御等)を行う。
以上説明した第3の実施形態において、端末局202A~208Aは、他の無線システム11の基地局101~103より受信する受信信号から各基地局101~103が使用する周波数帯域f1~f3における各信号電力値を求める。さらに、端末局202A~208Aは、各基地局101~103の電波到来方向を推定する。そして、基地局201Aのセンシングマップ生成部403は、各端末局202A~208Aから送信されるセンシングデータ(信号電力値および電波到来方向推定値)を用いてマッピング処理を実行する。
以上の処理により、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリアの境界が明らかとなる。従って、第2の実施形態と同様に、第3の実施形態の基地局201Aは、自カバーエリア内における他の無線システム11の周波数帯域f1~f3の地理的利用状況を鑑みて、自無線システム12において通信または放送に用いる無線リソースの管理(使用する周波数帯域の選択や送信電力制御)を行うことができる。すなわち、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を使用することができる。従って、周波数利用効率を向上させることができる。
さらに、第3の実施形態の場合、マッピング処理は、電波到来方向推定値に基づいて行われるため、端末局202A~208Aおよび基地局201Aの位置情報は不要となる。従って、例えば、端末局202A~202Aにおいては、図3に示すような位置情報推定部308は不要である。従って、端末局202A~208Aの構成を簡素なものとすることができる。
なお、以上説明した第3の実施形態において、基地局201Aでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Aでセンシングを行わない場合、基地局201Aの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第3の実施形態において、基地局201Aは、各基地局101~103の各信号電力値および各電波到来方向推定値に基づいてセンシングマップを作成する例を挙げた。しかしながら、センシングマップの生成方法はこれに限定されない。例えば、基地局201Aは、2つの基地局間の信号電力比と、該2つの基地局各々の電波到来方向推定値を用いてセンシングマップを作成することも可能である。
また、第3の実施形態の基地局201Aにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第3の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第3の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第3の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第3の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の特徴は、センシング動作の頻度を端末局毎に異ならせる点にある。電波の到来状況や他の無線システム11の通信状況の変化に伴い、利用対象の周波数帯域を利用する他の無線システム11のカバーエリア(具体的には、基地局101~103の各カバーエリア)も変化する。従って、カバーエリアの変化に合わせてセンシングマップの更新が必要となる。このとき、変化するのはカバーエリアの境界であるため、センシングマップの更新は他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近を重点的に行えば良い。そこで、第4の実施形態の場合、作成したセンシングマップにおいて、他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近に存在する端末局はセンシング頻度を高く設定し、一方、境界から離れて存在する端末局はセンシング頻度を低く設定する。自無線システム12の基地局は、端末局から受信したセンシングデータに基づいて、センシングマップを更新する。
尚、以下において詳細に説明する第4の実施形態の無線システムに関し、その構成(他の無線システム11および自無線システム12の数とそれらの位置関係、並びに各構成(基地局の数))は、第2の実施形態の無線システム10(図2参照)の構成と同様であるものとする。さらに、第4の実施形態においても、他の無線システム11には、システム帯域として、周波数帯域f1、f2、f3が割り当てられ、あるいは優先的な使用が許可されている。そして、第2の実施形態と同様に、自無線システム12の基地局201B(詳細については後述する)のカバーエリア内に、複数の端末局202~208が存在すると仮定する。
図19は、第4の実施形態において、端末局202~208が他の無線システム11の各基地局101~103のカバーエリア境界付近に存在するか否かを判定する際の判定概念図の一例である。まず、各端末局202~208が存在する位置と、対象となる基地局101~103のカバーエリア境界線との間の距離をdと定義する(図19において不図示)。一方、カバーエリア境界線(図19において太実線で示す)からの距離に関する閾値をTH1とする。閾値TH1は、各端末局202~208がカバーエリア境界線付近に存在するか否かを判定するための距離に関する閾値である。自無線システム12の基地局201Bは、距離dと閾値TH1とを比較する。距離dが閾値TH1よりも小さい場合、基地局201Bは、その端末局はカバーエリア境界線付近に存在すると判断し、該端末局に対して高頻度センシングを指示する。一方、距離dがTH1以上の場合、基地局201Bは、その端末局はカバーエリア境界線から離れていると判断し、該端末局に対して低頻度でのセンシング(高頻度センシング時の頻度より相対的に低い頻度でのセンシング)を指示する。
尚、図19において、他の無線システム11の基地局101のカバーエリア境界線(太実線で示す)からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線501(点線で示す)とする。また、基地局102のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線502(一点鎖線で示す)とする。さらに、基地局103のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線を、境界線503(破線で示す)とする。ここで、他の無線システム11の基地局101のカバーエリア境界線からの距離が閾値TH1より小さくなる範囲は、格子模様で示す範囲となる。さらに、境界線501、502、503で囲まれた範囲が、他の無線システム11の基地局101、102、103を合わせた高頻度センシング領域である。この高頻度センシング領域内に位置する端末局(例えば、図19において、端末局204、205、206、207)は、高頻度でのセンシングを実行する。一方、この領域内に位置しない端末局(例えば、図19において、端末局202、203、208)は、低頻度でのセンシングを実行する。
図20は、第4の実施形態の基地局201Bの構成例を示すブロック図である。基地局201Bと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、さらに、センシング端末決定部417(センシング決定手段)を備える点にある。基地局201Bの、このセンシング端末決定部417以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図20において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報を、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する。ここで、通信用周波数帯/地域情報は、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域に関する情報である。さらに、センシング端末決定部417は、所定の装置(例えば、上記レイヤの制御部、無線リソース管理部450、あるいは記憶装置(不図示)等)から、上記閾値TH1を取得する。センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報と閾値TH1とに基づいて、上記の高頻度センシング領域内に存在する端末局、高頻度センシング領域内に存在しない端末局を各々に抽出する。センシング端末決定部417は、各端末局の情報(例えば、識別情報)と、センシング頻度指示情報(高頻度センシングを行うか、低頻度センシングを行うかを指示する情報)とを、制御信号生成部408へ出力する。制御信号生成部408に入力した上記情報は、変調部409、無線送信部410、および送信用アンテナ411を介して、端末局202~208へ送信される。高頻度センシングの指示を受けた端末局(例えば、図19において、端末局204、205、206、207)は、センシングを高頻度に行う。一方、低頻度センシングの指示を受けた端末局(例えば、図19において、端末局202、203、208)は、センシングを低頻度にて行う。
以上説明したように、第4の実施形態において、カバーエリアが変動する可能性が高いエリア(すなわち、カバーエリア境界線からの距離が閾値TH1である境界線内)に存在する端末局のセンシングが、重点的に行われる。従って、全端末局が同頻度(高頻度時よりも低い頻度)でセンシングを行う場合と比較して、センシングマップの更新速度が向上し、他の無線システムのカバーエリアの変化にも迅速に対応可能となる。
しかも、カバーエリアの境界線付近に存在しない端末局のセンシング頻度を、高頻度センシング時の頻度よりも相対的に低い頻度(場合によっては、全端末局が同頻度に設定されている場合の頻度よりも低頻度)にすることができる。従って、システム全体の消費電力を抑えることができる。
尚、上記閾値TH1の数は、1つだけに限らない。複数の閾値(例えば、TH1、TH2、・・・;TH1<TH2<・・・)を設定し、各閾値により定められる範囲において、異なるセンシング頻度を設定してセンシングマップの更新を行うことも可能である。閾値TH1により定められる範囲に存在する端末局のセンシング間隔をT1、閾値TH2により定められる範囲に存在する端末局のセンシング間隔をT2とし、T1<T2とすることで、より更新の必要性の高い端末局で高頻度のセンシングを行うことが可能となる。
さらに、上記では、他の無線システム11の基地局101~103のカバーエリアの境界付近に存在する端末局が高頻度でセンシングを行う場合を例に挙げたが、センシングを行う端末局の選択は上記の例に限定されない。つまり、センシング端末決定部417は、各端末局におけるセンシングの有無自体を決定することもできる。例えば、他の無線システム11の所定の基地局から所定距離以上離れた位置に存在する端末局(あるいは、所定の基地局のカバーエリアから所定距離以上離れた端末局)では、その基地局についてのセンシングを実行しないようにすることもできる。あるいは、センシング端末決定部417は、他の無線システム11の基地局のエリア境界付近に存在する端末局、他の無線システム11の基地局から一定距離内に存在する端末局、および他の無線システム11の基地局の境界線から一定距離内に存在する端末局のうちのいずれかの端末局に限定することも可能である。
図21は、第4の実施形態において、他の無線システム11の所定の基地局(例えば、基地局102)から所定距離以上離れた位置に存在する端末局(例えば、端末局209)、あるいは所定の基地局(例えば、基地局102)のカバーエリアから所定距離以上離れた端末局(例えば、端末局209)を判定する際の判定概念図の一例である。
図21に示すように、まず、基地局102からの距離に関する閾値THbを設定する。基地局201Bのセンシング端末決定部417は、基地局102からの距離が閾値THbを越える位置に存在する端末局が存在するか否かを判定する。閾値THbを越える位置に端末局が存在する場合(例えば、図21において、端末局209)、センシング端末決定部417は、端末局209に対して、基地局102のセンシングは行わないよう指示する。
あるいは、基地局102のカバーエリアの境界線(図21において、一点鎖線で示す)からの距離に関する閾値THaを設定する。基地局201Bのセンシング端末決定部417は、基地局102のカバーエリアの境界線からの距離が閾値THaを越える位置に存在する端末局が存在するか否かを判定する。閾値THaを越える位置に端末局が存在する場合(例えば、図21において、端末局209)、センシング端末決定部417は、端末局209に対して、基地局102のセンシングは行わないよう指示する。
なお、以上説明した第4の実施形態において、センシングの実行要否あるいは頻度についての決定は、自無線システム12の基地局201Bにおいて行われる場合(具体的には、センシング端末決定部417によって実行される場合)を例に挙げた。しかしながら、上記決定は、基地局201Bのみで行われるとは限らず、例えば、端末局にて行われてもよい。
また、以上説明した第4の実施形態において、基地局201Bのセンシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する通信用周波数帯/地域情報に基づいて、センシング端末局の決定(センシング頻度の決定も含む)を行うと説明した。しかしながら、上記に限定されず、センシング端末決定部417は、通信用周波数帯/地域情報ではなく、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、センシング端末局の決定(センシング頻度の決定も含む)を行うことも可能である。
[第5の実施形態]
第5の実施形態の特徴は、複数の端末局をグループに分け、グループ内で分担してセンシングを行う点にある。
図22は、第5の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201C(詳細については後述する)のカバーエリア内に存在する複数の端末局601~622の散在状況を示すカバーエリア図である。
図23は、第5の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201Cのカバーエリア内において、複数の端末局をグループ化する方法例を示す概念図である。
図23に示すように、まず、基地局201Cのカバーエリアを縦方向のライン701~705と横方向のライン706~710により複数のグリッド(この場合、4×4のグリッド)に分割する。そして、1つのグリッド内に存在する端末局を同一グループとする。例えば、図22および図23を参照すると、縦方向ライン702および703と、横方向ライン706および707とにより生成されるグリッド内に存在する端末局601~604を同一グループとする。
このように、端末局を複数のグループに分けた場合、同一グループに存在する端末局のセンシング結果は類似する蓋然性が高い。従って、同一グループ内の全端末局が同時にセンシングを行う必要性は低く、いずれかの端末局がグループの代表としてセンシングを行えば良い。
代表となる端末局の決定方法としては、例えば、端末局IDの数字が大きな順(または小さな順)で決定する方法を挙げることができる。あるいは、代表となる端末局は、端末局クラスの大きな順(または小さな順)、アクティブモードとなってからの経過時間の長い順(または短い順)、あるいは、今までにセンシングを行った回数の多い順(または少ない順)で決定されてもよい。また、所定の基準に基づいて、センシングを交代で行わせるような制御(換言すれば、センシングを行う代表端末局を変更する制御)を行うこともできる。もちろん、代表となる端末局は交代せずに、所定の端末局のみがセンシングを行う方法であってもよい。
図24は、第5の実施形態の基地局201Cの構成例を示すブロック図である。基地局201Cと第4の実施形態の基地局201B(図20参照)との差異は、さらに、端末局グループ決定部418(グループ決定手段)を備える点にある。基地局201Cの、この端末局グループ決定部418以外の構成については、図20に示す構成と同様であるため、図24において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報を、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する。ここで、通信用周波数帯/地域情報は、他の無線システム11が使用している周波数帯域f1~f3およびそれらが使用されている地域に関する情報である。端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報に基づいて、予め決められた規則に沿って端末局のグループ分けを行う。端末局のグループ分け情報は、センシング端末決定部417へ出力される。センシング端末決定部417は、各端末局のグループ内からセンシングを実行する端末局を選択して決定する。センシングを行う端末の決定方法(代表となる端末局の決定方法)は、上述したとおりである。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、複数の端末局をグループ分けし、グループ内で分担してセンシングを行う。従って、全端末局がセンシングを行う場合と比較して、センシングによる端末局と基地局間の信号送受信によるシグナリングオーバーヘッドを削減することができる。さらに、センシングの必要性の高い端末局のセンシングを優先させることにより、センシングマップの更新速度が向上し、他の無線システムのカバーエリアの変化にも迅速に対応可能となる。
もちろん、第5の実施形態の場合においても、自無線システム12は、他の無線システム11に割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域を、自己の通信または放送に使用することができる。従って、周波数利用効率を高めることが可能となる。
なお、以上説明した第5の実施形態において、端末局をグループ化する他の方法として、例えば、特定の基地局からの受信信号電力値が、ある一定の範囲内となる端末局を同一グループとする方法を挙げることができる。
また、以上説明した第5の実施形態において、基地局201Cの端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域決定部404から受信する通信用周波数帯/地域情報に基づいて、端末局のグループ分けを行うと説明した。しかしながら、上記に限定されず、端末局グループ決定部418は、通信用周波数帯/地域情報ではなく、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、端末局のグループ分けを行うことも可能である。
また、以上説明した第5の実施形態において、端末局のグループ分けを基地局201Cにおいて行う場合(具体的には、端末局グループ決定部418によって実行される場合)を例に挙げたがこれに限定されることはない。例えば、ある端末局がセンシング結果を収集して端末局のグループ化を行うことも可能である。
また、以上説明した第5の実施形態の基地局201Cにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上説明した第5の実施形態において、基地局201Cでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Cでセンシングを行わない場合、基地局201Cの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、以上説明した第5の実施形態において、センシングの方法として、信号電力値を算出する場合を例にあげたが、センシングの方法はこれに限定されない。例えば、センシング方法として、信号電力比や最大の信号電力値となる基地局情報や周波数帯域情報を算出する方法であってもよい。
また、第5の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第5の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第5の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第6の実施形態]
第6の実施形態の特徴は、自無線システム12の基地局が電波伝搬推定機能を備え、推定結果をセンシングマップの初期値と設定し、他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界付近に存在する端末局で優先的にセンシングを実行する点にある。
図25は、第6の実施形態の基地局201Dの構成例を示すブロック図である。基地局201Dと第4の実施形態の基地局201B(図20参照)との差異は、さらに、伝搬推定部419(電波伝搬推定手段)を備える点にある。また、基地局201Dは、図20に示すセンシングマップ生成部403に替えてセンシングマップ生成部403Dを備える。基地局201Cの、これら伝搬推定部419およびセンシングマップ生成部403D以外の構成については、図20に示す構成と同様であるため、図25において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
伝搬推定部419は、他の無線システム11の基地局の受信信号レベルを推定し、位置情報(緯度や経度など場所を特定する情報)とともにセンシングマップ生成部303へ出力する。
図26は、図25に示す基地局201Dを構成するセンシングマップ生成部403Dの詳細構成例を示すブロック図である。伝搬推定結果は、センシングマップの初期値としてメモリ部414に入力される。
伝搬推定部419は、他の無線システム11の基地局配置情報、基地局送信電力情報、アンテナパラメータ情報、エリア内の地形や存在するビルの情報を含んだ地図情報などを入力パラメータとして、他の無線システム11の基地局のカバーエリア内の受信信号レベルを推定する。ここで、推定結果は、位置情報(緯度や経度など場所を特定する情報)と、その位置での基地局から送信された電波の受信信号電力値または伝搬損値である。なお、他の無線システム11の基地局情報は、データセンターなどから取得しても良いし、基地局間の通信により取得しても良い。
自無線システム12の基地局201Dは、他の無線システム11の基地局の電波伝搬推定結果をセンシングマップにマッピングし、センシングマップ作成時の初期値として利用する。そして、基地局201Dは、予め設定される所定の閾値を越える受信信号レベルの地域を、他の無線システム11の基地局のカバーエリア内とする。
他の無線システム11の基地局のカバーエリアが判明すると、カバーエリア境界に存在する端末局において優先的にセンシングを実行することができる。ここで、カバーエリア境界に存在する端末局か否かの判定は、前述した第4の実施形態に示したような、カバーエリア境界からの距離に関する閾値TH1を用いて行うことができる。これにより、他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界付近に存在する端末局が優先的にセンシングを実行する。
以上説明したように、第6の実施形態によれば、基地局201Dが電波伝搬推定機能(伝搬推定部419)を備えることにより、他の無線システム11の基地局のカバーエリア情報を、センシングに先立ち取得することができる。従って、その情報をセンシングマップの初期値として利用することができるので、センシングマップ作成過程において迅速に他の無線システム11のカバーエリアを求めることができる。
なお、以上説明した第6の実施形態において、自無線システム12の基地局201Dが電波伝搬推定機能(伝搬推定部419)を備える場合を例に挙げたが、端末局間で通信を行う場合には、ある端末局が上記電波伝搬推定機能を備えることも可能である。この場合、その端末局は、伝搬推定部419と同等の構成を搭載することができる。
また、以上説明した第6の実施形態の基地局201Dにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、以上説明した第6の実施形態において、基地局201Dでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Dでセンシングを行わない場合、基地局201Dの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第6の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第6の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第6の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第7の実施形態]
まず、第7の実施形態の特徴について概略的に説明する。端末局は、センシング結果や位置情報とともに、端末局が存在する高度(標高)に関する情報も合わせて自無線システム12の基地局へ通知する。基地局は、予め設定される高度に関する閾値を越えない高度に存在する端末局のセンシング結果のみを、センシングマップ作成時に使用する。
ここで、他の無線システム11の中には、高層ビル等の高所でのサービスを想定していない、あるいは対応できないものも存在する場合ある。この場合、カバーエリア内であっても、高層ビルでは信号強度が弱かったり、同期が確立しなかったりする。そのため、高層ビルなど高所に存在する端末局でのセンシング結果を用いてセンシングマップを作成すると、他の無線システム11のカバーエリアを狭く判定することになる。
そこで、本実施形態の場合、端末局は、気圧高度計などにより高度情報を測定し、センシング結果や位置情報と合わせて自無線システム12の基地局へ通知する。基地局は、予め設定された高度に関する閾値Thを越える位置に存在する端末局のセンシング結果を、センシングマップに反映させずに排除する。これにより、センシングマップにおける他の無線システム11のカバーエリアを狭く判定することを回避できる。この場合、閾値Thは、例えば10mなどと設定する。
ここで、高層ビル等の高所においても十分なサービスを提供することが可能な無線システムも存在するので、このような場合、高度に関する閾値Thは、それぞれの無線システム毎(無線システムに割り当てられた周波数帯域毎)に異なった値を設定する。
なお、高度情報の測定は、気圧高度計に限定されるものではなく、高度に関する情報を得られる方法であれば如何なる方法であっても良い。
第7の実施形態の端末局は、図3に示す端末局202~208と同等である。但し、位置情報推定部308は、GPSなどから得られる位置情報(緯度、経度)に加え、気圧高度計などから得られる高度情報から端末局の存在する高度(標高)を特定し、要求されるデータフォーマットに従って位置情報として出力する。
第7の実施形態の自無線システム12の基地局は、図5に示す基地局201と同等である。但し、センシングマップ生成部に関しては、センシングマップ生成部403(図6参照)に代えてセンシングマップ生成部403Eとする。
図27は、第7の実施形態の自無線システム12の基地局201を構成するセンシングマップ生成部403Eの構成例を示すブロック図である。センシングマップ生成部403(図6参照)とこのセンシングマップ生成部403Eとの差異は、センシングマップ生成部403Eが、さらに、外れ値除外部420を備える点にある。センシングマップ生成部403Eの、この外れ値除外部420以外の構成については、図6に示す構成と同様であるため、図27において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
外れ値除外部420は、基地局201または端末局から、センシング結果を入力する。この場合、センシング結果には、基地局201または端末局の高度情報が含まれる。外れ値除外部420は、上記高度情報と所定の高度閾値とを比較する。高度情報が閾値を下回る場合、外れ値除外部420は、該センシング結果をマッピング部413へ出力する。一方、高度情報が閾値以上の場合、外れ値除外部420は、該センシング結果をマッピング部413へ出力せずに廃棄する。
以上説明したように、第7の実施形態において、自無線システム12は、サービスを想定していない高度に存在する端末局でのセンシング結果を、センシングマップ作成に用いない。従って、他の無線システム11のカバーエリアを過剰に狭く判定するのを防ぐことができ、センシングマップの作成精度を向上させることが可能となる。
尚、以上説明した第7の実施形態において、自無線システム12の基地局201が外れ値除外部420を備え、端末局からのセンシング結果を基地局201側にて判定する場合を例に挙げた。しかしながら、外れ値除外部は端末局に設けることも可能である。以下、詳細に説明する。
図28は、第7の実施形態の変形例としての端末局202E~208Eの構成例を示すブロック図である。端末局202~208(図3参照)と端末局202E~208Eとの差異は、端末局202E~208Eが、さらに、外れ値除外部317を備える点にある。端末局202E~208Eの、この外れ値除外部317以外の構成については、図3に示す構成と同様であるため、図28において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
外れ値除外部317は、周波数利用状況推定部303から受信信号電力値を入力するとともに、位置情報推定部308から自端末局の位置情報を入力する。ここで、外れ値除外部317は、先に説明した外れ値除外部420と同様の動作を行う。すなわち、自端末局が存在する高度が所定の閾値以上の場合、外れ値除外部317は、自端末局のセンシング結果を、センシングマップ作成に反映させないようにする。一方、自端末局が存在する高度が上記閾値を下回る場合、外れ値除外部317は、自端末局のセンシング結果を、センシングマップ作成に反映させる。
すなわち、外れ値除外部を基地局201が備える構成と同様に、高い位置に存在する基地局あるいは端末局のセンシング結果を除外することが可能となる。従って、他の無線システム11のカバーエリアを過剰に狭く判定するのを防ぐことができ、センシングマップの作成精度を向上させることが可能となる。
尚、端末局202E~208Eが外れ値除外部317を備える場合、端末局202E~208Eは、基地局201に対して、センシングデータに加えて、該センシングデータをマップ作成に反映させるか否かを示す、制御信号フォーマット判定値などの付加情報を送信することもできる。その場合、付加情報は、0値(センシング結果をマッピング部413へ出力する)、あるいは、1値(センシング結果をマッピング部413へ出力しない、または、センシング結果をセンシングマップへマッピングせずに破棄する)とすることができる。
なお、以上説明した第7の実施形態において、基地局201でのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201でセンシングを行わない場合、基地局201の構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第7の実施形態の基地局201において、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第7の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第7の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第7の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第7の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
[第8の実施形態]
第8の実施形態の特徴は、自無線システム12における送信局と受信局間の通信または放送を、送信局からの送信信号が他の無線システム11の送受信に与える干渉を考慮した所定の基準を満足する、送信局と受信局間でのみ行う点にある。
干渉を考慮する所定の基準として、以下では、距離を用いた場合を例に挙げる。
ここで、例えば、図2に示す無線システム10において、利用対象の周波数帯域を利用する他の無線システム11の基地局のカバーエリア外で、自無線システム12の基地局201が、その周波数帯域を用いて端末局202~208と通信または放送を行なう場合を想定する。基地局201から端末局202~208への通信または放送は、センシングマップにより判明する他の無線システム11の基地局のカバーエリア境界線と基地局201との間の距離よりも近い位置に存在する端末局とのみ遂行される。すなわち、基地局201と端末局との間で遂行される通信または放送における所要送信電力量が、他の無線システム11において基地局201と同じ周波数帯域を使用する基地局のカバーエリア内に届かない範囲で、上記通信または放送を行なう。以下、図29を用いて、より詳細に説明する。
図29は、第8の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201のカバーエリアと、自無線システム12の基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリアと、端末局801との位置関係を示す第1のカバーエリア図である。
上記の通信または放送の一例として、以下では、自無線システム12の基地局201から端末局801へ送信する場合(Downlink通信)を例に挙げる。図29において、基地局201から他の無線システム11の基地局102のカバーエリアまでの距離をaとし、基地局201と端末局801との距離をbとする。なお、他の無線システム11の基地局102では、基地局201と同一の周波数帯域が使用されているものとする。ここで、距離a>距離bの場合、本実施形態では、基地局201から端末局801への上記Downlink通信は、可能となる。
すなわち、基地局201からの送信電波は、基地局201と同一の周波数帯域を使用する基地局102のカバーエリア内へは届かない。従って、自無線システム12の通信または放送が、他の無線システム11の受信局に与える干渉を抑えることができる。
図30は、第8の実施形態に関し、自無線システム12の基地局201のカバーエリアと、自無線システム12の基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリアと、端末局801との位置関係を示す第2のカバーエリア図である。
上記の通信または放送の一例として、以下では、端末局801から自無線システム12の基地局201へ送信する場合(Uplink通信)を例に挙げる。図30において、端末局801から他の無線システム11の基地局102のカバーエリアまでの距離をcとし、自無線システム12の基地局201と端末局801との距離をbとする。ここで、距離c>距離bの場合、本実施形態では、端末局801から基地局201への上記Uplink通信は、可能となる。
すなわち、端末局801からの送信電波は、基地局201と同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11の基地局102のカバーエリア内へは届かない。従って、自無線システム12の通信または放送が、他の無線システム11の受信局に与える干渉を抑えることができる。
図31は、第8の実施形態の基地局201Fの構成例を示すブロック図である。この基地局201Fと第2の実施形態の基地局201(図5参照)との差異は、基地局201Fが、さらに、通信端末決定部421(決定手段)を備える点にある。基地局201Fの通信端末決定部421以外の構成については、図5に示す構成と同様であるため、図31において同一の符号を付して、それらの説明については省略する。
通信端末決定部421は、通信用周波数帯/地域決定部404の出力である使用可能な周波数帯域とその地域の情報に基づいて、通信または放送可能な端末を決定する。
例えば、基地局201Fから端末局へのDownlink通信の場合、図29において、距離bが距離aよりも小さい場合、通信端末決定部421は、基地局201Fから端末局801への上記Downlink通信を可能とする。図29において、距離aは、基地局201Fと、基地局201Fが使用する周波数帯域を使用している他の無線システム11の基地局102のカバーエリアの境界との間の距離を示す。また、距離bは、基地局201Fと端末局801との間の距離を示す。
一方、端末局801から基地局201FへのUplink通信の場合、図30において、距離bが距離cよりも小さい場合、通信端末決定部421は、端末局801から基地局201Fへの上記Uplink通信を可能とする。図30において、距離bは、端末局801と基地局201Fとの間の距離を示す。また、距離cは、端末局801と、基地局201Fが使用する周波数帯域を使用している他の無線システム11の基地局102のカバーエリアの境界との間の距離を示す。
通信端末決定部421の出力信号(通信または放送可能な端末情報)は、無線リソース管理部450に送られて、自無線システム12の無線リソース管理に供される。
以上説明した第8の実施形態によれば、自無線システム12における送信局と受信局間の通信または放送は、自無線システム12における送信局からの送信信号が、他の無線システム11の送受信に与える干渉を考慮した所定の基準を満足する送信局と受信局間のみで行う。従って、他の無線システム11への与干渉を回避しつつ、他の無線システム11に割り当てられた周波数帯域を利用した通信または放送を行うことが可能となる。
尚、以上説明した第8の実施形態では、干渉を考慮する所定の基準として距離を用いた場合を例に挙げたが、上記に限定されない。例えば、同一の周波数帯域を使用する他の無線システム11および自無線システム12の各基地局の受信信号電力値の比が、所定の基準を満たす場合に限り、自無線システム12の通信または放送を可能とすることもできる。
例えば、他の無線システム11の基地局の受信信号電力値(P1)と自無線システム12の基地局の受信信号電力値(P2)との比(P1/P2)が、予め設定されるしきい値THp以上となる場合のみ、自無線システム12の通信または放送を可能とする。
尚、以上説明した基地局201F(図31参照)において、通信用周波数帯/地域決定部404は必ずしも必要ではない。なぜならば、基地局201Fの通信端末決定部421は、センシングマップ生成部403から直接受信するマッピング情報に基づいて、自らが「通信用周波数帯/地域情報」を算出することもできるからである。
また、第8の実施形態においては、通信または放送可能な端末の決定を、自無線システム12の基地局201Fにおいて行う場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、端末局間で通信または放送を行う場合には、ある端末局がセンシング結果を収集し、通信または放送可能な端末局を決定する構成とすることも可能である。その場合、端末局は、通信端末決定部421と同等の構成を搭載することができる。
なお、以上説明した第8の実施形態において、基地局201Fでのセンシングは、必ずしも必須ではない。基地局201Fでセンシングを行わない場合、基地局201Fの構成の内、電波検出用アンテナ401と周波数利用状況推定部402とは不要である。
また、第8の実施形態の基地局201Fにおいて、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング時受信または通常時受信)に応じて時分割に使用することができる。さらに、電波検出用アンテナ401と受信用アンテナ405と送信用アンテナ411は、共通の1つのアンテナとすることもできる。この場合、共通アンテナを使用用途(例えば、センシング受信、通常受信、または通常送信)に応じて時分割に使用することができる。
また、第8の実施形態において、センシングマップの作成を基地局において行う場合を例に挙げたが、ある端末局がセンシング結果を収集してセンシングマップを作成することも可能である。
また、第8の実施形態において、他の無線システム11は、周波数帯域が複数に分割されている場合を例に挙げたが、他の無線システム11の周波数帯域は、必ずしも分割されている必要はない。
また、第8の実施形態において、他の無線システム11が3つの周波数帯域f1~f3に分割されている場合を例に挙げたが、分割数は上記に限定されない。例えば、分割数は、2つあるいは4つ以上にすることができる。
また、第8の実施形態において、他の無線システムとしての他の無線システム11が1つある場合を例に挙げたが、他の無線システム11は複数であってもよい。
また、以上説明した第1~第8の実施形態において、基地局および端末局は、専用のハードウェアで制御されると説明した。しかしながら、これらの基地局および端末局は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、基地局および端末局内部の記憶媒体、あるいは、外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。また、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年9月24日に出願された日本出願特願2009−218750号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 基地局
2 推定部
3 管理部
10 無線システム
11 他の無線システム
12 自無線システム
101~103 (他の無線システムの)基地局
201、201A、201B、201C、201D、201F (自無線システムの)基地局
50、202~208、202A~208A、202E~208E、601~622、801 端末局
301 送受信アンテナ
302 スイッチ
303 周波数利用状況推定部
304 無線送受信部
305 スイッチ
306 復調/復号部
307 変調部
308 位置情報推定部
309 直交復調部
310 シンセサイザ部
311−1~311−n バンドパスフィルタ
312−1~312−n 電力算出部
313 信号電力比算出部
314 信号電力比較部
315 信号強度/方向算出部
316−1~316−n 方向算出部
317 外れ値除外部
401 電波検出用アンテナ
402 周波数利用状況推定部
52、403、403D、403E センシングマップ生成部
404 通信用周波数帯/地域決定部
405 受信用アンテナ
406 無線受信部
407 復調/復号部
408 制御信号生成部
409 変調部
410 無線送信部
411 送信用アンテナ
412 マップフォーマット決定部
413 マッピング部
414 メモリ部
415 マップ補間部
416 信号強度/方向算出部
417 センシング端末決定部
418 端末局グループ決定部
419 伝搬推定部
420 外れ値除外部
421 通信端末決定部
450 無線リソース管理部
460 周波数利用状況推定部
470 周波数利用状況推定部
2 推定部
3 管理部
10 無線システム
11 他の無線システム
12 自無線システム
101~103 (他の無線システムの)基地局
201、201A、201B、201C、201D、201F (自無線システムの)基地局
50、202~208、202A~208A、202E~208E、601~622、801 端末局
301 送受信アンテナ
302 スイッチ
303 周波数利用状況推定部
304 無線送受信部
305 スイッチ
306 復調/復号部
307 変調部
308 位置情報推定部
309 直交復調部
310 シンセサイザ部
311−1~311−n バンドパスフィルタ
312−1~312−n 電力算出部
313 信号電力比算出部
314 信号電力比較部
315 信号強度/方向算出部
316−1~316−n 方向算出部
317 外れ値除外部
401 電波検出用アンテナ
402 周波数利用状況推定部
52、403、403D、403E センシングマップ生成部
404 通信用周波数帯/地域決定部
405 受信用アンテナ
406 無線受信部
407 復調/復号部
408 制御信号生成部
409 変調部
410 無線送信部
411 送信用アンテナ
412 マップフォーマット決定部
413 マッピング部
414 メモリ部
415 マップ補間部
416 信号強度/方向算出部
417 センシング端末決定部
418 端末局グループ決定部
419 伝搬推定部
420 外れ値除外部
421 通信端末決定部
450 無線リソース管理部
460 周波数利用状況推定部
470 周波数利用状況推定部
Claims (23)
- 自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、
前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う管理手段と、
を備えることを特徴とする基地局。 - 前記周波数帯域は、複数の周波数帯域に分割され、前記推定手段は、分割された周波数帯域毎に通信または放送に使用されている地域を推定することを特徴とする請求項1記載の基地局。
- 前記推定手段は、前記他の無線システムの複数の基地局のエリアの境界を推定することを特徴とする請求項1または2記載の基地局。
- 前記複数の基地局のエリアの境界の推定は、前記複数の基地局のエリアの境界線、前記複数の基地局のエリアの境界地域、および、前記複数の基地局のエリアの境界地点のうちの少なくとも1つの推定であることを特徴とする請求項3記載の基地局。
- 前記複数の基地局のエリアの境界線は、前記センシング装置における、前記複数の基地局からの受信信号電力値が等しくなる地点の線による結合、前記複数の基地局からの受信信号電力比が1となる地点の線による結合、前記複数の基地局のうち最大の受信信号電力値となる基地局情報が変化する地点の線による結合、前記複数の基地局のうち最大の受信信号電力値となる周波数帯域情報が変化する地点の線による結合のうちの少なくとも1つにより推定することを特徴とする請求項4記載の基地局。
- 前記推定手段は、前記自無線システムのエリアを複数の地域に分割し、分割された地域毎に通信または放送に使用している周波数帯域を推定することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の基地局。
- 前記推定手段は、前記センシング装置の高度が所定の高度以上か否かを判定し、前記センシング装置の高度が所定の高度以上の場合、推定時において、該センシング装置からのセンシング結果を除外することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の基地局。
- センシング装置におけるセンシングの頻度およびセンシングの有無のうちの少なくとも一方を決定するセンシング決定手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の基地局。
- 前記センシング決定手段は、センシングを行うセンシング装置を、前記他の無線システムの基地局のエリア境界付近に存在するセンシング装置、前記他の無線システムの基地局から一定距離内に存在するセンシング装置、および前記他の無線システムの基地局の境界線から一定距離内に存在するセンシング装置のうちのいずれかに決定することを特徴とする請求項8記載の基地局。
- 前記センシング決定手段は、前記他の無線システムの基地局のエリア境界付近に位置するセンシング装置でのセンシングを高頻度に実行する決定を行い、該エリア境界付近に存在しないセンシング装置でのセンシングを低頻度に実行するか、あるいはセンシングを実行しない決定を行うことを特徴とする請求項8または9記載の基地局。
- 所定の基準に基づいてセンシング装置を複数のグループに分割し、各グループに属するセンシング装置の中の所定のセンシング装置を、該グループを代表してセンシングを実行するセンシング装置として決定するグループ決定手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の基地局。
- さらに、前記他の無線システムの各基地局の電波伝搬を推定する電波伝搬推定手段を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の基地局。
- 自無線システムと通信可能な端末局であって、
前記自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、
前記推定結果を、前記推定結果に基づいて前記自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う無線リソース管理手段へ通知する通知手段と
を備えることを特徴とする端末局。 - 前記センシング装置のうちの少なくとも1つは、端末局であり、前記端末局は、前記他の無線システムの複数の基地局が使用する各周波数帯域をセンシングし、センシング情報を前記推定手段へ通知することを特徴とする請求項13記載の端末局。
- 前記センシング情報は、前記端末局における、前記複数の基地局からの受信信号電力値、受信信号電力比、最大の受信信号電力値となる基地局情報、最大の受信信号電力値となる周波数帯域情報、受信信号電力値と電波到来方向推定値、受信信号電力比と電波到来方向推定値、最大の受信信号電力値となる基地局情報と電波到来方向推定値、最大の受信信号電力値となる周波数帯域情報と電波到来方向推定値のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項14記載の端末局。
- 前記端末局は、前記センシング情報とともに自端末局の位置情報を、前記推定手段に通知することを特徴とする請求項14または15記載の端末局。
- 前記位置情報には、自端末局の高度情報が含まれることを特徴とする請求項16記載の端末局。
- 自無線システムと、該自無線システムと通信または放送を行うことが可能な端末局を備える無線システムであって、
自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する推定手段と、
前記推定結果に基づいて、自無線システムにおいて前記端末局との通信または放送に使用する無線リソースの管理を行う管理手段と、
を備えることを特徴とする無線システム。 - 前記管理手段は、前記無線リソースの管理として、所定の基準に基づいて、使用する周波数帯域の選択、送信電力の制御、および自無線システムにおいて通信または放送を行う送信局と受信局の組み合わせの選択のうちの少なくとも1つを実行することを特徴とする請求項18記載の無線システム。
- 前記センシング装置のうちの少なくとも1つは、前記端末局であり、前記端末局は、前記他の無線システムの複数の基地局が使用する各周波数帯域をセンシングし、センシング情報を前記推定手段へ通知することを特徴とする請求項18または19記載の無線システム。
- 前記センシング装置のうちの少なくとも1つは、前記自無線システムの基地局であり、前記基地局は、前記他の無線システムの複数の基地局が使用する各周波数帯域をセンシングし、センシング情報を前記推定手段へ通知することを特徴とする請求項18~20のいずれか1項に記載の無線システム。
- 自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定し、
前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う
ことを特徴とする無線制御方法。 - 自無線システムのカバーエリアにおいて、1つ以上のセンシング装置からのセンシング情報に基づいて、他の無線システムに割り当てられた、あるいは優先的な使用が許可された周波数帯域が通信または放送に使用されている地域を推定する処理と、
前記推定結果に基づいて、自無線システムにおける通信または放送についての無線リソース管理を行う処理と
を端末局または基地局のコンピュータに実行させるための制御プログラムを記憶することを特徴とする記憶媒体。
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