WO2005076201A1

WO2005076201A1 - 個人認証方法、個人認証システム及び光情報記録媒体

Info

Publication number: WO2005076201A1
Application number: PCT/JP2005/000082
Authority: WO
Inventors: Takuya Tsukagoshi; Jiro Yoshinari; Hideaki Miura; Tetsuro Mizushima
Original assignee: Tdk Corporation
Priority date: 2004-02-03
Filing date: 2005-01-06
Publication date: 2005-08-18
Also published as: JP4355585B2; JP2005222151A

Abstract

　バイオメトリクス情報に基づいて利用者を認証する個人認証システム１０において、光情報記録媒体１２のホログラフィック記録部１３には、生体情報センサー１４で得られた利用者のバイオメトリクス情報に基づく記録用暗号化認証情報により空間光変調された参照光と物体光の干渉によるホログラムが形成されていて、認証時には、利用者から直接取得されたバイオメトリクス情報を、情報処理装置１６により照合用暗号化認証情報とし、ホログラム再生用参照光を該照合用暗号化認証情報により、空間光変調器２０によって変調し、再生画像の正否を検出し、認証情報の漏洩を防止する。

Description

個人認証方法、個人認証システム及び光情報記録媒体

技術分野

[0001] この発明は、個人認証情報がホログラムとして記録された光情報記録媒体、この光情報記録媒体を用いた個人認証方法及び個人認証システムに関する。

背景技術

[0002] クレジットカードや銀行のキャッシュカード等を利用するシステムでは、カードに記載された会員番号、氏名、所属等の身分証明 (ID)情報力もカードの所有者 (利用者）を識別すると共に、カード読取端末の操作者 (使用者)が入力する暗証番号又はパスワードによって該使用者がカード所有者本人であるかどうかの確認、即ち認証作業が行なわれている。

[0003] 一方、近年の情報技術の発達によって、システム開発者のみならず、これを悪用しようとする反社会的組織の情報技術も高度化し、カード盗難、偽造、暗証番号解読による不正使用の被害が急増して!/、る。

[0004] その対策として、カード等に記載する情報の暗号化や指紋、虹彩模様等のバイオメトリタス情報を用いたバイオメトリタス認証等の技術が開発されている。

[0005] 例えば、特許第 3475304号公報には、磁気記録された m情報とは異なる、ホログラム等の形態でセキュリティ情報を保持するようにされた ICカードが開示されている。

[0006] 又、特開 2001-67399号公報には、 ICカードにバイオメトリタス認証情報を送信して照合を行なう認証システムが開示されて、る。

[0007] 上記特許第 3475304号公報の ICカードは、セキュリティ情報を符号ィ匕した画像をホログラムとして ICカードに貼り付けたものであり、この符号ィ匕方式が盗まれたときは

、ホログラム力も簡単にセキュリティ情報が抽出されてしまうという問題点がある。

[0008] 又、特開 2001— 67399号公報の ICカードの場合も、データ符号化のアルゴリズムが認識されてしまうと、 ICカードから認証情報が抽出され得るという問題点がある。

[0009] 更に、上記のような IDカードにおける認証用システムは、高度な暗号化技術を用いることによって安全性を向上させることができる力他方、システム運営に必要な情報処理量やそのためのインフラストラクチャが大規模となり、利便性が低下してしまうというトレードオフが発生する。

発明の開示

[0010] この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、システムの規模や情報処理量を従来と比較して大幅に変更することなくセキュリティレベルを容易に変更できると共に、認証情報の抽出を非常に困難とした光情報記録媒体、個人認証方法及び個人認証システムを提供することを目的とする。

[0011] 本発明者は、鋭意研究の結果、ホログラフィック記録部を有する ICカード等の光情報記録媒体に、参照光及び物体光により情報を記録する際に、参照光を、利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により空間光変調し、再生時には、利用者力も直接バイオメトリタス情報を取得して、これにより得られた照合用暗号化認証情報により再生用参照光を空間光変調して、そのときの再生情報から、真正な利用者力否力を照合するシステムによって、認証情報の抽出が非常に困難であり、且つシステムの規模等を大幅に変更することなくセキュリティレベルを容易に変更できることが分力つた。

[0012] 即ち、以下の本発明により上記目的を達成することができる。

[0013] (1)ホログラフィック記録部を有する光情報記録媒体の該ホログラフィック記録部に、記録すべき情報に応じて空間光変調された物体光及び参照光を照射して、その干渉縞により情報を記録し、且つ、該干渉縞に再生用参照光を照射して物体光を再生することにより、利用者の認証をするための個人認証方法であって、前記情報の記録の際に、前記利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により、前記参照光を空間光変調し、再生時には、前記利用者力も直接取得したバイオメトリタス情報に基づく照合用暗号化認証情報により、前記再生用参照光を空間光変調することを特徴とする個人認証方法。

[0014] (2)前記バイオメトリタス情報を予め決められた符号ィ匕方式により画像ィ匕することによって、前記記録用暗号化認証情報及び照合用暗号化認証情報を形成し、この画像を、参照光及び再生用参照光の変調パターンとすることを特徴とする（1)に記載の個人認証方法。 [0015] (3)前記符号化方式は、バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、且つ、各画素ブロックにおける ON画素又は OFF画素の数を検出する過程と、前記各画素ブロックにおける画素を、前記検出された数に応じて、 ON画素又は OFF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換し、前記記録用暗号化認証情報及び照合用暗号化認証情報を表わすビットマップ画像とする過程と、力なることを特徴とする（2)に記載の個人認証方法。

[0016] (4)前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素バターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする（3)に記載の個人認証方法。

[0017] (5)前記参照光及び再生用参照光を位相空間光変調することを特徴とする（1)乃至 (4)の、ずれかに記載の個人認証方法。

[0018] (6)ホログラフィック記録部を有してなり、該ホログラフィック記録部には、利用者のノィオメトリタス情報に基づく記録用暗号ィ匕認証情報により空間光変調された参照光及び記録すべき情報に応じて空間光変調された物体光の照射時の干渉縞によるホログラムが形成されている光情報記録媒体と、前記利用者から直接に、ノィオメトリクス情報を取得可能とされた生体情報センサーと、この生体情報センサーにより取得されたバイオメトリタス情報を照合用暗号化認証情報とする情報処理装置と、記録時における参照光と同様の再生用参照光を前記ホログラフィック記録部に照射して、発生する回折光から、前記記録された情報を再生する再生光学系と、前記再生用参照光を、前記照合用暗号化認証情報により変調する空間光変調器と、前記再生光学系により再生された前記情報に基づいて、前記利用者が正しいか否力を照合すると共に、照合結果により利用者を許容又は拒絶する信号を出力する演算装置と、を有してなる個人認証システム。

[0019] (7)前記演算装置からの許容又は拒絶の信号により、利用者を許容又は拒絶するハードウェアを有してなることを特徴とする（6)に記載の個人認証システム。

[0020] (8)前記生体情報センサーと、情報処理装置と、再生光学系と、空間光変調器と、をクライアントサーバ側に設けると共に、前記演算装置をホストサーバ側に設け、これらクライアントサーバ及びホストサーバを回線により接続し、クライアントサーノからは、前記再生された個人認証情報を出力し、ホストサーバからは、前記許容又は拒絶の信号を出力するようにされたことを特徴とする（6)又は（7)に記載の個人認証システム。

[0021] (9)前記記録用暗号化情報及び前記照合用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を、予め決められた符号ィ匕方式により画像ィ匕してなる変調パターンであることを特徴とする（6)乃至（8)の、ずれかに記載の個人認証システム。

[0022] (10)前記記録用暗号化情報及び前記照合用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素力なる複数の画素プロックに分割し、各画素ブロックにおける ON画素又は OFF画素の数を検出し、前記画素ブロック毎に、前記検出された数に応じて、 ON画素又は OFF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換して形成されたビットマップ画像であることを特徴とする（9)に記載の個人認証システム。

[0023] (11)前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素パターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする（10) に記載の個人認証システム。

[0024] (12)前記ホログラムは、物体光と位相空間光変調された参照光との干渉縞であることを特徴とする（6)乃至（ 11)の、ずれかに記載の個人認証システム。

[0025] (13)ホログラフィック記録部を有してなり、該ホログラフィック記録部には、利用者のノィオメトリタス情報に基づく記録用暗号ィ匕認証情報により空間光変調された参照光及び記録すべき情報に基づいて空間光変調された物体光の照射時の干渉縞によるホログラムが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。

[0026] (14)前記記録用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を、予め決められた符号化方式により画像ィ匕してなる変調パターンであることを特徴とする（13)に記載の光情報記録媒体。

[0027] (15)前記記録用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、各画素ブロックにおける ON画素又は OFF画素の数を検出し、前記画素ブロック毎に、前記検出された数に応じて、 ON画素又は OFF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換して形成されたビットマップ画像であることを特徴とする（14)に記載の光情報記録媒体。

[0028] (16)前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素パターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする（15) に記載の光情報記録媒体。

[0029] (17)前記ホログラムは、物体光と位相空間光変調された参照光との干渉縞であることを特徴とする（13)乃至（16)の、ずれかに記載の光情報記録媒体。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1]本発明の実施例 1に係る個人認証システムを示すブロック図

[図 2]同個人認証システムにおいて用いられる光情報記録媒体を模式的に示す断面図

[図 3]同実施例 1において、光情報記録媒体のホログラムを再生且つ認証するための再生光学系を示す光学系統図

[図 4]同再生光学系の一部と光情報記録媒体を示す斜視図

[図 5]前記光情報記録媒体にホログラムを形成するための光情報記録装置を示す光学系統図

[図 6]同光情報記録装置及び再生光学系の空間光変調器で得られたオリジナル画像を符号化してビットマップ画像を形成する過程を模式的に示す平面図

[図 7]実施例 2にお、て、オリジナル画像を符号ィ匕してビットマップ画像を形成する過程を模式的に示す平面図

[図 8]実施例 3に係る個人認証システムを示すブロック図

発明を実施するための最良の形態

[0031] 光情報記録媒体のホログラフィック記録部に、物体光と参照光を照射する際に、利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により、前記参照光を空間光変調し、再生時には、前記利用者カゝら直接取得したバイオメトリタス情報に基づく照合用暗号化認証情報により、再生用参照光を空間光変調し、ホログラム力発生した回折光により利用者が真正力否かを判断し、バイオメトリタス情報は、予め決められた符号化方式により画像化され、記録用暗号化認証情報及び照合用暗号化認証情報とされるようにして、上記目的を達成する。

実施例 1

[0032] 次に、本発明の実施例 1に係る個人認証システムについて説明する。

[0033] 図 1に示されるように、個人認証システム 10は、例えば ICカードのようなホログラム形成可能なホログラフィック記録部 13を有する光情報記録媒体 12と、利用者力も直接、指紋、虹彩模様、声紋、静脈パターン等のバイオメトリタス情報を取得可能とされた生体情報センサー 14と、この生体情報センサー 14により取得されたバイオメトリクス情報を照合用暗号化認証情報とする情報処理装置 16と、前記ホログラフィック記録部 13に再生用参照光を照射して、発生する回折光から記録された情報を再生する再生光学系 18と、前記再生用参照光を、前記照合用暗号化認証情報により変調する位相空間光変調器 28 (図 3参照）と、前記再生光学系 18 (図 3参照）により再生された前記情報に基づいて、前記利用者が正しいか否力を照合すると共に、照合結果により利用者を許容又は拒絶する信号を出力する演算装置 22と、を有して構成されている。

[0034] 図 1の符号 23は前記カード状の光情報記録媒体 12を装着又は取外すためのローデイング装置を示す。又、図 1の符号 23Aは光情報記録媒体 12を挿入するための力ード揷入口を示す。

[0035] 前記光情報記録媒体 12は、図 2に示されるように、カード基板 12Aに埋め込まれた前記ホログラフィック記録部 13を有している。このホログラフィック記録部 13は、再生用参照光入射側からホログラム保護層 13A、ホログラム情報層 13B及び吸収層 13C を積層して構成されている。図 2において、符号 12Bは印刷層、 12Cはコーティング層をそれぞれ示す。

[0036] 前記再生光学系 18は、再生用参照光をホログラフィック記録部 13に照射するものであって、図 3に示されるように、例えばレーザダイオード力もなるレーザ光源 24と、このレーザ光源 24から出射したレーザ光のビーム径を拡大するためのビームエキスパンダ 26と、このビーム径が拡大されたレーザ光を位相変調する前記位相空間光変調器 28と、ミラー 30と、焦点が前記光情報記録媒体 12のホログラフィック記録部 13内あるいはその近傍に位置するように配置され、ミラー 30で反射された再生用参照光をフーリエ変換するためのフーリエレンズ 32と、フーリエレンズ 32側からホログラフイツク記録部 13側へ順に配置された偏光ビームスプリッタ 34及び 1Z4波長板 36と、前記偏光ビームスプリッタ 34に対して、 1Z4波長板 36側から入射した光の側方への反射光路上に配置された結像レンズ 38及び撮像素子 40と、撮像素子 40により得られた信号を処理して、画像を再生する信号処理装置 41と、を備えて構成されている。

[0037] 図 4には、前記再生光学系 18のうち、偏光ビームスプリッタ 34、 1/4波長板 36及び光情報記録媒体 12が示されて、る。

[0038] 次に、前記光情報記録媒体 12のホログラフィック記録部 13に、利用者のバイオメトリクス情報に基づく記録用暗号化認証情報により参照光を空間光変調し、該参照光と物体光の照射によって干渉縞によるホログラムを形成する装置及び過程について説明する。

[0039] 図 5に示されるように、前記光情報記録媒体 12のホログラフィック記録部 13にホログラムを形成するための光情報記録装置 42は、レーザ光源 44と、このレーザ光源 4 4から出射されたレーザ光のビーム径を拡大するためのビームエキスパンダ 46と、ビ一ム径を拡大されたレーザ光を反射するミラー 48と、このミラー 48からの反射光が入射する偏光ビームスプリッタ 50と、この偏光ビームスプリッタ 50において反射されたレ一ザ光を記録用参照光としてホログラフィック記録部 13に導く参照光学系 52と、偏光ビームスプリッタ 50を透過したレーザ光を物体光として、前記記録用参照光とは反対側から、前記ホログラフィック記録部 13に導くための物体光学系 54と、前記記録用参照光を変調する位相空間光変調器 56と、前記物体光を変調する振幅空間光変調器 58と、利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号ィ匕認証情報を位相空間光変調器 56に入力するための情報処理装置 57と、ホログラフィック記録部 13に記録すべき個人情報等の情報に基づいて変調する信号を振幅空間光変調器 58に出力する記録制御装置 59と、を備えて構成されている。図 5の符号 52Aは 1Z4波長板、 52 B、 54Aはフーリエレンズ、 52C、 54B、 54Cはミラーをそれぞれ示す。

[0040] 次に、図 6を参照して、前記位相空間光変調器 56において記録用参照光を変調する過程につ!、て説明する。 [0041] まず、生体情報センサー 14により、光情報記録媒体 12の正当な所有者 (利用者）の指紋、虹彩模様、静脈パターン、声紋等のバイオメトリタス情報を取得し、インターフェイス 17で、例えば図 6に示されるオリジナル画像 60を得たとする。

[0042] このオリジナル画像 60を、情報処理装置 57において、符号 62で示される変換用画素パターンにより 4個の画素力なる画素ブロック毎に変換して、符号 64で示される記録用暗号ィ匕認証情報としてのビットマップ画像とする。

[0043] 前記変換用画素パターン 62による変換について更に詳細に説明すると、この変換用画素パターン 62は、オリジナル画像 60における 4個の画素からなる画素ブロック内での、図において白色で示される ON画素の数の 0、 1、 2、 3又は 4に対応して、それぞれ予め設定されて!、る。

[0044] 従って、例えばオリジナル画像 60における左上隅の 4個の画素からなる画素ブロックは、 ON画素が 2個であるので、変換用画素パターン 62において「2」と示された画素パターンに置き換えられる。

[0045] この結果、オリジナル画像 60は、ビットマップ画像 64に変換される。更に、情報処理装置 57により、前記光情報記録装置 42における位相空間光変調器 56では、記録用参照光がビットマップ画像 64 (記録用暗号ィ匕情報）により位相変調されて、この状態で、記録すべき情報が載せられた物体光と共に、ホログラフィック記録部 13に照射されて、ここに干渉縞によるホログラムが形成される。

[0046] 前記情報処理装置 16においても、前記光情報記録装置 42における記録時と同一の変換用画素パターン 62を用いて、生体情報センサー 14力も得られたオリジナル画像を変換して、照合用暗号ィ匕情報としてのビットマップ画像を得るように構成されてヽる。

[0047] 次に光情報記録媒体 12の利用者の個人認証をする過程について説明する。

[0048] まず、生体情報センサー 14により、前記記録時におけると同様のバイオメトリタス情報を利用者力直接取得し、これを情報処理装置 16において前記と同様のオリジナル画像とし、更に、変換用画素パターン 62によって該オリジナル画像を変換し、前記と同様のビットマップ画像を形成する。

[0049] 次に、情報処理装置 16により、前記ビットマップ画像に基づ!/、て、位相空間光変調器 28により、再生用参照光を位相変調して、前記偏光ビームスプリッタ 34に入射させる。

[0050] 偏光ビームスプリッタ 34に入射した再生用参照光は 1Z4波長板 36を経て、ホログラフィック記録部 13に入射し、且つここで逆向きの回折光を発生させる。回折光は、 1 Z4波長板 36を経て、偏光ビームスプリッタ 34で反射されてから、結像レンズ 38を経て、前記撮像素子 40に入射し、情報処理装置 16で、記録時の物体光に相当する物体光が再生される。

[0051] 演算装置 22では、再生が不完全であれば、認証不可として判断され、再生ができれば、利用者は真正の利用者として認証され、その信号力インターフェイス 17を介して外部に出力される。

[0052] なお、前記ビットマップ画像 64の情報が不法に第三者に取得されたとしても、このビットマップ画像 64から、オリジナル画像 60を特定することができな、。

[0053] 即ち、オリジナル画像 60は、変換用画素パターン 62によって必ず特定のビットマツプ画像 64に変換される力このビットマップ画像 64が与えられ、且つ変換用画素パターン 62による符号ィ匕方式がわ力つたとしても、変換用画素パターン 62によって一義的にオリジナル画像 60に戻ることができない。これは、「1 :多」の画像変換が成り立ち、ホログラム力も生体情報を抽出できな、ことを意味して、る。

[0054] ホログラムを再生する際には、記録時に位相空間光変調器 56に表示させた画像を再び位相空間光変調器 28に表示させることが必要であるが、上記のように、指紋や虹彩等のバイオメトリタス情報を予め決められた符号化方式によって画像化し、この画像を再生用参照光の変調パターンとして利用することによってのみ可能である。

[0055] 従って、バイオメトリタス情報、符号化方式、ホログラムの 3つのうちの、ずれが欠けても正常な再生ができないため、データの安全性が高い。なお、上記実施例 1において、記録時及び再生時に位相空間光変調器 56、 28が用いられている力これは、振幅空間光変調器であってもよい。即ち、参照光を振幅変調したとしても、ホログラムのみ力元のバイオメトリタス情報を復元することが困難である。

[0056] なお、位相空間光変調を用いた場合は、元のバイオメトリタス情報を復元することは不可能となる。何故なら、光の位相情報は、単独で観測できる物理量でなぐ可干渉な光との干渉によって初めて可視化できるものである上に、同じ干渉パターンを照射する位相変調パターンは無数にある力である。

[0057] 参照光を振幅変調する場合であっても、これを可視化するためには、記録されて、る情報とその符号ィ匕方法を知る必要があり、容易ではない。更に、振幅変調の方法によって生体情報をビットマップ画像に変換する際に、前述のような「1：多」の対応関係とすることで、実際上不可逆な変換とすることができる。

実施例 2

[0058] 上記実施例 1において、画像変換の際の画像ブロックは、 4個の画素力も構成されているが、本発明はこれに限定されるものでなぐ例えば、図 7に示されるように、 6個の画素を 1つの画素ブロックとしてもよい。また、 8以上の偶数個の画素を 1つの画素ブロックとしてちよい。

[0059] 実施例 2では、オリジナル画像 60における 6個毎の画素ブロック内での ON画素数に応じて、符号 63で示される変換用画素パターンに基づいて符号ィ匕して、符号 65で示されるビットマップ画像を形成するものである。

[0060] 前記変換用画素パターン 63は、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されていて、ホログラフィック記録再生において、記録用参照光及び再生用参照光の光量の均一性を充足することができる。

[0061] 何故なら、ビットマップ画像 65中の ON画素数、即ち参照光全体の光量が変化すると、参照光と信号光 (物体光）による干渉縞コントラストが低下し、良好な記録を妨げる力もである。良好な記録再生を行なうために必要なコントラスト、即ち ON画素数のばらつき許容量は、光学系や記録媒体の設計、必要な記録密度やデータ転送レートに依存する。

[0062] この実施例 2では、変換用画素パターン 63は ON画素及び OFF画素が 3個ずつで構成されているので、変換されたビットマップ画像 65は、オリジナル画像 60の ON画素の数に拘わらず、一定の ON画素数 (全画素の 50%)を含むことになる。

[0063] なお、画素ブロックは、 6個の画素力構成されている力これは、 6以上の偶数であればよい。画素ブロックサイズが大きいほど、ノィオメトリタス情報 (オリジナル画像）の秘匿性が向上する。実施例 3

[0064] 次に、図 8に示される本発明の実施例 3について説明する。

[0065] この実施例 3に係る個人認証システム 70は、前記実施例 1におけると同様の生体情報センサー 14、情報処理装置 16、再生光学系 18、空間光変調器 20、を含むクライアントサーバ 72と、このクライアントサーバ 72に対して、回線 74を介して接続されたホストサーバ 76と、力構成されている。

[0066] 前記ホストサーバ 76には、前記再生光学系 18により再生された情報に基づいて、利用者が正、か否かを照合すると共に、照合結果により利用者を許容又は拒絶する信号を出力する演算装置 78及びデータベース 79を備えている。

[0067] 又、前記クライアントサーバ 72側には、前記演算装置 78からの許容又は拒絶の信号により、利用者を許容又は拒絶するハードウェア 80を備えている。このハードゥエァ 80は、例えば入退出管理を行なうゲートや銀行の現金払出装置等である。

[0068] この個人認証システム 70における、利用者のバイオメトリタス情報力もオリジナル画像 60を取得し、変換用画素パターンによってビットマップ画像を形成する過程については、前記実施例 1におけると同様である。

[0069] 又、個人認証システム 70では、基本的構成は実施例 1の個人認証システム 10と同一である力クライアントサーバ 72側において再生画像として再生光学系 18に取り込まれた Iひ f青報は、再び、情報処理装置 16へ送られ、エラー訂正'復号化等の信号処理を経て、デジタル情報として、前記回線 74によってホストサーバ 76へ送られ、その演算装置 78において、利用者の照合が行なわれる。

[0070] その結果は、演算装置 78から回線 74を経て出力され、利用者が許容された場合には、前記ハードウェア 80が動作され、拒絶された場合にはインターフェイスを通して通知が行なわれる。

[0071] ここで、一般的に、情報漏洩の危険性が高いのは、回線 74のようなネットワーク回線であるが、この回線 74で通信されるのは、前述のように、 Iひ f青報や動作指示命令のみであり、少なくとも認証情報が盗聴される可能性はない。

産業上の利用の可能性

[0072] 本発明の個人認証方法、個人認証システム及び光情報記録媒体は、ホログラムとして個人認証情報を記録、再生する際に、使用者のバイオメトリタス情報を暗号ィ匕認証情報として、この情報に基づ、て記録時及び再生時の参照光を空間光変調する構成であるので、第三者による認証情報の抽出が非常に困難であると共に、システムの規模等を従来と比較して大幅に変更することなくセキュリティレベルを容易に変更できる。

Claims

請求の範囲

[1] ホログラフィック記録部を有する光情報記録媒体の該ホログラフィック記録部に、記録すべき情報に応じて空間光変調された物体光及び参照光を照射して、その干渉縞により情報を記録し、且つ、該干渉縞に再生用参照光を照射して物体光を再生することにより、利用者の認証をするための個人認証方法であって、

前記情報の記録の際に、前記利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により、前記参照光を空間光変調し、再生時には、前記利用者から直接取得したバイオメトリタス情報に基づく照合用暗号ィ匕認証情報により、前記再生用参照光を空間光変調することを特徴とする個人認証方法。

[2] 請求項 1において、

前記ノィオメトリタス情報を予め決められた符号ィ匕方式により画像ィ匕することによつて、前記記録用暗号化認証情報及び照合用暗号化認証情報を形成し、この画像を、参照光及び再生用参照光の変調パターンとすることを特徴とする個人認証方法。

[3] 請求項 2において、

前記符号化方式は、バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、且つ、各画素ブロックにおける O N画素又は OFF画素の数を検出する過程と、

前記各画素ブロックにおける画素を、前記検出された数に応じて、 ON画素又は O FF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換し、前記記録用暗号化認証情報及び照合用暗号ィ匕認証情報を表わすビットマップ画像とする過程と、からなることを特徴とする個人認証方法。

[4] 請求項 3において、

前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素パターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする個人認証方法。

[5] 請求項 1乃至 4のいずれかにおいて、

前記参照光及び再生用参照光を位相空間光変調することを特徴とする個人認証方法。

[6] ホログラフィック記録部を有してなり、該ホログラフィック記録部には、利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により空間光変調された参照光及び記録すべき情報に応じて空間光変調された物体光の照射時の干渉縞によるホログラムが形成されてヽる光情報記録媒体と、

前記利用者力直接に、バイオメトリタス情報を取得可能とされた生体情報センサ一と、

この生体情報センサーにより取得されたバイオメトリタス情報を照合用暗号ィ匕認証情報とする情報処理装置と、

記録時における参照光と同様の再生用参照光を前記ホログラフィック記録部に照射して、発生する回折光から、前記記録された情報を再生する再生光学系と、前記再生用参照光を、前記照合用暗号化認証情報により変調する空間光変調器と、

前記再生光学系により再生された前記情報に基づ!ヽて、前記利用者が正 Uヽか否力を照合すると共に、照合結果により利用者を許容又は拒絶する信号を出力する演算装置と、

を有してなる個人認証システム。

[7] 請求項 6において、

前記演算装置からの許容又は拒絶の信号により、利用者を許容又は拒絶するハードウエアを有してなることを特徴とする個人認証システム。

[8] 請求項 6において、

前記生体情報センサーと、情報処理装置と、再生光学系と、空間光変調器と、をクライアントサーバ側に設けると共に、前記演算装置をホストサーバ側に設け、これらクライアントサーバ及びホストサーバを回線により接続し、クライアントサーノくからは、前記再生された個人認証情報を出力し、ホストサーバからは、前記許容又は拒絶の信号を出力するようにされたことを特徴とする個人認証システム。

[9] 請求項 7において、

[10] 請求項 6乃至 9のいずれかにおいて、

前記記録用暗号化情報及び前記照合用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を、予め決められた符号ィ匕方式により画像ィ匕してなる変調パターンであることを特徴とする個人認証システム。

[11] 請求項 10において、

前記記録用暗号化情報及び前記照合用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、各画素ブロックにおける ON画素又は OFF画素の数を検出し、前記画素ブロック毎に、前記検出された数に応じて、 ON画素又は OFF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換して形成されたビットマップ画像であることを特徴とする個人認証システム。

[12] 請求項 11において、

前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素パターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする個人認証システム。

[13] 請求項 6乃至 9のいずれかにおいて、

前記ホログラムは、物体光と位相空間光変調された参照光との干渉縞であることを特徴とする個人認証システム。

[14] 請求項 10において、

[15] 請求項 12において、

[16] ホログラフィック記録部を有してなり、該ホログラフィック記録部には、利用者のバイオメトリタス情報に基づく記録用暗号化認証情報により空間光変調された参照光及び記録すべき情報に基づいて空間光変調された物体光の照射時の干渉縞によるホログラムが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。

[17] 請求項 16において、

前記記録用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を、予め決められた符号化方式により画像化してなる変調パターンであることを特徴とする光情報記録媒体。

[18] 請求項 17において、

前記記録用暗号化情報は、前記バイオメトリタス情報を表示するオリジナル画像を、複数、且つ、同数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、各画素ブロックにおける ON画素又は OFF画素の数を検出し、

前記画素ブロック毎に、前記検出された数に応じて、 ON画素又は OFF画素の数毎に予め設定された変換用画素パターンに変換して形成されたビットマップ画像であることを特徴とする光情報記録媒体。

[19] 請求項 18において、

前記画素ブロックを、 6以上の偶数個の画素から構成し、前記変換用画素パターンは、 ON画素と OFF画素が同数となるように設定されたことを特徴とする光情報記録媒体。

[20] 請求項 16乃至 19のいずれかにおいて、

前記ホログラムは、物体光と位相空間光変調された参照光との干渉縞であることを特徴とする光情報記録媒体。