JPWO2008044783A1 - 無線lanシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラム - Google Patents
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Abstract
無線LANの通信品質を評価する際に実行するネットワークシミュレーションにおける処理量を削減し、設定した電波伝搬状況に基づくシミュレーションの計算時間を短縮させる。ネットワークシミュレーションを用いた無線LANの通信品質評価方法のネットワークシミュレーションを実行するステップにおいて、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす。
Description
本発明は、無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムに関し、特に、ネットワークシミュレーションを用いた無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムに関する。
通信ネットワークにおける通信品質の評価方法は、大別すると、実機を用いて測定を行って評価する方法と、仮想的なモデルをコンピュータ上で論理的に構成し、シミュレーションを行うことによって品質を算出して評価する方法の2種類に分類される。実機を用いて評価する方が実際の運用状況に近い結果が得られるため、より適切である。しかし、評価対象のネットワークが大規模であったり、複雑な構成である場合には、実際にその環境を構築するのに時間とコストを要する。そのため、シミュレーションを用いて評価する方法が現実的である。
ネットワークの通信品質を評価するために、ネットワークシミュレータが用いられている(文献1、文献2参照)。これらのシミュレータを用いて無線LANの通信品質評価を行う場合、例えば図8に示されているような手順で行われる。
図8は、一般的なネットワークシミュレータの動作を簡略化して示すフローチャートである。ネットワークシミュレータは、まず、シミュレーションを実行する条件を設定する(ステップS810)。すなわち、ネットワークシミュレータは、トポロジー設定を行う処理(ステップS811)と、電波伝搬状況の設定を行う処理(ステップS812)と、その他シミュレーション条件の設定を行う処理と(ステップS813)とを実行する。ネットワークシミュレータは、ステップS811で、シミュレーションを行うネットワークのトポロジーを定義する。
図9はネットワークシミュレータが定義したトポロジーの一例を示すネットワーク構成図である。図9における構成では、ネットワークのトポロジーには、有線ネットワーク910と、スイッチ920と、アクセスポイント(以下、APと略記する)930と、端末940とが含まれる。
ネットワークシミュレータは、電波伝搬状況を設定する(ステップS812)。電波伝搬状況とは、APおよび端末を含む全無線ノード間の、電波の受信可能関係を示すものである。電波伝搬状況は、無線LANのシミュレーションを行う際に、ある無線ノードから送信したパケットが、無線媒体上で他の無線ノードが送信したパケットと衝突して受信に失敗することや、無線媒体上にパケットが存在することによって送信が延期されることを判定することに利用される。また、電波伝搬状況は、各端末が所属するAPを決定するためにも使用される。そのため、APと端末を含む全ての無線ノード間の電波伝搬状況を把握して、設定する必要がある。
伝搬特性は、実測やシミュレーションによって求められるが、設定対象とする無線ノードが多くなるに従って、実測であれば作業量が、シミュレーションであれば計算量が多くなる。ネットワークシミュレータは、ステップS811で物理的な位置関係を入力しておき、その位置関係から距離減衰を計算する手法などを用いることによって、電波伝搬状況を設定することもある。端末が移動を伴う場合には、移動先ごとに、他の全無線ノードとの間の電波伝搬状況を設定する必要がある。そのため、端末が移動する場合には、さらに多くの作業量や計算量が必要になる。
ネットワークシミュレータは、ステップS813で、その他のシミュレーション条件を設定する。設定する条件としては、トラフィック負荷やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などがある。
トラフィック負荷は、各端末が発生するトラフィックを設定することに相当する。例えば音声通信を想定した場合、通話数に相当する。
また、トラフィック特性は、評価するトラフィックの種類、例えば音声通信、Web閲覧、ファイル転送、データベースアクセスなどに依存する。
伝送路の誤り特性は、無線伝送路では伝送誤りが存在するので、その特性について設定するものである。
以上のように各種条件を設定した後、ネットワークシミュレータは、ネットワークシミュレーションを実施する(ステップS814)。ステップS814では、各端末においてトラフィックが発生してから、行き先のノードに到達するまでの振る舞いをシミュレーションする。具体的には、各端末においてトラフィックが発生し、そのトラフィックがパケットとして構成されて、無線媒体を経てAPに受信され、適切な経路を選択しながら行き先ノードに到達するまでの振る舞いをシミュレーションする。
ネットワークシミュレータは、ステップS814において、全ノートにおけるパケット送受信の振る舞いをシミュレーションする。そのため、評価対象のネットワークが大規模である場合には、膨大な計算量となることがある。特に無線ノードにおけるパケット送受信は、特定少数ノードとのみ接続されている有線ノードと異なり、全ての無線ノードから送出されたパケットに基づいて待機や衝突の判定をする必要がある。その結果、計算量はきわめて大きく(多く)なる。
ステップS814におけるシミュレーションの過程では、各パケットの各処理における遅延時間や無線媒体での衝突による廃棄状況などが記録される。ステップS815では、これらシミュレーション中に記録された情報を、シミュレーション終了後に集計し、評価結果とする処理が実行される。そして、ステップS815の処理で集計した評価結果を外部ファイル、またはディスプレイ上などに利用者が理解できる形で表現する(ステップS816)。利用者は、この評価結果を確認して、評価対象の無線LANにおける通信品質を評価することができる。
以上のように、一般的なネットワークシミュレータでは、電波伝搬状況を設定する際(上述したステップS812)に、APと端末を含めた全ての無線ノードの電波伝搬状況を設定する必要がある。そのため、設定に先立って全ての無線ノード間の電波伝搬状況を把握しなければならない。電波伝搬状況を把握する手段として、実機を用いて受信電力を測定する方法や、電波伝搬の統計モデルに基づいて計算する方法、または電波伝搬シミュレーションを行う方法などが用いられる。
文献1:特開平11−007421号公報(段落0051−0065、図1、図4、図5)
文献2:“ネットワークシミュレーションソフトOPNET(オプネット)Modelerモデリング手法”[online]、情報工房株式会社、[平成18年9月29日検索]、インターネット<URL:http://www.johokobo.co.jp/opnet/modeler/opnet_modeler_a.html>
しかし、実機を用いた評価には、環境の構築や測定などに大きな作業量を要するという問題がある。さらに、置局設計を行っている段階での品質評価目的で用いる手段としては適切であるとはいえない。
また、統計モデルに基づいた計算や電波伝搬シミュレーションには、対象となる無線ノードが多くなると、計算量が増大し、導出に多大な時間を要してしまうという問題がある。これは、把握すべき電波伝搬状況が、評価対象となる無線ノード間の全ての組み合わせ数となるためである。
さらに、端末が移動する場合には、移動端末の移動先ごとに電波伝搬状況を把握しなければならず、その計算量は膨大なものとなり、より大きな時間を要することになる。
一般的なネットワークシミュレータのもう一つの問題として、シミュレーション実行時に、ある無線ノードの送信パケットの待機や衝突についての判定を行う際に、全ての無線ノードの送信状況と電波伝搬状況に基づいて判定する必要があるという点が挙げられる。そのため、処理量が多く、評価結果を得るのに多大な計算時間を要してしまう。
(目的)
そこで、本発明は、ネットワークシミュレーションを用いて無線LANの通信品質を評価する際に、多大な計算量となる電波伝搬状況の把握処理を軽減させ、短時間での評価を可能とする無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、ネットワークシミュレーションを用いて無線LANの通信品質を評価する際に、多大な計算量となるシミュレーション時の送信パケットの待機や衝突に関する判定処理量を軽減させ、短時間での評価を可能とする無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムを提供することを目的とする。
ネットワークの通信品質を評価するために、ネットワークシミュレータが用いられている(文献1、文献2参照)。これらのシミュレータを用いて無線LANの通信品質評価を行う場合、例えば図8に示されているような手順で行われる。
図8は、一般的なネットワークシミュレータの動作を簡略化して示すフローチャートである。ネットワークシミュレータは、まず、シミュレーションを実行する条件を設定する(ステップS810)。すなわち、ネットワークシミュレータは、トポロジー設定を行う処理(ステップS811)と、電波伝搬状況の設定を行う処理(ステップS812)と、その他シミュレーション条件の設定を行う処理と(ステップS813)とを実行する。ネットワークシミュレータは、ステップS811で、シミュレーションを行うネットワークのトポロジーを定義する。
図9はネットワークシミュレータが定義したトポロジーの一例を示すネットワーク構成図である。図9における構成では、ネットワークのトポロジーには、有線ネットワーク910と、スイッチ920と、アクセスポイント(以下、APと略記する)930と、端末940とが含まれる。
ネットワークシミュレータは、電波伝搬状況を設定する(ステップS812)。電波伝搬状況とは、APおよび端末を含む全無線ノード間の、電波の受信可能関係を示すものである。電波伝搬状況は、無線LANのシミュレーションを行う際に、ある無線ノードから送信したパケットが、無線媒体上で他の無線ノードが送信したパケットと衝突して受信に失敗することや、無線媒体上にパケットが存在することによって送信が延期されることを判定することに利用される。また、電波伝搬状況は、各端末が所属するAPを決定するためにも使用される。そのため、APと端末を含む全ての無線ノード間の電波伝搬状況を把握して、設定する必要がある。
伝搬特性は、実測やシミュレーションによって求められるが、設定対象とする無線ノードが多くなるに従って、実測であれば作業量が、シミュレーションであれば計算量が多くなる。ネットワークシミュレータは、ステップS811で物理的な位置関係を入力しておき、その位置関係から距離減衰を計算する手法などを用いることによって、電波伝搬状況を設定することもある。端末が移動を伴う場合には、移動先ごとに、他の全無線ノードとの間の電波伝搬状況を設定する必要がある。そのため、端末が移動する場合には、さらに多くの作業量や計算量が必要になる。
ネットワークシミュレータは、ステップS813で、その他のシミュレーション条件を設定する。設定する条件としては、トラフィック負荷やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などがある。
トラフィック負荷は、各端末が発生するトラフィックを設定することに相当する。例えば音声通信を想定した場合、通話数に相当する。
また、トラフィック特性は、評価するトラフィックの種類、例えば音声通信、Web閲覧、ファイル転送、データベースアクセスなどに依存する。
伝送路の誤り特性は、無線伝送路では伝送誤りが存在するので、その特性について設定するものである。
以上のように各種条件を設定した後、ネットワークシミュレータは、ネットワークシミュレーションを実施する(ステップS814)。ステップS814では、各端末においてトラフィックが発生してから、行き先のノードに到達するまでの振る舞いをシミュレーションする。具体的には、各端末においてトラフィックが発生し、そのトラフィックがパケットとして構成されて、無線媒体を経てAPに受信され、適切な経路を選択しながら行き先ノードに到達するまでの振る舞いをシミュレーションする。
ネットワークシミュレータは、ステップS814において、全ノートにおけるパケット送受信の振る舞いをシミュレーションする。そのため、評価対象のネットワークが大規模である場合には、膨大な計算量となることがある。特に無線ノードにおけるパケット送受信は、特定少数ノードとのみ接続されている有線ノードと異なり、全ての無線ノードから送出されたパケットに基づいて待機や衝突の判定をする必要がある。その結果、計算量はきわめて大きく(多く)なる。
ステップS814におけるシミュレーションの過程では、各パケットの各処理における遅延時間や無線媒体での衝突による廃棄状況などが記録される。ステップS815では、これらシミュレーション中に記録された情報を、シミュレーション終了後に集計し、評価結果とする処理が実行される。そして、ステップS815の処理で集計した評価結果を外部ファイル、またはディスプレイ上などに利用者が理解できる形で表現する(ステップS816)。利用者は、この評価結果を確認して、評価対象の無線LANにおける通信品質を評価することができる。
以上のように、一般的なネットワークシミュレータでは、電波伝搬状況を設定する際(上述したステップS812)に、APと端末を含めた全ての無線ノードの電波伝搬状況を設定する必要がある。そのため、設定に先立って全ての無線ノード間の電波伝搬状況を把握しなければならない。電波伝搬状況を把握する手段として、実機を用いて受信電力を測定する方法や、電波伝搬の統計モデルに基づいて計算する方法、または電波伝搬シミュレーションを行う方法などが用いられる。
文献1:特開平11−007421号公報(段落0051−0065、図1、図4、図5)
文献2:“ネットワークシミュレーションソフトOPNET(オプネット)Modelerモデリング手法”[online]、情報工房株式会社、[平成18年9月29日検索]、インターネット<URL:http://www.johokobo.co.jp/opnet/modeler/opnet_modeler_a.html>
しかし、実機を用いた評価には、環境の構築や測定などに大きな作業量を要するという問題がある。さらに、置局設計を行っている段階での品質評価目的で用いる手段としては適切であるとはいえない。
また、統計モデルに基づいた計算や電波伝搬シミュレーションには、対象となる無線ノードが多くなると、計算量が増大し、導出に多大な時間を要してしまうという問題がある。これは、把握すべき電波伝搬状況が、評価対象となる無線ノード間の全ての組み合わせ数となるためである。
さらに、端末が移動する場合には、移動端末の移動先ごとに電波伝搬状況を把握しなければならず、その計算量は膨大なものとなり、より大きな時間を要することになる。
一般的なネットワークシミュレータのもう一つの問題として、シミュレーション実行時に、ある無線ノードの送信パケットの待機や衝突についての判定を行う際に、全ての無線ノードの送信状況と電波伝搬状況に基づいて判定する必要があるという点が挙げられる。そのため、処理量が多く、評価結果を得るのに多大な計算時間を要してしまう。
(目的)
そこで、本発明は、ネットワークシミュレーションを用いて無線LANの通信品質を評価する際に、多大な計算量となる電波伝搬状況の把握処理を軽減させ、短時間での評価を可能とする無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、ネットワークシミュレーションを用いて無線LANの通信品質を評価する際に、多大な計算量となるシミュレーション時の送信パケットの待機や衝突に関する判定処理量を軽減させ、短時間での評価を可能とする無線LANシステムの通信品質評価方法、通信品質評価装置および通信品質評価プログラムを提供することを目的とする。
本発明の無線LANの通信品質評価方法によれば、ネットワークシミュレーションを用いた無線LANの通信品質評価方法であって、ネットワークシミュレーションを実行するステップにおいて、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす。
本発明の無線LANシステムの通信品質評価装置によれば、ネットワークシミュレーションを実行する、無線LANシステムの通信品質評価装置であって、ネットワークシミュレーションを実行するネットワークシミュレーション部を含み、ネットワークシミュレーション部は、ネットワークシミュレーションを実行する際に、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす。
本発明の通信品質評価プログラムによれば、コンピュータに、シミュレーション実行処理で、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす処理を実行させる。
(効果)
本発明によれば、無線LANシステムの通信品質評価において、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明の無線LANシステムの通信品質評価装置によれば、ネットワークシミュレーションを実行する、無線LANシステムの通信品質評価装置であって、ネットワークシミュレーションを実行するネットワークシミュレーション部を含み、ネットワークシミュレーション部は、ネットワークシミュレーションを実行する際に、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす。
本発明の通信品質評価プログラムによれば、コンピュータに、シミュレーション実行処理で、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす処理を実行させる。
(効果)
本発明によれば、無線LANシステムの通信品質評価において、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施例による通信品質評価装置の一構成例を示すブロック図である。
図2は、第1の実施例による通信品質評価装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、電波伝搬状況の一例を示す説明図である。
図4は、APと端末の所属関係の一例を示す図である。
図5は、第2の実施例における無線ノードの扱い方の一例を示す説明図である。
図6は、通信品質評価装置をASPサービスとして活用する場合の一構成例を示すシステム構成図である。
図7は、図6における品質評価の手順を示すフローチャートである。
図8は、一般的なネットワークシミュレータの動作を簡略化して示すフローチャートである。
図9は、ネットワークシミュレータが定義したトポロジーの一例を示すネットワーク構成図である。
図2は、第1の実施例による通信品質評価装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、電波伝搬状況の一例を示す説明図である。
図4は、APと端末の所属関係の一例を示す図である。
図5は、第2の実施例における無線ノードの扱い方の一例を示す説明図である。
図6は、通信品質評価装置をASPサービスとして活用する場合の一構成例を示すシステム構成図である。
図7は、図6における品質評価の手順を示すフローチャートである。
図8は、一般的なネットワークシミュレータの動作を簡略化して示すフローチャートである。
図9は、ネットワークシミュレータが定義したトポロジーの一例を示すネットワーク構成図である。
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例による通信品質評価装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示されているように、第1の実施例による通信品質評価装置100は、トポロジー設定部101と、AP間電波伝搬状況設定部102と、端末所属AP設定部103と、その他シミュレーション条件設定部104と、ネットワークシミュレーション部105と、シミュレーション結果集計部106と、評価結果出力部107とを含む。通信品質評価装置100は、例えば、プログラムに従って処理を行うコンピュータで実現可能である。
トポロジー設定部101は、シミュレーションの対象となるネットワークのトポロジーを設定し、ネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。トポロジー設定部101は、例えば単純な設定例として、AP数のみを設定する。
AP間電波伝搬状況設定部102は、あるAPが送信する電波が他のAPへ到達するか否かを示す電波伝搬状況を設定し、ネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。ネットワークシミュレーション部105は、AP間電波伝搬状況設定部102から提供された情報を元に、パケット送信における待機や衝突の判定を行う。
端末所属AP設定部103は、トポロジー設定部101によって設定されたトポロジーに含まれる各端末が、どのアクセスポイントに所属するのかを設定する。そして、端末所属AP設定部103は、設定した内容をネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。端末所属AP設定部103においては、各APに所属する端末数のみを設定してもよい。
その他シミュレーション条件設定部104は、トラフィック量やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などのネットワークシミュレーションに必要な条件を設定し、ネットワークシミュレーション部105に提供する機能を有する。
ネットワークシミュレーション部105は、各設定部から提供されたシミュレーション条件に基づいて、各ノードにおいて発生したトラフィックのパケットの送信から受信までがシミュレーションされ、遅延や損失に関する情報を記録する。
ネットワークシミュレーション部105によるシミュレーションでは、無線伝搬における振る舞いがシミュレートされる。具体的には、ネットワークシミュレーション部105は、AP間電波伝搬状況設定部102および端末所属AP設定部103によって設定された電波伝搬状況と各端末の所属APの情報とを元にパケットの待機や衝突について判定し、無線伝搬における振る舞いをシミュレーションする。
ネットワークシミュレーション部105によるシミュレーションが終了すると、シミュレーション結果集計部106によって、シミュレーション結果が集計される。具体的には、シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション中に記録した各ノードにおけるパケットの遅延や損失率を、システム全体やチャネル毎等に、評価の内容に応じて平均値や最大値、最小値などを導出して評価結果とする。
シミュレーション結果集計部106がシミュレーション結果を集計して導出した評価結果は、評価結果出力部107へ出力される。評価結果の出力方法として、例えば、外部ファイルへの出力やディスプレイ上への表示などがある。
次に、通信品質評価装置100の動作を図面を参照して説明する。図2は、通信品質評価装置100の動作を示すフローチャートである。なお、図2では、図8に示された一般的なネットワークシミュレータにおける処理と同一の処理に対して、図8における符号と同一の符号が付されている。
無線LANシステムの通信品質評価を行う場合、通信品質評価装置100は、最初にシミュレーションを行うための条件設定を行う(ステップS810)。すなわち、具体的には、通信品質評価装置100は、トポロジー設定を行う処理(ステップS811)と、AP−端末間の電波伝搬状況の把握を行う処理(ステップS211)と、端末の所属APを決定する処理(ステップS212)と、AP−AP間の電波伝搬状況を把握する処理(ステップS213)と、AP−AP間の電波伝搬状況と端末の所属APを設定する処理(ステップS214)と、その他のシミュレーション条件を設定する処理(ステップS813)とを実行する。
なお、本実施例による通信品質評価方法では、条件設定における処理が図8に示された処理と異なっている。具体的には、図8におけるステップS812の処理が、ステップS211〜S214の処理に置き換わっている。
図8に示された処理を実行するネットワークシミュレータは、ステップS812で、APと端末を含む全ての無線ノードに関する電波伝搬状況を把握し、設定する必要がある。しかし、第1の実施例による通信品質評価装置100は、AP−端末間およびAP−AP間の電波伝搬状況を把握し(ステップS211〜S214)、端末の所属APとAP−AP間の電波伝搬状況のみを設定する。したがって、端末−端末間の電波伝搬状況について把握する必要はなくなるので、計算量を削減することができる。
条件設定として、通信品質評価装置100は、最初にシミュレーション対象とするネットワークのトポロジーを設定する(ステップS811)。具体的には、トポロジー設定部101がトポロジーを設定する。なお、ステップS811における処理は、一般的なネットワークシミュレータが行う処理と同等である。トポロジー設定部101は、例えば、図9に示されているようなトポロジーを設定する。
なお、無線LAN部分のみを評価する場合には、AP数と端末数のみを設定し、スイッチや有線ネットワークに関する設定を行わないこともある。また、端末に関しては、後述するステップS214で各APへの所属関係を設定するので、ステップS811では、AP数のみを設定してもよい。
次に、AP間電波伝搬状況設定部102は、AP−端末間の電波伝搬状況を把握する(ステップS211)。ステップS211における処理は、次のステップS212における処理で端末の所属APを決定するための、APと端末間の電波伝搬状況を把握する処理である。なお、把握される電波伝搬状況は、あるAPが送信する電波が、他のAPへ到達するか否かを示している。
電波伝搬状況として、例えば受信電力、遅延スプレッド、SNR(信号対雑音電力比)、SIR(信号対干渉電力比)が挙げられるが、受信電力を利用するのが一般的である。
電波伝搬状況を把握する方法として、例えば実機を使用して評価対象となるシステムを実際に組み上げて実測する方法や、電波伝搬特性の統計モデルを用いて計算する方法、レイトレーシング法などを用いて電波伝搬をシミュレーションして導出する方法が挙げられる。
次に、端末所属AP設定部103は、ステップS211で把握した電波伝搬状況を元に、各端末が所属するAPを決定する(ステップS212)。端末の所属APの具体的な決定方法として、特定の受信電力(例えば、−80dBm)以上が得られるAPのうち、最大の受信電力となるAPを選択する方法などが挙げられる(用いられる)。本実施例では、所属APの決定方法について、特に限定しない。
ステップS212で各端末の所属APが決定されると、AP毎に所属する端末数を把握することが可能になる。なお、ステップS212で端末の所属APを把握することができるならば、ステップS211における処理はどのような手法を用いて実行されてもよい。例えば、ステップS211で用いられる電波伝搬状況の把握方法を、APと端末間の距離で判断するものとし、各端末において距離が最も近いAPを所属APであると決定してもよい。また、端末のAPに対する所属関係をあらかじめ決定してシミュレーションを実行する場合には、ステップS211を省略してもよい。その場合、ステップ212における処理で端末の所属APが決定される。さらにステップ212における処理では、各APに所属する端末の台数のみを決定してもよい。
次に、AP間電波伝搬状況設定部102は、AP−AP間の電波伝搬状況を把握する(ステップS213)。電波伝搬状況とは、あるAPが送信する電波が、他のAPへ到達するか否かを示すものである。把握する電波伝搬状況としては、上述したAP−端末間の場合と同様に、受信電力、遅延スプレッド、SNR(信号対雑音電力比)、SIR(信号対干渉電力比)などが挙げられるが、受信電力を利用するのが一般的である。電波伝搬状況を把握する方法としては、実機を使用して評価対象となるシステムを実際に組み上げて実測する方法や、電波伝搬特性の統計モデルを用いて計算する方法、レイトレーシング法などを用いて電波伝搬をシミュレーションして導出する方法などが挙げられる。
ステップS213における処理でAP−AP間の電波伝搬状況を把握した後、AP間電波伝搬状況設定部102および端末所属AP設定部103は、把握した電波伝搬状況と、ステップS212における処理で決定した各端末の所属APの情報とを、シミュレーション条件として設定する(ステップS214)。なお、ステップS214におけるAP間電波伝搬状況設定は、AP間電波伝搬状況設定部102によって実行される。また、各端末の所属APの設定は、端末所属AP設定部103によって実行される。
シミュレーションで必要なAP−AP間の電波伝搬状況は、詳細な受信電力値等の情報ではなく、あるAPが送信したパケットが、他のAPにおいて受信可能であるか、または他のAPが送信したパケットと衝突するかを判断するための情報である。したがって、ステップS214で設定するAP−AP間の電波伝搬状況の最も単純な形態は、あるAPから送信した電波が、あるAPにおいて受信可能であるか否かを示すものである。
AP−AP間の電波伝搬状況は、行列を用いて表現することができる。以下の式(1)は、図3に示されているようなトポロジーの場合において、AP−AP間の電波伝搬状況を元に、受信可能関係を求めてその結果を行列で表現した例である。
図3に示されている例では、APが4台あることを想定している。そして、図3には、AP301はAP302およびAP304と互いに受信可能であるがAP303とは互いに受信不可能、AP302は全APと互いに受信可能、AP303はAP302とのみ互いに受信可能、AP304はAP301およびAP302と互いに受信可能であるがAP303とは互いに受信不可能、という状況が表わされている。
式(1)で表された行列は、各行を受信AP、各列を送信APとみなしている。例えば、式(1)で表された行列には、各行に受信APの状況が表されていて、1行目から順にAP1、AP2、AP3、AP4の状況がそれぞれ表わされている。また、式(1)で表された行列には、各列に送信APの状況が表されていて、左(1列目)から順にAP1、AP2、AP3、AP4の状況がそれぞれ表わされている。
行列の値は、列で表されるAPが送信したときに、行で表されるAPが受信可能な場合は「1」、受信不可能な場合は「0」で表現する。例えば、受信APがAP1、送信APがAP3の場合には、互いに受信不可能であることを示す「0」を、行列の1行3列目に記載する。なお、送受信APが同一のAPの場合(1行1列目、2行2列目、・・・、n行n列目)は、「1」とする。
また、本実施例では、行列の行が受信APを示す、列が送信APを示しているが、逆(すなわち、行列の行が送信APを示し、列が受信APを示す)であってもかまわない。上記のように、AP間の受信可能関係を行列で記載することによって、受信電力の値をそのまま記載するような通常の方法と比較して、あるAPから受信可能な他のAP数を容易に把握できる。また、設定を行うシミュレーションの利用者にとって、平易で扱いやすくなるというメリットがある。
端末の所属APの設定(ステップS214)においては、各端末とAPとの所属関係をひとつひとつ設定するのではなく、各APが何台の端末を所属させているのかという情報だけを設定してもよい。この場合、端末に関する処理(ステップS811およびステップS211)は省略され、各APに何台の端末が所属しているのかを決定(ステップS212)することになる。そして、その決定に基づいて、各APへの所属端末台数のみを設定する(ステップS214)。
また、端末が移動することを考慮したシミュレーションを行う場合には、各時刻におけるAP−端末間の電波伝搬状況を把握し(ステップS211)、把握した各時刻における各端末の所属APの情報を設定する(ステップS214)。そして、後述するステップS215におけるシミュレーションの実行時に時刻毎に各端末の所属APを変化させることによって、移動する端末の振る舞いをシミュレーションする。
次に、その他シミュレーション条件設定部104は、その他のシミュレーション条件を設定する(ステップS813)。なお、ステップS813では、図8に示された方法の場合と同様に、トラフィック負荷やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などが設定される。
トラフィック負荷は、各端末が発生するトラフィックを設定することに相当する。例えば音声通信を想定した場合、トラフィック負荷は、通話数に相当するものである。無線LANの品質評価において、ひとつのAPと当該APに所属する端末とによって構成されるひとつのセルあたりに発生するトラフィック負荷は、収容量を評価するときなどの重要な指標となる。そして、セルあたりのトラフィック負荷は、通常、当該セル内の端末数に依存する。
上記のように設定するためには、各端末が同一のトラフィック負荷を発生するように設定すればよい。その場合、各セルにおけるトラフィック負荷は、当該セル内の端末数に依存した値となる。
トラフィック特性は、評価するトラフィックの種類、例えば音声通信、Web閲覧、ファイル転送、データベースアクセスなどに依存する。伝送路の誤り特性は、また、無線伝送路では伝送誤りが存在するので、その特性を伝送路の誤り特性として設定する。
以上のように、ステップS810における処理は、シミュレーションを行うための各種条件を設定するための処理である。なお、図2に記載されているフローチャートでは、各ステップを順に実行するように記載されているが、互いに依存関係がない項目(例えばステップS813における処理と、その他のステップにおける処理)に関しては、実行順序について特に限定されるものではない。
条件設定が終了すると、設定した条件にしたがって、ネットワークシミュレーション部105は、ネットワークシミュレーションを実行する(ステップS215)。
一般的なネットワークシミュレーション(例えば、図8におけるステップS814の処理)と比較すると、ステップS215における処理では、無線の電波伝搬状況、すなわち、ある無線ノードの電波が他の無線ノードに到達するのかを示す情報の扱い方が異なる。一般的なネットワークシミュレーションでは、全てのAPと全ての端末に関する電波伝搬状況が設定されているので、ある無線ノードが送信したパケットに対して他の無線ノードが受信可能であるか否かは、それぞれ個別の無線ノードの電波伝搬状況に依存している。
一方、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、AP−AP間の電波伝搬状況と端末の所属APについて設定しているのみである(ステップS214)。したがって、端末の電波伝搬状況に関しては、当該端末が所属するAPと同一であるとみなされる。すなわち、端末が送信する電波が、他のAPまたは他の端末に到達するか否かは、当該端末の所属するAPが送信する電波が、当該他のAPまたは当該他の端末に到達するか否かと同一に扱われる。
図4は、AP401〜404および端末411〜416が存在するシステムにおけるAPと端末の所属関係を示す図である。図4では、AP−端末間の直線で示されているように、端末411と端末412はAP401に、端末413はAP402に、端末414と端末415はAP403に、端末416はAP404にそれぞれ所属している。
例えば、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、端末411と端末412の電波伝搬状況はAP401と同一であるとして扱われる。同様に、端末413の電波伝搬状況はAP402と、端末414と端末415の電波伝搬状況はAP403と、端末416の電波伝搬状況はAP404とそれぞれ同一であるとして扱われる。
また、AP401〜A404の電波伝搬状況が図3におけるAP301〜AP304で示されるような受信可能関係であるとすると、例えば、端末412と端末415との間の受信可能関係は、AP401とAP403との受信可能関係と同一である。その場合、図3を参照すると、AP401(図3におけるAP301に相当する)とAP403(図3におけるAP303に相当する)とは互いに受信不可能であると判断されることになる(すなわち、端末412から端末415への到達状況が、AP401からAP403への到達状況と同じであるとみなす)。
シミュレーションにおいては、端末412がパケットを送信する場合に、無線媒体がビジー(端末412が受信可能な電波が無線媒体中に存在している状態)であるのか否かが判定される。その場合、一般的なネットワークシミュレーションでは、AP401〜AP404、および端末411〜端末416の全10台の無線ノードの送信状況と、端末412に対する電波伝搬状況とを個別に確認する必要があった。しかし、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、各APとそれに所属する端末をひとつのセルとみなして、セル毎の送信状況と、そのセルに属するAPの電波伝搬状況とに基づいて判定を行えばよい。すなわち、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、AP数分の送信状況と、電波伝搬状況とを確認すればよい。なお、セル毎の送信状況では、セルに含まれるAPまたは端末のうちのいずれかが送信している場合には送信中、全く送信していない場合を非送信中とみなされる。
ステップS215でネットワークシミュレーションが終了すると、シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション結果を集計し(ステップS815)、評価結果出力部107は評価結果を出力する(ステップS816)。ステップS815およびステップS816における処理は、図8に示された一般的なネットワークシミュレーションにおける処理と同一である。
シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション中に記録したパケットの遅延や損失率を、セル単位やシステム全体として集計し、平均値や最大・最小値を導出する(ステップS815)。そして、評価結果出力部107は、導出された上記の評価結果を、利用者が評価を行うのに適した形式(外部ファイル出力やディスプレイへの表示など)で出力する(ステップS816)。利用者は出力された評価結果から評価対象の無線LANが所望の品質を実現できるかを判断し、その結果を置局設計やパラメータ調整にフィードバックすることができる。
(第1の実施例による効果)
以上のように、第1の実施例による通信品質評価装置100は、端末の電波伝搬状況を当該端末の所属するAPの電波伝搬状況と同一のものとして扱う。すなわち、端末−端末間の電波伝搬状況を設定する必要はない。その結果、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、設定すべき電波伝搬状況の情報量が膨大になることがなく、また、シミュレーションにおける無線媒体のビジー状況の判定時に判定対象数が削減されるので、計算量を削減することができる。
(第2の実施例)
次に、本発明による第2の実施例を図面を参照して説明する。本実施例のネットワークシミュレーションは、図2に示されているフローチャートと同一の手順で実現されるが、無線ノードの取り扱いが、第1の実施例のネットワークシミュレーションの場合とは異なる。
図5は、第2の実施例におけるトポロジーの扱い方(無線ノードの扱い方)の一例を示す説明図である。ステップS811でシミュレーション対象のトポロジーが与えられ、ステップS214で端末の所属APの設定が行われた結果、APと端末の所属関係が図4に示されている所属関係になったとする。その場合、第2の実施例では、ネットワークシミュレーション(ステップS215)において、あるAPと当該APに所属する端末を一組としたセルを考慮し、そのひとつのセルをひとつの仮想無線ノードとみなす(図5参照)。
すなわち、本実施例では、図4におけるAP401と、AP401に所属する端末411と端末412との3台を含むセルは、ひとつの仮想無線ノード501としてみなす。また、当該3台のトラフィックがひとつの仮想無線ノード501から送信され、またAP401、端末411および端末412に向けたトラフィックはいずれの場合も仮想無線ノード501で受信されるとみなす。この場合、仮想無線ノード501の電波伝搬状況は、当該仮想無線ノードに含まれるAPであるAP401の電波伝搬状況と同一であるとみなす(すなわち、端末411および端末412が所属するAP401への到達状況と同じであるとみなす)。
なお、シミュレーションの実行の際には、仮想無線ノード501を新たに定義するのではなく、AP401に端末411と端末412が一体化しているとみなす方がより扱いやすい(すなわち、端末411および端末412のトラフィックの送受信処理がAP401で実行されるとみなす)。具体的には、AP401が端末411と端末412のトラフィックの送受信も行うように制御することによって、上記の振る舞いを実現することができる。
(第2の実施例による効果)
以上のように、本実施例による通信品質評価装置100は、APと当該APに所属している端末に関するシミュレーションを当該APでまとめて行う。そうすることによって、関連技術では、個別のAPと端末ごとにシミュレーションの処理を行っていたのに対して、セル毎にシミュレーションの処理を行えば済むので、処理量が削減され、シミュレーションに要する計算時間を短縮することができる。
次に、本発明の実施例による通信品質評価装置100の活用例を説明する。図6は、通信品質評価装置100をASP(Application Service Provider)サービスとして活用する場合の一構成例を示すシステム構成図である。図6におけるシステムは、通信品質評価装置100と、ASPサーバ601と、ネットワーク602と、利用者端末603とを含む。ASPサーバ601は、ネットワークからのアクセスを受け付けて、情報の入出力を行うサーバであり、Webサーバを用いて構成してもよい。ネットワーク602はASPサーバ601と利用者端末603とを接続する媒体であり、LANやインターネット、その他のいかなるネットワークでもよい。利用者端末603は、品質評価を所望する利用者が使用する端末であり、例えばPCや専用端末である。
次に、図6における通信品質評価の動作を説明する。図7は、図6における品質評価の手順を示すフローチャートである。まず、利用者によって評価を行う際の条件が利用者端末603に入力される(ステップS701)。入力方法として、条件を記載したファイルを生成する方法や、ASPサーバ601が提供するWebインターフェースを用いた入力方法などが想定される。入力した条件はネットワーク602を通してASPサーバ601に提供される。
次に、利用者によって入力された条件を、通信品質評価装置100に設定する(ステップS702)。利用者によって入力された条件はASPサーバ601が保持しているが、ASPサーバ601はこの条件を通信品質評価装置の設定インタフェースに合わせて必要ならば変形し、設定する。この設定処理は、通信品質評価装置100内の各設定部101〜104に対して行われる。条件が設定されると、図6に示すシステムにおいて品質評価が実行される(ステップS703)。
品質評価が終了すると、通信品質評価装置100内の評価結果出力部107で評価結果が出力される。そして、ASPサーバ601は、評価結果出力部107が出力した評価結果を受け取る。ASPサーバ601は、受け取った出力(評価結果)を、必要に応じて変形し、ネットワークを通して利用者端末603に提供する(ステップ704)。利用者への提供方法としては、ファイル化した評価結果を利用者端末603からダウンロードさせる方法や、Webページ上に掲載して、利用者端末603からWebブラウザによってアクセスさせる方法などが考えられる。
本発明の上記実施例によれば、端末の電波伝搬状況を、所属するAPの電波伝搬状況と同一であるとみなすため、APの電波伝搬状況のみを設定することになり、把握しなければならない電波伝搬状況がAP間のみとなるため、計算量が低減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の上記実施例によれば、端末の電波伝搬状況を、所属するAPの電波伝搬状況と同一であるとみなすため、シミュレーション実行時に、ある無線ノードの送信パケットの待機や衝突についての判定を行うにあたり、全ての無線ノードの送信状況と電波伝搬状況を確認する必要はなく、APとそのAPに所属する端末を一組としたセル単位での送信状況と電波伝搬状況を確認すればよいため、計算量が低減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の上記実施例によれば、APとそのAPに所属する端末の振る舞いを当該APに一体化させて扱うことよって、全APと全端末を含めた全ノード数分行っていたシミュレーション中の処理が、全AP数分の処理に削減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
以上好ましい実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施例に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
この出願は、2006年10月6日に出願された日本出願特願2006−274907号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例による通信品質評価装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示されているように、第1の実施例による通信品質評価装置100は、トポロジー設定部101と、AP間電波伝搬状況設定部102と、端末所属AP設定部103と、その他シミュレーション条件設定部104と、ネットワークシミュレーション部105と、シミュレーション結果集計部106と、評価結果出力部107とを含む。通信品質評価装置100は、例えば、プログラムに従って処理を行うコンピュータで実現可能である。
トポロジー設定部101は、シミュレーションの対象となるネットワークのトポロジーを設定し、ネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。トポロジー設定部101は、例えば単純な設定例として、AP数のみを設定する。
AP間電波伝搬状況設定部102は、あるAPが送信する電波が他のAPへ到達するか否かを示す電波伝搬状況を設定し、ネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。ネットワークシミュレーション部105は、AP間電波伝搬状況設定部102から提供された情報を元に、パケット送信における待機や衝突の判定を行う。
端末所属AP設定部103は、トポロジー設定部101によって設定されたトポロジーに含まれる各端末が、どのアクセスポイントに所属するのかを設定する。そして、端末所属AP設定部103は、設定した内容をネットワークシミュレーション部105にシミュレーション条件として提供する機能を有する。端末所属AP設定部103においては、各APに所属する端末数のみを設定してもよい。
その他シミュレーション条件設定部104は、トラフィック量やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などのネットワークシミュレーションに必要な条件を設定し、ネットワークシミュレーション部105に提供する機能を有する。
ネットワークシミュレーション部105は、各設定部から提供されたシミュレーション条件に基づいて、各ノードにおいて発生したトラフィックのパケットの送信から受信までがシミュレーションされ、遅延や損失に関する情報を記録する。
ネットワークシミュレーション部105によるシミュレーションでは、無線伝搬における振る舞いがシミュレートされる。具体的には、ネットワークシミュレーション部105は、AP間電波伝搬状況設定部102および端末所属AP設定部103によって設定された電波伝搬状況と各端末の所属APの情報とを元にパケットの待機や衝突について判定し、無線伝搬における振る舞いをシミュレーションする。
ネットワークシミュレーション部105によるシミュレーションが終了すると、シミュレーション結果集計部106によって、シミュレーション結果が集計される。具体的には、シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション中に記録した各ノードにおけるパケットの遅延や損失率を、システム全体やチャネル毎等に、評価の内容に応じて平均値や最大値、最小値などを導出して評価結果とする。
シミュレーション結果集計部106がシミュレーション結果を集計して導出した評価結果は、評価結果出力部107へ出力される。評価結果の出力方法として、例えば、外部ファイルへの出力やディスプレイ上への表示などがある。
次に、通信品質評価装置100の動作を図面を参照して説明する。図2は、通信品質評価装置100の動作を示すフローチャートである。なお、図2では、図8に示された一般的なネットワークシミュレータにおける処理と同一の処理に対して、図8における符号と同一の符号が付されている。
無線LANシステムの通信品質評価を行う場合、通信品質評価装置100は、最初にシミュレーションを行うための条件設定を行う(ステップS810)。すなわち、具体的には、通信品質評価装置100は、トポロジー設定を行う処理(ステップS811)と、AP−端末間の電波伝搬状況の把握を行う処理(ステップS211)と、端末の所属APを決定する処理(ステップS212)と、AP−AP間の電波伝搬状況を把握する処理(ステップS213)と、AP−AP間の電波伝搬状況と端末の所属APを設定する処理(ステップS214)と、その他のシミュレーション条件を設定する処理(ステップS813)とを実行する。
なお、本実施例による通信品質評価方法では、条件設定における処理が図8に示された処理と異なっている。具体的には、図8におけるステップS812の処理が、ステップS211〜S214の処理に置き換わっている。
図8に示された処理を実行するネットワークシミュレータは、ステップS812で、APと端末を含む全ての無線ノードに関する電波伝搬状況を把握し、設定する必要がある。しかし、第1の実施例による通信品質評価装置100は、AP−端末間およびAP−AP間の電波伝搬状況を把握し(ステップS211〜S214)、端末の所属APとAP−AP間の電波伝搬状況のみを設定する。したがって、端末−端末間の電波伝搬状況について把握する必要はなくなるので、計算量を削減することができる。
条件設定として、通信品質評価装置100は、最初にシミュレーション対象とするネットワークのトポロジーを設定する(ステップS811)。具体的には、トポロジー設定部101がトポロジーを設定する。なお、ステップS811における処理は、一般的なネットワークシミュレータが行う処理と同等である。トポロジー設定部101は、例えば、図9に示されているようなトポロジーを設定する。
なお、無線LAN部分のみを評価する場合には、AP数と端末数のみを設定し、スイッチや有線ネットワークに関する設定を行わないこともある。また、端末に関しては、後述するステップS214で各APへの所属関係を設定するので、ステップS811では、AP数のみを設定してもよい。
次に、AP間電波伝搬状況設定部102は、AP−端末間の電波伝搬状況を把握する(ステップS211)。ステップS211における処理は、次のステップS212における処理で端末の所属APを決定するための、APと端末間の電波伝搬状況を把握する処理である。なお、把握される電波伝搬状況は、あるAPが送信する電波が、他のAPへ到達するか否かを示している。
電波伝搬状況として、例えば受信電力、遅延スプレッド、SNR(信号対雑音電力比)、SIR(信号対干渉電力比)が挙げられるが、受信電力を利用するのが一般的である。
電波伝搬状況を把握する方法として、例えば実機を使用して評価対象となるシステムを実際に組み上げて実測する方法や、電波伝搬特性の統計モデルを用いて計算する方法、レイトレーシング法などを用いて電波伝搬をシミュレーションして導出する方法が挙げられる。
次に、端末所属AP設定部103は、ステップS211で把握した電波伝搬状況を元に、各端末が所属するAPを決定する(ステップS212)。端末の所属APの具体的な決定方法として、特定の受信電力(例えば、−80dBm)以上が得られるAPのうち、最大の受信電力となるAPを選択する方法などが挙げられる(用いられる)。本実施例では、所属APの決定方法について、特に限定しない。
ステップS212で各端末の所属APが決定されると、AP毎に所属する端末数を把握することが可能になる。なお、ステップS212で端末の所属APを把握することができるならば、ステップS211における処理はどのような手法を用いて実行されてもよい。例えば、ステップS211で用いられる電波伝搬状況の把握方法を、APと端末間の距離で判断するものとし、各端末において距離が最も近いAPを所属APであると決定してもよい。また、端末のAPに対する所属関係をあらかじめ決定してシミュレーションを実行する場合には、ステップS211を省略してもよい。その場合、ステップ212における処理で端末の所属APが決定される。さらにステップ212における処理では、各APに所属する端末の台数のみを決定してもよい。
次に、AP間電波伝搬状況設定部102は、AP−AP間の電波伝搬状況を把握する(ステップS213)。電波伝搬状況とは、あるAPが送信する電波が、他のAPへ到達するか否かを示すものである。把握する電波伝搬状況としては、上述したAP−端末間の場合と同様に、受信電力、遅延スプレッド、SNR(信号対雑音電力比)、SIR(信号対干渉電力比)などが挙げられるが、受信電力を利用するのが一般的である。電波伝搬状況を把握する方法としては、実機を使用して評価対象となるシステムを実際に組み上げて実測する方法や、電波伝搬特性の統計モデルを用いて計算する方法、レイトレーシング法などを用いて電波伝搬をシミュレーションして導出する方法などが挙げられる。
ステップS213における処理でAP−AP間の電波伝搬状況を把握した後、AP間電波伝搬状況設定部102および端末所属AP設定部103は、把握した電波伝搬状況と、ステップS212における処理で決定した各端末の所属APの情報とを、シミュレーション条件として設定する(ステップS214)。なお、ステップS214におけるAP間電波伝搬状況設定は、AP間電波伝搬状況設定部102によって実行される。また、各端末の所属APの設定は、端末所属AP設定部103によって実行される。
シミュレーションで必要なAP−AP間の電波伝搬状況は、詳細な受信電力値等の情報ではなく、あるAPが送信したパケットが、他のAPにおいて受信可能であるか、または他のAPが送信したパケットと衝突するかを判断するための情報である。したがって、ステップS214で設定するAP−AP間の電波伝搬状況の最も単純な形態は、あるAPから送信した電波が、あるAPにおいて受信可能であるか否かを示すものである。
AP−AP間の電波伝搬状況は、行列を用いて表現することができる。以下の式(1)は、図3に示されているようなトポロジーの場合において、AP−AP間の電波伝搬状況を元に、受信可能関係を求めてその結果を行列で表現した例である。
式(1)で表された行列は、各行を受信AP、各列を送信APとみなしている。例えば、式(1)で表された行列には、各行に受信APの状況が表されていて、1行目から順にAP1、AP2、AP3、AP4の状況がそれぞれ表わされている。また、式(1)で表された行列には、各列に送信APの状況が表されていて、左(1列目)から順にAP1、AP2、AP3、AP4の状況がそれぞれ表わされている。
行列の値は、列で表されるAPが送信したときに、行で表されるAPが受信可能な場合は「1」、受信不可能な場合は「0」で表現する。例えば、受信APがAP1、送信APがAP3の場合には、互いに受信不可能であることを示す「0」を、行列の1行3列目に記載する。なお、送受信APが同一のAPの場合(1行1列目、2行2列目、・・・、n行n列目)は、「1」とする。
また、本実施例では、行列の行が受信APを示す、列が送信APを示しているが、逆(すなわち、行列の行が送信APを示し、列が受信APを示す)であってもかまわない。上記のように、AP間の受信可能関係を行列で記載することによって、受信電力の値をそのまま記載するような通常の方法と比較して、あるAPから受信可能な他のAP数を容易に把握できる。また、設定を行うシミュレーションの利用者にとって、平易で扱いやすくなるというメリットがある。
端末の所属APの設定(ステップS214)においては、各端末とAPとの所属関係をひとつひとつ設定するのではなく、各APが何台の端末を所属させているのかという情報だけを設定してもよい。この場合、端末に関する処理(ステップS811およびステップS211)は省略され、各APに何台の端末が所属しているのかを決定(ステップS212)することになる。そして、その決定に基づいて、各APへの所属端末台数のみを設定する(ステップS214)。
また、端末が移動することを考慮したシミュレーションを行う場合には、各時刻におけるAP−端末間の電波伝搬状況を把握し(ステップS211)、把握した各時刻における各端末の所属APの情報を設定する(ステップS214)。そして、後述するステップS215におけるシミュレーションの実行時に時刻毎に各端末の所属APを変化させることによって、移動する端末の振る舞いをシミュレーションする。
次に、その他シミュレーション条件設定部104は、その他のシミュレーション条件を設定する(ステップS813)。なお、ステップS813では、図8に示された方法の場合と同様に、トラフィック負荷やトラフィック特性、伝送路の誤り特性などが設定される。
トラフィック負荷は、各端末が発生するトラフィックを設定することに相当する。例えば音声通信を想定した場合、トラフィック負荷は、通話数に相当するものである。無線LANの品質評価において、ひとつのAPと当該APに所属する端末とによって構成されるひとつのセルあたりに発生するトラフィック負荷は、収容量を評価するときなどの重要な指標となる。そして、セルあたりのトラフィック負荷は、通常、当該セル内の端末数に依存する。
上記のように設定するためには、各端末が同一のトラフィック負荷を発生するように設定すればよい。その場合、各セルにおけるトラフィック負荷は、当該セル内の端末数に依存した値となる。
トラフィック特性は、評価するトラフィックの種類、例えば音声通信、Web閲覧、ファイル転送、データベースアクセスなどに依存する。伝送路の誤り特性は、また、無線伝送路では伝送誤りが存在するので、その特性を伝送路の誤り特性として設定する。
以上のように、ステップS810における処理は、シミュレーションを行うための各種条件を設定するための処理である。なお、図2に記載されているフローチャートでは、各ステップを順に実行するように記載されているが、互いに依存関係がない項目(例えばステップS813における処理と、その他のステップにおける処理)に関しては、実行順序について特に限定されるものではない。
条件設定が終了すると、設定した条件にしたがって、ネットワークシミュレーション部105は、ネットワークシミュレーションを実行する(ステップS215)。
一般的なネットワークシミュレーション(例えば、図8におけるステップS814の処理)と比較すると、ステップS215における処理では、無線の電波伝搬状況、すなわち、ある無線ノードの電波が他の無線ノードに到達するのかを示す情報の扱い方が異なる。一般的なネットワークシミュレーションでは、全てのAPと全ての端末に関する電波伝搬状況が設定されているので、ある無線ノードが送信したパケットに対して他の無線ノードが受信可能であるか否かは、それぞれ個別の無線ノードの電波伝搬状況に依存している。
一方、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、AP−AP間の電波伝搬状況と端末の所属APについて設定しているのみである(ステップS214)。したがって、端末の電波伝搬状況に関しては、当該端末が所属するAPと同一であるとみなされる。すなわち、端末が送信する電波が、他のAPまたは他の端末に到達するか否かは、当該端末の所属するAPが送信する電波が、当該他のAPまたは当該他の端末に到達するか否かと同一に扱われる。
図4は、AP401〜404および端末411〜416が存在するシステムにおけるAPと端末の所属関係を示す図である。図4では、AP−端末間の直線で示されているように、端末411と端末412はAP401に、端末413はAP402に、端末414と端末415はAP403に、端末416はAP404にそれぞれ所属している。
例えば、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、端末411と端末412の電波伝搬状況はAP401と同一であるとして扱われる。同様に、端末413の電波伝搬状況はAP402と、端末414と端末415の電波伝搬状況はAP403と、端末416の電波伝搬状況はAP404とそれぞれ同一であるとして扱われる。
また、AP401〜A404の電波伝搬状況が図3におけるAP301〜AP304で示されるような受信可能関係であるとすると、例えば、端末412と端末415との間の受信可能関係は、AP401とAP403との受信可能関係と同一である。その場合、図3を参照すると、AP401(図3におけるAP301に相当する)とAP403(図3におけるAP303に相当する)とは互いに受信不可能であると判断されることになる(すなわち、端末412から端末415への到達状況が、AP401からAP403への到達状況と同じであるとみなす)。
シミュレーションにおいては、端末412がパケットを送信する場合に、無線媒体がビジー(端末412が受信可能な電波が無線媒体中に存在している状態)であるのか否かが判定される。その場合、一般的なネットワークシミュレーションでは、AP401〜AP404、および端末411〜端末416の全10台の無線ノードの送信状況と、端末412に対する電波伝搬状況とを個別に確認する必要があった。しかし、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、各APとそれに所属する端末をひとつのセルとみなして、セル毎の送信状況と、そのセルに属するAPの電波伝搬状況とに基づいて判定を行えばよい。すなわち、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、AP数分の送信状況と、電波伝搬状況とを確認すればよい。なお、セル毎の送信状況では、セルに含まれるAPまたは端末のうちのいずれかが送信している場合には送信中、全く送信していない場合を非送信中とみなされる。
ステップS215でネットワークシミュレーションが終了すると、シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション結果を集計し(ステップS815)、評価結果出力部107は評価結果を出力する(ステップS816)。ステップS815およびステップS816における処理は、図8に示された一般的なネットワークシミュレーションにおける処理と同一である。
シミュレーション結果集計部106は、シミュレーション中に記録したパケットの遅延や損失率を、セル単位やシステム全体として集計し、平均値や最大・最小値を導出する(ステップS815)。そして、評価結果出力部107は、導出された上記の評価結果を、利用者が評価を行うのに適した形式(外部ファイル出力やディスプレイへの表示など)で出力する(ステップS816)。利用者は出力された評価結果から評価対象の無線LANが所望の品質を実現できるかを判断し、その結果を置局設計やパラメータ調整にフィードバックすることができる。
(第1の実施例による効果)
以上のように、第1の実施例による通信品質評価装置100は、端末の電波伝搬状況を当該端末の所属するAPの電波伝搬状況と同一のものとして扱う。すなわち、端末−端末間の電波伝搬状況を設定する必要はない。その結果、本実施例によるネットワークシミュレーションでは、設定すべき電波伝搬状況の情報量が膨大になることがなく、また、シミュレーションにおける無線媒体のビジー状況の判定時に判定対象数が削減されるので、計算量を削減することができる。
(第2の実施例)
次に、本発明による第2の実施例を図面を参照して説明する。本実施例のネットワークシミュレーションは、図2に示されているフローチャートと同一の手順で実現されるが、無線ノードの取り扱いが、第1の実施例のネットワークシミュレーションの場合とは異なる。
図5は、第2の実施例におけるトポロジーの扱い方(無線ノードの扱い方)の一例を示す説明図である。ステップS811でシミュレーション対象のトポロジーが与えられ、ステップS214で端末の所属APの設定が行われた結果、APと端末の所属関係が図4に示されている所属関係になったとする。その場合、第2の実施例では、ネットワークシミュレーション(ステップS215)において、あるAPと当該APに所属する端末を一組としたセルを考慮し、そのひとつのセルをひとつの仮想無線ノードとみなす(図5参照)。
すなわち、本実施例では、図4におけるAP401と、AP401に所属する端末411と端末412との3台を含むセルは、ひとつの仮想無線ノード501としてみなす。また、当該3台のトラフィックがひとつの仮想無線ノード501から送信され、またAP401、端末411および端末412に向けたトラフィックはいずれの場合も仮想無線ノード501で受信されるとみなす。この場合、仮想無線ノード501の電波伝搬状況は、当該仮想無線ノードに含まれるAPであるAP401の電波伝搬状況と同一であるとみなす(すなわち、端末411および端末412が所属するAP401への到達状況と同じであるとみなす)。
なお、シミュレーションの実行の際には、仮想無線ノード501を新たに定義するのではなく、AP401に端末411と端末412が一体化しているとみなす方がより扱いやすい(すなわち、端末411および端末412のトラフィックの送受信処理がAP401で実行されるとみなす)。具体的には、AP401が端末411と端末412のトラフィックの送受信も行うように制御することによって、上記の振る舞いを実現することができる。
(第2の実施例による効果)
以上のように、本実施例による通信品質評価装置100は、APと当該APに所属している端末に関するシミュレーションを当該APでまとめて行う。そうすることによって、関連技術では、個別のAPと端末ごとにシミュレーションの処理を行っていたのに対して、セル毎にシミュレーションの処理を行えば済むので、処理量が削減され、シミュレーションに要する計算時間を短縮することができる。
次に、本発明の実施例による通信品質評価装置100の活用例を説明する。図6は、通信品質評価装置100をASP(Application Service Provider)サービスとして活用する場合の一構成例を示すシステム構成図である。図6におけるシステムは、通信品質評価装置100と、ASPサーバ601と、ネットワーク602と、利用者端末603とを含む。ASPサーバ601は、ネットワークからのアクセスを受け付けて、情報の入出力を行うサーバであり、Webサーバを用いて構成してもよい。ネットワーク602はASPサーバ601と利用者端末603とを接続する媒体であり、LANやインターネット、その他のいかなるネットワークでもよい。利用者端末603は、品質評価を所望する利用者が使用する端末であり、例えばPCや専用端末である。
次に、図6における通信品質評価の動作を説明する。図7は、図6における品質評価の手順を示すフローチャートである。まず、利用者によって評価を行う際の条件が利用者端末603に入力される(ステップS701)。入力方法として、条件を記載したファイルを生成する方法や、ASPサーバ601が提供するWebインターフェースを用いた入力方法などが想定される。入力した条件はネットワーク602を通してASPサーバ601に提供される。
次に、利用者によって入力された条件を、通信品質評価装置100に設定する(ステップS702)。利用者によって入力された条件はASPサーバ601が保持しているが、ASPサーバ601はこの条件を通信品質評価装置の設定インタフェースに合わせて必要ならば変形し、設定する。この設定処理は、通信品質評価装置100内の各設定部101〜104に対して行われる。条件が設定されると、図6に示すシステムにおいて品質評価が実行される(ステップS703)。
品質評価が終了すると、通信品質評価装置100内の評価結果出力部107で評価結果が出力される。そして、ASPサーバ601は、評価結果出力部107が出力した評価結果を受け取る。ASPサーバ601は、受け取った出力(評価結果)を、必要に応じて変形し、ネットワークを通して利用者端末603に提供する(ステップ704)。利用者への提供方法としては、ファイル化した評価結果を利用者端末603からダウンロードさせる方法や、Webページ上に掲載して、利用者端末603からWebブラウザによってアクセスさせる方法などが考えられる。
本発明の上記実施例によれば、端末の電波伝搬状況を、所属するAPの電波伝搬状況と同一であるとみなすため、APの電波伝搬状況のみを設定することになり、把握しなければならない電波伝搬状況がAP間のみとなるため、計算量が低減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の上記実施例によれば、端末の電波伝搬状況を、所属するAPの電波伝搬状況と同一であるとみなすため、シミュレーション実行時に、ある無線ノードの送信パケットの待機や衝突についての判定を行うにあたり、全ての無線ノードの送信状況と電波伝搬状況を確認する必要はなく、APとそのAPに所属する端末を一組としたセル単位での送信状況と電波伝搬状況を確認すればよいため、計算量が低減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の上記実施例によれば、APとそのAPに所属する端末の振る舞いを当該APに一体化させて扱うことよって、全APと全端末を含めた全ノード数分行っていたシミュレーション中の処理が、全AP数分の処理に削減される。その結果、通信品質の評価結果を得るのに要する時間を短縮することが可能となる。
以上好ましい実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施例に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
この出願は、2006年10月6日に出願された日本出願特願2006−274907号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明を通信ネットワークシステムに適用することが可能である。
Claims (13)
- ネットワークシミュレーションを用いた無線LANの通信品質評価方法であって、
ネットワークシミュレーションを実行するステップにおいて、
前記端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす
ことを特徴とする無線LANシステムの通信品質評価方法。 - アクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントへの到達状況を設定するステップと、
アクセスポイントへの端末の所属関係を設定するステップとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステムの品質評価方法。 - ネットワークシミュレーションを実行するステップで、前記端末のトラフィックの送受信処理が、当該端末の所属するアクセスポイントで実行されるとみなす
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線LANシステムの品質評価方法。 - アクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントへの到達状況を設定するステップで、アクセスポイント数と同一の行および列を有する行列を用いて、当該行列における行と列を、受信アクセスポイントと送信アクセスポイントとに対応付け、前記受信アクセスポイントにおける受信可能状況を1および0を用いて設定する
ことを特徴とする請求項1から請求項2の何れかに記載の無線LANシステムの品質評価方法。 - ネットワークシミュレーションを実行する、無線LANシステムの通信品質評価装置であって、
前記ネットワークシミュレーションを実行するネットワークシミュレーション部を備え、
前記ネットワークシミュレーション部は、ネットワークシミュレーションを実行する際に、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす
ことを特徴とする無線LANシステムの通信品質評価装置。 - シミュレーションの対象となるネットワークのトポロジーを設定するトポロジー設定部と、
アクセスポイントが送信する電波が他のアクセスポイントに到達するか否かを示す電波伝搬状況を設定するアクセスポイント間電波伝搬状況設定部と、
前記トポロジー設定部によって設定されたトポロジーに含まれる端末が、どのアクセスポイントに属するのかを設定する端末所属アクセスポイント設定部とを備え、
前記ネットワークシミュレーション部は、前記各設定部が設定した条件にもとづいてネットワークシミュレーションを実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線LANシステムの通信品質評価装置。 - ネットワークシミュレーション部は、端末のトラフィックの送受信処理が、当該端末が所属するアクセスポイントで実行されるとみなす
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の無線LANシステムの通信品質評価装置。 - アクセスポイント間電波伝搬状況設定部は、アクセスポイント数と同一の行および列を有する行列を用いて、当該行列における行と列を、受信アクセスポイントと送信アクセスポイントとに対応付け、当該受信アクセスポイントにおける受信可能況を1および0を用いて設定することを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の無線LANシステムの通信品質評価装置。
- ネットワークを介して、当該通信品質評価装置が出力した評価結果を他の端末に提供する評価結果提供手段を備えたことを特徴とする請求項5から請求項8の何れかに記載の無線LANシステムの通信品質評価装置。
- コンピュータに、
シミュレーション実行処理で、端末が送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末への到達状況を、当該端末が所属するアクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントまたは他の端末が所属するアクセスポイントへの到達状況と同じであるとみなす処理
を実行させるための通信品質評価プログラム。 - コンピュータに、
アクセスポイントが送信する電波の他のアクセスポイントへの到達状況を設定する到達状況設定処理と、
アクセスポイントへの端末の所属関係を設定する所属関係設定処理と、
前記到達状況設定処理および前記所属関係設定処理で設定された条件にもとづいてネットワークシミュレーションを実行するシミュレーション実行処理とを実行させるための
請求項10に記載の通信品質評価プログラム。 - コンピュータに、
シミュレーション実行処理で、端末のトラフィックの送受信処理が、当該端末の所属するアクセスポイントで実行されるとみなす処理を実行させるための
請求項10または請求項11に記載の通信品質評価プログラム。 - コンピュータに、
到達状況設定処理で、アクセスポイント数と同一の行および列を有する行列を用いて、当該行列における行と列を、受信アクセスポイントと送信アクセスポイントとに対応付け、前記受信アクセスポイントにおける受信可能状況を1および0を用いて設定する処理を実行させるための請求項10から請求項12の何れかに記載の通信品質評価プログラム。
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