JPWO2004034406A1 - 水素凝結体およびそれを用いた発熱方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、人類が求めている安全でしかも資源の永久性が保証される新エネルギーおよび有用であるが存在率が極めて少ないヘリウムガスの生産を可能にする。さらに、本発明は、エネルギー理工学、材料理工学、冷媒工学、航空工学などの広分野にわたる新しい科学と技術の発展、また、人類が存続するためのあらゆる活動、ひいては地球環境の保全に計り知れないほど寄与する。
近年、エネルギー源として、パラジウム(Pd)電極の電気分解を利用する方法が開発されている。しかし、開発されたほとんどの方法によっても、エネルギー源としての実用化が疑問視されている。
例えば、本願発明者らが唯一成功したDS−カソード(Double structure Cathode)を利用した方法によっても、熱の発生効率が悪く、工業化は不可能な実情にあった(「Yoshiaki Arata,M.J.A.,and Yue−Chang Zhang,Formation of condensed metallic deuterium latice and nuclear fusion,Proceedings of the Japan Academy,日本学士院,2002年3月28日,第78巻,Ser.B,第3号,p.57−62.」参照)。
上述した方法において用いられるDS−カソードは、例えば、超微粒子のPdブラックを用いたDS−カソード(国際公開第95/35574号参照)または金属ナノ粒子(特開2002−105609号公報参照)を用いたDS−カソードである。
さらに、本願発明者らは、重水(D2O)をインプラントしたバルク(金属塊)やフォイル(金属箔)に超音波エネルギーを加えることによって熱を発生させることを試みた。しかし、熱の発生効率が悪く、工業化が疑問視される(「Yoshiaki Arata,M.J.A.,and Yue−Chang Zhang,Nuclear fusion reacted inside metals by intese sonoplantation effect,Proceedings of the Japan Academy,日本学士院,2002年3月28日,第78巻,Ser,B,第3号,p.63−68.」参照)。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、(1)従来のものより多くの水素同位体原子を金属原子間に固溶した水素凝結体を提供すること、(2)その水素凝結体を用いて熱を発生させる発熱方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、約半世紀にわたる刻苦勉励と鋭意研究を重ねた結果、従来の定説を覆した。従来の定説とは、最も水素を固溶することが知られているパラジウム(Pd)粒子に重水素を固溶させた場合は、(重水素原子の数/パラジウム原子の数)が70〜80%であり、100%を超えることは不可能であるという説である。しかも、驚くべきことに、本願発明者は、実用的な加圧下(約0.3〜約100気圧の加圧下)で水素ガスへの数億気圧に相当する加圧効果を実現し、実用的な加圧下で作製された水素凝結体を核融合反応に活用した。この発明は、本願発明者のかかる偉業と洞察に基づき完成された。本発明の発熱方法により発生するエネルギーを「ARATA ENERGY」と呼ぶ。
本発明の方法は、水素凝結体を用いて熱を発生させる発熱方法であって、前記水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属ナノ超微粒子と、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、前記発熱方法は、前記水素凝結体にエネルギーを加える工程と、前記エネルギーによって前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、熱を発生させる工程とを包含し、これにより、上記目的が達成される。
前記複数の金属原子は、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の金属群から選ばれる少なくとも1種の金属の原子であってもよい。
本発明の他の方法は、水素凝結体を用いて熱を発生させる発熱方法であって、前記水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属合金のコンポジットと、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、前記発熱方法は、前記水素凝結体にエネルギーを加える工程と、前記エネルギーによって前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、熱を発生させる工程とを包含し、これにより、上記目的が達成される。
前記エネルギーは、超音波、強磁場、高圧、レーザ、レーザ爆縮、高密度電子ビーム、高密度電流、放電および化学反応のうちの少なくとも1つに基づいて生成されるエネルギーであってもよい。
前記熱を発生させる工程において、前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、前記熱に加えてヘリウム分子が発生する。
本発明の水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属ナノ超微粒子と、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、これにより、上記目的が達成される。
前記複数の金属原子は、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の金属群から選ばれる少なくとも1種の金属の原子であってもよい。
本発明の他の水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属合金のコンポジットと、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、これにより、上記目的が達成される。
図2は、発熱装置200の構成の一例を示す図である。
図3は、ZrO2・Pd粒子に重水素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを固溶させることによって発生した熱の経時的な変化および反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す図である。
図4は、超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える前の熱の発生と超音波を加えている最中の熱の発生とを対比して示す図である。
図5は、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える前(核融合反応前)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料と超音波を加えた後(核融合反応後)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料とを対比して示す図である。
図6Aは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加えている最中(核融合反応中)に発生したガスの分析結果を示す図である。
図6Bは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える後(核融合反応後)に発生したガスの分析結果を示す図である。
図6Cは、M4のスペクトルを示す図である。
図7は、水素凝結体300の構造の一例を模式的に示す図である。
図8は、Zr3NiO・Pd粒子に重水素ガスを固溶させることによって発生した熱の経時的な変化および反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す図である。
図9は、重水素ガスを利用するより、重水素ガスとヘリウムガスとを含む混合ガスを利用するほうが、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子が固溶され難いことを示す図である。
図10は、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えている最中(核融合反応中)に発生したガスの分析結果を示す図である。
図11は、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量よりもZr3NiO・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量のほうが多いことを示す図である。
以下、本明細書で使用する用語を定義する。
「金属ナノ超微粒子」:金属ナノ超微粒子とは、「金属ナノ超微粒子とその集団」および「2次元金属ナノ超微粒子に相当する表面層」をも併せて意味する。
金属ナノ超微粒子(球形)および2次元金属ナノ超微粒子に相当する表面層(円形)の平均径は、少なくとも金属原子13個で構成される格子サイズから求められる。その平均径は、金属ナノ超微粒子が埋め込み型の場合には最大5nmまでの範囲にあり、金属ナノ超微粒子が孤立型の場合には最大15nmまでの範囲にある。金属ナノ超微粒子は、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀などの金属から構成される金属群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む。なお、2種以上の金属は、これらの各金属ナノ超微粒子が混合または共存した形で、あるいは、これらの金属原子が混在する合金の形で用いることができる。
物質を細分化していくと、ある臨界サイズ以下になったとき、その物質の性質が急速に変化するという現象が生じる(Materials Transaction,JIM,Vol.35,No.9,pp.563−575,1994)。このような物質の性質の急変は、その物質の原子間の結合に弾性が生じる現象であると認識される。例えば、4原子からなる格子を想定すると、その現象は、あたかも木製の非弾性格子がバネ製のそれに変化するような現象である。本発明では、超微細分により物性が急変した金属粒子あるいは金属結晶格子および金属表面層を、後述する超高密度重水素化ナノ粒子の作製に正に有効な材料として(すなわち、前述した金属ナノ超微粒子あるいは2次元金属ナノ超微粒子に相当する表面層として)用いる。
金属ナノ超微粒子は、アモルファス合金の酸化法を用いて製造することができる。例えば、平均径が約5nmのZrO2・Pdは、Zr65・Pd35アモルファス合金を酸化することにより製造することができる。その詳細は、特開2002−105609号公報に記載されている。また、金属ナノ超微粒子を蒸着法を用いて調製することができる。その詳細は、「Materials Transaction,JIM,Vol.35(前述)」に記載されている。
金属ナノ超微粒子には、互いに接触することなく粒子ごとに独立した状態で支持体に埋め込まれた「埋め込み型」粒子と、互いに接触することなく粒子ごとに独立し状態で液体、気体、基盤等に分散させた「孤立型」粒子とがある。
「埋め込み型」粒子の平均径は、少なくとも金属原子13個で構成される格子サイズから最大5nmまでの範囲であり、「孤立型」粒子の平均径は、少なくとも金属原子13個で構成される格子サイズから最大15nmまでの範囲が必要である。なお、金属ナノ超微粒子および2次元金属ナノ超微粒子に相当する表面層は、核融合反応用材料として単独で提供あるいは市販することができる。
「超高密度重水素化ナノ粒子」:超高密度重水素化ナノ粒子とは、「超高密度重水素化ナノ粒子とその集団」および「2次元超高密度重水素化ナノ粒子に相当する超高密度重水素化表面層」をも併せて意味する。上述の金属ナノ超微粒子および2次元金属ナノ超微粒子に相当する表面層をホストとして用いることにより、原子数比(重水素原子数/金属原子数)200%以上の重水素原子を固溶させることが可能となる。本発明では、例えば、加圧下で平均径5nm以下の埋め込み型金属ナノ超微粒子に重水素を吸蔵させる。かかる加圧により、10気圧以下で原子数比250%以上、また、100気圧で原子数比約300%の重水素を固溶させ、金属結晶格子内の局所に容易に超高密度重水素の凝縮体を形成させることが可能であり、これにより、超高密度重水素化ナノ粒子を得ることができる。かかる重水素凝縮体の形成は、その重水素2原子の核間隔を核融合が可能な0.6Å以下に縮めるために行い、その重水素凝縮体は、数億気圧を負荷した重水素ガスに相当する加圧効果(正確には原子数比400%の場合)を受けていると概算される。なお、重水素は市販のものを用いることができる。また、この発明に係る超高密度重水素化ナノ粒子とその集団および2次元金属ナノ超微粒子に相当する超高密度重水素化表面層は、核融合反応用材料として単独で提供あるいは市販することができる。
「エネルギー」:エネルギーとは、衝撃エネルギーおよび定常エネルギーの両者を併せて意味する。超高密度重水素化ナノ粒子とその集団および2次元金属ナノ超微粒子に相当する超高密度重水素化表面層への負荷エネルギーの手段あるいはエネルギー源として、超音波、強磁場、高圧、レーザー、レーザー爆縮、高密度電子ビーム、高密度電流、放電、化学反応などを用いることができる。これらのエネルギーは、単独または2種以上を組み合せて用いることができる。なお、超音波を使用する場合には、そのエネルギーを核融合反応体に伝導させるための伝導媒体が必要であり、これには、例えば、D2O(市販)やH2O等を用いることができる。また、加えるエネルギーの程度として、例えば、超音波では300ワットで19kHzの強度の様に、核融合反応を誘導するか惹起させるだけの強度あるいは量が必要である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.水素凝結体100の構造
図1は、水素凝結体100の構造の一例を模式的に示す。
水素凝結体100は、金属ナノ超微粒子(ホスト)と、金属ナノ超微粒子に含まれた複数の金属原子101間に固溶されている複数の水素同位体原子(ゲスト)102とを含む。
金属ナノ超微粒子には、金属ナノ超微粒子よりも大きい金属粒子(バルク金属粒子)に比べて、多くの水素同位体原子を固溶することができる。なぜなら、バルク金属粒子の金属原子間の結合に比べて、金属ナノ超微粒子の金属原子間の結合が弾性を有するため、水素同位体原子を固溶させるために金属ナノ超微粒子と水素同位体原子とに加える圧力は、水素同位体原子を固溶させるためにバルク金属粒子と水素同位体原子とに加える圧力よりも低くてもよいからである。
図1において、○は金属原子の20面サイトを示し、●は金属原子の14面サイトを示し、矢印Aは金属ナノ超微粒子の金属原子間の結合の弾性を示す。
このように、金属ナノ超微粒子の金属原子間の結合が弾性を有するという現象は、物質が固有の臨界サイズ以下にまで細分化された場合には、急速に物性が変化し、原子間の結合に弾性が生じるという原理に基づいている。
上述した金属ナノ超微粒子をホストとして用いることにより、原子数比(水素同位体原子の数/金属原子の数)が200%以上となるように、水素凝結体に水素同位体原子を含むことが可能になる。
水素凝結体に含まれることが可能な水素同位体原子の量は、金属ナノ超微粒子と水素同位体原子とにかかる圧力の大きさに依存する。例えば、10気圧の加圧下では、原子数比が約250%以上となるように、金属ナノ超微粒子に水素同位体原子を固溶することができる。例えば、100気圧の加圧下では、原子数比が約300%以上となるように、金属ナノ超微粒子に水素同位体原子を固溶することができる。金属ナノ超微粒子に固溶された複数の水素同位体原子は、金属ナノ超微粒子の金属格子間に凝集された水素凝集体(局所凝集体)として存在する。
上述したように、金属ナノ超微粒子には、バルク金属粒子に比べて、単位粒子あたり多くの水素同位体原子を固溶することができる。したがって、金属ナノ超微粒子に固溶された複数の水素同位体原子間の距離は、バルク金属粒子に固溶された複数の水素同位体原子間の距離よりも狭くなる。その結果、水素凝結体には、バルク金属粒子と複数の水素同位原子とを含む粒子に加えるエネルギーよりも低いエネルギーを加えることによって水素同位体原子を反応させることができる。
水素凝結体は、少なくとも2個の水素同位体原子を含む必要がある。その2個の水素同位体原子を反応させるためである。水素凝結体において反応する2個の水素同位体原子の組合せは、同じ種類の水素同位体原子であってもよいし、異なる種類の水素同位体原子であってもよい。水素凝結体に含まれる少なくとも2個の水素同位体原子は、その2個の水素同位体原子の原子核間距離がその2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されている。水素凝結体に含まれる水素同位体原子数が多い程、水素凝結体は、核融合反応用の燃料として有用である。
1.1 水素凝結体のゲスト
水素凝結体のゲストとして用いることができる2個の水素同位体原子の組合せは、例えば、重水素原子(D)と重水素原子(D)との組合せ、重水素原子(D)と三重水素原子(T)との組合せ、重水素原子(D)と水素原子(H)との組合せ、三重水素原子(T)と水素原子(H)との組合せ、三重水素原子(T)と三重水素原子(T)との組合せなどである。核融合反応の経済性、核融合反応の制御のしやすさ、核融合反応の安全性あるいは核融合反応のクリーン度を考慮すると、2個の水素同位体原子の組合せのうちゲストとして使用されることが望ましい組合せは、望ましい順に、重水素原子(D)と重水素原子(D)との組合せ、重水素原子(D)と水素原子(H)との組合せ、三重水素原子(T)と水素原子(H)との組合せ、重水素原子(D)と三重水素原子(T)との組合せである。特に重水素原子(D)と重水素原子(D)との組合せが推奨される。
なお、水素凝結体のゲストとして用いられる重水素原子(D)と水素原子(H)との原子数比、三重水素原子(T)と水素原子(H)との原子数比、および重水素原子(D)と三重水素原子(T)との原子数比は、任意でよい。また、水素凝結体に含まれる原子の組合せの2つ以上を共存、混在または混合させてもよい。
水素凝結体は、後述するホストの表層または内部において、水素同位体原子が凝集あるいは凝縮することによって形成される。かかる凝集・凝縮を形成するには、ホストに含まれる2個の水素同位体原子の原子核間距離がその2個の水素同位体原子からなる分子(例えば、D2、DH、TH、DHなど)の核間隔内となるように、その2個の水素同位体原子を凝集する必要がある。具体的には、例えば、水素凝結体に複数の重水素原子が含まれる場合には、D−Dの2原子間、D−D−Dの3原子間相互、D−D−D−Dの4原子間相互などの距離がそれぞれD分子(D2)の核間隔を越えない範囲内(例えば、0.074nm以下)になるように、重水素原子をホストに詰め込み、捕捉・調整する必要がある。
1.2 水素凝結体のホスト
ホストは、上述した2個以上の水素同位体の組み合わせを、その分子の原子核間隔以下となるように捕捉・調整するため、ないしは強制的に詰め込むための容器またはカプセルとして用いられる。かかるカプセルとしてのホストが表層または内部に保有する空間または余地は、nmサイズ(例えば、球とみなした空間の平均径が約0.002〜約200nm、好ましくは、約0.005〜約50nm)が望ましい。なお、水素同位体の捕獲数/水素凝結体は、最小2個必要であり、捕獲数が大きいほど、核融合反応用の燃料としての水素凝結体の性能あるいは効率が高いと考えられる。また、上述したカプセルないし容器としてのホストの外壁担当部位は、原子あるいは分子レベルで弾性を有することが望まれる。
1.3 ホストとしての原子構造体
格子を形成する金属結晶を細分化したナノサイズの超微粒子であり、その平均径が1格子単位サイズから最大50nm間での範囲内にある原子構造体をホストとして用いることができる。なお、体心立方格子、面心立方格子、六方最密充填などの公知の格子結晶を形成する公知の金属(例えば、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀、鉄、ニッケル、銅、亜鉛など)およびこれらの金属の2種以上の組み合わせをホスト候補として挙げることができる。
1.4 ホストとしての分子構造物
水素同位体原子を捕捉・調整するための容器あるいはカプセルとしての単位の形状が、格子状、立方体状、長方体状、四角柱状、六角柱状、蜂の巣状、上記以外の多角柱状、円筒状、チューブ状、球状、多形、無定形などの無機化合物とその集合体あるいは結晶構造物をホストとして用いることができる。例えば、スズ、亜鉛、鉄、ジルコニウム、チタンなどの酸化物や水酸化物の集合体あるいは結晶構造物、カーボンナノチューブなどをホスト候補として挙げることができる。
また、ゲストとしての水素同位体原子の組合せ(例えば、DとD、DとH、TとH、DとTなど)を巻き込むことにより捕捉・調整することができる長さの単鎖、2本鎖または分岐状などの高分子有機化合物(例えば、タンパク質、DNA、RNA、デンプン、高分子炭化水素、それらの誘導体または合成繊維用の高分子化合物など)をホスト候補として挙げることができる。さらに、一次、二次または三次構造の表層または内部にゲスト物質を埋め込むことにより捕捉・調整することができる空間ないしは余地を有する単鎖、2本鎖または分岐状などの高分子有機化合物、更にまた、円筒状や球状などの分子構造の内部または表層にゲスト物質を捕捉・調整することができる有機化合物(例えば、シクロデキストリン、フラーレンなど)をホスト候補として挙げることができる。
1.5 水素凝結体の調製
真空および/または加熱によりホスト物質内に存在する気体を除去した後、これにゲストを添加して共存させるか両者を混合し、これらを静置および/または凍結しない温度の範囲内で低温化するとともに、10〜100気圧で加圧して、ゲストをホストに捕捉あるいは固溶させることにより、水素凝結体を形成することができる。
1.6 水素凝結体の提供形態
水素凝結体は、フィルム、パウダー、カプセルなどの固体、あるいは液状の形で市販に供することができる。
2.水素凝結体100を用いて熱を発生させる方法
図2は、発熱装置200の構成の一例を示す。発熱装置200は、金属ナノ超微粒子に含まれた複数の金属原子101間に水素同位原子102を固溶することによって水素凝結体100を作製するために用いられるとともに、水素凝結体100を用いて熱を発生するためにも用いられる。
発熱装置200は、反応炉容器201と、真空排気口202と、水素同位体ガスを注入するガス注入口203と、伝導媒体注入口204と、ガス取出口205と、超音波発生手段206と、超音波振動子207とを含む。発熱装置200は、発電、電池、暖房、冷房などの手段あるいはこれらへの用途として、従来では実用化ができなかった小型化や携帯化が可能である。
反応炉容器201は、水素凝結体100を収納する。真空排気口202からは、反応炉容器201内の空気が排気される。伝導媒体注入口204からは、超音波を水素凝結体100に伝導するための媒体(D2OやH2Oなど)が注入される。ガス取出口205からは、高温高圧ガスおよびヘリウムガスが取り出される。超音波発生手段206は、超音波を発生する。超音波振動子207は、超音波を超音波伝導媒体に伝導する。
図2に示される例では、水素凝結体100に超音波エネルギーが加えられる。そのエネルギーによって、水素凝結体100に固溶された複数の重水素原子のうちの少なくとも2個の重水素原子を反応させることにより、熱とヘリウムガスとを発生させることができる。
なお、水素凝結体100に加えられるエネルギーは、超音波エネルギーに限定されない。水素凝結体100に加えられるエネルギーとしては、任意の衝撃エネルギーまたは任意の定常エネルギーを用いることができる。例えば、水素凝結体100に加えられるエネルギーは、超音波、強磁場、高圧、レーザー、レーザー爆縮、高密度電子ビーム、高密度電流、放電および化学反応のうちの少なくとも1つに基づいて生成されるエネルギーであってもよい。これらのエネルギーの2種以上を組合せて用いてもよい。
なお、発熱装置200の構成は、図2に示されるものに限定されない。図2は、発熱装置200の構成の一例を示したものにすぎないからである。発熱装置200と同等の機能を達成できる装置である限り、任意の構成を有する装置を発熱装置200の代わりに使用することができる。発熱装置200は、核融合反応体を用いて熱を発生する装置として機能し得る。この場合には、発熱装置200は、好ましくは、核融合反応体を収納する核融合反応炉容器と、核融合反応を制御する手段と、核融合反応体に衝撃エネルギーおよび/または定常エネルギーを加え、核融合反応を誘導するかまたは惹起させる手段と、発生した熱を取り出す手段と、生成されたヘリウムを採取する手段とを含む。また、発熱装置200に含まれる各手段は、適宜、必要に応じて追加・省略が可能である。
以下、発熱装置200の操作の手順を説明する。
操作I:反応炉容器201に、3.5gのZrO2・Pd粒子を収納した。反応炉容器201内を高真空(10−7Torr)にするために、真空排気口202から排気しながら、150℃で反応炉容器201の焼きだしを行った。
操作II:ガス注入口203から反応炉容器201内に重水素ガス(D2ガス)を注入した。重水素ガス(D2ガス)の注入は、一定速度(20cc/min)で行った。反応炉容器201内の内圧を約10気圧にし、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させ、かつ、凝縮体を形成させることにより、原子数比250%以上からなる超高密度重水素化ナノ粒子を得た。なお、固溶原子の量は、注入ガス流速と反応炉容器内のガス圧上昇までの時間とから算出した。
重水素ガスは、重水素分子の状態ではなく、重水素原子の状態で超高密度重水素化ナノ粒子に固溶される。
なお、ガス注入口203から注入されるガスは、重水素ガスに限らない。重水素ガスと他の水素同位体ガス(例えばH2ガス)との混合ガスが注入されてもよい。水素同位体ガスとそれと異なる種類の水素同位体ガスとの混合ガスが注入されてもよい。また、重水素ガスと異種ガスとを混合してもよい。例えば、重水素ガスとヘリウムガスとの混合は、重水素原子の固溶速度を増大させるので(図9)、この混合ガスの使用は好ましい。しかし、重水素ガスとネオンとの混合は、重水素原子の固溶を阻害するので、この混合ガスの使用は好ましくない。混合に用いる異種ガスとしては、その原子直径が重水素原子のそれに近似のものが望ましいと思われる。
図3は、ZrO2・Pd粒子に重水素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを固溶させることによって発生した熱の経時的な変化および反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す。図3において、縦軸(左)は温度(℃)を示し、縦軸(右)は反応炉容器201の内圧(atm)を示し、横軸は時間(分)を示す。
ZrO2・Pd粒子に重水素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを固溶させる場合には、固溶によって発生する化学反応熱によって反応炉容器201の外壁表面の温度は最大45℃にまで上昇する。また、反応炉容器201の内圧が10atmになるのに、55分〜60分かかる。
なお、反応炉容器201の外壁表面の温度を測定した。反応炉容器201の内部の温度は、非常に高くなる場合があり、その場合には、反応炉容器201の内部の温度を測定することができないからである。
操作III:超音波振動子207が超音波伝導媒体210に十分に浸かるように、伝導媒体注入口204から反応炉容器201に超音波伝導媒体210を注入した。超音波伝導媒体210としては、例えば、水(H2O)、水蒸気または市販の重水(D2O)が用いられる。
操作IV:超音波振動子207の端面から超音波エネルギーを、超音波伝導媒体210を介して超高密度重水素化ナノ粒子に与えた。
超音波の強度は、例えば、300ワット、19kHzである。なお、超高密度重水素化ナノ粒子に固溶された複数の重水素原子が反応する強度である限り、超音波の強度は300ワット、19kHzに限らない。
核融合反応に用いる元素としては、原子番号が4以下の元素とその同位元素を使用することができる。これらの元素のうち取り扱いの容易さを考慮すると、重水素(D)単体、重水素(D)と水素(H)との組合せ、重水素(D)とトリチウム(T)との組合せのいずれかが好ましい。
超高密度重水素化ナノ粒子にエネルギーを加えることによって、複数の重水素原子が反応し、熱に加えてヘリウム分子が発生する。その反応式を以下に示す。
2D+2D=4He+格子エネルギー(23.8MeV)
この反応は、中性子を生じず核融合反応それ自体が緩和であるので、後述するDD核融合反応に比べ優れて望ましい。従って、環境保全の観点から、本発明の超高密度重水素化ナノ粒子を核融合反応として使用することが推奨される。重水素原子の超過激な衝突によりTと中性子とが生成される周知のDD核融合反応は、非常に危険であるので、産業上利用および環境保全の観点から望まれない。
重水素の反応によって、反応炉容器201内で、高温高圧ガスやヘリウムガスが生成される。高温高圧ガスやヘリウムガスは、ガス取出口205から取り出される。
高温高圧ガスは、例えば、タービン発電機に送られ、タービン発電機を駆動するための駆動源として利用される。タービン発電機に送られる高温高圧ガスは、ジェットガス状態であるために、発生した熱を蒸気や位置エネルギーに変換することなく、タービン発電機を駆動することができる。さらに、発生した熱は、水力、火力、風力、石炭、石油、原子力などの代替えエネルギーとして、また、地球環境の再生と保全を可能にするクリーンエネルギーとして、あらゆる分野で利用することができる。
反応炉容器201内で生成されたヘリウムに混在する不純ガスは約50K付近で液化または固化するため、その不純ガスを極低温で冷却液化又は固化することによりその不純ガスをヘリウムから除去することができる。これにより、ヘリウムを気体として量産採取することができる。また、不純物を精製用カラムに吸着させ除去することにより、ヘリウムを採取することも可能である。この発明により生産されるヘリウムは、周知の用途、例えば、溶接用保護ガス、気球用充填ガス、放電管用封入ガス、潜水用人工空気などに用いることができる。また、採取されるヘリウムガスは、大量かつ低廉であるので、ヘリウムの新規な用途の開発をも促す。
図4は、超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える前の熱の発生と超音波を加えている最中の熱の発生とを対比して示す。図4において、縦軸は温度(℃)を示し、横軸は時間(分)を示す。
図4の曲線Aは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させた場合(核融合反応前)に発生した熱の経時的な変化を示す。図4の曲線Bは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加えている最中(核融合反応中)に発生された熱の経時的な変化を示す。なお、反応炉容器201の外壁表面の温度を測定した。反応炉容器201の内部の温度は、非常に高く、測定することができないからである。
ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させた時に、化学反応熱(約40kJ/mol)が発生し、反応炉容器201の外壁表面でわずかな温度上昇が検出された(図4の曲線A)。
ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加えている最中(核融合反応中)に、反応炉容器201の外壁表面の温度が急激に上昇し、特異的な温度特性が見られた(図4の曲線B)。反応炉容器201の外壁表面の急激な温度上昇は、核融合反応が約10分間、継続したことを示す。反応炉容器201内の超音波伝導媒体210である重水(D2O)がほとんど気化しており、重水(D2O)は、D2又はDに分解していた。反応炉容器201内は高温・高圧状態であることが予想され、核融合反応のすさまじさを示している。
図5は、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える前(核融合反応前)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料と超音波を加えた後(核融合反応後)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料とを対比して示す。
図5における[A]および[B]は、超音波を加える前(核融合反応前)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料を示す。図5における[C]および[D]は、超音波を加えた後(核融合反応後)の超高密度重水素化ナノ粒子の試料を示す。
図5における[C]および[D]から、超音波を加えた後には、超高密度重水素化ナノ粒子に含まれるジルコニア(ZrO2)が高温のため溶けていることがわかる。反応炉容器201の内部の温度は、非常に高く、測定することができないが、ジルコニア(ZrO2)の融点は約1850℃であるため、反応炉容器201の内部の温度は、約1850℃以上であると考えられる。
以上の知見に基づき、生じた核融合反応は、2D+2D=4He+格子エネルギー(23.8MeV)であると判断された。
なお、原子数比が200%未満になるように重水素原子を固溶させることによって作製(操作II)された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加えた(操作IIIおよび操作IV)場合には、反応炉容器201内の超音波伝導媒体210である重水(D2O)は気化蒸発することなく、反応炉容器201内にほぼ残存することが確認された。
図6Aは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加えている最中(核融合反応中)に発生したガスの分析結果を示す。図6Aにおいて、縦軸は圧力(ppm)を示し、横軸は時間(秒)を示す。四重極質量分析計(QMS:Quadrupole Mass Spectrometer)によって、反応炉容器201内で生成されたガスを分析した。
図6Aにおいて、M2はDを示し、M3はDHを示し、M4はHeを示す。核融合反応によって、超高密度重水素化ナノ粒子に固溶されている重水素原子が反応し、多量のヘリウム(He)ガスが生成されていることがわかる。
図6Bは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された超高密度重水素化ナノ粒子に超音波を加える後(核融合反応後)に発生したガスの分析結果を示す。図6Bにおいて、縦軸は圧力(ppm)を示し、横軸は時間(秒)を示す。
反応終了後の試料を反応炉容器201から取り出し、その試料をQMSの試料容器内で約1,300℃で加熱した。このとき発生したガスをQMSによって分析した。
図6Bにおいて、M2はDを示し、M3はDHを示し、M4はD2を示す。核融合反応終了後には、超高密度重水素化ナノ粒子には、HeとDとが殆ど存在していないことがわかる。
図6Cは、M4のスペクトルを示す。図6Cにおいて、縦軸はスペクトルの強度(10−9A)を示し、横軸は経過時間(分)を示す。図6Cから、時間の経過とともに、D2が消滅し、多くのHeが残留していることがわかる。
図6Aと図6Bと図6Cとを参照して特筆すべきことは、核融合反応中(図6A)のM4(=He)の生成量は桁違いに多く、超高密度重水素化ナノ粒子に固溶されている重水素原子のほとんどが反応してヘリウムガスが生成されたことである。これに対し、核融合反応後(図6B)は、反応終了後の超高密度重水素化ナノ粒子にはHeとDがほとんど存在しない。
上述したように、金属ナノ超微粒子には、バルク金属粒子に比べて、単位粒子あたり多くの重水素原子を固溶することができる。したがって、金属ナノ超微粒子に固溶された複数の重水素原子間の距離は、バルク金属粒子に固溶された複数の重水素原子間の距離よりも狭くなる。その結果、超高密度重水素化ナノ粒子には、バルク金属粒子と複数の重水素原子とを含む粒子に加えるエネルギーよりも低いエネルギーを加えることによって、低温で持続時間が長い発熱反応を起こすことができる。
3.水素凝結体300の構造
図7は、水素凝結体300の構造の一例を模式的に示す。
水素凝結体300は、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジット(ホスト)と、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットに含まれた複数の金属原子301間に固溶されている複数の水素同位体原子(ゲスト)302とを含む。ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットには、バルク金属粒子に比べて、多くの水素同位体原子を固溶することができる。なぜなら、バルク金属粒子の金属原子間の結合に比べて、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットの金属原子間の結合が弾性を有するため、水素同位体原子を固溶させるためにジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットと水素同位体原子とに加える圧力は、水素同位体原子を固溶させるためにバルク金属粒子と水素同位体原子とに加える圧力よりも低くてもよいからである。
図7において、矢印Bはジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットの金属原子間の結合の弾性を示す。
水素凝結体300は、例えば、Zr−Pd−Ni粒子(Zr3NiO・Pd粒子)と、Zr−Pd−Ni粒子(Zr3NiO・Pd粒子)に含まれた複数の金属原子間に固溶されている複数の重水素原子とを含む。
Zr−Pd−Ni粒子の作製方法の詳細は、例えば、特願2003−340285号(2003年9月30日提出)に記載されている。
なお、水素凝結体300のホストおよび/またはゲストとして、上記1.1〜1.4で説明したホストおよび/またはゲストを用いることもできる。
ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットは、例えば、Zr3NiO・Pd粒子であってもよいし、Zr4Ni2Ox(0.3−1)であってもよい。
なお、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジット以外の金属合金のコンポジットをホストとして用いることもできる。水素凝結体300は、金属合金のコンポジット(ホスト)と、その金属合金のコンポジットに含まれた複数の金属原子間に固溶されている複数の水素同位体原子(ゲスト)とを含んでいてもよい。この場合、その金属合金のコンポジットに含まれた複数の金属原子は、例えば、ジルコニウム、チタン、ニッケル、パラジウム、マグネシウムおよびボロンの金属群から選ばれる少なくとも2種の金属の原子である。金属合金のコンポジットは、例えば、金属合金の酸化物である。
4.水素凝結体300を用いて熱を発生させる方法
水素凝結体300を用いて熱を発生させる装置として、例えば、図2に示される発熱装置200が使用される。発熱装置200は、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットに含まれた複数の金属原子301間に水素同位体原子302を固溶することによって水素凝結体300を作製するために用いられるとともに、水素凝結体300を用いて熱を発生するためにも用いられる。
水素凝結体300にエネルギーを加えることによって、複数の水素同位体原子が反応し、熱が発生する。例えば、複数の重水素原子を含む水素凝結体300にエネルギーを加えることによって、複数の重水素原子が反応し、熱に加えてヘリウム分子が発生する。その反応式を以下に示す。
2D+2D=4He+格子エネルギー(23.8MeV)
この反応は、中性子を生じず核融合反応それ自体が緩和であるので、後述するDD核融合反応に比べ優れて望ましい。従って、環境保全の観点から、本発明の水素凝結体300を核融合反応として使用することが推奨される。重水素原子の超過激な衝突によりTと中性子とが生成される周知のDD核融合反応は、非常に危険であるので、産業上利用および環境保全の観点から望まれない。
重水素の反応によって、反応炉容器201内で、高温高圧ガスやヘリウムガスが生成されることは、上記2.で説明したとおりである。
発熱装置200の操作の手順(操作I〜操作IV)は、<実施例1>において説明した手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
図8は、Zr3NiO・Pd粒子に重水素ガスを固溶させることによって発生した熱の経時的な変化および反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す。図8において、縦軸(左)は温度(℃)を示し、縦軸(右)は反応炉容器201の内圧(atm)を示し、横軸は時間(分)を示す。
反応炉容器201の内圧を10atmにするために、70分以上かかっている。ZrO2・Pd粒子に重水素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを固溶させる場合には、反応炉容器201の内圧を10atmにするために、55分〜60分かかっている(図3参照)。したがって、Zr3NiO・Pd粒子に固溶される重水素原子の数は、ZrO2・Pd粒子に固溶される重水素原子の数よりも、多いことがわかる。
図9は、重水素ガスを利用するより、重水素ガスとヘリウムガスとを含む混合ガスを利用するほうが、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子が固溶され難いことを示す。図9において、縦軸(左)は温度(℃)を示し、縦軸(右)は反応炉容器201の内圧(atm)を示し、横軸は時間(分)を示す。
曲線P* Heは、Zr3NiO・Pd粒子に重水素ガスとヘリウムガスとを含む混合ガスを固溶させる場合の反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す。曲線P*は、Zr3NiO・Pd粒子に重水素ガスを固溶させる場合の反応炉容器201の内圧の経時的な変化を示す。曲線P* Heの立ち上がりは、曲線P*の立ち上がりよりも早い。したがって、重水素ガスより、重水素ガスとヘリウムガスとを含む混合ガスのほうが、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子が固溶され難いことがわかる。
図10は、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えている最中(核融合反応中)に発生したガスの分析結果を示す。図10において、縦軸は圧力(ppm)を示し、横軸は時間(秒)を示す。QMSによって、反応炉容器201内で生成されたガスを分析した。
図10において、M2はDを示し、M3はDHを示し、M4はHeを示す。核融合反応によって、重水素凝結体に固溶されている重水素原子が反応し、多量のヘリウム(He)ガスが生成されていることがわかる。
図11は、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量よりもZr3NiO・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量のほうが多いことを示す。図11において、縦軸は4He濃度(ppm)を示す。線Aの長さは、ZrO2・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量(2.45×104ppm)を示す。線Bの長さは、Zr3NiO・Pd粒子に重水素原子を固溶させることによって作製された重水素凝結体に超音波を加えることによって発生するヘリウムの量(1.23×105ppm〜1.6×105ppm)を示す。
上述したように、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットには、バルク金属粒子に比べて、単位粒子あたり多くの重水素原子を固溶することができる。したがって、ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットに固溶された複数の重水素原子間の距離は、バルク金属粒子に固溶された複数の重水素原子間の距離よりも狭くなる。その結果、超高密度重水素化ジルコニウム・ニッケル合金のコンポジットには、バルク金属粒子と複数の重水素原子とを含む粒子に加えるエネルギーよりも低いエネルギーを加えることによって、低温で持続時間が長い発熱反応を起こすことができる。
Claims (8)
- 水素凝結体を用いて熱を発生させる発熱方法であって、
前記水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属ナノ超微粒子と、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、
前記発熱方法は、
前記水素凝結体にエネルギーを加える工程と、
前記エネルギーによって前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、熱を発生させる工程と
を包含する発熱方法。 - 前記複数の金属原子は、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の金属群から選ばれる少なくとも1種の金属の原子である、請求の範囲第1項に記載の発熱方法。
- 水素凝結体を用いて熱を発生させる発熱方法であって、
前記水素凝結体は、複数の金属原子を含む金属合金のコンポジットと、前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子とを含み、前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されており、
前記発熱方法は、
前記水素凝結体にエネルギーを加える工程と、
前記エネルギーによって前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、熱を発生させる工程と
を包含する発熱方法。 - 前記エネルギーは、超音波、強磁場、高圧、レーザ、レーザ爆縮、高密度電子ビーム、高密度電流、放電および化学反応のうちの少なくとも1つに基づいて生成されるエネルギーである、請求の範囲第1項または請求の範囲第3項に記載の発熱方法。
- 前記熱を発生させる工程において、前記少なくとも2個の水素同位体原子を反応させることにより、前記熱に加えてヘリウム分子が発生する、請求の範囲第1項または請求の範囲第3項に記載の発熱方法。
- 複数の金属原子を含む金属ナノ超微粒子と、
前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子と
を含み、
前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されている、水素凝結体。 - 前記複数の金属原子は、パラジウム、チタン、ジルコニウム、銀、鉄、ニッケル、銅および亜鉛の金属群から選ばれる少なくとも1種の金属の原子である、請求の範囲第6項に記載の水素凝結体。
- 複数の金属原子を含む金属合金のコンポジットと、
前記複数の金属原子間に固溶された複数の水素同位体原子と
を含み、
前記複数の水素同位体原子のうち少なくとも2個の水素同位体原子は、前記2個の水素同位体原子の原子核間距離が前記2個の水素同位体原子からなる分子の核間隔以下となるように凝集されている、水素凝結体。
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