JPWO2002088147A1 - セフェム化合物の硫酸塩 - Google Patents
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Abstract
本発明は、注射剤等の医薬として有用な高品質の以下のセフェム化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、またはそれらの結晶を提供する。
Description
技術分野
本発明は、抗菌剤等の医薬として有用なセフェム化合物の硫酸塩、その溶媒和物またはそれらの結晶、およびその製造方法に関する。
背景技術
一般にセフェム化合物を医薬、特に注射剤として開発するためには、極めて高品質のものが要求され、より好ましくは結晶として単離する必要があった。
本発明に係るセフェム化合物は式:
で示される(以下、化合物(I)という)。その対応塩酸塩はWO00/32606号の実施例6−2に記載されている。しかし該塩酸塩は非結晶としてしか単離されていない。即ち化合物(I)の結晶化についてはこれまで何ら報告されていない。
化合物(I)を医薬、特に注射剤として開発するために、より高品質の状態で単離する必要があった。好ましくは、化合物(I)またはその塩をより安定な結晶として単離する必要があった。
発明の開示
本発明者らは鋭意検討した結果、化合物(I)を硫酸塩またはその溶媒和物として単離すれば、保存安定性のよい高品質のものが得られることを見出した。また硫酸塩にすれば安定な結晶として単離されることも見出し、以下に示す本発明を完成した。
(1)式:
で示される化合物(I)の硫酸塩またはその溶媒和物。
(2)1硫酸塩水和物である上記(1)記載の化合物。
(3)1硫酸塩1〜7水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(4)1硫酸塩1〜5水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(5)1硫酸塩1〜3水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物の結晶。
(7)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、10.04、9.65、5.13、4.51、4.18、3.58、3.42、3.35、および2.98(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(8)化合物(I)の1硫酸塩7水和物である、上記(7)記載の結晶。
(9)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.36、7.26、4.76、4.55、4.18、3.67、3.64、3.61、3.39、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(10)化合物(I)の1硫酸塩6水和物である、上記(9)記載の結晶。
(11)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.75、9.42、4.56、4.17、3.69、3.61、3.41、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(12)化合物(I)の1硫酸塩5水和物である、上記(11)記載の結晶。
(13)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.71、9.36、7.36、4.99、4.70、4.55、4.17、3.92、3.67、3.61、および3.40(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(14)化合物(I)の1硫酸塩4水和物である、上記(13)記載の結晶。
(15)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.79、9.80、7.72、5.75、4.57、4.19、4.13、3.69、3.62、3.42、3.35および2.96(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(16)化合物(I)の1硫酸塩3水和物である、上記(15)記載の結晶。
(17)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.32、7.60、4.58、4.17、4.08、3.71、3.62、3.40、3.33および2.95(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(18)化合物(I)の1硫酸塩1水和物である、上記(17)記載の結晶。
(19)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.60、9.42、4.54、4.13、3.59、3.38、3.31、2.94および2.92(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(20)化合物(I)の1硫酸塩2水和物である、上記(19)記載の結晶。
(21)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、7.70、5.48、5.12、4.26、3.93、3.85、3.53、3.42、および3.08(単位:Å)に主なピークを示す、上記(1)記載の結晶。
(22)化合物(I)の1硫酸塩無水物である、上記(21)記載の結晶。
(23)上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物を含有する医薬組成物。
(24)抗菌剤である上記(23)記載の医薬組成物。
(25)注射剤である上記(23)記載の医薬組成物。
(26)上記(1)記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物に硫酸を反応させる工程を包含する、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物の製造方法。
(27)上記(1)記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物。
(28)上記(1)記載の化合物(I)の1塩酸塩を硫酸と反応させる工程を包含する、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶またはそれらの混合物の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
化合物(I)の硫酸塩における硫酸の数は必ずしも限定されないが、好ましくは0.5または1であり、特に好ましくは1である。0.5硫酸塩は1硫酸塩の製造中間体としても有用である。
上記硫酸塩は溶媒和物であってもよい。該溶媒としては、水、有機溶媒(例:アルコール(例:エタノール、イソプロパノール等)、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン)またはその混合物等が挙げられる。
溶媒和数は、製造方法、保存条件等により異なり必ずしも限定されないが、医薬品として使用する場合には有機溶媒の含量は少ない方が好ましい。該溶媒和物は、好ましくは水和物である。水和数は、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4または1〜3である。また化合物(I)の硫酸塩は、好ましくは1硫酸塩無水物である。
化合物(I)の硫酸塩または溶媒和物は、結晶でも非結晶でもよいが、好ましくは結晶であり、特に1硫酸塩の水和物または無水物の結晶が好ましい。該結晶としては、各粉末X線回折パターンが、少なくとも以下の値付近に主ピークを示す結晶が例示され、便宜上これらを以下、A〜H型結晶という。本発明が提供する結晶は、好ましくは特定の粉末X線回折パターンを示す単一の結晶であるが、その混合物であってもよい。
A型: 面間隔(d)=10.04、9.65、5.13、4.51、4.18、3.58、3.42、3.35、および2.98(単位:Å)
B型: 面間隔(d)=16.66、9.52、8.36、7.26、4.76、4.55、4.18、3.67、3.64、3.61、3.39、および3.34(単位:Å)
C型: 面間隔(d)=9.75、9.42、4.56、4.17、3.69、3.61、3.41、および3.34(単位:Å)
D型: 面間隔(d)=9.71、9.36、7.36、4.99、4.70、4.55、4.17、3.92、3.67、3.61、および3.40(単位:Å)
E型: 面間隔(d)=16.79、9.80、7.72、5.75、4.57、4.19、4.13、3.69、3.62、3.42、3.35および2.96(単位:Å)
F型: 面間隔(d)=16.66、9.52、8.32、7.60、4.58、4.17、4.08、3.71、3.62、3.40、3.33および2.95(単位:Å)
G型: 面間隔(d)=16.60、9.42、4.54、4.13、3.59、3.38、3.31、2.94および2.92(単位:Å)
H型: 面間隔(d)=7.70、5.48、5.12、4.26、3.93、3.85、3.53、3.42、および3.08(単位:Å)
(X線測定条件:CuKα線(波長λ=1.54Å)、管電圧40kV、管電流40mA;2dsinθ=nλ(nは整数、θは回折角))
なお上記面間隔(d)値は、各結晶のX線ピークのうち、相対強度の強い主なピークを選択したものであり、各結晶構造は必ずしもこれらの値だけによって限定されるものではない。即ち、これら以外のピークが含まれていてもよい。また一般に結晶をX線回折により測定した場合、そのピークは、測定機器、測定条件、付着溶媒の存在等により、多少の測定誤差を生じることもある。例えば、面間隔(d)の値として、±0.2程度の測定誤差が生ずる場合があり、非常に精密な設備を使用した場合でも、±0.01〜±0.1程度の測定誤差が生ずる場合がある。よって、各結晶構造の同定に当たっては多少の誤差も考慮されるべきであり、実質的に上記と同様のX線パターンによって特徴付けられる結晶はすべて本発明の範囲内である。
上記各結晶は、結晶溶媒または付着溶媒として前記溶媒を含有していてもよいが、好ましくは有機溶媒を含有していてもよい水和物結晶であるか、または無水物結晶である。水和物の水和数は必ずしも限定されないが、好ましくは1〜8または1〜7水和物、より好ましくは1〜5水和物、さらに好ましくは1〜4または1〜3水和物である。特に各結晶の好ましい態様においては、A型は化合物(I)の1硫酸塩の7水和物結晶であり、同様にB型は6水和物、C型は5水和物、D型は4水和物、E型は3水和物、F型は1水和物、およびG型は2水和物であり得る。これらの結晶は湿度、測定条件等によって少量の付着水を含んでいてもよい。またH型結晶は、好ましくは無水物結晶である。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、それらの結晶、またはそれらの混合物の製造方法は特に限定されないが、好ましくは以下に示す方法に準じて製造すればよい。1硫酸塩の製法を例示する。
(方法1)
(第1工程)
化合物(I)の保護体である化合物(II)(式中、R1は水素またはアミノ保護基;R2はカルボキシ保護基;R3は水素またはアミノ保護基;Xはハロゲン等のカウンターイオン)の酸性溶液(好ましくは、ギ酸または酢酸溶液)中に、氷冷下、硫酸(好ましい濃度は、約60〜98%)を化合物(II)に対して約10〜30モル当量、より好ましくは約15〜20モル当量、数分〜数十分かけて滴下し、同温度で数分〜数時間攪拌する。この反応液を好ましくは約0〜−20℃に冷却した有機溶媒、好ましくは、イソプロパノール、アセトン、エタノール、またはそれらの混合液中に注ぐことにより、化合物(I)の0.5硫酸塩である上記化合物(III)を析出させる。原料の化合物(II)は、WO00/32606号に記載の方法に準じて合成すればよい。各置換基は好ましくは、R1およびR3がアミノ保護基(例:t−ブトキシカルボニル等)、R2がカルボキシ保護基(例:p−メトキシベンジル等)、XがCl、Br、I等である。
本工程により、化合物(II)の脱保護と硫酸塩形成が一工程で完了する。
(第2工程)
上記化合物(III)の水溶液に、好ましくは、0℃〜室温、より好ましくは約3〜10℃にて、化合物(III)に対して好ましくは約0.5〜1.0モル当量、より好ましくは約0.5〜0.6モル当量の硫酸(好ましい濃度は約10〜60%)と有機溶媒(例:テトロヒドロフラン等)を加えることによって、化合物(I)の1硫酸塩である化合物(IV)を析出させる。このとき化合物(IV)が結晶として析出しにくい場合には、まず不溶物を濾取後、一定時間静置し、および/または種晶を添加して結晶化させればよい。得られた析出物を所望により乾燥することにより、化合物(IV)を好ましくは結晶として単離することができる。化合物(IV)の水和数は、析出条件、湿度、乾燥条件等により異なり必ずしも限定されないが、例えば5〜7水和物等として得られる。
化合物(III)はこのように、化合物(I)の1硫酸塩の製造用中間体として有用であるが、それ自身を医薬活性成分として使用してもよい。
(方法2)化合物(I)の1塩酸塩を、所望により塩基(例:NaOH)と反応させた後、硫酸と反応させることによって、化合物(I)の1硫酸塩が得られる。
好ましくは、化合物(I)の1塩酸塩と硫酸水を数分から数時間反応させる。この反応液を、展開液に硫酸を使用してクロマト処理する。流出液を好ましくはpH4〜6に調製後濾別し、濾液を減圧濃縮後、アルコールに注ぐことにより、化合物(I)の0.5硫酸塩が得られる。これを上記第2工程と同様に処理することにより、化合物(I)の1硫酸塩が得られる。
化合物(I)の硫酸塩またはその結晶は、各種水和物であってもよい。水和数は、以下のように再結晶や乾燥の条件等を変えることにより適宜調節可能である。
再結晶用溶媒としては、水、有機溶媒(例:アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)またはその混液が例示される。
乾燥条件の一般的な範囲は、例えば温度:約10〜50℃、好ましくは約20〜40℃、圧力:約0〜100mmHg、好ましくは約1〜60mmHg、時間:約1分〜24時間、好ましくは約1〜10時間である。具体例を以下に示す。
(例1)7〜8水和物結晶を所望により加温して一旦水に溶かした後、約0〜10℃で数日静置させ、所望により数分〜数時間攪拌後、さらに静置させて得られる結晶を、減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約1〜3時間)することにより5水和物に変換できる。さらに5水和物を長時間、減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約7〜20時間)することにより4水和物に変換できる。
(例2)7〜8水和物結晶を所望により加温して一旦水に溶かした後、約0〜20℃に冷却する。これに有機溶媒(例:テトラヒドロフラン等)を添加し、約3〜20℃で数時間〜数日静置させ、これに再度同様の有機溶媒と所望により硫酸を少量添加することにより晶析させる。この結晶を減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約1〜3時間)することにより6水和物に変換できる。6水和物結晶はさらに乾燥することにより4〜5水和物結晶に変換できる。
(例3)6水和物結晶を減圧乾燥することにより3水和物結晶(乾燥条件:約15〜18mmHg,室温付近,約4〜5時間)、1水和物(乾燥条件:約2〜4mmHg,室温付近,約3〜5時間)、および2水和物(乾燥条件:約5〜15mmHg,室温付近,約1〜5時間)に変換できる。
(例4)水和物結晶は加熱乾燥(乾燥条件:約80℃以上)あるいは室温下では高真空下で減圧乾燥することにより無水和物結晶(乾燥条件:約1mmHg以下,室温付近,約2時間以上)に変換できる。
本発明はさらに、前記化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、好ましくは抗菌剤である。また医薬組成物の剤形としては、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤等が例示されるが、好ましくは注射剤である。また本発明は、前記化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物を有効成分として投与する、感染症の予防または治療方法、または抗菌剤を製造するためのそれらの使用を提供する。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、またはそれらの結晶は、保存安定性が高く、また水溶性が高く(>100mg/ml)、水に溶解した場合でもほとんどまたは全く濁りが観察されない。これらの特性は、対応の塩酸塩等と比較した場合に顕著な差が見られる。よって化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、またはそれらの結晶は特に注射剤の有効成分として適しており、粉末充填製剤または凍結乾燥製剤等として調製できる。
上記医薬組成物は適宜、医薬品用添加剤(例:賦形剤、崩壊剤、溶解剤、乳化剤、安定化剤等)を含有していてもよい。特に注射剤として使用する場合には、蒸留水や生理食塩水等と共に、pH調節用の塩基(例:炭酸ナトリウム、アミノ酸(例:アルギニン等)を配合してもよい。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物の投与量は、患者の年齢や疾患の種類・状態等により異なるが、通常、患者の体重1kg当たり、約0.1〜100mg/日、好ましくは約0.5〜50mg/日を、所望により1日2〜4回に分割して経口または非経口的に投与すればよい。
実施例
以下に実施例、試験例を示す。粉末X線回折パターンは図に示し、その代表的なピーク値は表に記載した。これらは何ら本発明を限定するものではない。
(略号)
Me:メチル;Et:エチル;Boc:t−ブトキシカルボニル;PMB:p−メトキシベンジル;DMF:ジメチルホルムアミド;iPrOH:イソプロピルアルコール;THF:テトラヒドロフラン;MeCN:アセトニトリル
実施例1 0.5硫酸塩の合成
(方法1)
イミダゾピリジン2(28.98g,99.81mMol)とクロライド1(81.2g,純度82%,1eq)のDMF92ml溶液にNaBr(20.58g,2eq)を加えて5℃で3.5日攪拌した。この懸濁液を5%NaCl水溶液に注いで析出粉末を濾取し、NaCl水,水で順次洗浄後、減圧乾燥して四級塩3をBr塩とCl塩の混合物(173.1g)として得た。
元素分析 C37H45N10O8S2C10.2Br0.8H2Oとして
計算値:C:48.78%,H:5.20%,N:15.38%,S:7.04%,Cl:0.78%,Br:7.02%
実測値:C:48.66%,H:5.20%,N:15.24%,S:7.06%,Cl:1.10%,Br:7.14%
化合物3の98%ギ酸220ml溶液に氷冷下62%硫酸511mlを15分で滴下して加え、同温度で1時間懸濁攪拌した。これを−20℃に冷却した9.5LのiPrOH/アセトン(8.5/1)に注ぎ析出粉末を濾取し、iPrOH、アセトンで順次洗浄後、減圧乾燥して粗製の4を得た。これを水に溶解してHP−20SSダイヤイオン樹脂クロマト(三菱化学(株)製)にかけ、0.001N H2SO4〜0.001N H2SO4/MeCN(96/4)で展開して約8Lの流出液を集めた。これにポリ(4−ビニルピリジン)を加えてPH4.5に調製して濾別後、約600mlまで減圧濃縮後、凍結乾燥に付し、0.5硫酸塩4(非晶質,31.3g,収率約43%)を得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・0.54H2SO4・4.6H2Oとして
計算値:C,39.14;H,5.24;N,19.02;S,11.06
実験値:C,39.22;H,5.18;N,19.22;S,10.88(%)
(方法2)
氷冷攪拌下の2N H2SO4 25mlにWO00/32606号の実施例6−2に記載の塩酸塩6 3.5gを加えて15分攪拌する。これを250mlのHP−20SS樹脂クロマト(三菱ダイヤイオン)にかけ、0.001N H2SO4で展開して流出液を集める。これにポリ(4−ビニルピリジン)を加えてPH4.7に調製後濾別し、この濾液を減圧濃縮後iPrOHに注いで析出粉末を濾取し、洗浄後、減圧乾燥して0.5硫酸塩4を得る。
実施例2 1硫酸塩7水和物結晶の合成
上記化合物44g(5.4mMol)の水12ml溶液に10℃冷却下10N H2SO4 0.65mlとTHF13mlを加え、微量の不溶物を濾別後一週間静置した。析出晶を濾取後、約15mmHg減圧下室温で1.5時間乾燥し、1硫酸塩である化合物5(1.67g)を7水和物結晶として得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・7H2Oとして
計算値:C,34.95;H,5.38;N,16.98;S,11.66
実験値:C,34.67;H,5.30;N,17.16;S,11.72(%)
1H−NMR(D2O)δ:1.30(3H,t,J=7.5Hz),2.42(2H,m),2.74(3H,s),3.16(2H,t like,J=8.1Hz),3.34 and 3.64(2H,ABq,J=18.3Hz),4.33(2H,q,J=7.5Hz),4.65(2H,t like,J=7.5Hz),5.25(1H,d,J=4.8Hz),5.71 and 5.94(2H,ABq,J=15Hz),5.87(1H,d,J=4.8Hz),7.89(1H,dd,J=8.1Hz and 6.6Hz),8.82(1H,d,J=8.1Hz),8.86(1H,d,J=6.6Hz),8.89(1H,s).
mp(dec.):>200℃
粉末X線:A型(参照:図1および表1)
実施例3 1硫酸塩7水和物の再結晶
実施例2の1硫酸塩7水和物結晶(20.6g)を水78mlに加温溶解後、アセトン59mlと1N H2SO4 2.5mlを加えて微量の不溶物を濾別後13℃に冷却し、再度アセトン40mlを追加した後、一晩静置した。さらに、4℃で5時間攪拌後一晩静置し、結晶を濾取した。水/アセトンで洗浄後約15mmHg減圧下室温で2時間乾燥し、5の7水和物結晶(12.7g,約62%)を得た。本結晶は実施例2の結晶と同様のX線ピークを示した。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・7.4H2Oとして
計算値:16.02、実験値:16.05(%).
実施例4 1硫酸塩6水和物結晶の調製
実施例3の1硫酸塩7水和物5.89gに注射用蒸留水24mlを加えて43℃で加温溶解後ミクロフィルターで濾過し、6mlの水で洗浄後17℃に冷却した。これにTHF26mlを加えて10℃で22時間さらに4℃で一晩静置後、再びTHF22mlと2NH2SO4を少量追加して一晩静置後結晶を濾取した。これを2mlの氷冷した水/THF(1:1.6,1:3)で順次洗浄後16mmHg減圧下室温で2時間乾燥して化合物(I)の1硫酸塩6水和物結晶(4.73g,82%)を得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・6.2H2Oとして
計算値:13.78、実験値:13.88(%).
粉末X線:B型(参照:図2および表2)
実施例5 1硫酸塩5水和物結晶の調製
実施例3の1硫酸塩7水和物6.0gに注射用蒸留水24mlを加え35℃加温溶解後ミクロフィルターで濾過して2mlの水で洗浄した。この水溶液に少量の結晶種を加えて10℃で三日静置、さらに4℃で3時間攪拌後一晩静置して結晶を濾取した。これを1mlの冷水ついで1mlの水/EtOH(4:1,2:1,1:1,1:2,1:9)で順次洗浄後、約15mmHg減圧下室温で1.5時間乾燥して化合物(I)の1硫酸塩5水和物結晶2.4gを得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・5H2Oとして
計算値:11.42、実験値:11.46(%).
13C−NMR(D2O)δ:16.59,28.45,28.84,35.54,46.24,48.59,57.27,60.15,61.59,75.02,119.29,122.49,131.81,133.95,134.98,141.11,148.97,150.97,153.50,163.53,166.64,166.97,168.87,187.00.
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.72,16.29,34.06,44.94,58.25,73.64,120.80,124.73,126.87,128.23,131.82,140.66,146.34,148.77,161.01,166.20,168.48,185.04.
粉末X線:C型(参照:図3および表3)
実施例6 1硫酸塩4水和物結晶の調製
(1)実施例4で得られた1硫酸塩6水和物結晶4.59gを15mmHg減圧下室温で21時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩4水和物結晶4.40gを得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・4.3H2Oとして
計算値:9.98、実験値:9.98(%).
固体13C−NMR(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.61,24.74,33.91,45.08,56.15,58.29,73.68,120.69,123.90,126.81,131.13,140.31,145.94,148.81,162.50,166.10,168.57,184.84.
IR(Nujol)(乾燥窒素気流中で試料を調製)cm−1:
3346〜3089,2730,2521〜2457,1880,1759,1687,1633,1585,1554,1518,1267,1215,1147,1061,935,818.
粉末X線:D型(参照:図4および表4)
(2)実施例5で得られた1硫酸塩5水和物2.22gを50〜30mmHg減圧下室温で2時間さらに20mmHg減圧下9.5時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩4水和物結晶を得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・4.4H2Oとして
計算値:10.19、実験値:10.22(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.66,17.64,19,24,24.10,32.60,34,49,45.27,55.96,58.68,69.60,73.24,120.50,124.09,128.70,130.35,132.05,139.24,146.62,149.05,161.14,162.70,166.05,168.57,185.08.
IR(Nujol)(乾燥窒素気流中で試料を調製)cm−1:3344〜3029,2733,2524〜2467,1876,1759,1687,1633,1585,1554,1518,1269,1215,1149,1061,937,818.
mp(dec.):>200℃
粉末X線:D型(参照:図5および表5)
実施例7 1硫酸塩3水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶8.50gを16mmHg減圧下室温で3.5時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩3水和物結晶7.94gを得た。当該結晶については単結晶X線解析によっても構造確認した。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・3H2Oとして
計算値:C,38.29;H,4.82;N,18.61;S,12.78
実験値:C,38.14;H,4.84;N,18.64;S,12.66(%)
KF水分値 計算値:7.18、実験値:7.77(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.67,17.65,19,35,23.82,32.46,34,45,45.18,55.92,58.54,69.76,73.11,120.17,124.34,128.95,130.17,132.01,139.35,149.11,161.05,166.01,168.63,184.90.
IR(Nujol)cm−1:(乾燥窒素気流中で試料調製)3353,3199,2509,1878,1761,1684,1633,1554,1327,1149,1118,1036,937,609.
粉末X線:E型(参照:図6および表6),乾燥窒素気流中で試料調製。
実施例8 1硫酸塩1水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶16.0gを3mmHg減圧下26℃で4時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩1水和物結晶14.15gを得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・1H2Oとして
計算値:C,40.22;H,4.50;N,19.54;S,13.42
実験値:C,39.82;H,4.64;N,19.49;S,13.50(%)
KF水分値 計算値:2.51、実験値:4.07(%).
粉末X線:F型(参照:図7および表7),乾燥窒素気流中で試料調製。
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.23,17.07,18.28,25.03,34.55,46.35,58.30,73.84,116.96,119.39,125.99,132.06,134.44,138.96,147.26,148.72,160.76,169.31,184.17.
実施例9 1硫酸塩2水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶13.96gを10mmHg減圧下26℃で3.75時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩2水和物結晶12.72gを得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・2.1H2Oとして
計算値:C,39.14;H,4.68;N,19.02;S,13.06
実験値:C,39.18;H,4.64;N,19.10;S,13.17(%)
KF水分値 計算値:5.14、実験値:5.19(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:14.87,16.91,26.62,34.88,46.39,58.34,73.20,120.35,121.56,124.33,129.19,131.81,139.19,148.61,160.90,168.86,184.74.
粉末X線:G型(参照:図8および表8),乾燥窒素気流中で試料調製。
実施例10 1硫酸塩無水物結晶の調製
実施例4に準じて得られた1硫酸塩5.6水和物結晶4.0g(KF水分値13%)を1mmHg以下で減圧下、室温で20時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩無水物結晶3.5gを得た。
KF水分値 計算値:0、実験値:0.08(%).
粉末X線:H型(参照:図9および表9),乾燥窒素気流中で試料調製。
試験例1
上記実施例で得られた結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。
本発明の硫酸塩結晶は、長期間、高い保存安定性を示し、また水溶解状態においてほとんど濁りは観察されなかった。
試験例2
実施例9で得られた化合物(I)の1硫酸塩結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。対照として、WO00/32606号の実施例6−2に記載の方法に準じて得られた化合物(I)の1塩酸塩(非結晶,KF 1.7%,0.6 H2O)の凍結乾燥品を使用した。
本発明の化合物(I)の硫酸塩は、対照の塩酸塩に比べて、長期間、高い保存安定性を示し、変色等の外観変化も生じなかった。また水溶解状態においても濁りは観察されなかった。よって、本発明の硫酸塩は、特に注射剤等として使用する上で、対応の塩酸塩よりも有利である。
試験例3
実施例10で得られた結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。
本発明の硫酸塩無水物結晶は、長期間、高い保存安定性を示し、また水溶解状態においてほとんど濁りは観察されなかった。
製剤例1
実施例7で得られた化合物(I)の1硫酸塩とpH調整用の塩基を蒸留水に溶解させることにより、注射液を調製する。
産業上の利用可能性
本発明のセフェム化合物の硫酸塩、その溶媒和物またはそれらの結晶は、長期間高い保存安定性を有し、極めて高品質である。よって、抗菌剤等の医薬、特に注射剤の活性成分として使用される。また本発明の製造方法によれば、それらの化合物を高収率、高純度で効率よく工業的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
(図1)実施例2で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。縦軸はピーク強度(単位:cps)、横軸は回折角2θ(単位:°)を表わす。
(図2)実施例4で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図3)実施例5で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図4)実施例6(1)で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図5)実施例6(2)で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図6)実施例7で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図7)実施例8で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図8)実施例9で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図9)実施例10で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
本発明は、抗菌剤等の医薬として有用なセフェム化合物の硫酸塩、その溶媒和物またはそれらの結晶、およびその製造方法に関する。
背景技術
一般にセフェム化合物を医薬、特に注射剤として開発するためには、極めて高品質のものが要求され、より好ましくは結晶として単離する必要があった。
本発明に係るセフェム化合物は式:
で示される(以下、化合物(I)という)。その対応塩酸塩はWO00/32606号の実施例6−2に記載されている。しかし該塩酸塩は非結晶としてしか単離されていない。即ち化合物(I)の結晶化についてはこれまで何ら報告されていない。
化合物(I)を医薬、特に注射剤として開発するために、より高品質の状態で単離する必要があった。好ましくは、化合物(I)またはその塩をより安定な結晶として単離する必要があった。
発明の開示
本発明者らは鋭意検討した結果、化合物(I)を硫酸塩またはその溶媒和物として単離すれば、保存安定性のよい高品質のものが得られることを見出した。また硫酸塩にすれば安定な結晶として単離されることも見出し、以下に示す本発明を完成した。
(1)式:
で示される化合物(I)の硫酸塩またはその溶媒和物。
(2)1硫酸塩水和物である上記(1)記載の化合物。
(3)1硫酸塩1〜7水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(4)1硫酸塩1〜5水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(5)1硫酸塩1〜3水和物である、上記(1)または(2)記載の化合物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物の結晶。
(7)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、10.04、9.65、5.13、4.51、4.18、3.58、3.42、3.35、および2.98(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(8)化合物(I)の1硫酸塩7水和物である、上記(7)記載の結晶。
(9)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.36、7.26、4.76、4.55、4.18、3.67、3.64、3.61、3.39、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(10)化合物(I)の1硫酸塩6水和物である、上記(9)記載の結晶。
(11)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.75、9.42、4.56、4.17、3.69、3.61、3.41、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(12)化合物(I)の1硫酸塩5水和物である、上記(11)記載の結晶。
(13)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.71、9.36、7.36、4.99、4.70、4.55、4.17、3.92、3.67、3.61、および3.40(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(14)化合物(I)の1硫酸塩4水和物である、上記(13)記載の結晶。
(15)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.79、9.80、7.72、5.75、4.57、4.19、4.13、3.69、3.62、3.42、3.35および2.96(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(16)化合物(I)の1硫酸塩3水和物である、上記(15)記載の結晶。
(17)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.32、7.60、4.58、4.17、4.08、3.71、3.62、3.40、3.33および2.95(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(18)化合物(I)の1硫酸塩1水和物である、上記(17)記載の結晶。
(19)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.60、9.42、4.54、4.13、3.59、3.38、3.31、2.94および2.92(単位:Å)に主なピークを示す、上記(6)記載の結晶。
(20)化合物(I)の1硫酸塩2水和物である、上記(19)記載の結晶。
(21)粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、7.70、5.48、5.12、4.26、3.93、3.85、3.53、3.42、および3.08(単位:Å)に主なピークを示す、上記(1)記載の結晶。
(22)化合物(I)の1硫酸塩無水物である、上記(21)記載の結晶。
(23)上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物を含有する医薬組成物。
(24)抗菌剤である上記(23)記載の医薬組成物。
(25)注射剤である上記(23)記載の医薬組成物。
(26)上記(1)記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物に硫酸を反応させる工程を包含する、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物の製造方法。
(27)上記(1)記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物。
(28)上記(1)記載の化合物(I)の1塩酸塩を硫酸と反応させる工程を包含する、上記(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶またはそれらの混合物の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
化合物(I)の硫酸塩における硫酸の数は必ずしも限定されないが、好ましくは0.5または1であり、特に好ましくは1である。0.5硫酸塩は1硫酸塩の製造中間体としても有用である。
上記硫酸塩は溶媒和物であってもよい。該溶媒としては、水、有機溶媒(例:アルコール(例:エタノール、イソプロパノール等)、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン)またはその混合物等が挙げられる。
溶媒和数は、製造方法、保存条件等により異なり必ずしも限定されないが、医薬品として使用する場合には有機溶媒の含量は少ない方が好ましい。該溶媒和物は、好ましくは水和物である。水和数は、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4または1〜3である。また化合物(I)の硫酸塩は、好ましくは1硫酸塩無水物である。
化合物(I)の硫酸塩または溶媒和物は、結晶でも非結晶でもよいが、好ましくは結晶であり、特に1硫酸塩の水和物または無水物の結晶が好ましい。該結晶としては、各粉末X線回折パターンが、少なくとも以下の値付近に主ピークを示す結晶が例示され、便宜上これらを以下、A〜H型結晶という。本発明が提供する結晶は、好ましくは特定の粉末X線回折パターンを示す単一の結晶であるが、その混合物であってもよい。
A型: 面間隔(d)=10.04、9.65、5.13、4.51、4.18、3.58、3.42、3.35、および2.98(単位:Å)
B型: 面間隔(d)=16.66、9.52、8.36、7.26、4.76、4.55、4.18、3.67、3.64、3.61、3.39、および3.34(単位:Å)
C型: 面間隔(d)=9.75、9.42、4.56、4.17、3.69、3.61、3.41、および3.34(単位:Å)
D型: 面間隔(d)=9.71、9.36、7.36、4.99、4.70、4.55、4.17、3.92、3.67、3.61、および3.40(単位:Å)
E型: 面間隔(d)=16.79、9.80、7.72、5.75、4.57、4.19、4.13、3.69、3.62、3.42、3.35および2.96(単位:Å)
F型: 面間隔(d)=16.66、9.52、8.32、7.60、4.58、4.17、4.08、3.71、3.62、3.40、3.33および2.95(単位:Å)
G型: 面間隔(d)=16.60、9.42、4.54、4.13、3.59、3.38、3.31、2.94および2.92(単位:Å)
H型: 面間隔(d)=7.70、5.48、5.12、4.26、3.93、3.85、3.53、3.42、および3.08(単位:Å)
(X線測定条件:CuKα線(波長λ=1.54Å)、管電圧40kV、管電流40mA;2dsinθ=nλ(nは整数、θは回折角))
なお上記面間隔(d)値は、各結晶のX線ピークのうち、相対強度の強い主なピークを選択したものであり、各結晶構造は必ずしもこれらの値だけによって限定されるものではない。即ち、これら以外のピークが含まれていてもよい。また一般に結晶をX線回折により測定した場合、そのピークは、測定機器、測定条件、付着溶媒の存在等により、多少の測定誤差を生じることもある。例えば、面間隔(d)の値として、±0.2程度の測定誤差が生ずる場合があり、非常に精密な設備を使用した場合でも、±0.01〜±0.1程度の測定誤差が生ずる場合がある。よって、各結晶構造の同定に当たっては多少の誤差も考慮されるべきであり、実質的に上記と同様のX線パターンによって特徴付けられる結晶はすべて本発明の範囲内である。
上記各結晶は、結晶溶媒または付着溶媒として前記溶媒を含有していてもよいが、好ましくは有機溶媒を含有していてもよい水和物結晶であるか、または無水物結晶である。水和物の水和数は必ずしも限定されないが、好ましくは1〜8または1〜7水和物、より好ましくは1〜5水和物、さらに好ましくは1〜4または1〜3水和物である。特に各結晶の好ましい態様においては、A型は化合物(I)の1硫酸塩の7水和物結晶であり、同様にB型は6水和物、C型は5水和物、D型は4水和物、E型は3水和物、F型は1水和物、およびG型は2水和物であり得る。これらの結晶は湿度、測定条件等によって少量の付着水を含んでいてもよい。またH型結晶は、好ましくは無水物結晶である。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、それらの結晶、またはそれらの混合物の製造方法は特に限定されないが、好ましくは以下に示す方法に準じて製造すればよい。1硫酸塩の製法を例示する。
(方法1)
(第1工程)
化合物(I)の保護体である化合物(II)(式中、R1は水素またはアミノ保護基;R2はカルボキシ保護基;R3は水素またはアミノ保護基;Xはハロゲン等のカウンターイオン)の酸性溶液(好ましくは、ギ酸または酢酸溶液)中に、氷冷下、硫酸(好ましい濃度は、約60〜98%)を化合物(II)に対して約10〜30モル当量、より好ましくは約15〜20モル当量、数分〜数十分かけて滴下し、同温度で数分〜数時間攪拌する。この反応液を好ましくは約0〜−20℃に冷却した有機溶媒、好ましくは、イソプロパノール、アセトン、エタノール、またはそれらの混合液中に注ぐことにより、化合物(I)の0.5硫酸塩である上記化合物(III)を析出させる。原料の化合物(II)は、WO00/32606号に記載の方法に準じて合成すればよい。各置換基は好ましくは、R1およびR3がアミノ保護基(例:t−ブトキシカルボニル等)、R2がカルボキシ保護基(例:p−メトキシベンジル等)、XがCl、Br、I等である。
本工程により、化合物(II)の脱保護と硫酸塩形成が一工程で完了する。
(第2工程)
上記化合物(III)の水溶液に、好ましくは、0℃〜室温、より好ましくは約3〜10℃にて、化合物(III)に対して好ましくは約0.5〜1.0モル当量、より好ましくは約0.5〜0.6モル当量の硫酸(好ましい濃度は約10〜60%)と有機溶媒(例:テトロヒドロフラン等)を加えることによって、化合物(I)の1硫酸塩である化合物(IV)を析出させる。このとき化合物(IV)が結晶として析出しにくい場合には、まず不溶物を濾取後、一定時間静置し、および/または種晶を添加して結晶化させればよい。得られた析出物を所望により乾燥することにより、化合物(IV)を好ましくは結晶として単離することができる。化合物(IV)の水和数は、析出条件、湿度、乾燥条件等により異なり必ずしも限定されないが、例えば5〜7水和物等として得られる。
化合物(III)はこのように、化合物(I)の1硫酸塩の製造用中間体として有用であるが、それ自身を医薬活性成分として使用してもよい。
(方法2)化合物(I)の1塩酸塩を、所望により塩基(例:NaOH)と反応させた後、硫酸と反応させることによって、化合物(I)の1硫酸塩が得られる。
好ましくは、化合物(I)の1塩酸塩と硫酸水を数分から数時間反応させる。この反応液を、展開液に硫酸を使用してクロマト処理する。流出液を好ましくはpH4〜6に調製後濾別し、濾液を減圧濃縮後、アルコールに注ぐことにより、化合物(I)の0.5硫酸塩が得られる。これを上記第2工程と同様に処理することにより、化合物(I)の1硫酸塩が得られる。
化合物(I)の硫酸塩またはその結晶は、各種水和物であってもよい。水和数は、以下のように再結晶や乾燥の条件等を変えることにより適宜調節可能である。
再結晶用溶媒としては、水、有機溶媒(例:アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)またはその混液が例示される。
乾燥条件の一般的な範囲は、例えば温度:約10〜50℃、好ましくは約20〜40℃、圧力:約0〜100mmHg、好ましくは約1〜60mmHg、時間:約1分〜24時間、好ましくは約1〜10時間である。具体例を以下に示す。
(例1)7〜8水和物結晶を所望により加温して一旦水に溶かした後、約0〜10℃で数日静置させ、所望により数分〜数時間攪拌後、さらに静置させて得られる結晶を、減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約1〜3時間)することにより5水和物に変換できる。さらに5水和物を長時間、減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約7〜20時間)することにより4水和物に変換できる。
(例2)7〜8水和物結晶を所望により加温して一旦水に溶かした後、約0〜20℃に冷却する。これに有機溶媒(例:テトラヒドロフラン等)を添加し、約3〜20℃で数時間〜数日静置させ、これに再度同様の有機溶媒と所望により硫酸を少量添加することにより晶析させる。この結晶を減圧乾燥(例:約10〜20mmHg,室温付近,約1〜3時間)することにより6水和物に変換できる。6水和物結晶はさらに乾燥することにより4〜5水和物結晶に変換できる。
(例3)6水和物結晶を減圧乾燥することにより3水和物結晶(乾燥条件:約15〜18mmHg,室温付近,約4〜5時間)、1水和物(乾燥条件:約2〜4mmHg,室温付近,約3〜5時間)、および2水和物(乾燥条件:約5〜15mmHg,室温付近,約1〜5時間)に変換できる。
(例4)水和物結晶は加熱乾燥(乾燥条件:約80℃以上)あるいは室温下では高真空下で減圧乾燥することにより無水和物結晶(乾燥条件:約1mmHg以下,室温付近,約2時間以上)に変換できる。
本発明はさらに、前記化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、好ましくは抗菌剤である。また医薬組成物の剤形としては、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤等が例示されるが、好ましくは注射剤である。また本発明は、前記化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物を有効成分として投与する、感染症の予防または治療方法、または抗菌剤を製造するためのそれらの使用を提供する。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、またはそれらの結晶は、保存安定性が高く、また水溶性が高く(>100mg/ml)、水に溶解した場合でもほとんどまたは全く濁りが観察されない。これらの特性は、対応の塩酸塩等と比較した場合に顕著な差が見られる。よって化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、またはそれらの結晶は特に注射剤の有効成分として適しており、粉末充填製剤または凍結乾燥製剤等として調製できる。
上記医薬組成物は適宜、医薬品用添加剤(例:賦形剤、崩壊剤、溶解剤、乳化剤、安定化剤等)を含有していてもよい。特に注射剤として使用する場合には、蒸留水や生理食塩水等と共に、pH調節用の塩基(例:炭酸ナトリウム、アミノ酸(例:アルギニン等)を配合してもよい。
化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物もしくは結晶、またはそれらの混合物の投与量は、患者の年齢や疾患の種類・状態等により異なるが、通常、患者の体重1kg当たり、約0.1〜100mg/日、好ましくは約0.5〜50mg/日を、所望により1日2〜4回に分割して経口または非経口的に投与すればよい。
実施例
以下に実施例、試験例を示す。粉末X線回折パターンは図に示し、その代表的なピーク値は表に記載した。これらは何ら本発明を限定するものではない。
(略号)
Me:メチル;Et:エチル;Boc:t−ブトキシカルボニル;PMB:p−メトキシベンジル;DMF:ジメチルホルムアミド;iPrOH:イソプロピルアルコール;THF:テトラヒドロフラン;MeCN:アセトニトリル
実施例1 0.5硫酸塩の合成
(方法1)
イミダゾピリジン2(28.98g,99.81mMol)とクロライド1(81.2g,純度82%,1eq)のDMF92ml溶液にNaBr(20.58g,2eq)を加えて5℃で3.5日攪拌した。この懸濁液を5%NaCl水溶液に注いで析出粉末を濾取し、NaCl水,水で順次洗浄後、減圧乾燥して四級塩3をBr塩とCl塩の混合物(173.1g)として得た。
元素分析 C37H45N10O8S2C10.2Br0.8H2Oとして
計算値:C:48.78%,H:5.20%,N:15.38%,S:7.04%,Cl:0.78%,Br:7.02%
実測値:C:48.66%,H:5.20%,N:15.24%,S:7.06%,Cl:1.10%,Br:7.14%
化合物3の98%ギ酸220ml溶液に氷冷下62%硫酸511mlを15分で滴下して加え、同温度で1時間懸濁攪拌した。これを−20℃に冷却した9.5LのiPrOH/アセトン(8.5/1)に注ぎ析出粉末を濾取し、iPrOH、アセトンで順次洗浄後、減圧乾燥して粗製の4を得た。これを水に溶解してHP−20SSダイヤイオン樹脂クロマト(三菱化学(株)製)にかけ、0.001N H2SO4〜0.001N H2SO4/MeCN(96/4)で展開して約8Lの流出液を集めた。これにポリ(4−ビニルピリジン)を加えてPH4.5に調製して濾別後、約600mlまで減圧濃縮後、凍結乾燥に付し、0.5硫酸塩4(非晶質,31.3g,収率約43%)を得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・0.54H2SO4・4.6H2Oとして
計算値:C,39.14;H,5.24;N,19.02;S,11.06
実験値:C,39.22;H,5.18;N,19.22;S,10.88(%)
(方法2)
氷冷攪拌下の2N H2SO4 25mlにWO00/32606号の実施例6−2に記載の塩酸塩6 3.5gを加えて15分攪拌する。これを250mlのHP−20SS樹脂クロマト(三菱ダイヤイオン)にかけ、0.001N H2SO4で展開して流出液を集める。これにポリ(4−ビニルピリジン)を加えてPH4.7に調製後濾別し、この濾液を減圧濃縮後iPrOHに注いで析出粉末を濾取し、洗浄後、減圧乾燥して0.5硫酸塩4を得る。
実施例2 1硫酸塩7水和物結晶の合成
上記化合物44g(5.4mMol)の水12ml溶液に10℃冷却下10N H2SO4 0.65mlとTHF13mlを加え、微量の不溶物を濾別後一週間静置した。析出晶を濾取後、約15mmHg減圧下室温で1.5時間乾燥し、1硫酸塩である化合物5(1.67g)を7水和物結晶として得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・7H2Oとして
計算値:C,34.95;H,5.38;N,16.98;S,11.66
実験値:C,34.67;H,5.30;N,17.16;S,11.72(%)
1H−NMR(D2O)δ:1.30(3H,t,J=7.5Hz),2.42(2H,m),2.74(3H,s),3.16(2H,t like,J=8.1Hz),3.34 and 3.64(2H,ABq,J=18.3Hz),4.33(2H,q,J=7.5Hz),4.65(2H,t like,J=7.5Hz),5.25(1H,d,J=4.8Hz),5.71 and 5.94(2H,ABq,J=15Hz),5.87(1H,d,J=4.8Hz),7.89(1H,dd,J=8.1Hz and 6.6Hz),8.82(1H,d,J=8.1Hz),8.86(1H,d,J=6.6Hz),8.89(1H,s).
mp(dec.):>200℃
粉末X線:A型(参照:図1および表1)
実施例3 1硫酸塩7水和物の再結晶
実施例2の1硫酸塩7水和物結晶(20.6g)を水78mlに加温溶解後、アセトン59mlと1N H2SO4 2.5mlを加えて微量の不溶物を濾別後13℃に冷却し、再度アセトン40mlを追加した後、一晩静置した。さらに、4℃で5時間攪拌後一晩静置し、結晶を濾取した。水/アセトンで洗浄後約15mmHg減圧下室温で2時間乾燥し、5の7水和物結晶(12.7g,約62%)を得た。本結晶は実施例2の結晶と同様のX線ピークを示した。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・7.4H2Oとして
計算値:16.02、実験値:16.05(%).
実施例4 1硫酸塩6水和物結晶の調製
実施例3の1硫酸塩7水和物5.89gに注射用蒸留水24mlを加えて43℃で加温溶解後ミクロフィルターで濾過し、6mlの水で洗浄後17℃に冷却した。これにTHF26mlを加えて10℃で22時間さらに4℃で一晩静置後、再びTHF22mlと2NH2SO4を少量追加して一晩静置後結晶を濾取した。これを2mlの氷冷した水/THF(1:1.6,1:3)で順次洗浄後16mmHg減圧下室温で2時間乾燥して化合物(I)の1硫酸塩6水和物結晶(4.73g,82%)を得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・6.2H2Oとして
計算値:13.78、実験値:13.88(%).
粉末X線:B型(参照:図2および表2)
実施例5 1硫酸塩5水和物結晶の調製
実施例3の1硫酸塩7水和物6.0gに注射用蒸留水24mlを加え35℃加温溶解後ミクロフィルターで濾過して2mlの水で洗浄した。この水溶液に少量の結晶種を加えて10℃で三日静置、さらに4℃で3時間攪拌後一晩静置して結晶を濾取した。これを1mlの冷水ついで1mlの水/EtOH(4:1,2:1,1:1,1:2,1:9)で順次洗浄後、約15mmHg減圧下室温で1.5時間乾燥して化合物(I)の1硫酸塩5水和物結晶2.4gを得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・5H2Oとして
計算値:11.42、実験値:11.46(%).
13C−NMR(D2O)δ:16.59,28.45,28.84,35.54,46.24,48.59,57.27,60.15,61.59,75.02,119.29,122.49,131.81,133.95,134.98,141.11,148.97,150.97,153.50,163.53,166.64,166.97,168.87,187.00.
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.72,16.29,34.06,44.94,58.25,73.64,120.80,124.73,126.87,128.23,131.82,140.66,146.34,148.77,161.01,166.20,168.48,185.04.
粉末X線:C型(参照:図3および表3)
実施例6 1硫酸塩4水和物結晶の調製
(1)実施例4で得られた1硫酸塩6水和物結晶4.59gを15mmHg減圧下室温で21時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩4水和物結晶4.40gを得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・4.3H2Oとして
計算値:9.98、実験値:9.98(%).
固体13C−NMR(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.61,24.74,33.91,45.08,56.15,58.29,73.68,120.69,123.90,126.81,131.13,140.31,145.94,148.81,162.50,166.10,168.57,184.84.
IR(Nujol)(乾燥窒素気流中で試料を調製)cm−1:
3346〜3089,2730,2521〜2457,1880,1759,1687,1633,1585,1554,1518,1267,1215,1147,1061,935,818.
粉末X線:D型(参照:図4および表4)
(2)実施例5で得られた1硫酸塩5水和物2.22gを50〜30mmHg減圧下室温で2時間さらに20mmHg減圧下9.5時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩4水和物結晶を得た。
KF水分値 C24H28N10O5S2・H2SO4・4.4H2Oとして
計算値:10.19、実験値:10.22(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.66,17.64,19,24,24.10,32.60,34,49,45.27,55.96,58.68,69.60,73.24,120.50,124.09,128.70,130.35,132.05,139.24,146.62,149.05,161.14,162.70,166.05,168.57,185.08.
IR(Nujol)(乾燥窒素気流中で試料を調製)cm−1:3344〜3029,2733,2524〜2467,1876,1759,1687,1633,1585,1554,1518,1269,1215,1149,1061,937,818.
mp(dec.):>200℃
粉末X線:D型(参照:図5および表5)
実施例7 1硫酸塩3水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶8.50gを16mmHg減圧下室温で3.5時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩3水和物結晶7.94gを得た。当該結晶については単結晶X線解析によっても構造確認した。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・3H2Oとして
計算値:C,38.29;H,4.82;N,18.61;S,12.78
実験値:C,38.14;H,4.84;N,18.64;S,12.66(%)
KF水分値 計算値:7.18、実験値:7.77(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.67,17.65,19,35,23.82,32.46,34,45,45.18,55.92,58.54,69.76,73.11,120.17,124.34,128.95,130.17,132.01,139.35,149.11,161.05,166.01,168.63,184.90.
IR(Nujol)cm−1:(乾燥窒素気流中で試料調製)3353,3199,2509,1878,1761,1684,1633,1554,1327,1149,1118,1036,937,609.
粉末X線:E型(参照:図6および表6),乾燥窒素気流中で試料調製。
実施例8 1硫酸塩1水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶16.0gを3mmHg減圧下26℃で4時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩1水和物結晶14.15gを得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・1H2Oとして
計算値:C,40.22;H,4.50;N,19.54;S,13.42
実験値:C,39.82;H,4.64;N,19.49;S,13.50(%)
KF水分値 計算値:2.51、実験値:4.07(%).
粉末X線:F型(参照:図7および表7),乾燥窒素気流中で試料調製。
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:13.23,17.07,18.28,25.03,34.55,46.35,58.30,73.84,116.96,119.39,125.99,132.06,134.44,138.96,147.26,148.72,160.76,169.31,184.17.
実施例9 1硫酸塩2水和物結晶の調製
実施例4と同様にして得られた1硫酸塩6水和物結晶13.96gを10mmHg減圧下26℃で3.75時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩2水和物結晶12.72gを得た。
元素分析 C24H28N10O5S2・H2SO4・2.1H2Oとして
計算値:C,39.14;H,4.68;N,19.02;S,13.06
実験値:C,39.18;H,4.64;N,19.10;S,13.17(%)
KF水分値 計算値:5.14、実験値:5.19(%).
固体13C−NMR:外部標準:Hexamethyl benzene 817.3ppm(乾燥窒素気流中で試料を調製)δ:14.87,16.91,26.62,34.88,46.39,58.34,73.20,120.35,121.56,124.33,129.19,131.81,139.19,148.61,160.90,168.86,184.74.
粉末X線:G型(参照:図8および表8),乾燥窒素気流中で試料調製。
実施例10 1硫酸塩無水物結晶の調製
実施例4に準じて得られた1硫酸塩5.6水和物結晶4.0g(KF水分値13%)を1mmHg以下で減圧下、室温で20時間乾燥し、化合物(I)の1硫酸塩無水物結晶3.5gを得た。
KF水分値 計算値:0、実験値:0.08(%).
粉末X線:H型(参照:図9および表9),乾燥窒素気流中で試料調製。
試験例1
上記実施例で得られた結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。
本発明の硫酸塩結晶は、長期間、高い保存安定性を示し、また水溶解状態においてほとんど濁りは観察されなかった。
試験例2
実施例9で得られた化合物(I)の1硫酸塩結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。対照として、WO00/32606号の実施例6−2に記載の方法に準じて得られた化合物(I)の1塩酸塩(非結晶,KF 1.7%,0.6 H2O)の凍結乾燥品を使用した。
本発明の化合物(I)の硫酸塩は、対照の塩酸塩に比べて、長期間、高い保存安定性を示し、変色等の外観変化も生じなかった。また水溶解状態においても濁りは観察されなかった。よって、本発明の硫酸塩は、特に注射剤等として使用する上で、対応の塩酸塩よりも有利である。
試験例3
実施例10で得られた結晶をバイアル瓶に充填し、40℃加速安定性試験を行って残存率を調べた。また水溶解状態での濁り具合も調べた。
本発明の硫酸塩無水物結晶は、長期間、高い保存安定性を示し、また水溶解状態においてほとんど濁りは観察されなかった。
製剤例1
実施例7で得られた化合物(I)の1硫酸塩とpH調整用の塩基を蒸留水に溶解させることにより、注射液を調製する。
産業上の利用可能性
本発明のセフェム化合物の硫酸塩、その溶媒和物またはそれらの結晶は、長期間高い保存安定性を有し、極めて高品質である。よって、抗菌剤等の医薬、特に注射剤の活性成分として使用される。また本発明の製造方法によれば、それらの化合物を高収率、高純度で効率よく工業的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
(図1)実施例2で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。縦軸はピーク強度(単位:cps)、横軸は回折角2θ(単位:°)を表わす。
(図2)実施例4で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図3)実施例5で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図4)実施例6(1)で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図5)実施例6(2)で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図6)実施例7で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図7)実施例8で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図8)実施例9で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
(図9)実施例10で得られた結晶の粉末X線回折のグラフである。
Claims (28)
- 1硫酸塩水和物である請求項1記載の化合物。
- 1硫酸塩1〜7水和物である、請求項1または2記載の化合物。
- 1硫酸塩1〜5水和物である、請求項1または2記載の化合物。
- 1硫酸塩1〜3水和物である、請求項1または2記載の化合物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、10.04、9.65、5.13、4.51、4.18、3.58、3.42、3.35、および2.98(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩7水和物である、請求項7記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.36、7.26、4.76、4.55、4.18、3.67、3.64、3.61、3.39、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩6水和物である、請求項9記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.75、9.42、4.56、4.17、3.69、3.61、3.41、および3.34(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩5水和物である、請求項11記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、9.71、9.36、7.36、4.99、4.70、4.55、4.17、3.92、3.67、3.61、および3.40(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩4水和物である、請求項13記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.79、9.80、7.72、5.75、4.57、4.19、4.13、3.69、3.62、3.42、3.35および2.96(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩3水和物である、請求項15記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.66、9.52、8.32、7.60、4.58、4.17、4.08、3.71、3.62、3.40、3.33および2.95(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩1水和物である、請求項17記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、16.60、9.42、4.54、4.13、3.59、3.38、3.31、2.94および2.92(単位:Å)に主なピークを示す、請求項6記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩2水和物である、請求項19記載の結晶。
- 粉末X線回折パターンにおいて、面間隔(d)が、7.70、5.48、5.12、4.26、3.93、3.85、3.53、3.42、および3.08(単位:Å)に主なピークを示す、請求項1記載の結晶。
- 化合物(I)の1硫酸塩無水物である、請求項21記載の結晶。
- 請求項1〜22のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物を含有する医薬組成物。
- 抗菌剤である請求項23記載の医薬組成物。
- 注射剤である請求項23記載の医薬組成物。
- 請求項1記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物に硫酸を反応させる工程を包含する、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶、またはそれらの混合物の製造方法。
- 請求項1記載の化合物(I)の0.5硫酸塩またはその溶媒和物。
- 請求項1記載の化合物(I)の1塩酸塩を硫酸と反応させる工程を包含する、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物(I)の硫酸塩、その溶媒和物、結晶またはそれらの混合物の製造方法。
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