JPWO2002084997A1 - 輪郭強調装置 - Google Patents
輪郭強調装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2002084997A1 JPWO2002084997A1 JP2002582601A JP2002582601A JPWO2002084997A1 JP WO2002084997 A1 JPWO2002084997 A1 JP WO2002084997A1 JP 2002582601 A JP2002582601 A JP 2002582601A JP 2002582601 A JP2002582601 A JP 2002582601A JP WO2002084997 A1 JPWO2002084997 A1 JP WO2002084997A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contour
- coefficient
- video signal
- frequency
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04N—PICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
- H04N5/00—Details of television systems
- H04N5/14—Picture signal circuitry for video frequency region
- H04N5/20—Circuitry for controlling amplitude response
- H04N5/205—Circuitry for controlling amplitude response for correcting amplitude versus frequency characteristic
- H04N5/208—Circuitry for controlling amplitude response for correcting amplitude versus frequency characteristic for compensating for attenuation of high frequency components, e.g. crispening, aperture distortion correction
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Picture Signal Circuits (AREA)
- Studio Devices (AREA)
Abstract
輪郭強調回路(16)は、各バンドパスフィルタ(21),(22),(23)によって元の映像信号を、低域,中域,高域の各帯域の輪郭成分に分離する。低域,中域,高域の各輪郭成分は、それぞれ対応する波形整形回路(24),(25),(26)に供給される。各波形整形回路では、輪郭成分の振幅のピークレベルを検出し、そのピークレベルに基づきゲイン係数を生成して、元の各帯域の輪郭成分に乗算する。そして、その乗算結果を加算し、最終的なディテール信号を生成する。このため、この輪郭強調装置(16)では、映像信号の空間周波数に最も近い周波数の輪郭成分の振幅がより大きく増幅され、映像信号の空間周波数に対応した周波数特性で輪郭強調がされる。
Description
技術分野
本発明は、映像信号の輪郭部分を強調する輪郭強調装置に関するものである。
背景技術
従来より、ビデオカメラでは、画像の輪郭部分を強調する輪郭強調処理を行い、被写本の輪郭がはっきりした鮮明度が向上した映像信号を生成している。
ビデオカメラに従来から用いられている輪郭強調回路について、図1を参照しながら説明をする。
輪郭強調回路101は、図1に示すように、バンドパスフィルタ(BPF)111と、利得調整回路112と、振幅制限回路113と、加算回路114とを備えて構成されている。
輪郭強調回路101には、撮像された映像信号が入力される。
この輪郭強調装置101に入力された映像信号は、BPF111に供給され、高域成分が抽出される。映像信号の高域成分には、撮像した画像の輪郭成分が含まれている。すなわち、このBPF111からは、映像信号の輪郭を表す輪郭成分が出力されることとなる。BPF111から出力された輪郭成分は、利得調整回路112に供給される。利得調整回路112は、抽出された輪郭成分に対して所定のゲイン調整係数を乗算して、輪郭強調の度合いを調整する。利得調整回路112の出力は、振幅制限回路113に供給される。振幅制限回路113は、所定の信号レベルを超える部分に対して信号レベルを制限し、最終的なディテール信号(輪郭強調信号)を出力する。そして、このディテール信号は、加算回路114に供給される。加算回路114は、元のメインの映像信号に、生成したディテール信号を加算する。
このようにディテール信号が加算された映像信号は、輪郭部分が強調された画像となり、そのため、被写体の輪郭がはっきりとした鮮明な画像となる。
ところで、撮影者は自分の好みに応じてもしくは撮影する場面に応じて、輪郭強調の特性の変更を行いたい場合がある。元の映像信号に加えるディテール信号の周波数(太さ)や信号レベルを変更すればよい。
例えば、レンズのズームを広角側にして撮影した映像などの映像信号の空間周波数の高域成分が多くなる映像の場合には、ディテール信号の周波数特性を、高域を強調する特性に設定する。このようにすると、細く輪郭が強調され、高品位な輪郭強調が行われ自然な映像になる。また、レンズのズームを望遠側にして撮影した画像などの映像信号の空間周波数の低域成分が多くなる映像の場合には、ディテール信号の周波数特性を、低域を強調する特性に設定する。このようにすると、太く輪郭が強調され、先鋭度の高いくっきりとした映像になる。
また、映像の自然さだけでなく、S/Nの観点から見ると、一般民生機のようにS/Nがあまり良くないカメラの場合、空間周波数が高い映像では、S/Nの劣化を防ぐために、ディテール信号の信号レベルを小さくしたほうがきれいになり、映像信号の空間周波数が低くなるとディテール信号の信号レベルを大きくしたほうが先鋭度が高く好ましい映像となる。逆に、放送局用カメラのように高品位でS/Nの良いカメラの場合は、映像信号の空間周波数成分が高いほど、ディテール信号の信号レベルを大きくして先鋭度を高くし、映像信号の空間周波数が低いほど、ディテール信号の信号レベルを小さくした方が過剰な輪郭強調が行われることなく高品位で好ましい映像となる。
このように輪郭強調の特性を変更する場合には、一般に、輪郭強調装置101のBPF111の通過帯域周波数特性を切り換えて、強調する輪郭成分の周波数(太さ)を変更すればよい。デジタル信号処理を用いたビデオカメラの場合、一般的に、バンドパスフィルタの通過帯域周波数特性は組み込みCPU(Central Processing Unit)によって可変できる。例えば、バンドパスフィルタの係数が可変になっており、この係数を変えることによって通過帯域周波数特性が変更できるようになっている。また、例えば、周波数特性の異なる複数個の固定係数のフィルタを設け、これらの出力信号を加算混合するような構成としておき、その混合比を変えることにより、周波数特性を変えられるように構成されているものもある。
ところで、撮影している映像は常に変動しているので、映像の空間周波数は常に一定とはならない。そのため、撮影中に映像信号の空間周波数が変わり、設定してある通過帯域周波数特性では最適な輪郭強調ができなくなり、反対に特性が悪化してしまう場合がある。
例えば、元々はレンズのズームを広角側にして、ディテール信号の周波数特性の高域を強調する特性で撮影していたものを、望遠側にズームインした場合、高域を強調する特性としていたにもかかわらず、映像信号の空間周波数は低域成分が多くなるので、十分な輪郭強調が行われずぼやけた映像になってしまう。反対に、元々はレンズのズームを望遠側にして ディテール信号の周波数特性の低域を強調する特性で撮影していたものを、広角側にズームアウトした場合、ディテール信号の周波数特性の低域を強調する特性としていたにもかかわらず、映像信号の空間周波数は高域成分が多くなるので、逆に高城部分の輪郭強調が不足してしまう。
ところが、ディテール信号を生成する際のフィルタ係数等の設定は、撮影前に行うものであり、撮影中に変えることは困難である。従って、従来のビデオカメラでは、撮影中に映像信号の空間周波数特性が変わった場合には、適切な輪郭強調をすることができなかった。
もっとも、撮影中のズームアウトやズームインによる空間周波数の変動に対応するため、例えば、レンズのズーム位置の情報をカメラの組み込みCPUにフィードバックして、ディテール信号の周波数特性を変えたり、ゲインを変えたりする手法もある。しかしながら、レンズのズームが広角になるからといって、必ずしも映像の空間周波数が全画面において高城成分のみになるわけではない。そのため、このようなレンズのズーム位置に応じて周波数特性やゲインを切り換えたとしても、画像内に不自然な輪郭強調された部分が生じてしまう。また、レンズのズーミング情報がディテール信号の制御に反映されるまでには、時間差が生じるため、その時間差により不自然な輪郭強調がされてしまう場合もある。
発明の開示
本発明は、撮影している映像信号の空間周波数が変動した場合であっても最適な輪郭強調を行うことができ、また、画面内のどの部分でも最適な輪郭強調を行うことができる輪郭強調装置及び方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、撮影している映像信号の空間周波数が変動した場合であっても最適な輪郭強調を行うことができ、また、画面内のどの部分でも最適な輪郭強調を行うことができるビデオカメラを提供することを目的とする。
本発明に係る輪郭強調装置は、入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出手段と、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成手段と、各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正手段と、補正された各輪郭成分を合成する合成手段とを備える。
本発明にかかる輪郭強調方法は、入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出し、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成し、各輪郭成分を対応する上記係数で補正し、補正された各輪郭成分を合成することを特徴とする。
本発明にかかるビデオカメラは、被写体を撮像して映像信号を生成する撮像手段と、上記映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出部と、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成部と、各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正部と、補正された各輪郭成分を上記映像信号に合成する合成部とを有する輪郭強調手段とを備える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したビデオカメラ装置について説明をする。
まず、本発明の実施の形態のビデオカメラの全体構成について説明をする。図2に、本発明の実施の形態のビデオカメラ装置1のブロック構成図を示す。
ビデオカメラ装置1は、撮像レンズ11と、固体撮像素子(CCD)12と、CDS(Correlated Double Sampling)回路13と、アナログ信号処理回路14と、アナログ/デジタル変換回路(A/Dコンバータ)15と、輪郭強調回路16と、遅延回路17と、加算回路18と、デジタル信号処理回路19とを備えている。
ビデオカメラ装置1によって撮影を行うと、被写体からの光が撮像レンズ11に入射される。撮像レンズ11からの光は、CCD12に入射され、CCD12はその光を電気信号に変換し出力する。CCD12から出力された信号は、CDS回路13に供給される。CDS回路13は、入力信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、アナログ映像信号を生成する。このアナログ映像信号は、アナログ信号処理回路14に供給される。アナログ信号処理回路14は、アナログ映像信号を所定の信号レベルに増幅し、白/黒バランス調整、白/黒シェーディング補正、フレア補正などの各種アナログ信号処理を行う。アナログ信号処理回路14から出力されたアナログ映像信号は、A/Dコンバータ15に供給される。A/Dコンバータ15は、アナログの映像信号を所定のサンプリングレートでサンプリングして、デジタルの映像信号に変換する。A/Dコンバータ15から出力されたデジタル映像信号は、輪郭強調回路16及び遅延回路17に供給される。
輪郭強調回路16は、映像信号の高域成分を抽出してこの高周波成分にゲイン係数の乗算等を行い、映像信号の輪郭部分を強調するためのディテール信号を生成する。輪郭強調回路16から出力されたディテール信号は、加算回路18に供給される。
遅延回路17は、輪郭強調回路16により生成されるディテール信号に位相を合わせるため、輪郭強調回路16により遅延される時間と同一の時間だけ、映像信号を遅延させる。遅延回路17により遅延された映像信号は加算回路18に供給される。
加算回路18は、映像信号にディテール信号を加算して、輪郭部分の波形整形を行う。加算回路18により波形整形がされた映像信号は、デジタル信号処理回路19に供給される。
デジタル信号処理回路19は、例えば、ニー処理、ガンマ補正処理、白/黒クリップ処理等のデジタル処理を行い、処理したデータを、例えば、デジタルビデオデータとして出力する。
つぎに、このビデオカメラ装置1に用いられている輪郭強調回路16について、図3を参照しながら説明する。
輪郭強調回路16は、図3に示すように、低域通過バンドパスフィルタ(BPF)21と、中域通過バンドパスフィルタ(BPF)22と、高域通過バンドパスフィルタ(BPF)23と、低域波形整形部24と、中域波形整形部25と、高域波形整形部26と、加算回路27と、利得調整回路28と、振幅制限回路29とを備えている。
ビデオカメラ装置1のA/Dコンバータ15から出力された映像信号は、低域通過BPF21,中域通過BPF22,高域通過BPF23にパラレルに供給される。
低域通過BPF21は、図4のAに示すように、入力された映像信号から、低域の輪郭成分を抽出して出力をする。低域通過BPF21は、通過域の中心周波数が、低域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から低周波数帯域を強調する(太い)ディテール信号が作られる。また、中域通過BPF22は、図4のBに示すように、入力された映像信号から、中域の輪郭成分を抽出して出力をする。中域通過BPF22は、通過域の中心周波数が、中域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から中周波数帯域を強調する(中間の太さの)ディテール信号が作られる。また、高域通過BPF23は、図4のCに示すように、入力された映像信号から、高域の輪郭成分を抽出して出力をする。高域通過BPF23は、通過域の中心周波数が、高域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から高周波数帯域を強調する(細い)ディデール信号が作られる。
低域通過BPF21から出力された低域輪郭成分は、低域波形整形回路24に供給される。また、中域通過BPF22から出力された中域輪郭成分は、中域波形整形回路25に供給される。また、高域波形整形回路26から出力された高域輪郭成分は、高域波形整形回路26に供給される。
低域波形整形回路24は、絶対値化回路31と、最大値保持回路32と、利得調整回路33と、利得制限回路34と、乗算回路35とから構成されている。
絶対値化回路31は、図5のAに示すように、入力された低域輪郭成分を絶対値化して出力する。絶対値化された低域輪郭成分は、最大値保持回路32に供給される。最大値保持回路32は、図5のBに示すように、入力された信号の最大値を、一定の期間保持する。これは、低域輪郭成分のエンベロープのピークレベルを検出して保持する処理である。そのためピークレベルを検出できるように保持期間は、輪郭成分の立ち上がりと立ち下がりとの間の期間に対応するように所定の値に設定されている。最大値保持回路32により検出された低域輪郭成分のピークレベルは、利得調整回路33に供給される。利得調整回路33は、検出されたピークレベルに所定の乗算係数を乗算して、利得調整をする。利得調整された信号は、利得制限回路34に供給される。利得制限回路34は、入力された信号が所定の値よりも大きくならないように、信号レベル制限を行う。このレベル制限回路34から出力された信号は、低域輪郭成分に対して乗算するゲイン係数として乗算回路35に供給される。
乗算回路35は、低域通過BPF21から出力された元の低域輪郭成分に対して、レベル制限回路34から出力されるゲイン係数を乗算する。ゲイン係数が乗算された輪郭成分は、低域のディテール信号として出力される。
中域波形整形回路25及び高域波形整形回路26は、上述した低域波形整形回路24と同一の構成となっている。中域波形整形回路25は、中域輪郭成分からゲイン係数を生成し、これを元の中域輪郭成分に乗算し、中域ディテール信号を出力する。同様に、高域波形整形回路26は、高域輪郭成分からゲイン係数を生成し、これを元の高域輪郭成分に乗算し、高域ディテール信号を出力する。なお、高域波形整形回路26の最大値保持回路32によるピークレベルの保持期間であるが、高域の輪郭成分のピーク間隔は、低域の輪郭成分よりも短いため、その保持期間は低域波形整形回路24より短くなる。
このように各波形整形回路24,25,26によって、低域を強調するディテール信号(即ち太いディテール信号)と、中域を強調するディデール信号(即ち中間の太さのディテール信号)と、高域を強調するディテール信号(即ち細いディテール信号)とがそれぞれ別々に生成され、低域波形整形回路24,中域波形整形回路25,高域波形整形回路26から出力される。
低域,中域,高域の各ディテール信号は、加算回路27に供給される。加算回路27は、これらの信号を全て加算して出力する。加算回路27からの出力信号は、利得調整回路28に供給される。
利得調整回路28は、加算回路27からの出力信号に所定の乗算係数を乗算して、利得調整をする。利得調整された信号は、利得制限回路29に供給される。利得制限回路29は、入力された信号が所定の値よりも大きくならないように、信号レベル制限を行う。
そして、このレベル制限回路29から出力された信号が、最終的なディテール信号として出力される。
以上のように輪郭強調回路16では、各バンドパスフィルタ21,22,23によって元の映像信号を、低域,中域,高域の各帯域の輪郭成分に分離している。そして、さらに、各帯域毎に設けられた波形整形回路24,25,26によって、輪郭成分の振幅のピークレベルを検出し、そのピークレベルに基づきゲイン係数を生成して、元の各帯域の輪郭成分に乗算している。
つまり、この輪郭強調回路16では、各帯域の輪郭成分毎に、自分自身の振幅をゲインに変換して、自分自身を増幅している。すなわち、低域,中域,高域の輪郭成分をそれぞれ別々に二乗に比例した値に増幅して、それらを加算したディテール信号を生成している。
従って、元々の輪郭成分の振幅が大きければ大きいほど、乗ぜられるゲイン係数g大きくなり、逆に、元々の輪郭成分の振幅が小さければ小さいほど、乗ぜられるゲイン係数も小さくなる。
このため、低域、中域、高域の3種類の通過帯域周波数特性を持つバンドパスフィルタ21,22,23のうち、映像信号の注目している部分の空間周波数成分に最も近い通過帯域周波数特性を持つバンドパスフィルタの輪郭成分の振幅が最もゲインが高くなるので、その映像信号の空間周波数成分に最も近い帯域の信号レベルに重みが付けられた増幅が行われることとなる。つまり、映像信号の空間周波数に対応した周波数特性のゲイン係数によって増幅がされたディテール信号が生成される。
以上のように輪郭強調回路16では、このように生成したディテール信号を元の映像信号に加算することによって、映像信号のどの時間、画面内のどの部分においても、その部分の空間周波数に近い周波数特性を持ったディテール信号によって輪郭強調がされ、映像信号の空間周波数に依存した適切な輪郭強調を行うことができる。
なお、この輪郭強調装置16では、各波形整形回路24,25,26内の利得調整回路33を適当に調整することにより、それぞれの帯域にさらに重みづけをすることができる。そのため、撮影者の好みによって、太めのディテール信号、細めのディテール信号を生成することができる。また、例えば、低域の利得調整回路33の利得を上げ、高域の利得調整回路33の利得を下げるように調整すれば、映像信号の空間周波数が高い部分ほど振幅の大きいディテール信号を付けることができる。逆に、高域の利得調整回路33の利得を上げ、低域の利得調整回路33の利得を下げれば、映像信号の空間周波数が高い部分ほどディテール信号の振幅が小さくなり、S/Nを良くすることができる。
また、各バンドパスフィルタ21,22,23から出力された輪郭成分の振幅のピークレベルを検出する際、サンプリング周波数が高ければ高いほど、輪郭成分のエンベロープを正確に再現することができ、正確にピークレベルを検出することができる。従って、絶対値化回路31の前にアップコンバータ回路を設け、サンプリング周波数を上げてからピークレベルを検出し、ピークレベルを検出した後ダウンコンバータ回路でサンプリング周波数を元に戻す構成を取ることによって、より正確なピークレベルの検出を行うことができる。
また、本例では、輪郭成分の振幅をピークレベルで検出しているが、本発明では、各周波数成分の振幅レベルを検出できれば、特にピークレベルでなくても、例えば実効値レベルであってもよい。
また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号ごとにゲイン係数を求め、求めたゲイン係数を元の輪郭成分に乗算しているが、本発明では、ゲイン係数で元の輪郭成分を乗算するのではなく、何らかの方法でこのゲイン係数に基づき輪郭成分を補正すればよい。また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号を加算して合成し、最終的なディテール信号を生成しているが、本発明では、加算合成に限らずどのような合成方法であってもよい。
また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号を生成するバンドパスフィルタのブロックの数を3つとして構成したが、このブロックの数を4つ、5つと増やしていけば、より細かい設定が可能になり、ディテール信号の周波数特性を、より映像信号の周波数特性に近づけることができる。
また、本例では、白黒カメラの構成例を示したが、赤色信号(R)、緑色信号(G)、青色信号(B)のそれぞれに同様の処理を行うか、もしくは輝度信号(Y)に本例と同様の処理を行うことによって、カラーカメラにも適用することができる。また、本例では、ビデオカメラに輪郭強調回路を適用した例を示したが、本発明は、ビデオカメラに限らず、ビデオテープレコーダーやビデオディスクレコーダー、テレビジョン受像機やビデオプロジェクターなど、高画質化が要求される映像信号処理装置に広く適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の輪郭強調装置のブロック構成図である。
図2は、本発明の実施の形態のビデオカメラ装置のブロック構成図である。
図3は、上記実施の形態のビデオカメラ装置内の輪郭強調回路のブロック構成図である。
図4は、上記輪郭強調回路内のバンドパスフィルタにより抽出される低域輪郭成分、中域輪郭成分、高域輪郭成分を説明するための図である。
図5は、上記輪郭強調回路内の絶対値化回路の出力信号、最大値保持回路の出力信号を説明するための図である。
本発明は、映像信号の輪郭部分を強調する輪郭強調装置に関するものである。
背景技術
従来より、ビデオカメラでは、画像の輪郭部分を強調する輪郭強調処理を行い、被写本の輪郭がはっきりした鮮明度が向上した映像信号を生成している。
ビデオカメラに従来から用いられている輪郭強調回路について、図1を参照しながら説明をする。
輪郭強調回路101は、図1に示すように、バンドパスフィルタ(BPF)111と、利得調整回路112と、振幅制限回路113と、加算回路114とを備えて構成されている。
輪郭強調回路101には、撮像された映像信号が入力される。
この輪郭強調装置101に入力された映像信号は、BPF111に供給され、高域成分が抽出される。映像信号の高域成分には、撮像した画像の輪郭成分が含まれている。すなわち、このBPF111からは、映像信号の輪郭を表す輪郭成分が出力されることとなる。BPF111から出力された輪郭成分は、利得調整回路112に供給される。利得調整回路112は、抽出された輪郭成分に対して所定のゲイン調整係数を乗算して、輪郭強調の度合いを調整する。利得調整回路112の出力は、振幅制限回路113に供給される。振幅制限回路113は、所定の信号レベルを超える部分に対して信号レベルを制限し、最終的なディテール信号(輪郭強調信号)を出力する。そして、このディテール信号は、加算回路114に供給される。加算回路114は、元のメインの映像信号に、生成したディテール信号を加算する。
このようにディテール信号が加算された映像信号は、輪郭部分が強調された画像となり、そのため、被写体の輪郭がはっきりとした鮮明な画像となる。
ところで、撮影者は自分の好みに応じてもしくは撮影する場面に応じて、輪郭強調の特性の変更を行いたい場合がある。元の映像信号に加えるディテール信号の周波数(太さ)や信号レベルを変更すればよい。
例えば、レンズのズームを広角側にして撮影した映像などの映像信号の空間周波数の高域成分が多くなる映像の場合には、ディテール信号の周波数特性を、高域を強調する特性に設定する。このようにすると、細く輪郭が強調され、高品位な輪郭強調が行われ自然な映像になる。また、レンズのズームを望遠側にして撮影した画像などの映像信号の空間周波数の低域成分が多くなる映像の場合には、ディテール信号の周波数特性を、低域を強調する特性に設定する。このようにすると、太く輪郭が強調され、先鋭度の高いくっきりとした映像になる。
また、映像の自然さだけでなく、S/Nの観点から見ると、一般民生機のようにS/Nがあまり良くないカメラの場合、空間周波数が高い映像では、S/Nの劣化を防ぐために、ディテール信号の信号レベルを小さくしたほうがきれいになり、映像信号の空間周波数が低くなるとディテール信号の信号レベルを大きくしたほうが先鋭度が高く好ましい映像となる。逆に、放送局用カメラのように高品位でS/Nの良いカメラの場合は、映像信号の空間周波数成分が高いほど、ディテール信号の信号レベルを大きくして先鋭度を高くし、映像信号の空間周波数が低いほど、ディテール信号の信号レベルを小さくした方が過剰な輪郭強調が行われることなく高品位で好ましい映像となる。
このように輪郭強調の特性を変更する場合には、一般に、輪郭強調装置101のBPF111の通過帯域周波数特性を切り換えて、強調する輪郭成分の周波数(太さ)を変更すればよい。デジタル信号処理を用いたビデオカメラの場合、一般的に、バンドパスフィルタの通過帯域周波数特性は組み込みCPU(Central Processing Unit)によって可変できる。例えば、バンドパスフィルタの係数が可変になっており、この係数を変えることによって通過帯域周波数特性が変更できるようになっている。また、例えば、周波数特性の異なる複数個の固定係数のフィルタを設け、これらの出力信号を加算混合するような構成としておき、その混合比を変えることにより、周波数特性を変えられるように構成されているものもある。
ところで、撮影している映像は常に変動しているので、映像の空間周波数は常に一定とはならない。そのため、撮影中に映像信号の空間周波数が変わり、設定してある通過帯域周波数特性では最適な輪郭強調ができなくなり、反対に特性が悪化してしまう場合がある。
例えば、元々はレンズのズームを広角側にして、ディテール信号の周波数特性の高域を強調する特性で撮影していたものを、望遠側にズームインした場合、高域を強調する特性としていたにもかかわらず、映像信号の空間周波数は低域成分が多くなるので、十分な輪郭強調が行われずぼやけた映像になってしまう。反対に、元々はレンズのズームを望遠側にして ディテール信号の周波数特性の低域を強調する特性で撮影していたものを、広角側にズームアウトした場合、ディテール信号の周波数特性の低域を強調する特性としていたにもかかわらず、映像信号の空間周波数は高域成分が多くなるので、逆に高城部分の輪郭強調が不足してしまう。
ところが、ディテール信号を生成する際のフィルタ係数等の設定は、撮影前に行うものであり、撮影中に変えることは困難である。従って、従来のビデオカメラでは、撮影中に映像信号の空間周波数特性が変わった場合には、適切な輪郭強調をすることができなかった。
もっとも、撮影中のズームアウトやズームインによる空間周波数の変動に対応するため、例えば、レンズのズーム位置の情報をカメラの組み込みCPUにフィードバックして、ディテール信号の周波数特性を変えたり、ゲインを変えたりする手法もある。しかしながら、レンズのズームが広角になるからといって、必ずしも映像の空間周波数が全画面において高城成分のみになるわけではない。そのため、このようなレンズのズーム位置に応じて周波数特性やゲインを切り換えたとしても、画像内に不自然な輪郭強調された部分が生じてしまう。また、レンズのズーミング情報がディテール信号の制御に反映されるまでには、時間差が生じるため、その時間差により不自然な輪郭強調がされてしまう場合もある。
発明の開示
本発明は、撮影している映像信号の空間周波数が変動した場合であっても最適な輪郭強調を行うことができ、また、画面内のどの部分でも最適な輪郭強調を行うことができる輪郭強調装置及び方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、撮影している映像信号の空間周波数が変動した場合であっても最適な輪郭強調を行うことができ、また、画面内のどの部分でも最適な輪郭強調を行うことができるビデオカメラを提供することを目的とする。
本発明に係る輪郭強調装置は、入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出手段と、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成手段と、各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正手段と、補正された各輪郭成分を合成する合成手段とを備える。
本発明にかかる輪郭強調方法は、入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出し、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成し、各輪郭成分を対応する上記係数で補正し、補正された各輪郭成分を合成することを特徴とする。
本発明にかかるビデオカメラは、被写体を撮像して映像信号を生成する撮像手段と、上記映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出部と、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成部と、各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正部と、補正された各輪郭成分を上記映像信号に合成する合成部とを有する輪郭強調手段とを備える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したビデオカメラ装置について説明をする。
まず、本発明の実施の形態のビデオカメラの全体構成について説明をする。図2に、本発明の実施の形態のビデオカメラ装置1のブロック構成図を示す。
ビデオカメラ装置1は、撮像レンズ11と、固体撮像素子(CCD)12と、CDS(Correlated Double Sampling)回路13と、アナログ信号処理回路14と、アナログ/デジタル変換回路(A/Dコンバータ)15と、輪郭強調回路16と、遅延回路17と、加算回路18と、デジタル信号処理回路19とを備えている。
ビデオカメラ装置1によって撮影を行うと、被写体からの光が撮像レンズ11に入射される。撮像レンズ11からの光は、CCD12に入射され、CCD12はその光を電気信号に変換し出力する。CCD12から出力された信号は、CDS回路13に供給される。CDS回路13は、入力信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、アナログ映像信号を生成する。このアナログ映像信号は、アナログ信号処理回路14に供給される。アナログ信号処理回路14は、アナログ映像信号を所定の信号レベルに増幅し、白/黒バランス調整、白/黒シェーディング補正、フレア補正などの各種アナログ信号処理を行う。アナログ信号処理回路14から出力されたアナログ映像信号は、A/Dコンバータ15に供給される。A/Dコンバータ15は、アナログの映像信号を所定のサンプリングレートでサンプリングして、デジタルの映像信号に変換する。A/Dコンバータ15から出力されたデジタル映像信号は、輪郭強調回路16及び遅延回路17に供給される。
輪郭強調回路16は、映像信号の高域成分を抽出してこの高周波成分にゲイン係数の乗算等を行い、映像信号の輪郭部分を強調するためのディテール信号を生成する。輪郭強調回路16から出力されたディテール信号は、加算回路18に供給される。
遅延回路17は、輪郭強調回路16により生成されるディテール信号に位相を合わせるため、輪郭強調回路16により遅延される時間と同一の時間だけ、映像信号を遅延させる。遅延回路17により遅延された映像信号は加算回路18に供給される。
加算回路18は、映像信号にディテール信号を加算して、輪郭部分の波形整形を行う。加算回路18により波形整形がされた映像信号は、デジタル信号処理回路19に供給される。
デジタル信号処理回路19は、例えば、ニー処理、ガンマ補正処理、白/黒クリップ処理等のデジタル処理を行い、処理したデータを、例えば、デジタルビデオデータとして出力する。
つぎに、このビデオカメラ装置1に用いられている輪郭強調回路16について、図3を参照しながら説明する。
輪郭強調回路16は、図3に示すように、低域通過バンドパスフィルタ(BPF)21と、中域通過バンドパスフィルタ(BPF)22と、高域通過バンドパスフィルタ(BPF)23と、低域波形整形部24と、中域波形整形部25と、高域波形整形部26と、加算回路27と、利得調整回路28と、振幅制限回路29とを備えている。
ビデオカメラ装置1のA/Dコンバータ15から出力された映像信号は、低域通過BPF21,中域通過BPF22,高域通過BPF23にパラレルに供給される。
低域通過BPF21は、図4のAに示すように、入力された映像信号から、低域の輪郭成分を抽出して出力をする。低域通過BPF21は、通過域の中心周波数が、低域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から低周波数帯域を強調する(太い)ディテール信号が作られる。また、中域通過BPF22は、図4のBに示すように、入力された映像信号から、中域の輪郭成分を抽出して出力をする。中域通過BPF22は、通過域の中心周波数が、中域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から中周波数帯域を強調する(中間の太さの)ディテール信号が作られる。また、高域通過BPF23は、図4のCに示すように、入力された映像信号から、高域の輪郭成分を抽出して出力をする。高域通過BPF23は、通過域の中心周波数が、高域の輪郭成分となるような周波数特性に設定されており、この出力から高周波数帯域を強調する(細い)ディデール信号が作られる。
低域通過BPF21から出力された低域輪郭成分は、低域波形整形回路24に供給される。また、中域通過BPF22から出力された中域輪郭成分は、中域波形整形回路25に供給される。また、高域波形整形回路26から出力された高域輪郭成分は、高域波形整形回路26に供給される。
低域波形整形回路24は、絶対値化回路31と、最大値保持回路32と、利得調整回路33と、利得制限回路34と、乗算回路35とから構成されている。
絶対値化回路31は、図5のAに示すように、入力された低域輪郭成分を絶対値化して出力する。絶対値化された低域輪郭成分は、最大値保持回路32に供給される。最大値保持回路32は、図5のBに示すように、入力された信号の最大値を、一定の期間保持する。これは、低域輪郭成分のエンベロープのピークレベルを検出して保持する処理である。そのためピークレベルを検出できるように保持期間は、輪郭成分の立ち上がりと立ち下がりとの間の期間に対応するように所定の値に設定されている。最大値保持回路32により検出された低域輪郭成分のピークレベルは、利得調整回路33に供給される。利得調整回路33は、検出されたピークレベルに所定の乗算係数を乗算して、利得調整をする。利得調整された信号は、利得制限回路34に供給される。利得制限回路34は、入力された信号が所定の値よりも大きくならないように、信号レベル制限を行う。このレベル制限回路34から出力された信号は、低域輪郭成分に対して乗算するゲイン係数として乗算回路35に供給される。
乗算回路35は、低域通過BPF21から出力された元の低域輪郭成分に対して、レベル制限回路34から出力されるゲイン係数を乗算する。ゲイン係数が乗算された輪郭成分は、低域のディテール信号として出力される。
中域波形整形回路25及び高域波形整形回路26は、上述した低域波形整形回路24と同一の構成となっている。中域波形整形回路25は、中域輪郭成分からゲイン係数を生成し、これを元の中域輪郭成分に乗算し、中域ディテール信号を出力する。同様に、高域波形整形回路26は、高域輪郭成分からゲイン係数を生成し、これを元の高域輪郭成分に乗算し、高域ディテール信号を出力する。なお、高域波形整形回路26の最大値保持回路32によるピークレベルの保持期間であるが、高域の輪郭成分のピーク間隔は、低域の輪郭成分よりも短いため、その保持期間は低域波形整形回路24より短くなる。
このように各波形整形回路24,25,26によって、低域を強調するディテール信号(即ち太いディテール信号)と、中域を強調するディデール信号(即ち中間の太さのディテール信号)と、高域を強調するディテール信号(即ち細いディテール信号)とがそれぞれ別々に生成され、低域波形整形回路24,中域波形整形回路25,高域波形整形回路26から出力される。
低域,中域,高域の各ディテール信号は、加算回路27に供給される。加算回路27は、これらの信号を全て加算して出力する。加算回路27からの出力信号は、利得調整回路28に供給される。
利得調整回路28は、加算回路27からの出力信号に所定の乗算係数を乗算して、利得調整をする。利得調整された信号は、利得制限回路29に供給される。利得制限回路29は、入力された信号が所定の値よりも大きくならないように、信号レベル制限を行う。
そして、このレベル制限回路29から出力された信号が、最終的なディテール信号として出力される。
以上のように輪郭強調回路16では、各バンドパスフィルタ21,22,23によって元の映像信号を、低域,中域,高域の各帯域の輪郭成分に分離している。そして、さらに、各帯域毎に設けられた波形整形回路24,25,26によって、輪郭成分の振幅のピークレベルを検出し、そのピークレベルに基づきゲイン係数を生成して、元の各帯域の輪郭成分に乗算している。
つまり、この輪郭強調回路16では、各帯域の輪郭成分毎に、自分自身の振幅をゲインに変換して、自分自身を増幅している。すなわち、低域,中域,高域の輪郭成分をそれぞれ別々に二乗に比例した値に増幅して、それらを加算したディテール信号を生成している。
従って、元々の輪郭成分の振幅が大きければ大きいほど、乗ぜられるゲイン係数g大きくなり、逆に、元々の輪郭成分の振幅が小さければ小さいほど、乗ぜられるゲイン係数も小さくなる。
このため、低域、中域、高域の3種類の通過帯域周波数特性を持つバンドパスフィルタ21,22,23のうち、映像信号の注目している部分の空間周波数成分に最も近い通過帯域周波数特性を持つバンドパスフィルタの輪郭成分の振幅が最もゲインが高くなるので、その映像信号の空間周波数成分に最も近い帯域の信号レベルに重みが付けられた増幅が行われることとなる。つまり、映像信号の空間周波数に対応した周波数特性のゲイン係数によって増幅がされたディテール信号が生成される。
以上のように輪郭強調回路16では、このように生成したディテール信号を元の映像信号に加算することによって、映像信号のどの時間、画面内のどの部分においても、その部分の空間周波数に近い周波数特性を持ったディテール信号によって輪郭強調がされ、映像信号の空間周波数に依存した適切な輪郭強調を行うことができる。
なお、この輪郭強調装置16では、各波形整形回路24,25,26内の利得調整回路33を適当に調整することにより、それぞれの帯域にさらに重みづけをすることができる。そのため、撮影者の好みによって、太めのディテール信号、細めのディテール信号を生成することができる。また、例えば、低域の利得調整回路33の利得を上げ、高域の利得調整回路33の利得を下げるように調整すれば、映像信号の空間周波数が高い部分ほど振幅の大きいディテール信号を付けることができる。逆に、高域の利得調整回路33の利得を上げ、低域の利得調整回路33の利得を下げれば、映像信号の空間周波数が高い部分ほどディテール信号の振幅が小さくなり、S/Nを良くすることができる。
また、各バンドパスフィルタ21,22,23から出力された輪郭成分の振幅のピークレベルを検出する際、サンプリング周波数が高ければ高いほど、輪郭成分のエンベロープを正確に再現することができ、正確にピークレベルを検出することができる。従って、絶対値化回路31の前にアップコンバータ回路を設け、サンプリング周波数を上げてからピークレベルを検出し、ピークレベルを検出した後ダウンコンバータ回路でサンプリング周波数を元に戻す構成を取ることによって、より正確なピークレベルの検出を行うことができる。
また、本例では、輪郭成分の振幅をピークレベルで検出しているが、本発明では、各周波数成分の振幅レベルを検出できれば、特にピークレベルでなくても、例えば実効値レベルであってもよい。
また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号ごとにゲイン係数を求め、求めたゲイン係数を元の輪郭成分に乗算しているが、本発明では、ゲイン係数で元の輪郭成分を乗算するのではなく、何らかの方法でこのゲイン係数に基づき輪郭成分を補正すればよい。また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号を加算して合成し、最終的なディテール信号を生成しているが、本発明では、加算合成に限らずどのような合成方法であってもよい。
また、本例では、それぞれの帯域のディテール信号を生成するバンドパスフィルタのブロックの数を3つとして構成したが、このブロックの数を4つ、5つと増やしていけば、より細かい設定が可能になり、ディテール信号の周波数特性を、より映像信号の周波数特性に近づけることができる。
また、本例では、白黒カメラの構成例を示したが、赤色信号(R)、緑色信号(G)、青色信号(B)のそれぞれに同様の処理を行うか、もしくは輝度信号(Y)に本例と同様の処理を行うことによって、カラーカメラにも適用することができる。また、本例では、ビデオカメラに輪郭強調回路を適用した例を示したが、本発明は、ビデオカメラに限らず、ビデオテープレコーダーやビデオディスクレコーダー、テレビジョン受像機やビデオプロジェクターなど、高画質化が要求される映像信号処理装置に広く適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の輪郭強調装置のブロック構成図である。
図2は、本発明の実施の形態のビデオカメラ装置のブロック構成図である。
図3は、上記実施の形態のビデオカメラ装置内の輪郭強調回路のブロック構成図である。
図4は、上記輪郭強調回路内のバンドパスフィルタにより抽出される低域輪郭成分、中域輪郭成分、高域輪郭成分を説明するための図である。
図5は、上記輪郭強調回路内の絶対値化回路の出力信号、最大値保持回路の出力信号を説明するための図である。
Claims (11)
- 入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出手段と、
各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成手段と、
各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正手段と、
補正された各輪郭成分を合成する合成手段と
を備える輪郭強調装置。 - 上記合成手段により合成された信号を、上記入力映像信号に合成する映像信号合成手段をさらに備えることを特徴とする請求の範囲第1項記載の輪郭強調装置。
- 上記抽出手段は、上記入力映像信号を夫々異なる周波数の輪郭成分に分離する複数のバンドパスフィルタからなり、
上記係数生成手段は、各バンドパスフィルタから出力された各周波数の輪郭成分の振幅レベルに応じた係数を生成し、
上記補正手段は、上記係数を対応する周波数の輪郭成分に乗算し、
上記合成手段は、補正された各輪郭成分を加算すること
を特徴とする請求の範囲第1項記載の輪郭強調装置。 - 上記係数生成手段は、上記バンドパスフィルタの出力信号の絶対値を算出する絶対値化部と、上記絶対値のピーク値を求めるピーク検出部と、上記ピーク値に基づき係数を算出する係数算出部とを有すること
を特徴とする請求の範囲第3項記載の輪郭強調装置。 - 入力映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出し、
各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成し、
各輪郭成分を対応する上記係数で補正し、
補正された各輪郭成分を合成すること
を特徴とする輪郭強調方法。 - 合成された輪郭成分信号を、上記入力映像信号に合成すること
を特徴とする請求の範囲第5項記載の輪郭強調方法。 - 複数のバンドパスフィルタによって上記入力映像信号を夫々異なる周波数の輪郭成分に分離し、
各バンドパスフィルタから出力された各周波数の輪郭成分の振幅レベルに応じた係数を生成し、
上記係数を対応する周波数の輪郭成分に乗算し、
補正された各輪郭成分を加算すること
を特徴とする請求の範囲第5項記載の輪郭強調方法。 - 上記バンドパスフィルタの出力信号の絶対値を算出し、上記絶対値のピーク値を求め、上記ピーク値に基づき係数を算出すること
を特徴とする請求の範囲第7項記載の輪郭強調方法。 - 被写体を撮像して映像信号を生成する撮像手段と、
上記映像信号から夫々異なる周波数成分を有する複数の輪郭成分を抽出する抽出部と、各輪郭成分の振幅に対応した係数を生成する係数生成部と、各輪郭成分を対応する上記係数で補正する補正部と、補正された各輪郭成分を上記映像信号に合成する合成部とを有する輪郭強調手段と
を備えることを特徴とするビデオカメラ。 - 上記輪郭強調手段の抽出部は、上記映像信号を夫々異なる周波数の輪郭成分に分離する複数のバンドパスフィルタからなり、
上記輪郭強調手段の係数生成部は、各バンドパスフィルタから出力された各周波数の輪郭成分の振幅レベルに応じた係数を生成し、
上記輪郭強調手段の補正部は、上記係数を対応する周波数の輪郭成分に乗算し、
上記輪郭強調手段の合成部は、補正された各輪郭成分を上記映像信号に加算すること
を特徴とする請求の範囲第9項記載のビデオカメラ。 - 上記輪郭強調手段の係数生成部は、上記バンドパスフィルタの出力信号の絶対値を算出する絶対値化部と、上記絶対値のピーク値を求めるピーク検出部と、上記ピーク値に基づき係数を算出する係数算出部とを有すること
を特徴とする請求の範囲第10項記載のビデオカメラ。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001113179 | 2001-04-11 | ||
JP2001113179 | 2001-04-11 | ||
PCT/JP2002/003632 WO2002084997A1 (fr) | 2001-04-11 | 2002-04-11 | Circuit d'accentuation de contours |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2002084997A1 true JPWO2002084997A1 (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=18964441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002582601A Withdrawn JPWO2002084997A1 (ja) | 2001-04-11 | 2002-04-11 | 輪郭強調装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7302112B2 (ja) |
EP (1) | EP1379078A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2002084997A1 (ja) |
KR (1) | KR100871025B1 (ja) |
WO (1) | WO2002084997A1 (ja) |
Families Citing this family (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0118020D0 (en) * | 2001-07-24 | 2001-09-19 | Memco Ltd | Door or access control system |
CN100473111C (zh) * | 2004-05-25 | 2009-03-25 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 增强视频信号锐度的方法和系统 |
US8811915B2 (en) * | 2005-03-04 | 2014-08-19 | Psion Inc. | Digital wireless narrow band radio |
JP2006287636A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Pioneer Electronic Corp | 画質調整装置、画質調整方法およびディスプレイ装置 |
US8640166B1 (en) | 2005-05-06 | 2014-01-28 | Rovi Guides, Inc. | Systems and methods for content surfing |
US8387089B1 (en) | 2005-05-06 | 2013-02-26 | Rovi Guides, Inc. | Systems and methods for providing a scan |
US20070223834A1 (en) * | 2006-03-23 | 2007-09-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method for small detail restoration in digital images |
JP5125215B2 (ja) * | 2006-06-15 | 2013-01-23 | 株式会社Jvcケンウッド | 映像表示装置及び映像表示方法 |
EP2475166A1 (en) | 2006-07-31 | 2012-07-11 | United Video Properties, Inc. | Systems and methods for providing media guidance planners |
JP5029071B2 (ja) * | 2007-03-07 | 2012-09-19 | 日本電気株式会社 | 波形整形回路及びその方法 |
ITBO20070369A1 (it) * | 2007-05-23 | 2008-11-24 | Nuova Star Spa | Cerniera per ante o sportelli |
US8407737B1 (en) | 2007-07-11 | 2013-03-26 | Rovi Guides, Inc. | Systems and methods for providing a scan transport bar |
JP2009098925A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Sony Corp | 画像処理装置、画像処理方法、および、プログラム |
RU2497301C2 (ru) * | 2009-03-31 | 2013-10-27 | Шарп Кабусики Кайся | Устройство для совершенствования изображений, способ совершенствования изображений, программа для совершенствования изображений и устройство для обработки сигналов |
US8655101B2 (en) | 2009-06-04 | 2014-02-18 | Sharp Kabushiki Kaisha | Signal processing device, control method for signal processing device, control program, and computer-readable storage medium having the control program recorded therein |
US8824825B2 (en) | 2009-11-17 | 2014-09-02 | Sharp Kabushiki Kaisha | Decoding device with nonlinear process section, control method for the decoding device, transmission system, and computer-readable recording medium having a control program recorded thereon |
WO2011061957A1 (ja) | 2009-11-17 | 2011-05-26 | シャープ株式会社 | 符号化装置、復号化装置、符号化装置の制御方法、復号化装置の制御方法、伝送システム、および制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
EP2538657A4 (en) * | 2010-02-15 | 2014-01-01 | Sharp Kk | MOTION DETECTION DEVICE, CONTROL PROGRAM, AND INTEGRATED CIRCUIT |
JP5450668B2 (ja) * | 2010-02-15 | 2014-03-26 | シャープ株式会社 | 信号処理装置、制御プログラム、および集積回路 |
JP5583780B2 (ja) | 2010-09-29 | 2014-09-03 | シャープ株式会社 | 信号処理装置および集積回路 |
US8818209B1 (en) * | 2011-06-14 | 2014-08-26 | Ciena Corporation | System and apparatus for distributing a signal to the front end of a multipath analog to digital converter |
US9286702B2 (en) * | 2011-06-15 | 2016-03-15 | Fujifilm Corporation | Radiographic imaging system |
JP2013042319A (ja) * | 2011-08-15 | 2013-02-28 | Sony Corp | 画像処理装置及び画像処理方法、並びにコンピューター・プログラム |
US9349188B2 (en) * | 2013-03-15 | 2016-05-24 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Creating details in an image with adaptive frequency strength controlled transform |
US9305332B2 (en) * | 2013-03-15 | 2016-04-05 | Samsung Electronics Company, Ltd. | Creating details in an image with frequency lifting |
US9536288B2 (en) | 2013-03-15 | 2017-01-03 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Creating details in an image with adaptive frequency lifting |
US9478004B2 (en) * | 2013-04-11 | 2016-10-25 | John Balestrieri | Method and system for analog/digital image simplification and stylization |
US9652829B2 (en) | 2015-01-22 | 2017-05-16 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Video super-resolution by fast video segmentation for boundary accuracy control |
JP7275482B2 (ja) * | 2018-06-15 | 2023-05-18 | 株式会社ニコン | 画像処理装置、情報処理装置、撮像装置、および画像処理プログラム |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3629396C2 (de) * | 1986-08-29 | 1993-12-23 | Agfa Gevaert Ag | Verfahren zur elektronischen Bildverarbeitung |
KR910004005A (ko) | 1989-07-29 | 1991-02-28 | 강진구 | 수평 윤곽 보정방법 및 회로 |
KR920008630B1 (ko) | 1990-09-28 | 1992-10-02 | 삼성전자 주식회사 | 수평윤곽 보상회로 |
JPH05292454A (ja) | 1992-04-15 | 1993-11-05 | Sharp Corp | ノンリニアエンファシス回路 |
US5400365A (en) * | 1992-05-21 | 1995-03-21 | Mitel Corporation | Isk receiver |
US5374995A (en) * | 1993-03-22 | 1994-12-20 | Eastman Kodak Company | Method and apparatus for enhancing sharpness of a sequence of images subject to continuous zoom |
JP3477871B2 (ja) * | 1994-12-28 | 2003-12-10 | ソニー株式会社 | 映像信号処理装置 |
EP1156451B1 (en) * | 1995-09-29 | 2004-06-02 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Image processing method and apparatus |
JP3356201B2 (ja) * | 1996-04-12 | 2002-12-16 | ソニー株式会社 | ビデオカメラおよび輪郭強調装置 |
JP2000147370A (ja) | 1998-11-18 | 2000-05-26 | Sony Corp | 撮像装置 |
JP4023055B2 (ja) | 1999-12-08 | 2007-12-19 | 株式会社富士通ゼネラル | 映像信号処理回路 |
US7218420B1 (en) * | 2000-08-01 | 2007-05-15 | Eastman Kodak Company | Gray level halftone processing |
-
2002
- 2002-04-11 KR KR1020027016820A patent/KR100871025B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2002-04-11 EP EP02718543A patent/EP1379078A4/en not_active Withdrawn
- 2002-04-11 JP JP2002582601A patent/JPWO2002084997A1/ja not_active Withdrawn
- 2002-04-11 US US10/297,814 patent/US7302112B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-04-11 WO PCT/JP2002/003632 patent/WO2002084997A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1379078A4 (en) | 2005-07-27 |
KR20030014703A (ko) | 2003-02-19 |
EP1379078A1 (en) | 2004-01-07 |
US20030151684A1 (en) | 2003-08-14 |
US7302112B2 (en) | 2007-11-27 |
KR100871025B1 (ko) | 2008-11-27 |
WO2002084997A1 (fr) | 2002-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2002084997A1 (ja) | 輪郭強調装置 | |
US6593970B1 (en) | Imaging apparatus with dynamic range expanded, a video camera including the same, and a method of generating a dynamic range expanded video signal | |
US7738699B2 (en) | Image processing apparatus | |
JP4003399B2 (ja) | 画像処理装置および方法、並びに記録媒体 | |
US5767899A (en) | Image pickup device | |
JP4869653B2 (ja) | 画像処理装置 | |
EP0823814A2 (en) | Image mixing circuit | |
JP2004363853A (ja) | 画像信号のノイズ低減方法及びノイズ低減装置 | |
JP2004266347A (ja) | 画像処理装置およびそのプログラムおよびその記録媒体 | |
JP2001238129A (ja) | 画像処理装置、記録媒体 | |
JP5814610B2 (ja) | 画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム | |
JP2012134745A (ja) | 画像信号処理装置 | |
JP4965903B2 (ja) | 画像処理装置及び方法 | |
JP2000013642A (ja) | ビデオ信号処理装置 | |
JP2015070451A (ja) | 撮像装置 | |
JP2009022044A (ja) | 画像処理装置及び画像処理プログラム | |
JP2009065691A (ja) | 画像処理装置、記録媒体及び画像処理プログラム | |
JP2002135584A (ja) | 画像処理装置および方法、並びに記録媒体 | |
JP2001238128A (ja) | 画像処理装置 | |
JP3426139B2 (ja) | 映像信号処理方法とその装置および撮像装置 | |
JP2006086851A (ja) | 撮像装置 | |
JP2000354180A (ja) | ノイズ低減装置 | |
JPH11239294A (ja) | ビデオカメラ | |
JP2000036918A (ja) | ビデオ信号処理装置 | |
JPH05110936A (ja) | ビデオカメラ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050705 |