JPS6111196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、旋回台にその基端部を枢支した外
側ブームにブーム筒を望遠鏡式に嵌挿してなる主
ブームの上面にワイヤロープを介してその先端部
に副フツクを吊持する補助ジブを配設し、前記補
助ジブを前記外側ブームの上面に沿つた格納位置
と前記主ブームの先端前方へ引き出した作業位置
との間で移動自在にした補助ジブを備えたクレー
ン車等の作業車に関する。

（従来の技術） 前記した補助ジブを備えたクレーン車等の作業
車として実公昭47−37808号公報に記載のものが
知られている。

このものは、主ブームを形成する先端ブーム筒
の上方位置に第１滑車を、補助ジブの基端部に第
２滑車を夫々配設し、旋回台に配設したサブウイ
ンチから前方へ引き出したワイヤロープを、前記
補助ジブが格納位置にあるときには前記第１滑車
の上側から下側へ反転折り返した後に前記第２滑
車の上側から下側へ反転折り返すように形成し、
サブウインチのワイヤロープの巻き取り方向への
駆動と共に補助ジブを作業位置へ引き出すように
したものである。

そして、前記した補助ジブは、サブウインチを
巻き取り駆動することにより外側ブームの上面に
沿つた格納位置から主ブームの先端前方へ引き出
した作業位置へ移動するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 前記した補助ジブは、前記主ブームを全伸長し
てもまだ不足する高所にまで荷を吊り上げるため
に使用されるものであり、補助ジブの使用時にお
いては主ブームは伸長している。

そして、この補助ジブの使用時において、 前記第２滑車は第１滑車の直後方に位置し、前
記ワイヤロープは前記第１滑車の上側から下側へ
反転折り返した後に前記第２滑車の上側から下側
へ反転折り返された状態にある。このためワイヤ
ロープはこの第１、第２滑車を経過することによ
りその折り返し方向が逆になつた所謂Ｓ字曲げの
状態にあり吊荷作業によるワイヤロープの寿命が
著るしく縮められているという問題があつた。

この考案は、補助ジブをサブウインチを利用し
てその作業位置へ引き出すと共に、補助ジブの使
用時にワイヤロープにＳ字曲げが発生するのを可
及的に防止してワイヤロープの寿命を高めるよう
にした新規な補助ジブを備えたクレーン車等の作
業車を得ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために本考案は、 前記した補助ジブを備えたクレーン車等の作業
車において、 前記外側ブームの先端部に第１折り返し滑車
を、前記補助ジブの基端部に第２折り返し滑車を
夫々配設し、前記旋回台に配設した補助ジブ作業
用のサブウインチから前方へ引き出したワイヤロ
ープを、前記補助ジブが格納位置にあるときには
前記第１折り返し滑車の下側から上側へ反転折り
返した後に前記第２滑車の下側から上側へ反転折
り返すように形成し、サブウインチをワイヤロー
プの巻き取り方向へ駆動して補助ジブを引き出し
て補助ジブを前記作業位置に位置せしめると共
に、主ブームを伸長させたときには、前記サブウ
インチから引き出したワイヤロープを前記第１折
り返し滑車の下側から前記第２折り返し滑車の上
側を順次経過するようにして構成したものであ
る。

（作 用） 上記のように構成したので、サブウインチのワ
イヤロープの巻き取り方向への駆動によつて、補
助ジブは、外側ブームの上面を移動して主ブーム
の先端前方へ引き出された作業位置へ移動する。
また、主ブームを伸長させて作業位置にある補助
ジブを使用しての吊荷作業の際には、前記ワイヤ
ロープは、第１滑車の下側、第２滑車の上側を順
次経過するだけでこれら滑車にて折り返されるこ
とがないものである。

（実施例） 次に本考案を具体的１実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図において、１は作業車の走行基台であ
り、２はこの走行基台上に旋回自在に搭載された
旋回台である。３は、旋回台２にその基端部を枢
支された外側ブームである。４は、この外側ブー
ム３に伸縮自在に嵌挿された中間ブーム筒、５は
この中間ブーム筒４に伸縮自在に嵌挿された先端
ブーム筒であり、前記外側ブーム３、中間ブーム
筒４、先端ブーム筒５で主ブームＡを形成してい
る。Ｂは主ブームＡの上面に配設された補助ジブ
であり、当該補助ジブＢは、外側ブーム３の上面
に沿つた格納位置と、主ブームＡの先端前方へ引
き出した作業位置との間で移動自在となつてい
る。９は補助ジブＢの基端部にあつて外側ブーム
３の上面を転動する滑車、１０は、外側ブーム３
の先端部に設けた左右一対のブラケツト１１，１
１間に設けたローラであり、これら滑車とローラ
１０で補助ジブＢの移動を支持している。１２
は、旋回台２に設けたサブウインチである。この
サブウインチ１２から引き出されたワイヤロープ
１３は、補助ジブＢが格納位置に位置するとき、
前記ローラ１０の直下方に位置する第１滑車１４
の下側から上側へ反転折り返された後に補助ジブ
Ｂの基端部に配設した第２滑車１５の下側から上
側へ反転折り返されて、その端部は、補助ジブＢ
の先端部に止着１６されている。１７は、前記ブ
ラケツト１１に穿設した透孔１８、及び補助ジブ
Ｂに穿設した透孔１９に嵌合する抜き差し自在の
ピンであり、このピン１７によつて、補助ジブＢ
を格納位置から前後方向への移動を不能にしてい
る。そして、このピン１７を前記透孔１８，１９
から抜き取り、サブウインチ１２をワイヤロープ
１３の巻き取り方向へ駆動すると補助ジブＢは、
主ブームＡの先端前方へ引き出される。この補助
ジブＢの引き出し過程において、補助ジブＢの重
心が前記ローラ１０を越えると、補助ジブＢは、
その先端側が下傾するが、この下傾は、先端ブー
ム筒５の先端部に設けたローラ２０によつて停止
する。この状態から更にサブウインチ１２をワイ
ヤロープ１３の巻き取り方向へ駆動すると、補助
ジブＢの基端部にあつて両側方へ突出したストツ
パー２１が、先端ブーム筒５の先端上部にあつて
後方に開口した切欠部２２に係合して、補助ジブ
Ｂは作業位置に位置する。２３は、この作業位置
に補助ジブＢを移動不能にするための抜き差し自
在のピンであり、補助ジブＢの基端部の透孔２
４、先端ブーム筒５の先端部の透孔２５が重合し
た状態で嵌合される。補助ジブＢを使用しての作
業時には、補助ジブＢを作業位置に位置させた上
で更に主ブームＡを伸長させるものであるがこの
状態を示したのが第２図である。この作業時にお
いてワイヤロープ１３は、第１滑車１４の下側か
ら第２滑車１５の上側を順次経過して補助ジブＢ
の先端部に設けた滑車２６の下方にて副吊具２７
を吊持するものである。

なお、補助ジブＢの格納は、主ブームＡを起仰
させて補助ジブＢの自重力を利用しておこなえば
良い。

２８は、主ブームＡの先端から吊持された主吊
具２９を昇降制御するための主ウインチである。

（考案の効果） この考案では、補助ジブをサブウインチを利用
してその格納位置から作業位置へ引き出すので補
助ジブの引き出しが容易であると共に、補助ジブ
を利用しての作業時ワイヤロープにＳ字曲げが発
生するのを可及的に防止しているのでワイヤロー
プの寿命を高めることが出来るという実用上秀で
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例を示す作業車の上
部側面図、第２図は補助ジブを利用した作業時の
様子を示す本考案の説明図である。 ２：旋回台、３：外側ブーム、Ａ：主ブーム、
１３：ワイヤロープ、２７：副吊具、Ｂ：補助ジ
ブ、１４：第１滑車、１５：第２滑車、１２：サ
ブウインチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 旋回台にその基端部を枢支した外側ブームにブ
   ーム筒を望遠鏡式に嵌挿してなる主ブームの上面
   にワイヤロープを介してその先端部に副吊具を吊
   持する補助ジブを配設し、前記補助ジブを前記外
   側ブームの上面に沿つた格納位置と前記主ブーム
   の先端前方へ引き出した作業位置との間で移動自
   在にした補助ジブを備えたクレーン車等の作業車
   において、 前記外側ブームの先端部に第１滑車を、前記補
   助ジブの基端部に第２滑車を夫々配設し、前記旋
   回台に配設した補助ジブ作業用のサブウインチか
   ら前方へ引き出したワイヤロープを、前記補助ジ
   ブが格納位置にあるときには前記第１滑車の下側
   から上側へ反転折り返した後に前記第２滑車の下
   側から上側へ反転折り返すように形成し、サブウ
   インチをワイヤロープの巻き取り方向へ駆動して
   補助ジブを引き出して、補助ジブを前記作業位置
   に位置せしめると共に、主ブームを伸長させたと
   きには、前記サブウインチから引き出したワイヤ
   ロープを前記第１滑車の下側から前記第２滑車の
   上側を順次経過するようにした補助ジブを備えた
   クレーン車等の作業車。