JPS581580B2 - 多重化スペクトラム拡散変調方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はスベクトラム拡散通信方式において１台の送
信装置を用いて効率よく複数チャネルの情報を多重化し
て伝送する方式に関するものである。

１台の送信装置を用いてｎチャネル（ｎは２以上の整数
）の情報を伝送する場合、経済化を目的として装置をで
きる限り共通化することが望まれる。

スペクトラム拡散通信方式におけるこの種の従来装置は
第１図に示すように入力端子１１〜１ｎからの各データ
によりスペクトラム拡散変調器２１〜２ｎがそれぞれ変
調され、これ等独立なｎ系列の変調出力は合成部１１で
合成されて共通の増幅器１２で増幅された後、送信され
る。

或いは第２図に示すように入力端子１１〜１ｎからのデ
ータは多重化装置１３で時分割多重化され、ｎ倍の伝送
速度の信号とされた後、共通のスペクトラム拡散変調器
１４を変調し、増幅器１２を通じて送信する。

第１図に示した方式では受信装置には何の変更も必要と
しないが、合成信号のピーク亀力が１搬送波の時のｎ２
倍となり、ｎチャネルの情報を伝送するそめに、ｎ２倍
の最大出力をもつ増幅器が必要となる欠点があった。

第２図に示した方式では合成信号のピーク電力は、通信
品質を一定とすると１チャネルの情報を伝送する場合の
ｎ倍でよいがクロック速度の変更に伴ない、伝送系、受
信装置などに変更個所を生じ、多重化しないものと共用
することはできないという欠点があった。

更に第２図の方式では各チャネルの通信を別々に接続、
切断できない欠点もあった。

この発明は、同一発振器の出力をｎ分岐し、これ等の位
相を互にずらせ、これ等ｎ波の搬送波を異なるｎ種のス
ペクトラム拡散符号及び独立の情報によってそれぞれＰ
ＳＫ変調を行い、その変調出力を合成する。

このようにして送信出力をｎ倍にするたけでｎ台の送信
装置と全く同等な機能をもつ多重化が可能となる。

スペクトラム拡散通信方式は、第３図に示すように、１
次変調部１５において発振器１６からの搬送波が入力端
子１からの情報信号でＦＭやＰＳＫなどの通常の変調が
行われる。

その変調出力は２次変調部１７において拡散符号発生部
１８により発生させた拡散符号でさらに２次変調が行わ
れて情報信号スペクトラムがもつ帯域に比較してきわめ
て広い帯域にスペクトラムが拡散されて送信される。

受信側におい又は、送信側で用いた拡散符号と同一の符
号が拡散符号発生部１９によってつくり出され、その拡
散符号により逆拡散変調部２１において、受信信号はタ
イミングを一致させて逆拡散変調される。

この逆拡散変調によりスペクトラムが圧縮され、その出
力は帯域通過戸波器２２へ供給されて１次変調信号のみ
が取り出される。

その出力は１次復調部２３で復調され、出力端子２４に
原情報信号が得られる。

受信信号中に異なる拡散符号で変調されている信号が混
入したとしても逆拡散変調によって、その混入信号のス
ベクトラムは圧縮されないで反対に、さらに拡散されて
しまうため目的とする通信に与える干渉は小さくなり、
その通信の妨げとはならない。

すなわち、異なる拡散符号を幾種類か用いて２次変調を
行うことにより、周波数帯域を共用して同時通信を行う
ことができる。

以上述べたように、スペクトラム拡散通信方式において
は、拡散符号によって信号の分離が可能であるため、い
くつかの変調信号の搬送波が同一の発振器より得られ、
同期関係にあったとしても相互に何等の影響を与えるこ
とはない。

すなわち１台の送信装置において共通の搬送波発振器を
用いて、ｎチャネルの独立の情報を多重化して伝送する
ことができる。

この時、ｎ台の独立の送信装置を用いた場合にもつ機能
を全く、そこなうことはない。

この発明では上記ｎ波の搬送波の位相関係に特定の関係
をもたせて、多重化された信号のピーク電力の増加を小
さくする。

この発明の実施例として２つの直交する搬送波を用い、
１次変調及び２次変調とも２相ＰＳＫ変調を行う２多重
化スペクトラム拡散変調方式について第４図を用いて説
明する。

搬送波発振器１６の出力は分岐回路２５によって２分割
され、その内の一方は９０°位相シフタ２６によって位
相が９０°回転される。

これによって２つの直交搬送波が得られる。

それぞれの搬送波は１次変調部３１，３２において入力
端子１１，１２からの独立な情報で２相ＰＳＫ変調され
る。

これ等変調出力は２次変調部４１，４２において拡散符
号発生部５１，５２より発生された異なる拡散符号で２
次変調される。

これ等２次変調出力は合成回路２７で合成され、更に増
幅器２８で共通増幅されて送信される。

合成前の各拡散変調信号Ｓ１，Ｓ２及び合成後の信号Ｓ
はそれぞれ 合成前の各変調信号の振幅であり、２相ＰＳＫにより十
又は一をとる。

上式の関係より合成信号の振幅はそれぞれの変調信号の
２倍であることがわかる。

すなわち、増幅器２８のピーク出力としては多重化しな
い場合の２倍の値が得られれば十分である。

第５図に１次、２次変調とも２相ＰＳＫ変調の場合の合
成信号の振幅と位相とを示した信号空間ダイアグラムの
一例を示す。

Ａは多重化しない場合、Ｂ及びＣはそれぞれ１８０°及
び１２０°の位相差をもった２波及び３波の搬送波を用
いて２多重化及び３多重化を行った場合の各合成信号の
信号空間ダイアグラムである。

それぞれの場合の合成信号の平均電力及びピーク電力は
多重化しない時をＯｄＢとすると第６図に示すようにな
り、ピーク電力は搬送波が非同期である場合よりそれぞ
れ３ｄＢ，３．５ｄＢだけ小さくなる。

以上説明したように、この発明によって、単一種類の送
受信装置から構成されたスペクトラム拡散通信システム
において１台の送信装置を用いて独立なｎチャネルの通
信を行いたいという要求が生じた場合、送信装置のピー
ク出力の増加を最小限にとどめながら、１次及び２次変
調部をｎチャネル分用意するだけで、システムには何等
の変更点を生じることなく、その要求を満足させること
ができる。

また、搬送波発振器、拡散符号のためのクロツク発振器
などは共通化を図れる上、ｎチャネル化する必要のある
部分も、多重化を行わない装置と共通の部分で構成でき
るのでコストの増加は送信装置１台分のコストに比べて
極めて少なくてよい。

また、多重化した各系列の情報は全く非同期でよいこと
は勿論のこと、多元接続も全く独立に行うことができる
。

従ってもし１チャネルしか接続していない時には、送信
出力は多重化していない時と同一となり、他の通信に与
える干渉量を最小にとどめることができるという利点が
ある。

なお搬送波数を余シ多くすると、送信電力のピークを小
さくすると云う点では、余り利益は得られない。

上述では２相ＰＳＫ変調したが、４相ＰＳＫ変調として
もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は独立なｎ系列の変調信号を合成する従来の多重
化方式を示すブロック図、第２図は時分割多重による従
来方式を示すブロック図、第３図はスペクトラム拡散通
信方式を示すブロック図、第４図はこの発明による多重
スペクトラム拡散通信方式の実施例を示すブロック図、
第５図はこの発明を実施した時の多重化信号の信号空間
ダイアダラムの一例を示す図、第６図は多重度と電力と
の関係を示す図である。 １１，１２：入力端子、３１，３２：１次変調部、４１
，４２：２次変調部、５、，５２：拡散符号発生部、１
６：搬送波発振器、２５：分岐回路、２６：９０°位相
シフタ、２７：合成回路、２８：増幅器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ １台の搬送波発振器の出力を、互に位相がずれた複
   数の搬送波に分岐し、これ等搬送波に対しそれぞれ独立
   のデータ及び異なるスペクトラム拡散符号によってＰＳ
   Ｋ変調をそれそれ施し、これ等変調出力を合成して伝送
   することを特徴とした多重化スペクトラム拡散変調方式
   。