JPH1188290A - スペクトル拡散通信方式 - Google Patents

スペクトル拡散通信方式

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JPH1188290A
JPH1188290A JP9281649A JP28164997A JPH1188290A JP H1188290 A JPH1188290 A JP H1188290A JP 9281649 A JP9281649 A JP 9281649A JP 28164997 A JP28164997 A JP 28164997A JP H1188290 A JPH1188290 A JP H1188290A
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signal
carrier
component
spread
signals
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JP9281649A
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English (en)
Inventor
Soichi Takahashi
聡一 高橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PN信号でデータ信号を拡散することによ
り、搬送波周波数における電力スペクトル密度を小さく
し、搬送波を送信信号に付加することにより、受信側で
必要となる処理を減らし、システムの小型化、低コスト
化を図る。 【解決手段】 送信側では、データ信号源1のデータ信
号とPN信号発生器3のPN信号を乗算器2で掛け合わ
せて拡散する。PN信号は、直流成分が0で、低周波成
分の少ないPN信号が選ばれる。拡散された信号は、局
部発振器5の搬送波と乗算器4で掛け合わされ、合成器
7で局部発振器5の搬送波と足し合わされる。受信側で
は、受信アンテナ21で受信した信号からバンドパスフ
ィルタ32で搬送波成分だけを取り出し、受信信号に乗
算器33で掛け合わせて受信信号を復調する。乗算器3
3からの出力信号をコンパレータ34でデジタル2値化
し、デジタル回路30内で逆拡散処理を行い、復調デー
タ信号31を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散通
信方式、より詳細には、無線通信における搬送波再生方
式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、従来のスペクトル拡散通信方
式の一例を説明するための図で、図13(A)は送信機
側の構成図、図13(B)は受信機側の構成図で、図1
3(A)に示す送信機側は、送信するデータ信号源1、
乗算器2、PN(擬似雑音)信号発生器3、アップコン
バート用乗算器4、局部発振器5、送信アンテナ6から
なり、また、図13(B)に示す受信機側は、受信アン
テナ21、ダウンコンバート用乗算器22,23、ロー
パスフィルタ24,25、A/Dコンバータ26,2
7、デジタル回路30、局部発振器28、90度移相器
29からなり、これらによって復元されたデータ信号3
1を得るものである。
【0003】次に動作を説明する。図13(A)に示す
送信機側では、データ信号源1からのデータ信号はPN
信号発生器3からのPN信号と乗算器2で掛け合わされ
ることにより拡散される。さらに、この拡散された信号
は局部発振器5で発生した搬送波と乗算器4で掛け合わ
されることにより、無線周波数帯の信号に変換され、送
信アンテナ6より送信される。
【0004】図13(B)に示す受信機側では、局部発
振器28で発生した局部発振信号を90度移相器29に
入力することによって互いに位相が90度異なる2つの
局部発振信号が作り出される。この2つの局部発振信号
と受信信号とをそれぞれダウンコンバート用乗算器22
と23で乗算を行い、ローパスフィルタ24,25で低
周波成分を取り出すことで、ベースバンドに落とされた
Iフェーズ、Qフェーズの受信信号が作り出される。こ
の信号をA/Dコンバータ26,27でデジタル信号に
変換し、デジタル回路30でデジタル的に逆拡散、キャ
リア再生を行い、データ信号1の復調が行なわれる、デ
ータ信号31が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
SS通信方式では、デジタル的に処理を行うため、受信
信号をベースバンドに変換せねばらならず、ベースバン
ドに落として処理するためにはIフェーズ、Qフェーズ
それぞれの信号を必要とした。このため、回路が複雑に
なり、回路の大型化、消費電力の増、高コスト化を招い
ていた。さらに、ベースバンドに落とされた受信信号は
拡散されたままの信号であるため、これをA/D変換す
る際には高速のA/D変換器が必要となり、コスト、消
費電力の点で問題があった。更には、デジタル化された
信号も、デジタル回路において、逆拡散処理、及び搬送
波再生を行わなければならず、デジタル回路自体も複雑
になる欠点があった。
【0006】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、PN信号でデータ信号を拡散することによ
り、搬送波周波数における電力スペクトル密度を小さく
し、搬送波を送信信号に付加することによって、受信側
で必要となる処理を減らし、もって、システムの小型
化、低コスト化を目的とするものである。
【0007】請求項1の発明は、搬送波を送信信号に付
加することによって受信側での処理を減らすようにして
いるが、請求項1の方式で復調した場合、付加した搬送
波を除去する手段を特に設けていない。そのため、実際
には、データ信号の電力に対して、付加した搬送波電力
は非常に小さく問題にはならないものの、付加した搬送
波成分が復調した信号にある程度影響を与える可能性が
ある。請求項2の発明は、送信信号に付加する搬送波の
位相をずらすことによって、受信側での復調の際に、付
加した搬送波の影響を小さくすることを目的とするもの
である。
【0008】また、本発明における変調波はアナログ信
号をAM変調したときのように、上側波帯と下側波帯と
に分かれる。このとき、どちらの側波帯もデータ信号を
含んでいるので、その一方を送ることで情報の伝達を行
うことができる。請求項3の発明は、上側波帯と下側波
帯のいずれか一方を送信することにより、必要な伝送帯
域幅を半分で済ませ、周波数利用効率を上げることを目
的とするものである。
【0009】本発明による通信において、送信信号の搬
送波成分が狭帯域干渉波による影響を受けた場合、受信
側でデータ復調ができない場合がありえる。請求項4の
発明は、搬送波の他に搬送波を再生しうる複数のパイロ
ット信号成分を付加することにより、狭帯域干渉波が存
在する場合にも通信を可能とすることを目的とするもの
である。
【0010】無線通信では、その送信機と受信機の距離
や置かれた状況によって、受信電界強度が変化する。そ
のため、通常は、受信機において、リミタや自動利得制
御器(AGC)などの受信信号強度を一定に保つ回路を
必要とする。請求項5の発明は、受信機において抽出し
た搬送波成分をリミタ等で一定振幅にすることで、受信
電界強度によらず、安定したデータ信号の復調をできる
ようにすることを目的とするものである。請求項6の発
明は、受信機において抽出した搬送波を参照信号とした
フェーズ・ロック・ループを使用することにより、安定
した、一定振幅の搬送波再生を行うことを目的とするも
のである。
【0011】また、本発明において拡散された信号の望
ましいスペクトル形状とは、搬送波成分を抽出する際
に、データ信号が混入しないように、低周波成分が少な
いことが挙げられる。そのためには、拡散するためのP
N信号の系列が自由に選べる必要がある。また、伝送す
る帯域の外でのスペクトルが小さいこと、すなわち、サ
イドローブが小さいこと、スプリアスが少ないことなど
が挙げられる。請求項7の発明は、PN信号系列を選べ
るようにすること、かつ送信信号の波形整形が容易にで
きることにより、低周波成分が小さく、スプリアスの小
さいスペクトル波形を得ることを目的とするものであ
る。
【0012】スペクトル拡散通信方式の利点の一つとし
て、対干渉,対妨害特性が良いことが挙げられる。この
特性はPN信号速度(チップレート)に対するデータ変
調速度の比、すなわち、拡散利得によって、その性能が
定まる。データ変調速度に対して、PN信号速度が大き
い場合、その対干渉,対妨害特性は向上し、逆に小さい
場合は対干渉,対妨害特性は劣化する。このためPN信
号速度を一定とすると、特性を向上させるためには、デ
ータ伝送速度を低く抑えなければならず、伝送効率を悪
化させる問題点があった。この問題を解決する手段の一
つとして、符号分割多重方式が挙げられる。スペクトル
拡散通信では、データ信号を拡散するのに使用するPN
信号の系列を変えることによって互いに独立したチャネ
ルを持つことができる。しかし、この方法も回路が複雑
になる等の問題がある。請求項8の発明は、符号分割多
重方式を適用することにより、スペクトル拡散通信にお
ける高速なデータ伝送速度を持たせるようにすることを
目的とするものである。
【0013】符号多重化によってデータ伝送速度を上げ
る場合も、多重化できる符号の数に限界があるため、あ
る程度以上、伝送速度を上げることはできない。請求項
9の発明は、符号多重化によるデータ伝送方法にQPS
K方式などの多値変調方式を組み合わせることにより、
より高速のデータ伝送速度を持たせるようにすることを
目的としたものである。
【0014】また、PN符号系列自体も、その数が多く
なってくると、互いに直交した系列を選ぶことは難しく
なってくる。このため、多重化するのに必要なPN符号
系列を用意できない場合がありえる。請求項10の発明
は、QPSK変調方式におけるキャリアの同相成分,直
交成分それぞれに同じ系列のPN信号を割り当てること
により、必要とするPN系列の数を減らすことができ、
また、PN信号発生器を節約し、もって、回路を簡略化
することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、送信
側では直流成分が0であるような擬似雑音信号(PN信
号)によって拡散されたデータ信号と搬送波とを掛け合
わせた第1の信号と、前記搬送波を適当な信号強度にし
た第2の信号とを同時に送信し、受信側では、受信信号
から前記第2の信号成分を取り出することにより搬送波
を再生し、この再生した搬送波を受信信号に掛け合わせ
ることにより、復調することを特徴とし、もって、PN
信号でデータ信号を拡散し、搬送波を送信信号に付加す
ることによって、受信側で必要となる処理を減らすこと
により、従来方式で必要であったIフェーズ、Qフェー
ズ2系統の信号処理を必要とせず、また、高価なA/D
コンバータや複雑なデジタル回路を不要とし、これによ
って、システムの小型化、低コスト化、低消費電力化を
実現するようにしたものである。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、送信側では前記第2の信号の位相を90度ずらして
から送信し、受信側では前記再生した搬送波に対して9
0度の位相補正を行って、復調することを特徴とし、も
って、送信信号に搬送波の位相を違えて付加することに
より、受信機側で搬送波成分の分離を可能とし、受信側
での復調の際に、付加した搬送波が復調信号に混入する
のを抑え、受信機の復調特性が劣化するのを抑えるよう
にしたものである。
【0017】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の信号の上側波帯のみ、又は下側波帯のみ
と前記第2の信号を同時に送信することを特徴とし、も
って、上側波帯と下側波帯のいずれか一方を送信するこ
とにより、必要な伝送帯域幅を半分で済ませ、周波数利
用効率を上げるようにしたものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、送信側においては、前記第1の信号と搬送波を再生
しうる複数の信号を同時に送信し、受信側においては、
受信した搬送波を再生しうる複数の信号のうちの1つ以
上を取り出し、これより搬送波を再生し、復調すること
を特徴とし、もって、搬送波の他に搬送波を再生しうる
複数のパイロット信号成分を付加することにより、狭帯
域干渉波が存在する場合にも通信を可能としたものであ
る。
【0019】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、取り出した前記第2の信号の振幅をリミタ等の手段
によって一定にしてから、受信信号に掛け合わせること
により、復調することを特徴とし、もって、受信電界強
度によらず、安定したデータ信号の復調をできるように
したものである。
【0020】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、取り出した前記第2の信号を参照信号として、フェ
ーズロックループ(PLL)によって搬送波を再生し、
この搬送波を受信信号に掛け合わせることによって、復
調することを特徴とし、もって、安定した一定振幅の搬
送波再生を行うようにしたものである。
【0021】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、任意のPN信号による拡散を行い、前記PN信号と
同期したクロック信号を拡散信号に掛け合わせることに
より前記第1の信号をつくりだすことを特徴とし、もっ
て、任意のPN信号で拡散した信号の波形整形を行い、
クロック信号を掛け合わせた信号を本発明に適用するこ
とにより、低周波成分、サイドローブ及びスプリアスの
小さいスペクトル波形を得ることができるようにしたも
のである。
【0022】請求項8の発明は、請求項1において、送
信側では、それぞれ系列の異なるPN信号によって拡散
された複数のデータ信号を加算してから搬送波と掛け合
わせた第3の信号と、前記第2の信号とを同時に送信
し、受信側では、前記第2の信号を取り出すことによ
り、再生した該第2の信号と受信信号を掛け合わせるこ
とにより、ベースバンドに受信信号をコンバートし、該
ベースバンドにコンバートされた受信信号と、送信側で
使用した各PN信号のそれぞれと相関値を検出し、複数
のデータ信号を復調することを特徴とし、もって、請求
項1の発明に対して、符号分割多重方式を適用すること
により、スペクトル拡散通信における高速なデータ伝送
を実現可能としたものである。
【0023】請求項9の発明は、請求項8において、そ
れぞれ系列の異なるPN信号によって拡散された複数の
データ信号を加算した第3の信号と、前記第2の信号の
同相成分とを掛け合わせた信号及び、それぞれ系列の異
なるPN信号によって拡散された複数のデータ信号を加
算した第4の信号と前記第2の信号の直交成分とを掛け
合わせた信号及び、前記第2の信号の3つの信号を同時
に送信し、受信側では、再生した前記第2の信号の同相
成分と受信信号を掛け合わせることにより、前記第3の
信号を取り出し、それぞれ、前記第3の信号、第4の信
号をそれぞれ各PN信号のそれぞれと相関値を検出し、
複数のデータ信号を復調することを特徴とし、もって、
符号多重化によるデータ伝送方式にQPSK方式などの
多値変調方式を組み合わせることにより、より高速なデ
ータ伝送を実現可能としたものである。
【0024】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記第2の信号の同相成分に使用するPN信号と
該第2の信号の直交成分に使用するPN信号とを同一の
PN系列を使用したこと特徴とし、もって、QPSK変
調方式におけるキャリアの同相成分,直交成分それぞれ
に同じ系列のPN信号を割り当てることにより、必要と
するPN系列の数を減らすことができ、また、PN信号
発生器を節約し、もって、回路の簡略化を可能としたも
のである。
【0025】
【発明の実施の形態】
(請求項1の発明)図1は、請求項1の発明の一実施形
態を説明するための図で、図1(A)は送信機側、図1
(B)は受信機側の構成を示し、全図を通して同様の作
用をする部分には、同一の参照番号が付してある。図1
において、図1(A)に示す送信機では、データ信号源
1で発生したデータ信号とPN信号発生器3で発生した
PN信号は乗算器2で掛け合わされ拡散される。このと
き、PN信号発生器3で発生するPN信号は、直流成分
が0で、低周波成分の少ないPN信号が選ばれる。直流
成分が0であるようなPN信号は、簡単にはPN信号の
符号系列の1と−1の数が同数であるような系列を使用
すれば良い。拡散された信号は、乗算器4において局部
発振器5で発生した搬送波と掛け合わされ、さらに、合
成器7で局部発振器5で発生された搬送波と足し合わさ
れる。このとき、足し合わされる搬送波は適度に調整を
することも可能である。
【0026】図8は、上述のごとくして作り出される送
信信号のスペクトルを示す図で、図8(A)は、図13
に示した従来のスペクトル拡散通信で用いられる送信信
号のスペクトルであり、図8(B)は、図1に示した本
発明でのスペクトルである。
【0027】再び、図1において、図1(B)に示す受
信機側では、受信アンテナ21で受信した信号からバン
ドパスフィルタ32で搬送波成分だけを取り出す。この
取り出された搬送波を乗算器33で受信信号に掛け合わ
せるだけで受信信号の復調ができる。このとき、復調さ
れた信号に搬送波成分を復調した信号が含まれるが、元
々、拡散された情報信号はその送信電力を大きくできる
ので、相対的に搬送波成分の信号レベルは小さく、ま
た、搬送波成分は復調信号にオフセット分として現れる
ので、復調信号に与える影響は小さくなる。よって、乗
算器33からの出力信号は、完全に復調された信号とし
て使用することができる。この信号をコンパレータ34
でデジタル2値化し、デジタル回路30内で逆拡散処理
を行うことにより、データ信号1をデータ信号31とし
て取り出すことができる。
【0028】このとき、従来のスペクトル拡散通信で
は、A/Dコンバータでデジタル多値信号の逆拡散処理
を行っていたが、本発明によれば、デジタル2値の信号
を処理すれば済むため、論理回路自体も簡単になる。な
お、ここでは、簡単のため、BPSK変調による場合に
ついて説明したが、もちろんこれはQPSKやその他の
変調方式で実現可能である。
【0029】(請求項2の発明)請求項1の発明で説明
したように、本発明によると、影響は小さいものの復調
信号の搬送波成分が現れる問題があった。請求項2の発
明は、復調された信号に搬送波成分を復調した信号が含
まれるのを完全に除去するようにしたもので、図2
(A)に示す送信機側において、8は90度移相器であ
り、この90度移相器8は、送信機側において搬送波の
位相を90度進める働きをする。また、図2(B)に示
す受信機において、35も90度移相器であり、この9
0度移相器35は、受信機側において搬送波の位関を9
0度遅らせる働きをする。
【0030】図2(A)に示す送信機側において、局部
発振器5で発生した搬送波は移相器8で90度位相を進
められてから変調信号に加えられる。これにより、拡散
信号を変調した搬送波と付加された搬送波とは90度位
相が異なることになる。一方、図2(B)に示す受信機
側では、バンドパスフィルタ32で抽出されることによ
り再生された搬送波は移相器35によって90度位相が
遅らされ、もとの搬送波と同位相になる。よって、これ
を乗算器33で受信信号と掛け合わせた場合、付加され
ている搬送波とは直交位相であり、また、変調信号とは
同相である。このため、再生された搬送波を受信信号に
掛け合わせた場合は、本来の変調信号だけが出力信号と
して乗算器33から出力されることになる。
【0031】(請求項3の発明)前述のように、本発明
における送信信号スペクトルは図8(B)に示したよう
になるが、この場合、従来のAM送信機でのDSB(Do
uble Side Band)変調波と同様、上側波帯と下側波帯に
は同じデータ信号が含まれている。このため、一方の側
波帯だけを送ることによってデータ信号の伝達は可能で
ある。よって、図8(C)に示すように、片側の側波帯
を送ることにより、周波数帯域の節約になる。
【0032】図3は、請求項3の発明の一実施形態を説
明するための図で、図3(A)に示す送信機側におい
て、9は変調信号の上側波帯(又は下側波帯)だけを取
り出すバンドパスフィルタである。もちろん、ここで、
従来のSSB送信で使われている技術(ヒルベルト変換
器を使用した方式など)によって、一方の側波帯を取り
出してもよい。これにより送信信号は一方の側波帯と搬
送波が付加されて送信されることになる。一方、図3
(B)に示す受信機側では、受信信号に搬送波成分が存
在するため、とくに回路を変更する必要は無く、図1
(B)に示した請求項1の発明と同様、再生された搬送
波を受信信号に掛け合わせるだけで、データ信号を復調
することができる。
【0033】(請求項4の発明)本発明ではデータ信号
成分は拡散処理が施されいるため、この部分に狭帯域干
渉波が混入したとしても、この干渉波が復調信号に与え
る影響は小さい。しかし、付加した搬送波成分が狭帯域
干渉波による干渉を受けた場合、データ復調ができない
場合がありえる。この場合、搬送波成分の他に搬送波を
再生しうる複数のパイロット信号を付加して送信するこ
とによって、干渉波に対する耐性を改善することができ
る。
【0034】図4は、請求項4の発明の一実施形態を説
明するための図で、図4(A)に示す送信機側におい
て、10はPN信号発生器を駆動するクロック発振器、
11は乗算器、12は合成器7と同様の合成器で、搬送
波を再生することができる信号であるならばいかなるパ
イロット信号(搬送周波数±クロック周波数)でもよ
い。ここでは、比較的簡単に搬送波を再生できる搬送波
とPN信号のクロック周波数の和及び差の信号を使用す
る例について説明する。図4(B)に示す受信機側にお
いて、36は搬送波とクロック信号の和成分のみを通す
バンドパスフィルタ、37は搬送波とクロック信号との
差成分のみを通すバンドパスフィルタ、38は乗算器、
39は搬送波の2倍の周波数成分のみを通すフィルタ、
40は2分周器である。
【0035】図4(A)に示した送信機側において、P
N信号発生器を駆動するクロック信号10と搬送波を乗
算器11で掛け合わせることにより、(搬送周波数)±
(クロック周波数)のパイロット信号を作り、この信号
を合成器12で送信信号に付加する。このときの送信信
号スペクトルは図8(D)に示すようになる。図4
(B)に示す受信機側においては、ハンドパスフィルタ
36と37によりそれぞれ(搬送波周波数)±(クロッ
ク周波数)の周波数成分を取り出し、その2つを乗算器
38で掛け合わせ、バンドパスフィルタ39を通するこ
とにより、搬送波の2倍の周波数成分を取り出すことが
できる。これを2分周器40で分周することにより搬送
波の再生ができる。よって、搬送波、または(搬送波周
波数)±(クロック周波数)の成分のどちらかが正しく
伝達できればデータ信号を復調することができる。
【0036】(請求項5の発明)無線通信では、その送
信機と受信機の距離や置かれた状況によって、受信電界
強度が変化する。このため、通常は、受信機において、
リミタや自動利得制御器(AGC)などの受信信号強度
を一定に保つ回路を必要とする。本発明のように、受信
信号がBPSKなどの変調信号と搬送波との加算信号の
場合、単純にリミタによる非線型処理を行うわけにはい
かない。請求項5の発明は再生した搬送波に対してリミ
タを使用することにより、受信信号の変動に対して安定
した復調を提供するものである。
【0037】図5は、請求項5の発明の一実施形態を説
明するための図で、図5には、受信機のみを示したが、
送信機に関しては、図1と同じ構成のものを使用すれば
よい。図5において、42はバンドパスリミタであり、
このバンドパスリミタ42はバンドパスフィルタ32で
抽出した搬送波を一定振幅の信号に保つ働きをする。こ
のバンドパスリミタ42によって再生された搬送波は、
一定振幅に保たれ、また、情報信号成分自体の変動分は
コンパレータ34によって吸収されてしまうため、安定
して復調を行うことができる。
【0038】(請求項6の発明)また、再生された搬送
波を一定に保つにはPLLを使用しても良い。図6は、
この場合の実施例を示す図で、図6において、四角で囲
まれた部分50がPLLを構成する。PLL50におい
て、53は電圧制御発振器であり、搬送波とほぼ同じ周
波数の信号を発生する。51はバンドパスフィルタ32
で抽出された搬送波成分と局部発振器53で発生した信
号との位相差を検出するための乗算器であり、52はこ
のPLL50のループフィルタである。バンドパスフィ
ルタ32で抽出された搬送波は、その位相と電圧制御発
振器53が発生する局部発振信号の位相との差が乗算器
51によって検出され、その位相誤差がループフィルタ
52を介して、電圧制御発振器53の制御信号として入
力される。これによって、電圧制御発振器53の信号と
抽出された搬送波信号との位相が一致する。乗算器33
で受信信号に掛け合わされるのは電圧制御発振器で発生
する信号であるため、受信信号レベルによらず、再生さ
れた一定の搬送波が受信信号に掛け合わされることにな
る。
【0039】(請求項7の発明)本発明におけるスペク
トル拡散通信では、拡散信号として使用されるPN信号
は低周波成分の小さな系列を使用することが必要であ
る。このため、PN信号の系列はある程度限定されてし
まう。また、送信信号としては、他の通信システムに影
響を与えないよう帯域外のサイドローブ、及び、高調波
の小さいことが望ましい。図7は、請求項7の発明の一
実施形態を説明するための図で、図7は送信機のみの構
成を示し、13はPN信号発生器3を駆動するクロック
信号発振器、14はローパスフィルタ、15は乗算器で
ある。PN信号発生器3はクロック信号13の1クロッ
クに対して、1チップのPN信号を発生するものであ
る。また、PN信号の系列は特に限定する必要はない。
このPN信号でデータ信号を拡散し、ローパスフィルタ
14に通すことができ、ベースバンドでの波形整形を行
うことができる。この信号に乗算器15でクロック信号
発振器13からのクロック信号を掛け合わせれば、中心
周波数がクロック周波数の信号で低周波成分の少ない信
号に変換することができる。このときクロック信号発振
器13が発生する信号が方形波でなくサイン波であれ
ば、その信号成分に高調波成分が存在しないため、乗算
器15からの出力信号も高調波成分を小さく抑えること
ができる。
【0040】(請求項8の発明)図9は、請求項8の発
明の一実施形態を説明するための図で、図9(A)は送
信機側の構成を示し、図9(B)は受信機側の構成を示
す。図9(A)に示す送信機側において、いま、多重化
するデータ数をnとすると、11,12…1nで表される
ブロックがデータ信号源であり、伝達すべきデータ信号
を発生する。31,32…3nはマンチェスタ符号のPN
信号発生器であり、それぞれ互いにほぼ直交したPN信
号を発生する。21,22…2nは乗算器であり、各デー
タ信号とPN信号とを掛け合わせて拡散する働きをす
る。61は加算器であり、各乗算器21,22…2nで拡
散された信号を重ね合わせる働きをする。5は局部信号
発生回路であり、キャリア信号を発生する。62は乗算
器であり、加算器61によって加算された信号をキャリ
ア周波数にアップコンバートする働きをする。63は加
算器であり、乗算器62によりアップコンバートされた
信号に、キャリア信号を付加する。
【0041】図9(B)に示す受信機側において、71
はバンドパスタフィルタであり、キャリア信号を抽出す
る働きをする。72は乗算器であり、受信信号をベース
バンドに落とす働きをする。73はローパスフィルタで
あり、ベースバンド付近の信号のみを取り出す働きをす
る。74はA/Dコンバータであり、ベースバンドに落
とされた信号をA/D変換する働きをする。30はデジ
タル回路であり、デジタル化された信号を逆拡散し、そ
れぞれ元のデータ信号を再生する働きをする。311
312…31nは再生されたデータ信号を表す。
【0042】次に動作を説明する。n個のデータ信号源
1,12…1nから発生したデータ信号は、乗算器21
2…2nによって、それぞれPN信号源31,32…3n
で発生したPN信号と掛け合わされて拡散され、拡散さ
れたこれらの信号は加算器61によって足し合わされ
る。ここで使用されるPN信号は互いに直交したPN信
号が使用されるため、ここで足し合わせたとしても、受
信側で各PN信号の相関を取ることにより各データ信号
を復調することができる。加算器61で足し合わされた
信号は局部発振器5で発生したキャリアと乗算器62で
掛け合わされ、キャリアバンドにアップコンバートされ
る。乗算器62によってアップコンバートされた信号
は、さらに加算器63で適当なレベルのキャリアを付加
され、送信アンテナ6より送信される。
【0043】図9(B)に示す受信側では、受信アンテ
ナ21から受信信号はバンドパスフィルタ71によっ
て、キャリア成分だけが取り出される。バンドパスフィ
ルタには、例えば、水晶フィルタやセラミックフィルタ
などQの高いフィルタを使用することによってキャリア
成分のみを抽出することができる。バンドパスフィルタ
71で抽出したキャリアと受信信号を乗算器72で掛け
合わせ、さらにローパスフィルタ73で低周波成分のみ
を取り出すことによって、受信信号をベースバンドに落
とすことができる。バンドパスフィルタ71で抽出した
キャリア信号を受信信号に掛け合わせているので、ベー
スバンドに落とされた受信信号からはキャリア成分を完
全に除去することができ、送信側のベースバンド信号
(加算器61からの信号)を再生することができる。こ
の信号をA/Dコンバータ74でデジタル化し、デジタ
ル回路30で逆拡散処理を行うことにより、データ信号
311,312…31nを復調することができる。デジタ
ル回路30での逆拡散処理は、簡単には、デジタル・マ
ッチト・フィルタによる相関計算によって行うことがで
きる。それぞれ、送信側のPN信号の自己相関を得るこ
とのできるデジタル・マッチト・フィルタを用意してお
き、これにデジタル化された受信信号を入力することに
よって、重ね合わされたデータ信号をそれぞれ分離し、
復調することができる。
【0044】(請求項9の発明)また、本発明はQPS
K方式に対しても適用することができる。QPSK方式
と本方式を併用することにより、さらに多くのデータ信
号を一度に送ることができる。図10は請求項9の発明
の送信機側の例を示す図、図11は受信機側の例を示す
図で、この実施例の場合は、2n個のデータを並列に伝
送する例を示す。図10において、データ信号源1(1
1〜12n),乗算器2(21〜22n),PN信号源3(3
1〜32n)は、図9に示した実施例に対して、それぞれ
n+1〜2nまでが増設されている。5は局部発振器、
8は90度移相器、64は加算器、65は乗算器であ
る。図11に示す受機側において、75は90度移相
器、76は乗算器、77はローパスフィルタ、78はA
/Dコンバータで、復調されたデータ信号は、図9に示
した311〜31nに、更に、31n+1〜312nまでが存
在する。
【0045】次に動作を説明する。送信側において、加
算器61からの出力は、請求項8の発明と同様に、送信
データ源11〜1nからのデータ信号をPN信号源31
nからのPN信号で拡散した信号を符号多重した信号
である。この信号を乗算器62によって局部発振器5の
発生するキャリアの同相成分でアップコンバートする。
同様に、加算器64からの信号は、送信データ信号源1
n+1〜12nからのデータ信号をPN信号源3n+1〜32n
らのPN信号で拡散した信号を符号多重した信号であ
る。一方、局部発振器5で発生したキャリアは90度移
相器8で90度位相の異なる信号に変換される。変換さ
れた90度位相の異なる信号、すなわち、キャリアの直
交成分によって、加算器64からの符号多重化した信号
を乗算器65でアップコンバートする。乗算器62及び
65からのアップコンバートした信号と、局部発振器5
からのキャリア信号を加算器63で加算し、アンテナ6
より送信する。
【0046】次に、図11を参照して受信側の動作を説
明する。請求項8の発明と同様、アンテナ21で受信し
た受信信号をバンドパスフィルタ71を通すことによ
り、キャリアを抽出することができる。このキャリアを
90度移相器75を通すことにより、キャリアの直交成
分を再生することができる。よって、乗算器72におい
て、再生したキャリアの同相成分と受信信号を掛け合わ
せることによって、受信信号の同相成分に乗せられた符
号多重化された情報信号が復調され、また、乗算器76
において、再生したキャリアの直交成分と受信信号を掛
け合わせることによって、受信信号の直交成分に乗せら
れた符号多重化された情報信号が復調される。よって、
それぞれローパスフィルタ73,77とA/Dコンバー
タ74,78を通すことによって、ベースバンドに落と
された情報信号をデジタル化し、これをデジタル回路3
0でそれぞれ逆拡散処理を行うことによって、データ信
号311〜312nを復調することができる。
【0047】ここで、請求項8の発明では、バンドパス
フィルタ71で抽出されたキャリアの位相は受信信号の
位相と同相であることが要求されるが、ここでは、必ず
しもキャリアと受信信号の位相は同相である必要はな
い。この場合、ローパスフィルタ73と77にはそれぞ
れ受信信号の同相成分,直交成分が交じり合うが、これ
をデジタル回路30で位相補正を行うことにより分離す
ることができる。このため、請求項8の回路では、位相
補正のためのアナログ回路が必要になる可能性がある
が、請求項9の回路では、その必要性がなくなる利点も
生まれる。また、この実施例では、キャリアの同相成分
にn個、直交成分にn個のデータを割り当てているが、
もちろん、同相成分,直交成分に割り当てるデータ数は
等しくなくても良い。
【0048】(請求項10の発明)さらに、キャリアの
同相成分,直交成分それぞれで使用されるPN信号に同
じものを使用しても良い。図12は、この場合の実施例
を説明するための図で、図12は、送信側を示したもの
で、受信機には、図11と同じものを使用すれば良い。
図12でPN信号発生器31で発生したPN信号によっ
て、送信データ源11と1n+1のデータ信号を拡散する。
同様に、送信データ源12と1n+2…1nと12nといった
ように、同相成分側の1つのデータ信号と直交成分側の
1つのデータを1つのPN信号によって拡散する。その
後で、同相成分側の信号は加算器61で、直交成分側の
信号は加算器61でそれぞれ加算することによって送信
される。当然、同相成分側と直交成分側はキャリアの直
交性によって独立しているので、受信側で正しく復調す
ることができる。これにより、PN符号系列を数多く用
意する必要がなく、また、PN信号発生器を節約するこ
とができ、回路の簡略化を行うことができる。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明は、送信側では直流成分
が0であるような擬似雑音信号(PN信号)によって拡
散されたデータ信号と搬送波とを掛け合わせた第1の信
号と、前記搬送波を適当な信号強度にした第2の信号と
を同時に送信し、受信側では、受信信号から前記第2の
信号成分を取り出することにより搬送波を再生し、この
再生した搬送波を受信信号に掛け合わせることにより復
調するようにしたので、PN信号でデータ信号を拡散
し、搬送波を送信信号に付加することによって、受信側
で必要となる処理を減らし、従来方式で必要であったI
フェーズ、Qフェーズ2系統の信号処理を必要とせず、
また、高価なADコンバータや複雑なデジタル回路を不
要とし、システムの小型化、低コスト化、低消費電力化
を実現可能としたものである。
【0050】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、送信側では前記第2の信号の位相を90度ずらして
から送信し、受信側では前記再生した搬送波を90度位
相補正を行って、復調するようにしたので、送信信号に
搬送波の位相を違えて付加することにより、受信機側で
搬送波成分の分離を可能とし、受信側での復調の際に、
付加した搬送波が復調信号が混入することを抑え、受信
機の復調特性が劣化することを抑えることができる。
【0051】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の信号の上側波帯のみ、又は下側波帯のみ
と前記第2の信号を同時に送信するようにしたので、上
側波帯と下側波帯のいずれか一方を送信することによ
り、必要な伝送帯域幅を半分で済ませ、周波数利用効率
を上げることができる。
【0052】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、送信側においては、前記第1の信号と搬送波を再生
しうる複数の信号を同時に送信し、受信側においては、
受信した搬送波を再生しうる複数の信号のうちの1つ以
上を取り出し、これより搬送波を再生し、復調するよう
にし、搬送波の他に搬送波を再生しうる複数のパイロッ
ト信号成分を付加するようにしたので、狭帯域干渉波が
存在する場合にも通信を可能とすることができる。
【0053】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、取り出した前記第2の信号の振幅をリミタ等の手段
によって一定にしてから、受信信号に掛け合わせること
により復調するようにしたので、受信電界強度によら
ず、データ信号の復調を安定してできる。
【0054】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、取り出した前記第2の信号を参照信号として、フェ
ーズロックループ(PLL)によって搬送波を再生し、
この搬送波を受信信号に掛け合わせることによって復調
するようにしたので、安定した一定振幅の搬送波再生を
行うことができる。
【0055】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、任意のPN信号による拡散を行い、前記PN信号と
同期したクロック信号を拡散信号に掛け合わせることに
より前記第1の信号をつくりだすようにしたので、低周
波成分、サイドローブ及びスプリアスの小さいスペクト
ル波形を得ることができる。
【0056】請求項8の発明は、請求項1の発明におい
て、送信側では、それぞれ系列の異なるPN信号によっ
て拡散された複数のデータ信号を加算してから搬送波と
掛け合わせた第3の信号と、前記第2の信号とを同時に
送信し、受信側では、前記第2の信号を取り出すことに
より、再生した該第2の信号と受信信号を掛け合わせる
ことにより、ベースバンドに受信信号をコンバートし、
該ベースバンドにコンバートされた受信信号と、送信側
で使用した各PN信号のそれぞれと相関値を検出し、複
数のデータ信号を復調するようにしたので、符号分割多
重方式を適用することにより、スペクトル拡散通信にお
ける高速なデータ伝送を実現することができる。
【0057】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、それぞれ系列の異なるPN信号によって拡散された
複数のデータ信号を加算した第3の信号と、前記第2の
信号の同相成分とを掛け合わせた信号及び、それぞれ系
列の異なるPN信号によって拡散された複数のデータ信
号を加算した第4の信号と前記第2の信号の直交成分と
を掛け合わせた信号及び、前記第2の信号の3つの信号
を同時に送信し、受信側では、再生した前記第2の信号
の同相成分と受信信号を掛け合わせることにより、前記
第3の信号を取り出し、それぞれ、前記第3の信号、第
4の信号をそれぞれ各PN信号のそれぞれと相関値を検
出し、複数のデータ信号を復調するようにしたので、符
号多重化によるデータ伝送方式にQPSK方式などの多
値変調方式を組み合わせることにより、より高速なデー
タ伝送を実現できる。
【0058】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記第2の信号の同相成分に使用するPN信号と
該第2の信号の直交成分に使用するPN信号とを同一の
PN系列を使用するようにしたので、QPSK変調方式
におけるキャリアの同相成分、直交成分、それぞれに同
じ系列のPN信号を割り当てることにより、必要とする
PN系列の数を減らすことができ、また、PN信号発生
器を節約し、回路を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図2】 請求項2の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図3】 請求項3の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図4】 請求項4の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図5】 請求項5の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図6】 請求項6の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図7】 請求項7の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図8】 送信信号のスペクトルを示す図である。
【図9】 請求項8の発明の一実施形態を説明するため
の図である。
【図10】 請求項9の発明の送信機側の一実施形態を
説明するための図である。
【図11】 請求項9の発明の受信機側の一実施形態を
説明するための図である。
【図12】 請求項10の発明の一実施形態を説明する
ための図である。
【図13】 従来のスペクトル拡散通信方式の一例を説
明するための図である。
【符号の説明】
1…データ信号源、2…乗算器、3…PN信号発生器、
4…アップコンバート用乗算器、5…局部発振器、6…
送信アンテナ、7…合成器、8…90度移相器、9…バ
ンドパスフィルタ、10…クロック発振器、11…乗算
器、12…合成器、13…クロック発振器、14…ロー
パスフィルタ、15…乗算器、21…受信アンテナ、2
2,23…ダウンコンバート用乗算器、24,25…ロ
ーパスフィルタ、26,27…A/Dコンバータ、28
…局部発振器、29,75…90度移相器、30…デジ
タル回路、31…復調データ信号、32…バンドパスフ
ィルタ、33…乗算器、34…コンパレータ、35…移
相器、36,37…バンドパスフィルタ、38…乗算
器、39…フィルタ、40…2分周器、42…バンドパ
スリミタ、50…PLL、51…乗算器、52…ループ
フィルタ、53…電圧制御発振器、61,64…加算
器、62,65…乗算器、63…加算器、71…バンド
パスフィルタ、72,76…乗算器、73,77…ロー
パスフィルタ、74,78…A/Dコンバータ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側では直流成分が0であるような擬
    似雑音信号(PN信号)によって拡散されたデータ信号
    と搬送波とを掛け合わせた第1の信号と、前記搬送波を
    適当な信号強度にした第2の信号とを同時に送信し、受
    信側では、受信信号から前記第2の信号成分を取り出す
    ることにより搬送波を再生し、この再生した搬送波を受
    信信号に掛け合わせることにより、復調することを特徴
    としたスペクトル拡散通信方式。
  2. 【請求項2】 請求項1において、送信側では前記第2
    の信号の位相を90度ずらしてから送信し、受信側では
    前記再生した搬送波の90度の位相補正を行い、復調す
    ることを特徴としたスペクトル拡散通信方式。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第1の信号の上
    側波帯のみ、又は下側波帯のみと前記第2の信号を同時
    に送信することを特徴としたスペクトル拡散通信方式。
  4. 【請求項4】 請求項1において、送信側においては、
    前記第1の信号と搬送波を再生しうる複数の信号を同時
    に送信し、受信側においては、受信した搬送波を再生し
    うる複数の信号のうちの1つ以上を取り出し、これより
    搬送波を再生し、復調することを特徴としたスペクトル
    拡散通信方式。
  5. 【請求項5】 請求項1において、取り出した前記第2
    の信号の振幅をリミタ等の手段によって一定にしてか
    ら、受信信号に掛け合わせることにより、復調すること
    を特徴としたスペクトル拡散通信方式。
  6. 【請求項6】 請求項1において、取り出した前記第2
    の信号を参照信号として、フェーズロックループ(PL
    L)によって搬送波を再生し、この搬送波を受信信号に
    掛け合わせることによって、復調することを特徴とした
    スペクトル拡散通信方式。
  7. 【請求項7】 請求項1において、任意のPN信号によ
    る拡散を行い、前記PN信号と同期したクロック信号を
    拡散信号に掛け合わせることにより前記第1の信号をつ
    くりだしたことを特徴とするスペクトル拡散通信方式。
  8. 【請求項8】 請求項1において、送信側では、それぞ
    れ系列の異なるPN信号によって拡散された複数のデー
    タ信号を加算してから搬送波と掛け合わせた第3の信号
    と、前記第2の信号とを同時に送信し、受信側では、前
    記第2の信号を取り出すことにより、再生した該第2の
    信号と受信信号を掛け合わせることにより、ベースバン
    ドに受信信号をコンバートし、該ベースバンドにコンバ
    ートされた受信信号と、送信側で使用した各PN信号の
    それぞれと相関値を検出し、複数のデータ信号を復調す
    ることを特徴としたスペクトル拡散通信方式。
  9. 【請求項9】 請求項8において、それぞれ系列の異な
    るPN信号によって拡散された複数のデータ信号を加算
    した第3の信号と、前記第2の信号の同相成分とを掛け
    合わせた信号及び、それぞれ系列の異なるPN信号によ
    って拡散された複数のデータ信号を加算した第4の信号
    と前記第2の信号の直交成分とを掛け合わせた信号及
    び、前記第2の信号の3つの信号を同時に送信し、受信
    側では、再生した前記第2の信号の同相成分と受信信号
    を掛け合わせることにより、前記第3の信号を取り出
    し、それぞれ、前記第3の信号、第4の信号をそれぞれ
    各PN信号のそれぞれと相関値を検出し、複数のデータ
    信号を復調することを特徴としたスペクトル拡散通信方
    式。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記第2の信号の
    同相成分に使用するPN信号と該第2の信号の直交成分
    に使用するPN信号とを同一のPN系列を使用したこと
    特徴としたスペクトル拡散通信方式。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134789A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Toshiba Corp 送信装置、受信装置、無線システム、通信方法
JP2017539156A (ja) * 2014-11-19 2017-12-28 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 誘導結合通信のためのシステムおよび方法

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