JPH113675A - 陰極線管の背面電極およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管の背面電極およびその製造方法

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JPH113675A
JPH113675A JP15270897A JP15270897A JPH113675A JP H113675 A JPH113675 A JP H113675A JP 15270897 A JP15270897 A JP 15270897A JP 15270897 A JP15270897 A JP 15270897A JP H113675 A JPH113675 A JP H113675A
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back plate
electrode
electrode layer
transfer film
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JP15270897A
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Atsushi Miura
淳 三浦
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小規模な設備で容易に製造することができ、
簡単な構造で消費電力の少ない陰極線管の背面電極およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 転写用フィルム104の上に剥離層10
5を形成する。剥離層105の上に透明なITO電極層
102を形成し、このITO電極層102上に接着層1
06を形成する。続いて、転写用フィルム104を背面
板101の上に剥離層105,ITO電極層102およ
び接着層106を介して接着させる。その後、順次加熱
することにより転写用フィルム104、剥離層105お
よび接着層106を気化させて除去する。その後、背面
板101の上にITO電極層102を介して有効画面と
同じ大きさの蛍光体層103を形成する。転写用フィル
ム104に対する剥離層105,ITO電極層102お
よび接着層106の形成およびITO電極層102に対
する蛍光体層103の形成は例えばスクリーン印刷によ
って行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を電子ビー
ムによって発光させてこれにより映像情報を映し出す偏
平型ブラウン管などの陰極線管に用いられる背面電極お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、奥行き寸法の小さい壁掛けテレビ
ジョンが市場で注目され、偏平型ブラウン管や液晶型フ
ラットディスプレイ、プラズマディスプレイ等の開発が
盛んに行われている。特に偏平型ブラウン管は、製造コ
ストが低く、その上画質が良いことで知られている。
【0003】ここで、従来の偏平型ブラウン管に用いら
れる背面電極の構造について、図5ないし図7を参照し
ながら説明する。図5は従来の偏平型ブラウン管の背面
電極付近の構造を表す断面図であり、図6は図5の背面
電極200からフロントパネルを取り外した状態を表す
斜視図である。また、図7は図5の背面電極200から
フロントパネル210を取り外した状態を表す正面図で
ある。図5に示したように、この背面電極200は例え
ば硝子製のフロントパネル210の背部に取り付けられ
ている。背面電極200は背面板220を備えており、
この背面板220はフロントパネル210に対向して凹
状となるように硝子等によって湾曲形成されている。こ
の背面板220の正面には所定のパターンのAl(アル
ミニウム)電極層221が形成され、そのパターン上に
蛍光体層222が塗布された構造になっている。
【0004】更に、背面板220の下部領域にはITO
(Indium-Tin-Oxide: インジウム・錫酸化物)導電層2
23が形成されている。Al電極層221はAl端子部
221aを介してITO導電層223と電気的に接続さ
れている。また、図示しないが、ITO導電層223は
偏平型ブラウン管の内部に設けられた電圧印加端子に電
気的に接続されている。通常偏平型ブラウン管では、電
圧印加端子,ITO導電層223およびAl端子部22
1aを介してAl電極層221に5〜10KVの正の電
圧が印加される。図示しないカソードから発生した電子
はビーム状に収束されてAl電極層221に向かって加
速し、蛍光体層222に衝突することにより、蛍光体層
222が発光し、この発光色が映像情報としてフロント
パネル210を介して映し出される。
【0005】この背面電極200は、Al電極層蒸着工
程、蛍光体層電着工程、洗浄工程、無効画面蛍光体除去
工程そしてITO導電層塗布工程を経て製造される。
【0006】Al電極層蒸着工程では、通常、抵抗加熱
法を採用した真空蒸着機が用いられる。この工程では、
背面板220の正面に所定のパターンのマスクを形成
し、このマスクを介して例えば厚さ0.05〜0.30
μm程度のAl電極層221が形成される。このとき、
Al端子部221aも同時に形成される。
【0007】Al電極層221が形成された背面板20
0には、蛍光体層電着工程において、蛍光体原料の入っ
た電着槽で、Al電極層221上に例えば厚さ20〜4
0μm程度の蛍光体層222が形成される。なお、蛍光
体原料としては、例えばY22 S(酸化サルファイト
イットリウム)の蛍光体材料を有機溶剤で溶かした液体
が用いられる。
【0008】蛍光体層222が塗布された背面板220
は、次の洗浄工程においてIPA(イソプロピルアルコ
ール)等の有機溶剤で洗浄され、更に無効画面蛍光体除
去工程においてスポンジ状のビスパップ(商品名)を用
いて有効画面以外の無効画面の蛍光体が除去される。こ
れによりAl電極層221以外に付着した蛍光体層22
2が除去される。
【0009】背面板220の下方領域には、次のITO
導電層塗布工程において、ITO導電層223が形成さ
れる。この工程では、ITO微粒子をアルコールで混合
したITO液がスポンジ状のパフ材に浸され、このパフ
材によりITO液の塗布が行われる。以上の工程によっ
て背面電極200が製造される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
背面電極の製造方法では、上述のように非常に手間のか
かる多くの工程が必要となる。更に、これらの工程で
は、設備が大型になるといった問題があった。また、蛍
光体層電着工程では、処理後残った多量の有機溶剤を処
理するための工程が更に必要であった。更に、無効画面
に残った蛍光体を除去する無効画面蛍光体除去工程も必
要であった。加えて、Al電極層蒸着工程において、湾
曲した背面板220に対して正確な位置にマスクを形成
することは非常に困難である。マスクが正確な位置に形
成されない場合には、Al電極層221にパターンのず
れおよび変形が生じ、これに伴って蛍光体層222にも
パターンのずれおよび変形が生じてしまう。
【0011】更に、Al電極層蒸着工程では、抵抗加熱
時の接触抵抗のばらつきや真空度のばらつき等によっ
て、膜厚にもばらつきが生じる。これにより、後工程で
ある焼成工程において、Al電極層221が浮いてしま
うAl浮きや、Al電極層221が出っ張ってしまうA
l出っ張りおよび表示面のエッジ付近の映像がぼやけて
しまうエッジボケ等の不良が発生しやすく、メンテナン
ス頻度が高くなるといった問題があった。これらの問題
を改善するために製造工程の簡略化が図られている。例
えば、図8に示したように、映像情報を表示する面が凸
状となるように湾曲板状に形成された表示部310の裏
面に所定のパターンを有する蛍光体層311を予め形成
しておいて、その上にAl電極層312を形成し、フロ
ントパネル313によって支持するようにしたものが開
発されている。しかし、これを使用した偏平型ブラウン
管では、電子ビームがAl電極層312を透過できる程
度に電子ビームの電流量を増やす必要があるため、消費
電力が大きくなるという問題がある。更に、Al電極層
312の蛍光体層311が形成されていない部分では、
光が反射されるため、見かけ上良くないといった問題も
あった。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、小規模な設備で容易に製造すること
ができ、消費電力の少ない陰極線管の背面電極およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による陰極線管の
背面電極は、フロントパネルの背部に配置されると共
に、フロントパネルに対向して湾曲して形成された背面
板と、この背面板のフロントパネルに対向した面の全面
に形成された透明の電極層と、この電極層上の有効画面
に対応する領域に選択的に形成された蛍光体層とを備え
たものである。
【0014】本発明による陰極線管の背面電極の製造方
法は、所定の形状の転写用フィルムの上に、所定の温度
において剥離すると共に剥離する温度よりも高い温度に
おいて気化する機能を有する剥離層を形成する第1の工
程と、剥離層の上に、微粒子層状の透明な電極層を形成
する第2の工程と、電極層の上に、更に、接着機能を有
すると共に剥離層の気化する温度よりも高い温度で気化
する機能を有する接着層を形成する第3の工程と、フロ
ントパネルの背部に配置されると共にフロントパネルに
対向して湾曲して形成された背面板のフロントパネルに
対向した面の上に、剥離層,電極層および接着層を介し
て転写用フィルムを接着させる第4の工程と、転写用フ
ィルムが接着された背面板を所定の温度まで加熱し、剥
離層の上の転写用フィルムを剥離させることにより、背
面板から転写用フィルムを除去する第5の工程と、転写
用フィルムが除去された背面板を転写用フィルムの剥離
温度よりも更に高い温度まで加熱することにより剥離層
を気化させ、これを排気除去する第6の工程と、剥離層
が除去された背面板を、剥離層の気化温度よりも更に高
い温度まで加熱することにより接着層を気化させ、これ
を電極層の微粒子間を通して排気除去する第7の工程
と、接着層が除去された後、背面板上の電極層の上の有
効画面に対応する領域に選択的に蛍光体層を形成する第
8の工程とを含むものである。
【0015】本発明の陰極線管の背面電極では、透明の
電極層が背面板のフロントパネルに対向した面の全面に
形成され、蛍光体層が電極層上の有効画面に対応する領
域に選択的に形成されている。従って、電極層に向かっ
て加速する電子ビームは蛍光体層に対して直接衝突し、
これにより電流量を増やす必要がなく、消費電力が低減
される。
【0016】本発明の陰極線管の背面電極の製造方法で
は、所定の形状の転写用フィルムの上に剥離層が形成さ
れ、この剥離層の上に微粒子層状の透明な電極層が形成
され、更にこの電極層の上に接着層が形成される。この
転写用フィルムは背面板のフロントパネルに対向した面
の上に剥離層,電極層および接着層を介して接着され
る。次に、背面板が所定の温度まで加熱されることによ
って剥離層の上の転写用フィルムが剥離されて背面板か
ら転写用フィルムのみが除去される。転写用フィルムが
除去された背面板が更に高い温度まで加熱されることに
よって剥離層のみが気化されて排気除去され、更に、高
い温度まで加熱されることによって接着層が気化されて
電極層の微粒子間を通って排気除去される。この後、背
面板上に残された電極層の上の有効画面に対応する領域
に選択的に蛍光体層が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の一実施の形態に係る偏平型
ブラウン管の背面電極付近の構造を表すものである。ま
た、図2は図1の背面電極100からフロントパネル1
10および角形コーン120を取り外した状態を表す斜
視図であり、図3は図2に示した背面電極100の正面
図である。
【0019】図1に示したように、背面電極100は板
状のフロントパネル110の背部に取り付けられてい
る。フロントパネル110および背面電極100の下方
には例えば四角形の開口面を有する角形コーン120が
取り付けられている。この角形コーン120には、図示
しないが、電子ビームを発生する電子銃や電子ビームを
偏向させる偏向コイル等が設けられている。また、角形
コーン120の内面にはITO等の導電膜121が形成
されており、この導電膜121は背面電極100に形成
された後述するITO電極層102に電圧を印加するた
めの図示しない電圧印加端子と電気的に接続されてい
る。
【0020】背面電極100は、フロントパネル110
に対向して湾曲形成された例えば硝子製の背面板101
を備え、この背面板101のフロントパネル110に対
向した面に透明のITO電極層102が形成されてい
る。このITO電極層102は背面板101のフロント
パネル110に対向した面の全面に形成されており、角
形コーン120の導電膜121を介して前述の電圧印加
端子と電気的に接続されている。また、ITO電極層1
02上の背面板101の上部領域には有効画面に対応す
る蛍光体層103が形成されている。この蛍光体層10
3は電子ビームの衝突により映像情報に対応した光を発
するものである。なお、この光はフロントパネル110
を介して映し出されると共に、背面板101の内部を透
過し、背面板101のフロントパネル110に対向した
面と反対側の面にも映し出されるようになっている。
【0021】なお、ITO電極層102の抵抗値は、立
ち上がり不良やチャージアップ等を防ぐためにできるだ
け小さくすることが好ましい。なお、立ち上がり不良と
は、ITO電極層102の抵抗値が高い場合、ITO電
極層102を流れる電流の瞬間時差が大きくなると共
に、蛍光体層103の発する光にも瞬間時差が生じ、こ
れが画面の出画時間差として現れる現象である。また、
チャージアップとは、ITO電極層102の抵抗値が高
い場合、偏平型ブラウン管の電源を切ったときにITO
電極層102を流れる電流が背面電極100に残り、残
った電荷が放電を起こしてしまう現象である。このよう
なことから、この背面電極100においては、ITO電
極層102の抵抗値が10MΩ以下になるよう形成され
ている。
【0022】この背面電極100を採用した偏平型ブラ
ウン管では、電圧印加端子および導電膜121を介して
ITO電極層102に5〜10KVの正の電圧が印加さ
れる。図示しない電子銃から発生した電子ビームは、角
形コーン120の開口面を横切って背面電極100のI
TO電極層102に向かって加速し、蛍光体層103に
衝突する。これにより、有効画面に対応する蛍光体層1
03が発光し、この発光色が映像情報としてフロントパ
ネル110を介して映し出される。また、蛍光体層10
3の発する光は背面板101の内部を透過する。これに
より背面板101のフロントパネル110に対向した面
と反対側の面にも映像情報が映し出される。
【0023】次に、この背面電極100の製造方法につ
いて図4(a)〜(f)を参照しながら詳しく説明す
る。
【0024】まず、図4(a)に示したように、所定の
形状の転写用フィルム104の上に、所定の温度におい
て剥離すると共に剥離する温度よりも高い所定の温度に
おいて気化する機能を有する剥離層105を形成する。
転写用フィルム104としては、例えばPET(ポリエ
チレンテレフタレート)を使用する。また、剥離層10
5は、例えばアクリル系樹脂を使用したものであり、6
〜10μm程度の厚さに形成する。なお、このアクリル
系樹脂は、約200℃の温度において剥離し、約300
℃の温度において気化するものである。次に、剥離層1
05の上に、例えばITO等の微粒子(例えば粒径1μ
m以下)を10〜20μm程度の厚みで層状にした透明
なITO電極層102を形成する。更に、ITO電極層
102の上に、接着機能を有し剥離層105の気化する
温度(約300℃)よりも高い所定の温度で気化する機
能を有する接着層106を形成する。この接着層106
は、例えばブチラール系樹脂を使用したものであり、6
〜10μm程度の厚さに形成する。なお、このブチラー
ル系樹脂は約400〜485℃の温度において気化する
ものである。
【0025】次に、図4(b)に示したように、転写用
フィルム104を、背面板101のフロントパネル11
0に対向する面の上に、剥離層105,ITO電極層1
02および接着層106を介して接着させる。そして、
この背面板101を剥離層105の剥離する温度(例え
ば約200℃)まで加熱する。このようにして、剥離層
105の上の転写用フィルム104を剥離し、図4
(c)に示したように背面板101から転写用フィルム
104を除去する。次に、転写用フィルム104が除去
された背面板101を、転写用フィルム104を剥離し
た温度よりも更に高い温度(例えば約300℃)まで加
熱する。これにより、図4(d)に示したように、背面
板101から剥離層105のみを気化させて排気除去す
る。剥離層105を除去した後、背面板101を剥離層
105が気化した温度よりも更に高い温度(例えば約4
00〜485℃)まで加熱する。これにより、図4
(e)に示したように、接着層106を気化させてIT
O電極層102の微粒子間を通して排気除去する。な
お、背面板101を加熱する温度の上限値は、背面板1
01の熱変形を防ぐため、485℃とすることが望まし
い。この後、図4(f)に示したように背面板101上
に残されたITO電極層102の上に、更に、有効画面
に対応する領域(例えば背面板101のフロントパネル
110に対向した面の上方部)に選択的に蛍光体層10
3を形成する。この蛍光体層103の原料としては例え
ばY2 2 Sを使用する。
【0026】なお、剥離層105の気化する温度(例え
ば300℃)から接着層の気化する温度(例えば400
〜485℃)の間では、ITO電極層102が完全に焼
成される。従って、接着層を気化してITO電極層10
2の微粒子間を通して排気する際には、ITO電極層1
02が破壊されることはない。また、上記した剥離層1
05,ITO電極層102,接着層106および蛍光体
層103の形成は、例えばスクリーン印刷によって行
う。これにより、図1ないし図3に示した背面電極10
0の製造をより簡単且つ正確に行うことができる。ま
た、スクリーン印刷を行って層を形成した後は、自然乾
燥もしくは乾燥機等によって乾燥させ、各層の膜厚を安
定化させる。
【0027】本実施の形態に係る偏平型ブラウン管の背
面電極100では、背面板101のフロントパネル11
0に対向した面の全面に透明のITO電極層102を形
成し、このITO電極層102上の有効画面に対応する
領域に蛍光体層103を選択的に形成するようにしたの
で、ITO電極層102に向かって加速する電子ビーム
が蛍光体層103に対して直接衝突するため、電流量を
増やす必要がなく、消費電力を小さくすることができ
る。
【0028】また、光学的に反射し易いAlではなく、
光学的に光を通しやすいITOを使用して背面板101
にITO電極層102を形成するようにしたので、蛍光
体層103が形成されていない部分での光の反射が無く
なって見かけが良くなるだけでなく、蛍光体層103の
発する光が背面板101を透過し、背面板101のフロ
ントパネル110に対向した面と反対側の面においても
映像情報を映し出すことができ、偏平型ブラウン管の応
用範囲が広がる。
【0029】特に、この背面電極100では、背面板1
01のフロントパネル110に対向した面の全面に透明
のITO電極層102を形成して、角形コーン120の
導電膜121を介して偏平型ブラウン管の内部に設けら
れた電圧印加端子と電気的に接続するようにしたので、
構造が簡単になるだけでなく、真空蒸着等の工程を省略
でき、製造工程を簡略化することができる。
【0030】更に、この背面電極100では、ITO電
極層102の抵抗値を10MΩ以下にしたので、前述の
立ち上がり不良やチャージアップが起こることが無くな
る。
【0031】また、この背面電極100の製造方法で
は、剥離層105,ITO電極層102および接着層1
06が形成された転写用フィルム104を背面板101
の上に接着させて、最終的にはITO電極層102を残
し、その上に蛍光体層103を形成するようにしたの
で、製造工程を簡略化でき、且つ、小規模な設備で背面
電極100を容易に製造することができる。
【0032】更に、本実施の形態では、剥離層105,
ITO電極層102,蛍光体層103などをスクリーン
印刷によって形成するようにしたので、湾曲した背面板
220に対して正確な位置にITO電極層102および
蛍光体層103を形成することができ、背面電極100
の製造をより簡単且つ正確に行うことができる。
【0033】なお、この背面電極100の製造方法で
は、ITO電極層102,蛍光体層103などをスクリ
ーン印刷によって形成するようにしたが、部分的にスク
リーン印刷を用いたり、部分的に転写を行ってもよい。
場合によっては、ITO電極層102等をCVD(化学
気相成長)法やスパッタリング法等を用いて形成するよ
うにしても良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明による陰極線
管の背面電極によれば、透明の電極層を背面板のフロン
トパネルに対向した面の全面に形成すると共に蛍光体層
を電極層上の有効画面に対応する領域に選択的に形成す
るようにしたので、電極層に向かって加速する電子ビー
ムが蛍光体層に対して直接衝突し、これによって電流量
を増やす必要がなく、消費電力を小さくすることができ
るという効果を奏する。
【0035】また、本発明による陰極線管の背面電極の
製造方法によれば、所定の形状の転写用フィルムの上に
剥離層を形成し、この剥離層の上に微粒子層状の透明な
電極層を形成し、更にこの電極層の上に接着層を形成
し、この転写用フィルムを背面板のフロントパネルに対
向した面の上に剥離層,電極層および接着層を介して接
着し、次に、背面板を所定の温度まで加熱させることに
よって剥離層の上の転写用フィルムを剥離させて背面板
から転写用フィルムのみを除去し、転写用フィルムを除
去させた背面板を更に高い温度まで加熱させることによ
って剥離層を気化させて排気除去し、更に、高い温度ま
で加熱させることによって接着層を気化させて電極層の
微粒子間を通して排気除去し、この後、背面板上に残っ
た電極層の上の有効画面に対応する領域に選択的に蛍光
体層を形成するようにしたので、製造工程を簡略化で
き、且つ、小規模な設備で背面電極を容易に製造するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る偏平型ブラウン管
の背面電極付近の構造を表す断面図である。
【図2】図1の背面電極からフロントパネルおよび角形
コーンを取り外した状態を表す斜視図である。
【図3】図1および図2に示した背面電極の正面図であ
る。
【図4】図1ないし図3の背面電極の製造工程を説明す
るための断面図である。
【図5】従来の偏平型ブラウン管の背面電極近傍付近の
構造を表す断面図である。
【図6】図5の背面電極からフロントパネルを取り外し
た状態を表す斜視図である。
【図7】図5および図6に示した背面電極の正面図であ
る。
【図8】簡略化された工程で形成された従来の偏平型ブ
ラウン管の表示部近傍付近の構造を表す断面図である。
【符号の説明】
100…背面電極、101…背面板、102…ITO電
極層、103…蛍光体層、104…転写用フィルム、1
05…剥離層、106…接着層、110…フロントパネ
ル、120…角形コーン、121…導電膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効画面に対応する領域に形成された蛍
    光体を電子ビームによって発光させて映像情報をフロン
    トパネルを介して映し出す陰極線管に用いられる背面電
    極において、 前記フロントパネルの背部に配置されると共に前記フロ
    ントパネルに対向して湾曲して形成された背面板と、 この背面板の前記フロントパネルに対向した面の全面に
    形成された透明の電極層と、 この電極層上の有効画面に対応する領域に選択的に形成
    された蛍光体層とを備えたことを特徴とする陰極線管の
    背面電極。
  2. 【請求項2】 前記電極層は、前記陰極線管の内部に設
    けられ電圧が印加される端子手段と電気的に接続されて
    いることを特徴とする請求項1記載の陰極線管の背面電
    極。
  3. 【請求項3】 前記電極層は、10MΩ以下の抵抗値を
    有することを特徴とする請求項2記載の陰極線管の背面
    電極。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体層の発する光は、前記背面板
    を透過し、前記背面板の前記フロントパネルに対向した
    面と反対側の面においても映像情報が映し出されること
    を特徴とする請求項3記載の陰極線管の背面電極。
  5. 【請求項5】 有効画面に対応する領域に形成された蛍
    光体を電子ビームによって発光させて映像情報をフロン
    トパネルを介して映し出す陰極線管に用いられる背面電
    極において、 所定の形状の転写用フィルムの上に、所定の温度におい
    て剥離すると共に剥離する温度よりも高い温度において
    気化する機能を有する剥離層を形成する第1の工程と、 前記剥離層の上に微粒子層状の透明な電極層を形成する
    第2の工程と、 前記電極層の上に、更に、接着機能を有すると共に前記
    剥離層の気化する温度よりも高い温度で気化する機能を
    有する接着層を形成する第3の工程と、 前記フロントパネルの背部に配置されると共に前記フロ
    ントパネルに対向して湾曲して形成された背面板の前記
    フロントパネルに対向した面の上に、前記剥離層,電極
    層および接着層を介して前記転写用フィルムを接着させ
    る第4の工程と、 前記転写用フィルムが接着された背面板を所定の温度ま
    で加熱し、前記剥離層の上の前記転写用フィルムを剥離
    させることにより、前記背面板から前記転写用フィルム
    を除去する第5の工程と、 前記転写用フィルムが除去された背面板を前記転写用フ
    ィルムの剥離温度よりも更に高い温度まで加熱すること
    により前記剥離層を気化させ、これを排気除去する第6
    の工程と、 前記剥離層が除去された背面板を、前記剥離層の気化温
    度よりも更に高い温度まで加熱することにより前記接着
    層を気化させ、これを前記電極層の微粒子間を通して排
    気除去する第7の工程と、 前記接着層が除去された後、前記背面板上の電極層の上
    の有効画面に対応する領域に選択的に蛍光体層を形成す
    る第8の工程とを含むことを特徴とする陰極線管の背面
    電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記剥離層、前記電極層、前記接着層お
    よび前記蛍光体層をそれぞれスクリーン印刷によって形
    成することを特徴とする請求項5記載の陰極線管の背面
    電極の製造方法。
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