JPH11174684A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JPH11174684A
JPH11174684A JP34640597A JP34640597A JPH11174684A JP H11174684 A JPH11174684 A JP H11174684A JP 34640597 A JP34640597 A JP 34640597A JP 34640597 A JP34640597 A JP 34640597A JP H11174684 A JPH11174684 A JP H11174684A
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JP
Japan
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group
film
organic silicon
silicon film
resist
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Application number
JP34640597A
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English (en)
Inventor
Yasuro Mitsuyoshi
靖郎 三吉
Yasuhiko Sato
康彦 佐藤
Kiyonobu Onishi
廉伸 大西
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工膜上に形成された有機シリコン膜が、
その上に形成する感光性樹脂膜とミキシングを起こすこ
とがなく、かつ反射防止膜としての性能を失うことのな
いパターン形成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 基板上に形成された被加工膜上に、シリ
コンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリコン化合
物のポリマーを含有する有機シリコン膜を形成する工程
と、前記有機シリコン膜の表面を改質する工程と、前記
改質された有機シリコン膜の表面にフォトレジスト膜を
形成する工程と、前記フォトレジスト膜を露光および現
像してレジストパターンを形成する工程とを具備するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターン形成方法
に係り、特に、半導体装置や液晶表示装置等の電子素子
の製造に適用されるパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子などの微細な電子素子の製造
には、基板上に形成されたポリシリコン膜、酸化シリコ
ン膜、金属配線膜等の薄膜を、微細なパターンに加工す
る工程が必要である。そのようなパターン形成工程は、
まず薄膜上にフォトレジストを塗布し、次いで露光し、
更に現像することにより、サブミクロン級またはそれ以
下の微細なレジストパターンを形成し、次に、このレジ
ストパターンをマスクとして用いて、薄膜をエッチング
することにより、上記パターンを薄膜に転写している。
そのため、レジストに微細なパターンを精度良く形成す
る必要がある。
【0003】ところが、例えば光露光によりポリシリコ
ン膜上のレジストを露光する場合、ポリシリコン膜とレ
ジストの界面での光反射率が高いため、レジストの膜厚
変動に伴って、レジストのパターン寸法が変化してしま
うという問題がある。これを解決する手段として、例え
ば、特開昭59−93448号公報に示されているよう
に、基材とレジストとの間に反射防止膜を形成する方法
がある。この方法では、反射防止膜とレジストとの界面
での光反射率を下げることで、レジストの膜厚変動に対
するパターン寸法変動を減少させている。
【0004】この反射防止膜に適した材料の一つとし
て、シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリ
コン化合物を含有する有機シリコン膜、例えばポリシラ
ン膜が挙げられる。例えば、米国特許5,380,62
1号においては、ポリ(シクロヘキシルメチルシラン)
やポリ(メチルシラン)が反射防止膜として挙げられて
いる。但し、この米国特許においては、反射防止膜に用
いるポリシランの条件として、反射防止膜の上に塗布す
るフォトレジストの溶媒とは反応せず、また前記溶媒に
溶けないもの、という制限をつけている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような制
限の下では、「レジストの溶媒には溶解するが、反射防
止膜としての性能は高いポリシラン」は除外される。実
際、ポリシランの種類によっては、ポリシランの塗布お
よびベーキング後にレジストを塗布した際に、レジスト
とのミキシングが生じてしまい、レジストのパターンを
形成することが出来ない。
【0006】このようなポリシランを反射防止膜として
使用するには、レジストとのミキシングを抑える必要が
ある。ミキシングを抑える方法の一つとして、有機シリ
コン膜全体を加熱などにより改質する方法がある。しか
し、改質により膜の光学定数が変化し、多くの場合、膜
の光吸収係数が小さくなるため、有機シリコン膜の反射
防止膜としての高い性能が失われてしまう。
【0007】なお、シリコン系有機膜の表面処理につい
ては、特開平6−84787号公報に、「シリコン含有
樹脂含有層の表面を疎水化処理剤にさらし、次に、該シ
リコン含有樹脂含有層を変質させず且つ該疎水化処理剤
を飛散させるに十分な温度で加熱処理した後に、該上層
レジストを塗布する」ことで、パターンの裾引きや細り
をなくす、という技術がある。但し、そのとき用いられ
るシリコン含有樹脂を含有する層とは、「下層膜とのド
ライエッチング選択比が十分に高く、且つ上層レジスト
を塗布する際にミキシングを起こさないように形成され
た層であればよく、各種のシリコーン樹脂により形成さ
れた層、それを加熱硬化した層、各種のシリコーン樹脂
膜の表面を酸素プラズマなどで処理してSiO2 化した
層等」であり、表面処理によってミキシングを防止して
いるわけではない。また、シリコン含有樹脂含有層の反
射防止効果については、何ら触れていない。
【0008】本発明は、かかる事情の下になされ、被加
工膜上に形成された有機シリコン膜が、その上に形成す
る感光性樹脂膜とミキシングを起こすことがなく、かつ
反射防止膜としての性能を失うことのない、パターン形
成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、基板上に形成された被加工
膜上に、シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機
シリコン化合物のポリマーを含有する有機シリコン膜を
形成する工程と、前記有機シリコン膜の表面を改質する
工程と、前記改質された有機シリコン膜の表面にフォト
レジスト膜を形成する工程と、前記フォトレジスト膜を
露光および現像してレジストパターンを形成する工程と
を具備するパターン形成方法を提供する。
【0010】本発明(請求項2)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記有機シリコン膜の表
面を改質する工程が、(a)前記有機シリコン膜の表面
をガスプラズマと接触させること、(b)前記有機シリ
コン膜を溶液に浸漬すること、(c)前記有機シリコン
膜の表面に高エネルギービームを照射すること、および
(d)前記有機シリコン膜を表面から熱処理することか
らなる群から選ばれた処理のいずれか一つを行う、前記
処理の2つ以上を同時に行なう、又は前記処理の2つ以
上を順次行なうことであることを特徴とする。
【0011】本発明(請求項3)は、上述のパターン形
成方法(請求項2)において、前記有機シリコン膜の表
面を改質する工程が、前記有機シリコン膜の表面をガス
プラズマと接触させることにより行われ、前記ガスプラ
ズマのソースガスが、水素、酸素、水、オゾン、フルオ
ロカーボン、弗化イオウ、弗素、塩素、臭素、および脂
肪族不飽和炭化水素からなる群から選ばれた1種、また
は複数種の混合ガスであることを特徴とする。
【0012】本発明(請求項4)は、上述のパターン形
成方法(請求項2,3)において、前記有機シリコン膜
の表面を改質する工程が、前記有機シリコン膜を溶液に
浸漬することにより行われ、前記溶液が、硫酸、過酸化
水素水、弗化水素酸、弗化アンモニウム水溶液、および
アルカリ溶液からなる群から選ばれた1種、または複数
種の混合溶液であることを特徴とする請求項2または3
に記載のパターン形成方法。
【0013】本発明(請求項5)は、上述のパターン形
成方法(請求項2〜4)において、前記有機シリコン膜
の表面を改質する工程が、前記有機シリコン膜の表面に
高エネルギービームを照射することにより行われ、前記
高エネルギービームが、波長350nm以下の紫外光、
X線、電子線、中性子線、およびイオンビームからなる
群から選ばれた1種であることを特徴とする。
【0014】本発明(請求項6)は、上述のパターン形
成方法(請求項2〜5)において、前記有機シリコン膜
の表面を改質する工程が、前記有機シリコン膜を表面か
ら熱処理することにより行われ、前記熱処理は、空気
中、酸素雰囲気中、窒素雰囲気中、および真空中からな
る群から選ばれた雰囲気中で行われることを特徴とす
る。
【0015】本発明(請求項7)は、上述のパターン形
成方法(請求項1〜6)において、前記有機シリコン化
合物のポリマーが、下記一般式(1)または(2)で表
される繰り返し単位を有することを特徴とする。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ置換
もしくは非置換の芳香族基、アルキル基、水素基、アル
ケン基、アルキン基、カルボニル基、アルデヒド基、カ
ルボキシル基、エステル基、チオカルボニル基、アミド
基、アゾメチン基、ニトリル基、アゾ基、ニトロソ基、
硝酸基、ニトロ基、亜硝酸基、およびスルホン基からな
る群から選ばれた1種である。)
【化4】
【0018】(式中、R1 は、置換もしくは非置換の芳
香族基、アルキル基、水素基、アルケン基、アルキン
基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、エ
ステル基、チオカルボニル基、アミド基、アゾメチン
基、ニトリル基、アゾ基、ニトロソ基、硝酸基、ニトロ
基、亜硝酸基、およびスルホン基からなる群から選ばれ
た1種である。)
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示
し、本発明についてより詳細に説明する。
【0020】本発明のパターン形成方法においては、ま
ず、シリコン基板上の被加工膜、例えばポリシリコン
膜、酸化シリコン膜、金属配線膜等の上に、反射防止膜
として、シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する有機
シリコン化合物を含有する有機シリコン膜を形成する。
有機シリコン膜の形成方法として、ここでは塗布法によ
る方法について詳述する。
【0021】まず、シリコンとシリコンの結合を主鎖に
有する有機シリコン化合物を有機溶剤に溶解して溶液材
料を作成する。シリコンとシリコンの結合を主鎖に有す
る有機シリコン化合物としては、例えば一般式(SiR
1112)で表わすことができるポリシランが挙げられる
(ここで、R11およびR12は、水素原子または炭素数1
〜20の置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素または芳
香族炭価水素などを示す)。
【0022】ポリシランは単独重合体でも共重合体でも
よく、2種以上のポリシランが酸素原子、窒素原子、脂
肪族基、芳香族基を介して互いに結合した構造を有する
ものでもよい。有機シリコン化合物の具体例を下記式
[3−1]〜[3−114]に示す。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】なお、上記式中、m、nは正の整数を表わ
す。
【0039】これらの化合物の重量平均分子量は、特に
限定されることはないが、200〜100,000が好
ましい。その理由は、分子量が200未満では、レジス
トの溶剤に有機シリコン膜が溶解してしまい、一方、1
00,000を超えると、有機溶剤に溶解しにくく、溶
剤材料を作成しにくくなるためである。有機シリコン化
合物は、一種類に限ることはなく、数種類の化合物を混
合してもよい。
【0040】また、必要に応じて貯蔵安定性をはかるた
めの熱重合防止剤、シリコン系絶縁膜への密着性を向上
させるための密着性向上剤、シリコン系絶縁膜からレジ
スト膜中へ反射する光を防ぐために紫外光を吸収する染
料、ポリサルフォン、ポリベンズイミダゾールなどの紫
外光を吸収するポリマー、導電性物質、光、熱で導電性
が生じる物質、或は有機シリコン化合物を架橋させ得る
架橋剤を添加してもよい。
【0041】導電性物質としては、例えば、有機スルフ
ォン酸、有機カルボン酸、多価アルコール、多価チオー
ル(例えばヨウ素、臭素)、SbF5 、PF5 、B
5 、SnF5 などが挙げられる。光、熱などのエネル
ギーで導電性が生じる物質としては、炭素クラスタ(C
60、C70)、シアノアントラセン、ジシアノアントラセ
ン、トリフェニルビリウム、テトラフルオロボレート、
テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、フ
タルイミドトリフレート、パークロロペンタシクロドデ
カン、ジシアノベンゼン、ベンゾニトリル、トリクロロ
メチルトリアジン、ベンゾイルペルオキシド、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、t−ブチルペルオキシドなど
が挙げられる。
【0042】より具体的には、下記式[4−1]〜[4
−106]に記載の化合物を挙げることができる。
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】
【化28】
【0052】
【化29】
【0053】架橋剤としては、例えば多重結合を有する
有機ケイ素化合物や、アクリル系の不飽和化合物が挙げ
られる。溶剤としては、極性の有機溶剤でも、無極性の
有機溶剤でもよく、具体的には、乳酸エチル(EL)、
エチル−3−エトキシプロピオネート(EEP)、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PG
MEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(PGME)等や、シクロヘキサノン、2−ヘプタノ
ン、3−ヘプタノン、アセチルアセトン、シクロペンタ
ノンなどのケトン類、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、エチルセロソルブアセテート、メ
チルセロソルブアセテート、メチル−3−メトキシプロ
ピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、メ
チル−3−エトキシプロピオネート、ピルビン酸メチ
ル、ピルビン酸エチルなどのエステル類、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメ
チルエーテルなどのエーテル類、乳酸メチル、グリコー
ル酸エチルなどのグリコール酸エステル誘導体などが挙
げられるが、それらに限定されるものではない。
【0054】以上の方法で塗布材料を作成し、シリコン
系絶縁膜上に、例えばスピンコーテング法などで溶液材
料を塗布した後、加熱して溶剤を気化することにより、
有機シリコン膜を形成する。この段階でレジストに対す
る十分な選択比が得られるガラス転移温度が得られれば
よいが、得られない場合、さらに塗膜に対して加熱、或
いはエネルギービームを照射して塗膜を架橋させる。エ
ネルギービームとしては、例えば紫外光、X線、電子
線、イオン線などを挙げることができる。特に、加熱と
エネルギービームの照射を同時に行うことで架橋反応の
進行を早め、実用的なプロセス処理時間でガラス転移温
度を著しく向上させることができる。
【0055】なお、加熱、或いはエネルギービームの照
射でシリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シ
リコン化合物中の主鎖のシリコンとシリコンとの結合が
開烈し、酸素と結合し、酸化しやすくなって、レジスト
とシリコン有機膜とのエッチング選択比が低下する場合
が生じる。このような場合、加熱およびエネルギービー
ムの照射は空気中より酸素濃度が低い雰囲気下で行うこ
とが好ましい。
【0056】次に、前記有機シリコン膜の表面を改質す
ることで、有機シリコン膜と、有機シリコン膜上に塗布
するレジストとがミキシングを起こさないようにする。
表面を改質する手段としては、(A)ガスプラズマとの
接触、(B)溶液への浸漬、(C)高エネルギービーム
の照射、(D)基板側ではなく表面から加熱することに
よる熱処理、のいずれかの方法を用いることができる。
また、前記4種類の処理のうち複数を、同時、あるいは
順次行うことも可能である。
【0057】まず、(A)のガスプラズマ処理を行う場
合、プラズマのソースガスとしては、水素、酸素、水、
オゾン、CF4 やC2 6 等のフロロカーボン、SF6
等の弗化イオウ、フッ素、塩素、臭素、エチレンやアセ
チレン等の脂肪族不飽和酸化水素、のうちいずれか一
つ、または複数個の混合ガスを用いることができる。
(B)の溶液としては、硫酸と過酸化水素の混合溶液、
弗化水素酸溶液、弗化アンモニウム水溶液、アルカリ溶
液等が挙げられる。(C)の高エネルギービームとして
は、波長350nm以下の光、X線、電子線、中性子
線、イオンビームのいずれかを用いることができる。
(D)の熱処理としては、空気中、酸素雰囲気中、窒素
雰囲気中、真空中での熱処理のいずれかを用いることが
できる。
【0058】以上のようにして有機シリコン膜の表面を
改質した後に、有機シリコン膜上にレジスト溶液を塗布
し、ベークして、レジスト膜を形成する。この時のレジ
ストとしては、例えば、ノボラック樹脂とナフトキノン
アジド化合物を含有するレジストや、アルカリ可溶性樹
脂、酸によってアルカリ可溶性が増大する化合物、およ
び露光により酸を発生する化合物からなるレジスト、架
橋剤とアルカリ可溶性樹脂からなるレジスト、などを挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0059】また、レジスト中には、必要に応じて、溶
解抑止剤や、界面活性剤、保存安定剤等が含まれるいて
もよい。このレジストに含まれる、通常用いられる溶剤
として、乳酸エチル(EL)、エチル−3−エトキシプ
ロピオネート(EEP)、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレング
リコールモノメチルエーテル(PGME)などが挙げら
れ、その他にもシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3
−ヘプタノン、アセチルアセトン、シクロペンタノンな
どのケトン類、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルセ
ロソルブアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネ
ート、エチル−3−メトキシプロピオネート、メチル−
3−エトキシプロピオネート、ピルビン酸メチル、ピル
ビン酸エチルなどのエステル類、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエー
テルなどのエーテル類、乳酸メチル、グリコール類エチ
ルなどのグリコーメ酸エステル誘導体などが挙げられる
が、それらに限定されるものではない。
【0060】有機シリコン膜の表面は改質されているの
で、レジストと有機シリコン膜はミキシングを起こすこ
とがなく、その結果、レジスト膜を所望の厚さに形成す
ることができる。
【0061】次に、以上のように形成したレジスト膜
に、露光および現像を行うことによりレジストパターン
を形成する。この場合の露光光源としては、KrFエキ
シマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー
(193nm)、水銀ランプのi線(365nm)、電
子線、X線などの高エネルギー線を用いることができる
が、それらに限定されるものではない。レジスト膜に露
光およびベーキングを施した後、有機アルカリ等の現像
液を用いてレジスト膜を現像し、レジストパターンを作
成する。
【0062】この時、レジストと有機シリコン膜の表面
改質層はミキシングを起こしていないので、レジストパ
ターンが所望の寸法で形成される。また、改質されてい
るのは有機シリコン膜の表面のみなので、膜全体の吸光
度は減少しておらず、有機シリコン膜の反射防止膜とし
ての性能は保たれている。従って、レジスト膜厚が変化
したときの、レジストパターンの寸法の変化は小さく抑
えられている。
【0063】
【実施例】以下に、本発明の種々の実施例と比較例を示
し、本発明について、より具体的に説明する。
【0064】実施例1 図1は、本発明の第1の実施例に係るパターン形成方法
を工程順に示す断面図である。まず、図1(a)に示す
ように、シリコン基板11上に形成された被加工膜、こ
こでは、厚さ500nmのSiO2 膜12上に、有機シ
リコン膜13を形成した。有機シリコン膜としては、次
の2種類を用いた。
【0065】(A1)式[3−84]に記載の重量平均
分子量12,000の有機シリコン化合物(m/n=4
/1)10gをトルエン90gに溶解して作成した溶液
材料をスピンコーテング法により塗布し、次いで、ホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を
気化乾燥させることにより作成した、膜厚0.15μm
の有機シリコン膜。
【0066】(A2)式[3−84]に記載の重量平均
分子量12,000の有機シリコン化合物(m/n=4
/1)10gとフラーレン0.1gをトルエン90gに
溶解して作成した溶液材料をスピンコーテング法により
塗布し、次いで、ホットプレートを用いて160℃で9
0秒間加熱して溶剤を気化乾燥させることにより作成し
た、膜厚0.15μmの有機シリコン膜。
【0067】次に、上述の有機シリコン膜13の表面を
ガスプラズマにより処理し、図1(b)に示すように、
有機シリコン膜に表面改質層14を形成した。処理装
置、条件を下記表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】上記表1において、装置a,b,c,dは
以下の通りである。
【0070】a:ダウンフロープラズマアッシング装置 b:マグネトロン型リアクティブイオンエッチング(R
IE)装置 c:インダクションカップリングプラズマ(ICP)エ
ッチング装置 d:エレクトロンサイクロトロンレゾナンス(ECR)
プラズマエッチング装置 次に、以上のように改質された表面改質層14上に、以
下の3種の評価を行った。
【0071】(1)表面改質層14の一部に、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGME
A)を含浸させ、1分後に表面を水洗し、乾燥窒素をブ
ローして表面を乾燥させた。そして、PGMEAと表面
改質層14がミキシングを起こすことで、表面改質層1
4のうちPGMEAを含浸させた部分が変色していない
かどうかを調べた。その結果を下記表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】上記表2において、○印は表面改質層14
のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこと
を示す。
【0074】上記表2から、ガスプラズマ処理を施した
有機シリコン膜は、PGMEAを含浸させた部分が変色
しておらず、表面改質層14とPGMEAとはミキシン
グを起こしていないことが分かる。PGMEAの代わり
にメチル−3−メトキシプロピオネート(MMP)を用
いて同様の実験を行ったところ、結果は上記表2と同様
であり、表面改質層14とMMPとはミキシングを起こ
していないことが分かった。
【0075】(2)表面改質層14上に、溶媒がプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGM
EA)であるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)
をスピンキャスト法で塗布し、110℃で60秒ベーク
して、厚さ0.81μmのレジスト膜15を形成した
(図1(c))。その後、所定のフォトマクスを通し
て、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を50
mJ/cm2 照射し、110℃で60秒ベーキングした
後、25℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド(TMAH)水溶液で30秒現像した。その
後、断面SEMにて、0.25μmラインアンドスペー
スのレジストパターンが形成されているかどうかを調べ
た。その結果を下記表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】上記表3において、○印は、レジストパタ
ーンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていることを
示す。
【0078】上記表3から、有機シリコン膜にガスプラ
ズマ処理を施すことにより、図1(d)に示すように、
レジストパターン16が所定の寸法で、裾引き無く形成
されていることがわかる。溶媒がPGMEAであるレジ
ストの代わりに、溶媒がMMPであるポジ型フォトレジ
スト(日本合成ゴム製)を用いて同様の実験を行ったと
ころ、結果は下記表3と同様になり、図1(d)に示す
ように0.25μmラインアンドスペースのレジストパ
ターンが所定の寸法で、裾引き無く形成された。
【0079】(3)表面改質層14上に、溶媒がPGM
EAであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を
用いて、上記(2)と同様の方法で、膜厚を0.75μ
mから0.90μmまで変化させたレジスト膜15を形
成した(図1(c))。その後、所定のフォトマスクを
通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を
50mJ/cm2 照射し、110℃で60秒ベーキング
した後、25℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)水溶液に30秒浸漬し、ラ
インアンドスペースパターンを形成した(図1
(d))。
【0080】その後、断面SEMにて、所望寸法0.2
5μmラインアンドスペースのレジストパターンについ
て、ライン幅とレジスト膜厚の関係を調べた。結果は、
有機シリコン膜を(A1)あるいは(A2)、プラズマ
処理条件を(B1)〜(B12)と変えたもの全てにつ
いて、図5に示す結果が得られた。図5に示す結果か
ら、レジスト膜厚が変化したときのライン幅の変化は最
大0.02μm以内に保たれており、有機シリコン膜が
レジストの反射防止膜としての性能を保っていることが
分かる。
【0081】比較例1 図2は、比較例に係るパターン形成方法を工程順に示す
断面図である。まず、図2(a)に示すように、シリコ
ン基板21上に形成された被加工膜、すなわち厚さ50
0nmのSiO2 膜22上に、有機シリコン膜23を形
成した。有機シリコン膜としては、実施例1の(A1)
と(A2)とを用いた。
【0082】次に、前記有機シリコン膜23上で、以下
の2つの評価を行った。
【0083】(1)有機シリコン膜23の一部に、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PG
MEA)を含浸させ、1分後に表面を水洗し、乾燥窒素
をブローして表面を乾燥させた。そして、PGMEAと
有機シリコン膜23がミキシングを起こすことで、有機
シリコン膜のうちPGMEAを含浸させた部分が変色し
ていないかどうかを調べた。
【0084】その結果、有機シリコン膜が(A1)、
(A2)どちらの場合でも、有機シリコン膜のうちPG
MEAを含浸させた部分が変色しており、有機シリコン
膜とPGMEAとがミキシングを起こしていることが分
かった。PGMEAの代わりにメチル−3−メトキシプ
ロピオネート(MMP)を用いて同様の実験を行ったと
ころ、結果は同様に、有機シリコン膜のうちMMPを含
浸させた部分が変色しており、有機シリコン膜とMMP
とがミキシングを起こしていることが分かった。
【0085】(2)有機シリコン膜上23に、溶媒がP
GMEAであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム
製)をスピンキャスト法で塗布し、110℃で60秒ベ
ーキングして、厚さ0.81μmのレジスト膜24を形
成した(図2(b))。その後、所定のフォトマスクを
通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を
50mJ/cm2 照射し、110℃で60秒ベーキング
した後、25℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒現像した。
【0086】その後、断面SEMにて、0.25μmラ
インアンドスペースのレジストパターンが形成されてい
るかどうかを調べた。その結果、有機シリコン膜が(A
1)、(A2)どちらの場合でも、レジストパターンは
所望の寸法に形成されておらず、図2(c)の参照符号
25で示すように、レジストパターンは裾を引いた形状
になっていた。溶媒がPGMEAであるレジストの代わ
りに、溶媒がMMPであるポジ型フォトレジスト(日本
合成ゴム製)を用いて同様の実験を行ったところ、結果
は同様に、有機シリコン膜が(A1)、(A2)どちら
の場合でも、レジストパターンが所望の寸法に形成され
ておらず、図2(c)の参照符号25に示すように、レ
ジストパターンは裾を引いた形状になっていた。
【0087】実施例2 図3は、本発明の第2の実施例に係るパターン形成方法
を工程順に示す断面図である。まず、図3(a)に示す
ように、シリコン基板31上に形成された被加工膜、こ
こでは、厚さ500nmのSiO2 膜32上に、有機シ
リコン膜33を形成した。有機シリコン膜としては、実
施例2の(A1)と(A2)とを用いた。
【0088】次に、図3(b)に示すように、有機シリ
コン膜の上方にヒーター35を設置し、有機シリコン膜
33の表面を空気、窒素などの雰囲気中で加熱すること
で、前記有機シリコン膜33の表面に表面改質層34を
形成した(図1(b))。その処理条件を下記表4に示
す。
【0089】
【表4】
【0090】次に、以上のように改質された表面改質層
34上に、以下の3つの評価を行った。
【0091】(1)表面改質層34の一部に、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGME
A)を含浸させ、1分後に表面を水洗し、乾燥窒素をブ
ローして表面を乾燥させた。そして、PGMEAと表面
改質層14がミキシングを起こすことで、表面改質層3
4のうちPGMEAを含浸させた部分が変色していない
かどうかを調べた。その結果を下記表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】上記表2において、○印は表面改質層14
のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこと
を示す。
【0094】上記表2から、有機シリコン膜に熱処理を
施したものについては、PGMEAを含浸させた部分が
変色しておらず、表面改質層34とPGMEAとはミキ
シングを起こしていないことが分かる。PGMEAの代
わりにMMPを用いて同様の実験を行ったところ、結果
は上記表5と同様になり、表面改質層34とMMPとは
ミキシングを起こしていないことが分かった。
【0095】(2)表面改質層34上に、溶媒がPGM
EAであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を
スピンキャスト法で塗布し、110℃で60秒ベークし
て、厚さ0.81μmのレジスト膜36を形成した(図
3(c))。その後、所定のフォトマスクを通して、K
rFエキシマレーザー(波長248nm)を50mJ/
cm2 照射し、110℃で60秒ベーキングした後、2
5℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド(TMAH)水溶液で30秒現像した。
【0096】その後、断面SEMにて、0.25μmラ
インアンドスペースのレジストパターンが形成されてい
るかどうかを調べた。その結果を下記表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】上記表6において、○印は、レジストパタ
ーンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていることを
示す。
【0099】上記表6から、有機シリコン膜に熱処理を
施すことにより、図3(d)に示すように、レジストパ
ターン37が所定の寸法で、裾引き無く形成されている
ことがわかる。溶媒がPGMEAであるレジストの代わ
りに、溶媒がMMPであるポジ型フォトレジスト(日本
合成ゴム製)を用いて同様の実験を行ったところ、結果
は上記表6と同様になり、図3(d)に示すように、
0.25μmラインアンドスペースのレジストパターン
が所定の寸法で、裾引き無く形成された。
【0100】(3)表面改質層34上に、溶媒がPGM
EAであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を
用いて、上記(2)と同様の方法で、膜厚を0.75μ
mから0.90μmまで変化させたレジスト膜36を形
成した(図3(c))。その後、所定のフォトマスクを
通して、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を
50mJ/cm2 照射し、110℃で60秒ベーキング
した後、25℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)水溶液に30秒浸漬し、ラ
インアンドスペースパターンを形成した(図3
(d))。
【0101】その後、断面SEMにて、所望寸法0.2
5μmラインアンドスペースのレジストパターンについ
て、ライン幅とレジスト膜厚の関係を調べた。結果は、
有機シリコン膜を(A1)あるいは(A2)、熱処理条
件を(C1)〜(C6)と変えたもの全てについて、実
施例1における図5に示す結果と同様になった。レジス
ト膜厚が変化したときのライン幅の変化は、最大0.0
2μm以内に保たれており、有機シリコン膜がレジスト
の反射防止膜としての性能を保っていることが分かる。
【0102】比較例2 図4は、他の比較例に係るパターン形成方法を工程順に
示す断面図である。まず、図4(a)に示すように、シ
リコン基板41上の被加工膜、ここでは、厚さ500n
mのSiO2 膜42上に、有機シリコン膜43を形成し
た。有機シリコン膜としては、実施例2の(A1)と
(A2)とを用いた。
【0103】次に、図4(b)に示すように、基板の下
側にヒーター45を設置し、有機シリコン膜全体を空
気、窒素などの雰囲気中で加熱することで、前記有機シ
リコン膜全体を改質して改質層44を形成した(図4
(b))。処理条件は実施例2の表4に示す条件を用い
た。
【0104】次に、以上のように形成された改質層44
に対し、以下の3つの評価を行った。
【0105】(1)改質層44の一部に、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
を含浸させ、1分後に表面を水洗し、乾燥窒素をブロー
して表面を乾燥させた。そして、PGMEAと改質層4
4がミキシングを起こすことで、改質層44のうちPG
MEAに含浸した部分が変色していないかどうかを調べ
た。その結果を下記表7に示す。
【0106】
【表7】
【0107】上記表2において、○印は表面改質層14
のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこと
を示す。
【0108】上記表7から、熱処理を行ったものについ
ては、PGMEAを含浸した部分が変色しておらず、改
質層44とPGMEAとはミキシングを起こしていない
ことが分かる。PGMEAの代わりにMMPを用いて同
様の実験を行ったところ、結果は表7と同様になり、改
質層44とMMPとはミキシングを起こしていないこと
が分かった。
【0109】(2)改質層44上に、溶媒がPGMEA
であるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)をスピ
ンキャスト法で塗布し、110℃で60秒ベークして、
厚さ0.79μmのレジスト膜46を形成した(図4
(c))。その後、所定のフォトマスクを通して、Kr
Fエキシマレーザー(波長248nm)を50mJ/c
2 照射し、110℃で60秒のベーク後、25℃で
0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(TMAH)水溶液で30秒現像した。その後断面SE
Mにて、0.25μmラインアンドスペースのレジスト
パターンが形成されているかどうかを調べた。結果を下
記表8に示す。
【0110】
【表8】
【0111】上記表8において、○印は、レジストパタ
ーンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていることを
示す。
【0112】上記表8から、有機シリコン膜に熱処理を
施すことにより、図4(d)に示すようにレジストパタ
ーン47が所定の寸法で、裾引き無く形成されているこ
とがわかる。溶媒がPGMEAであるレジストの代わり
に、溶媒がMMPであるポジ型フォトレジスト(日本合
成ゴム製)を用いて同様の実験を行ったところ、結果は
表8と同様になり、図4(d)に示すように、0.25
μmラインアンドスペースのレジストパターンが所定の
寸法で、裾引き無く形成された。
【0113】(3)改質層44上に、溶媒がPGMEA
であるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を用い
て、上記(2)と同様の方法で、膜厚を0.75μmか
ら0.90μmまで変化させたレジスト膜46を形成し
た(図4(c))。その後、所定のフォトマスクを通し
て、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を50
mJ/cm2 照射し、110℃で60秒ベーキングした
後、25℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド(TMAH)水溶液に30秒浸漬し、ライン
アンドスペースパターンを形成した(図4(d))。
【0114】その後、断面SEMにて、所望寸法0.2
5μmラインアンドスペースのレジストパターンについ
て、ライン幅とレジスト膜厚の関係を調べた。結果は、
有機シリコン膜を(A1)あるいは(A2)、熱処理条
件を(C1)〜(C6)と変えたもの全てについて、図
6に示すようになった。
【0115】図6から、レジスト膜厚が変化したときの
ライン幅の変化は最大0.1μm近くに達しており、有
機シリコン膜の改質層44が、レジストの反射防止膜と
しては機能していないことが分かる。
【0116】実施例3 本発明の第3の実施例に係るパターン形成方法につい
て、図1を参照して説明する。まず、図1(a)に示す
ように、シリコン基板11上の被加工膜、ここでは厚さ
500nmのSiO2 膜12上に、有機シリコン膜13
を形成した。有機シリコン膜としては、実施例1の(A
1)と(A2)とを用いた。
【0117】次に、前記有機シリコン膜13に、以下の
(1)から(5)までのいずれかの処理を行い、表面改
質層14を形成した(図1(b))。
【0118】(1)基板を加熱しながら、低圧水銀ラン
プあるいはArFレーザー光(193nm)を有機シリ
コン膜13の表面全体に照射する(処理条件を下記表9
に示す)。
【0119】
【表9】
【0120】(2)オゾンアッシャーを用いて、有機シ
リコン膜13の表面をオゾン処理する(処理条件を下記
表10に示す)。
【0121】
【表10】
【0122】(3)硫酸と過酸化水素水の混合溶液、弗
化水素酸の水溶液、または弗化アンモニウムの水溶液に
含浸する(処理条件を下記表11に示す)。
【0123】
【表11】
【0124】(4)CO2 ガスをソースとするイオン注
入装置を用いて、有機シリコン膜13に酸素を注入する
(処理条件を下記表12に示す)。
【0125】
【表12】
【0126】(5)基板を加熱しながら、低圧水銀ラン
プあるいはArFレーザー光(193nm)を有機シリ
コン膜13の表面全体に照射する。次いで、アッシング
装置を用いてガスプラズマ処理を行う(処理条件を下記
表13に示す)。
【0127】
【表13】
【0128】次に、上述のように改質された表面改質層
14上に、以下の3つの評価を行った。
【0129】1.表面改質層14の一部に、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート(PGME
A)を含浸させ、1分後に表面を水洗し、乾燥窒素をブ
ローして表面を乾燥させた。そして、PGMEAと表面
改質層14がミキシングを起こすことで、表面改質層1
4のうちPGMEAを含浸した部分が変色していないか
どうかを調べた。その結果を下記表14、表15、表1
6に示す。
【0130】
【表14】
【0131】上記表14において、○印は表面改質層1
4のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこ
とを示す。
【0132】
【表15】
【0133】上記表15において、○印は表面改質層1
4のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこ
とを示す。
【0134】
【表16】
【0135】上記表16において、○印は表面改質層1
4のうちPGMEAが含浸した部分が変色していないこ
とを示す。
【0136】上記表14、表15、表16から、上述の
ように表面処理を行ったものについては、PGMEAを
含浸した部分が変色しておらず、表面改質層14とPG
MEAとはミキシングを起こしていないことが分かる。
PGMEAの代わりにMMPを用いて同様の実験を行っ
たところ、結果は表14、表15、表16と同様にな
り、表面改質層14とMMPとはミキシングを起こして
いないことが分かった。
【0137】2.表面改質層14上に、溶媒がPGME
Aであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)をス
ピンキャスト法で塗布し、110℃で60秒ベークし
て、厚さ0.81μmのレジスト膜15を形成した(図
1(c))。その後、所定のフォトマスクを通して、K
rFエキシマレーザー(波長248nm)を50mJ/
cm2 照射し、110℃で60秒ベーキングした後、2
5℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド(TMAH)水溶液で30秒現像した。その後、断
面SEMにて、0.25μmラインアンドスペースのレ
ジストパターンが形成されているかどうかを調べた。そ
の結果を下記表17、表18、表19に示す。
【0138】
【表17】
【0139】上記表17において、○印は、レジストパ
ターンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていること
を示す。
【0140】
【表18】
【0141】上記表18において、○印は、レジストパ
ターンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていること
を示す。
【0142】
【表19】
【0143】上記表19において、○印は、レジストパ
ターンが所定の寸法で、裾引き無く形成されていること
を示す。
【0144】上記表17、表18、表19から、有機シ
リコン膜に表面処理を施すことにおより、図1(d)に
示すように、レジストパターン16が所定の寸法で、裾
引き無く形成されていることがわかる。溶媒がPGME
Aであるレジストの代わりに、溶媒がMMPであるポジ
型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を用いて同様の実
験を行ったところ、結果は表17、表18、表19と同
様になり、図1(d)に示すように、0.25μmライ
ンアンドスペースのレジストパターンが所定の寸法で、
裾引き無く形成された。
【0145】3.表面改質層14上に、溶媒がPGME
Aであるポジ型フォトレジスト(日本合成ゴム製)を用
いて、上記2と同様の方法で、膜厚を0.75μmから
0.90μmまで変化させたレジスト膜15を形成した
(図1(c))。その後、所定のフォトマスクを通し
て、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を50
mJ/cm2 照射し、110℃で60秒のベーク後、2
5℃で0.21Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド(TMAH)水溶液に30秒浸漬し、ラインアンド
スペースパターンを形成した(図1(d))。
【0146】その後、断面SEMにて、所望寸法0.2
5μmラインアンドスペースのレジストパターンについ
て、ライン幅とレジスト膜厚の関係を調べた。その結果
は、有機シリコン膜を(A1)あるいは(A2)、表面
処理条件を(D1)−(D30)と変えたもの全てにつ
いて、実施例1における図5に示すようになった。レジ
スト膜厚が変化したときのライン幅の変化は最大0.0
2μm以内に保たれており、有機シリコン膜がレジスト
の反射防止膜としての性能を保っていることが分かる。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパターン
形成方法によれば、被加工膜上に形成された有機シリコ
ン膜の表面を改質しているので、有機シリコン膜とレジ
ストとのミキシングを防止することが出来、それによっ
て、所望の寸法のレジストパターンを、裾引きなく形成
することが可能である。
【0148】特に、有機シリコン膜を反射防止膜として
使用する場合、有機シリコン膜の表面のみを改質してい
るため、有機シリコン膜の吸光度は低下せず、反射防止
性能が失われることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るパターン形成方法を工程順に示
す断面図。
【図2】比較例1に係るパターン形成方法を工程順に示
す断面図。
【図3】実施例2に係るパターン形成方法を工程順に示
す断面図。
【図4】比較例2に係るパターン形成方法を工程順に示
す断面図。
【図5】実施例1におけるレジスト膜厚とレジストパタ
ーンのライン幅との関係を示す特性図。
【図6】比較例2におけるレジスト膜厚とレジストパタ
ーンのライン幅との関係を示す特性図。
【符号の説明】
11,21,31,41…シリコン基板 12,22,32,42…SiO2 膜 13,23,33,43…有機シリコン膜 14,34…表面改質層 15,24,36,46…レジスト膜 16,25,37,47…レジストパターン 35,45…ヒーター 44…改質層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された被加工膜上に、シリ
    コンとシリコンの結合を主鎖に有する有機シリコン化合
    物のポリマーを含有する有機シリコン膜を形成する工程
    と、 前記有機シリコン膜の表面を改質する工程と、 前記改質された有機シリコン膜の表面にフォトレジスト
    膜を形成する工程と、 前記フォトレジスト膜を露光および現像してレジストパ
    ターンを形成する工程とを具備することを特徴とするパ
    ターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記有機シリコン膜の表面を改質する工
    程が、(a)前記有機シリコン膜の表面をガスプラズマ
    と接触させること、(b)前記有機シリコン膜を溶液に
    浸漬すること、(c)前記有機シリコン膜の表面に高エ
    ネルギービームを照射すること、および(d)前記有機
    シリコン膜を表面から熱処理することからなる群から選
    ばれた処理のいずれか一つを行う、前記処理の2つ以上
    を同時に行なう、又は前記処理の2つ以上を順次行なう
    ことであることを特徴とする請求項1に記載のパターン
    形成方法。
  3. 【請求項3】 前記有機シリコン膜の表面を改質する工
    程が、前記有機シリコン膜の表面をガスプラズマと接触
    させることを含む処理により行われ、前記ガスプラズマ
    のソースガスが、水素、酸素、水、オゾン、フルオロカ
    ーボン、弗化イオウ、弗素、塩素、臭素、および脂肪族
    不飽和炭化水素からなる群から選ばれた1種、または複
    数種の混合ガスであることを特徴とする請求項2に記載
    のパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 前記有機シリコン膜の表面を改質する工
    程が、前記有機シリコン膜を溶液に浸漬することを含む
    処理により行われ、前記溶液が、硫酸、過酸化水素水、
    弗化水素酸、弗化アンモニウム水溶液、およびアルカリ
    溶液からなる群から選ばれた1種、または複数種の混合
    溶液であることを特徴とする請求項2または3に記載の
    パターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記有機シリコン膜の表面を改質する工
    程が、前記有機シリコン膜の表面に高エネルギービーム
    を照射することを含む処理により行われ、前記高エネル
    ギービームが、波長350nm以下の紫外光、X線、電
    子線、中性子線、およびイオンビームからなる群から選
    ばれた1種であることを特徴とする請求項2ないし4の
    いずれかの項に記載のパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記有機シリコン膜の表面を改質する工
    程が、前記有機シリコン膜を表面から熱処理することを
    含む処理により行われ、前記熱処理は、空気中、酸素雰
    囲気中、窒素雰囲気中、および真空中からなる群から選
    ばれた雰囲気中で行われることを特徴とする請求項2な
    いし5のいずれかの項に記載のパターン形成方法。
  7. 【請求項7】 前記有機シリコン化合物のポリマーが、
    下記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位
    を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    の項に記載のパターン形成方法。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ置換もしくは非置
    換の芳香族基、アルキル基、水素基、アルケン基、アル
    キン基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル
    基、エステル基、チオカルボニル基、アミド基、アゾメ
    チン基、ニトリル基、アゾ基、ニトロソ基、硝酸基、ニ
    トロ基、亜硝酸基、およびスルホン基からなる群から選
    ばれた1種である。) 【化2】 (式中、R1 は、置換もしくは非置換の芳香族基、アル
    キル基、水素基、アルケン基、アルキン基、カルボニル
    基、アルデヒド基、カルボキシル基、エステル基、チオ
    カルボニル基、アミド基、アゾメチン基、ニトリル基、
    アゾ基、ニトロソ基、硝酸基、ニトロ基、亜硝酸基、お
    よびスルホン基からなる群から選ばれた1種である。)
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JP (1) JPH11174684A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6255225B1 (en) * 1999-02-09 2001-07-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Method of forming a resist pattern, a method of manufacturing semiconductor device by the same method, and a device and a hot plate for forming a resist pattern
JP2007515056A (ja) * 2003-11-06 2007-06-07 東京エレクトロン株式会社 堆積された誘電体膜上の現像後のフォトレジスト形状を改善する方法。
JP2007156018A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Shin Etsu Chem Co Ltd 基板及びその製造方法、並びにそれを用いたパターン形成方法
JP2008018580A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 印刷版の製造方法および印刷版

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