JPH1115574A - 階層型コンピュータシステム - Google Patents

階層型コンピュータシステム

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JPH1115574A
JPH1115574A JP16574197A JP16574197A JPH1115574A JP H1115574 A JPH1115574 A JP H1115574A JP 16574197 A JP16574197 A JP 16574197A JP 16574197 A JP16574197 A JP 16574197A JP H1115574 A JPH1115574 A JP H1115574A
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computer
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input
keyboard
hierarchical
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JP16574197A
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Koji Ichigaya
弘司 市ヶ谷
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SEFUTO KENKYUSHO KK
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SEFUTO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来の処理を行うコンピュータに対して新た
な構成で別のコンピュータを接続し、これにより、本来
の処理を行うコンピュータだけでは、あるいは既存のネ
ットワークシステムでは不可能だった種々の処理を行う
ことがきる階層型コンピュータシステムを提供する。 【解決手段】 PC1とPC2を含む。キーボード(K
BD)10は、ケーブル11を介して、PC2の入力端
子21に接続され、PC2の出力端子22とPC1の入
力端子23は、ケーブル12を介して接続されている。
PC1の入力端子23は、本来はキーボードを接続する
端子であるが、PC2の出力端子22からのケーブルが
接続されている。このように、PC1とPC2は階層型
に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本来の情報処理を
行うコンピュータと、このコンピュータとは別のコンピ
ュータを階層型に接続し、前記本来の情報処理を行うコ
ンピュータを操作するために入力された入力情報に基づ
いて当該別のコンピュータが種々の情報処理を行う階層
型コンピュータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパーソナルコンピュータは、キー
ボード等の情報入力手段を直接、専用の入力端子に接続
し、このキーボード等を介してオペレータがパーソナル
コンピュータに情報を入力して、当該パーソナルコンピ
ュータ上で動作するソフトウェアを操作している。パー
ソナルコンピュータは、このように基本的には個々のパ
ーソナルコンピュータだけで必要な処理を行うことがで
きる。
【0003】一方、このようなパーソナルコンピュータ
をネットワークに接続し、同じネットワークに接続され
た他のパーソナルコンピュータやワークステーションな
どとの間で情報のやり取りを行うことができるようにし
たネットワークシステムが存在する。このようなネット
ワークシステムを構築すると、自分のパーソナルコンピ
ュータ上のデータだけでなく、他のパーソナルコンピュ
ータやワークステーション上にあるデータを読み出した
り、他のパーソナルコンピュータやワークステーション
に対して、自分のパーソナルコンピュータ上にあるデー
タを送出することなどが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1台の
パーソナルコンピュータを単独で使っている場合には、
それによって果たすことのできる機能には、限界があ
る。たとえば、そのパーソナルコンピュータのデータな
どのバックアップを取るなどして不慮の事故に備えてお
いたとてしも、ハードディスク装置の故障等が起こった
場合、その直前までのデータを完全に復旧させるのは困
難である。また、ネットワークに接続したパーソナルコ
ンピュータの場合、他のパーソナルコンピュータ等から
データを貰ったり、他のパーソナルコンピュータ等にデ
ータを送ることはできるが、例えば他のパーソナルコン
ピュータ等に不具合が生じた場合にその不具合の詳しい
内容などを自分のパーソナルコンピュータ上から調べた
り、あるいは、破壊された他のパーソナルコンピュータ
等のデータを復旧させる作業などを簡単に行うことはで
きない。
【0005】また、今後、コンピュータをより一層一般
に普及させるためには、音声による命令や曖昧命令を処
理する機能が必要となってくる。しかし、曖昧命令処理
のような、いわば人間的な機能は、正確で高速だか単純
な処理しか実行できない一般のCPUやOSでは処理す
るのは適しない。また、その様なソフトウェアを作るこ
とができたとしても、本来行うべき処理と、このような
曖昧命令処理とを、時分割処理することが必要となるた
め、ソフトウェアは複雑になり、処理速度も大幅に低下
してしまう。
【0006】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、本来の処理を行うコンピュータに対して新た
な構成で別のコンピュータを接続し、これにより、本来
の処理を行うコンピュータだけでは、あるいは既存のネ
ットワークシステムでは不可能だった種々の処理を行う
ことがきる階層型コンピュータシステムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、操作者が操作して情報を入力する情報入
力手段と、前記情報入力手段から入力される情報に基づ
いて第1の情報処理を行う第1のコンピュータと、前記
情報入力手段から入力される入力情報を受け、第2の情
報処理を行い、その結果得られた情報を、下位のコンピ
ュータである第1のコンピュータに供給する第2のコン
ピュータと、前記第1のコンピュータと前記第2のコン
ピュータの間で情報の授受を行う情報伝送手段と、を具
備することを特徴とする。
【0008】前記第2のコンピュータは、例えば、複数
のコンピュータが階層型に接続されてなり、前記第2の
コンピュータに属する各コンピュータは受けた情報に基
づいて所定の処理を行ったあと、その結果を下位のコン
ピュータに送出するものである。また、前記第2のコン
ピュータが行う前記第2の情報処理には、前記第1のコ
ンピュータを動作させる命令として、曖昧な命令が入力
されたときでも、第1のコンピュータを動作させること
ができる曖昧命令処理、例えば、音声情報処理、画像情
報処理を含むものとすることができる。
【0009】更に、前記第1及び第2のコンピュータ
は、例えば全体をを一つの筐体に収めることとする。
尚、本発明において、第1のコンピュータが行う第1の
情報処理は、情報入力手段から入力される情報に基づい
て行われるが、これは情報入力手段から入力された情報
そのもののに基づいて行われる場合だけでなく、第2の
コンピュータが第2の情報処理を行って得られる情報に
基づいて行われる場合も含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発
明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態の階層型コンピュータシステムのハードウェアの
ブロック図である。図1に示すように、本実施形態の階
層型コンピュータシステムは、第1のコンピュータであ
るパーソナルコンピュータPC1と、第2コンピュータ
であるパーソナルコンピュータPC2を含んでいる。図
1において、キーボード(KBD)10は、ケーブル1
1を介して、PC2の入力端子21に接続されている。
PC2の出力端子22とPC1の入力端子23は、ケー
ブル12を介して接続されている。PC1の入力端子2
3は、本来キーボードを接続する端子であるが、本実施
形態では、図1に示すように、PC2の出力端子22か
らのケーブルが接続されている。このように、PC1と
PC2が階層型に接続されている点が、大きな特徴であ
る。尚、この「階層型」という用語の意味は、物理的な
接続方法が階層型ということだけでなく、PC1とPC
2で情報処理の内容を階層型に分けているという意味も
含まれる。
【0011】また、PC1の画像信号出力端子24とP
C2の画像信号入力端子25は、ケーブル13を介して
接続されている。PC2の画像信号出力端子26は、ケ
ーブル14を介してディスプレー30に接続されてい
る。また、PC1の入出力ポート27とPC2の入出力
ポート28はケーブル15によって接続されている。こ
れは、PC1とPC2の相互間でのデータの授受、例え
ばそれぞれのハードディスク装置に記録された情報を相
互にコピーする場合などに用いられる。
【0012】図1に示したPC1及びPC2としては、
一般的なパーソナルコンピュータが用いられる。すなわ
ち、一般のパーソナルコンピュータが備えているのと同
様のCPUボード、メモリ、ハードディスク装置(HD
D)などが、それぞれに設けられている。また、PC1
及びPC2は、デスクトップ型に限らず、ノート型パー
ソナルコンピュータであってもよい。更に、PC1に
は、通常のパーソナルコンピュータにインストールされ
ているソフトウェアと同様のソフトウェア、すなわちオ
ペレーティングシステム(OS)及びその上で動作する
種々のアプリケーションソフトウェアがインストールさ
れている。一方、PC2は、PC1と同様のOSをイン
ストールし、その上で動作する後述の各システムを実現
する専用のアプリケーションソフトウェアをインストー
ルしてもよいし、OSもPC1とは異なるものとしても
よい。
【0013】PC1の入力端子23は、本来はキーボー
ドを接続するための端子である。しかしながら、図1で
は、この端子にケーブル12が接続され、PC2から出
力された信号が送られてくる。この信号は、キーボード
10からケーブル11を介してPC2に送られる信号と
略同じである。したがって、PC1から見ると、端子2
3にはキーボードが接続されているように認識され、オ
ペレータは通常のパーソナルコンピュータに対する操作
と全く同様の操作をキーボード10上で行って、PC1
上のソフトウェアを動作させることができる。但し、図
1のように、PC1の入力端子23は、必ずしもキーボ
ードを接続するための入力端子でなくてもよく、例えば
データ通信用の入力ポートであってもよい。
【0014】PC1の画像信号出力端子24から出力さ
れる画像信号は、画像信号入力端子25を介してPC2
に送られる。PC2の画像信号出力端子26からは、こ
のPC1から送られてくる画像信号とPC2自身が出力
する画像信号が切り換えられて、いずれかの画像信号が
出力される。この切り換えは、PC2に設けられたスイ
ッチ(図示せず)によって行う。また、オペレータが、
キーボードからPC2のみに情報を送ることもできるよ
うに、別のスイッチを設け、このスイッチを切り換える
ことによって、PC1への情報の送出を遮断すると同時
に、ディスプレー30をPC2専用に切り換えるように
しておいてもよい。
【0015】このように、一つのディスプレー30をP
C1とPC2とで共用することにより、ディスプレーの
設置スペースを節約することができる。また、このよう
にしても、一人のオペレータが二つのディスプレーを同
時に見ることは稀なので、作業上の不都合はほとんどな
い。但し、図1の構成は、一つの実施形態に過ぎず、例
えば一つのディスプレー30の画面を分割して、PC1
とPC2の双方の画像信号を表示するようにしてもよい
し、或いはPC1とPC2それぞれに専用のディスプレ
ーを設けるようにしてもよい。
【0016】PC2には、PC2のハードウェア上で動
作するソフトフェアシステムとして、(1)キーボード
履歴システム、(2)バックアップ自動復帰システム、
(3)プログラム評価システム、(4)付随情報処理シ
ステムがインストールされている。PC2上でこのよう
なソフトウェアを実行させることによって、PC1上で
オペレータが行う種々の作業を支援したり、オペレータ
の負担を軽減したり、データ等の情報の安全性を高めた
り、あるいは入力情報から種々の有用な情報を得たりす
ることができる。以下で、これらの各システムについて
説明する。
【0017】(1)キーボード履歴システム 本実施形態のキーボード履歴システムは、オペレータ
が、PC1上のソフトウェアを操作するためにキーボー
ド10から入力した情報の履歴をPC2上に蓄積してお
くシステムである。国内で広く使用されている一般的な
パーソナルコンピュータの場合、キーボードからパーソ
ナルコンピュータ本体へのデータ転送は、シリアル方式
で行われている。このデータ転送は、パーソナルコンピ
ュータ本体側は専用のLSI、キーボード側はワンチッ
プCPUで制御される。シリアルデータのフォーマット
は、例えばスタートビット(1ビット)、データビット
(8ビット)、パリティビット(ODDパリティ)、ス
トップビット(1ビット)からなり、8ビットのデータ
ビットは、キーボードのキーコードを表す7ビットとメ
イク(キーが押下されたときの割り込みを示す)/ブレ
イク(キーが離されたときの割り込みを示す)の情報を
表す1ビットからなる。したがって、キーボード上の1
00個を超える各キーは、7ビットのキーコードで識別
される。このキーコードはキーボードのキーそのものに
与えられたコード番号であり、一般的に用いられている
JISコードなどとは無関係である。したがって、キー
ボード上のSHIFTキーやCTRLキーなどもそれぞ
れのデータとして送信される。パーソナルコンピュータ
本体側のキーボード処理部では、このキーコードをJI
Sコードに変換し、このJISコードと元のキーコード
を合わせた2バイトをキーバッファに格納する。
【0018】本実施形態のキーボード履歴システムは、
キーボード10から打ち込まれた入力情報をPC2上に
すべて記録する。そのためPC2は、キーボード10か
ら送られてくる信号を受信し、キーボード処理部40で
キーボード処理を行い、キーコードを認識する。但し、
送られてきた信号をJISコードに変換するという処理
は行わず、キーボード側から送られた情報をキーコード
として認識する。そして、このキーコードをハードディ
スク装置に記録する。更に、本実施形態のキーボード履
歴システムは、記録されたキーコードから、そのコード
に対応するキーボードのキーを認識し、そのキーを示す
シンボル(例えばAのキーであれば「A」というキャラ
クタ、SHIFTキーであれば「S」「H」「I」
「F」「T」というキャラクタ列など。)を出力し、C
RTなどに表示する機能を有している。
【0019】例えば、キーボードからローマ字入力で
「特許」という日本語を入力しようとする場合、一般的
なフロントエンドプロセッサ(FEP)では、キーボー
ドから「TOKKYO」というローマ字列を入力し、次
にリターンキーを押して「特許」という文字に変換し、
続けて次の文字列を入力することによって「特許」とい
う文字を確定させる。この場合、本実施形態の入力情報
記録装置は、「TOKKYO」というローマ字列のキー
及びリターンキーの各キーコードを、その押された順番
とともに記録する。
【0020】また、例えば「TOKKYO」と押すべき
ところを、誤って「TOKYO」と入力したため、カー
ソルキー(「←」キー)を2回押し、「K」と「Y」の
間に「K」を挿入し、今度は反対向きのカーソルキー
(「→」キー)を2回押して文書の最後にカーソルを移
動させ、リターンキーを押すという操作を行った場合に
は、「TOKYO」というローマ字列のキー、「←」
「←」「K」「→」「→」というキー及びリターンキー
の各キーコードを、その順番とともに記録する。更に、
間違ったキーを押したことに気づいて、例えばバックス
ペースキー(BSキー)を押して修正した場合も、修正
のために押したBSキーをはじめとする全てのキーのキ
ーコードを記録する。これによって、すべてのキー操作
が記録される。
【0021】更に、キー入力データに付随する情報とし
て、後の解析の便宜のために、例えば5分、10分とい
った一定の時間間隔で、記録されたデータの中にその時
間を示す情報を埋め込んでおくようにしてもよい。これ
により、何日の何時何分頃にどのような操作が行われて
いたかを、後の解析によって知ることができる。尚、ハ
ードディスク装置に記録する代わりに、追記型CD−R
OM、光磁気ディスク(MO)などを利用することもで
きる。この記録内容は、必要に応じて定期的に別の記録
手段に書き移したり、不要となった段階で消去する。ま
た、記録内容を解析して過去のキー操作内容を再現する
場合には、記録されたキーコードから、そのコードに対
応するキーを認識してそのキーを示すシンボルを出力
し、ディスプレー30に表示する。
【0022】このように、キー入力操作をキーコードと
してすべて記録しておくことにより、企業にとって重要
な機密情報への不正なアクセス、データの改ざん、プロ
グラムの無断複写、プログラム内容の不正な変更などが
発覚した場合には、不正な操作そのものが正確に記録と
して残されるので、記録されている過去のすべてのキー
入力操作を解析することによって、そのような不正行為
がいつ行われたのかを特定できる。また、キー入力操作
をすべて記録することにより、上記のような種々の不正
行為に対する抑止的効果も期待できる。これによって、
例えば銀行のオンライン犯罪や経理部門の二重帳簿によ
る脱税行為の防止や、或いはこのような不正行為が発生
した場合の発見等にも役立つ。
【0023】更に、PC1に通信回線等を介して外部か
らコンピュータウィルスが侵入し、重要なデータが破壊
された場合であっても、キーボードから入力したデータ
がすべてPC2側のハードディスクに記録してあれば、
その内容を解析することによって、破壊されたデータを
再現することも可能となる。上記では、キーボード10
から入力されたデータだけについて説明したが、本実施
形態のキーボード履歴システムは、キーボード10から
の入力情報だけでなく、それ以外の情報入力手段から入
力された情報についても適用できる。例えば、近年、G
UI(Graphic User Interfac
e)が発達し、処理の種類によっては、キーボードを一
切使わず、マウスだけですべての操作を行うことができ
る場合も少なくない。そのような場合は、キーボードだ
けでなく、マウスの操作についても、すべて記録する。
すなわち、画面上のどことどこをクリックしたかについ
て、その順番を含めてすべて記録しておく。同様に、タ
ッチスクリーンなどのように、表示された画面に手で直
接触って、あるいは専用のペンなどでタッチして操作す
るものについても、マウスの場合と同様に、どの部分に
どういう順番でタッチしたかという履歴をすべて記録す
ることもできる。
【0024】(2)バックアップ自動復帰システム 本実施形態のバックアップ自動復帰システムは、PC1
内のハードディスク装置の故障等により、そのプログラ
ムやデータが破壊された場合に、自動的にそれらを復旧
させるためのシステムである。図1のPC1のハードデ
ィスク装置には、このPC1上で動作するオペレーティ
ングシステム(OS)、種々のアプリケーションソフト
ウェア、アプリケーションソフトウェアに関連する各種
のデータその他が記録されている。
【0025】バックアップ自動復帰システムが動作する
PC2側のハードディスク装置は、主としてパーソナル
コンピュータPC1側のハードディスク装置の内容をコ
ピーして記録するという処理を行う。キーボード10か
ら入力された情報は、PC1に送られるとともに、PC
2によっても取得され、記録される。この記録には、P
C2側のハードディスク装置の一部の領域を用いてもよ
いし、半導体メモリ等を用いてもよい。但し、半導体メ
モリを用いる場合には、フラッシュメモリのような不揮
発のメモリとするか、或いはDRAM等の揮発性メモリ
を用いる場合でも、PC1とは別系統の電源で駆動する
ようにすることが望ましい。尚、PC2の電源を切る場
合には、自動的に、バッファなどのメモリに記憶されて
いる情報をハードディスク装置等に記録してから電源を
切るようにしてもよい。
【0026】PC1の電源を立ち上げる場合には、それ
に先立ってPC2の電源を立ち上げ、バックアップ自動
復帰システムを起動する。バックアップ自動復帰システ
ムが起動すると、まず、PC1側のハードディスク装置
に記録されているすべての内容が読み出され、PC2側
のハードディスク装置にコピーされる。したがって、こ
の電源立ち上げ処理が終了した時点では、PC1側のハ
ードディスク装置とPC2側のハードディスク装置に記
録された内容は全く同じものとなる。
【0027】電源の立ち上げ処理が終了した後は、オペ
レータはキーボード10を情報入力手段として、ディス
プレー30を見ながら通常のパーソナルコンピュータに
向かって行うのと同様に、プログラミングその他の作業
を行うことができる。キーボード10から入力された情
報は、PC1に送られるとともに、PC2によっても取
得され、記録される。すなわち、PC2には、オペレー
タによって行われたすべてのキー操作の入力情報が保存
される。このとき、入力情報とともに適当な時間間隔
で、タイムスタンプを挿入しておく。
【0028】オペレータが作業をしている途中に、PC
1側のハードディスク装置に異常が生じ、情報の読み出
し又は書き込みが出来なくなったとする。この場合、そ
の異常がハードディスク装置の機械的な異常でなはく、
初期化するだけで再びそのハードディスク装置が使用可
能となる程度のものである場合には、まず、PC1側の
ハードディスク装置に対して初期化を行う。そして、バ
ックアップ自動復帰システムは、PC2側のハードディ
スク装置に最初にPC1側のハードディスク装置からコ
ピーされた情報を、今度はPC1側のハードディスク装
置にコピーする。これによって、PC1側のハードディ
スク装置に記録されている内容は、電源を立ち上げた直
後の内容と同じになる。
【0029】PC2には、更に、電源を立ち上げてから
異常が生じる直前までにオペレータによって行われたキ
ー操作の入力情報のすべてが記録されている。PC2
は、この入力情報を、出力端子22、ケーブル12、入
力端子23を介してPC1に送出する。この送出が適当
な速度及びタイミングとなるように設定しておけば、P
C1はオペレータによる操作が行われているものと認識
する。したがって、PC1上ではオペレータによって行
われた作業及びその結果が再現され、異常が発生する前
の状態が回復する。また、PC2に記録されている入力
情報には、タイムスタンプが付してあるので、再現時に
は、時刻を指定することによって、任意の時刻までの作
業を再現することができる。
【0030】ところで、このようなバックアップ自動復
帰システムによる疑似的な入力操作は、実際にオペレー
タが行う入力作業に比べて非常に短時間で済む。という
のは、PC2に記憶されている入力情報そのものの分量
は、近年の大容量化、高速化したパーソナルコンピュー
タのレベルから見ると、通常は僅かなものであり、ま
た、オペレータが実際に入力作業を行う場合には、色々
な思考作業を伴ったり、必要な資料を参照したり、ある
いは途中で休憩をはさみながら作業を行うのに対し、P
C2側のバックアップ自動復帰システムがPC1に対し
て行う疑似的な入力操作は、PC1側の反応が追従でき
る範囲内であることを条件に、人間による入力操作より
もはるかに高速化することができるからである。
【0031】一方、PC1側のハードディスク装置の異
常が機械的なものであって、単なる初期化では済まない
場合には、PC1側のハードディスク装置を新しいもの
と交換してから、上述と同様の手順で回復作業を行えば
よい。また、OS等が同じであれば、PC2側のハード
ディスク装置をPC1側に移し、これをPC1側のハー
ドディスク装置として利用することも可能である。
【0032】尚、本実施形態のバックアップ自動復帰シ
ステムは、PC1のハードディスク装置の内容をPC2
のハードディスク装置にコピーし、更にその後のPC1
に対する操作内容をすべて記憶しておくので、次のよう
なプログラムのバグ発見のためのシステムとしても用い
ることがでる。プログラムのバグは、プログラミングの
段階ですべて発見することは難しく、特に規模の大きな
プログラムの場合には、製品として出荷されたあとにバ
グが発見される場合もある。このようなバグは、普段は
あまり行わない特殊な操作や誤った操作を行ったときに
現れることが多く、したがって、バグを見つけ出そうと
しているとき以外のときに現れることもあり、バグが存
在することが分かった場合でも、それがどのような手順
のときに起こったかを特定することは非常に困難であ
る。そのような場合に、本実施形態のバックアップ自動
復帰システムを用いれば、過去の操作を何回でも正確
に、かつその操作速度を任意に変えながら再現すること
ができるので、どのような手順の操作を行ったときにバ
グが起こるのかを容易に特定することができる。
【0033】(3)プログラム評価システム 本実施形態のプログラム評価システムは、あるプログラ
ムを作成し、そのプログラムを評価するときに、オペレ
ータの負担を大幅に軽減することを目的としている。あ
るプログラムを開発する場合には、まず作成したプログ
ラムをコンパイルし、実際に正しく動作するかどうかを
テストし、バグなどの不具合がある場合には、もう一度
プログラムを修正し、再度コンパイルしてテストする、
という作業を何回も繰り返すのが普通である。このよう
な作業には非常に時間がかかり、したがってソフトウェ
ア開発に要する時間のうちの多くは、バグチェックなど
の評価作業が占める。
【0034】例えば、あるCAD用ソフトウェアの印刷
に関連するサブルーチンプログラムを開発する場合にお
いて、そのプログラムが適正に動作するかどうかを評価
するために、予め用意された50種類のチェック用デー
タについて印刷テストを行わなければならないとする。
この場合、プログラムの修正部分がどんなに少なくて
も、通常は、念のためにすべてのデータについて印刷テ
ストを実行する。従来は、プログラムを修正するたびご
とにコンパイルし、コンパイルが終了したらそのプログ
ラム上でチェック用データを一つずつ読み込み、印刷コ
マンドを入力し、印刷を実行する、という一連の作業を
オペレータが行っていた。このため、プログラムを評価
するオペレータの負担が大きかった。このような場合に
本実施形態のプログラム評価システムを用いると、以下
のように、オペレータの負担が大幅に軽減する。
【0035】ここでは、PC1上でプログラムをコンパ
イルし、印刷テストを行うものとする。修正したサブル
ーチンのプログラムはフレキシブルディスクでPC1に
供給するものとし、PC1は、このフレキシブルディス
クからソースプログラムを読み込んで、コンパイルす
る。一方、印刷する50種類のチェック用データは、P
C1のハードディスク装置に予め記録されているものと
する。
【0036】最初の一回目については、オペレータがす
べて手動で所定の操作を行う。すなわち、PC1上でフ
レキシブルディスクに入っているソースプログラムを読
み出し、このソースプログラムをコンパイルし、コンパ
イルが終了したら、50種類のデータのうちまず最初の
データを読み出して、印刷を実行する。この印刷が終了
したら、次のデータを読みだして、印刷を実行する。こ
のような作業を50番目のチェック用データまで行う。
本実施形態のプログラム評価システムは、オペレータに
よって行われたこの一連の手続きを、そのままPC2上
のハードディスク装置、或いはメモリ等の半導体記憶装
置に記憶しておく。
【0037】PC1上で、作成したプログラムに対して
修正を施して、印刷テストを実行することが必要となっ
た場合には、PC2上のハードディスク装置等に記憶さ
れている手順を読み出し、これをPC1に供給する。し
たがって、プログラムを修正した場合には、オペレータ
は、そのプログラムを記録したフレキシブルディスクを
PC1に挿入しさえすれば、二回目以降におけるソース
プログラムの読み出し、ソースプログラムのコンパイ
ル、チェック用データの読み出し、印刷の実行というP
C1上での一連の作業は、PC2上のプログラム評価シ
ステムによって自動的に行われる。このように、最初の
手続きを除いて、ソースプログラムの読み出しから印刷
テストに至るまでの一連の手続きが自動化されるので、
オペレータの負担は軽減され、オペレータの作業は効率
化される。また、プログラマはプログラムの作成に専念
できるので、そのことがプログラミングコストの低減、
プログラムの質の高さにつながる。
【0038】また更に別の例として、例えば、パーソナ
ルコンピュータの販売店や各種展示会などで、展示して
あるパーソナルコンピュータPC1の操作方法を紹介す
る場合などに、実際にオペレータがPC1を操作する代
わりに、PC2側でPC1の操作をシミュレートするこ
とをソフトウェア的に実現することもできる。この場
合、オペレータが一回だけは実際にPC1を操作し、そ
の操作内容をPC2が記録しておき、あとは、PC2に
記録された内容を適当な速度で再生し、それをPC1に
送ることによって、あたかも実際にオペレータがPC1
を操作しているかのように見せることができる。
【0039】更に別の例として、PC2側で、PC1及
びPC2のシステム全体の管理や監視を行ったり、PC
1に対するルーチンジョブをPC2側で代行するように
したり、例えばMS−DOSのAUTOEXEC.BA
Tファイルに記載されている手順の代わりに、複数の手
順でPC1を立ち上げるようにしたり、ということも可
能となる。
【0040】(4)付随情報処理システム 本実施形態の付随情報処理システムは、オペレータが図
1のPC1上でキー操作を行って作業しているときに、
その作業の本来の目的以外の情報をキー入力情報から取
得し、これを処理して、有用な情報を得ようとするもの
である。図1のPC1上で動作しているソフトウェアに
対して、オペレータがディスプレー30を見ながら何ら
かの情報をキーボード10から入力する操作を行うと、
PC1はその入力情報に基づいて本来の動作をする。こ
のとき、PC2は、キーボード10から入力された情報
を取得し、これを記録しておく。このPC2による情報
の取得は、PC1の動作には何ら影響を与えない。PC
2には、オペレータによるすべてのキーボード操作の情
報が少なくとも一定期間にわたり記録される。その際、
各キーが押されたタイミングも併せて記録する。PC2
上の付随情報処理システムには、付随情報解析手段が含
まれており、これが、記録されたキーボード操作の情報
に基づいて、予め用意されているアルゴリズムに従って
オペレータのキーボード操作の内容を解析する処理を行
う。
【0041】PC2上の付随情報処理システムは、ま
ず、各キーが押されたタイミングの情報に基づいてキー
ボードを打つ速度とリズムを求める。この速度とリズム
は、ある一定の時間間隔における平均値として算出す
る。この算出された速度とリズムを、そのオペレータの
平常時の速度及びリズムと比較し、一定の範囲内にあれ
ば適正と判断し、この範囲を逸脱している場合にはその
旨を記録したり、あるいはオペレータに対して、キー入
力の速度、リズムがいつもと違う旨を知らせる。かかる
情報は、オペレータの自己管理上の情報として役立つだ
けでなく、企業が従業員の労務管理をする上でも貴重な
情報となる。
【0042】また、オペレータのキー入力作業が、プロ
グラミングに関連するものである場合には、打ち込まれ
たコマンドやプログラムの内容をある程度認識するアル
ゴリズムを、PC2側の付随情報処理システムに用意し
ておくこともできる。これにより、例えば打ち込まれた
コマンドや関数の種類や偏りを調べたり、高度関数の使
用率を調べたり、変数につける変数名が適当な長さとな
るようにその長さを調べたり、オブジェクトと実行ファ
イル(いわゆるexeファイル)との比率を調べたり、
また、サブルーチンの利用率や構造化率を調べることも
可能となる。このようなデータを取ることによって、そ
のプログラマの適性や癖などを客観的に評価できるよう
になり、改善すべき点が見いだされたときは、そのこと
を当該プログラマに知らせることにより、好ましくない
癖を直すよう指導したり、また、より効率的なプログラ
ミング方法を教示するなどして、プログラマとしてのレ
ベルの向上に役立たせることができる。
【0043】その他にも、例えば多数のプログラマの共
同作業で規模の大きいプログラムを作成する場合には、
適当なコメントをプログラム中に記載しておくことが必
要となるが、そのために、コメントがどの程度の割合で
記載されているかというデータをとることによって、複
数のプログラマが連携してプログラム全体でコメントが
適正な数となるようにし、プログラムの理解し易さを向
上させることも可能となる。更に、プログラム作成中に
は時々コンパイルの作業が必要となるが、効率的なプロ
グラミングのためには適当なコンパイルの頻度というも
のがある。そこで、プログラムを開始してからコンパイ
ルを行うまでのプログラム作成量や、コンパイルとコン
パイルの間のプログラム作成量などのデータを取って、
適正なコメント数やコンパイル回数に近づけるようにプ
ログラマを指導し、プログラム作成作業全体の効率向上
に寄与することもできる。
【0044】更に、連続作業時間を記録しておいて、作
業効率の低下を防ぐために、一定時間以上連続して作業
を続けている場合には適当に休憩を入れるようオペレー
タに促すといったことも可能である。また、オペレータ
の健康チェックなども行うことができる。本実施形態の
付随情報処理システムは、上記のような解析を行った後
は、その解析結果を適当な方法で出力する。その解析結
果は、例えばオペレータに対するアドバイスとして出力
してもよいし、企業が労務管理上必要とする情報の場合
には、これらの結果をデータベース化するという方法で
出力してもよい。オペレータに対するアドバイスとして
出力する場合であれば、例えばオペレータに対して「あ
なたはこのような癖があるので直した方がいいです
よ。」とか、「ミスが多いので、よく考えてから入力し
なさい。」とか、「もっと長く入力してからコンパイル
しなさい」とか、「もっと頻繁にファイルをセーブしな
さい。」とか、「連続作業時間が長くなったので、休憩
しなさい。」とか、「もっとコメントを多くしなさ
い。」といったメッセージを表示するようにしてもよ
い。一方、解析結果をデータベース化する場合には、各
オペレータごとに情報を蓄積してその人のオペレータと
しての適性を判断する材料にしたり、あるいは特定の部
署全体のオペレータの情報を蓄積して作業効率等の全体
的な傾向を捉え、作業スケジュールの立案や労務管理体
制の改善等に役立てることができる。
【0045】ところで、本実施形態の付随情報処理シス
テムの機能を更に押し進めると、例えば本来の入力情報
に付随する情報から、例えばオペレータの心理状態や精
神状態、オペレータとしての適性などを詳しく知ること
が可能となる。これらの情報は、労務管理や人事管理に
とって有用な情報となり、利用の仕方によっては、従業
員の職務能力の評価や給与の査定、知能分析などに利用
することができる。また、心理分析等の結果から、相応
しい結婚相手を探したり、異性との相性判断なども行う
ことができる。
【0046】本実施形態の付随情報処理システムは、キ
ーボードを用いる場合であったが、例えば、情報入力手
段としてマウスを操作する場合であれば、マウスの本来
の入力情報以外の情報、例えばマウスの移動経路などを
付随情報として取り込んで上記のような処理をすること
もできる。また、PC2側では、単に入力情報を取り込
んで、この情報を例えばフレキシブルディスク等の記録
媒体に記録するまでに止め、この記録媒体の内容を、別
のコンピュータ上で稼働している付随情報処理システム
に入力して、そちらで付随情報処理を行うようにしても
よい。
【0047】上記では、図1のPC2上で、「キーボー
ド履歴システム」、「バックアップ自動復帰システ
ム」、「プログラム評価システム」、「付随情報処理シ
ステム」をソフトウェア的に実現する場合について説明
したが、その外にもPC1とPC2によって、種々の機
能を果たすことができる。例えば、PC1側のソフトウ
ェアを操作するするためにキーボード10から入力した
情報をPC2側で管理するシステムを実現することがで
きる。管理する内容は、例えばPC1でプログラミング
する場合でれば、入力エラーのチェック、変数やラベル
等のチェック、エディター、使用コマンドのヒント、使
用ジョブの整理などである。
【0048】以上で説明した他に、図1のようにPC1
とPC2を階層型に接続することによって、曖昧命令の
処理を効率よく実行させることができる。以下、これに
ついて説明する。図1に示したコンピュータシステムに
おいて、前述のように、PC1には、通常のパーソナル
コンピュータにインストールされているソフトウェアと
同様のソフトウェア、すなわちオペレーティングシステ
ム(OS)及びその上で動作する種々のアプリケーショ
ンソフトウェアがインストールされている。したがっ
て、通常であれば、PC1上のアプリケーションソフト
ウェアを動作させるためには、そのための操作をキーボ
ードやマウス等の情報入力手段から、オペレータが行わ
なければならない。したがって、この操作方法を知らな
いか或いは確実に記憶していない者、又はキーボード等
の扱いに不慣れな者は、コンピュータを十分に活用する
ことができない。
【0049】そこで、PC2側において曖昧命令解釈機
能をソフトウェア的に実現する。これは、キーボードか
ら入力したPC1上のソフトウェアを動作させる命令が
正確でなく、本来であればPC1側のソフトウェアを正
しく動作させることができない場合であっても、その誤
った命令が本来どういった命令であるかをPC2側で判
断し、それに対応する命令を自動的にPC1側に送ると
いうものである。これにより、オペレータがPC1の操
作に完全に習熟しておらず、間違った命令をキーボード
から入力した場合であっても、一定の範囲内で正しい動
作を確保することができる。
【0050】このように、PC1側には具体的な処理を
行わせ、PC2側では、PC1を動作させるための曖昧
度の高い処理を行わせることになる。これを言い換える
と、処理の内容を階層化し、階層が下位である程より具
体的な処理を行い、階層が上位である程より曖昧度の高
い処理を行う。この考え方を拡張すると、階層も図1の
ような2階層には限られず、容易に3階層以上にするこ
ともできる。
【0051】図2は、3台のパーソナルコンピュータP
C1,PC2,PC3を階層的に接続した実施形態であ
る。パーソナルコンピュータPC1,PC2,PC3は
それぞれ一般的なものであり、その内部には、図1の場
合と同様に、キーボード処理部、制御部、ハードディス
ク装置等が内蔵されている。キーボード(KBD)10
及びモニター30は、PC3に接続されている。この他
に、音声入力のためのマイク(図示せず)が、PC3に
接続されている。図2に示した階層型コンピュータシス
テムにおいては、例えば、PC3は、オペレータから音
声で入力された命令の音声認識処理、すなわち、音声入
力された音声そのものの認識処理を行い、PC2は、そ
の認識された命令に基づいて曖昧推論・判断を行って命
令を解釈し、PC1は、本来の演算処理を行う。
【0052】階層型コンピュータシステムの別の例とし
て、PC2(図2の例ではPC3)にマイクを接続し、
ソフトウェア的に音声認識機能を実現することにより、
本来キーボードからのキー入力によらなければPC1上
のソフトウェアを操作できない場合であっても、オペレ
ータが操作内容を口頭で述べることによって、PC2
(又はPC3)の音声認識機能によってその内容を認識
し、それをキー入力情報と同じ情報としてPC1に送る
(3階層とした場合は、キー入力情報にする処理は例え
ばPC2で行う)。これにより、キーボードによる入力
操作が不得手な者でも、容易にPC1上のソフトウェア
の操作ができるようになる。
【0053】更に別の例として、例えば、紙などに文字
で命令を書いて、これを光学的に画像として取り込み、
PC2側でソフトウェア的に文字認識を行い、その結果
をPC1に送って、PC1側のソフトウェアを動作させ
るようにすることもできる。以上のように、PC2側に
おいて曖昧命令解釈機能をソフトウェア的に実現して、
PC1側のソフトウェアが動作させることにより、コン
ピュータの操作を苦手とする人手も、簡単にコンピュー
タを扱うことができるようになる。これは、あたかも、
コンピュータの取り扱いに不慣れな人が、「コンピュー
タにこのようなことをさせたい」という要望をコンピュ
ータの専門家に説明し、その専門家が本人の意向をくみ
取り、本人に代わってその専門家にコンピュータを操作
してもらい、所望の処理をコンピュータを使って遂行す
るという状況があるとした場合に、その専門家の役割を
PC2(あるいはPC3)に代替させることに相当す
る。
【0054】更に、このような構成とすることにより、
PC1上で動くソフトウェアは、従来のものをそのまま
利用でき、その上で、それとは独立にPC2側で使い勝
手を良くするソフトウェアを構築することができる。ソ
フトウェアの開発も、PC1とPC2とで、独立して行
うことができるため、1台の高速・マルチタスク型のパ
ーソナルコンピュータで開発するよりも、簡単になる。
【0055】曖昧命令処理の例として、更に、次のよう
なものも実現できる。すなわち、オペレータが、「先程
プリントアウトしたものをもう一度プリントアウトして
くれ」というような命令を口頭で行った場合に、「先程
プリントアウトしたもの」が容易に確定できる場合に
は、それを推論・判断して対象物を特定し、それをプリ
ントアウトすることとし、「先程のもの」の確定できな
い場合には、オペレータに対して、それがどれを指して
いるのかを聞き返すというような処理を行わせることも
できる。ここで、「先程プリントアウトしたもの」を推
論・判断する場合にも、曖昧推論を取り入れることがで
きる。この場合に、人間の記憶の薄れ方に近づくよう
に、判断要素が時間とともに変化するような設定を用意
しておくことができる。これにより、「先程」と言った
ときに、人間の言語感覚で、明らかにそれと分かる対象
物を特定できる場合には、その判断に従って対象物を特
定することとする。これに対し、例えば1時間前にAと
いう文書をプリントアウトし、30分前にBという文書
をプリントアウトした状況下で、上記のような曖昧な命
令を受けた場合には、「AとBのどちらを指しているの
ですか?」といったメッセージで、オペレータに対して
聞き返すようにする。
【0056】以上で説明した各システムは、図1に示し
た階層型のPC2とPC1によって実現できるが、特
に、図1に示したようにPC2とPC1を階層的に接続
したことによって、PC1としては従来のパーソナルコ
ンピュータをそのまま使用することができる。また、P
C1とは独立に、PC2側においてソフトウェア的に任
意のシステムを構築することができ、そして、そのこと
がPC1には全く影響を与えないようにすることができ
る。また、PC1に対するセキュリティ管理として、P
C2に対し特定のパスワードを入力しないと、キーボー
ドからPC1に対して情報を入力できない、というよう
にしてもよい。
【0057】更に、PC2上に構築する各システムは、
主としてPC1に対する管理的な機能を果たすものであ
るので、PC2に搭載されるCPUやその上で動作する
OSには、それほどの高機能、高速性は要求されない。
むしろ、動作速度は遅くても、知的な処理が必要とされ
るので、ニューロ型CPUや、これに適したOSを用い
てもよく、必ずしも既存のパーソナルコンピュータの延
長線上にあるものである必要はない。仮に、PC2が行
う曖昧処理等をPC1に行わせるようにすると、PC1
の負荷が大きくなり、いわゆるマルチタスク処理を行わ
せる場合には、処理速度は、一般には1/(タスク数)
よりも小さくなる。逆に、同じ速度のコンピュータを単
純に100台接続して何らかの処理を行わせても、速度
は100倍にはならない。これに対し、本実施形態のよ
うに、複数のコンピュータを階層的に接続し、PC1に
は高速であるが単純な計算を行わせ、PC2には曖昧処
理のような知的な処理を行わせるというように、役割を
分けて分散処理させることで、種々の新たな効果が奏さ
れる。
【0058】上記実施形態の場合、例えば図1では、P
C2とPC1を階層型に接続して、PC2によって、P
C1上でオペレータが行う種々の作業を支援等するシス
テムを構築したが、場合によってはPC1とPC2をそ
れぞれ単独のパーソナルコンピュータとして使用するこ
ともある。その場合、キーボードとディスプレーをPC
1とPC2で共用し、PC1とPC2を両方立ち上げて
おき、キーボードとディスプレーの組を、一方から他方
へスイッチで切り換えることができるようにすれば、キ
ーボードとディスプレーの設置スペースを節約すること
ができる。
【0059】更にまた、上記では、図1に示すようにP
C1とPC2を別体とし、或いは図2に示すように、P
C1,PC2,PC3を別体として構成したが、図3に
示すように、階層型での接続はそのままに、複数のパー
ソナルコンピュータ(PC)全体を単一の筐体に収めた
一体化とすることもできる。このように複数のPCを一
体化すると、外観上は、全体として1台のPCのように
見える。この場合、実質的に2台又はそれ以上のパーソ
ナルコンピュータを1つの筐体の中に入れることになる
ので、コストが上昇するとも考えられるが、必ずしもそ
うではない。
【0060】図3のように、複数のPCを一体化した場
合、電源回路やビデオ回路等は共通化できるし、ハード
ディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク装置
(FDD)等の記憶装置も共用化が可能である。そし
て、そのことによるコスト的なメリットが生まれる。ま
た、前述したように、通常の処理の他に音声認識等の曖
昧度の高い処理を行う場合、それらを1台のPCにすべ
て行わせるよりも、例えば、PC1とPC2に分け、例
えばPC1は高速演算処理に特化させ、曖昧処理につい
てはPC2に行わせるというように、処理を分担させた
方が全体の性能を向上させることができる。その場合、
PC2に使用するCPUは低速動作の安価なものを用い
ることができ、必要とするメモリ容量も小さくてすみ、
また、PC1についても、高速演算だけを行っていれば
いいので、比較的安価のCPUで足りる。したがって、
各部の性能はそれほど高性能でなくても、トータルとし
ての性能を高めることが可能となる。
【0061】尚、図3において、キーボード(KBD)
10からPC2を経由してPC1に命令を送るのか、或
いはPC2だけに命令を送るかは、スイッチSWを切り
換えることにより選択できるようにしてもよいし、キー
ボードからの命令によって行ってもよい。また、このと
き、ディスプレー30に送出される画像信号も、この切
り換えに連動して切り換わる。
【0062】既存のパーソナルコンピュータは、大容量
化、動作の高速化という点では著しい進歩を示したが、
これを正しく動作させるためには、それなりの知識と経
験が必要である。このため、実際にパーソナルコンピュ
ータを利用できるユーザーの範囲は限られていた。今後
のパーソナルコンピュータのあり方として、いままでパ
ーソナルコンピュータの利用を躊躇していた一般ユーザ
ーに広く受け入れられるようにするためには、上述のよ
うに、コンピュータの専門家に自分のしたいことを説明
し、その専門家が本人の意図を解釈し、本人に代わって
実際の操作を行う、というような状況をコンピュータ上
で実現できることが必要になると考えられる。その場
合、高速動作に特化したコンピュータのアーキテクチャ
と、曖昧処理を得意とするコンピュータのアーキテクチ
ャは、CPUのタイプやソフトウェアも異なってくる。
したがって、1台のPC上で両方の機能を実現しようと
する方向性での進歩には限界があると考えられる。かか
る観点から、本発明のアーキテクチャは、将来の有るべ
きPCに対する一つの提案である。コンピュータの進歩
発展の歴史を見ても、同一のアーキテクチャに基づいて
構成されたコンピュータが何でも取り込んで機能を拡大
してゆくと、いずれは行き詰まり、その度毎に新しいシ
ステムが登場し、それまでのコンピュータに置き代わっ
てきたという経緯がある。
【0063】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能で
ある。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
情報入力手段と、情報入力手段から入力される情報に基
づいて第1の情報処理を行う第1のコンピュータと、情
報入力手段から入力される入力情報を受け、第2の情報
処理を行い、その結果得られた情報を下位のコンピュー
タである第1のコンピュータに供給する第2のコンピュ
ータとを設け、第2のコンピュータは、第1のコンピュ
ータが行う第1の情報処理とは独立して第2の情報処理
を行うことができる。この第2の情報処理によって、曖
昧命令を処理したり、オペレータの負担を軽減したり、
第1のコンピュータのデータ等の安全性を高めたり、そ
の他、第1のコンピュータだけでは不可能な種々の機能
を果たすことができ、しかも、そのことが、第1のコン
ピュータ上で行われる処理には影響を与えないようにす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の階層型コンピュータシス
テムのハードウェアのブロック図である。
【図2】3台のパーソナルコンピュータを階層型に接続
した階層型コンピュータシステムのハードウェアのブロ
ック図である。
【図3】複数のパーソナルコンピュータを単一の筐体に
収めて一体化した階層型コンピュータシステムの斜視図
である。
【符号の説明】
PC1,PC2,PC3 パーソナルコンピュータ 10 キーボード(KBD) 11,12,13,14,15 ケーブル 21,23 入力端子 22,26 出力端子 24 画像信号出力端子 25 画像信号入力端子 27,28 入出力ポート 30 ディスプレー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作者が操作して情報を入力する情報入
    力手段と、 前記情報入力手段から入力される情報に基づいて第1の
    情報処理を行う第1のコンピュータと、 前記情報入力手段から入力される入力情報を受け、第2
    の情報処理を行い、その結果得られた情報を、下位のコ
    ンピュータである第1のコンピュータに供給する第2の
    コンピュータと、 前記第1のコンピュータと前記第2のコンピュータの間
    で情報の授受を行う情報伝送手段と、 を具備することを特徴とする階層型コンピュータシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記第2のコンピュータは複数のコンピ
    ュータが階層型に接続されてなり、前記第2のコンピュ
    ータに属する各コンピュータは受けた情報に基づいて所
    定の処理を行ったあと、その結果を下位のコンピュータ
    に送出するものである請求項1記載の階層型コンピュー
    タシステム。
  3. 【請求項3】 前記第2のコンピュータが行う前記第2
    の情報処理は、前記第1のコンピュータを動作させる命
    令として、曖昧な命令が入力されたときでも、第1のコ
    ンピュータを動作させることができる曖昧命令処理を含
    むものである請求項1又は2記載の階層型コンピュータ
    システム。
  4. 【請求項4】 前記第2のコンピュータが行う曖昧命令
    処理は、音声情報処理を含むことを特徴とする請求項3
    記載の階層型コンピュータシステム。
  5. 【請求項5】 前記第2のコンピュータが行う曖昧命令
    処理は、画像情報処理を含むことを特徴とする請求項3
    記載の階層型コンピュータシステム。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のコンピュータを一つ
    の筐体に収めたことを特徴とする請求項1,2又は3記
    載の階層型コンピュータシステム。
  7. 【請求項7】 前記情報入力手段は、キーボードである
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の階
    層型コンピュータシステム。
  8. 【請求項8】 少なくとも情報記録媒体を有する第1及
    び第2のコンピュータを備え、前記第2のコンピュータ
    は、所定のタイミングで前記第1のコンピュータの情報
    記録媒体に記録された情報をすべて前記第2のコンピュ
    ータの情報記録媒体にコピーし、当該コピーの後オペレ
    ータが情報入力手段を介して前記第1のコンピュータを
    操作するために入力したすべての入力情報を前記第2の
    コンピュータの情報記録媒体に記録し、必要に応じて、
    前記第2のコンピュータの情報記録媒体に記録された情
    報のうち、前記第1のコンピュータの情報記録媒体から
    コピーされたものを前記第1のコンピュータの情報記録
    媒体にコピーするとともに、前記第2のコンピュータの
    情報記録媒体に記録されている前記入力情報を前記第1
    のコンピュータに送出することを特徴とするコンピュー
    タシステム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4987203B2 (ja) * 1999-11-12 2012-07-25 フェニックス ソリューションズ インコーポレーテッド 分散型リアルタイム音声認識装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4987203B2 (ja) * 1999-11-12 2012-07-25 フェニックス ソリューションズ インコーポレーテッド 分散型リアルタイム音声認識装置

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