JPH10230728A - 熱画像の処理方法 - Google Patents

熱画像の処理方法

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JPH10230728A
JPH10230728A JP3523897A JP3523897A JPH10230728A JP H10230728 A JPH10230728 A JP H10230728A JP 3523897 A JP3523897 A JP 3523897A JP 3523897 A JP3523897 A JP 3523897A JP H10230728 A JPH10230728 A JP H10230728A
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temperature
solar radiation
thermal image
matrix
temperature data
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JP3523897A
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Tatsuo Haraguchi
達夫 原口
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Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱画像の温度データから日射の方向や日射の
強度を推定するだけでなく、インカーセンサを用いるこ
となく、正確な雰囲気温度の推定値を得ることを目的と
する。 【解決手段】 マトリックス型赤外線センサ3で測定さ
れた熱画像の各マトリックス要素の温度データと所定の
基準温度との差に基づいて測定対象物への日射の有無を
判断し、各マトリックス要素を日射の有無により区別し
て成る熱画像の日射パターンを作成し、上記日射パター
ンの日射有と判定された各マトリックス要素の温度デー
タの平均と所定の基準温度との差に基づいて測定対象物
への日射の強度を推定し、上記推定された日射の強度と
熱画像の背景温度とに基づいて雰囲気温度を推定するよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線センサで測
定された熱画像の処理方法に関するもので、特に車両用
空気調和装置の制御に使用される車室内の熱画像から車
室内の雰囲気温度を推定するための熱画像の処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空気調和装置においては、
運転席のダッシュボードの前壁の空気取り入れ口近傍に
設置されたインカーセンサ(内気温センサ)で検出した
温度を車室内の温度とし、予め設定された基準温度と上
記車室内の温度とを比較して空気吹出し口から送られて
くる空気の温度調整を行なっていた。また、車両に日射
センサを設けて、上記センサの出力に応じて、空気の吹
出し方向や空調空気の温度を制御していた。しかしなが
ら、上記インカーセンサの場合には胴部付近の雰囲気温
度しかわからず、乗員の乗員の体表面や着衣部の温度分
布を考慮して車室内の温度を調整することができなかっ
た。また、日射センサを用いて、空気の吹出し方向を制
御する場合でも、上記日射センサは、乗員の位置する場
所に設置されているのではないので、乗員に対する日射
の影響を把握して車室内の温度を調整するには十分でな
いという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インカ
ーセンサの設置場所が乗員の人体胴部付近なので、雰囲
気温度としては、乗員の頭部付近の温度等の影響も考慮
した雰囲気温度を制御の対象にしないと、空気調和装置
の的確な制御が行えないという問題点があった。また、
発明者は、特願平8−101671号において、車室内
の乗員やシート等から放射される赤外線を入射光温度セ
ンサ(以下、マトリックス型赤外線センサとする)で検
知して、乗員の体表面や着衣部の温度分布を測定する温
度分布の測定装置を提案している。これは、図12に示
すように、車室1内の乗員2等の測定対象物の各部位か
ら放射される赤外線をマトリックス型赤外線センサから
成る温度分布の測定装置3で検知し、図13に示すよう
な、測定対象物の熱画像の各マトリックス要素の温度デ
ータを求め、車室2内の測定対象物の温度分布を検知す
るものである。なお、そのときの雰囲気温度は、運転席
のダッシュボード4の前壁の空気取り入れ口近傍に設置
されたインカーセンサ5で検出した温度である。しかし
ながら、インカーセンサ5の設置場所が乗員2の人体胴
部付近なので、雰囲気温度としては、乗員2の頭部付近
の温度等の影響も考慮した雰囲気温度を制御の対象にし
ないと、空気調和装置の的確な制御が行えないという問
題点があった。また、上記発明においては、測定対象物
の熱画像からは車室1内の乗員2近傍の温度データを知
ることができるが、上記各マトリックス要素の温度デー
タを用いて実用的な雰囲気温度を求める方法については
まだ明らかにされてはいなかった。
【0004】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、赤外線センサによる熱画像の温度データから実
用的な雰囲気温度を推定するための熱画像の処理方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の熱画像の処理方法は、マトリックス型赤外線センサで
測定された熱画像の各マトリックス要素の温度データか
ら、ニューラルネットの手法により雰囲気温度を推定す
ることを特徴とする。上記ニューラルネットの手法は、
ある量yが複数の独立変数xkの一次結合で表わせると
き、各変数の係数を統計処理により求め、上記yの近似
式を求める未定係数法の一手法をいう。本発明の場合
は、後述するように、雰囲気温度の推定値Tiが熱画像
の各マトリックス要素(簡単のため3個とする)の温度
データTk iの一次結合(Ti=a11i+a22i+a3
3i)で近似されるとし、実際に雰囲気温度Ti(0)を
変化させ、その時の熱画像の各マトリックス要素の温度
データT1i,T2i,T3iを求め、測定された雰囲気温度
i(0)と上記近似式で求められるTiとの偏差が最小
となるように各係数a1,a2,a3を統計的に求め、Ti
の近似式を決定するものである。
【0006】また、本発明の請求項2に記載の熱画像の
処理方法は、マトリックス型赤外線センサで測定された
熱画像の各マトリックス要素の温度データと所定の基準
温度との差に基づいて測定対象物への日射の有無を判断
し、各マトリックス要素を日射の有無により区別して成
る熱画像の日射パターンを作成し、上記日射パターンの
日射有と判定された各マトリックス要素の温度データの
平均と所定の基準温度との差に基づいて測定対象物への
日射の強度を推定し、上記推定された日射の強度と熱画
像の背景温度とに基づいて雰囲気温度を推定することを
特徴とする。発明者は、特願平9−1249号におい
て、マトリックス型赤外線センサで測定された熱画像の
各マトリックス要素の温度データを処理して、日射の有
無,方向を判定するとともに、日射の強度を推定する方
法を提案している。これは、マトリックス型赤外線セン
サで測定された熱画像の各マトリックス要素を各マトリ
ックス要素の温度データと所定の基準温度との差に基づ
いて日射の有無により区別した日射パターンを作成し、
上記日射パターンにおいて日射有と判定された各マトリ
ックス要素の温度データの平均と所定の基準温度との差
に基づいて測定対象物への日射の強度を推定するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づき説明する。 実施の形態1.図1は、温度分布の測定装置1により得
られた熱画像の一例である。この温度分布の測定装置1
は、マトリックス状に配置された赤外線センサーを、ス
リットを有する回転する円筒の内部に配設し、車両内の
乗員等が放射する赤外線を検知し、上記マトリックスの
各要素の上記赤外線センサの出力に対応する温度データ
を求め、車室内の温度分布を測定するもので、上記回転
するスリットは、入射光の通過と遮断を行なうチョッパ
ーの機能を果たすものである。この熱画像は、8行(1
〜8)×8列(A〜H)の64個のマトリックス要素か
ら成る。なお、図3では、簡単のため、上記熱画像の各
マトリックス要素を、表示温度幅で5段階(2.5゜
幅)に分けて表示した。
【0008】次に、上記熱画像の各マトリックスの温度
データを用いて実用的な雰囲気温度を算出する方法につ
いて説明する。まず、恒温室に乗用車を入れ乗員2を運
転席に着座させ、上記恒温室の温度を時間とともに上下
させながら、温度分布の測定装置3を用いて車室1内の
熱画像を測定するとともに、乗員2の近傍の気温Ti
温度センサにより測定する。このとき、上記熱画像の各
マトリックス要素の温度データの平均値Tm(同図の□
印)は、乗員2の皮膚表面の温度を含んでいるので、図
2に示すように、上記乗員2の近傍の気温Ti(同図の
△印)よりは常に高めになるので雰囲気温度としては実
用的でない。そこで、熱画像の各マトリックス要素の温
度データに適正なウエィト(重み)をかけた温度データ
の平均値TNを求めこれを雰囲気温度の推定値とすれ
ば、実用的な雰囲気温度を求めることができる。すなわ
ち、上記適正なウエィト(重み)を、上述した実験で得
られた各温度条件での熱画像の各マトリックス要素の温
度データと乗員2の近傍の気温Tiからニューラルネッ
トの手法を用いて求め、上記適正なウエィト(重み)を
かけた温度データの平均値TNを雰囲気温度とするもの
である。雰囲気温度がTiの時の熱画像の各マトリック
ス要素の温度データをTkiとし、雰囲気温度の推定値T
Nが上記温度データをTkiの一次結合から成る近似式TN
i=a11i+a22i+‥‥+a6464iで表わせるとす
る。そして、実際の雰囲気温度をTiをTi(0),Tj
(0),‥‥,Tk(0)と変化させ、その時の熱画像
の各マトリックス要素の温度データを求める。そして、
近似式TNi=a11 i+a22i+‥‥+a6464iより
求めたTNi,TNj,‥‥,TNkと実測値Ti(0),Tj
(0),‥‥,Tk(0)との差TNi−Ti(0),TNj
−Tj(0),‥‥,TNk−Tk(0)が最も小さくなる
ように各係数a1,a2,‥‥,a64を統計的に求める。
上記係数a1,a2,‥‥,a64は、熱画像の各マトリッ
クス要素の温度データが雰囲気温度の推定値に寄与する
割合、すなわち上述したウエィト(重み)を表わしてい
る。なお、上記近似式TNの精度は、当然のことなが
ら、変化させる雰囲気温度Tiのデータ数が多いほど正
確になる。ニューラルネットの手法により求めた雰囲気
温度の推定値TNは、図2の●印に示すように、雰囲気
温度Ti(0)によく追従して変化している。
【0009】このように、本実施の形態1によれば、温
度分布の測定装置3により得られた熱画像から雰囲気温
度を推定することができるので、インカーセンサ5を設
置する必要がないだけでなく、インカーセンサ5による
検出温度よりもより実用的な雰囲気温度の推定値TN
得ることができるので、上記TNを用いて車室内をより
快適にするように空気調和装置を制御することが可能と
なる。
【0010】実施の形態2.上記実施の形態1では、温
度分布の測定装置により得られた熱画像のマトリックス
要素の温度データの全てを用いて雰囲気温度を推定した
が、上記熱画像の温度データから推定された日射の強度
を用いれば、熱画像の背景領域のマトリックス要素の温
度データのみで雰囲気温度を推定することができる。例
えば乗員2に対して、図3(a)に示すような乗員2の
左前方からの日射があった場合には、図3(b)に示す
ように、乗員2の頭部及び着衣部の温度が上昇するの
で、熱画像の人体領域は図3(c)に示すような、画像
の右半分の温度が高い熱画像となる。なお、乗員の人体
領域を抽出する場合には、背景領域の要素の温度データ
は乗員の着衣領域(胴部)や乗員の皮膚領域(頭部)の
要素の温度データより低いので、予め基準抽出温度を設
定し、上記基準抽出温度を閾値として、この閾値以下の
温度の各マトリックス要素のデータを消去し、乗員の人
体部分を抽出する。
【0011】まず、この熱画像の各マトリックス要素の
温度データを用いて、日射の有無を判断し、日射パター
ンを作成する方法について説明する。上記抽出された人
体領域のマトリックス要素から、図3(c)に示すよう
に、画像の中心線pの位置を算出し、この中心線pに対
して等距離にあるマトリックス要素の温度データ、D2
とE2やC5とF5等を比較するとともに、上記温度デ
ータと基準温度とを比較する。この基準温度は、上記マ
トリックス要素が着衣領域の場合は予め設定された着衣
領域の中心温度tb、皮膚領域の場合は皮膚領域の中心
温度をthとする。ここで、着衣領域のマトリックス要
素で中心線に対して等距離にあるC5とF5の2つのマ
トリックス要素の温度データを比較する場合について説
明する。まず、2つのマトリックス要素C5とF5の温
度データを比較し、C5〉F5の場合には、C5と着衣
領域の中心温度tbを比較する。ここで、C5≦tbの
場合にはF5<tbなので、C5もF5も着衣領域の中
心温度tb以下であることから、「日射なし」と判断
し、日射パターンのC5とF5のマトリックス要素には
何も書き込まない。C5>tbの場合には、F5と着衣
領域の中心温度tbを比較し、F5>tbであれば、C
5もF5も着衣領域の中心温度tbより高いので、「日
射あり」と判断し、日射パターンのC5とF5のマトリ
ックス要素には、それぞれ、C5−tb,F5−tbの
値が書き込まれる。また、F5≦tbであれば、C5は
着衣領域の中心温度tbより高いが、F5は着衣領域の
中心温度tb以下であるので、「日射あり」と判断し日
射パターンのC5のマトリックス要素には、C5−tb
の値が書き込まれる。F5〉C5の場合も同様である。
また、C5=F5の場合には、C5と着衣領域の中心温
度tbを比較し、C5≦tbの場合にはF5≦tbなの
で、C5もF5も着衣領域の中心温度tb以下であるこ
とから、「日射なし」と判断し、日射パターンのC5と
F5のマトリックス要素には何も書き込まない。C5>
tbの場合には当然F5>tbであるので、「日射あ
り」と判断し、日射パターンのC5とF5のマトリック
ス要素には、それぞれ、C5−tb,F5−tbの値が
書き込まれる。以上の処理を、全ての中心線に対して等
距離にある各マトリックス要素について行なうことによ
り、図4に示すような、熱画像の日射パターンを作成す
ることができる。図4では、「日射あり」の各マトリッ
クス要素が斜線で表示してあり、C5−tb,F5−t
b等の値が書き込まれる。
【0012】そして、日射の有無は、抽出された人体領
域において、抽出されたマトリックス要素の内、「日射
有」のマトリックス要素数が20%以上である場合に
「日射あり」と判断するようにする。また、日射の方向
は、図4に示すように、熱画像を、例えば、右上(R
1),右下(R2),左上(L1),左下(L2)の4
つの領域に分割し、各領域における日射有りのマトリッ
クス要素数と抽出された人体領域のマトリックス要素数
の比を算出し、予め設定した日射方向のパターンと比較
することにより決定する。なお、上記日射方向のパター
ンを作成する実験は、恒温室内でサーマルマネキンに夏
用や冬用等の典型的な衣服を着せ、日射としては一方向
から所定のワット数のライトを照射して行なった。以上
の説明では、便宜上、熱画像の図を用いたが、本実施の
形態は、熱画像の図を表示して評価するものではなく、
熱画像の各マトリックス要素の温度データを比較・演算
することにより日射の有無や日射の方向を判断するもの
である。例えば、上記日射のパターンのマトリックス要
素〔C5〕は、〔C5〕=C5−tbの形で処理され
る。但し、以下においても、便宜上熱画像の図を用いて
本発明を説明する。
【0013】ここで図5(a)〜(f)に典型的な日射
のパターンを示す。同図(a)は仰角0度水平角0度
(人体の左側)からの日射、同図(b)は仰角0度水平
角45度からの日射、同図(c)は仰角0度水平角90
度(人体の正面)からの日射、同図(d)は仰角45度
水平角0度(人体の左上側)からの日射、同図(e)は
仰角45度水平角45度からの日射、同図(f)は仰角
45度水平角90度(人体の正面斜め上)からの日射の
場合の例である。上記日射のパターンの各マトリックス
要素には、上述したように、人体各部の温度データTm
と領域中心温度の差(日射温度差;Tm−tbまたはT
m−th)が書き込まれているので、上記日射温度差の
平均値をもって日射の強度を推定することができる。す
なわち、日射の強度と上記各マトリックスの日射温度差
の平均値とは、図6に示すように、比例関係にあるの
で、各マトリックスの日射温度差の平均値から日射の強
弱を推定することができる。そのとき、日射の強弱とし
ては、上述した日射方向のパターンを作成する実験で用
いたランプのワット数に基づいた値を用いる。
【0014】ところで、日射がない場合には一般に雰囲
気温度(空気の温度)と背景温度(物体の温度)とは、
図7(a)に示すように、比例関係にある。したがっ
て、日射がない場合には、上記温度分布の測定装置3で
得られた熱画像の背景領域の各温度データTgから雰囲
気温度TAを求めることは容易である。すなわち、予め
上記背景領域の温度データの平均値TGと雰囲気温度TA
の関係をTA=α・TG+βと実験的に求めておき、実際
の車室1内の熱画像から背景領域の温度データの平均値
Gを算出し、上記関係式により雰囲気温度TAを求めれ
ばよい。しかしながら、日射の外乱がある場合には、背
景温度は物体の温度であるから、日射の影響を受ける。
図7(b)は、背景に日射が当った場合の雰囲気温度と
背景温度の関係を示すもので、日射が強いほど背景温度
が上昇することが分かる。ところが、乗員2の胴体部に
日射があっても背景に日射が当らない場合には、図7
(c)に示すように、乗員2の頭部付近の背景温度は上
昇しない。つまり、日射によって乗員2の着衣部の温度
が上昇し、その周りの空気の温度(雰囲気温度)が上昇
しても日射の当らない乗員2の頭部付近の背景温度は上
昇せず、雰囲気温度より上記背景温度の方が低くなる。
そして、この傾向は日射が強いほど大きくなる。したが
って、日射がある場合の背景温度を熱画像から求める場
合、日射の当らない背景領域の温度データを使用する必
要がある。
【0015】図8は、日射の強弱による背景温度の平均
と雰囲気温度の関係を示したもので、背景温度として日
射の当らない背景領域の温度データを用いると、背景温
度平均TGと雰囲気温度TAとはTA=α・TG+βなる直
線関係になる。また、上記式の傾きαは、図9(a)に
示すように、日射強度が強いほど大きくなり、オフセッ
トβは、図9(b)に示すように、日射強度が強いほど
小さくなる。これは、背景温度として日射の当らない背
景領域の温度データを用いているので、日射が強ければ
雰囲気温度は上昇するが上記背景領域の温度データは上
昇しないためである。
【0016】ここで、車室1内の温度の設定値を変化さ
せて、実測した雰囲気温度TAと背景温度平均TGから上
記式TA=α・TG+βによって推定した雰囲気温度の推
定値TGAとの関係を図10に示す。図10において、条
件(A)は日射なし、条件(B)は日射400W、条件
(C)は日射600Wを表わす。なお、上記雰囲気温度
の推定値TGAを求めるときの係数α及びβの値は、上述
した熱画像の温度データから求めた日射の強度の推定値
から決定したものである。図11は、上記温度の設定値
と雰囲気温度の推定値TGAとの差を示したもので、条件
(A),(B),(C)のいずれにおいてもその差は1
度以内であり、雰囲気温度の推定値TGAの精度が極めて
高いことがわかる。
【0017】このように、本実施の形態2によれば、温
度分布の測定装置3により得られた熱画像のマトリック
ス要素の温度データから推定された日射の強度と、熱画
像の背景領域のマトリックス要素の温度データのみで雰
囲気温度を推定することができるので、インカーセンサ
5を設置する必要がないだけでなく、インカーセンサ5
による検出温度よりもより実用的な雰囲気温度の推定値
GAを得ることができる。更に、日射の方向や日射の強
度の推定値及び上記雰囲気温度の推定値TGAを用いて車
室内をより快適にするように空気調和装置を制御するこ
とができる。
【0018】なお、上記実施の形態1,2では、雰囲気
温度TAとして乗員の近傍の空気の温度としたが、雰囲
気温度として乗員の頭部近傍の雰囲気温度や胴体近傍の
雰囲気温度等の複数の雰囲気温度を設定して、それぞれ
の雰囲気温度を熱画像の温度データから推定し、上記複
数の雰囲気温度の推定値に基づいて空気調和装置を制御
を行なえば、よりきめ細かな制御を行うことができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
熱画像の処理方法よれば、マトリックス型赤外線センサ
で測定された熱画像の各マトリックス要素の温度データ
から、ニューラルネットの手法により雰囲気温度を推定
するようにしたので、インカーセンサを設置する必要が
ないだけでなく、インカーセンサによる検出温度よりも
より実用的な雰囲気温度の推定値を得ることができる。
【0020】また、請求項2に記載の熱画像の処理方法
よれば、マトリックス型赤外線センサで測定された熱画
像の各マトリックス要素の温度データと所定の基準温度
との差に基づいて測定対象物への日射の有無を判断し、
各マトリックス要素を日射の有無により区別して成る熱
画像の日射パターンを作成し、上記日射パターンの日射
有と判定された各マトリックス要素の温度データの平均
と所定の基準温度との差に基づいて測定対象物への日射
の強度を推定し、上記推定された日射の強度と熱画像の
背景温度とに基づいて雰囲気温度を推定するようにした
ので、上記熱画像の温度データから日射の方向や日射の
強度の推定値だけでなく正確な雰囲気温度の推定値も得
られるので、車室内をより快適にするように空気調和装
置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる熱画像の一例であ
る。
【図2】本発明の実施形態1に係わる設定温度とニュー
ラルネットワークにより求めた雰囲気温度の推定値との
関係を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2に係わる日射の方向と熱画
像の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2に係わる日射のパターンの
一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2に係わる複数の日射のパタ
ーンの代表例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態2に係わる日射の強度と日射
温度差の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施形態2に係わる背景温度と雰囲気
温度の関係を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2に係わる熱画像の背景領域
の温度データ平均と雰囲気温度の関係を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2に係わる熱画像の背景領域
の温度データ平均と雰囲気温度の関係の係数の変化を示
す図である。
【図10】本発明の実施形態2に係わる設定温度と雰囲
気温度の推定値の関係を示す図である。
【図11】本発明の実施形態2に係わる雰囲気温度の推
定値の精度を示す図である。
【図12】従来の温度分布の測定装置を示す図である。
【図13】従来の温度分布の測定装置で得られた熱画像
の例である。
【符号の説明】
1 車両 2 乗員 3 温度分布の測定装置 4 ダシュボード 5 インカーセンサ(内気温センサ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス型赤外線センサで測定され
    た熱画像の各マトリックス要素の温度データから、ニュ
    ーラルネットの手法により雰囲気温度を推定することを
    特徴とする熱画像の処理方法。
  2. 【請求項2】 マトリックス型赤外線センサで測定され
    た熱画像の各マトリックス要素の温度データと所定の基
    準温度との差に基づいて測定対象物への日射の有無を判
    断し、各マトリックス要素を日射の有無により区別して
    成る熱画像の日射パターンを作成し、上記日射パターン
    の日射有と判定された各マトリックス要素の温度データ
    の平均と所定の基準温度との差に基づいて測定対象物へ
    の日射の強度を推定し、上記推定された日射の強度と熱
    画像の背景温度とに基づいて雰囲気温度を推定すること
    を特徴とする熱画像の処理方法。
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Cited By (10)

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