JPH09307380A - Agc機能を備えた無線通信装置 - Google Patents

Agc機能を備えた無線通信装置

Info

Publication number
JPH09307380A
JPH09307380A JP11767096A JP11767096A JPH09307380A JP H09307380 A JPH09307380 A JP H09307380A JP 11767096 A JP11767096 A JP 11767096A JP 11767096 A JP11767096 A JP 11767096A JP H09307380 A JPH09307380 A JP H09307380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
symbol
average power
information
received signal
transmission information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11767096A
Other languages
English (en)
Inventor
Miyuki Ogura
みゆき 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP11767096A priority Critical patent/JPH09307380A/ja
Publication of JPH09307380A publication Critical patent/JPH09307380A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)
  • Circuits Of Receivers In General (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変調に起因する振幅変動成分には応答せず、
かつ高速フェージングによる振幅変動には十分高速に追
従するようにして良好な受信特性を保持する。 【解決手段】 ベースバンドの受信信号をADC13,
14で1シンボル当り複数回サンプリングしてディジタ
ル信号に変換し、電力検出器16でこのディジタル受信
信号から各サンプルごとの瞬時電力値を検出したのち、
この瞬時電力値を1シンボル分平均化回路17で加算し
てシンボル間平均電力rs を算出する。また検波器18
で上記ディジタル受信信号を検波して1シンボルごとの
伝送情報を再生し、この伝送情報に対応する補正電力値
eを記憶回路19から読出して、上記シンボル間平均電
力rs からこの補正電力値eを引き算し、その差分信号
を可変利得増幅器11,12にフィードバックして利得
制御するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル移動通信シ
ステムに用いる無線通信装置に係わり、特に受信信号レ
ベルを可変制御するための自動利得制御(以後AGC;
Automatic gain controlと称する)機能を備えた装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムで使用する無線通信装
置では、フェージングなどの影響により無線信号の受信
電界強度が数10dBの範囲で変動する。このため、こ
の種の装置の受信系には、受信電界強度によらず良好な
受信感度を維持するために、AGC回路が必要である。
【0003】図10は従来より使用されているAGC回
路の構成の一例を示したものである。同図において、例
えば図示しない無線回路から出力された中間周波帯の受
信信号は、可変利得増幅器41で電圧レベルが調整され
たのち二分岐されて直交検波用の乗算器42,43に入
力される。これらの乗算器42,43では、それぞれ上
記入力された中間周波帯の受信信号IFI ,IFQ と、
局部発振器44およびπ/2移相器45により生成され
た位相が互いにπ/2異なる局部発振信号との乗算が行
なわれ、これによりベースバンドの受信信号が得られ
る。これらのベースバンドの受信信号は、それぞれ低域
通過フィルタ46,47で不要波成分が除去されたのち
可変利得増幅器48,49に入力され、ここで電圧レベ
ルが制御されたのち電力検出回路50に入力される。電
力検出回路50は、上記入力されたベースバンドの受信
信号BBI ,BBQ の受信電力を検出し、その検出値に
応じて利得制御信号GCを生成して上記各可変利得増幅
器41,48,49の利得を可変制御する。
【0004】すなわち、このAGC回路では、受信信号
の電力検出がべ一スバンド帯で行なわれ、その検出結果
を中間周波数帯およびベースバンド帯にそれぞれ設けら
れた可変利得増幅器41,48,49にフィードバック
することにより受信信号の利得制御が行なわれる。この
ような構成では、べ一スバンド帯で電力検出が行なわれ
るので、電力検出をディジタル信号処理により容易に行
なうことができ、これにより回路構成の小形化および低
消費電力化が可能である。
【0005】図11は上記電力検出回路50の構成の一
例を示したものである。同図において、ベースバンドの
受信信号BBI ,BBQ は、アナログ/ディジタル変換
器(ADC)51,52により1シンボル当たり複数回
サンプリングされてデジタル信号となり電力検出器53
に入力される。電力検出器53は、デジタル化されたベ
ースバンド受信信号BBI ,BBQ を用いてBBI 2
BBQ 2 演算を行なうことにより瞬時の信号電力を得
る。この検出された信号電力BBI 2 +BBQ 2は差分
回路54に人力され、ここで基準値r0 との差が検出さ
れる。そして、この検出された差分値は平均化回路55
で平均化され、これにより利得制御信号GCとなって前
記可変利得制御増幅器48,49に供給される。ここ
で、基準値r0 はAGC回路の目標値に設定される。こ
のため、検出された差分値はそのまま利得制御相当値と
なる。
【0006】ところで、一般に上記利得制御相当値に
は、フェージング等により引き起こされる、伝送速度に
比べ低速に変化するレベル変動に加え、信号自身の持つ
振幅変動成分が含まれる。このうち後者の振幅変動は信
号の変調に起因するものであり、その変動速度は伝送速
度程度である。
【0007】例えば、PHSシステムで用いられるπ/
4 シフトQPSK(π/4 Shiftedencoded quadrature
phase shift keying)方式では、この変調に起因する
ダイナミックレンジは電力換算して14dB程度あるこ
とが知られている。図12にAGCのかかったπ/4シ
フトQPSK信号のリサージュを示す。AGC回路が変
調に起因する振幅変動成分に応答しない場合には、図1
2(a)に示すように信号点(1) から信号点(2) に信号
点が遷移するときの信号軌跡は波形歪みの少ないものと
なる。これに対しAGC回路が変調に起因する振幅変動
成分に応答する場合には、図12(b)に示すように信
号軌跡に波形歪が生じる。
【0008】すなわち、図10に示したAGC回路にお
いて良好な受信特性を得るために必要なことは、AGC
の応答がフェージング等によるレベル変動には応答する
が、信号自身が持つ振幅変動成分には応答しないように
することである。
【0009】そこで従来のAGC回路では、図10に示
したように電力検出回路50に平均化回路55が備えら
れている。この平均化回路55は、検出した信号電力値
と目標値r0 との差分値を一定時間ごとに平均化するも
ので、これにより変調成分の抑圧効果を得ている。平均
化回路55は、例えば累積加算処理部や低域通過フィル
タ部とで構成される。変調成分抑圧のためには、累積加
算の加算時間はできるだけ長くし、低域通過フィルタの
帯域幅は小さくすることが望ましい。しかし、このよう
に設定すると、AGCの応答速度が遅くなるという別の
間題が発生してしまう。このAGC応答速度の遅れは、
高速フェージングに対し追従できなくなり移動通信にあ
っては非常に好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様に従来のAGC
回路では、受信信号に含まれる変調に起因する振幅変動
成分にAGCが応答しないように構成すると、AGCの
応答速度が遅くなって高速フェージングなどに起因する
振幅変動を抑圧し切れなくなり、反対に高速フェージン
グなどに起因する振幅変動を十分に抑圧しようとする
と、変調に起因する振幅変動成分にAGCが応答して利
得制御誤差が増加するという問題点がある。
【0011】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、変調に起因する振幅変
動成分には応答せず、高速フェージングなどに起因する
振幅変動には十分高速に追従するようにし、これにより
良好な受信特性を得ることができるAGC機能を備えた
無線通信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、次のような手段を講じたものである。す
なわち、受信信号に含まれるレベル変動には、フェージ
ング等により引き起こされる第1のレベル変動成分と、
変調により信号自身の持つ伝送速度程度で変動する第2
のレベル変動成分とがあり、このうち後者の第2のレベ
ル変動成分は伝送情報の符号パターンに応じて固定的に
定まる。
【0013】この発明はこの点に着目し、ベースバンド
帯の受信信号をその各シンボルごとに複数回サンプリン
グしてディジタル受信信号とし、このディジタル受信信
号からその各サンプルごとの瞬時電力値を検出してこれ
らの瞬時電力検出値をシンボル単位で平均してシンボル
間平均電力情報を求めるとともに、上記ディジタル受信
信号を検波して伝送情報系列を再生し、この再生された
伝送情報系列の符号パターンに応じて固定的に定まる所
定の補正情報を発生する。そして、この補正情報を基に
上記シンボル間平均電力情報を補正して複数のシンボル
期間に亘る平均電力情報を推定し、この推定平均電力情
報を基に高周波もしくは中間周波帯の受信信号およびベ
ースバンド帯の受信信号のうちの少なくとも一方の信号
レベルを可変制御するようにしたものである。
【0014】この結果本発明によれば、シンボル間平均
電力情報に含まれる上記第2のレベル変動成分は、上記
補正情報によって相殺されることになる。したがって、
上記第2のレベル変動成分は含まず、フェージング等に
より引き起こされる第1のレベル変動成分には追従する
平均電力を得ることが可能となる。このため、この平均
電力情報を基に受信信号レベルの可変制御を行なえば、
変調によるレベル変動成分には応答せずに、高速フェー
ジングに対しては十分に追従してそのレベル変動を抑圧
できるAGCを実現できる。
【0015】またこの発明は、上記補正情報の発生のた
めに、伝送情報系列の複数の符号パターンに各々対応す
る複数の補正情報を予め記憶した記憶手段を設け、検波
再生された伝送情報系列の符号パターンに対応する補正
情報を上記記憶手段から読み出すことを特徴としてい
る。
【0016】このように構成することで、演算処理を行
なうことなく、記憶手段をアクセスするだけの極めて簡
単な手法により、補正情報を発生することができる。さ
らにこの発明は、シンボル間平均電力算出手段におい
て、瞬時電力検出手段で検出された瞬時電力を単位シン
ボルごとに順次累積加算することによりシンボル間平均
電力を求めることも特徴としている。
【0017】このように構成することで、瞬時電力検出
手段から瞬時電力値が出力されるごとにこの瞬時電力値
は順次累積加算されるので、単位シンボル分の複数の瞬
時電力値を記憶保持したのち加算合成する場合に比べ
て、回路規模を小形化することが可能である。
【0018】さらにこの発明は、レベル可変制御手段
に、平均電力推定手段により得られた推定平均電力情報
に含まれる推定誤差成分を除去するループフィルタを備
え、このループフィルタを通した後の推定平均電力情報
を基に受信信号レベルを可変制御することを特徴として
いる。
【0019】このようにすることで、フェージングなど
による受信電界強度の劣化の影響やや受信機内の歪みの
影響により平均電力情報の推定誤差が増加した場合で
も、この推定誤差に相当する雑音成分をループフィルタ
により抑圧することができ、これにより利得制御誤差を
少なく抑えて精度の良いAGCを提供することができ
る。
【0020】またこの場合、ループフィルタに通過帯域
特性の可変機能を持たせ、受信信号のS/Nに応じてこ
の通過帯域特性を適応的に可変設定するとよい。このよ
うにすると、受信信号の品質が良好なときにはループフ
ィルタの通過帯域を広くしてAGCのループ遅延を極力
低減し、一方受信信号の品質が劣化したときにはループ
フィルタの通過帯域を適切な幅に狭く設定してこれによ
り雑音抑圧効果を高めるようにすることができる。
【0021】さらにこの発明は、符号間干渉や受信機の
歪みなどにより生じる受信品質の低下を検出する受信品
質検出手段と、この受信品質検出手段の検出結果に応じ
て選択動作を行なう選択手段とを新たに備え、この選択
手段において、受信品質検出手段で受信品質が所定のレ
ベル以上であることが検出されているときには平均電力
推定手段で得られた推定平均電力情報を選択出力し、一
方受信品質が上記所定のレベル未満に低下したことが検
出されたときには上記推定平均電力情報の代わりに瞬時
電力検出手段で検出された瞬時電力値を選択出力するよ
うにし、この選択手段により選択出力された推定平均電
力情報および瞬時電力値を基に受信信号のレベルを可変
制御することを特徴としている。
【0022】このように構成することで、受信品質が比
較的良好な状態では、推定平均電力情報が選択されてこ
の情報を基にAGCが行なわれるので、変調による振幅
変動成分を除去して高精度のAGCを行なうことができ
る。一方、マルチパスフェージングなどの影響により符
号間干渉が発生したり、また受信機の歪みの影響を強く
受けることで受信品質が著しく劣化した状態では、瞬時
電力値が選択されてこの瞬時電力値を基にAGCが行な
われるので、符号間干渉による平均電力の推定誤りによ
ってAGCが誤動作しないようにすることができる。
【0023】またその際、レベル可変手段に、通過帯域
特性を可変する機能を有するループフィルタを設け、選
択手段により推定平均電力情報が選択出力されていると
きにはループフィルタの通過帯域幅を所定幅よりも広く
設定し、一方選択手段により瞬時電力値が出力されてい
るときにはループフィルタの通過帯域幅を上記所定幅よ
りも狭く設定するとよい。
【0024】このようにすると、符号間干渉等が発生し
ている場合のように受信品質が著しく劣化している状態
では、このとき選択されている瞬時電力値に含まれる変
調による振幅変動成分がループフィルタで抑圧されるの
で、符号間干渉等が発生しているような状況下でも比較
的安定なAGCを行なうことが可能となる。
【0025】さらにこの発明は、補正情報発生手段に、
伝送情報再生手段により再生された各シンボルの伝送情
報を複数シンボル分保持する伝送情報保持手段を備え、
現シンボルの伝送情報と、上記伝送情報保持手段に保持
されている過去のシンボルの伝送情報とに基づいて、最
適な補正情報を発生することを特徴としている。
【0026】このように構成することで、補正情報は、
現シンボルにおける伝送情報だけでなく、過去のシンボ
ルにおける伝送情報をも考慮されて選択される。ここ
で、平均電力値に対する振幅変動成分は、厳密には現シ
ンボルの伝送情報が同一の場合であっても、過去の数シ
ンボルに伝送された情報が異なれば異なる値をとりう
る。したがって、上記したように現シンボルの伝送情報
に加え過去のシンボルの伝送情報も考慮して補正値を選
択すれば、常に推定誤差の少ない高精度の平均電力推定
を行なうことができ、これによりさらに正確なAGCを
行なうことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、この発明の第1の実施形態
に係わるAGC機能付き無線通信装置の要部構成を示す
回路ブロック図である。
【0028】図示しない直交検波回路から低域通過フィ
ルタを介して出力されたベースバンドの受信信号BBI
,BBQ は、それぞれ可変利得増幅器11,12でレ
ベル制御されたのちアナログ/ディジタル変換器(AD
C)13,14に入力される。これらのADC13,1
4では、上記ベースバンドの受信信号BBI ,BBQ
を、クロック発生器15から発生されたサンプリングク
ロックに同期して1シンボル当たり複数回サンプリング
するための処理が行なわれる。そして、これにより得ら
れたディジタル受信信号は、二分岐されたのち一方が電
力検出器16に、他方が検波器18にそれぞれ入力され
る。
【0029】電力検出器16は、デジタル受信信号の各
サンプルごとにBBI 2 +BBQ 2演算をそれぞれ行な
い、これにより瞬時電力ri を算出する。この算出され
た各サンプルごとの瞬時電力ri は平均化回路17に入
力される。平均化回路17は、シフトレジスタ17aと
加算器17bとから構成される。そして、上記電力検出
器16から出力された瞬時電力ri をシフトレジスタ1
7aに順次シフト入力し、1シンボル分が入力されるご
とにこれら1シンボル分の瞬時電力ri を加算器17b
で加算してその加算結果をシンボル間平均電力rs とし
て出力する。すなわち、平均化回路17では、 rs =Σi (i=1,2,…,m) ri なる演算が行なわれる。ただし、mは1シンボル当たり
のサンプル数である。
【0030】なお、図1には示していないが、平均化回
路17の出力段にサンプリング回路を設け、タイミング
再生されたシンボルレートクロックにより加算器17b
の加算出力をサンプリングすることにより一定時間保持
するようにしてもよい。
【0031】一方検波器18は、同期検波器または遅延
検波器からなり、上記ディジタル受信信号を1シンボル
ごとに検波してその伝送情報系列を再生する。そして、
この再生した伝送情報系列を記憶回路19に読出しアド
レスとして供給する。記憶回路19には、伝送情報系列
のすべての符号パターンに各々対応付けて、この符号パ
ターンに対応する補正電力情報eが予め格納してある。
補正電力情報eは、各符号パターンのときのシンボル平
均電力値と所定の平均電力値との相対値であり、この相
対値は変調方式、送受フィルタの特性、および伝送符号
パターンにより定まる固有の値である。記憶回路19
は、上記検波器18から供給された符号パターンに対応
する補正電力情報eを読み出し、差分回路20に入力す
る。
【0032】差分回路20は、上記平均化回路17から
出力されたシンボル間平均電力riと上記記憶回路19
から読み出された補正電力情報eとの差分を検出し、そ
の差分値(rs −e)を受信信号の推定平均電力値と
して出力する。この推定平均電力値(rs −e)は各可
変利得増幅器11,12の利得制御端子に供給される。
可変利得増幅器11,12は、利得制御端子に供給され
た上記推定平均電力値(rs −e)と予め与えられてい
る基準値との差を求め、この差が減少する方向に利得値
を制御する。
【0033】このような構成であるから、無線信号の受
信が開始されると、この無線信号は図示しない無線回路
および直交検波器で受信されかつ周波数変換されてベー
スバンドの受信信号BBI ,BBQ となり、ADC1
3,14に入力される。そして、このベースバンドの受
信信号BBI ,BBQ は、ADC13,14で各シンボ
ルごとに複数回サンプリングされてディジタル信号に変
換されたのち、電力検出器16に入力される。電力検出
器16では、上記ディジタル受信信号を各サンプルごと
にBBI 2 +BBQ 2 演算することにより瞬時電力ri
が検出され、これらの瞬時電力ri は平均化回路17で
1シンボル分づつ加算されてシンボル間平均電力値rs
となって差分回路20に入力される。
【0034】また、このシンボル間平均電力rs の検出
動作と並行して、検波器18では上記ディジタル受信信
号がシンボルごとに検波されて伝送情報が再生される。
そして、この再生された伝送情報の符号パターンに対応
した補正電力値eが記憶回路19から読み出され、上記
差分回路20に供給される。このため、差分回路20で
は、上記シンボル間平均電力値rs から上記補正電力値
eが差し引かれ、これにより受信信号の平均電力値が推
定される。
【0035】このとき、上記補正電力値eは受信信号自
身に含まれる振幅変動成分を打ち消すために各伝送符号
パターンごとに予め用意されたものである。したがっ
て、この補正電力値eをシンボル平均電力値rs から差
し引くことで、シンボル平均電力値rs から上記受信信
号自身に含まれる振幅変動成分が消去され、これにより
フェージング等の外的要因による振幅変動成分のみを含
み、変調に起因する信号自身の振幅変動成分を含まない
受信平均電力値が得られる。すなわち、複数のシンボル
期間に亘って平均をとることで得られる受信平均電力値
と等価な平均電力値が、各シンボル期間ごとに得られ
る。
【0036】そして、この差分回路20で得られた受信
平均電力値(rs −e)は、可変利得増幅器11,12
に供給される。可変利得増幅器11,12では、この受
信平均電力値(rs −e)と予め設定してある基準値と
の差分値が求められ、この差分値が小さくなる方向に利
得の可変制御が行なわれる。
【0037】図2は以上述べた平均電力検出動作の具体
例を説明するためのもので、1シンボル期間Ts に1ビ
ットの符号が伝送され、かつADC13,14では各シ
ンボルごとにm=4回のサンプリングが行なわれる場合
を示している。
【0038】電力検出器16では、ADC13,14に
よりサンプリングされた各ディジタル受信信号の瞬時電
力値ri が図2(a)に示すように検出される。そし
て、これらの瞬時電力値ri は各シンボル期間Ts ごと
に平均化回路17で相互に加算されて図2(b)に示す
ようなシンボル間平均電力値rS となる。例えば、シン
ボル間平均電力値r1 は、時刻t1 から時刻t2 までの
シンボル期間に検出された4サンプル分の瞬時電力値の
総和として求められる。同様に、ビット2からビット5
までの各シンボル期間においても、4サンプル分の瞬時
電力値の総和としてシンボル間平均電力値が求められ
る。
【0039】ところで、ビット1からビット5までのシ
ンボル間平均電力値の平均値をPとし、この平均値Pに
対する各シンボル間平均電力値の相対値を求めると、図
2(c)のようになる。例えば、シンボル1におけるシ
ンボル間平均電力値r1 と平均値Pとの相対値は、e1
となる。図2(c)に示したように、個々のシンボル間
平均電力は十分長い時間で平均化された電力、つまり受
信信号の平均電力に対してばらつく性質がある。そし
て、このシンボル間平均電力と平均電力との相対値は、
伝送情報の符号パターンによる固有値となる。
【0040】本実施形態の回路では、この固有値が補正
電力値eとして伝送情報の符号パターンに対応付けて記
憶回路19に予め記憶されている。そして、検波器18
で検波再生された伝送符号パターンに対応する補正電力
値eが上記記憶回路19から読み出され、差分回路20
においてシンボル間平均電力値ri から引き算される。
この引き算により、上記シンボル間平均電力のばらつき
がキャンセルされ、これにより十分長い時間で平均化さ
れた平均電力と等価な推定平均電力が得られる。したが
って、この推定平均電力を用いてAGCを行なえば、上
記シンボル間平均電力のばらつき、つまり変調により伝
送速度程度で変動する振幅レベルの変動成分に応答せ
ず、これにより利得制御誤差の少ないAGCを行ない得
る。
【0041】以上のようにこの実施形態では、ベースバ
ンドの受信信号をADC13,14で1シンボル当り複
数回サンプリングしてディジタル信号に変換し、電力検
出器16でこのディジタル受信信号から各サンプリング
タイミングごとの瞬時電力値を検出してこれを平均化回
路17で1シンボルごとに加算することによりシンボル
間平均電力rs を算出し、かつ検波器18で上記ディジ
タル受信信号を検波して1シンボルごとの伝送符号パタ
ーンを再生し、この伝送符号パターンに対応する補正電
力値eを記憶回路19から読出す。そして、上記シンボ
ル間平均電力rs から上記補正電力値eを差し引き、そ
の差分信号を可変利得増幅器11,12にフィードバッ
クして利得制御を行なうようにしている。
【0042】このため、本実施形態によれば、シンボル
間平均電力値rs から信号自身の振幅変動成分を表わす
補正電力値eを差し引くことにより、1シンボル周期と
いう短い周期でありながら、複数のシンボル期間に亘っ
て平均をとる場合のように十分に長い期間で平均化する
ことにより得られる受信平均電力値と等価な平均電力値
が得られる。したがって、この平均電力値を可変利得増
幅器11,12にフィードバックしてその利得制御を行
なうことにより、変調に起因する振幅変動成分には応答
せず、かつ高速フェージングなどに起因する振幅変動に
対しては十分に応答したAGCを実現することができ
る。このため、AGC後の受信信号のC/Nは高められ
かつ高速フェージングの影響は低減されて、これにより
良好な受信特性を保持することができる。
【0043】(第2の実施形態)図3は、この発明の第
2の実施形態に係わるAGC機能付き無線通信装置の要
部構成を示す回路ブロック図である。なお、同図におい
て前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明
は省略する。
【0044】この第2の実施形態では、平均化回路22
として累積加算形式の回路を使用している。図4はその
構成の一例を示すもので、加算器22aと記憶回路22
bとから構成される。加算器22aは、電力検出器16
から瞬時電力値が出力されるごとに、この新たに出力さ
れた瞬時電力値を記憶回路22bに記憶されている1サ
ンプルタイミング前までの累積加算値に加算する。
【0045】記憶回路22bは、例えばフリップフロッ
プまたはラッチ回路により構成され、1シンボル周期で
リセット信号が入力されるごとに動作を開始し、以後ク
ロック発生器15から発生されるサンプリングクロック
に同期して、加算器22aから新たな累積加算値が出力
されるごとにそれまで記憶していた古い累積加算値をこ
の新たな累積加算値に更新し、この新たな累積加算値を
次サンプルタイミングにおける累積加算のために上記加
算器22aに供給する。そして、次のリセット信号が入
力されるまで上記動作を繰り返し、リセット信号が入力
される直前の累積加算値をシンボル間平均電力値rs と
して差分回路20へ出力する。
【0046】またこの実施形態では、上記差分回路20
から出力されたシンボル間平均電力rs と補正電力値e
との差分値、つまり推定平均電力値を差分回路21に入
力し、この差分回路21で上記差分値と目標値としての
基準値r0 との誤差を求める。そして、その誤差信号を
可変利得増幅器11′,12′にフィードバックして、
その利得を可変制御している。
【0047】このような構成であれば、累積加算方式で
あるため前記第1の実施形態の平均化回路17に比べて
平均化回路22の回路構成を小規模なものにすることが
できる。また、差分回路20から出力された推定平均電
力値と基準値r0 との誤差を差分回路21で求めてその
誤差信号を可変利得増幅器11′,12′にフィードバ
ックしているので、可変利得増幅器11′,12′にお
いて推定平均電力値と基準値との差分演算を行なう必要
がなくなり、これにより汎用の可変利得増幅器を使用す
ることが可能となる。
【0048】(第3の実施形態)無線信号がマルチパス
などにより外部からの干渉を強く受ける場合や、受信機
内の歪みの影響が大きい場合、さらには無線信号の受信
電界強度が小さく受信機内の熱雑音の影響を強く受ける
場合では、推定平均電力の推定誤りが大きくなると予測
される。このような場合には、推定平均電力の推定誤り
を抑圧する必要がある。
【0049】そこで第3の実施形態では、以下のように
して推定誤りによる雑音成分を抑圧するようにしてい
る。図5は、この第3の実施形態に係わるAGC機能付
き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図であ
る。なお、同図において前記図3と同一部分には同一符
号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】図5において、差分回路20から出力され
た推定平均電力値は、差分回路21で基準値r0 との誤
差が求められたのち、その誤差信号はループフィルタ2
3を介して可変利得増幅器11′,12′にフィードバ
ックされるようになっている。このため、上記したよう
な種々の原因によって推定平均電力に推定誤りが発生し
ても、この推定誤りによる雑音成分は可変利得増幅器1
1′,12′にフィードバックされる際に上記ループフ
ィルタ23で抑圧される。このため、上記推定誤りによ
る利得制御誤差は低減され、これにより良好な受信品質
を保つことができる。
【0051】なお、十分な雑音抑圧効果を得るにはルー
プフィルタ23の帯域を十分に狭くすることが一般的で
あり、そうするとAGCの応答速度が遅くなる。しか
し、この発明の各実施形態では、予め各サンプリングご
との瞬時電力ri を1シンボル分加算してシンボル間平
均電力rs を求め、さらにこのシンボル間平均電力rs
から補正電力情報eを差し引くことによりAGCのため
の制御信号を得ているので、すでにこれらの過程で変調
成分の抑圧効果が十分期待できる。このため、ループフ
ィルタの帯域が広くても十分な雑音抑圧効果を得ること
ができ、これによりAGCループにあって高速度の応答
性を確保することができる。
【0052】(第4の実施形態)無線信号がマルチパス
フェージングによる符号間干渉の影響を受けるような場
合や、受信機内の歪みの影響を強く受ける場合には、平
均電力の推定精度が大きく劣化すると予測される。この
場合には、第3の実施形態で述べたようなループフィル
タ23による雑音抑圧だけでは、十分な利得制御精度を
得ることが困難である。
【0053】そこで、第4の実施形態では次のような対
策を講じている。すなわち、先に述べたように無線信号
がマルチパスフェージングによる符号間干渉の影響を受
けるような場合や、受信機内の歪みの影響を強く受ける
場合には、一般に検波特性が劣化する。このため、検波
器18の出力信号を監視することにより検波特性の劣化
を検出し、所定量以上の符号誤りが検出されたならば、
差分回路20により得られる推定平均電力(rs −e)
に代わって電力検出器16により検出された瞬時電力r
i を選択し、この瞬時電力ri と基準時r0 との誤差信
号を可変利得増幅器11′,12′にフィードバックす
ればよい。
【0054】図6はこの第4の実施形態に係わるAGC
機能付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図
である。なお、同図において前記図5と同一部分には同
一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0055】図6において、検波器18の検波出力は記
憶回路19にアドレス入力されるとともに、干渉検出器
24にも入力される。この干渉検出器24は、既知信号
系列中の符号誤りを検出し、符号誤りが検出された場合
にその既知信号を不検出とする。そして、所定の通信期
間中に既知信号の不検出が複数回生じた場合に、干渉が
発生したと判定して切替信号を選択回路25へ出力す
る。
【0056】選択回路25は差分回路20,21間に介
挿されている。選択回路25は、上記干渉検出器24か
ら切替信号が出力されていないときには差分回路20か
ら出力された推定平均電力値を選択出力し、一方切替信
号が出力されたときには上記推定平均電力値に代わって
電力検出器16から出力された瞬時電力値ri を選択出
力する。
【0057】このような構成であるから、無線伝送路の
品質が比較的良好で干渉が発生していない状態では、干
渉検出回路24からは切替信号が出力されない。したが
ってこの状態では、選択回路25において差分回路20
から出力された推定平均電力値が選択される。このた
め、上記推定平均電力値と基準値r0 との誤差信号が、
ループフィルタ23を介して可変利得増幅器11′,1
2′にフィードバックされ、これにより利得制御が行な
われる。したがって、前記各実施形態で述べたように、
変調による振幅変動成分がキャンセルされた推定平均電
力値に応じてAGCが行なわれることになり、これによ
り変調による振幅変動成分には応答せず、かつ高速フェ
ージングなどに起因する振幅変動に対しては十分に応答
することができるAGCを実現できる。
【0058】これに対し、例えばマルチパスフェージン
グの多発により符号間干渉が増大したとする。そうする
と、所定期間内に既知信号が複数回不検出となった時点
で干渉検出器24から切替信号が出力される。このた
め、選択回路25では、それまで選択されていた推定平
均電力値に代わって電力検出器16から出力された瞬時
電力値ri が選択される。そして、この瞬時電力値ri
と基準値r0 との誤差信号が、ループフィルタ23を介
して可変利得増幅器11′,12′にフィードバックさ
れ、利得制御が行なわれる。したがって、この場合には
推定平均電力値がAGCに使用されないので、符号間干
渉による平均電力値の推定誤りによってAGCが誤動作
しないようにすることができ、これにより安定性の高い
AGCを実現できる。
【0059】ただし、この場合には、瞬時電力値ri に
含まれる変調による振幅変動成分がAGCに悪影響を及
ぼす虞れがある。しかし、ループフィルタ23の抑圧帯
域幅をできる限り狭くなるように設定することで、上記
変調による振幅変動成分を抑圧することは可能である。
【0060】なお、マルチパスフェージングによる符号
間干渉の検出には、符号誤りの検出とともに、受信信号
レベル(RSSI)を同時に観察すると都合がよい。こ
の場合の干渉検出器24の動作は次のようになる。RS
SIが良好な品質で通信を行なうに必要な値であるのに
符号誤りが増加するとき、干渉が検出されたと判断し
て、切替信号を選択回路25へ出力する。RSSI情報
は通常、無線機内で検出されることになっているため、
これを利用すればよい。
【0061】符号誤りの検出にRSSI情報を組み合わ
せて用いることにより、受信感度付近での雑音による符
号誤りと、符号間干渉や強入力による波形歪みで生じる
符号誤りとが区別でき、これにより干渉検出器における
誤動作を低減して、本発明による効果が期待できる。
【0062】(第5の実施形態)この発明の第5の実施
形態は、シンボル間平均電力値を補正するための補正電
力情報を発生する際に、同一の伝送符号パターンに対応
づけて複数の補正電力情報を用意し、過去に検出された
伝送符号パターンに基づいて上記複数の補正電力情報の
中から最も適当な補正電力情報を選択し、この選択した
補正電力情報を基にシンボル間平均電力値を補正して推
定平均電力情報を得るようにしたものである。
【0063】例えば、複素平面上で現在の位相と1シン
ボル前の位相との差分に情報を載せて伝送を行なうシス
テムでは、すでに述べたようにシンボル間平均電力値が
伝送情報によって変化する。図7を用いてその様子を説
明する。なお、同図では黒丸間で位相遷移がなされるも
のとし、黒丸と原点との距離の二乗を信号の包絡線の平
均電力としその大きさを“1”としている。
【0064】例えば、伝送される情報が+π/4(Aか
らBへの位相遷移)の場合と、+3π/4(AからCへ
の位相遷移)の場合の各々について、シンボル間平均電
力値を求めると次のようになる。すなわち、図7の直線
A−BおよびA−Cをそれぞれ等間隔で複数回サンプリ
ングしたのち、各々のサンプル点での原点からの長さの
二乗和を求めると、これがシンボル間平均電力となる。
このシンボル間平均電力の値は、1シンボル当たり5サ
ンプルとすると、例えば図8に示すようにそれぞれ0.
95,0.37となり、d@Zxek包絡線の平均電力
に対してそれぞれ−0.2dB,−4.3dBの誤差が
ある。
【0065】この発明では、受信信号の平均電力を推定
する場合、すでに述べたように電力検出器16および平
均化回路22を用いてシンボル間平均電力を検出し、か
つ検波器18で伝送情報を検波再生してこの伝送情報を
用いて平均電力の推定を行なう。例えば、いま検出され
たシンボル間平均電力値から推定される受信信号の平均
電力が70dBμV、検波器18で検出された伝送情報
が+3π/4だったとすると、このときの受信平均電力
はおよそ74.3dBμVと推定される。しかし、一般
に図8に示したシンボル間平均電力値は、同一情報であ
っても、帯域制限フィルタの特性と過去に伝送された情
報によってある程度ばらつきを持っている。
【0066】そこで、検出したシンボル間平均電力値を
補正する場合には、同一伝送情報内で想定される複数の
補正値の平均をとり、この平均値をその伝送情報におけ
る補正値として用いるとよい。また、同一伝送情報に対
応する補正値を複数用意し、これらの補正値の中から過
去に検出された数シンボル分の情報系列をもとに、最も
適当な補正値を選択して現伝送情報における電力補正値
とし、平均電力の推定を行なうようにするとよい。
【0067】図9は、この発明の第5の実施形態に係わ
るAGC機能付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブ
ロック図である。なお、同図において前記図3と同一部
分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0068】この実施形態は、補正電力値を発生するた
めの回路として、検波器18、記憶回路26およびシフ
トレジスタ27を有している。このうちシフトレジスタ
27は、3個のレジスタを直列接続したもので、シンボ
ルレートのクロックに同期して、検波器18から出力さ
れた伝送情報を取り込んだのち順次次なるレジスタに移
す。記憶回路26には、定められた長さにおいてとりう
るすべての伝送情報系列に対応した誤差電力情報が予め
記憶してある。記憶回路26は、各シンボルごとに、検
波器18から出力された現シンボルの検波情報と、シフ
トレジスタ27の各レジスタから出力された過去の複数
のシンボルにおける検波情報とを基に、最適な補正電力
情報を選択して読み出す。
【0069】このような構成であるから、シンボル間平
均電力値rs を補正するための補正電力情報eは、現シ
ンボルにおける検波情報だけでなく、過去の3シンボル
における検波情報をも考慮されて選択される。ここで、
平均電力値に対する振幅変動成分は、厳密には現シンボ
ルの伝送情報が同一の場合であっても、過去の数シンボ
ルに伝送された情報が異なれば異なる値をとりうる。し
たがって、上記したように現シンボルの伝送情報に加え
過去3シンボルの伝送情報も考慮して補正電力値を選択
すれば、常に推定誤差の少ない高精度の平均電力推定を
行なうことができ、これによりさらに正確なAGCを行
なうことが可能となる。なお、本実施形態では説明の簡
単のためレジスタ数=3として説明したが、レジスタ数
は1個以上の任意の数でよい。
【0070】なお、この発明は上記各実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、上記各実施形態では補正電
力情報を発生するために専用の検波器18を設けたが、
伝送符号を復号再生するために装置にすでに設けられて
いる復調回路を兼用してもよい。このようにすれば、検
波器を1個不要にすることができ、これにより回路規模
の小形化を図ることが可能となる。
【0071】また前記各実施形態では、各シンボルごと
に補正電力情報を発生して平均電力の推定を行なうよう
にしたが、フェージングなどの影響による振幅変動が少
ない場合には複数シンボルごとに補正電力情報を発生し
て平均電力の推定を行なうようにしてもよい。
【0072】さらに前記各実施形態では、電力検出器1
6においてBBI 2 +BBQ 2 の演算により瞬時電力値
ri を算出するようにしたが、BBI かまたはBBQ の
いずれか一方の電圧値を電力値に代用させてもよい。ま
た平均化回路17,22では、1シンボル期間内の複数
の瞬時電力値の総和をそのままシンボル間平均電力値と
したが、1シンボル期間内の複数の瞬時電力値の総和を
1シンボル期間におけるサンプル数で割り算することに
より平均値を求め、この平均値をシンボル間平均電力値
としてもよい。
【0073】さらに前記各実施形態では、ベースバンド
帯に設けた可変利得増幅器11,12または11′,1
2′の利得のみを制御するようにしたが、それに加え中
間周波帯の可変利得増幅器の利得を制御してもよく、ま
たこの中間周波帯の可変利得増幅器の利得のみを制御す
るようにしてもよい。
【0074】また、前記第3および第4の各実施形態で
は、ループフィルタ23のフィルタ係数を固定値とした
が、受信信号のS/Nが所定値以下の場合には通過帯域
特性が予め設定した狭帯域となるようにし、受信信号の
S/Nが所定値よりも良好な場合には通過帯域特性が広
帯域になるように、フィルタ係数を切り替えるようにし
てもよい。さらに、受信信号のS/Nに応じてフィルタ
係数を適応的に可変制御するように構成してもよい。
【0075】さらに前記第4の実施形態では、検波器1
6の検波出力を干渉検出器24に入力して符号間干渉の
発生を検出し、その検出結果により選択回路25を制御
するようにしたが、他にアイパターンの収束点のばらつ
きの度合いやユニークワードの誤りの発生状態を監視
し、その監視結果により選択回路25を制御するように
してもよい。
【0076】さらに、第1乃至第5の各実施形態を適宜
組み合わせて任意の装置を構成することはこの発明の範
囲内であり、その他1シンボル期間におけるサンプリン
グ数や、瞬時電力検出手段、シンボル間平均電力算出手
段、伝送符号検波手段、補正情報発生手段、平均電力推
定手段およびレベル可変制御手段の構成およびその制御
内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施できる。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、ベー
スバンド帯の受信信号をその各シンボルごとに複数回サ
ンプリングしてディジタル受信信号とし、このディジタ
ル受信信号からその各サンプルごとの瞬時電力値を検出
してこれらの瞬時電力検出値をシンボル単位で平均して
シンボル間平均電力情報を求めるとともに、上記ディジ
タル受信信号を検波して伝送符号系列を再生し、この再
生された伝送符号系列の符号パターンに応じて固定的に
定まる所定の補正電力情報を発生する。そして、この補
正電力情報を基に上記シンボル間平均電力情報を補正し
て複数のシンボル期間に亘る平均電力情報を推定し、こ
の推定平均電力情報を基に高周波もしくは中間周波帯の
受信信号およびベースバンド帯の受信信号のうちの少な
くとも一方の信号レベルを可変制御するようにしてい
る。
【0078】したがってこの発明によれば、変調に起因
する振幅変動成分には応答せず、高速フェージングなど
に起因する振幅変動には十分高速に追従することがで
き、これにより良好な受信特性を得ることができるAG
C機能を備えた無線通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるAGC機能
付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した装置における平均電力検出動作の
具体例を説明するための図。
【図3】この発明の第2の実施形態に係わるAGC機能
付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図4】図3に示した平均化回路の構成を示す回路ブロ
ック図。
【図5】この発明の第3の実施形態に係わるAGC機能
付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図6】この発明の第4の実施形態に係わるAGC機能
付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図7】複素平面上における位相遷移の状態と任意の位
相点における平均電力を表わした図。
【図8】検出される情報によりシンボル間平均電力値が
異なることを説明するための図。
【図9】この発明の第5の実施形態に係わるAGC機能
付き無線通信装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図10】従来より使用されているAGC回路の構成の
一例を示した図。
【図11】電力検出回路の構成の一例を示した図。
【図12】π/4シフトQPSK信号軌跡のリサージュ
を示す図。
【符号の説明】
11,12,11′,12′…可変利得増幅器 13,14…アナログ/ディジタル変換器(ADC) 15…サンプリングクロック発生用のクロック発生器 16…電力検出器 17,22…平均化回路 18…検波器 19,26…記憶回路 20,21…差分回路 23…ループフィルタ 24…干渉検出器 25…選択回路 27…シフトレジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 7/005 H04B 7/005 7/26 7/26 C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波もしくは中間周波帯の受信信号を
    ベースバンド帯に周波数変換した後、このベースバンド
    帯の受信信号から受信電界強度を表わす情報を検出し、
    この検出情報を基に上記受信信号の信号レベルを可変制
    御するAGC機能を備えた無線通信装置において、 前記ベースバンド帯の受信信号をその各シンボルごとに
    複数回サンプリングしてディジタル受信信号を出力する
    ためのアナログ/ディジタル変換手段と、 このアナログ/ディジタル変換手段から出力されたディ
    ジタル受信信号からその各サンプルごとの瞬時電力値を
    検出するための瞬時電力検出手段と、 この瞬時電力検出手段により検出された瞬時電力値をシ
    ンボル単位で平均してシンボル間平均電力情報を得るた
    めのシンボル間平均電力算出手段と、 前記ディジタル受信信号を検波して伝送情報系列を再生
    するための伝送情報再生手段と、 この伝送情報再生手段により再生された伝送情報系列の
    符号パターンに応じて固定的に定まる所定の補正情報を
    出力するための補正情報発生手段と、 前記シンボル間平均電力算出手段により得られたシンボ
    ル間平均電力情報を前記補正電力発生手段から出力され
    た補正情報を基に補正して、複数のシンボル期間に亘る
    平均電力情報を推定するための平均電力推定手段と、 この平均電力推定手段により得られた推定平均電力情報
    を基に、前記高周波もしくは中間周波帯の受信信号およ
    び前記ベースバンド帯の受信信号のうちの少なくとも一
    方の信号レベルを可変制御するレベル可変制御手段とを
    具備したことを特徴とするAGC機能を備えた無線通信
    装置。
  2. 【請求項2】 補正情報発生手段は、伝送情報系列の複
    数の符号パターンに各々対応する複数の補正情報を予め
    記憶した記憶手段を有し、伝送情報再生手段により再生
    された伝送情報系列の符号パターンに対応する補正情報
    を前記記憶手段から読み出すものであることを特徴とす
    る請求項1記載のAGC機能を備えた無線通信装置。
  3. 【請求項3】 シンボル間平均電力算出手段は、瞬時電
    力検出手段により検出された瞬時電力を単位シンボルご
    とに順次累積加算することによりシンボル間平均電力を
    求めることを特徴とする請求項1記載のAGC機能を備
    えた無線通信装置。
  4. 【請求項4】 レベル可変制御手段は、平均電力推定手
    段により得られた推定平均電力情報に含まれる推定誤差
    成分を除去するループフィルタを備え、このループフィ
    ルタを通した後の推定平均電力情報を基に受信信号レベ
    ルを可変制御することを特徴とする請求項1記載のAG
    C機能を備えた無線通信装置。
  5. 【請求項5】 ループフィルタは、通過帯域特性を可変
    する手段を有し、受信信号の受信品質を表わす情報に応
    じて通過帯域特性を適応的に可変設定することを特徴と
    する請求項4記載のAGC機能を備えた無線通信装置。
  6. 【請求項6】 受信信号の受信品質を検出する受信品質
    検出手段と、 この受信品質検出手段により受信品質が所定のレベル以
    上であることが検出されているときには前記平均電力推
    定手段で得られた推定平均電力情報を選択出力し、一方
    受信品質が前記所定のレベル未満に低下したことが検出
    されたときには前記推定平均電力情報の代わりに前記瞬
    時電力検出手段で検出された瞬時電力値を選択出力する
    選択手段とを備え、 前記レベル可変手段は、この選択手段により選択出力さ
    れた前記推定平均電力情報および瞬時電力値を基に、受
    信信号のレベルを可変制御することを特徴とする請求項
    1記載のAGC機能を備えた無線通信装置。
  7. 【請求項7】 レベル可変手段は、通過帯域特性を可変
    する機能を有するループフィルタと、選択手段により推
    定平均電力情報が選択出力されているときにはループフ
    ィルタの通過帯域幅を所定幅よりも広く設定し、一方選
    択手段により瞬時電力値が出力されているときにはルー
    プフィルタの通過帯域幅を前記所定幅よりも狭く設定す
    る手段とを備えたことを特徴とする請求項6記載のAG
    C機能を備えた無線通信装置。
  8. 【請求項8】 補正情報発生手段は、伝送情報再生手段
    により再生された各シンボルの伝送情報を複数シンボル
    分保持する伝送情報保持手段を備え、現シンボルの伝送
    情報と、前記伝送情報保持手段に保持されている過去の
    シンボルの伝送情報とに基づいて、最適な補正情報を発
    生することを特徴とする請求項1記載のAGC機能を備
    えた無線通信装置。
JP11767096A 1996-05-13 1996-05-13 Agc機能を備えた無線通信装置 Pending JPH09307380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11767096A JPH09307380A (ja) 1996-05-13 1996-05-13 Agc機能を備えた無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11767096A JPH09307380A (ja) 1996-05-13 1996-05-13 Agc機能を備えた無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09307380A true JPH09307380A (ja) 1997-11-28

Family

ID=14717382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11767096A Pending JPH09307380A (ja) 1996-05-13 1996-05-13 Agc機能を備えた無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09307380A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284996A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd ゲイン制御装置
WO2002007402A1 (en) * 2000-07-17 2002-01-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Automatic gain control and wireless communication device
JP2002247121A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Mitsubishi Electric Corp 自動利得制御装置および復調器
JP2003536343A (ja) * 2000-06-19 2003-12-02 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド データネットワークに使用するためのプログラマブル利得増幅器
WO2005067174A1 (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 受信機及び送受信機
JP2005286806A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corp 自動利得制御装置および自動利得制御方法
WO2005112381A1 (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 無線通信装置及び復調方法及び周波数偏差補正回路
KR100679233B1 (ko) * 2004-12-10 2007-02-05 한국전자통신연구원 디지털 자동 이득 제어장치
JP2007266853A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Japan Radio Co Ltd 自動利得制御装置
JPWO2008072553A1 (ja) * 2006-12-15 2010-03-25 パナソニック株式会社 デジタルagc装置
JP2017212827A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 株式会社日立製作所 無線通信装置および発電システム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284996A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd ゲイン制御装置
JP2003536343A (ja) * 2000-06-19 2003-12-02 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド データネットワークに使用するためのプログラマブル利得増幅器
US7065164B1 (en) 2000-07-17 2006-06-20 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Automatic gain control and wireless communication device
WO2002007402A1 (en) * 2000-07-17 2002-01-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Automatic gain control and wireless communication device
JP2002247121A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Mitsubishi Electric Corp 自動利得制御装置および復調器
WO2005067174A1 (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 受信機及び送受信機
JP2005286806A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Nec Corp 自動利得制御装置および自動利得制御方法
WO2005112381A1 (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 無線通信装置及び復調方法及び周波数偏差補正回路
US8018914B2 (en) 2004-05-17 2011-09-13 Mitsubishi Electric Corporation Radio communication device, demodulation method, and frequency deflection correction circuit
KR100679233B1 (ko) * 2004-12-10 2007-02-05 한국전자통신연구원 디지털 자동 이득 제어장치
JP2007266853A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Japan Radio Co Ltd 自動利得制御装置
JPWO2008072553A1 (ja) * 2006-12-15 2010-03-25 パナソニック株式会社 デジタルagc装置
JP2017212827A (ja) * 2016-05-26 2017-11-30 株式会社日立製作所 無線通信装置および発電システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7130359B2 (en) Self calibrating receive path correction system in a receiver
US6498929B1 (en) Receiver having DC offset decreasing function and communication system using the same
JP3118548B2 (ja) ディジタル通信受信機用同期検波装置および同期方法
CA2051982C (en) Automatic gain control apparatus and method
US7676208B2 (en) Automatic gain control device having variable gain control interval and method thereof
CA2363400C (en) System and method for inverting automatic gain control (agc) and soft limiting
US7203476B2 (en) Method and apparatus for minimizing baseband offset error in a receiver
JP2007505515A (ja) 受信アンテナダイバーシティ切替えの方法および装置
US6853694B1 (en) Spatial diversity wireless communications (radio) receiver
JPH09321559A (ja) 自動利得制御回路
JPH0342925A (ja) 移動電話用の受信装置
JP2004336563A (ja) 無線受信装置および受信フィルタリング方法
JP3519291B2 (ja) Ofdm通信装置及び方法
JPH09307380A (ja) Agc機能を備えた無線通信装置
JP3715606B2 (ja) 無線通信機及びその制御方法
JP4452731B2 (ja) デジタル復調装置、その制御方法、プログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、及び、デジタル受信装置。
JP3454882B2 (ja) 無線受信装置
JP5466888B2 (ja) 無線通信装置
JP3586267B2 (ja) 自動利得制御回路
JP3576410B2 (ja) 受信装置と送受信装置及び方法
JP3575952B2 (ja) 直流オフセット除去機能を備えた受信機およびこれを用いた通信システム
JP2007267357A (ja) 利得制御受信機
JP3582929B2 (ja) Tdmaデータ受信装置
JPWO2014199600A1 (ja) 無線受信装置及び無線受信方法
JP3688395B2 (ja) Tdmaデータ受信装置