JPH08303484A - 湿式摩擦プレート - Google Patents

湿式摩擦プレート

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JPH08303484A
JPH08303484A JP7129275A JP12927595A JPH08303484A JP H08303484 A JPH08303484 A JP H08303484A JP 7129275 A JP7129275 A JP 7129275A JP 12927595 A JP12927595 A JP 12927595A JP H08303484 A JPH08303484 A JP H08303484A
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JP
Japan
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plate
friction
titanium
wet
separate
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Pending
Application number
JP7129275A
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English (en)
Inventor
Kota Maruyama
宏太 丸山
Wataru Yagi
渉 八木
Masuo Yamada
益雄 山田
Yasunobu Yamamoto
安信 山本
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い摩擦係数が得られる湿式摩擦プレートを
提供すること。 【構成】 油中で互いに係合しながら摺動回転する第1
プレート10及び第2プレート13とを有する。前記第
1プレート10が,金属板11と,該金属板11の両面
に形成された繊維基材とバインダとしての樹脂と摩擦調
整剤とを含有する紙質のライニング12とから構成され
ている。前記第2プレート13が,金属合金とチタンと
により構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,油中で使用される湿式
摩擦プレートに関するもので,特にオートマチック・ト
ランスミッション・フルードに適した摩擦プレートに関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来,この種の湿式摩擦プレートとして
は,例えば特開昭57−85876号公報に示されるも
のが知られている。これは,油中で互いに係合しながら
摺動回転する第1プレート及び第2プレートを有するも
のである。また,第1プレートは,S35C等の鉄板か
ら成るコアプレートの両面に繊維基材とセラミックス系
の無機充填剤と摩擦調整剤とバインダとしてのためのフ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂とを含む紙質のライニン
グを形成したもので,第2プレートはS35C等の鉄板
から形成されたものである。
【0003】
【解決しようとする課題】ところが,上記した鉄板の両
面に紙質のライニングを形成した第1プレートと鉄板で
ある第2プレートとを互いに摺動させる湿式摩擦プレー
トでは,摩擦係数が略0.14と低くなる。従って,例
えば従来のものを自動変速機に適用した場合,動力伝達
に必要なトルク特性を得るための摩擦プレートの枚数は
摩擦係数により設定され,設定された枚数より摩擦プレ
ートを減らすことはできない。そのため,湿式摩擦プレ
ートを用いた装置の小型軽量化といった自動車業界の厳
しい要望に応えることができない。
【0004】本発明は,高い摩擦係数が得られる湿式摩
擦プレートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題の解決手段】上記技術的課題を解決するために請
求項1の発明において講じた技術的手段は,油中で互い
に係合しながら摺動回転する第1プレート及び第2プレ
ートを有し,第1プレートが,金属板と,該金属板の両
面に形成され繊維基材とバインダとしての樹脂と摩擦調
整剤とを含有する紙質のライニングとから構成され,一
方第2プレートが,金属合金とチタンとから構成されて
いることである。
【0006】上記技術的課題を解決するために請求項2
の発明において講じた技術的手段は,請求項1におい
て,第2プレートにおけるチタンと金属合金との界面に
金属間化合物を形成したことである。金属間化合物は熱
処理等により形成することができる。
【0007】ここで,第1プレートにおける金属板とし
ては,例えばS35C(炭素鋼)等の鉄板等を用いると
良い。紙質のライニングの繊維基材としては,例えばリ
ンターパルプ,木材パルプ,ケブラー繊維等の有機繊維
及びガラス繊維,アルミナ系繊維,チタン酸カリウムウ
イスカー等の無機繊維を用いると良い。バインダとして
の樹脂としては,例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂を用いると良い。摩擦調整剤としては,例えばカシュ
ーダスト,ケイ藻土等を用いると良い。
【0008】第2プレートにおける金属合金としては,
例えばアルミニウム,マグネシウム等の軽合金や銅合金
等を用いると良い。また,チタンは純チタンの他にチタ
ン合金,スポンジチタン等を用いても良い。
【0009】前記第2プレートにおけるチタンは,前記
金属合金からなるマトリクス中に点在していることが好
ましい。これにより,高摩擦係数化を図る高μ化添加剤
としてのチタンは,第2プレートの表面に偏りなく配置
させることができる。さらに前記金属合金マトリクス中
にチタンを点在させた状態において熱処理を加えること
が好ましい。これにより,チタンと金属合金との界面に
金属間化合物が形成され,両者の結合を強化することが
できる。
【0010】
【作用】上記第1の技術的手段によれば,第2プレート
にチタンを含有させたので,第1プレートとの摺動面の
摩擦係数が従来技術と比較して向上する。上記第2の技
術的手段によれば,第2プレートにおいてチタンと金属
合金との界面に金属間化合物を形成したことにより,チ
タンと金属合金との結合が強固となる。そのため,チタ
ンの金属合金からの脱落を防止することができる。それ
故,第1プレートとの摺動面の摩擦係数が向上するとと
もに,安定した摩擦特性となる。
【0011】
【実施例】以下,本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。本実施例では,本発明による湿式摩擦プレ
ートをオートマチックトランスミッション用の多板クラ
ッチに適用した場合について説明する。図1は本実施例
に係る多板クラッチを形成するフリクションプレートと
セパレートプレートの斜視図である。図2は図1におけ
るフリクションプレート及びセパレートプレートの断面
図である。
【0012】フリクションプレート(第1プレート)1
0及びセパレートプレート(第2プレート)13は油中
で互いに係合しながら摺動回転するものである。図2に
示すように,フリクションプレート10は,鉄板(例え
ばS35C)から形成された略リング状のコアプレート
11と,コアプレート11の両面に形成された紙質のラ
イニング12とから構成されている。紙質のライニング
12は,有機繊維,無機繊維の繊維基材(例えばガラス
繊維)と,セラミックス系の無機充填剤(例えばアルミ
ナ系繊維)と,摩擦調整剤(例えばケイ藻土)と,バイ
ンダとしての熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂)と
を含有するものである。
【0013】セパレートプレート13は,略リング状を
呈しており,その表面がフリクションプレート11との
間で係合しながら摺動する摺動面13aになっている。
このセパレートプレート13の組織図を図3a及び図3
bに示す。図3aに示すように,セパレートプレート1
3は,アルミニウム合金(JIS規格A7075)14
と,平均粒径20μmのチタン粉末(30vol%)1
6とから成るアルミニウム合金複合材料から形成されて
いる。ここで,アルミニウム合金14はマトリックス
(母材)であり,強化材ともなる。チタン粉16は摩擦
係数を向上させるための高μ化添加剤である。また,図
3bはセパレートプレート13を熱処理してチタン粉末
16とアルミニウム合金14との金属間化合物(TiA
3 )15を形成した後の組織図である。
【0014】フリクションプレート10の製造方法につ
いて簡単に説明する。まず鉄板から略リング状のコアプ
レート11を成形する。次に繊維基材,無機充填剤,摩
擦調整剤を水中に均一に分散し,所定の厚みに抄紙した
後でリング状に打ち抜いて,熱可塑性樹脂溶液を含浸,
乾燥させてリング状に形成した紙質のライニング12を
得る。次いでコアプレート11の両面に接着剤を塗布
し,リング状の紙質ライニング12を接着剤を介して貼
り付けたあと,加圧下で加熱することで熱可塑性樹脂と
接着剤を同時に硬化させて,コアプレート11の両面に
紙質のライニング12を形成する。
【0015】次に,セパレートプレート13の製造方法
について説明する。アルミニウム合金(JIS規格A7
075)の粉末,チタン粉末30vol%を混入し,振
動ボールミルにて30分〜1時間混合する。この混合粉
末を押出ダイス(図示せず)に入る形状になるように9
8MPaで圧縮成形した後,温度823K,98MPa
で熱間押出を行う。その押出材を機械加工することによ
りセパレートプレート13を形成する(図3aの状
態)。
【0016】尚,上記の方法以外にも前記混合粉末を所
定形状のキャビテー内に粉末射出成形した後,焼結を行
う方法や熱間押出後直ちに所定形状のキャビテー内に押
し込んで射出成形する方法等があり,何れの方法も機械
加工工程を省略できる。さらにできあがった成形体に温
度773〜823Kの熱処理を施すことによって,チタ
ン粉末とアルミニウム合金の界面に金属間化合物(Ti
Al3 )を形成する(図3bの状態)。
【0017】上記の如く形成されたフリクションプレー
ト10及びセパレートプレート13の摩擦特性の評価を
温度333〜373Kのオートマチックトランスミッシ
ョンフルード(ATFのD−2タイプ)中で鈴木式摩擦
試験機にて回転速度2m/s,垂直荷重0.78MPa
の条件下で行った。その結果を図4に示す。又,図4に
は,従来例(コアプレートの表面に紙質のライニングを
形成したフリクションプレートと鉄板で形成したセパレ
ートプレートを使用したもの)の摩擦係数についても示
す。
【0018】図4から明らかなように,本実施例に係る
両プレート10,13の摩擦係数μは0.17であり,
従来例よりも大きい。また,熱処理を行ったことによっ
て,セパレートプレート13が従来例に匹敵する強度を
得ることができる。
【0019】尚,自動変速機の湿式多板クラッチにおい
ては,法規制等に絡む燃費の向上を目的としたミッショ
ンの小型軽量化や動力(トルク)伝達効率の向上という
厳しい要望があるが,本実施例における湿式摩擦プレー
トではその摩擦係数が従来のものの略2割増になること
から,動力(トルク)伝達効率の向上により湿式摩擦プ
レートの枚数を少なくしてミッションの小型軽量化を可
能にすることができる。
【0020】尚,本実施例ではオートマチックトランス
ミッション用の摩擦プレート(フリクションプレート1
0及びセパレートプレート13)について説明したが,
本発明はこれに限定される必要は全くなく,例えば,ビ
スカスカップリング等の湿式摩擦プレート,或いはシン
クロナイザリング等に適用できる。
【0021】次に,セパレートプレート(第2プレー
ト)におけるチタンの含有量と摩擦係数との関係を図5
に示す。図5において,チタン粉末の含有量が増加する
とともに摩擦係数も少しずつ増加し,チタンが100%
のときにはμ=0.18となる。
【0022】図6は,上記実施例の熱処理により金属化
合物を形成したセパレートプレートにおいて,SAE♯
2試験にて後期摩擦係数μ0と動摩擦係数μdの比μ0
/μdと,摩擦プレートの係合回数の関係を示すグラフ
である。SAE♯2試験は多板クラッチの係合直後から
係合終了における摩擦係数を測定する試験である。
【0023】ここで,後期摩擦係数μ0は多板クラッチ
の係合が終了する直前の摩擦係数であり,動摩擦係数μ
dは多板クラッチが係合途中の摩擦係数である。μ0と
μdの値に大きな差があると摩擦プレートの係合時にお
ける摩擦特性が不安定であり,μ0/μdが1に近い
程,摩擦プレートの係合時の特性としては安定した特性
である。
【0024】図6より,従来品では比μ0/μdが始め
のうち不安定で,係合回数が増加すると徐々に増加して
いく傾向にあるが,本実施例のセパレートプレートで
は,比μ0/μdが1に近い値を維持するとともに係合
回数が増加しても安定していることがわかる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明は,第2プレートにチタ
ンを含有させたことにより,第1及び第2プレートの摺
動面の摩擦係数が向上するので,多板クラッチの第1及
び第2プレートの枚数を少なくすることが可能になり,
これによって多板クラッチの小型化が可能になる。
【0026】請求項2の発明は,上記効果に加え,第2
プレートの金属合金とチタンとの界面に金属間化合物を
形成したことにより第1及び第2プレートの摺動面の摩
擦係数が向上するとともに,安定した摩擦特性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る,(a)フリクションプレート
及び,(b)セパレートプレートの斜視図。
【図2】図1における,(a)A−A線矢視断面図,
(b)B−B線矢視断面図。
【図3】本実施例におけるセパレートプレートの組織
図。
【図4】本実施例に係るセパレートプレートの摩擦係数
を示す線図。
【図5】本実施例におけるセパレートプレートのチタン
含有量と摩擦係数の関係を示す線図。
【図6】本実施例におけるセパレートプレートの後期摩
擦係数μ0と動摩擦係数μdの比μ0/μdを示す線
図。
【符号の説明】
10...フリクションプレート(第1プレート), 11...コアプレート(金属板), 12...紙質のライニング, 13...セパレートプレート(第2プレート), 14...アルミニウム合金(金属合金), 15...金属間化合物(TiAl3 ), 16...チタン粉末,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 益雄 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 山本 安信 愛知県碧南市港南町2丁目8番地12 アイ シン辰栄株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油中で互いに係合しながら摺動回転する
    第1プレート及び第2プレートを有し,前記第1プレー
    トが,金属板と,該金属板の両面に形成された繊維基材
    とバインダとしての樹脂と摩擦調整剤とを含有する紙質
    のライニングとから構成され,前記第2プレートが,金
    属合金とチタンとにより構成されていることを特徴とす
    る湿式摩擦プレート。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記第2プレートに
    おける前記チタンと前記金属合金との界面には,金属間
    化合物を形成していることを特徴とする湿式摩擦プレー
    ト。
JP7129275A 1995-04-28 1995-04-28 湿式摩擦プレート Pending JPH08303484A (ja)

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JP7129275A JPH08303484A (ja) 1995-04-28 1995-04-28 湿式摩擦プレート

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1035164A (ja) * 1996-04-25 1998-02-10 Samsung Aerospace Ind Ltd Icカード及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1035164A (ja) * 1996-04-25 1998-02-10 Samsung Aerospace Ind Ltd Icカード及びその製造方法

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