JPH08161399A - 環境評価装置 - Google Patents

環境評価装置

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JPH08161399A
JPH08161399A JP30051694A JP30051694A JPH08161399A JP H08161399 A JPH08161399 A JP H08161399A JP 30051694 A JP30051694 A JP 30051694A JP 30051694 A JP30051694 A JP 30051694A JP H08161399 A JPH08161399 A JP H08161399A
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JP
Japan
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environmental
environment
capacity
basic data
evaluation
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Application number
JP30051694A
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English (en)
Inventor
Fumihide Onishi
文秀 大西
Kunihiro Nishiwaki
圀博 西脇
Hironari Abe
大就 安部
Noboru Masuda
昇 増田
Michio Sugimoto
三千雄 杉本
Kiyoaki Okuda
清明 奥田
Taku Hirai
卓 平井
Yoshiyuki Sato
吉之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境を定量的に評価できる環境評価装置を提
供する点にある。 【構成】 環境評価装置に、複数に区分した地域毎の複
数種類の環境評価用基礎データを入力する入力手段I
と、その入力手段Iにて入力された環境評価用基礎デー
タを記憶する基礎データ記憶手段10と、環境評価用基
礎データ夫々の単位量が、人の生活が環境に及ぼす影響
の程度を定量的に把握可能な環境の構成要素に寄与する
程度を示す単位係数を記憶する単位係数記憶手段12
と、基礎データ記憶手段10に記憶された前記環境評価
用基礎データと、単位係数記憶手段12に記憶された単
位係数とに基づいて、前記環境の構成要素の生成と消失
とのバランスを表す環境容量を、前記複数に区分した地
域毎に、規格化して算出する環境容量算出手段11と、
その環境容量算出手段11の算出結果を表示する表示手
段Dとが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人の生活環境を評価す
る環境評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人の生活環境を評価し、地域計画、都市
建築計画等に反映させるためのものとして、いわゆる環
境計画といわれる概念が従来から存在する。この環境計
画は、環境を構成する種々の要素間の相互作用を定性的
に分析するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、定性的な分析にとどまるため、環境の変
化の傾向を把握することはできるが、現況の環境がどの
ような状態にあるか、又は、都市開発等による環境への
影響の程度を定量的に把握することができなかった。本
発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その
第1の目的は、環境を生態学等の観点から定量的に評価
できる環境評価装置を提供する点にある。第2の目的
は、都市開発等による環境への影響の程度を定量的に予
測できる環境評価装置を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の環境評価装置の
第1特徴構成は、複数に区分した地域毎の複数種類の環
境評価用基礎データを入力する入力手段と、その入力手
段にて入力された前記環境評価用基礎データを記憶する
基礎データ記憶手段と、前記環境評価用基礎データ夫々
の単位量が、人の生活が環境に及ぼす影響の程度を定量
的に把握可能な環境の構成要素に寄与する程度を示す単
位係数を記憶する単位係数記憶手段と、前記基礎データ
記憶手段に記憶された前記環境評価用基礎データと、前
記単位係数記憶手段に記憶された単位係数とに基づい
て、前記環境の構成要素の生成と消失とのバランスを表
す環境容量を、前記複数に区分した地域毎に、規格化し
て算出する環境容量算出手段と、その環境容量算出手段
の算出結果を表示する表示手段とが設けられた点にあ
る。
【0005】第2特徴構成は、上記第1特徴構成におい
て、前記複数に区分した地域が、集水域に基づいて区分
した地域である点にある。第3特徴構成は、上記第1又
は第2特徴構成において、前記入力手段は、一種類の前
記環境評価用基礎データについて複数段階のデータを入
力可能に構成され、前記環境容量算出手段は、前記複数
段階のデータの夫々に対して前記環境容量を算出し、前
記表示手段は、前記複数段階の夫々に対して算出された
前記環境容量を合わせて表示するように構成されている
点にある。
【0006】第4特徴構成は、上記第1、第2又は第3
特徴構成において、前記環境容量が、二酸化炭素固定容
量、地域の冷却容量、地域の自給人口と実際人口との割
合を示す生活容量、水資源容量又は木材資源容量の何れ
かである点にある。第5特徴構成は、上記第1、第2、
第3又は第4特徴構成において、前記環境容量算出手段
が複数の環境容量を算出するように構成され、前記表示
手段に、前記複数の環境容量を、百分率でレーダーチャ
ートにて表示する表示制御手段が設けられた点にある。
【0007】
【作用】本発明の第1特徴構成によれば、複数に区分し
た地域毎の環境評価用基礎データを入力手段から入力し
て、基礎データ記憶手段に記憶されると、その入力デー
タに基づいて、複数に区分した地域毎に、環境容量を算
出する。環境容量とは、環境を構成する種々の要素の中
から、人の生活が環境に及ぼす程度を定量的に把握可能
な環境の構成要素(以下、単に「環境の構成要素」と略
記する場合がある)を選びだし、その環境の構成要素の
生成と消失とのバランスを表すものである。
【0008】上記の環境の構成要素としては、例えば、
CO2 量又は地域空間の熱の量等がある。これらの環境
の構成要素を定量化するためには、先ず、環境評価用基
礎データとして、例えば、人口、樹木の木質部の総体積
である森林材積量、土地利用状況等の環境の構成要素を
定量化するのに必要なデータが用いられ、更に、それら
の環境評価用基礎データの単位量が環境の構成要素に寄
与する程度を示す単位係数が用いられる。 このよう
に、環境評価用基礎データと単位係数とに基づいて定量
的に算出された環境容量は、表示手段に表示される。
【0009】本発明の第2特徴構成によれば、環境容量
の算出の対象となる地域区分を集水域に基づいて行う。
集水域すなわち河川の流域は、その河川との環境的な結
びつきが深く、集水域をある程度共通の環境を有するも
のとみなすことができ、算出した環境容量が、評価対象
となる地域の環境をより的確に表しているものとなる。
本発明の第3特徴構成によれば、一種類の環境評価用基
礎データについて、複数段階のデータを入力でき、その
各段階の夫々に対して環境容量が算出され、表示手段に
合わせて表示される。従って、現況の環境評価用基礎デ
ータと、都市開発等によって環境にインパクトを与えた
場合に予想される環境評価用基礎データとを入力するこ
とによって、夫々の環境評価用基礎データに対して環境
容量を算出し、それらを合わせて表示させることができ
る。
【0010】本発明の第4特徴構成によれば、環境容量
として、二酸化炭素固定容量、地域の冷却容量、地域の
自給人口と実際人口との割合を示す生活容量、水資源容
量又は木材資源容量の何れかを算出する。ここで、二酸
化炭素固定容量は、人が大気中に放出することで生成す
るCO2の量と、植物に吸収され、放出されることなく
固定されて消失するCO2 の量とのバランスを示すもの
である。地域の冷却容量は、森林により覆われた状態で
持っていた冷却容量が、その地表形態の変化により、ど
のような変化を来しているかを示し、地域の排熱すなわ
ち熱の生成と地域の吸熱すなわち熱の消失とのバランス
を示すものである。
【0011】生活容量は、生物としての人がもつテリト
リーとしての必要空間を、必要生産緑地面積と必要都市
空間面積の観点から試算して、評価対象となる地域でそ
の必要空間を賄うことが可能な最大人口である自給人口
と現況の人口との割合を求めるものである。つまり、人
口の増減等による人のテリトリーの生成と消失とのバラ
ンスを表すものである。水資源容量は、潜在的に利用可
能な水資源量すなわち水資源の生成と人による水の需要
すなわち水資源の消失とのバランスを示すものである。
木材資源容量は、森林の木材資源供給機能に着目して、
その需給バランスすなわち生成と消失とのバランスを示
すものである。これらの環境容量は、何れも人の生活環
境との結びつきが深く、環境を評価するうえで重要な指
標となる。
【0012】本発明の第5特徴構成によれば、環境容量
が複数の項目について算出され、算出された環境容量
は、百分率で表現した状態で、レーダーチャートとして
表示される。従って、各項目の評価値及び各項目間の相
対的な関係を容易に読み取ることができる。
【0013】
【発明の効果】上記第1特徴構成によれば、上記の如く
定量的に環境容量を算出できるので、環境を定量的に評
価できる環境評価装置を提供することができる。上記第
2特徴構成によれば、算出した環境容量が、評価対象と
なる地域の環境をより的確に表しているものとなるの
で、環境の評価精度をより向上させることができる。上
記第3特徴構成によれば、上記の如く環境容量の変化予
測が可能となり、都市開発等による環境への影響の程度
を定量的に予測できる環境評価装置を提供することがで
きる。上記第4特徴構成によれば、定量的に算出できる
環境容量として、環境を評価するうえで重要な指標とな
るものを用いることができるので、的確に環境を評価で
きる。上記第5特徴構成によれば、各項目の環境容量の
評価値及び各項目間の相対的な関係を容易に読み取るこ
とができるので、装置をより便利なものとすることがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の環境評価装置の実施例を図面
に基づいて説明する。環境評価装置CEは、図1に示す
ように、各種の演算処理等を行う処理装置1と、処理装
置1に対して各種のデータ等を入力するキーボード2
と、各種のデータ及び処理装置1による演算結果を記憶
保存する外部記憶装置3と、他の機器とデータを通信す
るための通信用インターフェース4と、処理装置1によ
る演算結果等を表示するモニタ5と、処理装置1による
演算結果等をプリントするプリンタ6とが備えられてい
る。尚、外部記憶装置3として記憶媒体の交換可能なも
のを採用すると、外部記憶装置3を介して、処理装置1
に各種のデータを入力することができる。
【0015】上記構成の環境評価装置CEは、入力手段
I構成するキーボード2、外部記憶装置3又は通信用イ
ンターフェース4を介して、環境評価の対象となる各市
町村毎の人口、森林材積量、年間降水量及び土地利用状
況等の複数種類の環境評価用基礎データが入力される
と、処理装置1内に備えられている基礎データ記憶手段
10に記憶される。外部記憶装置3以外から上記データ
が入力される場合は、その入力されたデータは外部記憶
装置3にも記憶される。尚、環境評価の対象となる市町
村が大都市の場合は、評価の対象を区にまで拡大する場
合もある。
【0016】処理装置1の環境容量算出手段11は、基
礎データ記憶手段10に記憶されている環境評価用基礎
データと、単位係数記憶手段12に記憶されている後述
の単位係数とに基づいて、5項目の環境容量を算出す
る。環境容量とは、人の生活が環境に及ぼす影響の程度
を定量的に把握可能な環境の構成要素の生成と消失との
バランスを表すものであり、具体的には、二酸化炭素固
定容量(以下、図面等においてCO2 固定容量と略記す
る場合がある)、地域の冷却容量、生活容量、水資源容
量及び木材資源容量であるが、詳しくは後述する。この
環境容量の算出は、上記の市町村単位で複数に区分した
地域に対しての算出の他、市町村単位で入力された環境
評価用基礎データをそまま利用して、市町村の集合体で
区分して算出することができる。
【0017】この市町村の集合体の形成は、集水域に基
づいて2段階の規模で行う。大きい規模の集水域に基づ
く区分は、原則として1級河川に基づいて区分したもの
で、図2(イ)において、1級河川aの集水域に属する
市町村(図2(イ)中、破線で示す)を全部含む実線A
の範囲を1区分とするものである。但し、特に規模の大
きい集水域を有する1級河川の場合は、その1級河川の
代表的な支流に基づいて区分したり、その1級河川の上
流又は下流として区分することがある。例えば、琵琶湖
から大阪湾に注ぐ淀川水系では、淀川の集水域を桂川や
木津川等の代表的な支流の集水域及び琵琶湖の集水域に
分割した状態で、夫々を大きい規模の集水域に基づく区
分とするのである。
【0018】小さい規模の集水域に基づく区分は、原則
として1級河川の代表的な支流に基づいて区分したもの
で、図2(ロ)において、実線Aの範囲を更に実線Bで
区分して、1級河川aの代表的な支流bの集水域に属す
る市町村が1区分となるようにしたものである。但し、
上記大きい規模の集水域に基づく区分において、1級河
川の支流等に基づいて区分した場合は、その支流の支流
に基づいて区分することがある。又、地域によっては、
大きい規模の集水域に基づく区分と、小さい規模に基づ
く区分とが一致する場合もある。
【0019】表示手段Dを構成するモニタ5又はプリン
タ6には、処理装置1の表示制御手段13の制御によっ
て、演算処理された情報等が出力されて表示されるので
あるが、表示する情報としては、環境容量算出手段11
が算出した環境容量、入力された環境評価用基礎データ
そのもの、及び、環境評価用基礎データを単位人口当た
り又は単位面積当たりの量に換算した環境情報がある。
【0020】このうち、上記環境情報及び環境評価用基
礎データは、図3及び図4の近畿地方の一部を集水域に
基づいて区分した場合の例示図に示すように、地図を環
境評価用基礎データの入力の対象とした複数に区分した
地域に対応付けて区分して、その区分毎に、上記環境情
報及び環境評価用基礎データの数値に対応して色分けし
て表示される。尚、図3は大きい規模の集水域に基づく
区分での表示であり、図4は小さい規模の集水域に基づ
く区分での表示である。これらの表示の切り換えはキー
ボード2から指示できる。又、環境容量は、図5に示す
ように、5項目のレーダーチャートに百分率で表現して
表示される。
【0021】上記の如く表示される環境容量は、入力さ
れた現況の環境評価用基礎データに基づいて算出される
現況の環境容量であるが、これに加えて、例えば宅地開
発等を行って環境にインパクトを与えた場合に環境容量
がどのように変化をするかを予測することも可能であ
る。具体的には、現況の環境評価用基礎データに加えて
宅地開発等を行った場合に推定される人口変化及び土地
利用状況変化等を考慮した環境評価用基礎データを入力
すると、すなわち、環境評価用基礎データを複数段階で
入力すると、複数段階のデータ夫々に対して環境容量を
算出して、図6に示すように、現況の環境容量を実線
で、予測される環境容量を点線で表示して、変化の前後
を重ね合わせて表示手段Dに表示することができる。
【0022】尚、この現況の環境容量及び予測した環境
容量も、上記の環境情報及び環境評価用基礎データの表
示と同様に、キーボード2から操作で、大きい規模の集
水域に基づく区分,小さい規模の集水域に基づく区分,
及び,市町村による区分の夫々について切り換え表示可
能であり、又、これらを同時に表示させることもでき
る。更に、上記環境情報及び環境評価用基礎データをモ
ニタ5に表示させる場合は、モニタ5の表示画面上の地
図で、評価対象となる地域をキーボード2やマウス等の
指示装置にて指示すると、その指示された地域の環境容
量のレーダーチャートを重ね合わせて表示することもで
きる。
【0023】以下、上記環境容量について説明する。二
酸化炭素固定容量は、人が大気中に放出することで生成
するCO2 の量と、植物に吸収され、放出されることな
く固定されて消失するCO2 の量とのバランスを示すも
のである。二酸化炭素固定容量は、
【数1】 で算出される。
【0024】数1において、森林材積量とは、地域内の
森林資源の樹木のうち木質部の総量を体積で表したもの
であり、材積成長率とは、樹木の成長によって木質部の
体積が増加する割合であり、木質部比とは、森林材積量
ではCO2 の固定に寄与しうる枝葉の部分の体積を除去
していることから、その枝葉の木質部によるCO2 の固
定が寄与する割合を補正する係数であり、気乾比重と
は、乾燥時の木質部の比重である。数1の分子部分は、
木質部の成長によって樹木に取り込まれるCO2 の総量
を示しており、数1の分母部分は、人が生活して発生す
るCO2 の総量を示している。従って、植物全体ではな
く、樹木の木質部の成長量のみをCO2 の固定の対象と
しているが、これは、単年性草木等の有機物の分解から
CO2 が再放出されることを考慮したものである。
【0025】地域の冷却容量は、森林に覆われた状態で
持っていた冷却容量が、その地表形態の変化により、ど
のような変化を来しているかを示し、地域の排熱すなわ
ち熱の生成と地域の吸熱すなわち熱の消失とのバランス
を示すものである。地域の冷却容量は、
【数2】 で算出される。
【0026】数2では、種々の土地利用の形態について
の排熱及び吸熱を全て放射熱量で表現しているため、市
街地等の排熱する箇所では正の値になり、森林等の吸熱
する箇所では負の値になる。数2の分子部分は、現況の
放射熱量が完全に市街地化するまでの余裕を表してお
り、冷却容量は、その余裕の程度を、数2の分母部分す
なわち森林に覆われた状態から完全に市街地化するまで
の総スパンに対する割合で表現したものである。
【0027】生活容量は、生物としての人がもつテリト
リーとしての必要空間を、必要生産緑地面積と必要都市
空間面積の観点から試算して、評価対象となる地域でそ
の必要空間を賄うことが可能な最大人口である自給人口
と現況の人口との割合を求めるものである。生活容量
は、
【数3】 で算出される。数3の分子部分では、生産緑地と都市空
間とに対応させるために、全面積から森林、内水、海浜
及び海水部分の面積を引いた面積を一人の人が必要とす
る生産緑地の面積及び都市面積で除して、自給可能な最
大の人口を求めている。
【0028】水資源容量は、潜在的に利用可能な水資源
量と人による水の需要とのバランスを示すものである。
従って、ダムや集水域を越えた取水によるものは対象外
としている。水資源容量は、
【数4】 で算出される。
【0029】数4において、浸透能指数とは、降水量の
うち地面に浸透して相当時間保持される水の量の割合で
あり、実際には、降水量のうち短時間で河川等に流出し
てしまう水の量の割合である流出係数を「1」から引い
た値である。数4の分子部分では、年間降水量から蒸発
による損失量を引いたものが森林、都市、田畑、公園等
の夫々において土地に浸透する量を水資源の潜在量とし
て求めている。数4の分母部分では、対象地域内の全人
口による水の需要量を求めている。
【0030】木材資源容量は、森林の木材資源供給機能
に着目して、その需給バランスを示すものである。木材
資源容量は、
【数5】 で算出される。数5において、材積素材有効率とは、樹
木の木質部のうち加工時の損失分等を除いた、有効に素
材として利用できる部分の割合である。数5の分子部分
では、森林資源の成長量を対象にして、その成長量のう
ち有効に木材資源として供給できる量を求めている。数
5の分母部分では、対象地域内の全人口による木材の需
要量を求めている。
【0031】上記の数1乃至数5は、入力された環境評
価用基礎データと、この環境評価用基礎データ夫々の単
位量が、上記環境容量の基礎となるCO2 量、熱量、生
活空間、水資源及び木材資源の環境の構成要素に寄与す
る程度を示す単位係数とから構成されている。各環境容
量に対応する環境評価用基礎データ,単位係数及び単位
係数の具体的な数値例を表1に整理して示す。
【表1】 この単位係数は、各種の統計データから算出されて、予
め処理装置1の単位係数記憶手段12に記憶されてお
り、必要に応じて更新可能である。
【0032】〔別実施例〕以下、別実施例を列記する。 上記実施例では、複数に区分した地域として、大き
い規模の集水域、小さい規模の集水域及び市町村の3段
階に設定しているが、集水域に基づく区分を更に階層化
を進めて3段階以上としても良いし、市町村の区分を省
略して集水域に基づく区分のみとした2段階以下でも良
い。
【0033】 上記実施例では、大きい規模の集水域
を原則として1級河川に基づいて、又、小さい規模の集
水域を原則として1級河川の代表的な支流に基づいて設
定しているが、集水域を複数段階に階層的に設定する場
合は、単に河川の水量にて段階分けする等、適宜変更可
能である。
【0034】 上記実施例では、環境容量の算出式と
して数1乃至数5を例示しているが、評価精度との関連
で適宜変更可能であり、又、環境評価用基礎データ及び
単位係数は表1に掲げるものを例示しているが、これら
の項目は、数1乃至数5の環境容量算出式の変形に応じ
て適宜変更されるものである。又、単位係数も適宜変更
可能である。
【0035】 上記実施例では、環境容量として、二
酸化炭素固定容量,地域の冷却容量,生活容量,水資源
容量及び木材資源容量の5項目を例示しているが、これ
らのうちから適宜選択して評価項目としても良いし、こ
れら5項目以外の項目を環境容量として採用しても良
い。
【0036】 上記実施例では、5項目の環境容量を
レーダーチャートにて表示しているが、棒グラフ等によ
って表示するようにしても良い。
【0037】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる環境評価装置の概略構
成図
【図2】本発明の実施例にかかる地域区分の説明図
【図3】本発明の実施例にかかる評価結果の表示例
【図4】本発明の実施例にかかる評価結果の表示例
【図5】本発明の実施例にかかる評価結果の表示例
【図6】本発明の実施例にかかる評価結果の表示例
【符号の説明】
10 基礎データ記憶手段 11 環境容量算出手段 12 単位係数記憶手段 13 表示制御手段 D 表示手段 I 入力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 大就 大阪府堺市学園町1番1号 大阪府立大学 農学部 地域環境科学科 緑地環境計画 工学研究室内 (72)発明者 増田 昇 大阪府堺市学園町1番1号 大阪府立大学 農学部 地域環境科学科 緑地環境計画 工学研究室内 (72)発明者 杉本 三千雄 千葉県印旛郡印西町大塚1丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 奥田 清明 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 平井 卓 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 佐藤 吉之 千葉県印旛郡印西町大塚1丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に区分した地域毎の複数種類の環境
    評価用基礎データを入力する入力手段(I)と、 その入力手段(I)にて入力された前記環境評価用基礎
    データを記憶する基礎データ記憶手段(10)と、 前記環境評価用基礎データ夫々の単位量が、人の生活が
    環境に及ぼす影響の程度を定量的に把握可能な環境の構
    成要素に寄与する程度を示す単位係数を記憶する単位係
    数記憶手段(12)と、 前記基礎データ記憶手段(10)に記憶された前記環境
    評価用基礎データと、前記単位係数記憶手段(12)に
    記憶された単位係数とに基づいて、前記環境の構成要素
    の生成と消失とのバランスを表す環境容量を、前記複数
    に区分した地域毎に、規格化して算出する環境容量算出
    手段(11)と、 その環境容量算出手段(11)の算出結果を表示する表
    示手段(D)とが設けられた環境評価装置。
  2. 【請求項2】 前記複数に区分した地域が、集水域に基
    づいて区分した地域である請求項1記載の環境評価装
    置。
  3. 【請求項3】 前記入力手段(I)は、一種類の前記環
    境評価用基礎データについて複数段階のデータを入力可
    能に構成され、 前記環境容量算出手段(11)は、前記複数段階のデー
    タの夫々に対して前記環境容量を算出し、 前記表示手段(D)は、前記複数段階の夫々に対して算
    出された前記環境容量を合わせて表示するように構成さ
    れている請求項1又は2記載の環境評価装置。
  4. 【請求項4】 前記環境容量が、二酸化炭素固定容量、
    地域の冷却容量、地域の自給人口と実際人口との割合を
    示す生活容量、水資源容量又は木材資源容量の何れかで
    ある請求項1、2又は3記載の環境評価装置。
  5. 【請求項5】 前記環境容量算出手段(11)が複数の
    環境容量を算出するように構成され、 前記表示手段(D)に、前記複数の環境容量を、百分率
    でレーダーチャートにて表示する表示制御手段(13)
    が設けられた請求項1、2、3又は4記載の環境評価装
    置。
JP30051694A 1994-12-05 1994-12-05 環境評価装置 Pending JPH08161399A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30051694A JPH08161399A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 環境評価装置

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JP30051694A JPH08161399A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 環境評価装置

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JPH08161399A true JPH08161399A (ja) 1996-06-21

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ID=17885765

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