JPH08160475A - 超高速光ソリトンパルス発生装置 - Google Patents

超高速光ソリトンパルス発生装置

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JPH08160475A
JPH08160475A JP6298517A JP29851794A JPH08160475A JP H08160475 A JPH08160475 A JP H08160475A JP 6298517 A JP6298517 A JP 6298517A JP 29851794 A JP29851794 A JP 29851794A JP H08160475 A JPH08160475 A JP H08160475A
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optical
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light
optical frequency
loop
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JP6298517A
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English (en)
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Shingo Kawai
伸悟 河合
Katsumi Iwatsuki
岩月  勝美
Shigeto Nishi
成人 西
Masatoshi Saruwatari
正俊 猿渡
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビート波断熱圧縮法により超高速光ソリトン
パルスを生成する装置において、1つのレーザ光源から
光パワーの使用効率が高くかつ繰り返し光周波数が安定
したビート波を生成し、安定した超高速光ソリトンパル
スを発生させる。 【構成】 繰り返し光周波数Δf のビート波を光ソリト
ン断熱圧縮回路に入射する超高速光ソリトンパルス発生
装置において、光周波数 f0 のCW光を出力する1個の
レーザ光源と、発振器により駆動される光周波数シフタ
および光増幅器を含み、CW光を周回させて複数の光周
波数成分を有する光を出力する周回ループと、複数の光
周波数成分を有する光のうち、所定の2つの光周波数 f
0 ,f0+Δf の光を選択して繰り返し光周波数Δf のビ
ート波を出力する可変波長光フィルタと、レーザ光源の
出力光の一部を入力し、可変波長光フィルタの透過周波
数のピークを光周波数 f0 に制御する光フィルタ制御回
路とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速光ソリトン伝送
に用いる光ソリトンパルスを発生する超高速光ソリトン
パルス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを用いた超高速光ソリトン
パルスの発生法として、光周波数の異なるレーザ光を合
波して得られたビート波を異常分散媒質に入射し、光ソ
リトン断熱圧縮して短光パルス化する方法(以下「ビー
ト波断熱圧縮法」という)がある。ビート波断熱圧縮法
では、TL(トランスフォームリミテッド)化された数
十〜数百Gb/s の超高速光ソリトンパルスを発生させる
ことができる。さらに、2つのレーザ光の相対的な周波
数を変化させることにより、超高速光ソリトンパルスの
繰り返し光周波数を制御することができる。
【0003】図6は、従来の超高速光ソリトンパルス発
生装置の基本構成を示す。図において、発振周波数f0
f0+Δf のDFB−LD(分布帰還型半導体レーザ)3
1a,31bから出力されるレーザ光を光カプラ21で
合波し、そこで得られる光周波数Δf のビート波を分布
増幅型光ファイバ41に入力する。ビート波の光強度I
は、図6(a) に示す電界Eの和が形成する包絡線の2乗
で与えられ、図6(b) に示すように周期1/Δf の正弦
波状となる。また、キャリア位相は、ビート波の周期1
/Δf ごとにπだけ変化している。
【0004】分布増幅型光ファイバ41は異常分散特性
を有し、その利得係数をα〔NP/m〕、ソリトン長を
0 〔m〕としたときに、 |αZ0|<<1 となる断熱条件の下で、ビート波をその伝搬長にわたっ
てゆっくりと増幅すれば、光ソリトン条件を保ったまま
光波形を断熱的に圧縮変化させることができる。この光
ソリトン条件は、パルスエネルギーをε、パルス幅をΔ
τ、分散値をDとすると、 ε∝D/Δτ で与えられる。ここで、分散値Dを一定とすれば、分布
増幅型光ファイバ41によるパルスエネルギーεの増加
に応じて、パルス幅Δτが圧縮される光ソリトン断熱圧
縮が生じ、短光パルス化されると同時に光ソリトン化が
進行する。
【0005】図7は光ソリトン断熱圧縮による光ソリト
ン化の様子を示す。(a) は、パルスエネルギーε0 、パ
ルス幅Δτ0 、ピークパワーP0 の入射パルスを示し、
(b)は、伝搬長zの分布増幅型光ファイバ(異常分散媒
質)を伝搬して断熱圧縮された出力パルスを示す。出力
パルスのパルスエネルギーε、パルス幅Δτ、ピークパ
ワーPは、それぞれ ε =ε0 exp(αz) Δτ=Δτ0 exp(−αz) P =P0 exp(2αz) となる。
【0006】また、分布増幅型光ファイバを用いて断熱
圧縮する代わりに、ソリトン条件からも明らかなよう
に、分散値Dが長手方向に徐々に減少するような分散シ
フト光ファイバを用いることも可能である。なお、分布
増幅型光ファイバに入射するビート波のキャリア位相は
1周期ごとにπだけ変化しているので、断熱圧縮過程に
おいて隣接するパルスは非線形相互作用により斥力を及
ぼし合って効率的に圧縮される(P.V.Mamyshev et al.,
IEEEJ.Quantum Electron., vol.27, No.10, pp.2347-23
55, 1991)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ビート波断熱圧縮法に
より生成される超高速光ソリトンパルスの繰り返し光周
波数は、2つのDFB−LDの各発振周波数に応じて設
定され、その一方の発振周波数を変化させることにより
可変させることができる。しかし、DFB−LDの発振
周波数は温度あるいは注入電流の制御によって設定する
ので設定誤差やドリフトが大きく、そのままでは超高速
光ソリトンパルスの繰り返し光周波数は不安定であり、
伝送用の光パルス光源として利用できなかった。
【0008】また、1個のDFB−LDから出射された
CW光に深い位相変調をかけて側波帯を発生させ、エタ
ロンフィルタを用いて光周波数差Δf の2つの光周波数
成分を抜き出すことにより、繰り返し光周波数が安定な
ビート波を得る手法も提案されている(E.A.Swanson et
al., OFC'94 Technical Digest Postdeadline Paper,
PD15, 1978) 。しかし、この手法では大部分の光周波数
成分がエタロンフィルタにより阻止されるので、光パワ
ーの使用効率が低い。また、エタロンフィルタのピーク
を側波帯の所定の光周波数成分に合致するように制御す
る必要があるが、従来そのような制御法は提案されてい
ない。
【0009】本発明は、ビート波断熱圧縮法により超高
速光ソリトンパルスを生成する装置において、1つのレ
ーザ光源から光パワーの使用効率が高くかつ繰り返し光
周波数が安定したビート波を生成し、安定した超高速光
ソリトンパルスを発生させることができる超高速光ソリ
トンパルス発生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、繰り返し光周
波数Δf のビート波を光ソリトン断熱圧縮回路に入射
し、短光パルス化して繰り返し光周波数Δf の光ソリト
ンパルスを発生する超高速光ソリトンパルス発生装置に
おいて、光周波数 f0 のCW光を出力する1個のレーザ
光源と、発振器により駆動される光周波数シフタおよび
光増幅器を含み、CW光を周回させて複数の光周波数成
分を有する光を出力する周回ループと、複数の光周波数
成分を有する光のうち、所定の2つの光周波数 f0 ,f0
+Δf の光を選択して繰り返し光周波数Δf のビート波
を出力する可変波長光フィルタと、レーザ光源の出力光
の一部を入力し、可変波長光フィルタの透過周波数のピ
ークを光周波数 f0 に制御する光フィルタ制御回路とを
備える。
【0011】また、本発明の超高速光ソリトンパルス発
生装置は、光周波数 f0 のCW光を出力する1個のレー
ザ光源と、CW光を2分岐する分岐手段と、発振器によ
り駆動される光周波数シフタおよび光増幅器を含み、分
岐手段で2分岐された一方のCW光を周回させて複数の
光周波数成分を有する光を出力する第1の周回ループ
と、分岐手段で2分岐された他方のCW光を入力し、第
1の周回ループと同様の構成で光周波数フト量の符号が
異なる第2の周回ループと、第1の周回ループおよび第
2の周回ループの光出力を合波する合波手段と、合波手
段の出力光から、光周波数間隔Δf の成分を選択して繰
り返し光周波数Δf のビート波を出力する可変波長光フ
ィルタと、合波手段の出力光の一部を入力し、可変波長
光フィルタの透過周波数のピークを光周波数f0からΔf
/2ずらして設定する光フィルタ制御回路とを備える。
【0012】本発明の超高速光ソリトンパルス発生装置
における光フィルタ制御回路は、入力光に周波数変調を
施す光周波数変調手段と、光周波数変調手段から出力さ
れた変調光を、周回ループから入力される光とは逆方向
に可変波長光フィルタに入力する入力手段と、可変波長
光フィルタを通過した変調光を取り込んで電気信号に変
換し、この電気信号を光周波数変調手段の周波数変調に
用いた駆動信号で同期検波し、その直流成分を可変波長
光フィルタに帰還する制御手段とを備える。
【0013】
【作用】請求項1に記載の超高速光ソリトンパルス発生
装置では、レーザ光源から出射された光周波数 f0 のC
W光は、周回ループの光周波数シフタで一定量 fS だけ
シフトし、周波数間隔 fS で強度の揃った線スペクトル
列となって出力される。この周回ループの出力光をフリ
ースペクトルレンジがΔf の可変波長光フィルタに入力
し、光周波数f0,f0+Δf の成分だけを取り出すことに
より、繰り返し光周波数Δf のビート波を得ることがで
きる。このビート波を光ソリトン断熱圧縮回路に入力す
ることにより、繰り返し光周波数Δf の光ソリトンパル
スを生成することができる。なお、光フィルタ制御回路
は、可変波長光フィルタの透過周波数のピークが光周波
数f0になるように制御する。
【0014】請求項2に記載の超高速光ソリトンパルス
発生装置では、レーザ光源から出射された光周波数 f0
のCW光が2つの周回ループを介することにより、光周
波数f0 を中心に fS で等間隔に並んだ対称な線スペク
トル列となって出力される。この出力光から光周波数間
隔Δf の成分を選択することにより、繰り返し光周波数
Δf のビート波を得ることができる。このビート波を光
ソリトン断熱圧縮回路に入力することにより、繰り返し
光周波数Δf の光ソリトンパルスを生成することができ
る。なお、光フィルタ制御回路は、可変波長光フィルタ
の透過周波数のピークを f0 からΔf/2ずらして設定す
る。これにより、少ない周回回数で所定のビート波を生
成することができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の超高速光ソリトンパルス発
生装置の基本構成を示す。図において、基本構成は、光
周波数f0のCW光を発生させるレーザ光源11と、周回
ループ12と、周回ループ12中に配置される光周波数
シフタ13および光増幅器14と、光周波数シフタ13
を駆動する発振器15と、電圧または電流により透過周
波数を制御できる可変波長光フィルタ16と、可変波長
光フィルタ16の透過周波数を制御する光フィルタ制御
回路17と、分布増幅型光ファイバ等の異常分散媒質を
用いた光ソリトン断熱圧縮回路18とにより構成され
る。
【0016】レーザ光源11から出射された光周波数 f
0 のCW光は、光周波数シフタ13および光増幅器14
を含む周回ループ12に導かれる。光周波数シフタ13
は、入力されたCW光の光周波数を一定量 fS だけシフ
トさせ、新たなCW光を生み出すので、従来の位相変調
したときの側波帯を使用する場合に比べて光パワーの使
用効率が高くなる。また、光増幅器14により周回ルー
プ12中の損失が補償される。CW光は光周波数シフタ
13を複数回通過するので、周回ループ12の出力光の
光周波数スペクトルは、周波数間隔 fS で強度の揃った
線スペクトル列となる。周回ループ12の出力光をフリ
ースペクトルレンジがΔf の可変波長光フィルタ16に
入力し、光周波数f0,f0+Δf の成分だけを取り出す。
【0017】ここで、繰り返し光周波数Δf のビート波
が得られるためには、光周波数f0,f0+Δf の各CW光
の時間的な可干渉性(コヒーレンス)が必要である。レ
ーザ光源11のコヒーレンス長をLC 、そのスペクトル
線幅をΔν、真空中の光速をc、光ファイバの屈折率を
n、周回ループ12のループ長をdとすると、 LC =c/Δν >> ndΔf/fS …(1) となる条件が要求される。したがって、 fS >> ndΔf Δν/c …(2) の関係が満たされるように、光周波数シフタ13の光周
波数シフト量 fS を設定する必要がある。例えば、n=
1.5 、d=2m、Δν= 100kHzとして繰り返し光周波
数 100GHzのビート波を発生させるためには、 (2)式よ
り fS >>1GHzとなる。
【0018】光フィルタ制御回路17は、可変波長光フ
ィルタ16の透過周波数のピークが光周波数f0になるよ
うに制御する。これにより、可変波長光フィルタ16で
光周波数f0,f0+Δf の成分だけを取り出し、繰り返し
光周波数Δf のビート波を得ることができる。このよう
にして生成されたビート波を光ソリトン断熱圧縮回路1
8に導き、短光パルス化と同時に光ソリトン化すること
により、繰り返し光周波数Δf の光ソリトンパルスを生
成することができる。
【0019】図2は、光フィルタ制御回路17の基本構
成を示す。なお、本基本構成は、特願平5−31306
8号の光フィルタ制御回路を本発明の超高速光ソリトン
パルス発生装置に適用したものである。図において、光
フィルタ制御回路17は、レーザ光源11から出力され
る光周波数f0のCW光の一部を分岐する光カプラ21a
と、周波数pの信号を出力する発振器22と、光カプラ
21で分岐されたCW光を周波数pの信号で周波数変調
する光周波数変調器23と、その変調光(f0+fm cos(2
πpt))を可変波長光フィルタ16に逆方向に入力する光
カプラ21bと、可変波長光フィルタ16を通過した変
調光を分岐する光カプラ21cと、光カプラ21cで分
岐された変調光を電気信号に変換する受光器24と、こ
の電気信号を周波数pの信号で同期検波するミキサ25
と、検波信号の直流成分を可変波長光フィルタ16に帰
還する低域通過フィルタ26とにより構成される。
【0020】周回ループ12に入射される前のCW光の
一部が光周波数変調器23に入力されて周波数変調され
る。この変調光が可変波長光フィルタ16を通過する
と、周波数変調が強度変調に変換される。ここで、CW
光の光周波数f0と可変波長光フィルタ16のピークが一
致すると周波数p成分が零となる。そこで、受光器24
の出力を周波数pの信号で同期検波し、低域通過フィル
タ26で検波信号の直流成分のみを抽出して可変波長光
フィルタ16に帰還し、周波数p成分が零になるように
フィルタ特性を制御する。このフィードバックループに
より、可変波長光フィルタ16に入射するCW光の光周
波数f0と、可変波長光フィルタ16のピークとを一致さ
せることができる。
【0021】(第1実施例)図3は、本発明の第1実施
例の構成を示す。図において、31はDFB−LD(分
布帰還型半導体レーザ)でレーザ光源11に対応する。
光カプラ21d、音響光学変調器(AOM)32a、半
導体レーザ増幅器33、光バンドパスフィルタ34、光
アイソレータ35により周回ループ12が構成される。
36は電圧制御型ファブリペロエタロンで可変波長光フ
ィルタ16に対応する。音響光学変調器32b,32
c、電圧制御発振器(VCO)37a,37b、加算器
38により光周波数変調器23が構成される。光カプラ
21a〜21c、発振器22、受光器(PINフォトダ
イオード)24、ミキサ25、低域通過フィルタ26
は、図2に示す光フィルタ制御回路17の基本構成と同
じである。39は増幅器、40はエルビウム添加光ファ
イバ増幅器である。41は分布増幅型光ファイバで光ソ
リトン断熱圧縮回路18に対応する。
【0022】以下、本実施例の動作について説明する。
DFB−LD31から出射された光周波数 f0 のCW光
は、光カプラ21aで一部が光周波数変調器23に分岐
され、残りが光カプラ21dでさらに周回ループ12と
光カプラ21cに分岐される。周回ループ12内の音響
光学変調器32aは発振器15により駆動される。そこ
で一定の光周波数シフト fS を受けたCW光は、半導体
レーザ増幅器33で増幅され、光バンドパスフィルタ3
4で自然放出光雑音(ASE)の除去および信号帯域が
調整され、光アイソレータ35を通過後に光カプラ21
dに結合し、再び周回ループ12と光カプラ21cに分
岐される。これにより、光カプラ21cの出力光の光周
波数スペクトルは、周波数間隔 fS で強度の揃った線ス
ペクトル列となる。この光周波数成分の中から光周波数
f0,f0+Δf の成分を電圧制御型ファブリペロエタロン
36で選択することにより、繰り返し光周波数Δf のビ
ート波が得られる。
【0023】このビート波をエルビウム添加光ファイバ
増幅器40で増幅し、ソリトン化するのに必要なエネル
ギーを与えた後に分布増幅型光ファイバ41に導き、断
熱条件のもとで圧縮するすることにより、繰り返し光周
波数Δf の光ソリトンパルスが生成される。なお、分布
増幅型光ファイバ41を用いて断熱圧縮する代わりに、
分散値Dが長手方向に徐々に減少するような分散シフト
光ファイバを用いることも可能である。あるいは、エル
ビウム添加光ファイバ増幅器と光ファイバを一組として
多段接続し、一組ごとに光ファイバの分散値を順次減少
させ、等価的に分散値Dを長手方向に徐々に減少させて
も同様である。
【0024】また、本実施例では、周回ループ12内の
光周波数シフタ13として音響光学変調器32aを用い
たが、位相変調器を用いても同様に光周波数シフタとし
て機能させることができる。位相変調器の駆動電圧を鋸
歯状波とし、その振幅が2πの整数倍の位相変化を与え
ることにより光周波数シフタが実現される。この方法は
セロダイン法(大越孝敬編、「光ファイバセンサ」、オ
ーム社、1990)と呼ばれている。また、SSB(単側帯
波)光周波数変調器を用いても同様に光周波数シフタと
して機能させることができる。
【0025】また、本実施例では、音響光学変調器32
aの出力光を半導体レーザ増幅器33を用いて増幅した
が、エルビウム添加光ファイバ増幅器を用いてもよい。
ただし、そのような光ファイバ増幅器を用いる場合に
は、 (2)式の条件に十分留意する必要がある。一方、光
カプラ21aで一部が分岐された光周波数 f0 のCW光
は、電圧制御発振器37aにより駆動される音響光学変
調器32bに入力される。電圧制御発振器37aは、加
算器38で発振器22から出力される周波数pの信号に
DCバイアスを付加した信号で駆動される。これによ
り、音響光学変調器32bを通過するCW光に周波数変
調が施される。周波数変調されたCW光は、DCバイア
スを印加した電圧制御発振器37bで駆動される音響光
学変調器32cで、音響光学変調器32bで与えられた
光周波数シフトを相殺した後に、光カプラ21bを介し
て電圧制御型ファブリペロエタロン36に入力され、さ
らに光カプラ21cを介して受光器24に受光される。
受光器24の出力信号は、ミキサ25で発振器22の出
力信号により同期検波され、低域通過フィルタ26で直
流成分のみが抽出され、増幅器39を介して電圧制御型
ファブリペロエタロン36の制御端子にフィードバック
される。電圧制御型ファブリペロエタロン36は、この
フィードバックループにより周波数p成分が零になるよ
うに制御され、そのピークと入力されるCW光の光周波
数 f0 が一致することになる。
【0026】(第2実施例)図4は、本発明の第2実施
例の構成を示す。本実施例の特徴は、周回ループ12内
に光サーキュレータ42を配置し、光サーキュレータ4
2に音響光学変調器32aとミラー43を接続する構成
にある。その他の基本構成は第1実施例と同様である。
【0027】すなわち、周回ループ12内を通過するC
W光は、光サーキュレータ42を介して音響光学変調器
32aに入力され、そこで光周波数シフトを受けたCW
光はミラー43で反射して再度音響光学変調器32aに
入力され、光サーキュレータ42を介して周回ループ1
2内に戻される。このように音響光学変調器32aを2
度通過することにより、第1実施例の構成に比べてルー
プ1周ごとの光周波数シフト量を2倍にすることができ
る。したがって、電圧制御型ファブリペロエタロン36
に入力されるCW光の線スペクトル列の間隔を2fSにす
ることができる。
【0028】(第3実施例)図5は、本発明の第3実施
例の構成を示す。本実施例の特徴は、2系統の周回ルー
プ12a,12bを備え、それぞれで光周波数 fS ,−f
S の光周波数シフトを施し、光周波数 f0 を中心に fS
で等間隔に並んだ対称な線スペクトル列を電圧制御型フ
ァブリペロエタロン36に入力するところにある。その
他の基本構成は第1実施例と同様である。
【0029】すなわち、DFB−LD31から出射され
た光周波数 f0 のCW光は、光カプラ21eで2分岐さ
れ、一方が光カプラ21fを介して周回ループ12aに
入力され、他方が光カプラ21gを介して周回ループ1
2bに入力される。周回ループ12aには、音響光学変
調器32a,光カプラ21h,半導体レーザ増幅器33
a,光バンドパスフィルタ34a,光アイソレータ35
aが含まれる。周回ループ12bには、音響光学変調器
32d,光カプラ21i,半導体レーザ増幅器33b,
光バンドパスフィルタ34b,光アイソレータ35bが
含まれる。
【0030】各周回ループ12a,12bの出力は、光
カプラ21h,21iを介して取り出される。この光カ
プラ21h,21iは、音響光学変調器32a,32d
を少なくとも1回通過したCW光を取り出すために用い
られている。各光カプラ21h,21iの出力は、光周
波数 f0 を中心に fS で等間隔に並んだ対称な線スペク
トル列となり、光カプラ21jで合波されて2分岐され
る。その一方は、光カプラ21cを介して電圧制御型フ
ァブリペロエタロン36に入力され、他方は光周波数変
調器23の音響光学変調器32bに入力される。
【0031】電圧制御型ファブリペロエタロン36で
は、光周波数間隔Δf の成分、例えばf0−Δf/2および
f0+Δf/2とを選択することにより、繰り返し光周波数
Δf のビート波を得ることができる。本実施例では、光
周波数f0−Δf/2,f0+Δf/2のCW光がほぼ同じ光路
長を伝搬するように互いにループ長を調節すると、周回
後の光路長差は小さくなるので、 (2)式から決定される
条件を大幅に緩和することができる。
【0032】なお、本実施例では、電圧制御型ファブリ
ペロエタロン36のピークを f0 からΔf/2ずらして設
定するので、音響光学変調器32bに光周波数f0−Δf
/2またはf0+Δf/2の光を入射する必要がある。した
がって、光カプラ21jの出力光の一方を音響光学変調
器32bに結合している。また、図4に示す第2実施例
と同様に、光サーキュレータとミラーを用いて音響光学
変調器を2度通過させることにより、ループ1周ごとの
光周波数シフト量を2倍にすることができる。また、本
実施例では、光周波数シフタとして音響光学変調器32
a,32dを用いたが、位相変調器を用いるセロダイン
法によっても同様に光周波数シフタとして機能させるこ
とができる。また、音響光学変調器32a,32dの出
力光を半導体レーザ増幅器33a,33bを用いて増幅
したが、エルビウム添加光ファイバ増幅器を用いてもよ
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超高速光
ソリトンパルス発生装置は、1台のレーザ光源を用いて
繰り返し光周波数が安定した超高速光ソリトンパルスを
発生させることができる。また、本発明装置により得ら
れる超高速光ソリトンパルスはsech2形であるので、理
想的な光ソリトンパルス伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超高速光ソリトンパルス発生装置の基
本構成を示す図。
【図2】光フィルタ制御回路17の基本構成を示す図。
【図3】本発明の第1実施例の構成を示す図。
【図4】本発明の第2実施例の構成を示す図。
【図5】本発明の第3実施例の構成を示す図。
【図6】従来の超高速光ソリトンパルス発生装置の基本
構成を示す図。
【図7】ビート波の電界とパワーの関係を示す図。
【図8】光ソリトン断熱圧縮によるソリトン化の様子を
示す図。
【符号の説明】
11 レーザ光源 12 周回ループ 13 光周波数シフタ 14 光増幅器 15 発振器 16 可変波長光フィルタ 17 光フィルタ制御回路 18 光ソリトン断熱圧縮回路 21 光カプラ 22 発振器 23 光周波数変調器 24 受光器 25 ミキサ 26 低域通過フィルタ(LPF) 31 DFB−LD 32 音響光学変調器(AOM) 33 半導体レーザ増幅器 34 光バンドパスフィルタ 35 光アイソレータ 36 電圧制御型ファブリペロエタロン 37 電圧制御発振器(VCO) 38 加算器 39 増幅器 40 エルビウム添加光ファイバ増幅器 41 分布増幅型光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猿渡 正俊 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し光周波数Δf のビート波を光ソ
    リトン断熱圧縮回路に入射し、短光パルス化して繰り返
    し光周波数Δf の光ソリトンパルスを発生する超高速光
    ソリトンパルス発生装置において、 光周波数 f0 のCW光を出力する1個のレーザ光源と、 発振器により駆動される光周波数シフタおよび光増幅器
    を含み、前記CW光を周回させて複数の光周波数成分を
    有する光を出力する周回ループと、 前記複数の光周波数成分を有する光のうち、所定の2つ
    の光周波数 f0 ,f0+Δf の光を選択して前記繰り返し
    光周波数Δf のビート波を出力する可変波長光フィルタ
    と、 前記レーザ光源の出力光の一部を入力し、前記可変波長
    光フィルタの透過周波数のピークを前記光周波数 f0
    制御する光フィルタ制御回路とを備えたことを特徴とす
    る超高速光ソリトンパルス発生装置。
  2. 【請求項2】 繰り返し光周波数Δf のビート波を光ソ
    リトン断熱圧縮回路に入射し、短光パルス化して繰り返
    し光周波数Δf の光ソリトンパルスを発生する超高速光
    ソリトンパルス発生装置において、 光周波数 f0 のCW光を出力する1個のレーザ光源と、 前記CW光を2分岐する分岐手段と、 発振器により駆動される光周波数シフタおよび光増幅器
    を含み、前記分岐手段で2分岐された一方のCW光を周
    回させて複数の光周波数成分を有する光を出力する第1
    の周回ループと、 前記分岐手段で2分岐された他方のCW光を入力し、前
    記第1の周回ループと同様の構成で光周波数フト量の符
    号が異なる第2の周回ループと、 前記第1の周回ループおよび前記第2の周回ループの光
    出力を合波する合波手段と、 前記合波手段の出力光から、光周波数間隔Δf の成分を
    選択して前記繰り返し光周波数Δf のビート波を出力す
    る可変波長光フィルタと、 前記合波手段の出力光の一部を入力し、前記可変波長光
    フィルタの透過周波数のピークを前記光周波数f0からΔ
    f/2ずらして設定する光フィルタ制御回路とを備えたこ
    とを特徴とする超高速光ソリトンパルス発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の超高速
    光ソリトンパルス発生装置において、 光フィルタ制御回路は、 入力光に周波数変調を施す光周波数変調手段と、 前記光周波数変調手段から出力された変調光を、周回ル
    ープから入力される光とは逆方向に可変波長光フィルタ
    に入力する入力手段と、 前記可変波長光フィルタを通過した変調光を取り込んで
    電気信号に変換し、この電気信号を前記光周波数変調手
    段の周波数変調に用いた駆動信号で同期検波し、その直
    流成分を前記可変波長光フィルタに帰還する制御手段と
    を備えたことを特徴とする超高速光ソリトンパルス発生
    装置。
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