JPH0774564A - 音質改善装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯域制限された原音信号の高音質化を図るた
めの装置を提供することである。 【構成】 ＡＭ受信信号を受信回路７で復調し、その復
調信号が加算器６とＢＰＦ１に加えられる。ＢＰＦ１に
より抽出された５〜９ＫHzの帯域成分信号は乗算器３に
よって発振器２からの４ＫHzのキャリア周波数信号でＡ
Ｍ変調される。その変調信号のうち９〜１３ＫHzの上側
波帯成分がＨＰＦ４により抽出され増幅器５を介して加
算器６に与えられ、復調信号に付加されパワーアンプ８
を介してスピーカ９に送られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は帯域制限されている原音
信号の音質を改善するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】音楽ソースには、ＣＤのように２０ｋHz
まで周波数帯域が確保されているものから、ＡＭラジオ
のように９ｋHz以下に帯域制限されているものもある。
音質改善の手段としてよく知られているものにイコライ
ザがある。これは、原音信号の高域や低域の周波数特性
を制御することにより、ユーザの好む音作りを行うもの
である。

【０００３】また、最近ではＤＳＰ（Digital Signal P
rocessor）を用いてディレーや残響音を生成すること
で、オリジナルのソースの音質を制御しようとする試み
も多く行われている。更にスタジオでの編集時には音質
変換装置としてエフェクターが使われている。またイコ
ライザはもとより、原音信号の高調波を発生させるエキ
サイターなどがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上述べた従
来の音質改善の手段は全て、原音の帯域内の信号を制御
するものであり、帯域外の信号に対しては何らの制御も
していない。従って、ＡＭラジオのように９ｋHz以下に
帯域制限された原音信号の音質を改善しようとしても従
来の手段による帯域内の音質改善だけでは限界があっ
た。また、従来の方法では帯域外である高域の改善が不
可能であった。

【０００５】本発明の目的は帯域制限された原音信号に
対して、その帯域外の高域信号成分を付加することによ
り、高音質化する装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第１の発明の音質改善装置は、原音信号から所定の
周波数帯域成分信号を抽出する抽出手段と、上記周波数
帯域成分信号を所定のキャリア周波数信号で変調して変
調信号を得る変調手段と、上記変調信号から上記原音信
号の帯域外の高域信号成分を抽出して上記原音信号に付
加する加算手段と、を備えたことを要旨とする。

【０００７】第２の発明の音質改善装置は、原音信号か
ら所定の周波数帯域成分信号を抽出する抽出手段と、上
記周波数帯域成分信号の利得を調整する利得調整手段
と、利得調整された周波数帯域成分信号を所定のキャリ
ア周波数信号で変調して変調信号を得る変調手段と、上
記変調信号から上記原音信号に、上記利得調整された周
波数帯域成分信号と共に付加する加算手段と、を備えた
ことを要旨とする。

【０００８】第１または第２の発明の音質改善装置にお
いて、前記原音信号をＡＭ信号とし、前記変調手段をＡ
Ｍ変調手段としてもよい。

【０００９】

【作用】原音信号には、該原音信号の一部の周波数帯域
成分を変調して得た帯域外の高域信号成分或いは上記周
波数帯域成分の利得を調整し、その利得調整された周波
数帯域成分と共に上記高域信号成分が付加される。従っ
て、音質、特に高域の音質が改善される。

【００１０】

【実施例】以下図面に示す本発明の実施例を説明する。
図１は本発明をＡＭラジオ受信機に適用した一実施例
で、１はバンドパスフィルタ（ＢＰＦ）、２はキャリア
周波数発振器、３はＡＭ変調用乗算器、４はハイパスフ
ィルタ（ＨＰＦ）、５は増幅器、６は加算器、７は公知
のＡＭラジオ受信回路、８はパワーアンプ、９はスピー
カである。

【００１１】上記実施例において、アンテナＡＮＴから
のＡＭ受信信号は受信回路７で復調されるが、その復調
信号は図２の（ａ）に示すように９ｋHz以下に帯域制限
された原音信号であり、バンドパスフィルタ１によって
該信号から所定の周波数帯域成分信号、例えば５〜９ｋ
Hzの帯域成分信号を抽出する。この信号は乗算器３に入
力され、該乗算器により発振器２から出力される所定の
キャリア周波数、例えば４ｋHzの信号がＡＭ変調され、
９〜１３ｋHzと１〜５ｋHzの成分から成るＡＭ変調信号
に変換される。

【００１２】このＡＭ変調信号はハイパスフィルタ４に
入力され、１〜５ｋHzの下側波帯成分をカットして９〜
１３ｋHzの高域信号成分（上側波帯成分）のみが増幅器
５を介して加算器６に与えられる。

【００１３】加算器６は原音信号にこの高域信号成分を
付加して出力オーディオ信号をパワーアンプ８を介して
スピーカ９に送る。この出力オーディオ信号の周波数帯
域は図２の（ｂ）に示すようになり、斜線部が原音信号
の帯域外の高域信号成分の周波数帯をあらわしている。
なお、付加される高域信号成分のゲインは増幅器５によ
ってユーザの好みに応じて調節可能である。

【００１４】図３は本発明の他の実施例で、図１と同一
符号は同一または類似の回路を表し、この実施例では、
ＢＰＦ１の出力側にゲイン調整用の増幅器１０が設けら
れ、原音信号には高域成分信号と共に利得調整された５
〜９ｋHzの帯域成分信号が付加される。この実施例によ
れば高域信号成分のゲインと同時に所定の帯域信号成分
のゲインも調整可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、原
音に、その帯域外の高域成分及びまたは利得調整された
所定の帯域信号成分を付加するので、音質が明るく弾ん
だ音を得ることができる。またこの付加される高域成分
は原音成分から演算により生成するので、リズムやピッ
チ周波数が原音と同じであり、聴感上違和感もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】上記実施例の周波数帯の説明図である。

【図３】本発明の他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。

【符号の説明】

１ ＢＰＦ ２ 発振器 ３ 乗算器 ４ ＨＰＦ ５ 増幅器 ６ 加算器 ７ 受信回路 ８ パワーアンプ ９ スピーカ １０ 増幅器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原音信号から所定の周波数帯域成分信号
   を抽出する抽出手段と、 上記周波数帯域成分信号を所定のキャリア周波数信号で
   変調して変調信号を得る変調手段と、 上記変調信号から上記原音信号の帯域外の高域信号成分
   を抽出して上記原音信号に付加する加算手段と、 を備えたことを特徴とする音質改善装置。
2. 【請求項２】 前記原音信号がＡＭ信号であり、前記変
   調手段がＡＭ変調手段であることを特徴とする請求項１
   に記載の音質改善装置。
3. 【請求項３】 原音信号から所定の周波数帯域成分信号
   を抽出する抽出手段と、 上記周波数帯域成分信号の利得を調整する利得調整手段
   と、 利得調整された周波数帯域成分信号を所定のキャリア周
   波数信号で変調して変調信号を得る変調手段と、 上記変調信号から上記原音信号の帯域外の高域信号成分
   を抽出して上記原音信号に、上記利得調整された周波数
   帯域成分信号と共に付加する加算手段と、 を備えたことを特徴とする音質改善装置。
4. 【請求項４】 前記原音信号がＡＭ信号であり、前記変
   調手段がＡＭ変調手段であることを特徴とする請求項３
   に記載の音質改善装置。