JPH0774422A - Qスイッチ型レーザ装置 - Google Patents

Qスイッチ型レーザ装置

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JPH0774422A
JPH0774422A JP24059193A JP24059193A JPH0774422A JP H0774422 A JPH0774422 A JP H0774422A JP 24059193 A JP24059193 A JP 24059193A JP 24059193 A JP24059193 A JP 24059193A JP H0774422 A JPH0774422 A JP H0774422A
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laser
excitation energy
peak value
laser output
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JP24059193A
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Shingo Murata
真吾 村田
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Miyachi Technos Corp
Original Assignee
Miyachi Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 [目的]レーザ出力パルスの尖頭値を正確に予測し、か
つ任意に制御できるようにする。 [構成]励起ランプ12に近接した位置に励起エネルギ
検出用の光センサ22が設けられ、全反射ミラー16の
背後にレーザ出力検出用の光センサ24が設けられる。
制御部26は、設定部28からの繰返し周波数設定値、
パルス発振の時間間隔を規定する内部タイミング信号、
光センサ22からの励起エネルギ検出信号SL および光
センサ24からのレーザ出力検出信号SP に基づいてQ
スイッチ18の動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Qスイッチを用いてパ
ルス発振を行うレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】YAGレーザ等の固体レーザは、Qスイ
ッチを用いることで、連続発振を尖頭出力値の高い高速
繰返しパルス発振に変えることが可能である。YAGレ
ーザには、一般に、超音波によるブラッグ回折を利用す
る音響光学Qスイッチが使われている。
【0003】図8に示すように、音響光学Qスイッチ1
00は、入射面および出射面に反射防止膜102を施さ
れた偏光媒体である合成石英ガラス104と、この石英
ガラス104の一面(底面)に接着層106を介して結
合された超音波発生用の圧電体108と、高周波整合回
路110とから構成される。Qスイッチ・ドライバ11
2よりたとえば24MHz、50Wの高周波電気信号E
Sが整合回路110を介して圧電体108に与えられる
と、ピエゾ効果によって高周波電気信号ESが超音波A
Sに変換され、その超音波ASが石英ガラス104内を
伝播する。そうすると、光弾性効果により石英ガラス1
04内に周期的な屈折率分布が生じ、ここに適当な角度
で光LBi を入射させると、入射した光LBi がLBR
のように回折される(音響光学効果)。
【0004】図9に、YAGレーザ共振器の構成を示
す。楕円反射鏡筒114内の一対の楕円焦点位置にYA
Gロッド116および励起ランプ118が平行に配置さ
れる。YAGロッド116の両端面と対向して部分反射
(出力)ミラー120および全反射ミラー122が配置
され、YAGロッド116の一端面と全反射ミラー12
2との間にQスイッチ100が配置される。
【0005】上記のように高周波電気信号ESがQスイ
ッチ100に入力されて石英ガラス104内を超音波A
Sが伝播すると、YAGロッド116からのレーザ光L
Biの一部がQスイッチ100で回折され、レーザ共振
器の損失が増加してQ値が下がり、レーザ発振が停止す
る。しかし、レーザ発振が止まっても、励起ランプ11
8によるYAGロッド116の励起は継続されているた
め、YAGロッド116内の反転分布(熱平衡状態の低
いエネルギレベルにある原子の数よりも励起状態の高い
エネルギレベルにある原子の数が多い割合)は増大す
る。この反転分布が十分に大きくなった時に高周波電気
信号ESを遮断して急激にQ値を戻すと、レーザ共振器
でパルス発振が起こり、きわめて尖頭出力の高いレーザ
出力パルスLB0 が得られる。
【0006】実際の応用では、一定周波数Qf を有する
パルス状の変調信号で変調された高周波電気信号ESが
Qスイッチ100に供給され、変調周波数Qf に等しい
繰返し周波数でレーザ出力パルスLB0 が得られる。
【0007】図10の特性曲線で示すように、反転分布
は所定時間Ts (たとえば500nsec)で飽和値N
S に達する。したがって、パルス発振の繰返し周波数Q
f を1/Ts 以下にすればレーザ出力パルスLB0 の尖
頭値を最大にすることができる。繰返し周波数Qf を1
/Ts 以上にしたときは、図11に示すように、Qfに
反比例してレーザ出力パルスLB0 の尖頭値PH は低く
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】実際の応用では、上記
のようなレーザ共振器を1/Ts 以上の繰返し周波数で
Qスイッチ動作させることがよくある。その場合、図1
2に示すように、電源投入直後または再開直後に最初に
発生するレーザ出力パルスLB0B(1) の尖頭値が他(後
続)のレーザ出力パルスLB0B(2),LB0B(3),…の尖頭
値よりも異常に高くなるという問題がある。これは、定
常時では反転分布が飽和する前にQスイッチングが行わ
れるのに対して、電源投入直後または再開直後では反転
分布が飽和値またはその付近まで蓄積した後にQスイッ
チングが行われるためである。
【0009】精密なレーザ加工では、そのようなレーザ
出力パルスLB0 の尖頭値のバラツキは好ましくない。
たとえば、レーザマーキング加工において、図13に示
すように、マーキング加工点がある線(ストローク)J
A から次の線(ストローク)JB へジャンプする場合、
JA の終点jA(N)とJB の始点jB(1)との間でレーザ出
力パルスの時間間隔が大きく空く。この場合、各ストロ
ークJA ,JB の描画中の繰返し周波数Qf が1/Ts
以上であるときは、上記のように始点jB(1)に対するレ
ーザ出力パルスLB0B(1) の尖頭値が他のレーザ出力パ
ルス…,LB0A(N-1),LB0A(N) ,LB0B(2),LB0B
(3),…の尖頭値よりも異常に高くなり、結果として図1
3に示すように始点jB(1)のドットが他の描画点…,j
A(N-1), jA(N),jB(2), jB(3), …のドットよりも異
常に大きくなり、マーキング品質が下がるという不具合
がある。
【0010】そこで、従来は、最初に発生するレーザ出
力パルスLB0(1)についてはQスイッチング時にレーザ
共振器のQ値を最大値(全開値)ではなく中間値までし
か戻さないようにしてその尖頭値を抑制し、後続のレー
ザ出力パルスLB0(2), LB0(3), …の尖頭値に一致さ
せるようにしていた。しかし、該中間値は経験側または
試行錯誤的な調整によって選ばれており、最初のレーザ
出力パルスLB0(1)の尖頭値を正確に制御することが難
しかった。また、図14に示すように、最初(1発目)
のレーザ出力パルスLB0B(1) の尖頭値を抑制すること
によって余ったエネルギが2発目のレーザ出力パルスL
B0B(2) に乗り移って、2発目のレーザ出力パルスLB
0B(2) の尖頭値が設定値よりも高くなるという不具合も
あった。
【0011】また、励起ランプ118よりYAGロッド
116に与えられる励起エネルギが一時的または経時的
に変化すると、反転分布特性は図10において実線NK
から波線NK’,NK”等のように変化するため、従来
のこの種レーザ装置では、各レーザ出力パルスLB0 の
尖頭値を正確に予測ないし制御することができなかっ
た。
【0012】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、レーザ出力パルスの尖頭値を正確に予測して、
任意に制御することの可能なQスイッチ型レーザ装置を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1のQスイッチ型レーザ装置は、パル
ス発振の時間間隔を制御するタイミング制御手段と、レ
ーザ媒体に与えられる励起エネルギを検出する励起エネ
ルギ検出手段と、前記タイミング制御手段より与えられ
るタイミング信号と前記励起エネルギ検出手段より与え
られる励起エネルギ検出値とに基づいて前記レーザ媒体
における反転分布を監視する反転分布監視手段と、前記
反転分布監視手段からの反転分布監視値に応じて前記レ
ーザ共振器のQ値を制御するQ値制御手段とを具備する
構成とした。
【0014】また、本発明の第2のQスイッチ型レーザ
装置は、パルス発振の時間間隔を制御するタイミング制
御手段と、レーザ媒体に与えられる励起エネルギを検出
する励起エネルギ検出手段と、前記タイミング制御手段
より与えられるタイミング信号と前記励起エネルギ検出
手段より与えられる励起エネルギ検出値とに基づいてレ
ーザ出力パルスの尖頭値を推測する尖頭値推測手段と、
前記尖頭値推測手段からの推測尖頭値に応じて前記レー
ザ共振器のQ値を制御するQ値制御手段とを具備する構
成とした。
【0015】また、本発明の第3のQスイッチ型レーザ
装置は、パルス発振の繰返し周波数を設定する繰返し周
波数設定手段と、レーザ媒体に与えられる励起エネルギ
を検出する励起エネルギ検出手段と、前記繰返し周波数
設定手段より与えられる繰返し周波数設定値と前記励起
エネルギ検出手段より与えられる励起エネルギ検出値と
に基づいてレーザ出力パルスの基準尖頭値を演算する基
準尖頭値演算手段と、レーザ出力の瞬時値を検出するレ
ーザ出力検出手段と、前記レーザ出力検出手段より得ら
れるレーザ出力検出値を前記基準尖頭値演算手段からの
基準尖頭値と比較して比較誤差を発生する比較手段と、
前記比較手段からの比較誤差に応じて前記レーザ共振器
のQ値を制御するQ値制御手段とを具備する構成とし
た。
【0016】
【作用】本発明の第1または第2のQスイッチ型レーザ
装置では、レーザ媒体に与えられる励起エネルギが励起
エネルギ検出手段によって検出され、各パルス発振にお
ける反転分布ないしレーザ出力パルスの尖頭値が反転分
布監視手段または尖頭値推測手段によって正確に監視ま
たは予測されることにより、Q値の制御が的確に行わ
れ、各尖頭値が所望の値に制御される。
【0017】本発明の第3のQスイッチ型レーザ装置で
は、さらに、レーザ出力検出手段、基準尖頭値演算手段
および比較手段によってフィードバック信号が生成さ
れ、レーザ出力パルスの尖頭値が基準尖頭値に一致する
ように閉ループでQ値が動的に制御される。
【0018】
【実施例】以下、図1〜図7を参照して本発明の実施例
を説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例によるQスイッ
チ型YAGレーザの構成を示す。このYAGレーザにお
いて、YAGロッド10、励起ランプ12、部分反射
(出力)ミラー14、全反射ミラー16およびQスイッ
チ18は、図9に示したものと同様のYAGレーザ共振
器を構成する。励起ランプ12は、電源回路20より直
流のランプ電流の供給を受けて連続発光する。YAGロ
ッド10は、励起ランプ12からの連続光を励起エネル
ギとして受け取って連続発振する。
【0020】本実施例では、励起ランプ12に近接した
位置にたとえばフォトダイオードからなる光センサ22
が設けられる。この光センサ22は、励起ランプ12よ
りYAGロッド10に与えられる光の照度つまり励起エ
ネルギを検出する。光センサ22の出力信号SL は、励
起エネルギ検出信号として制御部26に与えられる。さ
らに、本実施例では、全反射ミラー16の背後にたとえ
ばフォトダイオードからなる光センサ24が設けられ
る。この光センサ24は、ミラー16の後方に抜けた
(漏れた)レーザ光LB' の瞬時的な光強度つまりレー
ザ出力パルスLB0の瞬時的な出力を検出する。光セン
サ24の出力信号SP は、レーザ出力検出信号として制
御部26に与えられる。
【0021】制御部26および設定部28は、キーボー
ド、ディスプレイ等の周辺装置を含むマイクロコンピュ
ータからなり、所定のソフトウェアによって動作する。
設定部28には、レーザ発振開始/終了時間、ランプ電
流および繰返し周波数Qf 等が設定入力される。制御部
26は、設定部28からのレーザ発振開始/終了時間お
よびランプ電流の各設定値に基づいて電源回路20の動
作を制御する。また、制御部26は、設定部28からの
繰返し周波数設定値、パルス発振の時間間隔を規定する
内部タイミング信号、光センサ22からの励起エネルギ
検出信号SL および光センサ24からのレーザ出力検出
信号SP に基づいてQスイッチ18の動作を制御する。
【0022】図2は、本実施例のQスイッチング動作に
関係する制御部26内部の構成(32〜46)を示す。
【0023】タイミング発生回路32は、パルス発振動
作中に、設定部28からの繰返し周波数設定値[Qf ]
およびレーザ加工上のデータ(たとえばレーザマーキン
グ加工における描画データ)等に基づいてレーザ出力パ
ルスの時間間隔を規定するタイミング信号CT,CT’
を出力する。発振器34は、Qスイッチ18の石英ガラ
ス内に超音波を与えるための、たとえば24MHz,5
0Wの高周波信号FRを発生する。
【0024】変調器36は、発振器34からの高周波信
号FRをタイミング信号CTで変調する。変調器36に
おける変調信号は、タイミング信号CTで規定される時
間間隔または周期を有し、変調度に反比例した振幅を有
する。ただし、変調度は、後述する反転分布監視部38
からの反転分布監視値MC、尖頭値推測部40からの推
測尖頭値GCもしくはフィードバック制御系の比較器4
6からの比較誤差ERに応じて制御される。この変調信
号がたとえば図3の(A) に示すようなものであるとする
と、図3の(B) に示すようなQ値制御信号QCが変調器
36より出力される。図示のように、変調信号の振幅が
大きくなるほど、つまり変調度が大きくなるほど、Q値
制御信号QCの振幅は小さくなる。Qスイッチドライバ
30は、図8のドライバ112に相当するもので、変調
器36からのQ値制御信号QCに応動してQスイッチ1
8を駆動する。
【0025】反転分布監視部38は、タイミング発生回
路32よりタイミング信号CT’を入力するとともに、
光センサ22からの励起エネルギ検出信号SL を入力す
る。励起ランプ12よりYAGロッド10に与えられる
励起エネルギが一時的または経時的に変化すると、それ
に対応したレベル変化が光センサ22からの励起エネル
ギ検出信号SL に現れる。反転分布監視部38は、励起
エネルギ検出信号SLのレベル変化を基に、図10に示
すような反転分布特性の変化(特性曲線の傾きの変化)
を検出し、現時の反転分布特性を正確に把握する。これ
により、反転分布監視部38は、タイミング信号CT’
を基に各パルス発振における反転分布を予測し、変調度
を最適に制御または補正するための反転分布監視値MC
を変調器36に与える。
【0026】尖頭値推測部38は、タイミング発生回路
32からのタイミング信号CT’と光センサ22からの
励起エネルギ検出信号SL とを入力する。上記のように
励起エネルギの変化に応じて励起エネルギ検出信号SL
のレベルが変化するので、尖頭値推測部38は上記反転
分布監視部38と同様にそのレベル変化から反転分布特
性の変化(特性曲線の傾きの変化)を検出して、現時の
反転分布特性を正確に把握する。そして、Qスイッチン
グ時における反転分布と尖頭値とは比例関係にあるの
で、尖頭値推測部38は、タイミング信号CT’を基に
現時の反転分布特性から各パルス発振におけるレーザ出
力パルスLB0 の尖頭値を推測し、変調器36に変調度
を最適に制御または補正するための推測尖頭値GCを与
える。
【0027】基準尖頭値演算部42、基準値発生部44
および比較器46は、各パルス発振または所定のパルス
発振においてレーザ出力パルスLB0 の尖頭値を基準値
に一致させるためのフィードバック制御系を構成する。
【0028】基準尖頭値演算部42は、設定部28から
の繰返し周波数設定値[Qf ]を入力するとともに、光
センサ22からの励起エネルギ検出信号SL を入力す
る。上記のように励起エネルギの変化に応じて励起エネ
ルギ検出信号SL のレベルが変化するので、基準尖頭値
演算部42もSL のレベル変化から反転分布特性の変化
(特性曲線の傾きの変化)を検出して、現時の反転分布
特性を正確に把握することができる。その上で、基準尖
頭値演算部42は、繰返し周波数設定値[Qf ]を基に
定常時の尖頭値つまり数発目以降のレーザ出力パルスの
尖頭値を推測し、その推測値を基準尖頭値とする。基準
値発生部44は、基準尖頭値演算部42で求められた基
準尖頭値に対応した基準電圧または基準データを基準値
SEとして出力する。比較器46は、一方の入力端子に
基準値発生部44からの基準値SEを入力するととも
に、他方の入力端子に光センサ24からのレーザ出力検
出信号SP を入力し、両入力SE,SP 間の差分(比較
誤差)ERを出力する。変調器36は、比較器46から
の比較誤差ERに応じて各パルス発振における変調度を
動的に変化させる。
【0029】次に、図4につき上記フィードバック制御
系(42,44,46)および変調器36の作用を説明
する。なお、変調器36において、各パルス発振の開始
時の変調度(初期値)は最大値近辺たとえば100%に
設定されているものとする。
【0030】時刻t0 で、タイミング発生回路32から
のタイミング信号CTがパルス発振の開始を指示する
と、Q値制御信号QCの振幅が零になり(変調度100
%)、Qスイッチ18において超音波が切れる。そうす
ると、急激にQ値が高くなり、パルス発振が開始され
る。これにより、時刻t0 で、レーザ出力パルスLB0
が立ち上がり始め、それに対応して光センサ24の出力
信号SP も立ち上がり始める(図4の(A) )。比較器4
6の出力信号(比較誤差)ERは時刻t0 で初期値SE
であり、この比較誤差初期値SEに対して変調器36に
おける変調度の初期値は100%に選ばれている(図4
の(B) )。
【0031】レーザ出力パルスLB0 のレーザ出力が高
くなるにつれて、比較器46からの比較誤差ERは小さ
くなり、それに応じて変調器36の変調度は下がり(図
4の(A), (B))、Q値制御信号QCの振幅が増大して
(図4の(B) )、レーザ発振器のQ値が下がる。これに
より、レーザ出力パルスLB0 は、尖頭値に向かうにつ
れて上昇率を抑えられ、光センサ24の出力信号SP が
基準値SEに達したところで(時刻tp で)、尖頭値に
達する。この時、比較器46の出力信号ERは零にな
り、変調器36における変調度は下限値(たとえば50
%)に達し、Q値も所定の下限値に達する。
【0032】なお、この種のレーザ出力パルスLB0 の
レーザパワーは尖頭値によって決まり、尖頭値以降の立
ち下がり部分はレーザパワーとしては無意味である。し
たがって、立ち下がり区間における変調度をたとえば図
4の(B) において波線M’,M”で示すように任意に選
ぶことが可能である。
【0033】このように、本実施例のフィードバック制
御によれば、パルス発振の開始時には変調度を最大(た
とえば100%)にしてレーザ出力パルスLB0 の立ち
上がりを速くし、レーザ出力が高くなるにつれて変調度
ないしQ値を下げて、レーザ出力パルスLB0 の尖頭値
を基準値尖頭値に合わせるようにしている。したがっ
て、図5に示すように、再開直後の1発目のレーザ出力
パルスLB0B(1) の尖頭値を定常時のレーザ出力パルス
LB0B(i),LB0B(i+1),…の尖頭値(基準尖頭値)に一
致させることが可能であり、図12のような異常な尖頭
値を防止することができる。また、2発目以降のレーザ
出力パルスLB0B(2) に対しても同様のフィードバック
制御をかけることで、その尖頭値も基準尖頭値に一致さ
せることが可能であり、図14のような不具合を防止す
ることができる。
【0034】上記の例では、基準尖頭値を繰返し周波数
設定値[Qf ]に対応する固定値としたが、タイミング
発生回路32からのタイミング信号CT’に応動して基
準尖頭値演算部42が所定のプログラムにしたがって各
パルス発振毎に所望の基準尖頭値を演算し、基準値発生
部44が各パルス発振毎に独立した基準値SEを与える
ことにより、たとえば図6あるいは図7に示すように、
各レーザ出力パルスLB0(1),LB0(2),LB0(3)の尖
頭値を任意に制御することも可能である。
【0035】また、フィードバック制御系(42,4
4,46)に代えて反転分布監視部38もしくは尖頭値
推測部40を用いた場合は、上記のように各パルス発振
において変調度を動的に可変制御することはできない
が、現時の反転分布特性に基づいて変調度ないしQ値を
的確に制御し、尖頭値を所望の値に制御することが可能
である。
【0036】図2の構成例ではフィードバック制御系
(42,44,46)、反転分布監視部38および尖頭
値推測部40を併設したが、それらの中の1つのみ備え
る構成も可能である。
【0037】上記した実施例の変調器36における変調
方式は一例であり、任意の変調方式が可能である。ま
た、本発明におけるQスイッチは、音響光学Qスイッチ
に限らず、回転ミラーQスイッチ等の他の型式のQスイ
ッチでも可能である。
【0038】また、上記した実施例では、レーザ出力検
出用の光センサ24を全反射ミラー16の背後に配置し
たが、この配置位置に限るものではなく、たとえば出力
ミラー14の外側にレーザ出力パルスの光路を変えるた
めの反射ミラーを配置してその背後に漏れレーザ光を検
出するように光センサ24を配置することも可能であ
る。
【0039】また、上記実施例はYAGレーザに係るも
のであったが、本発明は任意のQスイッチ型レーザ装置
に適用可能であり、したがってレーザマーキング加工に
限らずレーザトリミング加工等の種々の応用に適用可能
である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1のQ
スイッチ型レーザ装置によれば、レーザ媒体に与えられ
る励起エネルギ検出して各パルス発振における反転分布
を監視し、反転分布監視値に基づいてレーザ共振器のQ
値を制御するようにしたので、レーザ出力パルスの尖頭
値をより正確に制御することができる。本発明の第2の
Qスイッチ型レーザ装置によれば、レーザ媒体に与えら
れる励起エネルギ検出して各パルス発振におけるレーザ
出力パルスの尖頭値を推測し、推測尖頭値に応じてレー
ザ共振器のQ値を制御するようにしたので、実際のレー
ザ出力パルスの尖頭値をより正確に制御することができ
る。本発明の第3のQスイッチ型レーザ装置によれば、
さらに、レーザ出力検出手段、基準尖頭値演算手段およ
び比較手段によって比較誤差を生成し、この比較誤差を
基にレーザ出力パルスの尖頭値が基準尖頭値に一致する
ように閉ループでQ値を動的に制御するようにしたの
で、異常に高くなりそうな尖頭値も基準尖頭値に確実に
一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるQスイッチ型レーザ装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のQスイッチング動作に関係する図1の
制御部内部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例における変調器の変調方式を示す波形図
である。
【図4】実施例におけるフィードバック制御の作用を示
す波形図である。
【図5】実施例における効果の一例を示すレーザ出力パ
ルス波形図である。
【図6】変形例による効果の一例を示すレーザ出力パル
ス波形図である。
【図7】変形例による効果の別の例を示すレーザ出力パ
ルス波形図である。
【図8】音響光学Qスイッチの構成を示す斜視図であ
る。
【図9】YAGレーザ共振器の構成を示す斜視図であ
る。
【図10】YAGレーザ共振器における反転分布特性を
示す特性曲線図である。
【図11】YAGレーザ共振器におけるパルス発振の時
間間隔と尖頭値との関係を示すレーザ出力パルス波形図
である。
【図12】従来のQスイッチ型レーザ装置における不具
合を示すレーザ出力パルス波形図である。
【図13】従来のYAGレーザ共振器における不具合を
示すレーザマーキングドット図である。
【図14】従来のQスイッチ型レーザ装置における別の
不具合を示すレーザ出力パルス波形図である。
【符号の説明】
10 YAGロッド 12 励起ランプ 18 Qスイッチ 22 励起エネルギ検出用光センサ 24 レーザ出力検出用光センサ 26 制御部 28 設定部 32 タイミング発生回路 36 変調器 38 反転分布監視部 40 尖頭値推測部 42 基準尖頭値演算部 44 基準値発生部 46 比較器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Qスイッチによりレーザ共振器のQ値を
    制御してパルス発振を行うようにしたQスイッチ型レー
    ザ装置において、 パルス発振の時間間隔を制御するタイミング制御手段
    と、 レーザ媒体に与えられる励起エネルギを検出する励起エ
    ネルギ検出手段と、 前記タイミング制御手段より与えられるタイミング信号
    と前記励起エネルギ検出手段より与えられる励起エネル
    ギ検出値とに基づいて前記レーザ媒体における反転分布
    を監視する反転分布監視手段と、 前記反転分布監視手段からの反転分布監視値に応じて前
    記レーザ共振器のQ値を制御するQ値制御手段と、 を具備することを特徴とするQスイッチ型レーザ装置。
  2. 【請求項2】 Qスイッチによりレーザ共振器のQ値を
    制御してパルス発振を行うようにしたQスイッチ型レー
    ザ装置において、 パルス発振の時間間隔を制御するタイミング制御手段
    と、 レーザ媒体に与えられる励起エネルギを検出する励起エ
    ネルギ検出手段と、 前記タイミング制御手段より与えられるタイミング信号
    と前記励起エネルギ検出手段より与えられる励起エネル
    ギ検出値とに基づいてレーザ出力パルスの尖頭値を推測
    する尖頭値推測手段と、 前記尖頭値推測手段からの推測尖頭値に応じて前記レー
    ザ共振器のQ値を制御するQ値制御手段と、 を具備することを特徴とするQスイッチ型レーザ装置。
  3. 【請求項3】 Qスイッチによりレーザ共振器のQ値を
    制御してパルス発振を行うようにしたQスイッチ型レー
    ザ装置において、 パルス発振の繰返し周波数を設定する繰返し周波数設定
    手段と、 レーザ媒体に与えられる励起エネルギを検出する励起エ
    ネルギ検出手段と、 前記繰返し周波数設定手段より与えられる繰返し周波数
    設定値と前記励起エネルギ検出手段より与えられる励起
    エネルギ検出値とに基づいてレーザ出力パルスの基準尖
    頭値を演算する基準尖頭値演算手段と、 レーザ出力の瞬時値を検出するレーザ出力検出手段と、 前記レーザ出力検出手段より得られるレーザ出力検出値
    を前記基準尖頭値演算手段からの基準尖頭値と比較して
    比較誤差を発生する比較手段と、 前記比較手段からの比較誤差に応じて前記レーザ共振器
    のQ値を制御するQ値制御手段と、 を具備したことを特徴とするQスイッチ型レーザ装置。
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