JPH07262159A - 一次元写像回路およびカオス発生回路 - Google Patents

一次元写像回路およびカオス発生回路

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JPH07262159A
JPH07262159A JP6222376A JP22237694A JPH07262159A JP H07262159 A JPH07262159 A JP H07262159A JP 6222376 A JP6222376 A JP 6222376A JP 22237694 A JP22237694 A JP 22237694A JP H07262159 A JPH07262159 A JP H07262159A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CMOS電子回路で構成でき、集積回路化に
も適し、内部状態を高速に決定でき、高速なサンプリン
グレートでも正確なカオスを安定に発生する。 【構成】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大する
関係にある第一の回路1と入力電圧の増大に対して出力
電圧が減少する関係にある第二および第三の回路2,3
を備え、第一および第二の回路の入力5を共通に接続
し、第三の回路の入力7に外部調整電圧を加え、第一、
第二および第三の回路の出力6を共通に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一次元写像回路とカ
オス発生装置に関する。さらに、コンピュータやエレク
トロニクス機器における連想記憶や複雑な組み合わせ問
題に関する最適解を求めることを可能にするカオス発生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、コンピュータやエレクトロニクス
機器への神経回路網の応用という面から、ニューラルネ
ットワークの研究が盛んに行われている。特に、ニュー
ロンのカオス応答特性に着目し、カオスと情報処理とを
関連させるカオスニューラルネットワークの電子回路モ
デルの研究も盛んである。
【0003】カオスニューラルネットワークの電子回路
モデルでは、ニューロンの周期応答やカオスの応答特性
を離散時間モデルで数式化して数学的差分方程式または
微分方程式に変換し、この方程式をカオスニューロンモ
デルとして電子回路化を図る。そして、複数の演算増幅
器を組み合わせた一次元写像回路と、それに連なる二つ
のサンプルホールド回路によってカオスニューラルネッ
トワークの電子回路モデルを構成し、サンプルホールド
と一次元写像を順次繰り返すことによって、上記方程式
の各項に対応させるカオス発生装置の例が従来から知ら
れている(清水和彦5:”カオスヌーラルネットワーク
の電子回路モデル”、電子情報通信学会論文誌A、J7
3−A、3、495頁)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の電子回路モデルによるカオス発生装置では、複数
の演算増幅器を組み合わせて一次元写像回路を構成し、
その入出力特性を調整し方程式の各項に適合させるの
で、次のような種々の課題を有していた。
【0005】第一に、一次元写像回路だけでなくカオス
発生装置の全体の回路構成が複雑で大型化し、入出力特
性が周囲温度の変化に影響され、調整が煩わしい。この
ため、従来の一次元写像回路によればカオス発生装置を
集積回路化するには不向きである。
【0006】第二に、演算増幅器での演算や信号伝達に
時間がかかるので、サンプリングレートを高速化でき
ず、変化が急速な外部入力には対応できない。カオス発
生装置では、一次元写像とサンプリングを繰り返し、内
部状態を遷移させながら写像を繰り返す。従って、一次
元写像に時間がかかると、サンプリングレートを高速に
できず、サンプリングレートを高速にした場合には、カ
オスを発生できない。従来のカオス発生装置によれば、
内部での伝達や処理速度が遅く、内部状態の決定に時間
がかかるので、カオスを発生できるのは、サンプリング
レートを遅くした場合や、外部入力の変化が十分に遅い
場合に限られていた。
【0007】以上の他、演算や信号伝達に時間がかかる
ので、結果として、サンプリングしてフィードバックす
るまでの間にノイズを受けやすく、誘導も誘いやすい。
しかも、これにより一次元写像での内部状態の遷移の軌
跡が変動しやすく、正確なカオスを安定に発生できない
などの末解決な課題を多く有していた。
【0008】この発明は、上記の従来の技術が有してい
た課題に鑑み、CMOS電子回路で構成でき、集積回路
化にも適し、内部状態を高速に決定でき、高速なサンプ
リングでも正確なカオスを安定に発生できる一次元写像
回路やカオス発生装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の一次元写像回路は、入力電圧の増大に対
し出力電圧が増大する関係にある第一の回路と入力電圧
の増大に対し出力電圧が減少する関係にある第二および
第三の回路を備え、第一および第二の回路の入力を共通
とし、第三の回路の入力に外部調整電圧を加え、第一、
第二および第三の回路の出力を共通に接続し、非線形関
数発生回路を構成することによって一次元写像を行う。
【0010】この発明のカオス発生装置は、前記一次元
写像回路の出力に第一のスイッチと第二のスイッチを直
列に接続し、前記一次元写像回路の入力に帰還するルー
プを備える。また、第一のスイッチと第二のスイッチの
間に内部状態を記憶保持する記憶保持手段として、好ま
しくはコンデンサを配する。なお、第一および第二のス
イッチとして、CMOS伝送ゲートを採用することも好
適である。
【0011】また、この発明のカオス発生装置は複数の
一次元写像回路を備え、たとえば第一の一次元写像回路
に第一のスイッチを接続し、第二の一次元写像回路に第
二のスイッチを接続し、それらをフリップフロップに相
互帰還接続してループを接続してもよい。フリップフロ
ップを構成する第一の一次元写像回路の入出力伝達特性
と第二の一次元写像回路の入出力伝達特性が厳密に一致
している必要はない。一致している場合には、コンピュ
ータシミュレーションによる内部状態の時間経過の予測
が容易であるが、カオスの発生に関し本質的ではない。
【0012】さらに、この発明のカオス発生回路は、前
記一次元写像回路にAD変換器とDA変換器を直列に接
続し、DA変換器の出力を前記一次元写像回路の入力に
帰還するループを設けることにより構成することができ
る。AD変換器とDA変換器は、処理速度と精度のかね
合いから、12ビットのものが実用的に採用されてい
る。また、AD変換器のデジタル出力側に外部コンピュ
ータとのデータ伝送路を接続すれば、AD変換器により
デジタル変換したデータをコンピュータのメモリに取り
込み、カオス内部状態の観察や引き続き行われるデータ
処理や信号解析に利用することができる。コンピュータ
から送られるデジタルデータを前記DA変換器へ送り、
カオス発生器を初期値設定することにも利用できる。
【0013】さらにまた、前記一次元写像回路に第一お
よび第二のスイッチと記憶保持用コンデンサを備えたカ
オス発生装置において、記憶保持用コンデンサに外部か
ら電荷を与えて、カオス発生装置の初期値を設定するこ
ともできる。
【0014】また、前記一次元写像回路にスイッチを接
続してフリップフロップにループを構成したカオス発生
装置において、外部からスイッチを介して一次元写像回
路のいづれかに初期値を設定することもできる。離散化
された時系列にしたがって、スイッチを交互に切り換え
ることにより、各一次元写像回路が交互に内部状態を決
定していく。
【0015】さらに、記憶保持コンデンサをループに有
するカオス発生装置と、2個の前記一次元写像回路とス
イッチをフリップフロップのループに構成したカオス発
生装置において、これらのループにAD変換器を接続す
ることにより、カオスの内部状態をデジタルデータとし
てコンピュータのメモリに取り組み、カオスの内部状態
の観察やデータ処理や信号の解析に利用することもでき
る。
【0016】なお、前記一次元写像回路には、その外部
調整電圧としてコンピュータで設定したデジタル値をD
A変換して与えるため、デジタル・アナログ変換手段を
付設するとよい。
【0017】前記一次元写像回路の非線形関数の特性は
リヤプノフ指数により特徴づけられる。前記一次元写像
回路を構成するPMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタのしきい値電圧とチャネル導伝度を異ならせるこ
とにより、前記一次元写像回路の入出力伝達特性に非線
形歪を与えることができる。これにより、カオスの発生
を容易にする。
【0018】この発明の一次元写像回路やカオス発生回
路においては、入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
する関係にある第一の回路は、CMOSソースホロア回
路により構成し、入力電圧の増大に対して出力電圧が減
少する関係にある第二および第三の回路はCMOSイン
バータ回路により構成すると好適である。このCMOS
回路による構成は、汎用CMOSウエハプロセス技術を
応用可能にして一次元写像回路やカオス発生回路の集積
回路化を可能にする。
【0019】さらにまた、この発明の一次元写像回路に
おいて、外部調整電圧を入力する第三の回路を複数個も
うけ、一次元写像回路の非線形を微細に調整するとよ
い。
【0020】また、この発明のカオス発生回路におい
て、非連続の時系列を作り出すスイッチおよび初期値設
定のためのDA変換器に接続するスイッチ、あるいはカ
オス発生ループの内部状態をAD変換するためのスイッ
チをCMOS伝送ゲートで構成することにより、カオス
発生回路の集積回路化を容易にする。
【0021】この発明のカオス発生装置においては、第
一のCMOS演算回路の演算出力を第二のCMOS演算
回路で反転した反転出力と、外部入力aが与えられる第
三のCMOS演算回路の出力とをサンプルホールド手段
経由で第一のCMOS演算回路に帰還するループを備え
るものである。
【0022】また、この発明のカオス発生装置において
は、第一のCMOS演算回路の演算出力を第二のCMO
S演算回路で反転した反転出力と、外部入力aが与えら
れる第三のCMOS演算回路の出力とをサンプルホール
ド手段経由で第一のCMOS演算回路に帰還するループ
を備えたカオス発生装置において、前記サンプルホール
ド手段は、第二の外部入力y(0)を取り込んで状態設
定させる状態設定回路を有するものである。
【0023】さらにまた、この発明のカオス発生装置に
おいては、第一のCMOS演算回路の演算出力を第二の
CMOS演算回路で反転した反転出力と、外部入力aが
与えられる第三のCMOS演算回路の出力とをサンプル
ホールド手段経由で第一のCMOS演算回路に帰還する
ループを備えたカオス発生装置において、前記サンプル
ホールド手段の出力を取り込む観察系の少なくとも一部
にビットマップ演算手段を有するものである。
【0024】また、前記第三のCMOS演算回路には、
デジタル信号として入力する外部入力aをアナログ信号
に変換して第三のCMOS演算回路に与えるデジタル・
アナログ変換手段を付設するとよい。
【0025】さらにまた、前記第一のCMOS演算回路
と前記第二のCMOS演算回路と前記第三のCMOS演
算回路では、少なくとも1のCMOS演算回路を構成す
るMOSトランジスタのチャンネル導伝度を他のCMO
S演算回路を構成するMOSトランジスタのチャンネル
導伝度と異ならせることによって、これらのCMOS演
算回路の入出力特性を設定することが好ましい。
【0026】なお、前記第一のCMOS演算回路はCM
OSソースホロア回路を有し、前記第二のCMOS演算
回路はCMOSインバータ回路を有し、前記第三のCM
OS演算回路はCMOSインバータ回路を有するとよ
い。
【0027】
【作用】上記のように構成された非線形関数を生成する
一次元写像回路は、入力電圧の増大に対し出力電圧が増
大する関係にある第一の回路、たとえばCMOSソース
ホロアと、入力電圧に対し出力電圧が減少する関係にあ
る第二および第三の回路、たとえばCMOSを相補的に
構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジ
スタのしきい値電圧とチャネル導伝度を変化させること
により非線形性を変化させることができる。
【0028】前記一次元写像回路を含む帰還ループがカ
オス発生回路を構成する。前記一次元写像回路の出力に
二個のスイッチ、たとえばCMOS伝送ゲート、を直列
に接続し、その間に記憶保持用コンデンサをもうけたル
ープもカオス発生装置の一例である。二個のスイッチ
は、共通のクロックにより開閉され、カオス内部状態の
離散時系列を作り出す。
【0029】第一の前記一次元写像回路の出力に第一の
スイッチを接続し、第二の前記一次元写像回路の出力に
第二のスイッチを接続し、それらをフリップフロップに
構成したループもカオス発生装置の第二の例である。集
積回路としてシリコンウエハ上に実現するにあたり、記
憶保持用コンデンサの占める面積とくらべて、6個のM
OSトランジスタで構成できる一次元写像回路の占める
面積は小さい。フリップフロップ構成のカオス発生装置
は集積回路化容易なカオス発生セルである。
【0030】前記一次元写像回路を二個以上、複数個を
相互に帰還をかけた構成のネットワーク、すなわちカオ
ティック・ニューラルネットワークを構成するのに前記
フリップフロップ形カオス発生セルを構成単位とするこ
とができる。帰還情報は一次元写像回路の入力にフィー
ドバックするだけでなく、外部調整電圧にフィードバッ
クをかけ、学習機能をネットワークにもたせることがで
きる。
【0031】前記一次元写像回路の出力にAD変換器と
DA変換器を直列に接続し、その出力を前記一次元写像
回路の入力に帰還するループをもうけても、カオス発生
装置を構成できる。離散時系列はAD変換器とDA変換
器に与える制御用クロックにより作り出される。制御用
クロックはAD変換されたデジタルデータをコンピュー
タのメモリに取り込むときにも利用され、コンピュータ
の基本クロックに同期している。AD変換器でアナログ
値である内部状態を量子化してフィードバックするが、
十分大きなビット幅のAD変換器、たとえば12ビット
を採用すれば、カオスの内部状態に実用上制限をもうけ
たことにはならない。
【0032】さらに、上記のように構成されたカオス発
生装置は、第一のCMOS演算回路に入力した信号が、
第二のCMOS演算回路で反転されて反転出力として変
換され、外部入力aを受けた第三のCMOS演算回路の
演算出力とともなって一次元写像信号としてサンプルホ
ールド手段によりサンプルホールドされるとともに、再
び、サンプルホールド手段からループ経由で第一のCM
OS演算回路に帰還され、第一のCMOS演算回路と第
二のCMOS演算回路、第三のCMOS演算回路が上記
と同様の動作による一次元写像を繰り返し、しかも、内
部状態の遷移を十分に高速に行い、順次、写像を繰り返
すことによって、高速かつ安定にカオスを発生する。
【0033】また、第二の外部入力y(0)は、状態設
定回路を経てサンプルホールド手段に入力し、サンプル
ホールド手段の状態をy(0)に対応して設定するの
で、第二の外部入力y(0)を初期設定値とすれば、サ
ンプルホールド手段の初期状態をy(0)に対応して設
定する作用をなす。
【0034】さらに、サンプルホールド手段の出力は、
ビットマップ演算手段に入力し、ビットマップ上にカオ
スの軌跡を描かせる働きをする。
【0035】さらにまた、ステート信号や直流信号、ま
たは、デジタル信号として供給される外部入力aは、デ
ジタル・アナログ変換手段経由でアナログ信号に変換さ
れて第三のCMOS演算回路に入力し、一次元写像を実
現する。
【0036】また、サンプルホールド手段からループ経
由で第一のCMOS演算回路に帰還される信号は、第一
のCMOS演算回賂と第二のCMOS演算回路、第三の
CMOS演算回路のそれぞれのMOSトランジスタのチ
ャンネル導伝度によって設定される入出力特性に応じて
信号変換され、一次元写像される。
【0037】なお、第一のCMOS演算回路をCMOS
ソースホロア回路とし、第二のCMOS演算回路と第三
のCMOS演算回路をCMOSインバータ回路とするこ
とにより、カオス発生装置の回路構成が単純になり、C
MOS半導体集積回路プロセスを適用することによって
カオス発生装置を集積回路で形成できる。
【0038】
【実施例】この発明の実施例を図面を参照して以下に説
明する。図1は、カオス発生のための連続した非線形関
数を入出力伝達特性として与える一次元写像回路の構成
を詳述すれば、一次元写像回路はブロック1、2、3の
相互相続により構成される。ブロック1は、図2(a)
符号8のような入力電圧の増大に対し出力電圧も増大す
る入出力伝達特性をもつ。たとえばCMOSソースホロ
アである。CMOSソースホロアは、NMOSトランジ
スタをプルアップとし、PMOSトランジスタをプルダ
ウンとして電源とグラウンド間に直列接続され、共通し
たゲートに入力を与え、出力を共通に取り出す。ブロッ
ク2、3は、PMOSトランジスタをプルアップとし、
NMOSトランジスタをプルダウンとしたCMOSイン
バータである。その入出力伝達特性は図2(b)符号9
のように、入力電圧の増大に対し出力電圧は減少する。
ブロック1、2は共通の入力5と共通の出力6をもち、
互いに相反する入出力伝達特性、図2(a)および
(b)が合成され、入力5と出力6の間の入出力伝達特
性は図2(c)の非線形関数10を合成する。外部調整
電圧7を入力されるブロック3が出力6に接続される
と、図2(c)の特性は変化する。外部調整電圧7はカ
オス発生回路の分岐パラメータである。各ブロックを構
成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの
しきい値電圧とチャネル導伝度を変化させることによ
り、入力5出力6間の伝達特性、すなわち一次元写像の
非線形関数を変化させることができる。
【0039】図3は一次元写像回路11(図1)に二つ
のスイッチ12、13を介し、フィードバックループ1
5により一次元写像回路11の入力に接続し、スイッチ
12と13の間に内部状態を一時記憶する保持コンデン
サ14をもつカオス発生装置である。スイッチ12、1
3は外部クロックにより交互に開閉され、離散時系列を
作り出す。クロックの間隔は保持コンデンサを充分に充
放電するに必要な時間とする。
【0040】図4は二個の一次元写像回路(図1)1
6、18の出力にスイッチ17、19をそれぞれ接続
し、それらをフリップフロップにフィードバックループ
20、21と接続したカオス発生装置である。スイッチ
17、19はCMOS伝送ゲートでよい。図3のカオス
発生装置は記憶保持手段として受動素子によるコンデン
サを記憶に用いているのに対し、図4のフリップフロッ
プ形カオス発生装置は受動素子を必要とせず、PMOS
トランジスタとNMOSトランジスタを相補的に用いた
CMOS構成で、すべての素子は能動素子である。した
がって、集積回路としてシリコンウエハ上に実現するう
えでは、図4のフリップフロップ形カオス発生装置がの
ぞましい。さらに、PMOSとNMOSは常に釣り合い
を保ち、周囲温度の変化の影響を受けにくい。
【0041】図5は一次元写像回路(図1)22にAD
変換器23とDA変換器24を接続し、DA変換器24
の出力をフィードバックループ25で一次元写像回路2
2の入力に接続したカオス発生装置である。カオスの内
部状態は実数(アナログ値)で表現される無限個の軌跡
を生成するが、AD変換器23とDA変換器24の変換
精度を、たとえば12ビットと選ぶことにより、実用上
十分な数の内部状態を利用することができる。さらに、
図5のカオス発生装置ではAD変換器23とDA変換器
24の変換精度を10ビットや8ビットにおとすと、カ
オスの中から4周期、6周期、8周期、12周期などの
多周期の量子化された内部状態を取り出すことができ
る。これにより、多値フリップフロップによる多値演算
を実行できる。
【0042】カオス発生装置の第一の実施例(図3)お
よび第二の実施例(図4)において、スイッチ13また
はスイッチ17および19の出力、すなはち帰還ループ
15あるいは20、21にAD変換器を接続して、カオ
スの内部状態をデジタル値に変換してコンピュータのメ
モリに取り込む。離散時系列の関数として取り込まれた
デジタルデータはコンピュータの表示装置上にタイムシ
リーズとして表示される。指定された外部調整電圧にお
ける内部状態のタイムシリーズから、簡単なデジタルデ
ータ処理により、内部状態を2周期点からの距離に直し
て対数表示することによりリヤプノフ指数をもとめる。
また、タイムシリーズに関し信号解析をほどこすことに
より予測可能性の推定を行い相関次元をもとめる。これ
らの過程でタイムシリーズの中にリヤプノフ指数や相関
次元で特徴づけられる、特徴的なパターンが繰り返され
ていることに気付く。このことは、連想記憶への手がか
りを与えている。
【0043】カオス発生装置の第三の実施例(図5)は
ループの内部にAD変換器23とDA変換器24をもっ
ている。AD変換器23の出力であるデジタルコード2
6はDA変換器24に送られるだけでなくコンピュータ
のメモリにも送られる。前記第一および第二の実施例の
帰還ループにあらわれた内部状態をAD変換してデジタ
ル値としてコンピュータに取り組み、タイムシリーズの
信号解析をコンピュータのデジタル演算で実行したのと
同様のデータ処理を、第三の実施例に関しても行うこと
かできる。変換精度が12ビット以上のAD変換器を採
用した場合、同一の一次元写像回路を用いたときには、
三者の間にほとんど差異はみられない。
【0044】一次元写像回路(図1)において、入力電
圧の増大に対し出力電圧が増大する第一の回路1として
CMOSソースホロアを用い、入力電圧の増大に対して
出力電圧が減少する第二および第三の回路2、3として
CMOSインバータを用いた場合、電源電圧+5Vに対
し外部調整電圧を+0.95Vから+1.52Vの範囲
で与え、第一のスイッチ12または17と第二のスイッ
チ13または19のおのおのにクロック周期が0.25
マイクロ秒の互いに重ならないクロックを与えたとこ
ろ、カオスを安定に発生させることができた。ちなみに
保持コンデンサ14の容量は3000ピコファラッドで
あった。また、そのときに採用されたPMOSトランジ
スタのしきい値電圧は−1.30Vであり、NMOSト
ランジスタのしきい値電圧は+1.53Vであった。ま
た、PMOSトランジスタのチャネル導伝度とNMOS
トランジスタのそれとの比は1:0.88であり、第一
のCMOSソースホロアと第二および第三のCMOSイ
ンバータ間のチャネル導伝度の比は5:2:1であっ
た。これらの数字は一例にすぎない。たとえば、電源電
圧+5Vに対しトランジスタのしきい値電圧は、汎用C
MOSデジタル回路ではそれらの絶対値ができるだけ小
さくなるように設計するが、カオス発生装置の本発明の
実施例では、より大きな値とし、しかもPMOSトラン
ジスタのしきい値電圧とNMOSトランジスタのしきい
値電圧に、その絶対値に違いをもうけて、伝達特性で表
現される連続した非線形性を強調している。チャネルコ
ンダクタンスに関しても同様の議論が成り立ち、汎用デ
ジタルLSIの設計思想と異なっている。
【0045】CMOSソースホロアとCMOSインバー
タ2段からなる一次元写像回路(図1)の状態の決定
は、等価的にはCMOSインバータ3段のリングオシレ
ータの伝播遅延時間に等しく、集積回路化においてデザ
インルールを微細にすればするほど効果をあげる。この
ことから、集積回路化に適しているということができ
る。すなはち、一次元写像回路を信号が一回通過するに
要する時間は数10ピコ秒と早い。一方、本発明のカオ
ス発生装置では、第一および第二の実施例では帰還ルー
プの外にAD変換器をもうけカオスの内部状態を観察
し、第三の実施例ではループの中にAD変換器とDA変
換器を挿入して内部状態の観察を行う。本発明のカオス
発生装置の実用にあっても、カオスの内部状態をAD変
換し、コンピュータを介在させてリヤルタイムでデジタ
ルデータ処理をしながら仕事をする。AD変換器の変換
精度と変換速度が可能な仕事の量を決定する。変換精度
が12ビットの場合、変換速度は25マイクロ秒程度で
ある。この精度と速度が向上すればカオスの仕事量も飛
躍的に増大する。AD変換器の変換速度25マイクロ秒
に対し、一次元写像回路の信号伝播遅延は数10ピコ秒
と十分早く、一次元写像回路の内部状態が十分安定した
ところでAD変換器はサンプリングしている。本発明の
カオス発生器に再現性が保証されていることの理由であ
る。
【0046】本発明のカオス発生装置は、コンピュータ
内であらかじめ設定した初期値をDA変換して、繰り返
し与え、内部状態の時間経過をコンピュータのメモリに
取り込み、そのデータを取り出して表示することができ
る。カオスの内部状態は初期値にきわめて敏感で、リヤ
プノフ指数に従う発散と収束を繰り返している。初期値
に直接アナログ電圧を印加することもでき、アナログ電
圧にセンサ信号をのせておくと、センサ信号の増幅した
信号をカオスの内部状態のタイムシリーズのパターン上
で観察することかできる。カオス発生器はセンサ、たと
えば温度、湿度、力、加速度などの各種の物理量の増幅
検出器ともなる。
【0047】本発明のカオス発生器に対するセンサ信号
の取り組みは、外部調整電圧からも行うことができる。
外部調整電圧は、一次元写像回路の非線形性の程度を調
整する。外部調整電圧は、コンピュータの内部でデジタ
ル値としてあらかじめ設定し、DA変換器を通してアナ
ログ電圧として与えることもできる。直接、直流電源よ
りアナログ電圧を与えてもよい。このアナログ電圧にセ
ンサ信号をのせることにより、内部状態のタイムシリー
ズのパターンの変化としてセンサ信号を増幅検出するこ
とができる。
【0048】本発明の一次元写像回路の非線形の度合い
を示すリヤプノフ指数は、0.2から0.8の範囲にあ
る。この値は、採用するMOSトランジスタのデバイス
としてのパラメータ、第一、第二、第三(図1の符号
1、2、3)回路相互間のチャネル導伝度の比、外部調
整電圧により決定される。リヤプノフ指数が、たとえば
0.2と小さい時には、内部状態のタイムシリーズは周
期性が高まり、たとえば0.8と大きくなると内部状態
のタイムシリーズは複雑なランダムな振る舞いをする。
前者は内部状態の予測可能性が高いのに対し、後者は内
部状態の時間経過を予測することが大変むづかしくな
る。
【0049】本発明のカオス発生装置の内部状態間の相
関関係は、相関次元より与えられる。実施例に関しもと
められた相関次元は0.23から0.28の範囲にあっ
た。リヤプノフ指数との関係は明白ではないが、周期性
が高いときに相関次元は大きく、ランダムな振る舞いの
場合に相関次元は小さい。
【0050】この発明の具体例を以下に説明する。図6
において、カオス発生装置は、一次元写像回路101
と、一次元写像回路101の出力側に直列に接続するサ
ンプルホールド手段102としての第一のサンプルホー
ルド回路121と第二のサンプルホールド回路122に
より構成されており、第二のサンプルホールド回路12
2の出力部は、ループ104経由で一次元写像回路10
1に帰還接続されている。一次元写像回路101の構成
を詳述すれば、一次元写像回路101は、PMOSトラ
ンジスタとNMOSトランジスタが電源とグランド間に
直列接続された3段のCMOS演算回路111,11
2,113により構成されており、各段毎にそれぞれの
PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート
が共通接続されている。第1段のCMOS演算回路とし
てのCMOSソースホロワ回路111はソースが共通接
続されており、第2段のCMOS演算回路としてのCM
OSインバータ回路112はドレインが共通接続されて
おり、第3段のCMOS演算回路としてのCMOSイン
バータ回路113はドレインが共通接続されている。そ
して、CMOSソースホロワ回路111のゲートにはル
ープ104が接続され、CMOSソースホロワ回路11
1のソースはCMOSインバータ回路112のゲートに
接続されている。また、CMOSインバータ回路113
のゲートには外部入力aが共通接続され、これらのCM
OSインバータ112のドレインとCMOSインバータ
回路113のドレインは、サンプルホールド手段102
の一部を構成して第一のクロックφ1が供給される第一
のサンプルホールド回路121の入力部に共通接続され
ている。さらに、第二のクロックφ2が供給される第二
のサンプルホールド回路122のループ104に連なる
出力側には、観察系105が接続されている。
【0051】上記の図6に示した構成によれば、一次元
写像回路101の入出力伝達特性が一次元写像に適する
ように3段のCMOS演算回路111,112,113
のそれぞれのMOSトランジスタの導伝度の比が設定さ
れ、これらのCMOS演算回路111,112,113
の演算機能と外部入力aによって、一次元写像回路10
1に入力する入力信号は重みづけ演算されてサンプルホ
ールド手段102に供給される。
【0052】すなわち、いま、時間t=0における信号
y(0)がサンプルホールド手段102からループ10
4経由で一次元写像回路101に供給されると、この信
号y(0)はCMOSソースホロワ回路111に入力
し、CMOSソースホロワ回路111のMOSトランジ
スタに設定されたチャンネル導伝度に応じて係数乗算さ
れたのち、CMOSインバータ回路112に供給されて
反転され、反転出力に変換される。一方、CMOSイン
バータ回路113には外部入力aが入力され、このCM
OSインバータ回路113の出力は、前記CMOSイン
バータ回路112の反転出力と加算され、一次元写像信
号y(1)に変換され、サンプルホールド手段102に
供給されてサンプルホールドされる。その後、サンプル
ホールド手段102のクロックが進むことによって、y
(1)は、再び、ループ104経由で一次元写像回路1
01に供給され、一次元写像信号y(2)に変換され、
サンプルホールド手段102によってサンプルホールド
される。以下、順次にこのサンプルホールドと帰還、一
次元写像演算動作を繰り返すことにより写像が実現され
る。
【0053】すなわち、上記具体例では、3段のCMO
S回路111,112,113による一次元写像回路1
01と二つのサンプルホールド回路によってカオスニュ
ーラルネットワークの電子回路モデルが構成され、サン
プルホールドと写像を順次繰り返すことによって、カオ
スニューロンモデルの方程式の各項に対応した写像を行
うものである。
【0054】そして、上記の具体例では、電源電圧を+
5Vとし、グランドを接地した。そして、CMOSソー
スホロワ回路111を形成するPMOSトランジスタと
NMOSトランジスタの両方のチャンネル導伝度をとも
に10に設定し、CMOSインバータ回路112を形成
するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの両
方のチャンネル導伝度をともに2に設定し、CMOSイ
ンバータ回路113を形成するPMOSトランジスタと
NMOSトランジスタの両方のチャンネル導伝度をとも
に2に設定した。すなわち、第一段のCMOSソースホ
ロワ回路のMOSトランジスタのチャンネル導伝度を1
0とし、第二段と第三段のCMOSインバータ回路のM
OSトランジスタのチャンネル導伝度をともに2とする
ことで、これらの3段のCMOS演算回路間でのチャン
ネル導伝度の比率を10:2に設定した。
【0055】上記の具体例によれば、電源電圧+5Vに
対して外部入力aを+0.95V乃至+1.52Vの範
囲で与え、第一のサンプルホールド回路121と第二の
サンプルホールド回路122にクロック周期が0.25
マイクロ秒の互いに重ならないクロックφ1とφ2を与
えたところ、カオスを安定に発生させることができた。
【0056】図7は、この発明のさらに他の具体例を説
明するブロック図である。この具体例の構成が図6に示
した具体例の構成と異なる点は、サンプルホールド手段
202に第二の外部入力y(0)を取り込む状態設定回
路としての第三のサンプルホールド回路203を設ける
とともに、この第三のサンプルホールド回路203に第
三のクロックφ3を供給するようにし、第三のサンプル
ホールド回路203の出力部を第一のサンプルホールド
回路221の出力に加えて第二のサンプルホールド回路
222に入力する点である。
【0057】図7に示す具体例によれば、クロックφ3
によってサンプルホールドする第三のサンプルホールド
回路203によって、クロックφ1でサンプルホールド
する第一のサンプルホールド回路221とクロックφ2
でサンプルホールドする第二のサンプルホールド回路2
22の間に割り込んで、サンプルホールド手段202に
対して外部入力y(0)を供給し、サンプルホールド手
段202の状態設定ができるので、例えば、y(0)を
初期値に設定すれば、サンプルホールド手段202に初
期値y(0)に応じた初期状態を設定させることができ
る。
【0058】図8は、この発明のさらに他の具体例を説
明するブロック図である。この具体例の構成が図6、図
7に示した具体例の構成と異なる点は、以下の通りであ
る。
【0059】すなわち、サンプルホールド手段302の
出力部に連ねて、観察系305の一部を構成するビット
マップ演算手段352を付設するとともに、サンプルホ
ールド手段302の出力部とビットマップ演算手段35
2の間にアナログ・デジタル変換手段351を設けた点
である。
【0060】また、図6、図7に示す具体例の変形とし
て、一次元写像回路301のCMOSインバータ回路3
13の共通接続したゲートの前段にデジタル・アナログ
変換手段314を設けてあり、デジタル・アナログ変換
手段314経由でデジタル信号の外部入力aをアナログ
信号に変換してCMOSインバータ回路313のゲート
に供給可能にした点である。
【0061】さらに、第三のサンプルホールド回路30
3の入力部の前段にデジタル・アナログ変換手段331
を設けてあり、デジタル・アナログ変換手段331経由
でデジタル信号の第二の外部入力y(0)をアナログ信
号に変換して第三のサンプルホールド回路303の入力
部に供給可能にした点である。
【0062】この図8に示す具体例の構成によれば、カ
オス発生装置の観察系305にはビットマップ演算手段
352が付設されているので、カオスの内部状態の観察
を高速かつ正確に行うことができる。例えば、12ビッ
トのアナログ・デジタル変換手段351を介して0V乃
至5Vに対応するアナログ信号を10ビットのデジタル
信号に変換し、1024×1024のビットマップ上の
ロジスティックマップに、初期値y(0)を指定してカ
オス応答の軌跡を描かせることができた。その結果、デ
ジタル化した観察用データを用いてリアプノフ指数も計
算でき、その値が正になる外部入力aの領域でカオスの
無限軌跡を観察することができる。
【0063】また、デジタル・アナログ変換手段314
をCMOSインバータ回路313のゲートの前段に付設
したので、直流のバイアス信号や状態(ステート)信号
を外部入力aとして、一次元写像回路301の外部刺激
とすることができる。
【0064】以上の具体例の説明は、この発明を限定す
るものではなく、PMOSトランジスタとNMOSトラ
ンジスタを相補的に用いるCMOSソースホロワ回路と
CMOSインバータ回路によってカオス発生装置の一次
元写像回路を構成する点や、カオスの内部状態をAD変
換してデジタル値として外部コンピュータのメモリに供
給してコンピュータにデータを取り込む点などを基本的
な思想とするものであり、上記具体例に基づく各種の変
形もこの発明に含まれる。
【0065】PMOSトランジスタとNMOSトランジ
スタのしきい値電圧やチャンネル導伝度の比やCMOS
ソースホロアとCMOSインバータ間のチャンネル導伝
度の比も、上記の具体例やその説明に限られず、広範囲
に変化させてもカオスの発生は観察することができる。
例えば、チャンネル導伝度の比を10:2以外の他の比
率に設定することも可能である。事実、2段のCMOS
演算回路におけるMOSトランジスタのチャンネル導伝
度の比を2:1に設定してもカオスは観察することがで
きた。これにより、カオスの発生する外部調整電圧の範
囲やカオスの性質を代表するリヤプノフ指数や相関次元
が変わることになる。
【0066】また、上記一次元写像回路2個以上複数個
をスイッチを介して組み合わせることにより、多次元の
写像を行わせることができる。フィードバックループを
一次元写像回路の入力にだけでなく、外部調整電圧にも
フィードバックできる。カオテックニューロンのニュー
ラルネットワークへの発展は必然である。
【0067】たとえば、図9に示すように、第一のCM
OS演算回路としてのCMOSソースホロア411と第
二のCMOS演算回路としてのCMOSインバータ41
2と外部入力が与えられる第三のCMOS演算回路とし
てのCMOSインバータ413により構成し、CMOS
ソースホロア411とCMOSインバータ412に入力
を共通接続するとともに、CMOSソースホロア411
とCMOSインバータ412とCMOSインバータ41
3のそれぞれの出力を共通接続して上記具体例の要部で
ある一次元写像回路を構成することも、図9に示す一次
元写像回路を前記各種のカオス発生装置の具体例に当て
はめて適用することもできる。
【0068】いずれにせよ、安定して再現性に優れたカ
オスを発生させるためには、一次元写像を実行する非線
形関数電子回路における内部状態の遷移が急峻に行える
必要がある。そして、この発明では、カオス発生装置の
要部である一次元写像回路をCMOSソースホロワ回路
とCMOSインバータ回路によって構成し、離散時系列
を作り出すスイッチをCMOS伝送ゲートで構成してい
る。この発明による一次元写像回路では、信号の伝達速
度が数10ピコ秒と短く、極めて高速な伝達特性を有し
ている。その結果、サンプルホールドのためのスイッチ
を演算増幅器で構成する必要はなく、PMOSトランジ
スタとNMOSトランジスタのソース・ドレインを共通
に接続したCMOS伝送ゲートで置き換えることがで
き、クロック周期を0.25マイクロ秒にまで高めて
も、カオスを安定に発生させることができる。
【0069】従来の一次元写像回路とサンプリング手法
では、複数の演算増幅器を組み合わせて構成していた。
すなわち、線形回路のための演算増幅器で非線形関数を
発生させるという思想であった。本発明は、MOSトラ
ンジスタのドレイン特性がもともと非線形特性であるこ
と、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを相
補的に組み合わせたCMOSソースホロアやCMOSイ
ンバータの入出力伝達特性ももともと非線形である。従
って、非線形の特性を合成して非線形関数を発生させ得
るという根本的に新規の思想に基づく発明である。
【0070】既存の演算増幅器もMOSトランジスタで
構成した集積回路である。非線形特性をもつMOSトラ
ンジスタで線形特性を持つ演算増幅器を構成し、いろい
ろな非線形の係数をかけて非線形の一次元写像回路を実
現している従来技術は大変な回り道をしているため、集
積回路化したとき膨大なトランジスタ数を必要とし、ニ
ューラルネットワーク化への展望を断念せざるをえな
い。これに対し、本発明はもともと非線形特性を持つC
MOSソースホロアとCMOSインバータを組み合わせ
て非線形一次元写像回路を実現するという思想に基づく
ため、一次元写像回路を実現するのに、6個のMOSト
ランジスタしか必要としない。また、離散時系列を生成
するのにも演算増幅器をスイッチとして利用することを
せず、CMOS伝送ゲートでよいことを実証した。
【0071】従来の一次元写像回路では、複数の演算増
幅器を組み合わせて構成していたので、使用するトラン
ジスタの数も増えて信号伝達に遅れが生じてしまい、離
散した時系列でのサンプリングレートを高速に設定でき
ず、オシロスコープ上で観察する程度であった。しか
も、低速処理にともない、初期値の変動やノイズ、誘導
の影響を受けやすく、とりわけリヤプノフ指数の大きい
カオスでは、その固有な軌跡を再現性よく観察すること
はできなかった。この様に、従来の技術によれば、正確
なカオスを測定にかけることができず、また集積回路化
にはトランジスタ数が多すぎ、ニューロコンピューティ
ング研究を発展させる上で大きな障害になっていた。こ
の発明によって、カオスニューラルネットワークの集積
回路化が可能になり、連想記憶や複雑な組み合わせ問題
の最適解を求めることの実用化に道を拓くものであるこ
とは特記に値する。
【0072】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、カオ
ス発生装置の一次元写像回路を、入力電圧の増大に対し
出力電圧が増大する第一の回路たとえばCMOSソース
ホロアとし、入力電圧の増大に対し出力電圧が減少する
第二と第三の回路たとえばCMOSインバータとして構
成したことにより、以下に記す効果を奏する。
【0073】カオス発生装置をPMOSトランジスタと
NMOSトランジスタを相補的に組み合わせたCMOS
回路に構成できるのでカオスニューラルネットワークを
汎用CMOSデザインとウエハプロセスを用いて小型に
集積回路化することができる。
【0074】しかも、使用するMOSトランジスタの数
が少なくてすむので、信号の伝搬遅延が小さく、極めて
高速に信号伝達ができ、内部状態の遷移が十分に早く、
汎用AD変換器で内部状態をAD変換してコンピュータ
のメモリにデジタルデータとして蓄積し、コンピュータ
の助けをかりてデジタルデータ処理をリヤルタイムで行
いカオスの信号解析を行うことができる。
【0075】離散時系列のサンプリングレートをCMO
S伝送ゲートで設定でき、カオスを再現性よく正確に発
生でき、しかもAD変換して正確に測定できる。
【0076】その結果、初期値の変動やノイズ電磁的誘
導の影響を受け難く、初期値に敏感なリヤプノフ指数の
大きいカオスでも、その固有の軌跡を正しく観察するこ
とができる。
【0077】また、カオス発生装置をCMOSトランジ
スタ回路で構成できるので、カオスニューラルネットワ
ークを小型化し、集積回路化することができる。
【0078】しかも、使用するMOSトランジスタの数
が少なくて済むので、信号の伝達遅れが少なく、極めて
高速に信号伝達ができ、内部状態の遷移が十分に早く、
高速に変化する信号にも追従できる。
【0079】サンプリングレートを高速に設定でき、カ
オスを正確に観察でき、しかも、カオスを安定に発生で
きる。
【0080】その結果、高速にサンプリングできるの
で、初期値の変動やノイズ、誘導の影響を受け難く、と
りわけ初期値に敏感なカオスでも、その固有な軌跡を正
しく観察系に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非線形関数発生のための一次元写像回路のブロ
ック図である。
【図2】(a)は回路1の、(b)は回路2の,(c)
は回路1、2の合成した入出力伝達特性である。
【図3】第一の実施例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図4】第二の実施例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図5】第三の実施例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図6】第一の具体例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図7】第二の具体例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図8】第三の具体例を説明するカオス発生装置のブロ
ック図である。
【図9】さらに他の具体例を説明する一次元写像回路の
ブロック図である。
【符号の説明】
1 入力電圧の増大に対し出力電圧が増大する第一の回
路たとえばCMOSソースホロア。 2 入力電圧の増大に対し出力電圧が減少する第二の回
路たとえばCMOSインバータ。 3 入力電圧の増大に対し出力電圧が減少する第三の回
路たとえばCMOSインバータ。 5 入力端子 6 出力端子 7 外部調整電圧 8 入力電圧Vinに対し出力電圧Voが増大する特性 9 入力電圧Vinに対し出力電圧Voが減少する特性 10 合成した入出力伝達特性 11 一次元写像回路 12 スイッチたとえばCMOS伝送ゲート 13 スイッチたとえばCMOS伝送ゲート 14 記憶保持コンデンサ 15 帰還ループ 16 一次元写像回路 17 スイッチたとえばCMOS伝送レート 18 一次元写像回路 19 スイッチたとえばCMOS伝送ゲート 20 帰還ループ 21 帰還ループ 22 一次元写像回路 23 AD変換器 24 DA変換器 25 帰還ループ 26 デジタルコード

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
    する関係にある第一の回路と入力電圧の増大に対して出
    力電圧が減少する関係にある第二および第三の回路を備
    え、第一および第二の回路の入力を共通とし、第三の回
    路の入力に外部調整電圧を加え、第一、第二および第三
    の回路の出力を共通に接続した一次元写像回路。
  2. 【請求項2】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
    する関係にある前記第一の回路をCMOSソースホロア
    とし、入力電圧の増大に対して出力電圧が減少する関係
    にある前記第二および第三の回路をCMOSインバータ
    とした請求項1記載の一次元写像回路。
  3. 【請求項3】 前記一次元写像回路において、第三の回
    路の入力として、複数個の外部調整電圧を入力できるよ
    うに複数個のCMOSインバータを備えた請求項1乃至
    請求項2記載の一次元写像回路。
  4. 【請求項4】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
    する関係にある第一の回路と入力電圧の増大に対して出
    力電圧が減少する関係にある第二および第三の回路を備
    え、第一および第二の回路の入力を共通とし、第三の回
    路の入力に外部調整電圧を加え、第一、第二および第三
    の回路の出力を共通に接続した一次元写像回路を有し、
    前記出力に第一のスイッチと第二のスイッチを直列に接
    続し、第ーのスイッチと第二のスイッチ経由で前記出力
    を前記入力に帰還するループを備え、第一のスイッチと
    第二のスイッチの間に記憶保持手段を備えたカオス発生
    装置。
  5. 【請求項5】 前記記憶保持手段はコンデンサである請
    求項4記載のカオス発生装置。
  6. 【請求項6】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
    する関係にある第一の回路と入力電圧の増大に対して出
    力電圧が減少する関係にある第二および第三の回路を備
    え、第一および第二の回路の入力を共通とし、第三の回
    路の入力に外部調整電圧を加え、第一、第二および第三
    の回路の出力を共通に接続した一次元写像回路を有し、
    前記一次元写像回路の出力にAD変換器とDA変換器を
    直列に接続し、該AD変換器とDA変換器経由で前記出
    力を前記入力へ帰還するループを備えたカオス発主装
    置。
  7. 【請求項7】 入力電圧の増大に対して出力電圧が増大
    する関係にある第一の回路と入力電圧の増大に対して出
    力電圧が減少する関係にある第二および第三の回路を備
    え、第一および第二の回路の入力を共通とし、第三の回
    路の入力に外部調整電圧を加え、第一、第二および第三
    の回路の出力を共通に接続した一次元写像回路を少なく
    とも2回路有し、一の一次元写像回路の出力には第一の
    スイッチを接続し、二の一次元写像回路の出力には第二
    のスイッチを接続し、一の一次元写像回路の入力には、
    二の一次元写像回路に接続する第二のスイッチの出力が
    接続し、二の一次元写像回路の入力には、一の一次元写
    像回路に接続する第一のスイッチの出力が接続する実質
    的にフリップフロップ状に相互帰還接続したカオス発生
    装置。
  8. 【請求項8】 前記入力電圧の増大に対して出力電圧が
    増大する関係にある第一の回路をCMOSソースホロア
    とし、前記入力電圧の増大に対して出力電圧が減少する
    関係にある第二および第三の回路をCMOSインバータ
    とした請求項4乃至請求項7記載のカオス発生回路。
  9. 【請求項9】 前記カオス発生装置の第一のスイッチお
    よび第二のスイッチをCMOS伝送ゲートとした請求項
    4乃至8項記載のカオス発生装置。
  10. 【請求項10】 第一のCMOS演算回路の演算出力を
    第二のCMOS演算回路で反転した反転出力と、外部入
    力が与えられる第三のCMOS演算回路の出力とをサン
    プルホールド手段経由で第一のCMOS演算回路に帰還
    するループを備えたカオス発生装置。
  11. 【請求項11】 第一のCMOS演算回路の演算出力を
    第二のCMOS演算回路で反転した反転出力と、外部入
    力が与えられる第三のCMOS演算回路の出力とをサン
    プルホールド手段経由で第一のCMOS演算回路に帰還
    するループを備えたカオス発生装置において、前記サン
    プルホールド手段は、第二の外部入力を取り込んで状態
    設定させる状態設定回路を有するカオス発生装置。
  12. 【請求項12】 第一のCMOS演算回路の演算出力を
    第二のCMOS演算回路で反転した反転出力と、外部入
    力が与えられる第三のCMOS演算回路の出力とをサン
    プルホールド手段経由で第一のCMOS演算回路に帰還
    するループを備えたカオス発生装置において、前記サン
    プルホールド手段の出力を取り込む観察系の少なくとも
    一部にビットマップ演算手段を有するカオス発生装置。
  13. 【請求項13】 前記第三のCMOS演算回路には、デ
    ジタル信号として入力する外部入力をアナログ信号に変
    換して第三のCMOS演算回路に与えるデジタル・アナ
    ログ変換手段が付設される請求項10乃至請求項12記
    載のカオス発生装置。
  14. 【請求項14】 前記第一のCMOS演算回路と前記第
    二のCMOS演算回路と前記第三のCMOS演算回路の
    少なくとも1のCMOS演算回路を構成するMOSトラ
    ンジスタのチャンネル導伝度が他のCMOS演算回路を
    構成するMOSトランジスタのチャンネル導伝度とは異
    なる請求項10乃至請求項13記載のカオス発生装置。
  15. 【請求項15】 前記第一のCMOS演算回路はCMO
    Sソースホロア回路を有し、前記第二のCMOS演算回
    路はCMOSインバータ回路を有し、前記第三のCMO
    S演算回路はCMOSインバータ回路を有する請求項1
    0乃至請求項14記載のカオス発生装置。
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