JPH07141996A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JPH07141996A
JPH07141996A JP29028493A JP29028493A JPH07141996A JP H07141996 A JPH07141996 A JP H07141996A JP 29028493 A JP29028493 A JP 29028493A JP 29028493 A JP29028493 A JP 29028493A JP H07141996 A JPH07141996 A JP H07141996A
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JP
Japan
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magnetic field
inner shield
color picture
picture tube
funnel
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JP29028493A
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English (en)
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Michio Nakamura
三千夫 中村
Satoshi Kadokawa
敏 角川
Katsuyoshi Jo
勝義 徐
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 実質的に矩形状のシャドウマスク6 のマスク
フレーム5 に直接または間接的に取付けられてファンネ
ル2 の内側に位置し、電子銃9 から放出される電子ビー
ム8B,8G,8Rのファンネル内側の電子ビーム通過領域を外
部磁界から遮蔽する中空の四角形台形状の強磁性金属か
らなるインナーシールド30を有するカラー受像管におい
て、インナーシールドのコーナー部近傍の内側に管軸方
向に突出した強磁性金属からなる磁界制御片31を設け、
この磁界制御片をインナーシールドまたはマスクフレー
ムと磁気的に結合させた。 【効果】 外部磁界によるビームランディングのずれが
きわめて少ない色純度良好なカラー受像管を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特にインナーシールドによる磁気遮蔽効果を高めた
カラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、図5に示すよう
に、実質的に矩形状のパネル1およびこのパネル1に一
体に接合された矩形漏斗状のファンネル2からなる外囲
器を有し、そのパネル1の内面にドット状またはストラ
イプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が形
成され、この蛍光体スクリーン3と所定間隔離れて、そ
の内側に多数の電子ビーム通過孔が所定の配列ピッチで
形成されたマスク本体4およびこのマスク本体4の周辺
部に取付けられたマスクフレーム5からなる実質的に矩
形状のシャドウマスク6が配置されている。またファン
ネル2のネック7内に、3電子ビーム8B ,8G ,8R
を放出する電子銃9が配設されている。そして、この電
子銃9から放出される3電子ビーム8B ,8G ,8R を
ファンネル2の外側に装着された偏向ヨーク10の発生
する磁界により偏向し、シャドウマスク6を介して蛍光
体スクリーン3を水平、垂直走査することにより、カラ
ー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管において、蛍光体
スクリーン3上に正しくカラー画像を表示するために
は、蛍光体スクリーン3とこれと対向するシャドウマス
ク6とを所定の整合関係に配置することが必要である。
しかし蛍光体スクリーン3とシャドウマスク6とを所定
の整合関係に配置しても、電子銃9から放出される電子
ビーム8B ,8G ,8R は、地磁気などの外部磁界の影
響を受け、3色蛍光体層に正しくランディングしない。
【0004】そのため、カラー受像管においては、従来
より地磁気などの外部磁界の影響を防止するため、シャ
ドウマスク6のマスクフレーム5に直接または間接的に
強磁性金属からなるインナーシールド12を取付けて、
このインナーシールド12をファンネル2の径大部内側
の電子ビーム通過領域を取囲むように配置している。図
6にこのインナーシールドの基本的な構造を示す。この
インナーシールド12は、板厚が0.1〜0.3mm程度
の軟鋼板からなる実質的に中空の四角形台形状に形成さ
れている。
【0005】しかしこのインナーシールド12では、磁
気遮蔽効果に限界があり、所望のビームランディングが
得られない場合がある。このようなインナーシールドに
より十分な磁気遮蔽効果を得るためには、インナーシー
ルドの内側の磁界の方向をできる限り電子ビームの軌道
に一致させるか、あるいはビームランディングに影響し
ない方向の磁界成分に変換することが必要である。
【0006】ここで、ビームランディングに影響する磁
界成分について説明すると、つぎのとおりである。説明
を簡単にするため、現在最も一般化している垂直方向に
細長いストライプ状の3色蛍光体層が水平方向に並列配
置されているカラー受像管について述べると、3色蛍光
体層の長手方向である垂直方向には、ビームランディン
グのずれが生じても、原理的に色ずれは生じない。しか
し水平方向にビームランディングがずれると、色ずれが
生ずる。この水平方向のビームランディングのずれに影
響する磁界成分は、磁束密度Bの垂直方向成分By と管
軸方向成分Bzである。
【0007】一般に荷電粒子が受けるローレンツ力F
は、荷電粒子の電荷をq、荷電粒子の速度をvとする
と、 F=qv×B で表される。したがって電子ビームに対しては、電子の
電荷をeとすると、 F=−ev×B となる。したがって画面水平方向のビームランディング
に影響するローレンツ力Fの水平方向成分をFx 、電子
の垂直方向速度成分をvy 、管軸方向速度成分をvz と
すると、 Fx =−e(vy Bz −vz By ) となり、磁束密度Bの垂直方向成分By および管軸方向
成分Bz がそれぞれ管軸方向速度成分vz および垂直方
向速度成分vy と作用して、ビームランディングずれを
生じさせることになる。
【0008】図7(a)に磁束密度Bの管軸方向成分B
z によるビームスポットの移動方向を矢印14で示す。
これは、実際には、カラー受像管を北向きに設置した場
合の地磁気の水平方向成分Bx と垂直偏向に基づく電子
ビームの垂直方向速度成分vy とによるビームスポット
の移動であり、左回転ずれを生ずることを示している。
また同(b)に磁束密度Bの垂直方向成分By によるビ
ームスポットの移動方向を矢印15で示す。これは、北
半球における地磁気の垂直方向成分By と蛍光体スクリ
ーンに向かう電子ビームの速度成分、すなわち電子ビー
ムの管軸方向速度成分vz とによるビームスポットの移
動である。
【0009】この磁束密度Bと電子ビームとの関係か
ら、特開昭53−15061号公報には、図8に示すよ
うに、実質的に中空の四角形台形状のインナーシールド
の短側壁にV字状の切込み17を形成したインナーシー
ルド12a が示されている。また実公昭55−3692
8号公報には、画面の上下側にインナーシールドを偏在
させたカラー受像管が示されている。
【0010】これらインナーシールドでは、図6に示し
たインナーシールド12の短辺側壁19で吸収される磁
束密度Bの管軸方向成分Bz が長辺方向に強制され、そ
れにより、図6に示したインナーシールド12よりも、
磁束密度Bの垂直方向成分By が増加する。その結果、
図9(a)に矢印20で示すように、ビームスポット
は、画面上方では右方向に、画面下方では左方向に移動
し、右回転効果を生ずる。これが図7(a)に示したビ
ームスポットの左回転ずれを相殺し、カラー受像管を北
向きまたは南向きに設置した場合における色純度を向上
させる。一方、カラー受像管を東向きまたは西向きに設
置した場合には、地磁気の水平方向成分Bx がインナー
シールド12a の内側を通過しやすくなる。その結果、
インナーシールド12a の内側の磁束密度Bが増加し、
かつ図9(b)に示すように、バレル形の磁界21が形
成され、画面のコーナーに近いほど、磁束密度Bの垂直
方向成分By が増加するため、台形状のビームスポット
の移動が生ずる。その結果、図7(a)に示したビーム
スポットの左回転ずれを相殺して、色純度を向上させ
る。
【0011】この種のインナーシールドの改良について
は種々あり、たとえば特開昭54−13253号公報に
は、図10(a)に示すように、垂直軸yに沿って2分
割したインナーシールド12b が、また実公昭55−1
78945号公報には、同(b)に示すように、側壁に
開孔22の形成されたインナーシールド12c が、さら
に特開昭58−178945号公報には、同(c)に示
すように、短辺にV字状の切込み17を形成するととも
に、長辺の側壁に開孔22の形成されたインナーシール
ド12d が示されている。
【0012】しかしこれらインナーシールドは、いずれ
も画面全面においてランディングずれを満足できる程度
に補正するものとなっていない。そのため、通常のカラ
ー受像管にくらべて、シャドウマスクの電子ビーム通過
孔の配列ピッチが小さく、それに対応して蛍光体スクリ
ーンの3色蛍光体層の配列ピッチが小さい高精細カラー
受像管や、シャドウマスクと蛍光体スクリーンとの間隔
が大きいカラー受像管などでは、地磁気によるビームラ
ンディングのずれが無視できなくなり、画面に色ずれが
生ずる。特に現在開発中の蛍光体スクリーンのアスペク
トレシオが16:9の横長のハイビジョン用高精細カラ
ー受像管では、蛍光体スクリーンのアスペクトレシオが
4:3の通常のカラー受像管にくらべて、相対的に水平
方向の偏向量が大きく、垂直方向の偏向量が小さいた
め、図7(a)に示した電子ビームの垂直方向速度成分
vy が小さくなり、ビームスポットの左回転ずれが小さ
くなる。しかし電子ビームの管軸方向速度成分vz は、
蛍光体スクリーンのアスペクトレシオが4:3の通常の
カラー受像管と変わらないため、図9(b)に示したバ
レル形磁界21による台形状のビームスポットの移動が
そのまま残る。この台形状のビームスポットの移動は、
インナーシールドの短側壁のV字状切込みをなくして
も、完全にはなくならず、蛍光体スクリーンのアスペク
トレシオが16:9の横長のカラー受像管では、実用上
無視できなくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りカラー受像管は、地磁気などの外部磁界によるビーム
ランディングのずれを防止するために、矩形漏斗状のフ
ァンネルの径大部内側に中空の四角形台形状のインナー
シールドが配置されている。このインナーシールドにつ
いては、十分な磁気遮蔽効果が得られるように、インナ
ーシールドの短側壁のV字状切込みを形成するなど種々
改良されたものがあるが、いずれも画面全面においてビ
ームランディングのずれを満足できる程度に補正するも
のとなっていない。そのため、通常のカラー受像管にく
らべて、シャドウマスクの電子ビーム通過孔の配列ピッ
チが小さく、それに対応して蛍光体スクリーンの3色蛍
光体層の配列ピッチが小さい高精細カラー受像管や、シ
ャドウマスクと蛍光体スクリーンとの間隔が大きいカラ
ー受像管などでは、地磁気によるランディングずれが無
視できなくなり、画面に色ずれが生ずる。特に現在開発
中の蛍光体スクリーンのアスペクトレシオが16:9の
横長のハイビジョン用高精細カラー受像管では、蛍光体
スクリーンのアスペクトレシオが4:3の通常のカラー
受像管にくらべて、相対的に水平方向の偏向量が大き
く、垂直方向の偏向量が小さいため、電子ビームの垂直
方向速度成分vy が小さくなり、ビームスポットの左回
転ずれが小さくなる。しかし電子ビームの管軸方向速度
成分vz は、蛍光体スクリーンのアスペクトレシオが
4:3の通常のカラー受像管と変わらないため、図9
(b)に示したバレル形磁界による台形状のビームスポ
ットの移動がそのまま残る。この台形状のビームスポッ
トの移動は、インナーシールドの短辺のV字状切込みを
なくしても、完全にはなくならず、実用上無視できなく
なるという問題がある。
【0014】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、インナーシールドの磁気遮蔽効果
を高めて、地磁気などの外部磁界によるビームランディ
ングのずれを実用上問題ないまで抑えることができるカ
ラー受像管を構成することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】実質的に矩形状のパネル
およびこのパネルに一体に接合された矩形漏斗状のファ
ンネルからなる外囲器と、パネルの内側に配置され、こ
のパネルの内面に形成された蛍光体スクリーンと対向す
るマスク本体およびこのマスク本体の周辺部に取付けら
れたマスクフレームからなる実質的に矩形状のシャドウ
マスクと、そのマスクフレームに直接または間接的に取
付けられてファンネルの内側に位置し、電子銃から放出
される電子ビームのファンネル内側の電子ビーム通過領
域を外部磁界から遮蔽する強磁性金属からなる中空の四
角形台形状のインナーシールドとを有するカラー受像管
において、インナーシールドのコーナー部近傍に管軸方
向に突出した強磁性金属からなる磁界制御片を設け、こ
の磁界制御片をインナーシールドまたはマスクフレーム
と磁気的に結合させた。
【0016】
【作用】上記のように、インナーシールドのコーナー部
近傍に管軸方向に突出した強磁性金属からなる磁界制御
片を設け、この磁界制御片をインナーシールドまたはマ
スクフレームと磁気的に結合させると、カラー受像管を
東向きまたは西向きに設置したとき、コーナー部近傍に
設けられた左右の磁界制御片の突出端部間に弱いピンク
ッション形磁界が形成され、インナーシールド内側の電
子ビーム通過領域に形成されるバレル形磁界を弱めるこ
とができる。したがって磁束密度Bの垂直方向成分By
を減少させ、この磁束密度Bの垂直方向成分By と電子
ビームの管軸方向速度成分vz とによる台形状のビーム
スポットのずれを減少させることができる。一方、カラ
ー受像管を北向きまたは南向きに設置したとき、磁束密
度Bの垂直方向成分By は、従来のインナーシールドと
同等もしくは若干増加する程度であり、ビームスポット
の基本的な回転ずれは、ほとんど増加しない。したがっ
て総合的にビームランディングずれのきわめて少ないカ
ラー受像管を実現することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0018】図1にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、実質的に矩形状のパネル1
およびこのパネル1に一体に接合された矩形漏斗状のフ
ァンネル2からなる外囲器を有し、そのパネル1の内面
にドット状またはストライプ状の3色蛍光体層からなる
蛍光体スクリーン3が形成され、この蛍光体スクリーン
3と所定間隔離れて、その内側に多数の電子ビーム通過
孔が所定の配列ピッチで形成されたマスク本体4および
このマスク本体4の周辺部に取付けられたマスクフレー
ム5からなる実質的に矩形状のシャドウマスク6が配置
されている。そのマスクフレーム5は、側壁の一端から
内側に張出した内側張出部をもつ断面L字形に形成され
ている。またファンネル2のネック7内に、3電子ビー
ム8B ,8G ,8R を放出する電子銃9が配設されてい
る。そして、この電子銃9から放出される3電子ビーム
8B ,8G ,8R をファンネル2の外側に装着された偏
向ヨーク10の発生する磁界により偏向し、シャドウマ
スク6を介して蛍光体スクリーン3を水平、垂直走査す
ることにより、カラー画像を表示する構造に形成されて
いる。
【0019】さらにこのカラー受像管においては、電子
ビーム8B ,8G ,8R に対する地磁気などの外部磁界
の影響を防止するために、ファンネル2の径大部内側の
電子ビーム通過領域を取囲むようにインナーシールド3
0がシャドウマスク6の内側張出部に取付けられてファ
ンネル2の径大部内側に配置されている。このインナー
シールド30は、強磁性金属からなる中空の四角形台形
状に形成され、かつ図2に示すように、各コーナー部近
傍の内側に断面L字形の磁界制御片31が配置されてい
る。この磁界制御片31は、断面L字形に形成され、そ
の一辺が管軸z方向に突出するように他辺がインナーシ
ールド30の各コーナー部に溶接されて、インナーシー
ルド30の本体部分と磁気的に結合している。その管軸
方向に突出する一辺の高さは、偏向中心32から蛍光体
スクリーン3の最外周部に向かう電子ビーム8B ,8G
,8R の軌道33とインナーシールド30の側壁との
間の領域内で適切な高さに設定される。
【0020】具体例として、蛍光体スクリーンのアスペ
クトレシオが16:9で対角寸法が76cmの32インチ
105度偏向ハイビジョン用高精細カラー受像管に用い
られるインナーシールドについて説明すると、このイン
ナーシールドは、板厚が0.15mm程度の軟鋼板からな
り、高さ約130mmの中空の四角形台形状に形成され、
シャドウマスクのマスクフレームに取付けられる径大部
側に約620mm×350mmの開口が形成され、電子銃側
となる径小部側に約270mm×175mmの開口が形成さ
れている。磁界制御片は、同じく板厚が0.15mm程度
の軟鋼板からなり、管軸方向に突出する一辺の高さHが
約10mm、他辺の幅Wが約6mm、長さLが約110mmに
形成される。
【0021】上記のようにインナーシールド30のコー
ナー部近傍の内側に管軸方向に突出した磁界制御片31
を設けると、たとえばカラー受像管を東向きに設置した
とき、図3に示すように、インナーシールド30の側
壁、特にその一方の短側壁35aにより集められた地磁
気の水平方向成分Bx は、主として磁気抵抗の低いイン
ナーシールド30の長側壁36を通って他方の短側壁3
5b から放射され、インナーシールド30の内側を遮蔽
するが、地磁気の水平方向成分Bx の一部は、一方の短
側壁35a側(入射側)のコーナー部近傍にある磁界制
御片31a の管軸方向突出端から、垂直軸yに関して対
称の位置にある磁界制御片31b の管軸方向突出端に向
かって放出され、これら磁界制御片31a ,31b 間に
放出磁界37を形成する。この放出磁界37は、インナ
ーシールド30の長側壁36の近くでは磁束密度Bが高
いので、インナーシールド30の内側に向かって膨出
し、弱いピンクッション形磁界を形成する。そしてこの
ピンクッション形磁界が、図9(b)に示した従来問題
となっていたバレル形磁界を補正する。
【0022】すなわち、従来ハイビジョン用高精細カラ
ー受像管は、東向きまたは西向きに設置した場合、地磁
気の水平方向成分Bx により、インナーシールドの内側
にバレル形磁界が形成され、画面のコーナーに近いほ
ど、磁束密度Bの垂直方向成分By が増加し、好ましく
ない台形状のビームスポットのずれを生じたが、この例
のインナーシールド30のようにコーナー部近傍の内側
に管軸方向に突出した磁界制御片31を設けると、その
バレル形磁界を打消すピンクッション形磁界を形成し、
好ましくない台形状のビームスポットのずれを防止す
る。またカラー受像管を北向きまたは南向きに設置した
場合、磁束密度Bの垂直方向成分By は、同等もしくは
若干増加する程度であり、ビームスポットの基本的な回
転ずれは、ほとんど生じない。したがって色純度が良好
なカラー受像管とすることができる。
【0023】なお、上記実施例では、断面L字形の磁界
制御片をインナーシールドのコーナー部近傍の内側に溶
接して管軸方向に突出させたが、図4に示すように、イ
ンナーシールド30のコーナー部を切起こして管軸方向
に突出させ、磁界制御片31としてもよい。この場合、
その切起こしによりインナーシールド30のコーナー部
に形成されるスリット状の開孔38により、図3に示し
たインナーシールドの内側のピンクッション形磁界を強
めることができるという効果が得られる。
【0024】また上記実施例では、磁界制御片をインナ
ーシールドのコーナー部近傍の内側に取付けて、インナ
ーシールドと磁気的に結合させたが、この磁界制御片
は、シャドウマスクのマスクフレームのコーナー部の側
壁、または比較的漏れ磁界の大きいマスクフレームの内
側張出し部とインナーシールドの径大部との間に配置し
てもよい。
【0025】なお、上記実施例では、ハイビジョン用高
精細カラー受像管について説明したが、この発明は、蛍
光体スクリーンのアスペクトレシオが4:3の通常のカ
ラー受像管に適用しても、同様の効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】カラー受像管のファンネルの内側に位置
して、電子銃から放出される電子ビームのファンネル内
側の電子ビーム通過領域を外部磁界から遮蔽する中空の
四角形台形状の強磁性金属からなるインナーシールドの
コーナー部近傍に管軸方向に突出した強磁性金属からな
る磁界制御片を設け、この磁界制御片をインナーシール
ドまたはマスクフレームと磁気的に結合させると、カラ
ー受像管を東向きまたは西向きに設置したとき、コーナ
ー部近傍に管軸方向に突出して設けられた左右の磁界制
御片の突出端部間に弱いピンクッション形磁界が形成さ
れ、インナーシールド内側の電子ビーム通過領域に形成
される好ましくないバレル形磁界を打消すことができ
る。したがって磁束密度Bの垂直方向成分By を減少さ
せ、この磁束密度Bの垂直方向成分By と電子ビームの
管軸方向速度成分vz とによる台形状のビームスポット
のずれを減少させることができる。一方、カラー受像管
を北向きまたは南向きに設置したとき、磁束密度Bの垂
直方向成分By は、従来のインナーシールドと同等もし
くは若干増加する程度であり、ビームスポットの基本的
な回転ずれは、ほとんど増加しない。したがって総合的
にビームランディングずれのきわめて少ないカラー受像
管を実現でき、特に蛍光体スクリーンのアスペクトレシ
オが16:9のハイビジョン用高精細カラー受像管に適
用して、地磁気などの外部磁界によるビームランディン
グのずれを少なくし、色純度良好なカラー受像管とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す図である。
【図2】図2(a)は図1のA−A線により切断して矢
印方向から見たインナーシールドの断面図、図2(b)
はその磁界制御片の形状を示す斜視図である。
【図3】上記インナーシールドの地磁気に対する遮蔽作
用を説明するための図である。
【図4】図4(a)はこの発明の他の実施例のインナー
シールドを示す図、図4(b)はその要部を示す図であ
る。
【図5】従来のカラー受像管の構成を示す図である。
【図6】従来のカラー受像管のインナーシールドの基本
構造を示す図である。
【図7】図7(a)および(b)はそれぞれインナーシ
ールドの地磁気に対する遮蔽作用とビームスポットの移
動との関係を説明するための図である。
【図8】短側壁にV字状の切込みが形成された従来の改
良されたインナーシールドを示す図である。
【図9】図9(a)および(b)はそれぞれ短側壁にV
字状の切込みが形成されたインナーシールドの地磁気に
対する遮蔽作用とビームスポットの移動との関係を説明
するための図である。
【図10】図10(a)乃至(c)はそれぞれさらに改
良された従来のインナーシールドを示す図である。
【符号の説明】
1…パネル 2…ファンネル 3…蛍光体スクリーン 4…マスク本体 5…マスクフレーム 6…シャドウマスク 8B ,8G ,8R …3電子ビーム 9…電子銃 30…インナーシールド 31…磁界制御片 38…開孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に矩形状のパネルおよびこのパネ
    ルに一体に接合された矩形漏斗状のファンネルからなる
    外囲器と、上記パネルの内側に配置され、上記パネルの
    内面に形成された蛍光体スクリーンと対向するマスク本
    体およびこのマスク本体の周辺部に取付けられたマスク
    フレームからなる実質的に矩形状のシャドウマスクと、
    上記マスクフレームに直接または間接的に取付けられて
    上記ファンネルの内側に位置し、電子銃から放出される
    電子ビームの上記ファンネル内側の電子ビーム通過領域
    を外部磁界から遮蔽する強磁性金属からなる中空の四角
    形台形状のインナーシールドとを有するカラー受像管に
    おいて、 上記インナーシールドはコーナー部近傍に管軸方向に突
    出した強磁性金属からなる磁界制御片が設けられ、この
    磁界制御片が上記インナーシールドまたは上記マスクフ
    レームと磁気的に結合していることを特徴とするカラー
    受像管。
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