JPH07120910A - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents

水なし平版印刷版原版

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JPH07120910A
JPH07120910A JP26702793A JP26702793A JPH07120910A JP H07120910 A JPH07120910 A JP H07120910A JP 26702793 A JP26702793 A JP 26702793A JP 26702793 A JP26702793 A JP 26702793A JP H07120910 A JPH07120910 A JP H07120910A
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JP
Japan
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group
general formula
substituted
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compound
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Application number
JP26702793A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kokuni
昌宏 小國
Shunichi Yanagida
俊一 柳田
Norimasa Ikeda
憲正 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Priority to DE69424405T priority patent/DE69424405T2/de
Priority to PCT/JP1994/001798 priority patent/WO1995012146A1/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、支持体上に感光層、シリコーンゴム
層をこの順に設けてなる水なし平版印刷版において、該
感光層が、フェノール性水酸基と非フェノール性水酸基
とをそれぞれ少なくとも一つずつ有する化合物とキノン
ジアジド化合物との反応物を有しており、かつキノンジ
アジド化合物を添加していることを特徴とする水なし平
版印刷版である。 【効果】本発明の水なし平版印刷版は高感度で画像再現
性に優れており、ポジフィルムやネガフィルムに忠実な
印刷物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水なし平版印刷版に関す
るものであり、さらに詳しくは支持体上に感光層、イン
キを反発するシリコーンゴム層とを、この順に設けてな
る水なし平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコーンゴム層をインキ反
発層として使用し、湿し水を用いずに平版印刷を行うた
めの印刷版が種々提案されている。
【0003】これらの中でも、支持体上にキノンジアジ
ド化合物とフェノールノボラック樹脂などの樹脂とを用
いた感光層の上にシリコーンゴム層を設けた水なし平版
印刷版原版が特公昭61−54222、特公昭61−5
8824、特公昭63−23546、特公平2−617
30、特公平2−62857、特公平3−36208、
特公平3−56365、特公平3−56624、特公平
3−65539、特公平4−1900、特公平4−29
42、特公平4−3864、特公平4−44262、特
公平4−49702号公報などに開示されている。
【0004】これらの水なし平版印刷版原版の感光層に
はフェノールノボラック樹脂などの樹脂の水酸基にキノ
ンジアジドを反応させたものが用いられているが、これ
らの樹脂は硬くてもろいという欠点を有しており、特に
オフセット印刷を行った場合、感光層の破壊が起こり、
シリコーンゴム層にまで亀裂が入り、高耐刷力が得られ
ない欠点を有していた。
【0005】この問題を解決するため、フェノールのよ
うな芳香環に直接水酸基がついた化合物の代わりに脂肪
族炭化水素に水酸基がついた化合物を用いる方法が考え
られるが、感度が劣るという欠点を有していた。さら
に、このような脂肪族炭化水素に水酸基がついた化合物
を用いた場合、膜の形態保持性が低く、薄膜にした場合
に微小のハジキが発生するという欠点も有していた。
【0006】また、これらの水なし平版印刷版原版は光
に対する感度が低く、十分な画像再現性が得られないと
いう欠点も有していた。
【0007】この問題を解決するため、光増感剤などを
添加する方法が考えられるが、ネガフィルムやポジフィ
ルムに忠実な画像を再現するにはまだ不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点の解決を図るもので、優れた耐刷力を有し、か
つ高感度を有する水なし平版印刷版原版を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる発明の目的は、支
持体上に感光層およびシリコーンゴム層をこの順に積層
してなる水なし平版印刷版において、該感光層が下記一
般式(I)で示される構造と下記一般式(II)で示さ
れる構造とをそれぞれ少なくとも一つずつ有する化合物
とキノンジアジド化合物との反応物を含有しており、か
つ下記一般式(III)、下記一般式(IV)および下
記一般式(V)で示される化合物の少なくとも一つを含
有することを特徴とする水なし平版印刷版によって達成
される。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 (式中、R1は硫黄原子、置換あるいは非置換の窒素原
子、置換あるいは非置換の炭素原子、置換あるいは非置
換のケイ素原子の群から選ばれる少なくとも一つであ
る。R2、R3、R4、R5は置換基であり、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。また、R6は水酸基、ア
ルカリ金属オキシド基、ハロゲン原子、アミノ基、メル
カプト基、炭素数1〜100の置換もしくは非置換のア
ルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、
アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数
2〜100の置換もしくは非置換のアルケニル基、アル
ケニルオキシ基、炭素数4〜100の置換もしくは非置
換のアリール基、アリールオキシ基の群から選ばれる少
なくとも一種である。) すなわち、一般式(I)で示される構造と一般式(I
I)で示される構造とをそれぞれ少なくとも一つずつ有
する化合物とキノンジアジド化合物との反応物を用いる
ことにより感光層を柔軟化し、その結果耐刷力を向上さ
せることができる。また、一般式(III)、一般式
(IV)および一般式(V)で示される化合物の少なく
とも一つを含有することにより、光に対する感度が良好
となり、優れた画像再現性を有する水なし平版印刷版原
版となり得る。
【0010】本発明で用いられる支持体としては、通常
の水なし平版印刷版で用いられるもの、あるいは提案さ
れているものであればいずれでもよく、例えばアルミニ
ウム、銅、亜鉛、鋼などの金属板、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのプラス
チックフィルムあるいはシート、クロロプレンゴム、N
BRのようなゴム弾性を有する支持体、もしくはコート
紙などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの
支持体の表面に適当な加工を施し、上層との接着性を向
上させることは任意である。
【0011】これらの支持体上にはハレーション防止そ
の他の目的でさらにプライマ層をコーティングして支持
体として用いることも可能である。プライマ層の構成成
分としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、尿素
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチ
レン樹脂、アミド樹脂、メナミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ミルクカゼイン、ゼラチン、
大豆タンパク質、アルブミンなどが挙げられるが、これ
らに限定されない。これらの樹脂は単独、あるいは二種
以上混合して用いることができる。これらの樹脂に多官
能イソシアネート化合物やシランカップリング剤などの
架橋剤を加えることにより、支持体あるいは感光層との
接着性を向上させることも可能である。また、検版性の
向上その他の目的で必要に応じて染料、顔料、光発色剤
などの添加剤を加えることは任意である。また、公知の
触媒を添加することも任意である。
【0012】プライマ層中の各成分の配合割合について
は特に限定されないが、好ましくは上記の樹脂の一種も
しくは二種以上を100重量部、必要に応じて架橋剤を
0〜100重量部、染料あるいは顔料などの添加剤を0
〜100重量部、公知の触媒を0〜10重量部加え、膜
厚0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μ
mで設けることにより得られるものがよい。
【0013】本発明において使用される感光層としては
光剥離性感光層が挙げられる。このような光剥離性感光
層は、下記一般式(I)で示される構造と下記一般式
(II)で示される構造とをそれぞれ少なくとも一つず
つ有する化合物とキノンジアジド化合物との反応物を含
有しており、かつ下記一般式(III)、下記一般式
(IV)および下記一般式(V)で示される化合物の少
なくとも一つを含有している。
【0014】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】 (式中、R1は硫黄原子、置換あるいは非置換の窒素原
子、置換あるいは非置換の炭素原子、置換あるいは非置
換のケイ素原子の群から選ばれる少なくとも一つであ
る。R2、R3、R4、R5は置換基であり、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。また、R6は水酸基、ア
ルカリ金属オキシド基、ハロゲン原子、アミノ基、メル
カプト基、炭素数1〜100の置換もしくは非置換のア
ルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、
アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数
2〜100の置換もしくは非置換のアルケニル基、アル
ケニルオキシ基、炭素数4〜100の置換もしくは非置
換のアリール基、アリールオキシ基の群から選ばれる少
なくとも一種である。) このような感光層においては、架橋や変性を行わない場
合には、現像により露光部感光層およびその上のシリコ
ーンゴム層が除去される。架橋あるいは変性を行った場
合には、現像により露光部感光層が除去されることな
く、その上のシリコーンゴム層のみが除去される。
【0015】一般式(I)中のR1の置換基の具体例と
しては、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、
アミノ基、メルカプト基、シアノ基、スルフォニル基、
ニトロソ基、炭素数1〜100の置換もしくは非置換の
アルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ
基、アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭
素数2〜100の置換もしくは非置換のアルケニル基、
アルケニルオキシ基、炭素数4〜100の置換もしくは
非置換のアリール基、アリールオキシ基の群から選ばれ
る少なくとも一種が挙げられるが、これらに限定されな
い。また、一般式(II)中のR2、R3、R4、R5
の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、
ニトロ基、アミノ基、メルカプト基、シアノ基、スルフ
ォニル基、ニトロソ基、炭素数1〜100の置換もしく
は非置換のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシ
ルオキシ基、アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシ
ル基、炭素数2〜100の置換もしくは非置換のアルケ
ニル基、アルケニルオキシ基、炭素数4〜100の置換
もしくは非置換のアリール基、アリールオキシ基の群か
ら選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、またこれらに限定されず、これ以外
のものでもよい。
【0016】一般式(I)で示される構造と下記一般式
(II)で示される構造とをそれぞれ少なくとも一つず
つ有する化合物としては、例えば次の〜のような化
合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】下記一般式(VI)で示されるような、
エポキシ化合物とフェノール安息香酸との反応により得
られる骨格を有する化合物。例えば、1,2−エポキシ
プロパンと2−ヒドロキシ安息香酸との反応物や1,2
−エポキシプロパンと3−ヒドロキシ安息香酸との反応
物、1,2−エポキシプロパンと4−ヒドロキシ安息香
酸との反応物、1,2−エポキシブタンと2−ヒドロキ
シ安息香酸との反応物、1,2−エポキシブタンと3−
ヒドロキシ安息香酸との反応物、1,2−エポキシブタ
ンと4−ヒドロキシ安息香酸との反応物、2,3−エポ
キシブタンと2−ヒドロキシ安息香酸との反応物、2,
3−エポキシブタンと3−ヒドロキシ安息香酸との反応
物、2,3−エポキシブタンと4−ヒドロキシ安息香酸
との反応物、1,2−エポキシヘキサンと2−ヒドロキ
シ安息香酸との反応物、1,2−エポキシヘキサンと3
−ヒドロキシ安息香酸との反応物、1,2−エポキシヘ
キサンと4−ヒドロキシ安息香酸との反応物、1,2,
3,4−ジエポキシブタンと2−ヒドロキシ安息香酸と
の反応物、1,2,3,4−ジエポキシブタンと3−ヒ
ドロキシ安息香酸との反応物、1,2,3,4−ジエポ
キシブタンと4−ヒドロキシ安息香酸との反応物、グリ
シジルアクリレートと2−ヒドロキシ安息香酸との反応
物およびその単独重合体や共重合体、グリシジルアクリ
レートと3−ヒドロキシ安息香酸との反応物およびその
単独重合体や共重合体、グリシジルアクリレートと4−
ヒドロキシ安息香酸との反応物およびその単独重合体や
共重合体、グリシジルメタクリレートと2−ヒドロキシ
安息香酸との反応物およびその単独重合体や共重合体、
グリシジルメタクリレートと3−ヒドロキシ安息香酸と
の反応物およびその単独重合体や共重合体、グリシジル
メタアクリレートと4−ヒドロキシ安息香酸との反応物
およびその単独重合体や共重合体などが挙げられるが、
これらに限定されず、エポキシ基を有する化合物とフェ
ノール安息香酸との反応物であればどのようなものでも
よい。エポキシ基を有する化合物の分子量は特に限定さ
れないが、分子量60〜1000万のものが好ましく、
分子量80〜100万のものがより好ましい。
【0018】
【化16】 (式中のR2、R3、R4、R5は、一般式(II)の
R2、R3、R4、R5と同一である。) 下記一般式(VII)で示されるような、トリオール
あるいはポリオールとヒドロキシベンズアルデヒドとの
反応により得られる骨格を有する化合物。例えば、1,
2,4−ブタントリオールと2−ヒドロキシベンズアル
デヒドとの反応物、1,2,4−ブタントリオールと3
−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応物、1,2,4
−ブタントリオールと4−ヒドロキシベンズアルデヒド
との反応物、グリセリンと2−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドとの反応物、グリセリンと3−ヒドロキシベンズア
ルデヒドとの反応物、グリセリンと4−ヒドロキシベン
ズアルデヒドとの反応物、トリメチロールプロパンと2
−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応物、トリメチロ
ールプロパンと3−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反
応物、トリメチロールプロパンと4−ヒドロキシベンズ
アルデヒドとの反応物、ポリビニルアルコールと2−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドとの反応物、ポリビニルアル
コールと3−ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応物、
ポリビニルアルコールと4−ヒドロキシベンズアルデヒ
ドとの反応物などが挙げられるが、これらに限定され
ず、トリオールあるいはポリオールとヒドロキシベンズ
アルデヒドとの反応物あればどのようなものでもよい。
トリオールあるいはポリオールの分子量は特に限定され
ないが、分子量90〜1000万のものが好ましく、分
子量90〜100万のものがより好ましい。
【0019】
【化17】 (式中のR2、R3、R4、R5は、一般式(II)の
R2、R3、R4、R5と同一である。R7は、硫黄原
子、置換もしくは非置換の窒素原子、炭素数1〜100
の置換もしくは非置換のアルキル基、アルコキシ基、ア
ミド基、アシルオキシ基、アルカノイル基、ホルミル
基、カルボキシル基、炭素数2〜100の置換もしくは
非置換のアルケニル基、アルケニルオキシ基、炭素数4
〜100の置換もしくは非置換のアリール基、アリール
オキシ基などが挙げられるが、これらに限定されな
い。) 下記一般式(VIII)で示されるような骨格を有す
る化合物。例えば、2−(2−ヒドロキシエチル)フェ
ノール、3−(2−ヒドロキシエチル)フェノール、4
−(2−ヒドロキシエチル)フェノール、2−(1−ヒ
ドロキシエチル)フェノール、3−(1−ヒドロキシエ
チル)フェノール、4−(1−ヒドロキシエチル)フェ
ノール、2−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール、
3−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール、4−(3
−ヒドロキシプロピル)フェノール、2−(2−ヒドロ
キシプロピル)フェノール、3−(2−ヒドロキシプロ
ピル)フェノール、4−(2−ヒドロキシプロピル)フ
ェノール、2−(6−ヒドロキシヘキシル)フェノー
ル、3−(6−ヒドロキシヘキシル)フェノール、4−
(6−ヒドロキシヘキシル)フェノールなどが挙げられ
るが、これらに限定されない。このような化合物の分子
量は特に限定されないが、分子量120〜1000万の
ものが好ましく、分子量120〜100万のものがより
好ましい。
【0020】
【化18】 (式中のR2、R3、R4、R5は、一般式(II)の
R2、R3、R4、R5と同一である。R8は、硫黄原
子、置換あるいは非置換の窒素原子、置換あるいは非置
換のケイ素原子、炭素数1〜1000万の置換もしくは
非置換のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシル
オキシ基、アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシル
基、炭素数2〜1000万の置換もしくは非置換のアル
ケニル基、アルケニルオキシ基、炭素数4〜1000万
の置換もしくは非置換のアリール基、アリールオキシ基
などが挙げられるが、これらに限定されない。) 下記一般式(IX)で示されるような骨格を有する化
合物。例えば、ヒドロキシエチルアクリレートとヒドロ
キシスチレンとの共重合体、ヒドロキシエチルメタクリ
レートとヒドロキシスチレンとの共重合体、酢酸ビニル
とヒドロキシスチレンとの共重合体を加水分解したも
の、ヒドロキシエチルアクリレートとヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシスチレンとの共重合体など
が挙げられるがこれらに限定されない。このような化合
物の分子量は特に限定されないが、分子量300〜10
00万のものが好ましく、分子量1000〜100万の
ものがより好ましい。
【0021】
【化19】 (式中のR2、R3、R4、R5は、一般式(II)の
R2、R3、R4、R5と同一である。R9およびR1
0は高分子の主鎖を示しており、置換あるいは非置換の
窒素原子、置換あるいは非置換のケイ素原子、炭素数1
〜1000万の置換もしくは非置換のアルキル基、アル
コキシ基、アミド基、アシルオキシ基、アルカノイル
基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数2〜1000
万の置換もしくは非置換のアルケニル基、アルケニルオ
キシ基、炭素数4〜1000万の置換もしくは非置換の
アリール基、アリールオキシ基などが挙げられるが、こ
れらに限定されない。) これらの〜のような化合物、あるいはそれ以外の一
般式(I)で示される構造と一般式(II)で示される
構造とをそれぞれ少なくとも一つずつ有する化合物を単
独、あるいは二種以上をキノンジアジド化合物と反応さ
せることにより、目的とする反応物を得ることができ
る。
【0022】キノンジアジド化合物としては、ベンゾキ
ノン−1,2−ジアジドスルホン酸およびその誘導体、
ナフトキノン−1,2−ジアジドスルホン酸およびその
誘導体、あるいはジアゾジフェニルアミンおよびその誘
導体などが挙げられるがこれらに限定されない。これら
の中ではナフトキノン−1,2−ジアジドスルホン酸お
よびその誘導体が特に有効である。キノンジアジド化合
物として、例えばスルホン酸系の化合物を使用すると、
目的とする反応物はエステル化物となる。
【0023】一般式(I)で示される構造と一般式(I
I)で示される構造とをそれぞれ少なくとも一つずつ有
する化合物とキノンジアジド化合物との反応割合は特に
限定されないが、好ましくは一般式(I)で示される構
造と一般式(II)で示される構造とをそれぞれ少なく
とも一つずつ有する化合物100重量部に対してキノン
ジアジド化合物を0.01〜100万重量部、より好ま
しくは一般式(I)で示される構造と一般式(II)で
示される構造とをそれぞれ少なくとも一つずつ有する化
合物100重量部に対してキノンジアジド化合物を0.
1〜10万重量部反応させることにより得られるのがよ
い。
【0024】一般式(III)で示される化合物の具体
例としては、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン
酸、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン酸ナトリ
ウム、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン酸カリ
ウム、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン酸クロ
リド、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン酸ブロ
ミド、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン酸メチ
ルエステル、ベンゾキノン−1,2−ジアジドスルホン
酸エチルエステルなどが挙げられるが、これらに限定さ
れない。これらの中ではベンゾキノン−1,2−ジアジ
ドスルホン酸ナトリウムおよびベンゾキノン−1,2−
ジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。
【0025】一般式(IV)で示される化合物の具体例
としては、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−
スルホン酸、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5
−スルホン酸ナトリウム、o−ナフトキノン−1,2−
ジアジド−5−スルホン酸カリウム、o−ナフトキノン
−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド、o−ナ
フトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸ブロミ
ド、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホ
ン酸メチルエステル、o−ナフトキノン−1,2−ジア
ジド−5−スルホン酸エチルエステルなどが挙げられる
が、これらに限定されない。これらの中ではo−ナフト
キノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウム
およびo−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スル
ホン酸クロリドが好ましい。
【0026】一般式(V)で示される化合物の具体例と
しては、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−ス
ルホン酸、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−
スルホン酸ナトリウム、o−ナフトキノン−1,2−ジ
アジド−4−スルホン酸カリウム、o−ナフトキノン−
1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、o−ナフ
トキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸ブロミ
ド、o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホ
ン酸メチルエステル、o−ナフトキノン−1,2−ジア
ジド−4−スルホン酸エチルエステルなどが挙げられる
が、これらに限定されない。これらの中ではo−ナフト
キノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸ナトリウム
およびo−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スル
ホン酸クロリドが好ましい。
【0027】感光層に架橋剤を用いる場合の架橋剤とし
ては、多官能性イソシアネート類、例えば、パラフェニ
レンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネートもしくはこれらのアダクト体など、あるい
は多官能エポキシ化合物、例えば、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル類、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテルなどがあげられるが、これらに限定されない。
これらの熱硬化は感光性物質の感光性を失わせない範
囲、通常130℃以下で行うことが好ましく、このため
通常触媒などが併用される。
【0028】また一般式(I)で示される構造と一般式
(II)で示される構造とをそれぞれ少なくとも一つず
つ有する化合物とキノンジアジド化合物との反応物に単
官能化合物を反応させて変性して現像液に難溶もしくは
不溶にする場合の方法としては、同様に該感光性化合物
の活発な基を例えばエステル化、アミド化、ウレタン化
することなどが挙げられる。感光性化合物の活発な基と
反応させる化合物としては、低分子であっても比較的高
分子であってもよいし、感光性化合物にモノマをグラフ
ト重合させてもよい。
【0029】さらに必要であれば、これらの化合物と混
合しえる有機高分子化合物を感光層中に添加することも
可能である。このような有機高分子化合物としては、例
えば次の〜に示す重合体、共重合体を挙げることが
できるが、これらに限定されない。
【0030】アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、アクリロニトリルの重合体、例えばポリアクリル
酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メ
チルなど、およびそれらの共重合体。
【0031】未加流ゴム、例えばポリブタジエン、ポ
リイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレンブタジエ
ンゴムなど。
【0032】ビニル重合体、例えばポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール、ポリブチルブチラールなど、お
よびそれらの共重合体。
【0033】ポリエーテル、例えばポリエチレンオキ
シドなど。
【0034】ポリエステル、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、マレイン酸、アジピン酸などとエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどの反応物。
【0035】ポリウレタン、例えばトリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
トなどと1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、のポリエーテルポリオール、で得られるポ
リエステルポリオールなどとの反応生成物。
【0036】エポキシ樹脂 ポリアミド これらの有機高分子化合物を単独、あるいは二種以上用
いることにより、膜の形態保持性その他を向上させるこ
とが可能である。これらの有機高分子化合物の中では
、、、が特に好ましい。
【0037】更に、キノンジアジド化合物の光反応性向
上その他の目的で、公知の光開始剤あるいは光増感剤を
添加することも可能である。添加する光開始剤あるいは
光増感剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、α、α−ジメトキシ−α−
フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体、ベン
ゾフェノン、フルオレノン、キサントン、チオキサント
ン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、
4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2
−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサン
トン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられ
るが、これらに限定されない。これらの中ではベンゾフ
ェノン類が特に有効である。
【0038】上記の諸成分に加え、必要に応じて染料、
顔料、光発色剤などの添加剤や公知の触媒を感光層に加
えることは任意である。
【0039】光剥離性感光層中の各成分の配合割合につ
いては特に限定されないが、好ましくは上記の一般式
(I)で示される構造と一般式(II)で示される構造
とをそれぞれ少なくとも一つずつ有する化合物とキノン
ジアジド化合物との反応物を100重量部、一般式(I
II)〜一般式(V)で示される化合物を1〜1000
0重量部、架橋剤あるいは感光性化合物の活発な基と反
応させる化合物を0〜10000重量部、有機高分子化
合物を0〜10000重量部、光開始剤あるいは光増感
剤を0〜100重量部、必要に応じて添加剤や公知の触
媒などを各々0〜100重量部加え、膜厚0.1〜10
0μm、好ましくは0.5〜10μmで設けることによ
って得られるのがよい。薄すぎると感光層中にハジキを
生じやすくなり、厚すぎると経済的に不利であるので上
記の範囲が好ましい。
【0040】本発明に用いられるシリコーンゴム層は、
次の〜に示されるシリコーンゴムが挙げられるが、
これらに限定されない。
【0041】下記一般式(X)で示される分子量10
0〜100万、好ましくは1000〜50万の有機ポリ
シロキサンを架橋することにより得られるもの。
【0042】
【化20】 (式中、nは2以上の整数、R11、R12は炭素数1
〜50の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数2〜
50の置換もしくは非置換のアルケニル基、炭素数5〜
50の置換もしくは非置換のアリール基の群から選ばれ
るすくなくとも一種であり、それぞれ同一でも異なって
いてもよく、特にメチル基が60%以上のものが好まし
い。) このような有機ポリシロキサンは有機過酸化物を添加し
て熱処理を施すことにより、さらに架橋したシリコーン
ゴムとすることもできる。
【0043】有機ポリシロキサンを架橋する一般的な方
法としては、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能
基含有ケイ素化合物により有機ポリシロキサンを架橋す
る方法が挙げられ、特に末端がシラノール構造を持つ有
機ポリシロキサンとケイ素原子に直接結合したアルコキ
シ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミド基、ア
ミノオキシ基、アミノ基、アルケニルオキシ基、水素な
どの官能基を二個以上有するケイ素化合物との反応によ
り硬化し、ゴムとすることが通常用いられる方法であ
る。また、ラジカル開始剤により、有機ポリシロキサン
を硬化させてゴムとすることも可能である。これらの硬
化において、公知の触媒を加えることは任意である。
【0044】下記一般式(XI)で示される基を有す
る有機ポリシロキサンと下記一般式(XII)で示され
る基を有するポリシロキサン化合物との付加反応により
架橋を行ったもの。
【0045】
【化21】
【化22】 (式中、R13、R14は炭素数1〜50の置換もしく
は非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは
非置換のアルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは
非置換のアリール基の群から選ばれるすくなくとも一種
であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。) このようなシリコーンゴムは、多価ハイドロジェン有機
ポリシロキサンと、1分子中に2個以上のエチレン性不
飽和結合を有するポリシロキサン化合物との反応によっ
て得られる。ここで、一般式(XI)の基は分子鎖末
端、中間のいずれにあってもよい。また、一般式(XI
I)の基も分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。
一般式(XI)の基および一般式(XII)の基以外の
有機基としては、炭素数1〜50の置換もしくは非置換
のアルキル基、炭素数2〜50の置換もしくは非置換の
アルケニル基、炭素数5〜50の置換もしくは非置換の
アリール基などが挙げられるが、特にメチル基が60%
以上のものが好ましい。一般式(XI)で示される基を
有する有機ポリシロキサンおよび一般式(XII)で示
される基を有するポリシロキサン化合物の分子量はそれ
ぞれ独立して100〜100万のものが好ましく、10
00〜50万のものがより好ましい。この付加反応にお
いて、公知の触媒を加えることは任意である。
【0046】シリコーンゴム層中の各成分の配合割合に
ついては特に限定されないが、のシリコーンゴム層の
場合は一般式(X)で示される有機ポリシロキサンを1
00重量部、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能
基含有ケイ素化合物を0.1〜100重量部、必要に応
じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で、膜厚
0.1〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設
けることによって得られるのがよい。また、のシリコ
ーンゴム層の場合は一般式(XI)で示される基を有す
る有機ポリシロキサンを100重量部、一般式(XI
I)で示される基を有するポリシロキサン化合物0.1
〜1000重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50
重量部加えた組成で膜厚0.1〜100μm、好ましく
は0.5〜30μmで設けることによって得られるのが
よい。
【0047】本発明の水なし平版印刷版において、支持
体と感光層、感光層とシリコーンゴム層との接着は、画
像再現性、耐刷力などの基本的な版性能にとって非常に
重要であるので、必要に応じて各層間の接着剤層を設け
たり、各層に接着性改良成分を添加したりすることが可
能である。特に感光層とシリコーンゴム層間の接着のた
めに、層間に公知のシリコーンプライマやシランカップ
リンク剤を設けたり、シリコーンゴム層あるいは感光層
にシリコーンプライマやシランカップリング剤を添加す
ると効果的である。このような接着剤層を設ける場合、
接着剤層の膜厚については特に限定されないが、0.0
5〜100μm、好ましくは0.5〜30μmで設ける
ことによって得られるのがよい。
【0048】以上説明したようにして構成された水なし
平版印刷版原版の表面を形成するシリコーンゴム層を保
護するなどの目的で、シリコーンゴム層の表面にプレー
ンまたは凹凸処理した保護フィルムをラミネートまたは
プラスチックシート状物を塗布または転写して保護層と
することも可能である。このような保護フィルムあるい
は保護層の膜厚については特に限定されないが、0.0
5〜1000μm、好ましくは0.5〜100μmで設
けることによって得られるのがよい。
【0049】本発明で用いられる水なし平版印刷版原版
は、例えば次のようにして製造されるがこれらに限定さ
れない。まず支持体上に、リバースロールコータ、エア
ナイフコータ、メーヤバーコータなどの通常のコータ、
あるいはホエラのような回転塗布装置、その他の塗布装
置を用い、必要な場合プライマ層を構成すべき組成物溶
液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュア後、この上に感
光層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じ
て熱キュアし、その後必要ならば該感光層上に接着剤層
を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱
キュアし、この上にシリコーンゴム層を構成すべき組成
物溶液を塗布、乾燥、必要に応じて熱キュアし、最後に
必要ならば保護フィルムをラミネータなどを用いてかけ
る。
【0050】このようにして製造された水なし平版印刷
版原版は、例えば光透過性保護フィルムの場合はそのま
ま、あるいは剥いで、光透過性の劣るフィルムの場合は
剥いでから真空密着されたネガフィルムを通して活性光
線で露光される。この露光工程で用いられる光源は、紫
外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カーボンア
ーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タン
グステンランプ、蛍光灯などを用いることができるが、
これらに限定されない。
【0051】次いで、保護フィルムがある時は剥いでか
ら版面を現像液を含んだ現像用パットでこすると露光部
のシリコーンゴム層が除去され、場合によってはその下
の感光層も除去され、インキ受容部となり、水なし平版
印刷版原版が得られる。
【0052】本発明において用いられる現像液として
は、水なし平版印刷版の現像液として提案されているも
のであればどのようなものでもよく、例えば、水、脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エー
テル類、エステル類およびこれらの二種以上を混合した
ものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】現像方法としては、手による現像でも公知
の現像装置による現像でもよいが、好ましくは前処理部
と現像部、および後処理部がこの順に設けられている現
像装置を用いるのがよい。
【0054】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0055】合成例1 グリシジルメタクリレート50gと4−ヒドロキシ安息
香酸55gとをジオキサン200gに溶解させた。次
に、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド2.5g
と4−メトキシフェノール1.5gとを加え、70℃で
4時間、攪拌しながら反応させた。反応後、水500g
とジエチルエーテル500gの入ったビーカー中に反応
溶液を注ぎ、このビーカーの中の溶液全体を分液ロート
中に移した。分液ロートにより水層と有機層を分離し、
有機層の溶媒を減圧乾燥により除去し、一般式(I)で
示される構造と一般式(II)で示される構造とをそれ
ぞれ一つずつ有する化合物を得た。
【0056】この化合物20gとo−ナフトキノン−
1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド10gとを
ジオキサン100gに溶解させた。次に、炭酸ナトリウ
ム10gを水90gに溶解させ、この炭酸ナトリウム1
0重量%溶液を前述のジオキサン溶液中に10分間かけ
て滴下した。(この際、ジオキサン溶液は攪拌を行い、
40℃に液温を保っていた。)滴下終了後、40℃で4
時間、攪拌しながら反応させた。反応後、水1000g
の入ったビーカー中に反応溶液を注ぎ、生成物を析出、
沈降させた。ビーカー中の上澄液を除去し、減圧乾燥を
行い、目的とする化合物を得た。
【0057】合成例2 合成例1で得られた化合物30gをジオキサン200g
に溶解させ、アゾビスイソブチロニトリル0.1gを加
え、窒素雰囲気の下で65℃4時間重合反応を行った。
反応後、メタノール1000gの入ったビーカー中に反
応溶液を注ぎ、生成物を析出、沈降させた。ビーカー中
の上澄液を除去し、減圧乾燥を行い、目的とする化合物
を得た。
【0058】合成例3 グリセリン50gと4−ヒドロキシベンズアルデヒド5
0g、トルエン200g、4−トルエンスルホン酸1g
を混合し、攪拌しながら4時間加熱還流させた。反応後
室温に戻すと、生成物と溶媒が分離した。溶媒を除去
し、減圧乾燥を行い、一般式(I)で示される構造と一
般式(II)で示される構造とをそれぞれ一つずつ有す
る化合物を得た。
【0059】この化合物を用い、合成例1と同様の方法
でo−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン
酸クロリドとの反応を行い、目的とする化合物を得た。
【0060】実施例1 厚さ0.3mmのアルミ板に下記のプライマ組成物を塗
布し、200℃、2分間加熱処理して、乾燥後の膜厚5
μmのプライマ層を形成した。
【0061】 (a)ポリウレタン樹脂“サンプレン”LQ−T1331(三洋化成工業(株) 製) 100重量部 (b)ブロックイソシアネート“タケテート”B830(武田薬品(株)製) 20重量部 (c)エポキシ・フェノール樹脂“カンコート”90T−25−3094(関西 ペイント(株)製) 10重量部 (d)ジメチルホルムアミド 570重量部 この上に、下記の感光液を塗布し、110℃、1分間加
熱処理し、乾燥後の膜厚2μmの感光層を形成した。
【0062】 (a)合成例1で合成した化合物 100重量部 (b)o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド 10重量部 (c)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 40重量部 (d)ポリウレタン樹脂“サンプレン”LQ−T1331(三洋化成工業(株) 製) 10重量部 (e)ジブチルスズジラウレート 0.2重量部 (f)4,4´−ジメチルアミノベンゾフェノン 9重量部 (g)ギ酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 740重量部 この感光層の上に、下記のシリコーンゴム組成物を塗布
し、90℃、2分間で加熱処理し、乾燥後の膜厚3μm
のシリコーンゴム層を形成した。
【0063】 (a)両末端シラノール基のポリジメチルシロキサン(平均分子量35000) 100重量部 (b)エチルトリアセトキシシラン 9.9重量部 (c)ジブチルスズジラウレート 0.1重量部 (d)脂肪族系炭化水素溶媒“アイソパー”E(エクソン化学(株)製) 590重量部 このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に、厚さ
10μmのポリプロピレンフィルム“トレファン”(東
レ(株)製)をカレンダーローラでラミネートし、水な
し平版印刷版原版とした。
【0064】この印刷版原版にメタルハライドランプ
(岩崎電気(株)製“アイドルフィン”2000)を用
い、UVメーター(オーク製作所製“ライトメジャータ
イプUV−402A”)で11mW/cm2 の照度で6
秒間全面露光を施した。
【0065】上記のようにして得られた印刷版原版に1
50線/インチの網点画像を持つネガフィルムを真空密
着し、上記のメタルハライドランプを用い、1mの距離
から60秒間露光した。
【0066】露光後、保護フィルム“トレファン”を剥
離し、室温32℃、湿度80%の条件で下記の組成を有
する前処理液を版面に塗布し、1分間処理した。
【0067】 (a)“アイソパー”H 87重量部 (b)ジエチレングリコールジメチルエーテル 7重量部 (c)エチルセロソルブ 3重量部 (d)N−メチルジエタノールアミン 3重量部 ゴムスキージで版面に付着した処理液を除去し、次いで
版面と現像パットに以下の組成を有する現像液を注い
だ。
【0068】 (a)水 70重量部 (b)ブチルカルビトール 28重量部 (c)2−エチル酪酸 1.8重量部 (d)クリスタルバイオレット 0.2重量部 現像パットで版面を軽くこすると、画像露光された部分
のシリコーンゴム層が除去され、感光層表面が露出し
た。一方、全面露光のみがなされた非画線部分はシリコ
ーンゴム層が強固に残存しており、ネガフィルムを忠実
に再現した画像が得られた。
【0069】この印刷版を商業オフ輪印刷機(“LIT
HOPIA”三菱重工(株)製)に取り付け、大日本イ
ンキ化学工業(株)製“ドライオカラー”墨、藍、紅、
黄インキを用いて、600r.p.mのスピードで上質
紙に印刷を行い、耐刷テストを行った結果、20000
0部印刷後も良好な印刷物が刷れ、印刷終了後に印刷版
を検査したが、印刷版の損傷は軽微であり、引き続き印
刷を行うことが可能な状態であった。
【0070】比較例1 実施例1の水なし平版印刷版において、感光層を以下の
組成液で設けた以外は全て実施例1と同様の方法で印刷
版を作製、露光、現像を行った。
【0071】 (a)o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸とフェノールホル ムアルデヒドノボラック樹脂(住友デュレズ製“スミライトレジン”PR 50622)の部分エステル(元素分析法によるエステル化度25%) 100重量部 (b)4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート 40重量部 (c)ポリウレタン樹脂“サンプレン”LQ−T1331(三洋化成工業(株) 製) 10重量部 (d)ジブチルスズジラウレート 0.2重量部 (e)4,4´−ジメチルアミノベンゾフェノン 9重量部 (f)ギ酸 0.8重量部 (g)テトラヒドロフラン 740重量部 この印刷版を観察したところ、画像露光された部分のシ
リコーンゴム層の一部が除去されず、感光層表面が露出
していなかった。一方、全面露光のみがなされた非画線
部分の一部のシリコーンゴム層がはげており、ネガフィ
ルムを忠実に再現した画像は得られなかった。
【0072】この印刷版を用い、実施例1と同様に商業
オフ輪印刷機(“LITHOPIA”三菱重工(株)
製)に取り付け、大日本インキ化学工業(株)製“ドラ
イオカラー”墨、藍、紅、黄インキを用いて、600
r.p.m.のスピードで上質紙に印刷を行い、耐刷テ
ストを行った結果、50000部印刷後は印刷物に汚れ
が発生し、印刷版を検査したところ印刷版の損傷が激し
く、引き続き印刷を行うことは不可能な状態であった。
【0073】実施例2 厚さ0.3mmのアルミ板に下記のプライマ組成物を塗
布し、200℃、2分間加熱処理して、乾燥後の膜厚5
μmのプライマ層を形成した。
【0074】 (a)ポリウレタン樹脂“パンテックス”T−5201(大日本インキ化学工業 (株)製) 100重量部 (b)ブロックイソシアネート“コロネート”2503(日本ポリウレタン工業 (株)製) 20重量部 (c)エポキシ・フェノール・尿素樹脂SJ9372(関西ペイント(株)製) 10重量部 (d)ジメチルホルムアミド 570重量部 この上に、下記の感光液を塗布し、110℃、1分間加
熱処理し、乾燥後の膜厚2μmの感光層を形成した。
【0075】 (a)合成例2で合成した化合物 100重量部 (b)o−ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド 10重量部 (c)2,4−トルエンジイソシアネート 40重量部 (d)ポリウレタン樹脂“パンテックス”T−5201(大日本インキ化学工業 (株)製) 10重量部 (e)ジブチルスズジアセテート 0.2重量部 (f)4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン 9重量部 (g)酢酸 0.8重量部 (h)テトラヒドロフラン 740重量部 この感光層の上に、下記のシリコーンゴム組成物を塗布
し、90℃、2分間で加熱処理し、乾燥後の膜厚3μm
のシリコーンゴム層を形成した。
【0076】 (a)両末端シラノール基のポリジメチルシロキサン(平均分子量35000) 100重量部 (b)ビニルトリオキシムシラン 9.9重量部 (c)ジブチルスズジオクテート 0.1重量部 (d)脂肪族系炭化水素溶媒“アイソパー”G(エクソン化学(株)製) 590重量部 このようにして設けたシリコーンゴム層の表面に、厚さ
8μmのポリエステルフィルム“ルミラー”(東レ
(株)製)をカレンダーローラでラミネートし、水なし
平版印刷版原版とした。
【0077】この印刷版にメタルハライドランプ(岩崎
電気(株)製“アイドルフィン”2000)を用い、U
Vメーター(オーク製作所製“ライトメジャータイプU
V−402A”)で11mW/cm2 の照度で6秒間全
面露光を施した。
【0078】上記のようにして得られた印刷版原版に1
50線/インチの網点画像を持つネガフィルムを真空密
着し、上記のメタルハライドランプを用い、1mの距離
から60秒間露光した。
【0079】露光後、保護フィルム“ルミラー”を剥離
し、室温32℃、湿度80%の条件で、TWL−116
0(東レ(株)製水なし平版印刷版の現像装置)を用い
て現像を行った。ここで、前処理液としては、以下の組
成を有する液を用いた。
【0080】 (a)ジエチレングリコール 80重量部 (b)ジグリコールアミン 14重量部 (c)水 6重量部 また、現像液としては水を用いた。染色液としては、以
下の組成を有する液を用いた。
【0081】 (a)エチルカルビトール 18重量部 (b)水 79.9重量部 (c)クリスタルバイオレット 0.1重量部 (d)2−エチルヘキサン酸 2重量部 現像装置を出てきた印刷版を観察したところ、画像露光
された部分のシリコーンゴム層が除去され、感光層表面
が露出していた。一方、全面露光のみがなされた非画線
部分はシリコーンゴム層が強固に残存しており、ネガフ
ィルムを忠実に再現した画像が得られた。
【0082】この印刷版を商業オフ輪印刷機(“LIT
HOPIA”三菱重工(株)製)に取り付け、大日本イ
ンキ化学工業(株)製“ドライオカラー”墨、藍、紅、
黄インキを用いて、600r.p.m.のスピードで上
質紙に印刷を行い、耐刷テストを行った結果、1900
00部印刷後も良好な印刷物が刷れ、印刷終了後に印刷
版を検査したが、印刷版の損傷は軽微であり、引き続き
印刷を行うことが可能な状態であった。
【0083】実施例3 実施例1において、合成例1で合成した化合物を合成例
3で合成した化合物に変更する以外は全て実施例1と同
様に印刷版を作製、露光、現像し、実施例1と同様の耐
刷テストを行った。その結果、190000部印刷後も
良好な印刷物が刷れ、印刷終了後に印刷版を検査した
が、印刷版の損傷は軽微であり、引き続き印刷を行うこ
とが可能な状態であった。
【0084】実施例3 実施例2において、合成例2で合成した化合物を合成例
3で合成した化合物に変更する以外は全て実施例1と同
様に印刷版を作製、露光、現像し、実施例2と同様の耐
刷テストを行った。その結果、200000部印刷後も
良好な印刷物が刷れ、印刷終了後に印刷版を検査した
が、印刷版の損傷は軽微であり、引き続き印刷を行うこ
とが可能な状態であった。
【0085】
【発明の効果】本発明は上記のごとく構成したので、高
感度でありかつ画像再現性に優れた水なし平版印刷版を
得ることができる。したがって、ポジフィルムとネガフ
ィルムに忠実な印刷物を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に感光層およびシリコーンゴム層
    をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版におい
    て、該感光層が下記一般式(I)で示される構造と下記
    一般式(II)で示される構造とをそれぞれ少なくとも
    一つずつ有する化合物とキノンジアジド化合物との反応
    物を含有しており、かつ下記一般式(III)、下記一
    般式(IV)および下記一般式(V)で示される化合物
    の少なくとも一つを含有することを特徴とする水なし平
    版印刷版原版。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (式中、R1は硫黄原子、置換あるいは非置換の窒素原
    子、置換あるいは非置換の炭素原子、置換あるいは非置
    換のケイ素原子の群から選ばれる少なくとも一つであ
    る。R2、R3、R4、R5は置換基であり、それぞれ
    同一でも異なっていてもよい。また、R6は水酸基、ア
    ルカリ金属オキシド基、ハロゲン原子、アミノ基、メル
    カプト基、炭素数1〜100の置換もしくは非置換のア
    ルキル基、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、
    アルカノイル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭素数
    2〜100の置換もしくは非置換のアルケニル基、アル
    ケニルオキシ基、炭素数4〜100の置換もしくは非置
    換のアリール基、アリールオキシ基の群から選ばれる少
    なくとも一種である。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の水なし平版印刷版原版を選
    択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版。
JP26702793A 1993-10-26 1993-10-26 水なし平版印刷版原版 Pending JPH07120910A (ja)

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CA002152167A CA2152167C (en) 1993-10-26 1994-10-26 Dry lithographic forme
DE69424405T DE69424405T2 (de) 1993-10-26 1994-10-26 Wasserlose lithographische druckplatte
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