JPH0693937B2 - 競争遊戯機の映像同期化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一定のフィールド上を
模型の馬や自動車等の走行体を走行させ競争させる遊戯
機において、走行体の様子をリアルタイムでモニターテ
レビに映し出す装置に関する。

【０００２】

【従来技術】競争遊戯機において走行体の様子をテレビ
画面に映し出す装置については、従来同じ出願人による
出願（特願平2-409862号）がある。同出願に係るもの
は、移動体の撮影装置であり、移動体の検出位置にした
がってビデオカメラが移動体を追跡撮影するものであ
る。一定のフィールド上を移動するものとして実施例で
は、模型馬による競馬ゲーム装置を例として挙げてお
り、環状のトラック上を走る複数の模型馬をトラックの
処々に配置された複数のビデオカメラが模型馬を追跡し
て順次撮影し、撮影した画像をモニターテレビに映し出
し、実況中継を見るような効果を奏しようとしている。

【０００３】

【解決しようとする課題】しかるに遊戯機においては、
前記例のごとく模型馬および模型の騎手を追跡撮影し
て、その画像をモニタテレビに映し出すので、各カメラ
は定位置にあってカメラアングルは一定であり、明らか
に模型と分かる馬と騎手が実物の動きとは異なる動きで
走行しているのがモニターテレビに映ることになる。さ
らには模型馬の台車部分も映し出されるなど、実物と異
なり迫力に欠け実際の実況中継を見る程の興奮はそれ程
期待できない。

【０００４】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、走行体の位置情報に基きコン
ピュータ画像による迫力ある映像をモニタテレビに映し
出せる映像同期化装置を供する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明は一定フィールド上を走行体が走
行する競争遊戯機において、前記走行体の位置を検出す
る位置検出手段と、同位置検出手段からの走行体の位置
情報に基き走行体の様々なアングルからのコンピュータ
画像を構成しモニターテレビに映し出す画像形成手段と
を備えた競争遊戯機の映像同期化装置とした。

【０００６】走行体の位置情報に基きコンピュータ画像
を構成するので、走行体の状態に同調した画像をモニタ
テレビに映し出すことができる。またコンピュータ画像
により、実際の馬や騎手に近いキャラクターを実際の動
きに則して映像化でき、さらに様々なアングルからのコ
ンピュータ画像を映し出すので、実際の馬の走りを模倣
した迫力あるレース展開を映像化することができる。

【０００７】

【実 施 例】以下図１ないし図６に図示した本発明に
係る一実施例について説明する。本実施例は遊戯装置の
競馬ゲームに適用した例である。

【０００８】該競馬ゲーム装置１の全体外観図を図１に
示す。横長の基台２の上面には環状のトラック３が張設
され、手前、奥側および側部のスタンド位置には各々複
数席サテライト４が配列されている。各サテライトには
モニター５とともに操作パネル６、コイン投入口７等が
付設されていて、コインを投入し、操作パネル６を操作
して予想される入賞馬に単式あるいは複式で投票するこ
とができる。モニター５には馬の紹介、番号、枠組、賭
け率等が写し出されている。

【０００９】トラック３の一方のカーブ側のスタンド位
置には大画面のスクリーン11が支持壁10に支持されてト
ラック３側を向いて立設され、同支持壁10の両側にはス
ピーカ12が内蔵されている。またトラック３の他方のカ
ーブ側のスタンド位置の両側には一対の支柱13が立設さ
れ、前記支持壁10との間に天蓋14が架設されている。天
蓋14に照明装置が支持されてトラック３を上方から照ら
すようになっている。

【００１０】そしてトラック３上には騎手21を乗せた６
頭の模型馬20が走行できるようになっている。以下模型
馬20の駆動機構を図２に基き説明する。模型馬20は支柱
22を介して台車23に支持されており、台車23には前輪24
が１個、後輪25が左右に２個設けられていて、前輪24は
鉛直方向を枢支軸方向として台車23に回動自在に枢支さ
れた支持部材26に支持されて走行方向を円滑に変えられ
るようになっている。左右の後輪25間にはトラック３の
表面から若干の間隔を存して磁石27が台車23に固定され
ている。模型馬20は後輪25の回転に応動して前足20ａお
よび後足20ｂを前後に揺動し実際の馬の走りを模してい
る。

【００１１】トラック３は層構造をしており、上層に表
面を静電植毛したアルミ板からなるデザインフィールド
30、中層にアクリル製の補強板31、下層に給電板32が敷
設されたものである。給電板32の下方には空間を有し、
同空間を介し上方のトラック３と対向して別個の走行路
33が敷設されている。走行路33は厚手の位置検出板34の
上面にアクリル35が張設されたもので、該走行路33の上
に、前記模型馬20を走行させるところのキャリア40が配
置される。

【００１２】キャリア40は、前輪41および後輪42により
支えられた基盤43の上に左右の後輪42を独立に駆動する
右モータ44、左モータ45、モータドライブ基板46、受光
器47、発振器基板48およびＣＰＵ基板49等が搭載され、
さらにその上に上下２枚の板部材50，51がリンク部材52
を介して配設され、上方の板部材50が上方に付勢され、
同板部材50上に水平方向に揺動自在に支持された前方の
ローラ53、後方のローラ54および中央に集電ユニット5
8、さらに後の左右のローラ54の間に磁石55が配設され
ている。集電ユニット58は上方に突出して複数の集電子
59が設けられている。

【００１３】以上の板部材50上に配置された部材は、リ
ンク部材52を介して上方に付勢されており、ローラ53，
54が上方のトラック３の下面の給電板32に接触して、キ
ャリア40がトラック３と走行路33の間に挟まれて円滑に
走行できるようにするとともに給電板32に対する集電ユ
ニット58の相対位置を所定位置関係に保つようにしてい
る。このように給電板32に対し所定間隔を保たれた集電
ユニット58の上方に突設された集電子59はそれぞれスプ
リング60を介して先端が給電板32に接触しており、適当
な圧接力の下で給電板32から電力の供給を受けることが
できる。

【００１４】以上のような駆動機構を備えたキャリア40
の上方にトラック３を介して模型馬20を配置し、キャリ
ア40側の磁石55と模型馬20側の磁石27とが相対するよう
にすると、磁石間の磁力によりキャリア40の移動に対し
て模型馬20は追従する。キャリア40自体は給電板32、集
電ユニット58を介して電力を得るとともに、受光器47に
より制御信号を受信して右モータ44および左モータ45が
駆動制御されて走行する。

【００１５】なお、キャリア40の基板43の下面には前後
に発振コイル56，57が固定されていて、位置検出板34を
介してキャリア40の位置が検出されてフィールドバック
され、キャリア40の走行制御に供するとともに後記する
ビデオシステム80の画像形成にも供する。

【００１６】レース展開を選定し全システムの主な制御
を行うマイクロコンピュータが、キャリア40の走行制御
を行なっており、制御信号は赤外線によりキャリア40の
受光器47に送信されて、その制御信号に基づきキャリア
40が走行する。

【００１７】次にキャリア40の位置検出手段について図
３に基いて説明する。図３は、位置検出板34の説明図お
よび本競馬ゲーム装置１の全体の制御系ブロック図であ
り、位置検出板34は縦横に電線36を張りめぐらしたもの
で、図３に矢印で示すようにＸ軸方向とＹ軸方向を決め
ると、Ｙ軸方向に指向した複数の電線がＸ軸方向に亘っ
て羅列され、Ｘ軸方向に指向した複数の電線がＹ軸方向
に亘って羅列されていて、両者は絶縁されている。

【００１８】Ｙ軸方向に指向した電線はＸデコーダー61
に接続され、Ｘ軸方向に指向した電線はＹデコーダー62
に接続され、各座標軸のデコーダー61，62からの検出信
号はそれぞれ増幅器63，64を介して増幅されてＸ座標カ
ウンター65、Ｙ座標カウンター66に入力される。

【００１９】Ｘ座標カウンター65は、そのカウント値に
応じてＸデコーダー61を介して順次Ｘ軸方向に羅列され
た電線を短絡していき、前記コイル56，57に近接して誘
導されて誘導電流が流れている電線を短絡したときのＸ
座標カウンター65のカウント値をマイクロコンピュータ
演算器70に出力する。同様にしてＹ座標カウンター66も
誘導電流が流れているすなわちキャリア40が位置する電
線のカウント値をコンピュータ演算器70に出力する。

【００２０】コンピュータ演算器70は、Ｘ座標カウンタ
ー65、Ｙ座標カウンター66からのキャリア40の位置情報
に基づいて右モータ44、左モータ45の駆動制御を決定
し、その制御信号とともに前コイル56、後コイル57の発
信制御信号が、命令並列直列変換器71に出力されて直列
の信号に変換され光送信ユニット72により赤外線信号と
して発信される。

【００２１】この赤外線による制御信号は前記キャリア
40の受光器47に受信され、命令直列並列変換器73により
再び並列信号に変換されて、モータの駆動制御信号はそ
れぞれ右モーター制御部74、左モーター制御部75に入力
されてモータの駆動が制御され、発振制御信号は前発振
器76、後発振器77に入力されて、それぞれ前コイル56，
後コイル57が発振される。

【００２２】一方コンピュータ演算器70からは各キャリ
ア40のＸＹ座標がビデオシステム80に出力されてこのＸ
Ｙ座標に基き画像処理がなされる。このビデオシステム
80の構成を図４にブロック図で示す。入力情報を処理す
るＭＰＵ83は、ＲＯＭ84に格納される制御プログラムに
したがってＲＡＭ85を随時使用して画像処理を行う。

【００２３】ビデオシステム80は大別して各キャリア40
の位置情報を記憶する位置情報メモリ87、馬、騎手等の
キャラクタ像を形成するキャラクタ像設定手段88、背景
の画像を発生する背景画像発生手段89、垂直・水平同期
信号に対応するＸＹアドレスを形成するタイミング回路
91、上記キャラクタ像設定手段88と背景画像発生手段89
からの画像を優先度に応じて選択的に出力する優先回路
92および同優先回路92から出力される画像情報の色彩を
より多様な色彩とするカラー拡張回路93そしてスクリー
ン11に映像を映すプロジェクタ９からなる。

【００２４】そして前記キャラクタ像設定手段88は、上
記キャラクタ40の位置情報に基きゲームプログラムにし
たがって設定された画像情報パラメータを記憶保持する
画像情報パラメータメモリ94と、ＲＯＭからなり各種画
像情報パラメータメモリに対応するキャラクタ画像メモ
リ９５と、該画像情報パラメータを垂直・水平同期信号
に対応するＸＹアドレスと比較して画面上の表示位置を
設定しキャラクタ画像メモリ95から対応する画像情報を
出力させる制御回路96とから構成される。

【００２５】このキャラクタ像設定手段88は本実施例で
は、複数の競争馬および騎手の映像の各キャラクタ像に
対応してある。キャラクタ画像メモリ９５は系統によっ
て異なるが、各百枚から数百枚程度の画像データが格納
してある。

【００２６】次に背景の画像を発生する背景画像発生手
段89は、８×８ドットの面状の画像要素を出力するキャ
ラクタジェネレータ97とこの画像要素を拡張するスクロ
ール98とを備えて構成される。

【００２７】キャラクタ像設定手段88および背景画像発
生手段89は、前記各キャリア40の位置情報に基き模型馬
20の進行にしたがって変化する画像を構成し、進行する
各模型馬20を様々なアングルから把えた画像を時々刻々
と構成していく。

【００２８】なお前記各手段とＭＰＵ83とはアドレスバ
スＡＢおよびデータバスＤＢで接続されて、アドレス指
定によるデータの転送が行われる。

【００２９】前記の如くしてスクリーン11に映し出され
る映像は図６に示すように実物に近い映像となってい
る。以上の制御系においては、位置検出手段、走行制御
手段およびビテオシステムとは各々独立して動作する。

【００３０】コンピュータ演算器70による制御のメイン
ルーチンは、図５に示すように、各キャリア40の右モー
タ44および左モータ45を駆動制御して目的位置までキャ
リア40を移動させ（ステップ１）、次に現在のキャリア
40の位置を検出し（ステップ２）、同位置情報に基き画
像を構成してスクリーン11に映像を映し出す（ステップ
３）。以上のステップ１，２，３を１秒間に30ないし60
回の割合で繰り返してリアルタイムで作動させる。

【００３１】以上のように本実施例では、トラック３上
で走行する模型馬20は、キャリア40のモータ44，45が駆
動制御されて、あるレース展開がなされ、このレース展
開にしたがって位置する模型馬20の位置情報に基き、ビ
デオシステム80がコンピュータ画像を構成してスクリー
ン11に映し出す。

【００３２】したがってトラック３上に展開するレース
の状態を様々なカメラアングルから撮影したと略同様の
コンピュータ画像を映像化することができるので、トラ
ック３上でのレースを実況中継しているように見せるこ
とができ、さらにスクリーン11に映される映像はコンピ
ュータが構成した画像であり（図６参照）、馬や騎手の
キャラクタ像や背景は実物に近い映像であって、それも
様々なアングルから把えた映像を映し出すので迫力があ
る。コンピュータによるものであるから自由な画像を構
成でき、図６（ｃ）に示すようにゴールの写真判定の画
像も映し出すことができる。

【００３３】模型馬20の制御信号により移動すべき位置
と実際の位置とにズレが生じたとしても、コンピュータ
画像は実在位置の検出情報に基き画像が構成されている
ので、常に模型馬20の実在位置に同調した映像を映し出
すことができる。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、走行体の位置情報に基き、コ
ンピュータ画像を構成するので、フィールド上に展開す
るとレースをそのまま実況中継しているような映像を映
し出すことができ、かつ様々なアングルから把えた実物
に近いコンピュータによる画像が映し出されるので、迫
力に富み興趣の尽きないものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一実施例の競馬ゲーム装置の全体
外観図である。

【図２】同実施例のキャリアおよび模型馬の駆動機構を
示す断面図である。

【図３】位置検出板の説明および全体の制御系のブロッ
クを示す図である。

【図４】ビデオシステムの概略ブロック図である。

【図５】制御系のメインルーチンの概略フローチャート
である。

【図６】モニターテレビに映し出される各状態の映像を
示す図である。

【符号の説明】

１…競馬ゲーム装置、２…基台、３…トラック、４…サ
テライト、５…モニター、６…操作パネル、７…コイン
投入口、９…プロジェクタ、10…支持壁、11…スクリー
ン、12…スピーカ、13…支柱、14…天蓋、20…模型馬、
21…騎手、22…支柱、23…台車、24…前輪、25…後輪、
26…支持部材、27…磁石、30…デザインフィールド、31
…補強板、32…給電板、33…走行路、34…位置検出板、
35…アクリル、36…電線、40…キャリア、41…前輪、42
…後輪、43…基盤、44…右モータ、45…左モータ、46…
モータドライブ基板、47…受光器、48…発振器基板、49
…ＣＰＵ基板、50…板部材、51…板部材、52…リンク部
材、53，54…ローラ、55…磁石、56…前コイル、57…後
コイル、58…集電ユニット、59…集電子、60…スプリン
グ、61…Ｘデコーダー、62…Ｙデコーダー、63，64…増
幅器、65…Ｘ座標カウンター、66…Ｙ座標カウンター、
70…コンピュータ演算器、71…命令並列直列変換器、72
…光送信ユニット、73…命令直列並列変換器、74…右モ
ーター制御部、75…左モーター制御部、76…前発振器、
77…後発振器、80…ビデオシステム、83…ＭＰＵ、84…
ＲＯＭ、85…ＲＡＭ、87…位置情報メモリ、88…キャラ
クタ像設定手段、89…背景画像発生手段、91…タイミン
グ回路、92…優先回路、94…画像情報パラメータメモ
リ、95…キャラクタ画像メモリ、96…制御回路、97…キ
ャラクタジェネレータ、98…スクロール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】 競争遊戯機の映像同期化装置
1. 【請求項１】 一定フィールド上を走行体が走行する競
   争遊戯機において、前記走行体の位置を検出する位置検
   出手段と、同位置検出手段からの走行体の位置情報に基
   き走行体を様々なアングルから把えたコンピュータ画像
   を構成しモニターテレビに映し出す画像形成手段とを備
   えたことを特徴とする競争遊戯機の映像同期化装置。