JPH06326721A - スロットアクセス方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時分割スロット化されたリング伝送路を複数
の局で共有するリングネットワークにおいて、必要数の
スロットが一定周期で確保できる映像、音声等の固定ビ
ットレート情報の伝送に適したスロットアクセス方法を
提供する。 【構成】 一定数の時分割スロットからフレームを構成
し、マルチフレーム化したリング伝送路を複数の局で共
有するリングネットワークにおいて、マスター局は、各
局からの伝送要求（ステップ１０１）に対して、リング
伝送路の帯域割当制御を行ってマルチフレーム内の使用
可能フレームの番号と、使用可能フレーム内の使用上限
スロット数を示すウインドウを与え（ステップ１０
３）、各局は、使用可能フレーム内で（ステップ１１
０）、送信データが有り、かつウインドウが有る間（ス
テップ１１１）、空きスロットを検出して（ステップ１
１２）、データの送信を行う（ステップ１１３）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、時分割スロット化され
たリング伝送路を複数の局で共有するリングネットワー
クにおいて、局間のスロット競合制御を行うスロットア
クセス方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、時分割スロット化された伝送路を
共有媒体として用いるリング型のネットワークが注目を
集めている。例えば、スロットとしてＡＴＭセルを用い
たリングネットワークは、公衆網とのインタフェースに
優れている点や、マルチメディアの多重化、高速化の面
からも従来のＬＡＮ、ＭＡＮに代わるものとして期待さ
れている。

【０００３】このようなスロット化された伝送路を有す
るリングネットワークでは、伝送路を共有する局間でス
ロット獲得のための競合が起こるため、何らかのアクセ
ス制御を行う必要がある。従来のスロットアクセス方法
としては、例えば電子情報通信学会技術報告ＳＳＥ８９
−１０４に示されるものがある。以下従来のスロットア
クセス方法について説明する。図６は従来例のスロット
アクセス方法のフローチャート、図７は従来例のスロッ
トフォーマットである。

【０００４】図７において、７０１はスロット、７０２
は情報転送部、７０３はヘッダ部、７０４はスロット同
期信号、７０５は送受信局アドレス、７０６はビジーア
ドレス、７０７はリセットスロット表示、７０８は空き
スロット表示である。

【０００５】次に図６において、まず、各局はスロット
を受信し（ステップ６００）、まず受信スロットがリセ
ットスロットであるかを判定する（ステップ６０１）。
リセットスロットである場合には、ウインドウカウンタ
を初期値に設定し（ステップ６０２）、次スロットの受
信待ち状態に入る。リセットスロットでない場合は、送
信データを保有しかつウインドウカウンタが正である送
信可能状態であるかを判定する（ステップ６０３、６０
６）。

【０００６】送信可能状態でない場合には、ビジーアド
レスが自局アドレスであるかを判定し（ステップ６０
４）、自局アドレスでない場合はそのまま、また自局ア
ドレスの場合はリセットスロットを生成、送出した後、
次スロットの受信待ち状態に入る（ステップ６０５）。

【０００７】ステップ６０６で送信可能状態にある場合
には、受信スロットが空きスロットであるかを判定し
（ステップ６０７）、空きスロットの場合には、そのス
ロットを使用して送信を行い、ウインドウカウンタを１
減らす（ステップ６０８）。その後、空きスロットでな
い場合も含め、受信スロットのビジーアドレスを自局ア
ドレスに書き換えて送出し、次スロットの受信待ち状態
に入る（ステップ６０９）。以上の処理は送信が終了す
るまで行われる（ステップ６１０）。

【０００８】このように、送信可能状態にある間、すべ
てのスロットのビジーアドレスを自局アドレスに書き換
えるため、ビジーアドレスに自局のアドレスが書き込ま
れたスロットを受信した場合には、リング上の他の局は
すべて伝送要求を持たないか、あるいはウインドウを使
い果たした状態にあることを知ることができる。この場
合には、リセットスロットを生成、送信してウインドウ
の初期化を行い、新しいサイクルに入る。

【０００９】なお、これらの手順を実行するために、ス
ロット７０１には情報転送部７０２に加えてヘッダ部７
０３が設けられ、スロット同期信号７０４、送受信局ア
ドレス７０５、ビジーアドレス７０６、リセットスロッ
ト表示７０７、空きスロット表示７０８等の領域が割り
当てられる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の方法では、ウインドウが更新されるサイクル
の長さが動的に変動するため、映像、音声のような固定
ビットレートの情報を伝送する場合には、スロットが周
期的に確保できず、スロットの獲得遅延ゆらぎが発生
し、映像、音声の品質に影響を与えるという課題を有し
ていた。

【００１１】本発明は上記課題に対し、必要数のスロッ
トが一定周期で確保でき、遅延揺らぎの少ない高品質の
伝送が可能で、映像、音声等の固定ビットレートの情報
の伝送に適したスロットアクセス方法を提供することを
目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達す
るため、一定数の時分割スロットから成るフレームを巡
回させたリング伝送路を、マスター局を含む複数の局で
共有するリングネットワークにおいて、マスター局は、
複数の局の各々からの伝送要求に対して、リング伝送路
の帯域割当制御を行ってフレーム内の使用上限スロット
数を示すウインドウを与え、各々の局はウインドウ以下
の空きスロットをフレーム内から選択、使用して伝送を
行うようにしたものである。

【００１３】本発明はさらに、フレームを少なくとも１
つ集めて構成したマルチフレームを巡回させ、マスター
局は、マルチフレーム内の使用可能フレームの番号と、
使用可能フレーム内の使用上限スロット数を示すウイン
ドウを与え、各々の局はウインドウ以下の空きスロット
を使用可能フレーム内から選択、使用して伝送を行うよ
うにしたものである。

【００１４】本発明はまた、リング伝送路を伝送方向が
逆方向となるように２重化し、マスター局は送受信局の
位置を管理して２重化リング伝送路の一方を指定し、送
信局は指定されたリング伝送路を使用して上記の手順で
伝送を行い、受信局が使用スロットを解放するようにし
たものである。

【００１５】

【作用】本発明は、上記の構成により、各局からの伝送
要求に対して、マスター局がリング伝送路の帯域割当制
御を行い、フレーム内の使用可能スロット数をウインド
ウとして割当てるようにしたので、他局の影響を受ける
ことなく周期的に一定数のスロットが確保できるため、
映像、音声等固定ビットレートの情報が少ないスロット
遅延揺らぎで確実に伝送できる。また数フレームに１ス
ロットしか必要としない低レートの情報の伝送にも、複
数のフレームからマルチフレームを構成し、その中で伝
送許可フレームを指定することにより効率的に対応でき
る。

【００１６】本発明はまた、受信局で使用スロットを解
放するようにしたので、受信局から送信局の間のスロッ
トを他局の伝送に割り当てることができる。さらにこの
場合には、リング伝送路を伝送方向が逆方向になるよう
に２重化し、マスター局が送受信局の位置関係を管理し
て使用リング伝送路を指定することにより、より効率的
にリング伝送路が使用できるようになる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例について、図面
を参照しながら説明する。図１は本発明の実施例のスロ
ットアクセス方法のタイムチャート、図２は本発明の実
施例のマルチフレームフォーマット、図３は本発明の実
施例のスロットフォーマット、図４は本発明の第１の実
施例が適用されるリングネットワークの構成図である。

【００１８】図２において、２０１はスロット、２０２
はフレーム、２０３はマルチフレーム、２０４はフレー
ム先頭スロットである。また、図３において、３０１は
情報転送部、３０２はヘッダ部、３０３はスロット同期
信号、３０４は送受信局アドレス、３０５はフレーム先
頭表示、３０６はマルチフレーム先頭表示、３０７は空
きスロット表示である。図４において、４０１は端末、
４０２は局、４０３はリング伝送路、４０４はマスター
局である。

【００１９】図１において、伝送要求を発生した局４０
２はまず、マスター局４０４に対し伝送許可を要求する
（ステップ１０１）。マスター局は伝送路の空き容量を
管理して、伝送を許可するか否かを判断し（ステップ１
０２）、許可する場合には伝送許可フレームの番号とそ
のフレームにおける使用上限スロット数を示すウインド
ウを与える（ステップ１０３）。

【００２０】許可を与えられた局はスロット２０１を受
信して（ステップ１０４）、まずフレーム先頭スロット
であるかを判定する（ステップ１０５）。フレーム先頭
スロットである場合には、ウインドウカウンタを初期値
に設定し（ステップ１０６）、さらにマルチフレーム先
頭スロットであるかを判定する（ステップ１０７）。マ
ルチフレーム先頭スロットである場合にはフレームカウ
ンタを初期値１に設定し（ステップ１０８）、違う場合
にはフレームカウンタを１加算し（ステップ１０９）、
次スロットの受信待ち状態に入る。

【００２１】フレーム先頭スロットでない場合は、フレ
ームカウンタが許可フレーム番号と一致するかどうかを
判定し（ステップ１１０）、一致した場合には、送信デ
ータを保有しかつウインドカウンタが正である送信可能
状態であるかを判定する（ステップ１１１）。送信可能
状態である場合には、さらに空きスロットであるかを判
定し（ステップ１１２）、空きスロットであればそのス
ロットを使用してデータ送信を行い、ウインドウカウン
タを１減らす（ステップ１１３）。送信可能状態でない
場合、および空きスロットでない場合は、そのまま次ス
ロットの受信待ち状態に入る。以上の処理は全ての送信
が終了するまで続けられる（ステップ１１４）。

【００２２】本実施例では、リング伝送路４０３は固定
長のスロット２０１に時分割され、一定数のスロットか
らフレーム２０２が、さらに一定数のフレームからマル
チフレーム２０３が構成される階層的な構造となる。フ
レーム２０２およびマルチフレーム２０３は、マスター
局４０４が生成するフレーム先頭スロット２０４により
構成される。また、スロット２０１は情報転送部３０１
とヘッダ部３０２から成り、ヘッダ部３０２には、スロ
ット同期信号３０３、送受信局アドレス３０４、フレー
ム先頭表示３０５、マルチフレーム先頭表示３０６、空
きスロット表示３０７等の領域が設けられる。

【００２３】以上のように本実施例によれば、１フレー
ム毎にウインドウ数のスロットが確保できるため、映
像、音声等固定ビットレートの情報が、少ないスロット
遅延揺らぎで確実に伝送できる。またマルチフレーム構
造により数フレームに１スロットの伝送が可能となるた
め、１フレーム当たり１スロット必要としない低レート
の情報の伝送にも効率的に対応できる。

【００２４】なお、本実施例は、図４に示すように、端
末４０１を収容する複数の局４０２がリング伝送路４０
３により相互に接続され、複数の局４０２の中のマスタ
ー局４０３が、伝送要求の受付やフレームの生成等、網
の管理機能を有する構成のリングネットワークに適用さ
れる。

【００２５】次に第２の実施例について説明する。図５
は本発明の第２の実施例が適用されるリングネットワー
クの構成図である。本実施例では、リング伝送路は２重
化され、マスター局は、各局からの伝送要求に対して、
両リングの空き帯域と送受信局の位置関係を考慮して、
使用リングの指定を行う。特に受信局側で使用スロット
を解放する場合には、送信局から受信局までの間のみス
ロットが使用されることになるため、例えば送受信局間
の中継局数が少ない側のリングを選択する等、送受信局
間の位置を管理して一方のリングを指定する。送信局は
この指定された方のリングを使用して、第１の実施例と
同様の手順でスロットアクセスを行う。

【００２６】以上のように本実施例によれば、リング伝
送路を２重化し、効率利用が可能となる側のリングを選
択して使用することにより、異常時のバックアップの機
能に加えて、ネットワークのトータルの利用効率を高め
ることができる。

【００２７】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能で
あり、これらを本発明の対象から除外するものではな
い。

【００２８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば次のような効果を奏することができる。 （１）各局からの伝送要求に対して、マスター局がリン
グ伝送路の帯域割当制御を行い、一定数のスロットから
構成されるフレーム内の使用可能上限スロット数をウイ
ンドウとして割当てるようにしたので、他局の影響を受
けることなく周期的に必要数のスロットが確保でき、映
像、音声等固定ビットレートの情報が少ないスロット遅
延揺らぎで確実に伝送できる。 （２）さらに一定数のフレームからマルチフレームを構
成し、マルチフレーム内の使用許可フレームを指定する
ようにしたので、数フレームに１スロットしか必要とし
ない低レートの情報の伝送にも、効率的に対応できる。 （３）受信局で使用スロットを解放するようにしたの
で、受信局から送信局の間のスロットを他局の伝送に割
り当てることができる。この場合には、リング伝送路を
伝送方向が逆方向になるように２重化し、マスター局が
送受信局の位置関係を管理して使用リング伝送路を指定
することにより、ネットワークのトータルの利用効率を
高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のスロットアクセス方法のタ
イムチャート

【図２】本実施例のマルチフレームフォーマットを示す
図

【図３】本実施例のスロットフォーマットを示す図

【図４】本発明の第１の実施例が適用されるリングネッ
トワークの構成図

【図５】本発明の第２の実施例が適用されるリングネッ
トワークの構成図

【図６】従来例のスロットアクセス方法のフローチャー
ト

【図７】従来例のスロットフォーマットを示す図

【符号の説明】

２０１ スロット ２０２ フレーム ２０３ マルチフレーム ２０４ フレーム先頭スロット ３０１ 情報転送部 ３０２ ヘッダ部 ３０３ スロット同期信号 ３０４ 送受信局アドレス ３０５ フレーム先頭表示 ３０６ マルチフレーム先頭表示 ３０７ 空きスロット表示 ４０１ 端末 ４０２ 局 ４０３ リング伝送路 ４０４ マスター局

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堺 貴久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一定数の時分割スロットから成るフレーム
   を巡回させたリング伝送路を、マスター局を含む複数の
   局で共有するリングネットワークのスロットアクセス方
   法であって、前記マスター局は、前記複数の局の各々か
   らの伝送要求に対して、前記リング伝送路の帯域割当制
   御を行って前記フレーム内の使用上限スロット数を示す
   ウインドウを与え、前記各々の局は前記ウインドウ以下
   の空きスロットを前記フレーム内から選択、使用して伝
   送を行うことを特徴とするスロットアクセス方法。
2. 【請求項２】一定数の時分割スロットから成るフレーム
   を少なくとも１つ集めて構成したマルチフレームを巡回
   させたリング伝送路を、マスター局を含む複数の局で共
   有するリングネットワークのスロットアクセス方法であ
   って、前記マスター局は、前記複数の局の各々の伝送要
   求に対して、前記リング伝送路の帯域割当制御を行って
   前記マルチフレーム内の使用可能フレームの番号と、前
   記使用可能フレーム内の使用上限スロット数を示すウイ
   ンドウを与え、前記各々の局は前記ウインドウ以下の空
   きスロットを前記使用可能フレーム内から選択、使用し
   て伝送を行うことを特徴とするスロットアクセス方法。
3. 【請求項３】受信局が使用スロットを解放し、空きスロ
   ットに変換する請求項２記載のスロットアクセス方法。
4. 【請求項４】リング伝送路を伝送方向が逆方向となるよ
   うに２重化し、マスター局は送受信局の位置を管理して
   前記２重化リング伝送路の一方を指定し、送信局は前記
   指定されたリング伝送路を使用して伝送を行う請求項３
   記載のスロットアクセス方法。