JPH06304176A

JPH06304176A - 縫合結紮装置

Info

Publication number: JPH06304176A
Application number: JP5101163A
Authority: JP
Inventors: Shirou Bitou; 士郎備藤; Minoru Tsuruta; 稔鶴田; Seiji Kuramoto; 聖治倉本; Toshihiko Suzuta; 敏彦鈴田
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1993-04-27
Filing date: 1993-04-27
Publication date: 1994-11-01

Abstract

(57)【要約】【目的】操作部を気密構造にすることができ、外部電源
を取り外して操作部を滅菌することができとともに、手
術中に外部電源の交換が可能な縫合結紮装置を提供する
ことにある。【構成】ステープル３３を生体組織に縫合結紮するステ
ープラー等の縫合結紮装置において、ステープル３３を
成形する縫合結紮手段を持った挿入部２を操作部１に対
して着脱自在に設け、この操作部１の内部にモータ７を
内蔵し、このモータ７によって縫合結紮手段を作動させ
る。さらに、操作部１に対して電源ユニット５を着脱自
在に設け、操作部１を滅菌する際に、電源ユニット５を
取り外すことができ、さらに電力消費したとき電源ユニ
ット５を交換できるようにしたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、腹壁等を貫通して体
腔内に挿入し、体腔内の生体組織を縫合結紮する縫合結
紮装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、胆のう結石手術等において、再
発防止のために胆のうごと摘出手術を行う場合、胆管と
胆のう管との接続部を切断するが、この胆のう管には胆
のう動脈、胆のう静脈が通っているため、胆のう管をナ
イフ等によって切断すると同時に縫合結紮する必要があ
る。

【０００３】このような胆のう結石手術等においては腹
壁等を貫通して体腔内に挿入して体腔内の組織を縫合結
紮する縫合結紮器が用いられている。この種の縫合結紮
器には従来、例えば、米国特許第５０８４０５７号明細
書、特開平３−１２１２６号公報等で知られている。

【０００４】米国特許第５０８４０５７号明細書は体腔
内組織をクリップによって縫合結紮する装置であり、特
開平３−１２１２６号公報は、経皮的に体腔内に挿入さ
れ、体腔内組織を縫合結紮する縫合結紮器で、挿入部
と、この挿入部の先端部に開閉自在に設けられ一方がア
ンビル、他方がステープルを保持するカートリッジから
なる縫合結紮器本体と、前記挿入部の先端部に設けられ
カートリッジからステープルを打出すファイリングレバ
ーと、縫合結紮器本体を開閉せしめる縫合結紮開閉レバ
ーとから構成されている。

【０００５】これら縫合結紮装置は、操作部に操作ハン
ドルが設けられ、操作ハンドルを手動操作することによ
って縫合結紮機構を作動させ、縫合結紮部材によって組
織を縫合結紮するようになっているが、本出願人は、縫
合結紮機構を電気的に作動させることができる縫合結紮
装置を開発した。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、電動によっ
て縫合結紮機構を作動させる装置は、その装置内に、例
えば電池やバッテリー等の電源手段を設けることが望ま
しい。なぜなら、外部電源よりコード等により電力を供
給する装置では、コードが手術の邪魔になるからであ
る。

【０００７】しかし、電池やバッテリー等の電源手段は
熱や圧力の変化に弱く、液漏れ等が生じてしまう。ま
た、水や薬液にも弱いことも周知のことである。一方、
手術器械を使用する際には、必ず器械を滅菌する必要が
ある。その方法としては、高圧蒸気滅菌（オートクレー
ブ）、ガス滅菌、薬液浸漬等がある。特に、オートクレ
ーブは滅菌効果が高く、有毒ガスや薬液も使用しないた
め、環境衛生上からも優れた方法と考えられている。し
かし、器械は高温、高圧、高湿度にさらされ、電源手段
には好ましくない環境となる。

【０００８】したがって、電源手段を内蔵したものは、
ガス滅菌など、限られた滅菌手段を使用せざるを得な
い。また、オートクレーブなどに電源が耐えられるよう
に装置に保護手段を設けることも可能であろうが、これ
により装置が複雑化、大型化、高価格化することにな
る。

【０００９】さらに、滅菌時、電池やバッテリー等を取
り外し、装置を滅菌した後にまた組み込むという方法も
考えられるが、まずカバーを外し、電池等を外し、滅菌
した後、再び滅菌された装置に電池等を組み込むのはは
なはだ面倒である。

【００１０】しかも、仮にオートクレーブ等に対して電
池を保護するような構造であったとしても、電池が消費
されればそれを交換する必要があり、電池等が滅菌され
ていなければ、交換のために電池に触れることにより、
術者の手が不潔となる。

【００１１】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、操作部に対して外部
電源の着脱が容易となり、操作部の滅菌も容易にできる
縫合結紮装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために、縫合結紮部材によって組織を縫合結紮す
る縫合結紮装置において、前記縫合結紮部材を組織に縫
合結紮する縫合結紮手段と、この縫合結紮手段を作動さ
せる電気的作動手段を内蔵した操作部と、この操作部に
対して着脱自在に設けられた外部電源とを具備したこと
にある。

【００１３】

【作用】操作部に対して外部電源を着脱自在に設けたこ
とにより、外部電源を取り外して操作部を滅菌すること
ができ、手術中に外部電源の交換が可能となり、外部電
源を外した状態で、装置本体は任意の方法で滅菌できる
とともに、外部電源の取り付けも手間がかからず、不潔
になる心配もない。手術中の交換にも問題がなくなる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。図１〜図４は第１の実施例を示し、図１は管
状組織の閉塞を行なうための縫合結紮装置の全体を示
す。操作部１と挿入部２とから構成されている。操作部
１には挿入部２を着脱自在に取り付けるための着脱部３
と、挿入部２を長軸方向を中心として回転させるための
回転リング４と、外部電源手段としての電源ユニット５
を着脱自在に取り付けるための電源着脱部６と、スイッ
チ８および外部から電気を取り入れるためのコネクタケ
ーブル９を接続するためのコネクタポート１０とが設け
られている。

【００１５】図２〜図４に基づいて前記操作部１および
挿入部２の内部構造を説明すると、操作部１の着脱部３
はシール材３ａによって閉塞され、操作部１は全体が気
密構造に形成されている。操作部１の内部にはステッピ
ングモータ等のモータ７および補助電源１１が設けられ
ているとともに、モータ７のトルク、回転数等を制御す
る制御回路１２が設けられ、電気的作動手段を構成して
いる。

【００１６】モータ７の回転軸には第１のピニオン７ａ
が取り付けられ、この第１のピニオン７ａは第２のピニ
オン７ｂを介して回転伝達軸１３に伝達され、この回転
伝達軸１３にはウォーム１４ａが取り付けられている。
このウォーム１４ａはウォームホイール１４ｂを介して
駆動軸１５に連動している。

【００１７】駆動軸１５は操作部１内の後端部に軸受
（図示しない）によって回転自在に軸支されており、こ
の駆動軸１５には大径の第１のプーリ１６ａと小径の第
２のプーリ１６ｂが嵌着されている。第１のプーリ１６
ａには円板１６ｃが連結ピン１６ｄによって連結され、
一体的に回転するようになっており、第２のプーリ１６
ｂには連結ピン１６ｅが突設されている。

【００１８】第１のプーリ１６ａの連結ピン１６ｄには
第１のプッシャリンク１７ａの基端部が連結され、第２
のプーリ１６ｂの連結ピン１６ｅには第２のプッシャリ
ンク１７ｂの基端部が連結されている。そして、第１の
プッシャリンク１７ａの先端部は第１のプッシャチュー
ブ１８に連結され、第２のプッシャリンク１７ｂは第２
のプッシャチューブ１９に連結されている。

【００１９】前記第１のプッシャチューブ１８は、第２
のプッシャチューブ１９の内部に軸方向に進退自在に挿
入され、第２のプッシャチューブ１９は操作部１に固定
されたガイド筒２０に対して軸方向に進退自在に支持さ
れている。

【００２０】さらに、第１のプッシャチューブ１８の先
端部には長手軸を中心として回転可能に第１のプッシャ
バー２１が連結され、第２のプッシャチューブ１９の先
端部には長手軸を中心として回転可能に第２のプッシャ
バー２２が連結されている。

【００２１】第１のプッシャバー２１の先端部には切欠
部２１ａが設けられ、この切欠部２１ａにはクリッププ
ッシャ２３の後端部に設けられた突片２３ａが着脱可能
に係合している。同様に、第２のプッシャバー２２の先
端部には切欠部２２ａが設けられ、この切欠部２２ａに
はジョープッシャ２４の後端部に設けられた突片２４ａ
が着脱可能に係合している。そして、クリッププッシャ
２３とジョープッシャ２４は平行状態で、前記挿入部２
の内部に挿通されている。

【００２２】また、前記電源着脱部６は操作部１のケー
シング２５の外壁に設けられた凹陥部２６によって形成
され、この凹陥部２６の内側壁には電気接点２７が設け
られている。さらに、前記電源ユニット５は内部に電池
２８を有した密閉ケース２９によって覆われており、電
源ユニット５を凹陥部２６に収納したとき、電気接点２
７と接触して制御回路１２に電気的に接続される電気接
点（図示しない）が設けられている。

【００２３】すなわち、電源ユニット５を電源装着部６
としての凹陥部２６に収納することにより、操作部１の
内部の制御回路１２と電気的導通がなされるが、電源ユ
ニット５を電源装着部６から取り外しても、制御回路１
２は補助電源１１と電気的に導通状態にある。

【００２４】さらに、前記コネクタケーブル９の端部に
はコネクタポート１０に着脱可能に接続されるコネクタ
３１を有するとともに、途中にはＡＣ／ＤＣ変換器３２
が設けられている。したがって、外部の電源装置や光源
装置に接続することができる。

【００２５】一方、前記挿入部２について説明すると、
挿入部２の内部には縫合結紮部材としてのクリップ３３
が内蔵されているとともに、このクリップ３３を変形し
て縫合結紮する縫合結紮手段が設けられている。

【００２６】すなわち、挿入部２の内部には複数のクリ
ップ３３がクリップトラック３４にスライド可能に収納
されている。クリップトラック３４には蓋体３５が設け
られ、後方には押圧ばね３６によって先端側に付勢され
た押圧部材３７が設けられ、クリップ３３はクリップト
ラック３４の後方から先端側に向かって付勢されてい
る。

【００２７】クリップトラック３４の先端部にはクリッ
プ３３と係止する係止爪３８が設けられ、この係止爪３
８と上部に設けられた弾性を有するクリップ押え部材３
９とによって係止されている。

【００２８】さらに、クリップ列３３の前方には先端部
が二股に分かれた開閉自在のジョー４０が設けられ、ジ
ョー４０の下側はにジョー４０を閉じるための前述した
ジョープッシャ２４があり、前方へスライドすることに
よりジョー４０の側面を押圧し閉じるようになってい
る。さらに、クリップ３３列の上方には、前記クリップ
プッシャ２３がスライド可能に設けられ、クリッププッ
シャ２３の先端で、先頭のクリップ３３をジョー４０間
に送り込むようになっている。

【００２９】また、前記挿入部２の挿入部ハウジング４
１の後端部には操作部１の着脱部３と嵌合するための細
径部４２が設けられている。この細径部４２にはキー４
３とスリット４４および係止フランジ４５が設けられ、
さらに、細径部４２の前方にはＯリング４６が設けられ
ている。

【００３０】さらに、挿入部ハウジング４１には着脱ボ
タン４７が設けられ、この着脱ボタン４７を押すと、第
１のプッシャバー２１の切欠部２１ａとクリッププッシ
ャ２３の突片２３ａとの係合を外すとともに、第２のプ
ッシャバー２２の切欠部２２ａとジョープッシャ２４の
係合を外すことができるようになっている。

【００３１】次に、前述のように構成された縫合結紮装
置の作用について説明する。操作部１の凹陥部２６に電
源ユニット５を装着すると、電気接点２７と接続し、電
源ユニット５と制御回路１２とが電気的に導通状態とな
る。制御回路１２からの信号によってモータ７が回転す
ると、第１、第２のピニオン７ａ，７ｂを介して回転伝
達軸１３に回転が伝達され、ウオーム１４ａを介してウ
ォームホイール１４ｂを介して第１のプーリ１６ａ、第
２のプーリ１６ｂが回転する。

【００３２】このとき、第１のプッシャリンク１７ａは
前方に、第２のプッシャリンク１７ｂは後方に移動し、
第１のプッシャチューブ１８は前方に、第２のプッシャ
チューブ１９は後方にスライドする。そして、挿入部２
の先端側においてクリッププッシャ２３はクリップ３３
をジョー４０間に装填する。その後、さらにモータ７が
回転すると第１のプッシャチューブ１８は後方にスライ
ドし、第２のプッシャチューブ１９は前方にスライドす
る。

【００３３】したがって、クリッププッシャ２３はクレ
ップ３３列の先頭のクリップ３３の後方に引き込まれ、
ジョープッシャ２４は前方にスライドしてジョー４０を
閉じることにより、クリップ３３を閉じた形に変形さ
せ、クリップ３３の間の血管等の組織を閉塞させること
ができる。

【００３４】このように、操作部１に電源ユニット５を
装着することにより、挿入部２の先端部における縫合結
紮を電気作動手段によって行うことができる。したがっ
て、使用者が疲れにくくなり、操作性も向上する。ま
た、通常はコネクタケーブル９を取り外した状態で使用
するため、使用中にコネクタケーブル９が邪魔になるこ
とはない。

【００３５】また、使用中に電源ユニット５の電力が消
費された場合には電源ユニット５を滅菌された新しい電
源ユニット５に交換することができ、このとき、電源ユ
ニット５を凹陥部２６から取り外しても、制御回路１２
は補助電源１１と電気的に導通状態にあるため継続的に
使用できる。

【００３６】また、補助電源１１をニッケル・カドミウ
ム蓄電池にすると充電可能となるため電池交換の必要が
なくなる。また、補助電源１１は操作部１の内部に設け
られ、取り外す必要がないため、熱、圧力、液体から保
護するための保護部材によって簡単に覆うことができ
る。

【００３７】仮に、電源ユニット５に同様に保護手段を
設け、電池を収納したまま装置を滅菌することができる
が、前述のように手術中に電池交換を行うことができな
い。また、電源ユニット５のボックスと蓋を高温・高
圧、液体などに耐えられるようにするためには、蓋をね
じ等で締め付けるなどの交換作業に不向きな構造となり
がちである。したがって、電源ユニット５を簡単に着脱
できるユニットとして設けることが有効である。さら
に、この電源ユニット５はあらかじめ滅菌済ディスポ品
として供給するのが望ましい。

【００３８】なお、治療中に縫合結紮装置の操作部１や
挿入部２に付着した血液洗浄液等は、シール部材３ａや
Ｏリング４６により操作部１の内部に入り込む事を防止
される。また、使用後、操作部１から電源ユニット５、
挿入部２を取り外し、着脱部３をゴム製のキャップで塞
いだ後に洗浄・滅菌を行なうことができる。

【００３９】このように、操作部１を洗浄滅菌できるこ
とから再使用が可能となり医療費の削減につながる。図
５は開示例１を示すもので、操作部１のコネクタポート
１０に接続端子を設ける代りに、コネクタケーブル９と
補助電源１１の間に１次コイル４８、２次コイル４９、
ＡＣ／ＤＣ変換器３２を設け、無接点式に電流を補助電
源１１へ供給するようにしたものである。

【００４０】このように構成することによって、１次コ
イル４８と２次コイル４９の間に操作部１のフレーム２
５と一体成形された合成樹脂製のコネクタポート１０を
設けることができ、コネクタポート１０の密閉性が高ま
り付着した血液を洗浄しやすくなり、操作部１の洗浄・
滅菌しやすくなる。

【００４１】図６は開示例２を示すもので、ジョー４０
の内部にセラミックヒータなどの発熱体５０を設け、操
作部１内の電源と導電ケーブル５１で接続したものであ
る。すなわち、クリップ３３を生体吸収性樹脂とするこ
とにより、クリップ３３をジョー４０の間に装填した
後、発熱体５０によって加熱して軟化させて閉じること
ができる。操作部１に設けられた電源から加熱用の電流
を供給することができ、装置に別途コードを取り付ける
必要がなくコードが邪魔になることはない。

【００４２】図７は第２の実施例を示し、第１の実施例
の操作部１に縫合結紮方法に応じて種々の挿入部２を交
換できるようにしたものである。すなわち、Ａは第１の
実施例と同様の挿入部２の先端部にジョー４０を備えた
クリッパーである。Ｂは挿入部２の先端部にアンビル５
２を備えたステープラーである。Ｃは挿入部２の先端部
にカートリッジ５３とアンビル５４を備えたリニアカッ
ターである。Ｃは挿入部２の先端部にステープル放出部
５５とアンビル５６を備えたサーキュラステープラーで
ある。

【００４３】これら挿入部２の基端部には同一構造の細
径部４２が設けられ、操作部１の着脱部３に対して着脱
可能に装着される。したがって、使用場所、使用方法に
応じて挿入部２を交換することができ、使用後は操作部
１は洗浄・滅菌をし再使用し、挿入部２は廃棄する。操
作部１を共通化できることにより使用者にとって経済的
にメリットがある。

【００４４】図８および図９は開示例３を示すもので、
操作部１の外側に内部電源５７ａを着脱可能に設け、こ
の内部電源５７ａと外部電源５７ｂとを切替えスイッチ
５８を介して操作部１の内部のモータ７に接続したもの
である。このように構成することによって、内部電源５
７ａが電力が消費したとき、切替えスイッチ５８によっ
て外部電源５７ｂに切替えて使用できる。

【００４５】図１０は開示例４を示すもので、電源５９
を選択回路５９ａを介してリニアカッターＸ、環状吻合
器ＹおよびリニアカッターＺに接続し、縫合結紮装置を
選択して手術を行えるようにしたものである。

【００４６】図１１は開示例５を示すもので、リニアカ
ッターＣやサーキュラステープラーＤの操作部６０に同
一形状の外部電源装着部６０ａを設け、外部電源６０ｂ
を共通化できるようにしたものである。

【００４７】図１２〜図１４は第３の実施例を示し、図
１２はステープラーの全体構成を示す。操作部１の基本
的構成は第１の実施例と同一であり、この操作部１に対
して挿入部２が着脱自在に設けられている。

【００４８】操作部１の着脱部３には絶縁部材６１を介
して複数本の端子ピン６２が設けられ、これはシール部
材３ａを貫通して着脱部３の内部に突出している。一
方、挿入部２の基端部の細径部４２にはソケット６３が
設けられ、細径部４２を着脱部３に装着することによ
り、端子ピン６２とソケット６３とが電気的に導通状態
に接続されるようになっている。

【００４９】ソケット６３はコード６４を介して挿入部
２に内装された導電部材６５に電気的に接続され、この
導電部材６５は挿入部２の先端部に着脱自在に設けられ
たカートリッジ６６の内部に設けられた外部電源６７に
電気的に接続されている。

【００５０】カートリッジ６６は、内部には複数のステ
ープル６８と、このステープル６８を押し出すステープ
ルプッシャ６９と、このステープルプッシャ６９を押し
上げるステープルプッシャバー７０と、このステープル
プッシャバー７０による縫合結紮時、ステープル６８列
に沿って縫合結紮された組織を切断するカッター７１を
有している。

【００５１】カートリッジ６６の基端部には前記導電部
材６５との接点７２が設けられ、この接点７２は導電ケ
ーブル７３を介してカートリッジ６６の先端内部に設け
られた外部電源６７に電気的に接続されている。

【００５２】一方、操作部１の内部には前記端子ピン６
２はリード線７４を介して電気的に接続されたブラシ電
極７５が設けられ、このブラシ電極７５は操作部１の内
部の制御回路１２に電気的に接続されている。そして、
カートリッジ６６の内部に設けられた外部電源６７から
導電ケーブル７３、導電部材６５および挿入部２と操作
部１との着脱部３内のソケット６３、端子ピン６２を介
して電流が操作部１内のモータ７へ供給される。

【００５３】この実施例によれば、操作部１内に外部電
源６７を収納するスペースが不要であり、操作部１の小
型化が可能となる。また外部電源６７が設けられたカー
トリッジ６６は、１回のファイリング毎に交換されるた
め、外部電源６７に蓄えられる電力も１回のファイリン
グ分で良く、外部電源６７が小型になり、外部電源６７
を充電させる必要が無い。

【００５４】図１５および図１６は第４の実施例を示
し、基本的構造は第１の実施例と同一である。操作部１
のフレーム２５に対して回転可能に設けられた回転リン
グ４の摺動部にはシリコングリースを塗布したＯリング
７６が設けられ、フレーム２５に対して回転リング４が
気密に保持されている。

【００５５】回転リング４は、前側が円筒状で、後側が
中空の円錐状になっており、前側内部には第１と第２の
プッシャバー２１，２２をスライド可能に位置決めする
スペーサ７７が設けられている。このスペーサ７７と第
１と第２のプッシャバー２１，２２との摺動部は気密を
保つのに必要な寸法関係になっている。さらに、スペー
サ７７の前面にシール部材としての弾性シール７８が設
けられている。

【００５６】また、操作部１の制御回路１２に接続され
たリード線７９ａ，７９ｂは、それぞれ回転リング４に
固定されたブラシ電極８０，８１に接続されている。ブ
ラシ電極８０，８１はリード線７４により絶縁部材６１
に固定された端子ピン６２に電気的に接続されている。

【００５７】さらに、挿入部ハウジング４１の基端部に
おける内部には電池、バッテリー等の外部電源８３が設
けられ、この外部電源８３はソケット６３とリード線６
４を介して電気的に接続されている。そして、操作部１
に対して挿入部２を接続した際に、外部電源８３と制御
回路１２とが電気的に接続されるようになっている。

【００５８】この実施例によれば、縫合結紮装置の使用
の際、装置に付着した血液等が、各部のＯリング７６お
よび弾性シール７８により、操作部１内や挿入部２内に
入ることがない。また、操作部１のフレーム２５の材質
をポリサルホンやポリイミドなどの耐熱性の樹脂にする
ことにより、挿入部２を取り外した後、装置に付着した
血液を洗浄した後、高圧蒸気滅菌やＥ，Ｏ，Ｇを用いて
滅菌消毒を行ない再使用することができる。

【００５９】さらに、縫合結紮の動作を電動で行なわせ
ることにより操作性が向上し、常に一定の力量でクリッ
プを締め付けることが可能となる。また回転リング４を
回転させることにより挿入部２を回すことができ、ジョ
ー４０を任意の方向に向けることができる。

【００６０】外部電源８３がクリップ３３が収納されて
いる挿入部２に設けられているので、クリップ３３が切
れて新しい挿入部２に付け替えたときは、常に新しい外
部電源８３が装着されたことになる。したがって、操作
中に電力不足になることがないと同時に、わざわざ電源
交換をする手間が省ける。

【００６１】また、挿入部２をディスポーザブル品とし
ておけば、操作部１は任意の方法で滅菌できるし、電源
の取り付けや交換を手術室内で行なっても、不潔になる
虞はない。

【００６２】図１７は開示例６である。外部電源９０は
制御手段９１を介してモータ９２に電気的に接続されて
いる。さらに、外部電源９０は電圧比較器、例えばコン
パレーター９３を介して制御手段９１が接続され、電源
電圧が規定電圧（装置が確実に作動するのに必要十分な
値）を常に検出している。電源電圧が規定電圧より低い
場合は、制御手段９１からモータ９２への電流が出力さ
れず、モータ９２が回転しない。また、表示手段９４は
電源電圧の状態を表示するもので、例えばレベルメータ
ー、ＬＥＤ、液晶などである。

【００６３】このようにコンパレーター９３を設けるこ
とにより、電圧低下により、装置が動作の途中で停止す
るのを防止でき、動作中電圧低下により、動作が停止し
た場合、その状態で電源を交換する煩わしさを防止でき
る。

【００６４】さらに、ある程度余裕をもって規定電圧を
設定してあれば、確実に動作が行なわれるとともに、電
圧が低ければ全く動作せず、使用前に電源交換が行なえ
る。図１８〜図２０は第５の実施例を示し、本実施例
は、組織の切開部を閉じるための装置に関するものであ
る。本装置は、操作部１と挿入部２とからなり、操作部
１の構造は第１の実施例と同様の構造であり、操作部１
内には制御回路１２とモータ７が設けられ、モータ７の
回転は第１のギヤ７ａ、第２のギャ７ｂ、ウォーム１４
ａ、ウォームホイール１４ｂを介して駆動軸１５に伝達
されるようになっている。駆動軸１５にはプーリ９５が
嵌着され、さらにプーリ９５には成形ブレードプッシャ
リンク９６が一端が連結されている。

【００６５】成形ブレードプッシャリンク９６の他端は
円筒状のプッシャチューブ９７に連結されており、プッ
シャチューブ９７はガイド９８により長手方向にスライ
ド自在に保持されている。プッシャチューブ９７の先端
にはプッシャチャンネル９９が長手軸を中心として回転
可能に接続しており、プッシャチャンネル９９は挿入部
２内の成形ブレード１００と係止されている。

【００６６】この成形ブレード１００の中途部は挿入部
２の基端部に設けられたシールブロック１１１のガイド
孔１１２に摺動自在に挿通され、このシールブロック１
１１にはシリコングリース等が塗布されている。

【００６７】また、操作部１には回転リング４が回転自
在に設けられ、内部にはスペーサ１０１と弾性シール１
０２が設けてあり、着脱部３には挿入部２の挿入部ハウ
ジング４１が着脱可能となっている。さらに、操作部１
のフレーム２５と回転リンク４との摺動部には水密を保
つためＯリング１０３が設けられている。

【００６８】一方、挿入部２の先端部には複数のコ字形
状のステープル１０４を収容するステープルカートリッ
ジ１０５と、一端にステープル１０４を閉じた形に変形
するためのフランジ１０６を有するアンビル１０７と、
アンビル１０７の上側の成形ブレード１０８とステープ
ル１０４がスライドするためのステープル通路１０９
と、アンビル１０７のフランジ部近傍にあり、変形後の
ステープル１０４を挿入部２から放出するためのステー
プル放出ばね１１０より構成されている。

【００６９】ステープルカートリッジ１０５においてス
テープル押圧ばね１１０によりステープル通路１０９側
に押圧される。他の構造は第１の実施例と同様である。
図２０に示すように、組織の切開部ａを縫合結紮する
際、組織片ｂ，ｂ同志を把持鉗子（図示しない）で合わ
せた後、合せ部に挿入部２の先端を位置決めする。挿入
部２の外部電源８３からブラシ電極８０，８１、リード
線７９ａ，７９ｂを介してモータ７に電流が供給され
る。操作部１内のモータ７が回転すると、プーリ９５が
回転し、プッシャチューブ９７、プッシャチャンネル９
９、成形ブレード１０８を先端側へスライドさせる。

【００７０】挿入部２の先端側において成形ブレード１
０８はステープル通路１０９内に押し出されたステープ
ル１０４をアンビル１０７のフランジ１０６まで押し出
し、組織片ｂ，ｂに穿刺する。次に成形ブレード１０８
によってステープル１０４を閉じた状態に変形し、組織
片ｂ，ｂ同志を縫合結紮する。その後、成形ブレード１
０８が後方へ引き込まれ、ステープル放出ばね１１０に
より変形後のステープル１０４は放出され初期状態に戻
る。

【００７１】また、使用中は操作部１に付着した生理食
塩水、患者の体液などは、操作部１に設けた弾性シール
１０２、Ｏリング１０３により内部への浸入を防止でき
る。このように縫合結紮動作を電動により行わせること
により操作性が向上し、常に一定の力量で縫合結紮動作
を行わせることができる。

【００７２】図２１は第７の実施例を示す。１４０はク
リップアプリケーターを示し、このクリップアプリケー
ター１４０内には、先端にホーンを有するボルト締めラ
ンジュバン型の超音波振動子１４１が設けられ、この超
音波振動子１４１の先端には振動伝達部材１４２が接続
されている。

【００７３】振動伝達部材１４２は伝達部材本体１４３
と先端チップ１４４とで形成され、伝達部材本体１４３
の先端には、先端チップ１４４のねじ部をねじ込むため
のねじ穴が形成されている。

【００７４】また、１４５は先端チップ１４４に隣接し
て配設された受け部材を示し、この受け部材１４５は先
端チップ１４４の先端作用面に所定の間隔を存して対向
する対向部１４５ａを有する。また、この受け部材１４
５はスライド部材１４７に接続固定された支持パイプ１
４６に支持されている。

【００７５】スライド部材１４７は超音波振動子１４１
を収納するケース１４８の前端部に摺動自在に取り付け
られ、ケース１４８には把持用のグリップ１４９が設け
られている。そして、超音波振動子１４１には超音波振
動子駆動回路１５０が接続され、この超音波振動子駆動
回路１５０には駆動信号発生回路１５１、電源１５３、
スイッチ１５４が接続されている。電源１５３はグリッ
プ１４９に着脱自在な電源ユニット１５５に設けられて
いる。

【００７６】したがって、このように構成されるクリッ
プアプリケーター１４０は、駆動信号発生回路１５１か
らの信号が超音波振動子駆動回路１５０で増幅され、こ
の増幅された駆動信号により超音波振動子１４１が作動
する。そして、超音波振動子１４１によって励起された
超音波振動は、伝達部材本体１４３と先端チップ１４４
を超音波振動させる。この伝達部材本体１４３は、先端
チップ１４４の作用面において振動振幅が最大（振動の
腹）となるような長さに形成されている。

【００７７】このクリップアプリケーター１４０によっ
てクリッピングを行なう場合は、たとえばクリップ１５
２を先端チップ１４４の作用面と、これに対向する受け
部材１４５の対向部１４５ａとの間に挟み込む。そし
て、ケース１４８の前端部に位置するスライド部材１４
７をケース１４８側にスライドさせることにより、受け
部材１４５の対向部１４５ａがクリップ１５２を押し潰
し、生体組織を狭窄すると共にクリップ１５２の内面が
接触する。

【００７８】このような状態となった後に、超音波振動
子１４１を駆動して先端チップ１４４の作用面を超音波
振動させ、生体管を受け部材１４５と先端チップ１４４
との間に適当な押圧力で挟んだ状態で適当な時間保持す
る。そうすると、クリップ１５２の接触した前同士が超
音波振動により発熱し、溶融して接合する。

【００７９】したがって、このような構成のクリップア
プリケーター１４０は、樹脂製クリップ１５２の接触し
た面同士を超音波振動によって融着することができ、生
体組織のクリッピングを確実に行なうことができる。

【００８０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、操作部に縫合結紮手段を駆動する電気的作動手段を
設けるとともに、この操作部に対して外部電源を着脱自
在に設けたことを特徴とする。したがって、操作部を気
密構造にすることができ、外部電源を取り外して操作部
を滅菌することができとともに、手術中に外部電源の交
換が可能となる。さらに、外部電源の着脱も手間がかか
らず、滅菌した外部電源を装着することもでき、交換の
際に不潔になる心配もないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例を示す縫合結紮装置の
全体の斜視図。

【図２】同実施例の縫合結紮装置の縦断側面図。

【図３】同実施例の縫合結紮装置の電気作動手段の分解
斜視図。

【図４】同実施例の挿入部の先端部の分解斜視図。

【図５】縫合結紮装置の開示例１を示す操作部の回路
図。

【図６】縫合結紮装置の開示例２を示す挿入部の縦断側
面図。

【図７】この発明の第２の実施例を示す縫合結紮装置の
全体の斜視図。

【図８】縫合結紮装置の開示例３を示す側面図。

【図９】同開示例の回路図。

【図１０】縫合結紮装置の開示例４を示す構成図。

【図１１】縫合結紮装置の開示例５を示す斜視図。

【図１２】この発明の第３の実施例を示す縫合結紮装置
の全体の斜視図。

【図１３】同実施例の縫合結紮装置の挿入部の縦断側面
図。

【図１４】同実施例の縫合結紮装置の操作部の縦断側面
図。

【図１５】この発明の第４の実施例を示す縫合結紮装置
の全体の斜視図。

【図１６】同実施例の縫合結紮装置の操作部の縦断側面
図。

【図１７】縫合結紮装置の開示例６を示す回路図。

【図１８】この発明の第５の実施例を示す縫合結紮装置
の縦断側面図。

【図１９】同実施例の挿入部の先端部の分解斜視図。

【図２０】同実施例の作用説明図。

【図２１】この発明の第６の実施例を示す縫合結紮装置
の構成図。

【符号の説明】

１…操作部２…挿入部５…電源ユニット（外部電源手段）７…モータ３３…ステープル（縫合結紮部材）

フロントページの続き (72)発明者鈴田敏彦東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】縫合結紮部材によって組織を縫合結紮す
る縫合結紮装置において、前記縫合結紮部材を組織に縫
合結紮する縫合結紮手段と、この縫合結紮手段を作動さ
せる電気的作動手段を内蔵した操作部と、この操作部に
対して着脱自在に設けられた外部電源手段とを具備した
ことを特徴とする縫合結紮装置。