JPH06130206A - レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法 - Google Patents

レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06130206A
JPH06130206A JP30660592A JP30660592A JPH06130206A JP H06130206 A JPH06130206 A JP H06130206A JP 30660592 A JP30660592 A JP 30660592A JP 30660592 A JP30660592 A JP 30660592A JP H06130206 A JPH06130206 A JP H06130206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
refractive index
array plate
microlens array
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30660592A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Fujimura
保夫 藤村
Seiji Umemoto
清司 梅本
Kazutaka Hara
和孝 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP30660592A priority Critical patent/JPH06130206A/ja
Publication of JPH06130206A publication Critical patent/JPH06130206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートや板等のフラットな大面積板の製造も
容易で量産性に優れる屈折率分布型のレンズ、及びかか
るレンズを微細性よく高精度に細密アレイしたマイクロ
レンズアレイ板、並びにその製造方法を得ること。 【構成】 異屈折率のポリマーを含有する透明なポリマ
ー基材(1)中に、光重合性モノマーが反応してなる屈
折率分布型のレンズ領域(2)ないし複数の微小なレン
ズ領域を有するレンズ又はマイクロレンズアレイ板、及
び異なる屈折率のポリマーを形成する光重合性モノマー
を含有する透明なポリマーベースに、光を強度分布を有
する状態で所定の箇所に照射したのち未反応の前記モノ
マーを除去し、かつ別種のモノマーを含有させて重合さ
せる前記のレンズ又はマイクロレンズアレイ板の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大きい屈折率差を有し
てレンズ機能に優れる屈折率分布型のレンズ、及びかか
るレンズを微細性よく配列してなる液晶表示装置の結像
素子等として好適なマイクロレンズアレイ板、並びに前
記レンズないしマイクロレンズアレイ板の量産性に優れ
る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、屈折率分布型のレンズ、特にマイ
クロレンズやそのアレイ板の提供が強く要望されてい
る。けだし、かかるレンズないしマイクロレンズアレイ
板は、フラットなシートや板等として得ることができる
ことより装置内部への配置性、樹脂封入性、平滑な表面
の形成性等に優れることが予測され、複写機やファクシ
ミリ、液晶表示装置等の種々の光学利用装置における結
像素子等の光学素子としての有用性による。
【0003】従来、屈折率分布型の単レンズの製造方法
として、クラッド形成管の内側に組成を変化させながら
レンズ形成材を堆積させる方法、ロッド状レンズコアの
外周より屈折率を変化させる物質を含浸させる方法、異
屈折率モノマー含有の樹脂母体の外周より当該モノマー
を揮散させて残存モノマーを重合処理する方法が知られ
ていた。しかしながら、これらの方法ではフラット形態
のレンズ、特にマイクロレンズやそのアレイ板を得るこ
とが困難であった。
【0004】すなわち、単レンズをブロック中に埋設し
て両面研磨等で薄板化するには複雑な操作を要して量産
性に乏しい問題点があり、また単レンズを束ねて前記操
作により薄板化できたとしても各レンズ部分の微細性や
断面形状の均一性、アレイの細密性、屈折率分布等のレ
ンズ特性の均一性などに劣り、開口率や集光率等にも乏
しくて実用に供しうるマイクロレンズアレイ板を形成で
きず、実用しうる面積体の製造も困難で実質的に実用で
きるものを得ることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シートや板
等のフラットな大面積板の製造も容易で量産性に優れる
屈折率分布型のレンズ、及びかかるレンズを微細性よく
高精度に細密アレイしたマイクロレンズアレイ板、並び
にその製造方法の開発を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、異屈折率のポ
リマーを含有する透明なポリマー基材中に、光重合性モ
ノマーが反応してなる屈折率分布型のレンズ領域を有す
ることを特徴とするレンズ、及び異屈折率のポリマーを
含有する透明なポリマー基材中に、光重合性モノマーが
反応してなる屈折率分布型の微小レンズを形成する複数
の領域を有することを特徴とするマイクロレンズアレイ
板を提供するものである。
【0007】また本発明は、異なる屈折率のポリマーを
形成する光重合性モノマーを含有する透明なポリマーベ
ースに、光を強度分布を有する状態で所定の箇所に照射
したのち未反応の前記モノマーを除去し、かつ別種のモ
ノマーを含有させて重合させることを特徴とする前記し
たレンズ又はマイクロレンズアレイ板の製造方法を提供
するものである。
【0008】
【作用】光重合性モノマー含有のポリマーベースに対し
透過光強度分布型のマスクやレーザー光等を介して光を
強度分布を有する状態で照射することにより、その光強
度分布に基づいて光重合性モノマーの反応量に部分的な
相違を持たせることができ、これにより屈折率分布を形
成することができる。一方、未反応の前記モノマーを除
去し、かつ別種のモノマーを含有させて重合させること
により異屈折率のポリマーを含有するポリマーベースを
形成でき、前記した屈折率分布の状態、特に屈折率差を
制御することができる。従って前記の操作を介して異屈
折率ポリマー含有の透明なポリマー基材中に屈折率分布
型のレンズ領域を有するレンズ、ないしそのアレイ板を
効率よく形成することができる。
【0009】
【実施例】本発明のレンズは、異屈折率のポリマーを含
有する透明なポリマー基材中に、光重合性モノマーが反
応してなる屈折率分布型のレンズ領域を有するものであ
る。その例を図1に示した。1がポリマー基材、2が屈
折率分布型のレンズ領域である。図1に例示の如くレン
ズ領域2は、最大又は最小の屈折率を示す中心部21を
有し、その屈折率が半径方向に変化する分布を有してい
る。一方、本発明のマイクロレンズアレイ板は図2に例
示の如く、前記のレンズ領域2を微小な状態で複数有す
るものである。
【0010】レンズないしマイクロレンズアレイ板の製
造は、例えば異なる屈折率のポリマーを形成する光重合
性モノマーを含有する透明なポリマーベースに光を強度
分布を有する状態で1箇所又は複数の所定箇所に照射し
たのち未反応の前記モノマーを除去し、かつ別種のモノ
マーを含有させて重合させる方法などにより行うことが
できる。
【0011】透明なポリマーベースとしては、使用の波
長光に対して透明性を示す適宜なものを用いうる。一般
には、ポリオレフィン、各種合成ゴム、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレートなどが用いられる。ポリマー
ベースは、光を照射する段階で固体である必要はなく、
光照射後の加熱処理や露光処理等の適宜な処理で固体化
しうるものであってもよい。ポリマーベースの厚さは、
目的とするマイクロレンズアレイ板の厚さやレンズ効果
等に応じて適宜に決定してよく、一般には10μm〜1
0mmとされる。
【0012】ポリマーベース中に含有させる光重合性モ
ノマーは、例えばトリブロモフェノキシエチルアクリレ
ートやトリフルオロエチルアクリレートの如く、光照射
によりポリマーベースとは異なる屈折率のポリマーを形
成するものであればよい。一般には、ポリマーベースな
いしポリマー基材の屈折率を調節するため別途に用いら
れるモノマーとの組合せにより適宜に選択使用される。
【0013】前記の組合せとしては、光重合性モノマー
の反応による形成物と屈折率調節用のモノマーの反応に
よる形成物との屈折率差が大きいほど結像距離の短いレ
ンズが得られ、従ってシートや板等としての厚さを薄く
できる点より、光照射により光重合性モノマーが反応し
た部分に屈折率調節用のモノマーが入りにくい組合せが
好ましい。従って光重合性モノマーの反応物の濃度分布
とは可及的に逆転した関係の濃度分布が形成される屈折
率調節用のモノマーとの組合せが好ましい。かかる点よ
りは多官能性モノマー等の架橋処理が可能な光重合性モ
ノマーが特に好ましく用いうる。
【0014】一方、屈折率調節用のモノマーとしては、
ポリマーベース及び前記の光重合性モノマーの反応によ
る形成物とは異なる屈折率のポリマーを形成するものが
用いられる。就中、ポリマーベースを基準に光重合性モ
ノマーの反応による屈折率変化(増大又は低下)とは反
対の屈折率変化(低下又は増大)を示すポリマーを形成
するものが好ましく用いられる。屈折率調節用のモノマ
ーは光照射や加熱等の適宜な方式でポリマー化できるも
のであればよい。なお光重合性モノマーや屈折率調節用
のモノマーは2種以上を併用してもよく、オリゴマー状
のモノマーなども用いうる。
【0015】光重合性モノマー含有のポリマーベースの
形成は、例えばベース形成用のポリマーと光重合性モノ
マーを必要に応じ溶媒を介して混合し、その混合液を展
開してシート状等のベースに成形する方式、予め形成し
たポリマーベース中に光重合性モノマーを必要に応じ溶
媒を用いて含浸させる方式など、適宜な方式で行ってよ
い。
【0016】光重合性モノマーの含有量は、目的とする
屈折率やその分布などに応じて適宜に決定してよいが、
一般にはポリマーベース100重量部あたり、200重
量部以下、就中100重量部以下である。なおポリマー
ベースには必要に応じて光反応開始剤や光増感剤なども
含有させることができる。光反応開始剤等としては、併
用の光重合性モノマーや照射光等に基づいてラジカル系
開始剤などの適宜なものを選択使用することができる。
【0017】光重合性モノマー含有のポリマーベースに
対する強度分布を有する状態での光照射は、透過光強度
分布型のマスクやレーザー光等を介して行うことができ
る。かかる強度分布を有する光照射により、その照射強
度の分布に応じた量の光重合性モノマーがモノマー間や
ポリマーベース間等で反応して、ポリマーベース中に例
えば重合度や重合率、硬化度や架橋度、付加率などの変
化(分布)により異なる屈折率状態を形成し、屈折率分
布を有するレンズ領域を形成する。従ってレンズ領域の
アレイ化は、ポリマーベースにおける所定の複数箇所を
光照射することにより行うことができる。
【0018】前記した光強度分布をもたせるための透過
光強度分布型のマスクは、蒸着法や印刷法等の適宜な方
式で得ることができる。その例を図3に示した。3がマ
スクで、4がそれに形成した透過光強度分布部分であ
る。マスク方式は、予め形成配置した複数の透過光強度
分布部分に基づいて一度の照射処理で複数のレンズ領域
を形成できる利点を有することよりマイクロレンズアレ
イ板の形成に有利に用いうる。マスクにおける透過光強
度分布部分4は、連続的な透過光強度分布を示すことが
好ましいが、微小ドットの集合体で形成する方式によっ
ても屈折率が連続的に変化するレンズ領域を形成するこ
とができる。
【0019】マスク方式の場合の光源としては、光重合
性モノマーや光反応開始剤の特性波長に応じて適宜に選
択使用することができる。一般には、高圧水銀灯やショ
ートアークランプ等の紫外線光源が用いられるが、増感
色素等の光増感剤の併用で可視光源の使用も可能であ
る。
【0020】レーザー光の場合には通例、ガウス分布、
特にTEMOOモードに基づく強度分布を示すことか
ら、そのレーザー光の照射により屈折率分布を有するレ
ンズ領域を形成することができる。その屈折率の分布状
態は、強度分布を有するレーザー光の照射量や走査で任
意に制御でき、その照射量は照射時間、レーザー光のビ
ーム位置、照射スポットの大きさなどにより調節するこ
とができる。
【0021】レーザー光の照射には、光重合性モノマー
やその他の例えば光反応開始剤、光増感剤などの光反応
性材料の反応波長に応じ適宜なレーザー発振器を用いう
る。好ましくは、円形状のビーム断面を形成できて、光
の強度分布として0次又は1次のガウス分布を示すもの
である。好ましいレーザー光の照射波長は、200〜6
50nmであり、従って紫外線レーザーなどが好ましく用
いうる。
【0022】一般に用いられるレーザー発振器の例とし
ては、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、ヘリウム
・カドミウムレーザーなどの比較的短波長のレーザー光
を発振するものがあげられる。光反応開始剤や光増感剤
の組合せによっては、ヘリウム・ネオンレーザーなども
用いうる。またYAGレーザーなどの長波長レーザーを
例えば3次高調波等に波長変換して用いることもでき
る。
【0023】図4にレーザー発振器を配置した製造装置
を例示した。これは、レーザー発振部5と、シャッター
6と、レンズ、鏡、フィルター等からなる集光部7と、
ミラー等からなる走査用光学系8よりなる。
【0024】透明なポリマーベースBへのレーザー光
(矢印)の照射は、レーザー発振部5より発振させたレ
ーザー光を集光部7を介し集光して照射スポットの大き
さを調節し、それを走査用光学系8を介しポリマーベー
ス側に反射させることにより行うことができる。走査用
光学系8の制御で照射位置や走査軌跡が調節される。シ
ャッター6は、レーザー発振部5より発振させたレーザ
ー光の集光部7への通過を制御するためのものであり、
かかるシャッターは集光部や走査用光学系と連動して制
御できることが好ましい。その制御は、パーソナルコン
ピューター程度の装置で容易に行うことができる。
【0025】形成するレンズ領域の制御は、例えばレー
ザー光の照射時間や強度、レーザー光のビーム位置、照
射スポットの大きさ、フィルターや透過光分布型マスク
による減光等の強度制御、走査の経路や速度などにより
行うことができる。レンズ領域のアレイ化は、ポリマー
ベースの移動下にレーザー光を非走査で間欠照射する方
式、ポリマーベースの固定下にレーザー光を走査しなが
ら間欠照射する方式などにより効率よく形成することが
できる。なお照射スポットの大きさは通例、10μm〜
2mm程度とされる。
【0026】形成するレンズ領域の形態は任意であり、
複数のレンズ領域を形成する場合にあってはその配置状
態や配置個数も任意である。従って、レンズ領域が隣接
する状態で形成されていてもよいし、所定の間隔を設け
て形成されていてもよい。開口率の点よりは最密配置と
することが有利である。またレンズ領域の形状や径、厚
さ、焦点距離なども任意である。なおレンズ領域単位の
一般的な径は、2mm以下、就中10〜200μmであ
る。
【0027】光を強度分布を有する状態で照射した後に
おけるポリマーベースよりの未反応の光重合性モノマー
の除去は、例えば溶媒による抽出方式や加熱による揮発
方式などの適宜な方式で行うことができる。また、かか
るポリマーベースへの屈折率調製用のモノマーの含有
は、必要に応じ溶媒を用いた含浸方式などにより行うこ
とができる。屈折率調製用のモノマーを含有する溶媒に
ポリマーベースを浸漬して未反応の光重合性モノマーと
屈折率調製用のモノマーを置換させ、当該除去と含浸を
効率よく行うこともできる。
【0028】未反応の光重合性モノマーを除去し、屈折
率調製用のモノマーを含有させたポリマーベースの重合
処理は、その屈折率調製用のモノマーに応じた例えば光
照射や加熱処理等の適宜な方式で行ってよく、含有する
全部の屈折率調製用のモノマーが重合するように行って
よい。
【0029】形成レンズ領域における屈折率の分布状態
は使用目的などに応じて適宜に決定できる。シートや板
等のフラット形態の場合には光伝送の点より通常、中心
部21(図1)を頂点とする二次曲線分布が好ましい。
その場合、かかる頂点を極大とすることにより凸レンズ
的に作用するレンズ領域とすることができ、極小とする
ことにより凹レンズ的に作用するレンズ領域とすること
ができる。また屈折率分布を調節することで非球面レン
ズ的に作用するレンズ領域とすることもできる。なおレ
ンズ領域における屈折率の大きさや、その分布における
屈折率差の大きさは、レンズ領域の径や厚さ、性能、最
寄りのレンズ領域との距離などにより適宜に決定され
る。
【0030】なお本発明の方法においては、光重合性モ
ノマーの重合処理から屈折率調製用のモノマーの重合処
理まで、ないしその重合処理後の適宜な段階で必要に応
じて例えば現像処理、加熱処理、露光処理、溶剤処理な
どを介しレンズ領域の固定化(光重合性モノマーの反応
物の安定化)、ポリマーベースの固体化(ポリマー基材
化)などの適宜な措置を施すことができる。
【0031】本発明のレンズ、ないしマイクロレンズア
レイ板は、例えば複写機やファクシミリ、液晶表示装置
等の種々の光学利用装置における結像素子等の光学素子
などとして種々の目的に用いることができる。特に液晶
表示装置の視角の拡大に好ましく用いうる。
【0032】すなわち図5に例示の如く、液晶表示装置
の液晶パネル9を透過した種々の方向に進む画像形成光
からマイクロレンズアレイ板1を介して液晶層を垂直、
ないしそれに近い角度で透過した光線のみを取出し、そ
れを拡散板10の上に正立等倍像として結像すことによ
り、視角によるコントラストの低下や表示の反転、ある
いは色相の変化などが抑制されて良好な表示を得ること
ができる。
【0033】実施例1 ポリメタクリル酸メチル30部(重量部、以下同じ)と
トリブロモフェノキシエチルアクリレート20部とトリ
メチロールプロパントリアクリレート10部を酢酸エチ
ル50部を用いて光反応開始剤(イルガキュア651、
チバガイギー社製、以下同じ)0.1部と共に混合し、
それを通常のキャスト方式にて展開して厚さ200μm
のフィルムを形成し、それに図3に例示の如き透過光強
度分布型のマスク(1スポット単位の径200μm、ス
ポット間距離250μm)を密着させて紫外線露光機
(10mW)にて30秒間紫外線照射したのち、トリフ
ルオロエチルアクリレートの30重量%メタノール/ト
ルエン(80/20)溶液(光反応開始剤を含む)の中
に浸漬して未反応のトリブロモフェノキシエチルアクリ
レートとトリフルオロエチルアクリレートを置換し、そ
の全面に紫外線を照射してマイクロレンズアレイ板を得
た。このマイクロレンズアレイ板におけるレンズ領域
は、中心と周縁との屈折率差が0.10で良好な屈折率
分布構造を有し、結像性能に優れることを確認できた。
なおトリフルオロエチルアクリレートを用いずにトリブ
ロモフェノキシエチルアクリレートとトリメチロールプ
ロパントリアクリレートで処理した場合におけるレンズ
領域の中心と周縁との屈折率差は0.05であった。
【0034】実施例2 厚さ200μmの二官能ウレタンアクリレート系硬化シ
ート(ユニディックV−4220、大日本インキ社製)
に、トリブロモフェノキシエチルアクリレート40部と
トリメチロールプロパントリアクリレート10部と光反
応開始剤0.1部をクロロホルム50部に溶解させた溶
液を含浸させたのち、暗所にてクロロホルムを50℃で
乾燥除去し、そのシートを用いて実施例1に準じマイク
ロレンズアレイ板を得た。なおモノマーの置換にはクロ
ロホルムを溶媒に用いた。前記のマイクロレンズアレイ
板におけるレンズ領域は、中心と周縁との屈折率差が
0.09で良好な屈折率分布構造を有し、結像性能に優
れることを確認できた。なおトリフルオロエチルアクリ
レートを用いずにトリブロモフェノキシエチルアクリレ
ートとトリメチロールプロパントリアクリレートで処理
した場合におけるレンズ領域の中心と周縁との屈折率差
は0.03であった。
【0035】実施例3 実施例2に準じて得た含浸シートに、アルゴンレーザー
を500μmのスポット径で走査させながら1スポット
あたり100msの間欠方式で最密充填照射したのち、ト
リフルオロエチルアクリレートの30重量%クロロホル
ム溶液(光反応開始剤を含む)の中に浸漬して未反応の
トリブロモフェノキシエチルアクリレートとトリフルオ
ロエチルアクリレートを置換し、その全面に紫外線を照
射してマイクロレンズ領域が密集したアレイ板を得た。
このマイクロレンズアレイ板におけるレンズ領域は、中
心と周縁との屈折率差が0.09で良好な屈折率分布構
造を有し、結像性能に優れることを確認できた。なおト
リフルオロエチルアクリレートを用いずにトリブロモフ
ェノキシエチルアクリレートとトリメチロールプロパン
トリアクリレートで処理した場合におけるレンズ領域の
中心と周縁との屈折率差は0.03であった。
【0036】比較例 実施例2に準じて得た含浸シートに、直径200μmの
露光部を有する二値型マスクを介して紫外線を照射し、
未反応のトリブロモフェノキシエチルアクリレートを抽
出除去してアレイ板を得た。しかしこのアレイ板は、レ
ンズ特性を示さなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、屈折率差が大きい屈折
率分布型の微細レンズ、ないしそのアレイ板を容易に量
産でき、フラットな大面積板も容易に製造できる。また
形状の画一性に優れたレンズ領域を精度よく高密度にア
レイでき、開口率の大きいアレイ板を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】単レンズ板の実施例の部分断面斜視説明図。
【図2】マイクロレンズアレイ板の実施例の部分断面斜
視説明図。
【図3】マスクの部分断面斜視説明図。
【図4】製造装置の説明図。
【図5】液晶表示装置への使用例の説明図。
【符号の説明】
1:ポリマー基材 2:レンズ領域 21:中心部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異屈折率のポリマーを含有する透明なポ
    リマー基材中に、光重合性モノマーが反応してなる屈折
    率分布型のレンズ領域を有することを特徴とするレン
    ズ。
  2. 【請求項2】 異屈折率のポリマーを含有する透明なポ
    リマー基材中に、光重合性モノマーが反応してなる屈折
    率分布型の微小レンズを形成する複数の領域を有するこ
    とを特徴とするマイクロレンズアレイ板。
  3. 【請求項3】 異なる屈折率のポリマーを形成する光重
    合性モノマーを含有する透明なポリマーベースに、光を
    強度分布を有する状態で所定の箇所に照射したのち未反
    応の前記モノマーを除去し、かつ別種のモノマーを含有
    させて重合させることを特徴とする請求項1に記載のレ
    ンズ、又は請求項2に記載のマイクロレンズアレイ板の
    製造方法。
JP30660592A 1992-10-20 1992-10-20 レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法 Pending JPH06130206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30660592A JPH06130206A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30660592A JPH06130206A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06130206A true JPH06130206A (ja) 1994-05-13

Family

ID=17959091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30660592A Pending JPH06130206A (ja) 1992-10-20 1992-10-20 レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06130206A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286912A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Nippon Paint Co Ltd 光学部品の製造方法
WO2010004753A1 (ja) * 2008-07-10 2010-01-14 三井化学株式会社 屈折率変調を記録したフィルム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286912A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 Nippon Paint Co Ltd 光学部品の製造方法
WO2010004753A1 (ja) * 2008-07-10 2010-01-14 三井化学株式会社 屈折率変調を記録したフィルム
KR101278860B1 (ko) * 2008-07-10 2013-07-01 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 굴절률 변조를 기록한 필름
JP5315344B2 (ja) * 2008-07-10 2013-10-16 三井化学株式会社 屈折率変調を記録したフィルム
TWI456785B (zh) * 2008-07-10 2014-10-11 Mitsui Chemicals Inc 記錄折射率調變之薄膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5998096A (en) Process for producing polymerization or crosslinking rate-distributed article and process for producing lens, lens array or waveguide using the process
CA1294470C (en) Process for the production of optical elements
KR100415714B1 (ko) 마이크로릴리프엘리먼트및그제조방법
AU684891B2 (en) Photosensitive recording material, photosensitive recording medium, and process for producing hologram using this photosensitive recording medium
US9676154B2 (en) Apparatus for making an optical waveguide
JPH0618739A (ja) 導波路の製造方法
EP0671638B1 (en) A method of manufacturing a diffuser and a diffuser
US4986633A (en) Microlens and process for producing same
EP0575885B1 (en) Process for producing polymerization or crosslinking rate-distributed article and process for producing lens, lens array or waveguide using the process
JPH06130206A (ja) レンズ、マイクロレンズアレイ板及びその製造方法
JPH0659102A (ja) マイクロレンズアレイ板及びその製造方法
JP3504683B2 (ja) レンズ領域の形成方法並びにレンズ及びレンズアレイ板
JPH0675105A (ja) レンズアレイ板及びその製造方法
US20230042586A1 (en) Interference lithography using reflective base surfaces
JPH06331822A (ja) フィルター式レンズ、レンズアレイ板及びその製造方法並びにその利用装置
JP3800685B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2003043698A (ja) 微細構造体の製造方法、レーザ描画装置、電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置
JP3181998B2 (ja) 重合体の製造方法及び架橋体の製造方法
JPH063506A (ja) レンズの製造方法及びレンズアレイ板の製造方法
JP2003510630A (ja) フォトニック結晶材料
CN113589648A (zh) 双单体全息光致聚合物及其制备成全息记录膜材料的方法
WO2019187907A1 (ja) 樹脂積層光学体及びその製造方法
JPS59204519A (ja) 合成樹脂平面レンズの製造方法
JPS59131430A (ja) 自己収束レンズの作製方法
JPH0627303A (ja) レンズ板及びその製造方法