JPH0562239A - 記録媒体及びこれを用いた情報の記録方法 - Google Patents

記録媒体及びこれを用いた情報の記録方法

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JPH0562239A
JPH0562239A JP91257456A JP25745691A JPH0562239A JP H0562239 A JPH0562239 A JP H0562239A JP 91257456 A JP91257456 A JP 91257456A JP 25745691 A JP25745691 A JP 25745691A JP H0562239 A JPH0562239 A JP H0562239A
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energy
recording
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JP91257456A
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English (en)
Inventor
Yoshihira Maeda
佳均 前田
Isao Ikuta
勲 生田
Yoshimi Kato
義美 加藤
Shoichi Nagai
正一 永井
Nobuo Tsukamoto
信夫 塚本
Hisashi Ando
寿 安藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0055Erasing
    • G11B7/00557Erasing involving phase-change media

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、超微粒子の非晶質−結晶相変化を用
いた微粒子径の制御と量子サイズ効果を利用することに
よって室温でも動作できる高密度光記録を達成すること
を目的とする。 【構成】本発明は、基板上に半導体超微粒子を分散した
誘電体を具備した記録媒体、及びこの光記録媒体を用い
た情報記録再生消去方法および情報記録再生装置であ
る。 【効果】本発明により、室温で高密度光記録が可能にな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報を記録する記録媒
体に係り、特に高密度に情報を記録することができる光
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録の高密度化技術には、例えば、米
国特許第4101976 号公報に記載されるように、有機色素
化合物の電子系光学遷移準位を用い、吸収帯域の変化を
利用した波長多重記録、いわゆるホトケミカルホールバ
ーニング(以下「PHB」と略す。)がある。
【0003】また、半導体超微粒子を閉じ込めたガラス
物性の研究については、“Solid State Communi−catio
n”誌(1985年)、56巻、921頁に、記載されて
いる。
【0004】また、応用物理誌(1990年)55巻、
3号、325−335頁には、半導体超微粒子の光非線
形応答に関して記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】普通に使用されている
PHB材料は、Quinizarin、Phthalocyanine、Porphine
などのゲスト材料が、透明なホスト材料に分散された構
造のものを使用し、これらをPHBの光記録媒体として
機能させるためには液体ヘリウム温度にしなければなら
ない。
【0006】また、PHBは、光記録として利用する場
合には、吸収ホールを読み取る光による色素自体の退色
効果が起こり、このため読み出し回数に制限があった。
【0007】本発明の目的は、室温においても記録再生
可能な高い記録密度を有する記録媒体を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の記録媒体は、基
板上に記録層を有するもであって、記録層が、大きさに
分布を有し、量子サイズ効果のある半導体超微粒子を分
散した誘電体であることを特徴とする。ここで、基板と
しては、誘電体を形成保持しうるものであれば良く、使
用される光に対する透過性の有無は、再生装置によって
適宜選択されうる。また、分布とは統計的にある平均値
が規定できるような分布であることが好ましく、例えば
ガウシアン分布,ローレンツ分布、又はこれらに類似し
た分布がある。
【0009】また、本発明の記録媒体は、基板上に記録
層を有し、この記録層が、光学吸収端エネルギーを制御
可能な半導体超微粒子を分散含有した非晶質マトリック
スからなることを特徴とする。記録層の膜厚は、情報を
記録,再生及び消去する光に対して、媒体に生じる光干
渉を利用できるように最適化することが好ましく、適用
されるデバイス(用途)によって最適な光干渉範囲があ
り、適宜選択されうる。実質的には記録,再生又は消去
が可能な程度に形成されれば良い。
【0010】また、本発明の記録媒体は、基板上に記録
層を有し、この記録層が、微粒子を分散含有したマトリ
ックス(母相)からなり、該マトリックスが前記微粒子
より電子親和エネルギーが小さい材料から形成されるこ
とを特徴とする。微粒子の大きさは、その半径が好まし
くは有効ボーア半径の3倍以下、望ましくは2倍以下で
あり、これらの半径を有するものが全体の80%以上あ
ることが好ましく、望ましくは90%以上である。しか
しこの関係も、使用される各種デバイスによって最適化
されうる。また粒子の大きさは原子の大きさ以上である
ことが好ましい。また、粒子の大きさは、例えば、照射
される光の波長に対して影響される程度の大きさである
ことが望ましい。
【0011】この半導体超微粒子は、実質的にゲルマニ
ウム又はシリコンからなることが好ましく、誘電体は、
実質的に二酸化シリコン又は酸化アルミニウムからなる
ことが好ましい。
【0012】また、本発明の記録媒体は、基板上に形成
した、半径に分布を有する半導体超微粒子を分散した誘
電体膜を具備した記録媒体であって、外部からのエネル
ギーの投入によって、半導体超微粒子内部の結晶部分の
半径を、半導体超微粒子内部に生成する励起子の有効ボ
ーア半径以下で変化させて情報の記録を行うことを特徴
とする。ここで、エネルギーとは、微粒子の状態を変化
させうる程度のものであり、例えば、光,熱,電気,磁
気,圧力等が使用されうる。好ましくは、色素レーザを
使用し、半導体を相変化させる程度のエネルギー密度を
有することが好ましい。
【0013】また、本発明の記録媒体は、基板上に形成
した、半径に分布を有する半導体超微粒子を分散した誘
電体膜を具備した記録媒体であって、半径が前記半導体
超微粒子内部に生成する励起子の有効ボーア半径以上で
あり、外部からのエネルギーの投入によって、半導体超
微粒子内部の結晶部分の半径を、励起子の有効ボーア半
径以下で変化させて情報の記録を行うことことを特徴と
する。
【0014】本発明は、非晶質状態にある微粒子を分散
含有したマトリックスからなる記録層にエネルギーを投
入して情報を記録する情報の記録方法であって、エネル
ギーの投入によって微粒子内部に有効ボーア半径以下の
結晶質状態を形成することを特徴とする情報の記録方法
を提供するものである。
【0015】また、本発明の情報の記録方法は、微粒子
を分散含有したマトリックスからなる記録層にエネルギ
ーを投入することにより情報を記録する情報の記録方法
であって、第1のエネルギーを投入することにより微粒
子を非晶質状態とし、第1のエネルギーより小さいエネ
ルギーの第2のエネルギーを投入することにより微粒子
内部に結晶質状態を形成することを特徴とする。ここ
で、例えばエネルギー(ジュール)は、パワー(ワッ
ト)と時間(秒)との積で規定され、再生より記録、記
録より消去のエネルギーを大きくすることが好ましい。
【0016】また、本発明の情報の記録方法は、非晶質
状態にある半導体超微粒子を分散含有した誘電体からな
る記録層にエネルギーを投入して情報を記録する情報の
記録方法であって、半導体超微粒子の光学吸収端のエネ
ルギー以上のエネルギーを投入することによって前記半
導体超微粒子内部に形成される励起子の有効ボーア半径
以下の結晶質状態を形成することを特徴とする。
【0017】また、本発明の情報の記録方法は、基板上
に半径に分布を有する半導体超微粒子を分散した誘電体
膜を形成した記録媒体にエネルギーを投入し、半導体超
微粒子を溶融して非晶質化すること、更にエネルギーを
投入し、半導体超微粒子の実質的な中心部を結晶化さ
せ、半径に分布を有する結晶部分を形成することを有
し、結晶部分の半径に依存した光吸収端を変化させるこ
とで、光学吸収スペクトル上に現れる吸収波長に情報の
基本単位を対応させ、情報を記録することを特徴とす
る。
【0018】また、情報の記録方法に対して、情報の消
去方法は、基板上に半径に分布を有する半導体超微粒子
を分散した誘電体膜を形成した記録媒体にエネルギーを
投入し、半導体超微粒子を溶融して非晶質化すること、
更にエネルギーを投入し、半導体超微粒子の実質的な中
心部を結晶化させ、半径に分布を有する結晶部分を形成
し情報を記録すること、更にエネルギーを投入し、前記
半導体超微粒子を再度非晶質化し記録した情報を消去す
ることを特徴とする。
【0019】また、情報の記録方法に対して、情報の再
生方法は、基板上に半径に分布を有する半導体超微粒子
を分散した誘電体膜を形成した記録媒体にエネルギーを
投入し、半導体超微粒子を溶融して非晶質化すること、
更にエネルギーを投入し、半導体超微粒子の実質的な中
心部を結晶化させ、半径に分布を有する結晶部分を形成
し情報を記録すること、更にエネルギーを投入し、反
射,透過又は吸収スペクトル上に現れる吸収波長を検出
して情報を再生することを特徴とする。
【0020】また、本発明の情報の記録方法は、基板上
に励起子の有効ボーア半径以上の半径を有し、大きさに
分布を有する半導体超微粒子を分散した誘電体膜を形成
した光記録媒体にエネルギーを投入し、半導体超微粒子
内の結晶部分の半径を有効ボーア半径以下で変化させ、
結晶部分の半径に依存した光吸収端を変化させること
で、光学吸収スペクトル上に現れる吸収波長に情報の基
本単位を対応させ、情報を記録することを特徴とする。
【0021】また、情報の記録方法に対して、情報の消
去方法は、基板上に励起子の有効ボーア半径以上の半径
を有し、大きさに分布を有する半導体超微粒子を分散し
た誘電体膜を形成した光記録媒体にエネルギーを投入
し、半導体超微粒子内の結晶部分の半径を有効ボーア半
径以下で変化させ情報を記録すること、更にエネルギー
を投入し、前記半導体超微粒子内の結晶部分の半径を前
記有効ボーア半径以上にし記録した情報を消去すること
を特徴とする。
【0022】また、情報の記録方法に対して、情報の再
生方法は、基板上に励起子の有効ボーア半径以上の半径
を有し、大きさに分布を有する半導体超微粒子を分散し
た誘電体膜を形成した光記録媒体にエネルギーを投入
し、半導体超微粒子内の結晶部分の半径を有効ボーア半
径以下で変化させ情報を記録すること、更にエネルギー
を投入し、反射,透過又は吸収スペクトル上に現れる吸
収波長を検出して前記情報を再生することを特徴とす
る。
【0023】また、本発明の情報の記録再生方法は、基
板上に半径に分布を有する半導体超微粒子を分散した誘
電体膜を形成した記録媒体に、レーザパルスを投入し
て、半導体超微粒子を溶融して非晶質化し、記録媒体を
初期化すること、レーザパルスを投入して、半導体超微
粒子の実質的な中心部を結晶化し、半導体超微粒子の半
径に依存して半径に分布を有する結晶部分を形成し、結
晶部分の半径に依存した半導体超微粒子の3次の分極率
を変化させて情報を記録すること、時刻t1,t2及びt
3(t1<t2<t3)に第1,第2及び第3の励起パルス
を投入し、第1乃至第3の励起パルスによって半導体超
微粒子の結晶部分に分極を励起すると実質的に同時に、
時刻t4(t4>t3,t4−t3=t2−t1)に第4の励起
パルスを投入し、第4の励起パルスの透過率変化を検出
して情報を再生すること、を特徴とする。
【0024】更に、本発明の情報記録再生装置は、基板
上に形成された半導体超微粒子を分散した誘電体膜を具
備した光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去の少
なくとも一つを行う光を照射する照射手段と、前記光記
録媒体と前記照射手段との間に設置され、光記録媒体か
らの光のスペクトル変化を増幅する増幅手段と、増幅手
段からの光の強度を検出する検出手段と、を有すること
を特徴とする。ここで、増幅手段は、情報の再生に用い
られるとき、特に有効であり、波長の吸収スペクトルの
変化を増幅させることが好ましい。光の透過や反射を利
用することが好ましい。
【0025】また、本発明の情報記録再生装置は、基板
上に形成された半導体超微粒子を分散した誘電体膜を具
備した光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去を行
う光の波長帯域で部分透過する少なくとも2枚の鏡では
さんで形成したファーブリー・ペロ光共振器と、前記光
記録媒体に光を集光し走査する光ヘッドと、再生光の強
度を波長帯域で検出する検出器と、再生光の時間変化を
検出する検出器とを有することを特徴とする。
【0026】また、本発明の情報記録再生装置は、基板
上に形成された半導体超微粒子を分散した誘電体膜を具
備した光記録媒体の両側に設置された半透過鏡及び第1
の全反射鏡、該第1の全反射鏡からの光を受けるように
設置された第2の全反射鏡、並びに該第2の全反射鏡か
らの光を受け、前記半透過鏡に導くように設置された第
3の全反射鏡を具備するリング共振器と、前記光記録媒
体に光を集光し走査する光ヘッドと、再生光の強度を波
長帯域で検出する検出器と、再生光の時間変化を検出す
る検出器とを有することを特徴とする。
【0027】共振器は、干渉計であり、光増幅器として
作用する。特に、リング共振器は、演算機能を有する。
【0028】また、本発明に用いられた技術は、フィル
タ,表示素子,光スイッチ,固体レーザ,光変調器,圧
力センサ,発光素子,非線形光学素子,光演算素子等に
も使用されうる。
【0029】本発明の記録媒体の基本構造は、図1に示
すように、半導体超微粒子13(結晶)を、この微粒子
のエネルギーギャップよりも大きなエネルギーギャップ
を有した誘電体またはガラス(glassy states)14の内
部に埋め込んだ半導体ドープガラス12を基板11に形
成したものである。
【0030】量子サイズ効果の現れる程度の結晶の半径
は、用いる半導体超微粒子の光学吸収端のエネルギーE
g以上のエネルギーのレーザの照射によって微粒子内部
に形成される励起子(エキシトン)の有効ボーア半径a
以下である。
【0031】ボーア半径aは、
【0032】
【数1】
【0033】で示され、数1に用いられたhはプランク
定数、eは電荷、εは光学的誘電定数、meは電子の有
効質量、及びmhは正孔の有効質量である。
【0034】本発明による微粒子の状態は、透過電子顕
微鏡(TEM)で観察することができ、これによりマト
リックス中の微粒子の分布状態も、調べることができ
る。
【0035】また、本発明は、非常に小さなゲルマニウ
ムの微結晶が黄緑色から赤色の波長で室温発光(室温可
視発光)することを見出したことに基づくものである。
【0036】電子の世界は、量子力学の法則によって支
配されている。これによれば、約100Å以下の結晶
(量子サイズ)では、通常のバルク結晶とは異なった性
質や新しい現象が発現する可能性がある。
【0037】そこで、本発明者は、3次元量子井戸(電
子を微小な領域に閉じた状態)の作製に微結晶の析出現
象を利用する新しいアプローチを試みた。
【0038】まず、例えば、ゲルマニウムと二酸化シリ
コンとアルゴンガス中で同時に高周波スパッタリングし
て、非晶質の二酸化シリコンと非晶質ゲルマニウムとが
固溶した状態を作る。これを熱処理すると、非晶質の二
酸化シリコン中にゲルマニウム微結晶を無欠陥で析出さ
せることができる。超高解像度電子顕微鏡観察から、直
径100Å以下の非晶質の二酸化シリコン絶縁体に埋め
込まれた球状の完全結晶ゲルマニウムであることが分か
る。析出という自然現象が作り出した3次元量子井戸と
いえる。
【0039】ゲルマニウムは、シリコンと同じIV族元素
で、光学的には発光不可能な間接遷移型半導体である。
しかし、二酸化シリコン絶縁体中の欠陥のないゲルマニ
ウム微結晶が、フォトルミネッセンス(光励起発光)測
定において、室温で波長5600〜6000Å(黄緑色から
赤色に対応)で強く発光することを確認した。また、こ
の発光ピークの波長がゲルマニウム微結晶の粒径に依存
して変化することを見出した。この従来の常識では考え
られない発光現象から、二酸化シリコン中に析出したゲ
ルマニウム微結晶が、3次元量子井戸として十分に機能
するという事実を見出すことができる。
【0040】本発明で見出されたゲルマニウム微結晶の
発光現象は、3次元の量子効果がもたらす新奇現象と考
えられる。このように3次元量子系では、従来のバルク
結晶とは異なった未知の新機能が発現する可能性があ
り、新しい原理による量子デバイスへの鍵を秘めている
といえる。
【0041】ゲルマニウム微結晶では、ゲルマニウムの
電子的性質(電子のエネルギー、有効質量など)からシ
リコンよりも、より短波長の発光が可能になる。また、
シリコンよりも電子の移動度が大きいなど、ゲルマニウ
ム量子系は、有望な量子デバイスの材料といえる。
【0042】以下、本発明の原理等を順次説明する。
【0043】(光学吸収の制御原理)図1に示される半
導体ドープガラス(Semiconductor−doped glass) 1
2の量子サイズ効果について説明する。誘電体またはガ
ラス14の作るポテンシャルの大きさが無限大であると
き、埋め込まれた半導体超微粒子13の電子状態は、3
次元の量子閉じ込めと考えられる。閉じ込められる半導
体超微粒子(結晶)が平均的に球形であると仮定する
と、電子準位E(l,n)は、
【0044】
【数2】
【0045】で与えられる。ここで、Eg はバルク結晶
のバンドギャップ、Rは半導体結晶粒子の半径、hはプ
ランク定数、μは換算質量(1/μ=1/me+1/m
hで表わされ、meは電子、mhは正孔の有効質量であ
る。)、ψ(l,n)はベッセル関数の固有値であり、
最低状態の固有寧ψ(0,1)はπである。
【0046】これから、半径Rが小さい程、最低エネル
ギーは高エネルギー側にシフトすることがわかる。半導
体超微粒子にバンドギャップ以上のエネルギーの光を照
射すると価電子帯の最高エネルギーの電子が励起され、
励起された電子と正孔の対である励起子(エキシトン)と
が生成する。励起子は、結晶の並進対称性から結晶全体
を自由に伝播できる。これは、エキシトンの波動関数W
(k,t)=u(k)exp(-ikR-iωt)をBloch関数u(k)で展開
できる性質による。こうした励起子はワニエ励起子とい
い、励起子の生成及び消滅は、遷移する電子準位間の双
極子モーメントに依存する。遷移の双極子モーメントP
nは
【0047】
【数3】
【0048】で与えられる。μ(c,v)は、バンド間
遷移の双極子モーメント、nは主量子数、aは励起子の
有効ボーア半径である。これより、最低エネルギー状態
と第1励起状態との間の遷移n=1→2の双極子モーメ
ントの変化が大きいことが分かる。さらに、超微粒子の
直径と有効ボーア半径との比(2R/a)が大きい程、
遷移強度が大きくなることが分かる。したがって、光の
吸収過程は基本的には、数2から得られる最低エネルギ
ーE(0,1)と第1励起状態E(0,2;1,2;−1,
2)への遷移によって決められる。超微粒子の半径Rが
小さくなると、E(0,1)は大きくなるために光学吸
収端は短い波長にシフトすることになる。これは、ブル
ーシフトといわれている。以上の理論的原理から、量子
サイズ効果の出現する範囲で半導体超微粒子の半径Rを
制御すれば、半導体超微粒子の光学吸収端を任意にシフ
トさせることができる。
【0049】本発明の記録原理は、光学吸収スペクトル
の波長分散に対応した情報の波長多重記録を行うもので
ある。マトリックス中に分散した半導体超微粒子の半径
の分布の制御原理については後述するが、半径がガウシ
アン分布しているとすると、半径の度数分布u(R,
σ)は、
【0050】
【数4】
【0051】と表式できる。ここで、Ravは平均半径、
σは分散である。こうした、超微粒子の半径分布は、吸
収スペクトルに反映される。本発明の媒体の吸収は、図
2に示すような平均径Ravに対応した吸収エネルギーE
(0,1:Rav)を中心とした分布を示す。更に波長分
解能を高めてスペクトルの微細構造を観察すると、それ
ぞれの超微粒子の半径に対応した吸収があることが分か
る。図2に示すように吸収スペクトルに形成したこの微
小な吸収帯に情報の単位“1”ビットを対応させること
で波長多重記録を行う。“0”か“1”かは、2次微分
吸収スペクトルのピークの波長を検出する方式、また
は、デジタル信号の変調方式に依存した検出方式で行
う。超微粒子の平均半径Ravとその分散σとを制御する
ことで広い波長範囲での多重記録が可能になる。
【0052】実用的には、大きな半径から量子サイズ効
果の得られる有効ボーア半径の大きな電子−正孔の有効
質量の小さな半導体が好ましい。こうした半導体では、
数2からも分かるように超微粒子の半径Rに対する吸収
端のブルーシフト量が大きくとれるために、記録波長範
囲を大きくとれるメリットを生む。
【0053】(超微粒子径の制御原理)従来の半導体ド
ープガラス中の超微粒子径の制御は、ドープされた半導
体原子の拡散が容易であるような温度でアニールするこ
とでガラス中に過飽和に固溶していた半導体原子を析出
させる方法が採られる。このとき、粒子径R(t)はLif
shits−Slesovの理論式
【0054】
【数5】
【0055】で与えられる。ここで、D0は拡散定数、
Eaはガラスマトリックス中の半導体原子の拡散の活性
化エネルギー、kはボルツマン定数、Tはアニール温度
である。本発明の超微粒子径の制御原理を以下で説明す
る。成膜直後の媒体は、ガラスマトリックス中に半導体
が過飽和固溶している状態であるので、熱処理によって
マトリックスに半導体超微粒子結晶を析出させる。この
過程の粒子径の制御は、数5に基づき、アニール温度と
時間、ガラス中の過飽和度による超微粒子の成長の違い
を用いる。
【0056】(半導体材料及び誘電体材料の選別)誘電
体の材料としては、二酸化シリコン,酸化アルミニウ
ム,窒化シリコン,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウ
ム,酸化ゲルマニウム,酸化イットリウム,酸化ハフニ
ウム,塩化ナトリウム,塩化カリウム,ポリエチレン,
ポリエステル,ポリカーボネイト,ポリメチクルメタノ
ールなど有機樹脂などが好ましい。また、ゼオライトや
多孔質ガラスなども使用できる。半導体の材料として
は、ゲルマニウム,シリコン,テルル,セレン,硫化
鉛,塩化銅,硫化カドミウム,セレン化カドミウムおよ
び硫化カドミウムとセレン化カドミウムの混晶、ゲルマ
ニウムテルル,錫テルル,インジウムテルル,ガリウム
砒素系混晶などが好ましい。両者の組合わせには、誘電
体の材料が閉じ込める半導体材料を固溶しないこと、ま
たは、固溶する場合でも、5at%以下であることが望
ましい。更に、望ましくは、誘電体の材料の電子親和エ
ネルギーρ1 が半導体材料の電子親和エネルギーρ2
りも小さい。好ましくは|ρ1−ρ2|が0.5eV 以上
である。
【0057】(作製方法)本発明の記録媒体の作製方法
としては、誘電体の材料を形成できる成膜技術、各種ス
パッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)
法,化学メッキ,ソルゲル法,ゼオライトや多孔質ガラ
スの細孔への含浸法,真空蒸着法,有機樹脂の懸濁液の
塗布法,窒化物又は酸化物の還元分解法等がある。
【0058】(媒体への情報の記録と消去方法)図3に
半径Rの1個の半導体超微粒子の記録と消去状態での構
造の変化を示す。本発明の光記録媒体の消去状態には、
次の2つの構造が対応する。
【0059】 超微粒子の内部全体が非晶質化した構
造。図3(1) 超微粒子の内部の結晶部分の半径Rcが有効ボアー
半径a以上である構造。図3(3) では、高エネルギーの数ピコ秒(ps)程度のレーザ
パルスを媒体に照射すると、半導体超微粒子全体は数1
000℃に加熱され溶融し急冷して超微粒子全体が非晶
質化する(図3(1)参照)。記録は、超微粒子の結晶
部分の半径Rcを変化させる。これは、全体が非晶質化
した超微粒子に比較的低エネルギーのレーザパルスを照
射して、非晶質化した超微粒子を中心部から結晶化して
いく(図3(2)参照)。したがって、超微粒子は非晶
質相に埋め込まれた結晶相から構成され、Rcに対応し
た量子サイズ効果と吸収端のブルーシフトが情報の記録
に必要な制御因子となる。ここで、非晶質化した超微粒
子にレーザパルスを照射したときの結晶化について説明
する。超微粒子は、照射するレーザの波長に比べて著し
く小さいために、超微粒子全体で一様に吸収されるの
で、一様の温度に加熱されるが、熱伝導による冷却過程
は、表面と内部では著しく異なる。表面の冷却速度は内
部よりも大きい。これは、放熱面積がR2 に比例するた
めである。したがって、中心部が徐冷されやすく溶融後
に結晶化には好条件であるといえる。また、核生成及び
成長理論では、表面積がなるべく小さい結晶核が成長し
易いために、超微粒子の表面よりは中心部で核生成す
る。こうした核生成のメカニズムから、結晶を芯に非晶
質を皮にした超微粒子の状態ができる。
【0060】では、結晶部分の半径Rcを有効ボアー
半径a以上にすることで、吸収が検出する波長領域より
も長波長側にシフトするため、見かけ上未記録状態にす
ることができる(図3(3)参照)。
【0061】図4(1)と図4(2)とに未記録又は消
去状態での半導体超微粒子内部構造の分布と吸収スペク
トルの変化を示す。本発明の未記録又は消去状態は、有
効ボアー半径a以上のいろいろな半径をもった非晶質の
半導体超微粒子(図4(1))、または、有効ボアー半径
a以上のいろいろな半径をもった結晶の半導体超微粒子
(図4(2))からなる。このとき、検出している波長
範囲の吸収スペクトルには、何らの吸収ピークも検出で
きない。したがって、未記録又は消去状態になる。
【0062】図5(1)と図5(2)とに2つの記録状
態での半導体超微粒子内部構造の分布及び吸収スペクト
ルの変化を示す。本発明の未記録又は消去状態は、いろ
いろな半径をもった非晶質の超微粒子からなる。本発明
の記録状態は数2に従って、結晶部分の半径Rcの分布
によって決まる。レーザパルスなど光エネルギーの照射
によって、半導体超微粒子の中心部に形成する結晶部分
の半径は、半導体超微粒子の半径が大きいものほど小さ
くなる。これは、大きいものほど中心の温度が低いため
である。この現象を利用して結晶部分の半径Rcの分布
を高度に制御することができる。情報の書替えは、一度
図4(1)または図4(2)に示した消去状態にしてか
ら記録する方法と記録レーザパルスを再度照射して結晶
部分の半径を増加させる方法とがある。前者の方法は、
常に検出している波長範囲を固定できる長所がある。後
者は、書替え毎に結晶部分の半径が増加するために、吸
収位置が長波長側にシフトするため、検出波長範囲を予
め広く設定しておく必要がある。これにより、吸収を検
出する分解能を犠牲にする必要がある。ただし、後者の
方法では、新しい情報の重ね書き(オーバライト)が可
能であるために、情報の書替え速度が速いという長所が
ある。以上の2方法は、システムとして複合して用いる
ことができる。
【0063】(動作温度)従来のPHBは、動作温度が
液体窒素温度よりも低いことが実用上の信頼性の問題で
あった。そこで、本発明の光記録媒体の原理からメモリ
としての動作温度を検討する。本発明の光記録媒体は、
物理的には0次元量子系の特徴である。したがって、数
2に規定された0次元量子系の特徴を有している。(X
YZ)3方向が量子サイズになっている超微粒子では、
電子と正孔とのエネルギーは離散的になり、状態密度g
(E)は各エネルギー準位で事実上無限大になる。実際の
電子分布は、状態密度g(E)と温度による電子状態の分
布の揺らぎを示すフェルミーディラック(Fermi−Dira
c)統計f(E)との積で与えられる。ここで、f(E)は
【0064】
【数6】
【0065】で示され、Efは、フェルミエネルギー,
Kはボルツマン定数,Tは温度である。したがって、g
(E)f(E)は、各電子準位Enのところで温度に関
係なく無限大に発散する。実際には、超微粒子での電子
波の散乱のために有限の電子のエネルギー分布を示す
が、分布が非常に狭いエネルギーに集中する。この0次
元量子系の特徴は、本発明の1つである光記録媒体の情
報の記録動作を室温またはそれ以上の温度でも、温度に
よる電子系のゆらぎの影響を受けにくいために動作でき
ることを示しており、このことが同じ波長多重記録媒体
であるPHBと本質的に異なるところである。
【0066】(蓄積フォトンエコーによる記録再生方
法)フォトンエコーは3次の非線形光学効果の1つであ
り、3つの光電場が関係する。時刻t1,t2,t3に照
射したE1,E2,E3の3つの励起パルスによってマクロ
な3次非線形分極Pが媒体中に励起され、この分極から
時刻t3+t2−t1 に放射される光がフォトンエコーで
あるが、分極が励起された時刻t4 に第4のパルスを媒
体に通し、このプローブ光の透過率変化としてこの分極
を検出することができる。したがって、t4−t3=t2
−t1の関係が満たされなければならない。フォトンエ
コーもPHB同様、4.2K 付近の低温で観測される
が、本発明の光記録媒体では、室温またはそれ以上の温
度の動作温度でフォトンエコーを動作できる。更に、本
発明では、フォトンエコーの物理的要因である3次非線
形光学分極Pを大きくすることができる。3次の分極率
χ3
【0067】
【数7】
【0068】で与えられる。rは超微粒子の占有面積の
割合、ω1 はエキシトンの最低エネルギーでの角周波数
である。これから、超微粒子径Rの−3乗に3次の非線
形分極率が比例して増大することが分かる。本光記録媒
体では、したがって上述した超微粒子の平均径の制御に
よって数々のモードのフォトンエコーを起こすことがで
きる。
【0069】
【作用】本発明では、超微粒子の量子サイズ効果とレー
ザパルス照射による超微粒子内部の非晶質−結晶相変化
を利用した半導体結晶部分の半径平均径の制御によっ
て、波長多重記録およびフォトンエコーメモリが可能と
なる。
【0070】
【実施例】
(実施例1)SiO2 ターゲット上をGeのチップで一
定の面積被覆して、rf−マグネトロンスパッタリング
法でガラス,石英,Si基板上に成膜した。スパッタリ
ング出力は、1200W、Arガス分圧は20mTor
rである。成膜した試料は、真空中、800℃以上で3
0分間熱処理して、SiO2 中に過飽和固溶していたG
eを析出させ図1の構造の光記録媒体を作製した。レー
ザラマン分光スペクトルから熱処理によってSiO2
に平均半径70Åで分布したGe超微粒子を分散成長さ
せた。
【0071】図6に波長5145ÅのArイオンレーザ
で励起したときのフォトルミネッセンス発光強度を示
す。波長6200Å付近に鋭い発光ピークと5800Å
を中心とした波長範囲でブロードな発光が起こることが
分かる。これは、Geの超微粒子の量子サイズ効果によ
って形成されたGeのΓ点付近の量子準位間の電子遷移
による発光である。そこで、この記録媒体にエネルギー
密度Eの異なった1psのレーザパルスを照射して吸収
スペクトルの変化を観測した。E>100kW/cm2
は、吸収が見られなかった。これは、Geの超微粒子が
溶融して非晶質化したためである。E=〜20kW/cm
2 では、照射回数とともに吸収波長が短波長側にシフト
することが観測された。これは、吸収波長がGe超微粒
子の結晶径に依存していることを示している。本実施例
によって、本発明の情報記録再生消去方式の原理的有効
性を確認した。
【0072】本発明によれば、従来の情報の基本単位を
光記録媒体上に形成した数μmの記録マーク自体を小さ
くすることで単位面積当りの記録マークの密度を向上す
る手法のように記録に用いるレーザを短波長化する必要
がなく、またレーザを集光する対物レンズの開口数を大
きくする必要もない。また、本発明によれば波長多重記
録が可能なため、単位面積当りの記録密度が6×1010
ビット/cm2 にもなる。これは、光ディスクにおける記
録密度108ビット/cm2よりも600倍以上も高密度記
録を可能にしているといえる。
【0073】また、PHB光記録として使用できる温度
範囲は0.3〜25K に限られるのに対して、本発明は
室温またはそれ以上の温度で使用できる。
【0074】さらに本発明は吸収ホールの形成に対して
エネルギー敷居値を有するため、再生光の安定性がよ
い。
【0075】(実施例2)Al23ターゲット上をSi
のチップで一定の面積被覆して、rf−マグネトロンス
パッタリング法でガラス,石英基板上に成膜した。スパ
ッタリング出力は、1200W、Arガス分圧は20m
Torrである。成膜した試料は、レーザを照射して部分的
に加熱してAl23中に過飽和固溶していたSiを析出
させた。照射するレーザのパワーとパルス幅を調整し
て、成長させるSiの超微粒子の半径の分布を制御でき
た。本方法によって、Al23中に半径分布を有したS
iの超微粒子を数μmから数十μmのマトリックス状に
成長させられることが分かった。本実施例で作製した光
記録媒体でも(実施例1)と同様の効果を確認した。
【0076】(実施例3)図7に本発明の情報記録再生
装置の1つの実施例を示す。光記録媒体は5μm角のエ
レメント71がマトリックス状に配置したものから構成
され、両面に2枚の部分透明ミラー72または適当な反
射率になる誘電体膜を設置して、ファブリー・ペロー共
振器73を形成した。各々のエレメントに所定の回数だ
けレーザパルス74を照射することで、エレメントの吸
収スペクトルを変化させたあと、色素レーザ75を照射
して吸収波長で共振させて透過率が最大になるようにフ
ァブリー・ペロ共振器のミラー間隔76を変化させるこ
とで吸収ピークを高感度に検出器77で検出した。本装
置によって本発明の光記録媒体への波長多重記録が可能
である。
【0077】(実施例4)図8に本発明の情報記録再生
装置の1つの実施例を示す。光記録媒体は、(実施例
3)と同じである。本装置は光記録媒体81を部分透明
ミラー82と全反射ミラー83で挾み、全反射ミラー8
3に対向した位置に全反射ミラー84を設け、更に全反
射ミラー84に対向した位置に全反射ミラー85を設け
たリング共振器の配置をもつ。部分透明ミラー82を通
して光記録媒体81の各々のエレメントに所定の回数だ
けレーザパルス87を照射することで、各エレメントの
吸収スペクトルを変化させたあと、色素レーザ87を照
射して吸収波長で共振させて透過率が最大になるように
リング共振器のミラー間隔を変化させることで吸収ピー
クを高感度に検出器86で検出した。検出波長範囲が4
00〜600nmで検出器として高速フーリエ変換装置
を用いたとき、各吸収波長を分解能2Åで形成し500
〜1000の波長多重度を達成した。
【0078】(実施例5)図9に本発明の蓄積フォトン
エコーによる情報再生装置の実施例を示す。レーザパル
ス91は、偏向ビームスプリッタ92によってポンプ光
とプルーブ光に分割する。この2つの光はそれぞれ光学
遅延回路93と94とで時間的に変調され集光光学系9
5によって光記録媒体96に照射される。光記録媒体を
透過したポンプ光とプルーブ光とは、コリメートレンズ
97によって検出器98に導かれる。検出器98では、
ポンプ光とプルーブ光との時間差(位相差)を検出し光
記録媒体96でのフォトンエコーの発生を時間的に検出
する。光記録媒体96は、図7に示したようにマトリッ
クス状になっており、各マトリックスへのレーザパルス
91の走査は、移動装置99によって行う。
【0079】
【発明の効果】本発明の光記録媒体、情報の記録再生消
去方法および情報記録再生装置を用いることによって、
超高密度な情報の記録,再生,消去が室温またはそれ以
上の温度で動作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、光記録媒体の構成図である。
【図2】図2は、吸収スペクトル図である。
【図3】図3は、記録と消去過程の説明図である。
【図4】図4は、消去状態の説明図である。
【図5】図5は、消去状態の説明図である。
【図6】図6は、実施例の発光特性図である。
【図7】図7は、本発明の情報記録再生装置の構成図で
ある。
【図8】図8は、本発明の情報記録再生装置の構成図で
ある。
【図9】図9は、本発明の情報記録再生装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
11…基板、12…半導体ドープガラス、13…半導体
超微粒子、14…ガラスまたは誘電体マトリックス、3
1…非晶質状態の半導体超微粒子、32…半導体超微粒
子の結晶部分、71…マトリックス状エレメントに分割
した光記録媒体、72…部分透明ミラーまたは誘電体
膜、53…ファブリー・ペロー共振器、74…レーザパ
ルス、75…色素レーザ、76…ミラー間隔、77…検
出器、81…光記録媒体、82…部分透明ミラー、83
…全反射ミラー、84…全反射ミラー、85…全反射ミ
ラー、86…検出器、87…レーザパルス、91…レー
ザパルス、92…偏向ビームスプリッタ、93…光学遅
延回路1、94…光学遅延回路2、95…集光光学系、
96…光記録媒体、97…コリメートレンズ、98…検
出器、99…移動装置、a…ボアー半径、Rm…半導体
超微粒子の半径、Rc…半導体超微粒子の結晶部分の半
径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 正一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 塚本 信夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 安藤 寿 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に記録層を有する記録媒体におい
    て、前記記録層が、大きさに分布を有し、量子サイズ効
    果のある半導体超微粒子を分散した誘電体であることを
    特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】基板上に記録層を有する記録媒体におい
    て、前記記録層が、光学吸収端エネルギーを制御可能な
    半導体超微粒子を分散含有した非晶質マトリックスから
    なることを特徴とする記録媒体。
  3. 【請求項3】基板上に記録層を有する記録媒体におい
    て、前記記録層が、微粒子を分散含有したマトリックス
    からなり、該マトリックスが前記微粒子より電子親和エ
    ネルギーが小さい材料から形成されることを特徴とする
    記録媒体。
  4. 【請求項4】非晶質状態にある微粒子を分散含有したマ
    トリックスからなる記録層にエネルギーを投入して情報
    を記録する情報の記録方法であって、前記エネルギーの
    投入によって前記微粒子内部に有効ボーア半径以下の結
    晶質状態を形成することを特徴とする情報の記録方法。
  5. 【請求項5】微粒子を分散含有したマトリックスからな
    る記録層にエネルギーを投入することにより情報を記録
    する情報の記録方法であって、第1のエネルギーを投入
    することにより前記微粒子を非晶質状態とし、前記第1
    のエネルギーより小さいエネルギーの第2のエネルギー
    を投入することにより前記微粒子内部に結晶質状態を形
    成することを特徴とする情報の記録方法。
  6. 【請求項6】非晶質状態にある半導体超微粒子を分散含
    有した誘電体からなる記録層にエネルギーを投入して情
    報を記録する情報の記録方法であって、前記半導体超微
    粒子の光学吸収端のエネルギー以上のエネルギーを投入
    することによって前記半導体超微粒子内部に形成される
    励起子の有効ボーア半径以下の結晶質状態を形成するこ
    とを特徴とする情報の記録方法。
  7. 【請求項7】前記半導体超微粒子が、実質的にゲルマニ
    ウム又はシリコンからなることを特徴とする請求項1記
    載の記録媒体。
  8. 【請求項8】前記誘電体が、実質的に二酸化シリコン又
    は酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1
    記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】基板上に形成した、半径に分布を有する半
    導体超微粒子を分散した誘電体膜を具備した記録媒体で
    あって、外部からのエネルギーの投入によって、前記半
    導体超微粒子内部の結晶部分の半径を、前記半導体超微
    粒子内部に生成する励起子の有効ボーア半径以下で変化
    させて情報の記録を行うことを特徴とする記録媒体。
  10. 【請求項10】基板上に形成した、半径に分布を有する
    半導体超微粒子を分散した誘電体膜を具備した記録媒体
    であって、前記半径が前記半導体超微粒子内部に生成す
    る励起子の有効ボーア半径以上であり、外部からのエネ
    ルギーの投入によって、前記半導体超微粒子内部の結晶
    部分の半径を、前記励起子の有効ボーア半径以下で変化
    させて情報の記録を行うことことを特徴とする記録媒
    体。
  11. 【請求項11】基板上に半径に分布を有する半導体超微
    粒子を分散した誘電体膜を形成した記録媒体にエネルギ
    ーを投入し、前記半導体超微粒子を溶融して非晶質化す
    ること、更にエネルギーを投入し、前記半導体超微粒子
    の実質的な中心部を結晶化させ、半径に分布を有する結
    晶部分を形成することを有し、前記結晶部分の半径に依
    存した光吸収端を変化させることで、光学吸収スペクト
    ル上に現れる吸収波長に情報の基本単位を対応させ、情
    報を記録することを特徴とする情報の記録方法。
  12. 【請求項12】基板上に半径に分布を有する半導体超微
    粒子を分散した誘電体膜を形成した記録媒体にエネルギ
    ーを投入し、前記半導体超微粒子を溶融して非晶質化す
    ること、更にエネルギーを投入し、前記半導体超微粒子
    の実質的な中心部を結晶化させ、半径に分布を有する結
    晶部分を形成し情報を記録すること、更にエネルギーを
    投入し、前記半導体超微粒子を再度非晶質化し記録した
    前記情報を消去することを特徴とする情報の消去方法。
  13. 【請求項13】基板上に半径に分布を有する半導体超微
    粒子を分散した誘電体膜を形成した記録媒体にエネルギ
    ーを投入し、前記半導体超微粒子を溶融して非晶質化す
    ること、更にエネルギーを投入し、前記半導体超微粒子
    の実質的な中心部を結晶化させ、半径に分布を有する結
    晶部分を形成し情報を記録すること、更にエネルギーを
    投入し、反射,透過又は吸収スペクトル上に現れる吸収
    波長を検出して前記情報を再生することを特徴とする情
    報の再生方法。
  14. 【請求項14】基板上に励起子の有効ボーア半径以上の
    半径を有し、大きさに分布を有する半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を形成した光記録媒体にエネルギーを投
    入し、前記半導体超微粒子内の結晶部分の半径を前記有
    効ボーア半径以下で変化させ、前記結晶部分の半径に依
    存した光吸収端を変化させることで、光学吸収スペクト
    ル上に現れる吸収波長に情報の基本単位を対応させ、情
    報を記録することを特徴とする情報の記録方法。
  15. 【請求項15】基板上に励起子の有効ボーア半径以上の
    半径を有し、大きさに分布を有する半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を形成した光記録媒体にエネルギーを投
    入し、前記半導体超微粒子内の結晶部分の半径を前記有
    効ボーア半径以下で変化させ情報を記録すること、更に
    エネルギーを投入し、前記半導体超微粒子内の結晶部分
    の半径を前記有効ボーア半径以上にし記録した前記情報
    を消去することを特徴とする情報の消去方法。
  16. 【請求項16】基板上に励起子の有効ボーア半径以上の
    半径を有し、大きさに分布を有する半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を形成した光記録媒体にエネルギーを投
    入し、前記半導体超微粒子内の結晶部分の半径を前記有
    効ボーア半径以下で変化させ情報を記録すること、更に
    エネルギーを投入し、反射,透過又は吸収スペクトル上
    に現れる吸収波長を検出して前記情報を再生することを
    特徴とする情報の再生方法。
  17. 【請求項17】基板上に半径に分布を有する半導体超微
    粒子を分散した誘電体膜を形成した記録媒体に、レーザ
    パルスを投入して、前記半導体超微粒子を溶融して非晶
    質化し、記録媒体を初期化すること、レーザパルスを投
    入して、前記半導体超微粒子の実質的な中心部を結晶化
    し、前記半導体超微粒子の半径に依存して半径に分布を
    有する結晶部分を形成し、前記結晶部分の半径に依存し
    た半導体超微粒子の3次の分極率を変化させて情報を記
    録すること、時刻t1,t2及びt3(t1<t2<t3)に
    第1,第2及び第3の励起パルスを投入し、該第1乃至
    第3の励起パルスによって前記半導体超微粒子の結晶部
    分に分極を励起すると実質的に同時に、時刻t4(t4
    3,t4−t3=t2−t1)に第4の励起パルスを投入
    し、該第4の励起パルスの透過率変化を検出して前記情
    報を再生すること、を特徴とする情報の記録再生方法。
  18. 【請求項18】基板上に形成された半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を具備した光記録媒体に対して情報の記
    録,再生,消去の少なくとも一つを行う光を照射する照
    射手段と、前記光記録媒体と前記照射手段との間に設置
    され、前記光記録媒体からの光のスペクトル変化を増幅
    する増幅手段と、該増幅手段からの光の強度を検出する
    検出手段と、を有することを特徴とする情報記録再生装
    置。
  19. 【請求項19】基板上に形成された半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を具備した光記録媒体に対して情報の記
    録,再生,消去を行う光の波長帯域で部分透過する少な
    くとも2枚の鏡ではさんで形成したファーブリー・ペロ
    光共振器と、前記光記録媒体に光を集光し走査する光ヘ
    ッドと、再生光の強度を波長帯域で検出する検出器と、
    再生光の時間変化を検出する検出器とを有することを特
    徴とする情報記録再生装置。
  20. 【請求項20】基板上に形成された半導体超微粒子を分
    散した誘電体膜を具備した光記録媒体の両側に設置され
    た半透過鏡及び第1の全反射鏡、該第1の全反射鏡から
    の光を受けるように設置された第2の全反射鏡、並びに
    該第2の全反射鏡からの光を受け、前記半透過鏡に導く
    ように設置された第3の全反射鏡を具備するリング共振
    器と、前記光記録媒体に光を集光し走査する光ヘッド
    と、再生光の強度を波長帯域で検出する検出器と、再生
    光の時間変化を検出する検出器とを有することを特徴と
    する情報記録再生装置。
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