JPH05232202A - ソフトウェアグラディオメータ - Google Patents

ソフトウェアグラディオメータ

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JPH05232202A
JPH05232202A JP4038099A JP3809992A JPH05232202A JP H05232202 A JPH05232202 A JP H05232202A JP 4038099 A JP4038099 A JP 4038099A JP 3809992 A JP3809992 A JP 3809992A JP H05232202 A JPH05232202 A JP H05232202A
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JP
Japan
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magnetic flux
flux sensor
gladiometer
magnetic field
software
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Withdrawn
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JP4038099A
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Inventor
Takao Goto
隆男 後藤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微小磁束の測定に用いられる高感度なSQUI
D磁束計に関し、磁束センサユニットに広大なダイナミ
ックレンジを持たせずに済むソフトウェアグラディオメ
ータを提供することを目的とする。 【構成】環境磁界を測定し、その結果を補償電流として
出力する磁束センサユニット4a〜4zを一個及至複数
個設けると共に、この磁束センサユニット4a〜4z
が、微小磁束を測定する磁束センサユニット3a〜3z
に補償電流を供給することにより、磁束センサユニット
3a〜3zが検出する被測定磁束に混入する環境磁界の
成分を取り除く手段を設けることにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小磁束の測定に用い
られる高感度なSQUID磁束計に関する。近年、生体
などから発生する微小磁束の測定にSQUID(超伝導
量子干渉計)を利用した高感度な磁束計が利用されてい
る。この磁束計を用いて、脳及び心臓における磁界分布
を測定することにより、磁界を発生させている電流源を
推定することが可能である。
【0002】SQUID磁束計は、診断上非常に有意義
な情報を提供すると共に、生体内の神経活動を解明する
のにも役立つことが指摘されている。しかし、生体から
発生する磁界の大きさは、その周りの環境磁界に比べて
非常に小さい。例えば、地磁気の大きさが少なく見積も
っても10-7テスラのオーダーであるのに対し、人体の
心臓から発生する磁界の大きさは、その最大であっても
5×10-11〜10-10テスラしかない。
【0003】また、脳から発生する磁界の大きさは、更
に小さく、10-12 程度である。このような微小磁束を
測定するためには、外界の磁界ノイズを大幅に低減しな
ければならない。特に、生体内の電流源の位置を正確に
推定するためには、環境磁界のノイズを十分に低減し、
S/N比をできるだけ大きくする必要がある。
【0004】
【従来の技術】前記のように、生体などから発生する微
小磁束の測定を行なうためには、地磁気などの環境磁界
を低減しなければならない。この目的を達するため、被
測定磁束を検出する検出コイルには、従来より、図10
(a)に示す一次のグラディオメータ110、又は図1
0(b)に示す二次のグラディオメータ111が使われ
ている。
【0005】図(a)の一次のグラディオメータ110
の場合、一対のコイルは電流が互いに逆向きに流れるよ
うに巻かれている。従って、グラディオメータ110
が、被測定磁界以外の地磁気など、空間的に一定の勾配
を持つ磁界を検出すると、この磁界による誘導電流は互
いに打ち消し合う。そのため、被測定磁界による誘導電
流のみを取り出すことができる。
【0006】図(b)の二次のグラディオメータ111
は、ふたつの一次のグラディオメータを上下に組み合わ
せたものである。グラディオメータ111におけるコイ
ルの巻き方は、双方の一次のグラディオメータの上側の
コイル及び下側のコイルの組を流れる電流が、互いに逆
向きになるように構成されている。従って、空間的に一
次の勾配を持つ環境磁界の影響を取り除くことができ
る。
【0007】一方、被測定磁界は、図10の英字符bで
示すコイル間距離に渡って空間的に勾配を持つので、こ
れを検出することができる。ところで、検出信号のS/
N比は、コイル間距離と密接な関係がある。即ち、コイ
ル間距離を小さくすれば、その距離の間だけ一定あるい
は一次の勾配を持つ、ほとんどの環境磁界の作用を消し
去ることができる。従って、よりS/N比の高い検出信
号を得ることができるが、その検出信号は微弱なものと
なる。
【0008】逆にコイル間距離を大きくすれば、環境磁
界の成分が増大する。しかし、被測定磁界は、生体側に
置かれる方のコイル一つで拾うことになるので、強い検
出信号を得ることができる。このように、環境ノイズ
と、検出信号の強さとの間には、トレードオフの関係が
ある。
【0009】ところで、通常、生体磁気の発生源(以
下、「電流源」と呼ぶ。)として、電流ダイポールが仮
定されている。電流ダイポールからの磁界を測定しよう
とする場合、電流源から検出コイルまでの距離が大きい
ときには、被測定磁界の勾配は緩くなる。従って、グラ
ディオメータのコイル間距離は大きくとる必要がある。
つまり、磁束計の置かれる環境や、測定したい磁界の発
生源の位置によって、最適なコイル間距離が変化する。
【0010】コイル間距離を条件に応じて変える方法と
しては、グラディオメータ110又は111を構成する
コイルを分割し、それぞれを独立した磁束センサユニッ
トとし、この磁束センサユニット各々の出力の差を演算
し、グラディオメータ110又は111と等価な出力を
得る方法がある。これは、ソフトウェアグラディオメー
タと呼ばれている。
【0011】図11は、従来のソフトウェアグラディオ
メータを示す図である。図中、磁束センサユニット12
2,123は、マグネトメータで構成する検出コイル1
20,121を含む。また、英字符bで示されるコイル
間距離は、調節することができる。演算回路124は、
二つの磁束センサユニット122,123の出力の差を
とっており、その一次微分出力は、ソフトウェアグラデ
ィオメータ125の出力となっている。
【0012】なお、このようなマグネトメータは、「 Na
kanishi M, et al "Two channel dcSQUID magnetometer
system for biomagnetic application" In : Atsumi
K,Kotani M, et al, Biomagnetism '87, Tokyo Denki U
niversity Press, pp446-449(1988) 」 に記載されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のソフト
ウェアグラディオメータにおいては、各磁束センサユニ
ットが、その検出コイルに鎖交するすべての磁束を検出
する。検出コイルには、0次のグラディオメータである
マグネトメータが用いられている。ここで、脳の微小な
磁界をS/N比良く測定しようとすると、最高感度は1
-14 テスラほど必要である。
【0014】一方、地磁気やその他の大きな環境磁界も
測定するので10-7テスラほどの磁界に対しても、磁束
計が飽和せずに測定ができなくてはならない。従って、
計算すると107 ほどのダイナミックレンジが必要にな
る。このように、微小磁界を測定しようとすると、非常
に広いダイナミックレンジが必要になるという問題点が
あった。
【0015】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、微小磁界を測定するための磁束センサユニットと、
環境磁界を測定するための磁束センサユニットとを設
け、それぞれのユニットが比較的狭いレンジの磁界を測
定することによって、広大なダイナミックレンジを不要
とするソフトウェアグラディオメータを提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
目的は、前記特許請求の範囲に記載した手段にて達成さ
れる。
【0017】すなわち、請求項1の発明は、被測定磁束
を検出する、SQUIDを用いた磁束センサと、SQU
IDの出力を線形化するフィードバック回路とを有する
磁束センサユニットを複数個備えたマルチチャンネルS
QUID磁束計において、環境磁界を測定し、その結果
を補償電流として出力する新たな磁束センサユニットを
一個及至複数個設け、この新たな磁束センサユニットが
前記磁束センサユニットに補償電流を供給することによ
り、磁束センサユニットが検出する被測定磁束に混入す
る環境磁界の成分を取り除く手段を具備させると共に、
更に、前記複数個の磁束センサユニットの出力間の差を
計算し、被測定磁界の微分出力を得る演算回路を設ける
ソフトウェアグラディオメータである。
【0018】また、請求項2の発明は、環境磁界を測定
する前記磁束センサユニットの補償電流を、前記フィー
ドバック回路のフィードバックループに加える手段を具
備するソフトウェアグラディオメータである。
【0019】また、請求項3の発明は、前記フィードバ
ック回路においてフィードバックコイルを設けると共
に、環境磁界を測定する前記磁束センサユニットの補償
電流を、前記フィードバックコイルに加える手段を具備
するソフトウェアグラディオメータである。
【0020】また、請求項4の発明は、SQUIDを用
いた前記磁束センサにおいて、被測定磁界そのものを検
出するマグネトメータ、又はある距離を隔てた検出コイ
ルの差をとる一次のグラディオメータ、又は二対の一次
のグラディオメータの差をとる二次のグラディオメー
タ、又はそれ以上の高次のグラディオメータで構成する
検出コイルを設けると共に、環境磁界を測定する前記磁
束センサユニットにおいても、同様のマグネトメータあ
るいは一次数以上のグラディオメータで構成する検出コ
イルを設けるソフトウェアグラディオメータである。
【0021】また、請求項5の発明は、検出コイルを含
む、SQUIDを用いた前記磁束センサ、又はこの磁束
センサと前記フィードバック回路とを一枚の基板上に集
積化するソフトウェアグラディオメータである。
【0022】また、請求項6の発明は、環境磁界を測定
する前記磁束センサユニットの出力部に帯域制限を行な
うフィルタを設け、環境磁界からそのノイズ成分を取り
除いた補償電流を、被測定磁束を検出する前記磁束セン
サユニットに供給するソフトウェアグラディオメータで
ある。
【0023】また、請求項7の発明は、被測定磁束を検
出する前記磁束センサユニット、又は環境磁界を測定す
る前記磁束センサユニットにおいて、SQUID出力が
ディジタルパルスを出力するものである磁束センサを設
けると共に、SQUIDに加わる入力磁束の増減を打ち
消すように結合する超伝導インダクタンスと、SQUI
D出力のパルスを入力する毎にこの超伝導インダクタン
スに磁束量子を書き込んでいく書き込みゲートとを有す
るフィードバック回路を設けるソフトウェアグラディオ
メータである。
【0024】また、請求項8の発明は、被測定磁束を検
出する前記磁束センサユニット、又は環境磁界を測定す
る前記磁束センサユニットにおいて、SQUID出力が
ディジタルパルスを出力するものである磁束センサを設
けると共に、SQUID出力のパルスを積分するアップ
ダウンカウンタ及びD/A変換器を有するフィードバッ
ク回路を設けるソフトウェアグラディオメータである。
【0025】また、請求項9の発明は、ジョセフソン集
積回路で構成する前記演算回路を設けるソフトウェアグ
ラディオメータである。
【0026】
【作用】図1は、本発明の原理を説明するためのブロッ
ク図である。図1において、磁束センサ1はSQUID
を用いて構成してある。フィードバック回路2は、磁束
センサ1の出力を線形化するものであり、その出力を磁
束センサ1にフィードバックしている。被測定磁束を検
出する磁束センサユニット3a〜3zを複数個設けてあ
るので、同時に多点の微小磁界を検出することができ
る。
【0027】また、環境磁界を測定するために、少なく
とも一つの磁束センサユニット4a〜4zを、被測定磁
界の発生源より十分に距離をおいて配置している。この
磁束センサユニット4a〜4zが出力する補償電流は、
磁束センサユニット3a〜3zへ供給し、フィードバッ
ク磁束として加える。演算回路5は、磁束センサユニッ
ト3a〜3zの出力をさまざまに組み合わせ、その差を
とり”微分出力1〜M”を得ている。
【0028】図2は、図1の原理説明を補足するための
図である。図2の構成では、磁束センサユニット9は、
ノイズ磁界のみを測定し、その出力をフィードバック磁
束を発生させる補償電流として、磁束センサユニット8
に供給している。従って、磁束センサユニット8におけ
るフィードバック回路7は、ノイズ磁界の方に関しては
これを磁束センサ6にフィードバックする必要がないの
で、微小磁界のみをフィードバックするだけでよい。
【0029】よって、磁束センサユニット8は、微小磁
界のみを測定できればよく、微小磁界に対して必要なだ
けのダイナミックレンジを持てばよい。一方、磁束セン
サユニット9の方は、微小磁界を測定する必要がないの
で、ノイズ磁界に対して必要なだけのダイナミックレン
ジを持てばよい。従って、磁束センサユニット8,9の
ダイナミックレンジは、従来に比べ、大幅に縮小させる
ことができる。
【0030】
【実施例】図3は、磁束センサユニットの構成例を示す
図である。図3の磁束センサユニット21は、マグネト
メータで構成する検出コイル20を有する。このマグネ
トメータに鎖交する磁束は、磁束トランス24によって
一旦電流に変換される。また、磁束トランス24は、ふ
たつのジョセフソン接合25を含むSQUID26に磁
気結合している。
【0031】ところで、このタイプのSQUIDは、デ
ィジタルSQUIDと呼ばれている。ディジタルSQU
IDに対して、バイアス電源が送出する両極性のパルス
または交流信号を、SQUIDの有する臨界電流と等し
いレベルで与えると、このディジタルSQUIDは、入
力磁束の正負に応じて、正または負のパルスを出力す
る。
【0032】フィードバック回路23の書き込みゲート
28は、正または負のパルスを受け取る毎に、超伝導イ
ンダクタンス29に正または負の磁束量子を書き込んで
いく。従って、フィードバック回路23では、正負のパ
ルスを積分する動作を行なっている。
【0033】超伝導インダクタンス29は、フィート゛
バックコイル27を介し、磁束センサ22に磁気結合し
ている。この結合は、SQUID26に加わる磁束の増
減を打ち消すようになっている。従って、いわゆるヌル
メソッドによって、フィードバック出力は、入力磁束に
比例したものとなる。
【0034】この種のSQUIDは、「 Single
−Chip SQUID 」と呼ばれていて、例えば文
献 「 N.Fujimaki, et al : IEEE Trans. Electron Dev
ices,ED-35, pp2412-2418(1988) 」 に記載されてい
る。Single−Chip SQUIDは、一チップ
上に磁束測定に必要なすべての回路を集積化しているの
で、装置の小型化及び液化ヘリウムの低消費化が可能で
ある。
【0035】図4は、磁束センサユニットの他の構成例
を示す図である。図4の磁束センサユニット31は、図
3に示すものと同様に、検出コイル30と、磁束トラン
ス34と、ふたつのジョセフソン接合35を含むSQU
ID36とを有している。この磁束センサユニット31
は、ノイズ磁界のみを測定するためのものとすると、被
測定磁界の発生源より十分に距離をおいて配置する。
【0036】SQUID36が出力するディジタルパル
スは、前置増幅器38によって増幅される。続いて、ア
ップダウンカウンタ39及びD/A変換器40によって
積分され、そして、フィードバックコイル37を介し、
SQUID36に加わる入力磁束の増減を打ち消す向き
に結合されている。
【0037】このようなディジタルSQUIDの駆動方
法は、外部フィードバック方式と呼ばれ、例えば文献
「 Y.Igarashi, et al. : Advances in Biomagnetism,
S.J.Williamson, et al, Plenum Press New York, pp64
5-648(1989)」 に記載されている。
【0038】外部フィードバック方式では、フィードバ
ック抵抗42の値を変えることによって容易にフィード
バック量を変更することができる。また、アップダウン
カウンタ39のビット数を変えることによって、容易に
ダイナミックレンジを変更することができるという特徴
を持つ。
【0039】ノイズ磁界は、装置が置かれる環境によっ
て特性が変わる。そのため、ノイズ磁界を測定するた
め、磁束センサユニット31では、フィードバック量を
容易に変更することができる外部フィードバック方式を
採用している。なお、その出力は、電流増幅器41で増
幅し、補償電流として微小磁束を測定する磁束センサユ
ニットへ供給する。
【0040】図5は、ソフトウェアグラディオメータの
構成例を示す図である。図5において、磁束センサユニ
ット53は、検出コイル50を用いて環境磁界を測定
し、補償電流を出力している。ふたつの磁束センサユニ
ット54,55は、検出コイル51,52を用いて微小
磁束を測定している。また、バイアス電源56は、各磁
束センサユニット53〜55へバイアス電流を供給して
いる。
【0041】環境磁界を測定する磁束センサユニット5
3が出力する補償電流は、調整抵抗57,58によっ
て、各々のユニットによるばらつきの分が補正される。
そして、磁束センサユニット54,55のフィードバッ
クループに加えられ、フィードバックコイルによってフ
ィードバック磁束が発生する。
【0042】ここで、環境磁界を測定するための磁束セ
ンサユニット53が検出するノイズ磁界と、微小磁束を
検出するための磁束センサユニット54,55が検出す
るノイズ磁界とは、距離が離れているので若干異なるも
のの、ノイズ磁界の大きなレベルはほとんど変化してい
ない。例えば、ノイズ磁界である地磁気の大きさはほと
んど同じである。
【0043】微小磁束を測定する磁束センサユニット5
4,55では、補償電流によって、ノイズ磁界分の殆ど
のフィードバック磁束を補うことができる。従って、磁
束センサユニット54,55そのもののフィードバック
動作は、微小磁束のみについて行なえば足りるので、大
きなダイナミックレンジを必要としない。
【0044】一方、環境磁界を測定するための磁束セン
サユニット53は、ノイズ磁界のみを測定すればよい。
従って、フィードバック抵抗を小さくすることによっ
て、一パルスあたりのフィードバック量を大きくすれ
ば、同様に大きなダイナミックレンジを必要としない。
【0045】演算回路59は、ふたつの磁束センサユニ
ット54,55の出力の差をとるものである。演算回路
59の出力は、微分出力の情報を含んだパルス列なの
で、これをアップダウンカウンタ60によって積分す
る。このようして、ソフトウェアグラディオメータ61
は、入力磁束の微分値に比例したディジタル出力を得て
いる。
【0046】以上の図5の説明では、磁束センサユニッ
ト53をSingle−ChipSQUIDで構成し、
磁束センサユニット54,55を外部フィードバック方
式で構成してあるものとした。しかし、磁束センサユニ
ット53〜55を、Single−Chip SQUI
Dで構成するか、外部フィードバック方式で構成するか
は任意であり、どちらで構成してもかまわない。
【0047】図6は、ソフトウェアグラディオメータの
他の構成例を示す図である。図6の下方に示すのは電流
ダイポール71である。磁束センサユニット65〜68
は、この電流ダイポール71が発する微小磁界を測定し
ている。また、図6のソフトウェアグラディオメータ6
2には、環境磁界を測定するための複数の磁束センサユ
ニット63,64を設けてある。
【0048】演算回路69は、ふたつの磁束センサユニ
ット65,66の出力の差をとり、”微分出力1”を得
ている。また、演算回路70は、ふたつの磁束センサユ
ニット67,68の出力の差をとり、”微分出力2”を
得ている。同様に、不図示の演算回路が存在し、第M番
目の演算回路は、”微分出力M”を得ている。
【0049】図7は、図6に示すソフトウェアグラディ
オメータを組み合わせた装置例を示す図である。図6に
示したソフトウェアグラディオメータ62をひとつのモ
ジュールとして考えると、更にこのようなモジュールを
複数個並べた構成が考えられる。図7に示す各ソフトウ
ェアグラディオメータ75〜77は、このようなモジュ
ールのひとつとして設けたものである。
【0050】図8は、2次微分出力のソフトウェアグラ
ディオメータの一例を示す図である。図8に示すソフト
ウェアグラディオメータ80の演算回路85及び86
は、磁束センサユニット81,82及び83,84の出
力の差をとり一次微分出力を得ている。そして、もう一
つの演算回路87は、ふたつの演算回路85,86の一
次微分出力の差をとり二次微分出力を得ている。同様な
考え方に基づけば、更に高次の微分出力を得ることがで
きる。
【0051】図9は、フィードバック磁束の与え方を説
明する図である。図9(a)の方においては、補償電流
の供給を受けるフィードバックコイル94を、検出コイ
ル90と接続する磁束トランス91のループへ磁気結合
させてある。また、フィードバック回路からの電流の供
給を受けるフィードバックコイル95は、ジョセフソン
接合93を含むSQUID92に直接結合させてある。
【0052】もちろん、磁束トランス91のループ側に
磁気結合させるか、SQUID92の側に磁気結合させ
るかは、任意である。図(b)の例では、検出コイル9
6に接続した磁束トランス97と、ふたつのフィードバ
ックコイル99,100とが、SQUID98に磁気結
合している。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノイズ磁界を測定する磁束センサユニットが出力する補
償電流によって、微小磁束を測定する磁束センサユニッ
トのフィードバック磁束の大半を補うことができる。従
って、各磁束センサユニットのダイナミックレンジを大
幅に縮小することができ、微小な磁界信号のみを感度よ
く検出することができる。よって、S/N比が高く、性
能の良いSQUID磁束計を構成することができるとい
う効果を奏し、産業の発達に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するためのブロック図であ
る。
【図2】図1の原理説明を補足するための図である。
【図3】磁束センサユニットの構成例を示す図である。
【図4】磁束センサユニットの他の構成例を示す図であ
る。
【図5】ソフトウェアグラディオメータの構成例を示す
図である。
【図6】ソフトウェアグラディオメータの他の構成例を
示す図である。
【図7】図6に示すソフトウェアグラディオメータを組
み合わせた装置例を示す図である。
【図8】2次微分出力のソフトウェアグラディオメータ
の一例を示す図である。
【図9】フィードバック磁束の与え方を説明する図であ
る。
【図10】従来の技術を説明する図である。
【図11】従来のソフトウェアグラディオメータを示す
図である。
【符号の説明】
1,6,22,32 磁束センサ 2,7,23,33 フィードバック回路 3a〜3z,4a〜4z,8,9,21,31,53〜
55,63〜68,81〜84,122,123 磁束
センサユニット 5,59,69,70,85〜87,124 演算回路 20,30,50〜52,90,96,120,121
検出コイル 24,34,91,97 磁束トランス 25,35,93 ジョセフソン接合 26,36,92,98 SQUID 27,37,94,95,99,100 フィードバッ
クコイル 28 書き込みゲート 29 超伝導インダクタンス 38 前置き増幅器 39,60 アップダウンカウンタ 40 D/A変換器 41 電流増幅器 56 バイアス電源 57,58 調整抵抗 61,62,75〜77,80,125 ソフトウェア
グラディオメータ 71 電流ダイポール 110 一次グラディオメータ 111 二次グラディオメータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定磁束を検出する、SQUIDを用い
    た磁束センサ(1)と、SQUIDの出力を線形化する
    フィードバック回路(2)とを有する磁束センサユニッ
    ト(3a)〜(3z)を複数個備えたマルチチャンネル
    SQUID磁束計において、 環境磁界を測定し、その結果を補償電流として出力する
    新たな磁束センサユニット(4a)〜(4z)を一個及
    至複数個設け、この新たな磁束センサユニット(4a)
    〜(4z)が前記磁束センサユニット(3a)〜(3
    z)に補償電流を供給することにより、磁束センサユニ
    ット(3a)〜(3z)が検出する被測定磁束に混入す
    る環境磁界の成分を取り除く手段を具備させると共に、
    更に、前記複数個の磁束センサユニット(3a)〜(3
    b)の出力間の差を計算し、被測定磁界の微分出力を得
    る演算回路(5)を設けることを特徴とするソフトウェ
    アグラディオメータ。
  2. 【請求項2】環境磁界を測定する前記磁束センサユニッ
    ト(4a)〜(4z)の補償電流を、前記フィードバッ
    ク回路(2)のフィードバックループに加える手段を具
    備する請求項1記載のソフトウェアグラディオメータ。
  3. 【請求項3】前記フィードバック回路(2)においてフ
    ィードバックコイルを設けると共に、環境磁界を測定す
    る前記磁束センサユニット(4a)〜(4z)の補償電
    流を、前記フィードバックコイルに加える手段を具備す
    る請求項1記載のソフトウェアグラディオメータ。
  4. 【請求項4】SQUIDを用いた前記磁束センサ(1)
    において、被測定磁界そのものを検出するマグネトメー
    タ、又はある距離を隔てた検出コイルの差をとる一次の
    グラディオメータ、又は二対の一次のグラディオメータ
    の差をとる二次のグラディオメータ、又はそれ以上の高
    次のグラディオメータで構成する検出コイルを設けると
    共に、環境磁界を測定する前記磁束センサユニット(4
    a)〜(4z)においても、同様のマグネトメータある
    いは一次数以上のグラディオメータで構成する検出コイ
    ルを設ける請求項1記載のソフトウェアグラディオメー
    タ。
  5. 【請求項5】検出コイルを含む、SQUIDを用いた前
    記磁束センサ(1)、又はこの磁束センサ(1)と前記
    フィードバック回路(2)とを一枚の基板上に集積化す
    る請求項1記載のソフトウェアグラディオメータ。
  6. 【請求項6】被測定磁束を検出する前記磁束センサユニ
    ット(3a)〜(3z)、又は環境磁界を測定する前記
    磁束センサユニット(4a)〜(4z)において、SQ
    UID出力がディジタルパルスを出力するものである磁
    束センサを設けると共に、SQUIDに加わる入力磁束
    の増減を打ち消すように結合する超伝導インダクタンス
    と、SQUID出力のパルスを入力する毎にこの超伝導
    インダクタンスに磁束量子を書き込んでいく書き込みゲ
    ートとを有するフィードバック回路を設ける請求項1記
    載のソフトウェアグラディオメータ。
  7. 【請求項7】被測定磁束を検出する前記磁束センサユニ
    ット(3a)〜(3z)、又は環境磁界を測定する前記
    磁束センサユニット(4a)〜(4z)において、SQ
    UID出力がディジタルパルスを出力するものである磁
    束センサを設けると共に、SQUID出力のパルスを積
    分するアップダウンカウンタ及びD/A変換器を有する
    フィードバック回路を設ける請求項1記載のソフトウェ
    アグラディオメータ。
  8. 【請求項8】ジョセフソン集積回路で構成する前記演算
    回路を設ける請求項1記載のソフトウェアグラディオメ
    ータ。
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