JPH05123325A

JPH05123325A - 処置具

Info

Publication number: JPH05123325A
Application number: JP3287769A
Authority: JP
Inventors: Hiroki Moriyama; 宏樹森山; Kazuhiko Ozeki; 和彦大関; Hiroki Hibino; 浩樹日比野; Yuichi Ikeda; 裕一池田; Toshihiko Hashiguchi; 敏彦橋口; Takeshi Tsukagoshi; 壯塚越; Masami Hamada; 雅巳浜田; Makoto Tsunakawa; 誠綱川; Tadashi Abe; 匡志阿部; Seiji Kuramoto; 聖治倉本
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1991-11-01
Filing date: 1991-11-01
Publication date: 1993-05-21

Abstract

(57)【要約】【目的】長さや曲り状態等に関係なく精度良く処置作業
を行うことが可能な処置具を提供することにある。【構成】処置ア−ム２４と、この処置ア−ム２４の駆動
力を発生させる急速変形圧電アクチュエ−タ２６と、こ
の急速変形圧電アクチュエ−タ２６をガイドする可撓管
２２とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば医療用或いは工
業用等の内視鏡等に組込まれ、処置対象に対して処置作
業を行う処置具に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、特開昭５７−１４３２７号公報
等に図１２〜図１４に示すような生検鉗子１が示されて
いる。すなわち、この生検鉗子１は体腔内の組織を採取
するためのものであり、生検鉗子１においては、まず、
あらかじめ体腔内に挿入された内視鏡のチャンネルを通
じて挿入部２が体腔まで導入される。ついで、手元操作
部３の操作用スライダ４と指掛け５に指が掛けられて操
作用スライダ４が前進し、注入用チュ−ブ６が押し込ま
れ、ワイヤ継手７が前進する。これによってリンク８、
８を介してカップ部９、９が図１３に示すように開く。

【０００３】また、これと同時に注入針１０も前進し、
開いたカップ部９、９の先端から大きく前方に突き出
る。この状態で内視鏡による観視下でその注入針１０の
先端部１０ａを採取しようとする体腔内の部位へ穿刺す
る。なお、注入針１０の先端部１０ａは開いたカップ部
９、９の先端から充分に突出するので、組織内に深く穿
刺できる。

【０００４】一方、手元操作部３における口金１１に
は、墨汁の注射筒が接続され、墨汁が注入用チュ−ブ６
を通じて注入針１０に送込まれ、患部に注入される。こ
のマ−キング後、操作用スライダ４が後退し、注入用チ
ュ−ブ６が引かれ、ワイヤ継手７が後退することによ
り、まず、注入針１０の先端部１０ａが引込まれ、その
カップ部９、９の奥に退避する。また、これに続いてカ
ップ部９、９が閉じ、組織が採取される。この後、その
まま挿入部２が外部に引き出されると、その組織が外部
に取出される。

【０００５】また、髄核摘出などの際には、図１５に示
すように、枢間板１２内にシ−ス１３（或いはプロ−
ブ）が刺入される。そして、このシ−ス１３を枢間板１
２内に到達させるために、シ−ス１３を手作業で体内に
押し込んだり、ハンマ−１４でシ−ス１３を叩いたりす
ることが行われていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭５７
−１４３２７号公報に示された生検鉗子１においては、
カップ部９、９の開閉は手動操作により行われており、
さらに、動力の伝達にはワイヤが用いられている。そし
て、組織の採取は遠隔操作により行われており、従来の
生検鉗子１は長尺だった。また、挿入部２の途中の部分
が曲りくねった場合などには、摺動抵抗によりカップ部
９、９の操作が阻害されることがあった。さらに、生検
鉗子１は手動操作されるため、微量の操作を精度良く行
うことが困難だった。本発明の目的とするところは、長
さや曲り状態等に関係なく精度良く処置作業を行うこと
が可能な処置具を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明は、処置作業部と、この処置作業部
の駆動力を発生させる急速変形圧電アクチュエ−タと、
この急速変形圧電アクチュエ−タをガイドする管状体と
を備えたことにある。こうすることによって本発明は、
長さや曲り状態等に関係なく精度良く処置作業を行える
ようにしたことにある。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の各実施例を図１〜図１１に基
づいて説明する。

【０００９】図１は本発明の第１の実施例の要部を示し
ており、図１中の符号２１は処置具である。この処置具
２１は管状体としての可撓管２２の先端部を硬性管２３
により構成されており、この硬性管２３の先端部に開閉
自在な処置作業部としての処置ア−ム２４を露出させて
いる。処置ア−ム２４はパンタグラフ式に伸縮する伸縮
機構部２５に連結されており、また、伸縮機構部２５は
一部を硬性管２３に枢支されている。そして、ア−ム２
４は、伸縮機構部２５の伸長時に閉じ、伸縮機構部２５
の収縮時に開く。

【００１０】また、硬性管２３の中には急速変形圧電ア
クチュエ−タ（以下、圧電アクチュエ−タと称する）２
６が同軸的に収納されており、上記処置ア−ム２４が伸
縮機構部２５を介してこの圧電アクチュエ−タ２６に連
結されている。図２には上記圧電アクチュエ−タ２６の
基本原理が示されている。

【００１１】すなわち、圧電アクチュエ−タ２６におい
ては、移動体２７、例えばＰＺＴ等の圧電素子２８、慣
性体２９が互いに締結されており、移動体２７はベ−ス
３０上で摩擦力により保持されている。この状態におい
て、圧電素子２８にパルス電圧が印加され、急速変形が
発生し、慣性体２９に加速度が与えられ、衝撃力を利用
して移動体２７に運動が与えられる。

【００１２】図２において、（Ａ）は圧電アクチュエ−
タ２６が移動体２７を前に向けて軸方向に前進する時の
様子を順に示しており、（Ｂ）は圧電アクチュエ−タ２
６が後退する時の様子を順に示している。

【００１３】図２（Ａ）及び（Ｂ）において、（１）に
はスタ−トの状態、即ち圧電アクチュエ−タ２６の移動
サイクルの開始状態が示されている。前進の場合には圧
電素子２８が収縮しており、後退の場合には圧電素子２
８が伸長している。

【００１４】（２）には急速変形の状態が示されてい
る。圧電素子２８に電圧が印加されて圧電素子２８が急
速に変形し、移動体２７と慣性体２９とがそれぞれ逆向
きに移動する。

【００１５】（３）には引き戻しの状態が示されてい
る。圧電素子２８がゆっくりと引き戻されると、静止摩
擦力により、移動体２７を動かすことなく慣性体２９が
引き戻される。（４）には急速停止の状態が示されている。引き戻しが
急に停止すると、慣性体２９を移動体２７に近付けるよ
う作用する力が発生し、移動量が得られる。（５）には終了の状態、即ち圧電アクチュエ−タ２６の
移動サイクルの終了状態が示されている。

【００１６】図２（１）〜（５）に示されたサイクルに
より、圧電アクチュエ−タ２６が微小に移動する。ま
た、一連のサイクルが繰返されれば、圧電アクチュエ−
タ２６は長距離の移動を行う。ここで、（Ａ）及び
（Ｂ）中の符号ａは急速変形時の移動量を示しており、
符号ｂは急速停止時の移動量を示している。

【００１７】このような圧電アクチュエ−タ２６には、
サイズを種々に設定することができ、また、通電制御に
より速く且つ微小な移動が行われるという特徴がある。
さらに、圧電アクチュエ−タ２６には、移動体２７の移
動に伴って発生する力が大きいという特徴もある。

【００１８】このような特性を備えた圧電アクチュエ−
タ２６は、図１中に示すように、移動体２７の外周面を
硬性管２３の内周面に接しており、慣性体２９を硬性管
２３の内部で圧電素子２８を介して支持しながら浮かせ
ている。さらに、圧電アクチュエ−タ２６は硬性管２３
の外部に配置されたアクチュエ−タ制御装置３１に接続
されており、アクチュエ−タ制御装置３１から発せられ
た指令にしたがって動作する。

【００１９】移動体２７が前進すると伸縮機構部２５が
収縮し、処置ア−ム２４が開く。また、移動体２７が後
退すると伸縮機構部２５が伸長し、処置ア−ム２４が閉
じる。さらに、圧電アクチュエ−タ２６の変形時には、
伸縮機構部２５と硬性管２３との連結位置は硬性管２３
に対して不動であり、伸縮機構部２５と圧電アクチュエ
−タ２６との連結位置は硬性管２３に対して軸方向に直
線変位する。ここで、伸縮機構部２５は部分的に透孔３
２、３２、３２を通って硬性管２３の外部に露出してい
る。

【００２０】このような処置具２１においては、硬性管
２３内に圧電アクチュエ−タ２６が収納され、この圧電
アクチュエ−タ２６に処置ア−ム２４が伸縮機構部２５
を介して連結されている。そして、処置ア−ム２４は圧
電アクチュエ−タ２６を駆動源として動作し、処置作業
を行う。したがって、処置具２１の全体の長さや曲り状
態に拘らず、処置ア−ム２４の駆動を行うことができ
る。また、圧電アクチュエ−タ２６が用いられているの
で、処置ア−ム２４の微量の操作を高精度に行うことが
可能である。

【００２１】つぎに、本発明の第２の実施例の要部を図
３（ａ）及び（ｂ）に基づいて説明する。なお、第１の
実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説
明は省略する。

【００２２】図３（ａ）及び（ｂ）は本発明の第２の実
施例を示しており、図３（ａ）中の符号４１は処置具で
ある。この処置具４１の先端部４２は、密巻な線材から
なり可撓性を有するコイル部４３と、このコイル部４３
の先端側に接続された硬性管２３とにより構成されてい
る。さらに、硬性管２３内には第１及び第２の２つの急
速変形圧電アクチュエ−タ（以下、圧電アクチュエ−タ
と称する）２６、４４が収納されており、第１の圧電ア
クチュエ−タ２６は第１の実施例と同様に処置ア−ム２
４の駆動源として利用される。

【００２３】また、第２の圧電アクチュエ−タ４４は、
第１の圧電アクチュエ−タ２６と同様に移動体４５、圧
電素子４６、および、慣性体４７を有しており、第１の
圧電アクチュエ−タ２６よりも硬性管２３の基端側の部
位に配置されている。さらに、第２の圧電アクチュエ−
タ４４においては、図３（ｂ）に示すように、圧電素子
４６が移動体４５の中央部に対して偏倚した位置に連結
されている。

【００２４】第２の圧電アクチュエ−タ４４の慣性体４
７には直線的に延びるプレ−ト４８の一端部が同心的に
連結されており、このプレ−ト４８の他端部は、前記コ
イル部４３の軸方向途中の部位に配置された金具４９に
連結されている。金具４９は径寸法をコイル部４３の径
寸法と略等しく設定されており、コイル部４３に同心的
に連結されている。さらに、プレ−ト４８と金具４９と
の連結位置は、金具４９の中央部に対して偏倚した部位
に設定されている。そして、両圧電アクチュエ−タ２
６、４４は圧電アクチュエ−タ制御装置５０に接続され
ている。

【００２５】第１の圧電アクチュエ−タ２６が伸縮する
と、第１の実施例の場合と同様に伸縮機構２５が第１の
圧電アクチュエ−タ２６の状態に応じて伸縮し、処置ア
−ム２４が開閉する。

【００２６】さらに、第２の圧電アクチュエ−タ４４が
伸縮すると、プレ−ト４８を介して金具４９が押され
る。プレ−ト４８と金具４９との連結位置が金具４９の
偏倚した部位に設定されているので、金具４９の姿勢は
硬性管２３に対して傾く。このため、コイル部４３が金
具４９の姿勢に応じて湾曲する。なお、コイル部４３
は、第２の圧電アクチュエ−タ４４の伸長した場合と収
縮した場合とで逆向きに湾曲する。

【００２７】このような処置具４１においては、第１の
圧電アクチュエ−タ２６とともに第２の圧電アクチュエ
−タ４４が設けられているので、第１の実施例と同様の
効果を奏するうえに、処置具４１の全体の長さや曲り状
態に拘らず、処置具４１の先端部を湾曲させることがで
きる。つぎに、本発明の第３の実施例を図４（ａ）に基
づいて説明する。なお、前述の各実施例と同様の部分に
ついては同一番号を付し、その説明は省略する。

【００２８】図４（ａ）は本発明の第３の実施例を示し
ており、図中の符号６１は処置具である。この処置具６
１は可撓管６２の先端部に第１及び第２の２つの硬性管
２３、６３を有している。さらに、処置具６１は先端側
に位置する第１の硬性管６３からカップ式の処置ア−ム
６４を露出させている。

【００２９】さらに、可撓管は、密巻な線材からなり可
撓性を有するコイル部６５ａ、６５ｂを有しており、両
硬性管２３、４６の間の部位、及び、第２の硬性管４６
よりも基端側の部位はこれらコイル部６５ａ、６５ｂに
より構成されている。また、両硬性管２３、４６はコイ
ル部６５ａ、６５ｂに連結されている。

【００３０】第１の硬性管２３には、前記第１の実施例
と同様にア−ム開閉用の急速変形圧電アクチュエ−タ
（図示しない）が備えられており、一方、第２の硬性管
４６には２つのコイル部湾曲用の急速変形圧電アクチュ
エ−タ（以下、湾曲用アクチュエ−タと称する）６６、
６６が備えられている。

【００３１】第２の硬性管４６内には湾曲用アクチュエ
−タ６６、６６のための収納室６７、６７が軸対称に形
成されており、湾曲用アクチュエ−タ６６、６６は収納
室６７、６７内に収納され、移動体６８、６８を収納室
６７、６７の内周面に接触させている。さらに、湾曲用
アクチュエ−タ６６、６６はアクチュエ−タ制御装置６
９に接続されており、アクチュエ−タ制御装置６９によ
り独立に駆動される。また、アクチュエ−タ制御装置６
９には、前記ア−ム開閉用の急速変形圧電アクチュエ−
タも接続されている。

【００３２】また、湾曲用アクチュエ−タ６６、６６の
移動体６８、６８にはワイヤ７０、７０の一端部が接続
されており、このワイヤ７０、７０の他端部は第１の硬
性管２３の先端側の部位に外側から接続されている。

【００３３】例えば、上記湾曲用アクチュエ−タ６６、
６６のうちのいずれかが収縮すると対応するワイヤ７
０、７０を介して第１の硬性管２３に力が伝達され、第
１の硬性管２３が外向きに引張られる。そして、第１の
硬性管２３に連結されたコイル部６５ａが湾曲し、処置
具６１の先端が所望の方向に向けられる。そして、湾曲
用アクチュエ−タ６６、６６の選択に伴い、処置ア−ム
６４の湾曲の向きが決まる。さらに、湾曲用アクチュエ
−タ６６、６６が伸長して元の大きさに復帰すると、処
置ア−ム６４の向きは湾曲前の状態に戻る。また、一方
の湾曲用アクチュエ−タ６６を駆動せずに他方の湾曲用
アクチュエ−タ６６のみを伸長させても、コイル部６５
ａは湾曲する。

【００３４】このような処置具６１においては、第２の
硬性管４６内に２つの湾曲用アクチュエ−タ６６、６６
が設けられ、これら湾曲用アクチュエ−タ６６、６６と
第１の硬性管２３とがワイヤ７０、７０を介して連結さ
れている。したがって、湾曲用アクチュエ−タ６６、６
６を選択的に駆動すれば、処置具６１を所定の方向に精
度よく湾曲させることができる。

【００３５】なお、図４（ｂ）に示すような回転機構部
７１を上述の処置具６１に組込めば、処置具６１の先端
部を回転させることができ、処置ア−ム６４を任意の方
向へ向けることが可能になる。

【００３６】つまり、図４（ｂ）中においては、第１の
硬性管７２は処置具６１の本体側に対して同心的に枢支
されている。さらに、第１の硬性管７２内に回転用の急
速変形圧電アクチュエ−タ（以下、回転用アクチュエ−
タと称する）７３が配置されており、この回転用アクチ
ュエ−タ７３はその軸方向を第１の硬性管７２の接線方
向に向けている。さらに、回転用アクチュエ−タ７３の
移動体は第１の硬性管７２により構成されており、回転
用アクチュエ−タ７３の圧電素子７４及び慣性体７５は
第１の硬性管７２の径方向に偏倚した部位に位置してい
る。

【００３７】回転用アクチュエ−タ７２の変形に伴い、
第１の硬性管２３が接線方向に押引され、処置具６１の
本体に対して回動変位する。そして、第１の硬性管２３
の回動角度範囲は例えば９０度に設定されている。した
がって、処置具６１の２方向への湾曲と第１の硬性管２
３の９０度以内の回転とを組合わせれば、処置ア−ム６
４を任意の方向へ自由に向けることができる。つぎに、
本発明の第４の実施例を図５に基づいて説明する。

【００３８】図５中の符号８１は処置具としての硬性鏡
であり、この硬性鏡８１は観察手段を備えたタイプのも
のである。硬性鏡８１の１つのチャンネル８２の先端部
には急速変形圧電アクチュエ−タ（以下、圧電アクチュ
エ−タと称する）８３が収納されている。

【００３９】圧電アクチュエ−タ８３が移動体８４をチ
ャンネル８２の内周面に接するとともに、圧電素子８５
に骨用のみ型プロ−ブ（以下、プロ−ブと称する）８６
が後向きに連結されている。さらに、圧電アクチュエ−
タ８３は圧電アクチュエ−タ制御装置８７に接続されて
いる。また、処置作業の対象となる骨８８に電極８９が
取付けられ、プロ−ブ８６と電極８９とは高周波電源９
０に接続されている。

【００４０】この処置具８１においては、プロ−ブ８６
と骨８８との間に高周波電圧が印加されるとともに、圧
電アクチュエ−タ８３が伸縮してプロ−ブ８６を進退さ
せる。そして、骨８８の所定の部位がプロ−ブ８６によ
って削られる。そして、この処置具８１によれば、骨８
８に対する処置を高精度に行うことができる。本発明の
第５の実施例を図６に基づいて説明する。

【００４１】図６中の符号９１は処置具としての硬性鏡
であり、この硬性鏡８１は観察手段を備えたタイプのも
のである。硬性鏡９１の１つのチャンネル９２の先端部
に急速変形圧電アクチュエ−タ（以下、圧電アクチュエ
−タと称する）９３が収納されており、この圧電アクチ
ュエ−タ９３は移動体９４を後方に向けるとともに圧電
アクチュエ−タ制御装置９５に接続されている。さら
に、圧電アクチュエ−タ９３の慣性体９３ａにはレゼク
ト電極９６が突設されるとともに、このレゼクト電極９
６は高周波を発生させる焼灼装置９７に接続されてい
る。

【００４２】この処置具９１においては、レゼクト電極
９６に高周波が印加されるとともに圧電アクチュエ−タ
９３が伸縮してレゼクト電極９６を進退させ、前立線肥
大部９８が焼灼される。そして、この処置具９１によれ
ば、前立線肥大部９８の処置を精度良く行うことがで
き、さらに、削り過ぎにより前立線筋層が傷くことがな
い。本発明の第６の実施例の処置具１０１を図７に基づ
いて説明する。

【００４３】図７に示すように、工業用内視鏡１０２の
先端に硬性管１０３が設けられており、この硬性管１０
３の中に圧電アクチュエ−タ制御装置１０４に接続され
た急速変形圧電アクチュエ−タ（以下、圧電アクチュエ
−タと称する）１０５が収納されている。圧電アクチュ
エ−タ１０５の移動体１０６は前方に向けられており、
外周面を硬性管１０３の内周面に接している。さらに、
移動体１０６には、例えば管内壁の傷や錆を削り落とす
グラインダ１０７が連結軸１０８を介して連結されてい
る。

【００４４】また、硬性管１０３の外周部にはベアリン
グ１０９、１０９が設けられており、硬性管１０３は軸
心まわりに回転する。さらに、硬性管１０３にはモ−タ
１１０の連結ワイヤ１１１が連結されており、モ−タ１
１０は図示しない手元操作部内に設けられている。

【００４５】この処置具１０１においては、硬性管１０
３がモ−タ１１０により駆動されて回転し、圧電アクチ
ュエ−タ１０５及びグラインダ１０７とを一体に回転さ
せる。さらに、圧電アクチュエ−タ１０５が変形し、グ
ラインダ１０７を進退させる。この処置具１０１によれ
ば、グラインダ１０７を前後方向へ高精度に移動させる
ことができ、操作性が向上する。

【００４６】なお、本発明は、要旨を逸脱しない範囲で
種々に変形することが可能である。例えば、図８（ａ）
に示すように、１つのチャンネル１２１内に圧電アクチ
ュエ−タ１２２を設け、この圧電アクチュエ−タ１２２
の移動体１２２ａにコイル１２３を巻装して電磁石１２
４を形成することが考えられる。図８（ａ）において、
圧電アクチュエ−タ１２２とコイル１２３が制御装置１
２５に接続されるとともに、圧電アクチュエ−タ１２２
の移動体１２４の形状は例えば半円状に設定されてい
る。ここで、図８（ｂ）は（ａ）中のIV−VI線に沿った
断面図である。

【００４７】電磁石１２４のスイッチがＯＦＦしている
時に処置ア−ム１２６の進退は手動操作により行われる
が、電磁石１２４のスイッチがＯＮしているときには、
硬性管１２７及び圧電アクチュエ−タ１２２と処置ア−
ム１２６とが連結され、圧電アクチュエ−タの伸縮に伴
って処置ア−ム１２６が進退する。このような処置具１
２８によれば、処置ア−ム１２６の操作を精度良く、且
つ、手動と自動とに切換えながら行うことができる。な
お、コイルの巻方向は適当な磁力が発生するよう設定さ
れている。

【００４８】また、図９に示すように、空気等の気体を
充填したバル−ン１３１を用いることも考えられる。つ
まり、１つのチャンネル１２１内に圧電アクチュエ−タ
１３２が設けられており、この圧電アクチュエ−タ１３
２の前部にバル−ン１３１が取付けられている。そし
て、圧電アクチュエ−タ１３２と処置ア−ム１２６とが
バル−ン１３１を介して連結されている。

【００４９】送気チュ−ブ１３３を介して空気がバル−
ン１３１に送られ、バル−ンが膨らみ、圧電アクチュエ
−タ１３２が進退して処置ア−ム１２６を進退させる。
この処置具１３４によれば、処置作業を手動でも自動で
も行うことができる。つぎに、本発明の第７の実施例を
図１０に基づいて説明する。

【００５０】図１０は本発明の第７の実施例を示してお
り、図中の符号１４１は処置具である。この処置具１４
１は椎体１４２…の間の椎間板１４３…にシ−ス１４４
を刺入するもので、シ−ス１４４の軸方向途中の部位の
周囲に急速変形圧電アクチュエ−タ（以下、圧電アクチ
ュエ−タと称する）１４５が設けられている。

【００５１】さらに、圧電アクチュエ−タ１４５を覆う
ケ−シング１４６は支柱１４７に取付けられており、支
柱１４７は、例えば患者ベット等のように患者に対して
不動な物に固定されている。また、シ−ス１４４の基端
側の端部にはヘッド部１４８が設けられている。

【００５２】この処置具１４１においては、圧電アクチ
ュエ−タ１４５が駆動されて伸長し、シ−ス１４４が体
内に刺入されてシ−ス１４４の先端が髄核１４９に到達
する。ここで、図１１中の符号１５０は神経を示してい
る。

【００５３】上述の処置具１４１によれば、シ−ス１４
４の刺入に圧電アクチュエ−タ１４５が用いられている
ので、シ−ス１４４の微妙な進退運動が可能であり、シ
−ス１４４の刺入長さを微妙にコントロ−ルできる。そ
して、シ−ス１４４の刺入を正確に且つ安全に行うこと
ができる。つぎに、本発明の第８の実施例を図１１に基
づいて説明する。なお、第７の実施例と同様の部分につ
いては同一番号を付し、その説明は省略する。

【００５４】図１１は本発明の第８の実施例を示してお
り、図中の符号１６１は処置具である。この処置具１６
１においては、圧電アクチュエ−タ１４５を制御するコ
ントロ−ラ１６２が備えられ、このコントロ−ラ１６２
に脳波検出用の信号線１６３が接続されている。そし
て、圧電アクチュエ−タ１４５は患者の脳波の変化を検
知しながら駆動される。

【００５５】この処置具１６１においては、例えばシ−
ス１４４が誤って神経１５０に触れた場合にあらわれる
脳波の変化がコントロ−ラ１６２に入力され、コントロ
−ラ１６２が圧電アクチュエ−タ１４５の動作を止め
る。したがって、第７の実施例と同様の効果を奏する他
に、例えば神経破断などの重大な過失に陥る前にシ−ス
１４４の刺入を停止でき、より正確で安全な処置作業を
行うことが可能である。

【００５６】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、処置作業
部と、この処置作業部の駆動力を発生させる急速変形圧
電アクチュエ−タと、この急速変形圧電アクチュエ−タ
をガイドする管状体とを備えたものである。したがって
本発明は、長さや曲り状態等に関係なく精度良く処置作
業を行えるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図２】（Ａ）は急速変形圧電アクチュエ−タの前進時
の原理を順に示す説明図、（Ｂ）は同じく急速変形圧電アクチュエ−タの後退時の
原理を順に示す説明図。

【図３】（ａ）は本発明の第２の実施例の要部を示す概
略構成図、（ｂ）は第２のアクチュエ−タの断面図。

【図４】（ａ）は本発明の第３の実施例の要部を示す概
略構成図、（ｂ）は変形例を示す正面図。

【図５】本発明の第４の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図６】本発明の第５の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図７】本発明の第６の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図８】変形例を示す概略構成図。

【図９】変形例を示す概略構成図。

【図１０】本発明の第７の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図１１】本発明の第８の実施例の要部を示す概略構成
図。

【図１２】一般の生検鉗子を示す全体の側面図。

【図１３】一般の生検鉗子の先端部分の側面図。

【図１４】一般の生検鉗子の先端部分の平断面図。

【図１５】椎間板内にシ−スを刺入するための従来の方
法を示す説明図。

【符号の説明】

２１…処置具、２２…可撓管（管状体）、２４…処置ア
−ム（処置作業部）、２６…急速変形圧電アクチュエ−
タ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者池田裕一東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者橋口敏彦東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者塚越壯東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者浜田雅巳東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者綱川誠東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者阿部匡志東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者倉本聖治東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者鈴木克哉東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者青木義安東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者梅山広一東京都渋谷区幡ケ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】処置作業部と、この処置作業部の駆動力
を発生させる急速変形圧電アクチュエ−タと、この急速
変形圧電アクチュエ−タをガイドする管状体とを備えた
ことを特徴とする処置具。