JPH04264566A - 画像形成装置のための自己診断システム - Google Patents

画像形成装置のための自己診断システム

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JPH04264566A
JPH04264566A JP3025804A JP2580491A JPH04264566A JP H04264566 A JPH04264566 A JP H04264566A JP 3025804 A JP3025804 A JP 3025804A JP 2580491 A JP2580491 A JP 2580491A JP H04264566 A JPH04264566 A JP H04264566A
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JP
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deterioration
data
qualitative
failure
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JP3025804A
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Yasushi Umeda
靖 梅田
Yasuo Mogi
康男 茂木
Tetsuo Tomiyama
冨山 哲男
▲吉▼川 弘之
Hiroyuki Yoshikawa
Yoshiki Shimomura
芳樹 下村
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自己診断および/ま
たは自己修復システムに関するものである。より詳しく
は、近年盛んに研究が行われている人工知能、知識工学
を利用するとともに、ファジイ推論を採用することによ
って装置の劣化状態や動作状態等を自己診断し、また必
要に応じて自己修復し得るようなシステムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】精密機械や産業機械等の開発分野におい
ては、保全作業の省力化や自動運転の長期化を実現する
ために、最近、人工知能(ArtificialInt
elligence:いわゆるAI)技術を利用したエ
キスパートシステムの研究が盛んに行われている。エキ
スパートシステムの中には、装置に故障が生じたか否か
を自己診断し、また生じた故障を自己修復するものが見
受けられる。
【0003】ところが、従来のエキスパートシステムに
よる故障診断システムでは、(A)知識に汎用性がなく
、様々な対象に対しての故障診断ができないこと、(B
)未知の故障に対する診断ができないこと、(C)対象
が複雑になると、故障診断に必要な知識量が爆発的に増
大するので、実現性が困難になること、(D)知識獲得
が難しいこと、等の限界が指摘されていた。
【0004】より具体的に説明すると、従来の自動調節
システムや故障診断システムは、基本的には、或るセン
サの出力に基づいて対応するアクチュエータを作動させ
るようになっていた。つまり、予め定めるセンサおよび
アクチュエータの組み合わせにより、一種の自動調節や
故障診断がなされていた。よって、基本的には、或るセ
ンサは特定のアクチュエータと対応しており、両者の関
係は固定的であった。それゆえ、(a)センサのパラメ
ータとアクチュエータのパラメータとの関係は数値的に
明示されていなければならない。(b)上記(a)の理
由から、センサのパラメータとアクチュエータのパラメ
ータとの関係は対象に強く依存しており、汎用性に乏し
く、様々な対象に対して利用ができない。(c)各セン
サ同士のパラメータ間または各アクチュエータ同士のパ
ラメータ間の関係は制御と無関係であり、対応するセン
サのパラメータとアクチュエータのパラメータとの関係
のみに基づく単純な制御しか行えず、対処できる故障が
予め限定されており、未知の故障は扱えない。(d)上
記(c)の理由から、任意のアクチュエータのパラメー
タを操作したことにより生じ得る他のアクチュエータの
パラメータへの副次的影響を予測できない、等の問題点
があった。
【0005】このように、従来の自動調節システムや故
障診断システムでは、予測故障AはセンサAおよびアク
チュエータAの組Aに基づいて行われ、予測故障Bはセ
ンサBおよびアクチュエータBの組Bに基づいて行われ
、予測故障CはセンサCおよびアクチュエータCの組C
に基づいて行われるという具合に、それぞれ独立したセ
ンサおよびアクチュエータの組に基づく故障診断が行わ
れ、またそれに基づく故障修復が行われていたにすぎな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願出願人等
は、この発明に関連する技術として、先に、画像形成装
置を対象機械に取り上げて、従来技術の欠点を解消した
新規な自己診断および/または自己修復を行うシステム
を提案した(特願平2−252111号ないし特願平2
−252216号参照)。
【0007】上記既提案の自己診断および/または自己
修復システムにおいて用いられている定性推論は、方程
式群と初期状態とから定性的遷移を決定する手法として
は完全性がある。その反面、定性的、換言すれば記号的
な表現形式上での推論を行っていることから、対象とす
る系(機械)の状態表現として曖昧な表現を許さないと
いう避けがたい宿命を持っている。これは、保全活動に
おいてしばしば見受けられる「曖昧な情報」、たとえば
、機械の状態として「これは正常かもしれないし、異常
かもしれない」といった情報を扱って故障診断、修復を
行う手法としては不十分である。
【0008】また、機械を構成している個々の部品につ
いての劣化や故障履歴情報を利用した故障診断の総合化
を行うことを考えた場合、既提案の定性推論に何らかの
別の表現方法を用いた論理を足し合わせ、曖昧さのある
情報を扱う手法を加えた推論方法を考えなければ、故障
診断および/または故障修復システムとしてより完成度
の高いものを構築することができない。
【0009】そこで、本願発明者は、上記既提案の自己
診断および/または自己修復システムで用いられている
定性推論に、曖昧さを数学的に扱う理論であるファジイ
理論を組み合わせることによって、より完成度の高い自
己診断および/または自己修復システムを発明した。こ
の発明の具体的な目的は、保全的な立場から見た、曖昧
さを許した推論の開発を行い、該推論を用いて機械、具
体的には画像形成装置の状態を自己診断することができ
るシステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】画像データを具現化して
視認可能な画像を生成する画像形成装置のための自己診
断システムであって、画像形成装置を複数個の要素の結
合として表現し、各要素の挙動または属性および各要素
間の結合関係をパラメータを用いて定性的に表わした定
性データ、各パラメータのメンバーシップ関数ならびに
故障診断知識が記憶された対象モデル記憶手段、前記画
像形成装置を構成する所定の部品について、劣化要因お
よび各劣化要因のメンバーシップ関数を含む劣化データ
が記憶された劣化データ記憶手段、任意のデータを入力
することのできるデータ入力手段、劣化データ記憶手段
に記憶された劣化データおよびデータ入力手段から与え
られるデータに基づいて、現在までの使用時間に対する
劣化量を劣化要因のメンバーシップ関数を用いてファジ
イ定性値で出力する劣化量算出手段、対象モデル記憶手
段に記憶された定性データのパラメータのうち、劣化量
算出手段により算出された劣化量によって変化したパラ
メータの値をパラメータのメンバーシップ関数を用いて
ファジイ定性値として表現する変化算出手段、データ入
力手段から与えられるデータを対象モデル記憶手段に記
憶されたパラメータのメンバーシップ関数を用いてファ
ジイ定性値に変換するデータ変換手段、データ変換手段
の変換出力を対象モデル記憶手段に記憶された定性デー
タと比較することにより故障の有無を判定する故障判定
手段、故障判定手段が故障有りを判定したことに応答し
て、変化算出手段の算出結果を初期条件として対象モデ
ル記憶手段に記憶された定性データおよび故障診断知識
に基づいて画像形成装置の状態を診断し、診断結果を曖
昧さを含む表現で出力する故障診断手段、ならびにデー
タ変換手段で変換されたファジイ定性値を故障診断手段
で診断された画像形成装置の状態と比較して原因を同定
する原因同定手段、を含むことを特徴とするものである
【0011】
【作用】この発明にかかる自己診断システムは、まず、
データ入力手段から与えられるデータならびに劣化要因
および各劣化要因のメンバーシップ関数を含む劣化デー
タに基づいて現在までの使用時間に対する劣化量をファ
ジイ定性値として算出する。そして、算出された劣化量
によって変化したパラメータの値をパラメータのメンバ
ーシップ関数を用いてファジイ定性値化し、定性データ
上で用いる表現に置き換える。また、データ入力手段か
ら入力されたデータをパラメータのメンバーシップ関数
を用いてファジイ定性値に変換し、そのファジイ定性値
に基づいて故障の有無を判定する。そして、故障有りと
判定すると、上記劣化量によって変化したパラメータ値
を初期値として故障診断を行う。診断結果は曖昧さを含
む表現で出力される。
【0012】さらに、データ入力手段の入力値が変換さ
れたファジイ定性値を故障診断で得られた結果と比べて
故障原因を同定する。つまり、故障診断の結果、複数の
故障原因候補が取り上げられた場合に、どの故障原因候
補が実際の装置の状態により合致しているかを、パラメ
ータの値の一致度に基づいて検討する。
【0013】
【実施例】ファジイ定性推論 まず、自己診断のために必要な新規に開発された曖昧さ
を有した推論であるファジイ定性推論について説明をす
る。 (1)ファジイ定性値 本願出願人の先願にかかる自己診断および/または自己
修復システムで用いられている定性推論においては、変
数の値を記号的に表現する手法として量空間と定性値と
いう概念が用いられている。量空間は、実数集合を物理
的に意味のある特徴的な値である境界標(ランドマーク
(Landmark))と、それら境界標に囲まれた区
間とで記号的に表現した有限集合である。ゆえに、定性
値としては、境界値か区間値のどちらか片方しか取り得
ない。
【0014】理想的な対象機械を例にとった自己診断お
よび/または自己修復システムを考えるならば、或る値
が境界値か区間値かと決めるのは意味のあることであろ
う。しかしながら、実際の現実世界において、測定によ
って得られた定性値を定性的な表現に変換しそれを基に
推論を行うことを考えた場合、ただ単に二者択一的に境
界値か区間値かに変換することは妥当性を欠くおそれが
ある。なぜならば、上述したように、保全活動において
は「曖昧な情報」が見受けられ、境界値かもしれないし
区間値かもしれないといった状況が現実に生じ得るから
である。
【0015】そこで、この発明ではファジイ理論の適用
を考えることにした。ファジイ理論は、曖昧さを数学的
に扱う理論であり、ファジイ理論での集合の表現の特徴
は、或る要素が集合に属するか否かの中間的な状態を、
その要素が集合に属する度合いとして0.0から1.0
までの小数値で表わすことである。この表現形式を用い
ることにより、従来の集合では表現出来ない中間的な状
態の表現が可能である。ファジイ理論では、或る要素が
或る集合に属する度合い(グレード)を規定する関数は
「メンバーシップ関数」と呼ばれている。
【0016】このメンバーシップ関数を用いて表現され
るファジイ集合の概念を導入することにより、定性的な
表現に曖昧さを付加した表現が可能になる。つまり、こ
の発明では、変数の値を、従来の定性値と、その定性値
に属する度合い(グレード)の組として表現する。かか
る表現形式を「ファジイ定性値」と呼ぶことにする。た
とえば、図1に示す量空間において或る変数の値をファ
ジイ定性値で表すと、たとえば (Normal:0.4、(Normal,nil):
0.6) などのように表現される。
【0017】このファジイ定性値の表現法を用いること
により、センサ情報を推論に活用するときに、曖昧さを
許すことが可能になる。つまり、先に提案された定性推
論を用いた故障診断システムでは、正常値域として或る
一定の範囲を決めておき、センサから得られる定量値が
その範囲に入っていればその値を「正常値」のランドマ
ーク上にあるとして定性推論を行っていた。
【0018】これに対し、この発明では、センサから得
られる定量値を定性的な表現に変換する操作にメンバー
シップ関数を用いる。メンバーシップ関数を用いる場合
においては、図2に示すように、予めセンサの実数空間
上に「正常値(Normal;以下、Nと略す)」、「
正常値より大きい(Normal,nil;以下、N,
nilと略す)}」、「正常値より小さい(0,Nor
mal;以下、0,Nと略す)」などのメンバーシップ
関数を決めておく。そして、センサから得られる実測値
を図2に示すこの空間上にマッピングすることにより、
実測されたセンサの定量値を曖昧さを許す定性的な表現
に変換する。 (2)ファジイ定性値の演算則 ファジイ定性値の代数演算は、定性推論の代数演算規則
とグレードの計算とからなる。具体例を示しながら説明
する。たとえば、 Zf  =  Xf  ×  Yf Xf  =  (N:0.8、(N,nil):0.2
)Yf  =  ((0,N)0.7、N:0.3)で
、かつ、ランドマーク間の関係が、 (Xf,Yf,Zf)=(N,N,N)を具体例として
説明する。まず、Xf、Yfのそれぞれの定性値(この
例ではXfについてNと(N,nil)など)とランド
マーク間の関係から、Zfの定性値としてとり得るもの
をすべて挙げる。そのときの、Zfの定性値に対するグ
レードはXf、Yfの定性値に対するグレードの小さい
方をとる。具体的には、      Xf      
  Yf          Zf      N  
    ×(0,N)=(0,N)         
   :  0.8、 0.7=0.7       
  N      ×    N    =    N
                :  0.8、 0
.3=0.3   (N,nil)  ×(0,N)=
(0,N)N(N,nil):  0.2、 0.7=
0.2   (N,nil)  ×    N    
=(N,nil)            :  0.
2、 0.3=0.2 さらに、Zfの定性値に対する
グレードが2通り以上に求まるときは、その中で最大値
を採用する。上の例では、第1式と第3式において、Z
fの定性値(0,N)に対して、それぞれ、0.7と0
.2の2通りが求まるが、そのうちの最大値0.7をZ
fの定性値(0,n)のグレードとする。同様に、Zf
の定性値Nに対しても、第2式と第3式において、0.
3と0.2の2通りとなるので、最大値0.3を選ぶ。
【0019】以上の計算から、Zfのファジイ定性値は
Zf=((0,N):0.7、N:0.3、(N,ni
l):0.2) となる。さらに、グレードを足し合わせたときにその合
計が1となるように規格化をする。規格化は、各定性値
のグレードを1.2(ただし、1.2=0.7+0.3
+0.2)で除算することによって行う。規格化の結果
、 Zf=((0,N):0.58、N:0.25、(N,
nil):0.17) となる。 (3)推論 推論は、基本的にはプロパゲーション(伝播)法を用い
る。これは、既に値の決まっているパラメータから始ま
り、そのパラメータの値をパラメータ間の関係を用いて
他のパラメータに順次伝播させ、系全体のパラメータを
決めるアルゴリズムである。
【0020】伝播のさせ方は、三項関係あるいは二項関
係にあるパラメータのうち、未定のものを既に決まって
いるパラメータとその間の関係を用いて上述のファジイ
演算則より決定する方法を用いる。具体的な推論の仕方
については、後述する具体例においてより明らかになろ
う。 システムの構成 図3は、この発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。このシステムには、対象機械(具体的には、小型
の電子写真複写機等)上に設置された複数のセンサ1a
,1b,1cおよび対象機械の作動状態等を変化させる
ための複数のアクチュエータ6a,6b,6cが含まれ
ている。
【0021】複数のセンサ1a,1b,1cは、それぞ
れ、この対象機械の作動によって生じる対象機械の要素
または該機械要素間の関連状態の変化を検出するための
ものである。複数のセンサ1a,1b,1cからそれぞ
れ取り込まれる情報は、増幅回路2で増幅され、A/D
変換回路3でアナログ信号からディジタル信号に変換さ
れ、ディジタル信号/FQ値(ファジイ定性値)変換部
11へ与えられる。ディジタル信号/FQ値変換部11
は、A/D変換回路3から与えられるディジタル信号を
ファジイ定性値に変換する部分である。すなわち、ディ
ジタル信号を、定性値(たとえば、小さい、ノーマル、
大きい、という3つのシンボルのいずれか)およびグレ
ード(0.0ないし1.0の数値)によって表現する変
換機能を備えている。センサ1a,1b,1cから与え
られる信号を、ファジイ定性値で表わされた定性的な情
報に変換することにより、故障診断に対するアプローチ
が容易になる。
【0022】ディジタル信号/FQ値変換部11から出
力されるファジイ定性値のうち、各部品の劣化量を算出
するために必要なパラメータのファジイ定性値は、ロン
グタームシミュレーション部12、ショートタームシミ
ュレーション部13および故障診断部14へ順次与えら
れる。ロングタームシミュレーション部12は、対象機
械を構成する部品の経年的な劣化量をシミュレーション
するための部分である。ショートタームシミュレーショ
ン部13は、対象機械の現在の状態をシミュレーション
するための部分である。故障診断部14は、ディジタル
信号/FQ値変換部11から出力されるファジイ定性値
のうち、機能評価を行うために必要なパラメータのファ
ジイ定性値を用いて機能評価を行って故障症状を特定す
ると共に、故障症状から故障原因を導出するための部分
である。この故障診断部14で特定される故障症状から
故障原因を導出するためのステップ(故障診断)は、前
述した本願出願人の先願明細書に開示されている自己診
断および/または自己修復システムにおいて用いられて
いるファジイ推論を用いない推論に基づいて行われる。
【0023】また、対象モデル記憶部15が設けられて
いる。対象モデル記憶部15には、対象機械を物理的な
視点から捉え、実体レベルで複数個の要素の結合として
パラメータで表わした「実体モデル」、各パラメータの
結合ツリーとして表わした「パラメータモデル」、各パ
ラメータの初期値、各パラメータのメンバーシップ関数
、劣化量と実際の変化の対応関係、故障判定基準値、故
障候補知識等が予め記憶されている。対象モデル記憶部
15に記憶されているこれら知識は、ディジタル信号/
FQ値変換部11、ロングタームシミュレーション部1
2、ショートタームシミュレーション部13または故障
診断部14が処理を行う際に活用される。さらに、故障
シミュレーション部16が備えられている。故障シミュ
レーション部16は、ショートタームシミュレーション
部13および故障診断部14と共同して、故障のシミュ
レーションを行う部分である。
【0024】この実施例およびこの発明の特徴は、シス
テムに、ロングタームシミュレーション部およびショー
トタームシミュレーション部という2つの構成要素が備
えられていることである。次に、これら特徴となる2つ
の構成要素についてより詳細に説明をする。 (1)ロングタームシミュレーション部ロングタームシ
ミュレーション(以下、LSIMという)では、対象機
械を構成する部品のうち、故障診断に関連する部品を取
り上げ、部品ごとの時間経過による劣化量をシミュレー
ションする。
【0025】関連する部品は、部品ごとまたは関連する
部品群ごとに、劣化量と、劣化量を予想するための劣化
要因パラメータとの関係を定性的な表現を用いて表して
おく。たとえば、ギヤの場合では、劣化量(摩耗量)を
規定する要因としては、使い始めてからの使用時間T、
そのギヤが使用されている状態でかかっているトルクT
orおよび周速Vがある。これら劣化要因パラメータと
劣化速度dXとの関係は、図4のように表わされる。
【0026】この場合における劣化要因パラメータT,
Tor,V、比例定数α,β,γ、劣化速度dX、劣化
量Xの量空間は、部品が使われている対象機械非依存の
部品依存(部品固有)の量空間である。この量空間は、
メンバーシップ関数を決めることにより表わすことがで
き、たとえば劣化要因パラメータの1つであるトルクT
orを例にとると、図5のように表すことができる。
【0027】さらに、表1に示す各パラメータの値間の
定性的な関係を与えておく。たとえば、トルクTorが
「大(large)」で、劣化速度に対する比例定数β
が「中(medium))であったら、トルクTorの
大きさに起因する劣化速度dX2は「大(large)
」であるといった関係である。
【0028】
【表1】
【0029】以上の量空間および各値間の関係は、劣化
要因パラメータ、比例定数、劣化速度、劣化量について
、それぞれ、予め与えられ、対象モデル記憶部15に、
部品依存(対象機械非異存)の知識として記憶されてい
る。LSIMは、かかる部品依存知識を利用して、或る
一定期間ごとにまたは任意のタイミングでシミュレーシ
ョンを行い、劣化量の予測を行う。
【0030】LSIMの実行においては、まず、劣化要
因パラメータの量空間(図5参照)に、その部品が対象
機械で用いられている条件下での値(定量値)をマッピ
ングすることにより、劣化要因パラメータをファジイ定
性値に変換する。次に、このファジイ定性値で表された
劣化要因パラメータの値と、パラメータの値間の関係を
用いて劣化速度を求める。さらに、このように求まった
一定期間内の劣化量の時間差分を足し合わせていくこと
により、その部品の劣化の総量が求まる(図4参照)。 最終的に求まる劣化量は、たとえば(中:0.3、大:
0.7)のような形で得られる。
【0031】ただし、このLSIMで求まる劣化量は、
故障しやすさ等の量で、対象機械のパラメータモデル上
の物理量を予測するものではない。たとえば、LSIM
でギヤの劣化量(歯車の摩耗量)を求めても、その結果
、対象機械のパラメータモデルにどんな変化が起こるか
はわからない。劣化が対象機械に及ぼす影響は、後述す
るように、予め定められた劣化量とパラメータモデルの
機能パラメータ値の関係から求めることになる。 (2)ショートタームシミュレーション部ショートター
ムシミュレーション(以下、SSIMという)は、現在
の対象機械の状態を決定するためのシミュレーションで
ある。
【0032】機械の状態は、対象機械を構成している個
々の部品についてその属性を表わす物理量の集合で表わ
される。SSIMは、これら物理量を定性的な方程式で
関係付けたパラメータモデル上で行う。SSIMの推論
法は、上述したファジイ定性推論を用いる。また、ファ
ジイ定性推論のアルゴリズムとしては、プロパゲーショ
ン法を用いる。以下に、このプロパゲーション法におけ
る伝播のさせ方について説明をする。
【0033】推論は、定数パラメータ、センサから得ら
れる値によって決まるパラメータ、LSIMによって決
まるパラメータ、のそれぞれの値が決定された状態から
始まる。 伝播をさせる場合、まず、 (1)三項関係(+、−、×、等)にあるパラメータの
うち、二項が既に決まっていれば、残りの一項を決める
【0034】(2)二項関係(=)にあるパラメータの
うち、どちらかが決まっていれば、他方を決める。以上
の伝播方法を、すべてのパラメータの値が決まるまで繰
り返す。この結果、SSIMにより、対象機械全体の状
態、換言すればすべてのパラメータ値が決定される。
【0035】次に、ロングタームシミュレーション部1
2、ショートタームシミュレーション部13、故障診断
部14および故障シミュレーション部16において行わ
れる故障診断の推論手順について説明をする。 劣化情報を利用したファジイ定性推論による故障診断図
6、図7および図8を参照して、故障診断の推論は、以
下の手順で行われる。
【0036】予め、対象機械に設けられたセンサによっ
てその時点での対象機械の状態をセンシングし(ステッ
プS1)、センシングによって得られた各パラメータの
値をファジイ定性値化する(ステップS2)。ステップ
S1におけるパラメータ値のセンシングは、センサが設
けられている場合には、そのセンサによって行われる(
たとえば、後述するように、ハロゲンランプの光量Hl
は、AEセンサで測定される等である。)。また、使用
時間は、たとえば内蔵されたカウンタによってカウント
されており、該カウンタ値が使用時間を表わす定量値と
して読み出される。あるいは、ステップS1におけるセ
ンシングは、センサやカウンタが内蔵されていない場合
には、サービスマン等が対象機械をマニュアルで測定し
、測定した値をシステムに入力する方法がとられてもよ
い。
【0037】(1)LSIM対象機械を構成する予め定
める個々の部品について、設計値として得られる定量情
報およびその部品を使い始めてからの使用時間を入力情
報としてLSIMを行い、部品の劣化量を予測する。次
いで、ファジイ定性値化された各パラメータのうち、劣
化量を算出するために必要なパラメータのファジイ定性
値から劣化量XXの微分値dXXが計算され(ステップ
S3)、劣化量の微分値dXXと前回のLSIM実行時
点で求められた劣化量XXn−1から、今回の劣化量X
Xnが計算される(ステップS4)。つまり、XXn=
XXn−1+dXX が計算される。
【0038】(2)劣化量から対象モデルに対する影響
への変換 ここでは、LSIMの結果得られた劣化量を、対象モデ
ルの部品に及ぼす影響に変換する(ステップS5)。変
換は、劣化量と実際の変化との対応表に、ステップS4
で算出された今回の劣化量XXnを照らし合わせ、それ
に基づいて算出される。劣化量と実際の変化との対応表
は、後述する具体例の説明における表3のごときもので
ある。
【0039】変換の結果、劣化が部品に及ぼす影響とし
て、以下の2つが得られる。 (i)パラメータモデル上でのパラメータ値の変化(i
i)現象の起こる度合いの変化 なお、この説明では、上記2つの変化を劣化が部品に及
ぼす影響として求めるることにしたが、たとえばパラメ
ータモデル上でのパラメータ値の変化だけを求めてもよ
い。
【0040】(3)SSIM 上記(2)で求めた部品に及ぼす影響のうち、パラメー
タ値に対する影響の結果得られたパラメータ値を初期条
件としてシミュレーションを行い、時間経過後の対象機
械全体のパラメータの値を決定する。具体的には、LS
IMによって得られた所定のパラメータの値をパラメー
タモデル上に置き(ステップS6)、プロパゲーション
法によってパラメータモデル上を伝播させて、対象機械
の全パラメータの値を決定し、対象機械の現在の状態モ
デルを生成する(ステップS7)。
【0041】(4)故障判定 次いで、予めステップS1およびS2でファジイ定性値
に変換しておいたセンサ値のうち、機能パラメータのセ
ンサ値を見て、故障しているか否かを判定する(ステッ
プS8)。機能パラメータのセンサ値の評価は、予め対
象モデル記憶部15に記憶されている故障判定基準値と
比較することにより行われる。機能パラメータのセンサ
値が正常と判定されると、ステップS9へ進み、ステッ
プS7で求められたパラメータモデル上のパラメータ値
とステップS1でセンシングされまたは入力された実際
のパラメータ値とが比較され、パラメータモデルと実際
の対象機械の状態との一致度が判定される。
【0042】ステップS9における一致度の評価の結果
、一致している場合には処理は終了し、一致していない
場合には、ステップS8で機能パラメータが正常である
と判定されていることを優先して、機械は作動させ続け
る。しかし、モデルとセンサ値とは不一致であり故障の
可能性も残されていることから、たとえば表示装置等に
メッセージを表示させる(ステップS10)。メッセー
ジの表示形態は種々考えられるが、たとえば上述のよう
に、機能パラメータが正常でありモデルは不一致である
場合は、機能パラメータを測定するセンサが故障してい
ることが考えられるので、「センサ異常になっている可
能性がある」等の表示を行う。
【0043】(5)故障診断 上記(4)で故障と判定された場合、故障症状から故障
候補を導出する(ステップS11)。故障候補は、予め
複数の故障候補が対象モデル記憶部15(図3)に記憶
されている。機能パラメータのパラメータ値からパラメ
ータモデル上でのトレースを行い、予め記憶されている
複数の故障候補の中から該当する故障候補を選択して導
出する。あるいは、先に述べた本願出願人の先願におい
て説明されている推論(ファジイ理論を用いないノンフ
ァジイ推論)によって故障候補が決定されてもよい。
【0044】(6)SSIM ステップS11で導出された各故障候補について、SS
IMを行い、故障モデルを作成する。より具体的には、
各故障候補について、故障条件とLSIMの結果得られ
たパラメータ値とを初期条件としてパラメータモデル上
に置き(ステップS12)、プロパゲーション法によっ
てパラメータモデルをトレースし、対象機械の状態モデ
ルを生成する(ステップS13)。
【0045】これにより、故障モデルが作成される。 (7)故障原因同定 センサ情報と、(2)で求めた現象の起こる度合い等か
ら、故障原因の順位付けおよび絞り込みを行う。より具
体的には、状態モデルのパラメータ値とステップS1で
センシングされまたは入力された実際のパラメータ値と
に基づいてモデルの一致度が評価され(ステップS14
)、モデルの評価結果にLSIMの結果である現象の起
こる度合いが加味されて再評価され、優先順位付けが行
われる(ステップS15)。
【0046】なお、ステップS15の処理を省略して、
ステップS14で行っているパラメータ値の一致度のみ
によって故障原因の同定を行うという簡易なやり方を用
いてもよい。以上の推論手順によって、故障診断が完了
する。また、故障診断の完了時に、故障履歴情報を追加
および/または修正する作業が行われてもよい。そして
、その後、故障はパラメータ操作によって修復可能か否
かが判別され(ステップS16)、パラメータ操作によ
って修復可能な場合は修復が行われ(ステップS17)
、パラメータ操作によって修復ができない場合、たとえ
ば電子写真複写機においてハロゲンランプが切れた場合
等には、修復不可能であるから処理はそのまま終わる。 ステップS17における修復操作は、以下に説明する修
復計画部17において行われる。
【0047】図3に戻って、残りの構成ブロックについ
て説明をする。修復計画部17は、故障がある場合に、
該故障を修復するための修復計画を推論するとともに、
修復計画を導出するための構成部である。修復計画の推
論および修復作業の導出は、既提案の自己診断および/
または自己修復システムにおける推論と同様に、ファジ
イ理論を用いないノンファジイの定性推論が活用される
【0048】修復計画部17から出力される修復作業は
、シンボル/ディジタル信号変換部18においてディジ
タル信号に変換される。そして、変換されたディジタル
信号は、D/A変換回路4でディジタル信号からアナロ
グ信号に変換され、増幅回路5で増幅され、複数のアク
チュエータ6a,6b,6cに与えられて該アクチュエ
ータ6a,6b,6cを選択的に動作させ、修復作業を
実行させる。 具体的な対象機械を例にとった説明 具体的な対象機械の構成および状態 次に、このシステムを、具体的な対象機械として画像形
成装置、より具体的には小形の電子写真複写機に適用す
る場合を例にとって説明する。
【0049】図9は、具体的な対象機械としての小形の
電子写真複写機の図解図である。9図において、21は
感光体ドラム、22は主帯電チャージャ、23は原稿照
明用のハロゲンランプ、24は現像装置、25は転写チ
ャージャである。この具体的な対象機械には、たとえば
3つのセンサ1a,1b,1cが設けられている。すな
わち、センサ1aは感光体ドラム21に入射する光量を
測定するためのAEセンサ、センサ1bは感光体ドラム
21の表面電位を測定する表面電位センサ、センサ1c
は用紙上にコピーされた画像の濃度を測定するための濃
度計である。
【0050】また、図9に示されていないが3種類のア
クチュエータが設けられている。すなわち、感光体ドラ
ム21の主帯電電圧を変化させるための主帯電ボリュー
ムVR1、ハロゲンランプ23の光量を制御するための
ランプボリュームAVRおよび感光体ドラム21とコピ
ー用紙間の転写電圧を制御するための転写ボリュームV
R2、という3つのボリュームがアクチュエータとして
設けられている。
【0051】ところで、図9に示す電子写真複写機を物
理的な視点から捉え、実体レベルでその電子写真複写機
を複数個の要素の結合として表現し、各要素の挙動およ
び属性並びに各要素間の結合関係をパラメータを用いて
定性的に表すと、表2に示す通りとなる。この表2のよ
うな表現形式を「実体モデル」と呼ぶことにする。また
、実体モデルを抽象化して、各パラメータの結合ツリー
として表わした図10の表現を「パラメータモデル」と
呼ぶことにする。
【0052】そして、「実体モデル」と「パラメータモ
デル」とを合わせて「対象モデル」と呼ぶことにする。 「対象モデル」は、後述する故障修復のためにも活用さ
れる画像形成装置に一般的に共通する定性データである
。この実体モデルおよびパラメータモデルの各内容は、
対象モデル記憶部15(図3参照)に記憶されている。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示す実体モデルまたは図10に示す
パラメータモデルにおいて、この機械の構造の基礎とな
るパラメータHl、D、Vn、β、Vb、γ0、ζ、A
sp、センサにより得られるセンサパラメータX、Vs
、Os、および、劣化する可能性のあるパラメータは、
それぞれ、図11に示す定性ファジイ量空間を持つ。こ
の定性ファジイ量空間は、任意に作成可能であり、各パ
ラメータごとにメンバーシップ関数を決めることによっ
て予め作成され、対象モデル記憶部15に記憶されてい
る。
【0055】また、この実施例にかかる電子写真複写機
を構成する各部品のうちの予め定める部品に対して、部
品固有の劣化モデルを構築する。この実施例では、簡単
のために露光部のみが劣化するものとして説明をする。 図12に劣化モデル、図13に各パラメータの劣化モデ
ルにおける定性ファジイ量空間を示す。また、表3に劣
化量XXと実際の変化との対応関係を示し、さらに、表
4(A),(B)に演算則を示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】なお、表3および表4では、簡単のため、
値としてs、m、lのみを用いたが、値は3つに限らず
4つ以上でもよく、任意に拡張できる。また、上述の表
3におけるp(HlCut)は、ハロゲンランプが断線
する(HlCut)という現象が発生する度合いpを表
わしている。さらに、表3には示していないが、現象の
発生する場合が経時的に変化しないものは1.0とみな
す。たとえば、本実施例の場合、ハロゲンランプ不良(
HlOut)は、1.0である。
【0059】LSIMでは、劣化が使用量および使用時
間の積分として求められるため、たとえば、月1回のL
SIMを行い、前月のLSIM実行時点の劣化量XXn
−1と、図12より求まる劣化量の微分値dXXより、
次式のようにして今月の劣化量XXnを求めることがで
きる。 XXn=XXn−1+dXX 次に、以上の説明を前提として、いくつかの例題を取り
上げて説明する。 例題1:新品から1か月目(T1)で正常な例予め、上
記センサ1a,1b,1cによって得られる値をファジ
イ定性値化しておく。
【0060】具体的には、基準の白原稿を用いて測定し
たセンサ1aの光量がパラメータHlの値として用いら
れ、所定の濃度を有する原稿を用いて測定したセンサ1
aの光量がパラメータXの値として使用される。また、
センサ1bによって露光後の表面電位Vsを、センサ1
cによって出力紙上のトナー濃度Osを、それぞれ測定
する。
【0061】さらに、上記各パラメータのセンサ値が測
定された時点での時間情報をTとして使用する。上記パ
ラメータ値の測定からHl=V1,T=T1が求められ
、図13上にマッピングすると、次のファジイ定性値が
求められる。 Hl=(m:1.0) T  =(s:1.0) また、上記パラメータ値の測定から得たX、Vs、Os
の定量値を図11のような、それぞれに固有の定性ファ
ジイ量空間にマッピングし、以下のセンサパラメータ値
を得る。
【0062】X=((0,N):0.1,N:0.9)
Vs=(N:1.0) Os=((0,N):0.1,N:0.9)(1)LS
IMにより現在の劣化状態の予測初期条件は、 XX=(0:1.0) であるとし、予め設定された係数値は α1=(s:1.0)、 α2=(m:1.0) とする。なお、これら係数α1およびα2は任意の値で
あり、影響度に応じて設定されている。
【0063】また、パラメータHlおよびTの値は上で
求めた通り、 Hl=(m:1.0) T  =(s:1.0) を用いる。 図13、表4(A)、(B)より dXX1=(s:1.0) dXX2=(s:1.0) dXX  =(s:1.0) ∴XX  =XXn−1+dXX =(0:1.0)+(s:1.0) =(s:1.0) (2)劣化量の影響を検討 上記(1)で求めた劣化量XXを表3にあてはめること
により、 H1=(N:1.0) p(H1Cut)=0.9 となる。これにより、ハロゲンランプ断線(HlCut
)という現象が起こる度合いは0.9倍であることがわ
かる。
【0064】(3)SSIMにより、LSIMの結果を
用いて現在の機械全体の状態を推論上記(2)の結果(
Hl=(N:1.0))と初期条件(この場合は、Hl
以外のパラメータについては劣化量を算出していないの
で、残りのパラメータはすべて(N:1.0)としてい
る。)とに基づいてSSIMを行う。SSIMの結果、
パラメータ値は、以下のように、全パラメータ値=(N
:1.0)となる。
【0065】 H1=(N:1.0)      γ0  =(N:1
.0)D  =(N:1.0)      Vt  =
(N:1.0)β  =(N:1.0)      ζ
    =(N:1.0)Vn=(N:1.0)   
   Asp=(N:1.0)Vb=(N:1.0)(
4)故障判定 故障判定基準として、以下の知識を用いる。この知識は
、対象モデル記憶部15(図3参照)に予め記憶されて
いる。
【0066】   (a)機械の機能評価       N値≧0.5→正常→モデルの一致度を比
較          >0.5→異常→故障診断  
(b)モデルと実測値との比較       機械の一致度≧0.5→故障なし    
              >0.5→「センサ異常
の可能性あり」等を表示本実施例の場合、(a)機械の
機能評価については、Os値について比較を行えばよい
ので、Osの測定値をファジイ定性値化したOs=((
0,N):0.1,N:0.9)を用いて比較する。こ
の場合は、N値が0.9なので、N≧0.5となり、(
a)機能評価は正常となる。
【0067】次に、(b)モデルと実測値との比較を行
う。各センサ値と、上記(3)の結果のモデルとを比較
して、両者の一致度を以下の条件から求める。一致度=
max(min(各項目のグレード))それにより、次
の結果が得られる。
【0068】                     センサ値 
   モデル値    min値  X  :(0,N
)  0.1                   
 0            N      0.9 
     1.0        0.9      
                         
           max0.9  Vs:   
 N      1.0      1.0     
   1.0                   
                       ma
x1.0  Os:(0,N)  0.1      
    0        0           
 N      0.9      1.0     
   0.9                   
                       ma
x0.9また、機械全体の一致度は、次の通りとなる。
【0069】機械全体の一致度=各センサの一致度の平
均 =(0.9+1.0+0.9)/3=0.93なお、機
械全体の一致度を求める際の各センサの一致度の平均を
とる代わりに、最小値をとるようにし、より厳しい条件
下で一致度を求めてもよい。ここで上述の故障判定基準
(b)を適用すると、一致度の平均が0.5を超えてい
るので、正常と判定される。すなわち、(a)(b)と
も正常であり、引き続き使用可能である。以上のような
実施例において、(a)機械の機能評価は正常であり、
(b)モデルと実測値の比較が異常である場合(図6で
は、ステップS9からステップS10へ進む場合)には
、機能評価に関するパラメータ、すなわちOsを測定す
るセンサに異常がある可能性も考えるので、その旨を表
示する。 例題2:例題1と同様に新品から1か月目(T1)で、
故障の例 センサパラメータX,Vs,Osの値は以下の通りであ
ったとする。
【0070】 X  =(0:0,9、(0,N):0.1)Vs=(
N:0.1、(N,nil):0.9)Os=(N:0
.1、(N,nil):0.9)また、パラメータHl
は、測定値がV1より小さな値であったが、(1)LS
IMを実行した後に(2)劣化量の影響を検討した結果
、 Hl=(N:1.0) P(HlCut)=0.9 であったとする。
【0071】このような状態のもとで、(3)SSIM
を行うと、得られるモデルの全パラメータ値=(N:1
.0)となる。 (4)故障判定 (a)機械の機能評価 Osのファジイ定性値より、N=0.1でありN<0.
5となっているので、機能異常である。したがって故障
と診断される。
【0072】(5)故障候補の導出 故障候補として、予め下記に示す情報が、対象モデル記
憶部15に記憶されている。 HlCut:Hl=0 HlOut:Hl=(0,N) VtOut:Vt=(0,N) PaperOut:ζ=(0,N) VbOut:Vb=(N,nil) TonnerOut:γ0=(0,N)MCOut:V
n=(0,N) なお、Outは不良の意味である。
【0073】そこで、上記(4)で求めたOsが大きい
という機能異常、すなわちOs=(N,nil)を図1
0に示すパラメータモデル上でトレースし、図14を得
る。図14において、上向き矢印を付したパラメータは
、その値が(N,nil)に変化した可能性のあるもの
、下向き矢印を付したパラメータは、その値が(0,N
)または(0)に変化した可能性のあるもの、矢印を付
していないパラメータは、その値がノーマルのままのも
のである。この結果、上記故障候補のうち、HlCut
およびHlOutが故障候補として取り出される。
【0074】(6)上記(5)で求められた2つの故障
候補に対し、SSIMを実行し、そのときの故障状態を
推論する。つまり、HlOutに対してシSSIMを行
い、以下の2通りのモデルを得る。 Hl  =((0,N):1.0) D    =(N:1.0) X    =(0:1.0)            
or    ((0,N):1.0) β    =(N:1.0) Vs  =((N,nil):1.0)Yn  =(N
:1.0) Vb  =(N:1.0) γ0  =(N:1.0) Ds  =((N,nil):1.0)Vt  =(N
:1.0) ζ    =(N:1.0) Os  =((N,nil):1.0)Asp=(N:
1.0) Sp  =((N,nil):1.0)2通りというの
は、Xの値が2通り生じるからである。 これは、Xの値は、HlからDを引いた値になるが、H
l=(0,N)であり、D=(N)であるから、ノーマ
ルより小さいものからノーマルを引くと、ファジイ演算
の結果としては、ノーマルより小さいものが残るか、0
になるかの2通りの場合が考えられるからである。
【0075】また、HlCutに対してSSIMを行う
と、以下の2通りのモデルを得る。 Hl  =(0:1.0) D    =(N:1.0) X    =(0:1.0)            
or    ((0,N):1.0) β    =(N:1.0) Vs  =((N,nil):1.0)Yn  =(N
:1.0) Vb  =(N:1.0) γ0  =(N:1.0) Ds  =((N,nil):1.0)Vt  =(N
:1.0) ζ    =(N:1.0) Os  =((N,nil):1.0)Asp=(N:
1.0) Sp  =((N,nil):1.0)(7)故障原因
の同定 モデルとセンサの一致度および現象の起こる度合いの2
つから、故障原因の順位付けおよび絞り込みを行う。
【0076】   (i)モデルとセンサの一致度   A.  HlOut    X=0       
 B.  HlOut    X=(0,N)    
      X    :  0.9        
          X    :  0.1    
                  Vs  :  
0.9                  Vs  
:  0.9                   
   Os  :  0.9            
      Os  :  0.9         
             全体      0.9 
                 全体      
0.63  C.  HlCut    X=0   
     D.  HlCut    X=(0,N)
          X    :  0.9    
              X    :  0.1
                      Vs 
 :  0.9                  
Vs  :  0.9               
       Os  :  0.9        
          Os  :  0.9     
                 全体      
0.9                  全体  
    0.63(6)でSSIMを行った結果得られ
た各故障候補に対するモデルと、センサとの一致度が上
記のように求められる。
【0077】(6)で得たモデルは、パラメータモデル
上に故障原因(たとえばHlOutとして、Hl=((
0,N):1.0))をセットし、その故障原因が他の
パラメータに与える影響をトレースしたものである。し
たがって、注目するセンサが示している値と、モデル上
でそれに対応するパラメータ値との一致度が高いほど現
在の装置の状態はそのモデルに近いということであり、
言い換えれば、そのモデルを導出するために仮定した故
障原因が、現在の故障原因である可能性が高いというこ
とを意味する。
【0078】本実施例の場合は、HlOut、HlCu
tのモデルとセンサの一致度が同時に0.9であり、共
に原因として考えられる。上記4つのモデルに対して、
順位を付けると、以下の通りである。 順位  1.A,C:0.9 2.B,D:0.63 このように複数の原因が導出された場合に対応して、図
3の対象モデル記憶部15等に、予め故障原因の優先順
位を記憶させ、それに従って故障原因の絞り込みを行う
ようにしてもよい。本実施例ではさらに絞り込みを行う
ために以下の操作を行う。
【0079】(ii)現象の起こる度合い(2)の劣化
量の影響を検討した段階において導出した現象の起こる
度合いを考慮して、以下のように、一致度を示す値に度
合いを示す値を掛け合わせて絞り込みをする。 p(HlOut)=1 p(HlCut)=0.9   順位  1.  A:0.9  ×1.0=0.9
    正規化して  1.0        2. 
 C:0.9  ×0.9=0.81  正規化して 
 0.9        3.  B:0.63×1.
0=0.63  正規化して  0.7       
 4.  D:0.63×0.9=0.57  正規化
して  0.63(一致度)×(度合い)の計算値の高
いものほど最も優先度が高いので、HlOutが最も疑
わしいことがわかる。そこで、ハロゲンランプの光量を
変化させるように修復を行うことになる。
【0080】例題3:使用し続け、nか月目(nT1)
の劣化の例 センサから得られる実測値によって、各パラメータのフ
ァジイ定性値が以下のように求められている。 Hl=V1より    Hl=(m:1.0)T  =
nT2より  T=(m:0.3,l:0.7)また、 X=(N:0.8,(0,N):0.2)Vs=(N:
0.9,(N,nil):0.1)Os=(N:0.9
,(N,nil):0.1)(1)LSIMにより現在
の劣化状態を予測初期条件は、 XXn−1=(m:1.0) また、予め設定された係数値は、 α1=(S:1.0) α2=(m:1.0) 図13および表4(A)、(B)より dXX1=(s:1.0) dXX2(m:0.3、1:0.7) ∴  dXX=(s:1.0)+(m:0.3、1:0
.7) =(m:0.3、1:0.7) XX=(m:1.0)+(m:0.3、1:0.7)=
(m:0.3、1:0.7) (2)劣化量の影響を検討 上記(1)で求めた劣化量XXを表3にあてはめて計算
することにより、 Hl=(((N:0.95、(0,N):0.05):
0.3) ((N:0.9、(0,N):0.1):0.7))=
  N:0.95×0.3+0.9×0.7(0,N)
:0.05×0.3+0.1×0.7=(N:0.91
5、(0,N):0.085)p(HlCut)=1.
1×0.3+1.3×0.7=1.24 (3)SSIMにより、LSIMの結果を用いて現在の
機械全体の状態を推論上記(2)の結果と初期条件より
Hl=(N:0.915、(0,N):0.085)D
  =(N:1.0) β  =(N:1.0) Vn=(N:1.0) Vb=(N:1.0) γ0=(N:1.0) Vt=(N:1.0) ζ    =(N:1.0) Asp=(N:1.0) この条件でSSIMを行うと、以下の結果を得る。
【0081】 Hl=(N:0.915、(0,N):0.085)D
  =(N:1.0) X  =(N:0.915、(0,N):0.085)
or (N:0.915、0:0.085) β  =(N:1.0) Vs=(N:0.915、(N,nil):0.085
) Vn=(N:1.0) Vb=(N:1.0) γ0=(N:1.0) Ds=(N:0.915、(N,nil):0.085
) Vt=(N:1.0) ζ  =(N:1.0) Os=(N:0.915、(N,nil):0.085
) Asp=(N:1.0) Sp=(N:0.915、(N,nil):0.085
) この結果から、Hl劣化の影響として、画像が濃くなる
かもしれない(Osが上昇する)ことがわかる。また、
各パラメータ値の変化から、一般に、複数の部品の劣化
の複合的な影響や、その結果、連鎖的に起こる故障も推
論可能である。 (4)故障判定 (a)機械の機能評価 Osのファジイ定性値より、N=0.9であり、N≧0
.5となっているので正常である。
【0082】(b)モデルと実測値との比較各センサ値
と、上記(3)の結果のモデルとを比較して、両者の一
致度を求める。 A.    X=(N:0.915、(0,N):0.
085)のモデル 各センサの一致度 X    :  0.8 Vs  :  0.8 Os  :  0.8 全体      0.87 B.    X=(N:0.915、0:0.085)
のモデル 各センサの一致度 X    :  0.8 Vs  :  0.9 Os  :  0.9 全体      0.87 よって、AあるいはBのモデルと一致しているらしいこ
とがわかる。結論として、機能は正常であり、機械は劣
化してモデルAあるいはBの状態になっているが、正常
に使用可能であると判定される。
【0083】例題4:例題3と同様の条件で故障発生の
場合 センサ値として、次のデータが得られている。 X  =(N:0.1、(0,N):0.9)Vs=(
(N:nil):1.0) Os=((N:nil):1.0) また、HlおよびTの値から演算を行うと、上記例題3
の(1)ないし(3)と同様の結果が得られたものとす
る。 (4)故障判定 (a)機械の機能評価 Qsのファジイ定性値よりN=0であり、N<0.5と
なるので異常である。したがって故障と判断される。 (5)故障候補の導出 予め記憶されている故障候補は、例題2の(5)に記載
のものと同様である。そこで、Os=(N,nil)を
図10に示すパラメータモデル上でトレースし、HlC
ut HlOut を故障候補として得る。
【0084】(6)SSIMによる故障シミュレーショ
ン HlCut,HlOutに対して例題2の(6)と同じ
結果を得る。なお、この実施例では、簡単のために露光
部のみが劣化するものとして説明しているので、この例
題4の故障シミュレーション結果は例題2のそれと同じ
になるが、一般には、他のパラメータ値が劣化の影響で
変化するので同じ結果にはならない。たとえば、出力部
の劣化の影響としてζ=(N:0.8、(0,N):0
.2)であった場合は、HlOutに対して次のような
結果を得る。
【0085】Hl=((0,N):1.0)D  =(
N:1.0) X  =((0,N):1.0) or (0:1.0) β  =(N:1.0) Vs=((N,nil):1.0) Vn=(N:1.0) Vb=(N:1.0) γ0=(N:1.0) Ds=((N,nil):1.0) Vt=(N:1.0) ζ  =(N:0.8、(0,N):0.2)Os=(
(0,N):0.2、N:0.2、(N,nil):0
.8)正規化して((0,N):0.18、N:0.1
8、(N,nil):0.8)Asp=(N:1.0) Sp=((N,nil):1.0) (7)故障原因の同定 モデルとセンサの一致度および現象の起こる度合いの2
つから、故障原因の順位付けおよび絞り込みを行う。
【0086】   (i)モデルとセンサの一致度   A.  HlOut    X=0       
 B.  HlOut    X=(0,N)    
      X    :  0.9        
          X    :  0.1    
                  Vs  :  
1.0                  Vs  
:  1.0                   
   Os  :  1.0            
      Os  :  1.0         
             全体      0.97
                全体      0
.7  C.  HlCut    X=0     
   D.  HlCut    X=(0,N)  
        X    :  0.9      
            X    :  0.1  
                    Vs  :
  1.0                  Vs
  :  1.0                 
     Os  :  1.0          
        Os  :  1.0       
               全体      0.
97                全体     
 0.7  順位  1.  A,C:0.97 2.  B,D:0.7 (i)現象の起こる度合い p(HlOut)=1 p(HlCut)=1.24   順位  1.  C:0.97×1.24=1.2
0  正規化して  1.0        2.  
A:0.97×1.0  =0.97  正規化して 
 0.81        3.  D:0.7  ×
1.24=0.87  正規化して  0.73   
     4.  B:0.7  ×1.0  =0.
7    正規化して  0.58    よって、C
が最も疑わしい。また、少なくともHlCutが疑わし
い。しかし、HlCutはハロゲンランプが切れている
ことであり、修復は不可能であるから、修復は行わない
【0087】なお、修復が可能であるかどうかは、修復
可能な故障原因と、修復不可能な故障原因とに分け、図
3の対象モデル記憶部15に記憶しておき、適宜参照す
るようにすることができる。さらに、修復不可能な故障
原因が最優先で導出された場合には、その旨を表示部に
表示させるようにしてもよい。
【0088】
【発明の効果】この発明は、以上のように、対象モデル
記憶手段、劣化データ記憶手段、データ入力手段、劣化
量算出手段、変化算出手段、データ変換手段、故障判定
手段、故障診断手段ならびに原因同定手段を含む構成に
なっているので、画像形成装置を構成する構成部品の劣
化量を考慮に入れた故障診断を自動的に行うことができ
、画像形成装置の補修作業の省力化や自動運転の長期化
を実現することができる。特に、劣化量を求めるのに、
その都度データ入力手段から現在のデータを入力し、フ
ァジイ推論を利用して計算を行うため、現在の正確な劣
化量が求まり、故障診断の正確性が増す。
【0089】さらに、劣化・故障履歴情報ベースを蓄積
する際に、正確に分類された情報ベースを作ることがで
き、総合的な推論の開発への利用が期待できる。つまり
、定性推論→事例推論→ファジイ推論→定性推論、とい
う異なる種類の推論によって推論のループを形成でき、
高度な自律システムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定性量空間の一例を表わす図である。
【図2】センサ情報をファジイ定性値に変換するメンバ
ーシップ関数の一例を表わす図である。
【図3】この発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】劣化要因パラメータと劣化量との関係を表わす
図である。
【図5】劣化要因パラメータの量空間の一例を表わす図
である。
【図6】この実施例における故障診断の推論手順を表わ
すフローチャートの一部である。
【図7】この実施例における故障診断の推論手順を表わ
すフローチャートの一部である。
【図8】この実施例における故障診断の推論手順を表わ
すフローチャートの一部である。
【図9】具体的な対象機械としての小型の電子写真複写
機の図解図である。
【図10】この実施例にかかる電子写真複写機のパラメ
ータモデルを表わす図である。
【図11】パラメータの定性ファジイ量空間の例を表わ
す図である。
【図12】劣化モデルの一例を表わす図である。
【図13】各パラメータの劣化モデルにおける定性ファ
ジイ量空間を示す図である。
【図14】故障候補の導出のためにパラメータモデル上
でOsが大きいという機能異常の原因をトレースした状
態の図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c    センサ 6a,6b,6c    アクチュエータ11    
            ディジタル信号/FQ値変換
部12                ロングターム
シミュレーション部13              
  ショートタームシミュレーション部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データを具現化して視認可能な画像を
    生成する画像形成装置のための自己診断システムであっ
    て、画像形成装置を複数個の要素の結合として表現し、
    各要素の挙動または属性および各要素間の結合関係をパ
    ラメータを用いて定性的に表わした定性データ、各パラ
    メータのメンバーシップ関数ならびに故障診断知識が記
    憶された対象モデル記憶手段、前記画像形成装置を構成
    する所定の部品について、劣化要因および各劣化要因の
    メンバーシップ関数を含む劣化データが記憶された劣化
    データ記憶手段、任意のデータを入力することのできる
    データ入力手段、劣化データ記憶手段に記憶された劣化
    データおよびデータ入力手段から与えられるデータに基
    づいて、現在までの使用時間に対する劣化量を劣化要因
    のメンバーシップ関数を用いてファジイ定性値で出力す
    る劣化量算出手段、対象モデル記憶手段に記憶された定
    性データのパラメータのうち、劣化量算出手段により算
    出された劣化量によって変化したパラメータの値をパラ
    メータのメンバーシップ関数を用いてファジイ定性値と
    して表現する変化算出手段、データ入力手段から与えら
    れるデータを対象モデル記憶手段に記憶されたパラメー
    タのメンバーシップ関数を用いてファジイ定性値に変換
    するデータ変換手段、データ変換手段の変換出力を対象
    モデル記憶手段に記憶された定性データと比較すること
    により故障の有無を判定する故障判定手段、故障判定手
    段が故障有りを判定したことに応答して、変化算出手段
    の算出結果を初期条件として対象モデル記憶手段に記憶
    された定性データおよび故障診断知識に基づいて画像形
    成装置の状態を診断し、診断結果を曖昧さを含む表現で
    出力する故障診断手段、ならびにデータ変換手段で変換
    されたファジイ定性値を故障診断手段で診断された画像
    形成装置の状態と比較して原因を同定する原因同定手段
    、を含む画像形成装置のための自己診断システム。
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