JPH01191040A - 光音響測定装置 - Google Patents

光音響測定装置

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JPH01191040A
JPH01191040A JP63016144A JP1614488A JPH01191040A JP H01191040 A JPH01191040 A JP H01191040A JP 63016144 A JP63016144 A JP 63016144A JP 1614488 A JP1614488 A JP 1614488A JP H01191040 A JPH01191040 A JP H01191040A
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light
cell
measurement
photoacoustic
sample
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JP63016144A
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English (en)
Inventor
Shiro Sawada
嗣郎 澤田
Ryuichi Takamoto
隆一 高本
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/1702Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with opto-acoustic detection, e.g. for gases or analysing solids

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は光音響測定装置、とくにin  vivo、i
n  5ituでの測定が可能な光音響測定装置に間す
るものである。
[従来の技術] 被測定物の定性、定量分析を、非破壊で行ういわゆる非
破壊分析法が生体分析などの分野で重要性を増してきて
いる。
従来の一般的な非破壊分析法は、被測定試料に光を照射
し、その反射光あるいは透過光を測定するものであった
しかしながら、これらの手法では、表面に凹凸のある強
散乱性の生体試料の場合、正確に吸光、反射されたエネ
ルギーを測定することは困難である。吸光特性を測定す
る場合には、吸光だけでなく散乱光によっても照射光は
減少し、また反射特性を測定する場合には表面の凹凸に
よる散乱光によって正確な測定が妨げられてしまうから
である。
そこで近年、被測定物が吸光したエネルギーを光として
ではなく、発生した熱に起因して生じる圧力波(音波)
で測定する光音響法が開発され、散乱光の影響を受けに
くいため生体試料などの強散乱性物質の吸光特性の測定
に応用されている。
ここで、発生する熱量に支配的な因子は熱拡散長と呼ば
れ、次式により表される。
μ=(2に/ρCω)1′2 に:物質の熱伝導率 ρ:動物質密度 C:物質の比熱 ω:照射光の変調角周波数 従って、ある物質において、に、ρ、Cが一定であると
、照射光の周波数を変えることで熱拡散長が変化し、そ
の熱拡散長領域内に熱的に性質の異なる物質が存在する
と発熱量が変化する。
この結果、照射光の変調周波数を変化させることで、熱
拡散長レベルでの深さ方向分析が可能となる。また、信
号強度が光源強度に比例するため吸光量の少ない物質の
測定にも適している。
しかし、通常の光音響法では、小さな密閉型のセル内に
試料を設置し測定するため、試料の切断などの処理が必
要であり、このため、in  vivo、in  5i
tu測定を行うことは不可能である。
このような密閉型音響セルセルの欠点を克服し、試料を
切り取るなどの物理的前処理及び抽出などの化学的前処
理を必要としないin  vivo、in  5itu
分析を可能とするため、セルの一面を開放面とし、その
開放面に被測定物試料を押着し、セルの気密系を構成す
る開放型セルを用いる光音響分析法及び装置も報告され
ている。
しかし、密閉型音響セルに比較すると環境雑音の影響を
受けやすいため、雑音成分が大きく感度が低いのが欠点
である。
例えば、この雑音成分の影響を減少させるために光を照
射する測定側セルと光を照射せず雑音成分のみを測定で
きる参照側セルの二つの光音響セルを使用し、その双方
の信号の差を差動マイクロフォンで検出する方法(P−
Pou l et、  J。
Chambron、J−Photoacousti c
 s  1 329−346 (1983) )が提案
されているが、測定側セルで検出する光音響信号自身の
強度は共鳴周波数で測定されておらず、信号が強大でな
いため弱く、かつ測定側及び参照側セルの位相が異なる
ため、差動マイクロフォンによる雑音消去法が完全でな
く感度が向上していない。
さらに、照射光の変調周波数とセルの共鳴周波数を一致
させ、光音響信号の強度の向上を図るため、共鳴型の測
定側セルと参照側セルを使用し差動マイクロフォンで雑
音除去後測定する方法(A。
N1colaus、に、Giese、に、Kolmel
  PAS  国際会議 1985年)も報告されてい
る。しかし、測定側セルと参照側セルの共鳴周波数及び
雑音成分の強度が異なるため差動が完全でなく良好な感
度が得られておらず、より高感度な装置の開発が望まれ
ている。
また、現在まで報告されている開放型光音響セルは感度
の向上を図るために、環境雑音の影響を受けないように
セルの内部気体の密閉度を問題としており、セルの開放
面にシリコングリース、両面テープなどを用いて対象試
料と押着させている。
この結果、使用性の簡便さの点で問題が生じると思われ
る。
また、従来の改良された開放型セルを有する光音響測定
装置として、特閏昭62−272153号に開示される
ようなものもある。
この従来装置によれば、測定側セルと参照側セルで構成
される光音響測定装置において、いずれか一方のマイク
ロフォンがネジ切りされたブロックにより装着されてい
る。
そして、そのネジ切りされたブロックによりセルの容量
を調節し、該セルの共鳴(ヘルムホルツ共鳴)周波数を
制御するのである。
従って、この従来装置によれば、共鳴周波数にて最適な
信号の増大を図ることができる。
[発明が解決しようとする課題] 7.g ところが、前記従来の改良された光音響測定装置でも、
試料からの光音響信号に相当量のバックグランドノイズ
が混入し、感度、精度を低下させてしまうという問題点
があった。
すなわち、例えば、皮膚などの強散乱性物質を試料とす
る場合、試料からの散乱光がセルの材質(通常、真鍮、
アルミニウム、ステンレス)やマイクロフォンにあたり
、そこからの信号がバックグランドノイズとして試料か
らの光音響信号に混在してしまうのである。
また、近年、人、動物の皮膚の水分量、果実・野菜の熟
度、及び薬剤の浸透度測定など、各種分野で高精度の測
定装置が要求されているが、現状では余り適切な装置が
開発されていない。
例えば、薬剤の経皮吸収に関する評価法として、RI(
ラジオアイソトープ)などのin  viv0測定法が
あるが、これらの方法は測定系が複雑でしかも使用性が
悪いため、一般には比較的簡便な拡散セルによるin 
 vitro測定法が用いられている。
そして、実際の生体での条件に近付けるため、様々なタ
イプの拡散セルが開発されているものの、より簡便なi
n  vivo評価法の開発が強く望まれている。
そこで、改良された経皮吸収in  vivo評価法と
して第6図にも示されるように、反射セル68を有する
光スペクトルアナライザーを用いた反射法が考えられる
すなわち、この反射法は、光源70としてキセノンラン
プ及び分光器72、またはレーザーを用い、薬剤を塗布
した皮膚の部位に薬剤吸収波長光を光ファイバー74を
介して照射し、その反射光を光ファイバー76によって
捉え、光スペクトルアナライザー78により、波長によ
る反射光強度を解析するものである。
従って、はじめは薬剤の光の吸収により反射光は小さい
が、薬剤の皮膚への拡散にともなって皮膚上の薬剤量が
減少するため光の吸収も小さくなり、反射光の光強度が
大きくなってくる。
つまり、反射光の光強度によって薬剤の皮膚に於ける拡
散速度を定めようとする方法である。
この方法の特徴は、薬剤を塗布した皮膚の任意部位に反
射セルを当てるのみで測定ができ、さらに反射光の検出
器として光スペクトルアナライザーを用いるため、感度
が優れ広範な波長域(350nm〜1600nm)にて
解析が可能というところである。
反射法、は光音響法と比較して装置系の小型化が可能と
いえるが、使用性、精度、感度は光音響法が優れている
また、一般に使用されでいる薬剤は紫外部(200nm
−400nm)に吸収波長を持ち、現在までに市販され
ている光スペクトルアナライザーでは紫外光を解析でき
ないため、反射法では薬剤に対して適用限界がある。
これに対し、光音響法はアルゴンレーザー・りリブトン
レーザーなどの連続光を発振するレーザーに非線形光学
結晶素子を組み合わせることで紫外光を出すことが可能
であり、薬剤に対しても広範な適用が期待できる。
さらに、光音響法の特徴である深さ方向分析により薬剤
の経皮吸収に関する研究に有効と考えられ、光音響測定
装置の改良は急務である。
主豆辺且道 本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたものであ
り、その目的はより高感度・高精度のin  vivo
、in  5itu測定が試料の任意の場所にて可能で
、かつ、試料の深さ方向の情報が得ることのできる光音
響測定装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明にかかる光音響測定装
置は、測定側セルと、参照側セルと、を備える。
そして、前記測定側セルは、一端が開放され試料面に略
気密に押着可能で他端にマイクロフォンが設置された筒
体よりなり、開放端を試料面に押着した状態で該試料面
に光を照射可能に形成されている。
また、前記参照側セルは、一端が開放され試料面に略気
密に押着可能に形成され、他端にマイクロフォンが設置
された筒体よりなる。
ここで、前記測定側セルの試料との押着部近傍は、光透
過性材よりなることを特徴とする。
また、前述した装置において、測定側セルに用いられる
光透過性材は石英ガラスよりなることが好適である。
光透過性材により形成された部分は、押着部より10〜
50mmであることも好適である。
測定側セル及び参照側セルの容量を可変とすることも好
適である。
測定側セルに導光される光の光源は、両セルと一体に形
成されていることも好適である。
光源は半導体レーザーよりなることも好適である。
半導体レーザーとしてレーザーダイオードを用いること
も好適である。
レーザーダイオードは、ファイバー付きレーザーダイオ
ードよりなり、ファイバー先端が測定側セルの押着部近
傍に位置していることも好適である。
[作用コ 本発明にかかる光音響測定装置は、前述した手段を有す
るので、測定側セルでは光が試料面に照射され、該試料
面による光吸収に基づく熱に起因する音波が生じる。そ
して、光照射に伴う試料よりの音波と環境雑音の両者が
測定側セルのマイクロフォンにより検出されることとな
る。
一方、参照側セルのマイクロフォンには、環境雑音のみ
が検出される。
そして、両マイクロフォンの差動をとることにより、環
境雑音の影響を減じている。
ここで、従来装置であると、試料面からの反射光、散乱
光が測定側セルに当たるとセル自身のノイズが発生し、
該ノイズも測定側マイクロフォンに検出されてしまう。
また、マイクロフォンに光が当たれば大きなバックグラ
ンドノイズが発生してしまう。
そこで本発明では、測定側セルの試料当接部近傍を光透
過性・材より形成し、試料面からの反射光、散乱光をセ
ル外部に排出してしまう。
このため、反射光などによるノイズが大幅に減少し、正
確な光音響測定を行うことが可能となる。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明する
第1図には本発明の一実施例にかかる光音響測定装置の
センサ一部分の縦断面図が示されている。
同図に示す光音響装置のセンサ一部分100は、測定側
セル10と、参照側セル12と、処理部14と、よりな
る。
そして、前記各部はハウジング16により一体に形成さ
れている。
測定側セル10は、図中上端にマイクロフォン18が配
置され、下端は開放されて試料押着部を形成する。該試
料押着部には、試料接触用ゴム(O−リング)20が設
置され、試料との間を略気密に保つ。
また、前記マイクロフォン18はブロック化され、該ブ
ロック22の外周部は雄ネジ状にネジ切りされている。
そして、測定側セル10上部の雌ネジ状にネジきり形成
された部分に上下位置調節自在にねじ込まれている。
本発明において特徴的なことは、測定側セルの試料との
押着部近傍を光透過性材より構成したことであり、この
ために本実施例においては、測定側セル10の先端より
や< 40 mmにわたって石英ガラスで構成している
なお、該石英ガラス部24の上端よりマイクロフォン1
8の問は従来と同様、真鍮などの材質により形成されて
いる。
一方、参照側セル12もほぼ測定側セル10と同様に形
成され、マイクロフォン26、O−リング28、ブロッ
ク30により構成されている。
処理部14は、レーザーダイオード(LD)よりなる光
源部32と、前記マイクロフォン18゜26の出力を増
幅するプリアンプ34.36と、を含む。
ここで、前記LD32の駆動機構が第2図に示されてい
る。
同図より明らかなように、センサ一部100のLD32
は、ファンクションシンセサイザー50に制御されたL
D駆動装置52により駆動される。
そして、前記LD32より出光されたレーザー光は、光
ファイバー38を介して測定側セル10の試料押着部に
導光され、試料面に照射される。
また、プリアンプ34.36の出力は、コネクタ40.
42により外部に取り出される。
本実施例にかかる光音響測定装置は、概略以上のように
構成され、以下にその作用について説明する。
従来、感度を向上させるための対策であったセル内部の
気体の密閉度を高めることは、使用性に問題を生じさせ
、またセル内部気体の完全密閉は物理的に不可能である
そこで、本実施例では、セル内部気体の半密閏状態を利
用して、環境ノイズの影響を強く受けない高い周波数(
3KHz以上)にてヘルムホルツ共鳴をおこさせ、セル
特有の共鳴周波数を測定している。従って、その信号は
極大であり、かつ、測定側セルの容量を微小に変化させ
ることにより共鳴周波数にて最適な信号の増大を図るこ
とができる。
また、測定側セルの容量を変化させることにより測定側
セルと参照側セルとから発生する信号の雑音成分を一致
させた後、両セルの信号の差を測定しており、しかも前
記信号は、ロックインアンプにより共鳴周波数成分のみ
を取り出し、その差動を取っているので、in  vi
vo、in  5itu測定において、目的の音響信号
のみの測定を行うことができる。
すなわち、測定側セル10、参照側セル12及び処理部
14により構成されるセンサ一部100は、O−リング
20.28を介して試料表面200に押着される。
測定側セル10には、LD32より光ファイバー38を
介してレーザー光の変調光が導光され、試料面200の
任意の場所を局所的に照射する。
ここで、本実施例では、光源であるLD32をセンサ一
部100内に組み込むことで、従来装置と比較して著し
く装置の小型化を図ることができ、さらに測定系自体の
持つ電気的雑音を大幅に減少することができる。
ところで、被測定試料が皮膚などの強散乱性物質の場合
、試料からの反射光、散乱光の影響は無視できなくなる
そこで前述したように本実施例では測定側セルの、試料
と押着する部分に適当な長さ(40問)の石英ガラス部
24を設けることで、試料からの反射光、散乱光を影響
のない外部に放出させ、精度、感度の向上を図っている
。なお、石英ガラス部の長さは10mmから50mmと
することで事実上十分な性能向上を図ることができる。
そして、試料内で発生した光音響信号及び雑音は測定側
セルlO及び参照側セル12の内部で気体の疎密波に変
換され、それぞれのセルの他面に装着したマイクロフォ
ン18.26で受音する。
また、ネジ切りされたブロック22.30に装着された
測定側及び参照側のマイクロフォン18゜26はネジで
位置を調整し、それぞれ測定側、参照側のセル内部の容
積を調整することができる。
そして、測定側セル10内部の容積を変化させることに
より、測定時の共鳴周波数に最適なヘルムホルツ共鳴を
起こさせることができる。
第1図に示すセルでは、容積が10μl変化すると共鳴
周波数は3Hz変化するため、微小な調整ができるネジ
切りが必要である。
また、参照側セル12内部の容積を変化させることで、
測定側セル10及び参照側セル12で検出される雑音成
分を一致させることができる。
このように、測定側セル10、参照側セル12のそれぞ
れのマイクロフォン18.26の位置をこのネジ切りさ
れたブロック22.30の移動で調整し、信号の最大と
なる位置への設定、雑音成分の一致を図る。
そして、第2図に示すように、測定側セルより検出され
た信号Slと、参照側セルより検出された信号S2は、
それぞれロックインアンプ54に入力され、該ロックイ
ンアンプ54は、照射光の変調周波数とファンクション
シンセサイザー50で発生した同じ周波数成分のみを信
号Stと信号S2より取り出し、その差信号S3を出力
する。そして、チャートレコーダー56で記録し、コン
ピューター58で信号解析する。
ここで、試料の深さ方向に関する情報は、前述したよう
に変調周波数を変化させることで得ることができる。
すなわち、変調周波数を大きくすれば熱拡散長は小さく
なり表面の情報を得ることができ、変調周波数を小さく
すると、熱拡散長は大きくなり内部の情報を得ることが
できる。
光音響測定装置は、周波数に対して共鳴特性を持つでお
り、また試料に対して異なるQ値(共鳴特性)を〜示す
ので、前もって光音響測定装置における対象試料での光
音響信号強度の周波数特性を調べ、測定時の変調周波数
での信号強度を規格化することで、深さ方向における情
報を得ることができる。
また、変調周波数を定め、深さ方向分析の方法として、
位相を1/100度角にて調整可能なロックインアンプ
を用いて共鳴周波数での光音響信号成分の位相分析を行
フている。
次に実際の測定例について説明する。
φ                 11人の皮膚の
角質層における深さ方向の水分量測定を、光源として1
600nmの近赤外光を発振するファイバー付きレーザ
ーダイオードを用い、前記第1図及び第2図に示す測定
系にてin  vivoで測定を行フた。
その結果を第3図に示す。同図において、縦軸は光音響
信号強度、横軸は角質層の厚さを示す。
そして、この測定により、変調周波数を変化させ、それ
に対応して変化する熱拡散長域での角質層の深さ方向の
水分量に依存した信号を得ることができた。
第3図に示す各変調周波数に対する光音響信号強度は、
光音響センサーの変調周波数に対する信号の伝達関数に
基づいた周波数特性を考慮し、全格化を行い求めたもの
である。
角質層の熱拡散率は、7X10−’cm2/sであるこ
とかに、Gieseらにより報告(K、Giese、に
、Kolmel、J−Physique、colloq
ue  C6,373(1983))されているので、
これを用い、各々の変調周波数に対する熱拡散長を求め
た。
同図より明らかなように、角質層から表皮層に近付くに
つれ、水分量が増大しすることが理解され、角質層の深
さ方向の部位において、光音響信号は水分量を明確に表
している。
クロロフィルの吸収波長光をトマトに照射し、その光音
響信号強度と、パネルによる官能検査との対応を図った
。試料として完熟から未熟までの6段階(A、B、C,
D、E、F)のトマトをパネルにより選択したものを用
いた。
その結果を第4図に示す。
同図より明らかなように、未熟の場合はクロロフィル量
が多いため光音響信号が大きく、完熟になるにつれてク
ロロフィル量は少なくなるので光音響信号も小さくなる
。この結果は官能検査とよく一致した。
トマトは完熟するにつれ赤くなるが、この色の吸収する
波長(400〜500 nm)を照射し、2波長での信
号の強度差を得ることでより精密な熟度センサーとなる
’71 次に本実施例にかかる光音響測定装置を用いて薬剤の皮
膚への拡散係数を求めることを試みた。
なお、光源としては、半導体レーザーの代わりにアルゴ
ンレーザーを用い、光ファイバーによってレーザー光を
光音響センサーにまで導く。
また、市販されている紫雲膏を試料とし、皮膚に塗布し
、時間に応して測定を行った。
皮膚上で、薬剤であるシコニンの濃度が皮膚内への拡散
により減少すると、それにともない光音響信号(QμV
)は指数開数的に減少していくことが観測されたので、
時間に対する光音響信号強度を求めた。
その結果を第5図に示す。
同図より、時間に対する信号強度の減少度合により、時
定数を求め、膜を通る物質拡散理論式0式% D:媒体中の物質の拡散係数 L:膜厚(角質層) τ:時定数 により、律速段階である角質層に於ける薬剤の拡散係数
を求めることが可能である。
第5図に示す例では、シコニンを皮膚に塗布した後、2
2分までとそれ以降で2段階の拡散速度があると考えら
れ、前期にはτ= 166. 7m1n。
D = 2.4 X 10−7mm2/ min、後間
ではT=12゜3m1n、  D=3. 3X 10−
7mm2/minとなる。
また、光音響センサーの光源として高出力発振の半導体
レーザーを用い、現在開発されている非線形光学結晶素
子を組み合わせることで、可視光・紫外光を発振させ、
高感度で小型かつ使用性の簡便な経皮吸収in  vi
vo評価センサーとして用いることもできる。
以上説明したように本実施例にかかる光音響測定装置に
よれば、センサ一部100を構成する測定側セルと参照
側セルにおいて共鳴を最適に起こさせるよう調整可能で
あり、さらに雑音成分を一致させることができるためそ
の信号を取ることにより雑音除去能に非常に優れ(<0
.1μV)−1高感度で、深さ方向分析の可能なin 
 vivo。
in  5itu測定用光音響測定装置を得ることがで
きる。
そして、共鳴周波数(3,1KHz)で測定を行った場
合、従来の手法(A、N1colaus。
K、Giese、に、Kolmel  PAS国際会議
 1985年)に比較し10倍以上感度が向上する。
また、光源をセンサ一部100内に組み込んだためシー
ルドが優れ、従来の装置系と比較して電気的雑音の影響
を受けない。
ざらに、今後、赤外・可視・紫外と、レーザーダイオー
ドの発振波長域の広がり及び波長可変によって、吸光特
性の情報を得る装置として広範な応用性が期待できる。
なお、本発明にかかるセルは、測定側セル10の共鳴周
波数での最適な容積の設定及び、測定側セル10と参照
側セル12の雑音成分を一致させるように調整できる構
造及び、光源をセル内部に組み込む構造である限り、そ
の形状、大きさ、長さなどはなんら制限されるものでは
ない。
[発明の効果] 本発明は前述したように構成されているので、次に記載
する効果を奏する。
請求項(1)に記載の光音響測定装置によれば、測定側
セルの被測定物近傍を光透過材で形成したので、被測定
物表面での反射光、散乱光による影響を減少し、雑音除
去能に優れ高感度で深さ方向分析が可能となる。
請求項(2)に記載の装置によれば、測定側セルに用い
られる光透過性材は石英ガラスよりなるので、反射光な
どの放出効率が向上する。
請求項(3)に記載の装置によれば、光透過性材により
形成された部分は、押着部より10〜50問としたので
、反射光などの放出効率を実用上十分とすることができ
る。
請求項(4)に記載の装置によれば、測定側セル及び参
照側セルの容量を可変としたので、両セルの共鳴周波数
を制御することができ、両セルの雑音成分を一致させ、
高感度の測定が可能となる。
請求項(5)に記載の装置によれば、測定側セルに導光
される光の光源は、両セルと一体に形成されているので
、装置の小型化、操作性の向上とともに測定系自身の持
つ電気的雑音を大幅に減少することができる。
請求項(6)に記載の装置によれば、光源は半導体レー
ザーよりなるので、一定条件の測定を行うことができる
請求項(7))に記載の装置によれば、半導体レーザー
としてレーザーダイオードを用いたことので装置が安価
に形成できる。
請求項(8)に記載の装置によれば、レーザーダイオー
ドは、ファイバー付きレーザーダイオードよりなり、フ
ァイバー先端が測定側セルの押着部近傍に位置している
ので、レーザー光を被測定物の局部にのみ照射すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例にかかる光音響測定装置の
センサ一部の説明図、 第2図は、前記第1図に示した装置の回路構成の説明図
、 第3図は、第1図に示した装置による人の皮膚の角質層
における深さ方向の水分量の測定結果の説明図、 第4図は、第1図に示した装置によるトマトの熟度温室
結果の説明図、 第5図は、第1図に示した装置による皮膚への薬剤の浸
透経過の測定結果の説明図、 第6図は、薬剤の浸透経過の測定に用いることが可能な
反射法を利用した測定装置の説明図である。 lO・・・ 測定側セル 12    ・・・ 参照側セル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一端は開放され試料面に略気密に押着可能で他端
    にはマイクロフォンが設置された筒体よりなり、押着さ
    れた試料面に光を照射可能に形成された測定側セルと、 一端は開放され試料面に略気密に押着可能で他端にはマ
    イクロフォンが設置された筒体よりなる参照側セルと、 を備え、両セルのマイクロフォン出力の差動より測定信
    号を得る光音響測定装置において、前記測定側セルは、
    試料との押着部近傍が光透過性材より形成されたことを
    特徴とする光音響測定装置。
  2. (2)請求項(1)記載の装置において、測定側セルに
    用いられる光透過性材は石英ガラスよりなることを特徴
    とする光音響測定装置。
  3. (3)請求項(1)または(2)のいずれかに記載の装
    置において、光透過性材により形成された部分は、押着
    部より10〜50mmであることを特徴とする光音響測
    定装置。
  4. (4)請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の装置に
    おいて、測定側セル及び参照側セルの容量を可変とした
    ことを特徴とする光音響測定装置。
  5. (5)請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の装置に
    おいて、測定側セルに導光される光の光源は、両セルと
    一体に形成されていることを特徴とする光音響測定装置
  6. (6)請求項(5)に記載の装置において、光源は半導
    体レーザーよりなることを特徴とする光音響測定装置。
  7. (7)請求項(6)に記載の装置において、半導体レー
    ザーとしてレーザーダイオードを用いたことを特徴とす
    る光音響測定装置。
  8. (8)請求項(7)記載の装置において、レーザーダイ
    オードは、ファイバー付きレーザーダイオードよりなり
    、ファイバー先端が測定側セルの押着部近傍に位置して
    いることを特徴とする光音響測定装置。
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