JP7397592B2 - 投薬管理システム、投薬支援装置、投薬支援方法、及び投薬支援プログラム - Google Patents

投薬管理システム、投薬支援装置、投薬支援方法、及び投薬支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、投薬管理システム、投薬支援装置、投薬支援方法、及び投薬支援プログラムに関する。
大規模な医療機関では、医師から投薬が指示されると、投薬指示が病院情報システム(HIS:Hospital Information System)に入力され、指示された薬剤が薬剤部から払い出されて病棟に搬送される。病棟に搬送された薬剤は、看護師等の医療従事者によって患者に投与される。ここで、薬剤を点滴静脈注射によって投与する場合、医療従事者は、薬剤のバックを懸架する架台(輸液スタンド)や、注射針、注射針と薬剤のバックを繋ぐ点滴ルート(チューブ)等からなる点滴装置を準備する。また、点滴静脈注射により複数の薬剤を投与する場合には、予めリンゲル液等のベースとなる輸液製剤に複数の薬剤を混合する混注作業を行う。
混注作業は、例えば、HISから出力した伝票や投薬指示のコピー等の書類と、混注する薬剤との突き合わせや、複数のスタッフによる多重チェックなど、薬剤の取り違えや、使用量の誤り等が生じることのないように多大な労力が払われている。
このため混注作業の効率化を図るべく、病棟に払い出された個々の薬品に添付されているバーコードを読み取り、HISに登録されている注射剤の内容と、看護師による実際の混注作業の内容とを照合する混注作業支援システムが提案されている(例えば、特許文献1)。このような混注作業支援システムを使用すると、混注に使用する薬品の過不足のチェックだけでなく、薬品が薬剤部から病棟に払い出された後、投薬の指示内容に変更があった場合でも、最新の処方箋に基づいて混注作業を行うことができる。
更に、薬剤を患者へ投与する医療従事者は、投与時に、当該患者が本人であって、投与する薬剤が当該患者に処方されたものであるか否かを最終的に確認する必要がある。このような投与時の確認を支援するため、点滴ライン中の薬液を介して患者の情報及び薬剤の情報を取得し、患者と薬剤の整合性を確認して正しければ輸液ポンプを動作させる点滴データ通信システムも提案されている(特許文献2)。
特開2012-108901号公報 特表2006-521191号公報 特開2011-70429号公報
しかしながら、特許文献1の混注作業支援システムでは、混注作業の内容と処方された内容とを混注時に照合するので、混注後、患者に投与されるまでの間に投薬の指示内容が変更になったとしても、混注後の注射剤に変更を反映させることが出来ないという問題があった。このため、混注後に処方の変更があった場合、変更前の処方に基づく注射薬の投与中止や、変更後の処方に基づく注射剤であるか否かの判断等を、人が行う必要があり、投与時の確認作業が煩雑であった。
また、特許文献2の点滴データ通信システムにおいても、薬剤の情報を混注作業時に設定するので、混注作業後に変更となった情報を反映できない。
更に、特許文献2のシステムを実現する場合、薬剤の情報等を取得する通信装置や整合性を判断してポンプの動作を制御する制御部を備えた特殊な輸液ポンプを用いる必要がある。このようにポンプを制御装置で制御する場合、制御装置が誤作動すると患者に重大な影響を及ぼすことが考えられるため、フェイルセーフ機能やセルフチェック機能等を備える必要があり、装置構成が非常に複雑化する。また、特許文献2のシステムは、通信媒体が点滴ライン内の薬液であるため、点滴ラインに僅かな気泡が生じただけで通信路が途切れてしまいデータが取得できなってしまう。このため特許文献2のシステムは、実現性が乏しいという問題点があった。
また、特許文献3のシステムは、薬剤の処方と患者情報を指示情報とを照合するが、投薬時のチェックでは、薬剤の処方や患者情報だけでなく、輸液ポンプやシリンジポンプ等の機器について確認することも必要であり、特許文献3のシステムでは、この機器の確認ができず、投薬時のチェックとしては、不十分であった。
そこで、本発明は、処方された薬剤を間違いなく対象の患者に投与できるように管理する技術の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の投薬支援装置は、
薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取る患者情報読取部と、
前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得する混注情報取得部と、
各患者に対する投薬指示情報を前記識別情報及び前記患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出す投薬情報取得部と、
前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出する機器設定検出部と、
前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記機器設定検出部で検出した前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合する照合部と、
前記照合の結果を出力する出力制御部と、を備える。
また、上記課題を解決するため、本発明の投薬管理システムは、
ネットワークを介して接続する薬剤情報サーバと投薬支援装置とを有し、
前記薬剤情報サーバが、各患者に対する投薬指示情報を識別情報及び患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を備え、
前記投薬支援装置が、
薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取る患者情報読取部と、
前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得する混注情報取得部と、
前記投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別
情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出す投薬情報取得部と、
前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出する機器設定検出部と、
前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記機器設定検出部で検出した前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合する照合部と、
前記照合の結果を出力する出力制御部と、を備える。
前記投薬支援装置は、前記機器の設定情報が表示される表示欄を撮影する撮影装置を備え、
前記機器設定検出部が、前記撮影装置で撮影した機器の撮影画像から前記機器の設定情報を認識しても良い。
前記投薬支援装置は、前記機器に取り付けられたタグから当該機器の設定情報が表示される表示欄の位置を示す表示位置情報を読み取る読み取り部を備え、
前記機器設定検出部が、前記表示位置情報に基づき前記撮影画像中の表示欄に該当する領域を特定し、前記表示欄に該当する領域から前記機器の設定情報を認識しても良い。
前記投薬支援装置は、前記患者に対する投薬指示情報に基づいて、複数の薬剤を混合する際に、各薬剤に付加された識別情報を読み取る薬剤情報読取部と、
前記薬剤容器に取り付けられたタグの記憶部に前記各薬剤の識別情報を前記混注情報として記憶させる、又は前記薬剤容器に取り付けられたタグが示す識別情報と前記各薬剤の識別情報とを前記混注情報として前記混注情報記憶部に記憶させる混注情報書込部と、
を備えても良い。
前記照合部が、各患者の病歴を記憶した病歴記憶部から前記患者情報と対応する病歴を読み出し、当該患者の病歴に対して禁忌の薬剤が前記混注情報に含まれているか否かを判定しても良い。
前記照合部が、前記患者の投薬履歴に基づき、前記投薬指示情報による投薬と前回の投薬との間隔又は順序を求め、当該投薬履歴から求めた間隔又は順序が、前記投薬指示情報で指定された間隔又は順序と適合しているか否かを判定しても良い。
前記投薬支援装置は、前記患者のバイタルサインを検出するバイタル検出部を更に備え、
前記照合部が、前記バイタルサインが前記投薬指示情報で指定されたバイタルサインの条件を満たしているか否かを照合しても良い。
また、上記課題を解決するため、本発明の投薬支援方法は、
薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取るステップと、
前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得するステップと、
各患者に対する投薬指示情報を前記識別情報及び前記患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出すステップと、
前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出するステップと、
前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記
患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合するステップと、
前記照合の結果を出力するステップと、
をコンピュータが実行する。
また、本発明は、上記投薬支援方法をコンピュータに実行させるための投薬支援プログラムであっても良い。更に、本発明は、この投薬支援プログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録したものであっても良い。コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイ(登録商標)ディスク(Blu-ray Disc)、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
本発明によれば、処方された薬剤を間違いなく対象の患者に投与できるように管理する技術を提供できる。
図1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)全体の概略図である。 図2は、薬剤情報サーバの概略構成図である。 図3は、投薬支援端末の概略構成図である。 図4は、薬剤容器の一例を示す図である。 図5は、薬剤情報タグの概略構成図である。 図6は、輸液ポンプの一例を示す図である。 図7は、患者情報タグの一例を示す図である。 図8は、患者情報タグに記憶される患者情報のデータ構成例を示す図である。 図9は、薬剤情報サーバに記憶される投薬指示情報のデータ構成を示す図である。 図10は、薬剤情報サーバ1の機器情報記憶部に記憶された機器情報の一例を示す図である。 図11は、投薬指示情報を印刷出力した注射箋の一例を示す図である。 図12は、混注時に投薬支援端末が実行する実施形態1の投薬支援方法のフローを示す図である。 図13は、投薬時に投薬支援端末が実行する投薬支援方法のフローを示す図である。 図14は、投薬支援端末が機器設定情報を検出する処理の詳細なフローを示す図である。 図15は、機器設定情報を検出する処理に用いるテンプレートの例を示す図である。 図16は、機器設定情報を検出する処理に用いるテンプレートの例を示す図である。 図17は、テンプレートに基づいて撮影画像から機器設定情報を検出する処理の説明図である。 図18は、投薬後に、投薬支援端末が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法のフローを示す図である。 図19は、混注作業時の投薬支援方法のフローを示す図である。 図20は、変形例1における投薬時の投薬支援方法のフローを示す図である。 図21は、禁忌薬剤記憶部のデータ例を示す図である。 図22は、機器に貼付した機器情報タグと、当該機器情報タグが有する表示位置情報の例を示す図である。 図23は、機器に貼付した機器情報タグと、当該機器情報タグが有する表示位置情報の例を示す図である。 図24は、実施形態2に係る投薬支援端末の構成を示す図である。 図25は、投薬時に、実施形態2に係る投薬支援端末が実行する投薬支援方法のフローを示す図である。 図26は、医療従事者の名札をRFタグとした例を示す図である。 図27は、医療従事者のIDを取得する際の認証処理の説明図である。 図28は、機器の概略構成図である。 図29は、投薬時に投薬支援端末が実行する投薬支援方法のフローを示す図である。
以下、図面を参照して、一実施形態に係る投薬管理システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本投薬管理システムは実施形態の構成には限定されない。
〈実施形態1〉
以下、図1から図23の図面に基づいて、本実施形態1に係る投薬管理システムを説明する。
《システム構成》
図1は病院情報システム(HIS:Hospital Information System)全体の概略図である。図1に示すように、本実施形態1のHISは、投薬管理システム10や、電子カルテシステム20、在庫管理システム30を有している。
電子カルテシステム20は、医師が診療の記録として、診察の所見や、検査結果、処方等を入力し、電子的に記録するシステムである。また、電子カルテシステム20は、投薬指示や検査の指示を行うオーダーリングシステムとしても機能する。電子カルテシステム20は、電子カルテサーバ201と電子カルテ端末202を備え、医師が電子カルテ端末202を操作して投薬指示を入力すると、電子カルテ端末202はLAN等のネットワークを介して投薬指示情報を電子カルテサーバ201へ送信する。電子カルテサーバ201は、電子カルテ端末202から受信した投薬指示情報を電子カルテに記録すると共に、投薬管理システム10に送信して投薬をオーダする。なお、投薬指示情報は、少なくとも投薬対象の患者を特定する情報と、投与する薬剤を示す情報とを含む。
在庫管理システム30は、薬剤や医療機器の在庫を管理する。例えば、在庫管理システム30は、投薬指示情報に基づいて薬剤が消費された場合には当該薬剤の在庫数を減算し、在庫数が所定数未満となった場合には当該薬剤を発注する。そして在庫管理システム30は、薬剤が納品された場合に当該薬剤の在庫数を加算し、各薬剤について所定の在庫数が確保されるように管理する。
投薬管理システム10は、患者に処方された薬剤の情報を管理し、処方された薬剤が間違いなく対象の患者に投与されるように、混注作業時の確認や薬剤投与時の確認のための情報を提供する。投薬管理システム10は、投薬情報を管理する薬剤情報サーバ1や、無
線回線を介して薬剤情報サーバ1から投薬情報を取得する投薬支援端末(投薬支援装置とも称す)2を有する。投薬支援端末2は、医師や看護師等の医療従事者に携帯され、混注作業時や投薬時に、無線アクセスポイント3を介してネットワークに接続し、薬剤情報サーバ1にアクセスして投薬指示情報を取得して照合する。例えば、混注作業時に医療従事者が輸液バックに混注した複数の薬剤を示す情報(以下、混注情報とも称す)を投薬支援端末2に入力すると、投薬支援端末2は、混注情報を投薬指示の識別情報と共に薬剤容器に取り付けられたタグ(以下、薬剤情報タグとも称す)に書き込む。
そして、混注後の薬剤を患者に投与する際、投薬支援端末2は、当該薬剤情報タグから読み出した投薬指示の識別情報患者情報と対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1から取得し、薬剤情報タグから読み出した混注情報と照合する。また、投薬支援端末2は、薬剤情報タグ或いは薬剤情報サーバ1から取得した患者情報と、患者に割り当てられた患者情報タグから読み出した患者情報とを照合する。このように本投薬管理システムは、投薬時等に、薬剤や患者の情報を容易に照合でき、医療従事者の確認作業を軽減できるように支援する。
図2は、薬剤情報サーバ1の概略構成図である。図2に示すように、薬剤情報サーバ1は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算処理部11、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶した記憶部12、入出力インタフェース13、通信部(CCU:Communication Control Unit)14等を備えたコンピュータである。
入出力インタフェース13には、キーボードやマウス、記憶媒体(メモリカード等)の読取装置等の入力デバイス、そしてディスプレイや記憶媒体の書込装置、スピーカ等の出力デバイスが適宜接続される。
CCU14は、ネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行うものである。記憶部12は、ハードディスク等の補助記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア(投薬支援プログラム等)がインストールされている。記憶部12は、各患者に対する投薬指示情報を記憶し、投薬指示記憶部としても機能する。また、記憶部12は、投薬に使用する機器の情報(機器情報)を記憶し、機器情報記憶部としても機能する。
演算処理部11は、前記OSやアプリを記憶部12から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース13やCCU14から入力された情報、及び記憶部12から読み出した情報を演算処理することにより、投薬情報受信部112や投薬指示通知部113、投薬情報応答部114としても機能する。
投薬情報受信部112は、電子カルテシステム20から投薬指示情報を受信して記憶部12の投薬指示記憶部に記憶させる。また、投薬情報受信部112は、投薬支援端末2から投薬を実施したことを示す情報を受信し、対応する投薬指示が実施されたことを投薬指示記憶部に記憶させ、投薬指示情報を更新する。
投薬指示通知部113は、電子カルテシステム20から投薬指示情報を受信した場合に、薬剤部の端末(不図示)へ送信する。薬剤部では、後述のように受信した投薬指示情報を指示書(注射箋)として印刷出力し、当該注射箋を付して指示された薬剤を病棟へ払い出す。
投薬情報応答部114は、投薬支援端末2から投薬指示情報の問い合わせを受けた場合に、投薬指示記憶部から投薬指示情報を読み出して投薬支援端末2へ返信する。
図3は、投薬支援端末2の概略構成図である。図3に示すように、投薬支援端末2は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算処理部21、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶した記憶部22、入出力インタフェース23、通信部(CCU:Communication Control Unit)24等を備えたコンピュータである。
入出力インタフェース23には、操作ボタンや、記憶媒体(メモリカード等)の読取装置、タッチパネル、バーコードリーダ231、RFタグの読取装置232、カメラ(撮影装置)233等の入力デバイス、そしてディスプレイや記憶媒体の書込装置、RFタグの書込装置234、スピーカ、バイブレータ、表示灯等の出力デバイスが接続される。なお、本実施形態1の投薬支援端末2では、カメラ233で被写体を撮影する撮影方向と、バーコードリーダ231でバーコードを読み取る方向とが略同じになるようカメラ233とバーコードリーダ231を設けている。例えばカメラ233の撮影レンズの光軸とバーコードリーダ231がバーコードを読み取るためにバーコードへ照射する光の中心となる軸とが平行となるようにカメラ233とバーコードリーダ231を設ける。これによりカメラ233の撮影ボタンが押されたことを契機に撮影とバーコードリーダ231によるバーコードの読み取りを同時に行うことができる。なお、バーコードとして2次元バーコードを用いる場合には、カメラ233で2次元バーコードを撮影してバーコードの情報を読み取るようにしても良い。
CCU24は、ネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行うものである。記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア(投薬支援プログラム等)がインストールされている。このほか、記憶部22は、投薬支援プログラムの実行に必要なデータを記憶する。
演算処理部21は、前記OSやアプリを記憶部22から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース23やCCU24から入力された情報、及び記憶部22から読み出した情報を演算処理することにより、患者情報読取部211や、混注情報取得部212、投薬情報取得部213、薬剤情報読取部214、混注情報書込部215、照合部216、機器設定検出部218、出力制御部217としても機能する。
患者情報読取部211は、RFタグの読取装置232を制御して患者毎に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取り、記憶部22に記憶させる。
混注情報取得部212は、患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報(混注情報)を薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る。
投薬情報取得部213は、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部から投薬指示情報を読み出す。例えば、混注時や投薬時に投薬指示の識別情報と対応する投薬指示情報を読み出す。
薬剤情報読取部214は、各薬剤に付されたバーコードやRFタグから当該薬剤の識別情報(薬剤ID)を取得する。例えば混注作業時に、薬剤情報読取部214が、混注する各薬剤の外装に印刷されているバーコードを逐次読み取ることにより、薬剤容器内に混注された薬剤の情報を得る。薬剤IDは、薬剤名や成分が特定できれば良く、例えば日本標準商品分類番号、薬効分類番号、薬価基準収載医薬品コード、統一商品コード、JANコード、承認番号、JAPICコード、HOT番号、ATC分類が用いられる。本実施形態の投薬管理システムは、JANコードを用いており、薬剤の外装に付されたJANコードを読み取ることにより、当該薬剤の販売包装単位を特定する。なお、販売包装単位の情報には、薬剤名や成分と共に当該販売包装単位あたりの内容量が含まれる。
混注情報書込部215は、RFタグの書込装置234を制御して薬剤容器に取り付けられたタグの記憶部に、薬剤情報読取部214で読み取った各薬剤の識別情報を前記混注情報として記憶させる。
機器設定検出部218は、輸液ポンプの流量や予定量等、機器の設定情報をカメラ(撮影装置)233で撮影した画像から検出する。
照合部216は、投薬時に、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報と、薬剤情報タグから読み出した混注情報とが適合しているか否かを照合する。また、照合部は、薬剤情報タグ或いは薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部から取得した患者情報と、患者に割り当てられた患者情報タグから読み出した患者情報とを照合する。更に、照合部は、機器設定検出部218で検出した機器の設定情報が、投薬指示情報と一致しているか否かを照合する。
出力制御部217は、照合部216による照合結果をディスプレイ、スピーカ、バイブレータ、表示灯等から出力する。例えば、照合部216による照合の結果、投薬指示情報と混注情報が適合していなかった場合、出力制御部217は、警告メッセージをディスプレイに表示させ、スピーカから警告音を発する等の出力を行う。なお、出力制御部217による出力は、表示出力や音出力に限らず、バイブレータによる振動、表示灯による発光、印刷出力、記録媒体への書き込み、他のコンピュータへの送信等であっても良い。
としても機能する。
図4は、薬剤容器の一例を示す図である。薬剤容器5は、重ね合わせたシート材の周縁部がシールされて袋状に形成され、この周縁部とシート材に囲まれた容器内部に薬剤を収容する輸液容器である。薬剤容器5は、図4に示すように、袋状の本体51上部のシール部分に薬剤容器5を架台に吊り下げるための貫通穴52が形成され、袋状の本体51の最下部に、収容した薬剤の出口である流出口53が形成されている。また、薬剤容器5には、薬剤情報タグ54が取り付けられている。
なお、本実施形態の薬剤容器5は、薬剤を収容する容器に薬剤情報タグ54が取り付けられたものであれば良く、図4の構成に限定されない。例えば中空成形されたプラスチックボトルであっても良い。また、薬剤容器5は、シリンジポンプに使用される注射器に薬剤情報タグ54を取り付けたものであっても良い。
薬剤情報タグ54は、薬剤の収容部である本体51と一体的に取り扱うことが可能な状態で取り付けられていれば良く、その取り付け方法は特に限定されない。例えば、薬剤情報タグ54は、バンドやクリップ等で本体51に取り付けられても良いし、本体表面に貼付されても良い。シート材間に薬剤情報タグ54を挟んだ状態でシート材をシールし、図4に示すようにシール部分に薬剤情報タグ54を内包させた構成としても良い。ここで薬剤情報タグ54は、本体51のシール部分、即ち薬剤の収容されていない部分に取り付けられることが望ましい。これにより輸液等の薬剤の影響を受けずに混注情報の送受信を行うことができる。
図5は薬剤情報タグ54の概略構成図である。薬剤情報タグ54は、アンテナ541や、当該アンテナ541を介して混注情報を受信する受信部542、受信した混注情報を記憶する記憶部543、記憶部543から読み出した混注情報をアンテナ541から電波として送出させる送信部544、記憶部543に対する混注情報の読み書き等の制御を行う制御部545を備えた所謂RFタグである。なお、受信部542、記憶部543、送信部544、制御部545は、一つのICチップ540として構成されている。
本実施形態の薬剤情報タグ54は、2.4GHzの電波を用いパッシブ方式で混注情報の送受信を行う。このように高い周波数(2.4GHz)の電波を採用することでアンテナ541を短くでき、パッシブ方式を採用することで内蔵電池を不要とするので、薬剤情報タグ54の小型化が図れる。また、高い周波数の電波を採用することで通信速度が速く、高い即応性が得られる。更に、高い周波数の電波を採用することで電波の直進性が高く、電波の回り込みが少ないため、読み取り対象のタグ以外のタグと誤って通信してしまうことが無く、高い安全性が得られる。なお、これに限らず、薬剤情報タグ54の通信方式や通信に用いる周波数帯は、混注情報を送受信できるものであれば良い。例えば、通信方式は、パッシブ方式であってもアクティブ方式であっても良い。また、周波数帯は、130~135Hz、13.56MHz、433MHz、900MHz帯等から任意に採用して良い。
図6は、輸液ポンプ6の一例を示す図である。図6に示すように、輸液ポンプ6は、動作状態のインジケータ61や、予定量又は積算量の表示欄62、流量の表示欄63、操作ボタン(操作部)64、機器情報タグ65を備えている。
医療従事者が、薬剤容器5と接続した点滴ライン7を輸液ポンプ6にセットし、操作ボタン64を操作して投薬指示に基づく流量及び予定量を設定し、表示欄62,63の予定量及び流量が投薬指示通りであることを確認して開始を選択すると、輸液ポンプ6は点滴ライン内の薬剤(薬液)を設定された流量で送り出す。なお、本実施形態の輸液ポンプ6は、従来の輸液ポンプと比べて、機器情報タグ65を備えた点が異なっている。即ち、従来の輸液ポンプに機器情報タグ65を取り付けることで、本システムの輸液ポンプ6として用いることができる。このため、輸液ポンプ6の薬剤情報タグ54以外の構成は公知であるので、薬剤を所定の流量で送る構成等の詳しい説明は省略する。また、従来のシリンジポンプに機器情報タグ65を取り付けることで、本システムのシリンジポンプとして用いることができる。
機器情報タグ65は、機器情報が記録されたタグであり、本実施形態ではバーコードである。機器情報タグ65としてのバーコードは、例えば機器情報として機器の識別情報(機器ID)をコーディング(バーコード化)して記録している。機器情報を確認する際、医療従事者が、投薬支援端末2を輸液ポンプ等の機器6に向けると、バーコードリーダ231或いはカメラ233でバーコードを読み取り、読み取ったデータを機器設定検出部218がデコードして当該機器の識別情報を取得し、当該識別情報と対応する機器状態、使用履歴、機種名といった機器情報を薬剤情報サーバ1の機器情報記憶部から読み出す。また、機器設定検出部218は、読み出した機種名に基づき、カメラで撮影した機器の画像から流量や予定量の表示領域を特定し、当該表示領域から機器設定情報を取得する。なお、この機器設定情報を取得する処理の詳細については、後述する。
図7は、患者情報タグ4の一例を示す図である。図7の例は、患者情報タグ4をブレスレットやアンクレットのように患者の手首や足首に装着する例を示す。なお、患者情報タグ4は、図7の形状に限らず、例えばネックレスのように首に下げるものや、名札のように胸等に止めるものであっても良い。なお、患者情報タグ4は、不用意に入れ替わることが無いように、患者の身体に取り付けるものが望ましいが、これに限らずベッドや病室の壁等、患者の周囲の物に取り付けても良い。また、RFタグの機能を有する携帯電話や診察券を患者情報タグとして用いても良い。
患者情報タグ4は、図6(A)に示すように、帯状のベルト41と、患者情報を送受信する送受信部42を有する。
ベルト41の材質は、特に限定されないが、容易に破断しない強度と、装着した身体を傷つけない柔軟性を有したものが望ましい。例えば、ベルト41の材質は、可撓性の合成
樹脂であっても良い。特に、ベルト41の材質は、接触した皮膚にアレルギーが起きにくいシリコーンゴムが望ましい。
ベルト41の表面には、シールの貼付或いはラベルプリンタによる印字等により患者氏名43及びバーコード44が記載される。バーコード44は、患者氏名43と対応する患者の識別情報(以下、患者IDとも称する)をバーコード化したものである。また、ベルト41には、送受信部42が固着、或いは脱着可能に取り付けられる。
送受信部42は、アンテナや、当該アンテナを介して患者情報を受信する受信部、受信した患者情報を記憶する記憶部、記憶部から読み出した患者情報をアンテナから電波として送出させる送信部、記憶部に対する患者情報の読み書き等の制御を行う制御部を備えた所謂RFタグであり、ハードウェア構成は図5の薬剤情報タグ54と同じであるため図示を省略する。
本実施形態の送受信部42は、2.4GHzの電波を用いパッシブ方式で患者情報の送受信を行う。なお、これに限らず、送受信部42の通信方式や通信に用いる周波数帯は、患者情報を送受信できるものであれば良い。例えば、通信方式は、パッシブ方式であってもアクティブ方式であっても良い。また、周波数帯は、130~135Hz、13.56MHz、433MHz、900MHz帯等から任意に採用して良い。
患者情報タグ4は、患者の入院時等に電子カルテシステム20の情報を用いて患者氏名43やバーコード44が記載され、当該患者用のタグとして用意される。情報医療従事者は、ベルト41の患者氏名43が、患者本人のものであることを確認し、当該患者の手首或いは足首に患者情報タグ4のベルト41を巻いてベルト41の両端部を接着し、図4(B)の如く患者情報タグ4を環状として患者に装着させる。そして、医療従事者の操作により、投薬支援端末2は、バーコードリーダ231でバーコード44を読み取り、読み取ったデータを患者情報読取部211で復号化して患者IDを取得し、当該患者IDを患者情報タグ4へ送信して送受信部42の記憶部に記憶させる。
《データ構成》
図8は、患者情報タグ4に記憶される患者情報のデータ構成例を示す図である。図8に示すように、患者情報は、患者ID、投薬履歴、病歴、病状といったデータを有している。
患者IDは、患者を一意に識別するための識別情報であり、本実施形態では、電子カルテシステム20によって患者毎に発行される。
投薬履歴は、患者IDで特定される患者に対して投薬された薬剤の履歴であり、投薬指示ID、薬剤ID、投薬量、投薬実施日時、投薬完了日時を有している。ここで投薬指示IDは、投薬指示を一意に識別するための識別情報である。前記薬剤IDは、投薬指示に含まれる薬剤を一意に識別するための情報であり、例えば統一商品コードやJAN(Japanese Article Number)コードである。前記投薬量は、投薬指示に含まれる薬剤の投与量である。本実施形態では、薬剤IDによって薬剤の販売包装単位が特定されるので、これを幾つ使用するかで投与量を示す。例えば、薬剤IDにより「薬剤A 20mg」が指定されている場合、投与量は「1本」「2本」のように、この薬剤の販売包装単位を幾つ使用するかを指定する。また、投薬実施日時は、投薬指示に基づいて患者への投薬を実施した日時である。
病歴は、患者IDで特定される患者の疾病の履歴であり、病名や、治療内容、治療日を有している。ここで、病名は当該患者が患った疾病の名称、治療内容は前記疾病に対する
治療の内容を示す情報、治療日は当該治療を行った日を示す情報である。
図9は、薬剤情報サーバ1に記憶される投薬指示情報のデータ構成を示す図である。図9に示すように、投薬指示情報は、投薬指示IDや、患者ID、投与方法、薬剤ID、投薬量、流量、投薬順序、投薬日時、投薬実施日時、施行者ID、混注作業者ID、ステータスといったデータを有している。
投薬指示ID、患者ID、薬剤ID、投薬量、及び投薬実施日時は、図8の投薬履歴で説明したものと同じである。投与方法は、筋注、静注、点滴静注、持続静注など、薬剤の投与方法を示す情報である。なお、投与方法は、輸液ポンプ6やシリンジポンプを使用する場合に、点滴静注(輸液ポンプ使用)のように使用する機器を示す情報を含んでも良い。流量は薬剤を点滴静脈注射で投与する場合の単位時間当たりの投与量を示す情報であり、例えばmL/hで示す。投薬日時は投薬指示によって指示された投薬の予定日時である。施行者IDは投薬を実施した医療従事者を示す識別情報、混注作業者IDは混注作業を行った医療従事者を示す識別情報である。ステータスは当該投薬指示に係る状況を示す情報であり、変更、中止、混注済み、投与済み等の状況を示す。例えば、電子カルテ端末202から薬剤IDや投薬量等、投薬指示の内容の変更が入力された場合に、この変更が電子カルテサーバ201から薬剤情報サーバ1に通知され投薬指示記憶部の薬剤IDや投薬量といった投薬指示の内容が更新されると共にステータスとして”変更”が記録される。また、電子カルテ端末202から投薬指示の中止が入力された場合に、この中止の情報が電子カルテサーバ201から薬剤情報サーバ1に通知され投薬指示記憶部の薬剤IDや投薬量を削除し、ステータスとして”中止”が記録される。投薬順序は、抗がん剤等の化学療法を行う場合に投薬の順序が規定されている場合に、この順序を示す情報である。例えば、[2002,2004,2005]のように投薬指示IDを投薬順に記録し、先ず投薬指示ID=2002の薬剤を投与し、次に投薬指示ID=2004の薬剤を投与し、そして投薬指示ID=2005の薬剤を投与することを示す。
図10は、薬剤情報サーバ1の機器情報記憶部に記憶された機器情報の一例を示す図である。図10に示すように、機器情報は、例えば、機器ID、機器状態、使用履歴、機種名といった情報を含む。
機器状態は、正常、故障中、点検要といった機器の状態を示す情報である。使用履歴は、当該機器を使用した医療従事者の識別情報や使用日時等の情報である。機種名は、当該機器の種類を特定する情報であり、本例ではメーカー名、機種の名称などの情報である。
機器IDや機種名は、予め機器情報記憶部に登録され、使用履歴や機器状態は、機器の使用時などに投薬支援端末2から薬剤情報サーバ1へ登録される。例えば、医療従事者が輸液ポンプ6やシリンジポンプの故障或いは点検が必要であることを発見した場合、投薬支援端末2のメニュー(不図示)から機器情報の入力を選択し、次に入力項目として故障又は点検を選択して、書き込みを選択すると、投薬支援端末2はCCU24により、故障又は点検を示す機器状態を機器情報として薬剤情報サーバ1へ送信し、機器情報記憶部に記憶させる。また、薬剤情報サーバ1は、使用履歴に基づき、各機器の使用時間を積算し、使用時間が所定値に達した場合に機器状態を点検要に書き換えて、点検を促すようにしても良い。なお、点検が済んだ旨の入力が行われた場合、薬剤情報サーバ1は機器状態を正常に書き換え、使用時間をリセットする。
《投薬支援方法》
図11は、投薬指示情報を印刷出力した注射箋の一例を示す図、図12は注射箋に基づいて医療従事者が混注作業を行う際に、投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法のフローを示す図である。
注射箋8は、図11に示すように、投薬指示ID81や、バーコード80、患者氏名82、投与方法83、薬剤名84、投薬量85、投薬日86、投薬時間87、流量88、投薬順序89が記載される。なお、電子カルテ端末202は、各薬剤の薬剤名と薬剤IDとを対応付けて記憶した薬剤テーブルを有し、注射箋8を出力する際、投薬指示情報の薬剤IDと対応する薬剤名を薬剤テーブルから読み出して印字する。同様に電子カルテ端末202は、注射箋8を出力する際、投薬指示情報の患者IDと対応する患者氏名を電子カルテサーバ201から取得して印字する。
混注作業を行う医療従事者(混注作業者)は、薬剤部から注射箋8と共に混注すべき薬剤を受け取る。この混注作業者が、投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から混注支援を選択すると、投薬支援端末2は図12の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「混注作業者のバーコードを読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、混注作業者を示す識別情報の読み取りを促し、この混注作業者が名札等に付されたバーコード(不図示)に投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2は、バーコードを読み取ってデコードし、混注作業者の識別情報(混注作業者ID)を取得する(ステップS10)。
次に投薬支援端末2は、「投薬指示のバーコードを読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、注射箋8に記載されたバーコード80の読み取りを促し、このメッセージに応じて混注作業者が投薬支援端末2のバーコードリーダ231をバーコード80に向けると、投薬支援端末2は、バーコード80を読み取ってデコードし、投薬指示IDを取得する(ステップS20)。
投薬指示IDを取得した投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部を参照し、この投薬指示IDと対応するステータスを確認し、投薬指示が有効か否か、即ち変更や中止になっていないかどうかを確認し(ステップS25)、有効でなければ処理を終了する(ステップS25,No)。例えば当該注射箋8と薬剤が薬剤部から払い出された後に患者の容態が変わり、投薬指示情報に変更や中止といったステータスが記録されていた場合、混注を中止し、混注作業者は、注射箋8や薬剤を薬剤部に戻す。
一方、投薬指示が有効であれば、投薬指示IDと対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部から読み出し、当該投薬指示情報から薬剤ID及び投薬量を抽出して混注予定リストを生成する(ステップS30)。
そして、混注作業者が混注する薬剤のバーコードを投薬支援端末2のバーコードリーダ231にかざすと、投薬支援端末2は当該薬剤のバーコードを読み取って薬剤IDを取得し(ステップS40)、混注予定リストの薬剤IDと一致しているか否かを判定する(ステップS50)。
薬剤から読み取った薬剤IDと混注リストの薬剤IDとが一致していない場合(ステップS50,No)、投薬支援端末2は、エラーを示す音やメッセージ等を出力してステップS40に戻る(ステップS60)。一方、薬剤から読み取った薬剤IDと混注リストの薬剤IDとが一致している場合(ステップS50,Yes)、投薬支援端末2は、適正な薬剤であることを示す音やメッセージ等を出力すると共に当該薬剤IDを混注予定リストから除き(ステップS70)、混注予定リストから薬剤IDが無くなったか否か、即ち全ての薬剤の混注が完了したか否かを判定する(ステップS80)。
混注が完了していない場合(ステップS80,No)、投薬支援端末2は、ステップS
40に戻り、混注が完了した場合(ステップS80,Yes)、薬剤情報タグ54に混注した薬剤の薬剤ID、患者氏名、投薬指示ID、混注作業者ID等を混注情報として書き込む(ステップS90)。また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部に、混注作業者ID及び混注済みである旨のステータスを書き込むと共に、在庫管理システム30に混注した各薬剤の薬剤IDを通知し(ステップS100)、図12の処理を終了する。
このように本実施形態では、混注した薬剤の情報が薬剤情報タグ54に記録されるので、点滴静脈注射実施時に薬剤容器内の薬剤の確認が容易である。また、混注作業時に、投薬指示の有効性を確認するので、変更等があった場合に誤って混注作業を進めてしまうことが無い。更に、薬剤が混注されたことを混注作業時に在庫管理システム30へ通知するので、薬剤の在庫管理を正確に行うことができる。例えば、薬剤を患者に投与したことをもって薬剤が消費されたことを在庫管理システムに記録する場合、混注後に変更があって患者へ投与されなかった場合に、消費されたことが記録されず、在庫に誤差が生じることがある。このため本実施形態では、混注されたことをもって薬剤が消費されたことを在庫管理システム30に記録するので、正確に在庫を管理することができる。
混注作業が完了し、薬剤情報サーバ1に混注済みである旨のステータスが書き込まれると、投薬指示情報に基づいて薬剤情報サーバ1は、投薬指示情報に基づいて当該薬剤が投与される患者を特定し、当該患者に薬剤を投与する医療従事者として予め登録されている担当者、例えば担当の看護師のIDを記憶部から読み出して、当該担当者がログインしている投薬支援端末2へようやく指示情報を送信して、投薬を指示する。図13は投薬時に、投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法のフローを示す図である。
投薬を行う医療従事者(施行者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から薬剤投与を選択すると、投薬支援端末2は図13の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「チェックすべき情報を読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射の施行者を示す識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報の読み取りを促す(ステップS110)。これに応じて施行者が、名札、薬剤情報タグ54、患者情報タグ4等の情報源から各情報を読み取るように投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダやタグの読取装置、カメラ233によって情報を読み取り(ステップS115)、当該情報の種別を判定する(ステップS120)。なお、チェックすべき情報である施行者の識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報は、これらの情報の種別を示す情報(種別コード)を含んでいる。例えば、混注情報であればIN、機器情報であればMA等のように特定のコードを夫々の識別情報が含むようにする。また、患者情報であれば10桁、医療従事者(施行者)の識別情報であれば8桁、機器情報は、前半4桁と後半6桁の間にハイフンを入れるといった各情報の形式を識別コードとしても良い。これにより、投薬支援端末2は、チェックすべき情報を読み取った際、種別コードに基づいて当該情報の種別、例えば施行者の識別情報、混注情報、患者情報、或いは機器情報の何れであるかを判定する。
例えば施行者が名札に付されたバーコード(不図示)に投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2が、バーコードを読み取り(ステップS115)、このバーコードの情報が医療従事者の識別情報と判定した場合(ステップS120)、この識別情報を施行者IDとしてメモリに記憶する(ステップS130)。
また、施行者が薬剤容器に付された薬剤情報タグ54に投薬支援端末2の読取装置232を向けると、投薬支援端末2が薬剤情報タグ54を読み取り(ステップS115)、こ
の情報が混注情報と判定した場合(ステップS120)、混注情報としての投薬指示ID、患者ID、投与方法及び薬剤IDをメモリに記憶する(ステップS140)。
同様に、施行者が、患者情報タグ4に投薬支援端末2の読取装置232を向けると、投薬支援端末2が患者情報タグ4を読み取り、この情報が患者情報と判定した場合(ステップS120)、患者IDを患者情報としてメモリに記憶する(ステップS150)。
更に、施行者が輸液ポンプ6等の機器に投薬支援端末2を向けてカメラ233の撮影ボタンを押すと、カメラ233で輸液ポンプ6の画像を撮影すると共に、バーコードリーダ231が機器情報タグ65を読み取り(ステップS115)、この情報が機器IDであると判定した場合(ステップS120)、薬剤情報サーバ1にアクセスし、機器情報記憶部から当該機器IDと対応する機器状態や機種の情報を取得し、機器ID、機器状態、及び機種名を機器情報としてメモリに記憶する(ステップS160)。
そして、投薬支援端末2は、撮影した輸液ポンプ6の画像から流量、予定量、機器の動作状態等の情報を読み取り、機器設定情報としてメモリに格納する(ステップS165)。
投薬支援端末2は、ステップS130~S165で情報を読み取ると、チェックすべき情報が充足したか否かを判定する(ステップS170)。本実施形態の投薬支援端末2は、例えば施行者ID、混注情報、及び患者情報を読み取った場合に、チェックすべき情報が充足したと判定する。そして、投薬指示情報の投与方法に輸液ポンプ使用やシリンジポンプ使用といった機器の使用が指定されていた場合には、前記施行者ID、混注情報、患者情報に加えて、機器情報及び機器設定情報を読み取った場合にチェックすべき情報が充足したと判定する。
投薬支援端末2は、チェックすべき情報が充足していなければ(ステップS170,No)、ステップS110に戻って読み取りを繰り返し、チェックすべき情報が充足していれば(ステップS170,Yes)、薬剤情報タグ54から読み取った投薬指示IDと対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1から取得する(ステップS180)。なお、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1から投薬の指示を受けた際に投薬指示情報を受信しているが、ステップS180で最新の投薬指示情報を改めて取得する。
次に投薬支援端末2は、取得した各情報が投薬条件に適合しているか否かを判定する(ステップS190)。ここで、投薬条件は、投薬可能か否かを判定する条件であり、例えば薬剤情報タグ54から読み取った患者ID或いは薬剤情報サーバ1から取得した投薬指示情報の患者IDと、患者情報タグから読み取った患者IDとが一致することである。
また、投薬条件は、薬剤情報タグ54から読み取った薬剤IDと薬剤情報サーバ1から取得した薬剤IDとが一致することや、機器状態が正常であること、機器設定状態が投薬指示と一致することである。本実施形態において、投薬支援端末2は、これらの条件を全て満たした場合に投薬条件に適合したと判定する(ステップS190)。
なお、機器状態が正常か否かの条件及び機器設定情報が投薬指示と一致するか否かの条件は、機器の使用が指定されていた場合にのみ判定すれば良い。また、機器設定情報に関して、流量及び予定量に加え、動作状態にエラーが無いことを投薬条件としても良い。例えば、輸液ポンプの蓋の閉め忘れや、バッテリー低下等のエラー表示が無ければ適合とし、エラー表示があれば不適合とする。
そして、投薬条件に適合していないと判定した場合(ステップS190,No)、投薬
支援端末2は、エラーを示す音やメッセージを出力して図13の処理を終了し、適合していると判定した場合(ステップS190,Yes)、投薬支援端末2は、投薬条件に適合したことを示す音やメッセージを出力する(ステップS210)。
また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1に投薬の開始に係る情報(開始情報)を送信して記憶させる(ステップS220)。例えば、投薬支援端末2が開始情報として、投薬指示ID、施行者ID、投薬実施日時、機器IDを薬剤情報サーバ1へ送信し、薬剤情報サーバ1が、投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び機器IDを記憶させる。また、薬剤情報サーバ1は、機器情報記憶部の機器IDが一致するレコードに、当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び投薬指示IDを記憶させる。そして、投薬支援端末2は、患者情報タグ4に施行者IDや、投薬指示ID、投薬した薬剤の薬剤ID、投薬実施日時を書き込み(ステップS230)、図13の処理を終了する。
図14は、投薬支援端末2がステップS165において機器設定情報を検出する処理の詳細なフローを示す図である。
先ず、投薬支援端末2は、図13のステップS160で取得した機種の情報と対応するテンプレートを記憶部22から読み出す(ステップS510)。テンプレートは、機器の形状を特定する形状情報を有するものであり、例えば投薬時に使用する可能性のある輸液ポンプを予め機種ごとに撮影し、この撮影画像をテンプレートとして記憶部22に記憶しておく。なお、機器を撮影する際には、流量や予定量、運転状態等の設定情報が表示される表示面を撮影する。図15,図16は、テンプレートの例を示す図である。図15,図16において、71が動作状態の表示欄、72が予定量の表示欄、73が流量の表示欄73であり、撮影画像中の表示欄71-73の位置を座標などで示した情報が表示位置情報である。なお、図15,図16のテンプレートは、便宜上、輸液ポンプ6の外観の画像として示したが、画像の比較が可能な形式であれば良く、例えば図15,図16に示す画像から夫々抽出した特徴点を示すデータや、CAD等で用いられるベクターデータであっても良い。
次に、投薬支援端末2は、テンプレート70と撮影画像60とを比較し、テンプレートと類似する画像領域、即ち機器の表示面が写った部分の画像領域を抽出し(ステップS520)、抽出した画像領域を正規化する(ステップS530)。図17(A)は撮影画像の例を示し、図17(B)は抽出した画像領域を示す。図17(B)の画像領域とテンプレート中の表示欄71-73との位置の相関がとれるように、正規化したものが図17(C)の画像領域である。ここで正規化は、例えば回転、拡大、縮小、補完、射影変換、歪み補正、明るさ補正、コントラスト補正などの処理である。
投薬支援端末2は、表示位置情報に基づいて、正規化した画像上で動作状態の表示領域(表示欄)71や、予定量の表示領域72、流量の表示領域73を特定する(ステップS540)。
そして、投薬支援端末2は、各表示領域(表示欄)71-73について文字認識を行い、各表示領域に表示されている流量や予定量、エラーコード(動作状態)を機器設定情報として読み取る(ステップS550)。
なお、動作状態の読み取りは、文字認識に限らず、表示灯やエラーを示す記号等を認識するものでも良い。例えば、図15の表示欄71のようにエラーが発生した場合に、特定の表示灯71Aが点灯することで、エラーの状態を示す場合、点灯した表示灯の位置に応じてエラーの種類を認識しても良い。なお、エラーの場合にのみ動作状態の表示欄に表示
される場合には、コード又はエラーの種類を特定するのではなく、表示があればエラー、表示が無ければ正常のように動作状態の情報を認識しても良い。更に、エラーの場合に赤、正常の場合に緑のように、表示欄の表示色によってエラーの有無が特定される場合、この表示色によってエラー又は正常といった動作状態の情報を認識しても良い。
図18は、投薬後に、投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法(投与後処理)のフローを示す図である。
投薬後の確認を行う医療従事者(確認者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から投与後処理を選択すると、投薬支援端末2は図18の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「確認者の識別情報を入力して下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射後の確認者を示す識別情報の読み取りを促す(ステップS310)。これに応じて確認者が、名札のバーコードに投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダによって確認者IDを読み取る(ステップS320)。
次に投薬支援端末2は、「正常に投薬が終了しましたか」のようにメッセージを表示して投薬が正常に終了したか否かの入力を促し(ステップS330)。確認者による入力が正常か否かを判定する(ステップS340)。
正常に終了したことが入力された場合(ステップS340,Yes)、「終了情報を書き込んで下さい」のようにメッセージを表示し、投薬が完了したことに関する情報(終了情報)の書き込みを促す(ステップS350)。これに応じて確認者が、患者情報タグ4や薬剤情報タグ54に投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はタグの書込装置によって終了情報を患者情報タグ4に書き込む。また、投薬支援端末2は、終了情報を薬剤情報サーバ1に送信して記憶させる(ステップS360)。例えば、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者ID(医療従事者の識別情報)や投薬終了時間、投薬に用いた機器の機器ID、正常終了であった旨の情報を患者情報タグ4の投薬履歴に追記する。同様に投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了時間、機器ID、正常終了であった旨の情報を薬剤情報タグ54に追記する。また、投薬支援端末2が、終了情報として、投薬指示ID、確認者ID、投薬終了日時、機器ID、正常終了であった旨の情報を薬剤情報サーバ1へ送信すると、薬剤情報サーバ1は投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時、正常終了であった旨の情報を記憶させる。また、薬剤情報サーバ1は、機器情報記憶部の機器IDが一致するレコードに、当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時、投薬指示ID、正常終了であった旨の情報を記憶させる。なお、本実施形態1では、投薬支援端末2が、薬剤情報タグ54に終了情報を書き込む例を示したが、これに限らず、正常終了した場合には、薬剤容器の廃棄に備えて薬剤情報タグ54から全ての情報を削除しても良い。ここで、投薬支援端末2は、患者IDや薬剤IDなど、特定の情報のみを薬剤情報タグ54から削除するようにしても良い。
一方、ステップS340で正常でない旨の入力があった場合(ステップS340,No)、更に詳細な状況を示す情報の入力を促し、確認者による入力を受け付ける(ステップS370)。例えば故障、点検、エラー表示がある、終了予定時刻になっても薬剤が残っている、異常な発熱がある等、機器の異常を示す情報(機器状態)を確認者が入力し、投薬支援端末2が機器情報として受け付ける。また、バイタルサインの変化や、体調の悪化、穿刺部周囲の浮腫や血管炎等、投薬後の容態の情報を確認者が入力し、投薬支援端末2が患者情報として受け付ける。
そして投薬支援端末2は、「終了情報を書き込んで下さい」のようにメッセージを表示
し、患者や機器の異常に関する情報及び投薬が完了したことに関する情報(終了情報)の書き込みを促す(ステップS380)。これに応じて確認者が、患者情報タグ4や薬剤情報タグ54に投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はタグの書込装置によって終了情報を患者情報タグ4や薬剤情報タグ54に書き込む。また、投薬支援端末2は、終了情報を薬剤情報サーバ1に送信して記憶させる(ステップS390)。例えば、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者ID(医療従事者の識別情報)や投薬終了時間を患者情報タグ4の投薬履歴に追記すると共に、ステップS370で入力された投薬後の容態を示す患者情報を患者情報タグ4に記録する。同様に投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了時間を薬剤情報タグ54に追記する。更に投薬支援端末2が終了情報として、投薬指示ID、確認者ID、投薬終了日時、機器ID及び機器状態を薬剤情報サーバ1へ送信すると、薬剤情報サーバ1は、投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時を記憶させる。また、薬剤情報サーバ1は、機器情報記憶部の機器IDが一致するレコードに、当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時、投薬指示ID及び機器状態を記憶させる。なお、本実施形態では、薬剤情報タグ54に終了情報を書き込む構成としたが、薬剤情報タグ54に終了情報を書き込まない構成としても良い。また、投薬支援端末2は、投薬支援端末2は、患者IDや薬剤IDなど不要となった情報を薬剤情報タグ54から削除するようにしても良い。
《機器情報の管理》
上述のように、各薬剤に薬剤情報タグ54を付し、投薬時に機器情報を記憶させることにより、投薬に用いた機器の記録を個別に残すことができる。このように各薬剤の容器に付した薬剤情報タグに、使用した機器の情報を記憶させておくことにより、どの機器で投薬(例えば点滴)を行ったのかといった検証が可能となる。また、投薬に使用した機器の情報を患者情報タグ4の患者情報に記憶させておくことにより、各患者に対して、どの機器で投薬(例えば点滴)を行ったのかといった検証が可能となる。
このように投薬に使用した機器について、後日検証可能とし、トレーサビリティを確保したことにより、薬剤や機器のリコールが生じた際の回収や、問題が生じた際の原因究明が容易になる。
また、投薬に使用した機器の機器情報を薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部や機器情報記憶部に記憶させておくことにより、機器の情報を一括して管理することができる。例えば、機器毎の使用頻度やメンテナンス時期、機器全体の稼働率、故障率等を求めることができる。
更に、機器情報記憶部に各機器の所在を記憶させておくことで、各機器がどこにあるか、修理を要する機器がどこにあるか、使用可能な機器が不足している場所があるか等を機器情報から確認することができる。
《実施形態の効果》
このように、本実施形態によれば、投薬時にチェックすべき情報を投薬支援端末2が収集し、投薬条件と適合しているか否かを判定するため、確実に投薬時のチェックが行え、処方された薬剤を間違いなく対象の患者に投与できるように管理できる。即ち、本実施形態の投薬支援端末は、投薬時のチェックを行うことで、施行者によるチェックを軽減できるようにし、投薬作業を支援する。
また、本実施形態によれば、投与する薬剤の情報を投薬時に最新の投薬指示情報と照合できるので、変更や中止となった投薬指示に基づいて誤って投薬してしまうことが防止される。
更に、投薬支援端末2を用いて投薬時のチェックを行うことで、誰が、何時、誰に、何を投薬したか等の情報を記録でき、チェックと記録を同時に行うことができるので、投薬作業の効率が向上する。
なお、実施形態1では、混注者、投薬の施行者、確認者といった医療従事者の識別情報をバーコードとし、投薬支援端末2がバーコードリーダによって読み取る構成としたが、これに限らず、医療従事者の識別情報をRFタグに記録し、RFタグの読取装置で読み取る構成としても良い。
また、実施形態1では、機器IDといった機器情報をバーコードとし、投薬支援端末2がバーコードリーダによって読み取る構成としたが、これに限らず、機器情報をRFタグに記録し、FRタグの読取装置で読み取る構成としても良い。この場合、機器情報タグ65は、アンテナや、当該アンテナを介して機器情報を受信する受信部、受信した機器情報を記憶する記憶部、記憶部から読み出した機器情報をアンテナから電波として送出させる送信部、記憶部に対する機器情報の読み書き等の制御を行う制御部を備える。なお、機器情報タグ65のハードウェア構成は図5の薬剤情報タグ54と同じであるため図示を省略する。機器情報タグ65をRFタグとした場合、機器情報タグ65は、機器情報として、機器の識別情報(機器ID)の他、機器状態を記憶しても良い。例えば、医療従事者が輸液ポンプ6やシリンジポンプの故障或いは点検が必要であることを発見した場合、投薬支援端末2のメニュー(不図示)から機器情報の入力を選択し、次に入力項目として故障又は点検を選択して、書き込みを選択すると、投薬支援端末2はRFタグの書込装置234により、故障又は点検を示す機器状態を機器情報として当該輸液ポンプ6の機器情報タグ65に書き込む。これにより投薬支援端末2は、投薬時のチェックを行う際等に機器状態を薬剤情報サーバ1から取得せずに機器情報タグ65から取得できる。
〈変形例1〉
前述の実施形態1では、混注情報を薬剤容器に付加した薬剤情報タグに記録したが、これに限らず、本変形例1は、混注情報を他の装置に記録させた構成である。なお、本変形例1において、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略している。
混注情報を記憶させる装置は、投薬支援端末2がネットワークを介して接続し、混注情報を読み書きできるものであれば良い。本変形例1では、薬剤情報サーバ1が混注情報を記憶させる装置とされ、記憶部12が薬剤情報記憶部として機能する。
また、本変形例1では、薬剤容器から投薬指示IDを読み取ることができれば良く、薬剤ID等を書き込む必要が無いため、データの書き込みに対応しないRFタグやデータの通信速度が遅いRFタグを用いることもでき、システムを構成する際の自由度が向上する。また、薬剤容器に取り付けるタグは、RFタグに限らず、投薬指示IDをコーディングしたバーコードであっても良い。本変形例1では、薬剤部の電子カルテ端末202がバーコード化した投薬指示IDをプリンタでシール用紙に印刷してバーコードシールを出力し、このバーコードシールを薬剤容器に貼付する。
図19は、変形例1における混注作業時の投薬支援方法のフローを示す図、図20は投薬時の投薬支援方法のフローを示す図である。図19に示すように、ステップS10~S80で投薬支援端末2が混注情報を収集する処理は、図12に示した実施形態1の説明と同じであり、投薬支援端末2が混注情報を薬剤情報タグに書き込むのではなく、薬剤情報サーバ1の混注情報記憶部に記憶させる処理(ステップS90A)が異なっている。
そして、投薬時に施行者が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から薬剤投与を選択すると、投薬支援端末2は図20の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「チェックすべき情報を読み取って下さい」のようにメッセー
ジを表示し、点滴静脈注射の施行者を示す識別情報や、薬剤容器に付加された投薬指示ID、患者情報、機器情報の読み取りを促す(ステップS110)。これに応じて施行者が、名札、薬剤容器のバーコード、患者情報タグ4等の情報源から各情報を読み取るように投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダやタグの読取装置によって情報を読み取り(ステップS115)、当該情報の種別を判定する(ステップS120)。なお、チェックすべき情報である施行者の識別情報や、投薬指示ID、患者情報、機器情報は、これらの情報の種別を示すコード(種別コード)を含んでいる。また、患者情報であれば10桁、医療従事者(施行者)の識別情報であれば8桁、機器情報は、前半4桁と後半6桁の間にハイフンを入れるといった各情報の形式を識別コードとしても良い。これにより、投薬支援端末2は、チェックすべき情報を読み取った際、種別コードに基づいて当該情報の種別、例えば施行者の識別情報、投薬指示ID、患者情報、或いは機器情報の何れであるかを判定する。
例えば施行者が名札に付されたバーコード(不図示)に投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2が、バーコードを読み取り、このバーコードの情報が医療従事者の識別情報と判定した場合(ステップS120)、この識別情報を施行者IDとしてメモリに記憶する(ステップS130)。
また、施行者が薬剤容器に付されたバーコードに投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2が、バーコードを読み取る。このバーコードの情報が投薬指示IDと判定した場合(ステップS120)、投薬支援端末2は、この投薬指示IDを含む混注情報を薬剤情報サーバ1の混注情報記憶部から読み出してメモリに記憶する(ステップS140A)。なお、これ以降のチェックすべき情報を照合する処理(ステップS150~S230)は、図13に示した前述の実施形態1と同じである。
このように本変形例によれば、薬剤容器に混注した薬剤の情報を混注情報として記録できる構成とする一方、薬剤容器に取り付けるタグを簡素化できる。
〈変形例2〉
前述の実施形態1では、投薬指示情報の患者IDと患者情報タグから読み取った患者IDとが一致することや、薬剤情報タグ54から読み取った薬剤IDと薬剤情報サーバ1から取得した薬剤IDとが一致すること、機器状態が正常であることを投薬条件としたが、投薬条件は、これに限らず他の条件であっても良い。例えば、投薬条件は、前記条件に加え、患者の病歴に対して禁忌の薬剤が混注情報に含まれていないことであっても良い。
図21は、病気毎の禁忌薬剤を記憶した禁忌薬剤記憶部のデータ例を示す図である。図21に示すように、禁忌薬剤記憶部は、疾病と禁忌薬とを対応付けて記憶している。例えば、緑内障であれば抗コリン作用のある薬剤の薬剤ID、アスピリン喘息であればPG合成阻害作用のある薬剤の薬剤IDなど、病名と禁忌薬の薬剤IDとを対応付けて予め記憶する。本変形例2では、これらのデータを薬剤情報サーバ1の記憶部12に記憶させ、記憶部12が禁忌薬剤記憶部として機能する構成とする。なお、これに限らず、投薬支援端末2の記憶部22に記憶させ、記憶部22が禁忌薬剤記憶部として機能する構成としても良い。
患者の病歴は、投薬支援端末2が患者情報タグ4から読み取った患者IDと対応する病歴を電子カルテサーバ201から取得しても良いし、予め患者情報タグ4に患者の病歴を記録しておき、投薬支援端末2が患者情報タグ4から読み取るようにしても良い。即ち、本例では、電子カルテサーバ201や患者情報タグ4が、患者の病歴を記憶した病歴記憶部として機能する。
投薬時に前述の如く図13のステップS110~S180を行い、チェックすべき情報及び投薬指示情報を取得し、これらの情報について投薬条件に適合しているか否かを判定する(ステップS190)。ここで、本変形例2の投薬支援端末2は、患者情報タグ4から患者の病歴の情報を読み取り、当該病歴に記録された病名と対応する禁忌薬の薬剤IDを禁忌薬剤記憶部から読み出し、禁忌薬の薬剤IDが混注情報に含まれているか否かを判定する。禁忌薬の薬剤IDが混注情報に含まれている場合、投薬条件に適合しないと判定し(ステップS190,No)、エラーを表示して図21の処理を終了する(ステップS200)。一方、禁忌薬の薬剤IDが混注情報に含まれず、且つ他の投薬条件を満たしている場合、投薬条件に適合したと判定し(ステップS190,No)、投薬支援端末2は、投薬条件に適合したことを示す音やメッセージを出力する(ステップS210)。
また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部に施行者ID及び投薬実施日時を記憶させると共に(ステップS220)、患者情報タグ4に施行者IDや、投薬指示ID、投薬した薬剤の薬剤ID、投薬実施日時を書き込み(ステップS230)、図21の処理を終了する。
このように本変形例2によれば、患者毎の既往症に応じて、投薬の可否を判断することができる。
また、投薬条件は、所定の投薬タイミングか否かを判定するものでも良い。例えば投薬指示に投薬の間隔や順番が指定されている場合に、投薬支援端末2は、患者情報タグ4から読み取った投薬終了時刻や投薬指示ID、薬剤IDに基づいて、前回の投薬との間隔や指定された順番どおりに投薬されているか否かを判定しても良い。この所定の投薬タイミングか否かの投薬条件は、前記既往症に応じた禁忌薬の有無に代えて用いても良いし、組み合わせて用いても良い。
〈変形例3〉
前述の実施形態1では、テンプレートが表示位置情報を有したが、これに限らず、機器情報タグ65が表示位置情報を有し、機器情報タグ65の表示位置情報に基づいて表示欄71-73の位置を特定する構成としても良い。なお、その他の構成は、前述の実施形態と同じである。本変形例3の機器情報タグ65は、当該機器情報タグ65の貼付位置と表示欄71-73の位置との相対的な位置関係を表示位置情報として有している。
図22は、表示位置情報を有した機器情報タグ65を機器に貼付した例を示す図である。図22(A)は、各表示欄71-73を示す位置に夫々機器情報タグ65を貼付した例であり、図22(B)は、機器情報タグ65が有する機器情報の説明図である。なお、図22(A)の例では、貼付位置に応じて機器情報タグ65に、65A~65Fの符号を付して示した。例えば表示欄71の左側に機器情報タグ65A、表示欄71の右側に機器情報タグ65Bを貼付し、同様に表示欄72の左上に機器情報タグ65C、表示欄72の右下に機器情報タグ65Dを貼付し、表示欄73の上下に機器情報タグ65E,65Fを貼付した。この貼付位置と表示欄との位置関係を示す表示位置情報が、図22(B)のフィールド66に示すように各機器情報タグ65A~65Fに記録されている。例えば機器情報タグ65Aの表示位置情報は、当該機器情報タグ65Aが表示欄73の左側に位置していることを示し、機器情報タグ65Bの表示位置情報は、当該機器情報タグ65Bが表示欄71の右側に位置していることを示す。これにより機器情報タグ65Aと機器情報タグ65Bに挟まれた領域が表示欄71であることが分る。
このように表示位置情報を有した機器情報タグ65を機器に貼付し、投薬支援端末2が、図13のステップS115においてカメラ233で当該機器を撮影すると、撮影画像中には、図22(A)に示すように、機器情報タグ65A~65Fが撮影されるので、投薬支援端末2は、ステップS165において、撮影画像中の二次元バーコード(機器情報タ
グ65A~65F)をデコードし、各機器情報タグ65A~65Fの表示位置情報によって示される表示欄71-73の文字等を認識して機器設定情報を取得する。例えば、投薬支援端末2は、機器情報タグ65Eと機器情報タグ65Fに挟まれた領域(表示欄73)を文字認識することで、機器設定情報として流量を得る。同様に投薬支援端末2は、機器情報タグ65Cと機器情報タグ65Dに挟まれた領域(表示欄72)を文字認識することで、機器設定情報として予定量を得る。更に、投薬支援端末2は、機器情報タグ65Aと機器情報タグ65Bに挟まれた領域(表示欄71)について前述と同様にエラーコードや表示灯の状態、表示の色などを認識することで、機器設定情報として動作状態を得る。
なお、図22の例では、各表示欄71-73を挟む2カ所に機器情報タグ65を貼付したが、各表示欄71-73と隣接する一カ所に機器情報タグ65を貼付しても良い。例えば、図22(A)の機器情報タグ65B,65D,65Fを省略し、機器情報タグ65A,65C,65Eを貼付する。この場合、投薬支援端末2は、ステップS165において機器情報タグ65Aをデコードして表示位置情報から表示欄71の左に位置するタグであることを認識すると、この機器情報タグ65Aの右側の領域についてエラーコードや表示灯の状態、表示の色などを認識し、機器設定情報とする。同様に機器情報タグ65Cをデコードして表示位置情報から表示欄72の左上に位置するタグであることを認識すると、この機器情報タグ65Cの右下の領域について文字認識し、機器設定情報として予定量を得る。このように貼付する機器情報タグ65を各表示欄71-73に対して一つとしても機器情報タグ65の表示位置情報で示される方向の隣接領域を認識することで、機器設定情報が得られる。この場合、カメラ233で機器を撮影する際に、加速度センサ(不図示)で撮影時のカメラの傾きを検出し、この傾きに基づいて撮影画像の傾きを補正して上下左右を特定して、位置情報で示される方向を判定するように構成しても良い。
図23(A)は、各表示欄71-73を囲む矩形領域の対角に機器情報タグ65を貼付した例であり、図23(B)は、機器情報タグ65が有する機器情報の説明図である。なお、図23(A)の例では、貼付位置に応じて機器情報タグ65に、65G,65Hの符号を付して示した。図23(A)では、各表示欄71-73を囲む矩形領域67の対角に機器情報タグ65G,65Hを貼付した例を示す。機器情報タグ65G,65Hは、図23(B)に示すように、それぞれの識別情報や、座標、対角に位置するタグの識別情報(対角識別情報)、貼付された機器の機器ID、表示位置情報を記録している。この表示位置情報のフィールド66には、各表示欄71-73を示すオブジェクト名や各表示欄71-73の座標を有している。また、図23(B)の例では、機器情報タグ65Gの座標が(0,0)であり、これを原点とし、対角識別情報で示される機器情報タグ65Hを対角タグとしている。
このように表示位置情報を有した機器情報タグ65を機器に貼付し、投薬支援端末2が、図13のステップS115においてカメラ233で当該機器を撮影すると、撮影画像中には、図23(A)に示すように、機器情報タグ65G,65Hが撮影されるので、投薬支援端末2は、ステップS165において、撮影画像中の二次元バーコード(機器情報タグ65G,65H)をデコードし、図23(B)に示す情報に基づいて機器設定情報を認識する領域を特定する。例えば、機器情報タグ65G,65Hを対角点とする撮影画像中の矩形領域67において、機器情報タグ65Gの貼付位置を原点(0,0)とし、機器情報タグ65Hの座標を(100,100)とし、座標(10,65)~(90,90)の領域から表示欄73の表示情報を認識する。なお、投薬支援端末2は、前述と同様に、機器ID及びオブジェクト名(表示欄71-73)と対応付けて各表示欄71-73に表示される情報の種別を記憶している。投薬支援端末2は、この対応関係に基づき、例えば機器IDがMA0011の表示欄73を文字認識し、機器設定情報として流量を取得する。同様に投薬支援端末2は、表示欄72の座標(10,40)~(90,65)で示される領域を文字認識することで、機器設定情報として予定量を得る。更に、投薬支援端末2は
、表示欄71の座標(10,10)~(90,40)で示される領域について前述と同様にエラーコードや表示灯の状態、表示の色などを認識することで、機器設定情報として動作状態を得る。
なお、機器を撮影する際、表示部に表示した規定の大きさの矩形に合わせて機器を撮影すれば、撮影画像中の矩形領域67の大きさがほぼ一定になるので、この場合、機器情報タグ65Hの貼付を省略しても良い。また、表示欄71-73の大きさや、表示欄71-73に表示される文字の大きさ等から撮影画像中の矩形領域67の大きさを認識し、各表示欄71-73の座標で示される領域が特定できれば機器情報タグ65Hの貼付を省略しても良い。
このように本変形例3では、機器情報タグ65の貼付位置と表示位置情報とに基づいて表示欄71-73の位置を特定する構成としたことにより、テンプレートマッチングせずに表示欄71-73を特定でき、処理速度を向上できる。
図22,図23では、機器情報タグ65として、バーコードを用いた例を示したが、本変形例は、これに限らず、機器情報タグ65としてRFタグを用いても良い。この場合、RFタグの読取装置232で各機器情報タグ65から読み取った表示位置情報と、カメラ233で撮影した各機器情報タグ65の貼付位置とに基づいて各表示欄71-73を特定する。なお、撮影画像中の各機器情報タグ65の貼付位置と表示位置情報との対応付けは、撮影画像中の各機器情報タグ65の位置と各表示位置情報によって示される位置(座標等)とを照合して判定すれば良い。なお各機器情報タグ65を識別する記号や図形等のマーカを夫々の機器情報タグ65に記載しておき、撮影画像に写ったマーカの種類によって各機器情報タグ65を識別し、識別した機器情報タグ65と表示位置情報とを対応つけても良い。
〈実施形態2〉
前述の実施形態1では、患者情報をRFタグから患者IDや病歴を読み取る例を示したが、本実施形態2は、これに加え、患者のバイタルサインを検出する構成である。なお、本実施形態1において、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略している。
図24は、実施形態2に係る投薬支援端末2の構成を示す図である。図24に示すように、本実施形態3の投薬支援端末2は、図3に示した実施形態1の投薬支援端末2の構成に加えて、バイタル検出部を備えている。
バイタル検出部は、患者の脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温等をバイタルサイン(バイタル情報)として検出する。例えば、バイタル検出部は、心電図モニタやサチュレーションモニター(パルスオキシメーター)、血圧計、体温計で測定した、脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温を示す情報をLAN等のネットワークやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して取得する。また、バイタル検出部は、実施形態2の機器設定検出部と同様に、血圧計や体温計等の測定器をカメラで撮影し、撮影画像から血圧や体温といったバイタル情報を検出する構成でも良い。
図25は投薬時に、本実施形態3に係る投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法のフローを示す図である。
投薬を行う医療従事者(施行者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から薬剤投与を選択すると、投薬支援端末2は図25の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「チェックすべき情報を読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射の施行者を示す識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報の読み取りを促す(ステップS110)。これに応じて施行者が、名札、薬剤情報タグ54、患者情報タグ4、バイタルサインの測定器等の情報源から各情報を読み取るように投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダやタグの読取装置、カメラによって情報を読み取り(ステップS115)、当該情報の種別を判定する(ステップS120)。
ここで施行者が、患者の血圧や体温等のバイタルサインを取得するため、投薬支援端末2のカメラをバイタルサインの測定器に向けて撮影ボタンを押すと、投薬支援端末2は、測定器の画像を撮影し、当該画像から前述の機器情報検出部と同様に患者の脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温等のバイタルサインを読み取る(ステップS115)。また、バイタルサインの測定器が、LANやBluetooth(登録商標)等により通信可能の場合、投薬支援端末2は測定器と通信して患者のバイタルサインを受信する(ステップS115)。投薬支援端末2は、取得した情報が脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温であった場合、バイタル情報であると判定し(ステップS120)、バイタル情報としてメモリに格納する(ステップS167)。なお、バーコードやRFタグから施行者IDや、混注情報、患者情報、機器情報を読み取る処理は、前述と同じである(ステップS115~S160)。
投薬支援端末2は、ステップS115~S165で情報を取得すると、チェックすべき情報が充足したか否かを判定する(ステップS170)。
投薬支援端末2は、チェックすべき情報が充足していなければ(ステップS170,No)、ステップS110に戻って読み取りを繰り返し、チェックすべき情報が充足していれば(ステップS170,Yes)、薬剤情報タグ54から読み取った投薬指示IDと対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1から取得する(ステップS180)。なお、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1から投薬の指示を受けた際に投薬指示情報を受信しているが、ステップS180で最新の投薬指示情報を改めて取得する。
次に投薬支援端末2は、取得した各情報が投薬条件に適合しているか否かを判定する(ステップS190)。本実施形態3では、前述の実施形態1の処理に加えて、バイタル情報が投薬指示情報と適合しているか否かを投薬条件としている。例えば、体温が38℃以上の場合に投与、体温が36℃~38℃から外れている場合には投与不可、収縮期血圧で70mmHg未満の場合に投与、脈拍が所定値以下の場合に投与、所定時間以内に無呼吸があった場合に投与など、投薬指示に脈拍、心拍数、呼吸数、血圧、体温について指示があった場合に、この指示に適合して否かを判定する。
そして、投薬条件に適合していないと判定した場合(ステップS190,No)、投薬支援端末2は、エラーを示す音やメッセージを出力して図13の処理を終了し、適合していると判定した場合(ステップS190,Yes)、投薬支援端末2は、投薬条件に適合したことを示す音やメッセージを出力する(ステップS210)。
また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1の投薬指示記憶部に施行者ID及び投薬実施日時を記憶させると共に(ステップS220)、患者情報タグ4に施行者IDや、投薬指示ID、投薬した薬剤の薬剤ID、投薬実施日時、バイタル情報を書き込み(ステップS230)、図25の処理を終了する。
このように本実施形態2によれば、バイタル情報についても投薬支援端末2で読み取って投薬条件に適合しているか否かを確認できるため、施行者によるチェックを更に軽減できるように、投薬作業を支援する。
なお、本実施形態2は、実施形態1の構成に、患者のバイタルサインを検出する構成を加えた例を説明したが、これは前記変形例にも同様に適用できる。
〈実施形態3〉
前述の実施形態1では、機器情報タグ65をバーコードとした例を示したが、機器情報タグ65は、バーコードに限らず、機器情報の読み書きが可能なICチップを備えたRFIDタグ、所謂RFタグであっても良い。なお、本実施形態3において、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略する。
本実施形態3では、機器情報タグ65にRFタグを採用したことにより、機器情報として、機器IDだけでなく、機器状態、使用履歴、機種名といった情報を書き込むことが可能である。このため、実施形態1では、投薬支援端末2が、機器情報タグ65から機器IDを読み出して、対応する機器状態や、使用履歴、機種名等の情報を薬剤情報サーバ1から取得する構成としたが、本実施形態3では、投薬支援端末2が、機器情報タグ65から直接、機器IDや機器状態、使用履歴、機種名等の機器情報を読み取り、また、機器情報タグ65へ、直接これらの機器情報を書き込む構成とする。なお、本実施形態3において、投薬支援端末2は、機器情報タグ65に記録された機器情報をRFタグの読取装置232で読み取り、RFタグの書込装置234で機器情報タグ65に機器情報を書き込む。
次に本実施形態3の投薬支援方法について説明する。本実施形態3おいて、投薬を行う処理の基本的なフローは、図13と同じであるため、図13を用いて投薬時の処理を説明する。
投薬を行う医療従事者(施行者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から薬剤投与を選択すると、投薬支援端末2は図13の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「チェックすべき情報を読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射の施行者を示す識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報の読み取りを促す(ステップS110)。これに応じて施行者が、名札、薬剤情報タグ54、患者情報タグ4等の情報源から各情報を読み取るように投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダやタグの読取装置、カメラ233によって情報を読み取り(ステップS115)、当該情報の種別を判定する(ステップS120)。なお、チェックすべき情報である施行者の識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報は、これらの情報の種別を示す情報(種別コード)を含んでいる。例えば、混注情報であればIN、機器情報であればMA等のように特定のコードを夫々の情報が含むようにする。また、患者情報であれば10桁、医療従事者(施行者)の識別情報であれば8桁、機器情報は、前半4桁と後半6桁の間にハイフンを入れるといった各情報の形式を識別コードとしても良い。このように投薬支援端末2は、チェックすべき情報を読み取った際、種別コードに基づいて当該情報の種別、例えば施行者の識別情報、混注情報、患者情報、或いは機器情報の何れであるかを判定する。
例えば施行者が名札に付されたバーコード(不図示)に投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2が、バーコードを読み取り(ステップS115)、このバーコードの情報が医療従事者の識別情報と判定した場合(ステップS120)、この識別情報を施行者IDとしてメモリに記憶する(ステップS130)。
また、施行者が薬剤容器に付された薬剤情報タグ54に投薬支援端末2の読取装置232を向けると、投薬支援端末2が薬剤情報タグ54を読み取り(ステップS115)、この情報が混注情報と判定した場合(ステップS120)、混注情報としての投薬指示ID
、患者ID、投与方法及び薬剤IDをメモリに記憶する(ステップS140)。
同様に、施行者が、患者情報タグ4に投薬支援端末2の読取装置232を向けると、投薬支援端末2が患者情報タグ4を読み取り、この情報が患者情報と判定した場合(ステップS120)、患者IDを患者情報としてメモリに記憶する(ステップS150)。
更に、施行者が輸液ポンプ6等の機器に投薬支援端末2を向けてカメラ233の撮影ボタンを押すと、カメラ233で輸液ポンプ6の画像を撮影すると共に、読取装置232が機器情報タグ65から機器情報を読み取り(ステップS115)、この情報が機器情報であると判定した場合(ステップS120)、この機器情報としての機器ID、機器状態、及び機種名等をメモリに格納する(ステップS160)。
そして、投薬支援端末2は、撮影した輸液ポンプ6の画像から流量、予定量、機器の動作状態等の情報を読み取り、機器設定情報としてメモリに格納する(ステップS165)。
投薬支援端末2は、ステップS130~S165で情報を読み取ると、チェックすべき情報が充足したか否かを判定する(ステップS170)。本実施形態の投薬支援端末2は、例えば施行者ID、混注情報、及び患者情報を読み取った場合に、チェックすべき情報が充足したと判定する。そして、投薬指示情報の投与方法に輸液ポンプ使用やシリンジポンプ使用といった機器の使用が指定されていた場合には、前記施行者ID、混注情報、患者情報に加えて、機器情報及び機器設定情報を読み取った場合にチェックすべき情報が充足したと判定する。
投薬支援端末2は、チェックすべき情報が充足していなければ(ステップS170,No)、ステップS110に戻って読み取りを繰り返し、チェックすべき情報が充足していれば(ステップS170,Yes)、薬剤情報タグ54から読み取った投薬指示IDと対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1から取得する(ステップS180)。なお、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1から投薬の指示を受けた際に投薬指示情報を受信しているが、ステップS180で最新の投薬指示情報を改めて取得する。
次に投薬支援端末2は、取得した各情報が投薬条件に適合しているか否かを判定する(ステップS190)。ここで、投薬条件は、投薬可能か否かを判定する条件であり、例えば薬剤情報タグ54から読み取った患者ID或いは薬剤情報サーバ1から取得した投薬指示情報の患者IDと、患者情報タグから読み取った患者IDとが一致することである。
また、投薬条件は、薬剤情報タグ54から読み取った薬剤IDと薬剤情報サーバ1から取得した薬剤IDとが一致することや、機器状態が正常であること、機器設定状態が投薬指示と一致することである。本実施形態において、投薬支援端末2は、これらの条件を全て満たした場合に投薬条件に適合したと判定する(ステップS190)。
なお、機器状態が正常か否かの条件及び機器設定情報が投薬指示と一致するか否かの条件は、機器の使用が指定されていた場合にのみ判定すれば良い。また、機器設定情報に関して、流量及び予定量に加え、動作状態にエラーが無いことを投薬条件としても良い。例えば、輸液ポンプの蓋の閉め忘れや、バッテリー低下等のエラー表示が無ければ適合とし、エラー表示があれば不適合とする。
そして、投薬条件に適合していないと判定した場合(ステップS190,No)、投薬支援端末2は、エラーを示す音やメッセージを出力して図13の処理を終了し、適合していると判定した場合(ステップS190,Yes)、投薬支援端末2は、投薬条件に適合
したことを示す音やメッセージを出力する(ステップS210)。
また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1に投薬の開始に係る情報(開始情報)を送信して記憶させる(ステップS220)。例えば、投薬支援端末2が開始情報として、投薬指示ID、施行者ID、投薬実施日時、機器IDを薬剤情報サーバ1へ送信し、薬剤情報サーバ1が、投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び機器IDを記憶させる。また、投薬支援端末2は、機器情報タグ65に、当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び投薬指示IDを書き込む。そして、投薬支援端末2は、患者情報タグ4に施行者IDや、投薬指示ID、投薬した薬剤の薬剤ID、投薬実施日時を書き込み(ステップS230)、図13の処理を終了する。
また、投薬後に投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法(投与後処理)についても基本的なフローは前述の図18と同じであるため、図18を用いて説明する。
投薬後の確認を行う医療従事者(確認者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から投与後処理を選択すると、投薬支援端末2は図18の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「確認者の識別情報を入力して下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射後の確認者を示す識別情報の読み取りを促す(ステップS310)。これに応じて確認者が、名札のバーコードに投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダによって確認者IDを読み取る(ステップS320)。
次に投薬支援端末2は、「正常に投薬が終了しましたか」のようにメッセージを表示して投薬が正常に終了したか否かの入力を促し(ステップS330)。確認者による入力が正常か否かを判定する(ステップS340)。
正常に終了したことが入力された場合(ステップS340,Yes)、「終了情報を書き込んで下さい」のようにメッセージを表示し、投薬が完了したことに関する情報(終了情報)の書き込みを促す(ステップS350)。これに応じて確認者が、患者情報タグ4や薬剤情報タグ54、機器情報タグ65に投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はタグの書込装置によって終了情報を患者情報タグ4や薬剤情報タグ54、機器情報タグ65に書き込む。また、投薬支援端末2は、終了情報を薬剤情報サーバ1に送信して記憶させる(ステップS360)。例えば、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者ID(医療従事者の識別情報)や投薬終了時間、投薬に用いた機器の機器ID、正常終了であった旨の情報を患者情報タグ4の投薬履歴に追記する。同様に投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了時間、機器ID、正常終了であった旨の情報を薬剤情報タグ54に追記する。また、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了日時、正常終了であった旨の情報を機器情報タグ65に書き込む。更に、投薬支援端末2が、終了情報として、投薬指示ID、確認者ID、投薬終了日時、機器ID、正常終了であった旨の情報を薬剤情報サーバ1へ送信すると、薬剤情報サーバ1は投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時、投薬に用いた機器の機器ID、正常終了であった旨の情報を記憶させる。なお、本実施形態3では、投薬支援端末2が、薬剤情報タグ54に終了情報を書き込む例を示したが、これに限らず、正常終了した場合には、薬剤容器の廃棄に備えて薬剤情報タグ54から全ての情報を削除しても良い。ここで、投薬支援端末2は、患者IDや薬剤IDなど、特定の情報のみを薬剤情報タグ54から削除するようにしても良い。
一方、ステップS340で正常でない旨の入力があった場合(ステップS340,No
)、更に詳細な状況を示す情報の入力を促し、確認者による入力を受け付ける(ステップS370)。例えば故障、点検、エラー表示がある、終了予定時刻になっても薬剤が残っている、異常な発熱がある等、機器の異常を示す情報(機器状態)を確認者が入力し、投薬支援端末2が機器情報として受け付ける。また、バイタルサインの変化や、体調の悪化、穿刺部周囲の浮腫や血管炎等、投薬後の容態の情報を確認者が入力し、投薬支援端末2が患者情報として受け付ける。
そして投薬支援端末2は、「終了情報を書き込んで下さい」のようにメッセージを表示し、患者や機器の異常に関する情報及び投薬が完了したことに関する情報(終了情報)の書き込みを促す(ステップS380)。これに応じて確認者が、患者情報タグ4や薬剤情報タグ54、機器情報タグ65に投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はタグの書込装置234によって終了情報を患者情報タグ4や薬剤情報タグ54、機器情報タグ65に書き込む。また、投薬支援端末2は、終了情報を薬剤情報サーバ1に送信して記憶させる(ステップS390)。例えば、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者ID(医療従事者の識別情報)や投薬終了時間、異常に関する情報を患者情報タグ4の投薬履歴に追記すると共に、ステップS370で入力された投薬後の容態を示す患者情報を患者情報タグ4に記録する。同様に投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了時間を薬剤情報タグ54に追記する。また、投薬支援端末2は、終了情報として、確認者IDや投薬終了日時、異常に関する情報を機器情報タグ65に書き込む。更に投薬支援端末2が終了情報として、投薬指示ID、確認者ID、投薬終了日時、機器ID、機器状態、異常に関する情報を薬剤情報サーバ1へ送信すると、薬剤情報サーバ1は、投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該終了情報の確認者IDや、投薬終了日時、異常に関する情報を記憶させる。なお、本実施形態3では、投薬支援端末2が、薬剤情報タグ54に終了情報を書き込む例を示したが、これに限らず、薬剤容器の廃棄に備えて薬剤情報タグ54から全ての情報を削除しても良い。ここで、投薬支援端末2は、患者IDや薬剤IDなど、特定の情報のみを薬剤情報タグ54から削除する、換言するなら、異常に関する情報や投薬に用いた機器情報など、異常に対する処理に必要な所定の情報以外を削除しても良い。
《機器情報の管理》
上述のように、各薬剤に薬剤情報タグ54を付し、投薬時に機器情報を記憶させることにより、投薬に用いた機器の記録を個別に残すことができる。このように各薬剤の容器に付した薬剤情報タグに、使用した機器の情報を記憶させておくことにより、どの機器で投薬(例えば点滴)を行ったのかといった検証が可能となる。また、投薬に使用した機器の情報を患者情報タグ4の患者情報に記憶させておくことにより、各患者に対して、どの機器で投薬(例えば点滴)を行ったのかといった検証が可能となる。
このように投薬に使用した機器について、後日検証可能とし、トレーサビリティを確保したことにより、薬剤や機器のリコールが生じた際の回収や、問題が生じた際の原因究明が容易になる。
また、投薬に使用した機器の機器情報を機器情報タグ65に記憶させておくことにより、機器の情報を管理することができる。例えば、機器毎の使用頻度やメンテナンス時期、機器状態等を求めることができる。
更に、投薬に使用した機器の機器情報を薬剤情報サーバ1の機器情報記憶部に記憶させておくことにより、機器の情報を一括して管理することができる。例えば、管理機器全体の稼働率、故障率等を求めることができる。また、機器情報記憶部に各機器の所在を記憶させておくことで、各機器がどこにあるか、修理を要する機器がどこにあるか、使用可能な機器が不足している場所があるか等を機器情報から確認することができる。
なお、本実施形態3は、実施形態1の構成のうち、機器情報タグ65をRFタグとして、機器情報を機器情報タグ65に対して読み書きする構成とした例を示したが、この他の構成は、前記変形例や前記実施形態2にも同様に適用できる。
〈実施形態4〉
前述の実施形態1では、混注者、投薬の施行者、確認者といった医療従事者の識別情報をバーコードとして名札等に記載し、投薬支援端末2がバーコードリーダによって読み取る構成としたが、これに限らず、医療従事者の識別情報を読み書きが可能なRFタグ(ICタグ)に記憶させ、投薬支援端末2がRFIDリーダによって読み取る構成であっても良い。なお、本実施形態4において、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略する。
図26は、医療従事者の名札をRFタグとした例を示す図である。図26(A)に示すように、RFタグ(名札)90は、正面に医療従事者の写真901、氏名902、所属する病院名903等が記載されている。また、RFタグ90は、図26(B)に示すように、内部にアンテナ941や、当該アンテナ941を介して情報を受信する受信部942、受信した混注情報を記憶する記憶部943、記憶部943から読み出した情報をアンテナ941から電波として送出させる送信部944、記憶部943に対する情報の読み書き等の制御を行う制御部945を備えている。なお、受信部942、記憶部943、送信部944、制御部945は、一つのICチップ940として構成されている。
図27は、投薬支援端末2が医療従事者のIDを取得する際の認証処理の説明図である。医療従事者のIDの取得が指示された場合、投薬支援端末2は、RFIDの読取装置によって、読み取りのための電波を送出する又は磁界を発生させる(ステップS410)。RFタグ90は、この電波又は磁界の作用を受けたアンテナ941によって電力を取得し、この電力によりICチップ940を動作させ、制御部945が記憶部943から医療従事者のIDを読出して、送信部944が当該IDを電波又は磁界の変化としてアンテナ941から送出させる。
投薬支援端末2の読取装置は、RFタグ90からの電波又は磁界の変化によって医療従事者のIDを取得し(ステップS420)、暗号鍵(チャレンジ)として例えばランダムな数列を電波又は磁界の変化として送信する(ステップS430)。この電波又は磁界の変化を前述と同様にアンテナ941で受け、受信部942によりチャレンジを受信したRFタグ90は、制御部945が記憶部943からパスワードを読出し、パスワードとチャレンジとを組み合わせて所定のアルゴリズムでレスポンスを作成する。例えば、制御部945は、パスワードとチャレンジとを合わせた数列を一方向関数で処理し、ハッシュ値を求めてレスポンスとする。
同様に投薬支援端末2は、当該医療従事者の認証情報として記憶部22に記憶されているパスワードを読み出してステップS430で送信したチャレンジと組み合わせて所定のアルゴリズムで演算し、認証用の演算結果(ハッシュ値)を求める(ステップS440)。
そして、投薬支援端末2は、読取装置によってRFタグ90からレスポンスを受信し(ステップS450)、受信したレスポンスをステップS440の演算結果と比較して、一致するか否かを判定する(ステップS460)。これらが一致しなければ(ステップS460,No)、投薬支援端末2は、正しくIDを取得できなかったと判断し、ステップS420で取得したIDを破棄してエラーを出力し(ステップS470)、図27の処理を終了する。
一方、受信したレスポンスとステップS440の演算結果が一致すれば(ステップS460,Yes)、投薬支援端末2は、正しくIDを取得できたと判断してステップS420で取得したIDを以降の処理へ渡すためにメモリ等に格納し(ステップS480)、図27の処理を完了する。
このように本実施形態4では、医療従事者の名札にRFタグ90を採用したことにより、バーコードと比べて複製が難しくなり、セキュリティを高めることができる。特にRFタグ90が、投薬支援端末2へ医療従事者のIDを送信する際、単純にIDを送信するのではなく、パスワード等を暗号化して送信することができるので、RFタグ90を有していない者が不正に端末を操作することを防止できる。
例えば、投薬支援端末2は、ログイン時にRFタグ90を読み取って図27の認証処理を行い、認証が成功した場合には(ステップS460,Yes)ログインして投薬支援端末2の操作を可能とし、認証が成功しなかった場合には(ステップS460,No)ログインせず投薬支援端末2の操作を不可とする。このようにログイン時に医療従事者のIDをRFタグ90から読み取ってメモリに格納し、図12のステップS10や図13のステップS115など、以降の処理では投薬支援端末2のメモリから医療従事者のIDを読み取る構成としても良い。また、投薬支援端末2は、ログイン時だけでなく、図12のステップS10や図13のステップS115など、以降の処理で医療従事者のIDを読み取る際にもRFタグ90から医療従事者のIDを読み取って図27の認証処理を行う構成としても良い。
なお、本実施形態4では、医療従事者の名札をRFタグ90とした例を示したが、これに限らず、身分証明証やIDカード、ブレスレットなど、他の形態であっても良い。
なお、本実施形態4は、実施形態1の構成において、バーコードに代えてRFタグ90から医療従事者のIDを読み取る構成とした例を示したが、実施形態1に限らず、前記変形例や前記実施形態2、3においても同様に医療従事者のIDをRFタグ90から読み取る構成としても良い。
〈実施形態5〉
前述の実施形態3では、RFタグとした機器情報タグから、機器ID、機器状態、使用履歴、機種名等を機器情報として読み取る構成としたが、本実施形態5では、機器情報タグから機器設定情報を読み取る構成、及び投薬支援端末2から機器情報タグに機器設定情報を書き込み、この機器設定情報に基づいて機器を設定する構成とした。なお、本実施形態5において、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして、再度の説明を省略する。
図28は、機器の概略構成図である。図28に示すように、本実施形態5で用いる機器6は、表示部610や、機能部620、制御回路630、操作部64、機器情報タグ650を備える。
表示部610は、LEDや液晶表示素子といった表示素子であり、設定情報等を表示する。例えば、図6の輸液ポンプであれば、動作状態のインジケータ61や、予定量又は積算量の表示欄62、流量の表示欄63が、表示部610に相当する。
機能部620は、機器6の機能を発揮するために設定情報に基づく動作を行う。機能部620は、例えば、輸液ポンプにおいて輸液を設定情報で定められた流量で送出する駆動機構や、シリンジポンプにおいて設定情報で定められた流量となるように押子(プランジャ)を駆動する駆動機構、ネブライザにおいて薬液を液滴化して噴霧する機構などである
制御回路630は、操作部64からの入力を受けてメモリに記憶する制御や、表示部610に設定情報等を表示させる制御、機能部620を設定情報に基づいて動作させる制御、機器情報タグ650から設定情報等の情報を読み取る制御、機器情報タグ650へ設定情報等の情報を書き込む制御などの制御を行う。
操作部64は、投薬の施行者(医療従事者)等の操作者に操作される操作ボタンやスイッチであり、設定情報の入力や動作の開始、動作の終了等の指示がなされる。
機器情報タグ650は、機器情報の読み取り及び書き込みが可能なRFタグである。機器情報タグ650は、アンテナ651や、当該アンテナ651を介して混注情報を受信する受信部652、受信した混注情報を記憶する記憶部653、記憶部653から読み出した混注情報をアンテナ651から電波として送出させる送信部654、記憶部653に対する混注情報の読み書き等の制御を行う制御部655を備えた所謂RFタグである。なお、受信部652、記憶部653、送信部654、制御部655は、一つのICチップ660として構成されている。なお、本実施形態の機器情報タグ650は、機器情報及び設定情報の読み書きが可能なRFタグとしての機能を有していれば、アンテナ651やICチップ660を機器6の筐体内に収め、タグとしての外観を有していなくても良い。
機器6の制御回路630と機器情報タグ650は通信可能であり、制御回路630が機器情報タグ650から設定情報を読み出すことや、制御回路630から機器情報タグ650へ設定情報を書き込むことができる。
図29は投薬時に、投薬支援端末2が投薬支援プログラムに従って実行する投薬支援方法のフローを示す図である。
投薬を行う医療従事者(施行者)が投薬支援端末2を操作して、メニュー画面(不図示)から薬剤投与を選択すると、投薬支援端末2は図29の処理を開始する。
投薬支援端末2は、先ず「チェックすべき情報を読み取って下さい」のようにメッセージを表示し、点滴静脈注射の施行者を示す識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報の読み取りを促す(ステップS110)。これに応じて施行者が、名札、薬剤情報タグ54、患者情報タグ4等の情報源から各情報を読み取るように投薬支援端末2を向けると、投薬支援端末2はバーコードリーダやタグの読取装置、カメラ233によって情報を読み取り(ステップS115)、当該情報の種別を判定する(ステップS120)。なお、チェックすべき情報である施行者の識別情報や、混注情報、患者情報、機器情報は、これらの情報の種別を示す情報(種別コード)を含んでいる。例えば、混注情報であればIN、機器情報であればMA等のように特定のコードを夫々の情報が含むようにする。また、患者情報であれば10桁、医療従事者(施行者)の識別情報であれば8桁、機器情報は、前半4桁と後半6桁の間にハイフンを入れるといった各情報の形式を識別コードとしても良い。このように投薬支援端末2は、チェックすべき情報を読み取った際、種別コードに基づいて当該情報の種別、例えば施行者の識別情報、混注情報、患者情報、或いは機器情報の何れであるかを判定する。
例えば施行者が名札に付されたバーコード(不図示)に投薬支援端末2のバーコードリーダ231を向けると、投薬支援端末2が、バーコードを読み取り(ステップS115)、このバーコードの情報が医療従事者の識別情報と判定した場合(ステップS120)、この識別情報を施行者IDとしてメモリに記憶する(ステップS130)。
また、施行者が薬剤容器に付された薬剤情報タグ54に投薬支援端末2の読取装置23
2を向けると、投薬支援端末2が薬剤情報タグ54を読み取り(ステップS115)、この情報が混注情報と判定した場合(ステップS120)、混注情報としての投薬指示ID、患者ID、投与方法及び薬剤IDをメモリに記憶する(ステップS140)。
同様に、施行者が、患者情報タグ4に投薬支援端末2の読取装置232を向けると、投薬支援端末2が患者情報タグ4を読み取り、この情報が患者情報と判定した場合(ステップS120)、患者IDを患者情報としてメモリに記憶する(ステップS150)。
更に、施行者が輸液ポンプ6等の機器に投薬支援端末2を近づけると、読取装置232が機器情報タグ65から機器情報を読み取り(ステップS115)、この情報が機器情報であると判定した場合(ステップS120)、この機器情報としての機器ID、機器状態、及び機種名等をメモリに格納する(ステップS160)。
投薬支援端末2は、ステップS130~S160で情報を読み取ると、チェックすべき情報が充足したか否かを判定する(ステップS170)。本実施形態の投薬支援端末2は、例えば施行者ID、混注情報、及び患者情報を読み取った場合に、チェックすべき情報が充足したと判定する。そして、投薬指示情報の投与方法に輸液ポンプ使用やシリンジポンプ使用といった機器の使用が指定されていた場合には、前記施行者ID、混注情報、患者情報に加えて、機器情報及び機器設定情報を読み取った場合にチェックすべき情報が充足したと判定する。
投薬支援端末2は、チェックすべき情報が充足していなければ(ステップS170,No)、ステップS110に戻って読み取りを繰り返し、チェックすべき情報が充足していれば(ステップS170,Yes)、薬剤情報タグ54から読み取った投薬指示IDと対応する投薬指示情報を薬剤情報サーバ1から取得する(ステップS180)。なお、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1から投薬の指示を受けた際に投薬指示情報を受信しているが、ステップS180で最新の投薬指示情報を改めて取得する。
次に投薬支援端末2は、ステップS180で取得した投薬指示情報のうち、輸液ポンプ6の流量や予定量といった機器の設定情報をRFIDの書込装置234によって機器6の機器情報タグ650に書き込む(ステップS185)。設定情報を書き込まれた機器6は、機器情報タグ650から設定情報を読出し、流量や予定量といった設定情報を機能部620に設定する。また、機器6は、実際に機能部620に設定されている設定情報を読み取り、機器情報タグ650に書き込む。また、投薬支援端末2は、機器6が機器情報タグ650に書き込んだ、実際に設定されている設定情報を機器情報タグ650から読み取る(ステップS187)。
そして、投薬支援端末2は、取得した各情報が投薬条件に適合しているか否かを判定する(ステップS190)。ここで、投薬条件は、投薬可能か否かを判定する条件であり、例えば薬剤情報タグ54から読み取った患者ID或いは薬剤情報サーバ1から取得した投薬指示情報の患者IDと、患者情報タグから読み取った患者IDとが一致することである。
また、投薬条件は、薬剤情報タグ54から読み取った薬剤IDと薬剤情報サーバ1から取得した薬剤IDとが一致することや、機器状態が正常であること、機器設定状態が投薬指示と一致することである。本実施形態において、投薬支援端末2は、これらの条件を全て満たした場合に投薬条件に適合したと判定する(ステップS190)。
なお、機器状態が正常か否かの条件及び機器設定情報が投薬指示と一致するか否かの条件は、機器の使用が指定されていた場合にのみ判定すれば良い。また、機器設定情報に関
して、流量及び予定量に加え、動作状態にエラーが無いことを投薬条件としても良い。例えば、輸液ポンプの蓋の閉め忘れや、バッテリー低下等のエラー表示が無ければ適合とし、エラー表示があれば不適合とする。
そして、投薬条件に適合していないと判定した場合(ステップS190,No)、投薬支援端末2は、エラーを示す音やメッセージを出力して図13の処理を終了し、適合していると判定した場合(ステップS190,Yes)、投薬支援端末2は、投薬条件に適合したことを示す音やメッセージを出力する(ステップS210)。
また、投薬支援端末2は、薬剤情報サーバ1に投薬の開始に係る情報(開始情報)を送信して記憶させる(ステップS220)。例えば、投薬支援端末2が開始情報として、投薬指示ID、施行者ID、投薬実施日時、機器IDを薬剤情報サーバ1へ送信し、薬剤情報サーバ1が、投薬指示記憶部の投薬指示IDが一致するレコードに当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び機器IDを記憶させる。また、投薬支援端末2は、機器情報タグ65に、当該開始情報の施行者IDや、投薬実施日時及び投薬指示IDを書き込む。そして、投薬支援端末2は、患者情報タグ4に施行者IDや、投薬指示ID、投薬した薬剤の薬剤ID、投薬実施日時を書き込み(ステップS230)、図29の処理を終了する。
このように本実施形態5によれば、投薬指示情報として入力された設定情報を投薬支援端末2が、機器6の機器情報タグ650に書き込み、機器6が機器情報タグ650に書き込まれた設定情報を用いて設定できるので、投薬の施行者が機器6の設定を間違えるといった人為的ミスを防止できる。
また、機器6が、設定状態を機器情報タグ650に書き出し、投薬支援端末2が機器情報タグ650から設定情報を読み取って投薬条件に適合しているか否かを判定するので、機器6の設定を間違いなく確認することができる。
なお、機器6は、輸液ポンプやシリンジポンプに限らず、投薬や治療、検査に用いる機器であって、設定を電子的に制御可能な機器であれば良い。例えば、機器6は、ネブライザや麻酔器、呼吸器、透析装置等でも良い。
1 薬剤情報サーバ
2 投薬支援端末
3 無線アクセスポイント
4 患者情報タグ
5 薬剤容器
6 輸液ポンプ
7 点滴ライン
8 注射箋
10 投薬管理システム
11 演算処理部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
20 電子カルテシステム
21 演算処理部
22 記憶部
23 入出力インタフェース
30 在庫管理システム
41 ベルト
42 送受信部
43 患者氏名
44 バーコード
51 本体
52 貫通穴
53 流出口
54 薬剤情報タグ
61 インジケータ
62 予定量の表示欄
63 流量の表示欄
64 操作ボタン
65 機器情報タグ
90 RFタグ
112 投薬情報受信部
113 投薬指示通知部
114 投薬情報応答部
201 電子カルテサーバ
202 電子カルテ端末
211 患者情報読取部
212 混注情報取得部
213 投薬情報取得部
214 薬剤情報読取部
215 混注情報書込部
216 照合部
217 出力制御部
231 バーコードリーダ
232 読取装置
234 書込装置

Claims (9)

  1. 薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取る患者情報読取部と、
    前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得する混注情報取得部と、
    各患者に対する投薬指示情報を前記識別情報及び前記患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出す投薬情報取得部と、
    前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出する機器設定検出部と、
    前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記機器設定検出部で検出した前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合する照合部と、
    前記照合の結果を出力する出力制御部と、
    前記患者のバイタルサインを検出するバイタル検出部と、
    を備え
    前記照合部が、前記バイタルサインが前記投薬指示情報で指定されたバイタルサインの条件を満たしているか否かを照合する投薬支援装置。
  2. 前記機器の設定情報が表示される表示欄を撮影する撮影装置を備え、
    前記機器設定検出部が、前記撮影装置で撮影した機器の撮影画像から前記機器の設定情報を認識する請求項1に記載の投薬支援装置。
  3. 前記機器に取り付けられたタグから当該機器の設定情報が表示される表示欄の位置を示す表示位置情報を読み取る読み取り部を備え、
    前記機器設定検出部が、前記表示位置情報に基づき前記撮影画像中の表示欄に該当する領域を特定し、前記表示欄に該当する領域から前記機器の設定情報を認識する請求項2に記載の投薬支援装置。
  4. 前記患者に対する投薬指示情報に基づいて、複数の薬剤を混合する際に、各薬剤に付加された識別情報を読み取る薬剤情報読取部と、
    前記薬剤容器に取り付けられたタグの記憶部に前記各薬剤の識別情報を前記混注情報として記憶させる、又は前記薬剤容器に取り付けられたタグが示す識別情報と前記各薬剤の識別情報とを前記混注情報として前記混注情報記憶部に記憶させる混注情報書込部と、
    を備える請求項1から3の何れか一項に記載の投薬支援装置。
  5. 前記照合部が、各患者の病歴を記憶した病歴記憶部から前記患者情報と対応する病歴を読み出し、当該患者の病歴に対して禁忌の薬剤が前記混注情報に含まれているか否かを判定する請求項1から4の何れか一項に記載の投薬支援装置。
  6. 前記照合部が、前記患者の投薬履歴に基づき、前記投薬指示情報による投薬と前回の投薬との間隔又は順序を求め、当該投薬履歴から求めた間隔又は順序が、前記投薬指示情報で指定された間隔又は順序と適合しているか否かを判定する請求項1から5の何れか一項に記載の投薬支援装置。
  7. ネットワークを介して接続する薬剤情報サーバと投薬支援装置とを有し、
    前記薬剤情報サーバが、各患者に対する投薬指示情報を識別情報及び患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を備え、
    前記投薬支援装置が、
    薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取る患者情報読取部と、
    前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得する混注情報取得部と、
    前記投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出す投薬情報取得部と、
    前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出する機器設定検出部と、
    前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記機器設定検出部で検出した前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合する照合部と、
    前記照合の結果を出力する出力制御部と、
    前記患者のバイタルサインを検出するバイタル検出部と、
    を備え
    前記照合部が、前記バイタルサインが前記投薬指示情報で指定されたバイタルサインの条件を満たしているか否かを照合する投薬管理システム。
  8. 薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取るステップと、
    前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得するステップと、
    各患者に対する投薬指示情報を前記識別情報及び前記患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出すステップと、
    前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出するステップと、
    前記患者のバイタルサインを検出するステップと、
    前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合し、前記バイタルサインが前記投薬指示情報で指定されたバイタルサインの条件を満たしているか否かを照合するステップと、
    前記照合の結果を出力するステップと、
    をコンピュータが実行する投薬支援方法。
  9. 薬剤を投与する患者に割り当てられたタグから当該患者に関する患者情報を読み取るステップと、
    前記患者に対する投薬指示情報に基づいて薬剤容器内に収容された薬剤を示す情報及び当該投薬指示情報を識別する識別情報を含む混注情報を前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取る、或いは前記混注情報を記憶した混注情報記憶部を参照して、薬剤容器から読み取った前記識別情報を含む混注情報を取得するステップと、
    各患者に対する投薬指示情報を前記識別情報及び前記患者情報と対応付けて記憶した投薬指示記憶部を参照し、前記薬剤容器に取り付けられたタグから読み取った識別情報と対応する投薬指示情報及び患者情報を読み出すステップと、
    前記投薬指示情報に基づいて使用する機器から機器の設定情報を検出するステップと、
    前記患者のバイタルサインを検出するステップと、
    前記投薬指示記憶部から読み出した投薬指示情報が前記混注情報と適合し、前記設定情報が前記投薬指示情報と適合し、且つ前記投薬指示記憶部から読み出した患者情報と前記患者毎に割り当てられたタグから読み出した患者情報と適合しているか否かを照合し、前記バイタルサインが前記投薬指示情報で指定されたバイタルサインの条件を満たしているか否かを照合するステップと、
    前記照合の結果を出力するステップと、
    をコンピュータに実行させるための投薬支援プログラム。
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