JP7396139B2 - 計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラム - Google Patents

計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラムに関する。
特許文献1には、橋梁の維持管理をする上で、橋梁を通過する大型車両の車軸重量が、橋梁の損傷を予測するために重要な情報であって、この軸重測定ため、橋梁の主桁に設置したひずみ計から車両通過時のひずみ値を連続測定し、軸重を算出する手法Weight In Motionが提案されており、橋梁の主桁に配置されたひずみ計で計測したひずみ波形に基づいて、橋梁を通過する車両の車重を計測する橋梁通過車両監視システムが記載されている。詳細には、橋梁通過車両監視システムは、ひずみ計を配置して、ひずみ計で計測したひずみ波形から車軸の通過タイミングを検出して車両の軸間比率を算出し、算出した軸間比率と軸間距離データベースに登録された軸間距離から算出される軸間比率とを比較し、車両の軸間距離、車速および車種を特定する。また、橋梁通過車両監視システムは、車軸の通過タイミングに合わせて、基準軸重ひずみ波形を時間軸上に配置したひずみ波形を生成し、基準軸重ひずみ波形とひずみ計で計測したひずみ波形とを比較して各軸の軸重を算出する。そして、橋梁通過車両監視システムは、各軸の軸重を合計することにより車重を算出する。
特開2009-237805号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、ひずみ波形と軸間距離データベースを用いることにより橋梁の変位を計測せずに車両の車重を計測することはできるが、連なって移動する複数の移動体の各々による構造物の変位を分離して算出することはできない。
本発明に係る計測方法の一態様は、
2以上の整数Mに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得ステップと、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得ステップと、
前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出ステップと、
前記たわみ波形算出ステップで算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出ステップと、
前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出ステップと、
第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、を含む。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、1以上M以下のすべての整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである場合に、前記第iの時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似してもよい。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除く少なくとも1つの移動体たわみ波形の振幅がゼロでない場合に、前記第iの移動体たわみ波形の振幅がゼロでなく、かつ、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似してもよい。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、前記第1~第Mの移動体たわみ波形の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似してもよい。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形との差が最小になるように、最小二乗法により前記第1~第Mの振幅係数を算出してもよい。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、
前記変位波形に重畳されるノイズが閾値以上である第1の条件が成立する場合、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形との差が最小になるように、最小二乗法により前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
前記第1の条件が成立せず、かつ、1以上M以下のすべての整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである第2の条件が成立する場合、前記第iの時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
前記第1の条件及び前記第2の条件が成立せず、かつ、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、前記第iの時刻において前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除く少なくとも1つの移動体たわみ波形の振幅がゼロでない第3の条件が成立する場合、前記第iの移動体たわみ波形の振幅がゼロでなく、かつ、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
前記第1の条件、前記第2の条件及び前記第3の条件が成立しない場合、前記第1~第Mの移動体たわみ波形の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出してもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物のたわみの近似式は、前記構造物の構造モデルに基づく式であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造モデルは、両端を支持した単純梁であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物のたわみの近似式は、前記第1の観測点と前記第2の観測点との中央位置におけるたわみの最大振幅で規格化された式であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物のたわみの近似式は、正弦波の半波長の波形の式であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物は、橋梁の上部構造であって、
前記上部構造は、隣り合う橋台と橋脚、隣り合う2つの橋台、又は、隣り合う2つの橋脚のいずれか1つに渡された構造であり、
前記上部構造の両端部は、前記隣り合う橋台と橋脚の位置、前記隣り合う2つの橋台の位置、又は、前記隣り合う2つの橋脚の位置にあり、
前記橋梁は、道路橋又は鉄道橋であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第1の観測点は前記構造物の第1の端部に設定され、
前記第2の観測点は前記構造物の前記第1の端部とは異なる第2の端部に設定されてもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記移動体は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両であり、
前記複数の部位のそれぞれは車軸又は車輪であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置、前記第2の観測点を観測する前記観測装置及び前記第3の観測点を観測する前記観測装置は、加速度センサーであってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第3の観測点を観測する前記観測装置は、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、衝撃センサー、マイクロホン、歪計又はロードセルであってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物は、BWIM(Bridge Weigh in Motion)が機能する構造であってもよい。
本発明に係る計測装置の一態様は、
2以上の整数Nに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得部と、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得部と、
前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出部と、
前記たわみ波形算出部が算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出部と、
前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出部と、
第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出部と、を含む。
本発明に係る計測システムの一態様は、
前記計測装置の一態様と、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置と、
前記第2の観測点を観測する前記観測装置と、
前記第3の観測点を観測する前記観測装置と、を備える。
本発明に係る計測プログラムの一態様は、
2以上の整数Nに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得ステップと、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得ステップと、
前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出ステップと、
前記たわみ波形算出ステップで算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出ステップと、
前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出ステップと、
第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、をコンピューターに実行させる。
計測システムの構成例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 加速度センサーが検出する加速度の説明図。 車軸情報の一例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 観測点に対して検出される加速度の一例を示す図。 図10の各時刻の加速度振幅を加速度強度に変換した図。 図11の加速度強度を所定の閾値で2値化した図。 図12に対して退出時刻のパターンをスライドさせた図。 橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。 橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。 規格化たわみ量の波形の一例を示す図。 規格化たわみ量モデルの一例を示す図。 各車軸による橋梁のたわみ波形の一例を示す図。 車両たわみ波形の一例を示す図。 変位波形の一例を示す図。 振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 2つの振幅調整たわみ波形の和の一例を示す図。 第1実施形態の計測方法の手順の一例を示すフローチャート図。 たわみ波形算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第1実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 計測装置の構成例を示す図。 第2実施形態において算出される振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 第2実施形態において算出される振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 2つの振幅調整たわみ波形の和の一例を示す図。 第2実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第3実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第4実施形態において算出される振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 第4実施形態において算出される振幅調整たわみ波形の一例を示す図。 第4実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第5実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 ノイズ判定ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 ノイズが重畳された変位波形の一例を示す図。 変位波形を2回積分して得られる加速度の一例を示す図。 第6実施形態における規格化たわみ量の波形の一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1-1.計測システム
以下では、構造物が橋梁の上部構造であり、移動体が車両である場合を例に挙げ、本実施形態の計測方法を実現するための計測システムについて説明する。本実施形態に係る橋梁を通過する車両は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両等の重量が大きく、BWIM(Bridge Weigh in Motion)で計測可能な車両である。BWIMは、橋梁を「はかり」に見立て、橋梁の変形を計測することにより、橋梁を通行する車両の重量、軸数などを測定する技術である。変形やひずみなどの応答から通行する車両の重量を解析可能な橋梁の上部構造は、BWIMが機能する構造物であり、橋梁の上部構造への作用と応答の間の物理的なプロセスを応用するBWIMシステムが通行する車両の重量の計測を可能にする。
図1は、本実施形態に係る計測システムの一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る計測システム10は、計測装置1と、橋梁5の上部構造7に設けられる少なくとも1つのセンサー21と、少なくとも1つのセンサー22と、少なくとも1つのセンサー23と、を有している。また、計測システム10は、サーバー2を有してもよい。
橋梁5は上部構造7と下部構造8からなり、上部構造7は、床板F、主桁G、不図示の横桁等からなる橋床7aと、支承7bと、を含む。下部構造8は、橋脚8aと、橋台8bと、を含む。上部構造7は、隣り合う橋台8bと橋脚8a、隣り合う2つの橋台8b、又は、隣り合う2つの橋脚8aのいずれか1つに渡された構造である。上部構造7の両端部は、隣り合う橋台8bと橋脚8aの位置、隣り合う2つの橋台8bの位置、又は、隣り合う2つの橋脚8aの位置にある。
計測装置1と各センサー21,22,23とは、例えば、不図示のケーブルで接続され、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークを介して通信を行う。あるいは、計測装置1と各センサー21,22,23とは、無線ネットワークを介して通信を行ってもよい。
例えば、各センサー21は、移動体である車両6の上部構造7への進入による衝撃を表すデータを出力し、各センサー22は、車両6の上部構造7からの退出による衝撃を表すデータを出力する。また、例えば、各センサー23は、移動体である車両6の移動による上部構造7の変位を算出するためのデータを出力する。本実施形態では、各センサー21,22,23は加速度センサーであり、例えば、水晶加速度センサーであってもよいし、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサーであってもよい。
本実施形態では、各センサー21は上部構造7の長手方向の第1の端部に設置され、各センサー22は上部構造7の長手方向の第1の端部とは異なる第2の端部に設置されている。
各センサー21は、車両6の上部構造7への進入の際に生じる上部構造7の加速度を検出し、各センサー22は、車両6の上部構造7からの退出の際に生じる上部構造7の加速度を検出する。すなわち、本実施形態では、各センサー21は、車両6の上部構造7への進入を検知する加速度センサーであり、各センサー22は、車両6の上部構造7からの退出を検知する加速度センサーである。
また、各センサー23は上部構造7の長手方向の中央部に設置されている。ただし、各センサー23は、上部構造7の変位を算出するための加速度を検出することができればよく、その設置位置は上部構造7の中央部に限定されない。
上部構造7の床板Fや主桁G等は、上部構造7を走行する車両6による荷重によって、垂直方向下方に撓む。各センサー23は、上部構造7を走行する車両6の荷重による床板Fや主桁Gの撓みの加速度を検出する。
計測装置1は、各センサー21,22,23から出力される加速度データに基づいて、車両6の走行による上部構造7の撓みの変位を算出する。
計測装置1とサーバー2とは、例えば、携帯電話の無線ネットワーク及びインターネット等の通信ネットワーク4を介して、通信を行うことができる。計測装置1は、車両6が上部構造7を走行した時刻や車両6の走行による上部構造7の変位等の情報をサーバー2に送信する。サーバー2は、当該情報を不図示の記憶装置に記憶し、例えば、当該情報に基づいて過積載の車両の監視や上部構造7の異常判定等の処理を行ってもよい。
なお、本実施形態では、橋梁5は、道路橋であり、例えば、鋼橋や桁橋、RC(Reinforced-Concrete)橋等である。
図2、図3及び図4は、各センサー21,22,23の上部構造7への設置例を示す図である。なお、図2は、上部構造7をその上方から見た図であり、図3は、図2をA-A線で切断した断面図であり、図4は、図2をB-B線又はC-C線で切断した断面図である。
図2、図3及び図4に示すように、上部構造7は、移動体である車両6が移動し得る第1~第Nの経路としてのN個のレーンL~L、及びK個の主桁G~Gを有している。ここで、N,Kはそれぞれ1以上の整数である。なお、図2、図3及び図4の例では、主桁G~Gの各位置がレーンL~Lの各境界の位置と一致しており、N=K-1であるが、主桁G~Gの各位置がレーンL~Lの各境界の位置と一致している必要はなく、N≠K-1であってもよい。
図2、図3及び図4の例では、上部構造7の長手方向の第1の端部EA1において、主桁G~GK-1のそれぞれにセンサー21が設けられ、上部構造7の長手方向の第2の端部EA2において、主桁G~GK-1のそれぞれにセンサー22が設けられている。また、上部構造7の長手方向の中央部CAにおいて、主桁G~GK-1のそれぞれにセンサー23が設けられている。図2、図3及び図4の例では、N=K-1であり、主桁Gにセンサー21,22,23が設けられていないが、主桁Gにセンサー21,22,23が設けられ、主桁G~GK-1のいずれか1つにセンサー21,22,23が設けられていなくてもよい。あるいは、N=Kであり、主桁G~Gのそれぞれにセンサー21,22,23が設けられていてもよい。
なお、各センサー21,22,23を上部構造7の床板Fに設けると、走行車両によって破壊するおそれがあり、また橋床7aの局部的な変形により測定精度が影響を受けるおそれがあるため、図2、図3及び図4の例では、各センサー21,22,23は上部構造7の主桁G~GK-1に設けられている。
本実施形態では、N個のセンサー21に対応付けてN個の観測点P~Pがそれぞれ設定されている。観測点P~Pは、車両6が上部構造7を移動する第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ上部構造7のN個の観測点である。図2、図3及び図4の例では、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pは、第1の端部EA1において、主桁Gに設けられたセンサー21の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたセンサー21は、観測点Pを観測する観測装置である。観測点Pを観測するセンサー21は、車両6の走行により観測点Pに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Pに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点P~PはN個のセンサー21と1対1の関係にある。
また、本実施形態では、N個のセンサー22に対応付けてN個の観測点Q~Qがそれぞれ設定されている。観測点Q~Qは、車両6が上部構造7を移動する第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ上部構造7のN個の観測点である。図2、図3及び図4の例では、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qは、第2の端部EA2において、主桁Gに設けられたセンサー22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたセンサー22は、観測点Qを観測する観測装置である。観測点Qを観測するセンサー22は、車両6の走行により観測点Qに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Qに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点Q~QはN個のセンサー22と1対1の関係にある。
また、本実施形態では、N個のセンサー23に対応付けてN個の観測点R~Rがそれぞれ設定されている。観測点R~Rは、車両6が上部構造7を移動する第1方向と交差する第4方向に沿って並ぶ上部構造7のN個の観測点である。図2、図3及び図4の例では、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Rは、中央部CAにおいて、主桁Gに設けられたセンサー23の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたセンサー23は、観測点Rを観測する観測装置である。観測点Rを観測するセンサー23は、車両6の走行により観測点Rに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Rに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点R~RはN個のセンサー23と1対1の関係にある。
本実施形態では、N個の観測点P~Pは、それぞれレーンL~Lに対応付けられている。同様に、N個の観測点Q~Qは、それぞれレーンL~Lに対応付けられている。同様に、N個の観測点R~Rは、それぞれレーンL~Lに対応付けられている。1以上N以下の各整数jに対して、レーンLに対応付けて設定される観測点P、観測点Q、及び観測点Pと観測点Qとの間の観測点Rは、車両6が上部構造7のレーンLを移動する第1方向に沿って並んでいる。図2、図3及び図4の例では、第1方向は、上部構造7のレーンL~Lに沿うX方向、すなわち、上部構造7の長手方向である。また、第2方向、第3方向及び第4方向は、車両6が走行する上部構造7の面内においてX方向と直交するY方向、すなわち、上部構造7の幅員方向である。ただし、レーンL~Lがそれぞれ曲線状である場合等は、第2方向、第3方向及び第4方向は互いに一致しなくてもよい。また、第2方向、第3方向及び第4方向は、第1方向と直交していなくてもよく、例えば、上部構造7の車両6が進入する側の端から観測点P~Pまでの距離や、上部構造7の車両6が退出する側の端から観測点Q~Qまでの距離が異なっていてもよい。また、例えば、上部構造7の一方の端から観測点R~Rまでの距離が異なっていてもよい。なお、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pは「第1の観測点」の一例であり、観測点Qは「第2の観測点」の一例であり、観測点Rは「第3の観測点」の一例である。
なお、N個のセンサー21,22,23の数及び設置位置は、図2、図3及び図4に示した例には限定されず種々の変形実施が可能である。
計測装置1は、各センサー21,22,23から出力される加速度データに基づいて、第1方向であるX方向と、第2方向、第3方向及び第4方向であるY方向とそれぞれ交差する第5方向の加速度を取得する。観測点P~P,Q~Qは、衝撃によりX方向及びY方向と直交する方向に変位し、観測点R~Rは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、計測装置1は、衝撃の大きさや撓みの加速度の大きさを正確に算出するために、X方向及びY方向と直交する第5方向、すなわち、床板Fの法線方向の加速度を取得するのが望ましい。
図5は、センサー21,22,23が検出する加速度を説明する図である。センサー21,22,23は、互いに直交する3軸の各軸方向に生じる加速度を検出する加速度センサーである。
車両6の上部構造7への進入により観測点P~Pに加わる衝撃を検出するために、各センサー21は、3つの検出軸であるx軸、y軸、z軸のうち、1軸が第1方向及び第2方向と交差する方向となるように設置される。同様に、車両6の上部構造7からの退出により観測点Q~Qに加わる衝撃を検出するために、各センサー22は、3つの検出軸であるx軸、y軸、z軸のうち、1軸が第1方向及び第3方向と交差する方向となるように設置される。また、車両6の走行による観測点R~Rの撓みの加速度を検出するために、各センサー23は、3つの検出軸であるx軸、y軸、z軸のうち、1軸が第1方向及び第4方向と交差する方向となるように設置される。図2、図3及び図4の例では、第1方向はX方向であり、第2方向、第3方向及び第4方向はY方向であるから、各センサー21,22,23は、1軸がX方向及びY方向と交差する方向となるように設置される。観測点P~P,Q~Qは、衝撃によりX方向及びY方向と直交する方向に変位するので、衝撃の大きさを正確に検出するために、理想的には、各センサー21,22は、1軸をX方向及びY方向と直交する方向、すなわち、床板Fの法線方向に合わせて設置される。また、観測点R~Rは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、撓みの加速度を正確に検出するために、理想的には、各センサー23は、1軸をX方向及びY方向と直交する方向、すなわち、床板Fの法線方向に合わせて設置される。
ただし、各センサー21,22,23を上部構造7に設置する場合、設置場所が傾いている場合もある。計測装置1は、各センサー21,22,23の3つの検出軸の1軸が、床板Fの法線方向に合わせて設置されなくても、概ね法線方向に向いていることで誤差は小さく無視できる。また、計測装置1は、各センサー21,22,23の3つの検出軸の1軸が、床板Fの法線方向に合わせて設置されなくても、x軸、y軸、z軸の加速度を合成した3軸合成加速度によって、各センサー21,22,23の傾斜による検出誤差の補正を行うことができる。また、各センサー21,22,23は、少なくとも鉛直方向にほぼ平行な方向に生ずる加速度、あるいは、床板Fの法線方向の加速度を検出する1軸加速度センサーであってもよい。
以下、計測装置1が実行する本実施形態の計測方法の詳細について説明する。
1-2.車軸情報の生成
本実施形態では、計測装置1は、観測装置としてのN個のセンサー21による観測情報である加速度データに基づいて、移動体である車両6の複数の部位が観測点Pをそれぞれ通過した時刻及び当該複数の部位のそれぞれの観測点Pへの作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する。同様に、本実施形態では、計測装置1は、観測装置としてのN個のセンサー22による観測情報である加速度データに基づいて、車両6の複数の部位が観測点Qをそれぞれ通過した時刻及び当該複数の部位のそれぞれの観測点Qへの作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する。ここで、jは1以上N以下の各整数である。
本実施形態では、車両6が備える複数の車軸又は車輪による荷重が上部構造7に印加されるものと考え、第1観測点情報及び第2観測点情報を取得する対象となる複数の部位のそれぞれは、車軸又は車輪である。以下、本実施形態では、複数の部位のそれぞれは車軸であるものとする。
また、本実施形態では、加速度センサーである各センサー21は、複数の車軸のそれぞれの観測点Pへの作用による加速度を検出する。同様に、加速度センサーである各センサー22は、複数の車軸のそれぞれの観測点Qへの作用による加速度を検出する。
本実施形態では、図2に示したように、観測点P~Pは第1の端部EA1に設定され、観測点Q~Qは第2の端部EA2に設定される。したがって、車両6の複数の車軸が観測点Pをそれぞれ通過した時刻を、各車軸の上部構造7への進入時刻、より詳細にはレーンLへの進入時刻とみなすことができる。また、車両6の複数の車軸が観測点Qをそれぞれ通過した時刻を、各車軸の上部構造7からの退出時刻、より詳細にはレーンLからの退出時刻とみなすことができる。
したがって、本実施形態では、第1観測点情報は、車両6の各車軸のレーンLへの進入時刻及び各車軸がレーンLに進入する時の作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む。また、第2観測点情報は、車両6の各車軸のレーンLからの退出時刻及び各車軸がレーンLから退出する時の作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む。
さらに、車両6の各車軸の進入と退出は対応するから、第1観測点情報及び第2観測点情報を層別することができ、第1観測点情報、第2観測点情報及びこれらの層別情報を含めて車軸情報と呼ぶことにする。
すなわち、車軸情報は、第1観測点情報及び第2観測点情報に加えて、車軸毎の、レーンLへの進入時刻、進入時の加速度強度、レーンLからの退出時刻及び退出時の加速度強度の対応情報や、車両6と車軸毎の当該対応情報との対応情報を含む。したがって、車軸情報により、上部構造7を通過した車両6毎に、各車軸が通過したレーンLや、観測点P,Qを通過した時刻及び通過時の加速度強度が特定される。
図6に車軸情報の一例を示す。図6の例では、1列目~4列目の情報は車両番号が1の車両6に関する情報である。1列目の情報は車軸番号が1である先頭の車軸に関する情報であり、2列目の情報は車軸番号が2である2番目の車軸に関する情報であり、3列目の情報は車軸番号が3である3番目の車軸に関する情報であり、4列目の情報は車軸番号が4である4番目の車軸に関する情報である。例えば、1列目の対応情報は、車両番号が1の車両6の車軸番号が1である先頭の車軸について、レーンLへの進入時刻がti11であり、進入時の加速度強度がpai11であり、レーンLからの退出時刻がto11であり、退出時の加速度強度がpao11であることを示している。
また、5列目~6列目の情報は車両番号が2の車両6に関する情報である。5列目の情報は車軸番号が1である先頭の車軸に関する対応情報であり、6列目の情報は車軸番号が2である2番目の車軸に関する対応情報である。例えば、5列目の対応情報は、車両番号が2の車両6の車軸番号が1である先頭の車軸について、レーンLへの進入時刻がti21であり、進入時の加速度強度がpai21であり、レーンLからの退出時刻がto21であり、退出時の加速度強度がpao21であることを示している。
また、7列目~8列目の情報は車両番号が3の車両6に関する情報である。7列目の情報は車軸番号が1である先頭の車軸に関する対応情報であり、8列目の情報は車軸番号が2である2番目の車軸に関する対応情報である。例えば、7列目の対応情報は、車両番号が3の車両6の車軸番号が1である先頭の車軸について、レーンLへの進入時刻がti31であり、進入時の加速度強度がpai31であり、レーンLからの退出時刻がto31であり、退出時の加速度強度がpao31であることを示している。
一例として、図7及び図9に、N=2の場合の各センサー21,22及び観測点P,P,Q,Qの配置例を示し、図7及び図9に示す配置例の場合に、計測装置1が車軸情報を生成する手順について説明する。
図7は、上部構造7をその上方から見た図であり、図9は、図7をA-A線、B-B線又はC-C線で切断した断面図である。図7及び図9の例では、2個のセンサー21が、上部構造7の第1の端部EA1において主桁G,Gにそれぞれ設けられ、2個のセンサー22が、上部構造7の第2の端部EA2において主桁G,Gにそれぞれ設けられている。また、レーンLに対応する観測点P,Qがそれぞれ主桁Gに設けられたセンサー21,22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定され、レーンLに対応する観測点P,Qがそれぞれ主桁Gに設けられたセンサー21,22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。主桁Gに設けられたセンサー21は観測点Pを観測し、主桁Gに設けられたセンサー21は観測点Pを観測する。また、主桁Gに設けられたセンサー22は観測点Qを観測し、主桁Gに設けられたセンサー22は観測点Qを観測する。さらに、2個のセンサー23が、上部構造7の中央部CAにおいて主桁G,Gにそれぞれ設けられている。また、レーンLに対応する観測点Rが、主桁Gに設けられたセンサー23の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定され、レーンLに対応する観測点Rが、主桁Gに設けられたセンサー23の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。主桁Gに設けられたセンサー23は観測点Rを観測し、主桁Gに設けられたセンサー23は観測点Rを観測する。
計測装置1は、車軸情報を生成するために、各センサー21,22が検出した各時刻の加速度を振幅に変換し、加速度強度を取得する。なお、各センサー22が検出した加速度は、車軸情報の取得には用いられない。
図10は、4軸の車両6がレーンLを走行した場合に観測点P,P,Q,Qに対して検出される加速度の一例を示す図である。また、図11は、図10の各時刻の加速度振幅を加速度強度に変換した図である。図10及び図11の例では、車両6がレーンLを走行しているので、車両6の4つの車軸が観測点P,Qをそれぞれ通過する時刻において大きな加速度強度が取得されている。4つの車軸が観測点Pをそれぞれ通過する時刻において取得される加速度強度は第1観測点情報に含まれる。また、4つの車軸が観測点Qをそれぞれ通過する時刻において取得される加速度強度は第2観測点情報に含まれる。
そして、計測装置1は、取得した加速度強度が所定の閾値を超えた時刻を先頭の車軸から順に各車軸が観測点P,Qを通過した時刻、すなわち、各車軸のレーンLへの進入時刻及びレーンLからの退出時刻として取得する。
図12は、図11の加速度強度を所定の閾値で2値化した図である。図12の例では、4つの車軸のそれぞれのレーンLへの進入時刻とレーンLからの退出時刻が取得されている。4つの車軸のそれぞれのレーンLへの進入時刻は第1観測点情報に含まれる。また、4つの車軸のそれぞれのレーンLからの退出時刻は第2観測点情報に含まれる。
さらに、計測装置1は、4つの車軸のそれぞれのレーンLへの進入時刻のパターン1と、4つの車軸のそれぞれのレーンLからの退出時刻のパターン2とを比較し、当該2つのパターンが同一の車両6の通過によるものが否かを判定する。4つの車軸の間隔は変化しないので、車両6が上部構造7を走行する速度が一定であれば、パターン1,2は一致することになる。例えば、計測装置1は、先頭の車軸の進入時刻と退出時刻を一致させるように、パターン1,2のいずれかの時刻をスライドさせ、2番目~4番目の各車軸の進入時刻と退出時刻の差が所定の閾値以下の場合はパターン1,2が同一の車両6の通過によるものと判定し、当該差が所定の閾値よりも大きい場合はパターン1,2が2台の車両6の通過によるものと判定する。なお、計測装置1は、2台の車両6が同じ速度で1つのレーンを連行する場合において先の車両6の複数の車軸と後の車両6の複数の車軸をすべて1台の車両6の車軸と誤判定しないように、2つの連続する車軸の進入時刻又は退出時刻の間隔が規定以上の時間差である場合には、当該2つの車軸の進入時刻及び退出時刻を2つの車両6に分ければよい。
図13は、図12に対して、先頭の車軸の進入時刻と退出時刻を一致させるように、4つの車軸のそれぞれのレーンLからの退出時刻のパターン2をスライドさせた図である。なお、図13は、図12に対して横軸方向が拡大されている。図13の例では、4つの車軸のそれぞれのレーンLへの進入時刻のパターン1と、4つの車軸のそれぞれのレーンLからの退出時刻のパターン2とがほぼ一致しており、パターン1,2が同一の車両6の通過によるものと判定される。
そして、計測装置1は、図12に示したレーンLへの4つの進入時刻、図11に示した観測点Pの4つの加速度強度のピーク値、図12に示したレーンLからの4つの退出時刻、及び、図11に示した観測点Qの4つの加速度強度のピーク値を、先頭から順に対応づけることにより、先頭の車軸の対応情報、2番目の車軸の対応情報、3番目の車軸の対応情報及び4番目の車軸の対応情報を取得する。さらに、計測装置1は、レーンLを走行した車両6と4つの車軸の対応情報とを対応付けた対応情報を取得する。これらの情報は、第1観測点情報及び第2観測点情報とともに、車軸情報に含まれる。
計測装置1は、車軸情報により、上部構造7のレーンLを通過した任意の車両6に対して、当該車両6の各車軸の観測点Pへの進入時刻、各車軸による観測点Pの加速度強度、各車軸の観測点Qからの退出時刻、及び、各車軸による観測点Qの加速度強度を特定することができる。
1-3.たわみ波形の生成
本実施形態では、橋梁5の上部構造7において、床板Fと主桁G~Gなどで構成される橋床7aが1つ或いは複数の連続配置される構成として考え、計測装置1は、1つの橋床7aの変位を長手方向の中央部における変位として算出する。上部構造7に印加される荷重は上部構造7の一端から他端へ移動する。この時、荷重の上部構造7上の位置と荷重量を用いて、上部構造7の中央部の変位であるたわみ量を表すことができる。本実施形態では、車両6の車軸が上部構造7上を移動するときのたわみ変形を、1点荷重の梁上の移動によるたわみ量の軌跡として表すために、図14に示す構造モデルを考え、当該構造モデルにおいて、中央部におけるたわみ量を算出する。図14において、Pは荷重である。aは、車両6が進入する側の上部構造7の端からの荷重位置である。bは、車両6が退出する側の上部構造7の端からの荷重位置である。lは、上部構造7の両端の間の距離である。図14に示す構造モデルは、両端を支点とする両端を支持した単純梁である。
図14に示す構造モデルにおいて、車両6が進入する側の上部構造7の端の位置をゼロとしてたわみ量の観測位置をxとしたとき、単純梁の曲げモーメントMは式(1)で表される。
Figure 0007396139000001
式(1)において、関数Hは式(2)のように定義される。
Figure 0007396139000002
式(1)を変形し、式(3)が得られる。
Figure 0007396139000003
一方、曲げモーメントMは式(4)で表される。式(4)において、θは角度であり、Iは二次モーメントであり、Eはヤング率である。
Figure 0007396139000004
式(4)を式(3)に代入し、式(5)が得られる。
Figure 0007396139000005
式(5)を観測位置xについて積分する式(6)を計算し、式(7)が得られる。式(7)において、Cは積分定数である。
Figure 0007396139000006
Figure 0007396139000007
さらに、式(7)を観測位置xについて積分する式(8)を計算し、式(9)が得られる。式(9)において、Cは積分定数である。
Figure 0007396139000008
Figure 0007396139000009
式(9)において、θxはたわみ量を表し、θxをたわみ量wに置き換えて式(10)が得られる。
Figure 0007396139000010
図14より、b=l-aなので、式(10)は式(11)のように変形される。
Figure 0007396139000011
x=0でたわみ量w=0として、x≦aよりH=0であるから、式(11)にx=w=H=0を代入して整理すると、式(12)が得られる。
Figure 0007396139000012
また、x=lでたわみ量w=0として、x>aよりH=1であるから、式(11)にx=l,w=0,H=1を代入して整理すると、式(13)が得られる。
Figure 0007396139000013
式(13)にb=l-aを代入し、式(14)が得られる。
Figure 0007396139000014
式(10)に式(12)の積分定数C及び式(13)の積分定数Cを代入し、式(15)が得られる。
Figure 0007396139000015
式(15)を変形し、荷重Pが位置aに印加された時の観測位置xにおけるたわみ量wは、式(16)で表される。
Figure 0007396139000016
図15に、たわみ量の観測位置xが単純梁の中央位置に固定されている条件で、すなわちx=l/2の時に、荷重Pが単純梁の一端から他端へ移動する様子を示す。
荷重位置aが観測位置x=l/2よりも左側にある時、x>aよりH=1であるから、式(16)にx=l/2,H=1を代入し、式(17)が得られる。
Figure 0007396139000017
式(17)にl=a+bを代入して整理すると式(18)が得られる。
Figure 0007396139000018
式(18)にa+b=lを代入し、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも左側にある場合の観測位置xのたわみ量wは式(19)のようになる。
Figure 0007396139000019
一方、荷重位置aが観測位置x=l/2よりも右側にある時、x≦aよりH=0であるから、式(16)にx=l/2,H=0を代入し、式(20)が得られる。
Figure 0007396139000020
式(20)にl=a+bを代入して整理すると、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも右側にある場合の観測位置xのたわみ量wは式(21)のようになる。
Figure 0007396139000021
また、荷重位置aが観測位置x=l/2と同じである時、x≦aよりH=0であるから、式(16)にH=0,a=b=l/2を代入して整理すると、式(22)が得られる。
Figure 0007396139000022
さらに、式(22)にa=l/2を代入すると、荷重Pの位置が中央の観測位置と同じである場合の観測位置xのたわみ量wは式(23)のようになる。
Figure 0007396139000023
両端支点の単純梁では、荷重Pが中央にある場合が最大たわみ変位となるので、式(23)より、最大たわみ量wmaxは式(24)で表される。
Figure 0007396139000024
荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも左側にある場合の観測位置xのたわみ量wを最大たわみ量wmaxで除算して最大たわみ量wmaxで規格化すると、式(19)及び式(24)より、式(25)が得られる。
Figure 0007396139000025
式(25)においてa/l=rと置くと式(26)が得られる。
Figure 0007396139000026
一方、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも右側にある場合の観測位置xのたわみ量wを最大たわみ量wmaxで除算して最大たわみ量wmaxで規格化すると、式(21)及び式(24)より、式(27)が得られる。
Figure 0007396139000027
ここで、a/l=r,a+b=lより、b=l×(1-r)であるから、式(27)にb=l×(1-r)を代入し、式(28)が得られる。
Figure 0007396139000028
式(25)、式(27)とまとめて、単純梁上を荷重Pが移動する際に中央部で観測される最大たわみ量で規格化された規格化たわみ量wstdは、式(29)で表される。
Figure 0007396139000029
式(29)において、r=a/l,1-r=b/lは、単純梁の支点間の距離lに対する荷重Pの位置の比を示し、式(30)に示すように変数Rを定義する。
Figure 0007396139000030
式(30)を用いて式(29)は式(31)に置き換えられる。
Figure 0007396139000031
式(30)及び式(31)は、単純梁の中央に観測位置がある場合、荷重Pの位置が中央よりも右側と左側でたわみ量が対称となることを示している。
図16に、観測位置x=l/2の場合の規格化たわみ量wstdの波形の一例を示す。図16において、横軸は荷重Pの位置であり、縦軸は規格化たわみ量wstdである。図16の例では、単純梁の支点間の距離l=1である。
前述の車軸情報に含まれるのは、車両6の各車軸のレーンLへの進入時刻及びレーンLからの退出時刻、すなわち、車両6が上部構造7の両端の位置をそれぞれ通過した時刻であるので、上部構造7の両端の位置を車軸の進入時刻及び退出時刻に対応させて、荷重位置a,bを時間に置き換える。ただし、車両6の速度はほぼ一定で、位置と時刻はほぼ比例するものとする。
上部構造7の左端の荷重位置を進入時刻tと対応させ、上部構造7の右端の荷重位置を退出時刻tと対応させると、左端からの荷重位置aは進入時刻tからの経過時刻tに置き換える。経過時刻tは式(32)で表される。
Figure 0007396139000032
また、支点間の距離lは、進入時刻tから退出時刻tまでの時間tに置き換えられる。時間tは式(33)で表される。
Figure 0007396139000033
車両6の速度は一定なので、荷重位置aが上部構造7の中央にある時刻tは式(34)で表される。
Figure 0007396139000034
以上のように位置を時間に置き換えて、荷重Pの位置は、式(35)及び式(36)のようになる。
Figure 0007396139000035
Figure 0007396139000036
式(35)及び式(36)を式(29)に代入し、時間に置き換えた規格化たわみ量wstdは、式(37)で表される。
Figure 0007396139000037
あるいは、式(30)及び式(31)より、変数Rを時間に置き換えて、最大振幅で規格化された規格化たわみ量wstdは、式(38)で表される。
Figure 0007396139000038
時間経過と規格化たわみ量の関係付けを観測データとして扱うことを考慮して、規格化たわみ量wstdを、両端支点の単純梁上の単一集中荷重の移動による梁中央の観測位置の規格化たわみ量モデルwstd(t)に置き換えて、式(38)は式(39)のようになる。式(39)は、構造物である上部構造7のたわみの近似式であり、上部構造7の構造モデルに基づく式である。具体的には、式(39)は、車両6が移動するレーンLにおける観測点Pと観測点Qとの中央位置におけるたわみの最大振幅で規格化され、最大値が1となる式である。
Figure 0007396139000039
この規格化たわみ量モデルwstd(t)に必要な時間情報は、前述の車軸情報から得られる。規格化たわみ量モデルwstd(t)は、上部構造7の中央位置において最大たわみ量wmaxとなるので、式(40)が得られる。
Figure 0007396139000040
また、前述の式(23)に示されるたわみ量wは、荷重Pの位置が中央の観測位置と同じである場合の観測位置x=l/2のたわみ量であり、最大たわみ量wmaxと一致するので、式(41)が得られる。
Figure 0007396139000041
図17に、規格化たわみ量モデルwstd(t)の一例を示す。図17の例では、進入時刻t=4、退出時刻t=6であり、時刻t=(t+t)/2=5において、規格化たわみ量モデルwstd(t)は、上部構造7の中央位置において最大たわみ量wmax=1となっている。
仮に、構造物である上部構造7は、BWIM(Bridge Weigh in Motion)が機能すると仮定し、両端を支点とした単純梁に近似した変形をすると考える。また、移動体である車両6は上部構造7の一方の端部から上部構造7を概ね一定速度で通過し、もう一方の端部に移動するのであるから、上部構造7の中間部と上部構造7の端部は同じ荷重の作用を受けるので、観測される上部構造7の変位は、車軸情報から得られる車軸の加速度強度aに近似的に比例すると考えることができる。
比例係数を、車軸情報から得られる車軸の加速度強度aと所定の係数pとの積であるものとして、式(42)により、各車軸による上部構造7のたわみ波形H(t)が得られる。なお、加速度強度aは、車軸情報に含まれる進入時の加速度強度でもよいし、退出時の加速度強度でもよいし、進入時の加速度強度と退出時の加速度強度との平均値等の統計値でもよい。
Figure 0007396139000042
式(39)を式(42)に代入し、たわみ波形H(t)は式(43)で表される。
Figure 0007396139000043
これまでは、上部構造7に単一荷重Pが印加されるものとしていたが、車両6が走行するレーンLには車両6の各車軸による荷重が印加されるので、式(43)は式(44)のようにたわみ波形Hjk(t)に置き換えられる。式(44)において、kは車軸番号を表す整数であり、jはレーン番号を表す整数である。式(44)に示すように、たわみ波形Hjk(t)は、所定の係数pと加速度強度apjkとの積に比例する。
Figure 0007396139000044
図18に、レーンLを走行する車両6に含まれる各車軸による上部構造7のたわみ波形の一例を示す。図18の例では、車両6は4軸車両であり、4つのたわみ波形Hj1(t),Hj2(t),Hj3(t),Hj4(t)が示されている。図18の例では、先頭と2番目の車軸による荷重は相対的に小さく、3番目と4番目の車軸による荷重は相対的に大きいため、たわみ波形Hj1(t),Hj2(t)の最大振幅は相対的に小さく、たわみ波形Hj3(t),Hj4(t)の最大振幅は相対的に大きくなっている。
式(45)に示すように、レーンLを走行する車両6による上部構造7のたわみ波形である車両たわみ波形CPjm(t)は、各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を加算して得られる。式(45)において、mは車両番号を表す整数であり、kは車軸番号を表す整数であり、jはレーン番号を表す整数である。
Figure 0007396139000045
図19に、図18に示した4つのたわみ波形Hj1(t),Hj2(t),Hj3(t),Hj4(t)を加算して得られる、車両たわみ波形CPjm(t)を示す。
1-4.各車両による変位の算出
M台の車両6が上部構造7の任意のレーンLを連なって移動する場合、換言すれば、M台の車両6が同時にレーンLの異なる位置を走行する場合、1以上M以下の任意の整数mに対して任意の振幅係数hjmと車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、式(46)に示すように、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとする。観測点Rの変位波形x(t)は、例えば、観測点Rを観測するセンサー23が検出した加速度を2回積分することによって得られる。なお、レーンLを連なって移動するM台の車両6は「第1~第Mの移動体」の一例である。また、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)は、「第1~第Mの移動体たわみ波形」の一例である。また、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)は、「第1~第Mの振幅調整たわみ波形」の一例である。また、振幅係数hj1~hjMは、「第1~第Mの振幅係数」の一例である。
Figure 0007396139000046
式(46)を満たす各振幅係数hjmを算出することができれば、各車両6による観測点Rの変位波形を、振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)としてモデル化することで、互いに分離することができる。
本実施形態では、計測装置1は、まず、1以上M以下のすべての整数iに対して、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形の振幅がゼロである条件が成立するかを判定する。
そして、計測装置1は、当該条件が成立する場合、式(47)により、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうち、最も振幅が大きい車両たわみ波形CPjk(t)が最大値となる時刻tk_maxにおいて、振幅調整たわみ波形hjkCPjk(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる、振幅係数hj1~hjMを算出する。
Figure 0007396139000047
さらに、計測装置1は、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうち、2番目に振幅が大きい車両たわみ波形CPjk’(t)が最大値となる時刻tk’_maxにおいて、振幅調整たわみ波形hjk’CPjk’(t)の値と、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形hjkCPjk(t)を減算した変位波形x’(t)の値とを一致させる振幅係数hjk’を算出する。計測装置1は、同様の計算を繰り返し、すべての振幅係数hj1~hjMを算出する。
その結果、1以上M以下の任意の整数iに対して、式(48)のように、時刻ti_maxにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが等しくなる。なお、時刻ti_maxは「第iの時刻」の一例である。
Figure 0007396139000048
一例として、図7及び図9に示す配置例の場合に、2台の車両6がレーンLを連なって移動したときに、計測装置1が振幅係数h11,h12を算する手順について説明する。
図20に、観測点Rの変位波形x(t)及び観測点Rの変位波形x(t)の一例を示す。図20において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。実線は観測点Rの変位波形x(t)を示し、破線は観測点Rの変位波形x(t)を示す。図20の例では、前述の車軸情報において、m=1の車両6の先頭の車軸のレーンLへの進入時刻と最後の車軸のレーンLからの退出時刻との間に、m=2の車両6の先頭の車軸のレーンLへの進入時刻があるため、計測装置1は、変位波形x(t)が、2台の車両6がレーンLを連なって移動したときの波形であると判断する。
計測装置1は、まず、2つの車両たわみ波形CP11(t),CP12(t)のうち、最も振幅が大きい車両たわみ波形CP11(t)が最大値となる時刻t1_maxにおいて、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる振幅係数h11を算出する。図21に、算出された振幅係数h11と車両たわみ波形CP11(t)とを乗算した振幅調整たわみ波形h11CP11(t)の一例を実線で示す。図21において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図21には、変位波形x(t)が破線で示されている。
次に、計測装置1は、2つの車両たわみ波形CP11(t),CP12(t)のうち、2番目に振幅が大きい車両たわみ波形CP12(t)が最大値となる時刻t2_maxにおいて、振幅調整たわみ波形h12CP12(t)の値と、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形h11CP11(t)を減算した変位波形x’1(t)の値とを一致させる振幅係数h12を算出する。図22に、算出された振幅係数h12と車両たわみ波形CP12(t)とを乗算した振幅調整たわみ波形h12CP12(t)の一例を実線で示す。図22において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図22には、変位波形x’(t)が破線で示されている。
図23に、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)と振幅調整たわみ波形h12CP12(t)との和を実線で示す。図23において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図23には、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)が破線で示され、振幅調整たわみ波形h12CP12(t)が点線で示され、変位波形x(t)が一点鎖線で示されている。図23に示すように、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)と振幅調整たわみ波形h12CP12(t)との和と、変位波形x(t)とはよく近似しており、前述の式(46)が成立する。そのため、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)によってm=1の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化され、振幅調整たわみ波形h12CP12(t)によってm=2の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化されると言える。このように、計測装置1は、振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h12CP12(t)により、各車両6のレーンLの走行による観測点Rの変位を区別して算出することができる。
1-5.計測方法
図24は、第1実施形態の計測方法の手順の一例を示すフローチャート図である。本実施形態では、計測装置1が図24に示す手順を実行する。
図24に示すように、まず、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいてM台の車両6が上部構造7のレーンLを連なって移動するときの各車両6の複数の車軸が観測点Pを通過した時刻及び複数の車軸のそれぞれの観測点Pへの作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む第1観測点情報を取得する(ステップS1)。前述の通り、観測点Pを観測するセンサー21は加速度センサーであり、センサー21による観測情報は、観測点Pに生じた加速度の検出情報である。計測装置1は、各センサー21がそれぞれ検出した加速度に基づいて第1観測点情報を取得する。このステップS1は、第1観測点情報取得ステップである。
次に、計測装置1は、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、車両6の複数の車軸が観測点Qを通過した時刻及び複数の車軸のそれぞれの観測点Qへの作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む第2観測点情報を取得する(ステップS2)。前述の通り、観測点Qを観測するセンサー22は加速度センサーであり、センサー22による観測情報は、観測点Qに生じた加速度の検出情報である。計測装置1は、各センサー22がそれぞれ検出した加速度に基づいて、第2観測点情報を取得する。このステップS2は、第2観測点情報取得ステップである。
次に、計測装置1は、ステップS1で取得した第1観測点情報及びステップS2で取得した第2観測点情報と、所定の係数pと、上部構造7のたわみの近似式とに基づいて、レーンLを走行した各車両6の複数の車軸のそれぞれによる上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出する(ステップS3)。具体的には、計測装置1は、第1観測点情報と第2観測点情報とを用いて前述の車軸情報を生成し、車軸情報と所定の係数pとを用いて、前述の式(44)により、各車両6の各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出する。このステップS3は、たわみ波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、前述の式(45)により、ステップS3で算出した各車両6の複数の車軸のそれぞれによる上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を加算して、車両たわみ波形CPjm(t)を算出する(ステップS4)。このステップS4は、移動体たわみ波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、観測点Rを観測するセンサー23による観測情報に基づいて、M台の車両6が上部構造7のレーンLを連なって移動するときの観測点Rの変位波形x(t)を算出する(ステップS5)。前述の通り、観測点Rを観測するセンサー23は加速度センサーであり、センサー23による観測情報は、観測点Rに生じた加速度の検出情報である。計測装置1は、センサー23が検出した加速度を2回積分して変位波形x(t)を算出する。このステップS5は変位波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、振幅係数hjmとステップS4で算出した車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と、ステップS5で算出した観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1~hjMを算出する(ステップS6)。このステップS6は、振幅係数算出ステップである。
次に、計測装置1は、ステップS5で算出した変位波形x(t)及びステップS6で算出した振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)をサーバー2に出力する(ステップS7)。このステップS7は、出力ステップである。
計測装置1は、計測を終了するまで(ステップS8のN)、ステップS1~S7の処理を繰り返し行う。
図25は、図25のステップS3であるたわみ波形算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図25に示すように、まず、計測装置1は、整数jを1に設定し(ステップS131)、第1観測点情報及び第2観測点情報を用いて、各車軸のレーンLへの進入時刻のパターン1と各車軸のレーンLからの退出時刻のパターン2とを比較する(ステップS132)。
そして、計測装置1は、パターン1に含まれる各車軸の進入時刻とパターン2に含まれる各車軸の退出時刻との差が閾値以下の場合は(ステップS133のY)、パターン1に含まれる各車軸の進入時刻及び加速度強度とパターン2に含まれる各車軸の退出時刻及び加速度強度とを1台の車両6と対応づけて車軸情報を生成する(ステップS134)。
また、計測装置1は、パターン1に含まれる各車軸の進入時刻とパターン2に含まれる各車軸の退出時刻との差が閾値よりも大きい場合は(ステップS133のN)、ステップS134の処理を行わない。
計測装置1は、レーンLの処理が終了するまで(ステップS135のN)、ステップS132~S134の処理を繰り返し行う。
計測装置1は、レーンLの処理が終了すると(ステップS135のY)、整数jがNでない場合は(ステップS136のN)、整数jに1を加算し(ステップS137)、ステップS132~S135の処理を繰り返し行う。
そして、整数jがNになると(ステップS136のY)、計測装置1は、整数jを1に設定し(ステップS138)、ステップS134で生成した車軸情報と所定の係数pを用いて、レーンLを走行した各車両6について、各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出する(ステップS139)。
計測装置1は、整数jがNでない場合は(ステップS140のN)、整数jに1を加算し(ステップS141)、ステップS139の処理を繰り返し行う。
そして、整数jがNになると(ステップS140のY)、計測装置1はたわみ波形算出ステップの処理を終了する。
図26は、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図26に示すように、まず、計測装置1は、車軸情報に基づいて、レーンLを走行する車両6の台数Mを判定する(ステップS161)。
次に、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS162)、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大となる時刻ti_maxを取得する(ステップS163)。
次に、計測装置1は、ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形の振幅がゼロである条件が成立するかを判定する(ステップS164)。
計測装置1は、ステップS164で条件が成立すると判定した場合(ステップS165のY)、整数iがMでなければ(ステップS166のN)、整数iに1を加算し(ステップS167)、ステップS163~S165の処理を繰り返し行う。
そして、整数iがMになると(ステップS166のY)、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS168)、i番目に振幅が大きい車両たわみ波形CPjk(t)が最大となる時刻tk_maxにおいて、振幅調整たわみ波形hjkCPjk(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる振幅係数hjkを算出する(ステップS169)。
次に、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hjkCPjk(t)を、k番目の車両6による観測点Rの変位とする(ステップS170)。
次に、計測装置1は、整数iがMでなければ(ステップS171のN)、変位波形x(t)を、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形hjkCPjk(t)を減算した波形に更新する(ステップS172)。
次に、計測装置1は、整数iに1を加算し(ステップS173)、ステップS169~S172の処理を繰り返し行い、整数iがMになると(ステップS171のY)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
また、計測装置1は、ステップS164で条件が成立しないと判定した場合(ステップS165のN)、ステップS166以降の処理を行わずに、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
1-6.計測装置の構成
図27は、第1実施形態における計測装置1の構成例を示す図である。図27に示すように、計測装置1は、制御部110と、第1通信部120と、記憶部130と、第2通信部140と、操作部150と、を有している。
制御部110は、上部構造7に設置された各センサー21,22,23から出力される加速度データに基づいて、車両6が上部構造7を走行した時刻や上部構造7の変位等を算出する。
第1通信部120は、各センサー21,22,23から、加速度データを受信する。各センサー21,22から出力される加速度データは、例えば、デジタル信号である。第1通信部120は、各センサー21,22,23から受信した加速度データを制御部110に出力する。
記憶部130は、制御部110が計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶するメモリーである。また、記憶部130は、制御部110が所定のアプリケーション機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶している。記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク、メモリーカードなどの記録媒体等により構成される。
記憶部130は、コンピューターにより読み取り可能な装置や媒体である不揮発性の情報記憶装置を含み、各種のプログラムやデータ等は当該情報記憶装置に記憶されていてもよい。情報記憶装置は、光ディスクDVD、CD等の光ディスク、ハードディスクドライブ、或いはカード型メモリーやROM等の各種のメモリー等であってもよい。また、制御部110が通信ネットワーク4を介して各種のプログラムやデータ等を受信して記憶部130に記憶させてもよい。
第2通信部140は、通信ネットワーク4を介して、制御部110の計算結果等の情報をサーバー2に送信する。
操作部150は、ユーザーからの操作データを取得し、制御部110に送信する処理を行う。
制御部110は、第1観測点情報取得部111と、第2観測点情報取得部112と、たわみ波形算出部113と、移動体たわみ波形算出部114と、変位波形算出部115と、振幅係数算出部116と、出力処理部117と、を備えている。
第1観測点情報取得部111は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいてM台の車両6が上部構造7のレーンLを連なって移動するときの各車両6の複数の車軸が観測点Pを通過した時刻及び複数の車軸のそれぞれの観測点Pへの作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む第1観測点情報を取得する処理を行う。すなわち、第1観測点情報取得部111は、図24における第1観測点情報取得ステップの処理を行う。第1観測点情報取得部111が取得した第1観測点情報は、記憶部130に記憶される。
第2観測点情報取得部112は、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、車両6の複数の車軸が観測点Qを通過した時刻及び複数の車軸のそれぞれの観測点Qへの作用に対する応答である物理量としての加速度強度を含む第2観測点情報を取得する処理を行う。すなわち、第2観測点情報取得部112は、図24における第2観測点情報取得ステップの処理を行う。第2観測点情報取得部112が取得した第2観測点情報は、記憶部130に記憶される。
たわみ波形算出部113は、第1観測点情報取得部111が取得した第1観測点情報及び第2観測点情報取得部112が取得した第2観測点情報と、所定の係数pと、上部構造7の構造モデルに基づく上部構造7のたわみの近似式とに基づいて、レーンLを走行した各車両6の複数の車軸のそれぞれによる上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出する処理を行う。すなわち、たわみ波形算出部113は、図24におけるたわみ波形算出ステップの処理を行う。たわみ波形算出部113が算出したたわみ波形Hjk(t)は、記憶部130に記憶される。また、所定の係数p及び上部構造7のたわみの近似式は、あらかじめ記憶部130に記憶されている。
移動体たわみ波形算出部114は、たわみ波形算出部113が算出した各車両6の複数の車軸のそれぞれによる上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を加算して、車両たわみ波形CPjm(t)を算出する処理を行う。すなわち、移動体たわみ波形算出部114は、図24における移動体たわみ波形算出ステップの処理を行う。移動体たわみ波形算出部114が算出した車両たわみ波形CPjm(t)は、記憶部130に記憶される。
変位波形算出部115は、観測点Rを観測するセンサー23による観測情報に基づいて、M台の車両6が上部構造7のレーンLを連なって移動するときの観測点Rの変位波形x(t)を算出する処理を行う。すなわち、変位波形算出部115は、図24における変位波形算出ステップの処理を行う。変位波形算出部115が算出した変位波形x(t)は、記憶部130に記憶される。
振幅係数算出部116は、振幅係数hjmと移動体たわみ波形算出部114が算出した車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と、変位波形算出部115が算出した観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1~hjMを算出する処理を行う。すなわち、振幅係数算出部116は、図24における振幅係数算出ステップの処理を行う。振幅係数算出部116が算出した振幅係数hj1~hjMは、記憶部130に記憶される。
出力処理部117は、変位波形算出部115が算出した変位波形x(t)及び振幅係数算出部116が算出した振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)を、第2通信部140を介してサーバー2に出力する処理を行う。すなわち、出力処理部117は、図24における出力ステップの処理を行う。
本実施形態では、制御部110は、記憶部130に記憶された各種のプログラムを実行するプロセッサーであり、記憶部130に記憶された計測プログラム131を実行することにより、第1観測点情報取得部111、第2観測点情報取得部112、たわみ波形算出部113、移動体たわみ波形算出部114、変位波形算出部115、振幅係数算出部116、出力処理部117の各機能を実現する。換言すれば、計測プログラム131は、図24に示したフローチャートの各手順を、コンピューターである計測装置1に実行させるプログラムである。
プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等であってもよい。ただし、制御部110は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのカスタムIC(Integrated Circuit)として構成され、各部の機能を実現してもよいし、CPUとASICとによって各部の機能を実現してもよい。
1-7.作用効果
以上に説明した第1実施形態の計測方法では、計測装置1は、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、レーンLを連なって移動するM台の車両6の各車軸について観測点Pを通過した時刻および加速度強度を含む第1観測点情報を取得する。また、計測装置1は、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、M台の車両6の各車軸について観測点Qを通過した時刻および加速度強度を含む第2観測点情報を取得する。また、計測装置1は、第1観測点情報及び第2観測点情報と、所定の係数pと、上部構造7の構造モデルに基づく上部構造7のたわみの近似式(39)とに基づいて、式(44)によりM台の車両6の各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出し、たわみ波形Hjk(t)を加算して車両たわみ波形CPjm(t)を算出する。さらに、計測装置1は、観測点Rを観測するセンサー23による観測情報に基づいて、観測点Rの変位波形x(t)を算出する。そして、計測装置1は、振幅係数hjmと車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)は、m番目の車両6による観測点Rの変位と近似しており、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
また、第1実施形態の計測方法では、計測装置1は、式(47)により、車両たわみ波形hjiCPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形hjiCPji(t)を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである場合に、時刻ti_maxにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)と変位波形x(t)とが等しくなる、振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、M個の時刻t1_max~tM_maxにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)及び変位波形x(t)の各値を用いて振幅係数hj1~hjMを算出可能であるため、必要な計算量が比較的小さく、計測装置1の処理負荷が軽減される。
また、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、上部構造7を通過する車両6の車軸重量による上部構造7の変位を算出することができるため、上部構造7の損傷を予測するための橋梁5の維持管理のために十分な情報を提供することができる。
2.第2実施形態
第2実施形態の計測方法では、計測装置1による振幅係数算出ステップの処理が第1実施形態の計測方法と異なる。以下、第2実施形態について、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態と異なる内容について説明する。
本実施形態では、計測装置1は、まず、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除く少なくとも1つの車両たわみ波形の振幅がゼロでない条件が成立するかを判定する。
そして、計測装置1は、当該条件が成立する場合、式(49)により、車両たわみ波形CPji(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形がゼロである時刻ti_nzにおいて、振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)の値と変位波形x(t)の値とを近似させる、振幅係数hj1~hjMを算出する。
Figure 0007396139000049
さらに、計測装置1は、車両たわみ波形CPji’(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji’(t)を除くすべての車両たわみ波形がゼロである時刻ti’_nzにおいて、振幅調整たわみ波形hji’CPji’(t)の値と、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)を減算した変位波形x’(t)の値とを近似させる振幅係数hji’を算出する。計測装置1は、同様の計算を繰り返し、すべての振幅係数hj1~hjMを算出する。
その結果、1以上M以下の任意の整数iに対して、式(50)のように、時刻ti_nzにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とがほぼ等しくなる。なお、時刻ti_maxは「第iの時刻」の一例である。
Figure 0007396139000050
なお、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との近似精度を高めるために、時刻ti_nzは、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形がゼロである期間において、車両たわみ波形CPji(t)の振幅がなるべく大きい時刻であることが望ましい。例えば、時刻ti_nzは、車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形がゼロである期間において、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻であってもよい。
一例として、図7及び図9に示す配置例の場合に、2台の車両6がレーンLを連なって移動したときに、計測装置1が振幅係数h21,h22を算する手順について説明する。
計測装置1は、まず、車両たわみ波形CP21(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CP22(t)がゼロである時刻t1_nzにおいて、振幅調整たわみ波形h21CP21(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる振幅係数h21を算出する。図28に、算出された振幅係数h21と車両たわみ波形CP21(t)とを乗算した振幅調整たわみ波形h21CP21(t)の一例を実線で示す。図28において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図28には、変位波形x(t)が破線で示されている。
次に、計測装置1は、車両たわみ波形CP22(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CP21(t)がゼロである時刻t2_nzにおいて、振幅調整たわみ波形h22CP22(t)の値と、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形h21CP21(t)を減算した変位波形x’(t)の値とを一致させる振幅係数h22を算出する。図29に、算出された振幅係数h22と車両たわみ波形CP22(t)とを乗算した振幅調整たわみ波形h22CP22(t)の一例を実線で示す。図29において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図29には、変位波形x’(t)が破線で示されている。
図30に、振幅調整たわみ波形h21CP21(t)と振幅調整たわみ波形h22CP22(t)との和を実線で示す。図30において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図30には、振幅調整たわみ波形h21CP21(t)が破線で示され、振幅調整たわみ波形h22CP22(t)が点線で示され、変位波形x(t)が一点鎖線で示されている。図30に示すように、振幅調整たわみ波形h21CP21(t)と振幅調整たわみ波形h22CP22(t)との和と、変位波形x(t)とはよく近似しており、前述の式(46)が成立する。そのため、振幅調整たわみ波形h21CP21(t)によってm=1の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化され、振幅調整たわみ波形h22CP22(t)によってm=2の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化されると言える。このように、計測装置1は、振幅調整たわみ波形h21CP21(t),h22CP22(t)により、各車両6のレーンLの走行による観測点Rの変位を区別して算出することができる。
第2実施形態の計測方法では、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順が第1実施形態と異なる。図31は、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図31に示すように、まず、計測装置1は、車軸情報に基づいて、レーンLを走行する車両6の台数Mを判定する(ステップS261)。
次に、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS262)、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大となる時刻ti_maxを取得する(ステップS263)。
次に、計測装置1は、ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除く少なくとも1つの車両たわみ波形の振幅がゼロでない条件が成立するかを判定する(ステップS264)。
計測装置1は、ステップS164で条件が成立しないと判定した場合(ステップS265のN)、整数iがMでなければ(ステップS266のN)、整数iに1を加算し(ステップS267)、ステップS263~S265の処理を繰り返し行う。
そして、整数iがMになると(ステップS266のY)、計測装置1は、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
一方、ステップS164で条件が成立すると判定した場合(ステップS265のY)、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS268)、車両たわみ波形CPji(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjN(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべてのたわみ波形の振幅がゼロである時刻ti_nzにおいて、振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる振幅係数hjiを算出する(ステップS269)。
次に、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)を、i番目の車両6による観測点Rの変位とする(ステップS270)。
次に、計測装置1は、整数iがMでなければ(ステップS271のN)、変位波形x(t)を、変位波形x(t)から振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)を減算した波形に更新する(ステップS272)。
次に、計測装置1は、整数iに1を加算し(ステップS273)、ステップS269~S272の処理を繰り返し行い、整数iがMになると(ステップS271のY)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
以上に説明した第2実施形態の計測方法によれば、第1実施形態の計測方法と同様、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
また、第2実施形態の計測方法では、計測装置1は、式(49)により、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除く少なくとも1つの車両たわみ波形の振幅がゼロでない場合に、車両たわみ波形CPji(t)の振幅がゼロでなく、かつ、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形がゼロである時刻ti_nzにおいて、振幅調整たわみ波形hjiCPji(t)の値と変位波形x(t)の値とを一致させる、振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、第2実施形態の計測方法によれば、M個の時刻t1_nz~tM_nzにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)及び変位波形x(t)の各値を用いて振幅係数hj1~hjMを算出可能であるため、必要な計算量が比較的小さく、計測装置1の処理負荷が軽減される。
3.第3実施形態
第3実施形態の計測方法では、計測装置1による振幅係数算出ステップの処理が第1実施形態及び第2実施形態の計測方法と異なる。以下、第3実施形態について、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態又は第2実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態及び第2実施形態と異なる内容について説明する。
第3実施形態では、計測装置1は、レーンLを連なって走行するM台の車両6に対する車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻t~tにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とがほぼ等しくなる、振幅係数hj1~hjMを算出する。
時刻t~tにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とがほぼ等しくなるので、式(51)が成立する。
Figure 0007396139000051
振幅係数hj1~hjMは、式(51)を変形した式(52)によって得られる。
Figure 0007396139000052
一例として、図7及び図9に示す配置例の場合に、2台の車両6がレーンLを連なって移動したとき、振幅係数h11,h12は式(53)によって得られる。時刻t,tは、車両たわみ波形CP11(t),CP12(t)の振幅がともにゼロでない任意の2つの時刻である。
Figure 0007396139000053
式(53)より、振幅係数h11,h12はそれぞれ式(54)、式(55)のように算出される。
Figure 0007396139000054
Figure 0007396139000055
なお、仮に、CP11(t)=CP12(t)=0あるいはCP11(t)=CP12(t)=0であれば、式(54)、式(55)の分母はともにゼロとなって計算不能になる。そのため、車両たわみ波形CP11(t),CP12(t)の振幅の少なくとも1つがゼロでない時刻t,tが選択される。
式(52)による振幅係数hj1~hjMの計算誤差を低減し、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との近似性を高めるためには、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅が大きくなる時刻t~tを選択することが望ましい。例えば、計測装置1は、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅がそれぞれ最大となるM個の時刻を時刻t~tとして選択してもよい。
第3実施形態の計測方法では、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。図32は、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図32に示すように、まず、計測装置1は、車軸情報に基づいて、レーンLを走行する車両6の台数Mを判定する(ステップS361)。
次に、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS362)、車両たわみ波形CPji(t)の振幅がゼロでない時刻tを取得する(ステップS363)。例えば、時刻tは、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大となる時刻である。
次に、計測装置1は、時刻tにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅値を取得する(ステップS364)。
次に、計測装置1は、時刻tにおける観測点Rの変位波形x(t)の振幅値を取得する(ステップS365)。
計測装置1は、整数iがMでなければ(ステップS366のN)、整数iに1を加算し(ステップS367)、ステップS363~S365の処理を繰り返し行う。
そして、整数iがMになると(ステップS366のY)、計測装置1は、ステップS363で取得した時刻t~tのそれぞれにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが等しくなる、振幅係数hj1~hjMを算出する(ステップS368)。具体的には、計測装置1は、ステップS364で取得した時刻t~tのそれぞれにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅値及びステップS365で取得した時刻t~tのそれぞれにおける変位波形x(t)の振幅値を式(52)に代入して振幅係数hj1~hjMを算出する。
最後に、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)を、それぞれ1~M番目の車両6による観測点Rの変位とし(ステップS369)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
以上に説明した第3実施形態の計測方法によれば、第1実施形態の計測方法と同様、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
また、第3実施形態の計測方法では、計測装置1は、式(52)により、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻t~tにおいて、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが等しくなる、振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、第3実施形態の計測方法によれば、M個の時刻t1z~tにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)及び変位波形x(t)の各値を用いて振幅係数hj1~hjMを算出可能であるため、必要な計算量が比較的小さく、計測装置1の処理負荷が軽減される。さらに、第3実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、M個の時刻t1z~tを選択する自由度が高いため、M台の車両6の走行間隔に影響されずに、振幅係数hj1~hjMを算出可能である。
4.第4実施形態
第4実施形態の計測方法では、計測装置1による振幅係数算出ステップの処理が第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の計測方法と異なる。以下、第4実施形態について、第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と異なる内容について説明する。
第4実施形態では、計測装置1は、レーンLを連なって走行するM台の車両6に対する振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との差が最小になるように、最小二乗法により振幅係数hj1~hjMを算出する。
振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との差である誤差e(t)は式(56)で表されるので、計測装置1は、誤差e(t)が最小となる振幅係数hj1~hjMを最小二乗法により算出する。
Figure 0007396139000056
一例として、図7及び図9に示す配置例の場合に、2台の車両6がレーンLを連なって移動したとき、振幅係数h11,h12を算出する過程を具体的に説明する。
j=1,M=2であるので、式(56)は式(57)のようになる。
Figure 0007396139000057
式(57)の両辺を2乗して式(58)が得られる。
Figure 0007396139000058
式(58)を振幅係数h11,h12でそれぞれ偏微分し、得られた微分式を式(59)のように連立方程式とする。
Figure 0007396139000059
式(59)の各項を時刻t~tの積算値に置き換えて、式(60)が得られる。
Figure 0007396139000060
式(60)の各項を式(61)のように置き換えて、掃き出し法によりa,dを求めると式(62)及び式(63)が得られる。
Figure 0007396139000061
Figure 0007396139000062
Figure 0007396139000063
式(62)及び式(63)より、振幅係数h11,h12はそれぞれ式(64)及び式(65)のように算出される。
Figure 0007396139000064
Figure 0007396139000065
一般化し、M台の車両6がレーンLを連なって走行する場合の振幅係数hj1~hjMは式(66)のように得られる。
Figure 0007396139000066
図33に、図7及び図9に示す配置例の場合に、2台の車両6がレーンLを連なって移動したときに算出される振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h11CP11(t)の一例をそれぞれ実線及び破線で示す。図33において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図33には、振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h11CP11(t)の和が一点鎖線で示され、変位波形x(t)が点線で示されている。
図33に示すように、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)と振幅調整たわみ波形h12CP12(t)との和と、変位波形x(t)とはよく近似しており、前述の式(46)が成立する。そのため、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)によってm=1の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化され、振幅調整たわみ波形h12CP12(t)によってm=2の車両6による観測点Rの変位波形がモデル化されると言える。このように、計測装置1は、振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h12CP12(t)により、各車両6のレーンLの走行による観測点Rの変位を区別して算出することができる。
図33では、変位波形x(t)はノイズが重畳されていないが、例えば、上部構造7の固有振動による信号がノイズとして変位波形x(t)に重畳している場合もある。図34に、図33の変位波形x(t)をノイズが重畳された変位波形x(t)に置き換えた場合に算出される振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h11CP11(t)の一例をそれぞれ実線及び破線で示す。図34において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。なお、図34には、振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h11CP11(t)の和が一点鎖線で示され、変位波形x(t)が点線で示されている。
図34に示すように、変位波形x(t)にノイズが重畳された場合でも、振幅調整たわみ波形h11CP11(t)と振幅調整たわみ波形h12CP12(t)との和と、変位波形x(t)とはよく近似しており、計測装置1は、振幅調整たわみ波形h11CP11(t),h12CP12(t)により、各車両6のレーンLの走行による観測点Rの変位を区別して算出することができる。
なお、図33における振幅係数h11は3499.3034であり、図34における振幅係数h11は3498.53076であり、両者の差はわずか1.4272%である。同様に、図33における振幅係数h12は2342.7991であり、図34における振幅係数h12は2382.22663であり、両者の差はわずか1.6829%である。このように、本実施形態では、最小二乗法により、変位波形x(t)に重畳されるノイズにほとんど影響されることなく、適切な振幅係数h11,h12が得られる。
第4実施形態の計測方法では、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順が第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と異なる。図35は、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図35に示すように、まず、計測装置1は、車軸情報に基づいて、レーンLを走行する車両6の台数Mを判定する(ステップS461)。
次に、計測装置1は、整数iを1に設定し(ステップS462)、時刻tにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅値を取得する(ステップS463)。
次に、計測装置1は、時刻tにおける観測点Rの変位波形x(t)の振幅値を取得する(ステップS464)。
計測装置1は、整数iがnでなければ(ステップS465のN)、整数iに1を加算し(ステップS466)、ステップS463,S464の処理を繰り返し行う。
そして、整数iがnになると(ステップS465のY)、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との差が最小になるように、最小二乗法により振幅係数hj1~hjMを算出する(ステップS467)。具体的には、計測装置1は、ステップS463で取得した時刻t~tのそれぞれにおける車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の振幅値及びステップS464で取得した時刻t~tのそれぞれにおける変位波形x(t)の振幅値を式(66)に代入して振幅係数hj1~hjMを算出する。
最後に、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)を、それぞれ1~M番目の車両6による観測点Rの変位とし(ステップS468)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。
以上に説明した第4実施形態の計測方法によれば、第1実施形態の計測方法と同様、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
また、第4実施形態の計測方法では、計測装置1は、式(66)により、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)との差が最小になるように、最小二乗法により振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、第4実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、M台の車両6の走行間隔に影響されずに、かつ、変位波形x(t)に重畳されるノイズにほとんど影響されることなく、適切な振幅係数hj1~hjMを算出することができるので、各車両6による上部構造7の変位を精度よく算出可能である。
5.第5実施形態
第5実施形態の計測方法では、計測装置1による振幅係数算出ステップの処理が第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態の計測方法と異なる。以下、第5実施形態について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態又は第4実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態と異なる内容について説明する。
第5実施形態の計測方法では、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順が第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態と異なる。図36は、図24のステップS6である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図36に示すように、まず、計測装置1は、車軸情報に基づいて、レーンLを走行する車両6の台数Mを判定する(ステップS561)。
次に、計測装置1は、観測点Rの変位波形x(t)のノイズを評価し、変位波形x(t)に重畳されるノイズが閾値以上である第1の条件が成立するか否かを判定する(ステップS562)。
そして、計測装置1は、第1の条件が成立する場合(ステップS563のY)、図35のステップS462~S468の処理を行い(ステップS564)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。すなわち、計測装置1は、第1の条件が成立する場合は、第4実施形態で示した方法で振幅係数hj1~hjMを算出する。
一方、計測装置1は、第1の条件が成立しない場合(ステップS563のN)、図26のステップS162~S167の処理を行い、第2の条件が成立するか判定する(ステップS565)。ここで、第2の条件は、1以上M以下のすべての整数iに対して、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除くすべての車両たわみ波形の振幅がゼロである条件である。すなわち、第2の条件は、第1実施形態で説明した条件である。
そして、計測装置1は、第2の条件が成立する場合(ステップS566のY)、図26のステップS168~S173の処理を行い(ステップS567)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。すなわち、計測装置1は、第1の条件が成立せず、かつ、第2の条件が成立する場合は、第1実施形態で示した方法で振幅係数hj1~hjMを算出する。
一方、計測装置1は、第2の条件が成立しない場合(ステップS566のN)、図31のステップS262~S267の処理を行い、第3の条件が成立するか判定する(ステップS568)。ここで、第3の条件は、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、車両たわみ波形CPji(t)の振幅が最大値となる時刻ti_maxにおいて、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)のうちの車両たわみ波形CPji(t)を除く少なくとも1つの車両たわみ波形の振幅がゼロでない条件である。すなわち、第3の条件は、第2実施形態で説明した条件である。
そして、計測装置1は、第3の条件が成立する場合(ステップS569のY)、図31のステップS268~S273の処理を行い(ステップS570)、振幅係数算出ステップの処理を終了する。すなわち、計測装置1は、第1の条件及び第2の条件が成立せず、かつ、第3の条件が成立する場合は、第2実施形態で示した方法で振幅係数hj1~hjMを算出する。
一方、計測装置1は、第3の条件が成立しない場合(ステップS569のN)、図32のステップS362~S369の処理を行い、振幅係数算出ステップの処理を終了する。すなわち、計測装置1は、第1の条件、第2の条件及び第3の条件が成立しない場合は、第3実施形態で示した方法で振幅係数hj1~hjMを算出する。
図37は、図36のステップS562であるノイズ判定ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図37に示すように、まず、計測装置1は、観測点Rの変位波形x(t)を2階微分し、観測点Rの加速度a(t)を算出する(ステップS601)。
次に、計測装置1は、ステップS601で算出した加速度a(t)の絶対値|a(t)|を所定の閾値と比較する(ステップS602)。
そして、加速度の絶対値|a(t)|が閾値以上である場合(ステップS603のY)、計測装置1は、第1の条件が成立すると判定し(ステップS604)、ノイズ判定ステップの処理を終了する。
また、加速度の絶対値|a(t)|が閾値未満である場合(ステップS603のN)、計測装置1は、第1の条件が成立しないと判定し(ステップS605)、ノイズ判定ステップの処理を終了する。
図38に、ノイズが重畳された変位波形x(t)の一例を実線で示す。図38において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。また、図39に、図37のステップS601において、図38の変位波形x(t)を2回積分して得られる加速度a(t)の一例を実線で示す。図39において、横軸は時間であり、縦軸は加速度である。なお、図39には、図37のステップS602の判定に用いられる閾値が破線で示され、当該閾値の符号を反転した値が一点鎖線で示されている。図37及び図38に示すように、変位波形x(t)を2回積分することで、加速度a(t)において、変位波形x(t)に含まれる長周期の信号は小さくなり、ノイズに分類される信号が強調される。したがって、計測装置1は、加速度a(t)の絶対値を所定の閾値と比較することで、変位波形x(t)に重畳されるノイズが閾値以上である第1の条件が成立するか否かを判定することができる。
そして、計測装置1は、第1の条件が成立する場合は、前述の通り、ノイズにほとんど影響されることのない第4実施形態の方法により、振幅係数h11,h12を算出する。また、計測装置1は、第1の条件が成立しない場合は、車両たわみ波形CPj1(t)~CPjM(t)の重なり具合に応じて、第1実施形態、第2実施形態又は第3実施形態の方法により、振幅係数h11,h12を算出する。
以上に説明した第5実施形態の計測方法によれば、第1実施形態の計測方法と同様、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
また、第5実施形態の計測方法では、計測装置1は、第1の条件が成立する場合は、前述の式(66)により、M台の車両6の走行間隔に影響されずに、かつ、変位波形x(t)に重畳されるノイズにほとんど影響されることなく、適切な振幅係数hj1~hjMを算出することができる。また、計測装置1は、第1の条件が成立せず、かつ、第2の条件が成立する場合は、前述の式(47)により、比較的小さい計算量で振幅係数hj1~hjMを算出することができる。また、計測装置1は、第1の条件及び第2の条件が成立せず、かつ、第3の条件が成立する場合は、前述の式(49)により、比較的小さい計算量で振幅係数hj1~hjMを算出することができる。また、計測装置1は、第1の条件、第2の条件及び第3の条件が成立しない場合は、前述の式(52)により、M台の車両6の走行間隔に影響されずに、かつ、比較的小さい計算量で振幅係数hj1~hjMを算出することができる。したがって、第5実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、変位波形x(t)に重畳されるノイズの有無やM台の車両6の走行間隔に応じて、適切な方法で振幅係数hj1~hjMを算出することができる。
6.第6実施形態
第1実施形態~第5実施形態の計測方法では、上部構造7のたわみの近似式を上部構造7の構造モデルに基づく式としているため、前述の式(29)に示されるように、規格化たわみ量wstdは、荷重位置aがl/2よりも小さい区間とl/2よりも大きい区間で式が異なる。これに対して、第6実施形態の計測方法では、荷重位置aがl/2よりも小さい区間とl/2よりも大きい区間とで式が同じになるように、上部構造7のたわみの近似式を正弦波の半波長の式で近似する。以下、第6実施形態について、第1実施形態~第5実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態~第5実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態~第5実施形態と異なる内容について説明する。
本実施形態では、規格化たわみ量wstdは、式(67)で表される。
Figure 0007396139000067
式(67)において、荷重位置aは0≦a≦lなので、式(67)により、規格化たわみ量wstdは正弦半波で近似される。
図40に、観測位置x=l/2の場合に式(67)によって算出される規格化たわみ量wstdの波形の一例を実線で示す。図40において、横軸は荷重Pの位置であり、縦軸は規格化たわみ量wstdである。図40の例では、単純梁の支点間の距離l=10である。図40には、前述の式(29)によって算出される規格化たわみ量wstdの波形が破線で示されている。
図40に示すように、式(67)によって算出される規格化たわみ量wstdの波形は、式(29)によって算出される規格化たわみ量wstdの波形と近似しており、式(29)を式(67)に置き換えることが可能である。この置き換えにより、前述の式(39)は式(68)に置き換えられる。式(68)は、最大値が1となるように規格化された式である。また、式(68)は、構造物である上部構造7のたわみの近似式であり、正弦波の半波長の波形の式である。
Figure 0007396139000068
式(68)より、前述の式(44)は式(69)に置き換えられる。
Figure 0007396139000069
たわみ波形算出部113は、式(69)により、レーンLを走行する車両6の各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出する。
移動体たわみ波形算出部114は、前述の式(45)により、たわみ波形算出部113が算出したたわみ波形Hjk(t)を加算して、車両番号がmの車両6による上部構造7のたわみ波形CPjm(t)を算出する。
振幅係数算出部116は、振幅係数hjmと移動体たわみ波形算出部114が算出した車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と、変位波形算出部115が算出した観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1~hjMを算出する。
以上に説明した第6実施形態では、計測装置1は、第1観測点情報及び第2観測点情報と、所定の係数pと、正弦波の半波長の波形の式である上部構造7のたわみの近似式(68)とに基づいて、式(69)により各車軸による上部構造7のたわみ波形Hjk(t)を算出し、たわみ波形Hjk(t)を加算して車両たわみ波形CPjm(t)を算出する。そして、計測装置1は、振幅係数hjmと車両たわみ波形CPjm(t)とを乗算した波形を振幅調整たわみ波形hjmCPjm(t)として、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1~hjMを算出する。したがって、第5実施形態の計測方法によれば、第1実施形態の計測方法と同様、計測装置1は、上部構造7を連なって移動する複数の車両6の各々による上部構造7の変位を分離して算出することができる。
7.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上記の各実施形態では、計測装置1は、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点Rの変位波形x(t)とが近似するものとして、振幅係数hj1(t)~hjMを算出しているが、振幅調整たわみ波形hj1CPj1(t)~hjMCPjM(t)の和と観測点RのM台の車両6による荷重波形とが近似するものとして、振幅係数hj1(t)~hjMを算出してもよい。
また、上記の各実施形態では、観測点P~Pを観測する観測装置及び観測点Q~Qを観測する観測装置は、それぞれ加速度センサーであるが、これに限られず、例えば、衝撃センサー、マイクロホン、歪計又はロードセルであってもよい。観測装置と観測点が1対1に対応している必要はなく、1つの観測装置が観測点P~P,Q~Qの一部又は全部を観測してもよい。
衝撃センサーは、車両6の各車軸の観測点P~P,Q~Qへの作用に対する応答として衝撃加速度を検出する。計測装置1は、観測点P~Pに対する衝撃加速度に基づいて第1観測点情報を取得し、観測点Q~Qに対する衝撃加速度に基づいて第2観測点情報を取得する。マイクロホンは、車両6の各車軸の観測点P~P,Q~Qへの作用に対する応答として音響を検出する。計測装置1は、観測点P~Pに対する音響に基づいて第1観測点情報を取得し、観測点Q~Qに対する音響に基づいて第2観測点情報を取得する。歪計、ロードセルは、車両6の各車軸の観測点P~P,Q~Qへの作用に対する応答として応力変化を検出する。計測装置1は、観測点P~Pの応力変化に基づいて第1観測点情報を取得し、観測点Q~Qの応力変化に基づいて第2観測点情報を取得する。
また、上記の各実施形態では、観測点R~Rを観測する観測装置は、それぞれ加速度センサーであるが、これに限られず、例えば、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器であってもよい。観測装置と観測点が1対1に対応している必要はなく、1つの観測装置が観測点R~Rの一部又は全部を観測してもよい。
接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、画像処理による変位計測機器、光ファイバーによる変位計測機器は、車両6の観測点R~Rの作用に対する応答として変位を計測する。計測装置1は、観測点R~Rの変位に基づいて、観測点R~Rの変位波形を算出する。感圧センサーは、車両6の観測点R~Rへの作用に対する応答として応力変化を検出する。計測装置1は、観測点R~Rの応力変化に基づいて、観測点R~Rの変位波形を算出する。
また、上記の各実施形態では、車両6がレーンL~Lを走行する方向はすべて同じであるが、レーンL~Lのうちの少なくとも1つのレーンと他のレーンとは車両6の走行方向が異なっていてもよい。例えば、車両6がレーンLでは観測点Pから観測点Qに向かう方向に走行し、レーンLでは観測点Qから観測点Pに向かう方向に走行してもよい。この場合、計測装置1は、観測点Pを観測するセンサー21から出力される加速度データに基づいて、車両6のレーンLへの進入時刻を取得し、観測点Qを観測するセンサー22から出力される加速度データに基づいて、車両6のレーンLからの退出時刻を取得する。また、計測装置1は、観測点Qを観測するセンサー22から出力される加速度データに基づいて、車両6のレーンLへの進入時刻を取得し、観測点Pを観測するセンサー21から出力される加速度データに基づいて、車両6のレーンLからの退出時刻を取得する。
また、上記の各実施形態では、各センサー21,22,23は、それぞれ上部構造7の主桁Gに設けられているが、上部構造7の表面や内部、床板Fの下面、橋脚8a等に設けられていてもよい。また、上記の各実施形態では、橋梁5として道路橋を例に挙げたが、これに限られず、例えば、橋梁5は鉄道橋であってもよい。また、上記の各実施形態では、構造物として橋梁の上部構造を例に挙げたが、これに限られず、構造物は移動体の移動によって変形するものであればよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…計測装置、2…サーバー、4…通信ネットワーク、5…橋梁、6…車両、7…上部構造、7a…橋床、7b…支承、G…主桁、F…床板、8…下部構造、8a…橋脚、8b…橋台、10…計測システム、21…センサー、22…センサー、23…センサー、110…制御部、111…第1観測点情報取得部、112…第2観測点情報取得部、113…たわみ波形算出部、114…移動体たわみ波形算出部、115…変位波形算出部、116…振幅係数算出部、117…出力処理部、120…第1通信部、130…記憶部、131…計測プログラム、140…第2通信部、150…操作部

Claims (20)

  1. 2以上の整数Mに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得ステップと、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得ステップと、
    前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出ステップと、
    前記たわみ波形算出ステップで算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出ステップと、
    前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出ステップと、
    第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、を含む、計測方法。
  2. 前記振幅係数算出ステップにおいて、1以上M以下のすべての整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである場合に、前記第iの時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似する、前記第1~第Mの振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記振幅係数算出ステップにおいて、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除く少なくとも1つの移動体たわみ波形の振幅がゼロでない場合に、前記第iの移動体たわみ波形の振幅がゼロでなく、かつ、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似する、前記第1~第Mの振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  4. 前記振幅係数算出ステップにおいて、前記第1~第Mの移動体たわみ波形の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似する、前記第1~第Mの振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  5. 前記振幅係数算出ステップにおいて、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形との差が最小になるように、最小二乗法により前記第1~第Mの振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  6. 前記振幅係数算出ステップにおいて、
    前記変位波形に重畳されるノイズが閾値以上である第1の条件が成立する場合、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形との差が最小になるように、最小二乗法により前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
    前記第1の条件が成立せず、かつ、1以上M以下のすべての整数iに対して、前記第iの移動体たわみ波形の振幅が最大値となる第iの時刻において、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである第2の条件が成立する場合、前記第iの時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
    前記第1の条件及び前記第2の条件が成立せず、かつ、1以上M以下の少なくとも1つの整数iに対して、前記第iの時刻において前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除く少なくとも1つの移動体たわみ波形の振幅がゼロでない第3の条件が成立する場合、前記第iの移動体たわみ波形の振幅がゼロでなく、かつ、前記第1~第Mの移動体たわみ波形のうちの前記第iの移動体たわみ波形を除くすべての移動体たわみ波形の振幅がゼロである時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出し、
    前記第1の条件、前記第2の条件及び前記第3の条件が成立しない場合、前記第1~第Mの移動体たわみ波形の振幅の少なくとも1つがゼロでないM個の時刻において、前記第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが等しくなる、前記第1~第Mの振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  7. 前記構造物のたわみの近似式は、前記構造物の構造モデルに基づく式である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の計測方法。
  8. 前記構造モデルは、両端を支持した単純梁である、請求項7に記載の計測方法。
  9. 前記構造物のたわみの近似式は、前記第1の観測点と前記第2の観測点との中央位置におけるたわみの最大振幅で規格化された式である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の計測方法。
  10. 前記構造物のたわみの近似式は、正弦波の半波長の波形の式である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の計測方法。
  11. 前記構造物は、橋梁の上部構造であって、
    前記上部構造は、隣り合う橋台と橋脚、隣り合う2つの橋台、又は、隣り合う2つの橋脚のいずれか1つに渡された構造であり、
    前記上部構造の両端部は、前記隣り合う橋台と橋脚の位置、前記隣り合う2つの橋台の位置、又は、前記隣り合う2つの橋脚の位置にあり、
    前記橋梁は、道路橋又は鉄道橋である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の計測方法。
  12. 前記第1の観測点は前記構造物の第1の端部に設定され、
    前記第2の観測点は前記構造物の前記第1の端部とは異なる第2の端部に設定される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の計測方法。
  13. 前記移動体は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両であり、
    前記複数の部位のそれぞれは車軸又は車輪である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の計測方法。
  14. 前記第1の観測点を観測する前記観測装置、前記第2の観測点を観測する前記観測装置及び前記第3の観測点を観測する前記観測装置は、加速度センサーである、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の計測方法。
  15. 前記第3の観測点を観測する前記観測装置は、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の計測方法。
  16. 前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、衝撃センサー、マイクロホン、歪計又はロードセルである、請求項1乃至13のいずれか一項又は請求項15に記載の計測方法。
  17. 前記構造物は、BWIM(Bridge Weigh in Motion)が機能する構造である、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の計測方法。
  18. 2以上の整数Nに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得部と、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得部と、
    前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出部と、
    前記たわみ波形算出部が算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出部と、
    前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出部と、
    第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出部と、を含む、計測装置。
  19. 請求項18に記載の計測装置と、
    前記第1の観測点を観測する前記観測装置と、
    前記第2の観測点を観測する前記観測装置と、
    前記第3の観測点を観測する前記観測装置と、を備えた、計測システム。
  20. 2以上の整数Mに対して、第1~第Mの移動体が構造物の経路を連なって移動する第1方向に沿って並ぶ前記構造物の第1の観測点、第2の観測点及び前記第1の観測点と前記第2の観測点との間の第3の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、1以上M以下の各整数mに対して、第mの移動体の複数の部位が前記第1の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第1の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第1観測点情報を取得する第1観測点情報取得ステップと、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位が前記第2の観測点をそれぞれ通過した時刻及び前記複数の部位のそれぞれの前記第2の観測点への作用に対する応答である物理量を含む第2観測点情報を取得する第2観測点情報取得ステップと、
    前記第1観測点情報及び前記第2観測点情報と、所定の係数と、前記構造物のたわみの近似式とに基づいて、前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を算出するたわみ波形算出ステップと、
    前記たわみ波形算出ステップで算出した前記第mの移動体の前記複数の部位のそれぞれによる前記構造物のたわみ波形を加算して、前記第mの移動体による前記構造物のたわみ波形である第mの移動体たわみ波形を算出する移動体たわみ波形算出ステップと、
    前記第3の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第3の観測点の変位波形を算出する変位波形算出ステップと、
    第mの振幅係数と前記第mの移動体たわみ波形とを乗算した波形を第mの振幅調整たわみ波形として、第1~第Mの振幅調整たわみ波形の和と前記変位波形とが近似するものとして、前記第1~第Mの振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、をコンピューターに実行させる、計測プログラム。
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