JP7349215B1 - 生体判定方法、生体判定システム及び生体判定プログラム - Google Patents

生体判定方法、生体判定システム及び生体判定プログラム Download PDF

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外史 東田
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Abstract

【課題】複数種類の生体データを利用してより高い精度の生体判定を可能にする技術を提供する。【解決手段】被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定方法であって、生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、生体データ取得ステップにおいて、被検者の生体データの取得を行い(S901)、生体データ解析ステップにおいて、取得を行った生体データから複数種類の生体レベル情報の推定を行い(S902)、生体判定ステップにおいて、推定を行った生体レベル情報が、記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う(S903)。【選択図】図9

Description

本発明は、生体判定方法、生体判定システム及び生体判定プログラムに関する。
従来、動作パターン(3次元情報)又は心電及び脈波を利用し、生体を判定する技術が存在する。
特許文献1には、「生体認証装置は、対象生体の生体情報を含む3次元情報を順次取得する取得部と、取得部により取得された3次元情報から、対象生体の所定部位の所定の動作パターンを検出する検出部と、複数の生体特徴データを格納する格納部から、検出部により検出された所定動作パターンの動作位置情報を用いて特定される生体特徴データを抽出する抽出部と、取得部により取得された3次元情報から対象生体の現生体特徴データを生成する生成部と、抽出部により抽出された生体特徴データと、生成部により生成された対象生体の現生体特徴データとを照合する照合部とを有する」(要約)ことが開示されている。
特許文献2には、「測定された心電と脈波とから、運転者が当該車両の正規の所有者であるか否かを判断する」(要約)ことが開示されている。
WO2013/114806号公報 特開2009-248637号公報
特許文献1には、動作パターン(3次元情報)から生体を判定することが開示されている。また、特許文献2には、心電と脈波から生体を判定することが開示されている。しかし、脈波や心電の生体データ又は動作パターン(3次元情報)は、環境条件や生体状態の変化による不確実性が存在する。したがって、生体データの偽造等によるなりすましを防止することはできなかった。
上記事情を解決するために、本発明は、複数種類の生体データを利用してより高い精度の生体判定を可能にする技術を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定方法であって、
記憶部を有する生体判定システムが、生体データ取得ステップと、生体データ解析ステップと、生体判定ステップと、を実行し、
生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
前記生体データ取得ステップにおいて、前記被検者の生体データの取得を行い、
前記生体データ解析ステップにおいて、前記取得を行った生体データから複数種類の生体レベル情報の推定を行い、
前記生体判定ステップにおいて、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う。
また、本発明は、被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定システムであって、
生体判定システムは、記憶部と、生体データ取得手段と、生体データ解析手段と、生体データ判定手段と、を備え、
生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
前記生体データ取得手段は、前記被検者の生体データの取得を行い、
前記生体データ解析手段は、前記取得を行った生体データから生体レベル情報の推定を行い、
前記生体判定手段は、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う。
また、本発明は、被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定プログラムであって、
コンピュータを、記憶部と、生体データ取得手段と、生体データ解析手段と、生体データ判定手段と、として機能させ、
生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
前記生体データ取得手段は、前記被検者の生体データの取得を行い、
前記生体データ解析手段は、前記取得を行った生体データから生体レベル情報の推定を行い、
前記生体判定手段は、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う。
このような構成とすることで、生体判定において複数種類の生体データを利用することが可能となり、より高い精度の生体判定を行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記生体判定ステップは、
前記推定を行った生体レベル情報と、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報と、の距離の算出を行う、距離算出ステップと、
前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報のうち、前記距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、前記取得を行った被検者である、との特定を行う、被検者特定ステップと、を含む。
このような構成とすることで、生体判定において複数種類の生体データを利用することができる。
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記複数の被検者の生体レベル情報として、前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去が行われた重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を、前記各々の被検者に紐づけて記憶する。
本発明の好ましい形態では、前記生体データ解析ステップは、
前記推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて、前記推定を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量に対し、前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行う、影響除去ステップと、を含み、
前記生体判定ステップは、
前記推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を用いて、前記記憶部に記憶される複数の被検者の重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量と、の距離の算出を行う、距離算出ステップと、
前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報のうち、前記距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、前記取得を行った被検者である、との特定を行う、被検者特定ステップと、を含む。
このような構成とすることで、自律神経活動又は脳神経活動が行動パターン(重心動揺)又は局所血流動態に与える影響を除去することが可能となり、より高い精度の生体判定を行うことができる。
本発明の好ましい形態では、前記生体データ取得ステップは、
前記被検者が平臥時若しくは着席時又は前記被検者が装着物を装着時に脈波の取得を行う、脈波取得ステップと、を含み、
前記生体データ解析ステップは、
前記取得を行った脈波を用いて自律神経活動特徴量の推定を行う、自律神経活動特徴量推定ステップと、
前記取得を行った脈波を用いて脳神経活動特徴量の推定を行う、脳神経活動特徴量推定ステップと、
前記取得を行った脈波を用いて局所血流動態特徴量の推定を行う、局所血流動態特徴量推定ステップと、を含む。
本発明の好ましい形態では、前記生体データ取得ステップは、
前記被検者が平臥時に胸部から脈波の取得を行う、脈波取得ステップと、
前記被検者が平臥時に胴体がかける圧力の取得を行う、圧力取得ステップと、を含み、
前記生体データ解析ステップは、
前記圧力及び圧力の取得を行った座標を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む。
本発明の好ましい形態では、前記生体データ取得ステップは、
前記被検者が装着物を装着時に3D加速度の取得を行う、3D加速度取得ステップと、を含み、
前記生体データ解析ステップは、
前記取得を行った3D加速度を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む。
本発明の好ましい形態では、前記生体データ取得ステップは、
前記被検者が着席時にかける圧力の取得を行う、圧力取得ステップと、を含み、
前記生体データ解析ステップは、
前記圧力及び圧力の取得を行った座標を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む。
このような構成とすることで、生体判定において複数種類の生体レベル情報を利用することができる。
本発明の好ましい形態では、前記生体データの取得に用いたセンサ及び/又はその他のセンサによって、前記被検者特定ステップ前及び/又は前記被検者特定ステップ後に取得したセンサの値を、前記被検者特定ステップで特定した被検者と紐づけて格納する、データ格納ステップと、を更に有する。
このような構成とすることで、個人識別以外の生体判定において複数種類の生体データを利用することができる。
本発明は、複数種類の生体データを利用してより高い精度の生体判定を可能にする技術を提供することができる。
実施形態1及び3における生体判定システムの機能ブロック図を示す。 本実施形態における生体判定装置のハードウェア構成図を示す。 本実施形態における生体レベル情報DBの一例を示す。 実施形態1における生体データ取得装置の図を示す。 本実施形態における自律神経活動特徴量を推定する方法の説明図を示す。 本実施形態における脳神経活動特徴量を推定する方法の説明図を示す。 本実施形態における重心動揺特徴量を推定する方法の説明図を示す。 本実施形態における局所血流動態特徴量を推定する方法の説明図を示す。 実施形態1における生体判定方法のフローチャートを示す。 実施形態2における生体判定システムの機能ブロック図を示す。 実施形態2における生体データ取得装置の図を示す。 実施形態3における生体データ取得装置の図を示す。
<実施形態1>
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
例えば、本実施形態では生体判定システムの構成、動作等について説明するが、生体判定システムが実行する生体判定方法によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体として提供されても良い。また、本実施形態におけるプログラムは、生体判定システムを実行するためのプログラムであり、生体判定装置、生体データ取得装置、ユーザ端末装置等の何れかの組み合わせの装置が実行するプログラムの総称である。
実施形態1では、被検者が平臥時に脈波及びセンサにかかる圧力の取得を行う形態を示す。図1は、実施形態1における生体判定システムの機能ブロック図を示す。図1に示すように、生体判定システム1は、生体判定装置2と、生体データ取得装置3と、がネットワークNWを介して通信可能に接続されている。また、生体判定装置2は、記憶部4と接続されている。
図2は、実施形態1における生体判定装置のハードウェア構成図を示す。図2に示すように、生体判定装置2は、データ通信機能を有し、ハードウェア及び機能の構成要素を含んでいる。すなわち、生体判定装置2は、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU(Central Processing Unit))21と、作業用メモリとしての主記憶装置(RAM(Random Access Memory))22と、を備える。また、生体判定装置2は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種情報(データを含む)を書換え可能に格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置25と、通信制御部23と、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェース(IF)部24と、表示制御部26と、表示部27と、情報入力・指定部28等と、を備える。
生体判定装置2の補助記憶装置25は、後に詳述する機能構成要素(201、202)を論理的に実現する為の生体判定プログラム、端末制御プログラム等をアプリケーションとしてインストールしておく。そして、生体判定装置2においては、利用者(被検者)や管理者による指示等を契機に、演算装置(CPU)21がアプリケーションプログラムを主記憶装置(RAM)22に展開して実行する。
図3は、本実施形態における生体レベル情報DBの一例を示す。生体レベル情報DB401は、複数の被検者(ID:1,2,...,J)毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶する。生体レベル情報DB401に記憶される複数種類の生体レベル情報は、予め複数の被検者から取得した情報である。本実施形態では、生体レベル情報DB401は、生体レベル情報として、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を記憶する。
生体判定装置2は、生体データ解析手段201と、生体判定手段202と、を備える。さらに、生体データ解析手段201は、自律神経活動特徴量推定手段201aと、脳神経活動特徴量推定推定手段201bと、重心動揺特徴量推定手段201cと、局所血流動態特徴量推定手段201dと、を備える。さらに、生体データ解析手段201は、影響除去手段201eを備えても良い。また、生体判定手段202は、距離算出手段202aと、被検者特定手段202bと、を備える。
生体データ取得装置3は、生体データ取得手段301と、を備える。さらに、生体データ取得手段301は、脈波取得手段301aと、圧力取得手段301bと、を備える。また、生体データ取得装置3は、生体判定装置2の生体データ解析手段201の一部又は全部の機能を、生体判定装置2の代わりに備えていても良い。
記憶部4は、生体レベル情報DB401を備える。生体レベル情報DB401は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶する。
図4は、実施形態1における生体データ取得装置の図を示す。実施形態1では、生体データ取得装置3は、平臥時の被検者の生体データを取得する。図4のように、ベッド41に敷かれた空気式生体センサ42及び4つの圧力センサ43を利用して、生体データ取得装置3は、生体データを取得する。それぞれの圧力センサ43は、圧力を測るための1又は複数の検出点を含んでいても良い。実施形態1では、両方のセンサは、ベッドの上かつシーツ等の寝具の下に設置される。実施形態1では、4つの圧力センサ43は、図4のように、被検者の平臥時に左右に2つ、上下に2つに配置されている。被検者の平臥時に左右に2つ以上の検出点、上下に2つ以上の検出点が配置されるように、圧力センサ43を増やしたり圧力センサ43内の検出点を増やしても良い。また、4つの圧力センサ43は、平臥時の被検者の生体データを取得できればどのような配置でも良い。例えば、4つの圧力センサ43のそれぞれの中心点をc1、c2、c3、c4として、c1―c2間、c2―c3間、c3―c4間、c4―c1間が同一間隔になるように配置しても良い。また、c1―c2間、c2―c3間、c3―c4間、c4―c1間を一定の距離以上又は一定の距離以下になるように配置しても良い。また、空気式生体センサ42は、被検者の胸部の生体データを取得可能な位置に設置され、圧力センサ43は、被検者の胴体の生体データを取得可能な位置に設置される。圧力センサ43は、2つ以上であればいくつでも良い。
生体データ取得手段301は、ベッドに平臥する被検者の生体データを取得する。脈波取得手段301aは、空気式生体センサ42を介して生体データを取得し、圧力取得手段301bは、4つの圧力センサ43を介して生体データを取得する。
脈波取得手段301aは、生体データとして、被検者が平臥時に胸部に接する空気式生体センサ42から被検者の生体信号を取得する。さらに、脈波取得手段301aは、取得した生体信号に対して帯域が固定されたバンドパスフィルタを用いてデータ処理を行い、特定の帯域の脈波を取得する。そして、脈波取得手段301aは、取得した脈波をデータ解析手段201に送信する。さらに、脈波取得手段301aは、取得した脈波に対応する時間を取得し、生体データ解析手段201に送信しても良い。
圧力取得手段301bは、生体データとして、被検者が平臥時に胴体に接する4つの圧力センサ43にかかる圧力を取得する。そして、圧力取得手段301bは、取得した圧力を生体データ解析手段201に送信する。さらに、圧力取得手段301bは、取得した圧力に対応する時間を取得し、生体データ解析手段201に送信しても良い。
生体データ解析手段201は、生体データ取得手段301より受信したデータから、被検者の生体レベル情報を推定する。生体データ解析手段201は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含む複数種類の生体レベル情報を推定する。
自律神経活動特徴量推定手段201aは、生体データ取得手段301より受信した脈波から、自律神経活動特徴量を推定する。
自律神経活動特徴量推定手段201aは、自律神経活動特徴量として、高周波成分(HF(High-Frequency component))及び低周波成分(LF(Low-Frequency component))を推定する。脈波の周波数成分は、主に0.15Hzより高い帯域を持つHF成分と、0.04~0.15Hzの帯域を持つLF成分と、から構成される。
図5は、本実施形態における自律神経活動特徴量を推定する方法の説明図を示す。自律神経活動特徴量推定手段201aは、HF/LF解析(心拍変動(HRV(Heart Rate Variability))解析)によってHF、LFを算出する。HFは副交感神経活動(高いほどリラックス・安静状態)を示し、LFは交感神経活動(高いほど緊張・活性状態)を示す。
図5(a)は、脈波波形の図を示す。自律神経活動特徴量推定手段201aは、生体データ取得手段301より受信した脈波から脈波波形を取得することによって、脈波のピーク及びピーク間隔を測定する。
図5(b)は、脈波のピーク間隔のゆらぎを表す波形の図を示す。脈波のピーク間隔は、安静状態であれば一定であると思われているが、実際にはそうではなく多少のゆらぎを伴っている。自律神経活動特徴量推定手段201aは、取得した脈波波形のP―P(ピーク)間隔の離散値に対し、線形補間又はスプライン補間等の補間を行うことによって、ゆらぎを表す波形を求める。
図5(c)は、脈波のピーク間隔のゆらぎを表す波形のスペクトルを求める図を示す。自律神経活動特徴量推定手段201aは、補間後の曲線に高速フーリエ変換(FFT(Fast Fourier Transform))を施し、スペクトルを求める。スペクトルとは、どの周波数の波がどのくらい含まれるかをグラフにしたものである。図5(c)に示すように、0.15~0.4Hzの帯域を持つHF成分と、0.04~0.15Hzの帯域を持つLF成分と、が区切られる。
図5(d)は、スペクトルからHF及びLFを算出する方法の説明図を示す。図5(d)のHF及びLFの面積を算出することによって、自律神経活動特徴量推定手段201aは、自律神経活動特徴量HF及びLFの値を推定することができる。
脳神経活動特徴量推定手段201bは、生体データ取得手段301から受信した脈波から、脳神経活動特徴量を推定する。
脳神経活動特徴量推定手段201bは、脳神経活動特徴量として、リアプノフ指数λを推定する。リアプノフ指数は、カオス指標の一つであり、カオスの初期値依存性の程度を指数で示した数値で、後述するアトラクタが描く軌道のうち、近接した2本の軌道間の距離が、時間経過に伴って離れていく度合いを示す量である。また、リアプノフ指数λの計算には、Wolf法、Rosenstein法、Kantz法等があるが、本実施形態では、Sano―Sawada(佐野―澤田)法による近似的な計算手法を用いる。
脳神経活動特徴量推定手段201bは、脈波取得手段301aが取得した脈波を、ターケンスの定理により多次元相空間に埋め込むカオス解析を行う。ターケンスの定理とは、カオス解析で一般的に用いられる手法である。
図6は、本実施形態における脳神経活動特徴量を推定する方法の説明図を示す。図6(a)は、ターケンスの埋め込みの概要の説明図を示す。時系列データをx(k)(k=0,1,2,3・・・)とし、m個の状態変数を復元しようとするとき、遅れ時間τを用いて、ベクトルx(i)={x(i),x(i+τ),x(i+2τ),・・・x(i+mτ)}を作る。例えば、状態変数の個数が3個の場合は、x(i)={x(i),x(i+τ),x(i+2τ)}となる。この、τはパラメータであり、埋込遅延時間と呼ばれる。このベクトルx(i)を、3次元状態空間内(座標軸はx(i)、x(i+τ)及びx(i+2τ))に順次プロットしていくと(i=0,1,2,・・・,n)、図6(a)の右図のような軌道61が得られる。この軌道61の形がアトラクタと呼ばれる。
図6(b)は、Sano―Sawada(佐野―澤田)法のリアプノフ指数計算アルゴリズムの3次元の場合の概念図である。3次元のカオス力学系に初期値として半径εの微小球(超球)を与えたとすると、最初は球であったものが1回写像されることによって、e1方向には引き延ばされ、e3方向には押し潰される結果、楕円体となる。このときのe1、e2、e3方向に対する単位時間当たりの拡大率の対数をλ1、λ2、λ3とすると、このλ1、λ2、λ3をリアプノフ指数といい、これらの組をリアプノフスペクトルという。実際には、アトラクタの全点について、この超球を計算する操作を繰り返し、それらの総和の平均よりリアプノフスペクトルを算出する。リアプノフ指数とは、通常、リアプノフスペクトルの第一成分のことを意味し、リアプノフスペクトルの第一成分であるので「第一リアプノフ指数」、「最大リアプノフ指数」とも呼ばれるが、本実施形態では「リアプノフ指数」と表現する。
近接した2つの軌道は時間発展とともに指数関数的に離れていくことになる。リアプノフ指数λとは、Xn+1=f(Xn)という力学系について、近接した2点から出発した2つの軌道{Xn}がどのくらい離れていくかを測る尺度であり、脳神経活動特徴量推定手段201bは、式(1)によってリアプノフ指数λを計算する。
重心動揺特徴量推定手段201cは、生体データ取得手段301から受信した圧力から、重心動揺特徴量を推定する。
重心動揺特徴量推定手段201cは、圧力取得手段301bが取得した圧力より、被検者の重心の座標値の軌跡の算出を行う。4つの圧力センサ43の位置の座標値をそれぞれ(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)とする。また、4つの圧力センサ43にかかる被検者からの圧力値をそれぞれP1、P2、P3、P4とする。4つの圧力センサ43で計測される圧力値P1、P2、P3、P4の合計を総圧力値PTとすると、式(2)によって表される。また、被検者の重心座標(Wx,Wy)は、それぞれ式(3)及び式(4)によって表される。
重心動揺特徴量推定手段201cは、重心動揺特徴量として、重心軌跡の外周面積Area及び重心軌跡のゆらぎ指数α1、α2を推定する。重心軌跡は、重心の時間推移により、被検者の重心座標(Wx,Wy)が2次元平面において移動した集合点の軌跡である。実施形態1で面積Areaは、重心軌跡の範囲又は重心の動いた範囲を全て囲むことが可能な長方形の面積である。さらに、長方形をx軸、y軸に平行な四角形とすると、面積Areaは式(5)によって表される。
図7は、本実施形態における重心動揺特徴量を推定する方法の説明図を示す。重心動揺特徴量推定手段201cは、トレンド除去フラクタル解析法(DFA(Detrended Fluctuation Analysis))を用いる。DFAの計算アルゴリズムは、全ての非定常データで計算可能なアルゴリズムではなく、トレンド(傾向)がゆっくり変化する非定常データの計算に適したアルゴリズムである。X(1)、X(2)、・・・、X(N)を軌跡の座標値x又はyの時系列データとする。
図7(a)は、平均二乗誤差F(n)を求める図を示す。まず、重心動揺特徴量推定手段201cは、X(1)、X(2)、・・・、X(N)の平均値Mを計算し、式(6)のように、各値X(1)、X(2)、・・・、X(N)から、平均値Mを引いたものを積分し、y(k)を計算する。次に、重心動揺特徴量推定手段201cは、図7(a)のように、積分後の時系列y(k)を等間隔nのボックスで分割し、そのボックス内で最小2乗近似直線yn(k)(ローカルトレンド)を求める。y(k)からyn(k)のトレンドを除去し二乗して平均をとり平方根をとったF(n)(平均二乗誤差)は、式(7)によって計算される。
図7(b)は、ゆらぎ指数α1、α2を求める図を示す。全ての時間スケールに対してF(n)を計算し、横軸にlog10 n、縦軸にlog10 F(n)としてプロットした時の直線部分の傾きがスケール指数αとなる。DFAによるαの値によって時系列データX(i)は、次のように分類される。0<α<0.5のとき反相関、α=0.5のとき無相関、ホワイトノイズ、0.5<α<1.0のとき長距離相関、α=1のとき1/fゆらぎ、α>1のとき相関はあるが、フラクタル性・自己相似性を表すPower―Lawが無い、α=1.5のときブラウンノイズ(ホワイトノイズの積分)、ランダムウォーク、と分類される。DFAでは一般的に、図7(b)のように、crossoverポイントがあり、それによって左右2つの時間スケール領域に分けられる。すなわち、短時間領域はPower―Law指数α1で特徴付けられ、長時間領域の方は指数α2で特徴付けられる。重心動揺特徴量推定手段201cは、ゆらぎ指数α1としてDFA計算から得た短時間領域の傾き、ゆらぎ指数α2としてDFA計算から得た長時間領域の傾き、を推定する。
局所血流動態特徴量推定手段201dは、生体データ取得手段301から受信した脈波から、局所血流動態特徴量を推定する。
図8は、本実施形態における局所血流動態特徴量を推定する方法の説明図を示す。図8(a)は、脈波波形の図を示す。局所血流動態特徴量推定手段201dは、生体データ取得手段301より受信した脈波から、脈波波形を取得する。
図8(b)は、加速度脈波の図を示す。局所血流動態特徴量推定手段201dは、図8(a)のような脈波を数学的に2回微分することにより、加速度脈波を取得する。
局所血流動態特徴量推定手段201dは、局所血流動態特徴量として、Bplus及びBdiffを推定する。相対ピークaにおいて、Bplusは下動きの和であり、図8(b)に記載のa、b及びdを用いて式(8)によって計算される。相対ピークaにおいて、Bdiffは下動きの差であり、図8(b)に記載のa、b及びdを用いて式(9)によって計算される。
生体判定手段202は、生体データ解析手段201が推定を行った複数種類の生体レベル情報が、記憶部4に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う。
距離算出手段202aは、生体データ解析手段201が推定を行った複数種類の生体レベル情報と、記憶部4に記憶される複数の被検者の生体レベル情報と、の距離の算出を行う。距離算出手段202aは、式(10)によって距離の算出を行う。距離算出手段202aは、記憶部4に記憶される全ての被検者と、の距離の算出を行う。
自律神経活動特徴量HF、LF、脳神経活動特徴量λ、重心動揺特徴量Area、α1、α2、局所血流動態特徴量Bplus、Bdiffは、生体データ取得手段301が取得した生体データから生体データ解析手段201が推定した生体レベル情報を表す。自律神経活動特徴量HF_J、LF_J、脳神経活動特徴量λ_J、重心動揺特徴量Area_J、α1_J、α2_J、局所血流動態特徴量Bplus_J、Bdiff_Jは、記憶部4に記憶される全ての被検者(ID:1,2,...,J)の生体レベル情報を表す。
被検者特定手段202bは、記憶部4に記憶される複数の被検者の生体レベル情報のうち、距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、生体データ取得手段301が生体データの取得を行った被検者である、との特定を行う。つまり、距離算出手段202aが算出した距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、生体データ取得手段301が生体データの取得を行った被検者である、との特定を行う。
記憶部4は、複数の被検者の生体レベル情報として、自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去が行われた重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を、各々の被検者に紐づけて記憶しても良い。
自律神経活動特徴量と脳神経活動特徴量による行動パターン(重心動揺特徴量)と局所血流動態特徴量に与える影響を除去する手段として、本実施形態では、行動パターン又は局所血流動態特徴量と自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を自己回帰式にまとめ、自己回帰式による除去を行う。例えば、自律神経活動特徴量HF、行動パターンに関する重心動揺特徴量Areaとすると、実験によって式(11)のようなAreaとHFの関係式が得られる。また、重心動揺特徴量α1、α2及び局所血流動態特徴量Bplus、Bdiffに関しても同様なHFとの関係式が得られる。
影響の除去は、全ての被検者(ID:1,2,...,J)に対して、生体データ取得装置3を用いて改めて生体レベル情報を取得することにより行うことができる。新しく記憶部4に記憶する被検者Jの生体レベル情報を、Area_J、α1_J、α2_J、Bplus_J、Bdiff_Jとする。自己回帰式定数をa、b、記憶部4に記憶されている被検者Jの最初に計測した自律神経活動特徴量をHF_Jとする。さらに、改めて取得した自律神経活動特徴量をHF、重心動揺特徴量をAreaとすると、自律神経活動特徴量の影響を除去した重心動揺特徴量Area_Jは、式(12)を用いて計算される。また、改めて取得した重心動揺特徴量をα1、α2とすると、自律神経活動特徴量の影響を除去した重心動揺特徴量α1_J、α2_Jは、式(13)、(14)を用いて計算される。さらに、改めて取得した局所動態特徴量をBplus、Bdiffとすると、自律神経活動特徴量の影響を除去した局所血流動態特徴量Bplus_J、Bdiff_Jは、式(15)、(16)を用いて計算される。同様に、式(12)から(16)において、自律神経活動特徴量HF、HF_Jの代わりに脳神経活動特徴量λ、λ_Jを用いることによって、脳神経活動特徴量の影響を除去することができる。
記憶部4は、式(12)から(16)によって自律神経活動特徴量の影響を除去した重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を、被検者(ID:1,2,...,J)の生体レベル情報として記憶する。また、記憶部4は、脳神経活動特徴量の影響を除去した重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を記憶しても良い。
生体データ解析手段201は、更に、影響除去手段201eを備えても良い。影響除去手段201eは、自律神経活動特徴量推定手段201a又は脳神経活動特徴量推定手段201bが推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて、重心動揺特徴量推定手段201c又は局所血流動態特徴量推定手段201dが推定を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量に対し、自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行っても良い。
自己回帰式定数をa、b、自律神経活動特徴量の基準値をHF_0とする。さらに、生体データ取得手段301が被検者から取得した生体データに対して、自律神経活動特徴量推定手段201aが推定を行った自律神経活動特徴量をHF、重心動揺特徴量推定手段201cが推定を行った重心動揺特徴量をArea、α1、α2、局所血流動態特徴量推定手段201dが推定を行った局所血流動態特徴量をBplus、Bdiffとする。影響除去手段201eは、式(17)~(19)によって自律神経活動特徴量の影響の除去が行われた重心動揺特徴量Area_0、α1_0、α2_0を計算する。さらに、影響除去手段201eは、式(20)、(21)によって自律神経活動特徴量の影響の除去が行われた局所血流動態特徴量Bplus_0、Bdiff_0を計算する。同様に、式(17)から(21)において、影響除去手段201eは、自律神経活動特徴量HF、HF_Jの代わりに脳神経活動特徴量λ、λ_Jを用いることによって、脳神経活動特徴量の影響を除去することができる。
距離算出手段202aは、データ解析手段201が推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を用いて、記憶部4に記憶される複数の被検者(ID:1,2,...,J)の重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量と、の距離の算出を行う。つまり、距離算出手段202aは、影響除去手段201eが自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を用いる。具体的には、距離算出手段202aは、式(12)~(21)の値を用いて、式(22)によって距離の算出を行う。
図9は、実施形態1における生体判定方法のフローチャートを示す。ステップS901において、生体データ取得手段301は、被検者の生体データとして脈波及び圧力を取得し、生体データ解析手段201に送信する。生体データ取得手段301は、記憶部4が予め生体レベル情報を記憶する被検者の生体データを取得する。
ステップS902において、生体データ解析手段201は、生体データ取得手段301より受信した脈波及び圧力から、生体レベル情報として自律神経活動特徴量、脳神経活動特徴量、重心動揺特徴量、局所血流動態特徴量、の推定を行う。
ステップS903において、生体判定手段202は、ステップS902で生体データ解析手段201が推定を行った生体レベル情報が、予め記憶部4が記憶する複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う。
<実施形態2>
実施形態2では、被検者が装着物を装着時に脈波及び重心動揺の取得を行う形態を示す。なお、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する。
図10は、実施形態2における生体判定システムの機能ブロック図を示す。生体データ取得装置3は、圧力取得手段301bの代わりに3D加速度取得手段301cを備える。
図11は、実施形態2における生体データ取得装置の図を示す。実施形態2では、生体データ取得装置3は、ヘルメットであり、これを装着する被検者の生体データを取得する。図11のように、ヘルメット111が有する生体計測用の光電式脈波センサ112及び上半身動揺を計測する3D加速度センサ113を利用して、生体データ取得装置3は、被検者の生体データを取得する。光電式脈波センサ112及び3D加速度センサ113は、ヘルメット111の裏側(被検者の頭部に接する側)110に設置される。この他にも、被検者の体温を計測する前額部皮膚温センサ114、SpO2(動脈血酸素飽和度)計測センサ115、周囲の環境を計測する温湿度センサ116等がヘルメット111の裏側に設置されても良い。
生体データ取得手段301は、頭部に装着物を装着する被検者の生体データを取得する。脈波取得手段301aは、光電式脈波センサ112を介して生体データを取得し、3D加速度取得手段301cは、3D加速度センサ113を介して生体データを取得する。
脈波取得手段301aは、生体データとして、被検者がヘルメット等を装着時に前額部に接する光電式脈波センサ112から被検者の生体信号を取得する。生体信号取得後、脈波取得手段301aは、実施形態1と同様の処理を行う。
3D加速度取得手段301cは、生体データとして、被検者がヘルメット等を装着時に3D加速度センサ113によって加速度を取得する。そして、3D加速度取得手段301cは、取得した3D加速度を生体データ解析手段201に送信する。さらに、3D加速度取得手段301cは、取得した3D加速度に対応する時間を取得し、生体データ解析手段201に送信しても良い。また、3D加速度取得手段301cは、被検者の3D速度を取得し、3D速度から3D加速度を算出しても良い。
重心動揺特徴量推定手段201cは、生体データ取得手段301より受信した3D加速度から、重心動揺特徴量を推定する。平面方向の加速度値をAx、Ayとすると、平面における上半身の加速度重心座標は(Ax,Ay)となる。
重心動揺特徴量推定手段201cは、重心動揺特徴量として、重心軌跡の外周面積Area及び重心軌跡のゆらぎ指数α1、α2を推定する。重心軌跡は、加速度重心の時間推移により、被検者の重心座標(Ax,Ay)が2次元平面において移動した集合点の軌跡である。実施形態2で面積Areaは、重心軌跡の範囲又は重心の動いた範囲を全て囲むことが可能な長方形の面積である。さらに、長方形をx軸、y軸に平行な四角形とすると、面積Areaは式(23)によって表される。
重心動揺特徴量推定手段201cは、実施形態1と同様の方法を用いてα1、α2を推定する。
実施形態2では、更に、被検者の熱中症危険検知、疲労検知、危険行動検知を行うことができる。
リアプノフ指数は、生体の柔軟性を示す指数であり、外界からの変化に対する柔軟な適応性を示す「精神健康度」である。リアプノフ指数は柔軟性の働きを表し、身体の調和と循環の働きをコントロールする機能を示す。一定量の柔軟性が働いていれば様々な環境に対して柔軟に適応可能であり、予期できないような激しい変動をする環境変化等の緊急事態にも対応することが可能となり、人間は心も身体も健康でエネルギーに満ちあふれる。よって、柔軟性が足りなくなると柔軟な変動性が失われ、生活に支障をきたす。例えば、リアプノフ指数が過少な場合は抑うつ状態、対応力低下状態等、また、リアプノフ指数が過剰な場合は気分高揚状態、ストレス状態等、と判定することができる。
生体判定装置2は、熱中症危険検知において、WBGT>28かつリアプノフ指数λ>4.5~5の場合は類1熱中症(日射病、熱痙攣)、WBGT>28かつリアプノフ指数λ<0.5の場合は類2熱中症(熱疲労、熱射病)、と判定しても良い。WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、式(24)によって計算される。
心拍ゆらぎは、心臓の自律神経緊張度合いとなる指標である。心拍ゆらぎは、交感神経(LF)が高まると高くなり、一方、副交感神経(HF)が優位になると低くなる。例えば、心拍ゆらぎが高い場合は緊張状態、ストレス状態、疲労状態等、また、心拍ゆらぎが低い場合は集中していない状態、散漫状態、無反応状態等、と判定できる。
生体判定装置2は、疲労検知において、リアプノフ指数λ>4.5~5かつ心拍ゆらぎ(LF/HF)>7/10の場合は疲労による精神状態の危険検知、を判定しても良い。
体動量は、動き活動の量を示す。体動量の値が大きいと活動が多いことを表す。体動量は、3D加速度センサ113によって測定できる。被検者の3次元の重心座標の移動量をそれぞれx、y、zとすると、体動量は式(25)によって計算される。
生体判定装置2は、危険行動検知において、外周面積Area>1.8かつ半径R>8.5かつ心拍ゆらぎ(LF/HF)>7/10の場合は行動量指標による危険検知、を判定しても良い。
<実施形態3>
実施形態3では、被検者が着席時に脈波及びセンサにかかる圧力の取得を行う形態を示す。なお、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する。図1は、実施形態3における生体判定システムの機能ブロック図を示す。
図12は、実施形態3における生体データ取得装置の図を示す。実施形態3では、生体データ取得装置3は、着席時の被検者の生体データを取得する。図12のように、便座121に設置される脈波センサ122及び4つの圧力センサ123を利用して、生体データ取得装置3は、生体データを取得する。この他にも、心電図を記録するECGセンサ124が便座121に設置されても良い。また、圧力センサ123は、2つ以上であればいくつでも良い。
生体データ取得手段301は、便座に着席する被検者の生体データを取得する。脈波取得手段301aは、脈波センサ122を介して生体データを取得し、圧力取得手段301bは、4つの圧力センサ123を介して生体データを取得する。
脈波取得手段301aは、生体データとして、被検者が着席時に臀部又は大腿に接する脈波センサ122から被検者の生体信号を取得する。生体信号取得後、脈波取得手段301aは、実施形態1と同様の処理を行う。
圧力取得手段301bは、生体データとして、被検者が着席時に臀部又は大腿に接する4つの圧力センサ123にかかる圧力を取得する。圧力取得後、圧力取得手段301bは、実施形態1と同様の処理を行う。
実施形態1~3において、生体判定装置2は、更に、データ格納手段、を備えても良い。データ格納手段は、生体データの取得に用いたセンサ及び/又はその他のセンサによって、被検者特定手段202bが被検者特定前及び/又は被検者特定手段202bが被検者特定後に取得したセンサの値を、被検者特定手段202bが特定した被検者と紐づけて格納する。
生体データ取得手段301が取得したセンサの値を、被検者特定手段202bが特定した被検者と紐づけてデータ格納手段が格納することにより、生体判定装置2は、個人識別以外の判定を行うことができる。
本発明は個人識別を行う生体判定方法として産業上の利用可能性が高いものである。また、本発明は自律神経活動特徴量、脳神経活動特徴量、重心動揺特徴量、局所血流動態特徴量の一部又は全部を用いて、業務適合性判定、熱中症防止、疲労検出、健康管理並びにストレス等の異常チェック等に利用することも可能であり、産業上の利用可能性が極めて高いものである。
1 生体判定システム
2 生体判定装置
201 生体データ解析手段
201a 自律神経活動特徴量推定手段
201b 脳神経活動特徴量推定手段
201c 重心動揺特徴量推定手段
201d 局所血流動態特徴量推定手段
201e 影響除去手段
202 生体判定手段
202a 距離算出手段
202b 被検者特定手段
3 生体データ取得装置
301 生体データ取得手段
301a 脈波取得手段
301b 圧力取得手段
301c 3D加速度取得手段
4 記憶部
401 生体レベル情報DB
NW 通信ネットワーク

Claims (11)

  1. 被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定方法であって、
    記憶部を有する生体判定システムが、生体データ取得ステップと、生体データ解析ステップと、生体判定ステップと、を実行し、
    生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
    前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
    前記生体データ取得ステップにおいて、前記被検者の生体データの取得を行い、
    前記生体データ解析ステップにおいて、前記取得を行った生体データから複数種類の生体レベル情報の推定を行い、
    前記生体判定ステップにおいて、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う、
    生体判定方法。
  2. 前記生体判定ステップは、
    前記推定を行った生体レベル情報と、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報と、の距離の算出を行う、距離算出ステップと、
    前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報のうち、前記距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、前記取得を行った被検者である、との特定を行う、被検者特定ステップと、を含む、
    請求項1に記載の生体判定方法。
  3. 前記記憶部は、前記複数の被検者の生体レベル情報として、前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去が行われた重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を、前記各々の被検者に紐づけて記憶する、
    請求項1に記載の生体判定方法。
  4. 前記生体データ解析ステップは、
    前記推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量を用いて、前記推定を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量に対し、前記自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行う、影響除去ステップと、を含み、
    前記生体判定ステップは、
    前記推定を行った自律神経活動特徴量又は脳神経活動特徴量の影響の除去を行った重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量を用いて、前記記憶部に記憶される複数の被検者の重心動揺特徴量又は局所血流動態特徴量と、の距離の算出を行う、距離算出ステップと、
    前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報のうち、前記距離が最も小さい生体レベル情報に紐づけられる被検者が、前記取得を行った被検者である、との特定を行う、被検者特定ステップと、を含む、
    請求項3に記載の生体判定方法。
  5. 前記生体データ取得ステップは、
    前記被検者が平臥時若しくは着席時又は前記被検者が装着物を装着時に脈波の取得を行う、脈波取得ステップと、を含み、
    前記生体データ解析ステップは、
    前記取得を行った脈波を用いて自律神経活動特徴量の推定を行う、自律神経活動特徴量推定ステップと、
    前記取得を行った脈波を用いて脳神経活動特徴量の推定を行う、脳神経活動特徴量推定ステップと、
    前記取得を行った脈波を用いて局所血流動態特徴量の推定を行う、局所血流動態特徴量推定ステップと、を含む、
    請求項1~4の何れかに記載の生体判定方法。
  6. 前記生体データ取得ステップは、
    前記被検者が平臥時に胸部から脈波の取得を行う、脈波取得ステップと、
    前記被検者が平臥時に胴体がかける圧力の取得を行う、圧力取得ステップと、を含み、
    前記生体データ解析ステップは、
    前記圧力及び圧力の取得を行った座標を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む、
    請求項1~4の何れかに記載の生体判定方法。
  7. 前記生体データ取得ステップは、
    前記被検者が装着物を装着時に3D加速度の取得を行う、3D加速度取得ステップと、を含み、
    前記生体データ解析ステップは、
    前記取得を行った3D加速度を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む、
    請求項1~4の何れかに記載の生体判定方法。
  8. 前記生体データ取得ステップは、
    前記被検者が着席時にかける圧力の取得を行う、圧力取得ステップと、を含み、
    前記生体データ解析ステップは、
    前記圧力及び圧力の取得を行った座標を用いて重心動揺特徴量の推定を行う、重心動揺特徴量推定ステップと、を含む、
    請求項1~4の何れかに記載の生体判定方法。
  9. 前記生体データの取得に用いたセンサ及び/又はその他のセンサによって、前記被検者特定ステップ前及び/又は前記被検者特定ステップ後に取得したセンサの値を、前記被検者特定ステップで特定した被検者と紐づけて格納する、データ格納ステップと、を更に有する、
    請求項2又は4に記載の生体判定方法。
  10. 被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定システムであって、
    生体判定システムは、記憶部と、生体データ取得手段と、生体データ解析手段と、生体判定手段と、を備え、
    生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
    前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
    前記生体データ取得手段は、前記被検者の生体データの取得を行い、
    前記生体データ解析手段は、前記取得を行った生体データから生体レベル情報の推定を行い、
    前記生体判定手段は、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う、
    生体判定システム。
  11. 被検者の生体データを用いて生体判定を行う生体判定プログラムであって、
    コンピュータを、記憶部と、生体データ取得手段と、生体データ解析手段と、生体判定手段と、として機能させ、
    生体レベル情報は、自律神経活動特徴量と、脳神経活動特徴量と、重心動揺特徴量と、局所血流動態特徴量と、を含み、
    前記記憶部は、複数の被検者毎に、複数種類の生体レベル情報を紐づけて記憶し、
    前記生体データ取得手段は、前記被検者の生体データの取得を行い、
    前記生体データ解析手段は、前記取得を行った生体データから生体レベル情報の推定を行い、
    前記生体判定手段は、前記推定を行った生体レベル情報が、前記記憶部に記憶される複数の被検者の生体レベル情報の中でどの被検者に紐づく生体レベル情報であるか、の判定を行う、
    生体判定プログラム。
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