JP7206905B2 - Inertial sensors, electronics and vehicles - Google Patents
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Description
本発明は、慣性センサー、電子機器および移動体に関するものである。 The present invention relates to inertial sensors, electronic devices, and moving bodies.
特許文献1に記載されている角速度センサーは、可動駆動電極と、可動駆動電極を振動させる固定駆動電極と、振動量増幅部を介して可動駆動電極に接続されている可動検出電極と、可動検出電極と対向配置されている固定検出電極と、を有する。このような構成の角速度センサーでは、可動駆動電極と固定駆動電極との間に静電引力を発生させることにより可動駆動電極と共に可動検出電極をY軸方向に振動させ(この振動モードを「駆動振動モード」と言う)、この状態でX軸まわりの角速度が加わると、コリオリの力によって可動検出電極がZ軸方向に振動し(この振動モードを「検出振動モード」と言う)、それに伴って変化する可動検出電極と固定検出電極との間の静電容量に基づいてX軸まわりの角速度を検出することができる。
The angular velocity sensor described in
このような角速度センサーは、例えば、特許文献2に記載されているシリコンの深溝エッチング技術であるボッシュ・プロセスを用いて形成することができる。シリコンの深溝エッチング技術とは、エッチング用ガスであるSF6と側壁保護膜形成用ガスC4F8の2系統のガスを交互に切り替えて、エッチング工程と側壁保護膜形成工程とを交互に繰り返すことにより、シリコンに深溝を形成する技術である。このような深溝エッチング技術によれば、溝側面の垂直性に優れ、高いアスペクト比の溝を形成することができる。
Such an angular velocity sensor can be formed using, for example, the Bosch process, which is a silicon deep-groove etching technology described in
しかしながら、特許文献2に記載の深溝エッチング技術を用いた場合、製造誤差による形状ずれが生じる場合がある。形状ずれが生じると、駆動振動モードにおいて可動検出電極に不要な振動が生じ、角速度の検出特性が低下する。なお、駆動振動モード時の可動検出電極の不要な振動は、「クアドラチャ」とも呼ばれ、このクアドラチャに起因したノイズ信号は、「クアドラチャ信号」とも呼ばれる。
However, when the deep groove etching technique described in
本開示の慣性センサーは、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、
基板と、
前記基板に配置されている構造体と、を有し、
前記構造体は、
前記基板と前記Z軸に沿って対向して配置されている駆動可動体と、
前記駆動可動体に支持されている可動検出電極と、
前記基板に設けられ、前記可動検出電極と前記Y軸に沿う方向に対向している固定検出電極と、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に変位可能に支持している駆動ばねと、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に振動させる駆動部と、
前記駆動ばねのばね定数を調整する第1調整部と、を有することを特徴とする。
In the inertial sensor of the present disclosure, when the three mutually orthogonal axes are the X-axis, the Y-axis, and the Z-axis,
a substrate;
a structure arranged on the substrate;
The structure is
a driving movable body disposed facing the substrate along the Z-axis;
a movable detection electrode supported by the driving movable body;
a fixed detection electrode provided on the substrate and facing the movable detection electrode in a direction along the Y-axis;
a drive spring supporting the movable drive body so as to be displaceable in a direction along the X-axis;
a driving unit that vibrates the driving movable body in a direction along the X-axis;
and a first adjustment unit that adjusts the spring constant of the drive spring.
以下、本開示の慣性センサー、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。 Hereinafter, the inertial sensor, the electronic device, and the mobile object of the present disclosure will be described in detail based on the embodiments shown in the accompanying drawings.
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の慣性センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA-A線断面図である。図3は、一方の構造体を示す平面図である。図4は、他方の構造体を示す平面図である。図5は、センサー素子に印加する電圧を示す図である。図6は、センサー素子のクアドラチャを示す平面図である。図7は、第1調整部を示す斜視図である。
<First embodiment>
FIG. 1 is a plan view showing the inertial sensor of the first embodiment. FIG. FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. FIG. 3 is a plan view showing one structure. FIG. 4 is a plan view showing the other structure. FIG. 5 is a diagram showing voltages applied to the sensor element. FIG. 6 is a plan view showing a quadrature of sensor elements. FIG. 7 is a perspective view showing a first adjusting section;
各図には、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸が図示されている。また、X軸に沿う方向すなわちX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に沿う方向を「Y軸方向」、Z軸に沿う方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上」とも言い、Z軸方向マイナス側を「下」とも言う。また、本願明細書において「直交」とは、90°で交わっている場合の他、90°から若干傾いた角度、例えば、90°±5°以内の範囲で交わっている場合も含むものである。 Each figure shows an X-axis, a Y-axis and a Z-axis as three mutually orthogonal axes. Also, the direction along the X-axis, that is, the direction parallel to the X-axis is also called the "X-axis direction", the direction along the Y-axis is also called the "Y-axis direction", and the direction along the Z-axis is also called the "Z-axis direction". Also, the arrow tip side of each axis is also called the "plus side", and the opposite side is also called the "minus side". The positive side in the Z-axis direction is also called "upper", and the negative side in the Z-axis direction is also called "lower". In the specification of the present application, "perpendicular" includes not only the case of intersecting at 90°, but also the case of intersecting at an angle slightly inclined from 90°, for example, within the range of 90°±5°.
図1に示す慣性センサー1は、Z軸まわりの角速度ωzを検出することのできる角速度センサーである。慣性センサー1は、基板2と、蓋3と、センサー素子4と、を有する。
The
基板2は、センサー素子4と重なり、上面側に開放する凹部21を有する。凹部21は、センサー素子4と基板2との接触を抑制するための逃げ部として機能する。また、基板2は、その上面に開放する溝を有し、この溝には配線71、72、73、74、75が配置されている。また、配線71~75の一端部は、それぞれ、蓋3の外側に露出し、外部装置との電気的な接続を行う電極パッドPとして機能する。なお、電極パッドPは基板2の一方の長辺側に配置されている。これにより、電極パッドP間の間隔を十分に離間させることができるので、電極パッドP間のリーク電流を良好に低減することができる。
The
このような基板2としては、例えば、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを含むガラス材料、具体的にはテンパックスガラス(登録商標)、パイレックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラスで構成されているガラス基板を用いることができる。ただし、基板2の構成材料としては、特に限定されず、シリコン基板、セラミックス基板等を用いてもよい。
Such a
図2に示すように、蓋3は、下面に開放する凹部31を有する。蓋3は、凹部31内にセンサー素子4を収納して、基板2の上面に接合されている。そして、蓋3および基板2によって、センサー素子4を気密に収納する収納空間Sが形成されている。また、蓋3には、収容空間Sの内外を連通する貫通孔32が設けられており、貫通孔32は、封止材33によって封止されている。言い換えると、収納空間Sは、慣性センサー1の外部の雰囲気から封止材33および接合材39により遮断されている。収納空間Sは、減圧状態、特に真空状態であることが好ましい。これにより、粘性抵抗が減り、センサー素子4を効率的に振動させることができる。
As shown in FIG. 2, the
このような蓋3としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。ただし、蓋3としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やセラミックス基板を用いてもよい。また、基板2と蓋3との接合方法としては、特に限定されず、基板2や蓋3の材料によって適宜選択すればよいが、本実施形態では、接合材39としての低融点ガラスであるガラスフリット材を介して基板2と蓋3とが接合されている。
A silicon substrate, for example, can be used as such a
センサー素子4は、収納空間Sに配置され、基板2の上面に接合されている。センサー素子4は、例えば、リン(P)、ボロン(B)、砒素(As)等の不純物がドープされている導電性のシリコン基板400を深溝エッチング技術であるボッシュ・プロセスによってパターニングすることにより形成されている。ただし、センサー素子4の形成方法は、これに限定されない。また、シリコン基板400は、後述する第1調整部5を除き、全域でほぼ等しい厚さtとなっている。
The
図1に示すように、センサー素子4は、X軸方向に並ぶ2つの構造体40A、40Bを有する。構造体40A、40Bは、センサー素子4の中心Oに対して180°回転対象な形状である。各構造体40A、40Bは、枠状の駆動可動体41と、基板2に固定されている固定部42と、駆動可動体41と固定部42とを接続する駆動ばね43と、駆動可動体41をX軸方向に振動させる駆動部44と、駆動可動体41の内側に配置されている検出可動体45と、検出可動体45と駆動可動体41とを接続する検出ばね46と、検出可動体45のY軸方向への振動を検出する検出部47と、を有する。
As shown in FIG. 1, the
また、駆動可動体41は、矩形の枠状をなす。図3および図4に示すように、固定部42は、駆動可動体41の周囲に配置されている4つの固定部421、422、423、424を有する。4つの固定部421~424は、駆動可動体41の4つの角部に対応して配置されている。具体的には、駆動可動体41の中心O41と交わり、X軸方向に沿う仮想軸を仮想X軸Lxとし、Y軸方向に沿う仮想軸を仮想Y軸Lyとし、これら仮想X軸Lxおよび仮想Y軸Lyで区画される4つの象限を第1象限E1、第2象限E2、第3象限E3および第4象限E4とすると、第1象限E1に固定部422が配置され、第2象限E2に固定部421が配置され、第3象限E3に固定部424が配置され、第4象限E4に固定部423が配置されている。
Further, the driving
このような配置によれば、4つの固定部421~424を駆動可動体41の周囲にバランスよく配置することができ、駆動可動体41をバランスよく支持することができる。なお、本実施形態では、構造体40Aの固定部421と構造体40Bの固定部424とが共通化され、構造体40Aの固定部424と構造体40Bの固定部421とが共通化されている。これにより、センサー素子4の小型化を図ることができる。ただし、4つの固定部421~424の配置は、特に限定されず、固定部42の数も4つに限定されない。
According to such an arrangement, the four fixed
また、駆動ばね43は、4つの駆動ばね431、432、433、434を有する。そして、駆動ばね432は、第1象限E1に位置する駆動可動体41の角部と固定部422とを接続し、駆動ばね431は、第2象限E2に位置する駆動可動体41の角部と固定部421とを接続し、駆動ばね434は、第3象限E3に位置する駆動可動体41の角部と固定部424とを接続し、駆動ばね433は、第4象限E4に位置する駆動可動体41の角部と固定部423とを接続する。つまり、駆動可動体41は、その四隅において、駆動ばね43によって支持されている。これにより、駆動可動体41の姿勢が安定する。また、各駆動ばね431~434は、蛇行形状となっており、X軸方向に弾性変形可能である。
Also, the
駆動部44は、駆動可動体41に接続されている可動駆動電極440と、基板2に固定されている固定駆動電極445と、を有する。
The
可動駆動電極440は、駆動可動体41からY軸方向プラス側に突出し、X軸方向に並んだ2つの可動駆動電極441、442と、駆動可動体41からY軸方向マイナス側に突出し、X軸方向に並んだ2つの可動駆動電極443、444と、を有する。可動駆動電極441、442と、可動駆動電極443、444とは、仮想X軸Lxに対して線対称であり、可動駆動電極441、444と、可動駆動電極442、443とは、仮想Y軸Lyに対して線対称である。また、4つの可動駆動電極441~444は、それぞれ、櫛歯状に配置した複数の電極指を備えた櫛歯電極で構成されている。
The
固定駆動電極445は、可動駆動電極441に対応して配置されている固定駆動電極446と、可動駆動電極442に対応して配置されている固定駆動電極447と、可動駆動電極443に対応して配置されている固定駆動電極448と、可動駆動電極444に対応して配置されている固定駆動電極449と、を有する。
The fixed
また、固定駆動電極446は、可動駆動電極441を間に挟んで配置されている第1固定駆動電極446aおよび第2固定駆動電極446bを有する。同様に、固定駆動電極447は、可動駆動電極442を間に挟んで配置されている第1固定駆動電極447aおよび第2固定駆動電極447bを有し、固定駆動電極448は、可動駆動電極443を間に挟んで配置されている第1固定駆動電極448aおよび第2固定駆動電極448bを有し、固定駆動電極449は、可動駆動電極444を間に挟んで配置されている第1固定駆動電極449aおよび第2固定駆動電極449bを有する。
In addition, the fixed
また、検出可動体45は、駆動可動体41の内側に配置されている。また、検出可動体45は、矩形の枠状であり、駆動可動体41と同心的に配置されている。
Further, the detection
また、検出ばね46は、4つの検出ばね461、462、463、464を有する。そして、検出ばね462は、第1象限E1に位置する検出可動体45の角部と駆動可動体41とを接続し、検出ばね461は、第2象限E2に位置する検出可動体45の角部と駆動可動体41とを接続し、検出ばね464は、第3象限E3に位置する検出可動体45の角部と駆動可動体41とを接続し、検出ばね463は、第4象限E4に位置する検出可動体45の角部と駆動可動体41とを接続する。つまり、検出可動体45は、その四隅において、検出ばね46によって支持されている。これにより、検出可動体45の姿勢が安定する。また、各検出ばね461~464は、蛇行形状となっており、Y軸方向に弾性変形可能である。
Also, the
また、検出部47は、検出可動体45に接続されている可動検出電極470と、基板2に固定されている固定検出電極475と、を有する。
Further, the
可動検出電極470は、検出可動体45の内側に配置されている複数の電極指471を有する。複数の電極指471は、それぞれ、X軸方向に延在し、Y軸方向に並んで配置されている。固定検出電極475は、各電極指471を間に挟んで対向配置されている第1固定検出電極476および第2固定検出電極477を有する。なお、構造体40Aでは、電極指471に対してY軸方向プラス側に第1固定検出電極476が位置し、Y軸方向マイナス側に第2固定検出電極477が位置している。反対に、構造体40Bでは、電極指471に対してY軸方向マイナス側に第1固定検出電極476が位置し、Y軸方向プラス側に第2固定検出電極477が位置している。
The
以上、センサー素子4について簡単に説明した。なお、以下では、駆動可動体41、検出ばね46、検出可動体45および可動検出電極470の集合体を「可動体48」とも言う。このようなセンサー素子4のうち、可動体48が配線71と電気的に接続され、第1固定駆動電極446a~449aが配線72と電気的に接続され、第2固定駆動電極446b~449bが配線73と電気的に接続され、第1固定検出電極476が配線74と電気的に接続され、第2固定検出電極477が配線75と電気的に接続されている。配線74、75は、それぞれ、電極パッドPを介してチャージアンプに接続されており、可動検出電極470と第1固定検出電極476との間に静電容量Caが形成され、可動検出電極470と第2固定検出電極477との間に静電容量Cbが形成される。
The
例えば、配線71を介して図5に示す直流電圧V1を可動体48に印加し、配線72を介して図5に示す交流電圧V2を第1固定駆動電極446a~449aに印加し、配線73を介して図5に示す交流電圧V2とは逆相である交流電圧V3を第2固定駆動電極446b~449bに印加すると、これらの間に作用する静電引力によって、図6中の矢印Dに示すように、2つの可動体48がX軸方向に接近・離間を繰り返すように互いに逆相で振動する。一般に、可動体48を交互に接近・離間させるような静電引力は直流電圧と交流電圧の積に比例する形で発生するためである。なお、以下では、この振動モードを「駆動振動モード」とも言う。
For example, the DC voltage V1 shown in FIG. 5 is applied to the
そして、2つの可動体48を駆動振動モードで駆動させている状態で、センサー素子4に角速度ωzが加わると、コリオリの力により、図6中の矢印Eで示すように、2つの検出可動体45がY軸方向に互いに逆相で振動し、この振動に伴って、静電容量Ca、Cbがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Ca、Cbの変化に基づいて、センサー素子4が受けた角速度ωzを求めることができる。なお、以下では、この振動モードを「検出振動モード」とも言う。
When the angular velocity ωz is applied to the
なお、駆動振動モードを励振することができれば、電圧V1、V2、V3としては、特に限定されない。また、本実施形態の慣性センサー1では、静電引力によって駆動振動モードを励振させる静電駆動方式となっているが、駆動振動モードを励振させる方式は、特に限定されず、例えば、圧電駆動方式、磁場のローレンツ力を利用した電磁駆動方式等を適用することもできる。
Note that the voltages V1, V2, and V3 are not particularly limited as long as they can excite the drive vibration mode. In addition, the
ここで、前述した駆動振動モードでは、理想的には2つの可動体48は、X軸方向に振動することが好ましい。言い換えると、駆動振動モードにおいて、X軸方向以外の方向、特にY軸方向に振動しないことが好ましい。しかしながら、例えば、シリコン基板400のエッチング精度に起因して形状ずれが生じ、この形状ずれが要因となって、2つの可動体48が図6中の矢印Qで示すように、Y軸方向成分を含む斜め方向に振動する場合がある。このように、2つの可動体48が斜め振動すると、角速度ωzが加わっていないにも関わらず静電容量Ca、Cbが変化してしまう。そのため、これに起因してクアドラチャ信号からなるノイズが生じ、角速度ωzの検出精度が低下してしまう。なお、以下では、駆動振動モードにおける可動体48のX軸方向以外の振動、特にY軸方向の振動をクアドラチャとも言う。
Here, in the driving vibration mode described above, ideally, it is preferable that the two
そこで、慣性センサー1は、クアドラチャを低減するための第1調整部5を有する。なお、以下では、図6に示すような第1調整部5が、慣性センサー1に設けられていないことにより、矢印Qで示すクアドラチャが生じる場合について代表して説明する。この場合、前述したエッチング精度に起因したセンサー素子4の形状ずれによって、各構造体40A、40Bの駆動ばね431、432のばね定数が、駆動ばね433、434のばね定数よりも大きく、駆動ばね431、432が駆動ばね433、434よりもX軸方向に変形し難くなっていることがクアドラチャ発生の1つの原因であると考えられる。そこで、慣性センサー1では、図6に示すように、各構造体40A、40Bの各駆動ばね431、432に第1調整部5を設け、各駆動ばね431、432のばね定数を駆動ばね433、434と釣り合う程度まで柔らかくしている。
Therefore, the
以下では、図7に示すように、駆動ばね431のY軸方向に延在する部分を梁431aとも言い、隣り合う梁431a同士をその一端部で接続する部分を接続部431bとも言う。つまり、駆動ばね431は、Y軸方向に延在し、X軸方向に並ぶ複数の梁431aと、隣り合う梁431a同士をY軸方向プラス側とマイナス側とで交互に接続する複数の接続部431bと、を有する。同様に、駆動ばね432のY軸方向に延在する部分を梁432aとも言い、隣り合う梁432a同士をその一端部で接続する部分を接続部432bとも言う。つまり、駆動ばね432は、Y軸方向に延在し、X軸方向に並ぶ複数の梁432aと、隣り合う梁432a同士をY軸方向プラス側とマイナス側とで交互に接続する複数の接続部432bと、を有する。
Hereinafter, as shown in FIG. 7, the portion of the
第1調整部5では、梁431a、432aがレーザー加工されている。図示の構成では、レーザー加工によって各梁431a、432aの上端部が丸く削られている。なお、レーザー光の波長を350~1100nm程度とすることで、シリコン材から成る梁431a、432aの上端部を除去すると共に、上端部の表面を丸く加工することができる。そのため、梁431a、432aの厚さt1が、駆動ばね433、434の梁の厚さt2(=t)よりも薄い。したがって、駆動ばね431、432のばね定数を小さくすることができる。そして、駆動ばね431、432に対して、第1調整部5を形成する領域や厚さt1を適宜調整することにより、駆動ばね431、432のばね定数を駆動ばね433、434のばね定数に合わせ込むことができる。これにより、前述したクアドラチャが抑制され、角速度ωzの検出精度が向上する。
In the
特に、本実施形態では、中心Oに対して対称的に配置されている構造体40Aの駆動ばね431、432と構造体40Bの駆動ばね431、432とに第1調整部5を形成している。そのため、2つの可動体48の両方でクアドラチャを抑制することができ、より効果的にかつバランスよく、クアドラチャを抑制することができる。
In particular, in the present embodiment, the
なお、第1調整部5の構成としては、駆動ばね431、432のばね定数を変化させることができれば、上述の構成に限定されず、クアドラチャの大きさや向きによって適宜変更することができる。例えば、本実施形態では、各梁431a、432aの長手方向の一部に第1調整部5が設けられているが、これに限定されず、各梁431a、432aの長手方向の全域に亘って設けられていてもよい。また、本実施形態では、全ての梁431a、432aに第1調整部5が設けられているが、これに限定されず、第1調整部5が設けられていない梁431a、432aがあってもよい。また、本実施形態では、駆動ばね431、432で第1調整部5の構成(厚さt1や形成領域)がほぼ同じであるが、これに限定されず、駆動ばね431、432で第1調整部5の構成を異ならせてもよい。また、本実施形態の第1調整部5では、レーザー加工によって梁431a、432aの上端部を丸く削っているが、これに限定されず、例えば、レーザー加工によって梁431a、432aの厚さはそのままにして角部だけを削ってもよい。
The configuration of the
また、本実施形態では、第1調整部5をレーザー加工により形成しているが、第1調整部5の形成方法としては、レーザー加工に限定されない。例えば、第1調整部5は、収束イオンビーム加工により形成してもよいし、エッチングにより形成してもよいし、ダイシングソー等によるハーフカットにより形成してもよい。また、第1調整部5は、梁431a、432aに不純物をさらに高濃度にドープすることにより、梁431a、432aの物性を変化させたり、変質させてアモルファス化させたりした構成となっていてもよい。
Moreover, in the present embodiment, the
また、本実施形態では、駆動ばね431、432のばね定数を小さくすることにより駆動ばね431~434のバランスをとっているが、反対に、駆動ばね433、434のばね定数を大きくすることにより駆動ばね431~434のバランスをとってもよい。駆動ばね433、434のばね定数を大きくする方法としては、特に限定されないが、例えば、駆動ばね433、434に金属膜等を堆積させる方法や、隣り合う梁の間に樹脂材料等を充填する方法であってもよい。 In this embodiment, the drive springs 431 to 434 are balanced by reducing the spring constants of the drive springs 431 and 432. Springs 431-434 may be balanced. A method for increasing the spring constant of the drive springs 433 and 434 is not particularly limited, but for example, a method of depositing a metal film or the like on the drive springs 433 and 434, or a method of filling a resin material or the like between adjacent beams. may be
また、本実施形態では、駆動ばね431、432に第1調整部5が形成されているが、これに限定されず、第1調整部5は、駆動ばね431~434の少なくとも1つに設けられていればよい。
Further, in the present embodiment, the drive springs 431 and 432 are provided with the
以上、慣性センサー1について説明した。このような慣性センサー1は、前述したように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸としたとき、基板2と、基板2に配置されている構造体40A(40B)と、を有する。また、構造体40Aは、基板2とZ軸に沿って対向して配置されている駆動可動体41と、駆動可動体41に支持されている可動検出電極470と、基板2に設けられ、可動検出電極470とY軸に沿う方向に対向している固定検出電極としての第1、第2固定検出電極476、477と、駆動可動体41をX軸に沿う方向に変位可能に支持している駆動ばね431~434と、駆動可動体41をX軸に沿う方向に振動させる駆動部44と、駆動ばね431~434のばね定数を調整する第1調整部5と、を有する。このような構成によれば、第1調整部5によって駆動ばね431~434のばね定数を調整することができ、駆動ばね431~434の硬さのバランスをとることができる。そのため、クアドラチャを効果的に抑制することができ、クアドラチャによる慣性検出特性の低下を抑制することのできる慣性センサー1となる。
The
また、前述したように、第1調整部5は、曲面を有し、第1調整部5のZ軸に沿う方向の厚さt1は、第1調整部5以外の領域における駆動ばね43のZ軸に沿う方向の厚さt2(=t)よりも薄い。このように、第1調整部5において、駆動ばね43の厚さt1を薄くすることにより、簡単な構成で駆動ばね43のばね定数を変化させることができ、より簡単に、駆動ばね431~434の硬さのバランスをとることができる。
Further, as described above, the
また、前述したように、駆動可動体41の中心O41と交わり、X軸に沿う仮想軸を仮想X軸Lxとし、駆動可動体41の中心O41と交わり、Y軸に沿う仮想軸を仮想Y軸Lyとし、仮想X軸Lxおよび仮想Y軸Lyで区画される4つの象限を第1象限E1、第2象限E2、第3象限E3および第4象限E4としたとき、駆動ばね43は、駆動可動体41の第1象限E1に位置する部分を支持する第1駆動ばねとしての駆動ばね432と、駆動可動体41の第2象限E2に位置する部分を支持する第2駆動ばねとしての駆動ばね431と、駆動可動体41の第3象限E3に位置する部分を支持する第3駆動ばねとしての駆動ばね434と、駆動可動体41の第4象限E4に位置する部分を支持する第4駆動ばねとしての駆動ばね433と、を有する。そして、駆動ばね431~434の少なくとも1つに第1調整部5が形成されている。このような構成によれば、4つの駆動ばね431~434によってバランスよく駆動可動体41を支持することができる。そのため、クアドラチャが生じ難くなる。
As described above, the virtual axis that intersects the center O41 of the driving
また、前述したように、第1象限E1および第2象限E2と、第3象限E3および第4象限E4と、が仮想X軸Lxを挟んで配置され、駆動ばね431および駆動ばね432に第1調整部5が形成されている。このように、仮想X軸Lxに対して一方側に位置する2つの駆動ばね431、432に第1調整部5を形成することにより、Y軸方向へのクアドラチャをより効果的に抑制することができる。
Further, as described above, the first quadrant E1 and the second quadrant E2, and the third quadrant E3 and the fourth quadrant E4 are arranged with the virtual X-axis Lx interposed therebetween. An adjusting
また、前述したように、慣性センサー1は、X軸に沿う方向に並んで配置されている2つの構造体40A、40Bを有し、一方の構造体40Aに含まれる駆動可動体41と他方の構造体40Bに含まれる駆動可動体41とがX軸に沿う方向に逆相で振動する。これにより、駆動可動体41同士で振動をキャンセルすることができるため、振動漏れが抑制され、より優れた角速度ωzの検出特性を有する慣性センサー1となる。
In addition, as described above, the
また、前述したように、一方の構造体40Aでは、第1調整部5が形成されている駆動ばね431、432が仮想X軸Lxに対して一方側、本実施形態ではY軸方向プラス側に位置し、他方の構造体40Bでは、第1調整部5が形成されている駆動ばね431、432が仮想X軸Lxに対して他方側、本実施形態ではY軸方向マイナス側に位置している。このように、構造体40Aと構造体40Bとで第1調整部5を形成する駆動ばねを対称的に配置することにより、クアドラチャをより効果的に抑制することができる。
Further, as described above, in one
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態の慣性センサーを示す平面図である。図9は、第2調整部を示す斜視図である。
<Second embodiment>
FIG. 8 is a plan view showing the inertial sensor of the second embodiment. FIG. 9 is a perspective view showing a second adjusting section;
本実施形態は、駆動可動体41に形成されている第2調整部6を有すること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8および図9において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
This embodiment is the same as the above-described first embodiment except that the
図8に示すように、本実施形態の慣性センサー1は、駆動可動体41の重心Gの位置を調整する第2調整部6を有する。例えば、大きなクアドラチャが生じている場合には第1調整部5だけではクアドラチャをキャンセルしきれない場合がある。そこで、慣性センサー1は、さらに第2調整部6を設けて、第1調整部5との協働によりクアドラチャを効果的に抑制している。第2調整部6は、第1調整部5でキャンセルしきれなかったクアドラチャを、駆動可動体41の重心Gの位置をずらすことによりキャンセルする。
As shown in FIG. 8 , the
図8に示すように、第1調整部5によっても矢印Q1で示すクアドラチャが残存した場合、そのクアドラチャをキャンセルするように、構造体40Aでは、駆動可動体41の重心GがY軸方向プラス側へずれるように第2調整部6を形成し、構造体40Bでは、駆動可動体41の重心GがY軸方向マイナス側へずれるように第2調整部6を形成する。これにより、構造体40Aでは、仮想X軸Lxに対してY軸方向プラス側に位置する部分411のモーメントが増大し、反対に、Y軸方向マイナス側に位置する部分412のモーメントが減少することによりクアドラチャが抑制され、構造体40Bでは、仮想X軸Lxに対してY軸方向マイナス側に位置する部分411のモーメントが増大し、反対に、Y軸方向プラス側に位置する部分412のモーメントが減少することによりクアドラチャが抑制される。
As shown in FIG. 8, in the
本実施形態の第2調整部6では、図9に示すように、構造体40Aの駆動可動体41のY軸方向マイナス側の端部がレーザー加工によって削られており、これにより、駆動可動体41の重心GをY軸方向プラス側にずらしている。同様に、構造体40Bの駆動可動体41のY軸方向プラス側の端部がレーザー加工によって削られており、これにより、駆動可動体41の重心GをY軸方向マイナス側にずらしている。
In the
なお、第2調整部6の構成としては、駆動可動体41の重心Gの位置をずらすことができれば、上述の構成に限定されない。例えば、構造体40Aの駆動可動体41のY軸方向プラス側の端部に金属膜等の錘を配置して重心GをY軸方向プラス側にずらし、構造体40Bの駆動可動体41のY軸方向マイナス側の端部に金属膜等の錘を配置して重心GをY軸方向マイナス側にずらしてもよい。
The configuration of the
以上のように、本実施形態の慣性センサー1は、駆動可動体41の重心位置を調整する第2調整部6を有する。第1調整部5だけではキャンセルしきれないクアドラチャであっても、第1調整部5と第2調整部6との協働によりクアドラチャを効果的に抑制することができる。
As described above, the
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。 Such a second embodiment can also exhibit the same effect as the first embodiment described above.
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の慣性センサーが有する第3調整部を示す斜視図である。
<Third Embodiment>
FIG. 10 is a perspective view showing a third adjuster included in the inertial sensor of the third embodiment;
本実施形態は、検出部47に形成されている第3調整部8を有すること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
This embodiment is the same as the above-described first embodiment except that the
図10に示すように、本実施形態の慣性センサー1は、検出部47に形成され、静電容量Ca、Cbを調整する第3調整部8を有する。例えば、シリコン基板400のエッチング精度に起因した形状ずれが生じ、自然状態の静電容量Ca、Cbに差が生じると、その差分に応じた不要信号が生じる。そこで、本実施形態では、静電容量Ca、Cbの差が小さくなるように、好ましくは静電容量Ca、Cbが等しくなるように、検出部47に第3調整部8を形成している。自然状態での静電容量Ca、Cbの差が小さい程、第1、第2固定検出電極476、477が接続されているチャージアンプのゲインを上げても信号飽和し難くなり、ノイズを低減することができる。なお、本実施形態では、第3調整部8を形成する前は、Ca>Cbである。
As shown in FIG. 10, the
本実施形態の第3調整部8では、第1固定検出電極476の一部がレーザー加工によって削られている。これにより、第1固定検出電極476と電極指471との対向面積が減少すると共に、これらの平均離間距離が増大し、静電容量Caが減少する。そのため、静電容量Ca、Cbの差を小さくすることができる。
In the
なお、第3調整部8の構成としては、静電容量Ca、Cbの差を小さくすることができれば、上述の構成に限定されない。例えば、第2固定検出電極477の表面に金属膜を成膜して、第2固定検出電極477と電極指471との対向面積を増加させると共に、これらの平均離間距離を減少させ、静電容量Cbを静電容量Caと等しくなるように増大させてもよい。
Note that the configuration of the
以上のように、本実施形態の慣性センサー1は、可動検出電極470と固定検出電極475との間の静電容量Ca、Cbを調整する第3調整部8を有する。これにより、静電容量Ca、Cbの差を小さくすることができ、ノイズを低減することができる。
As described above, the
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。 Such a third embodiment can also exhibit the same effect as the first embodiment described above.
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態のスマートフォンを示す平面図である。
<Fourth Embodiment>
FIG. 11 is a plan view showing the smart phone of the fourth embodiment.
図11に示すスマートフォン1200には、慣性センサー1と、慣性センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1210と、が内蔵されている。慣性センサー1によって検出された検出データは、制御回路1210に送信され、制御回路1210は、受信した検出データからスマートフォン1200の姿勢や挙動を認識して、表示部1208に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。
A
このような電子機器としてのスマートフォン1200は、慣性センサー1を有する。そのため、前述した慣性センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
A
なお、慣性センサー1を内蔵する電子機器としては、特に限定されず、スマートフォン1200以外にも、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、タブレット端末、時計、スマートウォッチ、インクジェットプリンタ、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、車両、航空機、船舶等の各種計器類、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等が挙げられる。
In addition, the electronic device incorporating the
<第5実施形態>
図12は、第5実施形態の慣性計測装置を示す分解斜視図である。図13は、図12に示す慣性計測装置が有する基板の斜視図である。
<Fifth Embodiment>
FIG. 12 is an exploded perspective view showing the inertial measurement device of the fifth embodiment. 13 is a perspective view of a substrate included in the inertial measurement device shown in FIG. 12. FIG.
図12に示す慣性計測装置2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの被装着装置の姿勢や、挙動を検出する慣性計測装置である。慣性計測装置2000は、3軸加速度センサーおよび3軸角速度センサーを備えた6軸モーションセンサーとして機能する。
An inertial measurement unit 2000 (IMU: Inertial Measurement Unit) shown in FIG. 12 is an inertial measurement unit that detects the posture and behavior of a wearable device such as an automobile or a robot.
慣性計測装置2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測装置2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
The
慣性計測装置2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。アウターケース2100の外形は、前述した慣性計測装置2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
The
センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を抑制するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
The
図13に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。そして、これら各センサーとして、本開示の慣性センサーを用いることができる。
As shown in FIG. 13, on the upper surface of the
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、慣性計測装置2000の各部を制御する。記憶部には、加速度および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320にはその他にも複数の電子部品が実装されている。
A
<第6実施形態>
図14は、第6実施形態の移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。図15は、図14に示す移動体測位装置の作用を示す図である。
<Sixth embodiment>
FIG. 14 is a block diagram showing the overall system of the mobile positioning device of the sixth embodiment. 15A and 15B are diagrams showing the operation of the mobile positioning device shown in FIG.
図14に示す移動体測位装置3000は、移動体に装着して用い、当該移動体の測位を行うための装置である。なお、移動体としては、特に限定されず、自転車、自動車、自動二輪車、電車、飛行機、船等のいずれでもよいが、本実施形態では移動体として四輪自動車を用いた場合について説明する。
A mobile
移動体測位装置3000は、慣性計測装置3100(IMU)と、演算処理部3200と、GPS受信部3300と、受信アンテナ3400と、位置情報取得部3500と、位置合成部3600と、処理部3700と、通信部3800と、表示部3900と、を有している。なお、慣性計測装置3100としては、例えば、前述した慣性計測装置2000を用いることができる。
The
慣性計測装置3100は、3軸の加速度センサー3110と、3軸の角速度センサー3120と、を有している。演算処理部3200は、加速度センサー3110からの加速度データおよび角速度センサー3120からの角速度データを受け、これらデータに対して慣性航法演算処理を行い、移動体の加速度および姿勢を含む慣性航法測位データを出力する。
The
また、GPS受信部3300は、受信アンテナ3400を介してGPS衛星からの信号を受信する。また、位置情報取得部3500は、GPS受信部3300が受信した信号に基づいて、移動体測位装置3000の位置(緯度、経度、高度)、速度、方位を表すGPS測位データを出力する。このGPS測位データには、受信状態や受信時刻等を示すステータスデータも含まれている。
位置合成部3600は、演算処理部3200から出力された慣性航法測位データおよび位置情報取得部3500から出力されたGPS測位データに基づいて、移動体の位置、具体的には移動体が地面のどの位置を走行しているかを算出する。例えば、GPS測位データに含まれている移動体の位置が同じであっても、図15に示すように、地面の傾斜θ等の影響によって移動体の姿勢が異なっていれば、地面の異なる位置を移動体が走行していることになる。そのため、GPS測位データだけでは移動体の正確な位置を算出することができない。そこで、位置合成部3600は、慣性航法測位データを用いて、移動体が地面のどの位置を走行しているのかを算出する。
Based on the inertial navigation positioning data output from the
位置合成部3600から出力された位置データは、処理部3700によって所定の処理が行われ、測位結果として表示部3900に表示される。また、位置データは、通信部3800によって外部装置に送信されるようになっていてもよい。
The position data output from the
<第7実施形態>
図16は、第7実施形態の移動体を示す斜視図である。
<Seventh embodiment>
FIG. 16 is a perspective view showing the moving body of the seventh embodiment.
図16に示す移動体としての自動車1500は、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステム1510を含んでいる。また、自動車1500には、慣性センサー1が内蔵されており、慣性センサー1によって車体の姿勢を検出することができる。慣性センサー1の検出信号は、制御装置1502に供給され、制御装置1502は、その信号に基づいてシステム1510を制御することができる。このように、移動体としての自動車1500は、慣性センサー1を有する。そのため、前述した慣性センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
An
なお、慣性センサー1は、他にも、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。また、移動体としては、自動車1500に限定されず、例えば、飛行機、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二足歩行ロボット、ドローン等の無人飛行機等にも適用することができる。
In addition, the
以上、本発明の慣性センサー、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前述した実施形態では、慣性センサーとして、角速度を検出する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、加速度を検出する構成であってもよい。 Although the inertial sensor, the electronic device, and the moving object of the present invention have been described above based on the illustrated embodiments, the present invention is not limited to this, and the configuration of each part can be any configuration having similar functions. can be replaced with Further, in the above-described embodiment, the inertial sensor is configured to detect angular velocity, but is not limited to this, and may be configured to detect acceleration, for example.
1…慣性センサー、2…基板、21…凹部、3…蓋、31…凹部、32…貫通孔、33…封止材、39…接合材、4…センサー素子、40A、40B…構造体、400…シリコン基板、41…駆動可動体、411、412…部分、42、421~424…固定部、43、431~434…駆動ばね、431a、432a…梁、431b、432b…接続部、44…駆動部、440~444…可動駆動電極、445~449…固定駆動電極、446a~449a…第1固定駆動電極、446b~449b…第2固定駆動電極、45…検出可動体、46、461~464…検出ばね、47…検出部、470…可動検出電極、471…電極指、475…固定検出電極、476…第1固定検出電極、477…第2固定検出電極、48…可動体、5…第1調整部、6…第2調整部、71~75…配線、8…第3調整部、1200…スマートフォン、1208…表示部、1210…制御回路、1500…自動車、1502…制御装置、1510…システム、2000…慣性計測装置、2100…アウターケース、2110…ネジ穴、2200…接合部材、2300…センサーモジュール、2310…インナーケース、2311…凹部、2312…開口、2320…基板、2330…コネクター、2340x、2340y、2340z…角速度センサー、2350…加速度センサー、2360…制御IC、3000…移動体測位装置、3100…慣性計測装置、3110…加速度センサー、3120…角速度センサー、3200…演算処理部、3300…GPS受信部、3400…受信アンテナ、3500…位置情報取得部、3600…位置合成部、3700…処理部、3800…通信部、3900…表示部、D、E…矢印、E1…第1象限、E2…第2象限、E3…第3象限、、E4…第4象限、G…重心、Lx…仮想X軸、Ly…仮想Y軸、O、O41…中心、P…電極パッド、Q、Q1…矢印、S…収納空間、t、t1、t2…厚さ、V1、V2、V3…電圧、θ…傾斜、ωz…角速度
DESCRIPTION OF
Claims (9)
基板と、
前記基板に配置されている構造体と、を有し、
前記構造体は、
前記基板と前記Z軸に沿って対向して配置されている駆動可動体と、
前記駆動可動体に支持されている可動検出電極と、
前記基板に設けられ、前記可動検出電極と前記Y軸に沿う方向に対向している固定検出電極と、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に変位可能に支持している駆動ばねと、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に振動させる駆動部と、
前記駆動ばねのばね定数を調整する第1調整部と、
前記駆動可動体の重心位置を調整する第2調整部と、を有することを特徴とする慣性センサー。 When the three mutually orthogonal axes are the X-axis, Y-axis and Z-axis,
a substrate;
a structure arranged on the substrate;
The structure is
a driving movable body disposed facing the substrate along the Z-axis;
a movable detection electrode supported by the driving movable body;
a fixed detection electrode provided on the substrate and facing the movable detection electrode in a direction along the Y-axis;
a drive spring supporting the movable drive body so as to be displaceable in a direction along the X-axis;
a driving unit that vibrates the driving movable body in a direction along the X-axis;
a first adjustment unit that adjusts the spring constant of the drive spring;
and a second adjustment unit that adjusts the position of the center of gravity of the driving movable body .
基板と、
前記基板に配置されている構造体と、を有し、
前記構造体は、
前記基板と前記Z軸に沿って対向して配置されている駆動可動体と、
前記駆動可動体に支持されている可動検出電極と、
前記基板に設けられ、前記可動検出電極と前記Y軸に沿う方向に対向している固定検出電極と、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に変位可能に支持している駆動ばねと、
前記駆動可動体を前記X軸に沿う方向に振動させる駆動部と、
前記駆動ばねのばね定数を調整する第1調整部と、
前記可動検出電極と前記固定検出電極との間の静電容量を調整する第3調整部と、を有することを特徴とする慣性センサー。 When the three mutually orthogonal axes are the X-axis, Y-axis and Z-axis,
a substrate;
a structure arranged on the substrate;
The structure is
a driving movable body disposed facing the substrate along the Z-axis;
a movable detection electrode supported by the driving movable body;
a fixed detection electrode provided on the substrate and facing the movable detection electrode in a direction along the Y-axis;
a drive spring supporting the movable drive body so as to be displaceable in a direction along the X-axis;
a driving unit that vibrates the driving movable body in a direction along the X-axis;
a first adjustment unit that adjusts the spring constant of the drive spring;
and a third adjuster that adjusts the capacitance between the movable detection electrode and the fixed detection electrode .
前記第1調整部の前記Z軸に沿う方向の厚さは、前記第1調整部以外の領域における前記駆動ばねの前記Z軸に沿う方向の厚さよりも薄い請求項1または2に記載の慣性センサー。 The first adjusting portion has a curved surface,
3. The inertia according to claim 1, wherein the thickness of the first adjustment portion in the direction along the Z-axis is thinner than the thickness of the drive spring in the direction along the Z-axis in a region other than the first adjustment portion. sensor.
前記駆動可動体の中心と交わり、前記Y軸に沿う仮想軸を仮想Y軸とし、
前記仮想X軸および前記仮想Y軸で区画される4つの象限を第1象限、第2象限、第3象限および第4象限としたとき、
前記駆動ばねは、
前記駆動可動体の前記第1象限に位置する部分を支持する第1駆動ばねと、
前記駆動可動体の前記第2象限に位置する部分を支持する第2駆動ばねと、
前記駆動可動体の前記第3象限に位置する部分を支持する第3駆動ばねと、
前記駆動可動体の前記第4象限に位置する部分を支持する第4駆動ばねと、を有し、
前記第1駆動ばね、前記第2駆動ばね、前記第3駆動ばねおよび前記第4駆動ばねの少なくとも1つに前記第1調整部が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の慣性センサー。 A virtual axis that intersects the center of the driving movable body and is along the X axis is defined as a virtual X axis,
A virtual Y-axis is defined as a virtual axis that intersects the center of the driving movable body and is along the Y-axis;
When the four quadrants partitioned by the virtual X-axis and the virtual Y-axis are the first quadrant, the second quadrant, the third quadrant, and the fourth quadrant,
The drive spring is
a first drive spring that supports a portion of the drive movable body located in the first quadrant;
a second drive spring that supports a portion of the drive movable body located in the second quadrant;
a third drive spring that supports a portion of the drive movable body located in the third quadrant;
a fourth drive spring that supports a portion of the drive movable body located in the fourth quadrant;
4. The first adjusting portion according to any one of claims 1 to 3 , wherein at least one of the first drive spring, the second drive spring, the third drive spring and the fourth drive spring is formed with the first adjusting portion. inertial sensor.
前記第1駆動ばねおよび前記第2駆動ばねに前記第1調整部が形成されている請求項4に記載の慣性センサー。 The first quadrant and the second quadrant, and the third quadrant and the fourth quadrant are arranged with the virtual X axis interposed therebetween,
5. The inertial sensor according to claim 4 , wherein the first adjustment portion is formed in the first drive spring and the second drive spring.
一方の前記構造体に含まれる前記駆動可動体と他方の前記構造体に含まれる前記駆動可動体とが前記X軸に沿う方向に逆相で振動する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の慣性センサー。 having two structures arranged side by side in a direction along the X-axis;
6. The movable drive body included in one of the structure bodies and the movable drive body included in the other structure body vibrate in opposite phases in the direction along the X-axis. Inertial sensor as described.
前記他方の構造体では、前記第1調整部が形成されている前記駆動ばねが前記仮想X軸に対して他方側に位置している請求項6に記載の慣性センサー。 In the one structure, the drive spring in which the first adjusting portion is formed is located on one side with respect to the virtual X axis,
7. The inertial sensor according to claim 6 , wherein, in said other structure, said drive spring in which said first adjusting portion is formed is located on the other side with respect to said virtual X-axis.
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