図1は、ボイラの一般的な構成を説明する説明図である。
本実施例に記載するボイラ100は、石炭などの燃料を燃焼させて高温ガスを生成するバーナ101と、給水(または蒸気)を加熱して蒸気を生成する(または蒸気を更に加熱する)複数のバンクとを有する。なお、本実施例におけるバンクとは、高温ガスと給水(または蒸気)との間で熱交換し、給水から蒸気を生成する(または蒸気を更に加熱する)熱交換器である。
なお、図1に記載する太い実線は、バンクの伝熱管を示すものであり、チューブと称する場合もある。
本実施例におけるバンクには、節炭器109、水壁102、ケージ壁110、一次加熱器108、二次加熱器103、三次加熱器104、四次加熱器105、一次再熱器107、二次再熱器106、天井壁113がある。
なお、バーナ101にて生成された高温ガスは、ボイラ100における複数のバンクにて、熱交換(給水または蒸気へ伝熱)しつつ、上流から下流に流れる。このため高温ガスの温度は、下流ほど低下する。そして、高温ガスは、最終的には、排ガスとして、ガスダンパ111から排出される。
以下、高温ガスの流れにそって、各バンクを説明する。
水壁102は、ボイラ100の内壁に沿って設置される伝熱管である。また、二次過熱器103は、ボイラ100の高温ガスの流路に吊り下がるように設置される伝熱管(集合体)である。同様に、三次過熱器104、四次過熱器105、二次再熱器106も、ボイラ100の高温ガスの流路に吊り下がるように設置される伝熱管(集合体)である。
これより下流(二次再熱器106より下流)を、つまり、二次再熱器106の下流からガスダンパ111までを「後部伝面」と称する。後部伝面では隔離壁112によって、高温ガスの流路が二つに分けられる。それぞれの流路における高温ガスの流量の配分は、ガスダンパ111の開度によって調整される。
後部伝面の一方には、伝熱管である一次再熱器107が設置される。また、後部伝面の他方には、伝熱管である一次過熱器108や伝熱管である節炭器109が設置される。また、ケージ壁110は、後部伝面の内壁に沿って設置される伝熱管である。
なお、天井壁113も、ボイラ100の上部(天井)に沿って設置される伝熱管である。
また、蒸気の流れにそって、各バンクを説明する。
ボイラ100への蒸気(給水)は、節炭器109、水壁102、ケージ壁110、一次過熱器108、二次過熱器103、三次過熱器104、四次過熱器105と流れる。
四次過熱器105の出口蒸気は、高圧蒸気タービン(図示せず)へ流れる。四次過熱器105の出口蒸気の熱エネルギーが、高圧蒸気タービンの回転動力に使用されるため、高圧蒸気タービンの出口蒸気は、高圧蒸気タービンの入口蒸気よりも、温度が低下する。高圧蒸気タービンの出口蒸気は、再び、一次再熱器107、二次再熱器106に流れ、加熱される。
二次再熱器106の出口蒸気は、中低圧蒸気タービン(図示せず)へ流れる。二次再熱器106の出口蒸気の熱エネルギーが、中低圧蒸気タービンの回転動力に使用されるため、中低圧蒸気タービンの出口蒸気は、中低圧蒸気タービンの入口蒸気よりも、温度が低下する。中低圧蒸気タービンの出口蒸気は、再び、節炭器109に流れ、加熱される。
なお、図1では、各バンクを接続する蒸気配管は省略する。
また、例えば、二次過熱器103、三次過熱器104、四次過熱器105、二次再熱器106のような、いくつかのバンクには、入口と出口とに蒸気ヘッダ(入口蒸気ヘッダおよび出口蒸気ヘッダ)が設置される。蒸気ヘッダには、複数の伝熱管が接続され、各伝熱管から流れ込んだ蒸気が、蒸気ヘッダの内部で混合される。これにより、各伝熱管の間の蒸気温度差を均一にすることができる。
図2は、ボイラを構成するバンクの一般的な構成を説明する説明図であり、出口蒸気ヘッダと伝熱管との関係を模式的に示した模式図である。なお、この模式図は、図1に記載した二次再熱器106を後側から俯瞰したものである。
このように、ボイラ100の炉幅方向に、多数の伝熱管が設置され、伝熱管の出口側は、出口蒸気ヘッダに接続される。出口蒸気ヘッダは炉外にあり、伝熱管は天井壁113を突き抜けるように設置される。
伝熱管の炉内側(天井壁113の内側)には高温ガスが流れており、伝熱管の内部(高温ガスとの伝熱領域)を流れる蒸気を加熱する。
一方、伝熱管の炉外側(天井壁113の外側)には高温ガスは流れていないため、炉外側は、炉内側に比較すると、周囲の温度は低い。そこで、炉外側に、伝熱管のメタル温度を測定するメタル温度センサを設置する。なお、炉内側は周囲の温度が高いため、メタル温度センサは設置できない。メタル温度センサは、伝熱管の表面に設置され、その上から炉外側に設置される伝熱管の全体に保温材を巻回する。
本実施例では、メタル温度センサにより測定されるメタル温度は、高温ガスの影響が小さいため、伝熱管の内部を流れる蒸気温度に連動して変化する(なお、炉内側の熱が、伝熱管を伝わるため、多少の影響はある)。メタル温度センサは、炉幅方向に対する蒸気温度の分布が把握できる程度に、複数の伝熱管に設置される。
このようにメタル温度センサは、複数の伝熱管に設置されており、炉幅方向の蒸気温度の分布が把握できるため、メタル温度センサが設置されるブロックにおける炉幅方向の蒸気温度の変化を容易に検知することができる。
出口蒸気ヘッダで混合される蒸気は、出口蒸気ヘッダの左右から流れ、次のバンクの入口蒸気ヘッダ(本実施例では中低圧蒸気タービン)へ流れる。
蒸気温度センサは、出口蒸気ヘッダの出口蒸気(二次再熱器106の出口蒸気)の蒸気温度を測定するものであり、出口蒸気ヘッダから次のバンクの入口蒸気ヘッダ(本実施例では中低圧蒸気タービン)への間に形成される(出口蒸気ヘッダの出口近傍の)蒸気配管に設置される。
なお、本実施例では、蒸気温度センサは、出口蒸気ヘッダの左右(2箇所)に設置させる。
図3は、ボイラチューブリーク診断システムの構成を説明する説明図である。
本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システム1は、ボイラチューブリーク診断の対象であるボイラ100を制御する制御装置3からボイラ100のセンサ情報を受信する。なお、センサ情報とは各種センサが測定した測定値(センサデータ)である。
また、入出力装置4は、ボイラチューブリーク診断システム1が診断した診断結果をユーザに提示するための入出力装置である。なお、この入出力装置4にて、ユーザは、ユーザが要求(入力)するバンクを選択することができる。
次に、ボイラチューブリーク診断システム1は、入力データ作成部11、異常度計算部12、異常判定部13を有する。
入力データ作成部11は、制御装置3を介して、ボイラ100のセンサ情報を入力し、チューブリーク診断で使用する入力データを作成する。
異常度計算部12は、入力データ作成部11にて作成された入力データに基づいて、異常度および異常寄与度を計算する。ここで異常度とは、正常時のデータパターンと入力データに基づいて作成されたデータパターンとを比較した際の違いを数値化したものである。また、異常寄与度とは、異常度の変動に対して、各要因がどれだけ影響しているかを表すものである。
なお、異常度計算部12は、ボイラ100を構成する各バンクの収熱量や、各バンクの複数個所のメタル温度から各バンクの収熱分布を計算する。
異常判定部13は、異常度計算部12にて計算された異常度および異常寄与度に基づいて、チューブリークを診断する。ここでチューブリーク診断とは、チューブリークの発生を検知すること、および、チューブリークの位置を特定することである。
各部の処理を説明する前に、ボイラ100のセンサ情報に基づいて、チューブリークの位置を特定する方法の概要を説明する。
本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システム1は、ボイラ100のセンサ情報のデータパターン認識に基づいて異常を判定する。つまり、チューブリークに影響するボイラ100のセンサ情報について、予め正常時におけるボイラ100のセンサ情報のデータパターン(各バンクの収熱量のデータパターン、各バンクの収熱分布のデータパターン、各バンクの局所収熱量のデータパターン)を学習する。
そして、異常を判定する処理においては、入力されたボイラ100のセンサ情報のデータパターンと、予め学習した正常時におけるボイラ100のセンサ情報のデータパターンと、を比較し、その差が所定値(事前に設定される設定値)を超えた場合に異常と判定する。
なお、異常判定部13は、事前に学習した正常時の各バンクの収熱量と、異常度計算部12にて計算された各バンクの収熱量とを比較し、計算された各バンクの収熱量が、正常時の各バンクの収熱量から逸脱しているか否かを、異常度および異常寄与度として、判定する。
また、異常判定部13は、事前に学習した正常時の各バンクの収熱分布と、異常度計算部12にて計算された各バンクの収熱分布とを比較し、計算された各バンクの収熱分布が、正常時の各バンクの収熱分布から逸脱しているか否かを、異常度および異常寄与度として、判定する。
本実施例では、こうした異常判定処理として、例えば、国際公開WO2018/051568A1号公報に記載されている、一つのパターン認識であるクラスタリングを使用した異常判定処理を使用することができる。
この異常判定処理は、入力されたパターンと正常時のパターンとを比較し、その差分に基づいて異常度を求めるものである。さらに、入力される情報(データ)ごとの、例えば、入力されるセンサ情報(センサデータ)ごとの異常寄与度も求めることができる。この異常判定処理は、異常度が増加したことにより、異常の発生を検知し、さらに、センサ情報(センサデータ)ごとの異常寄与度により、どのセンサ情報(センサデータ)が異常かを判定することができる。
ここで異常寄与度は、センサ情報(センサデータ)ごとの異常寄与度を合計した値が、異常度と一致するように規格化されている。つまり、異常度は、複数のセンサ情報(センサデータ)をまとめた全体に対して、正常との相違を表現するものであり、一方、異常寄与度は、異常度に対するセンサ情報(センサデータ)の内訳である。
次に、パターン認識を使用したチューブリークの位置を特定する位置特定方法(発生部位特定方法)を説明する。
本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システム1は、ボイラ100の内部に設置される各バンクのセンサ情報に基づいて、チューブリークの位置を特定する。
そして、ボイラチューブリーク診断システム1は、チューブリークが発生したバンクに設置されるメタル温度センサにて測定されるセンサ情報の変化傾向を捉えることを目的とした解析を行う。この解析は二つの視点で行う。
一つ目(視点1)は、ボイラ100の内部に設置される複数のバンクにおける相互関係の変化を捉えるものである。チューブリークの発生時に限らず、正常時においても各バンクの収熱量は相互に影響する。
高温ガス側から見た場合、あるバンクの収熱量が低下すると、高温ガスから蒸気への伝熱量が低下する。これに伴い、このバンクの下流の高温ガスの温度は、通常より上昇する。このため、このバンクの下流のバンクでは、通常より高温の高温ガスが供給されることになり、収熱量が増加する傾向になる。
また、蒸気側から見た場合、あるバンクの収熱量が低下すると、バンクの出口蒸気温度が低下する。このため、このバンクの下流のバンクでは、通常より低温の蒸気が供給されることになり、蒸気と高温ガスとの温度差が通常より大きくなり、収熱量が増加する傾向になる。
本実施例に記載するボイラ100では、高温ガスの流れ方向(各バンクに触れる高温ガスの流れ方向)と、蒸気の流れ方向(各バンクを流れる蒸気の流れ方向)とは異なる。つまり、各バンクに触れる高温ガスが高温から低温へと温度を下げつつ流れる方向と、各バンクを流れる蒸気が低温から高温へと温度を上げつつ流れる方向とが異なることになる。このため、各バンクが相互に影響し、各バンクにおける収熱量は変化する。この関係性は非常に複雑である。
そして、チューブリークが発生すると、バンクの伝熱管の内部を流れる蒸気の流量が低下し、その下流のバンクも影響し、同様にこの下流のバンクの伝熱管の内部を流れる蒸気の流量も低下する。
また、チューブリークが発生すると、高温ガスには蒸気が混入するため、高温ガスの流量が増加し、高温ガスの温度は低下する。また、高温ガスには蒸気が混入するため、水分が多く含まれることになり、粘性係数などの熱伝達特性も変化する。
このように、チューブリークが発生すると、蒸気が高温ガスに混入し、蒸気が混入した高温ガスは、チューブリークの位置の下流に設置されたバンクにも影響する。
また、チューブリークの発生を検知するために有効なメタル温度も、様々な要因により変動する。例えば、チューブリークの発生を検知するために有効なメタル温度は、次のような変動要因を有する。
1つの要因は、バーナ101における火炎の揺らぎである。特に、石炭などの燃料を燃焼させて高温ガスを生成するバーナ101は、出力が一定の場合であっても、ミルにおける石炭粉砕性能の変動や炭種変更に伴う燃焼特性の変動があり、火炎は常に揺らぐ。火炎が揺らぐと、高温ガスの温度分布も変動し、これにより、メタル温度も変動する。
また、1つの要因は、スートブロワである。スートブロワとは、石炭などの燃料を燃焼させるボイラ100において、バンクの伝熱管の表面に付着した灰を落とすため、運転中に高温の蒸気をバンクの伝熱管に噴射する動作である。スートブロワが動作されたバンクでは、瞬間的に収熱量が上昇し、再び、灰が付着すると、収熱量が低下する。この収熱量の変動に伴い、メタル温度も変動する。
つまり、メタル温度であっても、チューブリークの発生を検知するためには、必ずしも有効であるとは限らない。
また、チューブリークの発生を検知するための給水流量も、例えば、次のような変動要因を有する。給水流量は、負荷指令値におけるフィードフォワード制御に加え、ボイラ100の出口の蒸気温度や蒸気圧力のフィードバック制御により制御されている。例えば、火炎の揺らぎにより蒸気温度や蒸気圧力が変動すれば、これに伴い給水流量も変動する。
また、バンクは、多数の伝熱管で構成され、初期のチューブリーク、つまり、1本の伝熱管が破損した時点のチューブリークにおける給水流量は、全体の1%にも満たない場合がある。チューブリークによって生じる給水流量の変化は小さく、正常時の変動の範囲内に収まるため、給水流量では、チューブリークの発生を検知することが難しい。
つまり、給水流量を検知しても、チューブリークの発生を検知するためには、必ずしも有効であるとは限らない。
つまり、チューブリークの発生時に限らず、正常時においても各バンクの収熱量は相互に影響する。また、チューブリークが発生すると、チューブリークが発生したバンクのみならず、ボイラ100の内部に設置される全てのバンクに影響し、これらバンクの収熱バランスが変化する。
このような全てのバンクの収熱バランスの変化を、パターン認識を使用して解析する。
図4は、バンクの全体挙動解析における入出力関係を説明する説明図であり、パターン認識処理における入出力データを示したものである。
入力としては、水壁102の収熱量、二次過熱器103の収熱量、三次過熱器104の収熱量、四次過熱器105の収熱量、二次再熱器106の収熱量、一次再熱器107の収熱量、一次過熱器108の収熱量、節炭器109の収熱量、ケージ壁110の収熱量である。
なお、収熱量(Q:kW)は、各バンクに設置した蒸気温度センサからのセンサ情報に基づいて計算することができる。使用するセンサ情報は、入口蒸気温度(Tin:℃)、出口蒸気温度(Tout:℃)、蒸気流量(F:Kg/s)、蒸気圧力(P:MPa)であり、次の式(1)~(3)により計算する。
なお、Houtは出口蒸気エンタルピ(kJ/kg)、Hinは入口蒸気エンタルピ(kJ/kg)、Func( )は、エンタルピの蒸気関数である。
一方、出力としては、全てバンクに対する異常度、および、その異常度に対する各バンクの異常寄与度である。つまり、出力としては、入力全体の異常度、および、各入力(バンク)の異常寄与度(水壁102、二次過熱器103、三次過熱器104、四次過熱器105、二次再熱器106、一次再熱器107、一次過熱器108、節炭器109、ケージ壁110)である。
これにより、全てのバンクの収熱バランスが、正常時の状態から逸脱しているか、また、正常時の状態から逸脱している場合には、どのバンクが逸脱しているかを判定することができる。
二つ目(視点2)は、各バンクにおける収熱量の炉幅方向に対する分布(収熱分布)を捉えた解析である。ここで収熱分布とは、図2に記載した各バンクにおける収熱量の炉幅方向に対する分布を意味する。
上記したように、伝熱管の出口部のメタル温度は、伝熱管の内部の出口蒸気温度と連動して変化する。したがって、各バンクの各伝熱管におけるメタル温度の炉幅方向に対する分布から、出口蒸気温度の炉幅方向に対する分布、すなわち、収熱量の炉幅方向に対する分布を把握することができる。
実際のボイラ100では、炉幅方向の出口蒸気温度は均一にならないことが多い。これは、バーナ101における火炎の広がりに伴い、高温ガスの温度に分布が生じること、また、入口蒸気ヘッダから各伝熱管に流入する蒸気の流量が、必ずしも均一にならないこと、などの影響が作用しているためである。
チューブリークが発生すると、伝熱特性は炉幅方向に対して局所的に変化する。例えば、バンクの左側でリークが生じた場合、バンクの左側では伝熱特性の変化がみられるものの、バンクの右側では伝熱特性の変化はあまりみられない。このため、出口蒸気温度の炉幅方向に対する分布は、正常時と比較すると、局所的に一部分のみが変化した状態となる。
このような各バンクにおける収熱量の炉幅方向に対する分布を、パターン認識を使用して解析する。
図5は、バンクの局所挙動解析における入出力関係を説明する説明図であり、パターン認識処理における入出力データを示したものである。この解析では、各バンクに対して、パターン認識処理を実施する。
図5に記載する(a)水壁は、図1に記載する水壁102に対する解析であり、図5に記載する(b)二次過熱器は、図1に記載する二次過熱器103に対する解析である。同様に、三次過熱器104等についても、パターン認識処理が実施される。ここでは、水壁102および二次過熱器103について記載する。
(a)水壁の入力としては、水壁102の伝熱管に設置した複数のメタル温度センサが測定したメタル温度である。例えば、水壁出口メタル温度1、水壁出口メタル温度2、・・、水壁出口メタル温度20のように、水壁102の伝熱管の20カ所(ブロック)にメタル温度センサが設置され、その各メタル温度センサのセンサ情報を入力する。
一方、(a)水壁の出力としては、全体のメタル温度データに対する異常度、および、その異常度に対する各メタル温度センサの異常寄与度である。つまり、入力全体の異常度、および、各入力(メタル温度センサ)の異常寄与度(水壁出口メタル温度1、水壁出口メタル温度2、・・、水壁出口メタル温度20)である。
また、(b)二次過熱器の入力としては、二次過熱器103の伝熱管に設置した複数のメタル温度センサが測定したメタル温度である。例えば、二次過熱器メタル温度1、二次過熱器メタル温度2、・・、二次過熱器メタル温度10のように、二次過熱器103の伝熱管の10カ所(ブロック)にメタル温度センサが設置され、その各メタル温度センサのセンサ情報を入力する。
一方、(b)二次過熱器の出力としては、全体のメタル温度データに対する異常度、および、その異常度に対する各メタル温度センサの異常寄与度である。つまり、入力全体の異常度、および、各入力(メタル温度センサ)の異常寄与度(二次過熱器メタル温度1、二次過熱器メタル温度2、・・、二次過熱器メタル温度10)である。
これにより、メタル温度の炉幅方向に対する分布が、正常時の状態から逸脱しているか、また、正常時の状態から逸脱している場合には、どのメタル温度センサのセンサ情報が逸脱しているかを判定することができる。
なお、メタル温度センサは、炉幅方向に対して等間隔に設置されることが好ましい。チューブリークの位置に近いメタル温度センサのセンサ情報が、リークする蒸気に、より多く影響されるため、各メタル温度センサの異常寄与度から、炉幅方向に対するチューブリークの位置を特定することができる。
これにより、例えば、所定のバンクの左、中央、右などのように、大まかなチューブリークの位置を特定することができる。このように、本実施例に記載するボイラチューブリーク診断は、特に、バンクの炉幅方向に対するチューブリークの位置の特定に効果的である。
同様の解析を、各バンクに対して実施することにより、メタル温度の炉幅方向に対する分布が正常時の状態から逸脱しているかを判定することができ、また、正常時の状態から逸脱している場合には、どのメタル温度センサのセンサ情報が逸脱しているかを判定することができる。
このように、本実施例に記載するボイラチューブ診断システムは、二つの視点にて、センサ情報を解析する。前者がボイラ100を構成する全体のバンクの全体的な挙動を解析するのに対して、後者がボイラ100を構成する各々のバンクの局所的な挙動を解析する。
この二つの視点に基づいて、本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システムの処理内容について説明する。
図3に記載したボイラチューブリーク診断システム1では、以下の処理が実行される。
入力データ作成部11は、制御装置3を介して、センサ情報を入力し、パターン認識処理で使用する入力データを作成し、入力データデータベース(以下、データベースをDBと記載する場合がある)14に格納する。
図6Aは、入力データデータベースの全体挙動解析における構成を説明する説明図である。また、図6Bは、入力データデータベースの局所挙動解析における構成を説明する説明図である。
入力データには、二種類あり、図6Aに記載する入力データは全体のバンクの全体的な挙動解析に、図6Bに記載する入力データは各々のバンクの局所的な挙動解析に、使用するものである。本実施例に記載するボイラチューブリーク診断処理は、一定周期(本実施例では1秒ごと)で実行するため、入力データも時系列に格納される。なお、この入力データは入力データ作成部11にて作成される。
図6Aに記載する入力データは、水壁102、二次過熱器103などの各バンクの収熱量である。
なお、収熱量は、式(1)~(3)に示したように、各々のバンクの、入口蒸気ヘッダに設置される蒸気温度センサ、出口蒸気ヘッダに設置される蒸気温度センサ、蒸気流量を測定する蒸気流量センサ、蒸気圧力を測定する蒸気圧力センサ、の各センサからのセンサ情報を使用して計算される。
入力データ作成部11は、各々のバンクの収熱量の計算に必要なセンサ情報を入力し、収熱量を計算し、その結果を入力データDB14に格納する。
一方、図6Bに記載する入力データは、水壁102、二次過熱器103などの各バンクのメタル温度である。この際、この入力データは、設置される複数のメタル温度センサに対応する各ブロックのセンサ情報である。
このように、入力データ作成部11は、センサ情報を入力し、各々のバンクの収熱量を計算し、パターン認識処理に使用する入力データを作成する。
異常度計算部12は、入力データ作成部11にて作成された入力データ(収熱量およびメタル温度)に基づいて、パターン認識処理を使用して、異常度および異常寄与度を計算し、異常度DB15に格納する。
図7Aは、異常度データベースの全体挙動解析における構成を説明する説明図である。また、図7Bは、異常度データベースの局所挙動解析における構成を説明する説明図である。
解析結果には、二種類あり、図7Aに記載する解析結果は全体のバンクの全体的な挙動解析に、図7Bに記載する解析結果は各々のバンクの局所的な挙動解析に、使用するものである。本実施例に記載するボイラチューブリーク診断処理は、一定周期(本実施例では1秒ごと)で実行するため、解析結果も時系列に格納される。なお、この解析結果は、異常度計算部12にて計算(解析)される。
図7Aに記載する解析結果は、ボイラ100の異常度、水壁102、二次過熱器103などの各バンクの異常寄与度である。
一方、図7Bに記載する解析結果は、水壁102の異常度、水壁102に設置される複数のメタル温度センサのそれぞれのセンサ情報に対する異常寄与度、二次過熱器103の異常度、二次過熱器103に設置される複数のメタル温度センサのそれぞれのセンサ情報に対する異常寄与度である。この際、この解析結果は、入力データに対応したものであり、設置される複数のメタル温度センサに対応する各ブロックのセンサ情報に対するものである。
このように、本実施例に記載するパターン認識処理では、ボイラ100の異常度、水壁102、二次過熱器103などの各バンクの異常度、水壁102、二次過熱器103などの各バンクの異常寄与度、水壁102、二次過熱器103などに設置される複数のメタル温度センサのそれぞれのセンサ情報に対する異常寄与度、を解析する。
そして、これら解析結果を、異常度DB15に格納する。
なお、入力データDB14に格納された入力データや異常度DB15に格納された解析結果は、入出力制御部18を介して、入出力装置4に出力される。
図8は、チューブリークの位置を特定するためのロジックを説明する説明図である。
異常判定部13は、異常度計算部12にて計算された異常度および異常寄与度に基づいて、チューブリークの発生を検知し、チューブリークの位置を特定する。
本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システムは、ボイラ100を構成する全体のバンクの全体的な挙動を解析する処理201と、ボイラ100を構成する各々のバンクの局所的な挙動を解析する処理202と、の二つの処理を有する。
処理201では、以下の処理が実行される。
パターン認識処理により、ボイラ100の異常度、水壁102、二次過熱器103などの各バンクの異常寄与度を解析する(S1)。
次に、異常度が所定の閾値を超えたか否かを判定する(S2)。異常度が所定の閾値を超えない場合には、処理は終了する。
一方、異常度が閾値を超えた場合(YES)には、異常寄与度が最大となったバンクを、チューブリークが発生しているバンクと判定し、そのバンクを出力する(S3)。
一方、処理202では、以下の処理が実行される。
パターン認識処理により、例えば、水壁102の異常度および水壁102に設置される複数のメタル温度センサのそれぞれのセンサ情報に対する異常寄与度(バンク1の局所挙動解析)を解析する(S4)。
次に、異常度が所定の閾値を超えたか否かを判定する(S5)。異常度が所定の閾値を超えない場合には、処理は終了する。
一方、異常度が閾値を超えた場合(YES)には、水壁102にチューブリークが発生しているバンクと判定し、そのバンクを出力する。
同様に、パターン認識処理により、例えば、二次過熱器103の異常度および二次過熱器103に設置される複数のメタル温度センサのそれぞれのセンサ情報に対する異常寄与度(バンク2の局所挙動解析)を解析する(S6)。
次に、異常度が所定の閾値を超えたか否かを判定する(S7)。異常度が所定の閾値を超えない場合には、処理は終了する。
一方、異常度が閾値を超えた場合(YES)には、二次過熱器103にチューブリークが発生しているバンクと判定し、そのバンクを出力する。
なお、同様に、三次過熱器104等についてもパターン認識処理により解析する。ここでは、水壁102および二次過熱器103について記載する。
そして、処理201が出力したバンクと、処理202が出力したバンクとを照合し、同じバンクが存在する場合、チューブリークの発生を検知すると共に、チューブリークの位置を特定することができ、このバンクを「チューブリークが発生しているバンク(診断結果)として」出力する(S8)。
このように異常判定部13は、異常度DB15に格納された異常度および異常寄与度に基づいて、上記の二つの処理を実行することにより、チューブリークの発生を検知し、チューブリークの位置を特定し、診断結果を診断結果DB17に格納する。
このように異常判定部13は、正常時の収熱量から逸脱しているバンク(処理201にて判定)と、正常時の収熱分布から逸脱しているバンク(処理202にて判定)と、が同じと判定された場合には、そのバンク同じと判定されたバンクを、チューブリークが発生しているバンクと判定する。
また、診断結果は、入出力制御部18を介して、入出力装置4に出力される。
図9は、診断結果データベースの構成を説明する説明図である。
診断結果DB17には、診断結果がテキスト形式で時系列に格納される。「情報種類」の欄には、フラグ「1」または「2」が格納される。
「情報種類」の欄に格納されたフラグ「1」または「2」について説明する。
フラグの「1」は、異常度が閾値を超えた時点にて出力された情報である。したがって、チューブリークの発生は検知されているが、チューブリークの位置は特定されていない。この条件で診断結果DBに格納される情報は、局所挙動解析であれば、異常度が閾値を超えたバンクである。また、全体挙動解析であれば、異常度が閾値を超えた際に、異常寄与度が最大のバンクである。
一方、フラグの「2」は、チューブリークの位置が特定された時点にて出力された情報である。この際には、診断結果として、バンクの炉幅方向の位置に関する情報も併せて出力する。例えば、日時2018/1/1 12:02では、情報種類に「2」が出力され、診断結果に「二次過熱器 左側」が出力される。この「左側」が、バンクの炉幅方向の位置に関する情報に該当する。
なお、バンクの炉幅方向のチューブリークの位置は、各バンクの局所挙動解析において、異常度が閾値を超えた場合であって、異常寄与度が最大となったメタル温度を測定したメタル温度センサが設置される位置(ブロック)を、チューブリークの位置と判定する。
なお、センサ位置情報DB16は、各バンクにおけるメタル温度センサが設置される位置情報を格納する。
図10は、センサ位置情報データベースの構成を説明する説明図である。
センサ位置情報DB16には、各バンクに対応して、各メタル温度センサとそのメタル温度センサが設置される位置(設置位置情報)が格納される。
例えば、水壁102のメタル温度1を測定するメタル温度センサは「前壁左側」、水壁102のメタル温度2を測定するメタル温度センサは「前壁左側」・・、二次過熱器103のメタル温度1を測定するメタル温度センサは「左側」、二次過熱器103のメタル温度2を測定するメタル温度センサは「左側」・・のように格納される。
なお、同様に、三次過熱器104等についても格納される。
つまり、例えば、二次過熱器103における局所挙動解析の結果、メタル温度1を測定するメタル温度センサの異常寄与度が最大となった場合(判定された結果)には、センサ位置情報DB16に格納される位置情報に基づいて、チューブリークの位置を、二次過熱器103の左側に、特定する。
このように異常判定部13は、各バンクにおけるメタル温度センサの設置位置情報と、判定された結果から、各バンクの炉幅方向に対するチューブリークの位置を特定する。
このように、本実施例に記載されるボイラチューブリーク診断システムは、チューブリークの発生を検知し、チューブリークの位置を特定する。
なお、チューブリーク診断の精度を、さらに向上させるためには、入力データ作成部11にて入力データを作成する際に、例えば、使用した収熱量やメタル温度の時間変化率(単位時間当たりの変化量)を使用してもよい。これにより、メタル温度センサの測定値が突然に変化する場合などの時間的な変化に特徴を有する場合にも、診断の精度を向上させることができる。
つまり、収熱量やメタル温度の時間変化率を計算し、これを入力として解析することができる。
また、メタル温度については、バンクの炉幅方向に設置された複数のメタル温度センサの測定値の平均値や中央値を計算し、この平均値や中央値との差分を使用してもよい。これにより、各メタル温度の相対的な大小関係が把握でき、炉幅方向の全体に対する温度の増減を排除した分布に基づいて、正常時の状態からの逸脱を判定することができる。
また、以下に記載する方法により、メタル温度を収熱量に換算することもできる。これは、次の式(4)~(8)を使用して計算する。
なお、ここで、TMaは炉幅方向のメタル温度の平均値(℃)、TM(i)はi番目のメタル温度センサの測定値(℃)、Nは設置されたメタル温度センサの数、Tout(i)はi番目のブッロクの出口蒸気温度の推定値(℃)、Toutは出口蒸気温度の測定値(℃)、Hout(i)はi番目のブッロクの出口蒸気エンタルピの推定値(kJ/kg)、Hinは入口蒸気エンタルピ(kJ/kg)、Func( )はエンタルピの蒸気関数、Pは蒸気圧力(MPa)、Tinは入口蒸気温度(℃)、Q(i)は、i番目のブッロクの収熱量の推定値(kW)、Fは蒸気流量(kg/s)である。
なお、この計算では、メタル温度と各伝熱管の出口蒸気温度(蒸気温度センサからの出口蒸気温度)とにおいて、炉幅方向の相対的な大小の分布は同じになり、かつ、各伝熱管を流れる蒸気流量は均一であると仮定している。つまり、各バンクをメタル温度センサの数に応じて、炉幅方向をブロックに分割し、各ブロックにおける収熱量(局所収熱量)を推定している。メタル温度は出口蒸気温度の変化のみに追従する。一方、この計算により求めた各ブロックの収熱量は、蒸気流量や入口蒸気温度の変化も考慮できる。
つまり、異常度計算部12は、各バンクをメタル温度センサの数に応じて炉幅方向に分割し、メタル温度センサの炉幅方向の増減値(平均値または中央値に対する差分値)と、蒸気温度センサからの出口蒸気温度を使用して、分割した各ブロックの局所収熱量を計算する。
そして、異常判定部13は、局所収熱量を使用して、事前に学習した正常時の各バンクの局所収熱量と、異常度計算部13にて計算された各バンクの局所熱分量とを比較し、計算された各バンクの局所収熱量が、正常時の各バンクの局所収熱量から逸脱しているか否かを、異常度および異常寄与度として、判定する。
なお、メタル温度と同様に、局所収熱量についても、バンクの炉幅方向の平均値や中央値に対する差分値を計算し、これを入力として解析することより、正常時の状態からの逸脱を判定することができる。
また、収熱量やメタル温度と同様に、局所収熱量の時間変化率を計算し、これを入力として解析することができる。
また、本実施例に記載するボイラチューブリーク診断方法は、ボイラのセンサ情報を入力し、チューブリークの診断で使用する入力データを作成し、作成された入力データに基づいて、異常度および異常寄与度を計算し、計算された異常度および異常寄与度に基づいて、チューブリークを診断するものである。
このように本実施例によれば、より早期に、チューブリークの発生を検知することができ、更に、チューブリークの位置を特定することができる。これにより、ボイラ100の運転再開までの期間を短縮し、経済的な損失を低減することができる。
本実施例によれば、チューブリークに特有なセンサ情報(センサデータ)の変化特性を踏まえ、センサ情報(センサデータ)が有する正常時(通常時)の変動の影響を除外することができるため、精度の高い診断が可能である。
なお、ボイラによって、バンクの数や配置、また、バンクに設置される伝熱管の数や配置は異なるが、本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システムを適用することができる。
次に、ユーザが本実施例に記載するボイラチューブリーク診断システムを使用する際の表示画面について説明する。この表示画面に関する処理は、入出力制御部18が、入力データDB14、異常度DB15、診断結果DB17に格納された各種情報(各種データ)を、入出力装置4に表示することにより実行される。
図11は、チューブリーク診断情報サマリの表示画面を説明する説明図である。
チューブリーク診断情報サマリとしては、診断結果DB17に格納されたデータ301が表示される。このとき、診断結果DB17に格納された情報種類のフラグは、「1」が「異常検知」(チューブリークの発生の検知)、「2」が「部位特定」(チューブリークの位置の特定)という表示に置き換えられる。
また、チューブリークの位置が、ボイラ100の模式図302に表示される。本実施例では、二次過熱器103にてチューブリークが発生していると判定されたため、二次過熱器103の色を変えて表示している。なお、例えば、点滅等により、二次過熱器103を表示してもよい。
また、バンクの全体挙動解析の結果として、異常度のトレンド303を表示している。本実施例では、チューブリークの発生に伴い、異常度が急増している。また、バンクの局所挙動解析の結果として、二次過熱器103における異常度のトレンド304を表示している。トレンド303とトレンド304は同じタイミングで、急増しており、両方の解析結果から、二次過熱器103にてチューブリークが発生していると特定され、その特定の根拠を確認することができる。
なお、表示画面には、他のバンクの状態を表示するためのバンク選択ウインド309を有する。ユーザはバンク選択ウインド309にて、他のバンクを選択(入力)することにより、他のバンクの状態を確認することができる。
図12は、バンクの全体挙動解析結果の表示画面を説明する説明図である。
ボイラチューブリーク診断の詳細情報の表示画面としては、バンクの全体挙動解析の結果として、図11に記載したチューブリーク診断情報サマリの表示画面にも表示した異常度のトレンド305(303)が表示される。
また、各バンク(例えば、水壁102、二次過熱器103、三次過熱器104、・・など)の異常寄与度のトレンド306が表示される。特に、二次過熱器103の異常寄与度が急増していることを確認することができる。
図13は、バンクの局所挙動解析結果の表示画面を説明する説明図である。
ボイラチューブリーク診断の詳細情報の表示画面としては、バンクの局所挙動解析の結果として、図11に記載したチューブリーク診断情報サマリの表示画面にも表示した異常度のトレンド307(304)が表示される。なお、本実施例では、二次過熱器103に対する解析結果を表示している。
また、各メタル温度センサが測定したメタル温度(例えば。メタル温度1、メタル温度2、メタル温度3、・・など)の異常寄与度のトレンド308が表示される。特に、メタル温度1およびメタル温度2の異常寄与度が急増していることを確認することができる。メタル温度センサは、左から順に番号を付されているため、チューブリークが発生した位置が二次過熱器103の左側であることを確認することができる。
このように本実施例によれば、チューブリークに特有なセンサ情報(センサデータ)の変化特性を踏まえ、センサ情報(センサデータ)が有する正常時(通常時)の変動の影響を除外し、より精度よく、チューブリークの発生を検知し、チューブリークの位置を特定することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。