本開示は、メチルマロニルCoAムターゼポリペプチド(「MCM」または「MUT」)をコードする配列最適化された核酸をコードするポリヌクレオチド配列を提供する。MCMは、メチルマロン酸血症(「MMA」、メチルマロン酸尿症とも呼ばれる)に関連する主要遺伝子である。ヒトメチルマロニルCoAムターゼ(MCM)の野生型核酸配列及びアミノ酸配列は、NCBI配列登録gi296010795(参照配列NM_000255.3「ヒトメチルマロニルCoAムターゼ(MUT)mRNA」、配列番号214も参照されたい)及びgi156105689(参照配列NP_000246.2「メチルマロニルCoAムターゼミトコンドリア前駆体[ヒト]」、配列番号208も参照されたい)にそれぞれ記載されている。アクセッション番号及び関連配列は、国立生物工学情報センター(NCBI)のウェブサイトから得られる。
MCMは、代謝酵素(E.C.5.4.99.2)であり、その生物学的機能は、L-メチルマロニルCoAをクレブス回路の中間体であるスクシニルCoAに異性化することである。MCMは、細胞のミトコンドリアに局在し、その天然形態でホモ二量体として存在し、アデノシルコバラミン依存性である。ヒトMCMの前駆体形態は750アミノ酸であるが、その成熟形態は、ミトコンドリア輸入及びプロセシング機構によって32アミノ酸のリーダー配列が切断されるため、718アミノ酸である。
I.組成物
MCMをコードするポリヌクレオチド
ある特定の態様において、本開示は、核酸分子、特に、1つ以上のMCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。コードされるMCMポリペプチドは、哺乳動物MCMポリペプチド、例えば、ヒトMCMペプチドまたはその機能性断片であり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、少なくとも1つのメチルマロニルCoAムターゼタンパク質、その機能性断片またはバリアントをコードする。MCMは、メチルマロニルCoAのスクシニルCoAへの酵素的変換を触媒し、また、コバラミン結合ドメインを含んでいる。MCMの酵素活性は、その補因子であるデノシルコバラミンへの結合に依存する。
MCMは、脂肪及びタンパク質の異化作用、具体的には、代謝中に生成されるメチルマロニルCoAの除去において重要な役割を果たす。例えば、メチルマロニルCoAは、イソロイシン、メチオニン及びトレオニンなどのアミノ酸の異化作用における中間体である。メチルマロニルCoAはまた、コレステロール及び脂肪酸の異化作用における中間体である。この酵素の活性における欠損は、非効率な代謝、及びメチルマロン酸などの潜在的に有毒な代謝中間体の蓄積をもたらす。MCMの欠損は、メチルマロン酸血症(MMA)として知られる疾患を引き起こす。
MCMの置換がこの形態のMMAに対する治療法であると理論付けられている。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、このような遺伝子置換療法での使用に好適なメチルマロニルCoAムターゼタンパク質、その機能性断片またはバリアントをコードする1つ以上の配列を含む。ある特定の態様において、本出願は、メチルマロニルCoAムターゼまたはその機能性断片をコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)であって、配列最適化されたポリヌクレオチドを提供することによって、メチルマロニルCoAムターゼの欠乏に関する問題に応えるものである。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド、例えば、mRNAは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、少なくとも20%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%増加させる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、機能性MCMポリペプチドまたはその断片をコードする。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、完全長であるMCMタンパク質またはそのバリアントをコードするが(すなわち、天然の完全長MCMに対して天然または異種のいずれかであるミトコンドリア輸送ペプチドを含む)、他の実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、成熟した機能性MCMタンパク質またはそのバリアントをコードする(すなわち、ミトコンドリア輸送ペプチドを持たない)。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、異種または同種のミトコンドリア輸送ペプチドに連結されたヒトMCMまたはそのバリアントをコードする。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、機能性ヒトMCM(配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212及び配列番号213)またはその断片をコードする。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、変異MCMをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、MCM配列中に少なくとも1つの点変異を含むが、MCM酵素活性を依然として保持するMCMポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、MCMの機能を変更しない変異を含む機能性MCMポリペプチドをコードする。そのような機能性MCMは、機能不変性(neutral)と称される場合もある。いくつかの実施形態において、コードされるMCMポリペプチドは、機能不変性点変異V69、T499、H532、A598及びV671のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、機能不変性変異V69、T499、H532、A598及びV671をそれぞれ含有する、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212及び配列番号213のポリペプチド配列をコードする。特定の実施形態において、コードされるMCMポリペプチドは、V671変異体(配列番号213)である。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを配列番号1~207、214、732~765及び772に列挙する。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号1~207、732~765及び772からなる群から選択されるポリヌクレオチドに対して、かなりの配列類似性を有するヌクレオチド配列を含み、ORFは、MCMポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号151、152、153、154、732、733及び734(図9~15)に対して、かなりの配列類似性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号734(図11)に対して、かなりの配列類似性を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号734のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250に対して、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号732のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250に対して、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号182、733及び741のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号735、736、738、743、744、748、749、750、754、755、758、762及び765のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号180、187、737、739、740、742、745、746、747、751、752、753、757、759、760、761、763及び764のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号181及び756のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号154、165、171、173及び175のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号151、152、153、163、164、166、167、168、169、170、172、177、178、179、195及び204のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号156、157、158、159、160、161、162、174及び176のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号155及び203のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号64、66、71、91及び128のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号9、11、18、19、21、22、23、24、32、33、37、39、40、44、45、47、50、51、52、55、57、61、65、70、79、84、86、88、90、92、98、100、115、117、126、129、135、136、137、144、148、150、184、190、191及び206のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号3、5、6、8、10、12、14、16、17、20、27、28、29、31、34、35、36、38、41、42、43、46、48、49、53、54、56、58、60、63、68、69、74、77、78、80、83、85、87、93、95、96、97、99、102、103、104、105、107、110、112、113、114、116、119、120、122、123、124、125、127、131、132、133、134、138、139、140、141、142、143、147、149、183、186、188、189、192、193、194、196、197、198、199、200、201、202、205及び207のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号1、2、4、7、13、15、25、26、30、59、62、67、72、73、75、76、81、82、89、94、101、106、108、109、111、118、121、130、145、146及び185のヌクレオチド97~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
本開示のポリヌクレオチドはまた、治療上関連する部位へのポリペプチドの輸送を促進する追加の特徴をコードし得る。そのようなタンパク質輸送を助ける特徴の1つは、シグナル配列またはターゲティング配列である。これらのシグナル配列によってコードされるペプチドは、ターゲティングペプチド、輸送ペプチド及びシグナルペプチドなどの様々な名称で知られている。本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチドに機能的に連結された(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドに連結された)、ミトコンドリア輸送ペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む。
本明細書で使用されるとき、「シグナル配列」または「シグナルペプチド」は、それぞれ、約9~200ヌクレオチド長(3~70アミノ酸長)のポリヌクレオチドまたはポリペプチドであり、いくつかの実施形態において、コーディング領域またはコードされるポリペプチドの5’側(またはN末端)にそれぞれ組み込まれる。これらの配列を付加することで、コードされたポリペプチドは、1つ以上の標的経路を介して、小胞体またはミトコンドリアなどの所望の部位に輸送される。いくつかのシグナルペプチドは、タンパク質が輸送された後に、例えば、シグナルペプチダーゼによって、タンパク質から切断される。
例えば、ヒトMCMの前駆体タンパク質は、MCMミトコンドリアターゲティング配列またはミトコンドリアターゲティングペプチドとも称される、MCMタンパク質のミトコンドリアへの送達及びミトコンドリア内の局在化を促進する、32アミノ酸のミトコンドリア輸送ペプチドを含む。本開示は、同種ターゲティング配列(すなわち、MCMの天然ミトコンドリア輸送配列)をコードするポリヌクレオチドと、異種ミトコンドリア輸送配列(すなわち、機能的に連結されたMCMタンパク質に対して天然ターゲティングペプチドではないミトコンドリア輸送ペプチド)をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。いくつかの実施形態において、交互ターゲティング配列は、MCMのミトコンドリアへの送達を促進する。
既知のミトコンドリア輸送ペプチドの例示的な配列には、MLSLRQSIRFFKPATRTLCSSRYLL(配列番号251)、MALLRGVFVVAAKRTP(配列番号252)及びMLRIPVRKALVGLSKSSKGCVRT(配列番号253)が含まれる。ミトコンドリア輸送ペプチドの非限定的な例について、以下の表1(配列番号251~265)に列挙する。ミトコンドリア輸送ペプチドの更なる例は、配列番号270~719として記載される。本開示に利用できる更なるミトコンドリア輸送ペプチドは、当該技術分野において知られている予測ツールを使用して特定することができる。例えば、ミトコンドリア標的化は、Fukusawa et al.,Molecular and Cellular Proteomics 14:1113-1126(2015)(その内容を本明細書に援用する)に記載されている方法を使用して解析することができる。
表1.ミトコンドリア輸送ペプチド
いくつかの実施形態において、ミトコンドリア輸送ペプチドをコードする核酸配列は、配列番号1~207、732~765及び772のヌクレオチド1~96からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または約100%の配列同一性を有し、当該輸送ペプチドは、MCMポリペプチドをミトコンドリアへ標的化または運搬することができる。
いくつかの実施形態において、ミトコンドリア輸送ペプチドをコードする核酸配列は、表1中の配列(配列番号251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、または265)に対して、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または約100%の配列同一性を有し、当該輸送ペプチドは、MCMポリペプチドをミトコンドリアへ標的化または運搬することができる。いくつかの実施形態において、ミトコンドリア輸送ペプチドをコードする核酸配列は、配列番号270~719からなる群から選択される配列に対して、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または約100%の配列同一性を有し、当該輸送ペプチドは、MCMポリペプチドをミトコンドリアへ標的化または運搬することができる。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号734のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250に対して、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号732のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250に対して、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号182及び733のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号735、741、743、744、748、758、762及び765のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号180、181、736、738、739、740、742、746、747、749、750、751、752、753、754、755、757、759、760、761及び763のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号745、756及び764のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号154、165、171、173及び175のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号151、152、153、163、166、167、168、169、170、172、177、178、179、187及び204のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号156、157、158、159、160、162、164、174、176、195及び737のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号155、161及び203のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号71及び128のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号4、6、8、9、11、19、22、23、24、32、33、37、40、44、45、47、51、61、64、65、66、79、84、86、90、91、92、100、101、112、115、117、126、129、135、136、146、148、184、190及び191のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号2、3、5、7、10、12、13、14、15、16、18、20、21、26、27、28、29、31、34、36、38、39、41、42、43、46、48、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、68、69、70、72、73、74、76、77、80、83、85、88、95、96、97、98、102、104、105、106、107、108、109、110、113、114、120、121、122、123、124、127、131、132、133、134、137、138、139、140、141、142、144、145、147、149、150、186、188、189、192、193、194、196、198、199、200、202、205、206及び207のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、配列番号1、17、25、30、35、50、63、67、75、78、81、82、87、89、93、94、99、103、111、116、118、119、125、130、143、183、185、197及び201のヌクレオチド1~ヌクレオチド2250からなる群から選択される配列に対して、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%の配列同一性を有するORFを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、約1500~約100,000個のヌクレオチド(例えば、約1500~2500個、約1800~約2600個、約1900~約2600個、約2000~約2700個、2154~2,750個、2154~3,000個、2154~5,000個、2154~7,000個、2154~10,000個、2154~25,000個、2154~50,000個、2154~70,000個、2154~100,000個、2250~2750個、2250~3,000個、2250~5,000個、2250~7,000個、2250~10,000個、2250~25,000個、2250~50,000個、2250~70,000個、及び2250~100,000個のヌクレオチド)を含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、ノンコーディングである少なくとも1つの核酸配列を更に含み得る。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの目的のポリペプチドをコードする領域の長さは、約2154ヌクレオチド長よりも大きい(例えば、少なくとも約2154、2,250、2,500、3,000、4,000、4,100、4,200、4,300、4,400、4,500、4,600、4,700、4,800、4,900、5,000、5,100、5,200、5,300、5,400、5,500、5,600、5,700、5,800、5,900、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000もしくはそれ以上、または最大100,000ヌクレオチド(それを含む)まで)。本明細書で使用されるとき、かかる領域は、「コーディング領域」または「コード領域」と称される場合もある。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)であるか、mRNAとして機能する。本明細書で使用されるとき、「メッセンジャーRNA」(mRNA)という用語は、少なくとも1つの目的のポリペプチドをコードしており、かつ翻訳されて、コードされた目的のポリペプチドをin vitro、in vivo、in situまたはex vivoで生産することができる、任意のポリヌクレオチドを指す。使用することができる例示的なmRNAについては、配列番号776~771に列挙する。
MCMをコードする最適化されたポリヌクレオチド
本開示のポリヌクレオチド、その領域または部分またはサブ領域は、配列最適化される。配列最適化の方法は、当該技術分野において知られており、1つ以上の所望の結果を達成するのに有用であり得る。これらの結果には、標的生物及び宿主生物におけるコドン頻度を一致させて適切な折り畳みを確保すること、GC含量に偏りをもたせてmRNAの安定性を向上させ、もしくは二次構造を低減させること、遺伝子構築物もしくは発現を損なう可能性のあるタンデム反復コドンもしくは塩基ラン(base run)を最小にすること、転写及び翻訳制御領域をカスタマイズすること、タンパク質輸送配列を挿入もしくは除去すること、コードされるタンパク質の翻訳後修飾部位(例えば、グリコシル化部位)を除去/付加すること、タンパク質ドメインを付加、除去もしくはシャッフルすること、制限部位を挿入もしくは欠失すること、リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を改変すること、翻訳率を調整してタンパク質の様々なドメインの適切な折り畳みを可能にすること、またはポリヌクレオチド内の問題のある二次構造を低減もしくは排除することが含まれる。配列最適化のツール、アルゴリズム及びサービスは、当該技術分野において知られており、非限定的な例には、GeneArt(Life Technologies)、DNA2.0(Menlo Park CA)によるサービス及び/または独自の方法が挙げられる。いくつかの実施形態において、最適化アルゴリズムを使用してORF配列が最適化される。各アミノ酸のコドン選択肢を表2に示す。
表2.コドン選択肢
いくつかの実施形態において、配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、MCMポリペプチド、その機能性断片またはバリアントをコードするもの)におけるウラシルまたはチミン核酸塩基のパーセンテージは、参照の野生型ヌクレオチド配列におけるウラシルまたはチミン核酸塩基のパーセンテージに対して、変更される(例えば、少ない)。そのような配列は、ウラシル変更配列またはチミン変更配列と称される。ヌクレオチド配列におけるウラシル含量またはチミン含量のパーセンテージは、配列中のウラシルまたはチミンの数をヌクレオチドの総数で除し、100を掛けることによって求めることができる。いくつかの実施形態において、配列最適化されたヌクレオチド配列は、参照の野生型配列におけるウラシル含量またはチミン含量よりもウラシル含量またはチミン含量が低い。いくつかの実施形態において、本開示の配列最適化されたヌクレオチド配列におけるウラシル含量またはチミン含量は、参照の野生型配列におけるウラシル含量またはチミン含量よりも多く、参照の野生型配列と比較したとき、依然として有益な効果、例えば、発現の増加及び/またはToll様受容体(TLR)応答の減少を維持している。
野生型MCMのウラシル含量またはチミン含量は、約26.67%である。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列のウラシル含量またはチミン含量は、26.67%未満である。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列のウラシル含量またはチミン含量は、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満または10%未満である。いくつかの実施形態において、ウラシル含量またはチミン含量は、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%または11%を下回ることはない。本明細書で開示される配列のウラシル含量またはチミン含量、すなわち、その合計のウラシル含量またはチミン含量は、本明細書中、%UTLまたは%TTLと略される。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列のウラシル含量またはチミン含量(%UTLまたは%TTL)は、11%~26%、12%~25%、12%~24%、13%~23%、13%~22%、14%~21%、14%~20%、14%~19%、14%~18%、14%~17%または14%~16%である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列のウラシル含量またはチミン含量(%UTLまたは%TTL)は、13%~17%、13%~16%または14%~16%である。
特定の実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列のウラシル含量またはチミン含量(%UTLまたは%TTL)は、約14%~約16%、例えば、14%~15%である。
本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列はまた、対応する野生型核酸配列におけるウラシル含量もしくはチミン含量に対するそのウラシル含量もしくはチミン含量(%UWTまたは%TWT)に従って、または野生型タンパク質配列をコードする核酸の理論上最小のウラシル含量もしくはチミン含量に対するそのウラシル含量もしくはチミン含量(%UTM)または(%TTM)に従って、記載することもできる。
「野生型核酸配列におけるウラシル含量またはチミン含量に対するウラシル含量またはチミン含量」という文言は、配列最適化された核酸中のウラシルまたはチミンの数を、対応する野生型核酸配列中のウラシルまたはチミンの総数で除し、100を掛けることによって求められるパラメーターを指す。このパラメーターは、本明細書中、%UWTまたは%TWTと略される。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列の%UWTまたは%TWTは、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超または95%超である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列の%UWTまたは%TWTは、42%~68%、43%~67%、44%~66%、45%~65%、46%~64%、47%~63%、48%~62%、49%~61%、50%~60%、51%~59%または52%~58%である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列の%UWTまたは%TWTは、51%~60%、51%~59%、52%~59%、52%~58%または53%~58%である。
具体的な実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードする、ウラシル変更配列またはチミン変更配列の%UWTまたは%TWTは、約53%~約58%である。
理論上最小のウラシルまたはチミンに対するウラシル含量またはチミン含量は、配列最適化されたヌクレオチド配列中のウラシルまたはチミンの数を、想定上のヌクレオチド配列(想定配列中の全てのコドンが、可能な限り最も低いウラシル含量またはチミン含量を有する同義コドンで置き換えられている)中のウラシルまたはチミンの総数で除し、100を掛けることによって求められるパラメーターを指す。このパラメーターは、本明細書中、%UTMまたは%TTMと略される。
DNAの場合、ウラシルの代わりにチミンが存在し、Uが現れる箇所には、Tが代用されることが認識される。したがって、RNAに関する、例えば、%UTM、%UWT、または%UTLに関連する全ての開示は、DNAに関する%TTM、%TWT、または%TTLに等しく適用できる。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列の%UTMは、300%未満、295%未満、290%未満、285%未満、280%未満、275%未満、270%未満、265%未満、260%未満、255%未満、250%未満、245%未満、240%未満、235%未満、230%未満、225%未満、220%未満、215%未満、200%未満、195%未満、190%未満、185%未満、180%未満、175%未満、170%未満、165%未満、160%未満、155%未満、150%未満、145%未満、140%未満、139%未満、138%未満、137%未満、136%未満、135%未満、134%未満、133%未満、132%未満、131%未満、130%未満、129%未満、128%未満、127%未満、126%未満、125%未満、124%未満、123%未満、122%未満、121%未満、120%未満、119%未満、118%未満または117%未満である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列の%UTMは、100%超、101%超、102%超、103%超、104%超、105%超、106%超、107%超、108%超、109%超、110%超、111%超、112%超、113%超、114%超、115%超、116%超、117%超、118%超、119%超、120%超、121%超、122%超、123%超、124%超、125%超または126%超、127%超、128%超または129%超である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列の%UTMは、123%~125%、122%~126%、121%~127%、120%~128%、119%~129%、118%~130%、117%~131%、116%~132%、115%~133%、114%~134%、113%~135%、112%~136%または111%~137%である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列の%UTMは、約118%~約129%である。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、対応する野生型核酸配列に対して、連続するウラシルの数が少ない。例えば、2つの連続するロイシンは、4つのウラシルのクラスターを含む配列CUUUUGによってコードすることができる。そのようなサブ配列を、例えば、CUGCUCに置換して、ウラシルのクラスターを取り除く。
フェニルアラニンは、UUCまたはUUUによってコードされ得る。そのため、UUUによってコードされるフェニルアラニンをUUCに置き換えたとしても、同義コドンは、ウラシルペア(UU)を依然として含有する。したがって、配列中のフェニルアラニンの数は、コードされるポリペプチド中のフェニルアラニンの数を変更することなく排除することができないウラシルペア(UU)の最小数を定める。例えば、ポリペプチド、例えば、野生型MCMが、27、28、29または30個のフェニルアラニンを有する場合、ポリペプチド、例えば、野生型MCMをコードするウラシル変更配列が含有し得るウラシルペア(UU)の絶対最小数は、それぞれ27、28、29または30個である。
野生型MCMは、82個のウラシルペア(UU)及び29個のウラシルトリプレット(UUU)を含有する。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、野生型核酸配列に対して、ウラシルトリプレット(UUU)の数が少ない。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18,17、16、15、14、13,12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のウラシルトリプレット(UUU)を含有するか、ウラシルトリプレット(UUU)を含有しない。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、野生型核酸配列中のウラシルペア(UU)の数に対して、ウラシルペア(UU)の数が少ない。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、野生型核酸配列中のウラシルペア(UU)の可能な最小数に対応するウラシルペア(UU)の数(例えば、野生型MCMの場合、28個のウラシルペア)を有する。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、野生型核酸配列中のウラシルペア(UU)の数よりも少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53または54個少ないウラシルペア(UU)を有する。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、20~35個のウラシルペア(UU)を有する。
「野生型核酸配列中のウラシルペア(UU)に対するウラシルペア(UU)」という文言は、配列最適化されたヌクレオチド配列中のウラシルペア(UU)の数を、対応する野生型ヌクレオチド配列中のウラシルペア(UU)の総数で除し、100を掛けることによって求められるパラメーターを指す。このパラメーターは、本明細書中、%UUwtと略される。
いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、40%未満、30%未満または20%未満の%UUwtを有する。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、20%~50%の%UUwtを有する。具体的な実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、24%~43%の%UUwtを有する。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書で開示されるMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列を含む。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、少なくとも1つの化学修飾された核酸塩基、例えば、5-メトキシウラシルを含む。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列中の核酸塩基(例えば、ウラシル)の少なくとも95%は、修飾核酸塩基である。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列中のウラシルの少なくとも95%は、5-メトキシウラシルである。
いくつかの実施形態において、%GTMXと略される、「MCMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の理論上最大のグアニン含量に対する、MCMをコードする配列最適化されたORFのグアニン含量」は、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%である。いくつかの実施形態において、%GTMXは、約70%~約80%、約71%~約79%、約71%~約78%、約71%~約77%または約71%~約76%である。
いくつかの実施形態において、%CTMXと略される、「MCMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の理論上最大のシトシン含量に対する、ORFのシトシン含量」は、少なくとも約68%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%である。いくつかの実施形態において、%CTMXは、約68%~約77%、約69%~約76%または約70%~約75%である。
いくつかの実施形態において、%G/CTMXと略される、「MCMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列における理論上最大のグアニン及びシトシン含量(G/C)に対する、ORFのG/C含量」は、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%である。%G/CTMXは、約85%~約100%、約89%~約96%、約90%~約95%または約91%~約94%である。
いくつかの実施形態において、%G/CWTと略される、「対応する野生型ORFにおけるG/C含量に対する、ORFのG/C含量」は、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも141%、少なくとも142%、少なくとも143%、少なくとも144%、少なくとも145%、少なくとも146%、少なくとも147%、少なくとも150%または少なくとも155%である。
いくつかの実施形態において、ORF中の3番目のコドン位置の平均G/C含量は、対応する野生型ORF中の3番目のコドン位置の平均G/C含量よりも少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%または少なくとも60%高い。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、当該ORFは、配列最適化されており、%UTL、%UWT、%UTM、%GTL、%GWT、%GTMX、%CTL、%CWT、%CTMX、%G/CTL、%G/CWTまたは%G/CTMXのそれぞれは、単独またはこれらの組み合わせで、(i)パラメーターの最大値(MAX)+約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10標準偏差(STD DEV)に対応する最大値と、(ii)パラメーターの最小値(MIN)-0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10標準偏差(STD DEV)に対応する最小値との間の範囲内である。
本開示のいくつかの実施形態において有益であるとみなされ得る特徴は、ポリヌクレオチドの領域によってコードされ得、かかる領域は、ポリペプチドをコードする領域の上流(5')または下流(3')にあってもよいし、当該領域内にあってもよい。これらの領域は、タンパク質コーディング領域またはオープンリーディングフレーム(ORF)を配列最適化する前及び/または後に、ポリヌクレオチド中に組み込まれ得る。ポリヌクレオチドが5’フランキング領域と3’フランキング領域の両方を含有する必要はない。このような特徴の例には、非翻訳領域(UTR)、Kozak配列、オリゴ(dT)配列及び検出可能タグが挙げられるが、これらに限定されず、XbaI認識を有し得るマルチクローニングサイトを含み得る。
いくつかの実施形態において、5’UTR領域及び/または3’UTR領域はフランキング領域として提供され得る。複数の5’UTRまたは3’UTRをフランキング領域に含めることができ、同じ配列または異なる配列であり得る。フランキング領域の任意の部分は、ない場合も含め、配列最適化され得、いずれも、配列最適化の前及び/または後に、1つ以上の異なる構造的修飾または化学修飾を独立して含有し得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号769に記載される配列(チミジンをウリジンに変更する)を含むか、当該配列から本質的になるか、当該配列からなる。他の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号770に記載される配列(チミジンをウリジンに変更する)を含むか、当該配列から本質的になるか、当該配列からなる。他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、ポリCを含まない。
最適化後(所望の場合)、ポリヌクレオチド構成成分は、限定するものではないが、プラスミド、ウイルス、コスミド及び人工染色体などのベクターに再構成され、形質転換される。例えば、最適化されたポリヌクレオチドは、再構成され、化学的にコンピテントなE.coli、酵母、ニューロスポラ、トウモロコシ、ショウジョウバエなどに形質転換することができ、これにより、コピー数の高いプラスミド様または染色体構造が本明細書に記載される方法によって生じる。
合成ポリヌクレオチド及びその核酸類似体は、生化学的プロセスの研究及び試験に重要な役割を果たす。ポリヌクレオチド及び核酸を合成するには、酵素を介した方法及び化学ベースの方法が様々開発されている。
酵素的方法には、RNAポリメラーゼを使用して本開示のポリヌクレオチドを合成するin vitro転写が含まれる。転写に関する酵素的方法及びRNAポリメラーゼについては、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
固相化学合成を使用して、本明細書に記載されるポリヌクレオチドまたはその部分を製造してもよい。本明細書に記載されるポリヌクレオチドを製造する固相化学合成については、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
液相化学合成を使用して、本明細書に記載されるポリヌクレオチドまたはその部分を製造してもよい。本明細書に記載されるポリヌクレオチドを製造する液相化学合成については、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
異なる合成方法の組み合わせを使用して、本明細書に記載されるポリヌクレオチドまたはその部分を製造してもよい。これらの組み合わせについては、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
本開示のポリヌクレオチドの領域またはサブ領域のために、小領域合成が使用されてもよい。これらの合成法については、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
ポリヌクレオチド領域またはサブ領域のライゲーションを使用して、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを調製してもよい。これらのライゲーション法については、国際特許出願第PCT/US2014/53907号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドペプチドによってコードされるMCMポリペプチドは、機能性MCMである。本明細書で使用されるとき、「MCM」タンパク質という用語は、「MUT」タンパク質と区別なく使用される。したがって、ヒトMCMタンパク質は、ヒトMUTまたはhMUTと記載することができ、マウスMCMタンパク質は、マウスMUTまたはmMUTと記載することができる。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドペプチドによってコードされるMCMポリペプチドは、MCMペプチド配列に対して、置換、挿入及び/または付加、欠失ならびに共有結合修飾を含有する、バリアント、ペプチドまたはポリペプチドである。例えば、配列タグまたは1つ以上のリシンなどのアミノ酸を、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるペプチド配列に(例えば、N末端またはC末端に)付加することができる。配列タグは、ペプチドの精製または局在のために使用することができる。リシンは、ペプチドの溶解性を増大させるために、またはビオチニル化を可能にするために使用することができる。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのカルボキシ末端領域及びアミノ末端領域に位置するアミノ酸残基を任意選択により欠失させて、切断型配列を提供してもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、MCMタンパク質の置換バリアントをコードする。置換バリアントは、1、2、3または4つ以上の置換を含み得る。ポリペプチドに関する場合の「置換バリアント」は、天然配列または出発配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、その代わりに同じ位置に別のアミノ酸が挿入されたものである。置換は、分子中のアミノ酸が1つのみ置換された単一の置換であってもよいし、同一分子中の2つ以上のアミノ酸が置換された複数の置換であってもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含むMCMタンパク質のバリアントをコードする。本明細書で使用されるとき、「保存的アミノ酸置換」という用語は、配列中に通常存在するアミノ酸を、同様の大きさ、電荷または極性を有する別のアミノ酸で置き換える置換を指す。保存的置換の例には、イソロイシン、バリン及びロイシンなどの非極性(疎水性)残基を別の非極性残基にする置換が挙げられる。同様に、保存的置換の例には、ある極性(親水性)残基を別の極性残基にする置換、例えば、アルギニンとリシンの間、グルタミンとアスパラギンの間、及びグリシンとセリンの間の置換が挙げられる。加えて、リシン、アルギニンまたはヒスチジンなどの塩基性残基を別の塩基性残基にする置換、またはアスパラギン酸またはグルタミン酸などのある酸性残基を別の酸性残基にする置換も保存的置換の更なる例である。非保存的置換の例には、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、メチオニンなどの非極性(疎水性)アミノ酸残基をシステイン、グルタミン、グルタミン酸もしくはリシンなどの極性(親水性)残基にする置換、及び/または極性残基を非極性残基にする置換が挙げられる。
他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、挿入MCMバリアントをコードする。ポリペプチドに関する場合の「挿入バリアント」は、天然配列または出発配列中の特定位置にあるアミノ酸にすぐ隣接して、1つ以上のアミノ酸が挿入されたものである。アミノ酸に「すぐ隣接した」とは、アミノ酸のα-カルボキシ官能基またはα-アミノ官能基のいずれかに連結されていることを意味する。
他の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、欠失MCMバリアントをコードする。ポリペプチドに関する場合の「欠失バリアント」は、天然アミノ酸配列または出発アミノ酸配列中のアミノ酸が1つ以上除去されたものである。通常、欠失バリアントは、当該分子の特定領域中のアミノ酸が1つ以上欠失している。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、共有結合誘導体をコードする。ポリペプチドに関する場合の「共有結合誘導体」は、有機タンパク質性もしくは非タンパク質性誘導体化剤、及び/または翻訳後修飾による、天然タンパク質または出発タンパク質の修飾を含む。共有結合修飾は、従来、タンパク質の標的アミノ酸残基を、選択された側鎖もしくは端末残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることによって、または選択された組み換え宿主細胞内で機能する翻訳後修飾の機構を利用することによって、導入される。結果として得られる共有結合誘導体は、生物活性にとって、免疫学的アッセイにとって、または組み換え糖タンパク質の免疫親和性精製のための抗タンパク質抗体の精製にとって重要な残基を特定することに関するプログラムに有用である。そのような修飾は、当該技術分野の技術の範囲内であり、過度の実験なく実施される。
ある特定の翻訳後修飾は、発現されたポリペプチドに対する組み換え宿主細胞の作用の結果である。グルタミニル残基及びアスパラギニル残基は、多くの場合、翻訳後に脱アミド化されて、対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基になる。あるいは、これらの残基は、弱酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれの形態も、本開示に従って生産されるポリペプチド中に存在し得る。
他の翻訳後修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル残基またはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化が含まれる(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco,pp.79-86(1983))。
ポリペプチドに関する場合の「特徴」は、分子のうち、明確に異なるアミノ酸配列ベースの構成成分として定義される。本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特徴には、表面発現、局所的高次構造形状、折り畳み、ループ、半ループ、ドメイン、半ドメイン、部位、末端またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
ポリペプチドに関して本明細書で使用されるとき、「ドメイン」という用語は、1つ以上の特定可能な構造的または機能的特徴または特性(例えば、結合能力、タンパク質-タンパク質相互作用の部位としての機能)を有するポリペプチドモチーフを指す。
ポリペプチドに関して本明細書で使用されるとき、「部位」という用語は、それがアミノ酸に基づく実施形態に属する場合、「アミノ酸残基」及び「アミノ酸側鎖」と同義的に使用される。部位は、本開示のポリペプチドベースの分子のうちで修飾、操作、改変、誘導体化または変更することができるペプチドまたはポリペプチド内の位置を表す。
ポリペプチドに関して本明細書で使用されるとき、「末端(terminiまたはterminus)」という用語は、ペプチドまたはポリペプチドの端部を指す。かかる端部は、ペプチドまたはポリペプチドの最初の部位または最後の部位のみに限定されるものではなく、末端領域中の付加アミノ酸も含み得る。本開示のポリペプチドベースの分子は、N末端(遊離アミノ基(NH2)を有するアミノ酸で終わる)及びC末端(遊離カルボキシル基(COOH)を有するアミノ酸で終わる)の両方を有することを特徴とし得る。本開示のタンパク質は、場合によって、ジスルフィド結合または非共有結合性の力によって一緒になった複数のポリペプチド鎖から構成される(多量体、オリゴマー)。これらの種類のタンパク質は、複数のN末端及びC末端を有する。あるいは、ポリペプチドの末端は、状況に応じて、有機コンジュゲートなどの非ポリペプチドベースの部分で開始または終結するように修飾されてもよい。
これらの特徴のうちのいずれかが、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの所望の構成成分として特定または定義されたら、移動、交換、反転、欠失、ランダム化または複製によって、これらの特徴のいくつかの操作及び/または修飾のいずれかが実施されてもよい。更に、特徴の操作は、本開示の分子に対する修飾と同じ結果をもたらすことができることが理解される。例えば、ドメイン欠失を伴う操作は、完全長よりも短い分子をコードするような核酸修飾と全く同じように、分子長の変更をもたらす。
修飾及び操作は、限定するものではないが、部位特異的変異誘発または化学合成中の先験的導入などの当該技術分野において知られている方法によって達成することができる。次に、結果として得られた修飾分子の活性について、本明細書に記載されるものまたは当該技術分野において知られている任意の他の好適なスクリーニングアッセイなどのin vitroまたはin vivoアッセイを使用して試験することができる。
本開示によれば、ポリペプチドは、一連の実験を通じて発見されるコンセンサス配列を含み得る。本明細書で使用されるとき、「コンセンサス」配列は、1つ以上の部位での多様性を許容する集合的配列集団を表す単一配列である。
当業者によって認識されるように、タンパク質断片、機能性タンパク質ドメイン及び相同タンパク質もまた、本開示の目的のポリペプチドの範囲内であるとみなされる。例えば、参照タンパク質の10、20、30、40、50、60、70、80、90、100または100超のアミノ酸長の任意のタンパク質断片(すなわち、参照ポリペプチド配列よりも少なくとも1アミノ酸残基短いがそれ以外では同一であるポリペプチド配列)が本明細書で提供される。別の例において、本明細書に記載される配列のいずれかに対して、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%同一である、約20、約30、約40、約50または約100アミノ酸のストレッチを含む任意のタンパク質を本開示に従って利用することができる。
ある特定の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、本明細書に記載または参照される配列のうちのいずれかに示されるように、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上の変異を含む。
いくつかの実施形態において、コードされるポリペプチドバリアントは、参照ポリペプチドと同一の活性または類似の活性を有する。あるいは、バリアントは、参照ポリペプチドに対して変更された活性(例えば、増加または減少)を有する。一般に、本開示の特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドのバリアントは、本明細書に記載され、当業者に知られている配列アライメントプログラム及びパラメーターによって決定したとき、特定の参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列に対して、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%であるが、100%未満の配列同一性を有する。このようなアライメントツールには、BLASTスイートのものが含まれる(Stephen F.Altschul,Thomas L.Madden,Alejandro A.Schaffer,Jinghui Zhang,Zheng Zhang,Webb Miller,and David J.Lipman(1997),”Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs,” Nucleic Acids Res.25:3389-3402)。他のツールについては、本明細書中、具体的には「同一性」の定義において記載される。
BLASTアルゴリズムのデフォルトパラメーターには、例えば、期待閾値10、ワードサイズ28、マッチ/ミスマッチスコア1、-2、線形ギャップコストが含まれる。任意のフィルターが適用され得、生物種特異的リピート、例えば、ヒト(Homo sapiens)特異的リピートの選択についても同様である。
本開示によれば、タンパク質は、少なくとも1つの目的のポリペプチドをコードする連結されたヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含み得るポリヌクレオチドによってコードされる。本開示の目的のポリヌクレオチドによってコードされるいくつかのポリペプチドについて、以下の表3に列挙する。特に、表3は、ヒトMCMの野生型及び変異型アミノ酸配列を示す。
表3.MCMポリペプチド及びポリヌクレオチド
II.修飾ポリヌクレオチド
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを含む修飾ポリヌクレオチド、すなわち、化学的及び/または構造的に修飾されたポリヌクレオチドを含有するMCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む。本開示のポリヌクレオチドが化学的及び/または構造的に修飾される場合、そのポリヌクレオチドは、「修飾ポリヌクレオチド」と称され得る。
本開示は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)の修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチドを提供する。「ヌクレオシド」は、糖分子(例えば、ペントースまたはリボース)またはその誘導体を、有機塩基(例えば、プリンまたはピリミジン)またはその誘導体(本明細書において「核酸塩基」ともいう)との組み合わせで含有する化合物を指す。「ヌクレオチド」は、リン酸基を含むヌクレオシドを指す。修飾ヌクレオチドは、任意の有用な方法によって、例えば、化学的、酵素的または組み換え的に、1つ以上の修飾ヌクレオシドまたは非天然ヌクレオシドを含むように合成することができる。ポリヌクレオチドは、連結されたヌクレオシドの1つまたは複数の領域を含み得る。そのような領域は、様々な主鎖結合を有し得る。結合は、標準的なホスホジエステル結合であってよく、この場合、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの領域を含むことになる。
修飾は、種々の明確に異なる修飾であり得る。いくつかの実施形態において、領域は、1つ、2つまたはそれ以上の(任意選択により異なる)ヌクレオシド修飾またはヌクレオチド修飾を含有し得る。いくつかの実施形態において、修飾ポリヌクレオチドは、細胞に導入されると、非修飾ポリヌクレオチドと比較して、細胞内での低減された分解を示し得る。
構造的修飾
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、構造的に修飾される。本明細書で使用されるとき、「構造的」修飾は、ヌクレオチド自体に対する著しい化学修飾なく、ポリヌクレオチド中に、2つ以上の連結されたヌクレオシドが挿入、欠失、複製、反転またはランダム化されているものである。必然的に化学結合を破壊及び再形成して構造的修飾をもたらすため、構造的修飾は、化学的性質のものであり、そのため、化学修飾である。しかしながら、構造的修飾は、異なるヌクレオチド配列をもたらす。例えば、ポリヌクレオチド「ATCG」は、「AT-5meC-G」に化学修飾され得る。同ポリヌクレオチドは、「ATCG」から「ATCCCG」に構造的に修飾され得る。ここで、ジヌクレオチド「CC」が挿入されており、その結果、ポリヌクレオチドに構造的修飾が生じる。
化学修飾
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、化学修飾される。ポリヌクレオチドに関して本明細書で使用されるとき、「化学修飾」または必要に応じて「化学修飾された」という用語は、アデノシン(A)、グアノシン(G)、ウリジン(U)、チミジン(T)またはシチジン(C)のリボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドに対する、その位置、パターン、パーセントまたは集団のうちの1つ以上における修飾を指す。一般に、本明細書中、これらの用語は、天然に存在する5’末端のmRNAキャップ部分におけるリボヌクレオチド修飾を指すことは意図されない。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、同一ヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかの均一の化学修飾を有し得るか、同一ヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかにおいて同一出発修飾の単なる漸減によって生じる修飾集団を有し得るか、全てのウリジンがウリジン類似体(例えば、プソイドウリジンまたは5-メトキシウリジン)によって置き換えられているなどのランダムな組み込みを有する、同一ヌクレオシドタイプのいずれかの全てに関して化学修飾の既定のパーセントを有し得る。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド全体にわたって、2、3または4つの同一ヌクレオシドタイプの均一の化学修飾を有し得る(全てのウリジン及び全てのシトシンなどが同じように修飾されているなど)。
修飾ヌクレオチドの塩基対合は、標準的なアデノシン-チミン、アデノシン-ウラシルまたはグアノシン-シトシンの塩基対だけでなく、ヌクレオチド及び/または非標準的塩基もしくは修飾塩基を含む修飾ヌクレオチドの間で形成される塩基対も包含され、ここで、水素結合ドナーと水素結合アクセプターの配置は、非標準的塩基と標準的塩基との間、または2つの相補的な非標準的塩基構造との間の水素結合を可能にするものである。このような非標準的塩基対合の一例は、修飾ヌクレオチドのイノシンとアデニン、シトシンまたはウラシルとの間の塩基対合である。塩基/糖またはリンカーの任意の組み合わせを本開示のポリヌクレオチドに組み込むことができる。
当業者であれば、別途記載される場合を除き、本出願に記載されるポリヌクレオチド配列は、DNA配列を表す場合には「T」を用い、配列がRNAを表す場合には、「T」は「U」に置き換えられることを理解するであろう。
本開示の組成物、方法及び合成プロセスに有用なポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)の修飾には、次のヌクレオチド、ヌクレオシド及び核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない:2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-メチルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、1,2’-O-ジメチルアデノシン、1-メチルアデノシン、2’-O-メチルアデノシン、2’-O-リボシルアデノシン(リン酸)、2-メチルアデノシン、2-メチルチオ-N6イソペンテニルアデノシン、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン、2’-O-メチルアデノシン、2’-O-リボシルアデノシン(リン酸)、イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6,2’-O-ジメチルアデノシン、N6,2’-O-ジメチルアデノシン、N6,N6,2’-O-トリメチルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、N6-アセチルアデノシン、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン、N6-メチル-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルアデノシン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデノシン、7-デアザ-アデノシン、N1-メチル-アデノシン、N6,N6(ジメチル)アデニン、N6-シス-ヒドロキシ-イソペンテニル-アデノシン、α-チオ-アデノシン、2(アミノ)アデニン、2(アミノプロピル)アデニン、2(メチルチオ)N6(イソペンテニル)アデニン、2-(アルキル)アデニン、2-(アミノアルキル)アデニン、2-(アミノプロピル)アデニン、2-(ハロ)アデニン、2-(ハロ)アデニン、2-(プロピル)アデニン、2’-アミノ-2’-デオキシ-ATP、2’-アジド-2’-デオキシ-ATP、2’-デオキシ-2’-a-アミノアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-アジドアデノシンTP、6(アルキル)アデニン、6(メチル)アデニン、6-(アルキル)アデニン、6-(メチル)アデニン、7(デアザ)アデニン、8(アルケニル)アデニン、8(アルキニル)アデニン、8(アミノ)アデニン、8(チオアルキル)アデニン、8-(アルケニル)アデニン、8-(アルキル)アデニン、8-(アルキニル)アデニン、8-(アミノ)アデニン、8-(ハロ)アデニン、8-(ヒドロキシル)アデニン、8-(チオアルキル)アデニン、8-(チオール)アデニン、8-アジド-アデノシン、アザアデニン、デアザアデニン、N6(メチル)アデニン、N6-(イソペンチル)アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデノシン、7-メチルアデニン、1-デアザアデノシンTP、2’フルオロ-N6-Bz-デオキシアデノシンTP、2’-OMe-2-アミノ-ATP、2’O-メチル-N6-Bz-デオキシアデノシンTP、2’-a-エチニルアデノシンTP、2-アミノアデニン、2-アミノアデノシンTP、2-アミノ-ATP、2’-a-トリフルオロメチルアデノシンTP、2-アジドアデノシンTP、2’-b-エチニルアデノシンTP、2-ブロモアデノシンTP、2’-b-トリフルオロメチルアデノシンTP、2-クロロアデノシンTP、2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-メルカプトアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-アミノアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-アジドアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-ブロモアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-クロロアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-フルオロアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-ヨードアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-メルカプトアデノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシアデノシンTP、2-フルオロアデノシンTP、2-ヨードアデノシンTP、2-メルカプトアデノシンTP、2-メトキシ-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-トリフルオロメチルアデノシンTP、3-デアザ-3-ブロモアデノシンTP、3-デアザ-3-クロロアデノシンTP、3-デアザ-3-フルオロアデノシンTP、3-デアザ-3-ヨードアデノシンTP、3-デアザアデノシンTP、4’-アジドアデノシンTP、4’-炭素環式アデノシンTP、4’-エチニルアデノシンTP、5’-ホモ-アデノシンTP、8-アザ-ATP、8-ブロモ-アデノシンTP、8-トリフルオロメチルアデノシンTP、9-デアザアデノシンTP、2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、2-チオシチジン、3-メチルシチジン、5-ホルミルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-メチルシチジン、N4-アセチルシチジン、2’-O-メチルシチジン、2’-O-メチルシチジン、5,2’-O-ジメチルシチジン、5-ホルミル-2’-O-メチルシチジン、リシジン、N4,2’-O-ジメチルシチジン、N4-アセチル-2’-O-メチルシチジン、N4-メチルシチジン、N4,N4-ジメチル-2’-OMe-シチジンTP、4-メチルシチジン、5-アザ-シチジン、プソイド-イソ-シチジン、ピロロ-シチジン、α-チオ-シチジン、2-(チオ)シトシン、2’-アミノ-2’-デオキシ-CTP、2’-アジド-2’-デオキシ-CTP、2’-デオキシ-2’-a-アミノシチジンTP、2’-デオキシ-2’-a-アジドシチジンTP、3(デアザ)5(アザ)シトシン、3(メチル)シトシン、3-(アルキル)シトシン、3-(デアザ)5(アザ)シトシン、3-(メチル)シチジン、4,2’-O-ジメチルシチジン、5(ハロ)シトシン、5(メチル)シトシン、5(プロピニル)シトシン、5(トリフルオロメチル)シトシン、5-(アルキル)シトシン、5-(アルキニル)シトシン、5-(ハロ)シトシン、5-(プロピニル)シトシン、5-(トリフルオロメチル)シトシン、5-ブロモ-シチジン、5-ヨード-シチジン、5-プロピニルシトシン、6-(アゾ)シトシン、6-アザ-シチジン、アザシトシン、デアザシトシン、N4(アセチル)シトシン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、2-メトキシ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、ピロロ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)シチジンTP、2,2’-無水-シチジンTP塩酸塩、2’フルオロ-N4-Bz-シチジンTP、2’フルオロ-N4-アセチル-シチジンTP、2’-O-メチル-N4-アセチル-シチジンTP、2’O-メチル-N4-Bz-シチジンTP、2’-a-エチニルシチジンTP、2’-a-トリフルオロメチルシチジンTP、2’-b-エチニルシチジンTP、2’-b-トリフルオロメチルシチジンTP、2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジンTP、2’-デオキシ-2’-a-メルカプトシチジンTP、2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-アミノシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-アジドシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-ブロモシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-クロロシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-フルオロシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-ヨードシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-メルカプトシチジンTP、2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシシチジンTP、2’-O-メチル-5-(1-プロピニル)シチジンTP、3’-エチニルシチジンTP、4’-アジドシチジンTP、4’-炭素環式シチジンTP、4’-エチニルシチジンTP、5-(1-プロピニル)アラ-シチジンTP、5-(2-クロロ-フェニル)-2-チオシチジンTP、5-(4-アミノ-フェニル)-2-チオシチジンTP、5-アミノアリル-CTP、5-シアノシチジンTP、5-エチニルアラ-シチジンTP、5-エチニルシチジンTP、5’-ホモ-シチジンTP、5-メトキシシチジンTP、5-トリフルオロメチル-シチジンTP、N4-アミノ-シチジンTP、N4-ベンゾイル-シチジンTP、プソイドイソシチジン、7-メチルグアノシン、N2,2’-O-ジメチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、ワイオシン、1,2’-O-ジメチルグアノシン、1-メチルグアノシン、2’-O-メチルグアノシン、2’-O-リボシルグアノシン(リン酸)、2’-O-メチルグアノシン、2’-O-リボシルグアノシン(リン酸)、7-アミノメチル-7-デアザグアノシン、7-シアノ-7-デアザグアノシン、アルカエオシン、メチルワイオシン、N2,7-ジメチルグアノシン、N2,N2,2’-O-トリメチルグアノシン、N2,N2,7-トリメチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、N2,7,2’-O-トリメチルグアノシン、6-チオ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、N1-メチル-グアノシン、α-チオ-グアノシン、2(プロピル)グアニン、2-(アルキル)グアニン、2’-アミノ-2’-デオキシ-GTP、2’-アジド-2’-デオキシ-GTP、2’-デオキシ-2’-a-アミノグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-アジドグアノシンTP、6(メチル)グアニン、6-(アルキル)グアニン、6-(メチル)グアニン、6-メチル-グアノシン、7(アルキル)グアニン、7(デアザ)グアニン、7(メチル)グアニン、7-(アルキル)グアニン、7-(デアザ)グアニン、7-(メチル)グアニン、8(アルキル)グアニン、8(アルキニル)グアニン、8(ハロ)グアニン、8(チオアルキル)グアニン、8-(アルケニル)グアニン、8-(アルキル)グアニン、8-(アルキニル)グアニン、8-(アミノ)グアニン、8-(ハロ)グアニン、8-(ヒドロキシル)グアニン、8-(チオアルキル)グアニン、8-(チオール)グアニン、アザグアニン、デアザグアニン、N(メチル)グアニン、N-(メチル)グアニン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、6-メトキシ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、1-Me-GTP、2’フルオロ-N2-イソブチル-グアノシンTP、2’O-メチル-N2-イソブチル-グアノシンTP、2’-a-エチニルグアノシンTP、2’-a-トリフルオロメチルグアノシンTP、2’-b-エチニルグアノシンTP、2’-b-トリフルオロメチルグアノシンTP、2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオログアノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-メルカプトグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-アミノグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-アジドグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-ブロモグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-クロログアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-フルオログアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-ヨードグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-メルカプトグアノシンTP、2’-デオキシ-2’-b-チ
オメトキシグアノシンTP、4’-アジドグアノシンTP、4’-炭素環式グアノシンTP、4’-エチニルグアノシンTP、5’-ホモ-グアノシンTP、8-ブロモ-グアノシンTP、9-デアザグアノシンTP、N2-イソブチル-グアノシンTP、1-メチルイノシン、イノシン、1,2’-O-ジメチルイノシン、2’-O-メチルイノシン、7-メチルイノシン、2’-O-メチルイノシン、エポキシクエオシン、ガラクトシル-クエオシン、マンノシルクエオシン、クエオシン、アリルアミノ-チミジン、アザチミジン、デアザチミジン、デオキシ-チミジン、2’-O-メチルウリジン、2-チオウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチルウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-タウリノメチル-2-チオウリジン、5-タウリノメチルウリジン、ジヒドロウリジン、プソイドウリジン、(3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、1-メチルプソイドウリジン、1-エチル-プソイドウリジン、2’-O-メチルウリジン、2’-O-メチルプソイドウリジン、2’-O-メチルウリジン、2-チオ-2’-O-メチルウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン、3,2’-O-ジメチルウリジン、3-メチル-プソイド-ウリジンTP、4-チオウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル、5,2’-O-ジメチルウリジン、5,6-ジヒドロ-ウリジン、5-アミノメチル-2-チオウリジン、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチルウリジン、5-カルバモイルメチルウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチルウリジンメチルエステル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチルウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン、5-カルバモイルメチルウリジンTP、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチルウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウリジン、5-メトキシカルボニルメチルウリジン、5-メチルウリジン,)、5-メトキシウリジン、5-メチル-2-チオウリジン、5-メチルアミノメチル-2-セレノウリジン、5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-メチルアミノメチルウリジン、5-メチルジヒドロウリジン、5-オキシ酢酸-ウリジンTP、5-オキシ酢酸-メチルエステル-ウリジンTP、N1-メチル-プソイド-ウラシル、N1-エチル-プソイド-ウラシル、ウリジン5-オキシ酢酸、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)-ウリジンTP、5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)-2-チオウリジンTP、5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチルウリジンTP、5-(イソ-ペンテニルアミノメチル)ウリジンTP、5-プロピニルウラシル、α-チオ-ウリジン、1(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチルエニル)-2(チオ)-プソイドウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチルエニル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチルエニル)-4(チオ)プソイドウラシル、1(アミノアルキルアミノカルボニルエチルエニル)-プソイドウラシル、1(アミノカルボニルエチルエニル)-2(チオ)-プソイドウラシル、1(アミノカルボニルエチルエニル)-2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1(アミノカルボニルエチルエニル)-4(チオ)プソイドウラシル、1(アミノカルボニルエチルエニル)-プソイドウラシル、1置換2(チオ)-プソイドウラシル、1置換2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、1置換4(チオ)プソイドウラシル、1置換プソイドウラシル、1-(アミノアルキルアミノ-カルボニルエチルエニル)-2-(チオ)-プソイドウラシル、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジンTP、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイド-UTP、1-メチル-プソイド-UTP、1-エチル-プソイド-UTP、2(チオ)プソイドウラシル、2’デオキシウリジン、2’フルオロウリジン、2-(チオ)ウラシル、2,4-(ジチオ)プソイドウラシル、2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ-グアノシン、2’-アミノ-2’-デオキシ-UTP、2’-アジド-2’-デオキシ-UTP、2’-アジド-デオキシウリジンTP、2’-O-メチルプソイドウリジン、2’デオキシウリジン、2’フルオロウリジン、2’-デオキシ-2’-a-アミノウリジンTP、2’-デオキシ-2’-a-アジドウリジンTP、2-メチルプソイドウリジン、3(3アミノ-3カルボキシプロピル)ウラシル、4(チオ)プソイドウラシル、4-(チオ)プソイドウラシル、4-(チオ)ウラシル、4-チオウラシル、5(1,3-ジアゾール-1-アルキル)ウラシル、5(2-アミノプロピル)ウラシル、5(アミノアルキル)ウラシル、5(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5(グアニジニウムアルキル)ウラシル、5(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル、5(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル、5(メチル)2(チオ)ウラシル、5(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル、5(メチル)4(チオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)-2(チオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)-2,4(ジチオ)ウラシル、5(メチルアミノメチル)-4(チオ)ウラシル、5(プロピニル)ウラシル、5(トリフルオロメチル)ウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-(アルキル)-2-(チオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)-2,4(ジチオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)-4(チオ)プソイドウラシル、5-(アルキル)プソイドウラシル、5-(アルキル)ウラシル、5-(アルキニル)ウラシル、5-(アリルアミノ)ウラシル、5-(シアノアルキル)ウラシル、5-(ジアルキルアミノアルキル)ウラシル、5-(ジメチルアミノアルキル)ウラシル、5-(グアニジニウムアルキル)ウラシル、5-(ハロ)ウラシル、5-(l,3-ジアゾール-l-アルキル)ウラシル、5-(メトキシ)ウラシル、5-(メトキシカルボニルメチル)-2-(チオ)ウラシル、5-(メトキシカルボニル-メチル)ウラシル、5-(メチル)2(チオ)ウラシル、5-(メチル)2,4(ジチオ)ウラシル、5-(メチル)4(チオ)ウラシル、5-(メチル)-2-(チオ)プソイドウラシル、5-(メチル)-2,4(ジチオ)プソイドウラシル、5-(メチル)-4(チオ)プソイドウラシル、5-(メチル)プソイドウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2(チオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-2,4(ジチオ)ウラシル、5-(メチルアミノメチル)-4-(チオ)ウラシル、5-(プロピニル)ウラシル、5-(トリフルオロメチル)ウラシル、5-アミノアリル-ウリジン、5-ブロモ-ウリジン、5-ヨード-ウリジン、5-ウラシル、6(アゾ)ウラシル、6-(アゾ)ウラシル、6-アザ-ウリジン、アリルアミノ-ウラシル、アザウラシル、デアザウラシル、N3(メチル)ウラシル、プソイド-UTP-1-2-エタン酸、プソイドウラシル、4-チオ-プソイド-UTP、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、1-プロピニル-ウリジン、1-タウリノメチル-1-メチル-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、2-メトキシ-4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、(±)1-(2-ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP、(2R)-1-(2-ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP、(2S)-1-(2-ヒドロキシプロピル)プソイドウリジンTP、(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)アラ-ウリジンTP、(E)-5-(2-ブロモ-ビニル)ウリジンTP、(Z)-5-(2-ブロモ-ビニル)アラ-ウリジンTP、(Z)-5-(2-ブロモ-ビニル)ウリジンTP、1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-プソイド-UTP、1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)プソイドウリジンTP、1-(2,2-ジエトキシエチル)プソイドウリジンTP、1-(2,4,6-トリメチルベンジル)プソイドウリジンTP、1-(2,4,6-トリメチル-ベンジル)プソイド-UTP、1-(2,4,6-トリメチル-フェニル)プソイド-UTP、1-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)プソイド-UTP、1-(2-アミノ-エチル)プソイド-UTP、1-(2-ヒドロキシエチル)プソイドウリジンTP、1-(2-Mエトキシエチル)プソイドウリジンTP、1-(3,4-ビス-トリフルオロメトキシベンジル)プソイドウリジンTP、1-(3,4-ジメトキシベンジル)プソイドウリジンTP、1-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイド-UTP、1-(3-アミノ-プロピル)プソイド-UTP、1-(3-シクロプロピル-プロパ-2-イニル)プソイドウリジンTP、1-(4-アミノ-4-カルボキシブチル)プソイド-UTP、1-(4-アミノ-ベンジル)プソイド-UTP、1-(4-アミノ-ブチル)プソイド-UTP、1-(4-アミノ-フェニル)プソイド-UTP、1-(4-アジドベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-ブロモベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-クロロベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-フルオロベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-ヨードベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-メタンスルホニルベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-メトキシベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-メトキシ-ベンジル)プソイド-UTP、1-(4-メトキシ-フェニル)プソイド-UTP、1-(4-メチルベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-メチル-ベンジル)プソイド-UTP、1-(4-ニトロベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-ニトロ-ベンジル)プソイド-UTP、1(4-ニトロ-フェニル)プソイド-UTP、1-(4-チオメトキシベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-トリフルオロメトキシベンジル)プソイドウリジンTP、1-(4-トリフルオロメチルベンジル)プソイドウリジンTP、1-(5-アミノ-ペンチル)プソイド-UTP、1-(6-アミノ-ヘキシル)プソイド-UTP、1,6-ジメチル-プソイド-UTP、1-[3-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-エトキシ)-プロピオニル]プソイドウリジンTP、1-{3-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-プロピオニル}プソイドウリジンTP、1-アセチルプソイドウリジンTP、1-アルキル-6-(1-プロピニル)-プソイド-UTP、1-アルキル-6-(2-プロピニル)-プソイド-UTP、1-アルキル-6-アリル-プソイド-UTP、1-アルキル-6-エチニル-プソイド-UTP、1-アルキル-6-ホモアリル-プソイド-UTP、1-アルキル-6-ビニル-プソイド-UTP、1-アリルプソイドウリジンTP、1-アミノメチル-プソイド-UTP、1-ベンゾイルプソイドウリジンTP、1-ベンジルオキシメチルプソイドウリジンTP、1-ベンジル-プソイド-UTP、1-ビオチニル-PEG
2-プソイドウリジンTP、1-ビオチニルプソイドウリジンTP、1-ブチル-プソイド-UTP、1-シアノメチルプソイドウリジンTP、1-シクロブチルメチル-プソイド-UTP、1-シクロブチル-プソイド-UTP、1-シクロヘプチルメチル-プソイド-UTP、1-シクロヘプチル-プソイド-UTP、1-シクロヘキシルメチル-プソイド-UTP、1-シクロヘキシル-プソイド-UTP、1-シクロオクチルメチル-プソイド-UTP、1-シクロオクチル-プソイド-UTP、1-シクロペンチルメチル-プソイド-UTP、1-シクロペンチル-プソイド-UTP、1-シクロプロピルメチル-プソイド-UTP、1-シクロプロピル-プソイド-UTP、1-エチル-プソイド-UTP、1-ヘキシル-プソイド-UTP、1-ホモアリルプソイドウリジンTP、1-ヒドロキシメチルプソイドウリジンTP、1-イソ-プロピル-プソイド-UTP、1-Me-2-チオ-プソイド-UTP、1-Me-4-チオ-プソイド-UTP、1-Me-アルファ-チオ-プソイド-UTP、1-メタンスルホニルメチルプソイドウリジンTP、1-メトキシメチルプソイドウリジンTP、1-メチル-6-(2,2,2-トリフルオロエチル)プソイド-UTP、1-メチル-6-(4-モルホリノ)-プソイド-UTP、1-メチル-6-(4-チオモルホリノ)-プソイド-UTP、1-メチル-6-(置換フェニル)プソイド-UTP、1-メチル-6-アミノ-プソイド-UTP、1-メチル-6-アジド-プソイド-UTP、1-メチル-6-ブロモ-プソイド-UTP、1-メチル-6-ブチル-プソイド-UTP、1-メチル-6-クロロ-プソイド-UTP、1-メチル-6-シアノ-プソイド-UTP、1-メチル-6-ジメチルアミノ-プソイド-UTP、1-メチル-6-エトキシ-プソイド-UTP、1-メチル-6-エチルカルボキシレート-プソイド-UTP、1-メチル-6-エチル-プソイド-UTP、1-メチル-6-フルオロ-プソイド-UTP、1-メチル-6-ホルミル-プソイド-UTP、1-メチル-6-ヒドロキシアミノ-プソイド-UTP、1-メチル-6-ヒドロキシ-プソイド-UTP、1-メチル-6-ヨード-プソイド-UTP、1-メチル-6-イソ-プロピル-プソイド-UTP、1-メチル-6-メトキシ-プソイド-UTP、1-メチル-6-メチルアミノ-プソイド-UTP、1-メチル-6-フェニル-プソイド-UTP、1-メチル-6-プロピル-プソイド-UTP、1-メチル-6-tert-ブチル-プソイド-UTP、1-メチル-6-トリフルオロメトキシ-プソイド-UTP、1-メチル-6-トリフルオロメチル-プソイド-UTP、1-モルホリノメチルプソイドウリジンTP、1-ペンチル-プソイド-UTP、1-フェニル-プソイド-UTP、1-ピバロイルプソイドウリジンTP、1-プロパルギルプソイドウリジンTP、1-プロピル-プソイド-UTP、1-プロピニル-プソイドウリジン、1-p-トリル-プソイド-UTP、1-tert-ブチル-プソイド-UTP、1-チオメトキシメチルプソイドウリジンTP、1-チオモルホリノメチルプソイドウリジンTP、1-トリフルオロアセチルプソイドウリジンTP、1-トリフルオロメチル-プソイド-UTP、1-ビニルプソイドウリジンTP、2,2’-無水-ウリジンTP、2’-ブロモ-デオキシウリジンTP、2’-F-5-メチル-2’-デオキシ-UTP、2’-OMe-5-Me-UTP、2’-OMe-プソイド-UTP、2’-a-エチニルウリジンTP、2’-a-トリフルオロメチルウリジンTP、2’-b-エチニルウリジンTP、2’-b-トリフルオロメチルウリジンTP、2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロウリジンTP、2’-デオキシ-2’-a-メルカプトウリジンTP、2’-デオキシ-2’-a-チオメトキシウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-アミノウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-アジドウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-ブロモウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-クロロウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-フルオロウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-ヨードウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-メルカプトウリジンTP、2’-デオキシ-2’-b-チオメトキシウリジンTP、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、2-メトキシウリジン、2’-O-メチル-5-(1-プロピニル)ウリジンTP、3-アルキル-プソイド-UTP、4’-アジドウリジンTP、4’-炭素環式ウリジンTP、4’-エチニルウリジンTP、5-(1-プロピニル)アラ-ウリジンTP、5-(2-フラニル)ウリジンTP、5-シアノウリジンTP、5-ジメチルアミノウリジンTP、5’-ホモ-ウリジンTP、5-ヨード-2’-フルオロ-デオキシウリジンTP、5-フェニルエチニルウリジンTP、5-トリ重水素メチル-6-重水素ウリジンTP、5-トリフルオロメチル-ウリジンTP、5-ビニルアラウリジンTP、6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-プソイド-UTP、6-(4-モルホリノ)-プソイド-UTP、6-(4-チオモルホリノ)-プソイド-UTP、6-(置換フェニル)-プソイド-UTP、6-アミノ-プソイド-UTP、6-アジド-プソイド-UTP、6-ブロモ-プソイド-UTP、6-ブチル-プソイド-UTP、6-クロロ-プソイド-UTP、6-シアノ-プソイド-UTP、6-ジメチルアミノ-プソイド-UTP、6-エトキシ-プソイド-UTP、6-エチルカルボキシレート-プソイド-UTP、6-エチル-プソイド-UTP、6-フルオロ-プソイド-UTP、6-ホルミル-プソイド-UTP、6-ヒドロキシアミノ-プソイド-UTP、6-ヒドロキシ-プソイド-UTP、6-ヨード-プソイド-UTP、6-イソ-プロピル-プソイド-UTP、6-メトキシ-プソイド-UTP、6-メチルアミノ-プソイド-UTP、6-メチル-プソイド-UTP、6-フェニル-プソイド-UTP、6-フェニル-プソイド-UTP、6-プロピル-プソイド-UTP、6-tert-ブチル-プソイド-UTP、6-トリフルオロメトキシ-プソイド-UTP、6-トリフルオロメチル-プソイド-UTP、アルファ-チオ-プソイド-UTP、プソイドウリジン1-(4-メチルベンゼンスルホン酸)TP、プソイドウリジン1-(4-メチル安息香酸)TP、プソイドウリジンTP1-[3-(2-エトキシ)]プロピオン酸、プソイドウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-(2-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸、プソイドウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-{2(2-エトキシ)-エトキシ}-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸、プソイドウリジンTP1-[3-{2-(2-[2-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸、プソイドウリジンTP1-[3-{2-(2-エトキシ)-エトキシ}]プロピオン酸、プソイドウリジンTP1-メチルホスホン酸、プソイドウリジンTP1-メチルホスホン酸ジエチルエステル、プソイド-UTP-N1-3-プロピオン酸、プソイド-UTP-N1-4-ブタン酸、プソイド-UTP-N1-5-ペンタン酸、プソイド-UTP-N1-6-ヘキサン酸、プソイド-UTP-N1-7-ヘプタン酸、プソイド-UTP-N1-メチル-p-安息香酸、プソイド-UTP-N1-p-安息香酸、ワイブトシン、ヒドロキシワイブトシン、イソワイオシン、ペルオキシワイブトシン、中間体(undermodified)ヒドロキシワイブトシン、4-デメチルワイオシン、2,6-(ジアミノ)プリン、1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル:1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノチアジン-l-イル、1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、1,3,5-(トリアザ)-2,6-(ジオキサ)-ナフタレン、2(アミノ)プリン、2,4,5-(トリメチル)フェニル、2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ-シチジン、2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ-アデニン、2’メチル、2’アミノ、2’アジド、2’フルロ-ウリジン、2’-アミノ-2’-デオキシリボース、2-アミノ-6-クロロ-プリン、2-アザ-イノシニル、2’-アジド-2’-デオキシリボース、2’フルオロ-2’-デオキシリボース、2’-フルオロ-修飾塩基、2’-O-メチル-リボース、2-オキソ-7-アミノピリドピリミジン-3-イル、2-オキソ-ピリドピリミジン-3-イル、2-ピリジノン、3ニトロピロール、3-(メチル)-7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、3-(メチル)イソカルボスチリリル、4-(フルオロ)-6-(メチル)ベンゾイミダゾール、4-(メチル)ベンゾイミダゾール、4-(メチル)インドリル、4,6-(ジメチル)インドリル、5ニトロインドール、5置換ピリミジン、5-(メチル)イソカルボスチリリル、5-ニトロインドール、6-(アザ)ピリミジン、6-(アゾ)チミン、6-(メチル)-7-(アザ)インドリル、6-クロロ-プリン、6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノチアジン-1-イル、7-(アミノアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(アザ)インドリル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキル-ヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノチアジン-1-イル、7-(グアニジニウムアルキルヒドロキシ)-1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、7-(プロピニル)イソカルボスチリリル、プロピニル-7-(アザ)インドリル、7-デアザ-イノシニル、7-置換1-(アザ)-2-(チオ)-3-(アザ)-フェノキサジン-1-イル、7-置換1,3-(ジアザ)-2-(オキソ)-フェノキサジン-1-イル、9-(メチル)-イミジゾピリジニル、アミノインドリル、アントラセニル、ビス-オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ビス-オルト-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ジフルオロトリル、ヒポキサンチン、イミジゾピリジニル、イノシニル、イソカルボスチリリル、イソグアニシン、N2-置換プリン、N6-メチル-2-アミノ-プリン、N6-置換プリン、N-アルキル化誘導体、ナフタレニル、ニトロベンゾイミダゾリル、ニトロイミダゾリル、ニトロインダゾリル、ニトロピラゾリル、ヌブラリン、O6-置換プリン、O-アルキル化誘導体、オルト-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、オルト-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、オキソホルミシンTP、パラ-(アミノアルキルヒドロキシ)-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、パラ-置換-6-フェニル-ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ペンタセニル、フェナントラセニル、フェニル、プロ
ピニル-7-(アザ)インドリル、ピレニル、ピリドピリミジン-3-イル、ピリドピリミジン-3-イル、2-オキソ-7-アミノ-ピリドピリミジン-3-イル、ピロロ-ピリミジン-2-オン-3-イル、ピロロピリミジニル、ピロロピリジニル、スチルベンジル、置換1,2,4-トリアゾール、テトラセニル、ツベルシジン、キサンチン、キサントシン-5’-TP、2-チオ-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、2-アミノ-リボシド-TP、ホルマイシンATP、ホルマイシンBTP、ピロロシンTP、2’-OH-アラ-アデノシンTP、2’-OH-アラ-シチジンTP、2’-OH-アラ-ウリジンTP、2’-OH-アラ-グアノシンTP、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジンTP、及びN6-(19-アミノ-ペンタオキサノンアデシル)アデノシンTP。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、前述の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、mRNAは、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)、2-チオウリジン(s2U)、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5-メチルウリジン、5-メトキシウリジン、2’-O-メチルウリジン、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、1-エチル-プソイドウリジン(e1ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、α-チオ-グアノシン、α-チオ-アデノシン、5-シアノウリジン、4’-チオウリジン7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)及び2,6-ジアミノプリン、(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、2,8-ジメチルアデノシン、2-ゲラニルチオウリジン、2-リシジン、2-セレノウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)-5,6-ジヒドロウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、3-メチルプソイドウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)-2’-O-メチルウリジンメチルエステル、5-アミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、5-アミノメチル-2-セレノウリジン、5-アミノメチルウリジン、5-カルバモイルヒドロキシメチルウリジン、5-カルバモイルメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-セレノウリジン、5-シアノメチルウリジン、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルアミノメチル-2-ゲラニルチオウリジン、7-アミノカルボキシプロピル-デメチルワイオシン、7-アミノカルボキシプロピルワイオシン、7-アミノカルボキシプロピルワイオシンメチルエステル、8-メチルアデノシン、N4,N4-ジメチルシチジン、N6-ホルミルアデノシン、N6-ヒドロキシメチルアデノシン、アグマチジン、環式N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、グルタミル-クエオシン、メチル化中間体ヒドロキシワイブトシン、N4,N4,2’-O-トリメチルシチジン、ゲラニル化5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン、ゲラニル化5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、Q塩基、preQ0塩基、preQ1塩基、ならびにこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、1-エチル-プソイドウリジン、5-メチルシトシン、5-メトキシウリジン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、前述の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせを含む。
塩基修飾
ある特定の実施形態において、化学修飾は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)中の核酸塩基にある。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)中の修飾核酸塩基は、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、1-エチル-プソイドウリジン(e1ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、プソイドウリジン(ψ)、α-チオ-グアノシン及びα-チオ-アデノシンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、前述の修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、プソイドウリジン(ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1-エチル-プソイドウリジン(e1ψ)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、1-エチル-プソイドウリジン(e1ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2-チオウリジン(s2U)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2-チオウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、メトキシ-ウリジン(mo5U)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2'-O-メチルウリジンを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、2'-O-メチルウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、N6-メチル-アデノシン(m6A)を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、N6-メチル-アデノシン(m6A)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾で均一に修飾される(例えば、完全に修飾される、配列全体にわたって修飾される)。例えば、ポリヌクレオチドは、5-メチル-シチジン(m5C)で均一に修飾され得、すなわち、mRNA配列中の全てのシトシン残基が5-メチル-シチジン(m5C)で置き換えられる。同様に、ポリヌクレオチドは、配列中に存在する任意の種類のヌクレオシド残基が上記のもののいずれかなどの修飾残基で置き換えられることによって、均一に修飾され得る。
いくつかの実施形態において、オープンリーディングフレーム中の化学修飾ヌクレオシドは、ウリジン、アデニン、シトシン、グアニン及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例には、N4-アセチル-シチジン(ac4C)、5-メチル-シチジン(m5C)、5-ハロ-シチジン(例えば、5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hm5C)、1-メチル-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン(s2C)、2-チオ-5-メチル-シチジンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾ウリジンである。修飾ウリジンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドには、5-シアノウリジンまたは4'-チオウリジンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドには、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデニン(m6A)及び2,6-ジアミノプリンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドには、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)中の核酸塩基修飾ヌクレオチドは、5-メトキシウリジンである。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、修飾核酸塩基の少なくとも2つ(例えば、2、3、4つまたはそれ以上)の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、MCMをコードするmRNAポリヌクレオチド)中のある種類の核酸塩基(例えば、ウラシル)の少なくとも95%が修飾核酸塩基である。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、MCMをコードするmRNAポリヌクレオチド)中のウラシルの少なくとも95%が5-メトキシウラシルである。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、5-メトキシウリジン(5mo5U)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、mRNAポリヌクレオチドなどのRNAポリヌクレオチド)は、特定の修飾で均一に修飾される(例えば、完全に修飾される、配列全体にわたって修飾される)。例えば、ポリヌクレオチドは、5-メトキシウリジンで均一に修飾され得、すなわち、mRNA配列中の実質的に全てのウリジン残基が5-メトキシウリジンに置き換えられる。同様に、ポリヌクレオチドは、配列中に存在するあらゆる種類のヌクレオシド残基が上記のもののいずれかなどの修飾残基で置き換えられることによって、均一に修飾され得る。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドには、5-メトキシウラシルが挙げられる。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。
いくつかの実施形態において、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム中の核酸塩基、糖、骨格またはこれらの任意の組み合わせは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%化学修飾される。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム中のウリジンヌクレオシドは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%化学修飾される。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム中のアデノシンヌクレオシドは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%化学修飾される。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム中のシチジンヌクレオシドは、少なくとも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%化学修飾される。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム中のグアノシンヌクレオシドは、少なくとも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%化学修飾される。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、ヌクレオシド間に任意の有用なリンカーを含み得る。本開示の組成物に有用である、骨格修飾を含む、そのようなリンカーには、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:3'-アルキレンホスホネート、3'-アミノホスホロアミデート、アルケン含有骨格、アミノアルキルホスホロアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル、ボラノホスフェート、-CH2-O-N(CH3)-CH2-、-CH2-N(CH3)-N(CH3)-CH2-、-CH2-NH-CH2-、キラルホスホネート、キラルホスホロチオエート、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレン(メチルイミノ)、メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、モルホリノ結合、-N(CH3)-CH2-CH2-、ヘテロ原子ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオシド、ホスフィネート、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、PNA、シロキサン骨格、スルファミン酸骨格、スルフィドスルホキシド及びスルホン骨格、スルホン酸及びスルホンアミド骨格、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル及びチオノホスホロアミデート。
糖に対する修飾
ポリヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されるようなRNAまたはmRNA)に組み込むことができる修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチド(例えば、基本成分分子)は、リボ核酸の糖に対して修飾され得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)がいくつかの異なる置換基で修飾または置換され得る。2’位の例示的な置換には、H、ハロ、任意選択により置換されたC1~6アルキル;任意選択により置換されたC1~6アルコキシ;任意選択により置換されたC6~10アリールオキシ;任意選択により置換されたC3~8シクロアルキル;任意選択により置換されたC3~8シクロアルコキシ;任意選択により置換されたC6~10アリールオキシ;任意選択により置換されたC6~10アリール-C1~6アルコキシ、任意選択により置換されたC1~12(ヘテロシクリル)オキシ;糖(例えば、リボース、ペントースまたは本明細書に記載される任意のもの);ポリエチレングリコール(PEG)、-O(CH2CH2O)nCH2CH2OR(式中、Rは、Hまたは任意選択により置換されたアルキルであり、nは、0~20(例えば、0~4、0~8、0~10、0~16、1~4、1~8、1~10、1~16、1~20、2~4、2~8、2~10、2~16、2~20、4~8、4~10、4~16及び4~20)の整数である);2’-ヒドロキシルがC1~6アルキレンまたはC1~6ヘテロアルキレン架橋によって同じリボース糖の4’-炭素に接続されている、「ロックド」核酸(LNA)(ここで、例示的な架橋にはメチレン、プロピレン、エーテルまたはアミノ架橋が挙げられる);本明細書で定義されるアミノアルキル;本明細書で定義されるアミノアルコキシ;本明細書で定義されるアミノ;及び本明細書で定義されるアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
一般に、RNAは、酸素を有する5員環である糖類リボースを含む。例示的な非限定的な修飾ヌクレオチドには、リボース中の酸素の置換(例えば、S、Se、またはメチレンもしくはエチレンなどのアルキレンによる置換);二重結合の付加(例えば、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルによるリボースの置換);リボースの環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環の形成);リボースの環拡大(例えば、無水ヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル及びホスホロアミデート骨格も有するモルホリノなどの更なる炭素またはヘテロ原子を有する6員または7員環の形成);多環式形態(例えば、トリシクロ;ならびにグリコール核酸(GNA)(例えば、R-GNAまたはS-GNA、この場合、リボースは、ホスホジエステル結合に接続されたグリコール単位で置換される)、トレオース核酸(TNA、この場合、リボースは、α-L-トレオフラノシル-(3’→2’)で置換される)及びペプチド核酸(PNA、この場合、2-アミノ-エチル-グリシン結合でリボース及びホスホジエステル骨格を置換する)などの「アンロックド」形態)が挙げられる。糖類はまた、リボース中の対応する炭素立体化学配置とは逆の立体化学配置を有する1つ以上の炭素を含有し得る。したがって、ポリヌクレオチド分子は、糖として、例えば、アラビノースを含有するヌクレオチドを含み得る。このような糖修飾は、国際特許公開第WO2013052523号及び国際特許出願第PCT/US2013/75177号に教示されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
修飾の組み合わせ
本開示のポリヌクレオチドは、糖、核酸塩基及び/またはヌクレオシド間結合に対する修飾の組み合わせを含み得る。これらの組み合わせは、本明細書に記載される任意の1つ以上の修飾を含み得る。
修飾ヌクレオチド及び修飾ヌクレオチドの組み合わせの例を以下の表4に記載する。これらの修飾ヌクレオチドの組み合わせを使用して本開示のポリヌクレオチドを形成することができる。特に記載のない限り、本開示のポリヌクレオチドの天然ヌクレオチドを修飾ヌクレオチドで完全に置換することができる。非限定的な例として、天然ヌクレオチドウリジンは、本明細書に記載される修飾ヌクレオシドで置換され得る。別の非限定的な例において、天然ヌクレオチドウリジンは、本明細書で開示される修飾ヌクレオシドのうちの少なくとも1つで部分的に置換され得る(例えば、約0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99.9%)。塩基/糖またはリンカーの任意の組み合わせを本開示のポリヌクレオチドに組み込むことができ、そのような修飾は、国際特許公開第WO2013052523号及び国際特許出願第PCT/US2013/75177号に教示されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
表4.組み合わせ
III.ポリヌクレオチド構造
従来、mRNA分子の基本構成成分は、少なくとも、コーディング領域、5’UTR、3’UTR、5’キャップ及びポリAテールを含む。本開示のポリヌクレオチドは、mRNAとして機能し得るが、その設計上の機能的及び/または構造的特徴から野生型mRNAとは区別され、その特徴とは、例えば、核酸治療法を使用した効果的なポリペプチド生産に関する既存の課題を解決するのに役立つものである。
in vitro転写ポリヌクレオチド
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、in vitro転写ポリヌクレオチドを含む。
in vitro転写(IVT)酵素合成法のみを使用して作製されたポリヌクレオチドは、「IVTポリヌクレオチド」と称される。IVTポリヌクレオチドの作製方法は、当該技術分野において知られており、例えば、国際公開第WO2013151666号、同第WO2013151667号、同第WO2013151668号、同第WO2013151663号、同第WO2013151669号、同第WO2013151670号、同第WO2013151664号、同第WO2013151665号、同第WO2013151671号、同第WO2013151672号及び同第WO2013151736号に記載されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
IVTポリヌクレオチドの一次構築物の第1の領域の最短の長さは、MCM、その断片またはそのバリアントをコードするに十分な核酸配列の長さであり得る。目的のポリペプチドをコードするIVTポリヌクレオチドの一次構築物の第1の領域の長さは、約30ヌクレオチド長より大きくてよい(例えば、少なくとも約2,154、2,250、2,500、及び3,000、4,000、4,100、4,200、4,300、4,400、4,500、4,600、4,700、4,800、4,900、5,000、5,100、5,200、5,300、5,400、5,500、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000もしくはそれ以上、または最大100,000ヌクレオチドまで)。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドの第1及び第2のフランキング領域は、独立して、15~1,000ヌクレオチド長の範囲(例えば、30、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500を超えるヌクレオチドまたは少なくとも30、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500ヌクレオチド)であり得る。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドのテール配列は、0~500ヌクレオチド長の範囲(例えば、少なくとも60、70、80、90、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450または500ヌクレオチド)であり得る。テール領域がポリAテールである場合、その長さは、ポリA結合タンパク質の結合の単位で、またはその関数として決定され得る。この実施形態において、ポリAテールは、少なくとも4つのポリA結合タンパク質単量体に結合するのに十分な長さである。ポリA結合タンパク質の単量体は、およそ38ヌクレオチドのストレッチに結合する。このように、約80ヌクレオチド及び160ヌクレオチドのポリAテールが機能的であることが観察されている。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドのキャッピング領域は、単一のキャップ、またはキャップを形成する一連のヌクレオチドを含み得る。この実施形態において、キャッピング領域は、1~10、例えば、2~9、3~8、4~7、1~5、5~10、または少なくとも2もしくは10以下のヌクレオチド長の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、キャップは、存在しない。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドの第1及び第2の機能性領域は、3~40の範囲、例えば、5~30、10~20、15、または少なくとも4もしくは30以下のヌクレオチド長であり得、開始コドン及び/または終止コドンに加えて、1つ以上のシグナル配列及び/または制限配列を含み得る。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、構造的に修飾され得るか、化学修飾され得る。IVTポリヌクレオチドが化学的及び/または構造的に修飾される場合、そのIVTポリヌクレオチドは、「修飾IVTポリヌクレオチド」と称され得る。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドが化学修飾される場合、当該IVTポリヌクレオチドは、同一ヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかの均一の化学修飾を有し得るか、同一ヌクレオシドタイプの全てもしくはいずれかにおいて同一出発修飾の単なる漸減によって生じる修飾集団を有し得るか、全てのウリジンがウリジン類似体(例えば、プソイドウリジンまたは5-メトキシウリジン)によって置き換えられているなどのランダムな組み込みを有する、同一ヌクレオシドタイプのいずれかの全てに関して化学修飾の既定のパーセントを有し得る。別の実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド全体にわたって、2、3または4つの同一ヌクレオシドタイプの均一の化学修飾を有し得る(全てのウリジン及び全てのシトシンなどが同じように修飾されているなど)。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、MCM及び少なくとも1つの目的の追加のペプチドまたはポリペプチドをコードし得る。別の実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、MCM及び2つ以上の目的のペプチドまたはポリペプチドをコードし得る。目的のペプチドまたはポリペプチドの非限定的な例には、酵素とその基質、標識とその結合分子、第2のメッセンジャーとその酵素、または多量体タンパク質もしくは複合体の構成成分が含まれる。
いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、MCMタンパク質またはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、本開示のIVTポリヌクレオチドは、配列番号1~207、732~765及び772から選択されるヒトMCM核酸配列のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、野生型配列を基準にして少なくとも1つのアミノ酸変異を含む、ヒトMCMまたはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、点変異V69、T499、H532、A598及びV671のうちの1つ以上を含む、MCM変異体をコードする。いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドの発現が増加する。いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、20~50%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%増加させる。
キメラポリヌクレオチド構造
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、キメラポリヌクレオチドを含む。
大きさ及び/または化学修飾パターン、化学修飾位置、化学修飾パーセントまたは化学修飾集団、ならびに前述の組み合わせが異なる部分または領域を有するポリヌクレオチドは、「キメラポリヌクレオチド」として知られている。本開示による「キメラ」は、2つ以上の不均等または不均一な部分または領域を有する実体である。本明細書で使用されるとき、ポリヌクレオチドの「部分」または「領域」は、ポリヌクレオチドの完全長よりも短いポリヌクレオチドの任意の部分として定義される。修飾mRNA分子であるキメラポリヌクレオチドは、「キメラ修飾mRNA」または「キメラmRNA」と称される。
キメラポリヌクレオチドは、大きさ及び/または化学修飾パターン、化学修飾位置、化学修飾パーセントまたは化学修飾集団、ならびに前述の組み合わせが異なる部分または領域を有する。
部分または領域の例には、キメラポリヌクレオチドがmRNAとして機能し、目的のポリペプチドをコードする場合、非翻訳領域(5'UTRまたは3'UTRなどのUTR)、コーディング領域、キャップ領域、ポリAテール領域、開始領域、終止領域、シグナル配列領域またはターゲット配列領域及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示のキメラポリヌクレオチドは、式Iを含む構造を有する。
5' [An]-xL1-[Bo]y-L2-[Cp]z-L3 3'
式I
式中、
A及びBのそれぞれは、連結ヌクレオシド領域を独立して含み、
AもしくはBの一方、またはAとBの両方は、本明細書に別途記載されるMCMをコードし、
Cは、連結ヌクレオシドの任意選択の領域であり、
領域A、BまたはCのうちの少なくとも1つは、位置的に修飾され、当該位置的に修飾される領域は、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジンまたはウリジンの同じヌクレオシドタイプのうちの1つ以上が少なくとも2つの化学修飾ヌクレオシドを含み、同じタイプのヌクレオシドの化学修飾のうちの少なくとも2つは、異なる化学修飾であり、
n、o及びpは、独立して、15~10,000の整数であり、それぞれ、領域A、B及びC中のヌクレオシドの数を表し、
x及びyは、独立して、1~20であり、
zは、0~5であり、
L1及びL2は、独立して、任意選択のリンカー部分であり、当該リンカー部分は、核酸ベースまたは非核酸ベースのいずれかであり、
L3は、任意選択のコンジュゲートまたは任意選択のリンカー部分であり、当該リンカー部分は、核酸ベースまたは非核酸ベースのいずれかである。
いくつかの実施形態において、Aの連結ヌクレオシド領域のうちの少なくとも1つは、5'非翻訳領域(UTR)として機能し得る連結ヌクレオシド配列を含み得る。連結ヌクレオシド配列は、天然または合成の5'UTRであり得る。非限定的な例として、キメラポリヌクレオチドは、MCMをコードし得、Aの連結ヌクレオシド配列は、MCMタンパク質の天然5'UTRまたは非異種5'UTR、例えば、限定するものではないが、合成UTRをコードし得る。
別の実施形態において、Aの連結ヌクレオシド領域のうちの少なくとも1つは、キャップ領域であり得る。キャップ領域は、5'UTRとして機能するAの連結ヌクレオシド領域の5'側に位置し得る。キャップ領域は、限定するものではないが、Cap0、Cap1、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジド-グアノシン、Cap2及びCap4などの少なくとも1つのキャップを含み得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、Cap1 5'UTRを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、Cap1 5'UTRを含み、ポリヌクレオチドは、ヒトMCMまたはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるMCMタンパク質をコードする、5'UTR配列(例えば、Cap1)を含むポリヌクレオチドは、異なる5'UTR(例えば、Cap0、ARCA、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、2-アジド-グアノシン、Cap2またはCap4)を含むMCMをコードするポリヌクレオチドと比較して、MCMの発現を増加させる。いくつかの実施形態において、Cap1の5'UTRを含むポリヌクレオチドは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、少なくとも20%、例えば、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも35%または少なくとも40%増加させる。
いくつかの実施形態において、Cの連結ヌクレオシド領域のうちの少なくとも1つは、3'UTRとして機能し得る連結ヌクレオシド配列を含み得る。連結されたヌクレオシドの配列は、天然または合成の3'UTRであり得る。非限定的な例として、キメラポリヌクレオチドは、MCMをコードし得、Cの連結ヌクレオシド配列は、MCMの天然3'UTRまたは非異種3'UTR、例えば、限定するものではないが、合成UTRをコードし得る。
いくつかの実施形態において、Aの連結ヌクレオシド領域のうちの少なくとも1つは、5'UTRとして機能する連結ヌクレオシド配列を含み、Cの連結ヌクレオシド領域のうちの少なくとも1つは、3'UTRとして機能する連結ヌクレオシド配列を含む。いくつかの実施形態において、5'UTR及び3'UTRは、同じ生物種または異なる生物種に由来し得る。別の実施形態において、5'UTR及び3'UTRは、同じ生物種または異なる生物種に由来する異なるタンパク質に由来する天然の非翻訳領域をコードし得る。
本開示のキメラポリヌクレオチドは、その部分または領域を含め、ヘミマー、ギャップマー、ウイングマーまたはブロックマーに分類することができる。
本明細書で使用されるとき、「ヘミマー」は、半分が1つの化学修飾(複数可)のパターン、パーセント、位置または集団を含み、もう半分が2つ目の化学修飾(複数可)のパターン、パーセント、位置または集団を含む領域または部分を含む、キメラポリヌクレオチドである。本開示のキメラポリヌクレオチドはまた、ヘミマーサブ領域を含み得る。いくつかの実施形態において、部分または領域は、一方が50%、他方が50%である。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチド全体は、一方が50%、他方が50%である。本開示の任意のキメラポリヌクレオチドの任意の領域または部分がヘミマーであり得る。ヘミマーの種類には、パターンヘミマー、集団ヘミマーまたは位置ヘミマーが含まれる。定義上、ヘミマーは、50:50パーセントヘミマーである。
本明細書で使用されるとき、「ギャップマー」は、部分間または領域間にギャップがある少なくとも3つの部分または領域を有する、キメラポリヌクレオチドである。「ギャップ」は、隣接する2つの部分または領域のキメラ性とは異なる連結ヌクレオシドまたは単一ヌクレオシドの領域を含み得る。ギャップマーの2つの部分または領域は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
本明細書で使用されるとき、「ウイングマー」は、部分間または領域間にギャップがある少なくとも3つの部分または領域を有する、キメラポリヌクレオチドである。ギャップマーとは異なり、ウイングマー中のギャップ周辺の2つのフランキング部分または領域は、程度または種類において同じである。このような類似性は、異なる修飾単位の数の長さ、または修飾数にあってよい。ウイングマーのウイングは、ギャップより長くても短くてもよい。ウイングの部分または領域は、長さが、ギャップを含む領域よりも20、30、40、50、60 70、80、90または95%大きくても小さくてもよい。
本明細書で使用されるとき、「ブロックマー」は、部分または領域が同等の大きさまたは修飾数及び修飾タイプである、パターン化されたポリヌクレオチドである。ブロックマー中の領域またはサブ領域は、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、6162、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500ヌクレオシド長であり得る。
化学修飾パターンを有する本開示のキメラポリヌクレオチドは、その部分または領域を含め、「パターンキメラ」と称される。パターンキメラは、ブロックマーと称されることもある。パターンキメラは、領域内もしくは部分内、領域全体もしくは部分全体、または領域間もしくは部分間に、修飾パターンを有するポリヌクレオチドである。
部分内または領域内の修飾パターンは、ある画定された領域で開始し、終了するものである。部分全体または領域全体にわたる修飾パターンは、ある部分または領域で開始して、別の隣接する部分または領域で終了するパターンである。部分間または領域間の修飾パターンは、ある部分または領域で開始して終了し、第1の領域または部分に必ずしも隣接するものではない異なる部分または領域で反復されるものである。
パターンキメラまたはブロックマーの領域またはサブ領域は、ABAB[AB]nなどの単純な交互パターンを有し得、ここで、各「A」及び各「B」は、異なる化学修飾(塩基、糖または骨格リンカーのうちの少なくとも1つ)、異なる化学修飾タイプ(例えば、天然及び非天然)、異なる修飾パーセンテージまたは異なる修飾集団を表す。パターンは、n回繰り返され得、n=3~300である。更に、各AまたはBは、パターン中、1~2500単位(例えば、ヌクレオシド)であり得る。パターンはまた、AABBAABB[AABB]n(ダブル交互繰り返し)またはAAABBBAAABBB[AAABBB]n(トリプル交互繰り返し)パターンなどの交互繰り返しであり得る。パターンは、n回繰り返され得、n=3~300である。
また、異なるパターンを混合して二次パターンを形成してもよい。例えば、シングル交互パターンをトリプル交互パターンと組み合わせて、二次交互パターンA'B'を形成してもよい。一例は、[ABABAB][AAABBBAAABBB][ABABAB][AAABBBAAABBB][ABABAB][AAABBBAAABBB]であり、ここで、[ABABAB]はA'であり、[AAABBBAAABBB]はB'である。同様に、これらのパターンは、n回繰り返され得、n=3~300である。
パターンは、3つ以上の異なる修飾を含めて、ABCABC[ABC]nパターンを形成してもよい。これらの3成分パターンもまた、AABBCCAABBCC[AABBCC]nなどの繰り返しであってもよく、ABCABCAABBCCABCABCAABBCCなどの他のパターンとの組み合わせとして設計され得、より高次のパターンであってもよい。
位置、パーセント及び集団修飾の領域またはサブ領域は、各修飾タイプの均等な寄与率を反映する必要はない。「1-2-3-4」、「1-2-4-8」などのシリーズを形成してもよく、ここで、各整数は、特定の修飾タイプの単位数を表す。あるいは、「1-3-3-1-3-1-5」などの奇数のみ、または「2-4-2-4-6-4-8」の偶数のみ、「1-3-4-2-5-7-3-3-4」などの奇数及び偶数の単位の両方の組み合わせであってもよい。
パターンキメラは、それらの化学修飾において、程度(上記のものなど)または種類(例えば、異なる修飾)で異なり得る。
同一ヌクレオシドタイプ(A、C、G、TまたはU)の2つ以上のヌクレオシドメンバーが2つ以上の異なる化学修飾を含む少なくとも1つの領域を有する本開示のキメラポリヌクレオチドは、その部分または領域を含め、「位置的修飾」キメラと称される。位置的修飾キメラはまた、本明細書中、「選択的配置」キメラまたは「選択的配置ポリヌクレオチド」とも称される。その名称が示唆するように、選択的配置は、任意のA、C、G、TまたはUに対する修飾が合成法によって同じである、当該技術分野におけるポリヌクレオチドとは異なり、ポリヌクレオチドまたはその領域中の個々のA、C、G、TまたはUが異なる修飾を有し得る、ポリヌクレオチド設計を指す。例えば、位置的修飾キメラポリヌクレオチドでは、A、C、G、TまたはUのヌクレオシドタイプのいずれかに2つ以上の異なる化学修飾が存在し得る。また、同一ヌクレオシドタイプのいずれか2つ以上に2つ以上の組み合わせが存在してもよい。例えば、位置的修飾または選択的配置キメラポリヌクレオチドは、分子中のアデニン集団に3つの異なる修飾を含み得、かつ構築物中のシトシン集団にも3つの異なる修飾を含み得、それらの全てが特有の非無作為的配置を有し得る。
化学修飾パーセントを有する本開示のキメラポリヌクレオチドは、その部分または領域を含め、「パーセントキメラ」と称される。パーセントキメラは、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の位置、パターンまたは集団の修飾を含む、領域または部分を有し得る。あるいは、パーセントキメラは、修飾位置、パターンまたは集団について、完全に修飾されてもよい。パーセントキメラの修飾パーセントは、天然修飾及び非天然修飾との間で分割されてもよい。
化学修飾集団を有する本開示のキメラポリヌクレオチドは、その部分または領域を含め、「集団キメラ」と称される。集団キメラは、ヌクレオシド(その塩基、糖もしくは骨格結合またはこれらの組み合わせ)が選択修飾集団を有する、領域または部分を含み得る。かかる修飾は、表現型の結果を誘導、変更または調節する修飾などの機能的集団から選択され得る。例えば、機能的集団は、サイトカインのレベルを増加させる化学修飾の集団または選択であってよい。他の機能的集団は、個別にまたは全体として、1つ以上のサイトカインのレベルを減少させるように機能し得る。したがって、キメラポリヌクレオチドにおけるこれらの同様の機能修飾の選択の使用は、「機能的集団キメラ」を構成することになる。本明細書で使用されるとき、「機能的集団キメラ」は、その特有の機能的特徴が、上述される修飾集団によって定義されるものであってもよいし、当該用語は、キメラポリヌクレオチド自体の全体的機能に対して適用されてもよい。例えば、全体として、キメラポリヌクレオチドは、非修飾または非キメラポリヌクレオチドと比較して、異なる様式または優れた様式で機能し得る。
同一ヌクレオシドタイプのいずれかの全ての均一の化学修飾を有し得るか、同一ヌクレオシドタイプのいずれかの全てにおいて同一出発修飾の単なる漸減によって生じる修飾集団を有し得るか、全てのウリジンがウリジン類似体(例えば、プソイドウリジンまたは5-メトキシウリジン)によって置き換えられているなどのランダムな組み込みを有する、同一ヌクレオシドタイプのいずれかの全てに関して化学修飾の既定のパーセントを有し得る、ポリヌクレオチドは、キメラポリヌクレオチドとみなされないことに留意すべきである。同様に、ポリヌクレオチド全体にわたって、2、3または4つの同一ヌクレオシドタイプの均一の化学修飾を有する(全てのウリジン及び全てのシトシンなどが同じように修飾されているなど)ポリヌクレオチドは、キメラポリヌクレオチドとみなされない。キメラではないポリヌクレオチドの一例は、標準的なプソイドウリジン/5-メチルシトシン修飾ポリヌクレオチドである。これらの均一なポリヌクレオチドは、in vitro転写(IVT)酵素合成によって完全に得られ、これらは、合成酵素に制限があるため、ポリヌクレオチドにみられる同一ヌクレオシドタイプ、すなわち、アデノシン(A)、チミジン(T)、グアノシン(G)、シチジン(C)またはウリジン(U)のそれぞれの出現時に1種のみの修飾を含有する。このようなポリヌクレオチドは、IVTポリヌクレオチドとして特徴付けることができる。
本開示のキメラポリヌクレオチドは、構造的に修飾され得るか、化学修飾され得る。本開示のキメラポリヌクレオチドが化学的及び/または構造的に修飾される場合、そのポリヌクレオチドは、「修飾キメラポリヌクレオチド」と称され得る。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、2つ以上の目的のペプチドまたはポリペプチドをコードし得る。このような目的のペプチドまたはポリペプチドには、酵素とその基質、ラベルとその結合分子、第2のメッセンジャーとその酵素、または多量体タンパク質もしくは複合体の構成成分が含まれる。
キメラポリヌクレオチドの領域または部分は、リンカー部分またはスペーサー部分によって隔てられてもよい。このようなリンカーまたはスペーサーは、核酸ベースであっても非ヌクレオシドであってもよい。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、本明細書に記載される自己開裂ペプチド、限定するものではないが、2Aペプチドなどをコードする配列を含み得る。キメラポリヌクレオチド中の2Aペプチドのポリヌクレオチド配列は、本明細書に記載される方法及び/または当該技術分野において知られている方法によって、修飾または配列最適化され得る。
前述の記載にかかわらず、本開示のキメラポリヌクレオチドは、本明細書で定義されるような位置的修飾またはキメラではない領域または部分を含み得る。例えば、キメラポリヌクレオチドの領域または部分は、1つ以上のA、T、C、GまたはUにおいて均一に修飾され得るが、当該ポリヌクレオチドは、全体の領域または部分にわたって均一に修飾されない。
キメラポリヌクレオチド領域または部分は、いくつかの実施形態において、15~10,000ヌクレオシド長であり得、いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるように、2~100の異なる領域または領域パターンを有し得る。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、1つ以上の目的のポリペプチドをコードする。別の実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、実質的に非コーディングである。別の実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、コーディングと非コーディングの両方の領域及び部分を有する。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの領域またはサブ領域は、0~500ヌクレオチド長である範囲(例えば、少なくとも60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450または500ヌクレオチド)であり得る。領域がポリAテールである場合、その長さは、ポリA結合タンパク質の結合の単位で、またはその関数として決定され得る。この実施形態において、ポリAテールは、少なくとも4つのポリA結合タンパク質単量体に結合するのに十分な長さである。ポリA結合タンパク質の単量体は、およそ38ヌクレオチドのストレッチに結合する。このように、約80ヌクレオチド~約160ヌクレオチドのポリAテールが機能的であることが観察されている。mRNAとして機能する本開示のキメラポリヌクレオチドは、ポリAテールを含む必要はない。
本開示のいくつかの実施形態において、mRNAとして機能するキメラポリヌクレオチドは、キャッピング領域を有する。キャッピング領域は、単一のキャップ、またはキャップを形成する一連のヌクレオチドを含み得る。この実施形態において、キャッピング領域は、1~10、例えば、2~9、3~8、4~7、1~5、5~10、または少なくとも2もしくは10以下のヌクレオチド長の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、キャップは、存在しない。
本開示は、環状または環式であるキメラポリヌクレオチドを企図する。その名称が示唆するように、環状ポリヌクレオチドは、本質的に環状であり、すなわち、同じタンパク質または他の分子もしくは複合体とのライゲーション、共有結合、共有の会合によるか、ハイブリダイゼーションによるかにかかわらず、末端が何らかの方法で連結していることを意味する。
キメラポリヌクレオチド、キメラポリヌクレオチドを含む製剤及び組成物、ならびにキメラポリヌクレオチドの製造、使用及び投与の方法は、国際特許出願第PCT/US2014/53907号にも記載されており、その内容全体を参照により援用する。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、MCMタンパク質またはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、本開示のキメラポリヌクレオチドは、配列番号1~207、732~765及び772から選択されるヒトMCM核酸配列のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、野生型配列を基準にして少なくとも1つのアミノ酸変異を含む、ヒトMCMまたはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、点変異V69、T499、H532、A598及びV671のうちの1つ以上を含む、MCM変異体をコードする。いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドの発現が増加する。いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチドは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、20~50%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%増加させる。
環状ポリヌクレオチド構造
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、環状ポリヌクレオチドを含む。
環状であるポリヌクレオチドは、「環状ポリヌクレオチド」または「circP」として知られる。本明細書で使用されるとき、「環状ポリヌクレオチド」または「circP」とは、実質的にRNAと同様に作用し、RNAの特性を有する、一本鎖環状ポリヌクレオチドを意味する。「環状」という用語は、任意の二次または三次構造のcircPを包含することも意味する。
本開示は、環状または環式である、MCMをコードするポリヌクレオチドを企図する。その名称が示唆するように、環状ポリヌクレオチドは、本質的に環状であり、すなわち、同じタンパク質または他の分子もしくは複合体とのライゲーション、共有結合、共有の会合によるか、ハイブリダイゼーションによるかにかかわらず、末端が何らかの方法で連結していることを意味する。
少なくとも1つの目的のペプチドまたはポリペプチドをコードする環状ポリヌクレオチドまたはcircPは、環状RNAまたはcircRNAとして知られる。本明細書で使用されるとき、「環状RNA」または「circRNA」とは、少なくとも1つの目的のペプチドまたはポリペプチドをコードし得る環状ポリヌクレオチドを意味する。
少なくとも1つのセンサー配列を含み、目的のペプチドまたはポリペプチドをコードしないcircPは、環状スポンジまたはcircSPとして知られる。本明細書で使用されるとき、「環状スポンジ」、「環状ポリヌクレオチドスポンジ」または「circSP」とは、少なくとも1つのセンサー配列を含み、目的のポリペプチドをコードしない環状ポリヌクレオチドを意味する。
本明細書で使用されるとき、「センサー配列」とは、内因性核酸結合分子の受容体または類似受容体を意味する。センサー配列の非限定的な例には、マイクロRNA結合部位、マイクロRNAシード配列、シード配列を含まないマイクロRNA結合部位、転写因子結合部位及び類似受容体として機能するように操作された人工結合部位、ならびにその部分及び断片が挙げられる。
少なくとも1つのセンサー配列を含み、少なくとも1つの目的のペプチドまたはポリペプチドをコードするcircPは、環状RNAスポンジまたはcircRNA-SPとして知られる。本明細書で使用されるとき、「環状RNAスポンジ」または「circRNA-SP」とは、少なくとも1つのセンサー配列と、少なくとも1つの目的のペプチドまたはポリペプチドをコードする少なくとも1つの領域とを含む、環状ポリヌクレオチドを意味する。
本明細書で使用されるとき、「環状構築物」という用語は、実質的にRNA分子と同様に機能し、RNA分子の特性を有し得る、環状ポリヌクレオチド転写物を指す。いくつかの実施形態において、環状構築物は、mRNAとして機能する。環状構築物が1つ以上の目的のペプチドまたはポリペプチド(例えば、circRNAまたはcircRNA-SP)をコードする場合、そのポリヌクレオチド転写物は、コードされている目的のポリペプチドが翻訳されるのに十分な構造的及び/または化学的特徴を保持する。環状構築物は、本開示のポリヌクレオチドであり得る。構造的修飾または化学修飾がなされる場合、構築物は、修飾circP、修飾circSP、修飾circRNAまたは修飾circRNA-SPと称され得る。
環状ポリヌクレオチド、環状ポリヌクレオチドを含む製剤及び組成物、ならびに環状ポリヌクレオチドの製造、使用及び投与の方法は、国際特許出願第PCT/US2014/53904号にも記載されており、その内容全体を参照により援用する。
いくつかの実施形態において、環状ポリヌクレオチドは、MCMタンパク質またはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、環状本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1~207、732~765及び772から選択されるヒトMCM核酸のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、環状ポリヌクレオチドは、野生型配列を基準にして少なくとも1つのアミノ酸変異を含む、ヒトMCMまたはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、環状ポリヌクレオチドは、点変異V69、T499、H532、A598及びV671のうちの1つ以上を含む、MCM変異体をコードする。いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドの発現が増加する。いくつかの実施形態において、環状ポリヌクレオチドは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、20~50%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%増加させる。
ポリヌクレオチドの多量体
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、ポリヌクレオチドの多量体を含む。
いくつかの実施形態において、複数の別個のキメラポリヌクレオチド及び/またはIVTポリヌクレオチドは、3’末端が修飾されたヌクレオチドを使用することによって、3’末端を介して一緒に連結され得る。化学コンジュゲートを使用して、細胞内送達の化学量論を制御することができる。例えば、グリオキシル酸回路酵素であるイソクエン酸リアーゼとリンゴ酸シンターゼを1:1の比率で細胞に供給すると、細胞の脂肪酸代謝を変更することができる。この比率は、1つのポリヌクレオチド種上の3’-アジド末端ヌクレオチドと、対向するポリヌクレオチド種上のC5-エチニルまたはアルキニルヌクレオチドとを使用して、キメラポリヌクレオチド及び/またはIVTポリヌクレオチドを化学的に連結するによって制御することができる。修飾ヌクレオチドは、末端転移酵素(New England Biolabs(Ipswich,MA))を製造元のプロトコルに従って使用して、転写後に付加される。3’-修飾ヌクレオチドの付加後、水溶液中、2つのポリヌクレオチド種を銅の存在下または不存在下で組み合わせ、文献に記載されているようなクリックケミストリー機構を介して新しい共有結合を形成することができる。
別の例において、官能化リンカー分子を使用して、3つ以上のキメラポリヌクレオチド及び/またはIVTポリヌクレオチドを一緒に連結することができる。例えば、3’-官能化mRNA分子(すなわち、3’-マレイミドエステル、3’-NHS-エステル、アルキニル)上の同種の部分と反応する複数の化学反応性基(SH-、NH2-、N3など)を含有するように、官能化糖分子を化学的に修飾することができる。修飾糖上の反応性基の数を化学量論的方法で制御して、コンジュゲートされるキメラポリヌクレオチド及び/またはIVTポリヌクレオチドの化学量論比を直接制御することができる。
いくつかの実施形態において、キメラポリヌクレオチド及び/またはIVTポリヌクレオチドは、あるパターンで一緒に連結され得る。パターンは、CD[CD]xなどの単純な交互パターンであり得、ここで、各「C」及び各「D」は、キメラポリヌクレオチド、IVTポリヌクレオチド、異なるキメラポリヌクレオチドまたは異なるIVTポリヌクレオチドを表す。パターンは、x回繰り返され得、x=1~300である。パターンはまた、CCDD[CCDD]x(ダブル交互繰り返し)またはCCCDDD[CCCDDD]x(トリプル交互繰り返し)パターンなどの交互繰り返しであり得る。ダブル交互繰り返しまたはトリプル交互繰り返しは、x回繰り返され得、x=1~300である。
ポリヌクレオチドのコンジュゲート及び組み合わせ
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、ポリヌクレオチドのコンジュゲート及び組み合わせを含む。
タンパク質生産を更に向上させるために、本開示のポリヌクレオチドは、他のポリヌクレオチド、色素または他の作用物質にコンジュゲートされるように設計され得る。
コンジュゲートは、安定性及び/または半減期の増大をもたらし得、細胞、組織または生物内の特定部位に対してポリヌクレオチドを標的化するのに特に有用であり得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、miRNA結合部位、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒性DNA、tRNA、トリプルヘリックスの形成を誘導するRNA、アプタマーまたはベクターなどのうちの1つ以上とともに投与されてもよいし、これらにコンジュゲートされてもよいし、これらを更にコードしてもよい。
二機能性ポリヌクレオチド
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、二機能性ポリヌクレオチドを含む。
本開示のいくつかの実施形態において、二機能性ポリヌクレオチド(例えば、二機能性IVTポリヌクレオチド、二機能性キメラポリヌクレオチドまたは二機能性環状ポリヌクレオチド)である。その名称が示唆するように、二機能性ポリヌクレオチドは、少なくとも2つの機能を有するか、その能力があるものである。これらの分子はまた、慣例上、多機能性と称される。
二機能性ポリヌクレオチドの多機能性は、RNAによってコードされてもよいし(機能は、コードされた産物が翻訳されるまで顕在化し得ない)、ポリヌクレオチド自体の特性であってもよい。構造的または化学的であってよい。二機能性修飾ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドと共有結合的に、または静電的に会合する機能を含み得る。更に、2つの機能は、キメラポリヌクレオチドと別の分子との複合体に関して付与されてもよい。
二機能性ポリヌクレオチドは、抗増殖性であるペプチドをコードし得る。これらのペプチドは、線状、環状、拘束またはランダムコイルであってよく、アプタマー、シグナル伝達分子、リガンドまたはそれらの模倣体もしくはミメティックとして機能し得る。抗増殖性ペプチドは、翻訳された場合、3~50アミノ酸長であり得、5~40、10~30またはおよそ15アミノ酸長であってよい。当該ペプチドは、単鎖、多連鎖または分岐状であり得、翻訳されると、複合体、アグリゲートまたは任意の多単位構造を形成し得る。
ノンコーディングポリヌクレオチド
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)を含む、ノンコーディングポリヌクレオチドを含む。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、部分的または実質的に翻訳されない配列(例えば、ノンコーディング領域を有する配列)を更に含み得る。非限定的な一例として、ノンコーディング領域は、IVTポリヌクレオチドまたは環状ポリヌクレオチドの第1の領域であり得る。あるいは、ノンコーディング領域は、第1の領域以外の領域であり得る。別の非限定的な例として、ノンコーディング領域は、キメラポリヌクレオチドのA、B及び/またはC領域であり得る。
そのような分子は、通常翻訳されないが、リボソームタンパク質または転移RNA(tRNA)などの1つ以上の翻訳機構構成成分への結合及び当該構成成分からの隔離のうちの1つ以上によってタンパク質生産に影響を与えることができ、これにより、細胞内でのタンパク質発現を効果的に減少させるか、細胞内の1つ以上の経路またはカスケードを調節してタンパク質レベルを変更する。ポリヌクレオチドは、1つ以上の長いノンコーディングRNA(lncRNAまたはlincRNA)もしくはその部分、核小体低分子RNA(sno-RNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)またはPiwi相互作用RNA(piRNA)を含有するか、コードし得る。そのようなlncRNA分子と、当該lncRNAを標的にするように設計されたRNAi構築物は、いずれもポリヌクレオチド中にコードされ得、これらの例は、国際公開第WO2012/018881A2号に開示されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
細胞傷害性ヌクレオシド
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)は、1つ以上の細胞傷害性ヌクレオシドを更に組み込むことができる。
非翻訳領域(UTR)
非翻訳領域(UTR)は、開始コドンの前(5'UTR)及び終止コドンの後(3'UTR)の翻訳されないポリヌクレオチドの核酸部分である。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む本開示のポリヌクレオチド(例えば、リボ核酸(RNA)、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))は、UTR(例えば、5’UTRもしくはその機能性断片、3’UTRもしくはその機能性断片、またはこれらの組み合わせ)を更に含む。
UTRは、ポリヌクレオチド中のコーディング領域に対して、同種または異種であり得る。いくつかの実施形態において、UTRは、MCMポリペプチドをコードするORFに対して同種である。いくつかの実施形態において、UTRは、MCMポリペプチドをコードするORFに対して異種である。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、2つ以上の5’UTRまたはその機能性断片を含み、そのそれぞれは、同じヌクレオチド配列または異なるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、2つ以上の3’UTRまたはその機能性断片を含み、そのそれぞれは、同じヌクレオチド配列または異なるヌクレオチド配列を有する。
いくつかの実施形態において、5’UTRもしくはその機能性断片、3’UTRもしくはその機能性断片、またはこれらの任意の組み合わせは、配列最適化される。
いくつかの実施形態において、5’UTRもしくはその機能性断片、3’UTRもしくはその機能性断片、またはこれらの任意の組み合わせは、少なくとも1つの化学修飾核酸塩基、例えば、5-メトキシウラシルを含む。
UTRは、制御的役割、例えば、安定性、局在化及び/または翻訳効率の増大または減少を提供する特徴を有し得る。UTRを含むポリヌクレオチドは、細胞、組織または生物に投与することができ、1つ以上の制御的特徴は、常法を使用して測定することができる。いくつかの実施形態において、5'UTRまたは3'UTRの機能性断片は、それぞれ完全長5'または3'UTRの1つ以上の制御的特徴を含む。
天然5’UTRは、翻訳開始に関与する特徴を有する。天然5’UTRは、リボソームが多数の遺伝子の翻訳を開始する過程に関与することが一般に知られているKozak配列のようなシグネチャを保有する。Kozak配列は、共通のCCR(A/G)CCAUGGを有し、配列中、Rは、別の「G」が後に続く開始コドン(AUG)の3塩基上流のプリン(アデニンまたはグアニン)である。5’UTRはまた、伸長因子の結合に関与する二次構造を形成することが知られている。
特定の標的器官で大量に発現される遺伝子に典型的にみられる特徴を操作することによって、ポリヌクレオチドの安定性及びタンパク質生産を向上させることができる。例えば、肝細胞株または肝臓においては、アルブミン、血清アミロイドA、アポリポタンパク質A/B/E、トランスフェリン、αフェトタンパク質、エリスロポエチンまたは第VIII因子などの肝臓発現mRNAの5’UTRを導入すると、ポリヌクレオチドの発現が向上し得る。同様に、他の組織特異的mRNAからの5’UTRを使用すると、筋肉(例えば、MyoD、ミオシン、ミオグロビン、ミオゲニン、ヘルクリン)、内皮細胞(例えば、Tie-1、CD36)、骨髄細胞(例えば、C/EBP、AML1、G-CSF、GM-CSF、CD11b、MSR、Fr-1、i-NOS)、白血球(例えば、CD45、CD18)、脂肪組織(例えば、CD36、GLUT4、ACRP30、アディポネクチン)及び肺上皮細胞(例えば、SP-A/B/C/D)についても、組織内の発現を改善することが可能である。
いくつかの実施形態において、UTRは、そのタンパク質が共通の機能、構造、特徴または特性を共有する、転写物のファミリーから選択される。例えば、コードされるポリペプチドは、特定の細胞、組織において、または成長中のある期間に発現される、タンパク質のファミリー(すなわち、少なくとも1つの機能、構造、特徴、局在化、起源または発現パターンを共有する)に属し得る。遺伝子またはmRNAのいずれかに由来するUTRを、同じタンパク質ファミリーまたは異なるタンパク質ファミリーの任意の他のUTRと交換して、新しいポリヌクレオチドを作製することができる。
いくつかの実施形態において、5’UTR及び3’UTRは、異種であり得る。いくつかの実施形態において、5'UTRは、3'UTRとは異なる生物種に由来し得る。いくつかの実施形態において、3'UTRは、5'UTRとは異なる生物種に由来し得る。
共同所有の国際特許出願第PCT/US2014/021522号(国際公開第WO/2014/164253号、その全体を参照により本明細書に援用する)は、ORFのフランキング領域として本開示のポリヌクレオチドに利用することができる、例示的なUTRの一覧を提供している。
本出願の例示的なUTRには、α-グロビンまたはβ-グロビンなどのグロビン(例えば、Xenopus、マウス、ウサギまたはヒトグロビン)、強力なKozak翻訳開始シグナル、CYBA(例えば、ヒトシトクロムb-245αポリペプチド)、アルブミン(例えば、ヒトアルブミン7)、HSD17B4(ヒドロキシステロイド(17-β)脱水素酵素)、ウイルス(例えば、タバコエッチウイルス(TEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、デング熱ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)(例えば、CMV前初期1(IE1))、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、シンドビスウイルスまたはPAVオオムギ黄萎ウイルス)、熱ショックタンパク質(例えば、hsp70)、翻訳開始因子(例えば、elF4G)、グルコース輸送体(例えば、hGLUT1(ヒトグルコース輸送体1))、アクチン(例えば、ヒトαまたはβアクチン)、GAPDH、チューブリン、ヒストン、クエン酸回路酵素、トポイソメラーゼ(例えば、5’TOPモチーフを欠くTOP遺伝子の5’UTR(オリゴピリミジントラクト))、ラージリボソームタンパク質32(L32)、リボソームタンパク質(例えば、ヒトまたはマウスリボソームタンパク質、例えば、rps9など)、ATP合成酵素(例えば、ATP5A1またはミトコンドリアH+-ATP合成酵素のβサブユニット)、成長ホルモンe(例えば、ウシ(bGH)またはヒト(hGH))、伸長因子(例えば、伸長因子1 α1(EEF1A1))、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)、筋細胞エンハンサー因子2A(MEF2A)、β-F1-ATPase、クレアチンキナーゼ、ミオグロビン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、コラーゲン(例えば、I型コラーゲンα2(Col1A2)、I型コラーゲンα1(Col1A1)、VI型コラーゲンα2(Col6A2)、VI型コラーゲンα1(Col6A1))、リボフォリン(例えば、リボフォリンI(RPNI))、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(例えば、LRP1)、カルジオトロフィン様サイトカイン因子(例えば、Nnt1)、カルレチクリン(Calr)、プロコラーゲン-リシン,2-オキソグルタル酸5-ジオキシゲナーゼ1(Plod1)、及びヌクレオビンジン(例えば、Nucb1)の核酸配列に由来する1つ以上の5’UTR及び/または3’UTRが挙げられるが、これらに限定されない。
他の例示的な5'及び3'UTRには、Kariko et al.,Mol.Ther.2008 16(11):1833-1840、Kariko et al.,Mol.Ther.2012 20(5):948-953、Kariko et al.,Nucleic Acids Res.2011 39(21):e142、Strong et al.,Gene Therapy 1997 4:624-627、Hansson et al.,J.Biol.Chem.2015 290(9):5661-5672、Yu et al.,Vaccine 2007 25(10):1701-1711、Cafri et al.,Mol.Ther.2015 23(8):1391-1400、Andries et al.,Mol.Pharm.2012 9(8):2136-2145、Crowley et al.,Gene Ther.2015 Jun 30,doi:10.1038/gt.2015.68、Ramunas et al.,FASEB J.2015 29(5):1930-1939、Wang et al.,Curr.Gene Ther.2015 15(4):428-435、Holtkamp et al.,Blood 2006 108(13):4009-4017、Kormann et al.,Nat.Biotechnol.2011 29(2):154-157、Poleganov et al.,Hum.Gen.Ther.2015 26(11):751-766、Warren et al.,Cell Stem Cell 2010 7(5):618-630、Mandal and Rossi,Nat.Protoc.2013 8(3):568-582、Holcik and Liebhaber,PNAS 1997 94(6):2410-2414、Ferizi et al.,Lab Chip.2015 15(17):3561-3571、Thess et al.,Mol.Ther.2015 23(9):1456-1464、Boros et al.,PLoS One 2015 10(6):e0131141、Boros et al.,J.Photochem.Photobiol.B.2013 129:93-99、Andries et al.,J.Control.Release 2015 217:337-344、Zinckgraf et al.,Vaccine 2003 21(15):1640-9、Garneau et al.,J.Virol.2008 82(2):880-892、Holden and Harris,Virology 2004 329(1):119-133、Chiu et al.,J.Virol.2005 79(13):8303-8315、Wang et al.,EMBO J.1997 16(13):4107-4116、Al-Zoghaibi et al.,Gene 2007 391(1-2):130-9、Vivinus et al.,Eur.J.Biochem.2001 268(7):1908-1917、Gan and Rhoads,J.Biol.Chem.1996 271(2):623-626、Boado et al.,J.Neurochem.1996 67(4):1335-1343、Knirsch and Clerch,Biochem.Biophys.Res.Commun.2000 272(1):164-168、Chung et al.,Biochemistry 1998 37(46):16298-16306、Izquierdo and Cuevza,Biochem.J.2000 346 Pt 3:849-855、Dwyer et al.,J.Neurochem.1996 66(2):449-458、Black et al.,Mol.Cell.Biol.1997 17(5):2756-2763、Izquierdo and Cuevza,Mol.Cell.Biol.1997 17(9):5255-5268、US8278036、US8748089、US8835108、US9012219、US2010/0129877、US2011/0065103、US2011/0086904、US2012/0195936、US2014/020675、US2013/0195967、US2014/029490、US2014/0206753、WO2007/036366、WO2011/015347、WO2012/072096、WO2013/143555、WO2014/071963、WO2013/185067、WO2013/182623、WO2014/089486、WO2013/185069、WO2014/144196、WO2014/152659、2014/152673、WO2014/152940、WO2014/152774、WO2014/153052、WO2014/152966,WO2014/152513、WO2015/101414、WO2015/101415、WO2015/062738及びWO2015/024667に記載のものが挙げられるが、これらに限定されず、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの実施形態において、5'UTRは、β-グロビン5’UTR、強力なKozak翻訳開始シグナルを含有する5’UTR、シトクロムb-245αポリペプチド(CYBA)5'UTR、ヒドロキシステロイド(17-β)脱水素酵素(HSD17B4)5'UTR、タバコエッチウイルス(TEV)5'UTR、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(TEEV)5'UTR、非構造タンパク質をコードする風疹ウイルス(RV)RNAの5'隣接オープンリーディングフレーム、デング熱ウイルス(DEN)5'UTR、熱ショックタンパク質70(Hsp70)5'UTR、eIF4G 5'UTR、GLUT1 5'UTR、これらの機能性断片及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、3'UTRは、β-グロビン3’UTR、CYBA 3'UTR、アルブミン3'UTR、成長ホルモン(GH)3'UTR、VEEV 3'UTR、B型肝炎ウイルス(HBV)3'UTR、α-グロビン3’UTR、DEN 3'UTR、PAVオオムギ黄萎ウイルス(BYDV-PAV)3'UTR、伸長因子1 α1(EEF1A1)3'UTR、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)3'UTR、ミトコンドリアH(+)-ATPシンターゼ(β-mRNA)のβサブユニット3'UTR、GLUT1 3'UTR、MEF2A 3'UTR、β-F1-ATPase 3'UTR、これらの機能性断片及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
他の例示的なUTRには、WO2014/164253(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に開示される、UTRの任意の組み合わせを含む、UTRのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許仮出願第61/775,509号の表21及び米国特許仮出願第61/829,372号の表22(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に、5'UTR及び3'UTRに関する開始部位及び終止部位の一覧が示されている。表21中、各5’UTR(5’-UTR-005~5’-UTR68511)は、その天然型または野生型(同種)転写物と比較して、その開始部位及び終止部位によって特定される(ENST;ENSEMBLデータベースで使用される識別名)。
任意の遺伝子またはmRNAに由来する野生型UTRを本開示のポリヌクレオチド中に組み込むことができる。いくつかの実施形態において、UTRは、バリアントUTRを作製するために、例えば、ORFと比較してUTRの配向もしくは位置を変更することによって、または付加ヌクレオチドの包含、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの交換もしくは入れ換えによって、野生型または天然UTRに対して変更することができる。いくつかの実施形態において、5’または3’UTRのバリアント、例えば、1つ以上のヌクレオチドがUTRの末端に付加されているか、削除されている、野生型UTRの変異体またはバリアントを利用することができる。
更に、1つ以上の合成UTRを1つ以上の非合成UTRと組み合わせ使用することができる。例えば、Mandal and Rossi,Nat.Protoc.2013 8(3):568-82を参照されたい(その内容全体を参照により本明細書に援用する;配列は、www.addgene.org/Derrick_Rossi/で入手可能である)。UTRまたはその部分は、選択された転写物と同じ配向に配置されてもよいし、配向または位置を変更してもよい。したがって、5’及び/または3’UTRは、反転、短縮、延長されてもよいし、1つ以上の他の5’UTRまたは3’UTRと組み合わされてもよい。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、複数のUTR、例えば、ダブル、トリプルまたはクアドラプルの5’UTRまたは3’UTRを含む。例えば、ダブルUTRは、同一UTRの2つのコピーを、連続して、または実質的に連続して含む。例えば、ダブルβ-グロビン3’UTRを使用することができる(US2010/0129877参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
表5及び6は、本開示のポリヌクレオチドで利用することができる例示的なUTRの一覧を提供する。本開示の5’非翻訳領域のリストを表5に示す。A、T、CまたはGを含む1つ以上のヌクレオチドが末端に付加されているか、除去されている、5'UTRのバリアントを利用することができる。
表5.5’非翻訳領域
具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドに有用な5'UTRは、配列番号266を含む。
本開示の3’-非翻訳領域のリストを表6に示す。A、T、CまたはGを含む1つ以上のヌクレオチドが末端に付加されているか、除去されている、3'UTRのバリアントを利用することができる。
表6.3’非翻訳領域
特定の実施形態において、ポリヌクレオチドに有用な3'UTRは、配列番号267を含む。
ある特定の実施形態において、本開示の5'UTR及び/または3'UTR配列は、配列番号215~231のいずれかを含む5'UTR配列及び/または配列番号232~248のいずれかを含む3'UTR配列ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される配列に対して、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%または約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。本開示のポリヌクレオチドは、特徴の組み合わせを含み得る。例えば、ORFは、強力なKozak翻訳開始シグナルを含む5’UTR及び/またはポリAテールの鋳型付加のためのオリゴ(dT)配列を含む3’UTRに隣接し得る。5’UTRは、同一UTR及び/または異なるUTRに由来する第1のポリヌクレオチド断片及び第2のポリヌクレオチド断片を含み得る(例えば、US2010/0293625参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
パターン化されたUTRを有することも本開示の範囲内である。本明細書で使用されるとき、「パターン化されたUTR」は、1回、2回または3回以上繰り返される、ABABABもしくはAABBAABBAABBもしくはABCABCABCまたはこれらの変形などの反復または交互パターンを含む。これらのパターンにおいて、各文字A、BまたはCは、異なるUTR核酸配列を表す。
他の非UTR配列は、本開示のポリヌクレオチド内の領域またはサブ領域として使用することができる。例えば、イントロンまたはイントロン配列の一部を本開示のポリヌクレオチド中に組み込むことができる。イントロン配列の組み込みは、タンパク質生産及びポリヌクレオチド発現レベルを増加させ得る。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、UTRの変わりに、またはUTRに加えて、配列内リボソーム進入部位(IRES)を含む(例えば、Yakubov et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.2010 394(1):189-193参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、非構造タンパク質をコードする風疹ウイルス(RV)RNAの5’隣接オープンリーディングフレームを含む、RVゲノムRNAの5’及び/もしくは3’末端にそれぞれに関連する5’及び/もしくは3’配列、またはその欠失誘導体を含む(例えば、Pogue et al.,J.Virol.67(12):7106-7117参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。ウイルスカプシド配列(例えば、カプシド配列の5’部分)もまた翻訳エンハンサーとして使用することができる(例えば、Sjoberg et al.,Biotechnology(NY)1994 12(11):1127-1131及びFrolov and Schlesinger J.Virol.1996 70(2):1182-1190に記載されているようなセムリキ森林ウイルス及びシンドビスウイルスカプシドRNA、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、5’UTR配列の代わりにIRESを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、ORF及びウイルスカプシド配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、合成5'UTRを非合成3'UTRとの組み合わせで含む。
いくつかの実施形態において、UTRはまた、少なくとも1つの翻訳エンハンサーポリヌクレオチド、翻訳エンハンサー要素または翻訳のエンハンサー要素(ポリヌクレオチドから生成されるポリペプチドまたはタンパク質の量を増加させる核酸配列を指し、総称的に「TEE」という)も含み得る。非限定的な例として、TEEは、US2009/0226470(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載のもの及び当該技術分野において知られている他のものを挙げることができる。非限定的な例として、TEEは、転写プロモーターと開始コドンとの間に位置し得る。いくつかの実施形態において、5'UTRは、TEEを含む。
一態様において、TEEは、限定するものではないが、キャップ依存性またはキャップ非依存性翻訳などの核酸の翻訳活性を促進することができるUTRの保存要素である。これらの配列の保存は、ヒトを含む14の生物種にわたって確認されている。例えば、Panek et al.,”An evolutionary conserved pattern of 18S rRNA sequence complementarity to mRNA 5’UTRs and its implications for eukaryotic gene translation regulation,” Nucleic Acids Research 2013,doi:10.1093/nar/gkt548を参照されたい(その全体を参照により本明細書に援用する)。
非限定的な一例において、TEEは、Gtxホメオドメインタンパク質の5’リーダー中のTEE配列を含む。Chappell et al.,PNAS 2004 101:9590-9594を参照されたい(その全体を参照により本明細書に援用する)。
別の非限定的な例において、TEEは、US2009/0226470、US2013/0177581及びWO2009/075886の配列番号1~35、WO2012/009644の配列番号1~5及び7~645、ならびにWO1999/024595、US6310197及びUS6849405の配列番号1の配列のうちの1つ以上を有するTEEを含む(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、TEEは、限定するものではないが、US7468275、US2007/0048776、US2011/0124100、WO2007/025008及びWO2001/055369(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの配列内リボソーム進入部位(IRES)、HCV-IRESまたはIRES要素である。IRES要素には、Chappell et al.,PNAS 2004 101:9590-9594、Zhou et al.,PNAS 2005 102:6273-6278、US2007/0048776、US2011/0124100及びWO2007/025008(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなGtx配列(例えば、Gtx9-nt、Gtx8-nt、Gtx7-nt)が含まれるが、これらに限定されない。
「翻訳エンハンサーポリヌクレオチド」または「翻訳エンハンサーポリヌクレオチド配列」は、本明細書で提供されるTEE及び/もしくは当該技術分野において知られているTEE(例えば、US6310197、US6849405、US7456273、US7183395、US2009/0226470、US2007/0048776、US2011/0124100、US2009/0093049、US2013/0177581、WO2009/075886、WO2007/025008、WO2012/009644、WO2001/055371、WO1999/024595、EP2610341A1及びEP2610340A1参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)またはそれらのバリアント、ホモログもしくは機能的誘導体のうちの1つ以上を含むポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、TEEの1つまたは複数のコピーを含む。翻訳エンハンサーポリヌクレオチド中のTEEは、1つ以上の配列セグメントに編成することができる。配列セグメントは、本明細書で提供されるTEEのうちの1つ以上を保有し得、各TEEは、1つ以上のコピーで存在する。複数の配列セグメントが翻訳エンハンサーポリヌクレオチド中に存在する場合、これらのセグメントは、均一であっても不均一であってもよい。したがって、翻訳エンハンサーポリヌクレオチド中の複数の配列セグメントは、本明細書で提供されるTEEと同一もしくは異なるタイプを保有し得、TEEのそれぞれと同一もしくは異なるコピー数を保有し得、かつ/または各配列セグメント内のTEEと同一もしくは異なる編成を保有し得る。一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、翻訳エンハンサーポリヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRは、WO1999/024595、WO2012/009644、WO2009/075886、WO2007/025008、WO1999/024595、WO2001/055371、EP2610341A1、EP2610340A1、US6310197、US6849405、US7456273、US7183395、US2009/0226470、US2011/0124100、US2007/0048776、US2009/0093049またはUS2013/0177581(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に開示されている少なくとも1つのTEEまたはその部分を含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRは、US2009/0226470、US2007/0048776、US2013/0177581、US2011/0124100、WO1999/024595、WO2012/009644、WO2009/075886、WO2007/025008、EP2610341A1、EP2610340A1、US6310197、US6849405、US7456273、US7183395、Chappell et al.,PNAS 2004 101:9590-9594、Zhou et al.,PNAS 2005 102:6273-6278ならびにWellensiek et al.,”Genome-wide profiling of human cap-independent translation-enhancing elements,” Nature Methods 2013,DOI:10.1038/NMETH.2522中の補足表1及び補足表2(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に開示されているTEEに対して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるTEEを含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRは、US2009/0226470、US2007/0048776、US2013/0177581、US2011/0124100、WO1999/024595、WO2012/009644、WO2009/075886、WO2007/025008、EP2610341A1、EP2610340A1、US6310197、US6849405、US7456273、US7183395、Chappell et al.,PNAS 2004 101:9590-9594、Zhou et al.,PNAS 2005 102:6273-6278ならびにWellensiek et al.,”Genome-wide profiling of human cap-independent translation-enhancing elements,” Nature Methods 2013,DOI:10.1038/NMETH.2522中の補足表1及び補足表2に開示されているTEE配列のうちの5~30ヌクレオチド断片、5~25ヌクレオチド断片、5~20ヌクレオチド断片、5~15ヌクレオチド断片または5~10ヌクレオチド断片(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドの断片を含む)から選択されるTEEを含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRは、US7456273、US7183395、US2009/0093049及びWO2001/055371(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)のいずれかに記載されている転写制御要素であるTEEを含む。転写制御要素は、当該技術分野において知られている方法、限定するものではないが、US7456273、US7183395、US2009/0093049及びWO2001/055371に記載されている方法などによって特定することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される少なくとも1つのTEEを含む5’UTR及び/または3'UTRは、限定するものではないが、ベクター系または核酸ベクターなどのモノシストロン性配列に組み込むことができる。非限定的な例として、ベクター系及び核酸ベクターには、US7456273、US7183395、US2007/0048776、US2009/0093049、US2011/0124100、WO2007/025008及びWO2001/055371に記載されているものを挙げることができる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5’UTR及び/または3’UTRは、本明細書に記載されるTEEまたはその部分を含む。いくつかの実施形態において、3’UTR中のTEEは、5’UTR中に位置するTEEと同じTEE及び/または異なるTEEであり得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55または60個を超えるTEE配列を含み得る。一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5’UTRは、1~60、1~55、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個のTEE配列を含み得る。本開示のポリヌクレオチドの5’UTR中のTEE配列は、同じTEE配列であっても異なるTEE配列であってもよい。本開示のポリヌクレオチドの5’UTR中の異なるTEE配列の組み合わせは、異なるTEE配列のいずれかのコピーが2つ以上組み込まれている、組み合わせを含み得る。TEE配列は、1回、2回または3回以上繰り返される、ABABABもしくはAABBAABBAABBもしくはABCABCABCまたはそのバリアントなどのパターンであり得る。これらのパターンにおいて、各文字A、BまたはCは、異なるTEEヌクレオチド配列を表す。
いくつかの実施形態において、TEEは、US2007/0048776、US2011/0124100、WO2007/025008、WO2012/009644(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって特定することができる。
いくつかの実施形態において、5’UTR及び/または3'UTRは、2つのTEE配列を隔てるスペーサーを含む。非限定的な例として、スペーサーは、15ヌクレオチドスペーサー及び/または当該技術分野において知られている他のスペーサーであってよい。別の非限定的な例として、5’UTR及び/または3'UTRは、それぞれ少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回または10回を超えて繰り返されるTEE配列-スペーサーモジュールを5’UTR及び/または3'UTR中に含む。いくつかの実施形態において、5’UTR及び/または3'UTRは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10回繰り返される、TEE配列-スペーサーモジュールを含む。
いくつかの実施形態において、2つのTEE配列を隔てるスペーサーは、本開示のポリヌクレオチド、例えば、本明細書に記載されるmiR配列(例えば、miR結合部位及びmiRシード)の翻訳を制御することができる、当該技術分野において知られている他の配列を含み得る。非限定的な例として、2つのTEE配列を隔てるのに使用される各スペーサーは、異なるmiR配列またはmiR配列の構成成分(例えば、miRシード配列)を含み得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、miR配列及び/またはTEE配列を含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドにmiR配列及び/またはTEE配列を組み込むと、翻訳を増加及び/または減少させることができるステムループ領域の形状を変えることができる。例えば、Kedde et al.,Nature Cell Biology 2010 12(10):1014-20を参照されたい(その全体を参照により本明細書に援用する)。
センサー配列及びマイクロRNA(miRNA)結合部位
本開示のポリヌクレオチドは、制御要素、例えば、マイクロRNA(miRNA)結合部位、転写因子結合部位、構造化mRNA配列及び/またはモチーフ、内因性核酸結合分子の類似受容体として機能するように操作された人工結合部位、ならびにこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、そのような制御要素を含むポリヌクレオチドは、「センサー配列」を含むものと称される。センサー配列の非限定的な例は、米国特許出願公開第2014/0200261号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、リボ核酸(RNA)、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))は、目的のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、1つ以上のmiRNA結合部位を更に含む。miRNA結合部位(複数可)の含有または組み込みは、天然miRNAの組織特異的及び/または細胞型特異的発現に基づいた、本開示のポリヌクレオチドの制御、ひいては、当該ポリヌクレオチドからコードされるポリペプチドの制御をもたらす。
miRNA、例えば、天然miRNAは、19~25ヌクレオチドの長いノンコーディングRNAであり、ポリヌクレオチドに結合し、ポリヌクレオチドの安定性を減少させるか、翻訳を阻害することによって、遺伝子発現を下方制御する。miRNA配列は、「シード」領域、すなわち、成熟miRNAの位置2~8の領域内の配列を含む。miRNAシードは、成熟miRNAの位置2~8または2~7を含み得る。いくつかの実施形態において、miRNAシードは、7ヌクレオチド(例えば、成熟miRNAのヌクレオチド2~8)を含み得、対応するmiRNA結合部位中のシード相補的部位には、miRNAの位置1に対向するアデノシン(A)が隣接する。いくつかの実施形態において、miRNAシードは、6ヌクレオチド(例えば、成熟miRNAのヌクレオチド2~7)を含み得、対応するmiRNA結合部位中のシード相補的部位には、miRNAの位置1に対向するアデノシン(A)が隣接する。例えば、Grimson A,Farh KK,Johnston WK,Garrett-Engele P,Lim LP,Bartel DP;Mol Cell.2007 Jul 6;27(1):91-105を参照されたい。標的細胞または標的組織のmiRNAプロファイリングを行って、細胞または組織中におけるmiRNAの有無を決定することができる。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、リボ核酸(RNA)、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))は、1つ以上のマイクロRNA結合部位、マイクロRNA標的配列、マイクロRNA相補的配列またはマイクロRNAシード相補的配列を含む。このような配列は、米国特許出願公開第US2005/0261218号及び米国特許出願公開第US2005/0059005号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に教示されているものなどの任意の既知のマイクロRNAに対応し得、例えば、これらのにマイクロRNA対して相補性を有し得る。
本明細書で使用されるとき、「マイクロRNA(miRNAまたはmiR)結合部位」という用語は、ポリヌクレオチド内、例えば、DNA内、またはRNA転写物内の配列であって、miRNAの全てまたは領域に対して、そのmiRNAと相互作用するか、会合するか、結合するのに十分な相補性を有する、5’UTR及び/または3’UTR中に含まれる配列を指す。いくつかの実施形態において、目的のポリペプチドをコードするORFを含む本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上のmiRNA結合部位を更に含む。例示的な実施形態において、ポリヌクレオチド(例えば、リボ核酸(RNA)、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA))の5'UTR及び/または3'UTRは、1つ以上のmiRNA結合部位を含む。
miRNA結合部位がmiRNAに対して十分な相補性を有するとは、miRNAを介したポリヌクレオチドの制御(例えば、miRNAを介した翻訳抑制またはポリヌクレオチドの分解)を促進するのに十分な相補性の程度を指す。本開示の例示的な態様において、miRNA結合部位がmiRNAに対して十分な相補性を有するとは、miRNAを介したポリヌクレオチドの分解(例えば、miRNA誘導によるRNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)を介したmRNAの切断)を促進するのに十分な相補性の程度を指す。miRNA結合部位は、例えば、19~25ヌクレオチドのmiRNA配列、19~23ヌクレオチドのmiRNA配列または22ヌクレオチドのmiRNA配列に対して、相補性を有し得る。miRNA結合部位は、miRNAの一部のみに対して、例えば、完全長の天然miRNA配列のうちの1、2、3または4ヌクレオチド未満の部分に対して、相補性を有し得る。所望の制御がmRNA分解である場合、最大相補性または完全相補性(例えば、天然miRNAの長さ全体にわたるか、かなりの部分にわたる最大相補性または完全相補性)が好ましい。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miRNAシード配列との相補性(例えば、部分相補性または完全相補性)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miRNAシード配列との完全相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miRNA配列との相補性(例えば、部分相補性または完全相補性)を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miRNA配列との完全相補性を有する配列を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、1、2または3ヌクレオチド置換、末端付加及び/または切断を除き、miRNA配列との完全相補性を有する。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、対応するmiRNAと同じ長さである。他の実施形態において、miRNA結合部位は、5'末端、3'末端またはその両方が、対応するmiRNAよりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヌクレオチド短い。更に他の実施形態において、マイクロRNA結合部位は、5'末端、3'末端またはその両方が、対応するマイクロRNAよりも2ヌクレオチド短い。対応するmiRNAよりも短いmiRNA結合部位は、miRNA結合部位のうちの1つ以上を組み込んだmRNAの分解またはmRNAの翻訳阻害を依然として行うことができる。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、ダイサー含有活性RISCの一部である、対応する成熟miRNAに結合する。別の実施形態において、miRNA結合部位がRISC中の対応するmiRNAに結合すると、miRNA結合部位を含有するmRNAが分解されるか、mRNAの翻訳が阻害される。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドを切断するように、miRNAに対して十分な相補性を有する。他の実施形態において、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドの不安定性を誘導するように、不完全な相補性を有する。別の実施形態において、miRNA結合部位は、miRNAを含むRISC複合体が、miRNA結合部位を含むポリヌクレオチドの転写を抑制するように、不完全な相補性を有する。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、対応するmiRNAと1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12のミスマッチを有する。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、対応するmiRNAの少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20または少なくとも約21の連続するヌクレオチドに対してそれぞれ相補的な少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20または少なくとも約21の連続するヌクレオチドを有する。
1つ以上のmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに操作導入することで、当該ポリヌクレオチドは、当該miRNAが利用可能である限り、分解または翻訳減少の標的になり得る。これにより、ポリヌクレオチドを送達する際のオフターゲット作用を減少させることができる。例えば、本開示のポリヌクレオチドが、ある組織または細胞への送達を意図していないにもかかわらず、当該組織または細胞に到達してしまった場合、当該ポリヌクレオチドの5’UTR及び/または3’UTRに1つまたは複数のmiRNA結合部位が操作導入されていれば、その組織または細胞内に豊富に存在するmiRNAにより、対象の遺伝子発現を阻害することができる。
逆に、特定組織におけるタンパク質発現を増加させるために、天然に生じるmiRNA結合部位をポリヌクレオチド配列から除去することができる。例えば、特定のmiRNAに対する結合部位をポリヌクレオチドから除去することで、miRNAを含有する組織または細胞内でのタンパク質発現を改善することができる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、細胞傷害性または細胞保護性mRNA治療物質を、限定するものではないが、正常細胞及び/またはがん性細胞などの特定の細胞に対して制御するために、少なくとも1つのmiRNA結合部位を5'UTR及び/または3’UTR中に含み得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、細胞傷害性または細胞保護性mRNA治療物質を、限定するものではないが、正常細胞及び/またはがん性細胞などの特定の細胞に対して制御するために、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上のmiRNA結合部位を5'UTR及び/または3’UTR中に含み得る。
複数組織での発現制御は、1つ以上のmiRNA結合部位、例えば、1つ以上の異なるmiRNA結合部位の導入または除去により達成することができる。miRNA結合部位を除去するか挿入するかの決定は、発症及び/または疾患時における組織及び/または細胞のmiRNA発現パターン及び/またはそのプロファイルに基づいて行うことができる。miRNA、miRNA結合部位、ならびにその発現パターン及び生物学上の役割の特定は、報告されている(例えば、Bonauer et al.,Curr Drug Targets 2010 11:943-949;Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176;Contreras and Rao Leukemia 2012 26:404-413(2011 Dec 20.doi:10.1038/leu.2011.356);Bartel Cell 2009 136:215-233;Landgraf et al,Cell,2007 129:1401-1414;Gentner and Naldini,Tissue Antigens.2012 80:393-403及び当該文献中の全ての参考文献、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
miRNA及びmiRNA結合部位は、任意の既知の配列に対応し得、米国特許出願公開第2014/0200261号、同第2005/0261218号及び同第2005/0059005号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている非限定的な例を含む。
miRNAがmRNAを制御し、それによりタンパク質発現を制御することが知られている組織の例には、肝臓(miR-122)、筋肉(miR-133、miR-206、miR-208)、内皮細胞(miR-17-92、miR-126)、骨髄細胞(miR-142-3p、miR-142-5p、miR-16、miR-21、miR-223、miR-24、miR-27)、脂肪組織(let-7、miR-30c)、心臓(miR-1d、miR-149)、腎臓(miR-192、miR-194、miR-204)及び肺上皮細胞(let-7、miR-133、miR-126)が挙げられるが、これらに限定されない。
具体的には、miRNAは、抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞及びマクロファージ)、マクロファージ、単球、Bリンパ球、Tリンパ球、顆粒球、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞(造血細胞とも呼ばれる)において、特異的に発現されることが知られている。免疫細胞特異的miRNAは、免疫原性、自己免疫、感染症、炎症に対する免疫応答、ならびに遺伝子治療及び組織/臓器移植後の望ましくない免疫応答に関与する。免疫細胞特異的miRNAはまた、造血細胞(免疫細胞)の発生、増殖、分化及びアポトーシスの多くの側面を制御する。例えば、miR-142及びmiR-146は、免疫細胞にのみ発現し、特に、骨髄系樹状細胞に豊富である。miR-142結合部位をポリヌクレオチドの3’UTRに付加することにより、ポリヌクレオチドに対する免疫応答を遮断することができ、組織及び細胞におけるより安定した遺伝子導入が可能となることが示されている。miR-142は、抗原提示細胞中の外因性ポリヌクレオチドを効率的に分解し、形質導入細胞の細胞傷害性排除を抑制する(例えば、Annoni A et al.,blood,2009,114,5152-5161;Brown BD,et al.,Nat med.2006,12(5),585-591;Brown BD,et al.,blood,2007,110(13):4144-4152、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
抗原媒介免疫応答は、外来抗原によって誘起される免疫応答を指し得、外来抗原は、生物内に入ると、抗原提示細胞によって処理され、抗原提示細胞の表面上に提示される。T細胞は、提示された抗原を認識し、抗原を発現する細胞の細胞傷害性排除を誘導することができる。
miR-142結合部位を本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3’UTRに導入すると、miR-142を介した分解によって抗原提示細胞における遺伝子発現が選択的に抑制され、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)における抗原提示が制限され、これにより、ポリヌクレオチド送達後の抗原媒介免疫応答を防ぐことができる。ポリヌクレオチドは、次いで、細胞傷害性排除を誘起することなく、標的組織または標的細胞において安定的に発現される。
一実施形態において、免疫細胞、特に、抗原提示細胞で発現されることが知られているmiRNAの結合部位を本開示のポリヌクレオチドに操作導入することで、miRNAを介したRNA分解により抗原提示細胞におけるポリヌクレオチドの発現を抑制し、抗原媒介免疫応答を抑えることができる。ポリヌクレオチドの発現は、免疫細胞特異的miRNAが発現されない非免疫細胞において維持される。例えば、いくつかの実施形態において、肝臓特異的タンパク質に対する免疫原性応答を防ぐために、あらゆるmiR-122結合部位を除去することができ、かつmiR-142(及び/またはmirR-146)結合部位を本開示のポリヌクレオチドの5'UTR及び/または3'UTRに操作導入することができる。
APC及びマクロファージにおける選択的分解及び抑制を更に促進するために、本開示のポリヌクレオチドは、更なる負制御要素を、単独で、またはmiR-142及び/もしくはmiR-146結合部位との組み合わせのいずれかで、5'UTR及び/または3'UTR中に含み得る。非限定的な例として、更なる負制御要素は、構成的崩壊要素(CDE:Constitutive Decay Element)である。
免疫細胞特異的miRNAには、hsa-let-7a-2-3p、hsa-let-7a-3p、hsa-7a-5p、hsa-let-7c、hsa-let-7e-3p、hsa-let-7e-5p、hsa-let-7g-3p、hsa-let-7g-5p、hsa-let-7i-3p、hsa-let-7i-5p、miR-10a-3p、miR-10a-5p、miR-1184、hsa-let-7f-1--3p、hsa-let-7f-2--5p、hsa-let-7f-5p、miR-125b-1-3p、miR-125b-2-3p、miR-125b-5p、miR-1279、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-132-3p、miR-132-5p、miR-142-3p、miR-142-5p、miR-143-3p、miR-143-5p、miR-146a-3p、miR-146a-5p、miR-146b-3p、miR-146b-5p、miR-147a、miR-147b、miR-148a-5p、miR-148a-3p、miR-150-3p、miR-150-5p、miR-151b、miR-155-3p、miR-155-5p、miR-15a-3p、miR-15a-5p、miR-15b-5p、miR-15b-3p、miR-16-1-3p、miR-16-2-3p、miR-16-5p、miR-17-5p、miR-181a-3p、miR-181a-5p、miR-181a-2-3p、miR-182-3p、miR-182-5p、miR-197-3p、miR-197-5p、miR-21-5p、miR-21-3p、miR-214-3p、miR-214-5p、miR-223-3p、miR-223-5p、miR-221-3p、miR-221-5p、miR-23b-3p、miR-23b-5p、miR-24-1-5p,miR-24-2-5p、miR-24-3p、miR-26a-1-3p、miR-26a-2-3p、miR-26a-5p、miR-26b-3p、miR-26b-5p、miR-27a-3p、miR-27a-5p、miR-27b-3p,miR-27b-5p、miR-28-3p、miR-28-5p、miR-2909、miR-29a-3p、miR-29a-5p、miR-29b-1-5p、miR-29b-2-5p、miR-29c-3p、miR-29c-5p,、miR-30e-3p、miR-30e-5p、miR-331-5p、miR-339-3p、miR-339-5p、miR-345-3p、miR-345-5p、miR-346、miR-34a-3p、miR-34a-5p、miR-363-3p、miR-363-5p、miR-372、miR-377-3p、miR-377-5p、miR-493-3p、miR-493-5p、miR-542、miR-548b-5p、miR548c-5p、miR-548i、miR-548j、miR-548n、miR-574-3p、miR-598、miR-718、miR-935、miR-99a-3p、miR-99a-5p、miR-99b-3p及びmiR-99b-5pが含まれるが、これらに限定されない。更に、免疫細胞における新規miRNAをマイクロアレイハイブリダイゼーション及びミクロトーム分析により特定することができる(例えば、Jima DD et al,Blood,2010,116:e118-e127;Vaz C et al.,BMC Genomics,2010,11,288、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
肝臓で発現することが知られているmiRNAには、miR-107、miR-122-3p、miR-122-5p、miR-1228-3p、miR-1228-5p、miR-1249、miR-129-5p、miR-1303、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-152、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-199a-3p、miR-199a-5p、miR-199b-3p、miR-199b-5p、miR-296-5p、miR-557、miR-581、miR-939-3p及びmiR-939-5pが含まれるが、これらに限定されない。任意の肝臓特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、肝臓でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。肝臓特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
肺で発現することが知られているmiRNAには、let-7a-2-3p、let-7a-3p、let-7a-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-127-3p、miR-127-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-130b-3p、miR-130b-5p、miR-133a、miR-133b、miR-134、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-18b-3p、miR-18b-5p、miR-24-1-5p、miR-24-2-5p、miR-24-3p、miR-296-3p、miR-296-5p、miR-32-3p、miR-337-3p、miR-337-5p、miR-381-3p及びmiR-381-5pが含まれるが、これらに限定されない。任意の肺特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、肺でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。肺特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
心臓で発現することが知られているmiRNAには、miR-1、miR-133a、miR-133b、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-186-3p、miR-186-5p、miR-208a、miR-208b、miR-210、miR-296-3p、miR-320、miR-451a、miR-451b、miR-499a-3p、miR-499a-5p、miR-499b-3p、miR-499b-5p、miR-744-3p、miR-744-5p、miR-92b-3p及びmiR-92b-5pが含まれるが、これらに限定されない。任意の心臓特異的マイクロRNAに由来するmMiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、心臓でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。心臓特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
神経系で発現することが知られているmiRNAには、miR-124-5p、miR-125a-3p、miR-125a-5p、miR-125b-1-3p、miR-125b-2-3p、miR-125b-5p,miR-1271-3p、miR-1271-5p、miR-128、miR-132-5p、miR-135a-3p、miR-135a-5p、miR-135b-3p、miR-135b-5p、miR-137、miR-139-5p、miR-139-3p、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-153、miR-181c-3p、miR-181c-5p、miR-183-3p、miR-183-5p、miR-190a、miR-190b、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR-30c-5p、miR-30d-3p、miR-30d-5p、miR-329、miR-342-3p、miR-3665、miR-3666、miR-380-3p、miR-380-5p、miR-383、miR-410、miR-425-3p、miR-425-5p、miR-454-3p、miR-454-5p、miR-483、miR-510、miR-516a-3p、miR-548b-5p、miR-548c-5p、miR-571、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-7-5p、miR-802、miR-922、miR-9-3p及びmiR-9-5pが含まれるが、これらに限定されない。神経系に豊富なmiRNAには、限定するものではないが、miR-132-3p、miR-132-3p、miR-148b-3p、miR-148b-5p、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-320b、miR-320e、miR-323a-3p、miR-323a-5p、miR-324-5p、miR-325、miR-326、miR-328、miR-922を含む、ニューロンで特に発現されるもの、ならびに限定するものではないが、miR-1250、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-219-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-3065-3p、miR-3065-5p、miR-30e-3p、miR-30e-5p、miR-32-5p、miR-338-5p及びmiR-657を含む、グリア細胞で特に発現されるものが更に含まれる。任意のCNS特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、神経系でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。神経系特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
膵臓で発現することが知られているmiRNAには、miR-105-3p、miR-105-5p、miR-184、miR-195-3p、miR-195-5p、miR-196a-3p、miR-196a-5p、miR-214-3p、miR-214-5p、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-30a-3p、miR-33a-3p、miR-33a-5p、miR-375、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-493-3p、miR-493-5p及びmiR-944が含まれるが、これらに限定されない。任意の膵臓特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、膵臓でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。膵臓特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
腎臓で発現することが知られているmiRNAには、miR-122-3p、miR-145-5p、miR-17-5p、miR-192-3p、miR-192-5p、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-204-3p、miR-204-5p、miR-210、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-296-3p、miR-30a-3p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR30c-5p、miR-324-3p、miR-335-3p、miR-335-5p、miR-363-3p、miR-363-5p及びmiR-562が含まれるが、これらに限定されない。任意の腎臓特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、腎臓でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。腎臓特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
筋肉で発現することが知られているmiRNAには、let-7g-3p、let-7g-5p、miR-1、miR-1286、miR-133a、miR-133b、miR-140-3p、miR-143-3p、miR-143-5p、miR-145-3p、miR-145-5p、miR-188-3p、miR-188-5p、miR-206、miR-208a、miR-208b、miR-25-3p及びmiR-25-5pが含まれるが、これらに限定されない。任意の筋肉特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、筋肉でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。筋肉特異的miRNA結合部位は、単独で操作されてもよいし、本開示のポリヌクレオチド中の免疫細胞(例えば、APC)miRNA結合部位と更に組み合わせて操作されてもよい。
miRNAはまた、限定するものではないが、内皮細胞、上皮細胞及び脂肪細胞などの異なる細胞種で特異的に発現される。
内皮細胞で発現することが知られているmiRNAには、let-7b-3p、let-7b-5p、miR-100-3p、miR-100-5p、miR-101-3p、miR-101-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-1236-3p、miR-1236-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-17-5p、miR-17-3p、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-19a-3p、miR-19a-5p、miR-19b-1-5p、miR-19b-2-5p、miR-19b-3p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-217、miR-210、miR-21-3p、miR-21-5p、miR-221-3p、miR-221-5p、miR-222-3p、miR-222-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-296-5p、miR-361-3p、miR-361-5p、miR-421、miR-424-3p、miR-424-5p、miR-513a-5p、miR-92a-1-5p、miR-92a-2-5p、miR-92a-3p、miR-92b-3p及びmiR-92b-5pが含まれるが、これらに限定されない。ディープシーケンシング解析から多くの新規miRNAが内皮細胞で発見されている(例えば、Voellenkle C et al.,RNA,2012,18,472-484、その全体を参照により本明細書に援用する)。任意の内皮細胞特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、内皮細胞でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。
上皮細胞で発現することが知られているmiRNAには、呼吸器系線毛上皮細胞に特異的なlet-7b-3p、let-7b-5p、miR-1246、miR-200a-3p、miR-200a-5p、miR-200b-3p、miR-200b-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-338-3p、miR-429、miR-451a、miR-451b、miR-494、miR-802及びmiR-34a、miR-34b-5p、miR-34c-5p、miR-449a、miR-449b-3p、miR-449b-5p、肺上皮細胞に特異的なlet-7ファミリー、miR-133a、miR-133b、miR-126、腎臓上皮細胞に特異的なmiR-382-3p、miR-382-5p、ならびに角膜上皮細胞に特異的なmiR-762が含まれるが、これらに限定されない。任意の上皮細胞特異的miRNAに由来するmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドに導入するか、除去することで、上皮細胞でのポリヌクレオチド発現を制御することができる。
加えて、幹細胞の自己複製、ならびに神経細胞、心臓細胞、造血細胞、皮膚細胞、骨形成細胞及び筋肉細胞などの様々な細胞系譜の発生及び/または分化を制御する、miRNAの大きなグループが胚幹細胞に豊富に存在する(例えば、Kuppusamy KT et al.,Curr.Mol Med,2013,13(5),757-764;Vidigal JA and Ventura A,Semin Cancer Biol.2012,22(5-6),428-436;Goff LA et al.,PLoS One,2009,4:e7192;Morin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Yoo JK et al.,Stem Cells Dev.2012,21(11),2049-2057、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。胚幹細胞で豊富なmiRNAには、let-7a-2-3p、let-a-3p、let-7a-5p、let7d-3p、let-7d-5p、miR-103a-2-3p、miR-103a-5p、miR-106b-3p、miR-106b-5p、miR-1246、miR-1275、miR-138-1-3p、miR-138-2-3p、miR-138-5p、miR-154-3p、miR-154-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-290、miR-301a-3p、miR-301a-5p、miR-302a-3p、miR-302a-5p、miR-302b-3p、miR-302b-5p、miR-302c-3p、miR-302c-5p、miR-302d-3p、miR-302d-5p、miR-302e、miR-367-3p、miR-367-5p、miR-369-3p、miR-369-5p、miR-370、miR-371、miR-373、miR-380-5p、miR-423-3p、miR-423-5p、miR-486-5p、miR-520c-3p、miR-548e、miR-548f、miR-548g-3p、miR-548g-5p、miR-548i、miR-548k、miR-548l、miR-548m、miR-548n、miR-548o-3p、miR-548o-5p、miR-548p、miR-664a-3p、miR-664a-5p、miR-664b-3p、miR-664b-5p、miR-766-3p、miR-766-5p、miR-885-3p、miR-885-5p,miR-93-3p、miR-93-5p、miR-941、miR-96-3p、miR-96-5p、miR-99b-3p及びmiR-99b-5pが含まれるが、これらに限定されない。ディープシーケンシングによって、多くの新規推定miRNAがヒト胚幹細胞で発見されている(例えば、Morin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Goff LA et al.,PLoS One,2009,4:e7192;Bar M et al.,Stem cells,2008,26,2496-2505、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、胚幹細胞特異的miRNAの結合部位を本開示のポリヌクレオチドの3'UTRに含めるか、除去することで、胚幹細胞の発生及び/または分化を調節すること、変性状態(例えば、変性疾患)にある幹細胞の老化を阻害すること、または疾患状態にある幹細胞(例えば、がん幹細胞)の老化及びアポトーシスを刺激することができる。
様々ながん細胞/組織及び他の疾患におけるmiRNAの特異的発現を分析するために、多くのmiRNA発現研究が実施されている。いくつかのmiRNAは、ある特定のがん細胞で異常に過剰発現され、他のmiRNAは、低発現である。例えば、miRNAは、がん細胞(WO2008/154098、US2013/0059015、US2013/0042333、WO2011/157294)、がん幹細胞(US2012/0053224)、膵癌及び膵疾患(US2009/0131348、US2011/0171646、US2010/0286232、US8389210)、喘息及び炎症(US8415096)、前立腺癌(US2013/0053264)、肝細胞癌(WO2012/151212、US2012/0329672、WO2008/054828、US8252538)、肺癌細胞(WO2011/076143、WO2013/033640、WO2009/070653、US2010/0323357)、皮膚T細胞性リンパ腫(WO2013/011378)、大腸癌細胞(WO2011/0281756、WO2011/076142)、癌陽性リンパ節(WO2009/100430、US2009/0263803)、鼻咽腔癌(EP2112235)、慢性閉塞性肺疾患(US2012/0264626、US2013/0053263)、甲状腺癌(WO2013/066678)、卵巣癌細胞(US2012/0309645、WO2011/095623)、乳癌細胞(WO2008/154098、WO2007/081740、US2012/0214699)、白血病及びリンパ腫(WO2008/073915、US2009/0092974、US2012/0316081、US2012/0283310、WO2010/018563、その内容の全体を参照により本明細書に援用する)において特異的に発現される。
非限定的な例として、ある特定のがん細胞及び/または腫瘍細胞で過剰発現されるmiRNAのmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドの3'UTRから除去することで、がん細胞内で過剰発現されるmiRNAによって抑制される発現を回復させ、これにより、対応する生物学的機能、例えば、転写刺激及び/または転写抑制、細胞周期停止、アポトーシスならびに細胞死を改善することができる。miRNA発現が上方制御されていない正常細胞及び正常組織は、影響を受けない状態を保ち得る。
miRNAはまた、血管新生などの複雑な生物学的過程を制御し得る(例えば、miR-132)(Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176)。本開示のポリヌクレオチドにおいて、ポリヌクレオチドの発現を生物学的に関連する細胞種または関連する生物学的過程に合わせるために、そのような過程に関与するmiRNA結合部位を除去するか、導入することができる。この場合、本開示のポリヌクレオチドは、栄養要求性ポリヌクレオチドとして定義される。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、miRNA結合部位を含み、miRNA結合部位は、表7から選択される1つ以上のヌクレオチド配列(miRNA結合部位配列のうちのいずれか1つ以上のコピーを1つ以上含む)を含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、表7から選択される同一または異なるmiRNA結合部位(これらの任意の組み合わせを含む)の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上を更に含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miR-142に結合するか、miR-142に相補的である。いくつかの実施形態において、miR-142は、配列番号720を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、miR-142-3pまたはmiR-142-5pに結合する。いくつかの実施形態において、miR-142-3p結合部位は、配列番号721を含む。いくつかの実施形態において、miR-142-5p結合部位は、配列番号723を含む。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、配列番号722または配列番号724に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
表7.miR-142及びmiR-142の結合部位
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、ポリヌクレオチドの任意の位置(例えば、5'UTR及び/または3'UTR)で本開示のポリヌクレオチドに挿入される。いくつかの実施形態において、5'UTRは、miRNA結合部位を含む。いくつかの実施形態において、3'UTRは、miRNA結合部位を含む。いくつかの実施形態において、5'UTR及び3'UTRは、miRNA結合部位を含む。ポリヌクレオチド中の挿入部位は、ポリヌクレオチド中のmiRNA結合部位の挿入が、対応するmiRNAの不存在下において、機能性ポリペプチドの翻訳に干渉せず、miRNAの存在下では、ポリヌクレオチド中のmiRNA結合部位の挿入と、当該miRNA結合部位の対応するmiRNAへの結合とにより、ポリヌクレオチドが分解されるか、ポリヌクレオチドの翻訳を阻害することができる限り、ポリヌクレオチドのいかなる場所でもよい。
いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、ORFを含む本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから少なくとも約30ヌクレオチド下流に挿入される。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチドまたは少なくとも約100ヌクレオチド下流に挿入される。いくつかの実施形態において、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチド中のORFの終止コドンから約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約45ヌクレオチド~約65ヌクレオチド下流に挿入される。
miRNA遺伝子制御は、miRNA周辺の配列、例えば、限定するものではないが、周辺配列の生物種、配列の種類(例えば、異種、同種、外因性、内因性または人工)、周辺配列中の制御要素及び/または周辺配列中の構造要素などによる影響を受け得る。miRNAは、5’UTR及び/または3’UTRによる影響を受け得る。非限定的な例として、非ヒト3’UTRは、同じ配列種類のヒト3’UTRと比較して、目的のポリペプチド発現に対するmiRNA配列の制御作用を増加させることができる。
一実施形態において、5’UTRの他の制御要素及び/または構造要素は、miRNAを介した遺伝子制御に影響を与え得る。制御要素及び/または構造要素の一例は、5’UTR中の構造化IRES(配列内リボソーム進入部位)であり、これは、タンパク質の翻訳を開始する翻訳伸長因子の結合に必要である。この5’UTR中の二次構造化要素へのEIF4A2結合は、miRNAを介した遺伝子発現に必要である(Meijer HA et al.,Science,2013,340,82-85、その全体を参照により本明細書に援用する)。本開示のポリヌクレオチドは、マイクロRNAを介した遺伝子制御を向上させるために、この構造化5’UTRを更に含み得る。
少なくとも1つのmiRNA結合部位が本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作挿入され得る。この場合、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10個またはそれ以上のmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチド3’UTRに操作導入することができる。例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、2または1個のmiRNA結合部位を本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作導入することができる。一実施形態において、本開示のポリヌクレオチド中に組み込まれるmiRNA結合部位は、同じmiRNA部位であってもよいし、異なるmiRNA部位であってもよい。本開示のポリヌクレオチド中に組み込まれる異なるmiRNA結合部位の組み合わせは、異なるmiRNA部位のいずれかのコピーが2つ以上組み込まれている、組み合わせを含み得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチド中に組み込まれるmiRNA結合部位は、体内の同じ組織を標的にしてもよいし、異なる組織を標的にしてもよい。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに組織、細胞種または疾患特異的miRNA結合部位を導入することにより、特定の細胞種(例えば、肝細胞、骨髄細胞、内皮細胞、がん細胞など)における発現の程度を減少させることができる。
一実施形態において、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRの5’末端近傍、3’UTRの5’末端と3’末端との中間、及び/または3’UTRの3’末端近傍に操作され得る。非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端近傍、及び3’UTRの5’末端と3’末端との中間に操作され得る。別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの3’末端近傍、及び3’UTRの5’末端と3’末端との中間に操作され得る。更に別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端近傍、及び3’UTRの3’末端近傍に操作され得る。
別の実施形態において、3’UTRは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のmiRNA結合部位を含み得る。miRNA結合部位は、miRNA、miRNAシード配列及び/またはシード配列に隣接するmiRNA配列に対して相補的であり得る。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、対象の異なる組織または異なる細胞種で発現される2つ以上のmiRNA部位を含むように操作され得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、対象の肝臓及び腎臓におけるポリヌクレオチドの発現を制御するために、miR-192及びmiR-122を含むように操作することができる。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、同じ組織の2つ以上のmiRNA部位を含むように操作され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに関連する治療可能時間域及びまたは特異的発現は、miRNA結合部位により変更することができる。例えば、がん細胞のmiRNAシグネチャーによって当該細胞でより高度に発現されるように、細胞死シグナルをもたらすポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを設計することができる。がん細胞が特定のmiRNAをより低いレベルで発現する場合、当該miRNA(または複数のmiRNA)の結合部位をコードするポリヌクレオチドは、より高度に発現されるだろう。したがって、細胞死シグナルをもたらすポリペプチドは、がん細胞の細胞死を誘起または誘導する。同miRNAの発現が高い隣接非がん細胞は、3’UTRにコードされた結合部位または「センサー」にmiRNAが結合する作用に起因して、当該ポリヌクレオチドが低レベルで発現されるので、コードされた細胞死シグナルによる影響を受けにくい。逆に、細胞生存または細胞保護シグナルをがん細胞及び非がん性細胞を含有する組織に送達することができ、この場合、miRNAががん細胞で高発現していれば、結果として、がん細胞への生存シグナルが低くなり、正常細胞への生存シグナルが大きくなる。本明細書に記載されるmiRNA結合部位の使用に基づいて、異なるシグナルを有する複数のポリヌクレオチドを設計し、投与することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの発現は、ポリヌクレオチド中に少なくとも1つのセンサー配列を組み込み、ポリヌクレオチドを投与用に製剤化することによって、制御することができる。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、miRNA結合部位を組み込み、カチオン性脂質(本明細書に記載される脂質のいずれかを含む)を含む脂質ナノ粒子でポリヌクレオチドを製剤化することによって、組織または細胞を標的にすることができる。
本開示のポリヌクレオチドは、異なる組織、細胞種または生物学的状態におけるmiRNAの発現パターンに基づいて、特定の組織、細胞種または生物学的状態における標的化発現を高めるように操作することができる。組織特異的miRNA結合部位の導入により、本開示のポリヌクレオチドは、組織もしくは細胞における、または生物学的状態の状況におけるタンパク質発現を最適化するように設計することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、既知のmiRNAシード配列に対して100%の同一性を有するか、miRNAシード配列に対して100%未満の同一性を有するかのいずれかであるmiRNA結合部位を組み込むように設計することができる。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、既知のmiRNAシード配列に対して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するmiRNA結合部位を組み込むように設計することができる。miRNAシード配列は、miRNA結合親和性を低下させるように部分的に変異させてもよく、その結果、ポリヌクレオチドの下方調節が減少する。本質的に、miRNA結合部位とmiRNAシードとの間のマッチまたはミスマッチの程度は、タンパク質発現を調節するmiRNAの能力をより微細に調整するための加減抵抗器として作用し得る。加えて、miRNA結合部位の非シード領域中の変異もまた、タンパク質発現を調節するmiRNAの能力に影響を与え得る。
一実施形態において、miRNA配列をステムループのループ中に組み込むことができる。
別の実施形態において、miRNAシード配列をステムループのループ中に組み込むことができ、miRNA結合部位は、ステムループの5’または3’ステムに組み込むことができる。
一実施形態において、翻訳エンハンサー要素(TEE)をステムループのステムの5’末端に組み込むことができ、miRNAシードをステムループのステム中に組み込むことができる。別の実施形態において、TEEをステムループのステムの5’末端に組み込むことができ、miRNAシードをステムループのステム中に組み込むことができ、miRNA結合部位をステムの3’末端またはステムループ後の配列中に組み込むことができる。miRNAシード及びmiRNA結合部位は、同じ及び/または異なるmiRNA配列に対するものであり得る。
一実施形態において、miRNA配列及び/またはTEE配列を組み込むと、翻訳を増加及び/または減少させることができるステムループ領域の形状を変えることができる(例えば、Kedde et al.,”A Pumilio-induced RNA structure switch in p27-3’UTR controls miR-221 and miR-22 accessibility.” Nature Cell Biology.2010参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5’UTRは、少なくとも1つのmiRNA配列を含み得る。miRNA配列は、19もしくは22ヌクレオチド配列及び/またはシードを含まないmiRNA配列であり得るが、これらに限定されない。
一実施形態において、5’UTR中のmiRNA配列は、本明細書に記載される本開示のポリヌクレオチドを安定化するために使用することができる。
別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの5’UTR中のmiRNA配列は、翻訳開始部位、例えば、限定するものではないが、開始コドンなどのアクセス容易性を低下させるために使用することができる。例えば、最初の開始コドン(AUG)へのアクセス容易性を低下させるために、開始コドン周辺(-4~+37、ここで、AUGコドンのAは+1)に、アンチセンスロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド及びエキソン接合部複合体(EJC)を使用した、Matsuda et al.,PLoS One.201011(5):e15057(その全体を参照により本明細書に援用する)を参照されたい。Matsudaは、LNAまたはEJCによる開始コドン周辺の配列の変更が、ポリヌクレオチドの効率、長さ及び構造安定性に影響を与えることを示した。本開示のポリヌクレオチドは、翻訳開始部位へのアクセス容易性を低下させるために、Matsudaらによって記載されたLNAまたはEJC配列の代わりに、miRNA配列を翻訳開始部位の近傍に含み得る。翻訳開始部位は、miRNA配列の前、後または内部であり得る。非限定的な例として、翻訳開始部位は、シード配列などのmiRNA配列内または結合部位内に位置し得る。別の非限定的な例として、翻訳開始部位は、シード配列などのmiR-122配列内またはmir-122結合部位内に位置し得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、抗原提示細胞による抗原提示を弱めるために、少なくとも1つのmiRNAを含み得る。miRNAは、完全なmiRNA配列、miRNAシード配列、シードを含まないmiRNA配列、またはこれらの組み合わせであり得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチド中に組み込まれるmiRNAは、造血系に特異的であり得る。別の非限定的な例として、抗原提示を弱めるために本開示のポリヌクレオチド中に組み込まれるmiRNAは、miR-142-3pである。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、目的の組織または細胞におけるコードされたポリペプチドの発現を弱めるために、少なくとも1つのmiRNAを含み得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、肝臓におけるコードされた目的のポリペプチドの発現を弱めるために、少なくとも1つのmiR-122結合部位を含み得る。別の非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのmiR-142-3p結合部位、miR-142-3pシード配列、シードを含まないmiR-142-3p結合部位、miR-142-5p結合部位、miR-142-5pシード配列、シードを含まないmiR-142-5p結合部位、miR-146結合部位、miR-146シード配列及び/またはシード配列を含まないmiR-146結合部位を含み得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、免疫細胞においてmRNA治療物質を選択的に分解し、治療的送達によって引き越される望ましくない免疫原性応答を抑えるために、少なくとも1つのmiRNA結合部位を3’UTR中に含み得る。非限定的な例として、miRNA結合部位は、抗原提示細胞において、本開示のポリヌクレオチドを不安定にさせることができる。これらのmiRNAの非限定的な例には、mir-142-5p、mir-142-3p、mir-146a-5p及びmir-146-3pが挙げられる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、RNA結合タンパク質と相互作用することができるポリヌクレオチドの領域中に少なくとも1つのmiRNA配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、(i)MCMポリペプチド(例えば、野生型配列、その機能性断片またはバリアント)をコードする、配列最適化されたヌクレオチド配列(例えば、ORF)と、(ii)miRNA結合部位(例えば、miR-142に結合するmiRNA結合部位)とを含む。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書で開示されるMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列と、本明細書で開示されるmiRNA結合部位(例えば、miR-142に結合するmiRNA結合部位)とを含む。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列は、少なくとも1つの化学修飾された核酸塩基、例えば、5-メトキシウラシルを含む。いくつかの実施形態において、本開示のMCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列中の核酸塩基のあるタイプ(例えば、ウラシル)の少なくとも95%は、修飾核酸塩基である。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするウラシル変更配列中のウラシルの少なくとも95%は、5-メトキシウリジンである。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるMCMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、miRNA結合部位とを含む、ポリヌクレオチドは、送達剤(例えば、式(I)を有する化合物、例えば、化合物1~147のうちのいずれか)とともに製剤化される。
3’UTR及びAUリッチ要素
本開示はまた、1つ以上の3'非翻訳領域と、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含み得る。
天然または野生型3’UTRは、3’UTR中に埋め込まれたアデノシン及びウリジンのストレッチを有することが知られている。これらのAUに富むシグネチャーは、代謝回転率が高い遺伝子に特に多くみられる。これらの配列の特徴及び機能特性に基づいて、AUに富む要素(ARE)は、次の3つのクラスに分けることができる(Chen et al,1995):クラスI AREは、Uリッチ領域内にAUUUAモチーフのいくつかのコピーを分散して含有する。C-Myc及びMyoDは、クラスI AREを含有する。クラスII AREは、2つ以上の重複するUUAUUUA(U/A)(U/A)九量体を有する。このタイプのAREを含有する分子には、GM-CSF及びTNF-aが含まれる。クラスIII ARESは、あまり十分に定義されていない。これらのUリッチ領域は、AUUUAモチーフを含有しない。c-Jun及びミオゲニンは、このクラスのうちで十分に研究された2例である。AREに結合する大部分のタンパク質は、メッセンジャーを不安定化することが知られているが、ELAVファミリーのメンバー、とりわけHuRは、mRNAの安定性を増加させることが実証されている。HuRは、3つのクラス全てのAREに結合する。核酸分子の3’UTRにHuR特異的結合部位を操作導入すると、HuR結合がもたらされ、これにより、in vivoにおいてメッセージが安定化する。
3’UTR AUリッチ要素(ARE)の導入、除去または修飾を使用して、本開示のポリヌクレオチドの安定性を調節することができる。特定のポリヌクレオチドを操作する場合、AREの1つ以上のコピーを導入して本開示のポリヌクレオチドの安定性を低下させ、これにより、翻訳を減らし、結果として生じるタンパク質の生産を減少させることができる。同様に、細胞内安定性を増すために、AREを特定して、除去または変異させ、これにより、翻訳及び結果として生じるタンパク質の生産を増加させることができる。本開示のポリヌクレオチドを使用して、関連する細胞株でのトランスフェクション実験を実施することができ、トランスフェクション後の様々な時点でタンパク質生産を分析することができる。例えば、異なるARE操作分子を細胞にトランスフェクトし、関連するタンパク質に対するELISAキットを使用し、トランスフェクションから6時間、12時間、24時間、48時間及び7日後に生産されたタンパク質を分析することができる。
5’キャップを有する領域
本開示はまた、5’キャップと、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含み得る。
天然mRNAの5’キャップ構造は、核外輸送に関与し、mRNA安定性を高め、mRNAキャップ結合タンパク質(CBP)と結合する。CBPは、ポリ(A)結合タンパク質と会合し、成熟環式mRNA種を形成することにより、細胞内でのmRNA安定性及び翻訳能力に関与する。キャップは、更に、mRNAスプライシング中に、5’隣接イントロンの除去を助ける。
内因性mRNA分子は、5’末端キャップされ、mRNA分子の末端グアノシンキャップ残基と5’末端転写センスヌクレオチドとの間に5’-ppp-5’-三リン酸結合が生じ得る。次いで、この5’-グアニル酸キャップがメチル化され、N7-メチル-グアニル酸残基が生じ得る。mRNAの5’末端の末端及び/または末端前の転写ヌクレオチドのリボース糖もまた、任意選択により2’-O-メチル化され得る。グアニル酸キャップ構造の加水分解及び切断を介した5’キャップ除去は、分解のために、mRNA分子などの核酸分子を標的にし得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、キャップ部分を組み込むように設計され得る。本開示のポリヌクレオチドに対する修飾は、キャップ除去を防ぐことにより、mRNAの半減期を増加させる、非加水分解性キャップ構造を生成してもよい。キャップ構造の加水分解には、5’-ppp-5’ホスホロジエステル結合の切断を必要とするので、キャッピング反応中に修飾ヌクレオチドを使用することができる。例えば、New England Biolabs(Ipswich,MA)のワクシニアキャッピング酵素をα-チオ-グアノシンヌクレオチドとともに製造元の説明書に従って使用して、5’-ppp-5’キャップ中にホスホロチオエート結合を生成することができる。α-メチル-ホスフェート及びセレノ-ホスフェートヌクレオチドなどの追加の修飾グアノシンヌクレオチドが使用されてもよい。
追加の修飾には、糖環の2’-ヒドロキシル基上の、ポリヌクレオチドの5’末端及び/または5’末端前のヌクレオチドのリボース糖の2’-O-メチル化(上記のように)が含まれるが、これらに限定されない。複数の異なる5’キャップ構造を使用して、mRNA分子として機能するポリヌクレオチドなどの核酸分子の5’キャップを生成することができる。
本明細書中、合成キャップ類似体、化学キャップ、化学キャップ類似体または構造もしくは機能キャップ類似体とも称される、キャップ類似体は、キャップ機能を維持しつつも、その化学構造が天然(すなわち、内因性、野生型または生理学的)5’キャップとは異なる。キャップ類似体は、化学的(すなわち、非酵素的)または酵素的に、合成され、かつ/または本開示のポリヌクレオチドに連結することができる。
例えば、アンチリバースキャップ類似体(ARCA)キャップは、5’-5’-三リン酸基によって結合された2つのグアニンを含有し、1つのグアニンは、N7メチル基及び3’-O-メチル基を含有する(すなわち、N7,3’-O-ジメチル-グアノシン-5’-三リン酸-5’-グアノシン(m7G-3’mppp-G;同様の意味合いで、3’O-Me-m7G(5')ppp(5')Gと称され得る)。他の非修飾グアニンの3’-O原子は、キャップされたポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドに結合される。N7-及び3’-O-メチル化グアニンは、キャップされたポリヌクレオチドの末端部分を提供する。
別の例示的なキャップは、mCAPであり、ARCAに類似するものであるが、グアノシン上に2’-O-メチル基を有する(すなわち、N7,2’-O-ジメチル-グアノシン-5’-トリホスフェート-5’-グアノシン、m7Gm-ppp-G)。
いくつかの実施形態において、キャップは、ジヌクレオチドキャップ類似体である。非限定的な例として、ジヌクレオチドキャップ類似体は、米国特許第US8,519,110号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているジヌクレオチドキャップ類似体のように、異なるリン酸位置で、ボラノリン酸基またはホホロセレノ酸基により、修飾されてもよい。
別の実施形態において、キャップは、キャップ類似体であり、当該技術分野において知られており、かつ/または本明細書に記載されるキャップ類似体のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジククレオチド形態である。キャップ類似体のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジククレオチド形態の非限定的な例には、N7-(4-クロロフェノキシエチル)-G(5')ppp(5')G及びN7-(4-クロロフェノキシエチル)-m3'-OG(5')ppp(5')Gキャップ類似体が挙げられる(例えば、Kore et al.Bioorganic&Medicinal Chemistry 2013 21:4570-4574(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている、様々なキャップ類似体及びキャップ類似体の合成方法を参照)。別の実施形態において、本開示のキャップ類似体は、4-クロロ/ブロモフェノキシエチル類似体である。
キャップ類似体は、ポリヌクレオチドまたはその領域の同時キャッピングが可能であるが、in vitro転写反応では、転写物の最大20%がキャップされないままの状態であり得る。これは、キャップ類似体の構造が内因性細胞転写機構によって生成される核酸の内因性5’キャップ構造とは異なることとともに、翻訳能力の低下及び細胞安定性の低下をもたらすことがある。
本開示のポリヌクレオチドはまた、より真性の5’キャップ構造をもたらすために、酵素を使用して、製造後(IVTまたは化学合成にかかわらず)にキャップされてもよい。本明細書で使用されるとき、「より真性の」という文言は、内因性または野生型の特徴を構造的または機能的のいずれかで正確に反映または模倣する特徴を指す。すなわち、「より真性の」特徴は、従来技術の合成的特徴または類似体などと比較して、内因性、野生型、天然または生理学的な細胞機能及び/または構造を良好に表すものであり、あるいは、1つ以上の点で、対応する内因性、野生型、天然または生理学的な特徴よりも優れるものである。本開示のより真性の5’キャップ構造の非限定的な例は、当該技術分野において知られている合成5’キャップ構造(または野生型、天然もしくは生理学的な5’キャップ構造)と比較して、とりわけ、キャップ結合タンパク質の結合を向上させ、半減期を延長させ、5’エンドヌクレアーゼに対する感受性を低下させ、及び/または5’キャップ除去を減少させるものである。例えば、組み換えワクシニアウイルスキャッピング酵素及び組み換え2’-O-メチル基転移酵素は、ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドとグアニンキャップヌクレオチドとの間に標準的な5’-5’-三リン酸結合を生成することができ、キャップグアニンは、N7メチル化を含有し、mRNAの5’末端ヌクレオチドは、2’-O-メチルを含有する。そのような構造は、Cap1構造と称される。このキャップは、例えば、当該技術分野において知られている他の5’キャップ類似体構造と比較して、より高い翻訳能力及び細胞安定性と、細胞炎症促進性サイトカインの活性化低下とをもたらす。キャップ構造には、7mG(5')ppp(5')N,pN2p(cap0)、7mG(5')ppp(5')NlmpNp(cap1)、及び7mG(5')-ppp(5')NlmpN2mp(cap2)が含まれるが、これらに限定されない。
非限定的な例として、製造後のキメラポリヌクレオチドのキャッピングは、キメラポリヌクレオチドのほぼ100%がキャップされ得るため、より効率的であり得る。これは、in vitro転写反応の過程において、キャップ類似体をキメラポリヌクレオチドに結合する場合では約80%であることと対照的である。
本開示によれば、5’末端キャップは、内因性キャップまたはキャップ類似体を含み得る。本開示によれば、5’末端キャップは、グアニン類似体を含み得る。有用なグアニン類似体には、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン及び2-アジド-グアノシンが含まれるが、これらに限定されない。
ポリAテール
本開示はまた、ポリAテールと、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含む。
mRNA分子などのポリヌクレオチドには、RNAプロセシング中に、安定性を高めるために、アデニンヌクレオチド(ポリAテール)の長鎖が付加され得る。転写の直後に、転写物の3'末端が切断されて、3'ヒドロキシルを遊離し得る。次いで、ポリAポリメラーゼがRNAにアデニンヌクレオチド鎖を付加する。ポリアデニル化と呼ばれるこの過程は、例えば、およそ80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240または250残基長を含む、およそ80~およそ250残基長であり得る、ポリAテールを付加する。
ポリAテールはまた、構築物が核から輸送された後に付加されることもある。
本開示によれば、ポリAテール上の末端基は、安定化のために組み込まれ得る。本開示のポリヌクレオチドは、デス-3'ヒドロキシルテールを含み得る。本開示のポリヌクレオチドはまた、Junjie Liらが教示するような構造部分または2'-Oメチル修飾を含んでもよい(Current Biology,Vol.15,1501-1507,August 23,2005、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドは、ヒストンmRNAを含む、代替ポリAテール構造を含む転写物をコードするように設計することができる。Norburyによれば、「ヒト複製依存的ヒストンmRNA上において、末端ウリジル化も検出された。これらのmRNAのターンオーバーは、染色体DNA複製の完了または阻害後の潜在的に有毒なヒストン蓄積の防止に重要であると考えられる。これらのmRNAは、3’ポリ(A)テールの欠如によって区別され、その機能は、代わりに、安定したステムループ構造及びその同種ステムループ結合タンパク質(SLBP)が担っており、後者は、ポリアデニル化mRNA上のPABPと同じ機能を果たしている」(Norbury,”Cytoplasmic RNA:a case of the tail wagging the dog,” Nature Reviews Molecular Cell Biology;AOP、2013年8月29日オンライン掲載;doi:10.1038/nrm3645、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
特有のポリAテール長は、本開示のポリヌクレオチドにある特定の利点を提供する。
一般に、ポリAテールの長さは、存在する場合、30ヌクレオチド長より長い。別の実施形態において、ポリAテールは、35ヌクレオチド長より長い(例えば、少なくとも約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500及び3,000またはこれを超えるヌクレオチド)。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその領域は、約30~約3,000ヌクレオチド(例えば、30~50、30~100、30~250、30~500、30~750、30~1,000、30~1,500、30~2,000、30~2,500、50~100、50~250、50~500、50~750、50~1,000、50~1,500、50~2,000、50~2,500、50~3,000、100~500、100~750、100~1,000、100~1,500、100~2,000、100~2,500、100~3,000、500~750、500~1,000、500~1,500、500~2,000、500~2,500、500~3,000、1,000~1,500、1,000~2,000、1,000~2,500、1,000~3,000、1,500~2,000、1,500~2,500、1,500~3,000、2,000~3,000、2,000~2,500及び2,500~3,000)を含む。
いくつかの実施形態において、ポリAテールは、ポリヌクレオチド全体の長さまたはポリヌクレオチドの特定領域の長さを基準として設計される。この設計は、コーディング領域の長さ、特定の特徴または領域の長さに基づき得るか、ポリヌクレオチドから発現される最終産物の長さに基づき得る。
この場合、ポリAテールは、ポリヌクレオチドまたはその特徴よりも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%超の長さであり得る。ポリAテールはまた、属するポリヌクレオチドの一部として設計されてもよい。この場合、ポリAテールは、構築物の全長、構築物領域またはポリAテールを差し引いた構築物の全長の10、20、30、40、50、60、70、80もしくは90%またはそれ以上であり得る。更に、操作された結合部位及びポリA結合タンパク質に対するポリヌクレオチドのコンジュゲートにより、発現が向上し得る。
更に、複数の異なるポリヌクレオチドが、ポリAテールの3’末端の修飾ヌクレオチドを使用して、3’末端を介して、PABP(ポリA結合タンパク質)により一緒に連結され得る。関連する細胞株でのトランスフェクション実験を実施することができ、トランスフェクションから12時間、24時間、48時間、72時間及び7日後にELISAによってタンパク質生産を分析することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、ポリA-Gカルテット領域を含むように設計される。Gカルテットは、DNA及びRNAの両方において、Gリッチ配列によって形成され得る、4つのグアニンヌクレオチドの環状水素結合配列である。本実施形態において、Gカルテットは、ポリAテールの末端に組み込まれる。得られたポリヌクレオチドは、安定性、タンパク質生産、及び様々な時点における半減期を含む他のパラメーターについて分析される。ポリA-Gカルテットは、120ヌクレオチドのポリAテールのみを使用したときにみられるタンパク質生産の少なくとも75%に相当するmRNAからのタンパク質生産をもたらすことが見出されている。
開始コドン領域
本開示はまた、開始コドン領域と、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、開始コドン領域に類似するか、開始コドン領域と同様に機能する領域を有し得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの翻訳は、開始コドンAUGではないコドン上で開始してもよい。ポリヌクレオチドの翻訳は、限定するものではないが、ACG、AGG、AAG、CTG/CUG、GTG/GUG、ATA/AUA、ATT/AUU、TTG/UUGなどの代替開始コドン上で開始し得る(Touriol et al.Biology of the Cell 95(2003)169-178及びMatsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替開始コドンACG上で開始する。別の非限定的な例として、ポリヌクレオチド翻訳は、代替開始コドンCTGまたはCUG上で開始する。更に別の非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替開始コドンGTGまたはGUGで開始する。
翻訳を開始するコドン、例えば、限定するものではないが、開始コドンまたは代替開始コドンなどに隣接するヌクレオチドが、ポリヌクレオチドの翻訳効率、長さ及び/または構造に影響を与えることが知られている(例えば、Matsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。翻訳を開始するコドンに隣接するヌクレオチドのいずれかのマスキングを利用すると、ポリヌクレオチドの翻訳開始位置、翻訳効率、長さ及び/または構造を変更することができる。
いくつかの実施形態において、コドンをマスキングまたは遮蔽し、マスキングされる開始コドンまたは代替開始コドンでの翻訳開始の可能性を下げるために、開始コドンまたは代替開始コドンの近傍でマスキング剤を使用することができる。マスキング剤の非限定的な例には、アンチセンスロックド核酸(LNA)ポリヌクレオチド及びエキソン接合部複合体(EJC)が挙げられる(例えば、マスキング剤のLNAポリヌクレオチド及びEJCについて記載しているMatsuda及びMauro(PLoSONE、20105:11)参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
別の実施形態において、翻訳が代替開始コドン上で開始する可能性を高めるために、マスキング剤を使用してポリヌクレオチドの開始コドンをマスキングすることができる。
いくつかの実施形態において、マスキングされる開始コドンまたは代替開始コドンの下流にある開始コドンまたは代替開始コドン上で翻訳が開始する可能性を高めるために、マスキング剤を使用して最初の開始コドンまたは代替開始コドンをマスキングすることができる。
いくつかの実施形態において、開始コドンまたは代替開始コドンは、miR結合部位のための完全相補体内に位置し得る。miR結合部位の完全相補体は、マスキング剤と同様に、ポリヌクレオチドの翻訳、長さ及び/または構造の調節を助け得る。非限定的な例として、開始コドンまたは代替開始コドンは、miR-122結合部位のための完全相補体の中央に位置し得る。開始コドンまたは代替開始コドンは、1番目のヌクレオチド、2番目のヌクレオチド、3番目のヌクレオチド、4番目のヌクレオチド、5番目のヌクレオチド、6番目のヌクレオチド、7番目のヌクレオチド、8番目のヌクレオチド、9番目のヌクレオチド、10番目のヌクレオチド、11番目のヌクレオチド、12番目のヌクレオチド、13番目のヌクレオチド、14番目のヌクレオチド、15番目のヌクレオチド、16番目のヌクレオチド、17番目のヌクレオチド、18番目のヌクレオチド、19番目のヌクレオチド、20番目のヌクレオチドまたは21番目のヌクレオチドの後に位置し得る。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドの翻訳を開始コドンではないコドンから開始させるために、ポリヌクレオチドの開始コドンがポリヌクレオチド配列から除去されてもよい。ポリヌクレオチドの翻訳は、除去された開始コドンの後にあるコドン上、または下流の開始コドンもしくは代替開始コドン上で開始し得る。非限定的な例において、下流の開始コドンまたは代替開始コドン上で翻訳を開始させるために、ポリヌクレオチド配列の最初の3ヌクレオチドである開始コドンATGまたはAUGが除去される。開始コドンが除去されたポリヌクレオチド配列は、翻訳の開始、ポリヌクレオチドの長さ及び/またはポリヌクレオチドの構造を調節するか、調節を試みるために、下流の開始コドン及び/または代替開始コドンのための少なくとも1つのマスキング剤を更に含み得る。
終止コドン領域
本開示はまた、終止コドン領域と、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの両方を含む、ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、3'非翻訳領域(UTR)の前に少なくとも2つの終止コドンを含み得る。終止コドンは、TGA、TAA及びTAGから選択することができる。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、終止コドンTGA及び1つの追加の終止コドンを含む。更なる実施形態において、追加の終止コドンは、TAAであり得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、3つの終止コドンを含む。
挿入及び置換
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド中に挿入及び/または置換を含む、ポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの5'UTRを、同一塩基の少なくとも1つの領域及び/または一続きのヌクレオシドの挿入によって置き換えることができる。領域及び/または一続きのヌクレオチドは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7または少なくとも8ヌクレオチドを含み得るが、これらに限定されず、ヌクレオチドは、天然及び/または非天然であり得る。非限定的な例として、ヌクレオチド群は、5~8個のアデニン、シトシン、チミン、本明細書で開示される他のヌクレオチドのいずれかの一続き及び/またはこれらの組み合わせを含み得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの5'UTRは、限定するものではないが、アデニン、シトシン、チミン、本明細書で開示される他のヌクレオチドのいずれか及び/またはこれらの組み合わせなどの2つの異なる塩基の少なくとも2つの領域及び/または一続きのヌクレオチドの挿入によって置換され得る。例えば、5'UTRは、5~8個のアデニン塩基の挿入と、それに続く5~8個のシトシン塩基の挿入によって置き換えられ得る。別の例において、5'UTRは、5~8個のシトシン塩基の挿入と、それに続く5~8個のアデニン塩基の挿入によって置き換えられ得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、RNAポリメラーゼによって認識され得る転写開始点の下流に、少なくとも1つの置換及び/または挿入を含み得る。非限定的な例として、少なくとも1つの置換及び/または挿入が転写開始点のすぐ下流の領域中(限定するものではないが、+1~+6など)の少なくとも1つの核酸を置換することによって、転写開始点の下流で生じてよい。転写開始点のすぐ下流のヌクレオチド領域に対する変更は、開始速度に影響を与え、見かけのヌクレオチド三リン酸(NTP)反応定数値を増加させ、転写複合体からの短い転写物の解離を増加させて初期転写を修正する(curing)ことができる(Brieba et al,Biochemistry(2002)41:5144-5149、その全体を参照により本明細書に援用する)。少なくとも1つのヌクレオシドの修飾、置換及び/または挿入は、配列のサイレント変異をもたらしてもよいし、アミノ酸配列に変異をもたらしてもよい。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、転写開始点の下流に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12または少なくとも13個のグアニン塩基の置換を含み得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、転写開始点のすぐ下流の領域中に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5または少なくとも6個のグアニン塩基の置換を含み得る。非限定的な例として、領域中のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3または少なくとも4個のアデニンヌクレオチドで置換され得る。別の非限定的な例において、領域中のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3または少なくとも4個のシトシン塩基で置換され得る。別の非限定的な例において、領域中のヌクレオチドがGGGAGAである場合、グアニン塩基は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3もしくは少なくとも4個のチミン及び/または本明細書に記載されるヌクレオチドのいずれかで置換され得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、開始コドンの上流に少なくとも1つの置換及び/または挿入を含み得る。明確さのために記すと、開始コドンがタンパク質コーディング領域の最初のコドンであるのに対し、転写開始点は転写が開始する部位であることを当業者であれば認識するであろう。ポリヌクレオチドは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7または少なくとも8個のヌクレオチド塩基の置換及び/または挿入を含み得るが、これらに限定されない。ヌクレオチド塩基は、開始コドンの上流の1つ、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つの位置において、挿入または置換され得る。挿入及び/または置換されるヌクレオチドは、同一塩基(例えば、全てAまたは全てCまたは全てTまたは全てG)、2つの異なる塩基(例えば、A及びC、A及びT、またはC及びT)、3つの異なる塩基(例えば、A、C及びTまたはA、C及びT)または少なくとも4つの異なる塩基であり得る。非限定的な例として、ポリヌクレオチド中のコーディング領域の上流にあるグアニン塩基が、アデニン、シトシン、チミンまたは本明細書に記載されるヌクレオチドのいずれかで置換され得る。別の非限定的な例において、ポリヌクレオチド中のグアニン塩基の置換は、転写開始点の下流及び開始コドン前の領域中に1つのグアニン塩基が残るように設計され得る(Esvelt et al.Nature(2011)472(7344):499-503参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、転写開始点の下流であるが、開始コドンの上流である1つの位置に少なくとも5ヌクレオチドが挿入され得、少なくとも5ヌクレオチドは、同じ塩基タイプであり得る。
IV.ポリヌクレオチドの作製方法
本開示はまた、本明細書で開示されるポリヌクレオチドまたはその相補体を作製するための方法を提供する。いくつかの態様において、本明細書で開示される、MCMポリペプチドまたはその機能性断片をコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、in vitro転写を使用して構築することができる。他の態様において、本明細書で開示される、MCMポリペプチドまたはその機能性断片をコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、オリゴヌクレオチド合成装置を使用する化学合成によって構築することができる。他の態様において、本明細書で開示される、MCMポリペプチドまたはその機能性断片をコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、宿主細胞を使用することによって作製される。特定の態様において、本明細書で開示される、MCMポリペプチドまたはその機能性断片をコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、IVT、化学合成、宿主細胞発現または当該技術分野において知られている任意の他の方法のうちの1つ以上の組み合わせによって作製される。
天然ヌクレオシド、非天然ヌクレオシドまたはこれらの組み合わせは、候補ヌクレオチド配列中に存在する天然ヌクレオシドを完全にまたは部分的に置き換えることができ、MCMポリペプチドをコードする配列最適化ヌクレオチド配列(例えば、mRNA)に組み込むことができる。次いで、得られたmRNAは、タンパク質を生産する能力及び/または治療効果をもたらす能力について試験され得る。
in vitro転写:酵素的合成
本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、in vitro転写(IVT)システムを使用して転写することができる。このシステムは、典型的に、転写バッファー、ヌクレオチド三リン酸(NTP)、RNase阻害剤及びポリメラーゼを備える。NTPは、天然及び非天然(修飾)NTPを含む、本明細書に記載されるものから選択することができるが、これらに限定されない。ポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ及び変異ポリメラーゼ(限定するものではないが、修飾核酸を組み込むことができるポリメラーゼなど)から選択することができるが、これらに限定されない。米国特許出願公開第US20130259923号を参照されたい(その全体を参照により本明細書に援用する)。
IVTシステムは、典型的に、転写バッファー、ヌクレオチド三リン酸(NTP)、RNase阻害剤及びポリメラーゼを備える。NTPは、天然及び非天然(修飾)NTPを含む、本明細書に記載されるものから選択することができるが、これらに限定されない。ポリメラーゼは、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ及び変異ポリメラーゼ(限定するものではないが、本明細書で開示されるポリヌクレオチドを組み込むことができるポリメラーゼなど)から選択することができるが、これらに限定されない。
任意数のRNAポリメラーゼまたはバリアントを本開示のポリヌクレオチドの合成に使用することができる。
RNAポリメラーゼは、RNAポリメラーゼ配列のアミノ酸を挿入または欠失させることによって修飾することができる。非限定的な例として、RNAポリメラーゼは、非修飾のRNAポリメラーゼと比較して、2’-修飾ヌクレオチド三リン酸を組み込む能力の増加を示すように修飾され得る(国際公開第WO2008078180号及び米国特許第8,101,385号参照、これらの全体を参照により本明細書に援用する)。
バリアントは、RNAポリメラーゼを進化させ、RNAポリメラーゼのアミノ酸及び/もしくは核酸配列を最適化することによって、ならびに/または当該技術分野において知られている他の方法を使用することによって、得ることができる。非限定的な例として、Esveltらによって記載された持続的定向進化システム(Nature(2011)472(7344):499-503、その全体を参照により本明細書に援用する)を使用して、T7 RNAポリメラーゼバリアントを進化させることができ、この場合、T7 RNAポリメラーゼのクローンは、限定するものではないが、位置93のリシンのトレオニンでの置換(K93T)、I4M、A7T、E63V、V64D、A65E、D66Y、T76N、C125R、S128R、A136T、N165S、G175R、H176L、Y178H、F182L、L196F、G198V、D208Y、E222K、S228A、Q239R、T243N、G259D、M267I、G280C、H300R、D351A、A354S、E356D、L360P、A383V、Y385C、D388Y、S397R、M401T、N410S、K450R、P451T、G452V、E484A、H523L、H524N、G542V、E565K、K577E、K577M、N601S、S684Y、L699I、K713E、N748D、Q754R、E775K、A827V、D851NまたはL864Fなどの少なくとも1つの変異をコードし得る。別の非限定的な例として、T7 RNAポリメラーゼバリアントは、米国特許出願公開第20100120024号及び同第20070117112号(これらの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような少なくとも変異をコードし得る。RNAポリメラーゼのバリアントにはまた、置換バリアント、保存アミノ酸置換、挿入バリアント、欠失バリアント及び/または共有結合誘導体が含まれ得るが、これらに限定されない。
一態様において、ポリヌクレオチドは、野生型またはバリアントRNAポリメラーゼによって認識されるように設計され得る。それを行う際、ポリヌクレオチドは、野生型または親キメラポリヌクレオチドからの配列変化部位または領域を含有するように修飾することができる。
ポリヌクレオチドまたは核酸の合成反応は、ポリメラーゼを利用する酵素的方法によって実施することができる。ポリメラーゼは、ポリヌクレオチド鎖または核酸鎖中のヌクレオチド間のホスホジエステル結合の生成を触媒する。現在知られているDNAポリメラーゼは、アミノ酸配列比較及び結晶構造解析に基づいて、異なるファミリーに分類することができる。DNAポリメラーゼI(pol I)またはAポリメラーゼファミリーは、E.ColiのKlenow断片、Bacillus DNAポリメラーゼI、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、ならびにT7 RNA及びDNAポリメラーゼを含み、これらのファミリーのなかで最もよく研究されている。別の大きなファミリーは、DNAポリメラーゼα(pol α)またはBポリメラーゼファミリーであり、全ての真核生物複製DNAポリメラーゼならびにファージT4及びRB69に由来するポリメラーゼを含む。これらは類似の触媒機構を用いるが、これらのポリメラーゼファミリーは、基質特異性、基質類似体組み込み効率、プライマー伸長の程度及び速度、DNA合成様式、エキソヌクレアーゼ活性、ならびに阻害剤に対する感受性が異なる。
DNAポリメラーゼはまた、反応温度、pH及び鋳型とプライマーの濃度などの必要とされる至適反応条件に基づいて選択される。所望のDNA断片サイズ及び合成効率を達成するために、2つ以上のDNAポリメラーゼの組み合わせが用いられることがある。例えば、Chengらは、pHを上げ、グリセロール及びジメチルスルホキシドを添加し、変性時間を減らし、伸長時間を延ばし、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有する二次熱安定性DNAポリメラーゼを利用して、クローンのインサート及びヒトゲノムDNAから長い標的を効率的に増幅している(Cheng et al.,PNAS,Vol.91,5695-5699(1994)、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。バクテリオファージT3、T7及びSP6に由来するRNAポリメラーゼは、生化学的及び生物物理学的研究のためのRNAを調製するために広く使用されている。RNAポリメラーゼ、キャッピング酵素及びポリAポリメラーゼについては、同時係属中の国際公開第WO2014028429号に開示されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一態様において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの合成に使用することができるRNAポリメラーゼは、Syn5 RNAポリメラーゼである(Zhu et al.Nucleic Acids Research 2013参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。Syn5 RNAポリメラーゼは、先頃、Zhuらによって海洋性シアノファージSyn5から特徴付けされたものであり、プロモーター配列も特定されている(Zhu et al.Nucleic Acids Research 2013参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。Zhuらは、Syn5 RNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼと比較して、幅広い温度範囲及び塩度範囲でRNA合成を合成することを見出した。更に、Syn5 RNAポリメラーゼは、プロモーターの開始ヌクレオチドに関する要件がT7 RNAポリメラーゼと比較してあまり厳しくないことが判明したことから、Syn5 RNAポリメラーゼは、RNA合成に有望なものとなっている。
一態様において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの合成に、Syn5 RNAポリメラーゼを使用することができる。非限定的な例として、正確な3’末端を必要とするポリヌクレオチドの合成に、Syn5 RNAポリメラーゼを使用することができる。
一態様において、ポリヌクレオチドの合成に、Syn5プロモーターを使用することができる。非限定的な例として、Syn5プロモーターは、Zhuらによって記載されるような5’-ATTGGGCACCCGTAAGGG-3’であり得る(Nucleic Acids Research 2013、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一態様において、本明細書に記載される少なくとも1つの化学修飾及び/または当該技術分野において知られている少なくとも1つの化学修飾を含むポリヌクレオチドの合成に、Syn5 RNAポリメラーゼを使用することができる(例えば、Zhu et al.Nucleic Acids Research 2013に記載されているプソイド-UTP及び5Me-CTPの組み込みを参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一態様において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、Zhuらが記載する改変及び改良された精製手順を使用して精製されたSyn5 RNAポリメラーゼを使用して合成することができる(Nucleic Acids Research 2013、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
遺伝子工学における各種ツールは、鋳型として作用する標的遺伝子の酵素的増幅に基づいている。個々の遺伝子または特定の関心領域の配列及び他の研究ニーズに関する研究には、ポリヌクレオチドまたは核酸の少量の試料から標的遺伝子の複数のコピーを生成する必要がある。そのような方法を、本開示のポリヌクレオチドの製造に適用することができる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、標的遺伝子の迅速な増幅、ならびにゲノムマッピング及び配列決定に広く適用されている。DNAを合成するための主要構成成分は、鋳型としての標的DNA分子、標的DNA鎖の末端に相補的なプライマー、基本成分としてのデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)及びDNAポリメラーゼを含む。PCRは、変性、アニーリング及び伸長の各ステップを経るにつれて、新たに生成されたDNA分子が次の複製サイクルの鋳型として作用し得、標的DNAの指数関数的増幅が達成される。PCRは、変性及びアニーリングの加熱及び冷却のサイクルを必要とする。基本的なPCRの変形形態には、非対称PCR[Innis et al.,PNAS,vol.85,9436-9440(1988)]、逆PCR[Ochman et al.,Genetics,vol.120(3),621-623,(1988)]、逆転写PCR(RT-PCR)(Freeman et al.,BioTechniques,vol.26(1),112-22,124-5(1999)、これらの内容全体などを参照により本明細書に援用する)が含まれる。RT-PCRでは、一本鎖RNAが所望の標的であり、それが最初に逆転写酵素によって二本鎖DNAに変換される。
PCRの代替または補足として、種々の等温in vitro核酸増幅技術が開発されている。例えば、鎖置換増幅(SDA)は、ニックを形成する制限酵素の能力に基づいている(Walker et al.,PNAS,vol.89,392-396(1992)、その内容全体を参照により本明細書に援用する))。アニールされるプライマー配列に制限酵素認識配列を挿入する。プライマーをDNAポリメラーゼ及びdNTPにより伸長させて二本鎖を形成する。二本鎖の一方のみの鎖を制限酵素によって切断する。これにより、各一本鎖が後続の合成のための鋳型として使用可能となる。SDAは、PCRの複雑な温度調節サイクルを必要としない。
転写媒介増幅(TMA)とも呼ばれる核酸配列ベース増幅(NASBA)もまた、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、RNAse H及びT7 RNAポリメラーゼの組み合わせを利用する、等温増幅法である[Compton,Nature,vol.350,91-92(1991)、その内容全体を参照により本明細書に援用する]。標的RNAを鋳型として使用し、逆転写酵素がその相補的DNA鎖を合成する。RNAse Hは、RNA鋳型を加水分解し、RNA標的に相補的な第1のDNA鎖に相補的であるDNA鎖を合成し、DNA二本鎖を形成する、DNAポリメラーゼためのスペースを作る。T7 RNAポリメラーゼは、このDNA二本鎖の相補的RNA鎖を連続的に生成する。これらのRNA鎖がDNA合成の新しいサイクルの鋳型として作用し、標的遺伝子の増幅をもたらす。
ローリングサークル増幅(RCA)は、一本鎖環状ポリヌクレオチドを増幅するものであり、Ф29 DNAポリメラーゼが、ポリヌクレオチド環の周りを連続的に進行し、その配列を何度も繰り返し複製することによって、プライマーを伸長する、多数の等温酵素的合成ラウンドを伴う。したがって、環状鋳型の線状コピーが達成される。次いで、この線状コピーにプライマーをアニールすることができ、その相補鎖を合成することができる[Lizardi et al.,Nature Genetics,vol.19,225-232(1998)参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する]。一本鎖環状DNAはまた、RNAポリメラーゼの存在下におけるRNA合成の鋳型としても機能し得る(Daubendiek et al.,JACS,vol.117,7818-7819(1995)、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。cDNA末端の逆迅速増幅(RACE)RCAは、Polidorosらによって記載されている。メッセンジャーRNA(mRNA)を逆転写してcDNAにした後、RNAse Hで処理してcDNAを分離する。次いで、cDNAをCircLigaseによって環化して環状DNAにする。これにより得られた環状DNAの増幅をRCAにより実施する(Polidoros et al.,BioTechniques,vol.41,35-42(2006)、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドの1つ以上の領域の製造に、前述の方法のいずれかを利用することができる。
リガーゼによるポリヌクレオチドまたは核酸の組み立てもまた広く使用されている。DNAまたはRNAリガーゼは、ホスホジエステル結合の形成を介して、ポリヌクレオチド鎖の5’末端と3’末端の分子間ライゲーションを促進する。リガーゼ連鎖反応(LCR)は、2つの隣接するポリヌクレオチドプローブが標的遺伝子の一方の鎖にハイブリダイズし、リガーゼによって互いに連結されるという原理に基づいた有望な診断技術である。標的遺伝子が存在しない場合、または標的遺伝子に一塩基多型(SNP)などのミスマッチがある場合、プローブはライゲーションされない(Wiedmann et al.,PCR Methods and Application,vol.3(4),s51-s64(1994)、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。LCRは、検出感度を上げるために、またはポリヌクレオチド及び核酸の合成に使用される場合には産物の量を増加させるために、各種増幅技術と組み合わせることができる。
現在、核酸用のライブラリー作製キットがいくつか市販されている。それらには、少量の核酸試料を、下流アプリケーションのためのインデックス付きライブラリーに変換するための酵素及びバッファーが含まれる。例えば、末端調製、ライゲーション、サイズ選択、クリーンアップ、PCR増幅及び最終クリーンアップのために、NewEngland BioLabs(登録商標)のNEBNEXT(登録商標)ULTRATM DNA Library Prep Kit中にDNA断片を入れることができる。
増幅技術を改良するための普段の開発が続けられている。例えば、Asadaらの米国特許第8,367,328号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)は、反応エンハンサーを利用してDNAポリメラーゼによるDNA合成反応の効率を上げることを教示している。反応エンハンサーは、酸性物質または酸性物質のカチオン性錯体を含む。Kitabayashiらの米国特許第7.384,739号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)は、酵素的DNA合成を促進するカルボン酸イオン供給物質を教示しており、カルボン酸イオン供給物質は、シュウ酸、マロン酸、シュウ酸エステル、マロン酸エステル、マロン酸塩及びマレイン酸エステルから選択される。Sobekらの米国特許第7,378,262号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)は、DNA増幅の正確性を高める酵素組成物を開示している。この組成物は、3’エキソヌクレアーゼ活性を有するが、ポリメラーゼ活性を有しない1つの酵素と、ポリメラーゼである別の酵素とを含む。酵素は両方とも熱安定性であり、低温で不活性になるように可逆的に改変されている。
Gettsらの米国特許第7,550,264号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)は、cDNA分子の3’末端上にオリゴデオキシヌクレオチドテールを付着させ、RNAポリメラーゼを使用するRNA転写を開始することによって、センスRNA分子の合成ラウンドを多数回実施することを教示している。Rohayemの米国特許出願公開第2013/0183718号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)は、一本鎖DNA鋳型に対してRNAポリメラーゼ活性を示すRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)によるRNA合成を教示している。非標準的ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、Bennerの米国特許第6,617,106号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に開示されているように、非標準的ヌクレオチドを含む鋳型と、鋳型のヌクレオチドに相補的なヌクレオチドの混合物とを接触させることによって、酵素的重合により合成することができる。
化学合成
目的の単離ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド配列を合成するために、標準的な方法を適用することができる。例えば、特定の単離ポリペプチドをコードするコドン最適化ヌクレオチド配列を含有する、単一のDNAまたはRNAオリゴマーを合成することができる。他の態様において、所望のポリペプチドの部分をコードするいくつかの小オリゴヌクレオチドを合成し、次いで、これらをライゲートすることができる。いくつかの態様において、個々のオリゴヌクレオチドは、典型的に、相補的組み立てのための5'または3'オーバーハングを含有する。
本明細書で開示されるポリヌクレオチド(例えば、mRNA)は、当該技術分野において知られている化学合成法及び潜在的核酸塩基置換を使用して化学的に合成することができる。例えば、国際公開第WO2014093924号、同第WO2013052523号;同第WO2013039857号、同第WO2012135805号、同第WO2013151671号;米国特許出願公開第US20130115272号;または米国特許第US8999380号、同第US8710200号(これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)を参照されたい。
V.ポリヌクレオチドの精製及び定量
精製
本明細書に記載されるポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)の精製は、ポリヌクレオチドのクリーンアップ、品質保証及び品質管理を含み得るが、これらに限定されない。クリーンアップは、当該技術分野において知られている方法、限定するものではないが、AGENCOURT(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter Genomics(Danvers,MA))、ポリTビーズ、LNA(商標)オリゴTキャプチャープローブ(EXIQON(登録商標)Inc.(Vedbaek,Denmark))または限定するものではないが、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)などのHPLCによる精製法などによって実施することができる。「精製されたポリヌクレオチド」などのポリヌクレオチドに関して使用される場合の「精製された」という用語は、少なくとも1つの夾雑物から分離されたものを指す。本明細書で使用されるとき、「夾雑物」とは、不適当、不純または低質の別のものにする任意の物質である。したがって、精製されたポリヌクレオチド(例えば、DNA及びRNA)は、天然にみられる形態または状況とは異なる形態または状況に存在するか、処理法または精製法に供される前に存在した形態または状況とは異なる形態または状況で存在する。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの精製は、不必要な免疫応答を低下または除去し得る不純物を除去する(例えば、サイトカイン活性の低下)。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、投与前に、カラムクロマトグラフィー(例えば、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)または(LCMS))を使用して精製される。いくつかの実施形態において、カラムクロマトグラフィー(例えば、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)または(LCMS))により精製された、本明細書で開示されるMCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、異なる精製法によって精製されたMCMコードポリヌクレオチドと比較して、MCMの発現が増加する。いくつかの実施形態において、カラムクロマトグラフィー(例えば、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)または(LCMS))により精製されたポリヌクレオチドは、点変異V69、T499、H532、A598及びV671のうちの1つ以上を含むMCMポリペプチドまたはその機能性断片をコードする。いくつかの実施形態において、RP-HPLCにより精製されたポリヌクレオチドは、MCM発現が増加する(例えば、20~50%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%)。
品質保証及び/または品質管理チェックは、限定するものではないが、ゲル電気泳動、UV吸光度または分析HPLCなどの方法を使用して実施することができる。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、逆転写酵素PCRを含むが、これに限定されない方法によって配列決定することができる。
定量
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)は、エクソソームで、または1つ以上の体液から得られたときに定量することができる。本明細書で使用されるとき、「体液」には、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、眼房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー腺液または尿道球腺液、汗、糞便物、毛髪、涙、嚢胞液、胸膜及び腹腔液、心膜液、リンパ液、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、月経分泌物、膿汁、皮脂、嘔吐物、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引液、胚盤胞液ならびに臍帯血が含まれる。あるいは、エクソソームは、肺、心臓、膵臓、胃、腸管、膀胱、腎臓、卵巣、精巣、皮膚、結腸、乳房、前立腺、脳、食道、肝臓及び胎盤からなる群から選択される器官から取得され得る。
エキソソーム定量法では、2mLを超えない試料を対象から採取し、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、分画遠心分離、ナノ膜限外濾過、免疫吸着捕捉、アフィニティー精製、マイクロ流体分離またはこれらの組み合わせによってエキソソームが単離される。分析において、ポリヌクレオチドのレベルまたは濃度は、投与された構築物の発現レベル、存在、非存在、切断または変化であり得る。レベルを、1つ以上の臨床表現型またはヒト疾患バイオマーカーのためのアッセイと相関させることが有利である。アッセイは、構築物特異的プローブ、血球計算、qRT-PCR、リアルタイムPCR、PCR、フローサイトメトリー、電気泳動、質量分析またはこれらの組み合わせを使用して実施することができ、エキソソームは、酵素結合免疫吸着法(ELISA)などの免疫組織化学を使用して分離することができる。エキソソームはまた、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、分画遠心分離、ナノ膜限外濾過、免疫吸着捕捉、アフィニティー精製、マイクロ流体分離またはこれらの組み合わせによって単離することができる。
これらの方法により、研究者は、リアルタイムで、ポリヌクレオチドの残留レベルまたは送達レベルをモニターすることができる。これは、本開示のポリヌクレオチドが、構造的修飾または化学修飾によって内因性形態とは異なることから可能となる。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、限定するものではないが、紫外可視分光法(UV/Vis)などの方法を使用して定量することができる。UV/Vis分光計の非限定的な例は、NANODROP(登録商標)分光計(ThermoFisher(Waltham,MA))である。定量化されたポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドが適切なサイズであり、ポリヌクレオチド分解が起きなかったことを調べるために、分析され得る。ポリヌクレオチド分解は、限定するものではないが、アガロースゲル電気泳動、限定するものではないが、強陰イオン交換HPLC、弱陰イオン交換HPLC、逆相HPLC(RP-HPLC)及び疎水性相互作用HPLC(HIC-HPLC)などのHPLCによる精製法、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、キャピラリー電気泳動(CE)ならびにキャピラリーゲル電気泳動(CGE)などの方法によって調べることができる。
VI.医薬組成物
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、製剤は、野生型MCM、または配列番号1~207、732~765及び772からなる群から選択されるポリヌクレオチドに対して、かなりの配列類似性を有するヌクレオチド配列を含むMCMをコードするポリヌクレオチドを含有し得、ORFは、MCMポリペプチドをコードする。
医薬組成物は、任意選択により、1つ以上の追加の有効物質、例えば、治療的及び/または予防的に有効な物質を含み得る。本開示の医薬組成物は、無菌及び/またはパイロジェンフリーであり得る。医薬品の製剤化及び/または製造において一般的に検討すべき項目は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams&Wilkins,2005(その全体を参照により本明細書に援用する)にみることができる。本開示の目的上、「有効成分」という文言は、概して、本明細書に記載されるように送達されるポリヌクレオチドを指す。
本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、薬理学分野で知られているか、今後開発される任意の方法によって調製することができる。一般に、このような調製法は、有効成分を、賦形剤及び/または1つ以上の他の副成分とを一緒にするステップを含む。
本開示による医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、及び/または複数の単回単位用量として調製、包装及び/または販売することができる。本明細書で使用されるとき、「単位用量」は、所定量の有効成分を含む医薬組成物の個々の量を指す。有効成分の量は、一般に、対象に投与される有効成分の用量及び/または当該用量の簡便な分数、例えば、当該用量の1/2もしくは1/3に相当する。
本開示による医薬組成物中の有効成分、薬学的に許容される賦形剤及び/または任意追加の成分の相対量は、治療を受ける対象の特性、体格及び/または状態に応じて、更には、組成物が投与される経路に応じて変動し得る。例えば、組成物は、0.1%~99%(w/w)の有効成分を含み得る。例として、組成物は、0.1%~100%、例えば、0.5~50%、1~30%、5~80%、少なくとも80%(w/w)の有効成分を含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される製剤は、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み得る。非限定的な例として、製剤は、1、2、3、4または5つのポリヌクレオチドを含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される製剤は、2種以上のポリヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態において、製剤は、線状及び環状形態のポリヌクレオチドを含み得る。別の実施形態において、製剤は、環状ポリヌクレオチド及びIVTポリヌクレオチドを含み得る。更に別の実施形態において、製剤は、IVTポリヌクレオチド、キメラポリヌクレオチド及び環状ポリヌクレオチドを含み得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、ヒト、ヒト患者または対象に投与される。本明細書で提供される医薬組成物の記述は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物を対象とするが、当該組成物が一般に任意の他の動物、例えば、ヒト以外の動物、例えば、ヒト以外の哺乳類への投与に適することは、当業者であれば理解するであろう。ヒトへの投与に適した医薬組成物を各種動物への投与に適したものにするための改変は、よく理解されており、通常の熟練した獣医薬理学者であれば、たとえ実験を要する場合であっても通常の実験のみで、このような改変を設計及び/または実施することができる。医薬組成物の投与が企図される対象には、ヒト及び/もしくは他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス及び/もしくはラットなどの商業的価値のある哺乳類を含む、哺乳類;ならびに/または家禽、ニワトリ、カモ、ガチョウ及び/もしくはシチメンチョウなどの商業的価値のあるものを含む、鳥類が含まれるが、これらに限定されない。
送達剤
a.脂質化合物
本開示は、有利な性質を有する医薬組成物を提供する。特に、本出願は、
(a)MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドと、
(b)式(I)
(I)
[式中、
R
1は、C
5~20アルキル、C
5~20アルケニル、-R
*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R
2及びR
3は、H、C
1~14アルキル、C
2~14アルケニル、-R
*YR”、-YR”、及び-R
*OR”からなる群から独立して選択されるか、R
2及びR
3は、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R
4は、C
3~6炭素環、-(CH
2)
nQ、-(CH
2)
nCHQR、-CHQR、-CQ(R)
2、及び無置換C
1~6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、炭素環、複素環、-OR、-O(CH
2)
nN(R)
2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX
3、-CX
2H、-CXH
2、-CN、-N(R)
2、-C(O)N(R)
2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)
2R、-N(R)C(O)N(R)
2、-N(R)C(S)N(R)
2、及び-C(R)N(R)
2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
各R
5は、C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R
6は、C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)
2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R
7は、C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rは、C
1~3アルキル、C
2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’は、C
1~18アルキル、C
2~18アルケニル、-R
*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”は、C
3~14アルキル及びC
3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R
*は、C
1~12アルキル及びC
2~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yは、独立して、C
3~6炭素環であり、
各Xは、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、mは、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される]
を有する脂質化合物またはその塩もしくは立体異性体(ここで、アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状または分岐状であってよい)とを含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物のサブセットには、R4が-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、または-CQ(R)2である場合、(i)nが1、2、3、4または5であるとき、Qは、-N(R)2ではないか、(ii)nが1または2であるとき、Qは、5、6または7員ヘテロシクロアルキルではないものが含まれる。
別の実施形態において、式(I)の化合物の別のサブセットには、
R1が、C5~20アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が、H、C1~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R4が、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、-CQ(R)2、及び無置換C1~6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員ヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-CRN(R)2C(O)OR、ならびにN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有し、オキソ(=O)、OH、アミノ及びC1~3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換された5~14員ヘテロシクロアルキルから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
各R5が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R6が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’が、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R7が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rが、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’が、C1~18アルキル、C2~18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”が、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R*が、C1~12アルキル及びC2~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yが、独立して、C3~6炭素環であり、
各Xが、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される
ものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれる。
更に別の実施形態において、式(I)の化合物の別のサブセットには、
R1が、C5~20アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が、H、C1~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R4が、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、-CQ(R)2、及び無置換C1~6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員複素環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-CRN(R)2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、Qが5~14員複素環であり、かつ(i)R4が-(CH2)nQ(nは1または2)であるか、(ii)R4が-(CH2)nCHQR(nは1)であるか、(iii)R4が-CHQR、及び-CQ(R)2であるとき、Qは、5~14員ヘテロアリールまたは8~14員ヘテロシクロアルキルのいずれかであり、
各R5が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R6が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’が、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R7が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rが、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’が、C1~18アルキル、C2~18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”が、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R*が、C1~12アルキル及びC2~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yが、独立して、C3~6炭素環であり、
各Xが、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される
ものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれる。
更に別の実施形態において、式(I)の化合物の別のサブセットには、
R1が、C5~20アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が、H、C1~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R4が、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、-CQ(R)2、及び無置換C1~6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員ヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-CRN(R)2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、
各R5が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R6が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’が、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R7が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rが、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’が、C1~18アルキル、C2~18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”が、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R*が、C1~12アルキル及びC2~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yが、独立して、C3~6炭素環であり、
各Xが、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mはが、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される
ものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれる。
更に別の実施形態において、式(I)の化合物の別のサブセットには、
R1が、C5~20アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が、H、C2~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R4が、-(CH2)nQまたは-(CH2)nCHQRであり、ここで、Qは、-N(R)2であり、nは、3、4及び5から選択され、
各R5が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R6が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’が、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R7が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rが、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’が、C1~18アルキル、C2~18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”が、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R*が、C1~12アルキル及びC1~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yが、独立して、C3~6炭素環であり、
各Xが、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される
ものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれる。
更に別の実施形態において、式(I)の化合物の別のサブセットには、
R1が、C5~20アルキル、C5~20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3が、C1~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、
R4が、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、-N(R)2であり、nは、1、2、3、4及び5から選択され、
各R5が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R6が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
M及びM’は、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R7が、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から選択され、
各Rが、C1~3アルキル、C2~3アルケニル及びHからなる群から独立して選択され、
各R’が、C1~18アルキル、C2~18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から独立して選択され、
各R”が、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から独立して選択され、
各R*が、C1~12アルキル及びC1~12アルケニルからなる群から独立して選択され、
各Yが、独立して、C3~6炭素環であり、
各Xが、F、Cl、Br及びIからなる群から独立して選択され、
mが、5、6、7、8、9、10、11、12及び13から選択される
ものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれる。
特定の実施形態において、式(I)の化合物のサブセットには、式(IA):
(IA)
のものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれ、
式中、lは、1、2、3、4及び5から選択され、mは、5、6、7、8、及び9から選択され、M
1は、単結合またはM’であり、R
4は、無置換C
1~3アルキルまたは-(CH
2)
nQであり、ここで、Qは、OH、-NHC(S)N(R)
2、または-NHC(O)N(R)
2であり、M及びM’は、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R
2及びR
3は、H、C
1~14アルキル及びC
2~14アルケニルからなる群から独立して選択される。
特定の実施形態において、式(I)の化合物のサブセットには、式(II):
(II)
のものまたはその塩もしくは立体異性体が含まれ、
式中、lは、1、2、3、4及び5から選択され、M
1は、単結合またはM’であり、R
4は、無置換C
1~3アルキルまたは-(CH
2)
nQであり、ここで、nは、2、3または4であり、Qは、OH、-NHC(S)N(R)
2、または-NHC(O)N(R)
2であり、M及びM’は、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、アリール基及びヘテロアリール基から独立して選択され、
R
2及びR
3は、H、C
1~14アルキル及びC
2~14アルケニルからなる群から独立して選択される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IIa)
(IIa)
またはその塩であり、式中、R
4は、上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IIb)
(IIb)
またはその塩であり、式中、R
4は、上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IIc)
(IIc)
またはその塩であり、式中、R
4は、上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IIe):
(IIe)
またはその塩であり、式中、R
4は、上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、式(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IIe)の化合物は、-(CH2)nQ及び-(CH2)nCHQRから選択されるR4を含み、式中、Q、R及びnは、上に定義するとおりである。
いくつかの実施形態において、Qは、-OR、-OH、-O(CH2)nN(R)2、-OC(O)R、-CX3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(H)(R)及び複素環からなる群から選択され、Rは、上に定義するとおりである。いくつかの態様において、nは、1または2である。いくつかの実施形態において、Qは、OH、-NHC(S)N(R)2、または-NHC(O)N(R)2である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(IId)
(IId)
またはその塩であり、式中、R
2及びR
3は、C
5~14アルキル及びC
5~14アルケニルからなる群から独立して選択され、nは、2、3及び4から選択され、R’、R’’、R
5、R
6及びmは、上に定義されるとおりである。
式(IId)の化合物のいくつかの態様において、R2は、C8アルキルである。式(IId)の化合物のいくつかの態様において、R3は、C5~C9アルキルである。式(IId)の化合物のいくつかの態様において、mは、5、7または9である。式(IId)の化合物のいくつかの態様において、各R5は、Hである。式(IId)の化合物のいくつかの態様において、各R6は、Hである。
別の態様において、本出願は、(1)式(I)を有する化合物、(2)任意選択によりヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、(3)任意選択により構造脂質(例えば、ステロール)、(4)任意選択により脂質コンジュゲート(例えば、PEG脂質)、及び(5)任意選択により第四級アミン化合物を含む、脂質組成物(例えば、脂質ナノ粒子(LNP))を提供する。例示的な実施形態において、脂質組成物(例えば、LNP)は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、脂質組成物中に封入されたポリヌクレオチドを更に含む。
本明細書で使用されるとき、「アルキル」または「アルキル基」という用語は、1つ以上の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個またはそれ以上の炭素原子)を含む、直鎖状または分岐状の飽和炭化水素を意味する。
「C1~14アルキル」という表記は、1~14個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状の飽和炭化水素を意味する。アルキル基は、任意選択により置換されてよい。
本明細書で使用されるとき、「アルケニル」または「アルケニル基」という用語は、2つ以上の炭素原子(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個またはそれ以上の炭素原子)及び少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖状または分岐状の炭化水素を意味する。
「C2~14アルケニル」という表記は、2~14個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖状または分岐状の炭化水素を意味する。アルケニル基は、1、2、3、4つまたはそれ以上の二重結合を含み得る。例えば、C18アルケニルは、1つ以上の二重結合を含み得る。2つの二重結合を含むC18アルケニル基は、リノレイル基であり得る。アルケニル基は、任意選択により置換され得る。
本明細書で使用されるとき、「炭素環」または「炭素環式基」という用語は、1つ以上の炭素原子環を含む単環系または多環系を意味する。環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15員環であり得る。
「C3~6炭素環」という表記は、3~6個の炭素原子を有する単環を含む炭素環を意味する。炭素環は、1つ以上の二重結合を含み得、芳香族(例えば、アリール基)であり得る。炭素環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル及び1,2-ジヒドロナフチル基が挙げられる。炭素環は、任意選択により置換され得る。
本明細書で使用されるとき、「複素環」または「複素環基」という用語は、少なくとも1つの環が少なくとも1つのヘテロ原子を含む環を1つ以上含む単環系または多環系を意味する。ヘテロ原子は、例えば、窒素原子、酸素原子または硫黄原子であってよい。環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12員環であり得る。複素環は、1つ以上の二重結合を含み得、芳香族(例えば、ヘテロアリール基)であり得る。複素環の例には、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、チアゾリル基、チアゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリジニル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリジニル基、イソチアゾリル基、モルホリニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チオフェニル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリル基及びイソキノリル基が挙げられる。複素環は、任意選択により置換され得る。
本明細書で使用されるとき、「生分解性基」は、対象において、脂質のより速い代謝を促進することができる基である。生分解性基は、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、アリール基及びヘテロアリール基であり得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「アリール基」は、1つ以上の芳香環を含む炭素環式基である。アリール基の例には、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール基」は、1つ以上の芳香環を含む複素環基である。ヘテロアリール基の例には、ピロリル、フリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル及びチアゾリルが挙げられる。アリール基及びヘテロアリール基はどちらも、任意選択により置換され得る。例えば、M及びM’は、任意選択により置換されたフェニル、オキサゾール及びチアゾールからなる非限定的な群から選択することができる。本明細書中の式において、M及びM’は、上記の生分解性基の一覧から独立して選択することができる。
アルキル基、アルケニル基及びシクリル基(例えば、カルボシクリル基及びヘテロシクリル基)は、特に指定されない限り、任意選択により置換され得る。任意選択の置換基は、ハロゲン原子(例えば、クロリド基、ブロミド基、フロリド基またはヨージド基)、カルボン酸(例えば、-C(O)OH)、アルコール(例えば、ヒドロキシル、-OH)、エステル(例えば、-C(O)ORまたは-OC(O)R)、アルデヒド(例えば、-C(O)H)、カルボニル(例えば、-C(O)R、あるいはC=Oで表される)、ハロゲン化アシル(例えば、-C(O)X、ここで、Xは、クロリド、ブロミド、フロリドまたはヨージドから選択されるハロゲン化物である)、カーボネート(例えば、-OC(O)OR)、アルコキシ(例えば、-OR)、アセタール(例えば、-C(OR)2R”“、ここで、各ORは、同じであっても異なっていてもよいアルコキシ基であり、R”“は、アルキル基またはアルケニル基である)、ホスフェート(例えば、P(O)4
3-)、チオール(例えば、-SH)、スルホキシド(例えば、-S(O)R)、スルフィン酸(例えば、-S(O)OH)、スルホン酸(例えば、-S(O)2OH)、チアール(例えば、-C(S)H)、サルフェート(例えば、S(O)4
2-)、スルホニル(例えば、-S(O)2-)、アミド(例えば、-C(O)NR2、または-N(R)C(O)R)、アジド(例えば、-N3)、ニトロ(例えば、-NO2)、シアノ(例えば、-CN)、イソシアノ(例えば、-NC)、アシルオキシ(例えば、-OC(O)R)、アミノ(例えば、-NR2、-NRH、または-NH2)、カルバモイル(例えば、-OC(O)NR2、-OC(O)NRH、または-OC(O)NH2)、スルホンアミド(例えば、-S(O)2NR2、-S(O)2NRH、-S(O)2NH2、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)S(O)2H、または-N(H)S(O)2H)、アルキル基、アルケニル基及びシクリル基(例えば、カルボシクリル基またはヘテロシクリル基)からなる群から選択することができるが、これらに限定されない。
前述のいずれにおいても、Rは、本明細書に定義されるアルキル基またはアルケニル基である。いくつかの実施形態において、置換基自体が、例えば、1、2、3、4、5または6つの本明細書に定義される置換基で更に置換されてもよい。例えば、C1~6アルキル基は、1、2、3、4、5または6つの本明細書に記載される置換基で更に置換され得る。
式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)及び(IIe)のいずれか1つの化合物は、適用可能であれば、次の特徴のうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態において、R4は、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O、S及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員芳香族または非芳香族複素環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、ならびに-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択される。
別の実施形態において、R4は、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員ヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)OR、ならびにN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有し、オキソ(=O)、OH、アミノ及びC1~3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換された5~14員ヘテロシクロアルキルから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択される。
別の実施形態において、R4は、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員複素環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択され、Qが5~14員複素環であり、かつ(i)R4が-(CH2)nQ(nは1または2)であるか、(ii)R4が-(CH2)nCHQR(nは1)であるか、(iii)R4が-CHQR、及び-CQ(R)2であるとき、Qは、5~14員ヘテロアリールまたは8~14員ヘテロシクロアルキルのいずれかである。
別の実施形態において、R4は、C3~6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3~6炭素環、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員ヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各nは、1、2、3、4及び5から独立して選択される。
別の実施形態において、R4は、無置換C1~4アルキル、例えば、無置換のメチルである。
ある特定の実施形態において、本開示は、R4が-(CH2)nQまたは-(CH2)nCHQRであり、ここで、Qは-N(R)2であり、nは3、4及び5から選択される、式(I)を有する化合物を提供する。
ある特定の実施形態において、本開示は、R4が-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは-N(R)2であり、nは1、2、3、4、及び5から選択される、式(I)を有する化合物を提供する。
ある特定の実施形態において、本開示は、R2及びR3が、C2~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3が、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成し、R4が-(CH2)nQまたは-(CH2)nCHQRであり、ここで、Qは-N(R)2であり、nは3、4及び5から選択される、式(I)を有する化合物を提供する。
ある特定の実施形態において、R2及びR3は、C2~14アルキル、C2~14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から独立して選択されるか、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成する。
いくつかの実施形態において、R1は、C5~20アルキル及びC5~20アルケニルからなる群から選択される。
他の実施形態において、R1は、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、R1は、-R*YR”及び-YR”から選択される。いくつかの実施形態において、Yは、シクロプロピル基である。いくつかの実施形態において、R*は、C8アルキルまたはC8アルケニルである。ある特定の実施形態において、R”は、C3~12アルキルである。例えば、R”は、C3アルキルであり得る。例えば、R”は、C4~8アルキル(例えば、C4、C5、C6、C7またはC8アルキル)であり得る。
いくつかの実施形態において、R1は、C5~20アルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、C8アルキルである。他の実施形態において、R1は、C9アルキルである。ある特定の実施形態において、R1は、C14アルキルである。他の実施形態において、R1は、C18アルキルである。
いくつかの実施形態において、R1は、C5~20アルケニルである。ある特定の実施形態において、R1は、C18アルケニルである。いくつかの実施形態において、R1は、リノレイルである。
ある特定の実施形態において、R
1は、分岐状である(例えば、デカン-2-イル、ウンデカン-3-イル、ドデカン-4-イル、トリデカン-5-イル、テトラデカン-6-イル、2-メチルウンデカン-3-イル、2-メチルデカン-2-イル、3-メチルウンデカン-3-イル、4-メチルドデカン-4-イルまたはヘプタデカ-9-イル)。ある特定の実施形態において、R
1は、
である。
ある特定の実施形態において、R1は、無置換のC5~20アルキルまたはC5~20アルケニルである。ある特定の実施形態において、R’は、置換されたC5~20アルキルまたはC5~20アルケニルである(例えば、1-シクロプロピルノニルなどのC3~6炭素環で置換される)。
他の実施形態において、R1は、-R”M’R’である。
いくつかの実施形態において、R’は、-R*YR”及び-YR”から選択される。いくつかの実施形態において、Yは、C3~8シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、Yは、C6~10アリールである。いくつかの実施形態において、Yは、シクロプロピル基である。いくつかの実施形態において、Yは、シクロヘキシル基である。特定の実施形態において、R*は、C1アルキルである。
いくつかの実施形態において、R”は、C3~12アルキル及びC3~12アルケニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Yに隣接するR”は、C1アルキルである。いくつかの実施形態において、Yに隣接するR”は、C4~9アルキル(例えば、C4、C5、C6、C7またはC8またはC9アルキル)である。
いくつかの実施形態において、R’は、C4アルキル及びC4アルケニルから選択される。ある特定の実施形態において、R’は、C5アルキル及びC5アルケニルから選択される。いくつかの実施形態において、R’は、C6アルキル及びC6アルケニルから選択される。いくつかの実施形態において、R’は、C7アルキル及びC7アルケニルから選択される。いくつかの実施形態において、R’は、C9アルキル及びC9アルケニルから選択される。
他の実施形態において、R’は、C
11アルキル及びC
11アルケニルから選択される。他の実施形態において、R’は、C
12アルキル、C
12アルケニル、C
13アルキル、C
13アルケニル、C
14アルキル、C
14アルケニル、C
15アルキル、C
15アルケニル、C
16アルキル、C
16アルケニル、C
17アルキル、C
17アルケニル、C
18アルキル及びC
18アルケニルから選択される。ある特定の実施形態において、R’は、分岐状である(例えば、デカン-2-イル、ウンデカン-3-イル、ドデカン-4-イル、トリデカン-5-イル、テトラデカン-6-イル、2-メチルウンデカン-3-イル、2-メチルデカン-2-イル、3-メチルウンデカン-3-イル、4-メチルドデカン-4-イルまたはヘプタデカ-9-イル)。ある特定の実施形態において、R’は、
である。
ある特定の実施形態において、R’は、無置換C1~18アルキルである。ある特定の実施形態において、R’は、置換C1~18アルキル(例えば、1-シクロプロピルノニルなどのC3~6炭素環で置換されたC1~15アルキル)である。
いくつかの実施形態において、R”は、C3~14アルキル及びC3~14アルケニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、R”は、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキルまたはC8アルキルである。いくつかの実施形態において、R”は、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキルまたはC14アルキルである。
いくつかの実施形態において、M’は、-C(O)O-である。いくつかの実施形態において、M’は、-OC(O)-である。
他の実施形態において、M’は、アリール基またはヘテロアリール基である。例えば、M’は、フェニル、オキサゾール及びチアゾールからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態において、Mは、-C(O)O-である。いくつかの実施形態において、Mは、-OC(O)-である。いくつかの実施形態において、Mは、-C(O)N(R’)-である。いくつかの実施形態において、Mは、-P(O)(OR’)O-である。
他の実施形態において、Mは、アリール基またはヘテロアリール基である。例えば、Mは、フェニル、オキサゾール及びチアゾールからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態において、Mは、M’と同じである。他の実施形態において、Mは、M’と異なる。
いくつかの実施形態において、各R5は、Hである。そのようなある特定の実施形態において、各R6もまたHである。
いくつかの実施形態において、R7は、Hである。他の実施形態において、R7は、C1~3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルまたはi-プロピル)である。
いくつかの実施形態において、R2及びR3は、独立して、C5~14アルキルまたはC5~14アルケニルである。
いくつかの実施形態において、R2及びR3は、同じである。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、C8アルキルである。ある特定の実施形態において、R2及びR3は、C2アルキルである。他の実施形態において、R2及びR3は、C3アルキルである。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、C4アルキルである。ある特定の実施形態において、R2及びR3は、C5アルキルである。他の実施形態において、R2及びR3は、C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、C7アルキルである。
他の実施形態において、R2及びR3は、異なる。ある特定の実施形態において、R2は、C8アルキルである。いくつかの実施形態において、R3は、C1~7(例えば、C1、C2、C3、C4、C5、C6またはC7アルキル)またはC9アルキルである。
いくつかの実施形態において、R7及びR3は、Hである。
ある特定の実施形態において、R2は、Hである。
いくつかの実施形態において、mは、5、7または9である。
いくつかの実施形態において、R4は、-(CH2)nQ及び-(CH2)nCHQRから選択される。
いくつかの実施形態において、Qは、-OR、-OH、-O(CH2)nN(R)2、-OC(O)R、-CX3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(H)(R)、-C(R)N(R)2C(O)OR、炭素環及び複素環からなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、Qは、-OHである。
ある特定の実施形態において、Qは、置換または無置換の5~10員ヘテロアリールであり、例えば、Qは、イミダゾール、ピリミジン、プリン、2-アミノ-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン-9-イル(またはグアニン-9-イル)、アデニン-9-イル、シトシン-1-イルまたはウラシル-1-イルである。ある特定の実施形態において、Qは、例えば、オキソ(=O)、OH、アミノ及びC1~3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換された置換5~14員ヘテロシクロアルキルである。例えば、Qは、4-メチルピペラジニル、4-(4-メトキシベンジル)ピペラジニル、またはイソインドリン-2-イル-1,3-ジオンである。
ある特定の実施形態において、Qは、無置換または置換のC6~10アリール(フェニルなど)またはC3~6シクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、nは、1である。他の実施形態において、nは、2である。更なる実施形態において、nは、3である。ある特定の他の実施形態において、nは、4である。例えば、R4は、-(CH2)2OHであり得る。例えば、R4は、-(CH2)3OHであり得る。例えば、R4は、-(CH2)4OHであり得る。例えば、R4は、ベンジルであり得る。例えば、R4は、4-メトキシベンジルであり得る。
いくつかの実施形態において、R4は、C3~6炭素環である。いくつかの実施形態において、R4は、C3~6シクロアルキルである。例えば、R4は、例えば、OH、ハロ、C1~6アルキルなどで任意選択により置換されたシクロヘキシルであり得る。例えば、R4は、2-ヒドロキシシクロヘキシルであり得る。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、無置換C1~3アルキルまたは無置換C2~3アルケニルである。例えば、R4は、-CH2CH(OH)CH3または-CH2CH(OH)CH2CH3であり得る。
いくつかの実施形態において、Rは、置換C1~3アルキル、例えば、CH2OHである。例えば、R4は、-CH2CH(OH)CH2OHであり得る。
いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成する。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、N、O、S及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員芳香族または非芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、芳香族または非非芳香族のいずれかである、任意選択により置換されたC3~20炭素環(例えば、C3~18炭素環、C3~15炭素環、C3~12炭素環またはC3~10炭素環)を形成する。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、C3~6炭素環を形成する。他の実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、シクロヘキシルまたはフェニル基などのC6炭素環を形成する。ある特定の実施形態において、複素環またはC3~6炭素環は、1つ以上のアルキル基で置換される(例えば、同じ環原子または隣接するもしくは隣接していない環原子上)。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、1つ以上のC5アルキル置換を有するシクロヘキシルまたはフェニル基を形成し得る。ある特定の実施形態において、R2及びR3によって形成された複素環またはC3~6炭素環は、炭素環基で置換される。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、シクロヘキシルで置換されているシクロヘキシルまたはフェニル基を形成し得る。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、シクロヘプチル、シクロペンタデカニルまたはナフチル基などのC7~15炭素環を形成する。
いくつかの実施形態において、R4は、-(CH2)nQ及び-(CH2)nCHQRから選択される。いくつかの実施形態において、Qは、-OR、-OH、-O(CH2)nN(R)2、-OC(O)R、-CX3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(H)(R)及び複素環からなる群から選択される。他の実施形態において、Qは、イミダゾール、ピリミジン及びプリンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、複素環または炭素環を形成する。いくつかの実施形態において、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、フェニル基などのC3~6炭素環を形成する。ある特定の実施形態において、複素環またはC3~6炭素環は、1つ以上のアルキル基で置換される(例えば、同じ環原子または隣接するもしくは隣接していない環原子上)。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子とともに、1つ以上のC5アルキル置換を有するフェニル基を形成し得る。
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物の式(I)の化合物は、以下及びそれらの塩もしくは立体異性体からなる群から選択される:
。
式(I)による脂質の中央アミン部分は、典型的に、アミノ部分のpKaを下回るpHでプロトン化し(すなわち、正電荷)、当該pKaを上回るpHでは実質的に帯電しない。このような脂質は、イオン性アミノ脂質と称され得る。
具体的な一実施形態において、式(I)の化合物は、化合物18である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約1モル%~99モル%の範囲である。
一実施形態において、式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99モル%である。
一実施形態において、式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約30モル%~約70モル%、約35モル%~約65モル%、約40モル%~約60モル%及び約45モル%~約55モル%の範囲である。
具体的な一実施形態において、式(I)の化合物の量は、脂質組成物中、約50モル%である。
式(I)の化合物に加えて、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、リン脂質、構造脂質、第四級アミン化合物、PEG脂質及びこれらの任意の組み合わせなどの追加成分を含み得る。
b.脂質組成物の追加成分
(i)リン脂質
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、1つ以上のリン脂質、例えば、1つ以上の飽和または(ポリ)不飽和リン脂質またはこれらの組み合わせを含み得る。一般に、リン脂質は、リン脂質部分と、1つ以上の脂肪酸部分とを含む。例えば、リン脂質は、式(III)に従う脂質であり得、
(III)
式中、R
pは、リン脂質部分を表し、R
1及びR
2は、同じであっても異なっていてもよい、不飽和含有または非含有の脂肪酸部分を表す。
リン脂質部分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択することができる。
脂肪酸部分は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択することができる。
特定のリン脂質は、膜への融合を促進することができる。例えば、カチオン性リン脂質は、膜(例えば、細胞膜または細胞内膜)の1つ以上の負電荷を帯びたリン脂質と相互作用し得る。膜へのリン脂質の融合は、脂質含有組成物(例えば、LNP)の1つ以上の要素(例えば、治療薬)が膜を通過することを可能にし、例えば、1つ以上の要素を標的組織(例えば、腫瘍組織)へ送達することを可能にする。
分岐、酸化、環化及びアルキンを含む修飾及び置換を有する天然種を含む、非天然リン脂質種もまた企図される。例えば、リン脂質は、1つ以上のアルキン(例えば、1つ以上の二重結合が三重結合により置換されているアルケニル基)により官能化されてもよいし、アルキンに架橋してもよい。アルキン基は、適切な反応条件下でアジドに曝されると、銅触媒による付加環化を受け得る。かかる反応は、ナノ粒子組成物の脂質二重層を官能化して膜透過または膜認識を促進させるか、ナノ粒子組成物を標的部分またはイメージング部分(例えば、色素)などの有用な構成成分にコンジュゲートする際に有用であり得る。
リン脂質には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジグリセロール及びホスファチジン酸などのグリセロリン脂質が含まれるが、これらに限定されない。リン脂質はまた、スフィンゴミエリンなどのリンスフィンゴ脂質が含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される腫瘍内送達用医薬組成物は、2つ以上のリン脂質を含み得る。2つ以上のリン脂質が使用される場合、かかるリン脂質は、同じリン脂質クラス(例えば、MSPC及びDSPC)または異なるクラス(例えば、MSPC及びMSPE)に属し得る。
リン脂質は、対称型でも非対称型でもよい。本明細書で使用されるとき、「対称リン脂質」という用語は、対をなす脂肪酸部分とスフィンゴ脂質とを有するグリセロリン脂質を含み、可変の脂肪酸部分とスフィンゴシン骨格の炭化水素鎖は、同数の炭素原子を含む。本明細書で使用されるとき、「非対称リン脂質」という用語は、リゾ脂質、異なる脂肪酸部分(例えば、異なる数の炭素原子及び/または不飽和(例えば、二重結合)を含む脂肪酸部分)を有するグリセロリン脂質、及びスフィンゴ脂質を含み、可変の脂肪酸部分とスフィンゴシン骨格の炭化水素鎖は、異なる数の素原子を含む(例えば、可変の脂肪酸部分は、炭化水素鎖よりも少なくとも2個多い炭素原子を含むか、炭化水素鎖よりも少なくとも2個少ない炭素原子を含む)。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、少なくとも1つの対称リン脂質を含む。対称リン脂質は、
1,2-ジプロピオニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(03:0PC)、
1,2-ジブチリル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(04:0 PC)、
1,2-ジペンタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(05:0 PC)、
1,2-ジヘキサノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(06:0 PC)、
1,2-ジヘプタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(07:0 PC)、
1,2-ジオクタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(08:0 PC)、
1,2-ジノナノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(09:0 PC)、
1,2-ジデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(10:0 PC)、
1,2-ジウンデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(11:0 PC、DUPC)、
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(12:0 PC)、
1,2-ジトリデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(13:0 PC)、
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:0 PC、DMPC)、
1,2-ジペンタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(15:0 PC)、
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0 PC、DPPC)、
1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(4ME 16:0 PC)、
1,2-ジヘプタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(17:0 PC)、
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0 PC、DSPC)、
1,2-ジノナデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(19:0 PC)、
1,2-ジアラキドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(20:0 PC)、
1,2-ジヘンアラキドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(21:0 PC)、
1,2-ジベヘノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(22:0 PC)、
1,2-ジトリコサノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(23:0 PC)、
1,2-ジリグノセロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(24:0 PC)、
1,2-ジミリストレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:1(Δ9-Cis)PC)、
1,2-ジミリステライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:1(Δ9-Trans)PC)、
1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:1(Δ9-Cis)PC)、
1,2-ジパルミテライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:1(Δ9-Trans)PC)、
1,2-ジペトロセレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1(Δ6-Cis)PC)、
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1(Δ9-Cis)PC、DOPC)、
1,2-ジエライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1(Δ9-Trans)PC)、
1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:2(Cis)PC、DLPC)、
1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:3(Cis)PC、DLnPC)、
1,2-ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(20:1(Cis)PC)、
1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(20:4(Cis)PC、DAPC)、
1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(22:1(Cis)PC)、
1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(22:6(Cis)PC、DHAPC)、
1,2-ジネルボノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(24:1(Cis)PC)、
1,2-ジヘキサノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(06:0 PE)、
1,2-ジオクタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(08:0 PE)、
1,2-ジデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(10:0 PE)、
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(12:0 PE)、
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(14:0 PE)、
1,2-ジペンタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(15:0 PE)、
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0 PE)、
1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(4ME 16:0 PE)、
1,2-ジヘプタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(17:0 PE)、
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0 PE、DSPE)、
1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:1 PE)、
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:1(Δ9-Cis)PE、DOPE)、
1,2-ジエライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:1(Δ9-Trans)PE)、
1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:2 PE、DLPE)、
1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:3 PE、DLnPE)、
1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(20:4 PE、DAPE)、
1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(22:6 PE、DHAPE)、
1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0 ジエーテル PC)、
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)ナトリウム塩(DOPG)、及び
これらの任意の組み合わせからなる非限定的な群から選択することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、DLPC、DMPC、DOPC、DPPC、DSPC、DUPC、18:0 ジエーテル PC、DLnPC、DAPC、DHAPC、DOPE、4ME 16:0 PE、DSPE、DLPE、DLnPE、DAPE、DHAPE、DOPG及びこれらの任意の組み合わせからなる非限定的な群から選択される少なくとも1つの対称リン脂質を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、少なくとも1つの非対称リン脂質を含む。非対称リン脂質は、
1-ミリストイル-2-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:0-16:0 PC、MPPC)、
1-ミリストイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:0-18:0 PC、MSPC)、
1-パルミトイル-2-アセチル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-02:0 PC)、
1-パルミトイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-14:0 PC、PMPC)、
1-パルミトイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-18:0 PC、PSPC)、
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-18:1 PC、POPC)、
1-パルミトイル-2-リノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-18:2 PC、PLPC)、
1-パルミトイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0-20:4 PC)、
1-パルミトイル-2-ドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:0-22:6 PC)、
1-ステアロイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-14:0 PC、SMPC)、
1-ステアロイル-2-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-16:0 PC、SPPC)、
1-ステアロイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-18:1 PC、SOPC)、
1-ステアロイル-2-リノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-18:2 PC)、
1-ステアロイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-20:4 PC)、
1-ステアロイル-2-ドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0-22:6 PC)、
1-オレオイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1-14:0 PC、OMPC)、
1-オレオイル-2-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1-16:0 PC、OPPC)、
1-オレオイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1-18:0 PC、OSPC)、
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0-18:1 PE、POPE)、
1-パルミトイル-2-リノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0-18:2 PE)、
1-パルミトイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0-20:4 PE)、
1-パルミトイル-2-ドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0-22:6 PE)、
1-ステアロイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0-18:1 PE)、
1-ステアロイル-2-リノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0-18:2 PE)、
1-ステアロイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0-20:4 PE)、
1-ステアロイル-2-ドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0-22:6 PE)、
1-オレオイル-2-コレステリルヘミスクシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、及び
これらの任意の組み合わせからなる非限定的な群から選択することができる。
脂質組成物に有用な非対称脂質はまた、リゾ脂質であってもよい。リゾ脂質は、
1-ヘキサノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(06:0 Lyso PC)、
1-ヘプタノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(07:0 Lyso PC)、
1-オクタノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(08:0 Lyso PC)、
1-ノナノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(09:0 Lyso PC)、
1-デカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(10:0 Lyso PC)、
1-ウンデカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(11:0 Lyso PC)、
1-ラウロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(12:0 Lyso PC)、
1-トリデカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(13:0 Lyso PC)、
1-ミリストイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(14:0 Lyso PC)、
1-ペンタデカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(15:0 Lyso PC)、
1-パルミトイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(16:0 Lyso PC)、
1-ヘプタデカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(17:0 Lyso PC)、
1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0 Lyso PC)、
1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:1 Lyso PC)、
1-ノナデカノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(19:0 Lyso PC)、
1-アラキドイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(20:0 Lyso PC)、
1-ベヘノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(22:0 Lyso PC)、
1-リグノセロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(24:0 Lyso PC)、
1-ヘキサコサノイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(26:0 Lyso PC)、
1-ミリストイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(14:0 Lyso PE)、
1-パルミトイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(16:0 Lyso PE)、
1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:0 Lyso PE)、
1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(18:1 Lyso PE)、
1-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、及び
これらの任意の組み合わせからなる非限定的な群から選択することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、MPPC、MSPC、PMPC、PSPC、SMPC、SPPC及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの非対称リン脂質を含む。いくつかの実施形態において、非対称リン脂質は、1-ミリストイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(MSPC)である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物は、1つ以上の対称リン脂質、1つ以上の非対称リン脂質またはこれらの組み合わせを含有し得る。複数のリン脂質が存在する場合、これらのリン脂質は、等モル比または非等モル比で存在し得る。
一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、脂質組成物中、約1モル%~約20モル%、約5モル%to約20モル%、約10モル%~約20モル%、約15モル%~約20モル%、約1モル%~約15モル%、約5モル%~約15モル%、約10モル%~約15モル%、約5モル%~約10モル%の範囲である総量のリン脂質(例えば、MSPC)を含む。一実施形態において、リン脂質の量は、脂質組成物中、約8モル%~約15モル%である。一実施形態において、リン脂質(例えば、MSPC)の量は、脂質組成物中、約10モル%である。
いくつかの態様において、特定のリン脂質(例えば、MSPC)の量は、脂質組成物中、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20モル%である。
(ii)第四級アミン化合物
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、1つ以上の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)を含み得る。「第四級アミン化合物」という用語は、1つ以上の第四級アミン基(例えば、トリアルキルアミノ基)を有し、永久的に正電荷を帯び、塩の形態で存在する化合物を含むために使用される。例えば、1つ以上の第四級アミン基が脂質またはポリマー(例えば、PEG)中に存在し得る。いくつかの実施形態において、第四級アミン化合物は、(1)第四級アミン基と、(2)(i)直鎖状または分岐状及び飽和または不飽和の炭化水素鎖、ならびに(ii)任意選択により、第四級アミン基と炭化水素鎖との間にエーテル、エステル、カルボニルまたはケタール結合を含む、少なくとも1つの疎水性尾部基とを含む。いくつかの実施形態において、第四級アミン基は、トリメチルアンモニウム基であり得る。いくつかの実施形態において、第四級アミン化合物は、2つの同一炭化水素鎖を含む。いくつかの実施形態において、第四級アミン化合物は、2つの異なる炭化水素鎖を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、少なくとも1つの第四級アミン化合物を含む。第四級アミン化合物は、
1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、
N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、
1-[2-(オレオイルオキシ)エチル]-2-オレイル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、
2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウム トリフルオロアセテート(DOSPA)、
N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、
N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、
N-(1,2-ジオレオイルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、
N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、
1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DLePC)、
1,2-ジステアロイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DSTAP)、
1,2-ジパルミトイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DPTAP)、
1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DLTAP)、
1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DMTAP)
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DSePC)
1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DPePC)、
1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMePC)、
1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOePC)、
1,2-ジ-(9Z-テトラデセノイル)-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(14:1 EPC)、
1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(16:0-18:1 EPC)、
及びこれらの任意の組み合わせからなる非限定的な群から選択することができる。
一実施形態において、第四級アミン化合物は、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)である。
第四級アミン化合物は、当該技術分野において知られており、US2013/0245107A1、US2014/0363493A1、US8,158,601、WO2015/123264A1及びWO2015/148247A1(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどである。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、約0.01モル%~約20モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、約0.5モル%~約20モル%、約0.5モル%~約15モル%、約0.5モル%~約10モル%、約1モル%~約20モル%、約1モル%~約15モル%、約1モル%~約10モル%、約2モル%~約20モル%、約2モル%~約15モル%、約2モル%~約10モル%、約3モル%~約20モル%、約3モル%~約15モル%、約3モル%~約10モル%、約4モル%~約20モル%、約4モル%~約15モル%、約4モル%~約10モル%、約5モル%~約20モル%、約5モル%~約15モル%、約5モル%~約10モル%、約6モル%~約20モル%、約6モル%~約15モル%、約6モル%~約10モル%、約7モル%~約20モル%、約7モル%~約15モル%、約7モル%~約10モル%、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約15モル%、約8モル%~約10モル%、約9モル%~約20モル%、約9モル%~約15モル%、約9モル%~約10モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、約5モル%~約10モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、約5モル%である。一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、約10モル%である。
いくつかの実施形態において、第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)の量は、本明細書で開示される脂質組成物中、少なくとも約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5または20モル%である。
一実施形態において、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と第四級アミン化合物(例えば、DOTA)のモル比は、約100:1~約2.5:1である。一実施形態において、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)のモル比は、約90:1、約80:1、約70:1、約60:1、約50:1、約40:1、約30:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1または約2.5:1である。一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)のモル比は、約10:1である。
いくつかの態様において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、第四級アミン化合物を含まない。いくつかの態様において、開示される医薬組成物の脂質組成物は、DOTAPを含まない。
(iii)構造脂質
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、1つ以上の構造脂質を含み得る。本明細書で使用されるとき、「構造脂質」という用語は、ステロールを指し、また、脂質含有ステロール部分も指す。いくつかの実施形態において、構造脂質は、コレステロール、フェコステロール、シトステロール、エルゴステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、トマチジン、トマチン、ウルソル酸、α-トコフェロール及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、構造脂質は、コレステロールである。
一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物中の構造脂質(例えば、コレステロールなどのステロール)の量は、約20モル%~約60モル%、約25モル%~約55モル%、約30モル%~約50モル%、または約35モル%~約45モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の構造脂質(例えば、コレステロールなどのステロール)の量は、約25モル%~約30モル%、約30モル%~約35モル%または約35モル%~約40モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の構造脂質(例えば、コレステロールなどのステロール)の量は、約23.5モル%、約28.5モル%、約33.5モル%または約38.5モル%である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中の構造脂質(例えば、コレステロールなどのステロール)の量は、少なくとも約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60モル%である。
いくつかの態様において、開示される腫瘍内送達用医薬組成物の脂質組成物成分は、コレステロールを含まない。
(iv)ポリエチレングリコール(PEG)脂質
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、1つ以上のポリエチレングリコール(PEG)脂質を含み得る。
本明細書で使用されるとき、「PEG脂質」という用語は、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾された脂質を指す。PEG脂質の非限定的な例には、PEG修飾化ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸、PEGセラミドコンジュゲート(例えば、PEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG修飾化ジアルキルアミン及びPEG修飾化1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンが挙げられる。そのような脂質は、PEG化脂質とも称される。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。
いくつかの実施形態において、PEG脂質には、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(PEG-DMG)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)](PEG-DSPE)、PEG-ジステリルグリセロール(PEG-DSG)、PEG-ジパルメトレイル、PEG-ジオレイル、PEG-ジステアリル、PEG-ジアシルグリカミド(PEG-DAG)、PEG-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PEG-DPPE)、またはPEG-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル-3-アミン(PEG-c-DMA)が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、PEG脂質は、PEG修飾化ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾化ホスファチジン酸、PEG修飾化セラミド、PEG修飾化ジアルキルアミン、PEG修飾化ジアシルグリセロール、PEG修飾化ジアルキルグリセロール及びこれらの混合物からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、PEG脂質の脂質部分は、約C14~約C22、好ましくは、約C14~約C16の長さを有するものを含む。いくつかの実施形態において、PEG部分、例えば、mPEG-NH2は、約1000、2000、5000、10,000、15,000または20,000ダルトンの大きさを有する。一実施形態において、PEG脂質は、PEG2k-DMGである。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子は、非拡散性PEGであるPEG脂質を含み得る。非拡散性PEGの非限定的な例には、PEG-DSG及びPEG-DSPEが挙げられる。
PEG脂質は、当該技術分野において知られており、米国特許第8158601号及び国際公開第WO2015/130584A2号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどである。
一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物中のPEG脂質の量は、約0.1モル%~約5モル%、約0.5モル%~約5モル%、約1モル%~約5モル%、約1.5モル%~約5モル%、約2モル%~約5モル%モル%、約0.1モル%~約4モル%、約0.5モル%~約4モル%、約1モル%~約4モル%、約1.5モル%~約4モル%、約2モル%~約4モル%、約0.1モル%~約3モル%、約0.5モル%~約3モル%、約1モル%~約3モル%、約1.5モル%~約3モル%、約2モル%~約3モル%、約0.1モル%~約2モル%、約0.5モル%~約2モル%、約1モル%~約2モル%、約1.5モル%~約2モル%、約0.1モル%~約1.5モル%、約0.5モル%~約1.5モル%または約1モル%~約1.5モル%の範囲である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中のPEG脂質の量は、約1.5モル%である。
一実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物中のPEG脂質の量は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9または5モル%である。
いくつかの態様において、本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、PEG脂質を含まない。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物は、式(I)の化合物及び非対称リン脂質を含む。いくつかの実施形態において、脂質組成物は、化合物18及びMSPCを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物は、式(I)の化合物及び第四級アミン化合物を含む。いくつかの実施形態において、脂質組成物は、化合物18及びDOTAPを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される脂質組成物は、式(I)の化合物、非対称リン脂質及び第四級アミン化合物を含む。いくつかの実施形態において、脂質組成物は、化合物18、MSPC及びDOTAPを含む。
一実施形態において、脂質組成物は、約50モル%の式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)、約10モル%のDSPCまたはMSPC、約33.5モル%のコレステロール、約1.5モル%のPEG-DMG及び約5モル%のDOTAPを含む。一実施形態において、脂質組成物は、約50モル%の式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)、約10モル%のDSPCまたはMSPC、約28.5モル%のコレステロール、約1.5モル%のPEG-DMG及び約10モル%のDOTAPを含む。
脂質ナノ粒子の構成成分は、所望の結果に基づいて、ポリヌクレオチドの最適な送達のために調整することができる。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、式(I)の化合物40~60モル%、リン脂質8~16モル%、コレステロール30~45モル%、PEG脂質1~5モル%、及び任意選択により第四級アミン化合物1~15モル%を含み得る。
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子は、45~65モル%の式(I)の化合物、リン脂質5~10モル%、コレステロール25~40モル%、PEG脂質0.5~5モル%、及び任意選択により第四級アミン化合物1~15モル%を含み得る。
核酸脂質粒子の非限定的な例には、米国特許出願公開第20140121263号に開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
(v)他のイオン性アミノ脂質
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、式(I)による脂質に加えて、1つ以上のイオン性アミノ脂質を含み得る。
イオン性脂質は、3-(ジドデシルアミノ)-N1,N1,4-トリドデシル-1-ピペラジンエタンアミン(KL10)、N1-[2-(ジドデシルアミノ)エチル]-N1,N4,N4-トリドデシル-1,4-ピペラジンジエタンアミン(KL22)、14,25-ジトリデシル-15,18,21,24-テトラアザ-オクタトリアコンタン(KL25)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート(DLin-MC3-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)、(13Z,165Z)-N,N-ジメチル-3-ノニドコサ-13-16-ジエン-1-アミン(L608)、2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA)、(2R)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA(2R))、及び(2S)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA(2S))からなる非限定的な群から選択することができる。これらに加えて、イオン性アミノ脂質はまた、環式アミン基を含む脂質であり得る。
イオン性脂質は、国際公開第WO2015/199952A1号(その全体を参照により本明細書に援用する)に開示されている化合物であり得る。例えば、イオン性アミノ脂質には、限定するものではないが、
及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
(vi)他の脂質組成物成分
本明細書で開示される医薬組成物の脂質組成物は、上記のものに加えて、1つ以上の構成成分を含み得る。例えば、脂質組成物は、1つ以上の透過性向上分子、炭水化物、ポリマー、表面改質剤(例えば、界面活性剤)または他の構成成分を含み得る。例えば、透過性向上分子は、米国特許出願公開第2005/0222064号に記載の分子であり得る。炭水化物は、単糖(例えば、グルコース)及び多糖(例えば、グリコーゲンならびにその誘導体及び類似体)を含み得る。脂質組成物は、限定するものではないが、pH7のクエン酸塩もしくはリン酸塩などの緩衝剤及び/または糖を含み得る。塩及び/または糖は、等張性のために、本明細書に記載される製剤中に含めることができる。
ポリマーを本明細書で開示される医薬組成物中に含めることができ、かつ/または本明細書で開示される医薬組成物を封入または部分的に封入するために使用することができる(例えば、脂質ナノ粒子形態の医薬組成物)。ポリマーは、生分解性及び/または生体適合性であり得る。ポリマーは、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル及びポリアリレートから選択することができるが、これらに限定されない。
脂質組成物とポリヌクレオチドとの間の比の範囲は、約10:1~約60:1(wt/wt)であり得る。
いくつかの実施形態において、脂質組成物とポリヌクレオチドとの間の比は、約10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1または60:1(wt/wt)であり得る。いくつかの実施形態において、脂質組成物と、治療薬をコードするポリヌクレオチドとのwt/wt比は、約20:1または約15:1である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、2種以上のポリペプチドを含有し得る。例えば、本明細書で開示される医薬組成物は、2種以上のポリヌクレオチド(例えば、RNA、例えば、mRNA)を含有し得る。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1もしくは70:1の脂質:ポリヌクレオチド重量比で、または限定するものではないが、5:1~約10:1、約5:1~約15:1、約5:1~約20:1、約5:1~約25:1、約5:1~約30:1、約5:1~約35:1、約5:1~約40:1、約5:1~約45:1、約5:1~約50:1、約5:1~約55:1、約5:1~約60:1、約5:1~約70:1、約10:1~約15:1、約10:1~約20:1、約10:1~約25:1、約10:1~約30:1、約10:1~約35:1、約10:1~約40:1、約10:1~約45:1、約10:1~約50:1、約10:1~約55:1、約10:1~約60:1、約10:1~約70:1、約15:1~約20:1、約15:1~約25:1,約15:1~約30:1、約15:1~約35:1、約15:1~約40:1、約15:1~約45:1、約15:1~約50:1、約15:1~約55:1、約15:1~約60:1もしくは約15:1~約70:1などの比の範囲もしくはこれらの比のいずれかで含み得る。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子は、限定するものではないが、0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1.0mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2.0mg/mlまたは2.0mg/ml超などのおよそ0.1mg/ml~2mg/mlの濃度で、ポリヌクレオチドを含み得る。
一実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び脂質ナノ粒子を含む製剤は、0.15mg/ml~2mg/mlの本明細書に記載されるポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含み得る。いくつかの実施形態において、製剤は、10mMのクエン酸緩衝液を更に含み得、製剤は、最大10%w/wのスクロース(例えば、少なくとも1%w/w、少なくとも2%w/w/、少なくとも3%w/w、少なくとも4%w/w、少なくとも5%w/w、少なくとも6%w/w、少なくとも7%w/w、少なくとも8%w/w、少なくとも9%w/wまたは10%w/w)を追加で含み得る。
(vii)ナノ粒子組成物
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。したがって、本開示はまた、(i)本明細書に記載される式(I)の化合物を含む脂質組成物と、(ii)MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとを含む、ナノ粒子組成物を提供する。かかるナノ粒子組成物において、本明細書で開示される脂質組成物は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを封入することができる。
ナノ粒子組成物は、典型的に、ほぼマイクロメートル以下の大きさであり、脂質二重層を含み得る。ナノ粒子組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)、リポソーム(例えば、脂質小胞)及びリポプレックスを包含する。例えば、ナノ粒子組成物は、直径が500nm以下の脂質二重層を有するリポソームであり得る。
ナノ粒子組成物には、例えば、脂質ナノ粒子(LNP)、リポソーム及びリポプレックスが含まれる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、1つ以上の脂質二重層を含む小胞である。ある特定の実施形態において、ナノ粒子組成物は、水性区画によって分離された2つ以上の同心円状二重層を含む。脂質二重層は、官能化され、かつ/または互いに架橋してもよい。脂質二重層は、1つ以上のリガンド、タンパク質またはチャネルを含み得る。
本開示のナノ粒子組成物は、式(I)による少なくとも1つの化合物を含む。例えば、ナノ粒子組成物は、化合物1~147のうちの1つ以上を含み得る。ナノ粒子組成物はまた、様々な他の構成成分を含み得る。例えば、ナノ粒子組成物は、式(I)または(II)による脂質に加えて、1つ以上の他の脂質、例えば、(i)少なくとも1つのリン脂質、(ii)少なくとも1つの第四級アミン化合物、(iii)少なくとも1つの構造脂質、(iv)少なくとも1つのPEG脂質、または(v)これらの任意の組み合わせを含み得る。
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)を含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と、リン脂質(例えば、DSPCまたはMSPC)とを含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と、リン脂質(例えば、DSPCまたはMSPC)と、第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)とを含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)と、第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)とを含む。
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)からなるか、本質的になる脂質組成物を含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)からなるか、本質的になる脂質組成物と、リン脂質(例えば、DSPCまたはMSPC)とを含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)からなるか、本質的になる脂質組成物と、リン脂質(例えば、DSPCまたはMSPC)と、第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)とを含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、式(I)の化合物(例えば、化合物18、25、26または48)からなるか、本質的になる脂質組成物と、第四級アミン化合物(例えば、DOTAP)とを含む。
ナノ粒子組成物は、様々な方法によって特徴付けることができる。例えば、ナノ粒子組成物の形態及びサイズ分布を調べるために、顕微鏡検査法(例えば、透過型電子顕微鏡検査法または走査型電子顕微鏡検査法)を使用することができる。ゼータ電位を測定するには、動的光散乱法または電位差測定法(例えば、電位差滴定法)を使用することができる。動的光散乱法は、粒径を決定するために使用することもできる。Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd(Malvern,Worcestershire,UK))などの機器を使用して、粒径、多分散指数及びゼータ電位などのナノ粒子組成物の複数の特徴を測定することもできる。
ナノ粒子のサイズは、生物学的応答、限定するものではないが、炎症などに対抗するのに役立ち得、またはポリヌクレオチドの生物学的作用を増大させることができる。
本明細書で使用されるとき、ナノ粒子組成物に関する「サイズ」または「平均サイズ」は、ナノ粒子組成物の平均直径を指す。
一実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、限定するものではないが、約10~約20nm、約10~約30nm、約10~約40nm、約10~約50nm、約10~約60nm、約10~約70nm、約10~約80nm、約10~約90nm、約20~約30nm、約20~約40nm、約20~約50nm、約20~約60nm、約20~約70nm、約20~約80nm、約20~約90nm、約20~約100nm、約30~約40nm、約30~約50nm、約30~約60nm、約30~約70nm、約30~約80nm、約30~約90nm、約30~約100nm、約40~約50nm、約40~約60nm、約40~約70nm、約40~約80nm、約40~約90nm、約40~約100nm、約50~約60nm、約50~約70nm、約50~約80nm、約50~約90nm、約50~約100nm、約60~約70nm、約60~約80nm、約60~約90nm、約60~約100nm、約70~約80nm、約70~約90nm、約70~約100nm、約80~約90nm、約80~約100nm及び/または約90~約100nmなどの約10~約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中に製剤化される。
一実施形態において、ナノ粒子は、約10~500nmの直径を有する。一実施形態において、ナノ粒子は、100nm超、150nm超、200nm超、250nm超、300nm超、350nm超、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超、850nm超、900nm超、950nmまたは1000nm超の直径を有する。
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物の最大寸法は、1μm以下(例えば、1μm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、175nm、150nm、125nm、100nm、75nm、50nm以下)である。
ナノ粒子組成物は、比較的、均質であり得る。ナノ粒子組成物の均質性、例えば、ナノ粒子組成物の粒径分布を示すために、多分散指数を使用することができる。小さい多分散指数(例えば、0.3未満)は、一般に、狭い粒径分布を示す。ナノ粒子組成物は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24または0.25などの約0~約0.25の多分散指数を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるナノ粒子組成物の多分散指数は、約0.10~約0.20であり得る。
ナノ粒子組成物のゼータ電位を、組成物の界面動電位を示すために使用することができる。例えば、ゼータ電位は、ナノ粒子組成物の表面電荷を記述することができる。高電荷種は、細胞、組織及び体内の他の要素と望ましくない相互作用を起こすことがあるので、比較的低い正電荷または負電荷を帯びたナノ粒子組成物が通常望ましい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるナノ粒子組成物のゼータ電位は、約-10mV~約+20mV、約-10mV~約+15mV、約10mV~約+10mV、約-10mV~約+5mV、約-10mV~約0mV、約-10mV~約-5mV、約-5mV~約+20mV、約-5mV~約+15mV、約-5mV~約+10mV、約-5mV~約+5mV、約-5mV~約0mV、約0mV~約+20mV、約0mV~約+15mV、約0mV~約+10mV、約0mV~約+5mV、約+5mV~約+20mV、約+5mV~約+15mV、または約+5mV~約+10mVであり得る。
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約0mV~約100mV、約0mV~約90mV、約0mV~約80mV、約0mV~約70mV、約0mV~約60mV、約0mV~約50mV、約0mV~約40mV、約0mV~約30mV、約0mV~約20mV、約0mV~約10mV、約10mV~約100mV、約10mV~約90mV、約10mV~約80mV、約10mV~約70mV、約10mV~約60mV、約10mV~約50mV、約10mV~約40mV、約10mV~約30mV、約10mV~約20mV、約20mV~約100mV、約20mV~約90mV、約20mV~約80mV、約20mV~約70mV、約20mV~約60mV、約20mV~約50mV、約20mV~約40mV、約20mV~約30mV、約30mV~約100mV、約30mV~約90mV、約30mV~約80mV、約30mV~約70mV、約30mV~約60mV、約30mV~約50mV、約30mV~約40mV、約40mV~約100mV、約40mV~約90mV、約40mV~約80mV、約40mV~約70mV、約40mV~約60mV、及び約40mV~約50mVであり得る。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約10mV~約50mV、約15mV~約45mV、約20mV~約40mV、及び約25mV~約35mVであり得る。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約10mV、約20mV、約30mV、約40mV、約50mV、約60mV、約70mV、約80mV、約90mV及び約100mVであり得る。
ポリヌクレオチドに関する「封入効率」という用語は、調製後のナノ粒子組成物によって封入されるか、ナノ粒子組成物と別様に会合している、初期供給量に対するポリヌクレオチドの量を表す。本明細書で使用されるとき、「封入」は、完全、実質的または部分的な封じ込め、閉じ込め、取り囲みまたは包み込みを指し得る。
封入効率は、望ましくは高い(例えば、100%に近い)。封入効率は、例えば、ナノ粒子組成物を含有する溶液中のポリヌクレオチドの量を、1つ以上の有機溶媒または界面活性剤でナノ粒子組成物を分解する前と後で比較することによって測定することができる。
蛍光を使用して溶液中の遊離ポリヌクレオチドの量を測定することができる。本明細書に記載されるナノ粒子組成物の場合、ポリヌクレオチドの封入効率は、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%であり得る。いくつかの実施形態において、封入効率は、少なくとも80%であり得る。特定の実施形態において、封入効率は、少なくとも90%であり得る。
本明細書で開示される医薬組成物中のポリヌクレオチドの量は、ポリヌクレオチドのサイズ、所望の標的及び/もしくは用途、またはナノ粒子組成物の他の特性などの複数の因子、ならびにポリヌクレオチドの特性に依存し得る。
例えば、ナノ粒子組成物に有用なmRNAの量は、mRNAのサイズ(長さまたは分子量として表される)、配列及び他の特徴に依存し得る。ナノ粒子組成物中のポリヌクレオチドの相対量も変動し得る。
本開示の脂質ナノ粒子組成物中に存在する脂質組成物とポリヌクレオチドの相対量は、有効性及び忍容性の考慮により最適化することができる。ポリヌクレオチドとしてmRNAを含む組成物の場合、N:P比を有用な尺度として用いることができる。
ナノ粒子組成物のN:P比が発現と忍容性の両方を制御するので、N:P比が低く、かつ発現が強いナノ粒子組成物が望ましい。N:P比は、ナノ粒子組成物中の脂質とRNAの比によって変動する。
一般に、より低いN:P比が好ましい。1つ以上のRNA、脂質及びこれらの量は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、22:1、24:1、26:1、28:1または30:1などの約2:1~約30:1のN:P比を提供するように選択することができる。特定の実施形態において、N:P比は、約2:1~約8:1であり得る。他の実施形態において、N:P比は、約5:1~約8:1である。特定の実施形態において、N:P比は、5:1~6:1である。具体的な一態様において、N:P比は、約5.67:1である。
ナノ粒子組成物の提供に加えて、本開示はまた、ポリヌクレオチドを封入することを含む、脂質ナノ粒子を作製する方法を提供する。このような方法は、本明細書で開示される医薬組成物のいずれかを使用することと、当該技術分野において知られている脂質ナノ粒子の作製方法に従って脂質ナノ粒子を作製することとを含む。例えば、Wang et al.(2015)“Delivery of oligonucleotides with lipid nanoparticles” Adv.Drug Deliv.Rev.87:68-80;Silva et al.(2015)“Delivery Systems for Biopharmaceuticals.Part I:Nanoparticles and Microparticles” Curr.Pharm.Technol.16:940-954;Naseri et al.(2015)“Solid Lipid Nanoparticles and Nanostructured Lipid Carriers:Structure,Preparation and Application” Adv.Pharm.Bull.5:305-13;Silva et al.(2015)“Lipid nanoparticles for the delivery of biopharmaceuticals” Curr.Pharm.Biotechnol.16:291-302及び当該文献中で引用されている参考文献を参照されたい。
賦形剤
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を賦形剤とともに含む、医薬組成物を含む。本開示のポリヌクレオチドは、(1)安定性を高め、(2)細胞トランスフェクションを増加させ、(3)(例えば、ポリヌクレオチドのデポ製剤からの)持続放出もしくは遅延放出を可能にし、(4)体内分布を変え(例えば、特定の組織または細胞種へのポリヌクレオチドの標的化)、(5)コードタンパク質のin vivoでの翻訳を増加させ、かつ/または(6)コードタンパク質のin vivoでの放出プロファイルを変える、1つ以上の賦形剤を使用して製剤化することができる。本開示の賦形剤には、従来の賦形剤、例えば、溶媒、分散媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤のいずれか及び全てに加えて、限定するものではないが、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェル型ナノ粒子、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチドがトランスフェクトされた細胞(例えば、対象への移植用)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体及びこれらの組み合わせが含まれ得る。したがって、本開示の製剤は、1つ以上の賦形剤を含み得、各賦形剤は、互いに、ポリヌクレオチドの安定性を高め、ポリヌクレオチドの細胞トランスフェクションを増加させ、ポリヌクレオチドにコードされたタンパク質の発現を増加させ、かつ/またはポリヌクレオチドにコードされたタンパク質の放出プロファイルを変える量である。更に、本開示のポリヌクレオチドは、自己組織化核酸ナノ粒子を使用して製剤化することができる。
薬学的に許容される賦形剤には、本明細書で使用されるとき、特定の望ましい剤形に適合するように、任意及び全ての溶媒、分散媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤、矯味剤、安定剤、抗酸化剤、浸透圧調整剤、pH調節剤などが含まれるが、これらに限定されない。医薬組成物を製剤化するための様々な賦形剤、及び組成物を調製するための技術は、当該技術分野において知られている(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2006参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。従来の賦形剤媒体の使用は、本発明の範囲内であることが企図され得、任意の従来の賦形剤媒体が、任意の望ましくない生物学的作用をもたらすか、別様に医薬組成物の任意の他の構成成分(複数可)と有害に相互作用することなどによって、物質またはその誘導体と適合しない場合を除き、その使用は、本開示の範囲内であることが企図される。
いくつかの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%純粋であり得る。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ヒト用途または獣医学的用途のための使用が承認されている。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認され得る。いくつかの実施形態において、賦形剤は、医薬品等級のものであり得る。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方及び/または国際薬局方の標準を満たし得る。
医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容される賦形剤には、不活性希釈剤、分散剤及び/または造粒剤、界面活性剤及び/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑沢剤、及び/または油が含まれるが、これらに限定されない。そのような賦形剤は、任意選択により、医薬組成物中に含まれ得る。組成物は、カカオ脂及び坐剤用ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、矯味剤、ならびに/または着香剤などの賦形剤を含み得る。
例示的な希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、トウモロコシデンプン、粉糖など、及び/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な造粒剤及び/または分散剤には、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ、寒天、ベントナイト、セルロース及び木材製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、α化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物など、ならびに/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な界面活性剤及び/または乳化剤には、天然乳化剤(例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス及びレシチン)、コロイド状クレイ(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びVEEGUM(登録商標)[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、及びモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末状セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)60]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)80]、モノパルミチン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)40]、モノステアリン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)60]、トリステアリン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)65]、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン[MYRJ(登録商標)45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシレート化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン、及びSOLUTOL(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLUORINC(登録商標)F68、POLOXAMER(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウムなど及び/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な結合剤には、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン及びデンプンペースト);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);アミノ酸(例えば、グリシン);天然ゴム及び合成ゴム(例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アイルランドゴケ抽出物、パンワー(panwar)ゴム、ガティガム、イサポールハスク粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、及びカラマツアラボガラクタン);アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコールなど、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な保存剤には、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール性保存剤、酸性保存剤、及び/または他の保存剤を挙げることができるが、これらに限定されない。酸化は、mRNA、特に、液体mRNA製剤にとって、潜在的分解経路となる。酸化を防ぐために、抗酸化剤を製剤に添加することができる。例示的な抗酸化剤には、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、EDTA、m-クレゾール、メチオニン、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、二亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオグリセロール及び/または亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸及び/またはエデト酸三ナトリウムが挙げられる。例示的な抗菌性保存剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール及び/またはチメロサールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な抗真菌性保存剤には、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム及び/またはソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアルコール性保存剤には、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート及び/またはフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な酸性保存剤には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸及び/またはフィチン酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の保存剤には、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、二硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、二亜硫酸カリウム、GLYDANT PLUS(登録商標)、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(商標)、KATHON(商標)及び/またはEUXYL(登録商標)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド溶液のpHは、安定性を改善するために、pH5~pH8に維持される。pHを調節するための例示的な緩衝剤には、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ヒスチジン(またはヒスチジン-HCl)、炭酸ナトリウム及び/またはリンゴ酸ナトリウムを挙げることができるが、これらに限定されない。別の実施形態において、上に列挙される例示的な緩衝剤は、追加の一価対イオン(限定するものではないが、カリウムを含む)とともに使用することができる。二価カチオンも緩衝液の対イオンとして使用され得るが、これらは、錯体形成及び/またはmRNA分解を受けやすい。
例示的な緩衝剤には、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、d-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコールなど、及び/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、ベハン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な油には、アーモンド油、キョウニン油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、クロフサスグリ種子油、ルリジサ油、カデ油、カモミール油、キャノーラ油、ヒメウイキョウ油、カルナウバ油、ヒマシ油、ケイヒ油、カカオ脂、ココナツ油、タラ肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、マツヨイグサ油、魚油、アマニ油、ゲラニオール、ヒョウタン種子油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ハッカ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンディン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ油、マカデミアナッツ油、ゼニアオイ油、マンゴー種子油、メドウフォーム油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、ヤシ油、パーム核油、トウニン油、ピーナッツ油、ケシ油、カボチャ種子油、ナタネ油、コメヌカ油、ローズマリー油、サフラワー油、ビャクダン油、サザンカ油、セイボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター油、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチベル油、クルミ油及び小麦粉芽油が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な油には、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油及び/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
配合者の判断により、カカオ脂及び坐剤用ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、矯味剤、ならびに/または着香剤などの賦形剤が組成物中に存在し得る。
例示的な添加剤には、生理学的生体適合性緩衝剤(例えば、トリメチルアミン塩酸塩)、キレート剤(例えば、DTPAまたはDTPA-ビスアミドなど)もしくはカルシウムキレート錯体(例えば、カルシウムDTPA、CaNaDTPA-ビスアミド)の添加、または任意選択によるカルシウム塩もしくはナトリウム塩(例えば、塩化カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウムまたは乳酸カルシウム)の添加が挙げられる。加えて、抗酸化剤及び懸濁化剤が使用され得る。
リピドイド
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのリピドイド製剤を含む、医薬組成物を含む。
リピドイドの合成は、広範に記載されており、これらの化合物を含有する製剤は、ポリヌクレオチドの送達に特に適している(Mahon et al.,Bioconjug.Chem.2010 21:1448-1454;Schroeder et al.,J Intern Med.2010 267:9-21;Akinc et al.,Nat Biotechnol.2008 26:561-569;Love et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2010 107:1864-1869;Siegwart et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2011 108:12996-3001参照;これらの全ての全体を本明細書に援用する)。
リピドイドは、齧歯類及び非ヒト霊長類において、二本鎖の低分子干渉RNA分子を効率的に送達するために使用されている(Akinc et al.,Nat Biotechnol.2008 26:561-569;Frank-Kamenetsky et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2008 105:11915-11920;Akinc et al.,Mol Ther.2009 17:872-879;Love et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2010 107:1864-1869;Leuschner et al.,Nat Biotechnol.2011 29:1005-1010参照;これらの全ての全体を本明細書に援用する)。本開示は、これらの製剤及びポリヌクレオチド送達における使用を記載する。
複合体、ミセル、リポソームまたは粒子を、これらのリピドイドを含有するように調製することができ、これにより、局所及び/または全身投与経路を介したリピドイド製剤の注射後におけるコードタンパク質の生産によって判断される、ポリヌクレオチドの効果的送達がもたらされ得る。ポリヌクレオチドのリピドイド複合体は、限定するものではないが、静脈内、筋肉内または皮下経路を含む、様々な手段によって投与することができる。
核酸のin vivo送達は、限定するものではないが、製剤組成、粒子PEG化の性質、充填度、ポリヌクレオチドと脂質の比、及び生物物理学的パラメーター(限定するものではないが、粒径など)を含む、多くのパラメーターによる影響を受け得る(Akinc et al.,Mol Ther.2009 17:872-879、その全体を参照により本明細書に援用する)。一例として、ポリ(エチレングリコール)(PEG)脂質のアンカー鎖長に小さな変化を加えると、in vivo効率に顕著な効果が生じ得る。異なるリピドイド、例えば、限定するものではないが、ペンタ[3-(1-ラウリルアミノプロピオニル)]-トリエチレンテトラミン塩酸塩(TETA-5LAP;別名98N12-5、Murugaiah et al.,Analytical Biochemistry,401:61(2010)参照、その全体を参照により本明細書に援用する)、C12-200(誘導体及びバリアントを含む)及びMD1を用いた製剤がin vivo活性について試験され得る。
本明細書において「98N12-5」と称されるリピドイドは、Akinc et al.,Mol Ther.2009 17:872-879に開示されており、その全体を参照により用する。
本明細書において 「C12-200」と称されるリピドイドは、Love et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2010 107:1864-1869及びLiu and Huang,Molecular Therapy.2010 669-670に開示されており、いずれについてもその全体を参照により本明細書に援用する。リピドイド製剤は、ポリヌクレオチドに加えて、3または4以上のいずれかの構成成分を含む粒子を含み得る。
リピドイド及びリピドイドを含むポリヌクレオチド製剤は、国際特許出願第PCT/US2014/097077号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
リポソーム、リポプレックス及び脂質ナノ粒子
本開示はまた、1つ以上のリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を使用した、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、医薬組成物を含む。一実施形態において、ポリヌクレオチドの医薬組成物は、リポソームを含む。リポソームは、主に脂質二重層から構成され得、栄養素及び医薬製剤の投与のための送達媒体として使用することができる、人工的に調製された小胞である。リポソームは、限定するものではないが、直径が数100ナノメートルであり得、かつ狭い水性区画によって分離された一連の同心円状二重層を含有し得る、多層ラメラ小胞(MLV)、直径が50nm未満であり得る、小型単層小胞(SUV)、直径が50~500nmであり得る、大型単層小胞(LUV)などの異なる大きさのものであってよい。リポソームの設計には、不健康な組織へのリポソームの付着を改善するか、限定するものではないが、エンドサイトーシスなどの事象を活性化するために、オプソニンまたはリガンドが含まれ得るが、これらに限定されない。リポソームは、医薬製剤の送達を改善するために、低いpHまたは高いpHを有し得る。
リポソームの形成は、限定するものではないが、封入される医薬製剤及びリポソームの成分、脂質小胞を分散させる媒体の性質、封入物質の有効濃度及びその潜在的毒性、小胞の適用及び/または送達中に伴う任意の追加プロセス、至適サイズ、目的用途のための小胞の多分散性及び貯蔵寿命、ならびに安全かつ効率的なリポソーム製品のバッチ間の再現性及び大規模製造の可能性などの物理化学的特徴に左右され得る。
非限定的な例として、合成膜小胞などのリポソームは、米国特許出願公開第US20130177638号、同第US20130177637号、同第US20130177636号、同第US20130177635号、同第US20130177634号、同第US20130177633号、同第US20130183375号、同第US20130183373号及び同第US20130183372号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法、装置及びデバイスによって調製することができる。
一実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、限定するものではないが、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)リポソーム、Marina Biotech(Bothell,WA)のDiLa2リポソーム、1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)及びMC3(US20100324120、その全体を参照により本明細書に援用する)から形成されるものなどのリポソーム、ならびに低分子薬物を送達することができるリポソーム、限定するものではないが、Janssen Biotech,Inc.(Horsham,PA)のDOXIL(登録商標)などを含み得る。
一実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、限定するものではないが、これまでに記載されており、かつin vitro及びin vivoでのオリゴヌクレオチド送達に適することが示されている、安定化プラスミド脂質粒子(SPLP)または安定化核酸脂質粒子(SNALP)の合成から形成されたものなどのリポソームを含み得る(Wheeler et al.Gene Therapy.1999 6:271-281;Zhang et al.Gene Therapy.1999 6:1438-1447;Jeffs et al.Pharm Res.2005 22:362-372;Morrissey et al.,Nat Biotechnol.2005 2:1002-1007;Zimmermann et al.,Nature.2006 441:111-114;Heyes et al.J Contr Rel.2005 107:276-287;Semple et al.Nature Biotech.2010 28:172-176;Judge et al.J Clin Invest.2009 119:661-673;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125-132;米国特許出願公開第US20130122104参照;これらの全ての全体を本明細書に援用する)。Wheelerらによる最初の製造法は、界面活性剤透析法であったが、後にJeffsらによって改良され、自発的小胞形成法と呼ばれている。リポソーム製剤は、ポリヌクレオチドに加えて、3~4つの脂質成分から構成される。一例として、リポソームは、Jeffsらが記載するように、コレステロール55%、ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)20%、PEG-S-DSG 10%、及び1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)15%を含有し得るが、これらに限定されない。別の例として、ある特定のリポソーム製剤は、Heyesらが記載するように、コレステロール48%、DSPC 20%、PEG-c-DMA 2%、及び30%カチオン性脂質を含有し得るが、これらに限定されず、ここで、カチオン性脂質は、1,2-ジステアルロキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DSDMA)、DODMA、DLin-DMA、または1,2-ジリノレニルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)であり得る。
いくつかの実施形態において、リポソーム製剤は、約25.0%のコレステロール~約40.0%のコレステロール、約30.0%のコレステロール~約45.0%のコレステロール、約35.0%のコレステロール~約50.0%のコレステロール及び/または約48.5%のコレステロール~約60%のコレステロールを含み得る。例えば、製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%及び43.5%からなる群から選択されるパーセンテージのコレステロールを含み得る。いくつかの実施形態において、製剤は、約5.0%~約10.0%のDSPC及び/または約7.0%~約15.0%のDSPCを含み得る。
一実施形態において、医薬組成物は、少なくとも1つの目的のポリペプチドをコードし得るポリヌクレオチドを送達するために形成され得るリポソームを含み得る。ポリヌクレオチドは、リポソームによって封入され得、かつ/またはリポソームによって次いで封入され得る水性コア中に含まれ得る(国際公開第WO2012031046号、同第WO2012031043号、同第WO2012030901号及び同第WO2012006378号、ならびに米国特許出願公開第US20130189351号、同第US20130195969号及び同第US20130202684号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
別の実施形態において、リポソームは、標的化送達用に製剤化され得る。非限定的な例として、リポソームは、肝臓への標的化送達用に製剤化され得る。標的化送達に使用されるリポソームには、米国特許出願公開第US20130195967号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているリポソーム及びリポソームの作製方法が含まれるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、カチオン性水中油型エマルション中に製剤化され得、エマルション粒子は、油性コアと、ポリヌクレオチドと相互作用して分子をエマルション粒子に係留することができるカチオン性脂質とを含む(国際公開第WO2012006380号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、親水性相が分散している連続疎水性相を含む、油中水型エマルション中に製剤化され得る。非限定的な例として、エマルションは、国際公開第WO201087791号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。
別の実施形態において、脂質製剤は、少なくともカチオン性脂質と、トランスフェクションを向上することができる脂質と、脂質部分に連結した親水性頭部基を含有する少なくとも1つの脂質とを含み得る(国際公開第WO2011076807号及び米国特許出願公開第20110200582号、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、官能化脂質二重層との間に架橋を有し得る脂質小胞中に製剤化され得る(米国特許出願公開第20120177724号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、国際特許公開第WO2013086526号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなリポソーム中に製剤化され得る。ポリヌクレオチドは、国際特許公開第WO2013086526号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、逆pH勾配及び/または最適化された内部緩衝液組成物を使用して、リポソーム中に封入され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチド医薬組成物は、限定するものではないが、DiLa2リポソーム(Marina Biotech(Bothell,WA))、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech(Bothell,WA))、中性DOPC(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)系リポソーム(例えば、卵巣癌のためのsiRNA送達(Landen et al.Cancer Biology&Therapy 2006 5(12)1708-1713)、その全体を参照により本明細書に援用する)及びヒアルロナン被覆リポソーム(Quiet Therapeutics(Israel))などのリポソーム中に製剤化され得る。
一実施形態において、カチオン性脂質は、米国特許出願公開第20130090372号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの低分子量カチオン性脂質であり得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、官能化脂質二重層との間に架橋を有し得る脂質小胞中に製剤化され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、カチオン性脂質を含むリポソーム中に製剤化され得る。リポソームは、国際公開第WO2013006825号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、カチオン性脂質中の窒素原子と、RNA中のリン酸との比率(N:P比)が1:1~20:1であるモル比を有し得る。別の実施形態において、リポソームは、20:1超または1:1未満のN:P比を有し得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、脂質ポリカチオン複合体中に製剤化され得る。脂質ポリカチオン複合体の形成は、当該技術分野において知られている方法及び/または米国特許出願公開第20120178702号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法によって達成することができる。非限定的な例として、ポリカチオンには、カチオン性のペプチドまたはポリペプチドを挙げることができ、限定するものではないが、ポリリシン、ポリオルニチン及び/またはポリアルギニンならびに国際公開第WO2012013326号または米国特許出願公開第US20130142818号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているカチオン性ペプチドなどがある。別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、限定するものではないが、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの非カチオン性脂質を更に含み得る、脂質ポリカチオン複合体中に製剤化され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、アミノアルコールリピドイド中に製剤化され得る。本開示で使用することができるアミノアルコールリピドイドは、米国特許第8,450,298号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって調製することができる。
リポソーム製剤は、限定するものではないが、カチオン性脂質成分の選択、カチオン性脂質の飽和の程度、PEG化の性質、全成分の比率、及び大きさなどの生物物理的パラメーターによる影響を受け得る。Sempleら(Semple et al.Nature Biotech.2010 28:172-176、その全体を参照により本明細書に援用する)による一例では、リポソーム製剤は、カチオン性脂質57.1%、ジパルミトイルホスファチジルコリン7.1%、コレステロール34.3%及びPEG-c-DMA 1.4%で構成された。別の例として、カチオン性脂質の組成を変えると、siRNAをより効率的に種々の抗原提示細胞に送達することができた(Basha et al.Mol Ther.2011 19:2186-2200、その全体を参照により本明細書に援用する)。いくつかの実施形態において、リポソーム製剤は、約35~約45%のカチオン性脂質、約40%~約50%のカチオン性脂質、約50%~約60%のカチオン性脂質及び/または約55%~約65%のカチオン性脂質を含み得る。いくつかの実施形態において、リポソーム中の脂質とmRNAの比は、約5:1~約20:1、約10:1~約25:1、約15:1~約30:1及び/または少なくとも30:1であり得る。
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子(LNP)製剤におけるPEG比を増やしても減らしてもよく、かつ/またはPEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に変更してLNP製剤の薬物動態及び/もしくは体内分布を変えてもよい。非限定的な例として、LNP製剤は、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して、約0.5%~約3.0%、約1.0%~約3.5%、約1.5%~約4.0%、約2.0%~約4.5%、約2.5%~約5.0%及び/または約3.0%~約6.0%の脂質モル比のPEG-c-DOMG(R-3-[(ω-メトキシ-ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]-1,2-ジミリスチルオキシプロピル-3-アミン)(本明細書中、PEG-DOMGとも称される)を含有し得る。別の実施形態において、PEG-c-DOMGは、限定するものではないが、PEG-DSG(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG-DMG(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール)及び/またはPEG-DPG(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)などのPEG脂質で置き換えられてもよい。カチオン性脂質は、限定するものではないが、DLin-MC3-DMA、DLin-DMA、C12-200及びDLin-KC2-DMAなどの当該技術分野において知られている任意の脂質から選択することができる。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2012170930号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドを含む製剤は、少なくとも1つの脂質を含むことができるナノ粒子である。脂質は、限定するものではないが、DLin-DMA、DLin-K-DMA、98N12-5、C12-200、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG-DMG、PEG化脂質及びアミノアルコール脂質から選択することができる。別の態様において、脂質は、限定するものではないが、DLin-DMA、DLin-D-DMA、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA及びアミノアルコール脂質などのカチオン性脂質であってよい。アミノアルコールカチオン性脂質は、米国特許出願公開第US20130150625号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている脂質であってもよく、かつ/または当該特許出願公開に記載されている方法によって作製されてもよい。非限定的な例として、カチオン性脂質は、2-アミノ-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-{[(9Z,2Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール(US20130150625の化合物1)、2-アミノ-3-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]-2-{[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール(US20130150625の化合物2)、2-アミノ-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-[(オクチルオキシ)メチル]プロパン-1-オール(US20130150625の化合物3)、及び2-(ジメチルアミノ)-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-{[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール(US20130150625の化合物4)、またはこれらの任意の薬学的に許容される塩もしくは立体異性体であり得る。
脂質ナノ粒子製剤は、典型的に、脂質、特に、イオン性カチオン性脂質、例えば、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)またはジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、中性脂質のステロール及び粒子の凝集を減少させることができる分子、例えばPEG脂質またはPEG修飾脂質を更に含む。
一実施形態において、脂質ナノ粒子製剤は、(i)2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質と、(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質と、(iii)ステロール、例えば、コレステロールと、(iv)PEG脂質、例えば、PEG-DMGまたはPEG-cDMAとから、カチオン性脂質約20~60%:中性脂質5~25%:ステロール25~55%:PEG脂質0.5~15%のモル比で、本質的に構成される。
一実施形態において、製剤は、モル基準で約25%~約75%、例えば、モル基準で約35~約65%、約45~約65%、約60%、約57.5%、約50%または約40%の2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質を含む。
一実施形態において、製剤は、モル基準で0.5%~約15%、例えば、モル基準で約3~約12%、約5~約10%または約15%、約10%もしくは約7.5%の中性脂質を含む。例示的な中性脂質には、DSPC、POPC、DPPC、DOPE及びSMが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、製剤は、モル基準で約5%~約50%(例えば、モル基準で約15~約45%、約20~約40%、約40%、約38.5%、約35%または約31%のステロールを含む。例示的なステロールは、コレステロールである。一実施形態において、製剤は、モル基準で約0.5%~約20%(例えば、モル基準で約0.5~約10%、約0.5~約5%、約1.5%、約0.5%、約1.5%、約3.5%または約5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質を含む。一実施形態において、PEG脂質またはPEG修飾脂質は、平均分子量が2,000DaのPEG分子を含む。他の実施形態において、PEG脂質またはPEG修飾脂質は、平均分子量が2,000未満、例えば、約1,500Da、約1,000Daまたは約500DaのPEG分子を含む。例示的なPEG修飾脂質には、PEG-ジステアロイルグリセロール(PEG-DMG)(本明細書中、PEG-C14またはC14-PEGとも称される)、PEG-cDMA(Reyes et al.J.Controlled Release,107,276-287(2005)において更に考察されている、その内容全体を参照により本明細書に援用する)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される25~75%のカチオン性脂質と、0.5~15%の中性脂質と、5~50%のステロールと、0.5~20%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される35~65%のカチオン性脂質と、3~12%の中性脂質と、15~45%のステロールと、0.5~10%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される45~65%のカチオン性脂質と、5~10%の中性脂質と、25~40%のステロールと、0.5~10%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約60%のカチオン性脂質と、約7.5%の中性脂質と、約31%のステロールと、約1.5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質と、約10%の中性脂質と、約38.5%のステロールと、約1.5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約50%のカチオン性脂質と、約10%の中性脂質と、約35%のステロールと、約4.5%または約5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質と、約0.5%の標的化脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約40%のカチオン性脂質と、約15%の中性脂質と、約40%のステロールと、約5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)及びジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択される約57.2%のカチオン性脂質と、約7.1%の中性脂質と、約34.3%のステロールと、約1.4%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
一実施形態において、本開示の製剤は、モル基準で、PEG脂質、PEG-cDMA(PEG-cDMAは、Reyesら(J.Controlled Release,107,276-287(2005)、その内容全体を参照により本明細書に援用する)において更に考察されている)から選択される57.5%のカチオン性脂質と、約7.5%の中性脂質と、約31.5%のステロールと、約3.5%のPEG脂質またはPEG修飾脂質とを含む。
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質約20~70%:中性脂質5~45%:コレステロール20~55%:PEG修飾脂質0.5~15%のモル比の脂質混合物から本質的に構成される。いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質約20~60%:中性脂質5~25%:コレステロール25~55%:PEG修飾脂質0.5~15%のモル比の脂質混合物から本質的に構成される。
具体的な実施形態において、脂質モル比は、およそ50/10/38.5/1.5(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMG、PEG-DSGまたはPEG-DPG))、57.2/7.1134.3/1.4(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDPPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-cDMA))、40/15/40/5(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMG))、50/10/35/4.5/0.5(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DSG))、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMG))、40/10/40/10(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA))、35/15/40/10(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA))、または52/13/30/5(mol% カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/Chol/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA)である。
例示的な脂質ナノ粒子組成物及びその作製方法は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol.28:172-176、Jayarama et al.(2012),Angew.Chem.Int.Ed.,51:8529-8533、及びMaier et al.(2013)Molecular Therapy 21,1570-1578(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質と、PEG脂質と、構造脂質とを含み得、任意選択により、非カチオン性脂質を含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40~60%のカチオン性脂質と、約5~15%の非カチオン性脂質と、約1~2%のPEG脂質と、約30~50%の構造脂質とを含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質約50%と、非カチオン性脂質約10%と、PEG脂質約1.5%と、構造脂質約38.5%とを含み得る。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質約55%と、非カチオン性脂質約10%と、PEG脂質約2.5%と、構造脂質約32.5%とを含み得る。一実施形態において、カチオン性脂質は、限定するものではないが、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA及びL319などの本明細書に記載される任意のカチオン性脂質であってよい。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、4成分脂質ナノ粒子であり得る。脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質と、非カチオン性脂質と、PEG脂質と、構造脂質とを含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約40~60%のカチオン性脂質と、約5~15%の非カチオン性脂質と、約1~2%のPEG脂質と、約30~50%の構造脂質とを含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質約50%と、非カチオン性脂質約10%と、PEG脂質約1.5%と、構造脂質約38.5%とを含み得る。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質約55%と、非カチオン性脂質約10%と、PEG脂質約2.5%と、構造脂質約32.5%とを含み得る。一実施形態において、カチオン性脂質は、限定するものではないが、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA及びL319などの本明細書に記載される任意のカチオン性脂質であってよい。
一実施形態において、本明細書に記載される脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質と、非カチオン性脂質と、PEG脂質と、構造脂質とを含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin-KC2-DMAと、約10%の非カチオン性脂質DSPCと、約1.5%のPEG脂質PEG-DOMGと、約38.5%の構造脂質コレステロールとを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin-MC3-DMAと、約10%の非カチオン性脂質DSPCと、約1.5%のPEG脂質PEG-DOMGと、約38.5%の構造脂質コレステロールとを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約50%のカチオン性脂質DLin-MC3-DMAと、約10%の非カチオン性脂質DSPCと、約1.5%のPEG脂質PEG-DMGと、約38.5%の構造脂質コレステロールとを含む。更に別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、約55%のカチオン性脂質L319と、約10%の非カチオン性脂質DSPCと、約2.5%のPEG脂質PEG-DMGと、約32.5%の構造脂質コレステロールとを含む。
一実施形態において、カチオン性脂質は、限定するものではないが、国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、同第WO2010080724号、同第WO201021865号、同第WO2008103276号、同第WO2013086373号及び同第WO2013086354号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号、同第8,283,333号及び同第8,466,122号ならびに米国特許出願公開第US20100036115号、同第US20120202871号、同第US20130064894号、同第US20130129785号、同第US20130150625号、同第US20130178541号及び同第US20130225836号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているカチオン性脂質から選択することができる。別の実施形態において、カチオン性脂質は、限定するものではないが、国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号及び同第WO2013116126号または米国特許出願公開第US20130178541号及び同第US20130225836号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式Aから選択することができる。更に別の実施形態において、カチオン性脂質は、限定するものではないが、国際公開第WO2008103276号の式CLI-CLXXIX、米国特許第7,893,302号の式CLI-CLXXIX、米国特許第7,404,969号の式CLI-CLXXXXII、及び米国特許出願公開第US20100036115号の式I~VI、米国特許出願公開第US20130123338号の式I(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)から選択することができる。非限定的な例として、カチオン性脂質は、(20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメミルヘキサコサ-17,20-ジエン-9-アミン、(1Z,19Z)-N5N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-8-アミン、(13Z,16Z)-N,N-ジメチルドコサ-13,16-ジエン-5-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチルヘニコサ-12,15-ジエン-4-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-6-アミン、(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-7-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-10-アミン、(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-5-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-4-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメイルオクタコサ-19,22-ジエン-9-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-8-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17,20-ジエン-7-アミン、(16Z,19Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-6-アミン、(22Z,25Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22,25-ジエン-10-アミン、(21Z,24Z)-N,N-ジメチルトリアコンタ-21,24-ジエン-9-アミン、(18Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17-エン-9-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-7-アミン、N,N-ジメチルヘプタコサン-10-アミン、(20Z,23Z)-N-エチル-N-メチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、1-[(11Z,14Z)-1-ノニリコサ-11,14-ジエン-1-イル]ピロリジン、(20Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-20-エン-10-アミン、(15Z)-N,N-ジメチルエプタコサ-15-エン-10-アミン、(14Z)-N,N-ジメチルノナコサ-14-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルノナコサ-17-エン-10-アミン、(24Z)-N,N-ジメチルトリトリアコンタ-24-エン-10-アミン、(20Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20-エン-10-アミン、(22Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22-エン-10-アミン、(16Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16-エン-8-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘニコサ-12,15-ジエン-1-アミン、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]エプタデカン-8-アミン、1-[(1S,2R)-2-ヘキシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-21-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘニコサン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン-10-アミン,N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン-8-アミン、N,N-ジメチル-[(1R,2S)-2-ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン-5-アミン、N,N-ジメチル-3-{7-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン-1-アミン、1-[(1R,2S)-2-ヘプチルシクロプロピル]-N,N-ジメチルオクタデカン-9-アミン、1-[(1S,2R)-2-デシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルペンタデカン-6-アミン、N,N-ジメチル-l-[(lS,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ペンタデカン-8-アミン、R-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、S-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-[(5Z)-オクタ-5-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘプチルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(ノニルオキシ)-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン;(2S)-N,N-ジメチル-1-[(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(ペンチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-3-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2R)-N,N-ジメチル-H(1-メトイルオクチル)オキシ]-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2R)-1-[(3,7-ジメチルオクチル)オキシ]-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(オクチルオキシ)-3-({8-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-{[8-(2-オクリルシクロプロピル)オクチル]オキシ}-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン及び(11E,20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-11,20,2-トリエン-10-アミンまたはこれらの薬学的に許容される塩もしくは立体異性体から選択することができる。
一実施形態において、脂質は、国際公開第WO2012170889号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの切断可能な脂質であり得る。
別の実施形態において、脂質は、限定するものではないが、米国特許出願公開第US20130064894号の式(I)(その内容全体を参照により本明細書に援用する)などのカチオン性脂質であり得る。
一実施形態において、カチオン性脂質は、当該技術分野において知られている方法ならびに/または国際公開第WO2012040184号、同第WO2011153120号、同第WO2011149733号、同第WO2011090965号、同第WO2011043913号、同第WO2011022460号、同第WO2012061259号、同第WO2012054365号、同第WO2012044638号、同第WO2010080724号、同第WO201021865号、同第WO2013086373号及び同第WO2013086354号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法によって合成することができる。
別の実施形態において、カチオン性脂質は、トリアルキルカチオン性脂質であり得る。トリアルキルカチオン性脂質ならびにトリアルキルカチオン性脂質の製造方法及び使用方法の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013126803号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、ポリヌクレオチドのLNP製剤は、3%の脂質モル比でPEG-c-DOMGを含有し得る。別の実施形態において、ポリヌクレオチドのLNP製剤は、1.5%の脂質モル比でPEG-c-DOMGを含有し得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドの医薬組成物は、国際公開第WO2012099755号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているPEG化脂質のうちの少なくとも1つを含み得る。
一実施形態において、LNP製剤は、PEG-DMG2000(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000)を含有し得る。一実施形態において、LNP製剤は、PEG-DMG2000と、当該技術分野において知られているカチオン性脂質と、少なくとも1つの他の構成成分とを含有し得る。別の実施形態において、LNP製剤は、PEG-DMG2000と、当該技術分野において知られているカチオン性脂質と、DSPCと、コレステロールとを含有し得る。非限定的な例として、LNP製剤は、PEG-DMG2000と、DLin-DMAと、DSPCと、コレステロールとを含有し得る。別の非限定的な例として、LNP製剤は、PEG-DMG2000と、DLin-DMAと、DSPCと、コレステロールとを、2:40:10:48のモル比で含有し得る(例えば、Geall et al.,Nonviral delivery of self-amplifying RNA vaccines,PNAS 2012;PMID:22908294参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、LNP製剤は、国際公開第WO2011127255号または同第WO2008103276号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化され得る。非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、WO2011127255及び/またはWO2008103276(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、LNP製剤中に封入され得る。
一実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第US20120207845号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、非経口経路によって送達されるナノ粒子中に製剤化され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第US20130156845号または国際公開第WO2013093648号もしくは同第WO2012024526号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製された脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。
本明細書に記載される脂質ナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130164400号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているシステム及び/または方法によって、無菌環境で作製され得る。
一実施形態において、LNP製剤は、米国特許第8,492,359号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている核酸脂質粒子などのナノ粒子中に製剤化され得る。非限定的な例として、脂質粒子は、1つ以上の有効物質または治療薬と、粒子中に存在する総脂質のうち約50モル%~約85モル%を構成する1つ以上のカチオン性脂質と、粒子中に存在する総脂質のうち約13モル%~約49.5モル%を構成する1つ以上の非カチオン性脂質と、粒子中に存在する総脂質のうち約0.5モル%~約2モル%を構成する、粒子の凝集を阻害する1つ以上のコンジュゲート脂質とを含み得る。ナノ粒子中の核酸は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドであり得、かつ/または当該技術分野において知られている。
一実施形態において、LNP製剤は、国際公開第WO2011127255号または同第WO2008103276号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化され得る。非限定的な例として、本明細書に記載される修飾RNAは、WO2011127255及び/またはWO2008103276(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、LNP製剤中に封入され得る。
一実施形態において、本明細書に記載されるLNP製剤は、ポリカチオン性組成物を含み得る。非限定的な例として、ポリカチオン性組成物は、米国特許出願公開第US20050222064号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)の式1~60から選択することができる。別の実施形態において、ポリカチオン性組成物を含むLNP製剤は、本明細書に記載される修飾RNAのin vivo送達及び/またはin vitro送達用に使用することができる。
一実施形態において、本明細書に記載されるLNP製剤は、透過性向上分子を追加で含み得る。非限定的な透過性向上分子は、米国特許出願公開第US20050222064号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、ポリヌクレオチド医薬組成物は、限定するものではないが、DiLa2リポソーム(Marina Biotech(Bothell,WA))、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech(Bothell,WA))、中性DOPC(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)系リポソーム(例えば、卵巣癌のためのsiRNA送達(Landen et al.Cancer Biology&Therapy 2006 5(12)1708-1713)、その全体を参照により本明細書に援用する)及びヒアルロナン被覆リポソーム(Quiet Therapeutics(Israel))などのリポソーム中に製剤化され得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第US2012060293号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような凍結乾燥ゲル相リポソーム組成物中に製剤化され得る。
ナノ粒子製剤は、リン酸コンジュゲートを含み得る。リン酸コンジュゲートは、in vivo循環時間を延長させ得、かつ/またはナノ粒子の標的化送達を増大させ得る。本開示で使用されるリン酸コンジュゲートは、国際出願第WO2013033438号または米国特許出願公開第US20130196948号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。非限定的な例として、リン酸コンジュゲートには、国際出願第WO2013033438号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式のうちのいずれか1つの化合物を挙げることができる。
ナノ粒子製剤は、ポリマーコンジュゲートを含み得る。ポリマーコンジュゲートは、水溶性コンジュゲートであり得る。ポリマーコンジュゲートは、米国特許出願公開第20130059360号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような構造を有し得る。一態様において、本開示のポリヌクレオチドとのポリマーコンジュゲートは、米国特許出願公開第20130072709号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法及び/またはセグメント化ポリマー試薬を使用して作製することができる。別の態様において、ポリマーコンジュゲートは、限定するものではないが、米国特許出願公開第US20130196948号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているポリマーコンジュゲートなどのように、環部分を含むペンダント側鎖基を有し得る。
ナノ粒子製剤は、対象における本開示のナノ粒子の送達を向上させるコンジュゲートを含み得る。更に、コンジュゲートは、対象におけるナノ粒子の食作用クリアランスを抑制し得る。一態様において、コンジュゲートは、ヒト膜タンパク質CD47から設計された「自己」ペプチド(例えば、Rodriguezら(Science 2013,339,971-975、その全体を参照により本明細書に援用する)によって記載された「自己」粒子)であり得る。Rodriguezらによって示されたように、自己ペプチドは、マクロファージが媒介するナノ粒子のクリアランスを遅延させ、ナノ粒子の送達を向上させた。別の態様において、コンジュゲートは、膜タンパク質CD47であってもよい(例えば、Rodriguez et al.Science 2013,339,971-975参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。Rodriguezらは、CD47が、「自己」ペプチドと同様に、スクランブルペプチド及びPEG被覆ナノ粒子と比較して、対象における循環粒子の比率を増大させ得ることを示した。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、対象における本開示のナノ粒子の送達を向上させるコンジュゲートを含むナノ粒子中に製剤化される。コンジュゲートは、CD47膜であってもよいし、コンジュゲートは、先に記載された「自己」ペプチドなどの、CD47膜タンパク質に由来するものであってもよい。別の態様において、ナノ粒子は、PEGと、CD47のコンジュゲートまたはその誘導体とを含み得る。更に別の実施形態において、ナノ粒子は、上述の「自己」ペプチドと、膜タンパク質CD47の両方を含んでもよい。
別の態様において、「自己」ペプチド及び/またはCD47タンパク質は、本開示のポリヌクレオチドの送達のために、本明細書に記載されているようなウイルス様粒子または偽ビリオンにコンジュゲートされ得る。
別の実施形態において、医薬組成物は、本開示のポリヌクレオチドと、分解可能な結合を有し得るコンジュゲートとを含む。コンジュゲートの非限定的な例には、イオン性水素原子を含む芳香族部分、スペーサー部分及び水溶性ポリマーが挙げられる。非限定的な例として、分解可能な結合を有するコンジュゲートを含む医薬組成物及び当該医薬組成物を送達するための方法は、米国特許出願公開第US20130184443号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
ナノ粒子製剤は、炭水化物担体と、ポリヌクレオチドとを含む、炭水化物ナノ粒子であり得る。非限定的な例として、炭水化物担体には、無水物変性フィトグリコーゲンまたはグリコーゲン型物質、オクテニルコハク酸フィトグリコーゲン、フィトグリコーゲンβ-デキストリン、無水物変性フィトグリコーゲンβ-デキストリンを挙げることができるが、これらに限定されない(例えば、国際公開第WO2012109121参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のナノ粒子製剤は、粒子の送達を改善するために、界面活性剤またはポリマーで被覆されてもよい。一実施形態において、ナノ粒子は、限定するものではないが、PEGコーティング及び/または中性の表面電荷を有するコーティングなどの親水性コーティングで被覆され得る。親水性コーティングは、限定するものではないが、ポリヌクレオチドなどの大きなペイロードを含むナノ粒子を中枢神経系内に送達するのに役立ち得る。非限定的な例として、親水性コーティングを含むナノ粒子及び当該ナノ粒子を作製する方法は、米国特許出願公開第US20130183244号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、本開示の脂質ナノ粒子は、親水性ポリマー粒子であり得る。親水性ポリマー粒子及び親水性ポリマー粒子の作製方法の非限定的な例は、米国特許出願公開第US20130210991号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
別の実施形態において、本開示の脂質ナノ粒子は、疎水性ポリマー粒子であり得る。
脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質を、迅速に排除される脂質ナノ粒子(reLNP)として知られる生分解性カチオン性脂質に置き換えることによって改善され得る。限定するものではないが、DLinDMA、DLin-KC2-DMA及びDLin-MC3-DMAなどのイオン性カチオン性脂質は、時間の経過とともに血漿中及び組織中に蓄積することがわかっており、潜在的な毒性原になり得る。迅速に排除される脂質の迅速な代謝により、ラットにおける脂質ナノ粒子の忍容性及び治療指数が1mg/kgの用量から10mg/kgの用量の大きさで改善し得る。酵素的に分解されるエステル結合を含めると、reLNP製剤の活性を維持したまま、カチオン性構成成分の分解及び代謝プロファイルが改善し得る。エステル結合は、脂質鎖中に内在してもよいし、脂質鎖末端の終端に位置してもよい。内部エステル結合は、脂質鎖中の任意の炭素を置き換えてもよい。
一実施形態において、内部エステル結合は、飽和炭素のいずれの側に位置してもよい。
脂質ナノ粒子は、脂質ナノ粒子が粘膜バリアを通過するように粒子の表面特性を操作して変更してもよい。粘液は、限定するものではないが、口腔(例えば、頬及び食道の膜ならびに扁桃腺組織)、眼、消化管(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸)、鼻、呼吸器(例えば、鼻、咽頭、気管及び気管支の膜)、生殖器(例えば、膣、子宮頸部及び尿道の膜)などの粘膜組織に位置する。10~200nmよりも大きいナノ粒子は、薬物封入効率が高いことから使用され得るが、幅広い薬物の持続的送達をもたらす能力は、粘膜バリアを通過して迅速に拡散するには大きすぎると考えられている。粘液は、連続的に、分泌され、排出され、廃棄または消化され、再利用されるので、捕捉された粒子の大部分は、数秒内または数時間内に粘膜組織から除去され得る。低分子量ポリエチレングリコール(PEG)で高密度に被覆された大きなポリマーナノ粒子(直径200nm~500nm)は、水中で拡散する同粒子と比較してわずか1/4~1/6で粘液中に拡散した(Lai et al.PNAS 2007 104(5):1482-487;Lai et al.Adv Drug Deliv Rev.2009 61(2):158-171、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。ナノ粒子の輸送は、透過速度ならびに/または蛍光顕微鏡法、例えば、限定するものではないが、光褪色後蛍光回復法(FRAP)及び高解像多重粒子追跡法(MPT)を使用して決定することができる。非限定的な例として、粘膜バリアを通過することができる組成物は、米国特許第8,241,670号または国際特許公開第WO2013110028号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように作製することができる。
粘液を通過するように操作された脂質ナノ粒子は、ポリマー材料(すなわち、ポリマーコア)及び/またはポリマー-ビタミンコンジュゲート及び/またはトリブロックコポリマーを含み得る。ポリマー材料には、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリ(スチレン)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル及びポリアリレートが含まれ得るが、これらに限定されない。ポリマー材料は、生分解性及び/または生体適合性であり得る。生体適合性ポリマーの非限定的な例は、国際特許公開第WO2013116804号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。ポリマー材料は、更に、照射されてもよい。非限定的な例として、ポリマー材料は、ガンマ照射され得る(例えば、国際出願第WO201282165号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。具体的なポリマーの非限定的な例には、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレンビニルアセテートポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L-乳酸-co-グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン-co-グリコリド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PEO-co-D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PPO-co-D,L-ラクチド)、ポリアルキルシアノアクラレート、ポリウレタン、ポリ-L-リシン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、例えば、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルハライド、例えば、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えば、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)及びこれらのコポリマー及び混合物、ポリジオキサノン及びそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、PEG-PLGA-PEG、トリメチレンカーボネート、ポリビニルピロリドンが挙げられる。脂質ナノ粒子は、限定するものではないが、ブロックコポリマー(国際公開第WO2013012476号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている分岐ポリエーテル-ポリアミドブロックコポリマーなど)及び(ポリ(エチレングリコール))-(ポリ(プロピレンオキシド))-(ポリ(エチレングリコール))トリブロックコポリマー(例えば、米国特許出願公開第20120121718号、米国特許出願公開第20100003337号及び米国特許第8,263,665号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)などのコポリマーで被覆され得、またはこれらと会合し得る。コポリマーは、GRAS(一般に安全と認められる)ポリマーであってよく、脂質ナノ粒子の形成は、新規の化学実体が生じないような方法で作製され得る。例えば、脂質ナノ粒子は、新規の化学実体を形成することなく、依然としてヒト粘液を迅速に通過することができる、ポロキサマー被覆PLGAナノ粒子を含み得る(Yang et al.Angew.Chem.Int.Ed.2011 50:2597-2600、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。ヒト粘液を通過することができるナノ粒子を生成するための非限定的な拡張可能な方法は、Xuらによって記載されている(例えば、J Control Release 2013,170(2):279-86参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
ポリマー-ビタミンコンジュゲートのビタミンは、ビタミンEであり得る。コンジュゲートのビタミン部分は、限定するものではないが、ビタミンA、ビタミンE、他のビタミン、コレステロール、疎水性部分または他の界面活性剤の疎水性構成成分(例えば、ステロール鎖、脂肪酸、炭化水素鎖及びアルキレンオキシド鎖)などの他の好適な構成成分で置換されてもよい。
粘液を通過するように操作された脂質ナノ粒子は、限定するものではないが、ポリヌクレオチド、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、例えばジメチルジオクタデシル-臭化アンモニウムなどのカチオン性界面活性剤)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール及びポロキサマー)、粘液溶解剤(例えば、N-アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クレロデンドルム、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、エルドステイン)及びrhDNaseを含む各種DNaseなどの表面改質剤を含み得る。表面改質剤は、粒子表面に埋め込むか、粒子表面にからませてもよいし、脂質ナノ粒子の表面上に配置してもよい(例えば、コーティング、吸着、共有結合または他のプロセスによって)(例えば、米国特許出願公開第20100215580号及び米国特許出願公開第20080166414号及び同第US20130164343号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、粘液を通過する脂質ナノ粒子は、本明細書に記載される少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子中に封入され得、かつ/または粒子の表面上に配置され得る。ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子に共有結合的に結合され得る。粘液を通過する脂質ナノ粒子製剤は、複数のナノ粒子を含み得る。更に、製剤は、粘液と相互作用し、かつ周囲の粘液の構造特性及び/または付着性を粘膜付着を低減させるように変更して、粘液を通過する脂質ナノ粒子の粘膜組織への送達を増大させ得る、粒子を含有してもよい。
別の実施形態において、粘液を通過する脂質ナノ粒子は、粘膜通過を向上させるコーティングを含む低張製剤であり得る。製剤は、送達される上皮に対して低張であり得る。低張製剤の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013110028号に認めることができ、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、粘膜バリアを通過する送達を向上させるために、ポリヌクレオチド製剤は、低張液を含んでもよいし、低張液であってもよい。低張液は、限定するものではないが、粘液を通過する粒子などの粘液不活性粒子の膣上皮表面への到達可能速度を上げることがわかった(例えば、Ensign et al.Biomaterials 2013 34(28):6922-9参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、限定するものではないが、Silence Therapeutics(London,United Kingdom)のATUPLEX(商標)系、DACC系、DBTC系及び他のsiRNAリポプレックス技術、STEMGENT(登録商標)(Cambridge,MA)のSTEMFECT(商標)、ならびにポリエチレンイミン(PEI)またはプロタミンベースの標的化及び非標的化核酸送達などのリポプレックスとして製剤化される(Aleku et al.Cancer Res.2008 68:9788-9798;Strumberg et al.Int J Clin Pharmacol Ther 2012 50:76-78;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1222-1234;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1360-1370;Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334-344;Kaufmann et al.Microvasc Res 2010 80:286-293 Weide et al.J Immunother.2009 32:498-507;Weide et al.J Immunother.2008 31:180-188;Pascolo Expert Opin.Biol.Ther.4:1285-1294;Fotin-Mleczek et al.,2011 J.Immunother.34:1-15;Song et al.,Nature Biotechnol.2005,23:709-717;Peer et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 6;104:4095-4100;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125-132、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、そのような製剤はまた、限定するものではないが、肝細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、内皮細胞、抗原提示細胞及び白血球を含む様々な細胞種にin vivoで受動的または能動的に指向するように、構築または組成変更され得る(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357-1364;Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709-717;Judge et al.,J Clin Invest.2009 119:661-673;Kaufmann et al.,Microvasc Res 2010 80:286-293;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1222-1234;Santel et al.,Gene Ther 2006 13:1360-1370;Gutbier et al.,Pulm Pharmacol.Ther.2010 23:334-344;Basha et al.,Mol.Ther.2011 19:2186-2200;Fenske and Cullis,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:25-44;Peer et al.,Science.2008 319:627-630;Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127-1133、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。製剤の肝細胞への受動的標的化の一例には、アポリポタンパク質Eに結合し、in vivoで当該製剤の肝細胞への結合及び取り込みを促進することが示されている、DLin-DMA、DLin-KC2-DMA及びDLin-MC3-DMA系脂質ナノ粒子製剤が挙げられる(Akinc et al.Mol Ther.2010 18:1357-1364、その全体を参照により本明細書に援用する)。製剤はまた、限定するものではないが、葉酸、トランスフェリン、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)及び抗体標的化アプローチによって例示されるように、その表面上に異なるリガンドを発現させることによって選択的に標的化され得る(Kolhatkar et al.,Curr Drug Discov Technol.2011 8:197-206;Musacchio and Torchilin,Front Biosci.2011 16:1388-1412;Yu et al.,Mol Membr Biol.2010 27:286-298;Patil et al.,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.2008 25:1-61;Benoit et al.,Biomacromolecules.2011 12:2708-2714;Zhao et al.,Expert Opin Drug Deliv.2008 5:309-319;Akinc et al.,Mol Ther.2010 18:1357-1364;Srinivasan et al.,Methods Mol Biol.2012 820:105-116;Ben-Arie et al.,Methods Mol Biol.2012 757:497-507;Peer 2010 J Control Release.20:63-68;Peer et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:4095-4100;Kim et al.,Methods Mol Biol.2011 721:339-353;Subramanya et al.,Mol Ther.2010 18:2028-2037;Song et al.,Nat Biotechnol.2005 23:709-717;Peer et al.,Science.2008 319:627-630;Peer and Lieberman,Gene Ther.2011 18:1127-1133、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、固形脂質ナノ粒子として製剤化される。固形脂質ナノ粒子(SLN)は、平均直径が10~1000nmの球形であり得る。SLNは、親油性分子を可溶化することができ、かつ界面活性剤及び/または乳化剤で安定化し得る固形脂質コアマトリックスを有する。更なる実施形態において、脂質ナノ粒子は、自己組織化脂質ポリマーナノ粒子であり得る(Zhang et al.,ACS Nano,2008,2(8),pp 1696-1702参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、SLNは、国際特許公開第WO2013105101号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているSLNであってもよい。別の非限定的な例として、SLNは、国際特許公開第WO2013105101号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法またはプロセスによって作製することができる。
リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を使用して、ポリヌクレオチドが目的とするタンパク質生産の効率を改善することができる。それは、これらの製剤が、ポリヌクレオチドによる細胞トランスフェクションを増加させ、かつ/またはコードタンパク質の翻訳を増加させることができるからである。かかる例の1つには、脂質封入を使用してポリプレックスプラスミドDNAの効果的な全身送達を可能にすることがある(Heyes et al.,Mol Ther.2007 15:713-720、その全体を参照により本明細書に援用する)。リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子はまた、ポリヌクレオチドの安定性を増大させるために使用することができる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、制御放出及び/または標的化送達用に製剤化することができる。本明細書で使用されるとき、「制御放出」は、治療効果を達成する特定の放出パターンに一致する、医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、制御放出及び/または標的化送達のために、本明細書に記載され、かつ/または当該技術分野において知られている送達剤中に、封入され得る。本明細書で使用されるとき、「封入する」という用語は、閉じ込められること、取り囲むこと、または包み込むことを意味する。本開示の化合物の製剤に関するとき、封入は、実質的なものであっても、完全なものであっても、部分的なものであってもよい。「実質的に封入された」という用語は、本開示の医薬組成物または化合物の少なくとも50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.9超または99.999%超が送達剤内に閉じ込められ、取り囲まれ、または包み込まれ得ることを意味する。「部分的な封入」は、本開示の医薬組成物または化合物の10未満、10、20、30、40、50以下が送達剤内に閉じ込められ、取り囲まれ、または包み込まれ得ることを意味する。有利には、封入は、蛍光及び/または電子顕微鏡写真を使用して本開示の医薬組成物または化合物の漏出または活性を測定することによって決定することができる。例えば、本開示の医薬組成物または化合物の少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99または99.99%超が送達剤中に封入される。
一実施形態において、制御放出製剤は、限定するものではないが、トリブロックコポリマーを含み得る。非限定的な例として、製剤は、2つの異なる種類のトリブロックコポリマーを含み得る(国際公開第WO2012131104号及び同第WO2012131106号、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、脂質ナノ粒子中または迅速に排除される脂質ナノ粒子中に封入することができ、次いで、この脂質ナノ粒子または迅速に排除される脂質ナノ粒子は、本明細書に記載され、かつ/または当該技術分野において知られているポリマー、ヒドロゲル及び/または外科用シーラント内に封入され得る。非限定的な例として、ポリマー、ヒドロゲルまたは外科用シーラントは、PLGA、エチレンビニルアセテート(EVAc)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc.(Alachua,FL))、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics(San Diego CA))、フィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.(Cornelia,GA))、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc.(Deerfield,IL))、PEG系シーラント及びCOSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc.(Deerfield,IL))などの外科用シーラントであってよい。
別の実施形態において、脂質ナノ粒子は、対象に注射されたときにゲルを形成し得る、当該技術分野において知られている任意のポリマー内に封入されてもよい。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、生分解性であり得るポリマーマトリックス内に封入されてもよい。
一実施形態において、制御放出及び/または標的化送達のためのポリヌクレオチド製剤はまた、少なくとも1つの制御放出コーティングを含み得る。制御放出コーティングには、OPADRY(登録商標)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、EUDRAGIT RL(登録商標)、EUDRAGIT RS(登録商標)、及びエチルセルロース水性分散体(AQUACOAT(登録商標)及びSURELEASE(登録商標))などのセルロース誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、ポリヌクレオチド制御放出及び/または標的化送達製剤は、ポリカチオン性側鎖を含有し得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含み得る。分解性ポリエステルには、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態において、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEGコンジュゲートを含み得る。
一実施形態において、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド制御放出及び/または標的化送達製剤は、米国特許第8,404,222号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなPEG及び/またはPEG関連ポリマー誘導体を少なくとも1つ含み得る。
別の実施形態において、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド制御放出送達製剤は、US20130130348(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている制御放出ポリマー系であってよい。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、治療用ナノ粒子中に封入され得、これは、本明細書中、「治療用ナノ粒子ポリヌクレオチド」と称される。治療用ナノ粒子は、本明細書に記載される方法及び当該技術分野において知られている方法、例えば、限定するものではないが、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、同第WO2010005721号、同第WO2010005723号、同第WO2012054923号、米国特許出願公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号、同第US20100068285号、同第US20110274759号、同第US20100068286号、同第US20120288541号、同第US20130123351号及び同第US20130230567号ならびに米国特許第8,206,747号、同第8,293,276号、同第8,318,208号及び同第8,318,211号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化され得る。別の実施形態において、治療用ポリマーナノ粒子は、米国特許出願公開第US20120140790号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって特定することができる。
一実施形態において、治療用ナノ粒子ポリヌクレオチドは、持続放出用に製剤化され得る。本明細書で使用されるとき、「持続放出」は、特定の一定期間にわたって、ある放出速度に従う、医薬組成物または化合物を指す。一定期間には、時間、日、週、月及び年が含まれるが、これらに限定されない。非限定的な例として、持続放出性ナノ粒子は、ポリマーと、限定するものではないが、本開示のポリヌクレオチドなどの治療薬とを含み得る(国際公開第2010075072号ならびに米国特許出願公開第US20100216804号、同第US20110217377号及び同第US20120201859号参照、そのそれぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。別の非限定的な例において、持続放出性製剤は、限定するものではないが、結晶、巨大分子ゲル及び/または微粒子懸濁液などの、持続的なバイオアベイラビリティを可能にする作用物質を含み得る(米国特許出願公開第US20130150295号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、治療用ナノ粒子ポリヌクレオチドは、標的特異的になるように製剤化され得る。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、コルチコステロイドを含み得る(国際公開第WO2011084518号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、国際公開第WO2008121949号、同第WO2010005726号、同第WO2010005725号、同第WO2011084521号ならびに米国特許出願公開第US20100069426号、同第US20120004293号及び同第US20100104655号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているナノ粒子中に製剤化され得る。
一実施形態において、本開示のナノ粒子は、ポリマーマトリックスを含み得る。非限定的な例として、ナノ粒子は、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリシン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)またはこれらの組み合わせなどの2つ以上のポリマーを含み得る。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、ジブロックコポリマーを含む。一実施形態において、ジブロックコポリマーは、PEGを、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリシン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)またはこれらの組み合わせなどのポリマーとの組み合わせで含み得る。別の実施形態において、ジブロックコポリマーは、欧州特許出願公開(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているジブロックコポリマーを含み得る。更に別の実施形態において、ジブロックコポリマーは、国際特許公開第WO2013120052号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの高Xジブロックコポリマーであり得る。
非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、PLGA-PEGブロックコポリマーを含む(米国特許出願公開第US20120004293号及び米国特許第8,236,330号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。別の非限定的な例において、治療用ナノ粒子は、PEG及びPLAまたはPEG及びPLGAのジブロックコポリマーを含むステルスナノ粒子である(米国特許第8,246,968号及び国際公開第WO2012166923号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。更に別の非限定的な例において、治療用ナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130172406号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなステルスナノ粒子または標的特異型ステルスナノ粒子である。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、マルチブロックコポリマーを含み得る(例えば、米国特許第8,263,665号及び同第8,287,910号ならびに米国特許出願公開第US20130195987号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
更に別の非限定的な例において、脂質ナノ粒子は、ブロックコポリマーPEG-PLGA-PEGを含む(例えば、感熱性ヒドロゲル(PEG-PLGA-PEG)は、Lee et al.Thermosensitive Hydrogel as a Tgf-β1 Gene Delivery Vehicle Enhances Diabetic Wound Healing.Pharmaceutical Research,2003 20(12):1995-2000においてTGF-β1遺伝子の送達ビヒクルとして使用され、Li et al.Controlled Gene Delivery System Based on Thermosensitive Biodegradable Hydrogel.Pharmaceutical Research 2003 20(6):884-888、及び Chang et al.,Non-ionic amphiphilic biodegradable PEG-PLGA-PEG copolymer enhances gene delivery efficiency in rat skeletal muscle.J Controlled Release.2007 118:245-253において制御された遺伝子送達系として使用されたことを参照されたい、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。本開示のポリヌクレオチドは、PEG-PLGA-PEGブロックコポリマーを含む脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、マルチブロックコポリマーを含み得る(例えば、米国特許第8,263,665号及び同第8,287,910号ならびに米国特許出願公開第US20130195987号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、本明細書に記載されるブロックコポリマーは、非ポリマーミセルとブロックコポリマーとを含むポリイオン複合体中に含まれていてもよい(例えば、米国特許出願公開第20120076836号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのアクリルポリマーを含み得る。アクリルポリマーには、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレート及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのポリ(ビニルエステル)ポリマーを含み得る。ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、ランダムコポリマーなどのコポリマーであってよい。非限定的な例として、ランダムコポリマーは、国際出願第WO2013032829号または米国特許出願公開第US20130121954号(その内容全体を参照により本明細書に援用する))に記載されているものなどの構造を有し得る。一態様において、ポリ(ビニルエステル)ポリマーは、本明細書に記載されるポリヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。別の態様において、本開示で使用することができるポリ(ビニルエステル)ポリマーは、記載されているものなどであってよい(その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのジブロックコポリマーを含み得る。ジブロックコポリマーは、限定するものではないが、ポリ(乳)酸-ポリ(エチレン)グリコールコポリマーであってよい(例えば、国際特許公開第WO2013044219号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、本明細書に記載され、かつまたは当該技術分野において知られている、少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含み得る。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのアミン含有ポリマー、限定するものではないが、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(β-アミノエステル)(例えば、米国特許第8,287,849号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)及びこれらの組み合わせなどを含み得る。
別の実施形態において、本明細書に記載されるナノ粒子は、国際特許出願WO2013059496号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのアミンカチオン性脂質を含み得る。一態様において、カチオン性脂質は、アミノ-アミンまたはアミノ-アミド部分を有し得る。
一実施形態において、治療用ナノ粒子は、ポリカチオン性側鎖を含有し得る少なくとも1つの分解性ポリエステルを含み得る。分解性ポリエステルには、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態において、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEGコンジュゲートを含み得る。
別の実施形態において、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの標的化リガンドのコンジュゲートを含み得る。標的化リガンドは、当該技術分野において知られている任意のリガンド、限定するものではないが、モノクローナル抗体などであってよい(Kirpotin et al,Cancer Res.2006 66:6732-6740、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、治療用ナノ粒子ポリヌクレオチド、例えば、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む治療用ナノ粒子は、米国特許第8,404,799号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)においてPodobinskiらが記載した方法を使用して製剤化することができる。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、合成ナノ担体中に封入され、当該担体に結合し、かつ/または当該担体と会合し得る。合成ナノ担体には、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号、同第WO201213501号、同第WO2012149252号、同第WO2012149255号、同第WO2012149259号、同第WO2012149265号、同第WO2012149268号、同第WO2012149282号、同第WO2012149301号、同第WO2012149393号、同第WO2012149405号、同第WO2012149411号、同第WO2012149454号及び同第WO2013019669号ならびに米国特許出願公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号及び同第US20120244222号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載のものが含まれるが、これらに限定されない。合成ナノ担体は、当該技術分野において知られている方法及び/または本明細書に記載される方法を使用して製剤化することができる。非限定的な例として、合成ナノ担体は、国際公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号及び同第WO201213501号ならびに米国特許出願公開第US20110262491号、同第US20100104645号、同第US20100087337号及び同第US2012024422号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化することができる。別の実施形態において、合成ナノ担体製剤は、国際公開第WO2011072218号及び米国特許第8,211,473号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって凍結乾燥され得る。更に別の実施形態において、限定するものではないが、合成ナノ担体を含む本開示の製剤は、米国特許出願公開第US20130230568号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって凍結乾燥または再構成され得る。
一実施形態において、合成ナノ担体は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを放出する反応基を含有し得る(国際公開第WO20120952552号及び米国特許出願公開第US20120171229号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、合成ナノ担体は、標的化放出用に製剤化され得る。一実施形態において、合成ナノ担体は、指定のpHで、かつ/または所望の時間間隔後にポリヌクレオチドを放出するように製剤化される。非限定的な例として、合成ナノ粒子は、ポリヌクレオチドを24時間後、かつ/またはpH4.5で放出するように製剤化され得る(国際公開第WO2010138193号及び同第WO2010138194号ならびに米国特許出願公開第US20110020388号及び同第US20110027217号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、合成ナノ担体は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドの制御放出及び/または持続放出用に製剤化され得る。非限定的な例として、持続放出用の合成ナノ担体は、当該技術分野において知られている方法、本明細書に記載される方法、ならびに/または国際公開第WO2010138192号及び米国特許出願公開第20100303850号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法によって製剤化することができる。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、制御放出及び/または持続放出用に製剤化され得、製剤は、結晶性側鎖(CYSC)ポリマーであるポリマーを少なくとも1つ含む。CYSCポリマーは、米国特許第8,399,007号に記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、合成ナノ担体は、少なくとも1つのアジュバントをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み得る。非限定的な例として、アジュバントは、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムホスフェートまたはジメチルジオクタデシルアンモニウムアセテート(DDA)、及びマイコバクテリウム総脂質抽出物の無極性分画または当該無極性分画の一部を含み得る(例えば、米国特許第8,241,610号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。別の実施形態において、合成ナノ担体は、少なくとも1つのポリヌクレオチドと、アジュバントとを含み得る。非限定的な例として、アジュバントを含む合成ナノ担体は、国際公開第WO2011150240号及び米国特許出願公開第US20110293700号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化することができる。
一実施形態において、合成ナノ担体は、ウイルス由来のペプチド、断片または領域をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを封入し得る。非限定的な例として、合成ナノ担体には、国際公開第WO2012024621号、同第WO201202629号、同第WO2012024632号ならびに米国特許出願公開第US20120064110号、同第US20120058153号及び同第US20120058154号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているナノ担体を挙げることができるが、これらに限定されない。
一実施形態において、合成ナノ担体は、体液性応答及び/または細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を誘起することが可能であり得るポリヌクレオチドに結合され得る(例えば、国際公開第WO2013019669号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、双性イオン脂質中に封入され、当該脂質に結合し、かつ/または当該脂質と会合し得る。双性イオン脂質及び双性イオン脂質の使用方法の非限定的な例は、米国特許出願公開第US20130216607号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。一態様において、双性イオン脂質は、本明細書に記載されるリポソーム及び脂質ナノ粒子で使用することができる。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第US20130197100号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなコロイドナノ担体中に製剤化され得る。
一実施形態において、ナノ粒子は、経口投与用に最適化され得る。ナノ粒子は、限定するものではないが、キトサンまたはその誘導体などの少なくとも1つのカチオン性バイオポリマーを含み得る。非限定的な例として、ナノ粒子は、米国特許出願公開第20120282343号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、LNPは、脂質KL52を含む(米国特許出願公開第2012/0295832号に開示されているアミノ脂質、その全体を参照により本明細書に明示的に援用する)。LNP投与の活性及び/または安全性(ALT/AST、白血球数及びサイトカイン誘導の1つ以上を調べることによって決定される)は、かかる脂質を組み込むことによって改善され得る。KL52を含むLNPは、静脈内及び/または1用量以上で投与され得る。いくつかの実施形態において、KL52を含むLNPの投与は、MC3を含むLNPと比較して、同量または改善したmRNA及び/またはタンパク質発現をもたらす。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、更に小さなLNPを使用して送達されてもよい。そのような粒子は、直径が0.1um未満から最大100nm、例えば、限定するものではないが、0.1um未満、1.0um未満、5um未満、10um未満、15um未満、20um未満、25um未満、30um未満、35um未満、40um未満、50um未満、55um未満、60um未満、65um未満、70um未満、75um未満、80um未満、85um未満、90um未満、95um未満、100um未満、125um未満、150um未満、175um未満、200um未満、225um未満、250um未満、275um未満、300um未満、325um未満、350um未満、375um未満、400um未満、425um未満、450um未満、475um未満、500um未満、525um未満、550um未満、575um未満、600um未満、625um未満、650um未満、675um未満、700um未満、725um未満、750um未満、775um未満、800um未満、825um未満、850um未満、875um未満、900um未満、925um未満、950um未満または975um未満であってよい。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、約1nm~約100nm、約1nm~約10nm、約1nm~約20nm、約1nm~約30nm、約1nm~約40nm、約1nm~約50nm、約1nm~約60nm、約1nm~約70nm、約1nm~約80nm、約1nm~約90nm、約5nm~約100nm、約5nm~約10nm、約5nm~約20nm、約5nm~約30nm、約5nm~約40nm、約5nm~約50nm、約5nm~約60nm、約5nm~約70nm、約5nm~約80nm、約5nm~約90nm、約10~約50nM、約20~約50nm、約30~約50nm、約40~約50nm、約20~約60nm、約30~約60nm、約40~約60nm、約20~約70nm、約30~約70nm、約40~約70nm、約50~約70nm、約60~約70nm、約20~約80nm、約30~約80nm、約40~約80nm、約50~約80nm、約60~約80nm、約20~約90nm、約30~約90nm、約40~約90nm、約50~約90nm、約60~約90nm及び/または約70~約90nmの直径であり得る、更に小さなLNPを使用して送達されてもよい。
いくつかの実施形態において、そのようなLNPは、マイクロ流体ミキサーを備える方法を使用して合成される。例示的なマイクロ流体ミキサーには、限定するものではないが、スリット型インターデジタルマイクロミキサーを挙げることができ、例えば、限定するものではないが、Microinnova(Allerheiligen bei Wildon,Austria)製によるもの及び/またはジグザグヘリンボーンマイクロミキサー(SHM)があり(Zhigaltsev,I.V.et al.,Bottom-up design and synthesis of limit size lipid nanoparticle systems with aqueous and triglyceride cores using millisecond microfluidic mixingで公開されている(Langmuir.2012.28:3633-40;Belliveau,N.M.et al.,Microfluidic synthesis of highly potent limit-size lipid nanoparticles for in vivo delivery of siRNA.Molecular Therapy-Nucleic Acids.2012.1:e37;Chen,D.et al.,Rapid discovery of potent siRNA-containing lipid nanoparticles enabled by controlled microfluidic formulation.J Am Chem Soc.2012.134(16):6948-51、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。いくつかの実施形態において、SHMを備えるLNPの生成方法は、少なくとも2つの投入流れの混合を更に含み、この混合は、微細構造誘導型カオス的移流(MICA)によって生じる。この方法によれば、流体流れは、矢筈パターンで存在する流路を通って流れ、回転流を引き起こし、流体が互いに折り重なる。この方法はまた、流体が循環している間に表面が方向を変える、流体混合のための表面を含み得る。SHMを使用してLNPを生成する方法には、米国特許出願公開第2004/0262223号及び同第2012/0276209号(それぞれの全体を参照により本明細書に明示的に援用する)に開示されているものが含まれる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、スリット型インターデジタル微細構造ミキサー(SIMM-V2)または標準スリット型インターデジタルマイクロミキサー(SSIMM)またはキャタピラー(CPMM)またはジェット衝突(IJMM)(Institut fur Mikrotechnik Mainz GmbH(Mainz Germany)製)などのマイクロミキサーを使用して生成された脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、マイクロ流体技術を使用して生成された脂質ナノ粒子中に製剤化され得る(Whitesides,George M.The Origins and the Future of Microfluidics.Nature,2006 442:368-373;及びAbraham et al.Chaotic Mixer for Microchannels.Science,2002 295:647-651参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、制御されたマイクロ流体製剤は、低レイノルズ数でマイクロ流路内の定常圧駆動流の流れを混合する受動的方法を伴う(例えば、Abraham et al.Chaotic Mixer for Microchannels.Science,2002 295:647-651参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、Harvard Apparatus(Holliston,MA)またはDolomite Microfluidics(Royston,UK)によるものなどのマイクロミキサーチップを使用して生成された脂質ナノ粒子中に製剤化され得る。マイクロミキサーチップは、分割及び再結合メカニズムにより2つ以上の流体流れを迅速に混合するために使用することができる。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、国際特許公開第WO2013063468号または米国特許第8,440,614号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている薬物封入マイクロスフェアを使用した送達用に製剤化され得る。マイクロスフェアは、国際特許公開第WO2013063468号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物を含み得る。別の態様において、本開示のポリヌクレオチドを細胞に送達するには、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、脂質(APPL)が有用である(国際特許公開第WO2013063468号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、約10~約20nm、約10~約30nm、約10~約40nm、約10~約50nm、約10~約60nm、約10~約70nm、約10~約80nm、約10~約90nm、約20~約30nm、約20~約40nm、約20~約50nm、約20~約60nm、約20~約70nm、約20~約80nm、約20~約90nm、約20~約100nm、約30~約40nm、約30~約50nm、約30~約60nm、約30~約70nm、約30~約80nm、約30~約90nm、約30~約100nm、約40~約50nm、約40~約60nm、約40~約70nm、約40~約80nm、約40~約90nm、約40~約100nm、約50~約60nm、約50~約70nm約50~約80nm、約50~約90nm、約50~約100nm、約60~約70nm、約60~約80nm、約60~約90nm、約60~約100nm、約70~約80nm、約70~約90nm、約70~約100nm、約80~約90nm、約80~約100nm及び/または約90~約100nmなどの約10~約100nmの直径を有する脂質ナノ粒子中に製剤化される。
一実施形態において、脂質ナノ粒子は、約10~500nmの直径を有する。
一実施形態において、脂質ナノ粒子は、100nm超、150nm超、200nm超、250nm超、300nm超、350nm超、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超、850nm超、900nm超、950nm超または1000nm超の直径を有し得る。
一態様において、脂質ナノ粒子は、国際特許公開第WO2013059922号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている限界寸法の脂質ナノ粒子であってよい。限界寸法の脂質ナノ粒子は、水性コアまたは疎水性コアを取り囲む脂質二重層を含み得、ここで、脂質二重層は、限定するものではないが、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、セレブロシド、C8~C20の脂肪酸ジアシルホファチジルコリン及び1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルコリン(POPC)などのリン脂質を含み得る。別の態様において、限界寸法の脂質ナノ粒子は、限定するものではないが、DLPE-PEG、DMPE-PEG、DPPC-PEG及びDSPE-PEGなどのポリエチレングリコール脂質を含み得る。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、国際特許公開第WO2013063530号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている送達方法を使用して、特定の場所に送達し、局在化させ、かつ/または集中させてもよい。非限定的な例として、ポリヌクレオチドを対象に送達する前に、それと同時に、またはその後に、空のポリマー粒子を対象に投与してもよい。空のポリマー粒子は、対象と接触すると、体積変化を起こし、対象内の特定の位置に、留まり、埋め込まれ、固定化され、または捕捉される。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、有効物質放出系中に製剤化され得る(例えば、米国特許出願公開第US20130102545号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。有効物質放出系は、1)触媒活性をもつ核酸とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドインヒビター鎖に結合した少なくとも1つのナノ粒子と、2)治療上有効な物質(例えば、本明細書に記載されるポリヌクレオチド)に結合した少なくとも1つの基質分子に結合した化合物とを含み得、ここで、治療上有効な物質は、触媒活性をもつ核酸による基質分子の切断によって放出される。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、非細胞性物質を含む内側コアと、細胞膜を含む外表面とを含むナノ粒子中に製剤化され得る。細胞膜は、細胞由来でもよいし、ウイルス由来の膜であってもよい。非限定的な例として、ナノ粒子は、国際特許公開第WO2013052167号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。別の非限定的な例として、本明細書に記載されるポリヌクレオチドを送達するために、国際特許公開第WO2013052167号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているナノ粒子を使用してもよい。
一実施形態において、ポリヌクレオチドは、多孔性ナノ粒子に担持された脂質二重層(プロトセル)中に製剤化され得る。プロトセルは、国際特許公開第WO2013056132号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
一実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、米国特許第8,420,123号及び同第8,518,963号ならびに欧州特許第EP2073848B1号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなポリマーナノ粒子中、またはこれらに記載されているような方法によって作製されたポリマーナノ粒子中に製剤化され得る。非限定的な例として、米国特許第8,518,963号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているナノ粒子または当該特許に記載されている方法によって作製されたナノ粒子などのポリマーナノ粒子は、高いガラス転移温度を有し得る。別の非限定的な例として、経口製剤及び非経口製剤用のポリマーナノ粒子は、欧州特許第EP2073848B1号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製され得る。
別の実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、イメージングで使用されるナノ粒子中に製剤化され得る。ナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130129636号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのリポソームナノ粒子であってよい。非限定的な例として、リポソームは、ガドリニウム(III)2-{4,7-ビス-カルボキシメチル-10-[(N,N-ジステアリルアミドメチル-N’-アミド-メチル]-1,4,7,10-テトラ-アザシクロドデカ-1-イル}-酢酸及び中性の完全に飽和したリン脂質成分を含み得る(例えば、米国特許出願公開第US20130129636号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
一実施形態において、本開示で使用することができるナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130130348号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって形成される。
本開示のナノ粒子は、限定するものではないが、欠乏すると貧血から神経管欠陥に及ぶ健康被害をもたらし得るものなどの栄養素を更に含み得る(例えば、国際特許公開第WO2013072929号に記載のナノ粒子参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、栄養素は、第一鉄塩、第二鉄塩または元素状の鉄、ヨウ素、葉酸、ビタミンまたは微量栄養素であってよい。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、膨潤性ナノ粒子中に製剤化され得る。膨潤性ナノ粒子は、限定するものではないが、米国特許第8,440,231号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであってよい。非限定的な実施形態として、本開示のポリヌクレオチドを肺系統に送達するために、膨潤性ナノ粒子が使用され得る(例えば、米国特許第8,440,231号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、米国特許第8,449,916号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されるものなどのポリ酸無水物ナノ粒子中に製剤化され得る。
本開示のナノ粒子及びマイクロ粒子を幾何学的に操作して、マクロファージ応答及び/または免疫応答を制御してもよい。一態様において、幾何学的に操作された粒子は、限定するものではないが、肺送達などの標的化送達用の本開示のポリヌクレオチドを組み込むために、様々な形状、大きさ及び/または表面電荷を有し得る(例えば、国際公開第WO2013082111号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。幾何学的に操作される粒子が有し得る他の物理的特徴には、細胞と組織との相互作用を変えることができる、窓形成、角度のあるアーム、非対称性及び表面粗さ、電荷が含まれるが、これらに限定されない。非限定的な例として、本開示のナノ粒子は、国際公開第WO2013082111号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。
一実施形態において、本開示のナノ粒子は、限定するものではないが、国際公開第WO2013090601号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されるものなどの水溶性ナノ粒子であってよい。ナノ粒子は、良好な水溶性を示すために、小型で双性イオンのリガンドを有する無機ナノ粒子であってもよい。ナノ粒子はまた、小さな流体力学的直径(HD)、時間、pH及び塩濃度に対する安定性、ならびに低レベルの非特異的タンパク質結合を有し得る。
一実施形態において、本開示のナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130172406号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって開発され得る。
一実施形態において、本開示のナノ粒子は、限定するものではないが、米国特許出願公開第US20130172406号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である。本開示のナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130172406号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製され得る。
別の実施形態において、ステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子は、ポリマーマトリックスを含み得る。ポリマーマトリックスは、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリシアノアクリレートまたはこれらの組み合わせなどの2つ以上のポリマーを含み得る。
一実施形態において、ナノ粒子は、高密度の核酸層を有するナノ粒子-核酸ハイブリッド構造であってよい。非限定的な例として、ナノ粒子-核酸ハイブリッド構造は、米国特許出願公開第US20130171646号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。ナノ粒子は、限定するものではないが、本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び/または当該技術分野において知られているポリヌクレオチドなどの核酸を含み得る。
本開示のナノ粒子の少なくとも1つは、コアナノ構造に埋め込まれてもよいし、ナノ構造内またはナノ構造表面上で少なくとも1つのペイロードを運搬または会合することが可能である、低密度の多孔性3D構造またはコーティングで被覆されてもよい。少なくとも1つのナノ粒子を含むナノ構造の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013123523号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
アミノ酸脂質
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、アミノ酸脂質とともに含む、医薬組成物を含む。アミノ酸脂質は、アミノ酸残基と、1つ以上の親油性尾部とを含む、親油性化合物である。アミノ酸脂質及びアミノ酸脂質の作製方法の非限定的な例は、米国特許第8,501,824号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの実施形態において、アミノ酸脂質は、親水性部分及び親油性部分を有する。親水性部分は、アミノ酸残基であり得、親油性部分は、少なくとも1つの親油性尾部を含み得る。
いくつかの実施形態において、対象にポリヌクレオチドを送達するために、アミノ酸脂質製剤を使用することができる。
別の実施形態において、アミノ酸脂質製剤は、ポリヌクレオチドに結合し、それを放出するアミノ酸脂質を含む放出可能な形態でポリヌクレオチドを送達することができる。非限定的な例として、ポリヌクレオチドの放出は、限定するものではないが、米国特許第7,098,032号、同第6,897,196号、同第6,426,086号、同第7,138,382号、同第5,563,250号及び同第5,505,931号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの酸不安定性リンカーによってもたらすことができる。
ポリマー、生分解性ナノ粒子及びコアシェルナノ粒子
本開示はまた、天然及び/または合成ポリマーを使用した、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、医薬組成物を含む。送達のために使用することができるポリマーの非限定的な例には、MIRUS(登録商標)Bio(Madison,WI)及びRoche Madison(Madison,WI)によるDYNAMIC POLYCONJUGATE(登録商標)(Arrowhead Research Corp.(Pasadena,CA))製剤、PHASERX(商標)ポリマー製剤、例えば、限定するものではないが、SMARTT POLYMER TECHNOLOGY(商標)(PHASERX(登録商標)(Seattle,WA))、DMRI/DOPE、ポロキサマー、Vical(SanDiego,CA)のVAXFECTIN(登録商標)アジュバント、キトサン、Calando Pharmaceuticals(Pasadena,CA)のシクロデキストリン、デンドリマー及びポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ポリマー、RONDEL(商標)(RNAi/オリゴヌクレオチドナノ粒子送達)ポリマー(Arrowhead Research Corporation(Pasadena,CA))ならびにpH応答性コブロックポリマー、例えば、限定するものではないが、PHASERX(登録商標)(Seattle,WA)が挙げられるが、これらに限定されない。
キトサン製剤の非限定的な例には、正電荷を帯びたキトサンのコアと、負電荷を帯びた基質の外側部分とが挙げられる(米国特許出願公開第20120258176号、その全体を参照により本明細書に援用する)。キトサンには、N-トリメチルキトサン、モノ-N-カルボキシメチルキトサン(MCC)、N-パルミトイルキトサン(NPCS)、EDTA-キトサン、低分子量キトサン、キトサン誘導体またはこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示で使用されるポリマーは、限定するものではないが、細菌などの望まれない物質がポリマーの表面に付着することを低減及び/または阻害するための処理を受けている。ポリマーは、当該技術分野において知られ、かつ/もしくは記載されている方法及び/または国際公開第WO2012150467号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって処理することができる。
PLGA製剤の非限定的な例には、PLGA注射用デポ剤が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、66%N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中にPLGAを溶解することによって形成され、残りは水性溶媒及びロイプロリドのELIGARD(登録商標)である。注射すると、PLGA及びロイプロリドペプチドは、皮下腔に沈殿する)。
これらのポリマー手法の多くは、オリゴヌクレオチドをin vivoで細胞質中に送達することにおいて有効性を示している(deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125-132において概説、その全体を参照により本明細書に援用する)。核酸(この場合、低分子干渉RNA(siRNA)を用いる)の強固なin vivo送達をもたらした2つのポリマー手法は、動的ポリコンジュゲートとシクロデキストリン系ナノ粒子である(例えば、米国特許出願公開第US20130156721号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。これらの送達手法のうちの第1の手法は、動的ポリコンジュゲートを使用するものであり、in vivoマウスにおいて、siRNAを効果的に送達し、肝細胞中の内因性標的mRNAをサイレンシングすることが示されている(Rozema et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:12982-12887、その全体を参照により本明細書に援用する)。この特殊な手法は、多成分ポリマー系であり、その主な特徴には、膜活性ポリマーに対して、核酸(この場合、siRNA)がジスルフィド結合を介して共有結合され、PEG(電荷マスキング用)及びN-アセチルガラクトサミン(肝細胞標的化用)基の両方がpH感受性結合を介して結合していることである(Rozema et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:12982-12887、その全体を参照により本明細書に援用する)。ポリマー複合体は、肝細胞に結合し、エンドソーム中に侵入すると、低pH環境中で分解され、ポリマーが正電荷を露出し、エンドソーム脱出と、ポリマーから細胞質へのsiRNAの放出をもたらす。N-アセチルガラクトサミン基をマンノース基に置き換えると、アシアロ糖タンパク質受容体発現肝細胞から洞様血管内皮及びクッパ-細胞へと標的を変更できることが示された。別のポリマー手法は、トランスフェリンを標的にしたシクロデキストリン含有ポリカチオンナノ粒子の使用を伴う。これらのナノ粒子は、トランスフェリン受容体を発現するユーイング肉腫腫瘍細胞において、EWS-FLI1遺伝子産物の標的化サイレンシングを示し(Hu-Lieskovan et al.,Cancer Res.2005 65:8984-8982、その全体を参照により本明細書に援用する)、これらのナノ粒子中に製剤化されたsiRNAは、非ヒト霊長類において良好な忍容性であった(Heidel et al.,Proc Natl Acad Sci USA 2007 104:5715-21、その全体を参照により本明細書に援用する)。これらの送達戦略は双方とも、標的化送達機構及びエンドソーム脱出機構の両方を使用する合理的な手法を組み込んでいる。
ポリマー製剤は、ポリヌクレオチドの持続放出または遅延放出を可能にし得る(例えば、筋肉内または皮下注射後)。ポリヌクレオチドに対する放出プロファイルの変更は、例えば、長期間にわたるコードタンパク質の翻訳をもたらすことができる。ポリマー製剤はまた、ポリヌクレオチドの安定性を増大させるために使用することができる。生分解性ポリマーは、ポリヌクレオチド以外の核酸を分解から保護するために以前から使用されており、in vivoでペイロードの持続放出をもたらすことが示されている(Rozema et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:12982-12887;Sullivan et al.,Expert Opin Drug Deliv.2010 7:1433-1446;Convertine et al.,Biomacromolecules.2010 Oct 1;Chu et al.,Acc Chem Res.2012 Jan 13;Manganiello et al.,Biomaterials.2012 33:2301-2309;Benoit et al.,Biomacromolecules.2011 12:2708-2714;Singha et al.,Nucleic Acid Ther.2011 2:133-147;deFougerolles Hum Gene Ther.2008 19:125-132;Schaffert and Wagner,Gene Ther.2008 16:1131-1138;Chaturvedi et al.,Expert Opin Drug Deliv.2011 8:1455-1468;Davis,Mol Pharm.2009 6:659-668;Davis,Nature 2010 464:1067-1070、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、持続放出性製剤であり得る。更なる実施形態において、持続放出性製剤は、皮下送達用であり得る。持続放出性製剤には、PLGAミクロスフェア、エチレンビニルアセテート(EVAc)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc.(Alachua,FL))、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics(San Diego CA))、フィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.(Cornelia,GA))、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc.(Deerfield,IL))、PEG系シーラント及びCOSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc.(Deerfield,IL))などの外科用シーラントが含まれるが、これらに限定されない。
非限定的な例として、修飾mRNAは、調整可能な放出速度(例えば、数日及び数週間)を有するPLGAミクロスフェアを調製し、封入プロセス中における修飾mRNAの完全性を維持しながら修飾mRNAをPLGAミクロスフェア中に封入することによって、PLGAミクロスフェア中に製剤化することができる。EVAcは、前臨床の持続放出埋込用途において広範に使用されている非生分解性・生体適合性ポリマーである(例えば、長期放出製品である、緑内障のためのピロカルピン眼内挿入物Ocusertまたは持続放出性プロゲステロン子宮内器具Progestasert;経皮送達システムTestoderm、Duragesic及びSelegiline;カテーテル)。ポロキサマーF-407 NFは、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンの親水性非イオン性界面活性剤トリブロックコポリマーであり、5℃未満の温度では粘性が低く、15℃を超える温度では固形ゲルを形成する。PEG系外科用シーラントは、送達デバイス中で混合される2つの合成PEG成分を含み、1分で調製可能であり、3分でシーリングし、30日以内に再吸収される。GELSITE(登録商標)及び天然ポリマーは、投与部位でin-situゲル化することができる。これらは、イオン相互作用を介してタンパク質とペプチド治療薬候補と相互作用して、安定化効果をもたらすことが示されている。
ポリマー製剤はまた、限定するものではないが、葉酸、トランスフェリン及びN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)によって例示されるように、異なるリガンドを発現させることによって選択的に標的化することができる(Benoit et al.,Biomacromolecules.2011 12:2708-2714;Rozema et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2007 104:12982-12887;Davis,Mol Pharm.2009 6:659-668;Davis,Nature 2010 464:1067-1070、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドは、ポリマー化合物により、またはポリマー化合物中に製剤化され得る。ポリマーは、限定するものではないが、ポリエテン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(l-リシン)(PLL)、PLLにグラフトされたPEG、カチオン性リポポリマー、生分解性カチオン性リポポリマー、ポリエチレンイミン(PEI)、架橋分岐状ポリ(アルキレンイミン)、ポリアミン誘導体、修飾ポロキサマー、生分解性ポリマー、弾性生分解性ポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルブロックランダムコポリマー、マルチブロックコポリマー、線状生分解性コポリマー、ポリ[α-(4-アミノブチル)-L-グリコール酸)(PAGA)、生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマー、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフマレート、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリシン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)アクリルポリマー、アミン含有ポリマー、デキストランポリマー、デキストランポリマー誘導体またはこれらの組み合わせなどの少なくとも1つのポリマーを含み得る。
非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、米国特許第6,177,274号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなPLLとグラフト化されたPEGのポリマー化合物とともに製剤化され得る。製剤は、ポリヌクレオチドのin vitroでの細胞トランスフェクションまたはポリヌクレオチドのin vivo送達のために使用することができる。別の例において、ポリヌクレオチドは、カチオン性ポリマーを含む溶液もしくは媒体中、乾燥した医薬組成物中、または米国特許出願公開第20090042829号及び同第20090042825号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような乾燥可能な溶液中に、懸濁してもよい。
別の非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、PLGA-PEGブロックコポリマー(米国特許出願公開第US20120004293号及び米国特許第8,236,330号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)またはPLGA-PEG-PLGAブロックコポリマー(米国特許第6,004,573参照、その全体を参照により本明細書に援用する)とともに製剤化され得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、PEGとPLAまたはPEGとPLGAのジブロックコポリマーとともに製剤化され得る(米国特許第8,246,968号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
核酸の送達、または疾患の治療及び/もしくは予防、埋込用もしくは注射用デバイスへの包含に、ポリアミン誘導体を使用してもよい(米国特許出願公開第20100260817号(現米国特許第8,460,696号)、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、医薬組成物は、ポリヌクレオチドと、米国特許出願公開第20100260817号(現米国特許第8,460,696号、これらの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているポリアミン誘導体とを含み得る。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、炭水化物ジアジドモノマーをオリゴアミン含有ジアルキン単位と組み合わせることによって調製された1,3-双極性付加ポリマーを含むポリマーなどのポリアミンポリマーを使用して送達され得る(米国特許第8,236,280号、その全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのアクリルポリマーとともに製剤化され得る。アクリルポリマーには、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレート及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、国際公開第WO2011115862号、同第WO2012082574号及び同第WO2012068187号ならびに米国特許出願公開第20120283427号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている少なくとも1つのポリマー及び/またはその誘導体とともに製剤化され得る。別の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、WO2011115862(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式Zのポリマーとともに製剤化され得る。更に別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2012082574号または同第WO2012068187号及び米国特許出願公開第2012028342号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式Z、Z'またはZ''のポリマーとともに製剤化され得る。本開示の修飾RNAとともに製剤化されるポリマーは、国際公開第WO2012082574号または同第WO2012068187号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって合成することができる。
本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのアクリルポリマーとともに製剤化され得る。アクリルポリマーには、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレート及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
本開示のポリヌクレオチドの製剤は、限定するものではないが、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(アミン-co-エステル)またはこれらの組み合わせなどの少なくとも1つのアミン含有ポリマーを含み得る。非限定的な例として、ポリ(アミン-co-エステル)は、国際公開第WO2013082529号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているポリマー及び/または当該国際公開に記載されている方法によって作製されたポリマーであってよい。
例えば、本開示のポリヌクレオチドは、ポリ(アルキレンイミン)、生分解性カチオン性リポポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ポリマー、もしくは生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルポリマー、生分解性ポリエステルランダムコポリマー、線状生分解性コポリマー、PAGA、生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせを含む、薬学的化合物中に製剤化され得る。生分解性カチオン性リポポリマーは、当該技術分野において知られている方法ならびに/または米国特許第6,696,038号、米国特許出願公開第20030073619号及び同第20040142474号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。ポリ(アルキレンイミン)は、当該技術分野において知られている方法及び/または米国特許出願公開第20100004315号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法を使用して作製することができる。生分解性ポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルポリマーまたは生分解性ポリエステルランダムコポリマーは、当該技術分野において知られている方法ならびに/または米国特許第6,517,869号及び同第6,267,987号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法を使用して作製することができる。線状生分解性コポリマーは、当該技術分野において知られている方法及び/または米国特許第6,652,886号に記載されているような方法を使用して作製することができる。PAGAポリマーは、当該技術分野において知られている方法及び/または米国特許第6,217,912号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法を使用して作製することができる。PAGAポリマーは、限定するものではないが、ポリ-L-リシン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、ヒストン、アビジン、プロタミン、ポリラクチド及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)などのポリマーとともにコポリマーまたはブロックコポリマーを形成するように、コポリマー化することができる。生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマーは、当該技術分野において知られている方法及び/または米国特許第8,057,821号、同第8,444,992号もしくは米国特許出願公開第2012009145号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法によって作製することができる。例えば、マルチブロックコポリマーは、分岐状ポリエチレンイミンと比較して異なるパターンを有する線状ポリエチレンイミン(LPEI)ブロックを使用して合成することができる。更に、組成物または医薬組成物は、当該技術分野において知られている方法、本明細書に記載される方法、または米国特許出願公開第20100004315号もしくは米国特許第6,267,987号及び同第6,217,912号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような方法によって作製することができる。
本開示のポリヌクレオチドは、ポリカチオン性側鎖を含有し得る少なくとも1つの分解性ポリエステルとともに製剤化され得る。分解性ポリエステルには、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L-ラクチド-co-L-リシン)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリンエステル)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態において、分解性ポリエステルは、PEG化ポリマーを形成するためのPEGコンジュゲートを含み得る。
本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの架橋性ポリエステルとともに製剤化され得る。架橋性ポリエステルには、当該技術分野において知られているもの及び米国特許出願公開第20120269761号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものが含まれる。
本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのシクロデキストリンポリマー中に、または少なくとも1つのシクロデキストリンポリマーとともに製剤化され得る。シクロデキストリンポリマー及びシクロデキストリンポリマーの作製方法には、当該技術分野において知られているもの及び米国特許出願公開第20130184453号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの架橋型カチオン結合ポリマー中に、または少なくとも1つの架橋型カチオン結合ポリマーとともに製剤化され得る。架橋型カチオン結合ポリマー及び架橋型カチオン結合ポリマーの作製方法には、当該技術分野において知られているもの及び国際特許公開第WO2013106072号、同第WO2013106073号及び同第WO2013106086号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの分岐状ポリマー中に、または少なくとも1つの分岐状ポリマーとともに製剤化され得る。分岐状ポリマー及び分岐状ポリマーの作製方法には、当該技術分野において知られているもの及び国際特許公開第WO2013113071号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、少なくともPEG化アルブミンポリマー中に、または少なくともPEG化アルブミンポリマーとともに製剤化され得る。PEG化アルブミンポリマー及びPEG化アルブミンポリマーの作製方法には、当該技術分野において知られているもの及び米国特許出願公開第US20130231287号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものが含まれる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリマーは、脂質末端のPEGにコンジュゲートされ得る。非限定的な例として、PLGAを脂質末端のPEGにコンジュゲートして、PLGA-DSPE-PEGを形成することができる。別の非限定的な例として、本開示とともに使用されるPEGコンジュゲートは、国際公開第WO2008103276号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている。ポリマーは、限定するものではないが、米国特許第8,273,363号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているコンジュゲートなどのリガンドコンジュゲートを使用してコンジュゲートすることができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、投与前に、PEGまたはリン酸ナトリウム/炭酸ナトリウム溶液と混合され得る。別の実施形態において、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、PEGと混合され、更にリン酸ナトリウム/炭酸ナトリウム溶液と混合されてもよい。更に別の実施形態において、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドがPEGと混合され得、第2の目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドがリン酸ナトリウム/炭酸ナトリウム溶液と混合され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、別の化合物とコンジュゲートされ得る。コンジュゲートの非限定的な例は、米国特許第7,964,578号及び同第7,833,992号に記載されており、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する。別の実施形態において、本開示の修飾RNAは、米国特許第7,964,578号及び同第7,833,992号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている式1~122のコンジュゲートとコンジュゲートされ得る。本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、限定するものではないが、金などの金属とコンジュゲートされ得る(例えば、Giljohann et al.Journ.Amer.Chem.Soc.2009 131(6):2072-2073参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。別の実施形態において、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、金ナノ粒子にコンジュゲート及び/または封入され得る(国際公開第WO201216269号及び米国特許出願公開第20120302940号及び同第US20130177523号、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
米国特許出願公開第20100004313号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているように、遺伝子送達組成物は、ヌクレオチド配列及びポロキサマーを含み得る。例えば、本開示のポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第20100004313号に記載されているポロキサマーを含む遺伝子送達組成物に使用され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリマー製剤は、カチオン性担体を含み得るポリマー製剤を、コレステロール及びポリエチレングリコール基に共有結合することができるカチオン性リポポリマーに接触させることによって安定化することができる。ポリマー製剤は、米国特許出願公開第20090042829号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法を使用してカチオン性リポポリマーと接触させることができる。カチオン性担体には、ポリエチレンイミン、ポリ(トリメチレンイミン)、ポリ(テトラメチレンイミン)、ポリプロピレンイミン、アミノグリコシド-ポリアミン、ジデオキシ-ジアミノ-b-シクロデキストリン、スペルミン、スペルミジン、ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリ(リシン)、ポリ(ヒスチジン)、ポリ(アルギニン)、カチオン化ゼラチン、デンドリマー、キトサン、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1-[2-(オレオイルオキシ)エチル]-2-オレイル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、3B-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール塩酸塩(DC-コレステロールHCl)、ジヘプタデシルアミドグリシルスペルミジン(DOGS)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)及びこれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。非限定的な例として、ポリヌクレオチドは、米国特許出願公開第20130065942号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのカチオン性リポポリマーとともに製剤化され得る。
本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上のポリマーのポリプレックス中に製剤化され得る(例えば、米国特許第8,501,478号、米国特許出願公開第20120237565号及び同第20120270927号及び同第20130149783号ならびに国際特許公開第WO2013090861号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、ポリプレックスは、国際公開第WO2013090861号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている新規α-アミノアミジンポリマーを使用して形成することができる。別の非限定的な例として、ポリプレックスは、米国特許第8,501,478号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているクリックポリマーを使用して形成することができる。
いくつかの実施形態において、ポリプレックスは、2つ以上のカチオン性ポリマーを含む。カチオン性ポリマーは、線状PEIなどのポリ(エチレンイミン)(PEI)を含み得る。別の実施形態において、ポリプレックスは、p(TETA/CBA)、そのPEG化類似体p(TETA/CBA)-g-PEG2k及びこれらの混合物を含む(例えば、米国特許出願公開第US20130149783号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドはまた、ポリマー、脂質及び/または他の生分解性物質、例えば限定するものではないが、リン酸カルシウムなどの組み合わせを使用して、ナノ粒子として製剤化され得る。コアシェル、ハイブリッド及び/または多層構造において、ナノ粒子を微調整してポリヌクレオチドの送達を可能にし、ポリヌクレオチドが増強され得るように、各構成成分を組み合わせることができる(Wang et al.,Nat Mater.2006 5:791-796;Fuller et al.,Biomaterials.2008 29:1526-1532;DeKoker et al.,Adv Drug Deliv Rev.2011 63:748-761;Endres et al.,Biomaterials.2011 32:7721-7731;Su et al.,Mol Pharm.2011 Jun 6;8(3):774-87、その全体を参照により本明細書に援用する)。非限定的な例として、ナノ粒子は、限定するものではないが、親水性-疎水性ポリマー(例えば、PEG-PLGA)、疎水性ポリマー(例えば、PEG)及び/または親水性ポリマーなどの複数のポリマーを含み得る(国際公開第WO20120225129号、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
別の非限定的な例として、ポリヌクレオチドのための親水性ポリマーを含むナノ粒子は、国際特許公開第WO2013119936号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されるものまたは当該国際特許公開に記載されている方法によって作製されたものであってよい。
いくつかの実施形態において、本開示で使用することができる生分解性ポリマーは、ポリ(エーテル無水物)ブロックコポリマーである。非限定的な例として、本明細書で使用される生分解性ポリマーは、国際特許公開第WO2006063249号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているようなブロックコポリマーまたは国際特許公開第WO2006063249号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製されたブロックコポリマーであってよい。
別の実施形態において、本開示で使用することができる生分解性ポリマーは、アルキル及びシクロアルキルを末端とする生分解性脂質である。非限定的な例として、アルキル及びシクロアルキルを末端とする生分解性脂質は、国際公開第WO2013086322号に記載されているもの及び/または国際公開第WO2013086322号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製されたものであってよい。
更に別の実施形態において、本開示で使用することができる生分解性ポリマーは、脂質部分に位置する生分解性基を1つ以上有するカチオン性脂質である。非限定的な例として、生分解性脂質は、米国特許出願公開第US20130195920号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであってよい。
脂質及び/またはポリマーと組み合わせた生分解性リン酸カルシウムナノ粒子は、in vivoでポリヌクレオチドを送達することが示されている。いくつかの実施形態において、アニスアミドなどの標的化リガンドもまた含有し得る、脂質被覆リン酸カルシウムナノ粒子を使用して、ポリヌクレオチド(本開示のポリヌクレオチド)を送達することができる。例えば、マウス転移性肺モデルにおいてsiRNAを効果的に送達するために、脂質被覆リン酸カルシウムナノ粒子が使用された(Li et al.,J Contr Rel.2010 142:416-421;Li et al.,J Contr Rel.2012 158:108-114;Yang et al.,Mol Ther.2012 20:609-615、その全体を参照により本明細書に援用する)。この送達系は、siRNAの送達を改善するために、標的化ナノ粒子と、エンドソーム脱出を向上させる成分であるリン酸カルシウムの両方を組み合わせている。
いくつかの実施形態において、リン酸カルシウムをPEGポリアニオンブロックコポリマーとともに使用して、ポリヌクレオチドを送達することができる(Kazikawa et al.,J Contr Rel.2004 97:345-356;Kazikawa et al.,J Contr Rel.2006 111:368-370、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、PEG電荷変換ポリマー(Pitella et al.,Biomaterials.2011 32:3106-3114、その内容全体を参照により本明細書に援用する)を使用してナノ粒子を形成し、本開示のポリヌクレオチドを送達することができる。PEG電荷変換ポリマーは、酸性pHで切断されてポリカチオンになることによってエンドソーム脱出を向上させることで、PEGポリアニオンブロックコポリマーを改善することができる。
いくつかの実施形態において、本開示で使用されるポリマーは、限定するものではないが、国際特許公開第WO2013055331号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているペンタブロックポリマーなどのペンタブロックポリマーであり得る。非限定的な例として、ペンタブロックポリマーは、PGA-PCL-PEG-PCL-PGAを含み、PEGはポリエチレングリコール、PCLはポリ(E-カプロラクトン)、PGAはポリ(グリコール酸)、PLAはポリ(乳酸)である。別の非限定的な例として、ペンタブロックポリマーは、PEG-PCL-PLA-PCL-PEGを含み、PEGはポリエチレングリコール、PCLはポリ(E-カプロラクトン)、PGAはポリ(グリコール酸)、PLAはポリ(乳酸)である。
いくつかの実施形態において、本開示で使用することができるポリマーは、少なくとも1つのジエポキシド及び少なくとも1つのアミノグリコシドを含む(例えば、国際特許公開第WO2013055971号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。ジエポキシドは、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル(1,4B)、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(1,4C)、4-ビニルシクロヘキセンジエポキシド(4VCD)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EDGE)、グリセロールジグリシジルエーテル(GDE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPDGE)、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGDE)、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル(PPGDE)及びレゾルシノールジグリシジルエーテル(RDE)から選択することができるが、これらに限定されない。アミノグリコシドは、ストレプトマイシン、ネオマイシン、フラマイセチン、パロモマイシン、リボスタマイシン、カナマイシン、アミカシン、アルベカシン、ベカナマイシン、ジベカシン、トブラマイシン、スペクチノマイシン、ハイグロマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、シソマイシン、イセパマイシン、ベルダマイシン、アストロマイシン及びアプラマイシンから選択することができるが、これらに限定されない。非限定的な例として、ポリマーは、国際特許公開第WO2013055971号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。別の非限定的な例として、少なくとも1つの少なくとも1つのジエポキシド及び少なくとも1つのアミノグリコシドを含むポリマーのいずれかを含む組成物は、国際特許公開第WO2013055971号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。
いくつかの実施形態において、本開示で使用することができるポリマーは、架橋型ポリマーであり得る。非限定的な例として、架橋型ポリマーを使用して、米国特許第8,414,927号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような粒子を形成することができる。別の非限定的な例として、架橋型ポリマーは、米国特許出願公開第US20130172600号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって得ることができる。
別の実施形態において、本開示で使用することができるポリマーは、米国特許第8,461,132号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの架橋型ポリマーであってよい。非限定的な例として、架橋型ポリマーは、体内組織を治療するための治療用組成物に使用することができる。治療用組成物は、注射またはカテーテル法などの当該技術分野において知られている各種方法及び/または本明細書に記載される各種方法を使用して、損傷を受けた組織に投与することができる。
いくつかの実施形態において、本開示で使用することができるポリマーは、限定するものではないが、国際特許公開第WO2013049328号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのジ脂肪族置換PEG化脂質であり得る。
いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、PEG-PLGA-PEG(例えば、感熱性ヒドロゲル(PEG-PLGA-PEG)は、Lee et al.Thermosensitive Hydrogel as a Tgf-β1 Gene Delivery Vehicle Enhances Diabetic Wound Healing.Pharmaceutical Research,2003 20(12):1995-2000においてTGF-β1遺伝子の送達ビヒクルとして使用され、Li et al.Controlled Gene Delivery System Based on Thermosensitive Biodegradable Hydrogel.Pharmaceutical Research 2003 20(6):884-888及び Chang et al.,Non-ionic amphiphilic biodegradable PEG-PLGA-PEG copolymer enhances gene delivery efficiency in rat skeletal muscle.J Controlled Release.2007 118:245-253において制御された遺伝子送達系として使用されたことを参照されたい。それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)であり、本開示で使用することができる。本開示は、限定するものではないが、筋肉内投与及び皮下投与などの投与用に、PEG-PLGA-PEGとともに製剤化され得る。
別の実施形態において、生分解性持続放出系を開発するために、PEG-PLGA-PEGブロックコポリマーが本開示で使用される。一態様において、本開示のポリヌクレオチドは、投与前に、ブロックコポリマーと混合される。別の態様において、本開示のポリヌクレオチド酸は、ブロックコポリマーと同時投与される。
いくつかの実施形態において、本開示で使用されるポリマーは、限定するものではないが、米国特許第US8454946号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような多官能性N-マレイミジルポリマー誘導体などの多官能性ポリマー誘導体であり得る。
コアシェルナノ粒子の使用は、カチオン性架橋型ナノゲルコア及び様々なシェルを合成するために、ハイスループットアプローチに更に焦点を当てている(Siegwart et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2011 108:12996-13001、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。ポリマーナノ粒子の複合体形成、送達及び内在化は、ナノ粒子のコアとシェルの両構成成分の化学組成を変えることによって緻密に制御することができる。例えば、コアシェルナノ粒子は、ナノ粒子にコレステロールを共有結合させると、マウス肝細胞にsiRNAを効率的に送達することができる。
いくつかの実施形態において、中間PLGA層を含む中空脂質コアと、PEGを含有する外側中性脂質層とを使用して、ポリヌクレオチド(本開示のポリヌクレオチド)を送達することができる。非限定的な例として、ルシフェラーゼ発現腫瘍を担持するマウスにおいて、脂質-ポリマー-脂質ハイブリッドナノ粒子が、従来のリポプレックスと比較して、ルシフェラーゼ発現を有意に抑制することが確認された(Shi et al,Angew Chem Int Ed.2011 50:7027-7031、その全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドのコアと、ポリマーシェルとを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマー及び当該技術分野において知られているポリマーのいずれであってもよい。追加の実施形態において、ポリマーシェルを使用して、コア内のポリヌクレオチドを保護することができる。
本開示のポリヌクレオチドとともに使用されるコアシェルナノ粒子は、米国特許第8,313,777号または国際特許公開第WO2013124867号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されており、当該特許に記載されている方法によって形成することができる。
いくつかの実施形態において、コアシェルナノ粒子は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドのコアと、ポリマーシェルとを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマー及び当該技術分野において知られているポリマーのいずれであってもよい。追加の実施形態において、ポリマーシェルを使用して、コア内のポリヌクレオチドを保護することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される製剤とともに使用されるポリマーは、国際公開第WO2011120053号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような修飾ポリマー(限定するものではないが、修飾ポリアセタールなど)であり得る。
いくつかの実施形態において、製剤は、ポリマー担体と、少なくとも1つの核酸分子とを含む、ポリマー担体カーゴ複合体であり得る。ポリマー担体カーゴ複合体の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013113326号、同第WO2013113501号、同第WO2013113325号、同第WO2013113502号及び同第WO2013113736号ならびに欧州特許公開第EP2623121号に記載されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。一態様において、ポリマー担体カーゴ複合体は、限定するものではないが、国際特許公開第WO2013113325号及び同第WO2013113502号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの負電荷を帯びた核酸分子を含み得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本開示のポリヌクレオチドと、ポリマー担体カーゴ複合体とを含み得る(例えば、国際特許公開第WO2013113326号、同第WO2013113501号、同第WO2013113325号、同第WO2013113502号及び同第WO2013113736号ならびに欧州特許公開第EP2623121号に記載されている抗原参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される製剤とともに使用されるポリマーは、国際公開第WO2011120053号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような修飾ポリマー(限定するものではないが、修飾ポリアセタールなど)であり得る。
ペプチド及びタンパク質
本開示はまた、1つ以上のペプチド及び/またはタンパク質を使用した、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、医薬組成物を含む。本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドによる細胞のトランスフェクションを増加させるために、ペプチド及び/またはタンパク質とともに製剤化され得る。いくつかの実施形態において、限定するものではないが、細胞内送達またはミトコンドリア送達を可能にするタンパク質及びペプチドなどのペプチドを使用して、医薬製剤を送達してもよい。
ペプチドまたはタンパク質を含む本開示の製剤は、ポリヌクレオチドによる細胞トランスフェクションを増加させ、ポリヌクレオチドの体内分布を変え(例えば、特定の組織または細胞種を標的にすることによって)、かつ/またはコードタンパク質の翻訳を増加させるために使用することができる(例えば、国際公開第WO2012110636号及び同第WO2013123298号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、細胞透過性ペプチドは、米国特許出願公開第US20130129726号、同第US20130137644号及び同第US20130164219号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであり得るが、これらに限定されない。
自己組織化高分子
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、送達用両親媒性高分子(AM)とともに含む、医薬組成物を含む。AMは、ポリ(エチレングリコール)に共有結合したアルキル化糖骨格を有する、生体適合性両親媒性ポリマーを含む。水溶液中で、AMは自己組織化してミセルを形成する。AMの形成方法及びAMの非限定的な例は、米国特許出願公開第US20130217753号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
カチオン及びアニオン
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、カチオンまたはアニオンとともに含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、製剤は、限定するものではないが、Zn2+、Ca2+、Cu2+、Mg+及びこれらの組み合わせなどの金属カチオンを含む。非限定的な例として、製剤は、ポリマーと、金属カチオンと錯形成したポリヌクレオチドとを含み得る(例えば、米国特許第6,265,389号及び同第6,555,525号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、二価及び一価のカチオンの組み合わせを含むカチオン性ナノ粒子が、ポリヌクレオチドとともに製剤化され得る。そのようなナノ粒子は、所定期間(例えば、数時間、数日など)にわたって溶液中で自然発生的に形成され得る。そのようなナノ粒子は、二価カチオン単独の存在下、または一価カチオン単独の存在下では形成されない。カチオン性ナノ粒子またはカチオン性ナノ粒子を含む1つ以上のデポ剤でのポリヌクレオチドの送達は、長時間作用型デポ剤として作用し、かつ/またはヌクレアーゼによる分解速度を低下させることによって、ポリヌクレオチドのバイオアベイラビリティを改善することができる。
懸濁製剤
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、懸濁液の医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチド、水不混和性油デポ剤、界面活性剤及び/もしくは補助界面活性剤ならびに/または共溶媒を含む、懸濁製剤が提供される。油と界面活性剤の組み合わせは、ポリヌクレオチドとの懸濁製剤を可能にし得る。水不混和性デポ剤でのポリヌクレオチドの送達は、デポ剤から周囲の生理学的環境にmRNAが持続放出されることによりバイオアベイラビリティを改善し、ヌクレアーゼによるポリヌクレオチド分解を阻害するために使用することができる。
いくつかの実施形態において、mRNAの懸濁製剤は、ポリヌクレオチド、油性溶液及び界面活性剤の組み合わせを使用して調製することができる。そのような製剤は、ポリヌクレオチドを含む水相と、油及び界面活性剤を含む油性相とを含む二液系として調製することができる。懸濁製剤のための例示的な油には、ゴマ油及びMiglyol(飽和ココナツ油及びパーム核油に由来するカプリル脂肪酸及びカプリン脂肪酸とグリセリンまたはプロピレングリコールのエステルを含む)、トウモロコシ油、大豆油、ピーナッツ油、蜜蝋及び/またはパーム核油を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的な界面活性剤には、Cremophor、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、トランスクトール、Capmul(登録商標)、ラブラソール、ミリスチン酸イソプロピル及び/またはSpan80を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、懸濁液は、限定するものではないが、エタノール、グリセロール及び/またはプロピレングリコールを含む、共溶媒を含み得る。
懸濁剤は、最初に、ポリヌクレオチドの水溶液を含むポリヌクレオチド製剤と、1つ以上の界面活性剤を含む油性相とを調製することによって形成され得る。懸濁剤の形成は、2つの相(水性及び油性)を混合する結果として生じる。いくつかの実施形態において、そのような懸濁剤を水相に加えて、水中油型エマルションを形成してもよい。いくつかの実施形態において、懸濁剤の水相への添加は、水中油型エマルションの形成をもたらし、そのエマルション中で、ポリヌクレオチドを含む油性相は、ナノメートルサイズの液滴からマイクロメートルサイズの液滴の範囲であり得る液滴を形成する。いくつかの実施形態において、油相中にポリヌクレオチドを懸濁させ、かつ/または水性環境中に添加した際に水中油型エマルションを形成するように、油、界面活性剤、補助界面活性剤及び/または共溶媒の特定の組み合わせが利用される。
いくつかの実施形態において、懸濁剤は、周囲環境へのポリヌクレオチドの放出調節を提供することができる。そのような実施形態において、ポリヌクレオチド放出は、水不混和性デポ剤からの拡散と、その後の周囲環境(例えば、水性環境)への再可溶化によって調節され得る。
いくつかの実施形態において、水不混和性デポ剤内のポリヌクレオチド(例えば、油相内に懸濁)は、ポリヌクレオチド安定性を変更することができる(例えば、ヌクレアーゼによる分解の変更)。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、注射時に(例えば、水相に添加されたときに)、自然発生的にエマルションを形成するように製剤化され得る。そのような粒子形成は、油相から水相へのポリヌクレオチド放出のために、高い表面積対体積比をもたらし得る。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、限定するものではないが、米国特許第8,496,945号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているナノエマルションなどのナノエマルション中に製剤化され得る。ナノエマルションは、本明細書に記載されるナノ粒子を含み得る。非限定的な例として、ナノ粒子は、脂質または界面活性剤層で取り囲まれるか、被覆されていてもよい液体疎水性コアを含み得る。脂質または界面活性剤層は、少なくとも1つの膜組み込みペプチドを含み得、また標的化リガンドも含み得る(例えば、米国特許第8,496,945号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
半固形組成物
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、半固形組成物の医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、半固形組成物を形成するために、疎水性マトリックスとともに製剤化され得る。非限定的な例として、半固形組成物またはパスタ様組成物は、国際特許公開第WO201307604号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。半固形組成物は、国際特許公開第WO201307604号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような持続放出性製剤であり得る。
別の実施形態において、半固形組成物は、当該組成物の周りに形成された微孔性膜または生分解性ポリマーを更に有し得る(例えば、国際特許公開第WO201307604参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。
本開示のポリヌクレオチドを使用した半固形組成物は、国際特許公開第WO201307604号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されるような半固形混合物の特徴を有し得る(例えば、少なくとも10-4N・mm-2の弾性率、及び/または少なくとも100mPa・sの粘性)。
外科用シーラント:ゲル及びヒドロゲル
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、外科用シーラントとともに含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、対象に注射されたときにゲルを形成することができる、当該技術分野において知られている任意のヒドロゲル中に封入され得る。ゲル及びヒドロゲルなどの外科用シーラントは、国際特許出願PCT/US2014/027077号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
コンジュゲート
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのコンジュゲートを含む、医薬組成物を含む。本開示のポリヌクレオチドは、担体もしくは標的化基に共有結合したポリヌクレオチド、または融合タンパク質を一緒に産生する2つのコーディング領域を含む(例えば、標的化基及び治療用タンパク質またはペプチドを有する)ポリヌクレオチドなどのコンジュゲートを含む。
本開示のコンジュゲートには、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、またはグロブリン)、炭水化物(例えば、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリンまたはヒアルロン酸)、または脂質などの天然物質が含まれる。リガンドはまた、合成ポリマー、例えば、合成ポリアミノ酸、オリゴヌクレオチド(例えば、アプタマー)などの組み換え分子または合成分子であり得る。ポリアミノ酸の例には、ポリリシン(PLL)、ポリL-アスパラギン酸、ポリL-グルタミン酸、スチレン-無水マレイン酸コポリマー、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)コポリマー、ジビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマー、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2-エチルアクリル酸)、N-イソプロピルアクリルアミドポリマーまたはポリホスファジンが挙げられる。ポリアミンの例には、ポリエチレンイミン、ポリリシン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、偽ペプチド-ポリアミン、ペプチド模倣ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの四級塩またはα螺旋状ペプチドが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示のコンジュゲートは、本開示のポリヌクレオチドの担体として機能し得る。コンジュゲートは、限定するものではないが、ポリ(エチレングリコール)にグラフト化され得る、ポリアミン、ポリリシン、ポリアルキレンイミン及びポリエチレンイミンなどのカチオン性ポリマーを含み得る。非限定的な例として、コンジュゲートは、米国特許第6,586,524号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているポリマーコンジュゲート及びポリマーコンジュゲートの合成方法に類似のものであってよい。
基質にコンジュゲートするための方法の非限定的な例は、米国特許出願公開第US20130211249号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。当該方法を使用して、ポリヌクレオチドを含む、コンジュゲートされたポリマー粒子を作製することができる。
コンジュゲートはまた、標的化基、例えば、細胞または組織標的化物質、例えば、レクチン、糖タンパク質、脂質またはタンパク質、例えば、腎細胞などの特定細胞種に結合する抗体を含み得る。標的化基は、サイロトロピン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、サーファクタントプロテインA、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチル-グルコサミン多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチドミメティックまたはアプタマーであってよい。
標的化基は、タンパク質、例えば、糖タンパク質もしくはペプチド、例えば、共リガンドに対して特異的親和性を有する分子、または抗体、例えば、がん細胞、内皮細胞もしくは骨細胞などの特定細胞種に結合する抗体であってよい。標的化基にはまた、ホルモン及びホルモン受容体が含まれ得る。これらには、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチル-グルコサミン 多価マンノース、多価フルコースまたはアプタマーなどの非ペプチド種が含まれ得る。リガンドは、例えば、リポ多糖体またはp38 MAPキナーゼのアクチベーターであり得る。
標的化基は、特定の受容体を標的にすることができる任意のリガンドであり得る。例としては、限定するものではないが、葉酸、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース-6P、アパタマー、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリン、GCPII、ソマトスタチン、LDL及びHDLリガンドが挙げられる。具体的な実施形態において、標的化基は、アプタマーである。アプタマーは、非修飾であってもよいし、本明細書で開示される修飾の任意の組み合わせを有してもよい。
非限定的な例として、標的化基は、血液中枢神経系関門を通過する標的化送達のためのグルタチオン受容体(GR)結合コンジュゲートであり得る(例えば、米国特許出願公開第US2013021661012号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、本開示のコンジュゲートは、相乗性生体分子ポリマーコンジュゲートであり得る。相乗性生体分子ポリマーコンジュゲートは、より大きな治療有効性をもたらすための長時間作用性連続放出系であり得る。相乗性生体分子ポリマーコンジュゲートは、米国特許出願公開第US20130195799号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであってよい。
別の実施形態において、本開示で使用することができるコンジュゲートは、アプタマーコンジュゲートであり得る。アパタマーコンジュゲートの非限定的な例は、国際特許公開第WO2012040524号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。アプタマーコンジュゲートを使用して、ポリヌクレオチドを含む製剤の標的化送達を提供することができる。
いくつかの実施形態において、本開示で使用することができるコンジュゲートは、アミン含有ポリマーコンジュゲートであり得る。アミン含有ポリマーコンジュゲートの非限定的な例は、米国特許第US8,507,653号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、限定するものではないが、ロックド核酸に類似した修飾などの化学修飾を含み得る。
Santarisによるものなどのロックド核酸(LNA)の調製を教示する代表的な米国特許には、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:米国特許第6,268,490号、同第6,670,461号、同第6,794,499号、同第6,998,484号、同第7,053,207号、同第7,084,125号及び同第7,399,845号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号及び同第5,719,262号(それぞれを参照により本明細書に援用する)が挙げられるが、これらに限定されない。PNA化合物の更なる教示は、例えば、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497-1500に認めることができる。
本開示で取り上げられるいくつかの実施形態は、ホスホロチオエート骨格を含むポリヌクレオチド、ならびに他の修飾骨格、特に、先述の米国特許第5,489,677号の-CH2-NH-CH2-、-CH2-N(CH3)-O-CH2-[メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として知られる]、-CH2-O-N(CH3)-CH2-、-CH2-N(CH3)-N(CH3)-CH2-及び-N(CH3)-CH2-CH2-[天然ホスホジエステル骨格は-O-P(O)2-O-CH2-で表される]及び上述の米国特許第5,602,240号のアミド骨格を含むオリゴヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で取り上げられるポリヌクレオチドは、上述の米国特許第5,034,506号のモルホリノ骨格構造を有する。
2'位における修飾もまた送達を促進し得る。例えば、2'位における修飾は、ポリペプチドコーディング配列中に位置せず、すなわち、翻訳可能領域中に位置しない。2'位における修飾は、5'UTR、3'UTR及び/またはテーリング領域中に位置し得る。2'位における修飾は、次のうちの1つを2'位に含み得る:H(すなわち、2'-デオキシ);F;O-、S-もしくはN-アルキル;O-、S-もしくはN-アルケニル;O-、S-もしくはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル(ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、置換または無置換のC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル及びアルキニルであってよい)。例示的な好適な修飾には、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2).nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、及びO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(ここで、n及びmは、1~約10である)が挙げられる。他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、次のうちの1つを2'位に含み得る:C1~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態特性を改善する基または薬力学的特性を改善する基及び類似の特性を有する他の置換基。いくつかの実施形態において、修飾には、2'-メトキシエトキシ(2'-O-CH2CH2OCH3、また2'-O-(2-メトキシエチル)または2'-MOEとしても知られる)(Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78:486-504)、すなわち、アルコキシ-アルコキシ基が含まれる。別の例示的な修飾には、本明細書の以下の実施例に記載されているような2'-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、O(CH2)2ON(CH3)2基(2'-DMAOEとしても知られる)及び本明細書の以下の実施例にも記載されているような2'-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野において2'-O-ジメチルアミノエトキシエチルまたは2'-DMAEOEとしても知られる)、すなわち、2'-O-CH2-O-CH2-N(CH2)2が挙げられる。他の修飾には、2'-メトキシ(2'-OCH3)、2'-アミノプロポキシ(2'-OCH2CH2CH2NH2)及び2'-フルオロ(2'-F)が含まれる。また、類似の修飾を他の位置、特に3'末端ヌクレオチド上または2'-5'結合dsRNA中の糖の3’位、及び5'末端ヌクレオチドの5’位に行ってもよい。本開示のポリヌクレオチドはまた、ペントフラノシル糖に代えて、シクロブチル部分などの糖模倣体を有し得る。そのような修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,981,957号、同第5,118,800号、同第5,319,080号、同第5,359,044号、同第5,393,878号、同第5,446,137号、同第5,466,786号、同第5,514,785号、同第5,519,134号、同第5,567,811号、同第5,576,427号、同第5,591,722号、同第5,597,909号、同第5,610,300号、同第5,627,053号、同第5,639,873号、同第5,646,265号、同第5,658,873号、同第5,670,633号及び同第5,700,920号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)が挙げられるが、これらに限定されない。
更に他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、細胞透過性ポリペプチドに共有結合的にコンジュゲートされる。細胞透過性ペプチドはまた、シグナル配列またはターゲティング配列を含み得る。本開示のコンジュゲートは、安定性を高め、細胞トランスフェクションを増加させ、かつ/または体内分布を変える(例えば、特定の組織または細胞種に標的化する)ように設計することができる。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、送達を高めるための作用物質にコンジュゲートされ得る。非限定的な例として、作用物質は、国際公開第WO2011062965号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているような標的化ブロックを有する標的化モノマーまたはポリマーなどのモノマーまたはポリマーであり得る。別の非限定的な例において、作用物質は、本開示のポリヌクレオチドに共有結合される輸送作用物質であり得る(例えば、米国特許第6,835.393号及び同第7,374,778号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。更に別の非限定的な例において、作用物質は、米国特許第7,737,108号及び同第8,003,129号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの膜関門輸送促進作用物質であり得る。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、SMARTT POLYMER TECHNOLOGY(登録商標)(PHASERX(登録商標),Inc.(Seattle,WA))にコンジュゲートされ得る。
別の態様において、コンジュゲートは、組織または器官中でニューロンにナノ粒子を選択的に誘導するペプチドであり得る。非限定的な例として、使用されるペプチドは、米国特許出願公開第US20130129627号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているペプチドであり得るが、これらに限定されない。
更に別の態様において、コンジュゲートは、血液脳関門の通過を助けることができるペプチドであり得る。
ナノ粒子製剤
自己組織化ナノ粒子
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、自己組織化ナノ粒子とともに含む、医薬組成物を含む。核酸自己組織化ナノ粒子は、国際特許出願第PCT/US2014/027077号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)の段落[000740]~[000743]に記載されている。ポリマー系自己組織化ナノ粒子は、国際特許出願第PCT/US2014/027077号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
ナノ粒子模倣体
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのナノ粒子模倣体製剤を含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、ナノ粒子模倣体中に封入され、及び/またはナノ粒子模倣体に吸収される。ナノ粒子模倣体は、限定するものではないが、病原体、ウイルス、細菌、真菌、寄生生物、プリオン及び細胞などの送達機能生物または粒子を模倣することができる。非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、ウイルスの送達機能を模倣することができる非ヴィロン粒子中に封入され得る(国際公開第WO2012006376号ならびに米国特許出願公開第US20130171241号及び同第US20130195968号参照、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)。
ナノチューブ
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのナノチューブ製剤を含む、医薬組成物を含む。本開示のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、ロゼットナノチューブ、リンカーを含む対塩基を有するロゼットナノチューブ、カーボンナノチューブ及び/または単層カーボンナノチューブなどの少なくとも1つのナノチューブに付着または別様に結合することができる。ポリヌクレオチドは、限定するものではないが、立体結合力、イオン結合力、共有結合力及び/または他の力などの力を介してナノチューブに結合され得る。ナノチューブ及びポリヌクレオチドを含むナノチューブ製剤は、国際特許出願第PCT/US2014/027077号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
無機ナノ粒子
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、無機ナノ粒子の医薬組成物を含む。例示的な方法は、米国特許第8,257,745号に提供されており、その全体を参照により本明細書に援用する。無機ナノ粒子には、水膨潤性のクレイ物質が含まれ得るが、これらに限定されない。非限定的な例として、無機ナノ粒子には、単純なケイ酸塩から作製される合成スメクタイトクレイが挙げられる(例えば、米国特許第5,585,108号及び同第8,257,745号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、無機ナノ粒子は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドのコアと、ポリマーシェルとを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマー及び当該技術分野において知られているポリマーのいずれであってもよい。追加の実施形態において、ポリマーシェルを使用して、コア内のポリヌクレオチドを保護することができる。
半導電性及び金属性ナノ粒子
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、半導電性または金属性材料を含む水分散性ナノ粒子(米国特許出願公開第20120228565号、その全体を参照により本明細書に援用する)とともに含むか、磁性ナノ粒子中に形成される(米国特許出願公開第20120265001号及び同第20120283503号、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)医薬組成物を含む。水分散性ナノ粒子は、疎水性ナノ粒子または親水性ナノ粒子であり得る。
いくつかの実施形態において、半導電性及び/または金属性ナノ粒子は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドのコアと、ポリマーシェルとを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマー及び当該技術分野において知られているポリマーのいずれであってもよい。追加の実施形態において、ポリマーシェルを使用して、コア内のポリヌクレオチドを保護することができる。
成形ナノ粒子及び微粒子
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、ナノ粒子及び/またはマイクロ粒子の医薬組成物を含む。これらのナノ粒子及び/またはマイクロ粒子は、任意の大きさ形状及び化学的性質に成形され得る。一例として、ナノ粒子及び/またはマイクロ粒子は、LIQUIDA TECHNOLOGIES(登録商標)(Morrisville,NC)によるPRINT(登録商標)技術を使用して作製することができる(例えば、国際公開第WO2007024323号参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、成形ナノ粒子は、本明細書で開示されるポリヌクレオチドのコアと、ポリマーシェルとを含み得る。ポリマーシェルは、本明細書に記載されるポリマー及び当該技術分野において知られているポリマーのいずれであってもよい。追加の実施形態において、ポリマーシェルを使用して、コア内のポリヌクレオチドを保護することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、マイクロ粒子中に製剤化され得る。マイクロ粒子は、ポリヌクレオチドのコアと、生体適合性及び/または生分解性ポリマーの外層とを含有し得る。非限定的な例として、本開示とともに使用することができるマイクロ粒子は、米国特許第8,460,709号、米国特許出願公開第US20130129830号及び国際特許公開第WO2013075068号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであってよい。別の非限定的な例として、マイクロ粒子は、所望の期間にわたって本開示のポリヌクレオチドの放出を延長するように設計することができる(例えば、米国特許出願公開第US20130129830号(その全体を参照により本明細書に援用する)における治療用タンパク質の長期放出を参照されたい)。
本開示とともに使用されるマイクロ粒子は、少なくとも1マイクロメートル~少なくとも100マイクロメートル(例えば、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも35マイクロメートル、少なくとも40マイクロメートル、少なくとも45マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも55マイクロメートル、少なくとも60マイクロメートル、少なくとも65マイクロメートル、少なくとも70マイクロメートル、少なくとも75マイクロメートル、少なくとも80マイクロメートル、少なくとも85マイクロメートル、少なくとも90マイクロメートル、少なくとも95マイクロメートル、少なくとも97マイクロメートル、少なくとも99マイクロメートル及び少なくとも100マイクロメートル)の直径を有し得る。
NanoJacket及びNanoLiposome
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、Keystone Nano(State College,PA)によるNanoJacket及びNanoLiposomeとともに含む、医薬組成物を含む。NanoJacketは、カルシウム、リン酸を含む体内で天然に認められる化合物からできており、また少量のケイ酸塩も含み得る。Nanojacketは、サイズが5~50nmの範囲であり得、限定するものではないが、ポリヌクレオチドなどの親水性及び疎水性化合物を送達するために使用することができる。
NanoLiposomeは、限定するものではないが、体内で天然に生じる脂質などの脂質からできている。NanoLiposomeは、サイズが60~80nmの範囲であり得、限定するものではないが、ポリヌクレオチドなどの親水性及び疎水性化合物を送達するために使用することができる。一態様において、本明細書で開示されるポリヌクレオチドは、限定するものではないが、Ceramide NanoLiposomeなどのNanoLiposome中に製剤化され得る。細胞
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む、細胞を含む。本開示のポリヌクレオチドは、ex vivoで細胞にトランスフェクトすることができ、その後、対象に移植される。非限定的な例として、医薬組成物は、修飾RNAを肝臓及び骨髄細胞に送達するための赤血球、ウイルス様粒子(VLP)内の修飾RNAを送達するためのビロソーム、ならびに限定するものではないが、MAXCYTE(登録商標)(Gaithersburg,MD)及びERYTECH(登録商標)(Lyon,France)によるものなどの修飾RNAを送達するためにエレクトロポレーション処理された細胞を含み得る。ポリヌクレオチド以外のペイロードを送達するための赤血球、ウイルス性粒子及びエレクトロポレーション処理された細胞の使用例が報告されている(Godfrin et al.,Expert Opin Biol Ther.2012 12:127-133;Fang et al.,Expert Opin Biol Ther.2012 12:385-389;Hu et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2011 108:10980-10985;Lund et al.,Pharm Res.2010 27:400-420;Huckriede et al.,J Liposome Res.2007;17:39-47;Cusi,Hum Vaccin.2006 2:1-7;de Jonge et al.,Gene Ther.2006 13:400-411、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。
ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2011085231号及び同第WO2013116656号ならびに米国特許出願公開第20110171248号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって合成された合成VLPで送達され得る。
本開示のポリヌクレオチドの細胞ベース製剤は、細胞トランスフェクションを確実にし(例えば、細胞内担体)、ポリヌクレオチドの体内分布を変え(例えば、細胞担体を特定の組織または細胞種に標的化することによって)、かつ/またはコードタンパク質の翻訳を増加させるために使用することができる。
核酸を細胞に導入するには、ウイルス及び非ウイルス媒介性技法を含む、種々の方法が当該技術分野において知られており、好適である。典型的な非ウイルス媒介性技法の例には、エレクトロポレーション、リン酸カルシウムによる移入、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、ヒートショック、マグネトフェクション、リポソームによる移入、マイクロインジェクション、微粒子銃による移入(ナノ粒子)、カチオン性ポリマーによる移入(DEAE-デキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)など)または細胞融合が挙げられるが、これらに限定されない。
ソノポレーションまたは細胞超音波処理の技法は、細胞原形質膜の透過性を変更するために音波(例えば、超音波の周波数)を使用するものである。ソノポレーション法は、当業者に知られており、in vivoで核酸を送達するために使用される(Yoon and Park,Expert Opin Drug Deliv.2010 7:321-330;Postema and Gilja,Curr Pharm Biotechnol.2007 8:355-361;Newman and Bettinger,Gene Ther.2007 14:465-475、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。ソノポレーション法は、当該技術分野において知られており、また、例えば、細菌に関する場合には、米国特許出願公開第20100196983号において、他の細胞種に関する場合には、例えば、米国特許出願公開第20100009424号において教示されている(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
エレクトロポレーション法もまた当該技術分野においてよく知られており、in vivo及び臨床的に核酸を送達するのに使用される(Andre et al.,Curr Gene Ther.2010 10:267-280;Chiarella et al.,Curr Gene Ther.2010 10:281-286;Hojman,Curr Gene Ther.2010 10:128-138、これらの全ての全体を参照により本明細書に援用する)。エレクトロポレーション装置は、限定するものではないが、BTX(登録商標)Instruments(Holliston,MA)(例えば、AgilePulse In Vivo System)及びInovio(Blue Bell,PA)(例えば、Inovio SP-5P筋肉内送達装置またはCELLECTRA(登録商標)3000皮内送達装置)を含め、世界の多くの企業によって販売されている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、エレクトロポレーションによって送達され得る。
いくつかの実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞、細菌細胞、植物、微生物、藻類及び真菌細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、細胞は、限定するものではないが、ヒト、マウス、ラット、ヤギ、ウマ、ウサギ、ハムスターまたはウシの細胞などの哺乳動物細胞である。更なる実施形態において、細胞は、限定するものではないが、HeLa、NS0、SP2/0、KEK293T、Vero、Caco、Caco-2、MDCK、COS-1、COS-7、K562、Jurkat、CHO-K1、DG44、CHOK1SV、CHO-S、Huvec、CV-1、Huh-7、NIH3T3、HEK293、293、A549、HepG2、IMR-90、MCF-7、U-20S、Per.C6、SF9、SF21またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む、確立された細胞系に由来し得る。
特定の実施形態において、細胞は、限定するものではないが、クリソスポリウム属細胞、アスペルギルス属細胞、トリコデルマ属細胞、ディクチオステリウム属細胞、カンジダ属細胞、サッカロミセス属細胞、シゾサッカロマイセス属細胞及びペニシリウム属細胞などの真菌細胞である。
特定の実施形態において、細胞は、限定するものではないが、E.coli、B.subtilisまたはBL21細胞などの細菌細胞である。本開示の方法によってトランスフェクトされる初代細胞及び二代細胞は、種々の組織から得ることができ、培養中に維持され得る全ての細胞種を含むが、これらに限定されない。例えば、本開示の方法によってトランスフェクトされ得る初代細胞及び二代細胞には、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞(例えば、乳腺上皮細胞、腸管上皮細胞)、内皮細胞、グリア細胞、神経細胞、血液形成要素(例えば、リンパ球、骨髄細胞)、筋肉細胞及びこれらの体細胞種の前駆体が挙げられるが、これらに限定されない。初代細胞はまた、同一生物種または別の生物種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、トリ、ヒツジ、ヤギ、ウマ)のドナーから得ることもできる。
ミニ細胞
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドを含む、ミニ細胞を含む。一態様において、ポリヌクレオチドは、細菌ミニ細胞中に製剤化され得る。非限定的な例として、細菌ミニ細胞は、国際公開第WO2013088250号または米国特許出願公開第US20130177499号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものであり得る。
マイクロ器官
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドを含有するマイクロ器官を含む。ポリヌクレオチドをマイクロ器官中に含有させることができ、次いで、持続性治療用製剤中のコードされた目的のポリペプチドを発現させることができる。マイクロ器官及びその製剤は、国際特許出願第PCT/US2014/027077号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
エキソソーム
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、エキソソームの医薬組成物を含む。エキソソームには、少なくとも1つのポリヌクレオチドがロードされ、細胞、組織及び/または生物に送達することができる。非限定的な例として、ポリヌクレオチドは、国際公開第WO2013084000号(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているエキソソーム中にロードされ得る。
偽ビリオン
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、偽ビリオン(例えば、プソイドビリオン)の医薬組成物を含む。非限定的な例として、偽ビリオンは、Aura Biosciences(Cambridge,MA)によって開発され、かつ/または記載されているものであってよい。一態様において、偽ビリオンは、ケラチノサイト及び基底膜に薬物を送達するために開発することができる(例えば、米国特許出願公開第US20130012450号、同第US20130012566号、同第US21030012426号及び同第US20120207840号ならびに国際公開第WO2013009717号参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドを送達するために使用される偽ビリオンは、限定するものではないが、ヘルペスウイルス及びパピローマウイルスなどのウイルスに由来し得る(例えば米国特許出願公開第US20130012450号、同第US20130012566号、同第US21030012426号及び同第US20120207840号及び国際公開第WO2013009717号、そのそれぞれの全体を参照により本明細書に援用する;ならびにMa et al.HPV pseudovirions as DNA delivery vehicles.Ther Deliv.2011:2(4):427-430;Kines et al.The initial steps leading to papillomavirus infection occur on the basement membrane prior to cell surface binding.PNAS 2009:106(48),20458-20463;Roberts et al.Genital transmission of HPV in a mouse model is potentiated by nonoxynol-9 and inhibited by carrageenan.Nature Medicine.2007:13(7)857-861;Gordon et al.,Targeting the Vaginal Mucosa with Human Papillomavirus Pseudovirion Vaccines delivering SIV DNA.J Immunol.2012 188(2)714-723;Cuburu et al.,Intravaginal immunization with HPV vectors induces tissue-resident CD8+ T cell responses.The Journal of Clinical Investigation.2012:122(12)4606-4620;Hung et al.,Ovarian Cancer Gene Therapy Using HPV-16 Pseudovirion Carrying the HSV-tk Gene.PLoS ONE.2012:7(7)e40983;Johnson et al.,Role of Heparan Sulfate in Attachment to and Infection of the Murine Female Genital Tract by Human Papillomavirus.J Virology.2009:83(5)2067-2074参照、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。
偽ビリオンは、米国特許出願公開第US20120015899号及び同第及びUS20130177587号ならびに国際特許公開第WO2010047839号、同第WO2013116656号、同第WO2013106525号及び同第WO2013122262号(そのそれぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって調製されたウイルス様粒子(VLP)であってよい。一態様において、VLPは、バクテリオファージであるMS、Qβ、R17、fr、GA、Sp、MI、I、MXI、NL95、AP205、f2、PP7、ならびに植物ウイルスであるカブクリンクルウイルス(TCV)、トマト畑スタントウイルス(TBSV)、南方豆モザイクウイルス(SBMV)、及びソラマメモットルウイルス、ブロムモザイクウイルス、カシアレッドブロッチウイルス、ササゲクロロティックモットルウイルス(CCMV)、メランドリウムイエローフレックウイルス及びクレイトニア潜伏ウイルスを含むブロモウイルス属のメンバーであり得るが、これらに限定されない。別の態様において、VLPは、米国特許出願公開第US20130177587号または米国特許第8,506,967号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているインフルエンザウイルスに由来し得る。更に別の態様において、VLPは、国際特許公開第WO2013116656号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの、脂質膜または粒子外側に係留されたB7-1及び/またはB7-2分子を含み得る。一態様において、VLPは、国際特許公開第WO2012049366号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているVLPなどのように、ノロウイルス、ロタウイルス組み換えVP6タンパク質または二層VP2/VP6に由来し得る。
偽ビリオンは、限定するものではないが、国際公開第WO2010120266号及び米国特許出願公開第US20120171290号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)、ならびにMa et al.HPV pseudovirions as DNA delivery vehicles.Ther Deliv.2011:2(4):427-430;Kines et al.The initial steps leading to papillomavirus infection occur on the basement membrane prior to cell surface binding.PNAS 2009:106(48),20458-20463;Roberts et al.Genital transmission of HPV in a mouse model is potentiated by nonoxynol-9 and inhibited by carrageenan.Nature Medicine.2007:13(7)857-861;Gordon et al.,Targeting the Vaginal Mucosa with Human Papillomavirus Pseudovirion Vaccines delivering SIV DNA.J Immunol.2012 188(2)714-723;Cuburu et al.,Intravaginal immunization with HPV vectors induces tissue-resident CD8+ T cell responses.The Journal of Clinical Investigation.2012:122(12)4606-4620;Hung et al.,Ovarian Cancer Gene Therapy Using HPV-16 Pseudovirion Carrying the HSV-tk Gene.PLoS ONE.2012:7(7)e40983;Johnson et al.,Role of Heparan Sulfate in Attachment to and Infection of the Murine Female Genital Tract by Human Papillomavirus.J Virology.2009:83(5)2067-2074(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのヒトパピローマウイルス様粒子であり得る。
一態様において、偽ビリオンは、限定するものではないが、米国特許出願公開第US20130116408号及び同第US20130115247号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどのビリオン由来ナノ粒子であり得る。ビリオン由来ナノ粒子は、米国特許出願公開第US20130116408号及び同第US20130115247号または国際特許公開第WO2013119877号(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている方法によって作製することができる。
いくつかの実施形態において、ウイルス様粒子(VLP)は、自己組織化粒子であり得る。自己組織化VLP及び自己組織化VLPの作製方法の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013122262号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
シルクベース送達
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのシルクベース送達用に製剤化された医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、持続放出性シルクベース送達系に製剤化され得る。シルクベース送達系は、シルクフィブロイン溶液を、限定するものではないが、本明細書に記載されるポリヌクレオチド及び/または当該技術分野において知られているポリヌクレオチドなどの治療薬と接触させることによって形成することができる。非限定的な例として、本開示に使用することができる持続放出性シルクベース送達系及び当該系の作製方法は、米国特許出願公開第US20130177611号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
マイクロ粒子
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドのマイクロ粒子製剤を含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドを含む製剤は、マイクロ粒子を含み得る。マイクロ粒子は、本明細書に記載されるポリマー及び/または当該技術分野において知られているポリマー、限定するものではないが、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル及びポリ酸無水物などを含み得る。マイクロ粒子は、ポリヌクレオチドなどの生物学的に活性な分子を吸着する吸着性表面を有し得る。非限定的な例として、本開示とともに使用される微粒子及び微粒子の作製方法は、米国特許出願公開第US2013195923号及び同第US20130195898号ならびに米国特許第8,309,139号及び同第8,206,749号に記載されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
別の実施形態において、製剤は、マイクロ粒子及びポリヌクレオチドを含むマイクロエマルションであり得る。非限定的な例として、マイクロ粒子を含むマイクロエマルションは、米国特許出願公開第US2013195923号及び同第US20130195898号ならびに米国特許第8,309,139号及び同第8,206,749号に記載されており、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
微小胞
本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの微小胞ベース製剤を含む、医薬組成物を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、微小胞中に製剤化され得る。微小胞の非限定的な例には、米国特許出願公開第US20130209544号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載のものが挙げられる。
いくつかの実施形態において、微小胞は、ARRDC1による微小胞(ARMM)である。ARMM及びARMMの作製方法の非限定的な例は、国際特許公開第WO2013119602号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
高分子電解質複合体
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、高分子電解質複合体の医薬組成物を含む。高分子電解質複合体は、電荷動的ポリマーが1つ以上のアニオン性分子と複合体化するときに形成される。電荷動的ポリマー及び高分子電解質複合体ならびに高分子電解質複合体の作製方法の非限定的な例は、米国特許第8,524,368号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
結晶性ポリマー系
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を含む、結晶性ポリマー系の医薬組成物を含む。結晶性ポリマー系は、結晶性部分及び/または結晶性部分を含む末端単位を有するポリマーである。「CYCポリマー」結晶性ポリマー系と称される、結晶性部分及び/または結晶性部分を含む末端単位を有するポリマーならびに当該ポリマー及び当該系の作製方法の非限定的な例は、米国特許第US8,524,259号に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
mRNAのための抗凍結剤
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、抗凍結剤とともに含む、医薬組成物を含む。本明細書で使用されるとき、「抗凍結剤」という用語は、所与の物質と組み合わされたとき、凍結時に物質に対して生じる損傷を低減または排除するのを助ける1つ以上の作用物質を指す。いくつかの実施形態において、抗凍結剤は、凍結中のポリヌクレオチドを安定化させるために、ポリヌクレオチドと組み合わされる。-20℃~-80℃でのmRNAの凍結保存は、ポリヌクレオチドの長期安定性(例えば、36ヶ月)に有利であり得る。いくつかの実施形態において、凍結/解凍サイクル中及び凍結保存条件下のポリヌクレオチドを安定化させるために、抗凍結剤をポリヌクレオチド製剤中に含める。本開示の抗凍結剤には、スクロース、トレハロース、ラクトース、グリセロール、デキストロース、ラフィノース及び/またはマンニトールが含まれ得るが、これらに限定されない。トレハロースは、米国食品医薬品局によりGRAS(一般に安全と認められる)と記載され、市販の医薬製剤に一般に使用されている。
増量剤
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、増量剤とともに含む、医薬組成物を含む。本明細書で使用されるとき、「増量剤」という用語は、製剤に、所望の粘稠度及び/または製剤成分の安定化をもたらすために製剤中に包含される、1つ以上の作用物質を指す。いくつかの実施形態において、「薬学的に洗練された」ケーキをもたらし、長期保存(例えば、36ヶ月)中の凍結乾燥ポリヌクレオチドを安定化させるために、凍結乾燥ポリヌクレオチド製剤中に増量剤を含める。本開示の増量剤には、スクロース、トレハロース、マンニトール、グリシン、ラクトース及び/またはラフィノースが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、凍結中のポリヌクレオチドを安定化させ、また凍結乾燥のための増量剤をもたらすために、抗凍結剤と増量剤(例えば、スクロース/グリシンまたはトレハロース/マンニトール)の組み合わせを含めることができる。
本開示のポリヌクレオチドの製剤及び製剤化方法の非限定的な例は、2012年12月14日に出願された国際公開第WO2013090648号(それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する)にも提供されている。
不活性成分
本開示はまた、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチドの製剤を、不活性成分である少なくとも1つの賦形剤とともに含む、医薬組成物を含む。本明細書で使用されるとき、「不活性成分」という用語は、製剤中に含まれる1つ以上の不活性物質を指す。いくつかの実施形態において、本開示の製剤に使用することができる不活性成分の全てまたは一部は、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されてもよいし、承認されなくてもよい。不活性成分及び不活性成分が製剤化され得る投与経路の非包括的な一覧は、国際出願第PCT/US2014/027077号に記載されている。
VII.ポリヌクレオチドの使用方法
本開示のポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)は、治療上有効な効果をもたらす任意の経路によって投与され得る。これらには、経腸(腸管へ)、経胃腸、硬膜外(硬膜へ)、経口(口を介して)、経皮、硬膜周囲、脳内(大脳へ)、側脳室内(脳室へ)、皮膚上(皮膚への適用)、皮内(皮膚自体へ)、皮下(皮膚の下)、経鼻投与(鼻を介して)、静脈内(静脈へ)、静脈ボーラス、点滴、動脈内(動脈へ)、筋肉内(筋肉へ)、心臓内(心臓へ)、骨内注入(骨髄へ)、髄腔内(脊椎管へ)、腹腔内(腹膜への注入または注射)、膀胱内注入、硝子体内(眼を介して)、空洞内注射(病的空洞へ)、腔内(陰茎基部へ)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のための傷のない皮膚を介した拡散)、経粘膜(粘膜を介した拡散)、経膣、吹送(鼻からの吸引)、舌下、唇下、浣腸、点眼(結膜上へ)、点耳、耳介(耳内または耳を介して)、頬側(頬に向けて)、結膜、皮膚、歯(1本以上の歯へ)、電気浸透、子宮頸管内、副鼻腔内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質内、腹腔内、羊膜内、関節内、胆管内、気管支内、滑液包内、軟骨内(軟骨内部)、尾骨内(ウマ尾内部)、大槽内(小脳延髄大槽内部)、角膜内(角膜内部)、歯冠内、冠内(冠動脈内部)、陰茎海綿体内(陰茎の陰核海綿体の膨張性空隙内部)、椎間板内(椎間板内部)、導管内(腺導管内部)、十二指腸内(十二指腸内部)、硬膜内(硬膜内部または下)、表皮内(表皮へ)、食道内(食道へ)、胃内(胃内部)、歯肉内(歯肉内部)、回腸内(小腸遠位部分内部)、病巣内(局在性病変の内部または直接導入)、管腔内(管腔内部)、リンパ管内(リンパ内部)、髄内(骨髄腔内部)、髄膜内(髄膜内部)、眼内(眼内部)、卵巣内(卵巣内部)、心膜内(心膜内部)、胸膜内(胸膜内部)、前立腺内(前立腺腺内部)、肺内(肺またはその気管支内部)、副鼻腔内(鼻洞または眼窩周囲洞内部)、脊髄内(脊柱内部)、滑液嚢内(関節の滑液腔内部)、腱内(腱内部)、精巣内(精巣内部)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルにおける脳脊髄液内部)、胸郭内(胸郭内部)、小管内(器官細管内部)、腫瘍内(腫瘍内部)、鼓室内(中耳内部)、血管内(1以上の血管内部)、脳室内(脳室内部)、イオントフォレシス(電流を用いるもので、可溶性塩イオンが体内組織に移動する)、灌注(開放創傷または体腔を洗浄または洗い流す)、喉頭(喉頭に直接)、経鼻胃(鼻を介して胃内に)、密封包帯法(次いで領域を塞ぐ包帯剤で被覆する局所投与経路)、眼部(外眼部へ)、中咽頭(口及び咽頭に直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜周囲、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(局所性または全身性効果のために口または鼻から吸入することによる気道内部)、眼球後(脳橋背後または眼球背後)、心筋内(心筋内)、軟組織、クモ膜下、結膜下、粘膜下、局所、経胎盤(胎盤を介してまたは通して)、経気管(気管壁を介して)、経鼓膜(鼓室を通してまたは介して)、尿管(尿管へ)、尿道(尿道へ)、膣、仙骨ブロック、診断、神経ブロック、胆管灌流、心臓灌流、フォトフェレーシスまたは脊椎が含まれるが、これらに限定されない。具体的な一実施形態において、組成物は、血液脳関門、血管関門または他の上皮関門を通過できるような方法で投与され得る。いくつかの実施形態において、ある投与経路のための製剤は、少なくとも1つの不活性成分を含み得る。
本開示のポリヌクレオチドは、細胞にネイキッドで送達され得る。本明細書で使用されるとき、「ネイキッド」は、トランスフェクションを促進する作用物質を含まずにポリヌクレオチドを送達することを指す。例えば、細胞に送達されるポリヌクレオチドは、修飾を含有しなくてもよい。ネイキッドのポリヌクレオチドは、当該技術分野において知られ、本明細書に記載される投与経路を使用して、細胞に送達され得る。
本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される方法を使用して製剤化することができる。製剤は、修飾及び/または非修飾であり得るポリヌクレオチドを含有し得る。製剤は、細胞透過剤、薬学的に許容される担体、送達剤、生体内分解性または生体適合性ポリマー、溶媒及び持続放出送達デポ剤を更に含み得るが、これらに限定されない。製剤化されたポリヌクレオチドは、当該技術分野において知られ、本明細書に記載される投与経路を使用して、細胞に送達され得る。
組成物はまた、限定するものではないが、直接浸漬または薬浴、カテーテル経由、ゲル剤、散剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤及び/または滴剤によること、組成物を被覆または浸漬したファブリック材料または生分解性材料などの基材を使用することなどを含む、当該技術分野における複数の方法のいずれかにおける、器官または組織への直接送達用に製剤化され得る。
非経口投与及び注射投与
本開示は、非経口投与及び注射投与に好適な形態での本開示のポリヌクレオチド(すなわち、MCMポリペプチドをコードするORFを含むポリヌクレオチド)の送達を包含する。非経口投与用の液体製剤には、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及び/またはエリキシル剤が含まれるが、これらに限定されない。液体製剤は、有効成分に加えて、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒など)、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステルならびにこれらの混合物を含み得る。経口用組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味剤ならびに/または着香剤などの補助剤を含み得る。非経口投与のためのある特定の実施形態において、組成物は、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー及び/またはこれらの組み合わせなどの可溶化剤と混合される。
非経口投与用の医薬組成物は、少なくとも1つの不活性成分を含み得る。使用される不活性成分のいずれも、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されていてもよいし、承認されていなくてもよい。非経口投与用の医薬組成物に使用される不活性成分の非包括的な一覧には、塩酸、マンニトール、窒素、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムが含まれる。
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性または油性懸濁剤は、既知の技術に従って、好適な分散剤、湿潤剤及び/または懸濁化剤を使用して製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非経口的に許容される無毒の希釈剤及び/または溶媒中(例えば、1,3-ブタンジオール中溶液)の無菌注射用液剤、懸濁剤及び/または乳濁剤であり得る。使用され得る許容されるビヒクル及び溶媒は、水、U.S.P.リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。溶媒または懸濁媒には、無菌不揮発性油が慣習的に利用されている。この目的のために、合成モノジグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性不揮発性油を利用することができる。オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用され得る。無菌製剤はまた、局所麻酔剤、保存剤及び緩衝剤などの補助剤を含み得る。
注射製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって無菌化され得、かつ/または使用直前に滅菌水もしくは他の無菌注射用媒体中に溶解もしくは分散することができる無菌固形組成物の形態である無菌剤を組み込むことによって無菌化され得る。
注射製剤は、組織、器官及び/または対象の領域中への直接注射用であり得る。非限定的な例として、虚血領域への心筋内注射によって、組織、器官及び/または対象に製剤を直接注射してもよい(例えば、Zangi et al.Nature Biotechnology 2013参照、その内容全体を参照により本明細書に援用する)。
有効成分の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射からの有効成分の吸収を遅らせることが望ましいことがある。これは、水溶性の低い結晶性または非晶質物質の液体懸濁剤の使用によって達成することができる。次いで、薬剤の吸収速度は、溶解速度に左右され、溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与される薬物形態の吸収遅延は、油性ビヒクル中に薬物を溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポ形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製することができる。薬物とポリマーの比及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。注射用デポ製剤は、体内組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に薬物を封入することによって調製される。
治療用途
本開示のポリヌクレオチドは、メチルマロニルCoAムターゼ(MCM)ポリペプチドをコードするmRNAを含むポリヌクレオチド分子の調製、製造及び治療的使用に使用される。いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、MCMに関連する疾患、障害または状態の治療及び/または予防に使用することができる。典型的に、排他的にではないが、本開示のポリヌクレオチドは、メチルマロン酸血症の治療及び/または予防に使用することができる。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、、メチルマロン酸のレベルを減少させることを、それを必要とする対象において行うための方法にて使用される。例えば、本開示の一態様は、MCMをコードするポリヌクレオチドを含む組成物を対象に投与することにより、当該対象におけるメチルマロン酸血症の症状を軽減する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、メチルマロン酸血症に関連する代謝産物のレベルを減少させる方法に使用され、当該方法は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの有効量を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、有効量のポリヌクレオチドの投与により、対象において、メチルマロン酸、プロピオニルカルニチン、アセチルカルニチン、プロピオニルCoA、D-メチルマロニルCoA、L-メチルマロニルCoAまたはこれらの組み合わせなどのメチルマロン酸血症のバイオマーカーレベルが減少する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの投与により、ポリヌクレオチドの投与後の短時間内にメチルマロン酸血症の1つ以上のバイオマーカーのレベルが減少する。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの投与により、対象の細胞におけるメチルマロニルCoAムターゼの発現が減少する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの投与により、対象のMCM酵素活性が増大する。例えば、いくつかの実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、MCMをコードするmRNAを含む組成物を対象に投与する方法に使用され、当該方法により、対象の少なくともいくつかの細胞のMCM酵素活性が増大する。いくつかの実施形態において、MCMをコードするmRNAを含む組成物を対象に投与することにより、対象の細胞のMCM酵素活性が少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%または100%を超えて増加する。いくつかの実施形態において、MCMをコードするmRNAを含む組成物を対象に投与することにより、対象の細胞のMCM酵素活性が、正常な対象、例えば、MMAに罹患していない正常なヒトにおいて予想される活性レベルの少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%以上のレベルまで増加する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの投与により、対象の細胞のうちの少なくともいくつかでメチルマロニルCoAムターゼが発現され、有効なメチルマロニルCoA代謝が生じることが可能な十分な期間持続する。
いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドの発現が増加する。いくつかの実施形態において、IVTポリヌクレオチドは、細胞に導入されたとき、当該細胞のMCM発現レベルを、例えば、20~50%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%または少なくとも50%増加させる。
いくつかの実施形態において、方法または使用は、ポリヌクレオチド、例えば、配列番号1~207、732~765及び772からなる群から選択されるポリヌクレオチドに対して、かなりの配列類似性を有するORFを含む、mRNAを投与することを含み、当該ORFは、MCMポリペプチドをコードする。本開示の他の態様は、ポリヌクレオチド含有細胞を哺乳動物対象に移植することに関する。哺乳動物対象への細胞の投与には、当業者に知られており、局所移植(例えば、局所または皮下投与)、器官送達または全身注射(例えば、静脈内注射または吸入)、及び薬学的に許容される担体中の細胞製剤が含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドを含有するそのような組成物は、筋肉内、経動脈的、腹腔内、静脈内、鼻腔内、皮下、内視鏡的、経皮、または髄腔内の投与用に製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、長期放出用に製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、本方法は、L-メチルマロニルCoAからスクシニルCoAへの変換を、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、5%、10%、20%、25%、30%、35%40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%またはそれ以上触媒することができる。いくつかの実施形態において、方法は、L-メチルマロニルCoAからスクシニルCoAへの変換を、0.1%~5%、5%~25%、10%~25%、10%~30%、20%~40%、10%~50%、20%~50%、10%~75%、20%~75%、30%~75%、30%~85%、または25%~100%の範囲で触媒することができる。
いくつかの実施形態において、方法は、AdoCblの合成に十分な酵素活性の少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、5%、10%、20%、25%、30%、35%40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%またはそれ以上を達成する。いくつかの実施形態において、方法は、アデノシルコバラミン(AdoCbl)の合成に十分な酵素活性を、0.1%~5%、5%~25%、10%~25%、10%~30%、20%~40%、10%~50%、20%~50%、10%~75%、20%~75%、30%~75%、30%~85%、または25%~100%の範囲で達成する。
いくつかの実施形態において、方法は、健康な個体にみられるアデノシルコバラミン(AdoCbl)の活性形態の少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、2.5%、5%、10%、20%、25%、30%、35%40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%またはそれ以上を合成するのに十分な酵素活性を達成する。いくつかの実施形態において、方法は、健康な個体にみられるAdoCblの活性形態の0.1%~5%、5%~25%、10%~25%、10%~30%、20%~40%、10%~50%、20%~50%、10%~75%、20%~75%、30%~75%、30%~85%、または25%~100%の範囲を合成するのに十分な酵素活性を達成する。
いくつかの実施形態において、方法は、それを必要とする患者に別の治療法と組み合わせてポリヌクレオチドを投与することを伴う。そのような方法は、追加の治療法を実施する前、それと同時、またはその後にポリヌクレオチドを投与することを伴い得る。いくつかの実施形態において、そのような方法は、相加効果または相乗効果を有する。いくつかの実施形態において、MMAを治療するための方法であって、それを必要とする患者に、MCMポリペプチドをコードする有効量のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を投与することと、有効量の別の治療法を実施することとを含む、当該方法が本明細書で提示される。そのような他の治療法の例には、コバラミンサプリメント、カルニチンサプリメント及び抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。別の具体的な実施形態において、MMAを治療するための方法であて、それを必要とする患者にMCMポリペプチドをコードする有効量のポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を投与することと、低タンパク質食を維持することとを含む、当該方法が本明細書で提示される。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を患者に投与することを伴う治療クールの前、最中及び/または後に、患者の生体試料(例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿または任意の他の生体液)中のメチルマロン酸の濃度がモニターされる。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を患者に投与することを伴う治療クールの前、最中及び/または後に、患者の生体試料(例えば、尿、血液、血漿、血清、脳脊髄液または任意の他の生体液)中のメチルクエン酸の濃度がモニターされる。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を患者に投与することを伴う治療クールの前、最中及び/または後に、患者の生体試料(例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、尿または任意の他の生体液)中のプロピオニルカルニチンの濃度がモニターされる。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を患者に投与することを伴う治療クールの前、最中及び/または後に、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベルがモニターされる。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を患者に投与することを伴う治療クールの前、最中及び/または後に、尿中尿素:メチルマロン酸比がモニターされる。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の患者への投与量、投与頻度及び/または投与期間は、メチルマロン酸、メチルクエン酸もしくはプロピオニルカルニチンの濃度、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベルまたは尿中尿素:メチルマロン酸比の結果により変更され得る。あるいは、これらのモニタリングパラメーター(例えば、メチルマロン酸、メチルクエン酸もしくはプロピオニルカルニチンの濃度、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベルまたは尿中尿素:メチルマロン酸比)のうちの1つ以上における変化は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の投与を伴う治療クールがMMAの治療に有効であることを示し得る。
具体的な一実施形態において、(a)MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の1用量以上をそれを必要とする患者に投与することと、(b)ステップ(a)の前及び/または後に、メチルマロン酸、メチルクエン酸もしくはプロピオニルカルニチンの濃度(例えば、血漿、血清、脳脊髄液、尿またはの他の生体液などの生体試料で検出)、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベルまたは尿中尿素:メチルマロン酸比をモニターすることとを含む、MMAを治療するための方法が本明細書で提示される。いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、メチルマロン酸の濃度をモニターすることを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、メチルマロン酸、メチルクエン酸及び/またはプロピオニルカルニチンの濃度をモニターすることを含む。いくつかの実施形態において、モニタリングステップ(b)は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与のある特定の用量回数(例えば、1、2、4、6、8、10、12、14、15もしくは20回以上の用量回数;または2~4、2~8、2~20もしくは2~30回)の前及び/もしくは後、またはある特定の期間後(例えば、1、2、3、4、5、6もしくは7日後;または1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、45、48もしくは50週間後)に実施される。いくつかの実施形態において、これらのモニタリングパラメーターのうちの1つ以上は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の投与前に検出される。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物の投与後における、メチルマロン酸、メチルクエン酸もしくはプロピオニルカルニチンの濃度の減少、または赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベルの減少は、当該治療クールがMMAの治療に有効であることを示す。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の投与後における、尿中尿素:メチルマロン酸比の増加は、当該治療クールがMMAの治療に有効であることを示す。
患者のメチルマロン酸、メチルクエン酸もしくはプロピオニルカルニチンの濃度、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸(OLCFA)レベル、または尿中尿素:メチルマロン酸比は、当業者に知られている任意の技術によって検出され得る。いくつかの実施形態において、患者におけるメチルマロン酸、メチルクエン酸またはプロピオニルカルニチンの濃度を検出するための方法は、患者から組織または体液試料を得ることと、生体試料(例えば、血漿血清試料、脳脊髄液、尿または他の生体液由来)をある特定の種類の処理(例えば、遠心分離)に供し、かつ、例えば、標準ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)安定同位体希釈法、正化学イオン化ガスクロマトグラフィー質量分析法(CI GC-MS)分光法(例えば、UV分光法)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の使用による検出に供して、生体試料中のメチルマロン酸、メチルクエン酸、プロピオニルカルニチンまたは尿素の濃度を検出することとを伴う。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する1つ、2つまたはそれ以上の症状を軽減または管理する。MMAの1つ、2つまたはそれ以上の症状の軽減または管理は、MMAの治療に対するポリヌクレオチドの有効性の臨床エンドポイントに使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する1つ以上の症状の継続期間及び/または重症度を低減する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する1つ以上の症状の発症、進行及び/または再発を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する症状の数を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する1つ以上の症状の進行を阻害または減少させる。
MMAに関連する症状には、無呼吸、高アンモニア血症、代謝性アシドーシス、嗜眠、嘔吐、脱水、緊張低下、低血糖症、反復酵母感染、腎障害、精神遅滞、発育遅延、痙攣、運動障害、急性脳症、顔面異形症(例えば、広い額、広い鼻橋、内眼角贅皮、長く滑らかな人中または三角形の口)、脳卒中、皮膚損傷(例えば、モニリア症)、偶発的肝腫大、舞踏アテトーゼの急性発症、ジストニア、嚥下困難、構音障害、成長障害(例えば、成長不全)、腎臓疾患または腎不全、組織損傷、摂食障害、認知障害、一般的感染症によって惹起される代謝性発作及び糸球体濾過量(GFR)の減少が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、次のうちの1つ、2つまたはそれ以上を低減または排除する:MMAに関連する代謝性アシドーシス、発育不全、運動障害、代謝代償不全エピソード(例えば、エピソードの頻度及び/または回数)、皮膚損傷、緊張低下、痙攣及び腎障害。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAと診断された患者における腎機能、発育、認知能力及び運動を改善する。
いくつかの実施形態において、MMA本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAと診断された患者の入院(例えば、入院頻度または入院継続期間)を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAと診断された患者の入院期間を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、入院率を減少させる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、MMAと診断された患者の生存を増大させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMAと診断された対象の死亡率を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MMA患者の無症状生存を増大させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、患者のMMAを治癒するのではなく、疾患の進行または悪化を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、別の治療法の治療効果を向上または改善する。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における血漿中メチルマロン酸の濃度を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または5%~50%、10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における尿中メチルマロン酸の濃度を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または5%~50%、10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における尿中メチルマロン酸の代謝産物の濃度を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または5%~50%、10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における血漿中プロピオニルカルニチンの濃度を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または5%~50%、10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における尿中メチルクエン酸の濃度を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における赤血球中の奇数長鎖脂肪酸レベルを、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における尿中尿素:メチルマロン酸比を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で増加させる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象における細胞酵素活性を、当該技術分野においてよく知られている方法または本明細書に記載される方法によって評価したとき、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与前のそれぞれの濃度に対して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、または10%~50%、20%~50%、20%~75%、25%~75%、25%~90%もしくは10%~99%の範囲で増加させる。ある特定の実施形態において、細胞酵素活性の増加は、対象から細胞(例えば、線維芽細胞またはリンパ球)を取得し、その細胞をポリヌクレオチドの存在下または非存在下で培養し、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の存在下における細胞酵素活性と、ポリヌクレオチドの非存在下における細胞酵素活性とを比較することによって決定される。細胞酵素活性を測定するための技術は、当該技術分野において知られており、本明細書に記載される(例えば、以下のセクション6参照)。
いくつかの態様において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、対象の発育機能または認知機能を改善する。いくつかの態様において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、当該技術分野においてよく知られている方法によって評価したとき、対象による筋収縮の制御を改善する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、腎機能を改善する。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、腎臓移植、肝臓移植またはその両方の必要性を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、入院の必要性を減少させる。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、入院期間及び/または入院頻度を減少させる。
いくつかの実施形態では、対象はヒト男性である。いくつかの実施形態では、対象はヒト女性である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、胎児である。本実施形態によれば、ポリヌクレオチドが胎盤を通過して胎児に届くような方法で、妊娠女性にポリヌクレオチドが投与され得る。あるいは、ポリヌクレオチドは、例えば、注射によって、胎児に直接投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ヒト乳幼児である。一実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、高齢のヒトである。別の実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ヒト成人である。別の実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ヒト小児である。別の実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ヒト幼児である。
具体的な一実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、5歳未満のヒトである。別の具体的な実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、5歳を超えるヒトである。具体的な一実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、5歳未満、5歳を超える、または18歳以上のヒトである。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象には、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)もしくはその医薬組成物、または併用療法が、ポリヌクレオチド以外の治療法に対する任意の有害作用または不耐性が生じるまで、施される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、難治性患者である。特定の実施形態において、難治性患者は、標準療法(例えば、カルニチンまたはコバラミンサプリメント)に不応性であるMMA患者である。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ポリヌクレオチドによる治療以外の治療法に対して不応性であることが判明しており、これらの治療法をもう受けていないヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、カルニチンサプリメント、コバラミンサプリメント、抗生物質、腎臓移植及び/または肝臓移植などの1つ以上の従来のMMA療法を既に受けているヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、低タンパク質食を受けているヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、イソロイシン、トレオニン、メチオニン及びバリンを含有する物質を避ける食事を受けているヒトである。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、従来の治療法による有害反応を受けやすいヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物の投与前に、ある治療法、例えば、カルニチンサプリメント、コバラミンサプリメント、抗生物質、腎臓移植及び/または肝臓移植を受けたことがないヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物の投与前に、ある治療法を受けたことがあるヒトである。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、前治療による有害な副作用を経験したことがあるか、ヒトに対する毒性が許容できないレベルであるために前治療を中止したヒトである。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法に従ってMMAの治療がなされる対象は、メチルマロニルCoAムターゼ(MCM)が完全欠損(mut0)または部分欠損(mut-)していると診断されたヒトである。MCMをコードする遺伝子は、MUT遺伝子と呼ばれ、染色体6p21.1に位置する。
用量及び投与
本明細書で提供されるMMAを治療するための方法によれば、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、様々な経路によって、有益な効果または治療効果をもたらす量で、それを必要とする対象に投与され得る。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、静脈内投与され得る。
MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を1つ以上の追加療法と組み合わせて投与することを伴う、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法によれば、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)及び1つ以上の追加療法は、同じ投与経路または異なる投与経路によって投与され得る。
MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の投与用量及び投与頻度は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に投与され、あらゆる副作用を最小限に抑えつつ、有効なものであり得る。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の正確な投与用量及び投与頻度は、治療を必要とする対象に関連する要因を考慮して、医師によって決定され得る。考慮され得る要因には、病状の重症度、対象の全般的な健康状態、対象の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬物併用(複数可)、反応感受性、ならびに治療法に対する耐性/応答が含まれる。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物の投与用量及び投与頻度は、ポリヌクレオチドの十分なレベルをもたらすために、または所望の効果を維持するために、時間の経過とともに調整され得る。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、次のうちの1つ以上を達成する投与用量及び投与頻度で、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に投与される。(i)1つ以上のMMA症状の重症度の低減または改善、(ii)MMAに関連する1つ以上の症状の継続期間の減少、(iii)MMAに関連する症状の再発の予防、(iv)対象の入院の減少、(v)入院期間の減少、(vi)対象の生存の増加、(vii)別の治療法の治療効果の向上または改善、(viii)発育能力または認知能力の改善、(ix)代謝代償不全エピソードの頻度及び/または回数の減少、(x)筋収縮の制御の改善、(xi)死亡率の減少、(xii)患者の生存率の増加、(xiii)入院率の減少、(xiv)MMAに関連する1つ以上の症状の進展または発症の阻害、(xv)MMAに関連する症状の数の減少、(xvi)生体液(例えば、血漿または尿)中のメチルマロン酸の濃度の減少、(xvii)生体液(例えば、血漿または尿)中のプロピオニルカルニチンまたはメチルクエン酸などのメチルマロン酸の代謝産物の濃度の減少、(xviii)赤血球中の奇数長鎖脂肪酸レベルの減少、(xix)尿中尿素:メチルマロン酸比の増加、(xx)MMA患者の無症状生存の増加、(xxi)腎機能の改善、ならびに(xxii)当該技術分野においてよく知られている方法によって評価したときの生活の質の改善。
いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、1日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、2日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、3日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、4日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、5日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、6日に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、2週に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、3週に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、月に1回投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、罹患しているMMA患者における症状の減少を維持するのに十分な月間スケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物が、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法に従って、それを必要とする対象に、ある特定の期間にわたって毎日投与される、継続療法のための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物は、以後24時間内に毎日、毎週、毎月または毎年継続して投与される。
治療法の治療クール期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年またはそれ以上の範囲であり得る。治療期間は、1日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年またはそれ以上の範囲であり得る休薬期間によって中断されてもよい。そのような決定は、当業者(例えば、医師)によってなされ得る。いくつかの実施形態において、治療は、断続的であり、治療期間の後に治療のない期間が続く。継続治療は、1日以上、数ヶ月、数週または数年、中断されてもよい。継続治療はまた、1日以上、数ヶ月、数週または数年間継続する休薬期間が続いてもよく、休薬期間の後に継続治療が再開される。
具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.01~10mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08、mg/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、0.9mg/kg、1.0mg/kg、約1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、約1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、約1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、約2.0mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、約2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、3.0mg/kg、3.5mg/kg、4.0mg/kgまたは約5.0mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.01~2mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~1mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~1mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~0.5mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.03~0.5mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.04~0.5mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.05~0.5mg/kgの用量で投与される。
具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~0.5mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~0.1あるいは0.2mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.02~0.1あるいは0.2mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.03~0.1あるいは0.2mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.04~0.1あるいは0.2mg/kgの用量で投与される。具体的な実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物は、約0.05~0.1あるいは0.2mg/kgの用量で投与される。
他の実施形態において、本開示のポリヌクレオチドの有効用量は、0.1mg/kg~1.0mg/kg、0.1mg/kg~10mg/kg、0.1mg/kg~2mg/kg、0.1mg/kg~5mg/kg、1mg/kg~5mg/kg、または1mg/kg~3mg/kgである。いくつかの実施形態において、有効用量は、投与後の血漿中MMAレベルを投与前の血漿中MMAレベルと比較して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%減少させるのに十分なものである。他の実施形態において、血漿中MMAレベルは、投与前の血漿中MMAレベルと比較して、約75%~85%減少する。
他の実施形態において、有効用量は、投与後の血漿中MMAレベルを約5μmol/L、約4.5μmol/L、約4μmol/L、約3.5μmol/L、約3μmol/L、約2.5μmol/L、約2μmol/L、約1.5μmol/L、約1μmol/L、約0.9μmol/L、約0.8μmol/L、約0.7μmol/L、約0.6μmol/L、約0.5μmol/L、約0.4μmol/L、約0.3μmol/L、または0.27μmol/Lよりも低く維持するのに十分なものである。
ある特定の実施形態において、有効用量は、尿中MMAレベルを、2000mmol/molクレアチニン未満、1900mmol/molクレアチニン未満、1800mmol/molクレアチニン未満、1700mmol/molクレアチニン未満、1600mmol/molクレアチニン未満、1500mmol/molクレアチニン未満、1400mmol/molクレアチニン未満、1300mmol/molクレアチニン未満、1200mmol/molクレアチニン未満、1100mmol/molクレアチニン未満、1000mmol/molクレアチニン未満、900mmol/molクレアチニン、800mmol/molクレアチニン、700mmol/molクレアチニン、600mmol/molクレアチニン、500mmol/molクレアチニン、400mmol/molクレアチニン、300mmol/molクレアチニン、200mmol/molクレアチニン、100mmol/molクレアチニン、90mmol/molクレアチニン、80mmol/molクレアチニン、70mmol/molクレアチニン、60mmol/molクレアチニン、50mmol/molクレアチニン、40mmol/molクレアチニン、30mmol/molクレアチニン、20mmol/molクレアチニン、10mmol/molクレアチニン、9mmol/molクレアチニン、8mmol/molクレアチニン、7mmol/molクレアチニン、6mmol/molクレアチニン、5mmol/molクレアチニン、4mmol/molクレアチニン、3mmol/molクレアチニン、2mmol/molクレアチニン、または1mmol/molクレアチニンに維持するのに十分なものである。
いくつかの実施形態において、本明細書で提示されるMMAを治療するための方法は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)または医薬組成物の有効量を1用量以上で、それを必要とする対象に投与することを伴い、有効量は、各用量で同じであっても同じでなくてもよい。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物の初回用量が第1の期間わたってそれを必要とする対象に投与され、その後、第2の用量のポリヌクレオチドが第2の期間にわたって対象に投与される。初回用量は、第2の用量よりも多くてもよいし、第2の用量よりも少なくてもよい。同様に、第3の用量のポリヌクレオチドが第3の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されてもよい。
本明細書で提示されるMMAを治療するための方法に従ってポリヌクレオチドまたはその医薬組成物がそれを必要とする対象に投与される期間は、有効であるとみなされる期間であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提示されるMMAを治療するための方法は、MMAに関連する症状の重症度及び/または数が減少するまでの期間、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物を投与することを伴う。
それを必要とする患者に投与されるポリヌクレオチドまたはその医薬組成物の量は、対象の患者の実際の体重または対象の患者集団の平均体重に基づくか、計算され得ることが理解されるであろう。
併用療法
MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を1つ以上の追加療法と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することを伴う、MMAの治療のための併用療法が本明細書で提示される。具体的な一実施形態において、有効量のMCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を有効量の別の治療法と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することを伴う、MMAの治療のための併用療法が本明細書で提示される。そのような他の治療法の具体例には、カルニチンサプリメント(L-カルニチンなど)、コバラミンサプリメント及び抗生物質(メトロニダゾールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される併用療法は、ポリヌクレオチドまたはその医薬組成物を、MMAに対する従来の治療法または既知の治療法と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することを伴う。MMAに対する現在の治療法には、カルニチンサプリメント、コバラミンサプリメント及び抗生物質が含まれる。MMAまたはそれに関連する状態に対する他の治療法は、症状の抑制または緩和、例えば、痙攣抑制治療を目的にする。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書で提供される併用療法は、それを必要とする対象に、鎮痛剤、てんかん発作のための薬剤、またはMMAに関連する症状もしくはそれに関連する状態の軽減もしくは抑制を目的にする他の治療法を施すことを伴う。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を、当該ポリヌクレオチドを追加療法と組み合わせて投与する前に、単剤としてある期間投与することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるMMAを治療するための方法は、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を追加療法と組み合わせて投与する前に、追加療法のみをある期間実施することを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で提示される方法に従ったMCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)及び1つ以上の追加療法の実施は、ポリヌクレオチドまたは当該1つ以上の追加療法の単独の実施と比べて、相加効果を有する。いくつかの実施形態において、本明細書で提示される方法に従ったMCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)及び1つ以上の追加療法の実施は、ポリヌクレオチドまたは当該1つ以上の追加療法の単独の実施と比べて、相乗効果を有する。
MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)と1つ以上の追加療法の組み合わせは、同じ医薬組成物中で対象に投与され得る。あるいは、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)と1つ以上の追加療法は、異なる医薬組成物で対象に同時に投与され得る。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)と1つ以上の追加療法は、異なる医薬組成物で対象に順次投与され得る。MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)及び1つ以上の追加療法はまた、同じ投与経路または異なる投与経路で対象に投与され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される併用療法は、それを必要とする対象に、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を、次のもの:カルニチンサプリメント(例えば、L-カルニチン)、コバラミンサプリメント及び抗生物質のうちの1つ以上と組み合わせて投与することを伴う。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される併用療法は、それを必要とする対象に、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその医薬組成物を、臓器移植(例えば、腎臓、肝臓または腎臓及び肝臓の移植)と組み合わせて投与することを伴う。
臨床目的
MMAを治療するためのポリヌクレオチドの有効性は、血漿メチルマロン酸の減少に対するポリヌクレオチドの作用を決定することによって評価され得る。MMAを治療するためのポリヌクレオチドの有効性は、(i)尿中メチルクエン酸レベルに対する効果を決定すること、(ii)血漿中プロピオニルカルニチンレベルに対する効果を決定すること、(iii)赤血球中の奇数長鎖脂肪酸レベルに対する効果を評価すること、(iv)尿中尿素:メチルマロン酸比に対する効果を決定すること、(v)MMAの対象に由来する培養した線維芽細胞及びリンパ球の酵素活性に対する効果を決定すること、(vi)対象の発育能力及び認知能力に対する効果を評価すること、(vii)ジストニア評価スケールに対する効果を評価すること、(viii)あらゆる代謝代償不全エピソードの発生に対する効果を評価すること、(ix)ポリヌクレオチドの安全性プロファイルを評価すること、(x)ポリヌクレオチドによる治療の順守を評価すること、ならびに(xi)経時的なポリヌクレオチドの血漿曝露を決定することによって評価することもできる。
臨床エンドポイント
MMAを治療するためのポリヌクレオチドの有効性に関する主要臨床エンドポイントには、血漿中メチルマロン酸レベルの減少が含まれる。MMAを治療するためのポリヌクレオチドの有効性に関する他の臨床エンドポイントには、尿中メチルマロン酸レベルの減少、尿中メチルクエン酸の減少、血漿中プロピオニルカルニチンの減少、赤血球中の奇数長鎖脂肪酸レベルの減少、尿素:メチルマロン酸比の増加、及び検証済み生物分析法によって評価したときのポリヌクレオチドの血漿中濃度に基づいた薬物動態パラメーター、例えば、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)、Cmax、AUC、終末消失半減期(t1/2)が含まれ得る。
血漿中メチルマロン酸レベル
関連する酵素または因子(例えば、MCM)の活性を増加させるポリヌクレオチドの有効性を示すために、血漿中メチルマロン酸レベルを使用することができる。正常血漿中メチルマロン酸レベルは、約0.27μmol/L未満である(Fowler et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:350-360)。血漿中メチルマロン酸レベルは、MMA患者で上昇し、通常、コバラミン非応答性患者で約100~約1.000μmol/L、コバラミン応答性患者で約5~約100μmol/Lの範囲である(Venditti,2007,Gene Reviews)。メチルマロン酸は、腎毒性であると考えられ、メチルマロン酸、プロピオニルCoA及び2メチルクエン酸の中枢神経系の蓄積は、MMAの慢性神経合併症の基礎になると思われる(Morath et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:35-43)。血漿中または尿中メチルマロン酸レベルの30%を超える減少は、臨床的に意義のある差と考えられている(Zwickler et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:361-367)。
血液が採取され得、標準ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)安定同位体希釈法を使用して血漿中メチルマロン酸濃度を決定することができる。
尿中メチルマロン酸レベル
関連する酵素または因子(例えば、MCM)の活性を増加させるポリヌクレオチドの有効性を示すために、尿中メチルマロン酸レベルを使用することができる。正常尿中メチルマロン酸レベルは、4mmol/molクレアチニン未満であり(Venditti,2007,Gene Reviews)、MMAでは、このレベルが著しく上昇する。一般に、重症度の高いMMAタイプであるmut0及びcblBは、重症度の低いタイプであるmut-及びcblA(<1,000~>5,000mol/molクレアチニン)と比較して、尿中メチルマロン酸レベルがより高い(約5,000~>10.000mmol/molクレアチニン)(Horster et al.,2007,Pediatr.Res.62:225-230;Fowler et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:350-360)。尿中メチルマロン酸レベルが-2.000mmol/molクレアチニンを下回る患者では、慢性腎不全が生じないことが観察されている(Horster et al.,2007,Pediatr.Res.62:225-230)。
尿が採取され得、標準ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)安定同位体希釈法を使用して尿中メチルマロン酸濃度を決定することができる。
血漿中プロピオニルカルニチン、尿中メチルクエン酸、赤血球中OLCFA、尿中尿素:メチルマロン酸比
血漿中プロピオニルカルニチン及び尿中メチルクエン酸は、メチルマロン酸代謝産物であり、関連する酵素または因子(例えば、MCM)の活性を増加させる、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の有効性を示すために使用することができる。腎不全がある場合には、尿中メチルマロン酸よりも血漿中プロピオニルカルニチンのほうが有用な測定値であり得ることが示唆されている(Horster et al.,2007,Pediatr.Res.62:225-230)。尿中メチルクエン酸は、メチルマロン酸レベルの上昇状態において、上昇することがわかっている(Fowler et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:350-360)。血液及び尿が採取され得、標準技術を使用して、血漿中プロピオニルカルニチンレベル及び尿中メチルクエン酸レベルをそれぞれ決定することができる。
OLCFAは、赤血球膜脂質で測定され、関連する酵素または因子(例えば、MCM)の活性を増加させる、MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の有効性を示すために使用することができる。赤血球中OLCFA値は、疾患の重症度と、MMAにおける食事制限の質の両方を反映する(Merinero et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:55-66)。このパラメーターは、細胞のプロピオニルCoA負荷及び有機酸血症における長期代謝制御の指標である(Merinero et al.,2008,J.Inherit.Metab.Dis.31:55-66;Sperl et al.,2000,Eur.J.Pediatr.159:54-88)。赤血球中OLCFA濃度を決定するための標準的方法を使用することができる。
MCMポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の投与後におけるベースラインと比較した尿中尿素:メチルマロン酸比の増加は、欠損している酵素または因子(MCM、cblAまたはcblB)の活性の増加を示し得る。タンパク質の異化作用は、尿素及びメチルマロン酸の両方の生成をもたらす。これらの異化産物の値は、食物タンパク質の摂取により変動し得る。メチルマロン酸の供給源が主に天然タンパク質である場合、すなわち、酵素活性のない患者(例えば、mut0患者)において、尿中尿素:メチルマロン酸の比は、およそ3.5である。残留酵素活性がある場合(例えば、コバラミン感受性患者に対するビタミンB12の投与)、その比は、一般に、>5である。アミノ酸サプリメントを摂取している患者は、メチルマロン酸よりも尿素の生成が多く、5を超える尿素:MMA比を有し得る。しかしながら、このカテゴリーの患者であっても、欠陥のある酵素または因子の活性が増加する場合、尿素:MMA比は、増加し得る(Valayannopoulos et al.,Annual Symposium of the Society for the Study of Inborn Errors of Metabolism,Amsterdam,The Netherlands,September 2004)。
VIII.キット及びデバイス
キット
本開示は、特許請求される本開示のヌクレオチドを簡便に及び/または効果的に使用するための様々なキットを提供する。典型的に、キットは、使用者による、対象(複数可)の複数回の治療の実施及び/または複数回の実験の実施を可能にする、十分な量及び/または数の構成成分を含み得る。
一態様において、本開示は、本開示の分子(ポリヌクレオチド)を含むキットを提供する。
当該キットは、翻訳可能領域を含む第1のポリヌクレオチドを含む、タンパク質生産のためのものであり得る。キットは、包装及び説明書ならびに/または製剤組成物を形成するための送達剤を更に含み得る。送達剤は、生理食塩水、緩衝液、リピドイドまたは本明細書で開示される任意の送達剤を含み得る。
いくつかの実施形態において、緩衝液は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸及び/またはEDTAを含み得る。別の実施形態において、緩衝液には、生理食塩水、2mMカルシウム添加生理食塩水、5%スクロース、2mMカルシウム添加5%スクロース、5%マンニトール、2mMカルシウム添加5%マンニトール、乳酸リンゲル液、塩化ナトリウム、2mMカルシウム添加塩化ナトリウム及びマンノースが含まれ得るが、これらに限定されない(例えば、米国特許出願公開第20120258046号参照、その全体を参照により本明細書に援用する)。更なる実施形態において、緩衝液は、沈殿させてもよいし、凍結乾燥してもよい。各構成成分の量は、再現可能な一貫した高濃度の生理食塩水または単純な緩衝液配合物を可能にするように変更することができる。構成成分はまた、一定期間にわたって、及び/または様々な条件下で、緩衝液中の修飾RNAの安定性を増大させるために、変更してもよい。一態様において、本開示は、標的細胞に導入されると、翻訳可能領域にコードされたタンパク質の所望量を生産するのに有効な量で提供される、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチドと、細胞の自然免疫応答を実質的に阻害するのに有効な量で提供される、阻害核酸を含む第2のポリヌクレオチドと、包装及び説明書とを含む、タンパク質生産のためのキットを提供する。
一態様において、本開示は、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチドと、包装及び説明書とを含む、タンパク質生産のためのキットを提供し、当該ポリヌクレオチドは、細胞ヌクレアーゼによる分解の減少を示す。
一態様において、本開示は、翻訳可能領域を含むポリヌクレオチドと、第1の核酸の翻訳可能領域の翻訳に適した哺乳動物細胞とを含む、タンパク質生産のためのキットを提供し、当該ポリヌクレオチドは、細胞ヌクレアーゼによる分解の減少を示す。
デバイス
本開示は、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを組み込むことができるデバイスを提供する。これらのデバイスは、ヒト患者などのそれを必要とする対象に即座に送達することができる製剤中にポリヌクレオチドを合成するための試薬を安定した製剤中に含有する。
投与用デバイスは、本明細書で教示される単回、複数回または分割投与レジメンに従って、本開示のポリヌクレオチドを送達するために用いることができる。そのようなデバイスは、例えば、2013年3月9日に出願された国際出願第PCT/US2013/30062号に教示されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
当該技術分野において知られている、細胞、器官及び組織への複数回投与のための方法及びデバイスは、本開示の実施形態として本明細書で開示される方法及び組成物とともに使用することが企図される。これらには、例えば、複数の針を有する方法及びデバイス、ハイブリッドデバイス(例えば、ルーメンまたはカテーテルを用いるもの)ならびに熱、電流または放射線駆動機構を利用するデバイスが含まれる。
本開示によれば、これらの複数回投与デバイスを利用して、本明細書で企図される単回用量、複数回用量または分割用量を送達することができる。そのようなデバイスは、例えば、2013年3月9日に出願された国際出願第PCT/US2013/30062号に教示されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、少なくとも3本の針を介して、任意選択により隣接する3つの異なる部位に、同時または60分以内に皮下または筋肉内投与される(例えば、4、5、6、7、8、9または10の部位への同時または60分以内の投与)。
カテーテル及び/またはルーメンを利用する方法及びデバイス
単回、複数回または分割投与スケジュールで本開示のポリヌクレオチドを投与するために、カテーテル及びルーメンを使用する方法及びデバイスを用いることができる。そのような方法及びデバイスは、2013年3月9日に出願された国際出願第PCT/US2013/30062号(代理人整理番号M300)に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
電流を利用する方法及びデバイス
本明細書で教示される単回、複数回または分割投与レジメンに従って、本開示のポリヌクレオチドを送達するために、電流を利用する方法及びデバイスを用いることができる。そのような方法及びデバイスは、2013年3月9日に出願された国際出願第PCT/US2013/30062号(代理人整理番号M300)に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
IX.定義
本開示が容易に理解されるように、ある特定の用語について最初に定義する。本出願で使用されるとき、本明細書で別途明記されている場合を除いて、以下の用語のそれぞれは、以下に記載される意味を有するものとする。更なる定義については、本願中に記載される。
本開示は、群の正確に1つの構成要素が、所与の生成物またはプロセス中に存在するか、用いられるか、いずれにせよこれらに関連している実施形態を含む。本開示は、群の構成要素の2つ以上または全てが、所与の生成物またはプロセス中に存在するか、用いられるか、いずれにせよこれらに関連している実施形態を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により別途明示される場合を除き、複数の指示対象を含む。「a」(または「an」)という用語、また「1つ以上の」及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書中、区別なく使用され得る。ある特定の態様において、「a」または「an」という用語は、「1つ」を意味する。他の態様において、「a」または「an」という用語は、「2つ以上の」または「複数」を含む。
更に、「及び/または」は、本明細書で使用される場合、2つの指定された特徴または構成成分のそれぞれの、もう一方を伴うまたは伴わない、具体的開示とみなされるものとする。したがって、本明細書において「A及び/またはB」などの文言中で使用される「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B及び/またはC」などの文言中で使用される「及び/または」という用語は、次の態様のそれぞれ包含することが意図される:A、B及びC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が関係する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示で使用される用語の多くに関する一般的な辞書を当業者に提供するものである。
態様が「含む」という用語を用いて本明細書で記載されている場合には必ず、「~からなる」及び/または「~から本質的になる」という用語で記載される類似の態様もまた提供される。
単位、接頭辞及び記号は、国際単位系(SI)に認められた形態で示される。数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。値の範囲が列挙される場合、その範囲の列挙された上限値と下限値の間にある各整数値及びその各小数も、これらの値の間にあるそれぞれの部分範囲とともに、具体的に開示されることを理解されたい。任意の範囲の上限値及び下限値は、その範囲から独立して包含または除外することができ、どちらか一方またはその両方を含むか、いずれも含まない各範囲も本開示の範囲に包含される。値が明示的に列挙される場合、列挙された値とほぼ同じ大きさまたは量である値も本開示の範囲内であることを理解されたい。組み合わせが開示される場合、当該組み合わせの要素のそれぞれの部分的組み合わせも具体的に開示され、本開示の範囲内である。逆に、異なる要素または要素群が個々に開示される場合、その組み合わせも開示される。本開示の任意の要素が複数の代替物を有するものとして開示される場合、各代替物が、単独で、または他の代替物との任意の組み合わせで除外される開示の例もまた本明細書に開示され、開示の2つ以上の要素がそのような除外を有し得、そのような除外を有する要素の全ての組み合わせが本明細書に開示される。
ヌクレオチドは、一般に認められている一文字記号で言及される。特に指定のない限り、核酸は、5’から3’に向けて左から右に記述される。ヌクレオチドは、本明細書において、IUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される、一般的に知られている一文字で言及される。したがって、Aはアデニンを表し、Cはシトシンを表し、Gはグアニンを表し、Tはチミンを表し、Uはウラシルを表す。
アミノ酸は、本明細書において、IUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される、一般的に知られている三文字表記または一文字表記のいずれかで言及される。特に指定のない限り、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシに向けて左から右に記述される。
本明細書中の様々な箇所において、本開示の化合物の置換基は、群または範囲で開示される。本開示は、そのような群または範囲の要素のそれぞれ及び個々の部分的組み合わせを含むことが特に意図される。
約:本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、列挙される値の+/-10%を意味する。
組み合わせての投与:本明細書で使用されるとき、「組み合わせての投与」または「組み合わせ投与」という用語は、2つ以上の作用物質が、患者に対する各作用物質の効果が重なり得るように、同時にまたはある間隔内で対象に投与されることを意味する。いくつかの実施形態において、それぞれが互いに約60、30、15、10、5または1分以内に投与される。いくつかの実施形態において、作用物質の投与は、組み合わせ作用(例えば、相乗作用)が達成されるように、互いに十分に近接した間隔である。
アミノ酸置換:「アミノ酸置換」という用語は、親配列(例えば、コンセンサス配列)中に存在するアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に置き換えることを指す。アミノ酸は、親配列において、例えば、化学ペプチド合成または当該技術分野において知られている組み換え法によって、置換され得る。したがって、「位置Xの置換」への言及は、位置Xに存在するアミノ酸を代替アミノ酸残基で置換することを指す。いくつかの態様において、置換パターンは、式AnYに従って記述することができ、ここで、Aは、位置nに天然に存在するアミノ酸に対応する一文字記号であり、Yは、置換アミノ酸残基である。他の態様において、置換パターンは、式An(YZ)に従って記述することができ、ここで、Aは、位置Xに天然に存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する一文字記号であり、Y及びZは、代替置換アミノ酸残基である。すなわち、本開示との関係において、置換は(アミノ酸置換と称される場合であっても)、核酸レベルで行われ、すなわち、アミノ酸残基を代替アミノ酸残基で置換することは、第1のアミノ酸をコードするコドンを、第2のアミノ酸をコードするコドンで置換することによって実施される。
動物:本明細書で使用されるとき、「動物」という用語は、動物界の任意の一員を指す。いくつかの実施形態において、「動物」は、あらゆる発達段階のヒトを指す。いくつかの実施形態において、「動物」は、あらゆる発達段階の非ヒト動物を指す。特定の実施形態において、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類またはブタ)である。いくつかの実施形態において、動物には、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類及び蠕虫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作動物またはクローンである。
およそ:本明細書で使用されるとき、「およそ」という用語は、1つ以上の目的とする値に適用されるとき、指定された参照値と同様である値を指す。ある特定の実施形態において、「およそ」という用語は、別途の指定がない限りまたは文脈から明らかでない限り、指定された参照値のいずれかの方向(より大きいまたはより小さい)の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下の範囲内に含まれる値の範囲を指す(当該数字が可能な値の100%を超える場合は除く)。
関連する:疾患に関して本明細書で使用されるとき、「関連する」という用語は、問題の症状、測定値、特性または特徴が当該疾患の診断、発症、存在または進行に関連していることを意味する。関連は、疾患と因果関係がある場合もあるが、そうである必要はない。
2つ以上の部分に関して使用されるとき、「会合する」、「コンジュゲートされる」、「連結される」、「結合される」及び「係留される」という用語は、2つ以上の部分に関して使用されるとき、これらの部分が、直接的に、または連結物質として働く1つ以上の追加部分を介するかのいずれかで、互いに物理的に会合または接続し、その構造が使用される条件下、例えば、生理学的条件下で、これらの部分が物理的に会合した状態を維持するような十分に安定した構造を形成することを意味する。「会合」は、厳密に、直接的な共有化学結合によるものでなくてもよい。「会合した」実体が物理的に会合した状態を維持するような十分に安定した結合性に基づいた、イオン結合もしくは水素結合またはハイブリダイゼーションも示唆され得る。
二機能性:本明細書で使用されるとき、「二機能性」という用語は、少なくとも2つの機能を有することができるか、2つの機能を維持する、任意の物質、分子または部分を指す。機能は、同じ結果または異なる結果をもたらし得る。機能を生み出す構造は、同じである場合もあれば、異なる場合もある。例えば、本開示の二機能性修飾RNAは、細胞傷害性ペプチド(第1の機能)をコードし得、コーディングRNAを含むヌクレオシドは、それ自体が細胞傷害性(第2の機能)である。この例において、二機能性修飾RNAのがん細胞への送達は、がんを改善または治療することができるペプチドまたはタンパク質分子を生産するだけでなく、修飾RNAの翻訳の代わりに分解が生じる場合には、細胞にヌクレオシドの細胞傷害性ペイロードを送達する。
生体適合性:本明細書で使用されるとき、「生体適合性」という用語は、損傷、毒性または免疫系による拒否のリスクをほとんどまたは全くもたらさずに、生きている細胞、組織、器官または系に適合することを意味する。
生分解性:本明細書で使用されるとき、「生分解性」という用語は、生物の作用によって無害の生成物に分解可能であることを意味する。
生物学的に活性:本明細書で使用されるとき、「生物学的に活性」という文言は、生体系及び/または生物中で活性を有する任意の物質の特徴を指す。例えば、生物に投与されたときに、その生物に対する生物学的作用を有する物質は、生物学的に活性であるとみなされる。具体的な実施形態において、本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドのほんの一部分であっても、生物学的に活性であるか、生物学的に関連があるとみなされる活性を模倣する場合には、生物学的に活性とみなされ得る。
キメラ:本明細書で使用されるとき、「キメラ」は、2つ以上の不均等または不均一な部分または領域を有する実体である。
保存的アミノ酸置換:「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されており、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、またはヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシンまたはシステイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニンまたはトリプトファン)、β分岐状側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはヒスチジン)が含まれる。したがって、ポリペプチド中のアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸で置き換えられる場合、そのアミノ酸置換は、保存的であるとみなされる。別の態様において、一続きのアミノ酸は、側鎖ファミリーメンバーの順序及び/または組成が異なる構造的に類似した一続きのアミノ酸で保存的に置き換えることができる。
非保存的アミノ酸置換には、(i)正電荷の側鎖を有する残基(例えば、Arg、HisまたはLys)を負電荷の残基(例えば、GluまたはAsp)で置換したものもしくは置換されたもの、(ii)親水性残基(例えば、SerまたはThr)を疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、PheまたはVal)で置換したものもしくは置換されたもの、(iii)システインもしくはプロリンを任意の他の残基で置換したものもしくは置換されたもの、または(iv)嵩高い疎水性もしくは芳香族側鎖を有する残基(例えば、Val、His、IleまたはTrp)を、小さい側鎖を有する残基(例えば、AlaまたはSer)もしくは側鎖のない残基(例えば、Gly)で置換したものもしくは置換されたものが含まれる。
他のアミノ酸置換は、当業者であれば、容易に特定できる。例えば、アミノ酸アラニンの場合、置換は、D-アラニン、グリシン、β-アラニン、L-システイン及びD-システインのうちのいずれか1つから行うことができる。リシンの場合、置換は、D-リシン、アルギニン、D-アルギニン、ホモ-アルギニン、メチオニン、D-メチオニン、オルニチンまたはD-オルニチンのうちのいずれか1つであり得る。一般に、単離ポリペプチドの特性に変化を誘導することが予測され得る、機能的に重要な領域中の置換には、(i)極性残基(例えば、セリンまたはトレオニン)を疎水性残基(例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンまたはアラニン)で置換したもの(または置換されたもの)、(ii)システイン残基を任意の他の残基で置換したもの(または置換されたもの)、(iii)正電荷の側鎖を有する残基(例えば、リシン、アルギニンまたはヒスチジン)を負電荷の側鎖を有する残基(例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸)で置換したもの(または置換されたもの)、または(iv)嵩高い側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニン)をそのような側鎖を有しない残基(例えば、グリシン)で置換したもの(または置換されたもの)がある。また、前述の非保存的置換のうちの1つがタンパク質の機能的特性を変更し得る可能性は、そのタンパク質の機能的に重要な領域に対する置換の位置に相関し、したがって、いくつかの非保存的置換は、生物学的特性にほとんどまたは全く影響しないことがある。
保存された:本明細書で使用されるとき、「保存された」という用語は、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチドまたはアミノ酸残基のそれぞれが、比較される2つ以上の配列の同じ位置で変更がないものを指す。比較的保存されたヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列中の他の箇所に現れるヌクレオチドまたはアミノ酸よりも、多くの関連配列中で保存されているものである。
いくつかの実施形態において、2つ以上の配列は、互いに100%同一である場合、「完全に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2つ以上の配列は、互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2つ以上の配列は、互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%、約98%、または約99%同一である場合、「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2つ以上の配列は、互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2つ以上の配列は、互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合、「保存された」と言われる。配列の保存は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの全長に適用されてもよいし、その部分、領域または特徴に適用されてもよい。
制御放出:本明細書で使用されるとき、「制御放出」という用語は、治療効果を達成する特定の放出パターンに一致する、医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。
環状または環化:本明細書で使用されるとき、「環状」という用語は、連続的なループの存在を指す。環状分子は、円形である必要はなく、連結されて、途切れのないサブユニットの鎖を形成すればよい。本開示の操作されたRNAまたはmRNAなどの環状分子は、単一単位または多量体であってもよいし、複合体または更なる高次構造の1つ以上の構成成分を含んでもよい。
細胞傷害性:本明細書で使用されるとき、「細胞傷害性」は、細胞(例えば、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞))、バクテリア、ウイルス、真菌、原生動物、寄生虫、プリオンまたはこれらの組み合わせを死滅させるか、これらにに対して有害作用、毒性作用または致命的作用を引き起こすことを指す。
送達:本明細書で使用されるとき、「送達」は、化合物、物質、実体、部分、カーゴまたはペイロードを送達する行為または方法を指す。
送達剤:本明細書で使用されるとき、「送達剤」は、ポリヌクレオチドの標的細胞へのin vivo送達を少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。
不安定化:本明細書で使用されるとき、「不安定」、「不安定化する」または「不安定化領域」という用語は、同じ領域または分子の出発形態、野生型または天然形態よりも不安定な領域または分子を意味する。
検出可能標識:本明細書で使用されるとき、「検出可能標識」は、X線撮影法、蛍光、化学ルミネセンス、酵素活性、吸光度などを含む当該技術分野において知られている方法によって容易に検出される、別の実体に付着するか、組み込まれるか、会合する1つ以上のマーカー、シグナルまたは部分を指す。検出可能標識には、放射性同位体、フルオロフォア、発色団、酵素、色素、金属イオン、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン及びハプテンなどのリガンド、量子ドットなどが含まれる。検出可能標識は、本明細書で開示されるペプチドまたはタンパク質の任意の位置に配置され得る。標識は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質内であってもよいし、N末端またはC末端に配置されてもよい。
ジアステレオマー:本明細書で使用されるとき、「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像でなく、互いに重なり合わない立体異性体を意味する。
消化:本明細書で使用されるとき、「消化」という用語は、小片または小成分への分割を意味する。ポリペプチドまたはタンパク質に関する場合、消化は、ペプチドの生成をもたらす。
遠位:本明細書で使用されるとき、「遠位」という用語は、中心から離れて、または目的の地点もしくは領域から離れて位置することを意味する。
投与レジメン:本明細書で使用されるとき、「投与レジメン」は、投与計画、または医師が定めた治療、予防もしくは緩和ケアの計画である。
有効量:本明細書で使用されるとき、作用物質の「有効量」という用語は、有益な結果または所望の結果、例えば、臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、それが適用される状況に依存する。「有効量」という用語は、「有効用量」、「治療上有効な量」または「治療上有効な用量」と区別なく使用され得る。
エナンチオマー:本明細書で使用されるとき、「エナンチオマー」という用語は、少なくとも80%(すなわち、少なくとも90%が一方のエナンチオマーであり、最大10%が他方のエナンチオマー)、少なくとも90%、または少なくとも98%の光学的純度またはエナンチオマー過剰率(当該技術分野において標準的な方法によって測定した場合)を有する、本開示の化合物の個々の光学活性形態を意味する。
封入する:本明細書で使用されるとき、「封入する」という用語は、閉じ込められること、取り囲むこと、または包み込むことを意味する。
コードタンパク質切断シグナル:本明細書で使用されるとき、「コードタンパク質切断シグナル」は、タンパク質切断シグナルをコードするヌクレオチド配列を指す。
操作された:本明細書で使用されるとき、本開示の実施形態は、構造的または化学的を問わず、出発点、野生型または天然分子とは異なる特徴または特性を有するように設計された場合、「操作された」ものである。
有効量:本明細書で使用されるとき、作用物質の「有効量」という用語は、有益な結果または所望の結果、例えば、臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、それが適用される状況に依存する。例えば、高コレステロールを治療する作用物質を投与する場合、作用物質の有効量は、作用物質の投与なしで得られる応答と比較して、例えば、本明細書で定義されるような高コレステロールの治療を達成するのに十分な量である。
エキソソーム:本明細書で使用されるとき、「エキソソーム」は、哺乳動物細胞によって分泌される小胞またはRNA分解に関与する複合体である。
発現:本明細書で使用されるとき、核酸配列の「発現」は、次のイベントのうちの1つ以上を指す:(1)DNA配列からRNA鋳型の生成(例えば、転写による)、(2)RNA転写物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成及び/または3’末端プロセシングによる)、(3)RNAのポリペプチドまたはタンパク質への翻訳、及び(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。
特徴:本明細書で使用されるとき、「特徴」は、特色、特性または特有の要素を指す。
製剤:本明細書で使用されるとき、「製剤」は、少なくともポリヌクレオチド及び送達剤を含む。
断片:「断片」は、本明細書で使用されるとき、部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された完全長タンパク質を消化することによって得られたポリペプチドを含み得る。
機能的:本明細書で使用するとき、「機能的」生体分子は、それを特徴付ける特性及び/または活性を呈する形態にある、生体分子である。
相同性:本明細書で使用されるとき、「相同性」という用語は、高分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関係性を指す。いくつかの実施形態において、高分子は、その配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%同一または類似であれば、互いに「相同」であるとみなされる。「相同」という用語は、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列)間の比較を指す。本開示によれば、2つのポリヌクレオチド配列は、当該配列がコードするポリペプチドが、少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または更には99%であれば、相同であるとみなされる。いくつかの実施形態において、相同なポリヌクレオチド配列は、一意に指定された少なくとも4~5アミノ酸のストレッチをコードする能力によって特徴付けられる。60ヌクレオチド長未満のポリヌクレオチド配列の場合、相同性は、一意に指定された少なくとも4~5アミノ酸のストレッチをコードする能力によって決定される。本開示によれば、2つのタンパク質配列は、タンパク質が、少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて、少なくとも約50%、60%、70%、80%または90%同一であれば、相同であるとみなされる。
同一性:本明細書で使用されるとき、「同一性」という用語は、高分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関係性を指す。同一性パーセントは、2つのDNA分子間、2つのRNA分子間、及びDNA分子とRNA分子との間で算出することができる。DNAとRNAを比較する場合、Tは、Uとみなされる(または逆の場合も同様)。
2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントの算出は、例えば、最適な比較成果を得るように2つの配列を整列させることによって実施することができる(例えば、最適アライメントを得るために、第1と第2の核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較目的のために非同一配列を無視することができる)。ある特定の実施形態において、比較目的で整列される配列の長さは、参照配列の長さに対して、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置にあるヌクレオチドが比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じヌクレオチドで占められている場合、その分子は、その位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適アライメントのために導入する必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮に入れた、配列が共有する同一である位置の数に応じて決まる。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;及びSequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991(それぞれを参照により本明細書に援用する)に記載されているものなどの方法を使用して決定することができる。例えば、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、Meyers及びMillerのアルゴリズム(CABIOS,1989,4:11-17)を使用して決定することができ、これは、PAM120重み付き残基表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用する、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、あるいは、NWSgapdna.CMP行列を使用するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して決定することができる。配列間の同一性パーセントを決定するために一般に用いられる方法には、Carillo,H.,and Lipman,D.,SIAM J Applied Math.,48:1073(1988)(参照により本明細書に援用する)に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない。同一性を決定するための技術は公的に利用可能なコンピュータープログラムにまとめられている。2つの配列間の相同性を決定する例示的なコンピューターソフトウェアには、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research,12(1),387(1984))、BLASTP、BLASTN及びFASTA(Altschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.,215,403(1990))が挙げられるが、これらに限定されない。
インタクト:本明細書で使用されるとき、ポリペプチドとの関係において、「インタクト」という用語は、野生型タンパク質に対応するアミノ酸、例えば、変異も置換もされていない野生型アミノ酸を保持していることを意味する。
異性体:本明細書で使用されるとき、「異性体」という用語は、本開示の任意の化合物のあらゆる互変異性体、立体異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマーを意味する。本開示の化合物は、1つ以上のキラル中心及び/または二重結合を有し得、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(すなわち、(+)または(-))またはシス/トランス異性体)などの立体異性体として存在することが認識される。本開示によれば、本明細書で図示される化学構造、したがって、本開示の化合物は、対応する立体異性体の全て、すなわち、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何的に純粋、エナンチオマー的に純粋またはジアステレオマー的に純粋な形態)と、エナンチオマー混合物及び立体異性体混合物(例えば、ラセミ体)との両方を包含する。本開示の化合物のエナンチオマー混合物及び立体異性体混合物は、典型的に、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中の化合物の結晶化などのよく知られている方法によって、それらの構成成分のエナンチオマーまたは立体異性体に分割することができる。エナンチオマー及び立体異性体はまた、よく知られている非対称合成法によって、立体異性体的またはエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬及び触媒から得ることもできる。
in vitro:本明細書で使用されるとき、「in vitro」という用語は、生物(例えば、動物、植物または微生物)内ではなく、人工環境、例えば、試験管または反応容器中、細胞培養物中、ペトリ皿中などで生じる事象を指す。
in vivo:本明細書で使用されるとき、「in vivo」という用語は、生物(例えば、動物、植物もしくは微生物またはその細胞もしくは組織)内で生じる事象を指す。
単離された:本明細書で使用されるとき、「単離された」という用語は、会合していた(自然または実験設定であるかを問わない)構成成分の少なくとも一部から分離された物質または実体を指す。単離された物質は、会合していた物質に対して、様々なレベルの純度を有し得る。単離された物質及び/または実体は、最初に会合していた他の構成成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ以上から分離され得る。いくつかの実施形態において、単離された作用物質は、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超または約99%超の純度である。本明細書で使用する場合、物質は、それが実質的に他の構成成分を含まないならば、「純粋」である。実質的に単離された:「実質的に単離された」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から実質的に分離されることを意味する。部分的分離には、例えば、本開示の化合物が豊富な組成物が含まれ得る。部分的分離には、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の本開示の化合物またはその塩を含有する組成物が含まれ得る。
「単離された」本明細書で開示されるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞または任意の組成物は、天然には存在しない形態であるポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチド、細胞または組成物である。単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチドまたは組成物は、もはや天然に存在する形態ではない程度にまで精製されたものを含む。いくつかの態様において、単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ポリペプチドまたは組成物は、実質的に純粋である。
リンカー:本明細書で使用されるとき、「リンカー」は、原子団、例えば、10~1,000個の原子を指し、限定するものではないが、炭素、アミノ、アルキルアミノ、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホニル、カルボニル及びイミンなどの原子または基から構成され得る。リンカーは、第1の末端が核酸塩基または糖部分上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドに結合することができ、第2の末端がペイロード(例えば、検出可能な物質または治療薬)に結合することができる。リンカーは、核酸配列への組み込みに干渉しない程度の長さであり得る。リンカーは、ポリヌクレオチド多量体(例えば、2つ以上のキメラポリヌクレオチド分子またはIVTポリヌクレオチドの連結による)またはポリヌクレオチドコンジュゲートを形成するため、及び本明細書に記載されるようなペイロードを投与するためなどの任意の有用な目的のために使用することができる。リンカーに組み込むことが出来る化学基の例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アリールまたはヘテロシクリル(これらの各々は、本明細書に記載されるように、任意選択により置換可能である)が挙げられるが、これらに限定されない。リンカーの例には、不飽和アルカン、ポリエチレングリコール(例えば、エチレンまたはプロピレングリコールモノマー単位、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールまたはテトラエチレングリコール)ならびにデキストランポリマー及びその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。他の例には、還元剤または光分解を使用して切断することができる、例えば、ジスルフィド結合(-S-S-)またはアゾ結合(-N=N-)などのリンカー内の切断可能部分が挙げられるが、これらに限定されない。選択的に切断可能な結合の非限定的な例には、例えばトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)または他の還元剤及び/もしくは光分解の使用によって切断することができるアミド結合、更に、例えば酸性または塩基性加水分解によって切断することができるエステル結合が挙げられる。
MCM関連疾患:本明細書で使用されるとき、「MCM関連疾患」または「MCM関連障害」は、異常なMCM活性(例えば、活性の低下または活性の上昇)から生じる疾患または障害をそれぞれ指す。非限定的な例として、メチルマロン酸血症は、MCM関連疾患である。
ミトコンドリア輸送ペプチド:本明細書で使用されるとき、「ミトコンドリア輸送ペプチド」、「ミトコンドリア標的化ペプチド」及び「ミトコンドリアターゲティング配列」という用語は、大きなポリペプチドの一部であり、その大きなポリペプチドのミトコンドリアへの輸送または局在を誘導するアミノ酸配列(またはかかるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド)を指す。
修飾された:本明細書で使用されるとき、「修飾された」は、本開示の分子の状態または構造の変更を指す。分子は、化学的、構造的及び機能的な修飾を含む、多くの様式で修飾され得る。いくつかの実施形態において、本開示のmRNA分子は、例えば、天然リボヌクレオチドA、U、G及びCに関係する場合、非天然ヌクレオシド及び/またはヌクレオチドの導入によって修飾される。キャップ構造などの非標準的ヌクレオチドは、A、C、G、Uリボヌクレオチドの化学構造と異なるが、「修飾」とはみなされない。
粘液:本明細書で使用されるとき、「粘液」は、粘性があり、ムチン糖タンパク質を含む、天然物質を指す。
天然本明細書で使用されるとき、「天然」は、人工的な支援を必要とせずに天然に存在することを意味する。
非ヒト脊椎動物:本明細書で使用されるとき、「非ヒト脊椎動物」は、野生種及び家畜化された種を含む、ヒト以外の全ての脊椎動物を含む。非ヒト脊椎動物の例には、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ、水牛及びヤクなどの哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない。
核酸配列:「核酸配列」及び「ヌクレオチド配列」という用語は、区別なく使用され、連続する核酸配列を指す。配列は、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNA(例えば、mRNA)のいずれかであり得る。
「核酸」という用語は、その最も広い意味で、ヌクレオチドの重合体を含む任意の化合物及び/または物質を含む。これらの重合体は、多くの場合、ポリヌクレオチドと呼ばれる。本開示の例示的な核酸またはポリヌクレオチドには、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA、例えば、β-D-リボ配置を有するLNA、α-L-リボ配置を有するα-LNA(LNAのジアステレオマー)、2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-LNA、及び2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-α-LNAを含む)エチレン核酸(ENA)、シクロヘキセニル核酸(CeNA)またはこれらのハイブリッドもしくは組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
「~をコードしているヌクレオチド配列」及びそのバリアントという文言は、本明細書で記載されるポリペプチドまたはその機能性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸(例えば、mRNAまたはDNA分子)コーディング配列を指す。コーディング配列は、核酸が投与される個体または哺乳動物の細胞中の発現を誘導することができるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと機能的に連結された、開始及び終了シグナルを更に含み得る。コーディング配列は、シグナルペプチドまたはターゲティングペプチド、例えば、ミトコンドリア輸送ペプチドをコードする配列を更に含み得る。
オフターゲット:本明細書で使用されるとき、「オフターゲット」は、任意の1つ以上の標的、遺伝子または細胞転写物に対する意図しない作用を指す。
オープンリーディングフレーム:本明細書で使用されるとき、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、所与のリーディングフレーム内に終止コドンを含有しない配列を指す。
機能的に連結された:本明細書で使用されるとき、「機能的に連結された」という文言は、2つ以上の分子、構築物、転写物、実体、部分などの間の機能的接続を指す。
任意選択により置換される:「任意選択により置換されるX」(例えば、任意選択により置換されるアルキル)という形態の文言は、本明細書中、「X(式中、Xは、任意選択により置換される)」(例えば、「アルキル(当該アルキルは、任意選択により置換される」)と同等であることが意図される。特徴「X」(例えば、アルキル)自体が任意選択であることを意味するものではない。
本明細書で使用されるとき、ポリヌクレオチドの「部分」または「領域」は、ポリヌクレオチドの完全長よりも短いポリヌクレオチドの任意の部分として定義される。
ペプチド:本明細書で使用されるとき、「ペプチド」は、50アミノ酸長以下、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50アミノ酸長である。
患者:本明細書で使用されるとき、「患者」は、治療を求め得るか、治療を必要とし得るか、治療を要するか、治療を受けているか、治療を受ける予定である対象、または特定の疾患もしくは状態の熟練専門家によるケアを受けている対象を指す。
薬学的に許容される:「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、妥当な利益/リスク比に見合った、ヒト及び動物の組織との接触に使用するのに適した化合物、物質、組成物及び/または剤形を指すために使用される。
薬学的に許容される賦形剤:「薬学的に許容される賦形剤」という文言は、本明細書で使用されるとき、患者において実質的に無毒及び非炎症性の特性を有する、本明細書に記載される化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル)を指す。賦形剤には、例えば、接着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、色素(着色料)、皮膚軟化剤、乳化剤、増量剤(希釈剤)、皮膜形成剤またはコーティング剤、風味料、香料、滑剤(流動促進剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤または分散剤、甘味料及び水和水が含まれ得る。例示的な賦形剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋型ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、α化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的に許容される塩:本開示はまた、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩を含む。本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」は、本開示の化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物は、既存の酸または塩基部分をその塩形態にすることによって(例えば、遊離塩基基を好適な有機酸と反応させることによって)、変更される。薬学的に許容される塩の例には、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な酸付加塩には、酢酸塩、酢酸、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、更には、限定するものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含む、無毒性アンモニウム、四級アンモニウム及びアミンカチオンが挙げられる。本開示の薬学的に許容される塩には、例えば、無毒性無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の無毒性塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、水もしくは有機溶媒中、または2つの混合液中で、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を適切な塩基または酸の化学量論量と反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性溶媒が使用される。好適な塩の一覧は、Remington's Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley-VCH,2008、及びBerge et al.,Journal of Pharmaceutical Science,66,1-19(1977)に認められ、それぞれの全体を参照により本明細書に援用する。
薬学的に許容される溶媒和物:「薬学的に許容される溶媒和物」という用語は、本明細書で使用されるとき、好適な溶媒分子が結晶格子中に取り込まれている、本開示の化合物を意味する。好適な溶媒は、投与量で生理学的に耐容性である。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水またはこれらの混合物を含む溶液からの結晶化、再結晶化または析出によって調製することができる。好適な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一水和物、二水和物及び三水和物)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'-ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-(1H)-ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、安息香酸ベンジルなどである。水が溶媒である場合、溶媒和物は、「水和物」と呼ばれる。
薬物動態:本明細書で使用されるとき、「薬物動態」は、生体に投与された物質の運命決定に関係する、分子または化合物の任意の1つ以上の特性を指す。薬物動態は、吸収、分布、代謝及び排泄の程度及び速度を含む複数の領域に分類される。これは、一般的にADMEと呼ばれ、(A)吸収は、物質が血液循環に入る過程であり、(D)分布は、体液及び身体組織全体にわたる物質の分散または伝播であり、(M)代謝(または生体内変化)は、親化合物の娘代謝産物への不可逆的変換であり、(E)排泄(または排除)は、身体からの物質の排除を指す。稀に、一部の薬物は、体内組織中に不可逆的に蓄積する。
物理化学:本明細書で使用されるとき、「物理化学」は、物理特性及び/もしくは化学特性、またはこれらの特性に関することを意味する。
ポリヌクレオチド:本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、これらの類似体またはこれらの混合物を含む、任意の長さのヌクレオチド重合体を指す。この用語は、分子の一次構造を指す。したがって、この用語は、三本鎖、二本鎖及び一本鎖デオキシリボ核酸(「DNA」)、ならびに三本鎖、二本鎖及び一本鎖リボ核酸(「RNA」)を含む。また、ポリヌクレオチドの修飾型(例えば、アルキル化及び/またはキャッピングによる修飾)及び非修飾型も含まれる。更に詳細には、「ポリヌクレオチド」という用語は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボース含有)、ポリリボヌクレオチド(D-リボース含有)(tRNA、rRNA、hRNA、siRNA及びmRNA(スプライシングを受けているか受けていないかを問わない)を含む)、N-またはC-グリコシドのプリン塩基またはピリミジン塩基である任意の他のタイプのポリヌクレオチド、ならびに非ヌクレオチド骨格を含有する他の高分子、例えば、ポリアミド(例えば、ペプチド核酸「PNA」)及びポリモルホリノ高分子、ならびに他の配列特異的な合成核酸高分子(ただし、高分子が、DNA及びRNAにみられるような塩基対合及び塩基スタッキングを可能にする立体配置で核酸塩基を含有することを条件とする)を含む。特定の態様において、ポリヌクレオチドは、mRNAを含む。他の態様において、mRNAは、合成mRNAである。いくつかの態様において、合成mRNAは、少なくとも1つの非天然核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ある特定の種類の全ての核酸塩基が非天然核酸塩基で置き換えられている(例えば、本明細書で開示されるポリヌクレオチド中の全てのウリジンが非天然核酸塩基、例えば、5-メトキシウリジンで置換され得る)。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド(例えば、合成RNAまたは合成DNA)は、合成DNAの場合、天然核酸塩基のみ、すなわち、A、C、T及びUを含み、合成RNAの場合、A、C、T及びUを含む。
当業者であれば、本明細書で開示されるコドンマップ中にはT塩基がDNAに存在するが、対応するRNAでは、T塩基は、U塩基に置き換えられることを理解するであろう。例えば、本明細書で開示されるDNA形態(例えば、ベクターまたはin vitro翻訳(IVT)鋳型)中のコドンヌクレオチド配列は、その対応する転写mRNAでU塩基に転写されるT塩基を有する。この点に関して、配列最適化されたDNA配列(Tを含む)と、それに対応するRNA配列(Uを含む)の両配列は、本開示の配列最適化ヌクレオチド配列とみなされる。また、当業者であれば、1つ以上の塩基を非天然塩基に置き換えることによって同等のコドンマップを作成できることも理解するであろう。したがって、例えば、TTCコドン(DNAマップ)は、UUCコドン(RNAマップ)に対応し、UUCコドンは、ΨΨCコドン(Uがプソイドウリジンで置換されたRNAマップ)に対応する。
標準的なA-T及びG-C塩基対は、チミジンのN3-H及びC4-オキシと、アデノシンのN1及びC6-NH2のそれぞれの間、更に、シチジンのC2-オキシ、N3及びC4-NH2と、グアノシンのC2-NH2、N’-H及びC6-オキシのそれぞれの間に水素結合の形成が可能な条件下で形成される。したがって、例えば、グアノシン(2-アミノ-6-オキシ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を修飾して、イソグアノシン(2-オキシ-6-アミノ-9-β-D-リボフラノシル-プリン)を形成することができる。かかる修飾では、シトシンとの標準的な塩基対を効率的に形成しないヌクレオシド塩基が生じる。一方、イソシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-アミノ-4-オキシ-ピリミジン-)を形成するシトシン(1-β-D-リボフラノシル-2-オキシ-4-アミノ-ピリミジン)の修飾では、グアノシンと効率的に塩基対合しないが、イソグアノシンと塩基対を形成する修飾ヌクレオチドが生じる(Collinsらの米国特許第5,681,702号、その全体を参照により本明細書に援用する)。イソシトシンは、Sigma Chemical Co.(St.Louis,Mo.)から入手可能であり、イソシチジンは、Switzer et al.(1993)Biochemistry 32:10489-10496及び当該文献中で引用されている参考文献に記載されている方法によって調製することができ、2’-デオキシ-5-メチル-イソシチジンは、Tor et al.,1993,J.Am.Chem.Soc.115:4461-4467及び当該文献中で引用されている参考文献の方法によって調製することができ、イソグアニンヌクレオチドは、Switzer et al.,1993(上掲)及びMantsch et al.,1993,Biochem.14:5593-5601に記載されている方法またはCollinsらの米国特許第5,780,610号に記載されている方法を使用して調製することができる(それぞれの全体を参照により本明細書に援用する)。他の非天然塩基対は、Piccirilli et al.,1990,Nature 343:33-37(その全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている、2,6-ジアミノピリミジン及びその相補体(1-メチルピラゾロ-[4,3]ピリミジン-5,7-(4H,6H)-ジオンの合成に関する方法によって合成することができる。独特な塩基対を形成する、他のそのような修飾ヌクレオチド単位については、知られており、Leach et al.(1992)J.Am.Chem.Soc.114:3675-3683及びSwitzer et al(上掲)に記載されているものなどがある。
ポリペプチド:本明細書で使用されるとき、「ポリペプチド」は、ほとんどの場合、ペプチド結合によって一緒に連結されたアミノ酸残基(天然または非天然)の重合体を指す。この用語は、本明細書で使用されるとき、任意の大きさ、構造または機能のタンパク質、ポリペプチド及びペプチドを指す。したがって、ポリペプチドには、遺伝子産物、天然ポリペプチド、合成ポリペプチド、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片ならびに前述の他の等価物、バリアント及びアナログが含まれる。ポリペプチドは、単一分子であってもよいし、二量体、三量体または四量体などの多分子複合体であってもよい。ポリペプチドはまた、単鎖ポリペプチドまたは多鎖ポリペプチドを含み得、会合または連結され得る。多鎖ポリペプチドには、最も一般的に、ジスルフィド結合が認められる。ポリペプチドという用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工化学的類似体になっている、アミノ酸高分子にも適用される。
ポリペプチドという用語はまた、自然にまたは介入により、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化または任意の他の操作もしくは修飾(標識要素との結合など)により修飾されたアミノ酸高分子も包含する。この定義にはまた、例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体(例えば、ホモシステイン、オルニチン、p-アセチルフェニルアラニン、D-アミノ酸及びクレアチンなどの非天然アミノ酸を含む),及び当該技術分野において知られている他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。
ポリペプチドバリアント:本明細書で使用されるとき、「ポリペプチドバリアント」という用語は、そのアミノ酸配列が天然配列または参照配列とは異なる分子を指す。アミノ酸配列バリアントは、天然配列または参照配列と比較して、アミノ酸配列内のある特定の位置に置換、欠失及び/または挿入を有し得る。通常、バリアントは、天然配列または参照配列に対して、少なくとも約50%の同一性(相同性)、少なくとも約60%の同一性、少なくとも約70%の同一性、少なくとも約80%の同一性、少なくとも約90%の同一性、少なくとも約95%の同一性、少なくとも約99%の同一性を有し得る。いくつかの実施形態において、天然配列または参照配列に対して、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の同一性(相同性)であり得る。
単位薬物当たりのポリペプチド(PUD):本明細書で使用されるとき、PUDまたは単位薬物当たりの生成物は、体液中の測定値で割った、通常、pmol/mL、mmol/mLなどの濃度で定義される、体液または組織中で測定された生成物(ポリペプチドなど)の総一日用量(通常1mg、pg、kgなど)の細分割された部分として定義される。
予防すること:本明細書で使用されるとき、「予防すること」という用語は、感染症、疾患、障害及び/もしくは状態の発生を部分的もしくは完全に遅らせること;特定の感染症、疾患、障害及び/もしくは状態の1つ以上の症状、特徴もしくは臨床徴候の発生を部分的もしくは完全に遅らせること;特定の感染症、疾患、障害及び/もしくは状態の1つ以上の症状、特徴もしくは徴候の発生を部分的もしくは完全に遅らせること;感染症からの特定の疾患、障害及び/もしくは状態の進行を部分的もしくは完全に遅らせること;ならびに/または感染症、疾患、障害及び/もしくは状態に関連する病変の発生リスクを低下させることを指す。
プロドラッグ:本開示はまた、本明細書に記載される化合物のプロドラッグを含む。本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」は、化学的または物理的変化に応じて治療薬として作用する物質、分子または実体に属する形態にある、任意の物質、分子または実体を指す。プロドラッグは、何らかの方法で共有結合または封鎖され得、哺乳動物対象への投与前、投与時、または投与後に、有効薬物部分を放出するか、有効薬物部分に変換される。プロドラッグは、通常の操作またはin vivoのいずれかで、修飾が切断されて親化合物になるように化合物中に存在する官能基を修飾することによって、調製することができる。プロドラッグには、ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基またはカルボキシル基が任意の基に結合された化合物であって、哺乳動物対象に投与されると、それぞれ遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、遊離スルフヒドリル基または遊離カルボキシル基を形成するように切断される化合物が含まれる。プロドラッグの調製及び使用は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987において考察されており、これら両方の全体を参照により本明細書に援用する。
増殖する:本明細書で使用されるとき、「増殖する」という用語は、成長、拡大もしくは増大すること、または急速な成長、拡大もしくは増大を起こすことを意味する。「増殖性」は、増殖する能力を有することを意味する。「抗増殖性」は、増殖特性に反するか、増殖特性に関係しない特性を有することを意味する。
予防:本明細書で使用されるとき、「予防」は、疾患の蔓延を防ぐために使用される治療薬または方法を指す。
予防法:本明細書で使用されるとき、「予防法」は、健康を維持し、疾患の蔓延を防ぐために取られる手段を指す。「免疫予防法」は、疾患の蔓延を防ぐために、能動的または受動的免疫を生じる手段を指す。
タンパク質切断部位:本明細書で使用されるとき、「タンパク質切断部位」は、化学的、酵素的または光化学的手段によって、アミノ酸鎖の制御された切断を達成することができる部位を指す。
タンパク質切断シグナル:本明細書で使用されるとき、「タンパク質切断シグナル」は、切断のためのポリペプチドにフラグまたはマークを付ける、少なくとも1つのアミノ酸を指す。
目的のタンパク質:本明細書で使用されるとき、「目的のタンパク質」または「所望のタンパク質」という用語は、本明細書で提供されるもの、ならびにその断片、変異体、バリアント及び改変体を含む。
近位:本明細書で使用されるとき、「近位」という用語は、中心または目的の地点もしくは領域の近くに位置することを意味する。
プソイドウリジン:本明細書で使用されるとき、プソイドウリジンは、ヌクレオシドウリジンのC-グリコシド異性体を指す。「プソイドウリジン類似体」は、プソイドウリジンの任意の修飾、バリアント、アイソフォームまたは誘導体である。例えば、プソイドウリジン類似体には、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(m1s4ψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(m3ψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acp3ψ)、及び2’-O-メチル-プソイドウリジン(ψm)が挙げられるが、これらに限定されない。
精製された:本明細書で使用されるとき、「精製する」、「精製された」、「精製」は、実質的に純粋にするか、不必要な構成成分、物質汚染、混合物または不完全性を除去することを意味する。
反復トランスフェクション:本明細書で使用されるとき、「反復トランスフェクション」という用語は、同一細胞培養物に対するポリヌクレオチドの複数回のトランスフェクションを指す。細胞培養物は、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回、少なくとも11回、少なくとも12回、少なくとも13回、少なくとも14回、少なくとも15回、少なくとも16回、少なくとも17回少なくとも18回、少なくとも19回、少なくとも20回、少なくとも25回、少なくとも30回、少なくとも35回、少なくとも40回、少なくとも45回、少なくとも50回またはそれ以上トランスフェクトされ得る。
試料:本明細書で使用されるとき、「試料」または「生体試料」という用語は、その組織、細胞または構成成分(例えば、限定するものではないが、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、臍帯血、尿、膣液及び精液を含む、体液)の一部を指す。試料は、更に、生物全体、またはその組織、細胞もしくは構成成分の一部、またはその画分もしくは部分(限定するものではないが、例えば、血漿、血清、骨髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸器、腸管及び尿生殖路、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、器官を含む)から調製されたホモジネート、溶解物または抽出物を含み得る。試料は、更に、タンパク質または核酸分子などの細胞構成成分を含有し得る、普通ブイヨン培地またはゲルなどの培地を指す。
シグナル配列:本明細書で使用されるとき、「シグナル配列」という文言は、タンパク質の輸送または局在化を誘導することができる配列を指す。
単回単位用量:本明細書で使用されるとき、「単回単位用量」は、1回用量/1回/単一経路/単一接触点で投与される、すなわち、1回の投与事象で投与される、任意の治療薬の用量である。
類似性:本明細書で使用されるとき、「類似性」という用語は、高分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)間及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関係性を指す。高分子の互いの類似性パーセントの算出は、同一性パーセントの算出と同様の方法で実施することができるが、当該技術分野において理解されているように、類似性パーセントの算出には、保存的置換が考慮される点を除く。
分割用量:本明細書で使用されるとき、「分割用量」は、単回単位用量または総一日用量を2つ以上の用量に分割することである。
安定した:本明細書で使用されるとき、「安定した」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離に耐え抜くのに十分強固であり、ある場合には、有効な治療薬への製剤化が可能である、化合物を指す。
安定化された:本明細書で使用されるとき、「安定化する」、「安定化された」、「安定化領域」という用語は、安定にすること、または安定した状態になることを意味する。
立体異性体:本明細書で使用されるとき、「立体異性体」という用語は、化合物(例えば、本明細書に記載される任意の式の化合物)が有し得る、可能性のある全ての種々の異性体及び立体配座型、特に、可能性のある全ての立体化学的及び立体配座的異性体の形態、全てのジアステレオマー、エナンチオマーならびに/または基礎となる分子構造の配座異性体を指す。本開示のいくつかの化合物は、種々の互変異性形態で存在し得、後者の全てが本開示の範囲内に含まれる。
対象:本明細書で使用されるとき、「対象」または「患者」という用語は、例えば、実験、診察、予防及び/または治療の目的のために、本開示による組成物が投与され得る、あらゆる生物を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類及びヒトなどの哺乳類)が含まれる。
実質的に:本明細書で使用されるとき、「実質的に」という用語は、目的の特徴または特性の全体またはほぼ全体の範囲または程度を示す定性的な条件を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的及び化学的現象が完了すること及び/もしくは完全なものまで進行すること、または絶対的な結果を達成することもしくは回避することは、あっても稀であることを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的及び化学的現象につきものの完全性の潜在的欠如を補足するために本明細書で使用される。
実質的に等しい:本明細書で使用されるとき、投与間の時間的差に関するとき、当該用語は、+/-2%を意味する。
実質的に同時に:本明細書で使用されるとき、かつ複数回の投与に関するとき、当該用語は、2秒以内を意味する。
罹患している:疾患、障害及び/または状態に「罹患している」個体は、疾患、障害及び/または状態の1つ以上の症状についての診断を受けているか、これを呈している。
罹患しやすい:疾患、障害及び/または状態に「罹患しやすい」個体は、疾患、障害及び/もしくは状態の症状についての診断を受けておらず、かつ/または症状を呈していなくてもよいが、疾患またはその症状を生じる傾向を持っている。いくつかの実施形態において、疾患、障害及び/または状態(例えば、がん)に罹患しやすい個体は、次のもの:(1)疾患、障害及び/または状態の発生に関連する遺伝子突然変異、(2)疾患、障害及び/または状態の発生に関連する遺伝子多型、(3)疾患、障害及び/または状態に関連するタンパク質及び/または核酸の発現及び/または活性の増加及び/または減少、(4)疾患、障害及び/または状態の発生に関連する嗜癖及び/または生活習慣、(5)疾患、障害及び/または状態の家族歴、ならびに(6)疾患、障害及び/または状態の発生に関連する微生物への曝露及び/またはそれによる感染のうちの1つ以上を特徴にし得る。いくつかの実施形態において、疾患、障害及び/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害及び/または状態を発生し得る。いくつかの実施形態において、疾患、障害及び/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害及び/または状態を発生しない。
持続放出:本明細書で使用されるとき、「持続放出」という用語は、特定の一定期間にわたる放出速度に従う、医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。
合成:「合成」という用語は、人の手によって、生産、調製及び/または製造されることを意味する。本開示のポリヌクレオチドまたはポリペプチドまたは他の分子の合成は、化学的または酵素的であり得る。
標的細胞:本明細書で使用されるとき、「標的細胞」は、1つ以上の任意の目的の細胞を指す。細胞は、in vitro、in vivo、in situまたは生物の組織もしくは器官に認められ得る。生物は、動物、例えば、哺乳動物、ヒトまたは患者であり得る。
ターゲティング配列:本明細書で使用されるとき、「ターゲティング配列」という文言は、タンパク質の輸送または局在化を誘導することができる配列を指す。
治療薬:「治療薬」という用語は、対象に投与されたとき、治療的、診療的及び/もしくは予防的効果を有し、かつ/もしくは所望の生物学的及び/もしくは薬理学的効果を誘起する、任意の作用物質を指す。
治療上有効な量:本明細書で使用されるとき、「治療上有効な量」という用語は、感染症、疾患、障害及び/または状態に罹患しているか、罹患しやすい対象に投与されたとき、その感染症、疾患、障害及び/または状態を治療し、症状改善し、診断し、予防し、かつ/またはその発生を遅延させるのに十分である、送達される作用物質(例えば、核酸、薬物、治療薬、診断薬、予防薬など)の量を意味する。
治療上有効な効果:本明細書で使用されるとき、「治療上有効な効果」という用語は、感染症、疾患、障害及び/または状態に罹患しているか、罹患しやすい対象において、その感染症、疾患、障害及び/または状態を治療し、症状改善し、診断し、予防し、かつ/またはその発生を遅延させるのに十分である効果を意味する。
総一日用量:本明細書で使用されるとき、「総一日用量」は、24時間の期間内に投与または処方される量である。総一日用量は、単回単位用量として投与され得る。
転写因子:本明細書で使用されるとき、「転写因子」という用語は、例えば、転写の活性化または抑制による、DNAのRNAへの転写を制御するDNA結合タンパク質を指す。いくつかの転写因子は、単独で転写制御をもたらすが、他の転写因子は、他のタンパク質と協調して作用する。いくつかの転写因子は、ある特定の条件下で、転写の活性化と抑制の両方を行うことができる。一般に、転写因子は、標的遺伝子の制御領域中にある、特定の標的配列または特定のコンセンサス配列に高度に類似した配列と結合する。転写因子は、単独で、または他の分子との複合体で、標的遺伝子の転写を制御することができる。
転写:本明細書で使用されるとき、「転写」という用語は、外因性核酸を細胞中に導入する方法を指す。トランスフェクションの方法には、化学的方法、物理的処理及びカチオン性脂質または混合物が含まれるが、これらに限定されない。
治療すること:本明細書で使用されるとき、「治療すること」または「治療」または「治療法」という用語は、特定の感染症、疾患、障害及び/または状態の1つ以上の症状または特徴を、部分的または完全に、軽減し、寛解し、改善し、緩和し、発生を遅延し、進行を阻害し、重症度を低減させ、かつ/または発症率を低下させることを指す。治療は、疾患、障害及び/または状態に関連する病変発生のリスクを低下させる目的で、疾患、障害及び/もしくは状態の徴候を呈していない対象、ならびに/または疾患、障害及び/もしくは状態の初期徴候のみを呈している対象に施され得る。
非修飾:本明細書で使用されるとき、「非修飾」は、何らかの方法で変化させる以前の任意の物質、化合物または分子を指す。非修飾は、生体分子の野生型または天然型を指し得るが、必ずしもそうである必要はない。分子は、一連の修飾を受けてもよく、これにより、各修飾分子が、後続の修飾のための「非修飾」出発分子として機能する場合もある。
ウイルス性タンパク質:本明細書で使用されるとき、「ウイルス性タンパク質」という文言は、ウイルスを起源とする任意のタンパク質を意味する。
X.関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月17日出願の米国仮特許出願第62/269,089号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、2015年12月17日出願の米国仮特許出願第62/269,092号(表題:Methods of Using MCM-Enconding Polynucleotides)、2015年12月30日出願の米国仮特許出願第62/273,112号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、2015年12月30日出願の米国仮特許出願第62/273,108号(表題:Methods of Using MCM-Enconding Polynucleotides)、2016年1月4日出願の米国仮特許出願第62/274,727号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、2016年1月4日出願の米国仮特許出願第62/274,733号(表題:Methods of Using MCM-Enconding Polynucleotides)、2016年1月4日出願の米国仮特許出願第62/274,722号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、2016年1月4日出願の米国仮特許出願第62/274,726号(表題:Methods of Using MCM-Enconding Polynucleotides)、2016年5月18日出願の米国仮特許出願第62/338,478号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、2016年5月18日出願の米国仮特許出願第62/338,456号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)、及び2016年10月14日出願の米国仮特許出願第62/409,343号(表題:Polynucleotides Encoding Methylmalonyl-CoA Mutase)の優先権を主張するものであり、各出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
XI.電子的に提出された配列表への言及
本出願とともに提出された電子的に提出された配列表(名称:「3529_052PC07_SeqListing_ST25.txt」、サイズ:1,080,572バイト、作成日:2016年12月16日)の内容は、その全体を参照により援用する。
XII.等価物及び範囲
当業者であれば、通常の実験を用いるだけで、本明細書に記載される本開示による具体的な実施形態の等価物を数多く認識または確認できるであろう。本開示の範囲は、上述の「発明を実施するための形態」に限定されるものではなく、添付する特許請求の範囲に記載される。
特許請求の範囲において、「a」、「an」及び「the」などの冠詞は、別途反する指示がない限り、または文脈から明らかである場合を除き、1つまたは2つ以上を意味し得る。1つ以上の群の構成要素間に「または」が含まれる特許請求の範囲または説明は、別途反する指示がない限り、または文脈から明らかである場合を除き、その群の構成要素のうちの1つ、2つ以上または全てが所与の生成物またはプロセス中に存在するか、用いられるか、いずれにせよこれらに関連する場合、満たされるものとみなされる。本開示は、正確に1つの群の構成要素が、所与の生成物またはプロセス中に存在するか、用いられるか、いずれにせよこれらに関連している、実施形態を含む。本開示は、群の構成要素のうちのの2つ以上または全てが、所与の生成物またはプロセス中に存在するか、用いられるか、いずれにせよこれらに関連している、実施形態を含む。
「含む」という用語は、非限定であることが意図され、追加の要素またはステップの包含を認めるが、必ずしもそれを必要としないことにも留意されたい。「含む」という用語が本明細書で使用されるとき、「~からなる」という用語も包含され、開示される。
範囲が記載される場合、端点も包含される。更に、特に指定のない限り、または文脈及び当業者の理解から明らかである場合を除き、範囲として表される値は、文脈により別途明示がない限り、その範囲の下限の単位の1/10まで、本開示の様々な実施形態における指定範囲内の任意の特定値またはサブ範囲を想定し得るものと理解される。
加えて、従来技術の範囲内に含まれる本開示の任意の特定の実施形態は、任意の1つ以上の請求項から明確に除外されてもよいことを理解すべきである。そのような実施形態は、当業者に知られていると考えられるので、当該除外が本明細書中に明示的に記載されていない場合であっても、除外され得る。本開示の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の核酸またはそれにコードされるタンパク質、任意の作製方法、任意の使用方法など)は、従来技術の存在に関係するかどうかにかかわらず、任意の理由で、任意の1つ以上の請求項から除外することができる。
引用される全ての情報源、例えば、本明細書で引用される参考文献、公開物、データベース、データベースの事項及び技術は、引用中に明示的に記載されていない場合であっても、参照により本出願に援用される。引用された情報源と本出願の記述に矛盾が生じる場合は、本出願の記述が優先されるものとする。
セクション及び表見出しは、限定を意図するものではない。
実施例1.キメラポリヌクレオチド合成
三リン酸経路
三リン酸化学反応を使用して、キメラポリヌクレオチドの2つの領域または部分を連結またはライゲートすることができる。本方法によれば、5'リン酸及び末端3'desOHまたは遮断OHにより、100ヌクレオチド以下の第1の領域または部分を、化学的に合成することができる。領域が80ヌクレオチドよりも長い場合、ライゲーション用の2つの鎖として合成してもよい。
in vitro転写(IVT)を使用して第1の領域または部分を非位置的に改変された領域または部分として合成する場合、5’リン酸への変換と、それに続く3’末端キャッピングとが行われ得る。一リン酸保護基は、当該技術分野において知られているもののいずれかから選択することができる。
キメラポリヌクレオチドの第2の領域または部分は、化学合成またはIVT方法のいずれかを使用して合成することができる。IVT方法は、修飾されたキャップを有するプライマーを利用することができるRNAポリメラーゼを含み得る。あるいは、80ヌクレオチドまでのキャップを化学的に合成し、IVT領域またはIVT部分に連結してもよい。
ライゲーション法では、DNA T4リガーゼによるライゲーションと、それに続くDNAse処理により、コンカテマー化が容易に回避されるものであることに留意されたい。
キメラポリヌクレオチド全体をリン酸-糖骨格で作製する必要はない。領域または部分のうちの1つがポリペプチドをコードする場合、かかる領域または部分は、リン酸-糖骨格を含み得る。
次に、任意の既知のクリックケミストリー、オルトクリックケミストリー、ソルリンク(solulink)または当業者に知られている他のバイオコンジュゲート化学反応を使用して、ライゲーションを行うことができる。
合成経路
一連の出発セグメントを使用してキメラポリヌクレオチドを作製することができる。かかるセグメントには、以下が含まれる:
(a)通常の3’OHを含む、キャップ及び保護された5’セグメント(SEG.1)、
(b)ポリペプチドのコーディング領域を含み得、通常の3'OHを含む、5'三リン酸セグメント(SEG.2)
(c)コルジセピンを含むか、3’OHを含まない、キメラポリヌクレオチドの3’端(例えばテール)用の5’リン酸セグメント(SEG.3)。
合成(化学的合成またはIVT合成)後に、セグメント3(SEG.3)をコルジセピンで処理し、次いで、ピロホスファターゼで処理して、5’リン酸を生成させる。
次いで、RNAリガーゼを使用して、セグメント2(SEG.2)をSEG.3にライゲーションすることができる。次いで、ライゲーションされたポリヌクレオチドを精製し、ピロホスファターゼで処理して、二リン酸を切断する。次いで、処理されたSEG.2-SEG.3構築物を精製し、5’末端にSEG.1をライゲーションする。キメラポリヌクレオチドの更なる精製ステップが実施されてもよい。
キメラポリヌクレオチドがポリペプチドをコードする場合、ライゲーションされたセグメントまたは連結されたセグメントは、次のように表すことができる。5’UTR(SEG.1)、オープンリーディングフレームまたはORF(SEG.2)及び3’UTR+ポリA(SEG.3)。
各工程の収率は、90~95%にもなり得る。
実施例2:cDNA生成のためのPCR
cDNAを調製するためのPCR工程は、Kapa Biosystems(Woburn,MA)による2× KAPA HIFI(商標)HotStart ReadyMixを使用して実施することができる。このシステムは、2× KAPA ReadyMix 12.5μl、フォワードプライマー(10μM)0.75μl、リバースプライマー(10μM)0.75μl、鋳型cDNA-100ngを含み、dH2Oで25.0μlに希釈される。PCR反応条件は、95℃で5分、98℃で20秒、次に58℃で15秒、次に72℃で45秒を25サイクル、次に72℃で5分、次に終了まで4℃であってよい。
本開示のリバースプライマーは、mRNA中のポリA120のためにポリT120を組み込む。より長いまたはより短いポリ(T)区画を有する他のリバースプライマーを使用して、ポリヌクレオチドmRNA中のポリ(A)テールの長さを調節することができる。
InvitrogenのPURELINK(商標)PCR Micro Kit(Carlsbad,CA)を製造元の説明書に従って使用して、反応をクリーンアップすることができる(5μgまで)。より大きな反応には、容量がより大きい製品を使用したクリーンアップが必要とされ得る。クリーンアップに続いて、NANODROP(商標)を使用してcDNAを定量し、アガロースゲル電気泳動で分析して、当該cDNAが予想サイズであることを確認することができる。次いで、cDNAをシーケンシング解析に供した後、in vitro転写反応に進む。
実施例3.in vitro転写(IVT)
in vitro転写反応により、均一に修飾されたポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを生成することができる。そのような均一に修飾されたポリヌクレオチドは、本開示のポリヌクレオチドの領域または部分を含み得る。投入されるヌクレオチド三リン酸(NTP)混合物は、天然及び非天然NTPを使用して作製することができる。
典型的なin vitro転写反応は、次を含み得る。
1 鋳型cDNA 1.0μg
2 10×転写バッファー(400mM Tris-HCl(pH8.0)、190mM MgCl2、50mM DTT、10mM スペルミジン)2.0μl
3 カスタムNTP(各25mM)7.2μl
4 RNase阻害剤 20U
5 T7 RNAポリメラーゼ 3000U
6 dH2O 最大20.0μl、及び
7 37℃で3時間~5時間のインキュベーション。
粗IVT混合物は、翌日のクリーンアップに備えて、4℃で終夜保存され得る。次いで、1UのRNase不含有DNaseを使用して、元の鋳型を消化する。37℃で15分のインキュベーション後に、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin,TX)を製造元の説明書に従って使用して、mRNAを精製することができる。このキットは500μgまでのRNAを精製することができる。このクリーンアップに続いて、NanoDropを使用してRNAを定量し、アガロースゲル電気泳動で分析して、RNAが適切なサイズであり、かつRNAの分解が起きていないことを確認することができる。
実施例4.酵素キャッピング
ポリヌクレオチドのキャッピングは、IVT RNA 60μg~180μg及びdH2O(最大72μl)を含む混合物を用いて実施することができる。混合物を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させた後、これを直ちに氷に移すことができる。
次いで、本プロトコルは、10×キャッピングバッファー(0.5M Tris-HCl(pH8.0)、60mM KCl、12.5mM MgCl2)(10.0μl)、20mM GTP(5.0μl)、20mM S-アデノシルメチオニン(2.5μl)、RNase阻害剤(100U)、2’-O-メチルトランスフェラーゼ(400U)、ワクシニアキャッピング酵素(グアニリルトランスフェラーゼ)(40U)、dH2O(最大28μl)の混合と、RNAが60μgの場合は30分間、RNAが180μgの場合は最大2時間の37℃でのインキュベーションとを伴い得る。
次いで、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin,TX)を製造元の説明書に従って使用して、ポリヌクレオチドを精製することができる。このクリーンアップに続いて、NanoDrop(商標)(ThermoFisher,Waltham,MA)を使用してRNAを定量し、アガロースゲル電気泳動で分析して、RNAが適切なサイズであり、かつRNAの分解が起きていないことを確認することができる。RNA産物はまた、逆転写PCRを行ってシーケンシング用のcDNAを生成させることで、配列決定を行ってもよい。
実施例5.ポリAテーリング反応
cDNA中にポリTがない場合は、最終産物のクリーニング前にポリAテーリング反応を実施する必要がある。これは、キャップされたIVT RNA(100μl)、RNase阻害剤(20U)、10×テーリングバッファー(0.5M Tris-HCl(pH8.0)、2.5M NaCl、100mM MgCl2)(12.0μl)、20mM ATP(6.0μl)、ポリAポリメラーゼ(20U)、dH2O(最大123.5μl)を混合し、37℃で30分間インキュベートすることによって行うことができる。ポリAテールが転写産物中に既に存在する場合には、テーリング反応を飛ばして、AmbionのMEGACLEAR(商標)キット(Austin,TX)によるクリーンアップ(500μgまで)に直接進むことができる。ポリ-Aポリメラーゼは、ある場合には、酵母中で発現された組み換え酵素である。
ポリAテーリング反応の処理能力または完全性は、常に正確なサイズのポリAテールをもたらすとは限らないことを理解されたい。したがって、およそ40~200ヌクレオチド、例えば、約40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、150~165、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164または165のポリAテールは、本開示の範囲内である。
実施例6.天然5’キャップ及び5’キャップ類似体
ポリヌクレオチドの5’キャッピングは、次の化学的RNAキャップアナログを製造元のプロトコルに従って使用して5’-グアノシンキャップ構造を生じさせることで、in vitro転写反応中に同時に達成することができる:3´-O-Me-m7G(5’)ppp(5’)G[ARCAキャップ]、G(5’)ppp(5’)A、G(5’)ppp(5’)G、m7G(5’)ppp(5’)A、m7G(5’)ppp(5’)G(New England BioLabs(Ipswich,MA))。修飾RNAの5’キャッピングは、ワクシニアウイルスキャッピング酵素を使用して「キャップ0」構造:m7G(5’)ppp(5’)G(New England BioLabs(Ipswich,MA))を生じさせることによって転写後に達成され得る。キャップ1構造は、ワクシニアウイルスキャッピング酵素と2’-Oメチルトランスフェラーゼの両方を使用してm7G(5’)ppp(5’)G-2’-O-メチルを生じさせることで生成することができる。キャップ2構造は、キャップ1構造から、2’-Oメチルトランスフェラーゼを使用して3番目の5’-ヌクレオチドを2’-O-メチル化することによって生成することができる。キャップ3構造は、キャップ2構造から、2’-Oメチルトランスフェラーゼを使用して4番目の5’-ヌクレオチドを2’-O-メチル化することによって生成することができる。酵素は、組み換え供給源に由来し得る。
修飾mRNAは、哺乳動物細胞にトランスフェクトされた場合、12~18時間または18時間超、例えば、24、36、48、60、72もしくは72時間超の安定性を有し得る。
実施例7.キャッピングアッセイ
A.タンパク質発現アッセイ
本明細書で教示されるキャップのいずれかを含有し、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、等しい濃度で細胞にトランスフェクトすることができる。トランスフェクションから6、12、24及び/または36時間後に、培養培地中に分泌されたタンパク質の量を、ELISAによってアッセイすることができる。より高いレベルのタンパク質を培地中に分泌する合成ポリヌクレオチドは、より高い翻訳能力のあるキャップ構造を有する合成ポリヌクレオチドに該当する。
B.純度分析合成
本明細書で教示されるキャップのいずれかを含有し、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、変性アガロース尿素ゲル電気泳動またはHPLC分析を使用して、純度について比較することができる。電気泳動で単一の統合されたバンドを有するポリヌクレオチドは、複数のバンドまたは縞状のバンドを有するポリヌクレオチドと比較して、純度の高い生成物に該当する。単一のHPLCピークを有する合成修飾ポリヌクレオチドも、純度の高い生成物に該当する。キャッピング反応の効率が高いほど、より純粋なポリヌクレオチド集団を与える。
C.サイトカイン分析
本明細書で教示されるキャップのいずれかを含有し、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、複数の濃度で細胞にトランスフェクトすることができる。トランスフェクションから6、12、24及び/または36時間後に、培養培地中に分泌されたTNF-α及びIFN-βなどの炎症促進性サイトカインの量を、ELISAによってアッセイすることができる。より高いレベルの炎症誘発性サイトカインを培地中に分泌させるポリヌクレオチドは、免疫活性化キャップ構造を含有するポリヌクレオチドに該当する。
D.キャッピング反応効率
本明細書で教示されるキャップのいずれかを含有し、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヌクレアーゼ処理後のLC-MSによって、キャッピング反応効率について分析することができる。キャップされたポリヌクレオチドのヌクレアーゼ処理により、LC-MSによって検出可能である、遊離ヌクレオチドとキャップされた5’-5-三リン酸キャップ構造との混合物が得られる。LC-MSスペクトルにおけるキャップされた生成物の量は、反応からの総ポリヌクレオチドのパーセントとして表すことができ、キャッピング反応効率に対応する。キャッピング反応効率の高いキャップ構造は、LC-MSによると、キャップされた生成物の量が多い。
実施例8.修飾RNAまたはRT PCR産物のアガロースゲル電気泳動
個々のポリヌクレオチド(体積20μl中200~400ng)または逆転写されたPCR産物(200~400ng)を、非変性1.2%アガロースE-Gel(Invitrogen(Carlsbad,CA))上のウェルにローディングし、製造元のプロトコルに従って12~15分間、泳動する。
実施例9.Nanodropによる修飾RNAの定量及びUVスペクトルデータ
TEバッファー(1μl)中の修飾ポリヌクレオチドをNanodropUV吸光度測定に使用して、化学合成またはin vitro転写反応からの各ポリヌクレオチドの収率を定量することができる。
実施例10.リピドイドを使用した修飾mRNAの製剤化
ポリヌクレオチドは、設定した比で、ポリヌクレオチドをリピドイドと混合した後、細胞に加えることによって、in vitro実験用に製剤化することができる。in vivo製剤は、全身循環を促進するために追加成分の添加を必要とすることがある。これらのリピドイドのin vivo作用に好適な粒子を形成する能力を試験するために、siRNA-リピドイド製剤に使用される標準的な製剤化プロセスを出発点として使用することができる。粒子の形成後に、ポリヌクレオチドを加えて、複合体と一体化させてもよい。封入効率は、標準的な色素排除アッセイを使用して決定することができる。
実施例11.タンパク質発現のについてのスクリーニング方法
A.エレクトロスプレーイオン化
対象に投与したポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を含有し得る生体試料を調製し、これを、1、2、3または4台の質量分析部を使用するエレクトロスプレーイオン化(ESI)に関する製造元のプロトコルに従って解析することができる。生体試料はまた、タンデムESI質量分析システムを使用して解析することもできる。
タンパク質断片またはタンパク質全体のパターンを所与のタンパク質に関する既知の対照と比較することができ、比較によってタンパク質が何であるかを決定することができる。
B.マトリックス支援レーザー脱離/イオン化
対象に投与した1つ以上のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を含有し得る生体試料を調製し、これを、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)に関する製造元のプロトコルに従って解析することができる。
タンパク質断片またはタンパク質全体のパターンを所与のタンパク質に関する既知の対照と比較することができ、比較によってタンパク質が何であるかを決定することができる。
C.液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析
1つ以上のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を含有し得る生体試料をトリプシン酵素で処理し、生体試料中に含有されるタンパク質を消化することができる。得られたペプチドを液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析(LC/MS/MS)によって解析することができる。ペプチドは、質量分析計でフラグメント化され、コンピューターアルゴリズムを介してタンパク質配列データベースと照合され得る診断パターンを得ることができる。消化された試料は、所与のタンパク質に関して、1ng以下の出発物質を達成するように希釈され得る。単純な緩衝液バックグラウンド(例えば、水または揮発性塩)を含有する生体試料は、直接溶液内消化を適用できるが、より複雑なバックグラウンド(例えば、界面活性剤、不揮発性塩、グリセロール)では、試料解析を容易にするために、追加のクリーンアップステップを必要とする。
タンパク質断片またはタンパク質全体のパターンを所与のタンパク質に関する既知の対照と比較することができ、比較によってタンパク質が何であるかを決定することができる。
実施例12.MCMをコードするmRNAの合成
MCMポリペプチドをコードする配列最適化ポリヌクレオチド、すなわち、配列番号1~207、732~765及び772を実施例1~12に記載されているように合成する。
更に、マウスMCM及びヒトMCMをコードする両mRNAを以下に記載される実施例13~19のために調製した。これらは、実施例1~12に記載のとおりに合成した。
ヒトMCMをコードするmRNA(「hMCM-mRNA」)は、MCMの天然V671変異体をコードするように構築した。hMCM-mRNAのヌクレオチド配列は、配列番号249に記載されている。hMCM-mRNA配列は、5'及び3'UTR領域(それぞれ配列番号266及び267)の両方を含む。
5’UTR:TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC
3’UTR:TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC
また、マウスMCMをコードするmRNA(「mMCM-mRNA」)を標準的な分子生物学的技術を使用して構築した。mMCM-mRNAのヌクレオチド配列は、配列番号250に記載されており、マウスMCM(配列番号268)をコードする。mMCM-mRNA配列は、hMCM-mRNAと同じ5'及び3'UTR領域を含む。
hMCM-mRNA及びmMCM-mRNAは、いずれも修飾mRNAとして調製した。具体的には、mRNAがウリジンの代わりに確実に1-メチル-プソイドウリジンを100%含有するように、in vitro翻訳中に、1-メチル-プソイドUTPを使用して修飾mRNAを生成した。更に、hMCM-mRNA及びmMCM-mRNAは両方とも100ヌクレオチドポリAテールを導入したプライマーを用いて合成し、また、両mRNA上に、ワクシニアウイルスキャッピング酵素及び2’-Oメチル-トランスフェラーゼを使用して、m7G(5')ppp(5')G-2’-O-メチルを生成するようにキャップ1構造を生成した。
実施例13.in vitroにおける内因性MCM発現の検出
マウス起源及びヒト起源に由来する両方の細胞を含む、種々の細胞株でMCM発現を特徴付けた。試験した細胞株には、Hepa1-6(マウス)、HepG2(ヒト)、SNU423(ヒト)及びHeLa細胞を含めた。細胞を標準条件下で培養し、細胞を溶解緩衝液中に入れることによって、細胞抽出物を得た。比較する目的で、マウス肝臓に由来するミトコンドリア抽出物も同様に調製した。肝臓抽出物を調製するために、0.1モルのTrizmaベースのMOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)で中性pHに調整した氷冷スクロース含有低張緩衝液中で全肝臓をホモジナイズした。肝臓ホモジネートを冷却卓上遠心分離器で600gで遠心分離し、核分画を除去した。次いで、透明溶解液を7000gで遠心分離することによって、ミトコンドリア分画を回収した。
MCMの発現を分析するために、各溶解物15μgを、ドデシル硫酸リチウム試料ローディングバッファーを用いて40μLの容量に調製し、標準的なウェスタンブロット分析に供した。MCMの検出のために使用した抗体は、希釈1:1000の抗メチルマロニルCoAムターゼ(マウスポリクローナル、Ab67869;Abcam(登録商標))であった。ロード対照の検出のために使用した抗体は、抗シトラーゼシンターゼ(ウサギポリクローナル;PA5-22126、Thermo-Fisher Scientific(登録商標))であった。図1中、抗MCMによって生じたシグナルを緑で示し、抗クエン酸シンターゼシグナルを赤で示す。図1は、マウス肝臓由来細胞株及びヒト肝臓由来細胞株の両方を含む全ての試験細胞株で、MCMが認められたことを示している。全ての細胞株について、MCMの発現は、対照のクエン酸シンターゼシグナルに対してほぼ同じ割合であったが、HeLa細胞では、より少ないシグナルが観察された。図1はまた、細胞株がマウス肝臓ミトコンドリアミトコンドリア抽出物と同等のレベルでMCMを発現したことを示している。
内因性MCMの局在について調べるために、HeLa細胞に対して免疫蛍光法を実施した。MCM発現は、抗メチルマロニルCoAムターゼ(マウスモノクローナル、Ab67869、Abcam(登録商標))を使用して検出し、ミトコンドリアは、Mitotrackerを使用して検出し、DAPIで核を染色した。Zeiss ELYRAイメージングシステムで画像解析を実施した。図2(A)~(C)に示されるように、HeLa免疫蛍光染色は、ミトコンドリア(赤)とMCM免疫蛍光(緑)との間で広範な共局在を示しているが、核(DAPI染色)とMCMとの間の共局在はほとんどまたは全くない。内因性MCMの大部分がミトコンドリアに局在するという知見は、MCMの既知の代謝機能及び局在と一致する。
実施例14.HeLa細胞におけるMCMのin vitro発現
HeLa細胞におけるヒトMCMのin vitro発現を測定するために、これらの細胞をトランスフェクションの1日前に12ウェルプレート(BD Biosciences(San Jose,USA))に播種した。ヒトMCM(配列番号249)またはGFP対照(配列番号269をコード)を含むmRNA製剤を、1ウェル当たりOPTI-MEM 60μL中で、mRNA 800ng及びLipofectamin 2000 2μLを使用してトランスフェクションし、インキュベートした。24時間後、一定量の溶解緩衝液を使用して各ウェルの細胞を溶解した。比較する目的で、マウス肝臓ミトコンドリア抽出物も実施例13に記載するとおりに調製した。BCAアッセイを製造元の説明書に従って使用して、それぞれのタンパク質濃度を決定した。MCMの発現を分析するために、各溶解物(24μg)の同等のロードをローディングバッファーで調製し、標準的なウェスタンブロット分析に供した。MCMの検出のために使用した抗体は、希釈1:1000の抗メチルマロニルCoAムターゼ(ウサギモノクローナル、ab133672、Abcam(登録商標))であった。
得られたウェスタンブロットを図3に示す。図3は、hMCM配列(配列番号249)を含むmRNA製剤の導入が、対照構築物をトランスフェクトした細胞に比べて、HeLa細胞において、MCM発現のレベルを大幅に増加させたことを示している。MCMをコードするmRNAの導入後に観察されたMCM発現レベルは、肝臓ミトコンドリアミトコンドリア抽出物中に存在するレベルよりも更に高かった。図1は、少なくともいくつかの内因性MCMがHeLa細胞中に存在することを示したが、図3は、hMCMを含むmRNAの導入後のMCM発現レベルがベースラインをはるかに上回ることを示している。
実施例15.HeLa細胞におけるMCMのin vitro活性
図3のウェスタンブロットにより、MCMが、MCM配列を含むmRNAの導入後に発現されることが示されたが、図3は、外因性発現MCMが活性であるかどうかについて対処していない。この疑問に答えるために、MCMのin vitro活性アッセイを実施した。
A.発現
HeLa細胞にヒトMCM(配列番号249)またはGFP対照(配列番号269をコード)を含むmRNA製剤をトランスフェクトし、Lipofectamin 2000を用いてトランスフェクトし、上の実施例14に記載のとおりに溶解した。比較する目的で、マウス肝臓ミトコンドリア抽出物も上の実施例13に記載するとおりに調製した。
B.活性アッセイ
外因性MCMが機能し得るどうかを評価するために、トランスフェクトしたHeLa細胞溶解物を酵素活性源として使用してin vitro活性アッセイを実施した。初めに、タンパク質132μgを含有する60μLの溶解物を30μLのMCM補酵素アドコバリミン(蒸留水中1mM)と37℃で5分間混合した。次いで、同量のDL-2-[メチル-14C]-メチルマロニルCoA(50~60mCi/mmol、Cat ARC0847、American Radiolabeled Chemicals)を各反応物に加え、これを更に37℃で10分間インキュベートした。50μLの100g/LTCAを添加して反応を停止し、ボルテックスにかけた。次いで、反応チューブを13,000gで1分間、遠心分離し、上清を、HPLCによる分離及び定量を使用して、[14C]-スクシニルCoAの存在について解析した。具体的には、各活性反応物の上清20μLを、クォータナリポンプ、マルチサンプラー、サーモスタットカラムコンパートメント、Poroshell EC-C18 120 HPLCカラム及びOpenLAB Chromatography Data Systemによって制御される放射照度検出器を備えるHPLCシステム(全て製造元の推奨に従って使用)を使用して解析した。溶出は、直線メタノールグラジエント:0~15分(溶媒A:95% 100mM酢酸/100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0))及び15~25分(5%の18%v/vメタノール/水溶液を含む95%溶媒A)、流量0.5mL/分で行った。
図4は、対照のトランスフェクトHeLa細胞において検出されたMCM活性が非常に低いか全くなかったことを示している。しかし、図4はまた、hMCMをコードするmRNAによるトランスフェクションが、ほぼ0.2mM/分/mgのMCM活性をもたらしたことも示している。hMCMをコードするmRNAによるトランスフェクションによって生成された細胞溶解物のMCM活性は、マウス肝臓ミトコンドリア抽出物において観察された活性のほぼ半分であった。
実施例16.MCMのin vitro発現の測定
正常対照(NHDF)及びMMA患者(GM50及びGM1673)に由来するHepa1-6細胞及び線維芽細胞の外因性MCMを発現する能力について試験した。
ヒトMCM(配列番号249)、マウスMCM(配列番号250)またはGFP対照(配列番号269をコード)を含むmRNA製剤を、標準プロトコルを使用するエレクトロポレーションによって、細胞にトランスフェクトした。各構築物を個別に試験した。24時間のインキュベーション後、細胞を溶解し、各溶解物中のタンパク質濃度をBCAアッセイによって測定した。MCMの発現を分析するために、各溶解物(26μg)の同等のロードをローディングバッファーで調製し、標準的なウェスタンブロット分析に供した。MCMの検出のために使用した抗体は、希釈1:1000の抗メチルマロニルCoAムターゼ(マウスモノクローナル;抗MUT TRUEMAB抗体クローンOTI2C8、OriGene(登録商標))であった。ロード対照の検出のために使用した抗体は、抗シトラーゼシンターゼ(ウサギポリクローナル、MA5-17625、Pierce(登録商標))であった。
図5は、ヒトMCM配列(配列番号249)を含有する製剤の導入が、対照構築物をトランスフェクトした細胞に比べて、正常ヒト細胞及びMMA患者由来細胞において、MCM発現のレベルを大幅に増加させたことを示している。hMCMをコードするmRNAの導入後に観察されたMCM発現レベルの増加は、hMCMをコードするmRNAをトランスフェクトした細胞の図5におけるMCMバンドの出現に反映されている。マウスMCM(配列番号250)によるトランスフェクション後には、MCMレベルに有意差は認められなかったが、これは、MCM抗体とヒト形態の酵素のみの特異的相互作用に起因し得ると思われる。
図6A~6Dは、eGFPまたはMCM mRNAをトランスフェクトしたヒト線維芽細胞におけるMCMとミトコンドリアの共局在を示す。ミトコンドリアにおけるmRNAコードhMCMの局在を調べるために、1×106個のMCM欠失患者線維芽細胞(GM01673)に1μgのhMCM mRNAをトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、細胞を200nM Mito Tracker Red CMXRos(M7512、ThermoFisher Scientific)とともに30分間インキュベートしてミトコンドリアを表し、抗MCMマウスmAb(TA506873、Origene)で染色して細胞局在を調べた。図6A及び6Cは、eGFPをコードするmRNAをトランスフェクトした患者由来線維芽細胞から得た画像である。図6B及び6Dは、hMCMをコードするmRNAをトランスフェクトした患者由来線維芽細胞から得た画像である。MCMとミトコンドリアの共局在が観察されたことから、発現されたMCMタンパク質は、ミトコンドリアの内部に存在することが示唆される。
実施例17.MCMのin vitro活性の測定
A.発現
正常ヒト対照(NHDF)及びMMA患者(GM50及びGM1673)に由来するHepa1-6細胞及び線維芽細胞を培養した。ヒトMCM(配列番号249)、マウスMCM(配列番号250)またはGFP対照(配列番号269をコード)を含むmRNA製剤を、標準プロトコルを使用するエレクトロポレーションによって、細胞にトランスフェクトした。
B.活性アッセイ
外因性MCMが機能し得るどうかを評価するために、トランスフェクトした細胞溶解物を酵素活性源として使用してin vitro活性アッセイを実施した。初めに、タンパク質100μgを含有する60μLの溶解物を30μLのMCM補酵素アドコバリミン(蒸留水中1mM)と37℃で5分間混合した。次いで、同量のDL-2-[メチル-14C]-メチルマロニルCoA(50~60mCi/mmol、Cat ARC0847、American Radiolabeled Chemicals)を各反応物に加え、これを更に37℃で10分間インキュベートした。50μLの100g/LTCAを添加して反応を停止し、ボルテックスにかけた。次いで、反応チューブを13,000gで1分間、遠心分離し、上清を、HPLCによる分離及び定量を使用して、[14C]-スクシニルCoAの存在について解析した。具体的には、各活性反応物の上清20μLを、クォータナリポンプ、マルチサンプラー、サーモスタットカラムコンパートメント、Poroshell EC-C18 120 HPLCカラム及びOpenLAB Chromatography Data Systemによって制御される放射照度検出器を備えるHPLCシステム(全て製造元の推奨に従って使用)を使用して解析した。溶出は、直線メタノールグラジエント:0~15分(溶媒A:95% 100mM酢酸/100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0))及び15~25分(5%の18%v/vメタノール/水溶液を含む95%溶媒A)、流量0.5mL/分で行った。
図7は、各試験細胞株について、マウスMCMまたはヒトMCMのいずれかをコードしているmRNAによるトランスフェクションが、全ての試験細胞種において、MCM活性のレベルが増加したことを示している。したがって、このデータは、MCMをコードするmRNAのトランスフェクションが、Hepa1-6細胞、正常ヒト対象由来線維芽細胞及びMMA患者由来線維芽細胞において、活性MM酵素の発現をもたらすことを実証している。更に、ヒトMCMは、Hepa1-6細胞にトランスフェクトしたとき、マウスMCMよりもMCM活性を大きく増加させた。
実施例18.MCMのin vivo発現の増加
MCM含有mRNAがin vivoでMCM発現を促進する能力を評価するために、ヒトMCM(配列番号249)をコードするmRNAをC57B/L6マウスに導入した。C57B/L6マウスに対照mRNA(NT-FIX)またはhMCM mRNAのいずれかを0.5mg/kgで静脈内注射した。mRNAは、マウスへの送達用に、脂質ナノ粒子中に製剤化した。マウスを24時間または48時間後に屠殺し、肝臓溶解物中のMCMタンパク質レベルをキャピラリー電気泳動(CE)によって決定した。ローディングコントロールとして使用するために、クエン酸シンターゼ発現を調べた。対照のNT-FIX注射の場合、マウス4匹を各時点について試験した。hMCM mRNA注射の場合、マウス6匹を各時点について試験した。
図8A及び8Bに示されるように、MCM発現は、ヒトMCMをコードするmRNAを注射した全てのマウスで劇的に増加した。MCM発現は、24時間の時点でピークに達し、48時間でも対照マウスより依然として高かった。各実験条件のマウス間で観察された変動は相対的に低レベルであり、MCMをコードするmRNAによる処置により、MCMの発現を確実に誘導することができることを示している。
実施例19.ヒトMCM変異体構築物
本開示によれば、ポリヌクレオチドは、ヒトMCMをコードする連結されたヌクレオシドの少なくとも第1の領域を含み得る。本開示の例示的なヒトMCMタンパク質配列が、上の表3に列挙されている。
実施例20.MCKマウスモデルにおけるMMAレベル及び体重変化
MMA(Mut-/-;TgINS-MCK-Mut)のMCKマウスモデルは、文献で知られており、MCMの基質結合ポケットをコードするMCMアレルのエクソン3を欠いている。Manoli 2013(PNAS 110(33):13552-13557(2013);及びHarrington et al.,“Stable Isotope Breath Tests to Assess Metabolite Flux in Methylmalonic Acidemia(MMA)”,American Society of Human Genetics,Abstract,2014(これらの全体を参照により本明細書に援用する)。MCMノックアウトマウスは、浸透度が半分の致死性新生児型の表現型を示し、ほとんどのマウスが新生児期初期に死亡する。このマウスモデルは、WO2014/143884A2に記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。ノックアウトに関連する表現型が極度であると試験が難しくなるので、研究者らは、ヒトMMAに関連する突然変異を模倣する変異体の組織特異的発現または発現によるトランスジェニック機能回復によって、部分的に機能回復したMCMノックアウトマウスを作製した。例えば、筋肉特異的クレアチンキナーゼプロモーターの制御下で、ノックアウトバックグラウンドでMCMを発現するトランスジェニックマウス(「MCKマウス」)は、生存し続けるが、重度の代謝性混乱及び成長異常を依然として示す。
ヒトMCMをコードするmRNAの有効性をMMA(Mut-/-;TgINS-MCK-Mut)のMCKマウスモデルで評価した(N=3~4)。MCKマウスに対照mRNA(NT-FIX)またはコドン最適化ヒトMCM mRNAのいずれかを0.16mg/kgで静脈内注射した。MCM mRNA(配列番号734、図9)を0.16mg/kgで5回注射し、MCM mRNA(配列番号735、図10)を0.2mg/kgで2回注射した。mRNAは、マウスへの尾静脈注射送達用に、脂質ナノ粒子(化合物18)中に製剤化した。血漿を週2回、投与後3日目及び6日目に採取した。血漿中MMAをLC-MS/MSによって決定した。体重を投与時に週2回測定した。マウスは、本試験の終了時に屠殺せず、他の試験に使用した。3回目の予定注射時(15日目)に、これまで対照mRNAを投与していたマウスの1匹をhMCM mRNAの投与に変更した。対照mRNAを投与した他のマウスは死亡した。この試験は、メチルマロン酸血症(MMA-emia)の動物モデルにおいて、hMCM mRNAの反復静脈内投与が生化学的異常及び成長異常を正したことを示した。
骨格筋中のMCM発現は、MCKマウスを新生児致死性から救うものであるが、これらのマウスは、メチルマロン酸血症患者において観察される臨床的特徴に類似する重度の代謝性混乱及び成長遅延を示す。本実施例において、化合物18のLNPに封入したhMCM mRNA(mo5Uで完全に修飾)の反復IV投与について調査し、mRNA治療法が生化学的異常及び成長異常を正すことができるかどうか決定した。hMCM mRNA(配列番号734をコード)またはビヒクル対照(翻訳されない第IX因子、NTFIX)mRNA 0.16mg/kgのIV注射をMCKマウスに毎週投与した。hMCM mRNA注射を受けたMCKマウスは、処置期間全体を通して、各投与後3日目及び6日目に血漿中MMAレベルの減少を示した(図16A)。重要なことに、処置したMCKマウスは、体重増加も示し、血漿中MMAレベルの減少と相関した(図16B)。対照的に、ビヒクルmRNA対照(NTFIX)を投与したMCKマウスは、2回の投与後に、血漿中MMAレベルの減少も体重の増加も示さなかった(図16A)。実際、NTFIX注射の2回のIV投与後、MCKマウスの1匹は、おそらく代謝代償不全により死亡したが、死因は不明である。MCKマウスの更なる欠損を示すために、ビヒクル対照(NTFIX)mRNAで処置したマウスをhMCM mRNA治療法に切り替えた。興味深いことに、MCKマウスがhMCM mRNA処置を受け始めると、このマウスの血漿中MMAレベルが、3日以内に、835μMから153μMに急速に減少した(図16A)。更に、このマウスは、hMCM mRNA治療法に切り替えた後、たった1週間で、体重が4.8g増えた。5回のIV投与後、MCKマウスに10日間のウォッシュアウト期間を与えた(図16B)。興味深いことに、これらのマウスにおいて、最後のhMCM mRNA注射から10日後に、血漿MMAの955+/-SDμMへの部分的なリバウンドがあった(図16A)。更に、このウォッシュアウト期間中、6日目~10日目に、これらのマウスで体重の減少が観察された(0.13+/-SD~2.8+/-SDg)(図16B)。10日のウォッシュアウト後、MCKマウスにhMCM mRNA(配列番号734をコード)0.2mg/kg IVを再投与すると、4日で、血漿中MMAレベルは、226+/-μMに減少し、体重は、1.38+/-gから3.81+/-gに増加した。これらのデータは、LNP製剤化hMCM mRNAが、より重度のMut0亜型のこのメチルマロン酸血症マウスモデルにおいて、血漿中MMAレベルを下げるのに効果的であり、同時に体重を増加させることを示している。
実施例21.正常マウス及びヒト肝臓における内因性MCMと比較した、コドン最適化MCMヒトmRNAを投与した野生型マウスの肝臓中のMCM発現
in vivoでのMCM発現を評価するために、コドン最適化MCMヒトmRNA(配列番号734)を野生型CD1マウス中に導入した。コドン最適化MCM mRNA(配列番号734)を0.2mg/kgの単回投与でCD1マウスに静脈内注射した。mRNAは、マウスへの尾静脈注射送達用に、脂質ナノ粒子(化合物18)中に製剤化した(N=3)。マウスを投与から24時間後に屠殺し、肝臓溶解物中のMCMタンパク質レベルをLC-MS/MSによって決定した。図17に示されるように、野生型マウスに0.2mg/kgを投与すると、ヒト及び正常マウス肝臓で認められる内因性MCMよりも高い、ヒトMCMの豊富な発現が生じた。
実施例22.コドン最適化MCM mRNAを投与したマウスの肝臓におけるMCM発現
LNPは、hMUT mRNAを封入し、mRNAを肝臓に分布させ、続いて、mRNAは、その機能性タンパク質に翻訳される。mRNA及びタンパク質生成物の半減期は、mRNA系治療薬の薬物動態に関する重要な決定因子である。hMUT mRNA、LNP及びコードされたMUTタンパク質の動力学を把握するために、野生型CD1マウスでPK試験を実施した。マウスには、hMUT mRNAまたはビヒクル対照(NTFIX)mRNA 0.5mg/kgを単回IVボーラスで投与した。これらのデータは、投与2時間後、LNPが肝臓で939ng/g検出され、6時間でLNP濃度はほぼ98.5%に減少したことを示した(図18A)。16時間で、LNP濃度は肝臓で検出できないことから、LNPは極めて分解性であり、肝臓で迅速に除去されることが示唆される。図18Bに示されるように、hMUT mRNAも同様に迅速に除去され、単回IV hMUT mRNA投与から6時間後、hMut mRNAレベルが急激に低下した(図18B)。98%を超えるMut mRNAが、投与から48時間後に除去された。対照的に、ヒトMUTタンパク質は、迅速に発現され、極めて長い半減期を示した(図18C)。ヒトMUTタンパク質は、hMUT IV mRNA投与後2時間、検出可能であり、16時間でピークに達する(図18C)。これらのデータは、ヒトMutの半減期は、発現した場合、およそ1.6日であることを示唆した。データは、肝臓のmRNAレベルの減少を示し、約2日でベースラインのレベルに達する。MCMをコードするmRNAの単回投与後5日までのMCMタンパク質の持続的発現は、ヒトにおける治療上有効な用量を達成するには週1回投与が潜在的に許容される投与レジメンであるMMA患者の治療において、潜在的利点を示す。
実施例23.脂質ナノ粒子の定量化ならびに腎臓、肝臓及び脾臓の分析
脂質ナノ粒子の定量、腎臓のin situハイブリダイゼーション及び脾臓のbDNAに関するin vivo分析を評価する。コドン最適化MCM mRNA(配列番号735)をCD1マウスに投与する。CD1マウスに対照mRNA(NT-FIX)またはコドン最適化MCM mRNAのいずれかを0.5mg/kgで静脈内注射する。mRNAは、マウスへの尾静脈注射送達用に、脂質ナノ粒子(化合物18)中に製剤化した。2、6、16、24、48、72、120または168時間後にマウスを屠殺する(N=3/時点)。初期の時点(2、6、及び16時間)で脂質ナノ粒子を定量する。腎臓のISHならびに肝臓及び脾臓のbDNAを分析して、無処置のCD1マウスと比較する。
実施例24.MCMをコードするmRNAのin vivo送達
in vivoでMCMを送達する方法を評価するために、コドン最適化MCMヒトmRNA、すなわち、mRNA1、mRNA2、mRNA3、mRNA4及びmRNA5(それぞれ配列番号775、776、777、734及び778)またはビヒクル対照(翻訳されない第IX因子、NTFIX)mRNAを野生型CD1マウスに導入した。mRNAを0.2mg/kgの単回投与でマウスに静脈内注射した。mRNAは、マウスへの尾静脈注射送達用に製剤化した(1製剤当たりN=3)。組成物は、MC3または化合物18のいずれを用いて製剤化した。マウスを投与から24時間後に屠殺し、肝臓溶解物中のMCMタンパク質レベルをウェスタンブロットによって決定した。図19Aは、各溶解物を同量ローディングしたウェスタンブロットである。図19Bは、図19Aのウェスタンブロットにおける発現パターンの定量である。図19A及び19Bに示されるように、MC3製剤と化合物18製剤の両製剤は、MCMをコードするmRNAの送達及び発現の促進に有効であった。MCMをコードするmRNAを野生型マウスに送達すると、ヒトMCMの発現が、対照マウスにおける内因性MCMの発現よりもはるかに高いレベルで生じた。
実施例24.in vivoにおけるMMAレベル及びMCKマウスにおける体重の影響
hMCM mRNA 0.2mg/kgのIV注射をMCKマウス2匹に毎週投与し、他の2匹には、ビヒクル対照(翻訳されない第IX因子、NTFIX)mRNAを0.2mg/kgで投与した。試験には、2回の投与を含める。hMCM mRNA注射を受けたMCKマウスは、各投与後3日目に血漿中MMAレベルの減少を示した(図20A)。重要なことに、処置したMCKマウスは、著しい体重増加も示し、血漿中MMAレベルの減少と相関した。図20Bを参照されたい。対照的に、ビヒクルmRNA対照(NTFIX)を投与したMCKマウスは、2回の投与後に、血漿中MMAレベルの著しい減少も体重の増加も示さなかった。ビヒクル対照を投与したMCKマウスの1匹が死亡した。
他の実施形態
使用してきた表現は、限定ではなく記述の表現であり、本開示の真の範囲及び趣旨を逸脱することなく、その広い態様において、添付する特許請求の範囲の範囲内で変更が可能であることを理解されたい。
本開示は、いくつかの記載の実施形態に関して、ある程度の長さで、ある程度の具体性をもって記述されているが、そのような任意の具体的事項もしくは実施形態または任意の特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、先行技術を考慮した上で、添付する特許請求の範囲の可能な限り最も広範な解釈を提供し、その結果、本開示の意図される範囲を事実上包含するように、添付する特許請求の範囲に関して解釈されるものである。
本明細書で言及される全ての公開物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体を参照により援用する。矛盾が生じる場合には、定義を含め、本明細書が優先される。加えて、セクションの見出し、材料、方法及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。