JP7027386B2 - 車両情報管理システム - Google Patents

Description

本発明は、車両に関する情報を管理するシステムに関する。

従来、車両に関する情報を管理する車両情報管理システムが知られている。特許文献１には、サーバ装置が車両に搭載された車載機から車両に関する情報を取得して、車両の利用状況などを把握するシステムが開示されている。

特開２０１９－６６９５０号公報

特許文献１に記載の車両管理システムは、車両に関する情報をサーバ装置が管理する集中管理型のシステムであるため、不正な情報の書き換えを抑制することは困難である。

本発明は、上記課題を解決するものであり、車両に関する情報の不正な書き換えを抑制することができる技術を提供することを目的とする。

本発明の一態様である車両情報管理システムは、車両に関する情報を、複数の車両の各々がブロックチェーンを利用して記録する車両情報管理システムであって、複数の車両の各々は、インターネットに接続可能な通信部と、車両に関する情報として、第１の車両に関する情報および第２の車両に関する情報が記録される記憶部と、第１の車両に関する情報を含む第１のブロックを第１のブロックチェーンの形態で記憶部に記録するとともに、第２の車両に関する情報を含む第２のブロックを第２のブロックチェーンの形態で記憶部に記録する記録部とを備えている。第１のブロックチェーンを構成する複数の第１のブロックはそれぞれ、第２のブロックチェーンを構成する複数の第２のブロックのうちのいずれか１つと対応付けられている。第１のブロックには、第１の車両に関する情報と、１つ前の第１のブロックの内容から生成される第１のハッシュ値と、対応付けられている第２のブロックの１つ前の第２のブロックの内容から生成される第２のハッシュ値とが含まれる。第２のブロックには、第２の車両に関する情報と、１つ前の第２のブロックの内容から生成される第３のハッシュ値と、対応付けられている第１のブロックの１つ前の第１のブロックの内容から生成される第４のハッシュ値とが含まれる。

本発明によれば、車両に関する情報の不正な書き換えを十分に抑制することができる。

本発明の一実施形態における車両情報管理システムの構成を模式的に示す図。 車両の構成を示すブロック図。 第１のブロックチェーンと第２のブロックチェーンの構成を説明するための図。

以下、図１～図３を参照して、本発明の実施形態について説明する。

図１は、本発明の一実施形態における車両情報管理システム１００の構成を模式的に示す図である。この車両情報管理システム１００は、車両１０に関する情報を、複数の車両１０の各々がブロックチェーンを利用して記録し、管理するシステムである。

車両１０は、この車両情報管理システム１００を利用するために、事前に利用登録されていることが好ましい。すなわち、利用登録した車両１０の各々が、車両１０に関する情報を記録する。

図２は、車両１０の構成を示すブロック図である。車両１０は、通信部１１と、情報生成部１２と、記録部１３と、記憶部１４とを備える。

通信部１１は、インターネット１に接続可能に構成されている。通信部１１がインターネット１に接続されることにより、他の車両１０に関する情報の記録が可能となる。また、通信部１１がインターネットに接続されることにより、例えば、通信部１１を備えた車両１０の間で、トランザクションの実行が可能となる。トランザクションの内容について特に制約はなく、例えば、金銭の授受に関する情報や交通情報などが挙げられる。

情報生成部１２は、ブロックチェーンの形態で記憶部１４に記録する情報を生成する。本実施形態において、ブロックチェーンは、第１のブロックチェーンと第２のブロックチェーンとを含む。

図３は、第１のブロックチェーン２１と第２のブロックチェーン２２の構成を説明するための図である。

第１のブロックチェーン２１は、第１の車両に関する情報ＩＡ_n（ｎ＝１、２、３…）を含む複数の第１のブロックＡ_n（ｎ＝１、２、３…）により構成されている。第２のブロックチェーン２２は、第１の車両に関する情報ＩＡ_nとは異なる第２の車両に関する情報ＩＢ_n（ｎ＝１、２、３…）を含む複数の第２のブロックＢ_n（ｎ＝１、２、３…）により構成されている。

例えば、第１の車両に関する情報ＩＡ_nおよび第２の車両に関する情報ＩＢ_nのうちの一方は、車種に関する情報であり、他方は、地域に関する情報である。本実施形態では、第１のブロックＡ_nに含まれる第１の車両に関する情報ＩＡ_nが車種に関する情報であり、第２のブロックＢ_nに含まれる第２の車両に関する情報ＩＢ_nが地域に関する情報である。すなわち、ユーザの車両に関する情報のうち、車種に関する情報が第１のブロックチェーン２１の形態で、第１のブロックＡ_nに含まれるように管理され、地域に関する情報が第２のブロックチェーン２２の形態で、第２のブロックＢ_nに含まれるように管理される。

ここで、車種に関する情報とは、「オデッセイ」、「ステップワゴン」など、車両の種類に関する情報である。また、地域に関する情報とは、車両が登録されている地域に関する情報であって、例えば、都道府県である。

第１のブロックチェーン２１を構成する複数の第１のブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…はそれぞれ、第２のブロックチェーン２２を構成する複数の第２のブロックＢ₁、Ｂ₂、Ｂ₃…のうちのいずれか１つと対応付けられている。逆に、複数の第２のブロックＢ₁、Ｂ₂、Ｂ₃…はそれぞれ、複数の第１のブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…のうちのいずれか１つと対応付けられている。

本実施形態では、第１のブロックチェーン２１の１番目の第１のブロックＡ₁と、第２のブロックチェーン２２の１番目の第２のブロックＢ₁、第１のブロックチェーン２１の２番目の第１のブロックＡ₂と、第２のブロックチェーン２２の２番目の第２のブロックＢ₂というように、第１のブロックチェーン２１のｎ番目の第１のブロックＡ_nと、第２のブロックチェーン２２のｎ番目の第２のブロックＢ_nがそれぞれ対応付けられている。すなわち、第１のブロックチェーン２１のｎ番目の第１のブロックＡ_nに含まれる第１の車両に関する情報ＩＡ_nと、第２のブロックチェーン２２のｎ番目の第２のブロックＢ_nに含まれる第２の車両に関する情報ＩＢ_nとは、同一の車両についての情報である。

第１のブロックＡ_nには、第１の車両に関する情報ＩＡ_nと、１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第１のハッシュ値ＨＡ_nと、第１のブロックＡ_nと対応付けられている第２のブロックＢ_nの１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第２のハッシュ値ＨＢ_nとが含まれる。ただし、第１のブロックチェーン２１を構成する複数の第１のブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…のうち、先頭の第１のブロックＡ₁については、１つ前のブロックが存在しないので、第１のハッシュ値ＨＡ₁および第２のハッシュ値ＨＢ₁は含まれない。

情報生成部１２は、第１のブロックＡ_nに含まれる上述した情報、すなわち、第１の車両に関する情報ＩＡ_nと、第１のハッシュ値ＨＡ_nと、第２のハッシュ値ＨＢ_nとを生成する。第１の車両に関する情報ＩＡ_n、ここでは、車種に関する情報は、例えば、車両販売時に車両１０に登録するようにしておき、登録されている情報を取得する。第１のハッシュ値ＨＡ_nは、例えば、１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容を、ハッシュ関数を用いて暗号化することによって生成する。また、第２のハッシュ値ＨＢ_nは、例えば、第１のブロックＡ_nと対応付けられている第２のブロックＢ_nの１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容を、ハッシュ関数を用いて暗号化することによって生成する。

ここで、第１のブロックＡ_nに、ブロックが生成されるときのタイムスタンプなど、他の情報がさらに含まれるようにしてもよい。例えば、第１のブロックＡ_nを生成する際に、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報を第１のブロックＡ_nに含めるようにしてもよい。その場合、第１のハッシュ値ＨＡ_nは、１つ前の第１のブロックＡ_n-1に含まれる、インターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報にも基づいて生成されため、より信頼性の高いハッシュ値ＨＡ_nを生成することができる。

第２のブロックＢ_nには、第２の車両に関する情報ＩＢ_nと、１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第３のハッシュ値ＨＣ_nと、第２のブロックＢ_nと対応付けられている第１のブロックＡ_nの１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第４のハッシュ値ＨＤ_nとが含まれる。ただし、第２のブロックチェーン２２を構成する複数の第２のブロックＢ₁、Ｂ₂、Ｂ₃…のうち、先頭の第２のブロックＢ₁については、１つ前のブロックが存在しないので、第３のハッシュ値ＨＣ₁および第４のハッシュ値ＨＤ₁は含まれない。

情報生成部１２は、第２のブロックＢ_nに含まれる上述した情報、すなわち、第２の車両に関する情報ＩＢ_nと、第３のハッシュ値ＨＣ_nと、第４のハッシュ値ＨＤ_nとを生成する。第２の車両に関する情報ＩＢ_n、ここでは、地域に関する情報は、例えば、車両販売時に車両１０に登録するようにしておき、登録されている情報を取得する。第３のハッシュ値ＨＣ_nは、例えば、１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容を、ハッシュ関数を用いて暗号化することによって生成する。また、第４のハッシュ値ＨＤ_nは、例えば、第２のブロックＢ_nと対応付けられている第１のブロックＡ_nの１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容を、ハッシュ関数を用いて暗号化することによって生成する。

上述したように、本実施形態では、第１のブロックチェーン２１のｎ番目の第１のブロックＡ_nと、第２のブロックチェーン２２のｎ番目の第２のブロックＢ_nとが対応付けられている。したがって、ｎ番目の第２のブロックＢ_nに含まれている第３のハッシュ値ＨＣ_nは、ｎ番目の第１のブロックＡ_nに含まれている第２のハッシュ値ＨＢ_nと同じであり、第４のハッシュ値ＨＤ_nは、ｎ番目の第１のブロックＡ_nに含まれている第１のハッシュ値ＨＡ_nと同じである。

ここで、第２のブロックＢ_nに、ブロックが生成されるときのタイムスタンプなど、他の情報がさらに含まれるようにしてもよい。例えば、第２のブロックＢ_nを生成する際に、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報を第２のブロックＢ_nに含めるようにしてもよい。その場合、第３のハッシュ値ＨＣ_nは、１つ前の第２のブロックＢ_n-1に含まれる、インターネット１に接続されている通信部１１の割合を示す情報にも基づいて生成されるため、より信頼性の高いハッシュ値ＨＣ_nを生成することができる。

ここで、第１のブロックチェーン２１で管理される複数の第１の車両に関する情報ＩＡ_nは、少なくとも一部が異なることが好ましい。同様に、第２のブロックチェーン２２で管理される複数の第２の車両に関する情報ＩＢ_nは、少なくとも一部が異なることが好ましい。例えば、車種に関する情報であれば、少なくとも一部の車両１０の車種が異なることが好ましく、地域に関する情報であれば、少なくとも一部の車両１０が登録されている地域が異なることが好ましい。

記録部１３は、情報生成部１２によって生成された情報を記憶部１４に記録する。ただし、情報生成部１２によって生成された情報は、複数の車両１０において、予め設定された合意規則を満たしているか否かの判定が行われ、合意規則を満たしていると判定された情報のみが記憶部１４に記憶される。合意規則は、例えばＰＯＷ（Proof Of Work）である。

ここでは、情報生成部１２によって情報が生成されたときに、複数の車両１０の通信部１１のうち、インターネット１に接続されている通信部１１の割合が５０％未満の場合には、記録部１３は、生成した情報を記憶部１４に記録しない。

なお、情報生成部１２および記録部１３は、それぞれＣＰＵによって構成することができる。また、記憶部１４は、例えば、ハードディスクドライブによって構成することができる。

ここで、ｎ番目の第１のブロックＡｎに格納されている第１の車両に関する情報ＩＡ_nの真偽は、以下の方法により確認することができる。すなわち、第１の車両に関する情報ＩＡ_nを含む第１のブロックＡ_nの内容に基づいて生成したハッシュ値と、（ｎ＋１）番目の第１のブロックＡ_n+1に含まれる第１のハッシュ値ＨＡ_n+1とが一致するか否かを確認するとともに、第１のブロックＡ_nと対応付けられている第２のブロックＢ_nの内容に基づいて生成したハッシュ値と、（ｎ＋１）番目の第１のブロックＡ_n+1に含まれる第２のハッシュ値ＨＢ_n+1とが一致するか否かを確認する。比較したハッシュ値が２つとも一致した場合に、第１のブロックＡ_nに格納されている第１の車両に関する情報ＩＡ_nは正しいと判断する。

同様に、ｎ番目の第２のブロックＢ_nに格納されている第２の車両に関する情報ＩＢ_nの真偽は、以下の方法により確認することができる。すなわち、第２の車両に関する情報ＩＢ_nを含む第２のブロックＢ_nの内容に基づいて生成したハッシュ値と、（ｎ＋１）番目の第２のブロックＢ_n+1に含まれる第３のハッシュ値ＨＣ_n+1とが一致するか否かを確認するとともに、第２のブロックＢ_nと対応付けられている第１のブロックＡ_nの内容に基づいて生成したハッシュ値と、（ｎ＋１）番目の第２のブロックＢ_n+1に含まれる第４のハッシュ値ＨＤ_n+1とが一致するか否かを確認する。比較したハッシュ値が２つとも一致した場合に、第２のブロックＢ_nに格納されている第２の車両に関する情報ＩＢ_nは正しいと判断する。

上述したように、本実施形態における車両情報管理システム１００では、車両に関する情報を第１のブロックチェーン２１および第２のブロックチェーン２２を利用して管理するように構成されている。第１のブロックチェーン２１を構成する第１のブロックＡ_nには、第１の車両に関する情報ＩＡ_nと、１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第１のハッシュ値ＨＡ_nと、対応付けられている第２のブロックＢ_nの１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第２のハッシュ値ＨＢ_nとを含み、第２のブロックチェーン２２を構成する第２のブロックＢ_nには、第２の車両に関する情報ＩＢ_nと、１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第３のハッシュ値ＨＣ_nと、対応付けられている第１のブロックＡ_nの１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第４のハッシュ値ＨＤ_nとを含む。

すなわち、第１のブロックチェーン２１を構成する第１のブロックＡ_nには、１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第１のハッシュ値ＨＡ_nだけでなく、別のブロックチェーンである第２のブロックチェーン２２を構成する第２のブロックＢ_nの１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第２のハッシュ値ＨＢ_nも含むように構成されているので、ハッシュ値が１つだけ含まれている構成と比べて、車両に関する情報の不正な書き換えをより効果的に抑制することができる。

同様に、第２のブロックチェーン２２を構成する第２のブロックＢ_nには、１つ前の第２のブロックＢ_n-1の内容から生成される第３のハッシュ値ＨＣ_nだけでなく、別のブロックチェーンである第１のブロックチェーン２１を構成する第１のブロックＡ_nの１つ前の第１のブロックＡ_n-1の内容から生成される第４のハッシュ値ＨＤ_nも含むように構成されているので、ハッシュ値が１つだけ含まれている構成と比べて、車両に関する情報の不正な書き換えをより効果的に抑制することができる。

なお、第三者が記憶部１４に記録されている第１の車両に関する情報ＩＡ_nを不正に書き換えるためには、第１のブロックチェーン２１を構成する全てのブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…の内容だけでなく、第２のブロックチェーン２２を構成する全てのブロックＢ₁、Ｂ₂、Ｂ₃…の内容も書き換える必要があるため、事実上不可能である。同様に、第２の車両に関する情報ＩＢ_nを不正に書き換えるためには、第２のブロックチェーン２２を構成する全てのブロックＢ₁、Ｂ₂、Ｂ₃…の内容だけでなく、第１のブロックチェーン２１を構成する全てのブロックＡ₁、Ａ₂、Ａ₃…の内容も書き換える必要があるため、事実上不可能である。

以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の１つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。

１ インターネット、１０ 車両、１１ 通信部、１２ 情報生成部 １３ 記録部、１４ 記憶部、２１ 第１のブロックチェーン、２２ 第２のブロックチェーン、１００ 車両情報管理システム

Claims (3)

1. 車両に関する情報を、複数の車両の各々がブロックチェーンを利用して記録する車両情報管理システムであって、
   前記複数の車両の各々は、
   インターネットに接続可能な通信部と、
   前記車両に関する情報として、第１の車両に関する情報および第２の車両に関する情報が記録される記憶部と、
   前記第１の車両に関する情報を含む第１のブロックを第１のブロックチェーンの形態で前記記憶部に記録するとともに、前記第２の車両に関する情報を含む第２のブロックを第２のブロックチェーンの形態で前記記憶部に記録する記録部と、
   を備えており、
   前記第１のブロックチェーンを構成する複数の前記第１のブロックはそれぞれ、前記第２のブロックチェーンを構成する複数の前記第２のブロックのうちのいずれか１つと対応付けられており、
   前記第１のブロックには、前記第１の車両に関する情報と、１つ前の前記第１のブロックの内容から生成される第１のハッシュ値と、対応付けられている前記第２のブロックの１つ前の前記第２のブロックの内容から生成される第２のハッシュ値とが含まれ、
   前記第２のブロックには、前記第２の車両に関する情報と、１つ前の前記第２のブロックの内容から生成される第３のハッシュ値と、対応付けられている前記第１のブロックの１つ前の前記第１のブロックの内容から生成される第４のハッシュ値とが含まれることを特徴とする車両情報管理システム。
2. 請求項１に記載の車両情報管理システムにおいて、
   前記第１の車両に関する情報および前記第２の車両に関する情報のうちの一方は、車種に関する情報であり、他方は、地域に関する情報であることを特徴とする車両情報管理システム。
3. 請求項１または２に記載の車両情報管理システムにおいて、
   前記複数の第１のブロックおよび前記複数の第２のブロックは、少なくとも一部が異なることを特徴とする車両情報管理システム。

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