JP6944285B2 - 回転部材を有する装置の異常原因特定システム - Google Patents

回転部材を有する装置の異常原因特定システム Download PDF

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Description

本発明は、回転部材を有する装置の異常原因特定システムに関する。
従来から、回転部材を有する装置(例えば、ガスタービン、圧縮機及び多関節アームを含むロボットなど)にセンサを取り付け、当該センサから得られる計測データに基づいて装置の異常箇所を特定するためのシステムが知られている。しかしながら、回転部材を有する装置の改良を行うためには、異常箇所のみではなく、併せて異常原因も特定することが望まれる。このような要求に応じ得る回転部材を有する装置の異常原因特定システムとして、例えば、特許文献1に開示された回転機械の異常診断システムがある。
特許文献1の異常診断システムは、診断対象である回転機械に設置された振動検出センサと、振動検出センサからの検出信号を振動データに変換する演算処理器と、演算処理器からの振動データより診断を行う情報処理機器とを備える。
特許第3834228号公報
ところで、特許文献1には詳しくは記載されていないが、特許文献1の回転機械の異常診断システムは、回転機械の運転時に発生する1種の周波数に関するデータを変換して1つの変換データを作成し、それに基づいて異常原因を特定するものである。しかしながら、このようにした場合、高い精度で異常原因を特定することができなかった。また、特定できる異常原因の種類も少なかった。
そこで、本発明は、高い精度で多くの種類の異常原因を特定することができる、回転部材を有する装置の異常原因特定システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムは、回転部材を有する装置の運転時に計測する計測データに基づいて、前記装置の異常原因を特定する、回転部材を有する装置の異常原因特定システムであって、前記回転部材の状態を観測し、且つ前記計測データを取得するセンサと、前記計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換する計測データ変換部と、前記計測データ変換部で作成された前記変換データを解析することにより、前記装置の異常原因を特定する異常原因特定部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、計測データ変換部で計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換し、これらの変換データを異常原因特定部で解析することにより、装置の異常原因を特定する。これにより、従来のように例えば回転機械の運転時に発生する1種の周波数に関するデータを変換して1つの変換データを作成し、それに基づいて異常原因を特定する場合と比較して、高い精度で異常原因を特定することができる。また、特定できる異常原因の種類を多くすることもできる。すなわち、本発明に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムは、高い精度で多くの種類の異常原因を特定することができる。
前記異常原因特定部は、前記計測データ変換部で作成された前記2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データのうち、少なくとも2つの変換データを組み合わせて解析することにより、前記装置の異常原因を特定してもよい。
この構成によれば、上記した本発明が奏する効果を顕著にすることができる。
前記変換データは、特定の時刻での周波数ごとの振幅を直交座標系で表すことにより、周波数のデータを有するように作成された周波数分析データ、特定の時間範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて時間のデータを有するように作成されたウォータフォールデータ、回転数ごとの振幅と位相を直交座標系で表すことにより、振幅データ及び位相のデータを有するように作成されたボードデータ、時間ごとの振幅および位相を極座標系で表すことにより、位相のデータを有するように作成されたポーラデータ、同時刻で計測した2方向からの振動データから定まる軸心位置を特定の時間範囲で連続的に並べて振動軌跡を表すことにより、2方向の振動データを有するように作成されたオービットデータ、同時刻の特定の時間範囲で計測した2方向からの振動データのそれぞれの振動中心である軸心位置の時間または回転数ごとの軌跡を極座標系で表すことにより、滑り軸受け内での軸心位置のデータを有するように作成された軸心軌跡データ、特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたカスケードデータ、及び、特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて前記カスケードデータと異なる形式で表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたキャンベルデータ、のうちの少なくとも2つを含んでもよい。
この構成によれば、異常原因特定部は、例えば、周波数分析データ又はウォータフォールデータとその他のデータを用いることで、特定の時間範囲内における周波数のデータだけでなくその他のデータにも基づいて解析を行い、装置の異常原因を特定することができる。これにより、上記した本発明が奏する効果を顕著にすることができる。
前記計測データ変換部は、前記計測データを前記周波数分析データ、前記ウォータフォールデータ、前記ボードデータ、前記カスケードデータ又は前記キャンベルデータに変換する際に、それぞれのデータの特徴周波数を用いて、無次元化を行ってもよい。
この構成によれば、装置ごとの周波数に依存することなく汎用的に本発明に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムを用いることが可能となる。
前記計測データ変換部は、前記計測データを前記周波数分析データ、前記ウォータフォールデータ、前記カスケードデータ又は前記キャンベルデータに変換する際に、それぞれのデータの互いに異なる2種以上の特徴周波数を用いて、それぞれのデータとして2つ以上の無次元化データを作成してもよい。
この構成によれば、1つの変換データから2つ以上の無次元化データが作成されるため、当該2つ以上の無次元化データを組み合わせて解析を行うことができる。これにより、異常に起因した特徴を際立たせてから解析を行うことができるため、一層高い精度で異常原因を特定することが可能になる。
前記計測データ変換部は、前記無次元化を行う際に用いた特徴周波数の種類について前記無次元化データにラベリングしてもよい。
この構成によれば、1つの変換データから2つ以上の無次元化データを作成した場合でも、当該2つ以上の無次元化データの管理を容易に行うことが可能になる。これにより、例えば、異常原因を特定する際の処理速度を向上させることができる。
例えば、前記異常原因特定部は、前記計測データ変換部で作成された前記変換データと、予め作成された判定モデルとの比較を行うことで解析を行ってもよい。
前記計測データは、前記計測データ変換部により前記2つ以上の変換データに変換される第1の計測データと、前記計測データ変換部により変換されない第2の計測データと、を含み、前記異常原因特定部は、前記第2の計測データ及び前記装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を少なくとも1つの変換データに付加して解析することにより、前記装置の異常原因を特定してもよい。
この構成によれば、上記2つ以上の変換データを解析するのみでは特定できなかった異常原因も特定することが可能になる。すなわち、この構成により、特定可能な異常原因の種類をさらに増やすことができ、特定の精度も向上できる。
前記計測データは、前記計測データ変換部により前記2つ以上の変換データに変換される第1の計測データと、前記計測データ変換部により変換されない第2の計測データと、を含み、前記異常原因特定部は、更に、前記第2の計測データ及び前記装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を解析することにより、前記装置の異常原因を特定する。
この構成によれば、上記2つ以上の変換データを解析するのみでは特定できなかった異常原因も特定することが可能になる。すなわち、この構成により、特定可能な異常原因の種類をさらに増やすことができ、特定の精度も向上できる。
本発明は、高い精度で多くの種類の異常原因を特定することができる、回転部材を有する装置の異常原因特定システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムの全体構成を示すブロック図である。 図1に示す異常原因特定システムが備える計測データ変換部で作成されるボードデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成されるポーラデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成されるオービットデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成される周波数分析データの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成されるウォータフォールデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成されるカスケードデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成されるキャンベルデータの一例を示す図である。 前記異常原因特定システムが備える前記計測データ変換部で作成される軸心軌跡データの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムが備える予め作成された判定モデルの一例を示す図である。
(全体構成)
以下、本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムの全体構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システム10(以下、単に「異常原因特定システム10」という。)は、回転部材Rを有する装置(例えば、ガスタービン、蒸気タービン、圧縮機、油圧ポンプ/モータ、電動モータ及び回転機の作用で駆動する多関節アームを含むロボットなど)の運転時に計測される計測データに基づいて、前記装置の異常原因を特定するためのものである。
図1を参照して、異常原因特定システム10は、回転部材Rを有する装置に設けられる2つの加速度センサ22a,22b及びピックアップセンサ24と、回転部材Rを有する装置の近傍に設けられる温度センサ26と、2つの加速度センサ22a,22b及びピックアップセンサ24それぞれと電気的に接続される計測データ変換部30と、計測データ変換部30及び温度センサ26それぞれと電気的に接続される異常原因特定部40と、を備える。
(加速度センサ22a,22b及びピックアップセンサ24)
2つの加速度センサ22a,22bは、それぞれ、装置の運転時に発生する回転部材Rの振動データ(第1の計測データ)を計測するためのものである。加速度センサ22aは回転部材Rの軸心方向と直交する第1方向(X軸方向)の振動データを計測し、加速度センサ22bは回転部材Rの軸心方向及び前記第1方向と直交する第2方向(Y軸方向)の振動データを計測する。2つの加速度センサ22a,22bは、それぞれ、計測した振動データを計測データ変換部30へと送信する。また、ピックアップセンサ24は、回転部材Rの回転数(第1の計測データ)を計測するためのものである。ピックアップセンサ24は、計測した回転数を計測データ変換部30へと送信する。なお、振動データを計測するには、2つの加速度センサ22a,22bの他に、例えば、速度センサや変位センサを用いても良い。
(温度センサ26)
温度センサ26は、温度データ(第2の計測データ)を計測するためのものである。温度センサ26は、計測した温度データを異常原因特定部40へと送信する。
(計測データ変換部30)
計測データ変換部30は、加速度センサ22a,22bで取得される2方向の振動データ、及びピックアップセンサ24で取得される回転数を2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換する。計測データ変換部30は、例えばコンピュータであり、ROMやRAMなどのメモリとCPUを有し、ROMに格納されたプログラムがCPUにより実行される。
図2〜8は、それぞれ、計測データ変換部30により作成される上記した新たな形式の変換データの一例を示す図である。計測データ変換部30は、作成した変換データを異常原因特定部40へと送信する。このとき、変換データは、数値データとして送信されてもよいし、線図データまたは画像データとして送信されてもよい。
図2は、回転数ごとの振幅と位相を直交座標系で表すことにより、振幅のデータ及び位相のデータを有するように作成されたボードデータの一例を示す。図2で示されるように、ボードデータは、例えば、横軸が回転数を示し且つ縦軸が位相を示す位相線図と、横軸が回転数を示し且つ縦軸が振幅を示す図との組み合わせで表されるものである。なお、ボードデータは、例えば、回転同期成分Xや、その2以上の整数倍及びマイナス1倍の振動周波数成分を抽出した(nX)、並びに1/n(nは2以上の整数)倍の振動周波数成分を抽出した((1/n)X)など、それぞれについて作成しても良い。さらに、回転部材Rに翼が設けられている場合はその翼枚数z、歯車が設けられている場合はその歯数zを回転同期成分Xに乗じzXとしたうえで、そのzXに対して1以上の整数倍の振動周波数成分の(nzX)、1/n(nは2以上の整数)倍の振動周波数成分の((1/n)zX)、回転同期成分Xを加えたもの(zX+nX)(nは1以上の整数)及び回転同期成分Xを減じたもの(zX−nX)(同前)など、それぞれについて作成しても良い。なお、以下でいう不釣合い振動成分は、上記した回転同期成分と同意である。また、ボードデータにより、危険速度が明確になる。
図3は、時間ごとの振幅および位相を極座標系で表すことにより、位相のデータを有するように作成されたポーラデータの一例を示す。図3で示されるように、ポーラデータは、例えば、同心円の目盛線が振幅を示し且つ放射状の目盛線が位相を示す線図として表されるものである。ポーラデータは、振動ベクトルの軌跡を表し、不釣合い振動成分(1X)の位相と振幅を示すため、当該不釣合い振動に関連して異常が発生した場合に特徴が表れやすい。特に、位相が変化すると顕著に特徴が表れる。
図4は、同時刻で計測した2方向からの振動データから定まる軸心位置を特定の時間範囲で連続的に並べて振動軌跡を表すことにより、2方向の振動データを有するように作成されたオービットデータの一例を示す。図4で示されるように、オービットデータは、例えば、横軸及び縦軸がともに振幅を示す直交座標系で軸心位置の瞬時値を連続的に並べて線図として表されるものである。オービットデータは、接触による反力のような不釣り合い(遠心力)と異なるベクトルの力が発生したとき円形状(又は楕円形状)が大きく変化するため、例えば、接触などの非線形現象が発生した場合に特徴が表れやすい。
図5は、特定の時刻での周波数ごとの振幅を直交座標系で表すことにより、周波数のデータを有するように作成された周波数分析データの一例を示す。図5で示されるように、周波数分析データは、例えば、振動データに対して高速フーリエ変換を行うことにより得られる2つの周波数に関する線図(横軸が周波数を示し且つ縦軸が位相を示す線図、及び横軸が周波数を示し且つ縦軸が振幅を示す線図)として表されるものである。周波数分析データにより、ある特定の時間範囲における周波数の特性を捉えることができる。なお、異常を示す不釣合い成分は危険速度などの周波数で変化が表れやすいため、その特徴周波数で無次元化してから作成しても良い。
図6は、特定の時間範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて時間のデータを有するように作成されたウォータフォールデータの一例を示す。図6で示されるように、ウォータフォールデータは、例えば、横軸が周波数を示し縦軸が時間を示し且つ色(又は濃淡)が振幅を示す色彩の濃淡マップとして表されるものである。1つの変換データにより、周波数のデータに加えて時間のデータも表すことができるため、異常が発生した場合にその時間的変化が表れやすい。ここで、装置自体に異常が生じた場合、その特徴は周期的に又は徐々に大きくなるように現れる。一方で、ノイズや外乱などに起因して異常が生じた場合、その特徴は一時的に現れ、装置の停止時や低速運転時にも現れる。したがって、上記作用を有するウォータフォールデータは、ノイズや外乱などに起因して異常が生じた場合に、その兆候を時間的な変化で捉えることができる。さらに、回転数で無次元化することにより、歯車の噛み合いや軸受けに起因した異常、非線形現象が発生した場合などに特徴が表れやすくなる。そして、固有振動数で無次元化することにより、不安定な振動が発生した場合に特徴が表れやすくなる。
図7は、特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたカスケードデータの一例を示す。図7で示されるように、カスケードデータは、例えば、横軸が周波数を示し縦軸が回転数を示し且つ色(又は濃淡)が振幅を示す色彩の濃淡マップとして表されるものである。カスケードデータは、回転数ごとの状態変化を捉えることができる。また、カスケードデータにより、固有振動数や危険速度が明確になる。
図8は、特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて前記カスケードデータと異なる形式で表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたキャンベルデータの一例を示す。図8で示されるように、キャンベルデータは、例えば、横軸が回転数を示し縦軸が周波数を示し且つ振幅の絶対値を円で示す線図として表されるものである。なお、キャンベルデータは、カスケードデータと同じ内容を異なる形式で表したものである。したがって、その用途などはカスケードデータと同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
図9は、同時刻の特定の時間範囲で計測した2方向からの振動データのそれぞれの振動中心である軸心位置の時間または回転数ごとの軌跡を極座標系で表すことにより、滑り軸受け内での軸心位置のデータを有するように作成された軸心軌跡データの一例を示す。図9で示されるように、軸心軌跡データは、例えば、横軸が滑り軸受け内での水平方向の軸心位置を示し且つ縦軸が滑り軸受け内での鉛直方向の軸心位置を示す線図として表されるものである。軸心軌跡データは、滑り軸受け内での異常が発生した場合にその特徴を表しやすい。ここで、ティルティングパッド軸受け内で真っ直ぐ上がる軌跡を描くなど、滑り軸受け内での軸の浮き上がり経路は回転数に応じて決まっている。したがって、当該経路と比較することにより、異常が生じているか否かを特定することができる。
計測データ変換部30は、装置の運転時に計測される振動データ及び回転数を、例えば、図2に示すようなボードデータ、図3に示すようなポーラデータ、図4に示すようなオービットデータ、図5に示すような周波数分析データ、図6に示すようなウォータフォールデータ、図9に示すような軸心軌跡データ、図7に示すようなカスケードデータ及び図8に示すようなキャンベルデータのうちの少なくとも2つに変換する。
なお、装置内に滑り軸受けが存在しないとき、軸心軌跡データへの変換は行わなくても良い。このように不要な変換を行わないことで、計測データ変換部30の処理速度を向上させることができる。
計測データ変換部30は、周波数分析データ、ウォータフォールデータ、ボードデータ、カスケードデータ又はキャンベルデータに変換する際に、それぞれのデータの特徴周波数を用いて、無次元化を行っても良い。周波数分析データ、ウォータフォールデータ、ボードデータ、カスケードデータ又はキャンベルデータの無次元化を行う際、1種の特徴周波数を用いてそれぞれのデータとして1つの無次元化データを作成してもよいが、互いに異なる2種以上の特徴周波数を用いて、それぞれのデータとして2つ以上の無次元化データを作成しても良い。
ここで、周波数分析データ、ウォータフォールデータ、カスケードデータ及びキャンベルデータの無次元化を行う際に用いる特徴周波数としては、固有振動数及び危険速度を挙げることができる。回転部材Rに歯車が設けられる場合は、無次元化の際の特徴周波数に歯車の噛み合い周波数が含まれてもよい。また、回転部材Rが転がり軸受で支持される場合は、無次元化の際の特徴周波数に軸受け内輪欠陥パス、軸受け外輪欠陥パス、軸受け転動体欠陥パス及び軸受け保持器欠陥パスのうちの少なくとも1つが含まれてもよい。さらに、回転部材Rに翼が設けられている場合は、無次元化の際の特徴周波数に翼通過の周波数が含まれてもよい。一方、ボードデータの無次元化を行う際に用いる特徴周波数としては、危険速度を挙げることができる。
なお、装置内に歯車が存在しないときは、歯車の噛み合い周波数を用いて無次元化しない。同様に、装置内に転がり軸受け及び滑り軸受けが存在しないときは、軸受け内輪欠陥パス、軸受け外輪欠陥パス、軸受け転動体欠陥パス、及び軸受け保持器欠陥パスを用いて無次元化せず、装置内に翼が存在しないときは、翼通過の周波数を用いて無次元化しない。このように不要な無次元化を行わないことで、計測データ変換部30の処理速度を向上させることができる。
なお、上記したように無次元化を行う場合には、計測データ変換部30は、無次元化を行う際に用いた特徴周波数の種類について無次元化データにラベリングしても良い。
(異常原因特定部40)
異常原因特定部40は、計測データ変換部30で作成された変換データを解析することにより、装置の異常原因を特定する。異常原因特定部40は、計測データ変換部30と同様に、ROMやRAMなどのメモリとCPUを有し、ROMに格納されたプログラムがCPUにより実行される。なお、異常原因特定部40は、推論・判断などの知的な機能を人工的に実現するための自己学習機能を有するコンピュータシステム(いわゆる「人工知能(AI)」)として構成されても良い。
異常原因特定部40は、計測データ変換部30で作成された2つ以上の図2〜9に示すような変換データのうち、少なくとも2つの変換データを組み合わせて解析しても良い。
異常原因特定部40は、計測データ変換部30で作成された例えば図2〜9に示すような変換データと、予め作成された判定モデルとの比較を行うことで解析を行っても良い。したがって、異常原因特定部40は、予め作成された判定モデルを格納するために上記メモリとは別個に設けられた記憶装置を含んでもよい。
図10は、本発明の一実施形態に係る回転部材を有する装置の異常原因特定システムが備える予め作成された判定モデルの一例を示す図である。図10では、最も左側の列に異常原因を列挙して示し、且つ当該異常原因それぞれが発生しているか否かを特定するために用いる変換データの組み合わせ候補を示した。図10では、代表的な12の異常原因を列記したが、異常原因がこれらに限られるものでないことは言うまでもない。
図10において、異常原因それぞれが発生しているとき、その特徴が顕著に表れる変換データに「◎」を付した。また、異常原因それぞれが発生しているとき、「◎」が付された変換データには劣るが、その特徴が表れる変換データに「○」を付した。さらに、異常原因それぞれが発生しているとき、その特徴が必ずしも表れるわけではないが、あれば解析を行い易くなる可能性のある変換データに「△」を付した。したがって、異常原因それぞれは、「◎」が付された変換データを解析することで、特定または絞り込むことができる。なお、異常原因それぞれは、「◎」が付された2つ以上の変換データを組み合わせて解析することで、「◎」が付された1つの変換データを解析する場合と比較して、高い精度で特定または絞り込むことが可能になる。また、異常原因それぞれは、「○」が付された変換データのみを解析することで特定または絞り込むことができるが、「◎」が付された少なくとも1つの変換データを加えて解析することで、一層高い精度で特定または絞り込むことが可能になる。なお、異常原因特定部40は、「◎」が付された変換データ、「〇」が付された変換データ及び「△」が付された変換データのうち、少なくとも2つの変換データを組み合わせて解析しても良い。
図10に示した異常原因それぞれについて説明する。なお、装置が正常な状態にあることを特定するための解析の組み合わせ候補についても図10に記載した。装置が正常な状態である場合、図10に示すように、ボードデータ及びポーラデータのうち少なくともどちらか一方を解析することによりそれを特定することができる。異常原因特定部40は、これらの変換データを解析して、振動データの振幅が所定値よりも小さく、且つ危険速度に近い回転数で位相が反転している場合、装置が正常な状態であると特定する。また、ウォータフォールデータも併せて解析することにより精度を向上させることが可能になる。さらに、カスケードデータ又はキャンベルデータも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転部材Rに欠損が生じたこと及び物が付着したことに起因して異常が生じた場合(図10において「回転部材における欠損/付着」)、図10に示すように、ポーラデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、上記原因により異常が生じている場合、アンバランスの大きさや位置が変化するために回転同期の不つりあい成分(1X)の振動の振幅に加えて位相も変化し、この位相の変化がポーラデータ(◎)に表れやすいためである。なお、当該位相及び振幅は、回転部材Rに欠損が生じた場合には急激に変化し、物が付着した場合には長い時間を掛けて徐々に変化する。また、ウォータフォールデータ及びカスケードデータ又はキャンベルデータも併せて解析することにより発生している振動が不つりあい成分(1X)であることを確認できるため、これを特定することができる。さらに、ボードデータも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転部材Rのサーマルアンバランスに起因して異常が生じた場合、図10に示すように、ポーラデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、サーマルアンバランスはラビングにより発生し、熱ひずみによるアンバランスが時間とともに特に位相が継続的に円を描くように変化するが、この位相の変化がポーラデータ(◎)に表れやすいためである。また、ウォータフォールデータも併せて解析することにより不つりあい成分(1X)の時間的な変化をとらえることができるため、これを特定することができる。さらに、ボードデータ及びカスケードデータ又はキャンベルデータも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転軸にクラックが生じたことに起因して異常が生じた場合、図10に示すように、カスケードデータ又はキャンベルデータを解析することによりそれを特定することができる。これは、クラックが開く方向と閉じる方向で剛性に差が出るため回転同期成分の2倍(2X)振動が発生し、クラックは製造や組み立ての段階で生じている場合があり、起動時にすでに振動が発生する場合が多いため、周波数に加えて回転数の情報を含むカスケードデータやキャンベルデータ(◎)にその特徴が表れ易いためである。また、クラックが時間経過とともに拡大する場合は、周波数に加えて時間の情報を含むウォータフォールデータも併せて解析することにより精度を向上させることが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転部材Rのラビングに起因して異常が生じた場合、図10に示すように、オービットデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、上記原因により異常が生じている場合、接触による間欠的な外力がロータに作用し、不釣合い成分(1X)での振れまわりの形状が大きく乱れるように変化するが、この振れまわり振動の形状の変化がオービットデータ(◎)に表れやすいためである。また、ポーラデータ及びウォータフォールデータのうち少なくともどちらか一方も併せて解析することにより特定することが可能になる。これは、例えば、ウォータフォールデータでフリクションホイップが確認される場合、回転同期成分Xに対してマイナス1倍の振動周波数成分(−1X)に特徴が表れるためである。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
カップリング部材が同芯で接続されているが、滑り軸受けのミスアライメントに起因して異常が生じた場合(図10において「ミスアライメント(カップリングは同芯で接続)」)、軸受け内での軸心の位置が通常よりも浮く又は沈む位置に移動しているために軸受の特性が変化し異常な振動が生じる。図10に示すように、軸心軌跡データ(◎)を解析することにより軸心の位置の異常を絞り込むことができる。また、カスケードデータ又はキャンベルデータも併せて解析することにより特定することが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
カップリング部材と回転部材Rとの角度差に起因して異常が生じた場合(図10において「カップリング角度差」)、図10に示すように、カスケードデータ又はキャンベルデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、上記原因が装置運転の初期段階から生じるものであるため、その特徴は時間変化せず、カスケードデータ又はキャンベルデータを解析することにより、回転数を変化させたときでも不釣合い成分の2倍の成分(2X)が発生しているか否かにより判別することができるためである。また、ウォータフォールデータも併せて解析することにより特定することが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
軸受け台がアンバランスになりガタつくことに起因して異常が生じた場合(図10において「軸受け台ガタ」)、図10に示すように、ウォータフォールデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、上記原因が軸受台の支持剛性が非線形となることより調波振動が発生するため、負荷や回転数が大きくなると上記ガタの影響が顕著になり時間的に変化し、この変化がウォータフォールデータ(◎)に表れやすいためである。また、カスケードデータ又はキャンベルデータも併せて解析することにより特定することが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
滑り軸受けにより軸支された回転部材Rのオイルホワールに起因して異常が生じた場合、オイルホイップが発生する直前の回転数で回転同期の半分((1/2)X)となる成分の振動が表れ、回転数の上昇と共に(1/2)Xの成分が固有振動(fn)に近づくため、図10に示すように、回転数と周波数の情報をともに含むカスケードデータ及びキャンベルデータ(◎)のうちの少なくともどちらか一方を解析することによりそれを絞り込むことができる。また、滑り軸受の異常により発生するため軸心軌跡(◎)にも変化が表れ易く、併せて解析することにより特定することができる。また、オービットデータ及びウォータフォールデータのうちの少なくともどちらか一方も併せて解析することにより精度を向上させることが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
滑り軸受けにより軸支された回転部材Rのオイルホイップに起因して異常が生じた場合、最低次の固有振動数(fn)の周波数の2倍以上に相当する回転数で固有振動(fn)の振動が発生するため、図10に示すように、回転数と周波数の情報をともに含むカスケードデータ及びキャンベルデータ(◎)のうちの少なくともどちらか一方を解析することによりそれを絞り込むことができる。また、滑り軸受の異常により発生するため軸心軌跡(◎)にも変化が表れ易く、併せて解析することにより特定することができる。また、ポーラデータ、オービットデータ及びウォータフォールデータのうちの少なくとも1つも併せて解析することにより精度を向上させることが可能になる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転部材Rを有する装置が蒸気タービンの場合で、スチームホワールに起因して異常が生じた場合、図10に示すように、ウォータフォールデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、タービン翼車では前向きの振れ回りを起こし、蒸気の流体力に起因する自励振動(fn)が発生するためである。また、オービットデータ、カスケードデータ及びキャンベルデータのうちの少なくとも1つも併せて解析することにより特定することができる。さらに、周波数分析データ及び軸心軌跡データのうちの少なくともどちらか一方も併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
回転部材Rを有する装置がコンプレッサの場合で、ガスホワールに起因して異常が生じた場合、図10に示すように、ウォータフォールデータを解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、作動流体の流体力に起因する自励振動(fn)が発生し、軸流圧縮機では後ろ回りの振れ回りを起こすためである。また、オービットデータ、カスケードデータ及びキャンベルデータのうちの少なくとも1つも併せて解析することにより特定することができる。さらに、周波数分析データ及び軸心軌跡データのうちの少なくともどちらか一方も併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
カップリング部材と回転部材Rとが摩擦により嵌合している場合で、当該嵌合により生じる減衰に起因して異常が生じた場合、危険速度(fc)以上の回転数で固有振動数(fn)の振動が発生するため、図10に示すように、回転数と周波数の情報をともに含むカスケードデータ又はキャンベルデータ(◎)を解析することによりそれを絞り込むことができる。これは、上記原因が軸と嵌合部材との間で発生する摩擦力による自励振動(fn)によるものであり、危険速度(fc)を超えると発生するためである。また、オービットデータ及びウォータフォールデータのうちの少なくともどちらか一方も併せて解析することにより特定することができる。さらに、周波数分析データも併せて解析することにより解析を行い易くなる可能性がある。
歯車において異常が発生している場合、計測データに対して包絡線処理を行い、そのデータを用いて図10に示すように周波数分析データを解析することにより、異常原因を絞り込むことができる。また、ウォータフォールデータ、カスケードデータ及びキャンベルデータのうち少なくとも1つを併せて解析することにより異常原因を特定することができる。これは、異常がある歯車に対して、その特徴周波数となる噛み合い周波数やその高次成分、更にはこれらのサイドバンド成分について、通常は正常時からゆっくりとした変化が発生するため、ある特定の時間における周波数分析データに併せて、時間や回転数による変化を確認することにより、異常原因を特定することができるためである。
転がり軸受において異常が発生している場合、計測データに対して包絡線処理を行い、そのデータを用いて図10に示すように周波数分析データを解析することにより、異常原因を絞り込むことができる。また、ウォータフォールデータ、カスケードデータ及びキャンベルデータのうち少なくとも1つを併せて解析することにより異常原因を特定することができる。これは、転がり軸受に異物が混入した時などでは、特徴周波数となる軸受内輪欠陥パス、軸受外輪欠陥パス、軸受転動体欠陥パス、軸受保持器欠陥パスといったものや、これらの高次成分のいずれかについて、急激な変化が表れるため、ある特定の時間における周波数分析データに併せて、時間や回転数による変化を確認することにより、異常原因を特定することができるためである。
異常原因特定部40は、上記のように装置の異常原因を特定し、例えば、その結果をディスプレイなどの出力装置(図示せず)に出力しても良いし、その結果を保存して遠隔に設けられた任意の装置(同前)で確認できるようにしても良い。
(効果)
本実施形態に係る異常原因特定システム10は、計測データ変換部30で計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データ(例えば、図2〜9にその一例を示すような変換データ)に変換し、これらの変換データを異常原因特定部40で解析することにより、装置の異常原因を特定する。これにより、従来のように例えば回転機械の運転時に発生する1種の周波数に関するデータを変換して1つの変換データを作成し、それに基づいて異常原因を特定する場合と比較して、高い精度で異常原因を特定することができる。また、特定できる異常原因の種類を多くすることもできる。すなわち、本実施形態に係る異常原因特定システム10は、高い精度で多くの種類の異常原因を特定することができる。
また、異常原因特定部40が、計測データ変換部30で作成された2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データのうち、少なくとも2つの変換データを組み合わせて解析することにより、上記した本実施形態が奏する効果を顕著にすることができる。
さらに、異常原因特定部40は、図2〜9にその一例を示す変換データのうちの少なくとも2つを解析することにより、例えば、周波数分析データ又はウォータフォールデータとその他のデータを用いることで、特定の時間範囲内における周波数のデータだけでなくその他のデータにも基づいて解析を行い、装置の異常原因を特定することができる。これにより、上記した本発明が奏する効果を顕著にすることができる。
そして、計測データ変換部30は、上記したように、それぞれのデータの特徴周波数を用いて無次元化を行う。これにより、装置ごとの周波数に依存することなく汎用的に、本実施形態に係る異常原因特定システムを用いることが可能となる。
また、計測データ変換部30は、上記したように、それぞれのデータの互いに異なる2種以上の特徴周波数を用いて、それぞれのデータとして2つ以上の無次元化データを作成する。これにより、1つの変換データから2つ以上の無次元化データが作成されるため、異常原因特定部40は、当該2つ以上の無次元化データを組み合わせて解析を行うことができる。その結果、本実施形態に係る異常原因特定システム10は、異常に起因した特徴を際立たせてから解析を行うことができるため、一層高い精度で異常原因を特定することが可能になる。
さらに、計測データ変換部30は、無次元化データにラベリングすることにより、1つの変換データから2つ以上の無次元化データを作成した場合でも、当該2つ以上の無次元化データの管理を容易に行うことが可能になる。これにより、例えば、異常原因を特定する際の処理速度を向上させることができる。
また、計測データ変換部30により変換されない温度データ、圧力データおよび装置の出力データ等の運転状態のモニタリングデータ(第2の計測データ)を1つ以上の変換データ(例えば、時間軸を有するウォータフォールデータ)に付加して解析することにより、異常原因の特定精度を向上させること、または、特定可能な異常原因の種類をさらに増やすことができる。
(変形例)
上記実施形態では、2つの加速度センサ22a,22b及びピックアップセンサ24を回転部材Rを有する装置に設けることにより、第1の計測データとして振動データ及び回転数を計測する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、マイクロフォンを回転部材Rの近傍に設けることにより、第1の計測データとして音データを計測するようにしてもよい。また、回転部材Rを有する装置にトルク計を取り付けることにより、第1の計測データとしてトルクデータを計測するようにしてもよい。さらに、回転部材Rを有する装置がモータ駆動される場合には、第1の計測データとしてモータ電流データを計測するようにしてもよい。
上記実施形態では、異常原因特定部30が、計測データ変換部30により変換されない第2の計測データ(温度データ、圧力データおよび装置の出力データ等の運転状態のモニタリングデータ)を1つ以上の変換データに付加して解析する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、異常原因特定部30は、装置に対する制御指令データ(例えば、ロボットに対して多関節アームを動作させる制御指令データなど)を1つ以上の変換データに付加して解析するようにしてもよい。これによっても、異常原因システム10は、特定可能な異常原因の種類をさらに増やすことができる。すなわち、異常原因特定部30は、計測データ変換部30により変換されない第2の計測データ及び装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を1つ以上の変換データに付加して解析しても良い。
また、異常原因特定部30は、計測データ変換部30により変換される変換データのうちの少なくとも2つを解析するとともに、第2の計測データ及び装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を解析することで異常原因を特定しても良い。これにより、上記2つ以上の変換データを解析するのみでは特定できなかった異常原因も特定することが可能になる。すなわち、この構成により、特定可能な異常原因の種類をさらに増やすことができ、特定の精度も向上できる。このとき、第2の計測データ及び制御指令データのうちの少なくともどちらか一方と変換データとの間には、例えば時間軸等で関連付けが行われる。
上記実施形態では、計測データ変換部30と異常原因特定部40とが別個の装置として構成されており、且つ異常原因特定部40がいわゆる人工知能(AI)として構成されていても良いとして説明したが、この場合に限定されない。例えば、計測データ変換部30と異常原因特定部40とが1つの装置として構成されていてもよい。そして、当該1つの装置がいわゆる人工知能(AI)として構成されていてもよい。
上記実施形態では、異常原因特定システム10は、1台の回転部材Rを有する装置の異常原因を特定する場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、異常原因特定システム10は、2台以上の回転部材Rを有する装置の異常原因を特定するものであってもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
10 異常原因特定システム
22a,22b 加速度センサ
24 ピックアップセンサ
26 温度センサ
30 計測データ変換部
40 異常原因特定部
R 回転部材

Claims (5)

  1. 回転部材を有する装置の運転時に計測する計測データに基づいて、前記装置の異常原因を特定する、回転部材を有する装置の異常原因特定システムであって、
    前記回転部材の状態を観測し、且つ前記計測データを取得するセンサと、
    前記計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換する計測データ変換部と、
    前記計測データ変換部で作成された前記変換データを解析することにより、前記装置の異常原因を特定する異常原因特定部と、
    を備え、
    前記変換データは、
    特定の時刻での周波数ごとの振幅を直交座標系で表すことにより、周波数のデータを有するように作成された周波数分析データ、
    特定の時間範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて時間のデータを有するように作成されたウォータフォールデータ、
    回転数ごとの振幅と位相を直交座標系で表すことにより、振幅データ及び位相のデータを有するように作成されたボードデータ、
    時間ごとの振幅および位相を極座標系で表すことにより、位相のデータを有するように作成されたポーラデータ、
    同時刻で計測した2方向からの振動データから定まる軸心位置を特定の時間範囲で連続的に並べて振動軌跡を表すことにより、2方向の振動データを有するように作成されたオービットデータ、
    同時刻の特定の時間範囲で計測した2方向からの振動データのそれぞれの振動中心である軸心位置の時間または回転数ごとの軌跡を極座標系で表すことにより、滑り軸受け内での軸心位置のデータを有するように作成された軸心軌跡データ、
    特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたカスケードデータ、
    及び、特定の回転数範囲で周波数ごとの振幅を並べて前記カスケードデータと異なる形式で表すことにより、周波数のデータに加えて回転数のデータを有するように作成されたキャンベルデータ、
    のうちの少なくとも2つを含み、
    前記計測データ変換部は、前記計測データを前記周波数分析データ、前記ウォータフォールデータ、前記ボードデータ、前記カスケードデータ又は前記キャンベルデータに変換する際に、それぞれのデータの特徴周波数を用いて、無次元化を行うことを特徴とする、回転部材を有する装置の異常原因特定システム。
  2. 前記計測データ変換部は、前記計測データを前記周波数分析データ、前記ウォータフォールデータ、前記カスケードデータ又は前記キャンベルデータに変換する際に、それぞれのデータの互いに異なる2種以上の特徴周波数を用いて、それぞれのデータとして2つ以上の無次元化データを作成する、請求項1に記載の回転部材を有する装置の異常原因特定システム。
  3. 前記計測データ変換部は、前記無次元化を行う際に用いた特徴周波数の種類について前記無次元化データにラベリングする、請求項2に記載の回転部材を有する装置の異常原因特定システム。
  4. 回転部材を有する装置の運転時に計測する計測データに基づいて、前記装置の異常原因を特定する、回転部材を有する装置の異常原因特定システムであって、
    前記回転部材の状態を観測し、且つ前記計測データを取得するセンサと、
    前記計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換する計測データ変換部と、
    前記計測データ変換部で作成された前記変換データを解析することにより、前記装置の異常原因を特定する異常原因特定部と、
    を備え、
    前記計測データは、前記計測データ変換部により前記2つ以上の変換データに変換される第1の計測データと、前記計測データ変換部により変換されない第2の計測データと、を含み、
    前記異常原因特定部は、前記第2の計測データ及び前記装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を少なくとも1つの変換データに付加して解析することにより、前記装置の異常原因を特定することを特徴とする、回転部材を有する装置の異常原因特定システム。
  5. 回転部材を有する装置の運転時に計測する計測データに基づいて、前記装置の異常原因を特定する、回転部材を有する装置の異常原因特定システムであって、
    前記回転部材の状態を観測し、且つ前記計測データを取得するセンサと、
    前記計測データを2つ以上の互いに異なる新たな形式の変換データに変換する計測データ変換部と、
    前記計測データ変換部で作成された前記変換データを解析することにより、前記装置の異常原因を特定する異常原因特定部と、
    を備え、
    前記計測データは、前記計測データ変換部により前記2つ以上の変換データに変換される第1の計測データと、前記計測データ変換部により変換されない第2の計測データと、を含み、
    前記異常原因特定部は、前記第2の計測データ及び前記装置に対する制御指令データのうちの少なくともどちらか一方を更に解析することにより、前記装置の異常原因を特定することを特徴とする、回転部材を有する装置の異常原因特定システム。
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