以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る中継装置の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、中継装置1aは、制御部10、第1無線送受信部11、及び第2無線送受信部12を有する。中継装置1aは、屋内の無線基地局装置と屋外の端末装置との間の無線通信を中継する装置であり、そのため、屋内と屋外との境界付近に設置される。
この無線基地局装置は、アクセスポイント(AP)として利用できる。よって、屋内の端末装置間での無線通信は、この無線基地局装置を介して行うことができる。つまり、この無線基地局装置は、例えばIEEE802.11規格に準拠した無線LANのAPとすることができ、また、上記無線LANで言うところのインフラストラクチャモードで動作することが可能になっている。
また、屋外の端末装置は、この無線基地局装置と無線通信を行うことが可能な装置であればよく、例えば無線LANアダプタ等の無線通信ユニットを有する。屋外の端末装置としては、携帯電話機(スマートフォンと称されるものも含む)、モバイル型(ノート型)のパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末などが挙げられる。屋外の端末装置は、無線基地局装置を親機とする子機として動作することができる。
制御部10は、屋内の無線基地局装置と屋外の端末装置との間の無線通信を中継する制御を行う。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現される。制御部10は、集積回路(Integrated Circuit)によって実現されることもできる。
第1無線送受信部11は、指向性をもつ第1アンテナを介して、屋内の無線基地局装置(以下、AP)と無線通信を行うための無線送受信部である。よって、第1無線送受信部11には図示しない第1アンテナが接続されており、第1アンテナはAPが設置されている方向に指向性をもつように向けられている。
また、APは、基本的に屋内の端末装置と無線通信を行うために設置される。屋内の端末装置は、屋外の端末装置と同様に、APと無線通信を行うことが可能な装置であればよく、例えば無線LANアダプタ等の無線通信ユニットを有する。屋内の端末装置としては、屋外の端末装置と同様に、携帯電話機(スマートフォンと称されるものも含む)、モバイル型のPC、タブレット端末などが挙げられるほか、設置型のPCなども挙げられる。屋内の端末装置も、屋外の端末装置と同様に、APを親機とする子機として動作することができる。屋内の端末装置及び屋外の端末装置は、ステーション(ST)と称することもできる。
第2無線送受信部12は、指向性をもつ第2アンテナを介して、屋外の端末装置と無線通信を行うための無線送受信部である。よって、第2無線送受信部12には図示しない第2アンテナが接続されており、屋外の方向に指向性をもつように向けられている。制御部10は、第1無線送受信部11及び第2無線送受信部12を制御することで、上述した中継の制御を行うことができる。
このように、本実施形態に係る無線通信システムは、例えば、複数STが室内に設置した1台のAPを介して相互に無線通信を行う無線LANシステムとして構築することができる。そして、この無線通信システムには、APと通信可能な位置で且つ屋内と屋外の境界付近に中継装置1aが設置(配置)され、中継装置1aがAP及びSTと無線通信を行い、APとST間の無線通信の橋渡し(中継)を行う。このような中継のために、中継装置1aは、屋外用と屋内用の2つの無線送受信部(第1無線送受信部11及び第2無線送受信部12)を具備し、それぞれの無線送受信部がそれぞれの指向性アンテナに接続されている。そして、屋外用無線送受信部に接続されているアンテナは屋外方向の指向性を持ち、屋内用無線送受信部に接続されているアンテナは屋内方向の指向性を持つ。また、第1無線送受信部11と第2無線送受信部12とで、異なる周波数帯域(チャネル)で通信を行わせることが好ましく、これにより屋内と屋外との無線通信の相互干渉を抑制することができる。
そして、本実施形態の主たる特徴の一つとして、制御部10は、APに対して送信電力の低減を要求する機能を有する。制御部10は、この要求を、APと通信するための第1無線送受信部11及び第1アンテナを介して行うことができる。この要求がなされた場合、APは、送信電力の低減を行う。このように、制御部10は、APの制御を行うことができる。
制御部10は、例えば、APから受信した信号の強度が一定範囲内に収まるように、APに対して送信電力の低減を要求することができる。なお、制御部10は、このような低減要求を行う機能と併せて、APから受信した信号の強度が予め定められた基準値(下限の基準値)より小さい場合、APに対して送信電力の増加を要求できる機能を備えることもできる。また、実施形態2,3として後述するように、制御部10は、APから受信した信号の強度が予め定められた基準値(上限の基準値)より大きい場合、APに対して送信電力の低減を要求することもできる。
本実施形態に係る中継装置1aによれば、屋内に設置されるAPの送信電力を低減させることができるため、屋外のSTの台数が増加した場合の、送信待ちの発生や通信の衝突による再送信の発生を相対的に減少させることができる。よって、本実施形態に係る中継装置1aによれば、APが屋内に設置される無線通信システムにおいて、屋外のSTの台数が増加することでスループットが低下してしまうことを抑制することができる。
<実施形態2>
実施形態2について、図2〜図14を併せて参照しながら、実施形態1との相違点を中心に説明するが、本実施形態でも、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。
<<本実施形態の概略>>
まず、本実施形態について、図2〜図4を参照しながら概略的に説明する。図2は、実施形態2に係る無線通信システムの一構成例を示すブロック図である。図3及び図4は、図2の無線通信システムにおいて実行される中継処理の一例を説明するためのフロー図である。
図2に示すように、本実施形態に係る無線通信システムは、中継装置であるEX1(1)及びアクセスポイントであるAP1(2)を、屋内に備える。なお、EX1(1)は、外壁又は窓の外側に設置しておくこともできる。また、図2に示すように、この無線通信システムは、端末装置であるST1(3)を屋内に備えるとともに、端末装置であるST2(4)を屋外に備える。なお、屋内及び屋外のSTの数は問わない。
EX1(1)は、AP1(2)と屋外のST2(4)との間の無線通信を中継する。EX1(1)は、図1の中継装置1aと同様、制御部10、第1無線送受信部11、及び第2無線送受信部12を有するとともに、第1アンテナ13、第2アンテナ14、及び記憶部15を有することができる。
第1無線送受信部11は、無線通信における送信と受信を行う。第1アンテナ13は、上述したように指向性をもつアンテナであり、APが設置されている方向に指向性をもつように向けられている。また、第1アンテナ13は、上述したように第1無線送受信部11に接続されており、電波の送信と受信を行う。
第2無線送受信部12は、無線通信における送信と受信を行う。第2アンテナ14は、上述したように指向性をもつアンテナであり、屋外の方向に指向性をもつように向けられている。また、第2アンテナ14は、上述したように第2無線送受信部12に接続されており、電波の送信と受信を行う。
制御部10は、第1無線送受信部11及び第2無線送受信部12の双方を制御し、これらの間でのデータの媒介を行う。また、記憶部15は、制御部10で実行されるプログラムやデータの保存を行う。
そして、本実施形態における制御部10は、AP1(2)から受信した信号の強度が所定値より大きい場合、AP1(2)に対して送信電力の低減を要求する。上記所定値は、予め定められた上限の基準値とすることができる。また、制御部10は、AP1(2)から受信した信号の強度が上記上限の基準値以下になるまで、AP1(2)に対する送信電力の低減の要求を繰り返し行うことが好ましい。
AP1(2)は、制御部20、無線送受信部21、アンテナ22、有線送受信部23、及び記憶部24を有することができる。無線送受信部21は、無線通信における送信と受信を行う。アンテナ22は、無線送受信部21に接続されており、電波の送信と受信を行う。有線送受信部23は、インターネットNと有線通信における送信と受信を行う。なお、図2では便宜上、インターネットNを屋内のみに図示しているが、実際には屋外に繋がっている。
制御部20は、無線送受信部21及び有線送受信部23の双方を制御し、これらの間でのデータの媒介を行う。また、制御部20は、EX1(1)から送信電力低減要求があった場合に、それに応じる機能、例えば、その要求に応じて送信電力設定を段階的に(例えば1段階)下げる機能を有する。記憶部24は、制御部20で実行されるプログラムやデータの保存を行う。
ST1(3)は、制御部30、無線送受信部31、アンテナ32、記憶部33、表示部34、及び入力部35を有することができる。また、ST2(4)は、制御部40、無線送受信部41、アンテナ42、記憶部43、表示部44、及び入力部45を有する。ST1(3)、ST2(4)は、実施形態1で説明したように、例えば、ノート型のPC、タブレット端末、スマートフォン等の携帯電話機などとすることができる。
ST1(3)、ST2(4)はいずれも同じ構成要素を有することができるため、ST1(3)について代表して説明する。なお、ST2(4)の制御部40による制御は、ST1(3)が有する制御部30による制御と無線通信以外の制御において異ならしめることができる。
制御部30は、無線送受信部31、記憶部33、表示部34、及び入力部35の全てを制御し、それらの間でのデータの媒介を行う。記憶部33は、制御部30で実行されるプログラムやデータの保存を行う。
無線送受信部31は、アンテナ32を介して無線通信における送信と受信を行う。表示部34は、ユーザに情報や状態の通知を行う。表示部34としては、例えば液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示パネルをはじめ、LED(Light Emitting Diode)などの表示デバイスが挙げられる。入力部35は、ユーザがST1(3)の操作を行うための部位で、操作部と称することもできる。入力部35としては、例えばキーボード、ポインティングデバイス、タッチセンサ、スイッチなどの入力デバイスが挙げられる。入力部35は、複数種類の入力デバイスを有することもできる。入力部35がタッチセンサを含み、表示部34が表示パネルである場合、タッチパネルとして一体に構成することができる。
上述したような構成の無線通信システムにおいて実行される中継処理は、例えば、図3及び図4で例示するような処理とすることができる。この処理例について以下に説明する。
まず、AP1(2)が、報知情報信号を送信し(ステップS1)、有効信号の受信を待つ(ステップS2)。ここで、報知情報信号とは、AP1(2)が自らの存在を知らせるために発する無線信号を指す。これらの信号の送受信は、無線送受信部21がアンテナ22を介して行う。
EX1(1)は、AP1(2)と無線通信を開始する際、報知情報信号の検索を行い(ステップS3)、ステップS1で報知情報信号が送信された場合、その報知情報信号を受信する(ステップS4)。これらの信号の検索及び受信は、第1無線送受信部11が第1アンテナ13を介して行う。
次いで、EX1(1)の第1無線送受信部11又は制御部10は、受信した報知情報信号の受信電界強度(以後、RSSI[Received Signal Strength indication]とする)を測定する(ステップS5)。制御部10は、このRSSIの値が基準位置より大きいか否かを判定し(ステップS6)、大きい場合(YESの場合)には、AP1(2)への送信電力低減要求を含む、AP1(2)への接続要求信号を作成する(ステップS7)。一方、ステップS6でNOの場合、制御部10は、このような送信電力低減要求を含まない、AP1(2)への接続要求信号を作成する(ステップS8)。
次いで、制御部10は、第1無線送受信部11にステップS7又はS8で作成した接続要求信号の送信を依頼し、第1無線送受信部11がこの送信を実行し、第1アンテナ13からこの信号の電波が発信される(ステップS9)。その後、第1無線送受信部11は、AP1(2)からの接続応答信号の受信を待つ(ステップS10)。
AP1(2)の無線送受信部21は、アンテナ22を介して、ステップS9で送信された接続要求信号を受信し(ステップS11)、制御部20に渡す。制御部20は、この接続要求信号に送信電力低減要求が含まれるか否かを判定し(ステップS12)、含まれる場合(YESの場合)には、無線送受信部21を制御して、送信電力を1段階低減させる(ステップS13)。その後、制御部20は、接続ができない旨を示す接続応答信号を作成し(ステップS14)、無線送受信部21にその送信を依頼し、無線送受信部21がアンテナ22を介してその接続応答信号をEX1(1)に送信する(ステップS16)。一方で、ステップS12でNOの場合、制御部20は、接続が可能である旨を示す接続応答信号を作成する(ステップS15)。ステップS15で作成された接続応答信号も、ステップS16にて送信される。
ステップS14又はS15で作成される接続応答信号には、送信電力値(送信電力の設定値)を示す信号を含めておくことができる。ステップS16の処理後、AP1(2)は、報知情報信号の送信タイミングの到来により、報知情報信号の送信を行う(ステップS17)。
EX1(1)の第1無線送受信部11は、ステップS16で送信された接続応答信号を、第1アンテナ13を介して受信し(ステップS18)、制御部10に渡す。制御部10は、その接続応答信号が接続可能であることを示しているか否かを判定し(ステップS19)、YESの場合にはそのまま接続して通信を行う。一方、EX1(1)は、ステップS19でNOの場合、ステップS3へ戻り、繰り返し同様の処理を行う。このように、EX1(1)は、AP1(2)から受信する接続応答信号が接続可能を示すようになるまで(つまりステップS6においてRSSIの値が基準値以下になるまで)、図3及び図4のフローを繰り返す。
このように、EX1(1)は、AP1(2)と無線通信を開始する際、AP1(2)から受信した信号のRSSIを測定し、予め設定した基準値よりも測定結果のRSSIの値が大きい場合に、AP1(2)に対して送信電力の低減を要求する信号を送信する。
そして、AP1(2)は、EX1(1)から送信電力低減要求があった場合に、送信電力設定を1段階下げる。EX1(1)を屋内と屋外の境界に設置しておけば、AP1(2)からの信号が屋外に届く距離を短くするように調整されることになる。上述したように、EX1(1)は、AP1(2)からの信号のRSSIの値が基準値よりも低くなるまで送信電力低減要求を繰り返すことが好ましい。
本実施形態に係る無線通信システムは、上述のような動作を行うことで、AP1(2)の送信電力を低減させることができ、それにより屋外のSTの台数が増加した場合の、送信待ちの発生や通信の衝突による再送信の発生を相対的に減少させることができる。特に、上述のような繰り返しの制御により、AP1(2)の送信電力をEX1(1)との通信に必要な電力まで低減させることができ、上述のような問題の発生をより減少させることができる。
<<本実施形態の詳細例>>
次に、図5〜図14を参照しながら、本実施形態に係る無線通信システムの一構成例について詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る無線通信システムの一構成例を示すブロック図で、図2に示す無線通信システムにおいてSTの数が増えた状態を示す図である。図6は、IEEE802.11a規格において規定された無線通信の周波数帯域を示す図である。図7は、無指向性アンテナの一例を示す外観図で、図8は、指向性アンテナの一例を示す外観図である。
図5に示す無線通信システムは、図2に示す無線通信システムにおいて、屋外に設置されたST3(5)、及び屋内に設置されたST4(6)をさらに含む。ST3(5)、ST4(6)は、実施形態1で説明したように、例えば、ノート型のPC、タブレット端末、携帯電話機(スマートフォン)などとすることができる。ST3(5)、ST4(6)はいずれもST1(3)と同じ構成要素を有することができるため、それらの構成要素の図示及び説明を省略する。なお、ST3(5)の制御部による制御やST4(6)の制御部による制御は、ST1(3)が有する制御部30による制御と無線通信以外の制御において異ならしめることができる。
さらに、本実施形態では、AP1(2)及びEX1(1)の屋内用無線送受信部である無線送受信部21及び第1無線送受信部11に屋外で使用が禁止されている無線周波数帯域のチャネルを優先的に割り当てる。そして、本実施形態では、EX1(1)の屋外用に設けられた第2無線送受信部12に屋外で使用可能な無線周波数帯域のチャネルを優先的に割り当てるものとする。これらの割り当ては、AP1(2)の制御部20及びEX1(1)の制御部10の制御により行うことができる。
無線送受信部21,31,41、第1無線送受信部11、及び第2無線送受信部12は、国際標準規格であるIEEE802.11a規格で規定される無線周波数及びプロトコルに準拠し、電波が届く距離において相互に無線通信を行うことができる。なお、屋外のST3(5)、屋内のST4(6)に備えられる無線送受信部についても、それぞれ屋外のST2(4)の無線送受信部41、屋内のST1(3)の無線送受信部31と同様である。
例えば日本国内において使用可能な無線周波数帯域は、図6に示す通りである。この日本国内の例の場合、無線通信システムは、図6に示す全19チャネルから任意の1チャネルを選択して使用することになる。そして、IEEE802.11a規格において日本で使用可能な周波数帯域5.15〜5.35GHzは屋外での使用が禁止されており、この周波数帯域の電波が屋外に届くことは好ましくない。従って、AP1(2)の無線送受信部21は、「5.15〜5.35GHz(屋内のみで利用可能)」f1の周波数帯域から任意の1チャネルを選択し、EX1(1)の第1無線送受信部11は、AP1(2)が選択したチャネルを選択することができる。一方で、EX1(1)の第2無線送受信部12は、「5.47〜5.725GHz(屋内と屋外で利用可能)」f2の周波数帯域から任意の1チャネルを選択することができる。
このように、第1無線送受信部11は、屋外で使用が禁止されている無線周波数帯域のチャネルを優先的に用いて無線通信を行い、第2無線送受信部12は、屋外で使用可能な無線周波数帯域のチャネルを優先的に用いて無線通信を行うことが好ましい。
また、AP1(2)及び各STに設けられるアンテナ22,32,42,52,62は、図7で例示するアンテナ72のように水平方向において指向性のない無指向性アンテナとする。アンテナ72は、AP1(2)及び各STの各機器の本体71から露出させておくことが好ましい。
EX1(1)に設けられる第1アンテナ13及び第2アンテナ14は、図8で例示するアンテナ82,83のように指向性を持った指向性アンテナとする。アンテナ82,83は、EX1(1)の本体81から露出させておくことが好ましい。AP1(2)と無線通信を行う第1アンテナ13(アンテナ82)は屋内のAP1(2)が設置された方向に、第2アンテナ14(アンテナ83)は第1アンテナ13と180度反対向きで屋外の方向に、それぞれ指向性を有するように配置される。
次に、このような無線通信システムにおける動作について、図9〜図14を併せて参照しながら説明する。図9は、図5の無線通信システムにおけるSTの配置の一例を示す図で、図10は、図9におけるSTの配置に対するEX1(1)の配置の一例及びその配置での電波の届く範囲を示す図である。図11は、図10の配置例において、送信電力を低減させた場合の電波の届く範囲を示す図である。図12及び図13は、図5の無線通信システムにおいて実行される中継処理の詳細な一例を説明するためのフロー図である。図14は、IEEE802.11規格で定義されている信号を説明するための図である。
本実施形態に係る無線通信システムでは、AP1(2)、ST1(3)、ST4(6)、及びEX1(1)は屋内に、ST2(4)及びST3(5)は屋外に位置している例を挙げている。AP1(2)は屋内の中央付近に、EX1(1)は屋内と屋外の境界付近に固定的に設置され、ST1(3)とST2(4)とST3(5)とST4(6)は屋内と屋外を問わず任意の場所に移動できる。
但し、説明の簡略化のため、以降では、各STは、図9に示す位置にあるものとして説明する。また、以降では、図9〜図11及び実施形態3の図16〜図22について、AP1(2)、EX1(1)、ST1(3)、ST2(4)、ST3(5)、ST4(6)をそれぞれ単にAP1、EX1、ST1、ST2、ST3、ST4として説明する。
図9に示す配置例では、AP1が家屋やビルなどの建物91の屋内の中央付近に固定的に設置され、AP1を中心とする範囲92にAP1からの電波が届くものとする。ST1、ST2、及びST4はこの範囲92内に位置し、ST1、ST2、及びST4からの電波がAP1に届き、AP1と無線通信が可能である。ST3は範囲92の外に位置するため、AP1と無線通信が不可能である。よって、図9の配置例における通信状態に対して、図10に示す配置例のように、EX1を建物91の屋内と屋外の境界付近に設置する。
EX1は、上述した通り第1アンテナ13及び第2アンテナ14といった2つの指向性アンテナを有し、第1アンテナ13が屋内のAP1の方向を向き、第2アンテナ14が第1アンテナ13とは180度反対方向の屋外を向くように固定的に設置する。図10において、範囲103はEX1の第1アンテナ13からの電波が届く範囲とし、範囲104はEX1の第2アンテナ14からの電波が届く範囲を示している。
EX1は、第1アンテナ13を介してAP1と無線通信を行う。EX1は、その無線通信の開始時にAP1から受信した信号のRSSIを測定し、このRSSIの測定値が予め設定した基準値よりも大きい場合に、送信電力設定を1段階低減する要求を含む信号をAP1に送信する。この基準値は、EX1がAP1からの電波を正常に受信できる最低限の値とすることができる。
AP1とEX1との間での無線通信開始時の具体的な接続手順について、図12及び図13に沿って説明する。
AP1は、Beaconという報知情報信号(報知信号)を周期的に送信している(ステップS31)。Beaconは、IEEE802.11規格で定義されている信号の1つであり、図14にその概要を示す。図14に示すように、IEEE802.11規格で定義されている信号は、フレーム種別、宛先アドレス、送信元アドレス、及びSSID(Service Set IDentifier)を含むヘッダと、フレームの情報と、を含む。
フレーム種別がBeaconの場合、フレームの情報としては、AP1と無線通信を行うために必要な、サービスの識別子であるSSID、サポートしている伝送速度、使用しているチャネル(無線周波数)などを含むことができる。また、Beaconを含むIEEE802.11規格で規定されている信号には、メーカ独自情報を追加することができるように定義されている。
AP1は、Beaconを送信(ステップS31)後、自分宛の有効な信号の受信待ちを行う(ステップS32)。ステップS31,S32での送受信を含み、AP1におけるEX1との情報の送受信は、無線送受信部21がアンテナ22を介して行うことができる。
EX1は、起動後にBeaconを検索する(ステップS33)。図10の配置例において、EX1は、ステップS31で送信されたAP1からのBeaconを受信する(ステップS34)。これらの信号の検索及び受信を含み、EX1におけるAP1との情報の送受信は、第1無線送受信部11が第1アンテナ13を介して行うことができる。
次いで、EX1の第1無線送受信部11又は制御部10は、受信したBeaconのRSSIを測定する(ステップS35)。制御部10は、このRSSIの値が基準位置より大きいか否かを判定し(ステップS36)、大きい場合(YESの場合)には、AP1(2)への送信電力低減要求を含む、EX1からAP1への接続要求信号を作成する(ステップS37)。ここで作成される接続要求信号は、Association Requestに、メーカ独自情報として送信電力低減要求を追加したAssociation Request(送信電力低減要求有り)とすることができる。図14に示すように、フレーム種別がAssociation Requestの場合、フレームの情報としては、SSID、サポートしている伝送速度、サポートしているチャネル(周波数)、及びメーカ独自情報などを含むことができる。
一方、RSSIの値が基準値以下の場合(ステップS36でNOの場合)、制御部10は、Association Request(送信電力低減要求無し)を作成する(ステップS38)。
制御部10は、第1無線送受信部11にステップS37又はS38で作成したAssociation Requestの送信を依頼し、第1無線送受信部11がこの送信を実行し、第1アンテナ13からAP1へこの信号の電波が発信される(ステップS39)。その後、第1無線送受信部11は、AP1からのACKを待つ(ステップS40)。
ステップS32において有効信号の受信待ちであったAP1は、このAssociation Requestを受信すると(ステップS41)、即時にEX1に信号を正常に受信できたことを知らせるACKを送信する(ステップS42)。なお、AP1でのACKの送信は、無線送受信部21が単独で、又は制御部20の制御により実行することができる。
EX1の第1無線送受信部11は、AP1からACKを受信すると(ステップS43)、AP1からの接続可否の通知であるAssociation Responseの受信待ちを行う(ステップS44)。
AP1は、ステップS42においてEX1にACKを送信後、ステップS41で受信したAssociation Requestのメーカ独自情報に「送信電力低減要求有り」が含まれているか否かの判定を行う(ステップS45)。この判定は、制御部20が行うことができる。
制御部20は、メーカ独自情報に「送信電力低減要求有り」が含まれている場合(ステップS45でYESの場合)、送信電力の設定値(送信電力値)を1段階低減させる(ステップS46)。上述したように、AP1は、電波が届く距離、つまり無線通信可能範囲を決める送信電力設定を段階的に低減する機能を有するため、このような制御が可能となる。なお、この設定値は、無線送受信部21に記憶(設定)されている値とすることができるが、制御部20に記憶されている値とすることもできる。
さらに制御部20は、接続否のAssociation Responseにメーカ独自情報として1段階低減した送信電力値の情報を追加したAssociation Response(接続否、送信電力値)を作成する(ステップS47)。なお、図14に示すように、フレーム種別がAssociation Responseの場合、フレームの情報としては、接続の可否(及び否の場合にはその理由)、接続識別子、及びメーカ独自情報などを含むことができる。
一方、ステップS41で受信したAssociation Requestのメーカ独自情報に「送信電力低減要求無し」が含まれている場合、つまりステップS45でNOの場合、次の通りとなる。すなわち、制御部20は、ステップS45でNOの場合、Association Response(接続可、送信電力値)を作成する(ステップS48)。
ステップS47又はS48の後、AP1の制御部20は、無線送受信部21に作成されたAssociation Responseの送信を依頼し、無線送受信部21がアンテナ22を介してその信号をEX1に送信する(ステップS49)。その後、AP1は、EX1からのACK待ちを行う(ステップS50)。
EX1は、AP1からAssociation Responseを受信すると(ステップS51)、即時にAP1に信号が正常に受信できたことを知らせるACKを送信する(ステップS52)。なお、EX1でのAP1へのACKの送信は、第1無線送受信部11が単独で、又は制御部10の制御により実行することができる。
AP1は、EX1から、ステップS52で送信されたACKを受信すると(ステップS54)、有効信号受信待ちとなり(ステップS55)、周期的なBeaconの送信を継続する(ステップS56)。
EX1の制御部10は、ステップS51で受信したAssociation Responseが接続可を示しているか否かを判定し(ステップS53)、示している場合(YESの場合)、AP1への接続が完了となる。接続完了後は、そのまま通信を行うことができる。
一方、EX1の制御部10は、受信したAssociation Responseが接続否を示している場合(ステップS53でNOの場合)、ステップS33の処理であるBeaconの検索処理に戻る。なお、説明の便宜上、Beacon検索(ステップS33)に戻るフローとしているが、時間軸としては、AP1によってステップS56で送信されたBeaconが、EX1によってステップS34で受信されることになる。
このように、EX1は、AP1から受信するAssociation Responseが接続可能を示すようになるまで、図12及び図13のフローを繰り返す。ここで接続可能を示すようになるまでとは、ステップS36においてAP1から受信するBeaconのRSSIの値が基準値以下になるまでを意味することになる。
図12及び図13で示した処理により、EX1とAP1との無線通信開始時の接続処理が完了すると、AP1からの電波が届く範囲は、図11に示す範囲112のように、AP1を中心にEX1までの距離程度に縮小される。
次に、本実施形態における、図9〜図11で説明したような送信電力の低減による効果について説明する。
IEEE802.11規格のインフラストラクチャモードの無線LANにおける無線通信では、各STが必ずAPを介して無線通信を行う。そのため、図9においてAP1の電波が届く範囲92にあるST1、ST2、及びST4がAP1を介して相互に通信を行うことができる。図9で例示したように、屋内に設置されたAP1から発せられた電波は屋外にも達する場合があり、屋内にあるST1、ST4だけでなく、屋外にあるST2もAP1を介して無線通信を行うことができる。
一方で、本実施形態では、図9の配置例に対して、AP1と各ST間の無線通信を中継するEX1を図10の配置例のように屋内と屋外の境界付近に設置する。そして、本実施形態では、図12及び図13で例示した手順により、AP1からの電波の強さを調整するための送信電力設定を変更して、送信電力を低減させる。このような送信電力の低減制御により、AP1からの電波が届く距離を図11における範囲112のようにほぼ屋内に制限することができるようになる。
そして、この状態において、屋外に位置するST2、ST4に対してはEX1がAP1との通信を中継する。図11では屋内にあるST1はAP1に接続し、屋外にあるST2とST3はEX1に接続する。図5で説明したようにEX1は屋内向けと屋外向けの2組の無線送受信部と指向性アンテナを有し、屋内向けと屋外向けで異なる周波数帯域(チャネル)を選択するため、屋内と屋外との無線通信の相互干渉を抑制することができる。よって、このような周波数帯域の選択により、STの台数が増加した場合の、送信待ちの発生や通信の衝突による再送信の発生を、さらに減少させることができる。
また、IEEE802.11a規格では、日本国内で使用できる無線周波数チャネルには、図6で説明したように屋内のみで利用可能な無線周波数のチャネルがある。本実施形態では、AP1とEX1の屋内向けの無線送受信部で使用するチャネルを屋内のみで利用可能なチャネルとし、EX1の屋外向けの無線送受信部で使用するチャネルを屋内と屋外で利用可能なチャネルとしている。これにより、本実施形態では、屋内でのみ利用可能な電波が屋外に漏れ出る機会を減少させることができる。
<実施形態3>
実施形態3について、実施形態2との相違点を中心に説明するが、実施形態1,2で説明した様々な例が適用できる。本実施形態に係る無線通信システムは、実施形態2に係る無線通信システムと後述する点を除き同様であるため、主に図5の構成例を参照しつつ、図15〜図24を併せて参照しながら、本実施形態について説明する。
実施形態2では、図9の配置例に対して図10の配置例に示すようにEX1を設置して、図11に示すようなAP1の通信可能範囲112とEX1の通信可能範囲103,104とした。この場合、図9の配置例でAP1の通信可能範囲92の外にあったST3は、図11においてEX1の通信可能範囲104内となりEX1を中継してAP1及び他のSTと通信可能となる。一方、図9の配置例でAP1と通信可能であったST4は、図11においてAP1の通信可能範囲が縮小してしまったため、AP1と通信できなくなってしまう。
本実施形態では、このような状態を改善できるような構成を採用する。この構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、本実施形態に係る無線通信システムにおけるAP1の一構成例を示す外観図である。
図15で例示するように、本実施形態におけるAP1は、その本体151に、1つの無指向性アンテナの代わりに、複数の指向性アンテナ(この例では4つの指向性アンテナ152〜155)を有し、これらにより全方位をカバーするように構成する。無論、本実施形態におけるAP1に設けられる指向性アンテナの数は4つに限らず、2以上あればよい。
図15で例示する4つの指向性アンテナ152〜155は、水平面で約90度ずつの範囲をカバーするように本体151に配置される。また、4つの指向性アンテナ152〜155の送信電力は、アンテナ毎に設定が可能であり、送信電力低減要求を受信したアンテナについてのみ送信電力を低減させることができるように構成することができる。このような指向性アンテナ毎の低減を可能にするために、本実施形態におけるEX1の制御部10は、AP1における上記複数の指向性アンテナのそれぞれについて(個別に)、送信電力の低減を要求する機能を有する。
以下、本実施形態の動作について、図16〜図22を併せて参照しながら説明する。ここでは、図10及び図11に示すAP1を、4つの指向性アンテナ152〜155を本体151に設けたAP1に置き換えて、図12及び図13のフローに従ってAP1の電波の届く範囲を縮小する動作を説明する。図16〜図19は、図15に示すAP1の4つの指向性アンテナのそれぞれからの電波が届く範囲を個別に示す図である。図20は、運用開始時において図15に示すAP1の4つの指向性アンテナからの電波が届く範囲を示す図である。図21は、図20で示す範囲を、図12及び図13に示す中継処理の実行により変動させた後の範囲を示す図である。
図16、図17、図18、図19に示す配置例では、AP1の4つの指向性アンテナ152,153,154,155のそれぞれからの電波が届く範囲162,172,182,192を個別に示している。運用時は、図20に示すように4つの指向性アンテナ152〜155を同時に使用し、同一の周波数チャネルで無線送受信を行う。なお、図20における範囲203は、図11における範囲103より便宜上、小さく描いているが、範囲103に対応する範囲、つまりEX1の第1アンテナ13からの通信可能範囲である。
EX1を図20の配置例で示す位置に設置して起動した場合、EX1は、AP1と協同して図12及び図13のフローに示す中継処理(接続処理手順)で無線通信を開始する。AP1は、EX1が設置されている方向に向いた指向性アンテナでこの通信を行うため、EX1の設置方向への送信電力が低減されることになる。これにより、EX1の設置方向の通信可能範囲が、図20に示す範囲162から図21に示す範囲212のように縮小される。このとき、残りのアンテナの通信可能範囲は、図21に示す範囲172,182,192のようにEX1の設置前と変わらない。このようなAP1の構成及び接続手順により、EX1の設置後も、ST4はAP1の通信可能範囲内にしておくことができる。
一方、図21に示す状態では、AP1の通信可能範囲182が屋外にまで達してしまっている。通信可能範囲182にSTが持ち込まれる可能性がないような立地条件であればよいが、そうでない場合には、通信可能範囲182も屋内に収めておくことが好ましい。
そのため、EX1と同じ機能を有するEX2を図22に示すような位置に設置することが好ましい。図22は、実施形態3に係る無線通信システムの他の構成例を示す図である。
図22で示す配置例の場合、EX2の第1アンテナは、EX1の第1アンテナと反対の方向に指向性を有するように配置しておけばよい。このような追加のEXの配置及び上述した接続手順により、AP1からの通信可能範囲を、範囲222のように屋内に収める方向に縮小することができる。なお、図22において、範囲223は、EX2の第1アンテナからの通信可能範囲を指し、範囲224は、EX2の第2アンテナからの通信可能範囲を指す。
実施形態1,2では1台のAPに対して1台の中継装置を設置しておくことを前提として説明したが、本実施形態で説明したように、1台のAPに対して2台以上の中継装置を設置しておくこともできる。図22の配置例に限らず、例えば、建物91のように平面図が長方形になるような建物において、四方の壁又は窓側に4つの中継装置を設置しておくことができる。その場合、それぞれの中継装置の屋外用のアンテナは、異なる方向(例えばそれぞれの壁又は窓において屋外に向かう要綱)に指向性を有するように設置しておけばよい。
次に、図23及び図24を参照しながら、EX1の設置例を説明する。図23は、本実施形態に係る無線通信システムにおけるEX1の設置例を説明するための図で、図24は、図23におけるEX1と給電ユニットの内部構造の一例を透過的に示す図である。なお、図23及び図24で示す設置例は、実施形態1,2においても適用可能である。
図23に示すように、EX1(1)は屋外と屋内の境界にある窓際に設置することができる。図23では、1つの窓ガラス231を屋外から見たところを左側に、屋内から見たところを右側に描画している。図23に示すように、EX1(1)は窓ガラス231の屋外側に設置し、窓ガラス231の屋内側の同じ位置にEX1(1)に給電するための給電ユニット(SU)232を設置する。EX1(1)と給電ユニット232はいずれも、窓ガラス231への設置面に磁石を内蔵しておくことで、窓ガラス231越しに磁力の引力によって固定することができる。
具体的には、EX1(1)と給電ユニット232の内部構造は、図24で透過的に示すように構成することができる。ここで、EX1(1)は、本体部16だけでなく、屋内向きの第1アンテナ13と屋外向きの第2アンテナ14を内蔵し、非接触受電部17と磁石18,19を窓ガラス231に接する面に内蔵している。なお、本体部16は、図5における各部10,11,12,15を有する。また、給電ユニット232は、非接触給電部241及び磁石242,243を窓ガラス231に接する面に内蔵している。なお、非接触給電部241は、電力供給源244に接続されている。
以上のように、本実施形態によれば、実施形態1,2の効果に加え、元々AP1と通信可能であったST4が、送信電力低減制御によりAP1と通信できなくなることを防止することができる。
<他の実施形態>
実施形態1に係る中継装置1a、或いは、実施形態2,3に係るEX1(1)及びEX2は、いずれも次のようなハードウェア構成を有することができる。図25は、中継装置1a又はEX1(1)又はEX2に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
図25に示す中継装置1bは、プロセッサ10a及びメモリ15aを有する。その他、中継装置1bは、図示しない第1アンテナ及び第2アンテナを有し、例えば第1無線送受信部及び第2無線送受信部も有することができる。実施形態1〜3で説明した制御部10は、プロセッサ10aがメモリ15aに記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ10aを、図1、図2、及び図5の制御部10として機能させるためのプログラムであると言える。なお、このプログラムは、プロセッサ10aを、制御部10、及び第1無線送受信部11の一部(及び第2無線送受信部12の一部)として機能させるためのプログラムとすることもできる。
このプログラムは、指向性をもつ第1アンテナ及び指向性をもつ第2アンテナを有する中継装置に(例えば中継装置の制御部に)、次の第1通信ステップ、第2通信ステップ、中継ステップ、及び要求ステップを実行させるためのプログラムである。上記第1通信ステップは、第1アンテナを介して、屋内のAPと無線通信を行うステップである。上記第2通信ステップは、第2アンテナを介して屋外のSTと無線通信を行うステップである。上記中継ステップは、APと屋外のSTとの間の無線通信を中継するステップである。上記要求ステップは、APに対して送信電力の低減を要求するステップである。なお、その他の例については、上述した様々な実施形態で説明した通りである。
上述の例においてメモリ15aに記憶されるプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
さらに、上述した様々な実施形態において、中継装置における中継処理の手順を説明したように、本開示は、中継方法としての形態も採り得る。この中継方法は、指向性をもつ第1アンテナ及び指向性をもつ第2アンテナを有する中継装置における中継方法であって、上述した第1通信ステップ、第2通信ステップ、中継ステップ、及び要求ステップを有する。なお、その他の例については、上述した様々な実施形態で説明した通りである。
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。