JP6625952B2 - 電力系統の特性推定装置、及び方法、並びに電力系統管理装置 - Google Patents

電力系統の特性推定装置、及び方法、並びに電力系統管理装置 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の状態を推定する電力系統の特性推定装置、及び方法、並びに電力系統管理装置に関する。
電力系統は、電力の安定供給のために多くの機器と制御方法を組み合わせて構築されている大規模システムである。電力系統の状態は、電圧、電流、電力、周波数等の物理量で表記することができて、これらの状態は、系統構成に沿って面的な広がりを持ち、また時間的な変化を伴う。また電力系統に連系する発電と負荷によって系統状態は大きく変化するので、定常状態を維持するように様々な制御機器と制御手法が利用されている。
電力系統を定常状態から逸脱させる多くの要因があるが、従来にはなかった、近年になって電力系統に起きている変化として、再生可能エネルギーの導入がある。例えば太陽光発電、風力発電は、従来の発電機に比べて分散的に系統連系されて、発電量が気象状況に影響されることが特徴である。そして、発電した電力を電力系統に流入することによって、潮流反転(逆潮流)の発生、電圧変動、などの系統状態の変化が起きる。
例えば再生可能エネルギーの発電量の変動が、電圧変動が連系する線路の電圧を変動させて、電圧の上下限を逸脱することがある。電圧調整機器を設置して電圧適正化するには、電力系統の状態ならびに特性を正しくは把握することが必要になる。ここで電力系統の状態とは、電圧、電流等の電力系統に起きている現象の物理量であり、また特性とは線路インピーダンス等の電力系統の機器構成に付随する数値、パラメータ等を指すものとするが、本発明では両者を区別することなく使う場合がある。
電力系統には、非連続な状態変化として、機器の制御、系統構成の切り替え、発電機のオンオフ等の能動的な非連続性状態変化がある一方で、受動的な非連続な状態変化として事故の発生がある。電力供給に支障をもたらす事故が発生することがある。事故時の停電範囲の縮小、復旧時間の短縮は、供給信頼度を高めるために必須の要請となっている。
ところで近年の情報通信技術の進展により、高速にデータ伝送することが可能になってきている。そこで電力系統にセンサを設置して、電力系統のセンサ計測信号を活用する技術が普及している。例えば、センサ開閉器、PMU(Phasor Measurement Unit)などは、電圧・電流・位相等の状態値を高頻度にサンプリングして、電力線搬送技術、光ケーブル等の伝送手段を使って親局のサーバに伝送する。そして、電力潮流等の物理量のほか、系統に起きる事故の検出、事故原因の推定、事故点標定(事故の発生した箇所の推定)などの電力系統の状態ならびに特性を解析する技術が提案されている。
しかしセンサ開閉器、PMUの設置箇所ならびに採取できる信号種別は限られているため、任意の箇所の任意の状態が計測できるわけではない。そこで、取得出来る計測信号から、適宜な個所の系統状態ならびに特性を推定する手法が提案されている。
これらの点に関する先行技術として、特許文献1は、「電力系統インピーダンス推定するため、負荷に電力を供給する既存の電力系統との連系点に有効電力及び無効電力を出力し、前記有効電力及び無効電力を意図的に変動させた時の前記連系点の電圧及び前記有効電力及び無効電力を時系列的に順次検出し、前記連系点電圧の電圧変動、前記負荷が消費する負荷電力、前記既存の電力系統の電力系統インピーダンス(R+jX)からなる関係式に時系列的な複数時刻について検出された前記連系点電圧の電圧変動、有効電力及び無効電力を各々代入して得られた連立方程式を解くことにより前記電力系統インピーダンス(R+jX)を推定する」という構成を開示している。
特許文献2は、「センサの電圧計測データとSVR出力電圧Vsvr、SVR通過有効電力Psvr、無効電力Qsvrに相当する計測データを基に、まず、分析対象期間内で配電系統の分析対象ノードの電圧上下限値範囲内となるような電圧自動調整器の出力電圧理想値Vsを求め、次に、この理想値Vsと配電系統の電気量の計測値との相関を重回帰分析することによって、電圧自動調整器の整定パラメータを決定する」という構成を開示している。
特開2006−230050号公報 特開2010−220283号公報
上記の特許文献1、特許文献2で開示されている従来技術は電力系統の特性であるインピーダンスを推定することを特徴としている。しかし、いずれも再生可能エネルギー導入が拡大する以前に開発された技術であり、再生可能エネルギー導入によって電力系統に引き起こされる現象を考慮していない。具体的には、分散配置される電源(発電)によって引き起こされる電圧変動、有効電力と無効電力の分布範囲の変化、電源と負荷の変動による負荷点の変化、などがある。線形近似を利用した前記従来技術は、再生可能エネルギー導入によって状態変化が大きくなることによって誤差を発生する原因になっている。
具体的に述べると、特許文献1は、連系点電圧の電圧変動、負荷が消費する負荷電力P+jQ、既存の電力系統の電力系統インピーダンスR+jXからなる関係式を線形式で用意する。しかしこの手法を適用するには以下の課題がある。
(1)この手法は、インピーダンスの算出式を線形式で表記している。しかし再生可能エネルギー導入によって状態変化が大きくなることによって近似誤差が顕在化している。
(2)この手法を実用化するには、有効電力及び無効電力を意図的に変動させることが必要であり、装置コストと運用コストが掛かること、また変動させることによる他の需要家機器へ与える影響を考慮しなくてはならない。またインピーダンス推定したい線路の全てについて、このような新たな装置を設置することは実用的でない。
文献2は、計測信号を回帰分析することで線路インピーダンスを算出する手法を開示している。文献によれば、底辺2軸を有効電力Pと無効電力Q、縦軸を送り出し電圧Vとする3次元空間を用意して、該空間上に計測信号をプロットする。そして回帰分析により平面を作るとき、その傾きは、有効電力P軸方向に抵抗R、無効電力Q軸方向にリアクタンスXに相当するとしている。この文献は、その先立つ技術と比較して、有効電力Pと無効電力Qの座標軸を持つことで任意の力率に対応できること、および回帰分析による精度向上を特徴としている。しかしこの手法は、再生可能エネルギー導入が増加することによって以下の課題が顕在化する。
(3)従来は、系統連系する機器は消費だけを扱えば良く有効電力P、無効電力Qが分布する範囲は限られていたので、このような線形近似が成り立つ場合があった。しかし再生可能エネルギー導入により機器の消費と発電を扱うことになり、有効電力P、無効電力Qの分布が広がることで、線形近似による誤差が無視できなくなっている。
(4)この手法は負荷点が一定であることを前提にしている。ここで負荷点は、線路に連系している負荷機器、発電機器を縮約した仮想的な負荷の連系箇所であり、送り出し側からの線路インピーダンスで箇所を表記する。しかし再生可能エネルギー導入により機器の消費と発電が導入されて、再生可能エネルギー導入の発電量が増えることによって負荷点は時間的に変化する。このため回帰分析による手法では負荷点の変化に対応できず誤差が生じる。
このように上記の従来技術は、再生可能エネルギー導入以前の電力系統を対象にした技術であり、再生可能エネルギー導入によって電力系統に起きる現象を考慮していない。このため、再生可能エネルギー導入により系統状態が大きく変動する近年の系統に適用すると、誤差が大きくなり実用性が劣ることになる。
以上のことから本発明においては、送り出し側と負荷点の電圧降下式のパラメータを精度良く推定できる電力系統の特性推定装置、及び方法、並びに電力系統管理装置を提供することを目的とする。
本発明装置は上記課題を解決するため、電力系統に関わる信号を入力する入力手段、電力系統に関わる計算式に入力手段の入力信号を代入して計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、入力手段の入力信号から計算式の解の存在を判定する判定手段、計算手段が算出した解と判定手段の判定結果を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
また本発明装置は、電力系統に関わる信号を入力する入力手段、電力系統に関わる計算式に入力手段の入力信号を代入して計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、計算手段の出力を補間あるいは外挿する補間手段、入力手段の入力信号から計算式の解の存在を判定する判定手段、判定手段の判定結果を用いて計算手段と補間手段の出力を切り替える切り替え手段、切り替え手段の切り替え結果と判定手段の判定結果を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
また本発明の方法は、電力系統に関わる信号を入力し、電力系統に関わる計算式に入力した入力信号を代入して計算式に含まれる未知数を解として算出し、入力信号から計算式の解の存在を判定し、算出した解と判定の結果を出力することを特徴とする。
また本発明の方法は、電力系統に関わる信号を入力し、電力系統に関わる計算式に入力した入力信号を代入して計算式に含まれる未知数を解として算出し、入力信号から計算式の解の存在を判定し、解を補間あるいは外挿して補間値を得、判定の結果を用いて、解と補間値を切り替え、切り替え結果と解と判定の結果を出力することを特徴とする。
また本発明装置は、電力系統の計測点において求めた電力系統の電気量から、電力系統の負荷点の状態を推定する電力系統の特性推定装置であって、電力系統の電気量を時間情報と共に入力する入力手段、電力系統に関わる計算式に電気量を代入して計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、計算手段の出力を補間あるいは外挿する補間手段、潮流に関する電力系統の電気量から、計算式の解の存在を判定する判定手段、判定手段の判定結果を用いて計算手段と補間手段の出力を切り替える切り替え手段、切り替え手段の切り替え結果と判定手段の判定結果を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、電力系統に設置されて負荷点側の電圧を調整する電圧調整装置を含む電力系統管理装置であって、記電圧調整装置は、その設置点と前記負荷点側の間の電圧降下を、与えられた線路インピーダンスの整定値に従い制御するとともに、線路インピーダンスの整定値は、電力系統の特性推定装置の出力手段から与えられていることを特徴とする。
また本発明は、電力系統に設置されて負荷点側の線路インピーダンスを計測して電力系統の保護出力を与える保護継電装置を含む電力系統管理装置であって、保護継電装置の線路インピーダンスは、電力系統の特性推定装置の出力手段から与えられていることを特徴とする。
本発明によれば、送り出し側と負荷点の電圧降下式のパラメータを精度良く推定できる効果がある。
また本発明の実施例によれば、以下の効果を奏することができる。例えば再生可能エネルギー導入によって発生する潮流反転を検出し、潮流反転時に上記推定計算の計算可否を判定して、計算結果の妥当性を判断することができる。また、送り出し側で計測した電力状態から負荷点の電力状態を精度良く推定できる効果がある。また、送り出し側で計測した電力状態から負荷点の電力状態を精度良く推定した結果に基づいて電力調整機器の制御パラメータを算出できる効果がある。また、系統におきた事故点を負荷点と見立てて、該負荷点までの距離を線路インピーダンスで算出することにより、事故点の位置を推定することができる。また、送り出し側で計測した電力状態から負荷点の電力状態を精度良く推定した結果を統計的に判定して、負荷の種別を推定できる効果がある。
本発明が対象とする電力系統の基本構成を示す図。 本発明の実施例1に係る電力系統の特性推定装置の構成例を示す図。 電力潮流反転の具体的な事例を示す図。 電力潮流反転の判定方法を示す図。 時間的な正負符号の変化を利用して判定する手法を示す図。 補間によってゼロクロスする時刻を算出する手法を示す図。 表示画面上に各時刻に対応してその時のインピーダンスの値、並びに判定結果を表形式にして表示した事例を示す図。 線路インピーダンス特性を示す図。 3時刻で作られる線路インピーダンス特性の三つの円錐を示した図。 3時刻で作られる3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面を示した図。 3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面上で、交点が得られる場合を模式的に示す図。 3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面上で、交点が得られない場合を模式的に示す図。 本発明の実施例2に係る電力系統の特性推定装置の構成例を示す図。 本発明の処理手順を示すフローチャート。 電力系統の電圧降下特性を示す図。 電力系統の電圧適正化装置を示す図。 事故時の電力系統の構成変化を示す図。 推定結果を用いたクラスタリング処理を示す図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
なお以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
また本発明は単相系統について実施の構成を説明しているが、3相系統等の任意の系統に適用できることは言うまでもない。
図1は、本発明が対象とする電力系統の基本構成を示す図である。
電力系統は線路と機器の複雑な組み合わせで作られているが、電力系統に起きる現象を解析するためには、基本構成に着目することが便利である。電力系統の全体を対象にして、電力潮流計算と呼ばれる手法で解析する手法もあるが、多くの現象は基本的な構成を扱うことで説明できる。本発明が対象とする電力系統の基本構成を示す図1では、1機1負荷のモデルとして扱うことにする。
図1において、Node Sは電力の送り出し側、Node Rは負荷点を表しており、本発明においてはこの2点間での電力系統の状態として、線路インピーダンスZである抵抗R及びリアクタンスXを推定する。なお図1においてPは有効電力、Qは無効電力を表しており、添え字Sは送り出し側における有効電力P、無効電力Qを表しており、添え字rは負荷側における有効電力P、無効電力Qを表している。
図2は、本発明の実施例1に係る電力系統の特性推定装置の構成例を示す図である。電力系統の特性推定装置100は、計算機などによりプログラムにより実現されることになるが、ここでは主たる機能ごとに分けて記述している。
図2において、101は入力手段であり、図1の電力の送り出し側(Node S)において計測装置(例えば、センサ開閉器、PMU(Phasor Measurement Unit)など)により計測した各種の電気量を時刻情報付の計測信号として入力する。具体的な電気量の例としては、電圧、電流、力率、有効電力P、無効電力Qなどがある。なおこれらの電気量は、送り出し側を計測点として直接計測してもよいし、他の電気量から間接的に求められるものであってもよい。計算手段102では、複数時刻の計測信号を連立させて、負荷側の状態として例えば、線路インピーダンス(R、X)、電圧降下量、相差角のいずれか、あるいは複数を計算する。計算結果は、出力手段103を用いて出力し、操作者への提示、ログ記録、などに用いられる。
ここで本発明は、判定手段104を新たに追加したものであり、判定手段104を用いて計算手段102における計算の可否、あるいは計算結果の妥当性を判定することを特徴とする。このために判定手段104では、入力手段101で計測した入力のうち、潮流に関する入力を用いる。潮流に関する入力は、例えば電流I、有効電力P、無効電力Qなどである。
図2に示す電力系統の特性推定装置100は、要するに「電力系統に関わる信号を入力する手段101、電力系統に関わる計算式に前記入力手段101の入力信号を代入して該計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段102、前記入力手段101の入力信号から前記計算式の解の存在を判定する手段104、該計算手段102が算出した解と該判定手段104の判定結果を出力する手段103を備えることを特徴とする電力系統の特性推定装置」としたものである。
このように本発明は、判定手段104を用いて計算手段102における計算の可否、あるいは計算結果の妥当性を判定することを特徴とするものであるが、このように構成すべき理由、並びに判定手段104における具体的な処理内容について、以下に詳細に説明する。
再度図1に戻る。図1において、送り出し側(Node S)の電圧をEs、負荷点(Node R)の電圧をEr、線路インピーダンスをZ、電流をIとするとき、両者間での電圧降下は、(1)式で表すことができる。
Figure 0006625952
ここでZ=R+jXであり、Rは抵抗、Xはリアクタンス、jは虚数記号である。また送り出し側の有効電力P、無効電力Q、電圧Esは次の(2)式の関係にある。なお記号「」は共役を表す。また図中では送り出し側を区別する添え字Sを用いてPs、Qsを使っているが、以降の説明は全て送り出し側を示すので、P、Qで表記する。なお別途、負荷側の状態値を用いて表記することもできる。
Figure 0006625952
ここで従来は関係式を簡易に扱うため、線路インピーダンスZの実部である抵抗Rが十分に小さいとか、相差角の変化は十分に小さいとか、適宜な仮定をおいて近似式を作ることが多かった。しかし再生可能エネルギー導入によって電力系統の状態が大きく変化するとき、これらの近似による誤差が無視できない状況になっている。
そこで本発明は(1)式と(2)式を近似することなく利用する。そして抵抗RとリアクタンスXについて解けば下の(3)式が得られる。ここでφは相差角を示す。なお抵抗RとリアクタンスXを求めるための(3)式は、種々の書き換えが可能であるが、そのいずれの場合であっても分母は潮流(電流I、有効電力P、無効電力Qなど)の大きさを意味している。
Figure 0006625952
現実の電力系統には多くの負荷や電源が連係するが、仮想的に一つの負荷と見立てることで、上記のような基本構成に置き換えて縮約して、送り出し側と負荷点の関係で電力系統の現象を解析することが便利である。ここで送り出し側と負荷点の計測信号があれば関係式を解くことができるが、例えば送り出し側の計測信号しか入手できない場合は未知数が多すぎて解くことができない。
一般に電力系統の負荷あるいは発電の大きさは時々刻々に変化して、これに伴い電力系統の状態が変化する。本発明においては、系統状態に時間的な変化があることを利用して、複数時刻の計測信号を用いて連立式を作ることを特徴とする。連立方程式の解法は既知であり、汎用的なソフトウェアパッケージを利用できることが多い。しかし電力系統に適用する場合は、電力系統に起きる現象を考慮しなければ妥当な解が得られない場合があることに着目して、本発明は、電力系統に起きる現象を検出することを特徴とする。
近年の再生可能エネルギー導入によって顕在化した電力系統に起きる現象として、潮流反転(逆潮流)の発生がある。電力潮流の流れる向きが反転する状態が起きることを指す。潮流が反転する過程において、潮流が0になる時点(ゼロクロス)が発生する。このとき前記した(3)式の関係式は、分母に潮流(有効電力P、無効電力Q)を持つので、解が収束しない、あるいは計算不能、あるいは誤差が大きな解が得られる、等の状況になり妥当な解が得られない。
そこで本発明では、連立式が解けるか否か、適切な解が得られるか否か、言い換えれば計測信号が有効か否か、を判定するための手段を備えることを特徴とする。この手段が、図2の判定手段104である。
図3は、潮流反転の具体的な事例を示した図であり、横軸に時間、縦軸に電流をとり、時間経過とともに電流が正から負に反転し、その後再度正に戻った事例を示している。この例では、夜間と昼間で潮流反転した事例を示す。
係る潮流反転(逆潮流)の定義はいくつか可能である。例えば電流、電力等の計測信号の符号の変化を利用できる。図3に例示するように電流の計測信号が得られるときは、電流の符号(流れる向き)が反転したときを潮流反転の発生として検出することができる。あるいは有効電力Pの符号が反転したときを、潮流反転として検出できる。これらの計測信号は連続的に変化するので大きさゼロを経由して符号が反転する。したがって符号反転を検出することは、信号のゼロクロスを検出することと等価である場合が多い。本発明は、計算不可を判定するために潮流反転を検出するものであり、これらの定義を限定するものではない。
本発明は、潮流反転を検出して利用するため以下の性質を考慮する。まず電力の関係式を複素数で記述すると分かるように、実部と虚部は独立して変化する。例えば、有効電力Pと無効電力Qは前者が実部、後者が虚部になる。有効電力Pの符号が反転したときに、無効電力Qは必ずしも反転しないことがある。したがって実部あるいは虚部のいずれかの符号が反転したときに、潮流反転したと判定する。
また本発明は計測機器の特性を考慮する。信号の符号が反転する過程で計測信号が0を通ることになるが、計測機器によってはゼロクロスを正しく検出できないことがある。理由の一つとして半導体素子の非線形性により0付近の信号は正しく増幅できないことがある。また、計測機器のオフセット(0からのズレ)、量子化数(信号の大きさの解像度)、サンプリングレート(サンプル数/秒)などの特性がある。これらの特性により、計測対象がゼロクロスしても、計測信号として0を正しく出力できず、0近傍の大きさを持った出力信号になる場合がある。これらの計測信号の誤差は、計測信号を利用する計算式の解の存在、誤差に影響することから、機器特性を考慮して判定条件を設定する。
本発明は、計測信号を利用した計算式の解の存在、計算の可否、あるいは計算結果の精度に関わる判定手段104を備えることを特徴とする。この判定手段104は、潮流反転という現象が発生しない電力系統においては必要でなかったものであり、近年の再生可能エネルギー導入によって引き起こされる課題に対処するために本発明において新たに考案、採用したものである。
以下に判定手段104の構成例を示す。入力信号は電流I、判定に用いるしきい値をTとするとき、電流Iの絶対値|I|としきい値Tを比較する。図4は電力潮流反転の判定方法を示す図であり、ここには入力信号と判定結果の関係を示している。
(4a)式は、この判定式を表現するロジックを示している。
Figure 0006625952
(4a)式は、電流Iの絶対値がしきい値Tよりも小さいときに計算不可(あるいは解が得られない、あるいは精度が劣化する)と判定するものである。しきい値Tの設定は、小さくするほど計測機器の特性の影響を受けやすくなり、大きくするほど計算不可の領域が広がることを考慮して決定する。
(4a)式は、いくつかの書き換えが可能であり、例えば(4b)式としてもよい。(4b)式は、電流Iの絶対値がしきい値Tよりも大きいときに計算可能と判定するものである。
Figure 0006625952
また電流Iの代わりに有効電力Pを利用して(4a)式を(4c)式で実現することができる。(4c)式は、有効電力Pの絶対値がしきい値Tよりも小さいときに計算不可(あるいは解が得られない、あるいは精度が劣化する)と判定するものである。
Figure 0006625952
なおここでは絶対値を用いて判定する例を示したが、計測信号を正負について別々に判定できることは言うまでも無い。複数の信号を組み合わせた複合条件を利用しても良い。しきい値Tを可変設定しても良い。
上記はしきい値Tを用いた大きさの判定であったが、時間的な正負符号の変化を利用して判定することができる。図5は、時間的な正負符号の変化を利用して判定する手法を示す図である。図5において、計測信号である電流を時系列信号として時刻t1、t2、t3、t4で入力するとき、隣接する時刻で信号の正負符号が反転したことを検出して、潮流反転の発生を判定する。図5の場合、時刻t1、t2、t3、t4において正負符号は負、負、不定、正と変化することから、時刻t2とt4の間で符号反転し、潮流反転したと判定することができる。
なお、計測機器の多くはサンプリング間隔(周期)ごとに計測信号を取り込むため、計測信号がゼロクロスする瞬間ではなく、ゼロクロスを跨いだ正と負の計測信号が得られる場合がある。その場合は、ゼロクロス以外の計測信号を用いて補間(あるいは外挿)によってゼロクロスする時刻を算出することが出来る。
図6は、補間によってゼロクロスする時刻を算出する手法を示す図である。図6では時刻t1、t2、t3、t4での値を参照すると、時刻t2とt3の間でゼロクロスしており、このことから例えば時刻t2、t3とこの時の大きさから、直線補間によりゼロクロスする時刻としてt24を推定可能である。
図7は、表示画面上に各時刻に対応してその時のインピーダンスの値、並びに判定結果を表形式にして表示した事例を示している。また表示画面上への表示は、図5のように有効、無効の判定結果と共に時系列表示してもよく、図6のように補間結果の情報と共に表示してもよい。このように本発明においては、図7に示すように電力系統の運用者への画面に上記の判定結果を表示することを特徴とする。また同様に本発明は、計算結果の妥当性(可・不可などの論理、あるいは精度などの数字)を表示する、あるいは計算結果のログとして記録する、等の出力手段を備えることを特徴とする。
なお、前記の判定結果は、図7に示すように、計算不可の場合には補間(あるいは外挿)をして信号生成する、という計算手順を変更するための切り替え信号として利用することができる。あるいは図6に示すように、計算可否となる計測信号を有効、無効として区別することができる。この結果を用いて、有効な計測信号を複数選択して計算可能な連立式を作ることができる。
また電流のゼロクロスを検出したとき、送り出し側から負荷点までの電圧降下が0になるため、送り出し側と負荷点の電圧は一致する。このことを利用して本発明では、ゼロクロス時点の送り出し側電圧を用いて負荷点電圧を推定することができる。
以上、ここまでは主に図2の判定手段104の考え方を主体に、センサ開閉器の計測信号の逐次計算手法について説明してきた。
次に図2の計算手段102の演算内容として、例えばインピーダンス(R、X)の推定手法、パラメータの推定手法について説明する。
前記した(3)式は、送り出しから負荷までの電力降下式をRとXについて解いた計算式である。ここで、送り出し側にセンサ付き開閉器が設置されて計測信号(電圧V、電流I、位相)が採取できるとする。このとき(3)式の未知変数は、線路インピーダンスのRとX、負荷点の電圧Er、相差角、になる。
この場合、線路インピーダンスRあるいはXの算出式である(3)式に、それぞれ未知数は3つあるので、それぞれ3連立させれば解けることになる。本発明は、電力系統の負荷量あるいは発電量は時間経過とともに変化することに着目して、少なくとも3時刻の計測信号を用いて連立式を作り、解を得ることを特徴とする。
上記の関係について、図を用いて説明する。図8は、線路インピーダンス特性を示す図である。
(3)式に示した線路インピーダンスRとXの算出式は、右辺に未知数として負荷点の電圧Er、相差角を持つ。それ以外の変数は計測信号を代入することで既知として扱える。ここで、ある1時刻の計測信号を代入した(3)式を、抵抗R、リアクタンスX、電圧Erを3次元の座標軸とし、相差角をパラメータとしてプロットすれば図8の線路インピーダンス特性が得られる。
図8の線路インピーダンス特性を示す円錐上に、3つの解(R、X、Er)が存在するが、このままでは特定できない。2時刻の円錐を描くならば交線で交わるが、3つの解(R、X、Er)を特定できない。これに対し、3時刻で作られる三つの円錐は交点を持ち、3つの解(R、X、Er)が得られる。
図9aは、3時刻で作られる線路インピーダンス特性の三つの円錐を示した図であり、図9bは3時刻で作られる3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面を示した図である。図9aにおいて3時刻で作られる線路インピーダンス特性の三つの円錐について、例えば電圧Erの条件を設定し、3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面上で表した図9bによれば、3つの時刻の円が交わる領域(交点)が存在するので、この時の線路インピーダンスR、Xを、図1の線路における特性と推定することができる。このように、ここでは3時刻の計測信号を(3)式に代入して円錐をプロットし、線路における特性を推定している。本発明は、複数時刻の計測信号を用いて電力降下式を連立させることで、解を得ることを特徴とする。
ところで電力系統に潮流反転が起きるとき(例えば電流が0になるとき)、前記した抵抗RとリアクタンスXを算出する(3)式は分母が大きくなるので適切な解が得られない、あるいは計算不能になる。潮流反転(逆潮流)は再生可能エネルギーの導入が少ない状況では考慮されていなかった現象である。本発明は、近年の再生可能エネルギー増加によって起きる、解が得られない、あるいは計算不可となることを判定する判定手段104を備えることを特徴とする。
本発明は、判定手段104において潮流反転により計算不可の判定結果が出たときには、事前の計算結果、あるいは前後の計算結果を用いて、計算結果を補間する等の計算手順を切り替えることを特徴とする。計算不可のままであれば出力データが欠損することになるが、データを補うことでデータ欠損を防ぎ、後段の信号処理は前段処理の計算不可の影響を受けなくて済むことになる。
また本発明は、判定手段104における該判定結果を用いて、潮流反転が起きたことを画面表示して運用者へ通知する、またインピーダンス(R、X)推定結果の精度レベルを表示して運用者へ通知する、ログに残す、などに利用する。運用者にとっては計算結果だけを見ても分からない結果の信頼性を、出力結果から判断できる効果が得られる。ここで表示画面には、電力系統に起きる現象を前記の図8、図9a、図9bに示すように図的に描画することで、運用者の判断を支援する効果が得られる。
ところで、抵抗RとリアクタンスXの算出式である(3)式に複数時刻の計測信号を代入して連立させるとき、系統状態の変化がある場合、あるいはノイズが混入した場合には解析解を求めることが難しくなる。図10aは、図9bに示した3つの円錐についてインピーダンスによる2次元断面上で、交点が得られる場合を模式的に表しており、図10bは交点が得られない場合を模式的に表している。ここに示すように、前記した円錐を上から見た図を用いて説明すれば、上記の影響がある場合には、3円錐が1点で交わる場合と交わらない場合が生じる。一般に計測信号のように誤差が含まれる場合に、尤もらしい解を得る手法として最小二乗法が利用される。また何らかの評価手法を用いた最適化計算、確率分布を考慮した統計的手法、収束解を求める数値計算法、回帰分析などが利用できる。本発明は、これらの解法を利用できる。
ここで連立式の解法例を示す。まず前記した複数の円錐が一つの交点を持つ図10aの場合は連立方程式の解法として、解析的な解法、数値計算等による適宜な解法を利用する。
一方、一つの交点を持たない図10bの場合には、解析的な解法を利用できないので、数値計算等による解法などを利用する。まず前記した手順に従い、複数時刻に採取された計測信号を(3)式に代入して複数の計算式を用意する。このとき3時刻より多い計測信号を利用して連立させても良い。
図的にみるならば、複数時刻の計測信号によって作られる複数の円錐表面との距離がもっとも接近する位置を探索する。
(3)式に計測信号を代入したときの誤差を明示的に表記するため、誤差Dr、Dxを左辺に出して(5)式を作る。計測信号は、センサ開閉器を想定して送り出し側のP、Q、I、Esとする。これはEs、I、力率であっても良く、あるいはEs、I、電圧電流の位相角であっても良く、適宜換算可能である。
Figure 0006625952
未知数は、線路インピーダンスのRとX、および負荷点の電圧Erとする。ここで問題は、誤差の合計がもっとも小さくなるR、X、Erを解として算出することになる。複数時刻の連立式に共通となる解R、X、Erと、各時刻の計測信号を代入した式との差分(誤差)の計算式が(5)式である。
次に(6)式により、誤差を正値とするため2乗(あるいは絶対値)してから各時刻の合計をとる。ここで電圧Erの誤差をDErで示し、記号Σは複数時刻についての誤差の足し算を示す。
Figure 0006625952
この誤差Dsumが最も小さくなるR、X、Erを求めれば良い。ここでR、X、Erの取り得る領域について前記した図的な解釈を用いて制約条件を作るならば、解は、3円錐の中心を結んだ3角形周辺であり、また送り出し側電圧Esからの電圧変動の上下限範囲にあるとしてよい。
上記を整理すると、誤差(2乗あるいは絶対値)の合計がもっとも小さくなるR、X、Erを、前記制約条件のもとで探索する問題になる。具体的にR、X、Erを求める数値計算の手法は適宜に選択することができる。なお本発明は、これらの解法を限定するものでは無い。
例えばヒューリスティック手法の一つとして知られるPSO(Particle Swarm Optimization、粒子群最適化計算)を使うことができる。PSOは複数の解候補を粒子として初期設定して、そのなかで最も誤差の小さな粒子の位置に向けて解候補(粒子)を移動していく手順を繰り返して解を探索する。上記例では、R、Xあるいは R、X、Er空間に解候補(粒子)を初期設定して解を探索する。
あるいは解が存在しそうな領域に着目して、その領域を線形近似して解を求める方法がある。従来技術が電圧降下式自体を線形近似していたのに対して、解の周辺領域のみを線形近似することは解空間の全体特性は維持する。これは、ニュートンラプソン法は、対象とする非線形方程式を線形近似してから解く方法ではなく、非線形方程式の解周辺領域を線形近似して収束計算する方法であることに相当する。言い換えれば、ニュートンラプソン法等の適宜な数値計算で解を求めることができる。
ところで電力系統の状態変化に追従するには、連立させる時刻の間隔は短くするのが望ましく、一方で状態変化が大きいほど解の探索には都合が良い。具体的な時刻の設定は計測機器の計測信号の精度、サンプリング周期などを考慮して決めることになる。
上記の解法と周期の関係は、解法の計算負荷にも依存する。一般に非線形方程式の解を求める計算負荷は重く、これを欠点と言う場合がある。しかし近年のプロセッサ処理能力は高く、また必要ならば通信手段を介してクラウド計算機等を使うことができる。したがって本来の目的達成に必要な計算負荷を見積もって、それに対応する計算手段を選択すればよい。
実施例2は、実施例1で説明した図2の電力系統の特性推定装置に補間機能を追加した構成例を示している。
図11に示す実施例2では、図2の電力系統の特性推定装置に補間手段105と切り替え手段106が追加されている。実施例1の構成によれば、電流等の計測信号がゼロクロスするときに潮流反転が起きたとして解の出力を取り止めるため、計測信号を入力しながら出力しないのでデータ欠損になる。
これを防ぐ方法として本発明の実施例2では、図11に示すように潮流反転時の周辺の推定結果を補間あるいは外挿によりデータを生成する補間手段105を備える。そして計算可否の判定手段104の判定結果を用いて、出力手段103と補間手段105を切り替える切り替え手段106を備える。こうして、潮流反転があったときには補間あるいは外挿により作られて推定値を出力することでデータ欠損を防ぐ。
図11に示す電力系統の特性推定装置は、要するに「電力系統に関わる信号を入力する手段101、電力系統に関わる計算式に前記入力手段101の入力信号を代入して該計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段102、前記計算手段102の出力を補間あるいは外挿する補間手段105、前記入力手段101の入力信号から前記計算式の解の存在を判定する手段104、該判定手段104の判定結果を用いて前記計算手段102と補間手段105の出力を切り替える手段106、該切り替え手段106の切り替え結果と該判定手段104の判定結果を出力する手段103を備えることを特徴とする電力系統の特性推定方法及び装置」としたものである。
図12は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。時間推移に沿って計算手順を繰り返すことで電力系統に起きる現象に追従する。この繰り返し周期は、計測信号の入力周期に同期して良い。計測装置によって周期は異なるので、機器構成に基づいて周期が決まることになる。あるいは10分、30分、1時間等の時間設定に基づいて繰り返し計算しても良い。
図12のフローチャートは、処理ステップS12から処理ステップS19までの処理を順次実行するものであり、処理ステップS11と処理ステップS20により、これらの処理を繰り返し実行させる。
このフローチャートによれば、処理ステップS11において計測信号の入力を行い、処理ステップS12において潮流反転の検出を行い、処理ステップS13において計算可否の判定を行い、判定の結果は計算可能である時には処理ステップS15側の処理に移行し、計算不可である時には処理ステップS18側の処理に移行する。計算不可である時の処理ステップS18側の処理では、計算値の補間、外挿を行う。
判定の結果、計算可能である時には処理ステップS15において、少なくとも3時刻以上の複数時刻計測信号を準備し、処理ステップS16において電圧降下式の連立を行い、処理ステップS17において線路インピーダンス、電圧降下、位相角を計算し、処理ステップS19において結果の出力を行う。
実施例3においては、上記した電力系統の特性推定装置の具体的な適用事例について説明する。この事例は、電圧降下推定、あるいは電圧適正化機能への適用事例であり、いわゆる線路電圧調整装置に適用して構成した電力系統管理装置である。
前記した線路インピーダンスの推定手順において、図的な説明として円錐の交点が解であるとした。この交点のある空間をR、X、V(インピーダンスをR、X、電圧をVとする)の3次元座標で示せば、このとき負荷点の電圧Erが同時に求められている。(1)式で示した電圧降下式に整定値(線路インピーダンス)を代入することなく、負荷点の電圧Erが求められていることになる。
従来から線路電圧調整装置として利用されているLRT、SVRなどは、タップ切り替えによって1次側と2次側の巻線比率を設定して電圧変換する。このタップの設定方法の一つにLDC(Line Drop Compensator)と呼ばれる方法があり、前記のLRT、SVRなどの線路電圧調整装置内に組み込まれている。これは自端の計測信号から負荷点までの電圧降下を推定して、負荷点の電圧が適正値になるようにタップを制御する手法である。この電圧降下を推定するために使うパラメータを整定値と呼び、事前に機器に設定している。
ここでLDC方式は、図13に示すように負荷点までの線路インピーダンスZ(=R+jX)に自端を流れる電流Iを掛け算することで電圧降下を推定する。この場合に、線路インピーダンスZ(=R+jX)は、整定値と呼ぶ事前に設定するパラメータの一つとしてLDCに設定する。このためには、計測信号に基づいて負荷点までの線路インピーダンスを算出する手順が必要になる。負荷点までの線路インピーダンスは、線路によって異なるため、個々の線路について計測信号を集めることが必要になる。
上記のように、LDCのタップ切り替えで電圧調整するためには、多くの手順を経由して整定値(負荷点までの線路インピーダンス)を算出しなければならない。しかし、前記したように負荷点は負荷変動および再生可能エネルギー発電等により変動するので、事前に算出した整定値は必ずしも線路特性を正しく反映しない場合がある。この問題は、再生可能エネルギー導入の拡大によって顕在化して、電圧調整の結果に誤差をもたらしている。
本発明の電力系統の特性推定装置100は、前記したように逐次入力する計測信号を用いて負荷点までの電圧降下を推定する手段102を備えている。したがって、上記手順のように、事前に設定した整定値(線路インピーダンス)に基づいて電流を掛け算して電圧降下を推定する手順に比べて、電力系統の状態に追従しながら負荷点までの線路インピーダンス、電圧降下を推定できる。したがって本発明によれば、線路ごとに事前に計測信号を集める手順は不要になる。逐次に送り出し側から負荷点までの電圧降下、線路インピーダンスを推定できるので、負荷変動および再生可能エネルギー発電等による負荷点変化に追従できる。そして本発明は、本発明の出力信号を、前記した電圧調整機器の動作を指示するための整定値、制御パラメータ、あるいは制御信号として利用する。
本発明は、上記の特徴を利用して電力系統の制御システムである電力系統管理装置を構築する。例えば図14に示すように、線路の電圧適正化を目的として、電圧調整装置(ここではSVR)、本発明の特性推定装置100、計測機器120を設置する。そして、送り出し電圧をEsからEs’に調整することで負荷点の電圧をErからEr’に上昇させて、負荷点の電圧降下を抑える。この電圧降下の計算をするため、線路インピーダンス等を電圧調整装置の整定値として算出して設定する。ここで本発明の特性推定装置100は、前記電圧調整装置のなかに組み込んでもよく、あるいは何らかの通信路を介して計算機のソフトウェアとして実行しても良い。上記の説明では整定値を算出するとして説明したが、整定値ではなくて具体的な制御信号(SVRの場合はタップ値)を算出しても良い。また上記手順における特性推定装置100の出力信号および判定信号等を記録装置110に記録しておくことで事後解析に利用することができる。
この計測信号の収集から制御信号の伝達までの時間周期を短くすることで、起きている現象に対応した制御を行うことができて、いわゆるリアルタイム制御、あるいはオンライン制御を実現できる。ところで電圧調整装置は、その動作原理によって応答特性が異なる。LRT、SVR等は機械的に1次側と2次側の巻線比を切り替えるため、秒単位の切り替え時間が掛かる。一方SVC(Static Var Compensator)等の半導体素子を利用した電圧調整装置は、より早い応答速度を持つ。そこで本発明は、これらの機器特性に適応するように、前記の算出した整定値あるいは制御信号等の周波数特性を調整する。このため周波数特性を調整するフィルタ処理あるいは装置を利用する。フィルタによる周波数調整の原理は主知であり、その実装方法を限定するものではない。
本発明は、複数時刻の計測信号を用いて連立式を作ることで負荷点の電圧を推定する手段を持つことを特徴として、ここで複数時刻とは少なくとも3時刻であり、かつ前記した潮流反転(逆潮流)の発生により計算不可と判定した時刻を除いて設定する。
実施例4においては、電力系統の特性推定装置の具体的な適用事例として事故点推定に適用することについて説明する。具体的には、電力系統の事故点までの距離(線路インピーダンス)を計測、演算して遮断器の開放動作を決定する保護継電装置に適用した電力系統管理装置を構成するものである。
前記した実施例は、送り出し側から負荷点までの電圧降下式を利用している。ここで負荷点は、実際の負荷機器あるいは発電機器が連系する箇所ではなくて、負荷機器および発電機器をあわせた仮想的な負荷のある箇所である。
ところで電力系統に事故が起きるとき、電力系統に負荷の大きな変化が発生する。事故の種類は多くあるが、地絡事故であれば、地絡抵抗を介して電力が流れることになる。線路切断であれば、その先の負荷が解放されて電力潮流が減少する。これらの事故による系統状態の変化は、前記した計測機器によって時系列の計測信号として採取できる。事故は系統構成の変更として扱うことができて、事故の前後の負荷および負荷点の変化として観察される。
本発明は、図15に示すように事故の前後で負荷点が変化することを利用して、負荷点までの線路インピーダンス、つまり距離を推定する。送り出し側から負荷点までのR、Xを算出して、該当線路の線種に基づく距離あたりのインピーダンス(R、X)を用いて、推定した線路インピーダンスを距離換算することで、負荷点と見立てた事故点までの距離を算出する。
一方で事故は、定常的な現象とは異なり、過渡的および定常的な変化の混合とみることができる。前記したRとXの算出式である(3)式を過渡応答として解いても良い。過渡的応答は、RLC(抵抗、インダクタンス、キャパシタ)による振動現象として観察されて、一般に高周波成分を持つ。そこで計測信号を周波数成分で分解して、低周波成分を利用することで定常的な性質を取り出す。この周波数分解は、例えばウェーブレット分解に置き換えても良い。このように計測信号を、何らかの変換あるいはフィルタリングしてから利用することで、本発明の適用においてノイズとなる成分を除去する。そして、前記した線路インピーダンスの推定を行うことで推定精度を向上する。
なお本発明が具体的に適用可能な保護継電装置のリレー種別としては、典型的にリアクタンスリレーが考えられ、計測したリアクタンス値が所定値以下になっていることをもって保護領域内の事故と判定する。その他には、距離を計測する要素を備える距離リレー、あるいは距離リレーの組み合わせで構成する脱調検出リレーなどにも適用が可能である。
なお保護継電装置は、電力系統に設置されて負荷点側の線路インピーダンスを計測し、与えられた線路インピーダンスの整定値に応じて電力系統の保護出力を与えるものであって、保護継電装置の計測する線路インピーダンスは、電力系統の特性推定装置の出力が用いられている。
電力系統の事故復旧を開始するには、事故点を見つけ出すことが不可欠であることから、本発明を利用して事故点を推定することは、事故復旧を速やかに開始して停電時間を短縮することに効果がある。
また本発明は、電力系統の事故の起こりやすさ、事前の周囲状況、計測信号の波形、および負荷点までの線路インピーダンス等を組み合わせることで、事故の検出、事故原因の推定、事故点の標定を行うことができる。
実施例5として、クラスタリングによる分類について説明する。
電力系統に太陽光発電が連系して、図3に例示したように、日中は発電による逆潮流が発生し、夜間は消費による順潮流が発生する場合を考える。送り出し側の計測信号を用いて算出した負荷点までの線路インピーダンスを、RX平面上にプロットすれば、発電と消費の負荷点の分布ができる。時間経緯を組み合わせれば、時間帯別の発電と消費の負荷点の分布が得られる。さらに負荷点の電圧を組み合わせれば、図16に示すようにRXV空間上の負荷点の分布が得られる。
これらの分布は、負荷と発電の特性を示す分布データであり、例えばグループ分け、クラスタリング、混合分布の分離、などと呼ばれる多くの手法を利用して解析できる。例えば図中に分類した三つのグループは、昼間と夜間および事故時の特性例を示す。本発明は、計測信号から算出した系統特性が、これらのグループのいずれに属するかで系統状態を判定する。
このような電力系統に特有の傾向を見出すことにより、電力の供給計画、設備計画、電圧適正化制御、などに利用できる。また、ここでは図示していないが、グループ分類と時間推移を組み合わせても良い。日常的に繰り返すグループ間に推移を定常動作とするとき、大きく外れる推移を見せるときを異常動作として検出する。
計測信号が、これらの定常的な分布に対して差異を持つことを検知することで、例えば系統構成の変更、事故の発生などと関連付けて判定することができる。
線路に事故が起きた場合に、事故点を負荷点と見なすならば、線路インピーダンスが定常的な分布位置から大きくずれることになる。このような定常時と異常時の分布の違いを判定することで、事故検出、さらには事故原因の推定に利用することができる。
実施例6として、本発明装置の更なる変形、代案事例の幾つかを説明しておく。
まず計算手段102は、事前に計算した電圧降下式に関わる入力信号と出力信号の関係を表形式データとして記憶しておき、入力信号の入力手段で該表を検索して、検索結果を出力手段から出力することができる。これにより過渡的な演算負荷を軽減することができる。
出力手段103は、少なくとも文字を描画可能な表示画面、あるいは少なくともテキストデータを記憶可能な記憶装置を含むのがよい。表示画面には、電力系統の送り出し側から負荷点までの線路インピーダンスと負荷点電圧を座標軸とする空間上で解の存在位置を描画するのがよい。
判定手段が解が存在しないと判定したとき、計算手段は電力系統に潮流反転が起きて送り出し側から負荷点までの電圧降下がゼロであるとして負荷点の電圧を算出するのがよい。
100:特性推定装置
101:入力手段
102:計算手段
103:出力手段
104:判定手段
105:補間手段
106:切り替え手段
110:記録装置
120:計測機器

Claims (18)

  1. 電力系統に関わる信号を入力する入力手段、
    電力系統に関わる計算式に前記入力手段の入力信号を代入して前記計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、
    該計算手段の出力を補間あるいは外挿する補間手段、
    前記入力手段の入力信号から前記計算式の解の存在を判定する判定手段、
    該判定手段の判定結果を用いて前記計算手段と前記補間手段の出力を切り替える切り替え手段、
    該切り替え手段の切り替え結果と前記判定手段の判定結果を出力する出力手段を備えることを特徴とする電力系統の特性推定装置
  2. 請求項1に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は、少なくとも3時刻の入力信号を用いて電力系統に関わる計算式を連立させて解を算出することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記判定手段は、入力した入力信号から送り出し側の電力潮流の大きさがゼロあるいはゼロ近傍であることを判定することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    入力信号の前記入力手段は、電力系統の送り出し側の電圧、電流、位相を入力し、前記計算手段は送り出し側から負荷点までの電圧降下式に少なくとも3時刻の送り出し側の電圧、電流、位相を代入して連立させることで送り出し側から負荷点までの電圧降下および/あるいは線路インピーダンスを解として算出することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は、前記判定手段が解が存在しないと判定した時刻を除く少なくとも3時刻の計測信号を用いて電圧降下式を連立させることを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は、少なくとも3時刻の計測信号を用いて電圧降下式を連立させて誤差が最小となることを指標にして解を算出することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は、電力系統の送り出し側から負荷点までの電圧降下を算出し、
    前記出力手段は該電圧降下を補正するための電圧調整装置の制御量あるいは制御パラメータを出力することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は、電力系統に発生した事故点を負荷点と見立てて電圧降下式を解いて送り出し側から負荷点までの線路インピーダンスを算出することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記計算手段は事前に計算した電圧降下式に関わる入力信号と出力信号の関係を表形式データとして記憶する手段であって、入力信号の入力手段で該表を検索して、検索結果を出力手段で出力することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記出力手段は、少なくとも文字を描画可能な表示画面、あるいは少なくともテキストデータを記憶可能な記憶装置であることを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記出力手段は、電力系統の送り出し側から負荷点までの線路インピーダンスと負荷点電圧を座標軸とする空間上で解の存在位置を描画することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置であって、
    前記判定手段が解が存在しないと判定したとき、前記計算手段は電力系統に潮流反転が起きて送り出し側から負荷点までの電圧降下がゼロであるとして負荷点の電圧を算出することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  13. 電力系統に関わる信号を入力する入力手段、
    電力系統に関わる計算式に前記入力手段の入力信号を代入して該計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、
    前記入力手段の入力信号から前記計算式の解の存在を判定する判定手段、
    該計算手段が算出した解と該判定手段の判定結果を出力する出力手段、
    該計算手段が算出した解を記憶する記憶手段、
    該記憶手段の解を統計処理する統計処理手段
    を備え、
    前記解の統計処理手段は、過去の解のグループ分け結果に基づいて現在の計測信号をグループ分類することを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  14. 電力系統に関わる信号を入力し、
    電力系統に関わる計算式に入力した入力信号を代入して前記計算式に含まれる未知数を解として算出し、
    前記入力信号から前記計算式の解の存在を判定し、
    前記解を補間あるいは外挿して補間値を得、
    前記判定の結果を用いて、前記解と前記補間値を切り替え、
    切り替え結果と前記解と前記判定の結果を出力する
    ことを特徴とする電力系統の特性推定方法。
  15. 電力系統の計測点において求めた電力系統の電気量から、電力系統の負荷点の状態を推定する電力系統の特性推定装置であって、
    電力系統の電気量を時間情報と共に入力する入力手段、
    電力系統に関わる計算式に前記電気量を代入して前記計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、
    潮流に関する電力系統の前記電気量から、前記計算式の解の存在を判定する判定手段、
    前記計算手段が算出した解と前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
    を備えることを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  16. 電力系統の計測点において求めた電力系統の電気量から、電力系統の負荷点の状態を推定する電力系統の特性推定装置であって、
    電力系統の電気量を時間情報と共に入力する入力手段、
    電力系統に関わる計算式に前記電気量を代入して前記計算式に含まれる未知数を解として算出する計算手段、
    該計算手段の出力を補間あるいは外挿する補間手段、
    潮流に関する電力系統の前記電気量から、前記計算式の解の存在を判定する判定手段、
    該判定手段の判定結果を用いて前記計算手段と前記補間手段の出力を切り替える切り替え手段、
    該切り替え手段の切り替え結果と前記判定手段の判定結果を出力する出力手段を備えることを特徴とする電力系統の特性推定装置。
  17. 電力系統に設置されて負荷点側の電圧を調整する電圧調整装置を含む電力系統管理装置であって、
    前記電圧調整装置は、その設置点と前記負荷点側の間の電圧降下を、与えられた線路インピーダンスの整定値に従い制御するとともに、前記線路インピーダンスの整定値は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置の出力手段から与えられていることを特徴とする電力系統管理装置。
  18. 電力系統に設置されて負荷点側の線路インピーダンスを計測して電力系統の保護出力を与える保護継電装置を含む電力系統管理装置であって、
    前記保護継電装置の計測する前記線路インピーダンスは、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力系統の特性推定装置の出力が用いられていることを特徴とする電力系統管理装置。
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