JP6549503B2 - 内視鏡処置具 - Google Patents

内視鏡処置具 Download PDF

Info

Publication number
JP6549503B2
JP6549503B2 JP2016039421A JP2016039421A JP6549503B2 JP 6549503 B2 JP6549503 B2 JP 6549503B2 JP 2016039421 A JP2016039421 A JP 2016039421A JP 2016039421 A JP2016039421 A JP 2016039421A JP 6549503 B2 JP6549503 B2 JP 6549503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
guide wire
sheath
treatment tool
slit portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016039421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017153698A (ja
Inventor
智恵子 小川
智恵子 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2016039421A priority Critical patent/JP6549503B2/ja
Publication of JP2017153698A publication Critical patent/JP2017153698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6549503B2 publication Critical patent/JP6549503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Description

本発明は、内視鏡処置具に関する。
例えば、総胆管結石などによる胆管狭窄の治療法として、内視鏡処置具を経由して高周波処置具を用いて、内視鏡乳頭切除術(Endoscopic sphincterotomy, EST)を行った後、砕石(採石)用バスケットなどを使用して結石を除去することで、狭窄を解除する手技が行われている。
このように内視鏡を経由して複数の処置具を用いる治療では、複数の処置具を迅速に交換することが手技時間の短縮に繋がる。手技時間の短縮の結果、操作者や患者への負荷が軽減される。
例えば、特許文献1には、処置具の迅速交換を目的として、近位側と遠位側とにそれぞれガイドワイヤポートが設けられ、これらのガイドワイヤポートの間にガイドワイヤよりもわずかに狭いスリットが形成されているカテーテルが記載されている。
米国特許第5135535号明細書
特許文献1に記載のカテーテルでは、ガイドワイヤを通して体内に挿入されて、処置が行われた後、このカテーテルを他の処置具と交換する際、次のようなカテーテルの取り外し動作が行われる。
まず、操作者は、近位側のガイドワイヤを近位側のガイドワイヤポートから遠位側のスリットに進める。これによって、ガイドワイヤは、スリットを通して、内視鏡装置の処置具挿入口の近傍位置までの間でカテーテルシースの側方に取り出される。
この後、操作者は、内視鏡装置の処置具挿入口の近傍でガイドワイヤを保持してガイドワイヤの位置を固定する。さらに操作者は、処置具挿入口の近傍位置にてカテーテルシースを後退させながら、スリットを通してカテーテルシースをガイドワイヤの側方に連続的に取り出す。これにより、操作者は、カテーテルシースをガイドワイヤから分離していく。
こうして、遠位側のガイドワイヤポートがガイドワイヤの停止位置に到達したら、操作者はカテーテルシースの後退動作を一旦停止する。
この後、操作者は、遠位部分のカテーテルシースをガイドワイヤに沿って滑らせ、より近位側に後退させることによって、カテーテルシースにおける遠位側の処置具を処置具挿入口から外部に取り出す。処置具およびカテーテルシースは、内視鏡処置具の外部に延びるガイドワイヤの近位端部まで移動されてガイドワイヤから取り外される。
この後、ガイドワイヤの近位端を通して、次の処置に必要な処置具が内視鏡処置具の処置具チャンネルに導入される。この処置具は、患者の体内におけるガイドワイヤの遠位端まで送り込まれて、処置対象部位に配置される。
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
このようなカテーテルの取り外し作業を迅速に行うためには、カテーテルシースを後退させつつガイドワイヤから分離する際の後退速度を速める必要がある。後退速度が漸次加速されると、取り出しの終了間際に近づくほど勢いがついてくる。操作者は、カテーテルのマークなどによって残りの後退量を推測することはできるが、急いでいる場合には、減速したり余裕をもって停止したりすることができない。このため、操作者は、スリットの遠位端の直前で急停止させることができない場合がある。
この場合、ガイドワイヤは急停止することなく、カテーテルシースに設けられたスリットの遠位端に衝突し、更にスリットの遠位端を超えてシースを裂き、破損させる可能性が生じる。これにより、例えば、カテーテルシースの遠位部分に設けられた診断・治療に用いる処置具の先端の作動(処置)領域まで破壊される、といったリスクが考えられる。
さらに、破壊形状によっては、カテーテルシースがガイドワイヤに強く噛み込むなどして絡みつき、ガイドワイヤの動きを阻害する恐れがある。シースからガイドワイヤを分離できないと、一旦シースごとガイドワイヤを内視鏡から引き抜く必要が出てくるため、処置具の迅速な交換を妨げる要因となり得る。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、シースのスリット部を通してガイドワイヤからシースを取り外す際に、シースのスリット部の終端部が近づいたことを、操作者が容易に感知できる内視鏡処置具を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の内視鏡処置具は、先端から基端に向かって細径部と前記細径部よりも大径の太径部とを有し、前記細径部の先端には処置部が設けられ、前記太径部の基端部にはガイドワイヤを挿入するガイドワイヤ挿入ポートが形成され、前記ガイドワイヤ挿入ポートに連通し前記細径部の先端に開口するガイドワイヤルーメンが内部に形成されたシースと、前記ガイドワイヤ挿入ポートから先端側に向かって前記シースの長手方向に延びて形成されており、前記ガイドワイヤルーメンの内周面の一部を形成するとともに、周方向の先端部が前記ガイドワイヤの外径よりも小さい隙間をあけて互いに離間して対向することによって前記ガイドワイヤが取り出し可能な第1のスリット部を形成する一対の第1のフラップ部と、前記太径部の範囲において、前記第1のフラップ部の長手方向の先端部から、より先端側に延ばされて形成されており、前記ガイドワイヤルーメンの内周面の一部を形成するとともに、周方向の先端部が前記第1のスリット部のスリット幅よりも狭い隙間をあけて互いに離間して対向しており、前記第1のスリット部から取り出すよりも大きな力量によって前記ガイドワイヤが取り出し可能な第2のスリット部を形成する一対の第2のフラップ部と、を備える。
上記内視鏡処置具においては、前記シースの長手方向の先端側には、予め曲がり癖が付けられたプリカーブ部が形成され、前記第2のスリット部の長手方向の先端は、前記プリカーブ部に位置する。
上記内視鏡処置具においては、前記プリカーブ部は、前記処置部を含み第1の曲率半径で曲がり癖が付けられた第1のプリカーブ部と、前記第1のプリカーブ部よりも長手方向の基端側に位置し、前記第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径で曲がり癖が付けられた第2のプリカーブ部と、を備え、前記第2のスリット部の長手方向の先端は、前記第2のプリカーブ部に位置する。
上記内視鏡処置具においては、前記第2のスリット部の長さは、前記第1のスリット部および前記第2のスリット部の長さの和の1%以上5%以下である。
上記内視鏡処置具においては、前記第1のスリット部は、前記第2のスリット部の基端から前記ガイドワイヤ挿入ポートまで、連続して延ばされている。
上記内視鏡処置具においては、前記第2のスリット部の長手方向の先端に対向して、周方向の幅が、前記第2のスリット部のスリット幅よりも広く、かつ前記第1のスリット部のスリット幅を超えない幅である引き裂き防止部が形成されている。
上記内視鏡処置具においては、前記引き裂き防止部は、前記第2のスリット部の長手方向と直交する方向に延び、前記第2のスリット部の長手方向の先端と対向する壁状部からなる。
上記内視鏡処置具においては、前記引き裂き防止部は、前記第2のスリット部の長手方向の先端から先端側に延ばされた側面視円孔状の壁状部からなる。
本発明の内視鏡処置具によれば、シースのスリット部を通してガイドワイヤからシースを取り外す際に、シースのスリット部の終端部が近づいたことを、操作者が容易に感知できるという効果を奏する。
本発明の実施形態の内視鏡処置具を備えた切開システムの全体図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具の構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの遠位部分を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースにおける第1のスリット部および第2のスリット部の構成例を示す模式的な正面図である。 図2におけるD−D断面図である。 図5におけるA−A断面図である。 図5におけるB−B断面図である。 図5におけるC−C断面図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの遠位部分の断面構成を示す模式的な斜視部分断面図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用時の一過程を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用態様を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具の遠位端が撮像された様子を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具を用いた処置の一過程における内視鏡画像を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用時の一過程を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具に取り付けられたガイドワイヤを残して内視鏡処置具を内視鏡装置から抜去する一過程を示す模式図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースからガイドワイヤの取り外す様子を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースとガイドワイヤとを分離する一過程を示す模式図である。 本発明の実施形態の第1変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の第2変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の第3変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の第4変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の第5変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
以下では、本発明の実施形態の内視鏡処置具について説明する。
図1は、本発明の実施形態の内視鏡処置具を備えた切開システムの全体図である。図2は、本発明の実施形態の内視鏡処置具の構成例を示す模式的な正面図である。図3は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの遠位部分を示す模式的な正面図である。図4は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの構成例を示す模式的な正面図である。図5は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースにおける第1のスリット部および第2のスリット部の構成例を示す模式的な正面図である。図6は、図2におけるD−D断面図である。図7は、図5におけるA−A断面図である。図8は、図5におけるB−B断面図である。図9は、図5におけるC−C断面図である。図10は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースの遠位部分の断面構成を示す模式的な斜視部分断面図である。
ただし、各図面は模式図のため、各部材の形状や寸法は誇張されている(他の図面も同様)。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡処置具1は、体内において生体組織の切開をするために内視鏡装置100とともに使用される医療器具である。内視鏡処置具1は、内視鏡装置100と組み合わされた状態で切開システム108(内視鏡処置システム)を構成する。
内視鏡処置具1は、挿入部2と、挿入部2の端部に接続された操作部40とを有する。
以下、内視鏡処置具1の操作部40側を近位側と称し、挿入部2が設けられ、体内に挿入される側を遠位側と称する。遠位側(近位側)は、内視鏡処置具1の挿入方向の先端側(基端側)でもあるため、内視鏡処置具1の遠位側(近位側)を長手方向の先端側(基端側)、あるいは単に先端側(基端側)という場合もある。
挿入部2は、内視鏡装置100の処置具チャンネル104に挿入される細長い部材である。図2に示すように、挿入部2は、シース3と、シース3に挿通されシース3の遠位側に露出されたナイフワイヤ30とを有する。
シース3は、可撓性を有する細長い部材である。本実施形態ではシース3は、電気絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。シース3を形成する樹脂材料の例としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)などが挙げられる。
シース3は、シース3の遠位端3aを含む長手方向の先端側にプリカーブ部4を有する。プリカーブ部4は、予め所定の形状に湾曲された曲げ癖が付与されている。プリカーブ部4は、外力によって弾性変形された場合、予め付与された湾曲形状に復元する復元力が発生する。
本実施形態では、プリカーブ部4は、同一平面内(図2の紙面内)にて同方向に湾曲された第1のプリカーブ部4Aと第2のプリカーブ部4Bとからなる。
第1のプリカーブ部4Aは、遠位端3aから第1の曲率半径R1で略半円状に湾曲されている。第1のプリカーブ部4Aの湾曲方向は、基端から先端に向かうにつれて図示時計回りである。
第2のプリカーブ部4Bは、第1のプリカーブ部4Aの端部から第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径R2で円周の約3分の1程度湾曲されている。第2のプリカーブ部4Bの湾曲方向は、基端から先端に向かうにつれて図示時計回りである。
プリカーブ部4における第1の曲率半径R1および第2の曲率半径R2の大きさと、第1のプリカーブ部4Aと第2のプリカーブ部4Bとの長さとは、内視鏡処置具1によって行われる処置の種類によって適宜に設定される。第1の曲率半径R1および第2の曲率半径R2はそれぞれ一定値でもよいし、所定範囲内で変化していてもよい。第1の曲率半径R1および第2の曲率半径R2が変化する場合、第1の曲率半径R1の最大値は、第2の曲率半径の最小値以上である。
例えば、本実施形態では、後述するように、プリカーブ部4の遠位部分は、処置対象となる患者の十二指腸乳頭内に挿入される。
この場合、第1のプリカーブ部4Aの長さは約60mm程度とすることができる。第2のプリカーブ部4Bの長さは、約110mm程度とすることができる。
図3に示すように、プリカーブ部4の遠位部分には、第1のプリカーブ部4Aの湾曲の内側面401において、遠位端3aに近い順に、遠位第1孔23および遠位第2孔24がそれぞれ開口している。遠位第1孔23および遠位第2孔24には、ナイフワイヤ30が挿通されている。
遠位第1孔23および遠位第2孔24の間に露出されたナイフワイヤ30は、遠位第1孔23および遠位第2孔24の間に弦状に張られた状態で処置対象を切開する切開部34(処置部)を構成している。
ナイフワイヤ30は、導電性を有する芯線が適宜の合成樹脂からなる絶縁被膜32(図4参照)によって被膜されている。ただし、切開部34では、絶縁被膜32が被膜されておらず、芯線が露出している。
このため、図示略のコネクタを介してナイフワイヤ30の芯線が高周波電源と接続されて芯線に高周波電流が通電されると、切開部34は生体組織を切開することが可能である。
図4に示すように、シース3は、遠位端3aから細径部3Aおよび太径部3Bがこの順に形成されている。なお、図4にはプリカーブ部4が真直に引き伸ばされた状態が図示されている。
以下では、シース3に関する方向を参照する場合に、径方向、周方向と言う場合がある。径方向とは、シース3の長手方向に延びる中心軸線と直交する平面において、中心軸線と交差する直線に沿う方向である。周方向とは、シース3の中心軸線と直交する平面内で、中心軸線を周回する方向である。
細径部3Aの長さは、第1のプリカーブ部4Aの長さよりもわずかに長い。例えば、第1のプリカーブ部4Aの長さが60mmの場合、64mm以上でもよい。
太径部3Bは、細径部3Aの基端から近位端3bまで連続している。一例として、細径部3Aの外径は、1.65mmであり、太径部3Bの外径は、2.4mmである。
シース3の太径部3Bには、近位側(図4の右側)から遠位側(図4の左側)に向かって、入口部8(ガイドワイヤ挿入ポート)、第1のスリット部10A、および第2のスリット部10Bがこの順に形成されている。
シース3の長手方向における第2のスリット部10Bの先端には、引き裂き防止部10Cが対向して配置されている。
入口部8は、内視鏡処置具1を患者の体腔の案内する図示略のガイドワイヤを挿通するガイドワイヤ挿入ポートに用いる開口部である。入口部8は、シース3の外側からシース3の内部に連通する。
入口部8の開口形状は、ガイドワイヤが挿通可能であれば、特に限定されない。例えば、入口部8の開口形状は、円形、楕円形、長穴、矩形などでもよい。入口部8の開口形状は、シース3の周方向の幅よりもシース3の長手方向の幅が広くてもよい。
本実施形態では、図5に示すように、入口部8の開口形状は、一例として、シース3の長手方向に長い矩形状である。入口部8の短手方向の幅W0は、図示略のガイドワイヤの外径D0以上である。
入口部8におけるシース3の長手方向に互いに対向する開口端8aと、シース3の周方向に互いに対向する開口端8bは、図6に開口端8bの例を示すように、内部側から外周面3cへ向かって入口部8の開口面積が漸次大きくなるように広がるテーパー形状を有していてもよい。
入口部8は、入口部8の先端側の端部から、シース3の遠位端3aに向かってシース3の内部で長手方向に延びる第1ルーメン7(ガイドワイヤルーメン)に連通している。
図5に示すように、第1のスリット部10Aは、シース3の表面から第1ルーメン7に向かって貫通し、シース3の長手方向に延ばされている。第1のスリット部10Aのスリット幅は、図示略のガイドワイヤの外径D0よりも小さい幅W1である。
ここで、図6〜図10を参照して、シース3の内部構造について説明する。
シース3の内部には、第1ルーメン7と、第2ルーメン15と、第3ルーメン20とが形成されている。第1ルーメン7と、第2ルーメン15と、第3ルーメン20とは、シース3の長手方向に互いに平行に延びている。
図7に示すように、第1ルーメン7は、ガイドワイヤ80が進退可能な内径を有する通路部分である。すなわち、第1ルーメン7は、内部にガイドワイヤ80が保持されるガイドワイヤルーメンである。第1ルーメン7は、シース3の断面の直径で分割された半円領域の一方(図示左側)に位置する。特に図示しないが、第1ルーメン7は、細径部3Aの内部および遠位端3aを貫通している。
第2ルーメン15および第3ルーメン20は、シース3の断面の直径で分割された半円領域の他方(図示左側)において、互いに並列している。
第2ルーメン15は、シース3の近位端3b(図2参照)からシース3の遠位端3a(図2参照)まで貫通している。第2ルーメン15は、例えば造影剤等の液体を送液するための、送液ルーメンとして使用されてもよい。
第2ルーメン15は、体内の液体を除去するための排液ルーメンとしても利用されてもよい。
第3ルーメン20は、ナイフワイヤ30が挿通されたルーメンである。第3ルーメン20の内径は、ナイフワイヤ30の外径に対して、適宜のクリアランスを有する大きさである。このため、第3ルーメン20は、ナイフワイヤ30を進退可能に挿通している。
図10に示すように、上述したプリカーブ部4の遠位部分における遠位第1孔23および遠位第2孔24は、細径部3Aに延びている第3ルーメン20に貫通している。
遠位第2孔24から第3ルーメン20の外部に延出され、遠位第1孔23から第3ルーメン20の内部に挿入された切開部34は、その先端部に設けられた遠位固定部材37によって第3ルーメン20内に固定されている。
第3ルーメン20は、細径部3Aの外部に露出された切開部34を除くナイフワイヤ30の外周を全周にわたって覆っている。第3ルーメン20の内部に挿通されたナイフワイヤ30は、シース3によって外部に対して電気的に絶縁状態で保持されている。
図7に示すように、第1ルーメン7において、第1のスリット部10Aは、太径部3Bに形成された一対の第1のフラップ部11Aによって形成されている。
第1のフラップ部11Aは、第1ルーメン7の中心軸線に関する周方向において互いに対向するフラップ部11a、11bの対からなる。フラップ部11a、11bにおけるそれぞれの周方向の先端には、シース3の長手方向に延びる周方向先端面11c、11dが形成されている。
第1のスリット部10Aは、周方向先端面11c、11dの間の隙間として形成されている。
フラップ部11a(11b)は、太径部3Bの外周面3cと第1ルーメン7の内周面7aとに挟まれ、周方向先端面11c(11d)に向かって板厚が漸減する湾曲した板状部である。フラップ部11a(11b)は、太径部3Bの外周面3cと第1ルーメン7の内周面7aと間のシース3の樹脂部分で構成されているため、弾性変形可能である。
第1のフラップ部11Aは、外力が作用しない自然状態では、フラップ部11a、11bの間の隙間が幅W1(ただし、W1≦D0)である。このため、第1のフラップ部11Aは、第1ルーメン7の内部に挿通されるガイドワイヤ80を第1ルーメン7の内部に保持することが可能である。
さらに、第1のフラップ部11Aは、フラップ部11a、11bの周方向の先端部に外力が作用すると、フラップ部11a、11bの間の隙間が拡大する方向に弾性変形可能である。このため、第1ルーメン7の内部に挿通されたガイドワイヤ80およびシース3のいずれか一方に操作者が外力を加えることで、ガイドワイヤ80を第1のスリット部10Aに対して相対的に挿通移動させることが可能である。その際、操作者には、第1のフラップ部11Aの弾性復元力および第1のフラップ部11Aの摩擦係数に応じて決まる摩擦抵抗が伝達される。
図5に示すように、第2のスリット部10Bは、第1のスリット部10Aの先端部から太径部3Bの先端側(図示左側)に向かって延ばされている。本実施形態では、第2のスリット部10Bの中心軸線は、第1のスリット部10Aの中心軸線と同軸である。
図8に示すように、第1ルーメン7において、第2のスリット部10Bは、太径部3Bに形成された一対の第2のフラップ部11Bによって形成されている。
第2のフラップ部11Bは、第1ルーメン7の中心軸線に関する周方向において互いに対向するフラップ部11e、11fの対からなる。フラップ部11e、11fにおけるそれぞれの周方向の先端には、シース3の長手方向に延びる周方向先端面11g、11hが形成されている。
第2のスリット部10Bは、周方向先端面11g、11hの間の隙間として形成されている。
フラップ部11e、11fは、周方向先端面11g、11hの間の隙間(スリット幅)W2が、第1のフラップ部11Aにおける周方向先端面11c、11dの間の隙間W1よりも狭い点を除いて、フラップ部11a、11bと同様の構成を備える。
第2のフラップ部11Bは、第1のフラップ部11Aと同様、自然状態において、第1ルーメン7の内部に挿通されるガイドワイヤ80を第1ルーメン7の内部に保持することが可能である。
さらに、第2のフラップ部11Bは、第1のフラップ部11Aと同様、ガイドワイヤ80およびシース3のいずれか一方に操作者が外力を加えることで、ガイドワイヤ80を第2のスリット部10Bに対して相対的に挿通移動させることが可能である。
ただし、この相対的な挿通移動を行う場合に、第2のスリット部10Bにおいて操作者が加える必要がある外力の力量は、ガイドワイヤ80を第1のフラップ部11Aに対して相対的に挿通移動させる場合の力量よりも大きい。したがって、操作者に伝達される摩擦抵抗もガイドワイヤ80を第1のフラップ部11Aに対して相対的に挿通移動させる場合よりも大きい。
図5に示すように、第2のスリット部10Bの遠位端部には、引き裂き防止部10Cが形成されている。
本実施形態では、引き裂き防止部10Cは、第2のスリット部10Bの長手方向の先端に対向して形成された周方向の幅がW3(ただし、W2<W3<W1)の壁状部からなる。引き裂き防止部10Cは、図9に示すように、太径部3Bの外周面3cから第1ルーメン7に向かって貫通された幅W3の切り込みによって形成されている。このため、第2のフラップ部11Bの長手方向の先端部は、引き裂き防止部10Cの領域を除いて、より先端側に延びる太径部3Bと一体に接続されている。
以上に説明したように、挿入部2における第1のスリット部10Aおよび第2のスリット部10Bは、太径部3Bにおいて、基端側から先端側に向かって、スリット幅がW1からW2に段階的に縮小するスリット部を構成している。
引き裂き防止部10Cは、シース3の長手方向における第2のスリット部10Bの先端に対向することで、第2のスリット部10Bの先端側を塞いでいる。
図4に示すように、第1のスリット部10Aの長さは、入口部8の先端部からシース3の長手方向に測ってL1である。
第2のスリット部10Bの長さは、第1のスリット部10Aの先端部からシース3の長手方向に測ってL2(ただし、L2<L1)である。
L2は、第1のスリット部10Aの長さと第2のスリット部10Bの長さとの和(L1+L2)に対して、1%以上5%以下であってもよい。例えば、L2は、30mm以上50mm以下であってもよい。
引き裂き防止部10Cの位置は、遠位端3aからシース3の長手方向に測って長さL3の位置である。長さL3は、細径部3Aおよび第1のプリカーブ部4Aの長さよりも長く、かつプリカーブ部4の長さよりも短い長さである。
図4に示すように、引き裂き防止部10Cと先端側の第2のスリット部10Bとを含む領域には、シース3の外周面3c上に、マークMが形成されている。
マークMは、第1のスリット部10Aおよび第2のスリット部10Bを通して、図示略のガイドワイヤ80を挿通移動する際に、ガイドワイヤ80が第2のスリット部10Bの終端部に近づいたことを視認できるように設けられている。このため、マークMの形成範囲は、シース3の長手方向において第2のスリット部10Bの形成領域と重なる範囲であれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、マークMの基端側の端部が引き裂き防止部10Cから長さL4に位置している。
図2に示すように、操作部40は、挿入部2の近位端2b(シース3の近位端3b)に配されている。操作部40は、操作者によって把持される。操作者は、操作部40を介して内視鏡処置具1を動作させるための各種の操作を行う。
操作部40は、シース3の基端部を連結する本体部41と、本体部41の基端側に連結されたハンドル部42とを有する。
本体部41は、先端側に、シース3の基端部を装着する連結部41aと、本体部41を内視鏡装置100に保持させるためのフック41bとを備える。
連結部41aは、連結されたシース3の入口部8に図示略のガイドワイヤ80を挿入するための第1ポート52が形成されている。
第1ポート52は、入口部8と略同形の開口部52aと、開口部52aの先端に貫通する切欠き部52bとを備える。
図6に示すように、開口部52aは、入口部8の開口端8bと同様、内側から外側に向かって拡径するテーパー形状に形成されてもよい。
切欠き部52bは、図示略のガイドワイヤ80の外径D0よりも大きい切欠き幅を有する。
本体部41の内部には、シース3の第3ルーメン20(図示略)から基端側に延出されたナイフワイヤ30を挿通するナイフワイヤ通路66と、シース3の第2ルーメン15(図示略)に連通する送液管路53aとが、それぞれ基端側に延ばされている。
ナイフワイヤ通路66が延ばされた本体部41の端部には、ハンドル部42が配置されている。
送液管路53aの基端部には、送液管路53aに液体を出し入れするための開口部である第2ポート53が形成されている。
ハンドル部42は、軸部42aと、軸部42aに沿ってスライド移動可能なスライダ42bとを備える。軸部42aおよびスライダ42bには、それぞれ操作者が指をかけるためのリング状の指掛け部42c、42dが形成されている。
スライダ42bは、ナイフワイヤ通路66に挿通されたナイフワイヤ30の端部の芯線を電気的に接続するコネクタ73を備える。コネクタ73は、図示略の高周波電源に接続可能である。
コネクタ73に接続されたナイフワイヤ30は、スライダ42bのスライド移動に伴って軸部42aに沿って牽引される。ナイフワイヤ30が牽引されると、シース3の先端部が弓形にしなり、切開部34が遠位第1孔23および遠位第2孔24の間に張られる。
次に、本実施形態の内視鏡処置具1の作用について説明する。
図11は、本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用時の一過程を示す模式図である。図12は、本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用態様を示す模式図である。図13は、本発明の実施形態の内視鏡処置具の遠位端が撮像された様子を示す模式図である。図14は、本発明の実施形態の内視鏡処置具を用いた処置の一過程における内視鏡画像を示す模式図である。図15は、本発明の実施形態の内視鏡処置具の使用時の一過程を示す模式図である。図16は、本発明の実施形態の内視鏡処置具に取り付けられたガイドワイヤを残して内視鏡処置具を内視鏡装置から抜去する一過程を示す模式図である。図17は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースからガイドワイヤの取り外す様子を示す模式的な斜視図である。図18は、本発明の実施形態の内視鏡処置具のシースとガイドワイヤとを分離する一過程を示す模式図である。
本実施形態では、内視鏡的乳頭括約筋切開術(Endoscopic sphincterotomy, EST)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography, ERCP)、および結石除去が一連の手技としてこの順に行われる場合において、内視鏡処置具1が内視鏡装置100とともに利用される例で説明する。
内視鏡処置具1の特徴的な作用は、ESTを行うために挿入された内視鏡処置具1を結石除去に先立って抜去する際に発揮される。そこで、周知のESTおよびERCPの説明は簡略化する。
内視鏡処置具1とともに用いる内視鏡装置100は、図1、図11に示すように、十二指腸乳頭PVを観察するのに適した側視型の内視鏡装置である。
図11に示すように、側視型の内視鏡装置100は、筒状部材101と、把持部102(図1参照)と、鉗子栓103(図1参照)と、処置具チャンネル104と、起上台105と、撮像部106とを備える。
筒状部材101は体内に挿入される部分である。把持部102は、筒状部材101の近位端に配されている。鉗子栓103は、把持部102の一部に配されている。処置具チャンネル104は、鉗子栓103と連通され筒状部材101の内部に配されている。起上台105は、処置具が突出される開口部内を移動可能に設けられている。起上台105は、処置具チャンネル104の遠位端104aにおいて処置具チャンネル104から突出される処置具等の向きを筒状部材101の中心軸線Oに対して直交する方向へと変える。撮像部106は、筒状部材101の中心軸線Oに対して直交する方向へ撮像視野が向けられている。撮像部106は、処置具が突出される開口部に隣接して設けられている。
さらに内視鏡装置100は、図1に示すように、湾曲機構107を有している。湾曲機構107は、筒状部材101の遠位部分を湾曲動作させるための湾曲操作部107aおよび湾曲変形部107bを有する。
内視鏡処置具1は、内視鏡装置100の操作者と内視鏡処置具1の操作者とがそれぞれ別である態様と、内視鏡装置100の把持部102に対してフック41bを連結して、一人の操作者が内視鏡装置100の操作者が内視鏡処置具1を操作する態様と、の両方の態様で好適に使用可能である。
まず、図1に示す内視鏡装置100の把持部102に対してフック41bを連結して内視鏡処置具1を利用する場合について説明する。
内視鏡処置具1が内視鏡装置100に取り付けられていない状態で、操作者は、図11に示すように公知の手技により内視鏡装置100を処置対象部位である十二指腸乳頭PVまで案内し、内視鏡装置100を用いて処置対象部位を観察する。
処置対象部位の観察後、内視鏡装置100の処置具チャンネル104の近位端から適宜の処置具取付補助具などを介して、内視鏡処置具1のシース3が挿入される。処置具取付補助具としては、鉗子栓103からの液体の漏れを抑制する栓体と、処置具チャンネル104から逆流する液体を排出する排出管とを備える部材が用いられてもよい。
内視鏡処置具1の操作部40は内視鏡装置100に対してフック41bにより連結されている。そのため、内視鏡処置具1の操作者は、内視鏡装置100を、例えば左手、シース3を、例えば右手に持って、内視鏡装置100の鉗子栓103に対してシース3を出し入れする操作を行うことができる。
図12に示すように、操作者によるシース3の操作により、シース3の遠位端3aは、処置具チャンネル104の遠位端104a(開口部)から突出する。この様子は、内視鏡装置100の撮像部106により撮像される。
側視型の内視鏡装置100を利用した十二指腸乳頭PVに対するESTの手技においては、内視鏡装置100が撮像した画像を、画像の上部中央を12時とする時計の文字盤と見立てた場合、内視鏡装置100が撮像した画像における11時と12時との間に十二指腸乳頭PVの切開対象部位が映るように撮像部の向きを合わせる。この状態で、十二指腸乳頭PVの開口部から十二指腸乳頭PVを拡張するように切開することで、十二指腸乳頭PVにおいて結石等を通過させるための通路を形成する。
まず、操作者は、十二指腸乳頭PV内に造影剤を導入することにより、胆管および膵管の走行、並びに結石の有無を調べる。すなわち、ERCPの手技のために、シース3の遠位端3aにおけるプリカーブ部4を内視鏡装置100の処置具チャンネル104の遠位端104aから突出させる。プリカーブ部4にはあらかじめ湾曲形状がつけられているので、処置具チャンネル104内において、湾曲機構107あるいは起上台105における湾曲形状にプリカーブ部4が倣うまで、シース3の中心軸を回転中心としてプリカーブ部4が回転する。
プリカーブ部4の遠位部分が起上台105を通過する過程で、プリカーブ部4は、プリカーブ部4の湾曲方向と起上台105の湾曲方向とが一致するまで回転する。
続いて、プリカーブ部4の遠位部分が内視鏡装置100の撮像部106の撮像視野に進入する。操作者は、操作部40においてシース3の近位端3bをシース3の長手方向に進退させてプリカーブ部4の遠位部分の位置を調整する。
このとき、シース3の近位端3bをシース3の中心軸を回転中心として積極的に回転させなくても、プリカーブ部4が内視鏡装置100の湾曲機構107や起上台105の湾曲状態に応じて受動的に回転する。このため、シース3の遠位端3aは内視鏡画像における12時方向に湾曲した位置となる。
十二指腸乳頭PVにシース3の遠位端3aを容易に挿入するため、操作者は、操作部40の第1ポート52からガイドワイヤ80を第1ルーメン7内に挿通し、第1ルーメン7の遠位端からガイドワイヤ80の遠位端80aを突出させる。この場合、操作者は、まず、ガイドワイヤ80の遠位端80aを十二指腸乳頭PVにまず挿入する。続いて、操作者は、シース3の遠位端3aをガイドワイヤ80に沿って十二指腸乳頭PVに挿入する。
図13に示すように、内視鏡画像におけるプリカーブ部4の湾曲方向が12時に設定されているときに、ナイフワイヤ30の切開部34は、12時方向よりも11時方向寄りの方向へ向かって遠位第1孔23および遠位第2孔24から突出している。
操作者は、切開部34が内視鏡画像上の11時と12時との間の方向に向かっていることを確認しながらシース3を鉗子栓103から処置具チャンネル104へと挿入する。これにより、シース3の遠位部分は内視鏡装置100の起上台105から押し出され、シース3の遠位端3aは十二指腸乳頭PVの開口に達して十二指腸乳頭PV内に挿入される。
シース3が十二指腸乳頭PV内に導入されたら、操作者は、第2ポート53から造影剤を供給する。造影剤は、シース3の遠位端3aにおける第2ルーメン15の開口から吐出され、十二指腸乳頭PVを通じて胆管および膵管に導入される。造影剤の導入により、操作者は、胆管および膵管の走行、並びに、結石の有無、その位置、および大きさ等が容易に把握できる。
造影剤の導入後、結石の除去が必要である場合には、ESTが行われる。
図14に示すように、シース3が十二指腸乳頭PV内に導入されたあと、操作者は、プリカーブ部4の遠位部分を所定長さだけ十二指腸乳頭PV内に配する。この状態で、操作者は、操作部40におけるスライダ42bを近位側に後退させる。これにより、ナイフワイヤ30が近位側に牽引され、シース3の遠位端3a近傍の部分は、遠位第1孔23と遠位第2孔24との間で湾曲変形される。ナイフワイヤ30の切開部34は、シース3に対して弓状に張られる。
プリカーブ部4の湾曲方向を12時方向と設定したときに、切開部34は、12時方向よりも11時方向寄りにずれた位置において十二指腸乳頭PVの開口部の内面に接する。
切開部34がシース3に対して弓状に張られる過程で、操作者は、操作部40のコネクタ73を通じて高周波電源装置から高周波電流をナイフワイヤ30に供給する。
これにより、切開部34が接触している組織が高周波電流により切開される。
本実施形態では、十二指腸乳頭PVにおける主要な血管を避けた位置が内視鏡画像上の11時方向寄りに映るように設定されている。この11時方向の位置で切開部34により十二指腸乳頭PVが切開されるため、切開による出血量が抑制される。
十二指腸乳頭PVの切開が終了した後、操作者は、必要に応じて、造影剤が入ったシリンジを第2ポート53に接続し、第2ポート53から第2ルーメン15を通じて造影剤を十二指腸乳頭PV内へ吐出する。十二指腸乳頭PV内に吐出された造影剤により、除去対象となる結石までの経路がX線画像上で把握できる。
操作者は、胆管や膵管の走行がX線画像により把握できた後、十二指腸乳頭PVから導入したガイドワイヤ80を胆管や膵管に挿入する。本実施形態では、胆管の走行に沿って胆管内へとガイドワイヤ80を導入する場合を例示する。
なお、胆管あるいは膵管により容易にガイドワイヤ80を挿入するため、シース3の遠位端3aを十二指腸乳頭PVへ挿入するために用いられたガイドワイヤ80は、アングルタイプのガイドワイヤに交換されてもよい。
図15に示すように、ガイドワイヤ80は、例えば、胆管内から除去すべき結石Sを超えて、ある程度奥へ進んだ位置に、遠位端80aが位置するまで挿入される。
ガイドワイヤ80が所定の位置に達した後、体内にガイドワイヤ80が残された状態で内視鏡処置具1が抜去される。これは、結石Sを除去するための公知の内視鏡用結石除去具(バスケット鉗子やバルーン等)を本実施形態に係る内視鏡処置具1に代えて胆管内に導入するために行われる。
図16に示すように、操作者が内視鏡処置具1を抜去する際には、まず、操作部40の本体部41の第1ポート52から、切欠き部52bを通じてガイドワイヤ80を取り外す。このとき、操作者は、ガイドワイヤ80の図示略の遠位端80aの位置は変化させず、本体部41を移動することによって、ガイドワイヤ80を第1ポート52に対して相対移動させる。第1ポート52の切欠き部52bをガイドワイヤ80が通過する過程で、シース3の図示略の第1ルーメン7内のガイドワイヤ80は、第1のスリット部10Aを通じてシース3の外部に徐々に取り出される。
このとき、図17に示すように、ガイドワイヤ80は、シース3に対しては、入口部8から、第1のスリット部10Aの間に挿通されて第1ルーメン7からシース3の外部に取り出される。
第1のスリット部10Aのスリット幅W1は、ガイドワイヤ80の外径D0よりも狭いため、第1のスリット部10Aをガイドワイヤ80が挿通する際には、フラップ部11a、11bが弾性変形する。操作者は、この弾性変形を発生させる仕事と、フラップ部11a、11bとの接触部で発生する摩擦抵抗に抗する仕事とに対応する第1の力量によってこの作業を行う。
この作業を続けると、図18に示すように、シース3からのガイドワイヤ80の分岐位置が、鉗子栓103に取り付けられた処置具取付補助具90の近傍に達する。
この後、操作者は、処置具取付補助具90の近傍で、ガイドワイヤ80の位置が動かないようにガイドワイヤ80を支えつつ、シース3を処置具チャンネル104の近位側へと移動させる。操作者がシース3を処置具チャンネル104の近位側へと移動させる過程において、シース3がガイドワイヤ80から漸次外される。
操作者が第1のスリット部10Aの長さL1だけ、シース3を移動すると、ガイドワイヤ80は、第2のスリット部10Bに挿通された状態になる。
本実施形態では、第2のスリット部10Bのスリット幅W2は、第1のスリット部10Aのスリット幅W1よりも狭い。このため、ガイドワイヤ80が第1のスリット部10Aから第2のスリット部10Bに移動する際、ガイドワイヤ80が受ける抵抗がステップ状に増大する。操作者は、同一の速さでシース3を移動し続けるには、第1の力量よりも大きな第2の力量で、作業を続ける必要がある。
このため、操作者は、ガイドワイヤ80が第2のスリット部10Bに到達したことを、抵抗力量の大きさによって感知することができる。
ガイドワイヤ80が第2のスリット部10Bに達すると、操作者は、第2のスリット部10Bの長さがL2であることを知っていれば、操作者は、さらにL2だけシース3を移動すると、それ以上移動できなくなることが分かる。
加えて、同一の速さでシース3の移動を続けるには、より大きな力量が必要になるため、第2のスリット部10Bがブレーキのように作用して、自然にシース3の移動速さが低下する。
ただし、シース3の遠位側は、鉗子栓103または処置具チャンネル104の内部に隠れているため、第2のスリット部10Bの遠位端がガイドワイヤ80の分岐位置に現れるタイミングを、操作者が正確に知ることは難しい。
そこで、操作者は、シース3を移動する抵抗が増えたら、シース3の移動速度を落とすか、移動を停止する。本実施形態では、図18に示すように、第2のスリット部10Bの遠位端側の所定の範囲にマークMが形成されているため、操作者は、マークMを視認することによっても、第2のスリット部10Bの終端部が近づいたことを知ることができる。
このようにして、操作者は、第2のスリット部10Bの近位端ないしは途中で、シース3の移動を停止する。
この後、操作者は、ガイドワイヤ80がその近位端方向へ移動しないようにガイドワイヤ80を支えながら、ガイドワイヤ80に沿ってシース3をガイドワイヤ80の近位側に移動させる。これにより、操作者は、体内でのガイドワイヤ80の位置を変化させずにシース3の遠位端3aを鉗子栓103および処置具取付補助具90の外側に引き出す。
この後、操作者は、内視鏡装置100の外部に延出されたガイドワイヤ80に沿って、シース3の遠位部分をガイドワイヤ80の近位端に移動させ、ガイドワイヤ80からシース3を取り外す。
ガイドワイヤ80からシース3が取り外されたら、操作者は、図示略の内視鏡用結石除去具をガイドワイヤ80に取り付けて、この内視鏡用結石除去具を除去対象の結石まで内視鏡装置100の処置具チャンネル104を通じて案内する。
以上で、内視鏡処置具1と内視鏡用結石除去具との交換作業が終了する。
この後、操作者は、内視鏡用結石除去具を用いて、周知の結石除去の手技を行う。
以上、操作者が内視鏡装置100および内視鏡処置具1の両方を操作する場合の例で説明した。ここで、内視鏡装置100を操作する操作者と、内視鏡処置具1を操作する操作者とが互いに異なる例について説明する。
この例では、内視鏡処置具1を操作する操作者は、内視鏡処置具1の操作部40を片手に持ち、反対の手で、第1ポート52へのガイドワイヤ80の挿入およびガイドワイヤ80の位置調整をすることができる。内視鏡装置100の操作者と内視鏡処置具1の操作者とは、互いの操作を協調させることで、内視鏡装置100と内視鏡処置具1とを一人の操作者が操作する上記の例と同様の処置を進めることができる。
以上に説明したように、本実施形態の内視鏡処置具1によれば、操作者は、ガイドワイヤ80とともに患者の体内に挿入された内視鏡処置具1のシース3を、内視鏡装置100の鉗子栓103の近傍で遠位部分のみを残してガイドワイヤ80から取り外すことができる。その後、操作者は、シース3の遠位部分を、ガイドワイヤ80を通してガイドワイヤ80の近位端から取り外し、ガイドワイヤ80を通して他の処置具を患者の体内に案内することができる。
このような交換作業において、操作者は、ガイドワイヤ80からシース3を取り外す際に、第1のスリット部10Aから受ける抵抗と、第2のスリット部10Bから受ける抵抗との力量の相違によって、ガイドワイヤ80からの分岐が行われているシース3の長手方向の領域を容易に識別することができる。
このため、操作者が抵抗の増大を感知した時点で、シース3の移動速度を低下、ないしシース3を停止させることによって、第2のスリット部10Bの範囲で、確実にシース3の移動を停止することができる。この結果、ガイドワイヤ80が第2のスリット部10Bよりも遠位側に突き抜けることを防止できる。
万一、操作者が十分にシース3の移動速度を低下することができない場合、はずみついたシース3が第2のスリット部10Bの遠位端を突き抜けようとするおそれもある。しかし、本実施形態では、第2のスリット部10Bの遠位端に対向して、引き裂き防止部10Cが形成されている。このため、万一、引き裂き防止部10Cにガイドワイヤ80が衝突しても、引き裂き防止部10Cはガイドワイヤ80の相対移動方向に直交する平面であるため、引き裂き防止部10Cにガイドワイヤ80が衝突しても、応力集中などによって衝突部位から亀裂が走ることもない。この結果、衝突部位からシース3が破損することを防止できる。
このように、内視鏡処置具1によれば、シース3のスリット部を通してガイドワイヤ80からシース3を取り外す際に、シース3のスリット部の終端部が近づいたことを、操作者が容易に感知できる。
[第1変形例]
次に、上記実施形態の第1変形例の内視鏡処置具について説明する。
図19は、本発明の実施形態の第1変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本変形例の内視鏡処置具1Aは、上記実施形態の内視鏡処置具1に代えて、内視鏡装置100とともに用いることで、切開システム108を構成することができる。
図19に示すように、内視鏡処置具1Aは、上記実施形態の内視鏡処置具1の引き裂き防止部10Cに代えて引き裂き防止部110Cを備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
引き裂き防止部110Cは、第2のスリット部10Bの遠位端において、シース3の外周面3cから第1ルーメン7に貫通する孔部で構成される。
引き裂き防止部110Cの孔形状は、少なくとも遠位側が滑らかな凸湾曲面で形成されていれば特に限定されない。例えば、引き裂き防止部110Cの孔形状は、円形、楕円形、卵形、洋梨形などでもよい。
図19に示す引き裂き防止部110Cは、一例として、径方向から見ると、第2のスリット部10Bの長手方向の先端から先端側に延ばされた円孔状である。このため、引き裂き防止部110Cは、第2のスリット部10Bの先端から円状に張り出す壁状部になっている。
引き裂き防止部110Cの直径D3は、W2<D3≦W1を満足する。
引き裂き防止部110Cの孔中心は、第2のスリット部10Bの中心軸線上に位置する。引き裂き防止部110Cにおける最も遠位端の壁面部の位置は、上記実施形態と同様、図示略の遠位端3aから測って、長さL3である。
本変形例の内視鏡処置具1Aによれば、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様に、内視鏡装置100とともに用いることによって、例えば、ESTを行った後、結石除去などのために、他の処置具と迅速に交換することができる。
その際、内視鏡処置具1Aは、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様の第1のスリット部10A、第2のスリット部10Bを備えるため、上記実施形態と同様に、シース3のスリット部を通してガイドワイヤ80からシース3を取り外す際に、シース3のスリット部の終端部が近づいたことを、操作者が容易に感知できる。
さらに、本変形例では、引き裂き防止部10Cに代えて、引き裂き防止部110Cを備える。このため、シース3の取り外し作業において、万一、ガイドワイヤ80が第2のスリット部10Bよりも遠位側に移動すると、ガイドワイヤ80は、第2のスリット部10Bの長手方向に第2のスリット部10Bから抜けた後、引き裂き防止部110Cの内部に移動する。その際、W2<D3≦W1であるため、操作者は、シース3が受ける抵抗が、わずかに軽くなることを感知することができる。これにより、操作者は、第2のスリット部10Bの先端を通過したことを識別できるため、シース3の移動速度を緩める動作に移りやすい。
このとき、操作者が直ちにシース3の移動を停止できなかったとしても、引き裂き防止部110Cは、スリット幅W2よりも曲率が大きい湾曲面からなる壁状部であるため、ガイドワイヤ80が衝突しても、応力集中が起こりにくく、シース3の破損が発生しにくい。
さらに、本変形例では、第2のスリット部10Bでシース3の移動を停止した後、ガイドワイヤ80を引き裂き防止部110Cまで相対移動してもよい。この場合、ガイドワイヤ80に沿ってシース3の遠位部分を移動するときに、ガイドワイヤ80を第2のスリット部10Bに挿通している場合よりも移動時の負荷が低負荷になる。このため、操作者は、ガイドワイヤ80に沿ってシース3の遠位部分を移動する作業をより迅速に行うことができる。
[第2変形例]
次に、上記実施形態の第2変形例の内視鏡処置具について説明する。
図20は、本発明の実施形態の第2変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本変形例の内視鏡処置具1Bは、上記実施形態の内視鏡処置具1に代えて、内視鏡装置100とともに用いることで、切開システム108を構成することができる。
図20に示すように、内視鏡処置具1Bは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10Bに代えて、第2のスリット部210Bを備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2のスリット部210Bは、第2のスリット部10Bが一定のスリット幅W2を有するのに対して、スリット幅wが近位側から遠位側に向かって、W1から0に変化する。すなわち、第2のスリット部210Bは、上記実施形態と同様、第2のフラップ部11Bの周方向先端面11g、11hの間の隙間によって形成されている。ただし、本変形例では、周方向先端面11g、11hの間の隙間が近位側から遠位側に向かって、W1から0に変化している点が異なる。
第2のスリット部210Bは、第1のスリット部10Aの遠位端から引き裂き防止部10Cに向かってスリット幅が、径方向外側から見てV字状に減少するスリット部になっている。
本変形例の内視鏡処置具1Bによれば、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様に、内視鏡装置100とともに用いることによって、例えば、ESTを行った後、結石除去などのために、他の処置具と迅速に交換することができる。
その際、内視鏡処置具1Bは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10Bに代えて、第2のスリット部210Bを備えるため、ガイドワイヤ80が第2のスリット部210Bを相対移動する際に、近位側から遠位側に向かうにつれて、抵抗力量が第1のスリット部10Aで受ける第1の力量から漸次連続的に増大し、第2のスリット部210Bの最先端で最大になる変化を示す。
このため、操作者は、シース3のスリット部を通してガイドワイヤ80からシース3を取り外す際に、漸次抵抗が大きくなることで、シース3のスリット部の終端部が近づいたことを容易に感知できる。さらに、抵抗が漸次大きくなることに応じて、操作者は、シース3の移動速度を、より自然に減速しやすくなっている。
万一、第2のスリット部210Bの間で、操作者がシース3の移動を停止しなかった場合でも、第2のスリット部210Bの先端には、上記実施形態と同様、引き裂き防止部10Cが対向している。このため、上記実施形態と同様、引き裂き防止部10Cにガイドワイヤ80が衝突しても、応力集中などによって衝突部位から亀裂が走ることもないため、衝突部位からシース3が破損することを防止できる。
[第3変形例]
次に、上記実施形態の第3変形例の内視鏡処置具について説明する。
図21は、本発明の実施形態の第3変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本変形例の内視鏡処置具1Cは、上記実施形態の内視鏡処置具1に代えて、内視鏡装置100とともに用いることで、切開システム108を構成することができる。
図21に示すように、内視鏡処置具1Cは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10Bに代えて、第2のスリット部310Bを備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2のスリット部310Bは、第1のスリット部10Aの遠位端から引き裂き防止部10Cに向かって、第1の縮幅部310c、定幅部310b、および第2の縮幅部310aをこの順に備える。
第1の縮幅部310cは、その近位端から遠位端までのスリット幅wcが、漸次W1からW4(ただし、W4<W1)まで変化するスリット部分である。
定幅部310bは、スリット幅wbが、一定値W4のスリット部分である。
第2の縮幅部310aは、その近位端から遠位端までのスリット幅waが、W4よりも狭いW5から漸次0まで変化するスリット部分である。
第2のスリット部310Bは、上記実施形態と同様、第2のフラップ部11Bの周方向先端面11g、11hの間の隙間が、上述のスリット幅を形成するように変化して形成されている。
本変形例の内視鏡処置具1Cによれば、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様に、内視鏡装置100とともに用いることによって、例えば、ESTを行った後、結石除去などのために、他の処置具と迅速に交換することができる。
その際、内視鏡処置具1Cは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10Bに代えて、第2のスリット部310Bを備えるため、ガイドワイヤ80が第2のスリット部310Bを相対移動する際に、近位側から遠位側に向かうにつれて、抵抗力量が連続的または段階的に非減少に変化する。
例えば、第1の縮幅部310cでは、抵抗力量が、第1のスリット部10Aで受ける第1の力量から漸次連続的に増大する。
ガイドワイヤ80が、定幅部310bに相対移動すると、定幅部310bで受ける抵抗力量は、第1のスリット部10Aで受ける第1の力量よりわずかに大きな一定の第2の力量になる。
ガイドワイヤ80が、定幅部310bから第2の縮幅部310aに相対移動すると、抵抗力量は階段状に増大する。さらに、ガイドワイヤ80が、第2の縮幅部310a内を遠位側に移動するにつれて、抵抗力量は漸次連続的に増大する。
このため、ガイドワイヤ80が第1の縮幅部310cを通過して定幅部310bに相対移動する際には、イドワイヤ80は、第1の縮幅部310cを通過することで、円滑に定幅部310bに入るため、操作者は、衝撃を感じることなく抵抗力量が増大したことを感知できる。シース3は、第1段階の制動を受ける。
例えば、操作者が衝撃を感知すると、操作者によっては反射的に、シース3を移動する力を急峻に増加させて対処する可能性があるが、本変形例によれば、このような反射的な動作が発生しにくい。
抵抗力量の増大を感知した操作者は、第2のスリット部310Bの終端部に近づいたことが分かるため、シース3の移動速度を減速したり、シース3を停止したりすることが容易となる。
万一、操作者が、減速動作や停止動作を行わなかった場合、ガイドワイヤ80は、第2の縮幅部310aに相対移動する。このとき、定幅部310bから第2の縮幅部310aに移動する際には、第1のスリット部10Aから第2のスリット部310Bに相対移動する場合に比べて、操作者は、より強い衝撃を感知する。その後、ガイドワイヤ80が第2の縮幅部310aに相対移動することによって、漸次抵抗が大きくなり、シース3は、第2段階のより強い制動を受ける。
これにより、操作者は、シース3のスリット部の終端部が近づいたことを確実に感知できる。さらに、抵抗力量が漸次大きくなることに応じて、操作者は、シース3の移動速度を、減速しやすくなっている。
万一、第2の縮幅部310aの間で、操作者がシース3の移動を停止しなかった場合でも、第2のスリット部310Bの先端には、上記実施形態と同様、引き裂き防止部10Cが対向している。このため、上記実施形態と同様、引き裂き防止部10Cにガイドワイヤ80が衝突しても、応力集中などによって衝突部位から亀裂が走ることもないため、衝突部位からシース3が破損することを防止できる。
[第4変形例]
次に、上記実施形態の第4変形例の内視鏡処置具について説明する。
図22は、本発明の実施形態の第4変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本変形例の内視鏡処置具1Dは、上記実施形態の内視鏡処置具1に代えて、内視鏡装置100とともに用いることで、切開システム108を構成することができる。
図22に示すように、内視鏡処置具1Dは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10B、引き裂き防止部10Cに代えて、第2のスリット部410B、引き裂き防止部410Cを備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2のスリット部410Bは、第1のスリット部10Aの遠位端から引き裂き防止部10Cに向かって、縮幅部410b、および拡幅部410aをこの順に備える。
縮幅部410bは、近位端から遠位端までのスリット幅wdが、漸次W1からW6(ただし、W6<W1)まで変化するスリット部分である。
拡幅部410aは、近位端から遠位端までのスリット幅weが、W6からW7(ただし、W6<W7<W1)まで漸次変化するスリット部分である。
第2のスリット部410Bは、上記実施形態と同様、第2のフラップ部11Bの周方向先端面11g、11hの間の隙間が、上述のスリット幅を形成するように変化して形成されている。
引き裂き防止部410Cは、第2のスリット部410Bの拡幅部410aの遠位端部に形成されている。引き裂き防止部410Cは、拡幅部410aの各遠位端の間において、径方向に貫通し、長手方向に直交する方向に延びる壁状部からなる。このため、引き裂き防止部410Cは、拡幅部410aの遠位端部を閉じて、図示略の第1ルーメン7に貫通する径方向外側から見て台形状の孔部の端部を形成している。
本変形例の内視鏡処置具1Dによれば、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様に、内視鏡装置100とともに用いることによって、例えば、ESTを行った後、結石除去などのために、他の処置具と迅速に交換することができる。
その際、内視鏡処置具1Dは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第2のスリット部10Bに代えて、第2のスリット部410Bを備えるため、ガイドワイヤ80が第2のスリット部410Bを相対移動する際に、近位側から遠位側に向かうにつれて、縮幅部410bでは、上記第3変形例の第1の縮幅部310cと同様に、抵抗力量が、第1のスリット部10Aで受ける第1の力量から漸次連続的に増大する。拡幅部410aでは、抵抗力量が連続的に減少する。
このため、ガイドワイヤ80が縮幅部410bから拡幅部410aに相対移動すると、拡幅部410aで受ける抵抗力量が漸次減少する。これにより、操作者は、ガイドワイヤ80が縮幅部410bを通過して拡幅部410aに相対移動したことを感知できる。抵抗力量の減少を感知した操作者は、ガイドワイヤ80が第2のスリット部410Bに進入し、第2のスリット部410Bの終端部に近づいたことが分かるため、シース3の移動速度を減速したり、シース3を停止したりすることが容易となる。
拡幅部410aのスリット幅weは、第1のスリット部10Aのスリット幅W1よりは狭い。このため、拡幅部410aには、第1のスリット部10Aに比べれば、ガイドワイヤ80の相対移動を制動する作用がある。ただし、操作者によっては抵抗力量が減少することで、拡幅部410aの範囲でシース3の移動を停止できない場合も考えられる。
万一、操作者が、減速動作や停止動作を行わなかった場合、ガイドワイヤ80は引き裂き防止部410Cに衝突する。しかし、引き裂き防止部410Cにガイドワイヤ80が衝突しても、引き裂き防止部410Cは、長手方向に直交する平面からなる壁状部である。このため、応力集中などによって衝突部位から亀裂が走ることもなく、衝突部位からシース3が破損することを防止できる。
さらに、本変形例では、引き裂き防止部410Cは、拡幅部410aの先端の間を閉じるように配置されている。このように、拡幅部410aと引き裂き防止部410Cの間には周方向における切り込みが形成されていない点でも、シース3に破損が生じにくい。
さらに、本変形例では、拡幅部410aでシース3の移動を停止した後、ガイドワイヤ80を引き裂き防止部410Cに向かって相対移動してもよい。この場合、ガイドワイヤ80に沿ってシース3の遠位部分を移動するときに、ガイドワイヤ80を拡幅部410aの近位寄りに挿通している場合よりも移動時の負荷が低負荷になる。このため、操作者は、ガイドワイヤ80に沿ってシース3の遠位部分を移動する作業をより迅速に行うことができる。
[第5変形例]
次に、上記実施形態の第5変形例の内視鏡処置具について説明する。
図23は、本発明の実施形態の第5変形例の内視鏡処置具のシースの主要部の構成例を示す模式的な正面図である。
図1に示すように、本変形例の内視鏡処置具1Eは、上記実施形態の内視鏡処置具1に代えて、内視鏡装置100とともに用いることで、切開システム108を構成することができる。
図23に示すように、内視鏡処置具1Eは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第1のスリット部10A、第2のスリット部10B、引き裂き防止部10Cに代えて、第1のスリット部510A、第2のスリット部510B、上記第1変形例と同様の引き裂き防止部110Cを備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1のスリット部510Aは、上記実施形態の第1のスリット部10Aと同様に構成された定幅部510bと、定幅部510bの遠位端に形成された孔部510aとを備える。
孔部510aは、定幅部510bの遠位端において、シース3の外周面3cから図示略の第1ルーメン7に貫通する。
孔部510aの孔形状は、滑らかな凸湾曲面で形成されていれば特に限定されない。例えば、孔部510aの孔形状は、円形、楕円形、卵形、洋梨形などでもよい。
本変形例では、一例として、孔部510aの形状は円形状である。孔部510aの直径D4(周方向の幅)は、定幅部510bのスリット幅W1よりも大きい。
第1のスリット部510Aは、上記実施形態と同様、第1のフラップ部11Aの周方向先端面11c、11cの間の隙間が、上述のスリット幅を形成するように変化して形成されている。
第2のスリット部510Bは、近位端から遠位端までのスリット幅wfが、W6からW8(ただし、W6<W8≦D3)まで漸次変化するスリット部分である。
円孔部510a、第2のスリット部510B、および引き裂き防止部110Cは、長手方向に延びる定幅部510bの中心軸線と同軸上に配置されている。
第2のスリット部510Bは、上記実施形態と同様、第2のフラップ部11Bの周方向先端面11g、11hの間の隙間が、上述のスリット幅を形成するように変化して形成されている。
本変形例の内視鏡処置具1Eによれば、上記実施形態の内視鏡処置具1と同様に、内視鏡装置100とともに用いることによって、例えば、ESTを行った後、結石除去などのために、他の処置具と迅速に交換することができる。
その際、内視鏡処置具1Eは、上記実施形態の内視鏡処置具1の第1のスリット部10Aと同様の定幅部510bの遠位端からより遠位側に向かって、円孔部510a、第2のスリット部510B、および引き裂き防止部110Cがこの順に形成されている。
上記第4変形例では、第1のスリット部10Aの近位端の縮幅部410bによってスリット幅が漸次縮径した後、拡幅部410aによって漸次拡径することによって、ガイドワイヤ80を相対移動する際の抵抗力量が変化した。
本変形例では、ガイドワイヤ80が定幅部510bから円孔部510aに相対移動することによって、抵抗力量が低下した後、ガイドワイヤ80が第2のスリット部510Bに移動する。このため、ガイドワイヤ80が第2のスリット部510Bの近位端を通過する際に、抵抗力量が急に増大してから、漸次抵抗力量が減少していく。
このような抵抗力量の変化により、操作者は、ガイドワイヤ80が円孔部510aを通過して第2のスリット部510Bの近位側に相対移動したことを感知できる。抵抗力量の急増を感知した操作者は、ガイドワイヤ80が第2のスリット部510Bに進入し、第2のスリット部510Bの終端部に近づいたことが分かるため、シース3の移動速度を減速したり、シース3を停止したりすることが容易となる。
さらに、上記第4変形例の拡幅部410aと同様にスリット幅wfが拡径する第2のスリット部510Bでは、スリット幅wfが第1のスリット部510Aのスリット幅よりは狭い。このため、第2のスリット部510Bには、第1のスリット部510Aに比べれば、ガイドワイヤ80の相対移動を制動する作用がある。
ただし、操作者によっては抵抗力量が減少することで、第2のスリット部510Bの範囲でシース3の移動を停止できない場合も考えられる。この場合でも、第2のスリット部510Bの遠位端には、上記第1変形例と同様の引き裂き防止部110Cが形成されている。これにより、万一、ガイドワイヤ80が引き裂き防止部110Cに衝突しても、応力集中などによって衝突部位から亀裂が走ることもなく、衝突部位からシース3が破損することを防止できる。
なお、上記実施形態および各変形例の説明では、内視鏡処置具が、第1のプリカーブ部および第2のプリカーブ部からなるプリカーブ部を有する場合の例で説明したが、プリカーブ部は、単一の曲率半径を有していてもよいし、曲率半径が異なる3つ以上のプリカーブ部に分かれていてもよい。
さらに、内視鏡処置具は、プリカーブ部を有していなくてもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、第1のスリット部のスリット幅は、等幅もしくは、先端部の一部を除いて等幅の場合の例で説明した。すなわち、第1のスリット部は、第2のスリット部の基端からガイドワイヤ挿入ポートまで連続して延ばされている例で説明した。
しかし、第1のスリット部は、先端部と基端部との間に、複数の拡幅部を有していていてもよい。さらに、これら拡幅部は、周方向の幅がガイドワイヤの外径よりも大きい開口部であってもよい。このような開口部は、それぞれ、ガイドワイヤの挿入口として用いることができる。
このように、第1のスリット部のスリット幅は、これらの開口部によって不連続になっていてもよい。
上記実施形態および各変形例の説明では、第2のスリット部が、シースの長手方向に延びる中心軸線に沿って第1のスリット部と同軸に形成されている例で説明した。しかし、第2のスリット部は、中心軸線に沿って蛇行する形状に形成されてもよい。この場合、ガイドワイヤの相対移動に際して、抵抗力量を増大させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態および各変形例を説明したが、本発明はこれら実施形態および各変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1A、1B、1C、1D、1E 内視鏡処置具
3 シース
3a 遠位端
3A 細径部
3b 近位端
3B 太径部
3c 外周面
4 プリカーブ部
4A 第1のプリカーブ部
4B 第2のプリカーブ部
7 第1ルーメン(ガイドワイヤルーメン)
7a 内周面
8 入口部(ガイドワイヤ挿入ポート)
10A、510A 第1のスリット部
10B、210B、310B、410B、510B 第2のスリット部
10C、110C、410C 引き裂き防止部
11a、11b、11e、11f フラップ部
11A 第1のフラップ部
11B 第2のフラップ部
11c、11d、11g、11h 周方向先端面
15 第2ルーメン
20 第3ルーメン
30 ナイフワイヤ
34 切開部(処置部)
40 操作部
80 ガイドワイヤ
100 内視鏡装置
108 切開システム
310a 第2の縮幅部
310b、510b 定幅部
310c 第1の縮幅部
410a 拡幅部
410b 縮幅部
510a 円孔部
M マーク
PV 十二指腸乳頭
S 結石

Claims (8)

  1. 先端から基端に向かって細径部と前記細径部よりも大径の太径部とを有し、前記細径部の先端には処置部が設けられ、前記太径部の基端部にはガイドワイヤを挿入するガイドワイヤ挿入ポートが形成され、前記ガイドワイヤ挿入ポートに連通し前記細径部の先端に開口するガイドワイヤルーメンが内部に形成されたシースと、
    前記ガイドワイヤ挿入ポートから先端側に向かって前記シースの長手方向に延びて形成されており、前記ガイドワイヤルーメンの内周面の一部を形成するとともに、周方向の先端部が前記ガイドワイヤの外径よりも小さい隙間をあけて互いに離間して対向することによって前記ガイドワイヤが取り出し可能な第1のスリット部を形成する一対の第1のフラップ部と、
    前記太径部の範囲において、前記第1のフラップ部の長手方向の先端部から、より先端側に延ばされて形成されており、前記ガイドワイヤルーメンの内周面の一部を形成するとともに、周方向の先端部が前記第1のスリット部のスリット幅よりも狭い隙間をあけて互いに離間して対向しており、前記第1のスリット部から取り出すよりも大きな力量によって前記ガイドワイヤが取り出し可能な第2のスリット部を形成する一対の第2のフラップ部と、
    を備える、内視鏡処置具。
  2. 前記シースの長手方向の先端側には、予め曲がり癖が付けられたプリカーブ部が形成され、
    前記第2のスリット部の長手方向の先端は、
    前記プリカーブ部に位置する、
    請求項1に記載の内視鏡処置具。
  3. 前記プリカーブ部は、
    前記処置部を含み第1の曲率半径で曲がり癖が付けられた第1のプリカーブ部と、
    前記第1のプリカーブ部よりも長手方向の基端側に位置し、前記第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径で曲がり癖が付けられた第2のプリカーブ部と、
    を備え、
    前記第2のスリット部の長手方向の先端は、
    前記第2のプリカーブ部に位置する、
    請求項2に記載の内視鏡処置具。
  4. 前記第2のスリット部の長さは、
    前記第1のスリット部および前記第2のスリット部の長さの和の1%以上5%以下である、
    請求項3に記載の内視鏡処置具。
  5. 前記第1のスリット部は、
    前記第2のスリット部の基端から前記ガイドワイヤ挿入ポートまで、連続して延ばされている、
    請求項4に記載の内視鏡処置具。
  6. 前記第2のスリット部の長手方向の先端に対向して、周方向の幅が、前記第2のスリット部のスリット幅よりも広く、かつ前記第1のスリット部のスリット幅を超えない幅である引き裂き防止部が形成されている、
    請求項1に記載の内視鏡処置具。
  7. 前記引き裂き防止部は、
    前記第2のスリット部の長手方向と直交する方向に延び、前記第2のスリット部の長手方向の先端と対向する壁状部からなる、
    請求項6に記載の内視鏡処置具。
  8. 前記引き裂き防止部は、
    前記第2のスリット部の長手方向の先端から先端側に延ばされた側面視円孔状の壁状部からなる、
    請求項6に記載の内視鏡処置具。
JP2016039421A 2016-03-01 2016-03-01 内視鏡処置具 Active JP6549503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016039421A JP6549503B2 (ja) 2016-03-01 2016-03-01 内視鏡処置具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016039421A JP6549503B2 (ja) 2016-03-01 2016-03-01 内視鏡処置具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017153698A JP2017153698A (ja) 2017-09-07
JP6549503B2 true JP6549503B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=59808867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016039421A Active JP6549503B2 (ja) 2016-03-01 2016-03-01 内視鏡処置具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6549503B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020110205A1 (ja) * 2018-11-27 2020-06-04 オリンパス株式会社 ステントデリバリー装置
US11944281B2 (en) 2019-02-19 2024-04-02 Olympus Corporation Method for treating gastro esophageal reflux disease
WO2021140609A1 (ja) * 2020-01-09 2021-07-15 オリンパス株式会社 内視鏡用処置具および内視鏡的治療方法
CN115068731B (zh) * 2022-08-08 2023-04-21 河南中医药大学第一附属医院 乳腺导管造影的造影剂输送穿刺设备及其使用方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5921971A (en) * 1996-09-13 1999-07-13 Boston Scientific Corporation Single operator exchange biliary catheter
US6520951B1 (en) * 1996-09-13 2003-02-18 Scimed Life Systems, Inc. Rapid exchange catheter with detachable hood
US6099497A (en) * 1998-03-05 2000-08-08 Scimed Life Systems, Inc. Dilatation and stent delivery system for bifurcation lesions
JP2004528126A (ja) * 2001-05-31 2004-09-16 アバンテク バスキュラー コーポレーション 交換可能カテーテル
US7229431B2 (en) * 2001-11-08 2007-06-12 Russell A. Houser Rapid exchange catheter with stent deployment, therapeutic infusion, and lesion sampling features
JP4043456B2 (ja) * 2004-06-25 2008-02-06 オリンパス株式会社 高周波切開具
CN106028992A (zh) * 2014-03-04 2016-10-12 奥林巴斯株式会社 内窥镜用处理器具
JP3199259U (ja) * 2015-06-02 2015-08-13 オリンパス株式会社 内視鏡用処置具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017153698A (ja) 2017-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6549503B2 (ja) 内視鏡処置具
EP3115014B1 (en) Endoscopic treatment tool
EP3244814B1 (en) Intravascular catheter balloon device having a tool for atherectomy or an incising portion for atheromatous plaque scoring
US20150305768A1 (en) Tissue extraction devices and related methods
US10071231B2 (en) Medical instrument and medical system
US10045818B2 (en) Treatment tool for endoscope and incision system
EP3115012A1 (en) Treatment instrument for endoscope
WO2006057402A1 (ja) 血管内障害物の剥離具
US20090254038A1 (en) Introducer apparatus with cutting edges
EP3169256B1 (en) Eus guided access device
US7775969B2 (en) Endoscope with an optical fiber embedded in a flexible sleeve and method for using the same
WO2018021179A1 (ja) カテーテル
EP1842498A1 (en) Treatment device for endoscope
JP2018050722A (ja) カテーテルおよびその使用方法
JP5750621B1 (ja) カテーテル
WO2016151935A1 (ja) 処置具
EP3034125A1 (en) Introduction assistance instrument with side hole
AU2020395075B2 (en) Endoscopic ultrasound guided access needle
CN108883252B (zh) 内窥镜用处置器具
KR102593656B1 (ko) 의료용 카테터
JP2004180996A (ja) 内視鏡用処置具
GB2459481A (en) Expanding medical collet
JP2007111223A (ja) 医療用カテーテルキット
JPH057597A (ja) 高周波切開具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190627

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6549503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250