1 実施形態1
1.1 構成
本実施形態の行動管理装置1は、図1に示すように、推測部101、情報取得部102、評価部103、記憶部104、データ取得部105、出力部106および通信部107を備えている。
行動管理装置1は、プロセッサおよびメモリを有しており、推測部101、情報取得部102、評価部103、データ取得部105および出力部106の各機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
行動管理装置1は、過去または将来のユーザの生活パターンの変化事象を推測し、該変化事象を推測すると、検出結果に応じた情報であって生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力する装置である。ここで、行動管理装置1は、ユーザの特定行動を行う時間帯、ユーザの趣向に基づく行動、ユーザの人生におけるイベントの少なくとも1つに関する変化を、変化事象として推測する。ここで、ユーザの特定行動を行う時間帯に関する変化とは、例えば「共働き」、「夜間勤務」、「夜型の生活に変更した」等が相当する。また、ユーザの趣向に基づく行動に関する変化とは、例えば「電化製品の過度の使用」、「入浴の長時間化」等が相当する。また、ユーザの人生におけるイベントに関する変化とは、例えば「家族構成の変化(出産等)」、「子供の入学」等が相当する。
本実施形態においては、ユーザの生活パターンの変化事象として、「家族構成の変化(出産等)」、「共働き」、「電化製品の過度の使用」、および「子供の入学」等を例示する。また、推奨情報としては、各変化事象に応じた行動を表す種々のメッセージを例示する。例えば、行動管理装置1は、「家族構成の変化」という変化事象に対しては「準備品の購入(例えばベビー用品の購入)」または「電力料金プランの変更」を促すメッセージを推奨情報として出力する。行動管理装置1は、「共働き」という事象に対しては、「電力料金プランの変更」を促すメッセージを推奨情報として出力し、「電化製品の過度の使用」という変化事象に対しては「電化製品の新規購入または買い替え」を促すメッセージを推奨情報として出力する。さらに、行動管理装置1は、「子供の入学」という変化事象に対しては「電力料金プランの変更」または「準備品の購入」を促すメッセージを推奨情報として出力する。
本実施形態では、行動管理装置1は、図2に示すように、戸建住宅からなる住宅10に設置されている。行動管理装置1が用いられる場合を例に説明する。また、本実施形態では、住宅10の住人として、少なくとも夫、妻で構成された家族を想定し、この2人が行動管理装置1のユーザであることとして説明する。ただし、行動管理装置1は、この例に限らず、例えば集合住宅の各住戸や2世帯住宅等、種々の住宅に用いることができ、さらには事務所や店舗等の非住宅の建物(施設)にも用いることができる。
行動管理装置1は、住宅10に設置された分電盤2との通信機能を有している。具体的には、行動管理装置1は、分電盤2のキャビネット21内に収納された通信ユニット22と通信可能に構成されている。本実施形態では一例として、行動管理装置1は分電盤(通信ユニット22)2との間で、電波を媒体とした無線通信により通信を行う。ただし、行動管理装置1と分電盤(通信ユニット22)2との間の通信方式は、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。
ここで、分電盤2について説明する。分電盤2のキャビネット21内には、通信ユニット22に加えて、電気負荷で消費されている電力値を計測する計測装置23が収納されている。計測装置23は、通信ユニット22と電気的に接続されており、計測した電力値に関する情報を電力情報として通信ユニット22経由で行動管理装置1へ出力するように構成されている。
計測装置23の詳細について説明する。本実施形態では、計測装置23は、上述したように分電盤2に設けられている。分電盤2は、複数の分岐ブレーカを有しており、電力系統や発電設備、あるいは蓄電設備等からの電力を複数の分岐回路に分配するように構成されている。計測装置23は、これら複数の分岐回路の各々について電力を計測する。
計測装置23は、複数の分岐回路と一対一に対応する複数の電流センサを有しており、各分岐回路に流れる電流の値を電流センサによって計測する。電流センサとしては、変流器(カレントトランス)、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗等のセンサが用いられる。一例として、ここでは電流センサは、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、内側を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルである。
また、計測装置23は、例えば分電盤2における主幹ブレーカの二次側において、複数の分岐回路に印加されている電圧の値(瞬時値)を電圧情報として計測する機能を有している。計測装置23は、複数の電流センサで計測された電流値と、電圧情報とに基づいて、複数の分岐回路の各々を通過する電力(瞬時電力)の値を計測値として求める。本実施形態においては、計測装置23はさらに、複数の分岐回路の各々について、瞬時電力を所定時間(例えば5分、10分等)に亘って積算した電力量を、計測値として求めるように構成されている。つまり、計測装置23で計測される電力値には、瞬時電力と電力量との両方が含まれている。
計測装置23は、複数の分岐回路の各々について計測した電力値に関する情報を電力情報とし、分電盤2の通信ユニット22を介して、行動管理装置1へ電力情報を定期的に送信するように構成されている。
また、本実施形態においては、行動管理装置1は、住宅10に設置される機器であって少なくとも表示装置31を含む種々の機器と通信し、これらの機器を制御するコントローラとしての機能を有している。ここでいう機器はHEMS(Home Energy Management System)対応機器である。
HEMS対応機器は、表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33、洗濯機34、IH(Induction Heating)クッキングヒータ35、電気自動車用の充電器36のように、電力を消費する電気機器だけでなく、発電設備等の機器を含む。なお、電気機器は、図示例に限らず、例えば照明器具、給湯装置等を含んでいてもよい。
行動管理装置1は、ルータ41に接続されており、例えばLAN(Local Area Network)、あるいは電波を媒体とした無線通信等によって、(HEMS対応)機器との間で通信を行う。ただし、行動管理装置1と機器との通信方式は、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。なお、以下、表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33、洗濯機34、IHクッキングヒータ35、充電器36等の電気機器を特に区別しない場合には、まとめて「電気機器3」という。
さらにまた、ルータ41は、インターネット等のネットワーク42に接続されている。これにより、行動管理装置1は、ネットワーク42に接続される情報端末43との間でも通信可能である。ここでいう情報端末43は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パソコン(パーソナルコンピュータ)等の情報端末であって、ユーザからの操作入力を受け付け且つ表示を行うユーザインタフェースとしての機能を備えている。
このような構成により、行動管理装置1は、電気機器(表示装置31、エアコン32、テレビ受像機33等)3で消費されている電力の値(電力値)を表す電力情報を計測装置23から取得可能である。そのため、行動管理装置1は、取得した電力情報を表示装置31や情報端末43に表示させることにより、電力情報を可視化(見える化)したり、あるいは電力情報に基づいて(HEMS対応)機器を制御したりすることが可能である。
なお、分電盤(通信ユニット22)2、あるいは電気機器3と、行動管理装置1との間で行われる電波を媒体とした無線通信は、一例として、920MHz帯の特定小電力無線等である。
以下、行動管理装置1の構成について、図1を参照して説明する。
(1)推測部101
推測部101は、ユーザの生活環境に関連するデータを用いて、過去または将来のユーザの生活パターンに変化が生じる事象(変化事象)を推測するように構成されている。
推測部101は、後述するデータ取得部105で取得された各種データを用いて、ユーザの生活パターンに変化が生じる事象を推測する。データ取得部105で取得された各種データが、ユーザの生活環境に関連するデータに相当する。
推測部101は、ユーザの生活環境に関連するデータとして、ユーザの住宅10内で取得されるデータ(住宅内データ)を用いて変化事象を推測する。住宅内データとは、例えば、住宅10内で発生するデータ、およびユーザにて生成されるデータといった、ユーザが直接または間接的に関与して発生した(生成された)データである。具体的には、計測装置23で計測された電力値、電気機器3から得られるデータ、および情報端末43でユーザにより入力されたデータである。
推測部101は、住宅内データから、電力使用量の増減を分析して変化事象を推測する。具体的には、推測部101は、住宅10内で使用する時間帯における電力使用量の増減、住宅10に設けられた特定の電気機器3の電力使用量の増減、および住宅内の特定の場所で使用される電力使用量の増減の少なくとも一つを分析する。
推測部101における検出処理のアルゴリズムについては後述する。
(2)情報取得部102
情報取得部102は、推奨情報を後述する記憶部104から取得するように構成されている。推奨情報とは、推測部101で推測された変化事象に対応する情報であって、ユーザの生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す情報である。
情報取得部102における情報取得処理のアルゴリズムについては後述する。
(3)評価部103
評価部103は、推測部101で推測された変化事象に対応する推奨情報で推奨される(促される)行動(推奨行動)の必要の程度を表す必要レベルを、推奨行動の内容に基づいて決定するように構成されている。例えば、変化事象および推奨行動の内容に対応した必要レベルが、推奨情報に対応付けられて、後述する記憶部104に記憶されている。評価部103は、情報取得部102で取得された推奨情報に対応する必要レベルを取得する。
また、評価部103は、推奨情報で推奨される(促される)行動(推奨行動)の必要の程度を表す必要レベルを評価するように構成されてもよい。ここで、推奨行動の必要レベルは、推奨行動の実行がユーザにとってどの程度必要であるかを表す評価指数である。具体的には、推奨行動の必要レベルは、推奨行動を実行しないことによりユーザが被る不利益や、推奨行動を実行することでユーザが得られるメリットや、世間一般で推奨行動がどの程度実行されているか、といった項目に基づいて判断される。
評価部103は、推奨情報を、情報取得部102から取得し、取得した推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価する。評価部103が推奨行動の必要レベルを評価するために用いる情報は、例えば記憶部104に記憶されている。評価部103は、これらの情報を記憶部104から読み出して、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。
評価部103における評価処理のアルゴリズムについては後述する。
(4)記憶部104
記憶部104は、例えば書き換え可能な半導体メモリであって、時系列に従ってユーザの生活環境に関連するデータを記憶する。記憶部104は、現時点から過去に遡った一定の期間(例えば、18ヶ月間)のデータを記憶する。
記憶部104は、さらに、複数の変化事象を記憶する。ここで、変化事象とは、例えば「出産」、「共働き」、「結婚」、「電化製品の過度の使用」等である。
具体的には、記憶部104は、複数の変化事象のそれぞれを、1つまたは複数の推奨情報に対応付けて記憶している。「出産」に対する推奨情報は、上述したように例えば「電力料金プランの変更」または「準備品の購入(例えばベビー用品の購入)」であり、「共働き」に対する推奨情報は「電力料金プランの変更」である。推奨情報には、推奨行動を実行する時期が含まれる。例えば、推奨情報が「電力料金プランの変更」である場合には、プランの変更時期が含まれる。また、推奨情報が「電化製品の新規購入または買い替え」である場合には、電化製品の購入または買い替え時期が含まれる。
また、記憶部104は、上述したように、推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価するための情報を記憶している。
(5)データ取得部105
データ取得部105は、ユーザの生活環境に関連する住宅内データを取得する機能を持つ。
データ取得部105は、少なくとも機器データ、入力データおよび会話データの3種類の住宅内データを取得可能に構成されている。
ここで、機器データは、住宅10に設けられた電気機器3のオンオフを含むデータ、電気機器3で消費される電力の大きさを含むデータのうち少なくとも1つである電力使用量情報を含んだデータである。例えば、電力使用量情報は、電気機器3が運転中(オン)であるか、停止中(オフ)であるかを表すオンオフ情報と、電気機器3の消費電力の大きさを表す電力情報との両方を含んでいる。
データ取得部105は、行動管理装置1と電気機器3との間で通信を行うことによりオンオフ情報を取得し、電力情報については計測装置23から取得することにより、機器データを取得する。
データ取得部105は、取得した機器データを、該機器データの取得された日時を表す情報に対応付けて記憶部104に記憶する。
さらに、本実施形態では、行動管理装置1は電気機器3との通信により電気機器3から取得可能な種々の情報についても、機器データに含めてデータ取得部105により取得する。通信により電気機器3から取得可能な情報としては、例えばエアコン32であれば設定温度、テレビ受像機33であれば視聴した番組、洗濯機34であれば洗濯物の量等の情報がある。
入力データは、情報端末43で入力されたデータであり、例えばユーザの家族のライフプランを表すデータ(プランデータ)である。プランデータは、ユーザの住宅10内で生活する家族の構成に関する家族構成情報であり、家族に属する人ごとの年齢を表す年齢情報が含まれている。年齢情報とは、例えば生年月日である。また、家族構成情報には、出産計画を含めてもよい。行動管理装置1は、例えば家族に子供が含まれている場合には、その子供の年齢情報を用いて、何年後に小学校入学、卒業、中学校入学、卒業等のライフプランを検出することができる。なお、入力データは、情報端末43で入力されるとしたが、これに限定されない。行動管理装置1はキーボード等の入力部を備え、ユーザは入力部を用いて、入力データを操作入力してもよい。ここで、情報端末43および入力部の少なくとも1つが操作部に相当する。
また、データ取得部105は、上述した全ての機能を含む必要はない。データ取得部105は、上述した機能のうち少なくとも1つ機能を含んでいればよい。
(6)出力部106
出力部106は、情報取得部102で取得された推奨情報を出力するように構成されている。
特に、本実施形態の出力部106は、評価部103の評価結果を用いて、情報取得部102で取得された推奨情報を出力するように構成されている。具体的には、出力部106は、推測部101が変化事象を推測した場合であって、評価部103で評価された推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たす場合に、推奨情報を出力するように構成されている。一方、出力部106は、推測部101が変化事象を推測した場合であっても、評価部103で評価された推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たされない場合には、推奨情報を出力しないように構成されている。
つまり、出力部106は、例えば推測部101で変化事象が推測され、且つ評価部103で推奨行動の必要レベルが比較的高いと評価される場合、推奨情報を出力することで、生活パターンの変化に応じた推奨行動を実行するようにユーザに促す。行動管理装置1は、出力部106自体が表示や音声により、推奨情報をユーザに提示(報知)するように構成されていている。または、行動管理装置1は、行動管理装置1とは異なる他装置に推奨情報を伝送して他装置にて表示や音声による推奨情報の提示が行われるように構成されていてもよい。後者の場合、出力部106は、通信部107に推奨情報を出力することによって、通信部107から他装置へ推奨情報を伝送させる。
ここで、推奨情報を提示する他装置は、行動管理装置1と通信可能な電気機器(表示装置31やテレビ受像機33)3、あるいはネットワーク42に接続されている情報端末43などである。また、出力部106は、推奨情報をリアルタイムで他装置に提示させるだけでなく、例えば電子メールのように、推奨情報をサーバ等に一旦蓄積し、他装置が任意のタイミングで推奨情報を取得し提示するように構成されていてもよい。
推奨情報は、上述したように、ユーザの生活パターンの変化に応じて実行すべき、または実行することが好ましい行動(推奨行動)をユーザに促す情報である。
以下、具体例を用いて、出力部106が出力する推奨情報について説明する。
例えば、出力部106は、推測部101が生活パターンの変化事象として「共働き」を検出すると、情報取得部102は、その変化事象に対応する推奨情報(「電力料金プランの変更」を促すメッセージ)を記憶部104から取得する。そして、取得した推奨情報で推奨される推奨行動(電力料金プランの変更)の必要レベルが比較的高いと評価部103で評価されると、出力部106は、取得した推奨情報を出力する。
出力部106における出力処理のアルゴリズムについては後述する。
本実施形態では、出力部106は、評価部103の評価に基づいて、変化事象に対応する推奨情報を出力するか否かを決定したが、これに限定されない。
例えば、出力部106は、変化事象に対応する推奨情報を評価結果に関係なく出力し、出力の際に評価結果を併せて出力してもよい。
(7)通信部107
通信部107は、通信ユニット22、および電気機器3(HEMS対応機器を含む)を含む他装置との通信を行う通信機能を有している。
本実施形態では、通信部107は、少なくともネットワーク42に接続される第1通信インタフェースと、計測装置23に接続される第2通信インタフェースとを備えている。ここでは、通信部107は、第1通信インタフェースと第2通信インタフェースとで異なる通信方式を採用している。ただし、通信部107は、第1通信インタフェースと第2通信インタフェースとで共通の通信方式を採用してもよい。
1.2 推測部101の推測処理
以下に、推測部101における推測処理のアルゴリズムについて説明する。
推測部101は、住宅内データを用いて、ユーザの生活パターンの変化事象を推測する。ここでいう住宅内データは、機器データおよび入力データ等である。
具体的には、推測部101は、住宅内データに基づいて、ユーザがとり得る行動について予め定められた特定行動を行う時間帯、趣向に基づく行動、人生におけるイベントの少なくとも1つに関する変化を、変化事象として推測する。
一例として、推測部101は、機器データの変化パターンから変化事象を推測する。例えば、推測部101は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部105が取得した機器データを用いて、平日昼間におけるエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせの使用を検出する。エアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせを、単に電気機器3と記述する。
推測部101は、平日昼間の時間帯における電気機器3の使用の変化を検出する。例えば、推測部101は、機器データに含まれるオンオフ情報から平日昼間の時間帯に電気機器3の使用が継続して検出されていたが、ある日を境に、オンオフ情報から平日昼間の時間帯に電気機器3の使用が検出されなくなったと仮定する。
この場合、推測部101は、平日昼間の時間帯において、電気機器3を使用していた生活パターンから不使用となる生活パターンへと変化したことを検出する。推測部101は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「共働き」を推測する。通常、夫および妻の一方が出勤し、他方が平日昼間に住宅に居る場合、平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせは使用される。一方、共働きの場合には、平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせは使用されなくなる。そのため、第1期間での平日昼間のエアコン32、もしくはテレビ受像機33、またはこれらの組み合わせの使用が検出され、第2期間では検出されない場合には、推測部101は、共働きという変化事象を推測することができる。
また推測部101は、平日夜間の時間帯に、電気機器3の使用が検出されず、昼間の時間帯に使用が検出されたと仮定する。この場合、推測部101は、平日夜間の時間帯において、電気機器3の不使用である生活パターンから、平日昼間の時間帯に使用する生活パターンへと変化したことを検出する。推測部101は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「夜間勤務」を推測する。
次に、機器データに含まれる電力情報を用いた推測について説明する。
この場合、「オンオフ情報」を用いた推測と同様に、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部105が取得した機器データに含まれる電力情報を用いて、平日昼間の時間帯における電気機器3の使用を検出する。
例えば、推測部101は、電気機器3で消費されている電力量が待機電力量より大きいパターンが検出され、ある日を境に、電気機器3の待機電力量のみのパターンが検出されたと仮定する。
この場合、推測部101は、平日昼間の時間帯において、電気機器3を使用していた生活パターンから不使用となる生活パターンへと変化したことを検出する。推測部101は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として、「共働き」を推測する。
また、推測部101は、夜間の時間帯に取得された電力情報から、「オンオフ情報」を用いた生活パターンの変化の検出で述べたように、例えば「夜間勤務」を検出することができる。
また、別の例として、推測部101は、住宅10内に設置された複数の電気機器3を使用する時間帯における電力使用量の増減を分析して変化事象を推測する。具体的には、推測部101は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部105が取得した、複数の電気機器3それぞれの機器データを用いて、所定の期間における電力使用量の合計の推移を抽出する。推測部101は、電力使用量の推移から電力使用量の増減の傾向を分析する。例えば、第1時間帯を7:00〜22:00とし、第2時間帯を22:00〜7:00とする。推測部101は、所定の期間において、第1時間帯では電力使用量の多く、第2時間帯では少ない状態で電力使用量が推移していたが、その後日が経過するにつれて第2時間帯での電力使用量が多く、第1時間帯では少なくなったと仮定する。この場合、推測部101は、住宅10内で生活するユーザは「夜型の生活に変更した」という、特定行動を行う時間帯に関する変化事象を推測する。
なお、推測部101は、機器データについて変化後の生活パターンが予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
ここで、行動管理装置1の動作の具体例について図3を参照して説明する。図3は、平日昼間の時間帯に電気機器3(例えばエアコン32)の使用を検出したことを模式的に表している。図3では横軸を時間軸とし、時間軸上の黒丸印は、機器データのパターンからエアコン32の使用が検出されたことを表している。
推測部101は、第1期間T1で平日昼間の時間帯にエアコン32の使用を検出し、第2期間T2では平日昼間の時間帯にエアコン32の使用を検出しない。これにより、推測部101は、第1期間T1と第2期間T2とで、平日昼間の時間帯での生活パターンが変化していることを検出することができる。推測部101は、特定行動を行う時間帯に関する変化事象として「共働き」を検出する。
また、推測部101は、特定の電気機器3の電力使用量の増減を分析して変化事象を検出する。具体的には、推測部101は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部105が取得した、特定の電気機器3の機器データを用いて、電力使用量の推移を抽出し、抽出された電力使用量の推移の傾向を分析する。推測部101は、分析結果として電力使用量が増加しているという分析結果を得た場合、趣向に基づく行動の変化に関する変化事象であって現在の変化事象または将来起こりうる変化事象として「電化製品の過度の使用」を検出する。ここで、電化製品の過度の使用とは、電化製品(電気機器3)の1日の電力使用量、増加傾向となる前と比較して2倍以上となることをいう。なお、この数値は一例であり、他の数値であってもよい。
推測部101は、特定の電気機器3の電力使用量が増加傾向にあり、現時点(推測時点)の電力使用量が、増加傾向となる前と比較して2倍以上となっている場合には、現在の変化事象として「電化製品の過度の使用」を検出する。推測部101は、特定の電気機器3の電力使用量が増加傾向にあり、現時点(推測時点)の電力使用量が、増加傾向となる前と比較して2倍未満となっている場合には、将来起こり得る変化事象として「電化製品の過度の使用」を検出する。
また、推測部101は、特定の場所での電気機器3の電力使用量の増減を分析して変化事象を検出する。具体的には、推測部101は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)でデータ取得部105が取得した、特定の場所に設置された電気機器3の機器データを用いて、電力使用量の推移を抽出する。例えば、風呂場に設けられた電気機器3(例えば照明機器)の電力使用量の推移から電力使用量が増加傾向であることが抽出されると、「入浴の長時間化」という分析結果を得る。推測部101は、この場合、趣向に基づく行動に関する変化事象として「入浴の長時間化」を検出する。
また、推測部101は、電力使用量の増減の分析について、上述した全ての機能を含む必要はない。データ取得部105は、上述した機能のうち少なくとも1つ機能を含んでいればよい。また、上述した機能を組み合わせて、変化事象を検出してもよい。上述した機能を組み合わせることで、推測部101は、例えば、子供部屋(特定の場所)でエアコン32(特定の電気機器3)が深夜の時間帯に多く使用されていることを、変化事象として検出することができる。
なお、推測部101は、機器データを用いて電力使用量の増減の変化が生じてから予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
また、推測部101は、電力使用量情報を用いて住宅10内で生活する人数の増減を分析して、変化事象を推測することが好ましい。
例えば、推測部101は、電力使用量情報から得られる電力使用量の増減に基づいて、平日昼間において住宅10内で生活する人数の増減の分析を行う。例えば、電力使用量が減少している場合には、平日昼間の時間帯において住宅10内で生活する人数は減少しているという分析結果を得る。この場合、推測部101は、変化事象として「共働き」を推測する。
なお、推測部101は、オンオフ情報と電力使用量情報とを組み合わせて変化事象を推測してもよい。
次に、入力データとして「プランデータ」を用いた将来起こりうる変化事象の推測について説明する。推測部101は、データ取得部105が取得した家族構成情報に含まれる年齢情報を用いて、人生におけるイベントに関する将来の変化事象を推測する。具体的には、推測部101は、年齢情報からユーザの子供が来年、小学校に入学することを検出すると、「子供の入学」を将来の変化事象として推測する。
また、家族構成情報に出産計画が含まれている場合には、出産計画に基づいて、「出産」を将来の変化事象として推測する。具体的には、推測部101は、出産計画で子供が来年誕生する計画を抽出、例えば出産というキーワードをプランデータから抽出すると、「出産」という将来の変化事象を推測する。
以上説明したように、行動管理装置1は、住宅内データを用いて、ユーザの特定行動を行う時間帯、ユーザの趣向に基づく行動、ユーザの人生のイベントの少なくとも1つに関する変化を、生活パターンの変化事象として推測することができる。
また、推測部101は、機器データとプランデータとの双方を用いて、将来の電力使用量を分析して、変化事象を推測することが好ましい。
具体的には、推測部101は、機器データを用いて現在の電力使用量を検出する。推測部101は、現在までの電力使用量と、家族構成情報とから将来の電力使用量の増減を分析する。
例えば、推測部101は、現在、平日昼間の時間帯に子供と母親とが住宅10内で生活している場合を想定する。さらに平日昼間の時間帯の電力使用量が300Wであり、家族構成情報から1年後、子供が入学するというイベントが検出されたと仮定する。この場合、推測部101は、子供の入学以降は、平日昼間の時間帯では住宅10内で生活する人数が減少する。そのため、将来の電力使用量は現在の電力使用量(300W)より減少し、例えば将来の平日昼間の時間帯における電力使用量として100W〜200Wになるという分析結果が得られる。
このとき、情報取得部102は、分析結果である将来の電力使用量に対応する推奨情報を記憶部104から取得する。
また別の例として、1日平均の電力使用量が600Wであり、家族構成情報から1年後、子供が誕生するというイベントが検出されたと仮定する。この場合、推測部101は、子供の誕生以降は、家族の人数が増加することとなるので、将来の電力使用量は現在の電力使用量(600W)より増加し、例えば将来の電力使用量として700W〜800Wになるという分析結果を得る。
機器データとプランデータとの双方を用いて、将来の電力使用量の分析が行われた場合には、情報取得部102は、分析結果である将来の電力使用量に対応する推奨情報を記憶部104から取得する。
1.3 情報取得部102の情報取得処理
以下に、情報取得部102における情報取得処理のアルゴリズムについて説明する。
情報取得部102は、推測部101で推測された変化事象に対応する推奨情報を、記憶部104から取得する。
以下、具体例を用いて説明する。
推測部101が変化事象として「共働き」または「夜間勤務」を検出すると、特定の時間帯(出勤時間帯)において住宅10内で生活する人数が減少していることが推測される。そのため、この場合、情報取得部102は、「電力料金プランの変更」を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得する。
また、推測部101が変化事象として「子供の入学」を検出すると、特定の時間帯(学校に行っている時間帯)において、住宅10内で生活する人数が減少していることが推測される。さらに、入学する際に文房具等の品を事前に準備しておく必要がある。そのため、情報取得部102は、「電力料金プランの変更」を促すメッセージおよび「準備品の購入」を促すメッセージのうち少なくとも一方を推奨情報として記憶部104から取得する。
推測部101が変化事象として「電化製品の過度の使用」を検出すると、現在の電力使用量が増加傾向にあることが推測される。電化製品(電気機器3)をこのまま過度(頻繁)に使用することで、近い将来、電気機器3の故障が起きる可能性がある。または、使用中の電気機器3の電力使用量よりも少ない電力使用量で使用可能な製品が発売されている可能性もある。そのため、情報取得部102は、「電化製品の新規購入または買い替え」を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得する。
推測部101が変化事象として「夜型の生活に変更」を検出したと仮定する。この場合、ユーザのライフスタイルに合った料金体系で契約することが望ましい。または、商用電力を受電するよりも、蓄電池で蓄えた電力を使用する方が経済的である。そのため、情報取得部102は、「電力料金プランの変更」を促すメッセージまたは「太陽電池および蓄電池の使用」を促すメッセージのうち少なくとも一方を推奨情報として記憶部104から取得する。
推測部101が変化事象として「入浴の長時間化」を検出したと仮定する。この場合、電気給湯器またはガス給湯器を使用している場合には、電気代またはガス代の支払額が多くなることが推測される。そのため、情報取得部102は、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機の設置」を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得する。または、ユーザが電気温水器を使用している場合には、「電化製品の新規購入または買い替え」を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得してもよい。
推測部101が変化事象として「特定の場所(子供部屋)で特定の電気機器3が特定の時間帯(深夜の時間帯)に多く使用されていること」を検出したと仮定する。この場合、情報取得部102は、注意喚起を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得する。ここで、注意喚起を促すメッセージとは、特定の電気機器3(例えばエアコン32)の使い過ぎであることを表すメッセージである。
また、推測部101で現在の電力使用量と家族構成情報とから将来の電力使用量の増減が分析した場合、情報取得部102は、将来の電力使用量に応じた推奨情報を取得する。例えば、推測部101が家族構成情報に含まれる出産計画から将来の変化事象として「出産」を検出し、将来の電力使用量が増加するという分析結果として得たと仮定する。この場合、出産後は、住宅10内で生活する人数が増加するので、情報取得部102は、人数の増加に応じた電力料金プランの契約を促す必要がある。そのため、情報取得部102は、「電力料金プランの変更」を促すメッセージを推奨情報として記憶部104から取得する。
なお、推奨情報が「電化製品の購入、買い替え」である場合には、情報取得部102は、他の装置から電化製品の価格の推移に関する情報を受け取り、受け取った価格の推移から、将来において電化製品が安くなる時期(購入、買い替え時期)を予測してもよい。この場合、出力部106は、購入、買い替え時期を含んだ推奨情報を出力する。
また、推奨情報が「電力料金プランの変更」である場合には、情報取得部102は、他の装置から電力料金プランについて新しいプランの実施時期を受け取り、将来において電力料金プランの変更時期を特定してもよい。この場合、出力部106は、電力料金プランの変更時期を含んだ推奨情報を出力する。
1.4 評価部103の評価処理
以下に、評価部103における評価処理のアルゴリズムについて説明する。
評価部103は、推測部101で検出された事象に対応付けられた推奨情報で推奨される推奨行動の必要レベルを評価する。
推奨行動の必要レベルは、上述したように、推奨行動の実行がユーザにとってどの程度必要であるかを表す評価指数である。
すなわち、推奨行動であってもユーザにとって必要のない(必要レベルが所定の閾値未満である)行動であれば、推奨行動をユーザに促す必要はない。そこで、本実施形態に係る行動管理装置1は、評価部103で推奨行動の必要レベルを評価した上で、推奨情報を出力するように構成されている。
本実施形態では、評価部103は、推奨行動の必要レベルを、複数段階(例えば10段階)で数値化して評価する。行動管理装置1は、所定の閾値と必要レベルの評価値とを比較し、必要レベルが閾値以上である場合にのみ生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を出力し、必要レベルが閾値未満である場合には推奨情報を出力しない。
評価部103は、例えばユーザが推奨行動を実行しない場合のリスクを表すリスク情報と、ユーザが推奨行動を実行した場合のメリットを表すメリット情報との少なくとも一方を用いて、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。
すなわち、推奨行動は実行しなければユーザが不利益を被る行動等であるから、ユーザが推奨行動を実行しない場合には、ユーザにとって何らかのリスク(不利益)を生じることがある。例えば推奨行動が「電化製品の新規購入または買い替え」である場合に、ユーザが推奨行動を実行しないことにより、電化製品が故障する可能性が高くなる、という情報がリスク情報であると仮定する。この場合、評価部103は、リスクが大きい(電化製品が故障する可能性が高い)ほど、「電化製品の新規購入または買い替え」という推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
また、推奨行動は実行することでユーザにメリットがある行動等であるから、ユーザが推奨行動を実行した場合には、ユーザにとって何らかのメリット(得)を生じることがある。例えば、家族構成情報から得られる将来起こりうる変化事象が「子供の入学」であり、その変化事象に対する推奨行動が「準備品の購入」であると仮定する。この場合、親が入学に必要な品(カバン、文房具など)を事前に準備することで、子供が喜び、親子関係が良好になる。という情報がメリット情報である。評価部103は、子供の入学が近いほど、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
また、このようにリスク情報とメリット情報との少なくとも一方を用いて必要レベルを評価する構成の場合、評価部103は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭換算するように構成されていてもよい。つまり、評価部103は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額が大きいほど必要レベルが高くなるように、当該金額に応じて必要レベルを評価するように構成されていてもよい。
例えば、推奨行動が、「電力料金プランの変更」である場合、ユーザが現在契約している電力料金プランに基づいて支払う電気料金よりも、契約変更後の電力料金プランに基づいて支払う電気料金の方が安いという情報がメリット情報であると仮定する。この場合、評価部103は、メリット情報を金銭価値に換算した金額(現在の支払い金額と契約変更後の支払い金額との差額)が大きいほど、「電力料金プランの変更」という推奨行動の必要レベルを高く評価する。
さらにまた、評価部103は、行動管理装置1とは異なる他装置から取得する情報であって複数のユーザの推奨行動に関する統計を表す統計情報を用いて、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されている。推奨行動の内容によっては、実行しない場合のリスクや、実行した場合のメリットがないこともある。このような行動であっても、他のユーザ(多数のユーザ)が実行している行動であればユーザにとって必要レベルが高い行動となり得ることがある。例えば、推奨行動が「電化製品の新規購入または買い替え」である場合に、評価部103は、他のユーザ(多数のユーザ)において推奨行動と同様の行動を行っている他のユーザが多いほど、該推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
ところで、評価部103は、上述した複数の情報(リスク情報、メリット情報、統計情報等)を用いることにより、推奨行動の必要レベルを評価するように構成されていてもよい。例えば評価部103は、リスク情報およびメリット情報の各々を用いて推奨行動の必要レベルを評価し、これらの必要レベルの代表値を推奨行動の必要レベルとすることができる。ここでいう代表値は、最大値や平均値などである。代表値が最大値であれば、評価部103は、リスク情報を用いて評価した推奨行動の必要レベルと、メリット情報を用いて評価した推奨行動の必要レベルとのうち、大きい方の値を用いて推奨行動の必要レベルが所定の条件を満たすか否かを判断することになる。
なお、上述した各種情報(リスク情報、メリット情報および統計情報)が、推奨情報で推奨される推奨行動について必要レベルを評価するための情報に相当している。
1.5 出力部106の出力処理
以下に、出力部106における出力処理のアルゴリズムについて説明する。
出力部106は、推測部101の検出結果と、評価部103の評価結果とを用いて推奨情報の出力を行うか否かを決定するように構成されている。具体的には、出力部106は、変化事象が推測部101で検出され、且つ検出された変化事象に応じた推奨情報で表される推奨行動の必要レベルが高いと評価部103で評価された場合に、該推奨情報を出力するように構成されている。
出力部106は、情報取得部102が取得した推奨情報で推奨される推奨行動の必要レベルの評価が評価部103で行われると、その評価結果を用いて、推奨情報を出力するか否かを判断する。具体的には、出力部106は、推奨行動の必要レベルが高いと評価部103で評価された場合に、推奨情報を出力すると判断する。出力部106は、推奨行動の必要レベルが低いと評価部103で評価された場合に、推奨情報を出力しないと判断する。
出力部106は、推奨情報を出力すると判断した場合には、該推奨情報を出力する。なお、上述したように、情報取得部102で購入、買い替え時期が予測されている場合には、出力部106は、予測された購入、買い替え時期を推奨情報に含めて出力する。
2 実施形態2
実施形態1では、住宅内データを基に推奨情報が出力されたが、本実施形態では、住宅内データと住宅10外から送信されたデータとに基づいた推奨情報が出力される。
具体的には、本実施形態の行動管理装置1は、住宅内データを用いて出力すべき推奨情報を取得し、住宅10外から送信されたデータを用いて、推奨情報で促される推奨行動の必要レベルの評価を行う。
以下、本実施形態では、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
住宅10外から送信されたデータとは、ユーザの生活費用に関連する生活費用関連情報を含むデータであってユーザとは異なる者が生成したデータである。生活費用関連情報は、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報と、ユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含んでいる。
施策情報は、ユーザと電気事業者との間で授受される電力料金に関する情報である。施策情報は、例えば、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更、および消費税率の変更の少なくとも1つを含む情報である。買電価格は、ユーザが商用電力を買い取る際の買電価格である。売電価格は、太陽電池の発電電力のうちで蓄電された電力をユーザが外部(電気事業者等)へ売る際の売電価格である。電力料金プランは、ユーザが電気事業者と契約している契約プランである。
また、特定機器情報は、例えば、予め定められた電気機器(特定の電気機器)の性能の変化を表す性能変化情報、および特定の電気機器の価格の変化を表す価格変化情報の少なくとも1つを含んでいる。特定の電気機器は、HEMS対応機器であり、例えば太陽光発電設備(太陽電池、蓄電池を含む)、自然冷媒ヒートポンプ給湯機等である。ここで、予め定められた電気機器は、住宅10に既に設置されている電気機器3(例えばエアコン32)であってもよいし、未だ設置されていない電気機器(例えば、太陽光発電設備)であってもよい。
性能変化情報とは、特定の電気機器の効率の変化を表す機器効率情報、特定の電気機器の消費電力の変化を表す消費電力情報の少なくとも一方の情報である。機器効率情報は、例えば太陽光を用いて発電する太陽電池による発電電力の変化(発電電力についての年月に対する推移)を表す情報である。また、別の例として、機器効率情報は、太陽電池を含む特定の電気機器の定格出力の変化(定格出力についての年月に対する推移)を表す情報、太陽電池における太陽光を電力に変換する変換効率の変化(変換効率についての年月に対する推移)を表す情報等である。
価格変化情報とは、特定の電気機器(太陽電池、蓄電池を含む)の価格の変化(価格についての年月に対する推移)を表す情報である。
データ取得部105は、実施形態1で説明した機能に加えて、生活費用関連情報を含むデータを外部の装置から受け取ると、記憶部104に記憶する。
情報取得部102は、実施形態1と同様に、住宅内データを基に推測された変化事象に応じた推奨情報を記憶部104から取得する。
評価部103は、情報取得部102で取得された推奨情報で推奨される推奨行動の必要の程度を表す必要レベルを、生活費用関連情報を用いて評価する。
以下、評価部103が行う評価について、具体例を用いて説明する。
推奨情報が「電力料金プランの変更」であり、生活費用関連情報に施策情報が含まれている場合について説明する。
ここで、施策情報には、電力料金プランの変更が含まれていると仮定する。この場合、評価部103は、電力料金プランを変更することでメリットが存在する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
例えば、評価部103は、現在契約中の電力料金プランを基に現在の電力使用量を金銭価値(第1金銭価値)に換算する。評価部103は、新しい電力料金プランを基に現在の電力使用量を金銭価値(第2金銭価値)に換算する。評価部103は、第1金銭価値から第2金銭価値を減算し、減算結果の値が大きいほど推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
別の例として、施策情報には、買電価格の変更、若しくは売電価格の変更、またはこれらの組み合わせが含まれていると仮定する。このとき、評価部103は、電力の売買でユーザに利益がある場合には、電力の売買を可能とするために推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
次に、推奨情報が「電化製品の購入、買い替え」であり、生活費用関連情報に施策情報が含まれている場合について説明する。
ここで、施策情報には、消費税率の変更(増加)が含まれていると仮定する。この場合、評価部103は、消費税率の変更の施行日までは、推奨行動の必要レベルが高いと評価し、施行日以後は、推奨行動の必要レベルが低いと評価する。
次に、推奨情報が「電化製品の購入、買い替え」であり、生活費用関連情報に特定機器情報が含まれている場合について説明する。
ここで、特定機器情報には、特定の電気機器の性能変化の情報が含まれていると仮定する。このとき、評価部103は、特定の電気機器の性能が向上していると判断する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。例えば、評価部103は、太陽光発電による電力の推移から電力が増加傾向にあると判断する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。また、評価部103は、特定の電気機器の定格出力の推移から定格出力が増加傾向にあると判断する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。また、評価部103は、太陽光を電力に変換する変換効率の推移から変換効率が増加傾向にあると判断する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
また、別の例として、特定機器情報には、特定の電気機器の価格変化の情報が含まれていると仮定する。このとき、評価部103は、特定の電気機器の価格の推移が鈍化していると判断する場合には、今後急激な価格変化はあり得ないと推測し、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。例えば、評価部103は、太陽電池や蓄電池の価格の推移が鈍化傾向にあると判断する場合には、推奨行動の必要レベルが高いと評価する。
(変形例)
上記では、生活費用関連情報は、推奨情報で促される推奨行動の必要レベルを評価するために用いられたが、これに限定されない。
生活費用関連情報は、住宅内データとともに出力すべき推奨情報を特定するために用いられてもよい。
以下、行動管理装置1が、生活費用関連情報を用いて推奨情報を特定する場合について、上記と異なる点を中心に説明する。
本変形例に記憶部104は、複数の生活費用関連情報のそれぞれを、1つまたは複数の推奨情報に対応付けて記憶している。
例えば、生活費用関連情報に施策情報(「電力料金プランの変更」)が含まれる場合には、推奨情報「電力料金プランの変更」が「電力料金プランの変更」に対応付けられている。生活費用関連情報に施策情報(「買電価格の変更」)が含まれる場合には、推奨情報「電力の買い取り」が「買電価格の変更」に対応付けられている。生活費用関連情報に施策情報(「売電価格の変更」)が含まれる場合には、推奨情報「電力の販売」が「売電価格の変更」に対応付けられている。また、生活費用関連情報に施策情報(「消費税率の変更(増加)」)が含まれる場合には、推奨情報「電化製品の購入、買い替え」が「消費税率の変更(増加)」に対応付けられている。
また、生活費用関連情報に特定機器情報(「特定の電気機器3の性能変化」)が含まれている場合には、推奨情報「電化製品の購入、買い替え」が「特定の電気機器3の性能変化」に対応付けられている。生活費用関連情報に特定機器情報(「特定の電気機器3の価格変化」)が含まれている場合には、推奨情報「電化製品の購入、買い替え」が「特定の電気機器3の価格変化」に対応付けられている。
情報取得部102は、住宅内データから検出された変化事象と、データ取得部105で取得された生活費用関連情報とに基づいて、出力すべき推奨情報を記憶部104から取得する。具体的には、情報取得部102は、変化事象に対応する1以上の推奨情報と、生活費用関連情報から得られる1つ以上の推奨情報とを比較し、共通する推奨情報を取得する。また、共通する推奨情報が存在しない場合には、情報取得部102は、現在の生活環境に基づいて、出力すべき推奨情報を取得する。
例えば、変化事象が「共働き」であり、生活費用関連情報が施策情報(「電力料金プランの変更」)を含むと仮定する。この場合、変化事象から得られる推奨情報と、生活費用関連情報から得られる推奨情報とは同一の内容となる。そこで、出力部106は、該推奨情報を記憶部104から取得する。
また、変化事象が「子供の入学」であり、生活費用関連情報が施策情報(「電力料金プランの変更」)を含むと仮定する。この場合、変化事象には推奨情報として「電力料金プランの変更」および「準備品の購入」が対応付けられ、生活費用関連情報には、推奨情報として「電力料金プランの変更」が対応付けられている。そこで、出力部106は、共通する推奨情報「電力料金プランの変更」を記憶部104から取得する。
変化事象が「電化製品の過度の使用」であり、生活費用関連情報が施策情報(「消費税率の変更(増加)」)を含むと仮定する。この場合、変化事象には推奨情報として「電化製品の新規購入または買い替え」が対応付けられ、生活費用関連情報には推奨情報として「電化製品の購入、買い替え」が対応付けられている。出力部106は、共通する推奨情報「電化製品の購入、買い替え」を記憶部104から取得する。
また、別の例として、変化事象が「電化製品の過度の使用」であり、生活費用関連情報が特定機器情報(「性能変化」および「価格変化」のいずれか)を含むと仮定する。この場合、変化事象には推奨情報として「電化製品の新規購入または買い替え」が対応付けられ、生活費用関連情報には推奨情報として「電化製品の購入、買い替え」が対応付けられている。出力部106は、共通する推奨情報「電化製品の購入、買い替え」を記憶部104から取得する。
このように、変化事象から得られる1つ以上の推奨情報と、生活費用関連情報から得られる1つ以上の推奨情報とで、共通の推奨情報が存在する場合には、情報取得部102は、共通する推奨情報を、出力すべき推奨情報として取得する。
変化事象が「夜型の生活に変更」であり、生活費用関連情報が施策情報(「買電価格の変更」、「売電価格の変更」のいずれか)を含むと仮定する。この場合、変化事象には、推奨情報として「電力料金プランの変更」および「太陽電池および蓄電池の使用」が対応付けられ、生活費用関連情報には、推奨情報として「電力の買い取り」および「電力の販売」のいずれかが対応付けられている。
太陽電池および蓄電池が設置されている場合には、出力部106は、電力の売買を可能とする契約に変更することを促すために、推奨情報として「電力料金プランの変更」を記憶部104から取得する。太陽電池および蓄電池が設置されていない場合には、出力部106は、将来において電力の売買し、電力料金の支払額の軽減を可能とするために、推奨情報として「太陽電池および蓄電池の使用」を記憶部104から取得する。
また、別の例として、変化事象が「入浴の長時間化」であり、生活費用関連情報が特定機器情報(「性能変化」および「価格変化」のいずれか)を含むと仮定する。この場合、変化事象には推奨情報として「自然冷媒ヒートポンプ給湯機の設置」および「電化製品の新規購入または買い替え」が対応付けられ、生活費用関連情報には推奨情報として「電化製品の購入、買い替え」が対応付けられている。出力部106は、住宅10に自然冷媒ヒートポンプ給湯機が設置されていない場合には、推奨情報「自然冷媒ヒートポンプ給湯機の設置」を記憶部104から取得する。設置されている場合には、推奨情報「電化製品の購入、買い替え」を記憶部104から取得する。
このように、変化事象から得られる1つ以上の推奨情報と、生活費用関連情報から得られる1つ以上の推奨情報とで、共通の推奨情報が存在しない場合には、情報取得部102は、現在の生活環境に基づいて、出力すべき推奨情報を取得する。
なお、生活費用関連情報が特定機器情報を含み、推奨情報が「電化製品の購入、買い替え」である場合には、情報取得部102は、性能または価格の推移から将来において電化製品が安くなる時期(購入、買い替え時期)を予測してもよい。
情報取得部102が取得した推奨情報で促される推奨行動は、評価部103でその必要レベルが評価される。出力部106は、推奨行動の必要レベルが高いと評価部103で評価された場合に、推奨情報を出力する。なお、情報取得部102で購入、買い替え時期が予測されている場合には、出力部106は、予測された購入、買い替え時期を推奨情報に含めて出力する。
以上説明したように、本実施形態の行動管理装置1は、変化事象と、生活費用関連情報とに基づいた推奨情報を出力することができる。
3 実施形態3
本実施形態に係る行動管理装置1は、図4に示すように、ローカル装置(第1装置)200と、センタ装置(第2装置)210とに分かれている点で、実施形態1に係る行動管理装置1と相違する。ローカル装置200とセンタ装置210とは、ネットワーク42を介して通信可能に構成されている。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態において、ローカル装置200は、例えば実施形態1の行動管理装置1と同様に住宅10(図2参照)内に設置され、インターネットなどのネットワーク42に接続される装置である。ローカル装置200は、データ取得部105、出力部106、第1記憶部201および第1通信部202を備えている。
第1記憶部201は、実施形態1の行動管理装置1における記憶部104と同様に機能する。
第1通信部202は実施形態1の行動管理装置1における通信部107と同様に機能する。したがって、ローカル装置200は、推測部101、情報取得部102および評価部103がないものの、それ以外の機能については実施形態1の行動管理装置1と同等の機能を実現する。
一方、センタ装置210は、例えば住宅10外に設置されたサーバ等のコンピュータであって、ネットワーク42に接続されている。センタ装置210は、推測部101、情報取得部102、評価部103、第2記憶部211および第2通信部212を備えている。
第2記憶部211は、ローカル装置200の第1記憶部201と同期し、実施形態1の行動管理装置1における記憶部104と同様に機能する。
第2通信部212は、ローカル装置200の第1通信部202とネットワーク42を介して通信可能に構成されている。したがって、センタ装置210は、ローカル装置200と通信することにより、ローカル装置200と協働して実施形態1の行動管理装置1と同等の機能を実現する。
なお、図4の例では、1台のセンタ装置210に1台のローカル装置200が接続されている構成を示しているが、この例に限らず、1台のセンタ装置210に複数台のローカル装置200が接続されていてもよい。
また、センタ装置210は、サーバ等のコンピュータに限らず、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。センタ装置210が、CPUおよびメモリを有するコンピュータである場合、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、センタ装置210としての機能を実現する。ここでいうプログラムは、コンピュータをセンタ装置210として機能させるプログラムである。
以上説明した本実施形態の構成によれば、行動管理装置1は、少なくとも変化事象を検出する推測部101の処理については、ローカル装置200でなくセンタ装置210で行うことになるので、ローカル装置200の処理負荷を低減することが可能である。すなわち、行動管理装置1は、複数の機能を2以上の装置に分散して担わせることにより、全ての機能を1つの筐体内に収めた装置に担わせる場合に比べて、1つの装置当たりの処理負荷を低減することができる。
また、ローカル装置200およびセンタ装置210の各々の構成は、図4の例に限らず、例えば出力部106がセンタ装置210に設けられていてもよい。ただし、行動管理装置1の中では、推測部101や情報取得部102や評価部103の処理負荷は比較的大きい。そのため、ローカル装置200の処理負荷を低減するように、推測部101、情報取得部102および評価部103の少なくとも一つ、あるいは各々の一部の機能はセンタ装置210に設けられることが好ましい。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
4 変形例
本発明は、上述した各実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記各実施形態では、記憶部104は、行動管理装置1に備えられているとしたが、これに限定されない。
記憶部104は、行動管理装置1とは異なる装置(外部装置)に設けられていてもよい。
この場合、行動管理装置1は、外部装置と通信を行うことで、例えば推奨情報を外部装置から受け取る。
(2)上記各実施形態では、行動管理装置1は行動の主体を区別していないが、行動管理装置1は行動の主体を区別するように構成されていてもよい。上述のように住宅10の住人として夫、妻を少なくとも含む家族を想定している場合、行動管理装置1は、これらのうち誰が行動の主体となるかを区別する。
この変形例においては、行動管理装置1は、生活パターンの変化、推奨情報の出力、推奨行動の実行の判断について、各々を対象に個別に行うことになる。例えば、夫を対象に生活パターンの変化が検出された場合、夫に対して推奨情報を出力し、妻に対しては出力しない。
(3)上記各実施形態の出力部106は、推測部101が推測した変化事象に応じて、該変化事象に対応する推奨情報を出力するタイミングを変更する機能を備えるように構成されてもよい。
具体的には、出力部106は、推測部101で検出された変化事象が「共働き」である場合には、夫婦が揃って在宅する曜日(例えば、土曜日、または日曜日)に、推奨情報(例えば「電力料金プランの変更」を推奨行動とする情報)を出力する。このように、推奨情報で推奨される推奨行動を行う者全員が在宅しているときに、推奨情報を出力することで、行動管理装置1は、推奨行動を行う者全員に対して推奨行動を意識付けることができる。
また、出力部106は、推測部101が将来起こりうる変化事象(子供の入学)を検出した場合には、該変化事象が発生する予定日より1ヶ月前から該予定日までの期間に、推奨情報(準備品の購入)を出力する。例えば、出力部106は、推測した時が該予定日より2ヶ月前である場合には、現時点では推奨情報は出力せず、該予定日より1ヶ月前となった時点で出力する。
これにより、ユーザは、近々発生する、ユーザの生活パターンの変化事象に備えた行動を実行することができる。
(4)上記各実施形態の出力部106は、推奨情報で推奨される推奨行動に応じて、該推奨情報を出力するタイミングを変更する機能を備えるように構成されてもよい。
具体的には、出力部106は、推奨情報で推奨される推奨行動が「準備品の購入」である場合には、ユーザが食材等の買い物に行く前の時間帯(例えば、9:00から10:00までの時間帯)に、該推奨情報を出力する。
このように、推奨行動に類似する行動(例えば、食材の買い物、夕食の準備等)を開始する前に、推奨情報を出力することで、行動管理装置1は、推奨行動を行うユーザに対して推奨行動を意識付けることができる。
(5)上記各実施形態の行動管理装置1は、住宅10内に設置された他の装置から会話データを受け取り、会話データから変化事象を推測してもよい。ここで、会話データは、ユーザの音声から認識されるデータであって、ユーザの会話の内容を表している。
この場合、データ取得部105は、行動管理装置1と他の装置との間で通信を行うことにより会話データを取得する。データ取得部105は、取得した会話データを、会話データの取得された日時を表す情報に対応付けて記憶部104に記憶する。
推測部101は、現時点を含み、現時点から過去に遡った所定の期間(例えば3ヶ月間)での会話データから会話の内容を抽出し、会話の内容からパターンの変化を検出する。例えば、推測部101は、会話データから赤ちゃんの泣き声を抽出していなかったが、ある日を境に、会話データから赤ちゃんの泣き声を抽出したと仮定する。この場合、推測部101は、変化事象として「出産」を推測する。
なお、推測部101は、会話データの変化を検出するだけでなく、変化後のパターンが予め定められた期間(例えば1ヶ月間)継続しているかを判断することが好ましい。
(6)上記各実施形態の行動管理装置1は、行動判断部を備えてもよい。ここで、行動管理部は、出力部106で推奨情報が出力された後、所定の期間である行動管理期間に、出力された推奨情報で推奨される推奨行動が実行されているか否かを判断するように構成されている。ここで、行動管理期間は、推奨情報が出力された日以後から例えば1ヶ月までの間である。
行動判断部は、行動管理期間に、推奨行動が実行されていないと判断する場合には、判断対象である推奨行動を推奨する推奨情報を再度出力するように出力部106を制御する。
具体的には、行動判断部は、住宅内データを用いて、行動管理期間に、推奨行動が実行されているか否かを判断する。
例えば、推奨情報で推奨される推奨行動が「電化製品の購入、買い替え」であると仮定する。この場合、行動判断部は、行動管理期間で取得された電力使用量と、行動管理期間よりも過去の期間(例えば事象を検出した期間、以下、過去期間という)で取得された電力使用量とを比較する。行動判断部は、行動管理期間の消費電力の方が低いと判断する場合には、推奨行動が実行されていると判断する。行動判断部は、行動管理期間の消費電力が過去期間の消費電力と同等またはそれ以上であると判断する場合には、推奨行動が実行されていないと判断し、出力部106に「電化製品の購入、買い替え」を推奨する推奨情報を再度出力させる。
また別の例として、推奨情報で推奨される推奨行動が「電力料金プランの変更」である場合について説明する。行動管理期間内に住宅10の外に設けられた外部装置から通知データとして契約変更が完了したことを表すデータが行動管理装置1で受信されると、行動判断部は、推奨行動が実行されていると判断する。行動管理期間内に外部装置から通知データとして契約変更が完了したことを表すデータが行動管理装置1で受信されない場合には、行動判断部は、推奨行動が実行されていないと判断する。行動判断部は、出力部106に「電力料金プランの変更」を推奨情報として再度出力させる。
これにより、出力部106は、推奨行動が実行されていないと行動判断部で判断された場合に、判断対象である推奨行動を推奨する推奨情報を再度出力することができる。
(7)上記実施形態および変形例を組み合わせてもよい。
5 まとめ
以上説明したように、本願の行動管理装置1は、データ取得部105と、推測部101と、情報取得部102と、出力部106とを備えることを特徴とする。データ取得部105は、ユーザの生活環境に関連しユーザの住宅10内から取得した住宅内データを取得する。推測部101は、データ取得部105で取得された住宅内データに基づいて、過去または将来のユーザの生活パターンの変化事象を推測する。情報取得部102は、推測部101で推測された変化事象に対応する情報であって、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を取得する。出力部106は、情報取得部102で取得された推奨情報を出力する。
この構成によると、行動管理装置1は、ユーザの生活パターンの変化を管理することができる。また、行動管理装置1は、生活パターンの変化事象を推測すると、変化事象に応じた推奨情報を出力している。ユーザは、日々の生活の中で生活パターンに変化が生じていることに気づかない場合があるが、行動管理装置1がユーザの生活パターンの変化を管理し、推奨情報を出力するので、ユーザに生活パターンに変化が生じていることを気づかせることができる。また、行動管理装置1は、推奨情報を出力することで、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促すことができる。そのため、ユーザは、生活パターンの変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。
ここで、推測部101は、ユーザの特定行動を行う時間帯、ユーザの趣向に基づく行動、ユーザの人生におけるイベントの少なくとも1つに関する変化を、変化事象として推測することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、特定行動を行う時間帯、趣向に基づく行動、人生におけるイベントの少なくとも1つに関する変化を、変化事象として推測することができる。
ここで、データ取得部105は、住宅内データとして、住宅10に設けられた電気機器3のオンオフを含むデータ、電気機器3で消費されている電力の大きさを含むデータのうち少なくとも1つである電力使用量情報を取得することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力使用量を用いて、変化事象を推測することができる。
ここで、推測部101は、住宅内データから、電力使用量を分析し、変化事象を検出することが好ましい。ここで、電力使用量の増減とは、住宅10内で使用する時間帯における電力使用量の増減、住宅10に設けられた特定の電気機器の電力使用量の増減、および住宅10内の特定の場所で使用される電力使用量の増減の少なくとも一つである。
この構成によると、行動管理装置1は、住宅10内で使用する時間帯における電力使用量の増減、特定の電気機器の電力使用量の増減および特定の場所で使用される電力使用量の増減の少なくとも一つを分析することで、変化事象を推測することができる。
ここで、推測部101は、住宅内データから得られる電力使用量の増減から住宅10内で生活する人数の増減を分析して、変化事象を検出することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力使用量の増減から住宅10内で生活する人数の増減を分析することで、変化事象を推測することができる。
ここで、推測部101は、電力使用量の増減に変化が生じている場合には、電力使用量の増減の傾向を分析し、将来の起こりうる変化事象を予測することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力使用量の増減の傾向から将来起こりうる変化事象を推測し、将来起こりうる変化事象に応じた推奨情報を出力する。これにより、ユーザは、将来起こりうる変化事象に備えた行動を行うことができる。
ここで、データ取得部105は、住宅内データとして、ユーザが操作部から入力した住宅10内で生活する家族の構成に関する家族構成情報であり、年齢情報を含むデータを取得することが好ましい。推測部101は、データ取得部105が取得した家族構成情報から、将来の変化事象を検出することが好ましい。ここで、操作部は、情報端末43および行動管理装置1に備えられた入力部の少なくとも1つに相当する。
この構成によると、行動管理装置1は、家族構成情報を基に、将来の変化事象を推測し、将来起こりうる変化事象に応じた推奨情報を出力する。これにより、ユーザは、将来起こりうる変化事象に備えた行動を行うことができる。
ここで、データ取得部105は、住宅内データとして、将来の出産計画を含む家族構成情報を取得することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、出産計画を基に、将来の変化事象を推測することができる。
ここで、データ取得部105は、ユーザの住宅10に設けられた電気機器3のオンオフを含むデータ、電気機器3で消費されている電力の大きさを含むデータのうち少なくとも1つである電力使用量情報を取得することが好ましい。推測部101は、現在までの電力使用量情報と、家族構成情報とから、将来の電力使用量の増減を分析することが好ましい。出力部106は、将来の電力使用量に対応する推奨情報を出力することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力使用量情報と家族構成情報とから将来の電力使用量を分析することで、将来の変化事象を推測することができる。
ここで、データ取得部105は、更に、ユーザの生活費用に関連する施策についての施策情報および、ユーザの生活費用に関連する特定の電気機器3についての特定機器情報の少なくとも一方を含む生活費用関連情報を取得することが好ましい。出力部106は、推測部101で推測された変化事象と、データ取得部105で取得された生活費用関連情報とに基づいた推奨情報を出力することが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、変化事象と生活費用関連情報とから推奨情報を取得することができる。
ここで、行動管理装置1は、推奨情報で促される行動に対して、ユーザにとっての必要の程度を表す必要レベルを評価する評価部103をさらに備えることが好ましい。出力部106は、評価部103の評価結果を用いて、推奨情報を出力するように構成されている。
この構成によると、行動管理装置1は、推奨情報で促される行動に対する必要レベルの評価に基づいて、推奨情報を出力することができる。
ここで、評価部103は、リスク情報と、メリット情報との少なくとも一方を用いて、必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。リスク情報とは、ユーザが推奨情報で促される行動を実行しない場合のリスクを表す情報であり、メリット情報とは、ユーザが推奨情報で促される行動を実行した場合のメリットを表す情報である。
この構成によると、行動管理装置1は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を用いて、推奨情報で促される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、評価部103は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額が大きいほど必要レベルが高くなるように、当該金額に応じて必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、リスク情報とメリット情報との少なくとも一方を金銭価値に換算した金額を基に、推奨情報で促される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、評価部103は、他装置から取得する情報であって、複数のユーザの推奨情報で促される行動に関する統計を表す統計情報を用いて、必要レベルを評価するように構成されていることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、統計情報を用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、データ取得部105は、更に、ユーザの生活費用に関連する施策情報、およびユーザの生活費用に関連する特定機器情報の少なくとも一方を含む生活費用関連情報を取得することが好ましい。評価部103は、生活費用関連情報に基づいて、必要レベルを評価する。
この構成によると、行動管理装置1は、生活費用関連情報を用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、施策情報は、電力料金に関する情報であり、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更の少なくとも1つを含むことが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、買電価格の変更、売電価格の変更、電力料金プランの変更の少なくとも1つを用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、特定機器情報は、特定の電気機器の性能の変化を表す性能変化情報、特定の電気機器の価格の変化を表す価格変化情報の少なくとも一方の情報であることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、特定の電気機器の性能変化、特定の電気機器の価格変化の少なくとも一方を用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、性能変化情報は、特定の電気機器の効率の変化を表す機器効率情報、特定の電気機器の消費電力の変化を表す消費電力情報の少なくとも一方の情報であることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、機器効率情報、消費電力情報の少なくとも一方を用いて、推奨情報で推奨される行動の必要レベルを評価することができる。
ここで、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方であることが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方を推奨情報として出力することができる。
ここで、推奨情報は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方であり、変更または購入の時期を含むことが好ましい。
この構成によると、行動管理装置1は、電力料金プランの変更に関する情報および住宅10に設けられる電気機器の購入に関する情報の少なくとも一方を推奨情報として、変更または購入の時期とともに出力することができる。
また、本願の行動管理方法は、データ取得処理部と、推測処理と、情報取得処理と、出力処理とを含むことを特徴とする。データ取得処理は、ユーザの生活環境に関連しユーザの住宅10内から取得した住宅内データを取得する。推測処理は、データ取得処理で取得された住宅内データに基づいて、過去または将来のユーザの生活パターンの変化事象を推測する。情報取得処理は、推測処理で推測された変化事象に対応する情報であって、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を取得する。出力処理は、情報取得処理で取得された推奨情報を出力する。
この方法によれば、ユーザの生活パターンの変化を管理することができる。また、この方法により、生活パターンの変化事象が推測されると、変化事象に応じた推奨情報が出力される。ユーザは、日々の生活の中で生活パターンに変化が生じていることに気づかない場合があるが、この方法によりユーザの生活パターンの変化を管理し、推奨情報が出力されるので、ユーザに生活パターンに変化が生じていることを気づかせることができる。また、この方法により、推奨情報が出力されるので、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促すことができる。そのため、ユーザは、生活パターンの変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。
また、本願のプログラムは、コンピュータを、データ取得部105、推測部101、情報取得部102および出力部106として機能させるためのプログラムである。データ取得部105は、ユーザの生活環境に関連しユーザの住宅10内から取得した住宅内データを取得する。推測部101は、データ取得部105で取得された住宅内データに基づいて、過去または将来のユーザの生活パターンの変化事象を推測する。情報取得部102は、推測部101で推測された変化事象に対応する情報であって、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促す推奨情報を取得する。出力部106は、情報取得部102で取得された推奨情報を出力する。
この構成によれば、コンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、行動管理装置1と同等の機能を容易に実現することができる。その結果、ユーザの生活パターンの変化を管理することができる。また、コンピュータに所定のプログラムを実行させることにより、生活パターンの変化事象が推測されると、変化事象に応じた推奨情報が出力される。ユーザは、日々の生活の中で生活パターンに変化が生じていることに気づかない場合があるが、行動管理装置1がユーザの生活パターンの変化を管理し、推奨情報を出力するので、ユーザに生活パターンに変化が生じていることを気づかせることができる。また、このプログラムにより、推奨情報が出力されるので、生活パターンの変化に応じた行動をユーザに促すことができる。そのため、ユーザは、生活パターンの変化に応じて実行すべき行動、または実行することが好ましい行動を実行することができる。