JP6381959B2 - 画像処理装置、及び、x線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、画像処理装置、及び、X線診断装置に関する。
近年、被検体内の血管構造を把握するためのデータとして、DSA(Digital Subtraction Angiography)画像が用いられている。DSA画像は、造影剤投与の前後においてそれぞれ、例えば被検体の同一領域を時系列的にX線診断装置等で撮影することで得られる。具体的には、造影剤投与後の各時相のコントラスト画像から、マスク画像をそれぞれ差し引くことで得られる各時相に対応した複数の差分画像がDSA画像とされる。
なお、上記コントラスト画像とは、造影剤を含んだ画像の意味であり、上記マスク画像とは、基準として用いられる造影剤投与前の画像である。また、上記X線診断装置とは、被検体を透過したX線の強弱を例えばマトリクス状に配列された多数の検出素子で検出し、検出素子毎のX線透過量を画素毎の濃淡として反映した画像を生成する画像診断装置である。
DSA画像を生成する撮影の間に被検体が動いた場合に体動アーチファクト(motion artifacts)を抑制する技術として、例えば特許文献1に記載のピクセルシフトと呼ばれる手法が知られている。この手法は、マスク画像をシフトすることで、DSA画像における体動アーチファクトを抑制するものである。
コントラスト画像をシフトしても同様の効果があるが、コントラスト画像をシフトすると細かい血管情報が失われるおそれがある。シフトの中で一般的には補間処理を適用するが、この補間処理は高周波信号を低減する効果があるためである。従って、血管情報を観察する際、動き補正でコントラスト画像をシフトすることはない。
また、Functional Imagingと呼ばれる技術が近年注目されている。Functional Imagingでは、時系列的な複数のDSA画像を通して、造影剤濃度の時間変化のプロファイルが画素毎に作成され、このプロファイルに基づいて血流情報を評価するための各パラメータが算出される。例えばTTP(Time To Peak)と呼ばれるパラメータでは、どの時相のDSA画像において造影剤濃度がピークに達するかが画素毎に算出される。
特開2003−250087号公報
Functional ImagingにおけるDSA画像用の撮影時に被検体が動いた場合を考える。この場合、体動アーチファクトを抑制するために特許文献1の手法でマスク画像をシフトすることでDSA画像を生成しても、被検体内の同一位置毎の造影剤濃度の時間変化を正確に算出できない。例えば複数のコントラスト画像の時相毎に被検体Pの移動量が異なる場合、被検体内の異なる領域のデータから造影剤濃度の時間変化が作成されうるからである。
このため、DSAにおいて、造影剤投与の前と後における被検体の動きによるアーチファクトを抑制する新たな技術が要望されていた。
以下、本発明の実施形態が取り得る態様の数例を、態様毎に説明する。
(1)一実施形態では、画像処理装置は、造影剤投与前の被検体の画像データであるマスク画像データと、同一の被検体に対する造影剤投与後の時系列的な複数の画像データである複数のコントラスト画像データとに基づいてDSA画像を生成するものである。この画像処理装置は、選択部と、位置ズレ算出部と、画像生成部とを有する。
選択部は、画像処理装置に対する選択入力、画像処理条件、又は、撮影条件に基づいて、複数のコントラスト画像データ又はマスク画像データの一方をDSA画像の生成時の位置ズレ補正対象として選択する。
位置ズレ算出部は、複数のコントラスト画像データとマスク画像データとの間に、造影剤投与の前後の被検体の動きにより発生した位置ズレを、複数のコントラスト画像データ及びマスク画像データに基づいて算出する。
画像生成部は、複数のコントラスト画像データ又はマスク画像データの内、位置ズレ補正対象を位置ズレに基づいてシフトさせつつ、各々のコントラスト画像データと、マスク画像データとの各差分を算出することで、時系列的な複数のDSA画像の画像データを生成する。
(2)別の一実施形態では、画像処理装置は、造影剤投与前の被検体の画像データであるマスク画像データと、同一の被検体に対する造影剤投与後の時系列的な複数の画像データである複数のコントラスト画像データとに基づいてDSA画像を生成するものである。この画像処理装置は、画像生成部と、血流解析部とを有する。
画像生成部は、各々のコントラスト画像データと、マスク画像データとの各差分に基づいて、時系列的な複数のDSA画像の画像データを生成する。
血流解析部は、複数のDSA画像に含まれる動脈情報量を解析するか、又は、画像処理装置に対する選択入力を取得することで、複数のDSA画像の1つを基準時相として選択する。また、血流解析部は、各時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像との差分画像における、画素値の二乗の合算値又は画素値の絶対値の合算値を最小化するように、各時相のDSA画像に対するシフト量をそれぞれ算出する。さらに、血流解析部は、算出されたシフト量に基づいて画素位置を時相毎にシフトさせつつ、時系列的な複数のDSA画像に亘って被検体の同位置に対応する画素毎の造影剤濃度の時間変化を算出する。
(3)別の一実施形態では、X線診断装置は、X線撮影部と、上記(1)又は(2)の画像処理装置とを備える。
X線撮影部は、造影剤投与の前後において被検体を透過したX線を検出することで、造影剤投与前のX線画像を示すマスク画像データと、造影剤投与後の時系列的な複数のX線画像をそれぞれ示す複数のコントラスト画像データとを生成する。
画像処理装置は、複数のコントラスト画像データとマスク画像データとに基づいて、複数のDSA画像の画像データを生成する。
(4)別の一実施形態では、サーバは、造影剤投与の前後の撮影によってマスク画像データ及び複数のコントラスト画像データを生成する少なくとも1つの画像診断装置と、転送された画像データを画像表示する表示端末とが接続される医用画像保管通信システムのサーバであって、画像保管部と、上記(1)又は(2)の画像処理装置とを有する。
画像保管部は、画像診断装置で生成されたマスク画像データ及び複数のコントラスト画像データを記憶する。
画像処理装置は、画像保管部から取得する複数のコントラスト画像データ及びマスク画像データに基づいて、複数のDSA画像の画像データを生成し、DSA画像の画像データを表示端末に転送する。
第1の実施形態におけるX線診断装置の構成の一例を示すブロック図。 DSA画像の画像データから、造影剤濃度の時間変化を画素毎に算出する方法の一例、及び、血流解析部により算出される血流解析パラメータの数例を示す模式図。 Functional Imagingが実行されない場合における、マスク画像とコントラスト画像との間の位置ズレの算出方法の模式的説明図。 時相毎に位置ズレ量が異なる場合のマスク画像及びコントラスト画像の模式図。 Functional Imagingが実行される場合における、マスク画像とコントラスト画像との間の位置ズレの算出方法の模式的説明図。 第1の実施形態のX線診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態のX線診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第3の実施形態において、全時相のDSA画像から1つの基準画像を選択する画像処理装置のアルゴリズムの一例を示す模式図。 第3の実施形態において、各時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像とのシフト量の規定方法の一例を示す模式図。 第3の実施形態における造影剤濃度の時間変化曲線の生成アルゴリズムの一例を示す模式図。 第3の実施形態のX線診断装置の動作の一例を示すフローチャート。 第4の実施形態における画像保管通信システムの構成の一例を示すブロック図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。第1〜第3の実施形態ではX線診断装置に本発明の画像処理装置が搭載される例を述べ、第4の実施形態では画像保管通信システムのワークステーション(画像処理サーバ)に本発明の画像処理装置が搭載される例を述べる。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態におけるX線診断装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、X線診断装置10は、操作部22と、画像解析装置24と、システム制御部26と、投影データ記憶部28と、投影データ生成部30と、X線検出器34と、Cアーム36と、天板38と、絞り装置40と、X線管42と、高電圧発生器44と、絞り制御機構46と、天板移動機構48と、Cアーム動作機構50と、検出器移動機構54とを有する。
X線診断装置10の主な特徴は画像解析装置24の機能にあるため、以下、他の構成要素の機能を簡単に説明後、画像解析装置24の機能について詳細に説明する。
天板38上には被検体Pが載置される。
Cアーム36は、X線管42、絞り装置40、X線検出器34を保持するアームである。Cアーム36によって、X線管42及び絞り装置40と、X線検出器34とは、被検体Pを挟んで互いに対向するように配置される。
高電圧発生器44は、高電圧を発生して、発生した高電圧をX線管42に供給する。
X線管42は、高電圧発生器44から供給される高電圧を用いてX線を発生する。
絞り装置40は、例えば複数の絞り羽根をスライドさせることで、発生したX線が被検体Pの撮影領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。
絞り制御機構46は、絞り装置40の絞り羽根の開度を調整することで、X線の照射範囲を制御する。
X線検出器34は、例えばマトリクス状に配列された多数のX線検出素子によって、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を投影データ生成部30に入力する。
投影データ生成部30は、X線検出器34から入力される電気信号を用いて撮影領域の投影データを生成し、生成した投影データを投影データ記憶部28に記憶させる。投影データは例えば、各画素が1つの画素値を有するX線画像の画像データであり、投影データの各画素値は、被検体の撮影領域のX線透過率を反映したものとなる。
ここでは一例として、被検体Pが天板38上で動かないとの仮定した場合の被検体Pの同一領域(即ち、X線診断装置10の装置座標系における同一領域)が造影剤投与の前後に時系列的に撮影され、撮影後に被検体Pの動き補正が実行される。そして、造影剤投与後の各時相のX線画像をコントラスト画像と称し、コントラスト画像の投影データをコントラスト画像データと称する。また、基準として用いられる造影剤投与前のX線画像をマスク画像と称し、マスク画像の投影データをマスク画像データと称する。
マスク画像は、造影剤投与前の複数のX線画像の平均画像でもよいし、造影剤投与の瞬間(時刻t0)に撮影された1のX線画像でもよい。造影剤は、投与したら瞬間的に被検体内に行き亘るわけではないので、造影剤が投与される時刻t0での画素値は、造影剤投与前の画素値に等しいからである。
操作部22は、操作者が撮影条件等の各種コマンドを入力するためのモニタ、キーボード、操作ボタンなどを有し、入力された内容をシステム制御部26に転送する。
システム制御部26は、撮影条件の設定、撮影動作、表示処理においてX線診断装置10全体を制御する。
次に、画像解析装置24の各構成要素について説明する。
画像解析装置24は、システムバスSBと、選択部24aと、位置ズレ算出部24bと、画像生成部24cと、血流解析部24dと、GUI(Graphical User Interface)24eとを有する。
システムバスSBは、画像解析装置24の各構成要素を互いに電気的に接続する通信配線である。
選択部24a、位置ズレ算出部24b、画像生成部24cは、造影剤投与の前と後における被検体Pの動きによるアーチファクトが抑制されたDSA画像を生成する。
具体的には、選択部24aは、画像処理装置24に対する選択入力、画像処理条件、又は、撮影条件に基づいて、複数のコントラスト画像データ又はマスク画像データの一方をDSA画像の生成時の位置ズレ補正対象として選択する。
位置ズレ算出部24bは、コントラスト画像データとマスク画像データとの間に、造影剤投与の前後の被検体Pの動きにより発生した位置ズレを、取得した画像データに基づいて算出する。
画像生成部24cは、複数のコントラスト画像データ又はマスク画像データの内、位置ズレ補正対象を位置ズレに基づいてシフトさせつつ、各コントラスト画像データとマスク画像データとの各差分を算出することで、時系列的な複数のDSA画像の画像データを生成する。
GUI24eは、操作者が各種コマンドを入力するためのモニタ、操作ボタン等を有し、画像処理装置24に対する選択入力、及び、画像処理条件の入力を受け付ける。上記画像処理装置24に対する選択入力とは、上記DSA画像の生成時の位置ズレ補正対象(シフト対象)として、複数のコントラスト画像データ、又は、マスク画像データの一方を選択する入力である。
血流解析部24dは、画像処理条件としてFunctional Imagingが選択された場合、画像生成部24cにより生成された時系列的な複数のDSA画像の画像データに基づいて、血流解析パラメータの値を算出する。この血流解析パラメータについて、以下の図2で説明する。
図2は、DSA画像の画像データから、造影剤濃度の時間変化を画素毎に算出する方法の一例、及び、血流解析部24dにより算出される血流解析パラメータの数例を示す模式図である。図2の上段は、各時相のDSA画像を示し、図2の下段は、一画素に着目した造影剤濃度の時間変化の一例を示す。
例えば、X線診断装置10の撮影により、同一の被検体Pの同一領域に対して、造影剤投与前の時刻t=0、造影剤投与後の時刻t=1,2,3,4,5で順に6のX線画像の投影データが投影データ生成部30により生成される場合を考える。
動き補正を省略する場合、造影剤投与後の各コントラスト画像と、t=0のマスク画像との各差分画像を生成することで、t=1,2,3,4,5にそれぞれ対応する5コマのDSA画像の画像データが得られる(図2の上段参照)。なお、図2の上段では、t=1を時相1(Time Phase 1)、t=2を時相2(Time Phase 2)としている(以下同様)。
上記差分画像としてのDSA画像は、例えば、次式のように自然対数に基づく差分を画素毎に算出することで生成される。
(1)式において、(i,j)のiは画像座標として何行目の画素であるかを示し、jは何列目の画素であるかを示す。また、(1)式の左辺のDSA(i,j)は、nフレーム目(n時相目)のDSA画像における、i行目j列目の画素の画素値を示す。同様に、(1)式の右辺のcontrast(i,j)は、nフレーム目のコントラスト画像における、i行目j列目の画素の画素値を示す。同様に、mask(i,j)は、マスク画像における、i行目j列目の画素の画素値を示す。以上の表記は、後述の(2)式〜(6)式についても同様である。
血流解析部24dは、5コマのDSA画像を通して、同位置の画素毎に画素値の時相変化(t=1〜5まで)を算出することで、画素毎の造影剤濃度の時間変化を算出する。図2の下段は、各DSA画像(この例では、画素数5×5)の左下の一画素に着目した造影剤濃度の時間変化の一例を示す。図2の下段において、縦軸はピーク値で正規化した造影剤濃度(Intensity of Contrast Medium)を示し、横軸は時相(経過時刻t)を示す。
より詳細には、造影剤は、X線吸収率が体組織よりも高いので、造影剤濃度が高い位置に対応するX線検出素子の受線量は少なく、造影剤はX線画像において周囲よりも暗く投影される。DSA画像の各画素値は、(造影剤投与前の)マスク画像における同位置の画素値との差分であるから、同位置の一画素に着目し、この画素の画素値の時相変化に符号反転等の適切な処理を施せば、造影剤濃度の時間変化と等価になる。
血流解析部24dは、上記のように算出される造影剤濃度の時間変化に基づいて、各画素に対して例えば以下の血流解析パラメータを算出する。
第1には、TTP(Time To Peak)であり、これは、造影剤濃度が注入開始されてからピークに達するまでの時間を示す。
第2には、MTT(Mean Transit Time)であり、これは、造影剤濃度がピーク値の50%の値まで上昇した時刻から、ピークを過ぎてピーク値の50%まで下降した時刻までの時間間隔を示す。
第3には、PH(Peak Height)であり、これは、造影剤濃度(DSA値)のピーク値を示す。上記の左下の一画素の例では、時相3における縦軸の値に該当する。なお、縦軸の値の範囲は、例えばダイナミックレンジに合わせて任意に設定することができる。
第4には、AUC(Area Under Curve)であり、これは、DSA画像の最初の時相から最後の時相までの造影剤濃度(DSA値)の時間積分値を示す。上記の左下の一画素の例では、図2の下段において、右下がりの破線の斜線で示した領域の面積に相当する。
なお、上記4つは、血流解析パラメータの数例にすぎず、他の血流解析パラメータが算出される構成でもよい。血流解析部24dは、残りの全ての画素についても、同様に造影剤濃度の時間変化を算出することで、血流解析パラメータを算出する。
血流解析部24dは、上記Functional Imagingとして、例えばTTPに基づくパラメトリック画像を生成してGUI24eに表示させる。ここでのパラメトリック画像とは、ある血流解析パラメータをカラー画像化したものである。例えば、時相1でTTPに達する画素には赤色、時相2でTTPに達する画素には黄色、時相3でTTPに達する画素には緑色、のように任意に定められたカラーマップに基づいて各画素に有彩色が割り当てられる。これにより、血流解析パラメータとしてのTTPが、カラー画像としてGUI24eに表示される。
TTPに基づくパラメトリック画像は、Functional Imagingの一例にすぎない。血流解析部24dは、画像処理条件に応じて、他の血流解析パラメータについても画像化してGUI24eに表示することができる。
次に、選択部24a、位置ズレ算出部24b、画像生成部24cによる動き補正の原理について、Functional Imagingが実行されない場合、Functional Imagingが実行される場合、の順に説明する。
図3は、Functional Imagingが実行されない場合における、マスク画像とコントラスト画像との間の位置ズレの算出方法の模式的説明図である。ここでは一例として、長方形状の画像座標(i,j)を以下のように定義する。即ち、画像の縦方向をi行目とし、画像の横方向をj列目とする。図3では、左側に点線でマスク画像Imaskのみを示す。また、図3の右側には、コントラスト画像Icontを実線で示すと共に、シフトさせたマスク画像Imaskを点線で示す。図3では簡単化のため、マスク画像Imask、コントラスト画像Icont共に10行10列の画素数で記載している。
まず、Functional Imagingが実行されない場合、位置ズレ算出部24bは、造影剤投与前後の被検体Pの動きによってnフレーム目のコントラスト画像と、マスク画像との間に生じた位置ズレの程度(乖離度)をMRn(Δi,Δj)として、次式で算出する。
(2)式の右辺において、iに関するΣに対応する始めのNは、画像の行数であり、jに関するΣに対応する2番目のNは、画像の列数である。また、(2)式において、Δiは、画像の縦方向の位置ズレ量であり、Δjは、画像の横方向の位置ズレ量である。
(2)式において、例えば暫定シフト量(暫定的な位置ズレ)としてΔi=2,Δj=1である場合を考える。この場合、図3の右側のように、例えばマスク画像Imaskの1行目の画素群が3行目の画素群となるように、且つ、マスク画像Imaskの1列目の画素列が2列目の画素群となるように、マスク画像をシフトしつつ、(2)式の差分演算が実行される。これにより、図3の右側のハッチング領域で示すマスク画像Imask及びコントラスト画像Icontの重複領域に対して、両画像の対数的な差分画像の画素値の二乗の総和がMRn(Δi,Δj)として算出される。
位置ズレ算出部24bは、(2)式のΔi,Δjを変化させながら、MRn(Δi,Δj)を最小化させるΔi,Δjを、時相毎に算出する。これらΔi,Δjがnフレーム目のコントラスト画像と、マスク画像との間の縦方向、横方向の各位置ズレ量である。
なお、MRn(Δi,Δj)は、上記差分画像の画素値の二乗の総和ではなく、差分画像の各画素値の絶対値の総和でもよいし、差分画像の各画素値の絶対値の平均値でもよい。この点、後述の(4)式についても同様である。
位置ズレ算出部24bは、コントラスト画像の時相数だけΔi,Δjのペアを算出後、動き補正がされたDSA画像の各画素の画素値を次式で算出する。
(3)式において、n=1として、i,jに関しては画像の行数、列数分だけ算出すれば、n=1のフレームのDSA画像の全画素の画素値が算出される。同様にして、位置ズレ算出部24bは、全時相のDSA画像の画像データを生成する。
Functional Imagingが実行されない場合、上記(3)式及び図3の右側に示すように、コントラスト画像をシフトさせずに、位置ズレの分だけマスク画像をシフトすることで、DSA画像生成の差分演算が実行される。
次に、Functional Imagingが実行される場合を考える。まず、被検体の動きは1度だけとは限らないので、マスク画像と、各時相のコントラスト画像との各位置ズレの量は、時相毎に異なることがある。そのような場合であっても、画素毎に算出される造影剤濃度の時間変化曲線が、被検体内の同一位置毎の造影剤濃度の時間変化となることが望ましい。
図4は、時相毎に位置ズレ量が異なる場合のマスク画像及びコントラスト画像の模式図である。図4では簡単化のため、時刻t=0で撮影されたマスク画像に対し、被検体Pが横方向にのみ動いた場合を考える。ここでは一例として、t=1のコントラスト画像ではΔj=−1,t=2のコントラスト画像ではΔj=−2,t=3のコントラスト画像ではΔj=−3,t=4のコントラスト画像ではΔj=−4,となる場合を考える。
この場合、例えば右眼球の中心などの被検体Pの特定位置として定義されるQ−POINTは、マスク画像では最も右下の画素に投影されていると仮定する。そして、Q−POINTは、t=1のコントラスト画像では、右下の画素より左に1画素シフトし、t=2のコントラスト画像では、右下の画素より左に2画素シフトし、t=3のコントラスト画像では、右下の画素より左に3画素シフトし、t=4のコントラスト画像では、右下の画素より左に4画素シフトする。
この場合、従来のように、時相毎に異なる位置ズレ量でマスク画像をシフトさせつつ、マスク画像とコントラスト画像との差分を得ることで各時相のDSA画像を生成すると仮定する。この場合、Functional ImagingにおけるDSA画像の各画素の造影剤濃度の時間変化は、被検体の同一位置の造影剤濃度ではなく、被検体の異なる領域の造影剤濃度を反映したものとなる。理由は以下になる。
図4ではDSA画像は示さないが、t=4のコントラスト画像と、シフトされたマスク画像との差分で得られる4時相目のDSA画像の最も左下の画素は、Q−POINTの被検体位置の造影剤濃度を反映する。しかし、他の時相のDSA画像の最も左下の画素は、被検体のQ−POINT以外の領域の造影剤濃度を反映する。DSA画像生成時の差分演算において各時相のコントラスト画像の位置が固定されるところ、左下の画素がQ−POINTとなるコントラスト画像は、t=4のコントラスト画像のみだからである。
反対に、全時相のDSA画像を生成する差分演算において、どの時相のDSA画像生成時にも共通に用いられるマスク画像の位置を全時相に亘って統一すれば、上記不具合はない。即ち、マスク画像を固定すると共にコントラスト画像を時相毎にシフトさせつつ、差分演算により各時相のDSA画像を生成する方が、Functional Imagingには適していると考えられる。
そこで、第1の実施形態では、Functional Imagingが実行される場合、マスク画像の位置を固定して位置ズレを算出し、DSA画像生成の差分演算の際にはコントラスト画像をシフトさせる。
図5は、Functional Imagingが実行される場合における、マスク画像とコントラスト画像との間の位置ズレの算出方法の模式的説明図である。表記は図3と同様であり、図5の左側に点線でマスク画像Imaskのみを示す。図5の右側には、マスク画像Imaskを点線で示すと共に、シフトさせたコントラスト画像Icontを実線で示す。
Functional Imagingが実行される場合、nフレーム目のコントラスト画像と、マスク画像との間の位置ズレの程度(乖離度)MRn(Δi,Δj)は、次式で算出される。
(4)式において、例えばΔi=3,Δj=2である場合を考える。この場合、図5の右側のように、コントラスト画像Icontの各行を3行分シフトさせると共に各列を2行分シフトさせ、(4)式の差分演算が実行される。このようにして、位置ズレ算出部24bは、前述同様に、(4)式のMRn(Δi,Δj)を最小化させるΔi,Δjを、位置ズレ量として時相毎に算出する。
位置ズレ算出部24bは、コントラスト画像の時相数だけΔi,Δjのペアを算出後、動き補正がされたDSA画像の各画素の画素値を次式で算出する。
なお、(2)式及び(4)式では説明の簡単化のため、縦横のシフトだけを考慮しているが、実際には回転の影響も入れて位置ズレを算出してもよい。
また、(2)式及び(4)式では、画像全体を対象として位置ズレΔi,Δjが決定されるが、これは一例にすぎない。着目領域の画素群に絞って位置ズレΔi,Δjを算出してもよい。例えば、着目領域が21行目〜40行目、31列目〜50列目である場合、(2)式の始めのΣにおいて21行目から40行目までの総和を求めると共に、2番目のΣにおいて31列目から50列目までの総和を求めることで、位置ズレΔi,Δjを決定してもよい。これにより、位置ズレ演算の負荷を軽減できる。
また、Δi,Δjが小数となる場合、(3)式における差分演算では、補間処理等を用いればよい。例えば、Δi=0.2,Δj=0.2の場合、コントラスト画像の10行目10列目の画素値との間で対数差分が実行されるのは、理論的にはマスク画像の9.8行目9.8列目の画素値である。即ち、(3)式の対数内の分子において、マスク画像の画像座標が整数とはならない。
このような場合、(3)式の分子は、補間処理で算出される。第1の例としては、マスク画像における9.8行目9.8列目近傍の(9,9),(9,10),(10,9),(10,10)の4画素の画素値の単純な平均値にしてもよい。第2の例としては、これら4画素の画素値を重み付け平均した値にしてもよい。ここでの重み付けとは、理論的には、マスク画像の9.8行目9.8列目の画素値であるから、9行目よりは10行目の方が重みが多くなるように、9列目よりは10列目の方が重みが多くなるようにすることである。Δi,Δjが小数となる場合、(5)式についても上記同様である。
なお、上記説明では、コントラスト画像の時相数nの分だけΔi,Δjのペアを算出するとしたが、被検体Pの体動が1回だけであれば、コントラスト画像の全時相を通して、画一的なΔi,Δjを算出して用いてもよい。或いは、1時相目から10時相目でΔi,Δjを算出し、11時相目から20時相目でΔi,Δjを別途算出するように、連続した時相群毎に、一つの位置ズレを同定してもよい。
図6は、第1の実施形態のX線診断装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、前述の各図を参照しながら、図6に示すフローチャートのステップ番号に従って、X線診断装置10の動作を説明する。
[ステップS1]システム制御部26(図1参照)は、操作部22を介して入力された撮影領域、管電流、管電圧、X線パルス幅等の一部の撮影条件に基づいて、造影剤投与の前後における各時相での全撮影条件を設定する。この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]造影剤投与の前後において、被検体Pの同一領域に対して、公知の動作により時系列的なX線画像の投影データが生成される。具体的には、高電圧発生器44は、システム制御部26の制御に従って高電圧をX線管42に供給し、X線管42はX線を発生し、絞り装置40によって被検体Pに対するX線照射範囲が制御される。
X線検出器34は、被検体Pを透過したX線を検出して電気信号に変換し、これを投影データ生成部30に入力する。投影データ生成部30は、入力された電気信号からX線画像の投影データを生成して、投影データ記憶部28に記憶させる。
このようにして、造影剤投与の前後において、各画素の輝度がX線検出器34のX線検出素子(図示せず)毎の受線量に応じた輝度となるように、被検体Pの同一領域に対して多時相の投影データが生成される。即ち、造影剤投与前のマスク画像の画像データと、造影剤投与後の時系列的な複数のコントラスト画像の画像データとが生成され、投影データ記憶部28に記憶される。
なお、造影剤投与後のX線画像は複数の時相に対応するように複数必要であるが、造影剤投与前のX線画像は1つのみでもよい。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]画像処理装置24のGUI24e(図1参照)を介して、DSA画像における被検体Pの動き補正を実行することが操作者の入力により指示された場合、ステップS5に進む。それ以外の場合、ステップS4に進む。
[ステップS4]画像生成部24cは、マスク画像データと、各時相のコントラスト画像データとを投影データ記憶部28から取得する。画像生成部24cは、動き補正を実行せずに、(1)式に基づく対数差分によって各時相のDSA画像の画像データを生成及び記憶する。画像生成部24cは、各時相のDSA画像の画像データをGUI24eに入力し、GUI24eは各DSA画像を表示する。
ステップS3で動き補正が実行されないと選択された場合、以上で終了する。
[ステップS5]GUI24eを介して、Functional Imagingを実行することが操作者の入力により選択された場合、ステップS8に進む。それ以外の場合、ステップS6に進む。
[ステップS6]画像処理条件としてFunctional Imagingが実行されないので、選択部24aは、位置ズレ補正対象としてマスク画像を選択し、この選択結果を位置ズレ算出部24bに入力する。
位置ズレ算出部24bは、マスク画像データと、各時相のコントラスト画像データとを投影データ記憶部28から取得する。位置ズレ補正対象がマスク画像であるので、位置ズレ算出部24bは、前述の(2)式を最小化するように、コントラスト画像データと、マスク画像データとの位置ズレを規定するΔi,Δjを時相毎に算出及び記憶する(図3参照)。位置ズレ算出部24bは、Δi,Δjを画像生成部24cに入力する。
画像生成部24cは、Δi,Δjと、(3)式とに基づいて、マスク画像を位置ズレ補正対象としてシフトさせつつ、各コントラスト画像と、マスク画像との対数差分を算出する。これにより、画像生成部24cは、コントラスト画像の各時相にそれぞれ対応する時系列的な複数のDSA画像の画像データ(動き補正済)を生成する。
この後、ステップS7に進む。
[ステップS7]画像生成部24cは、ステップS6で生成した動き補正後の各時相のDSA画像の画像データをGUI24eに入力し、GUI24eは各DSA画像を表示する。Functional Imagingが実行されない場合、以上で終了する。
[ステップS8]画像処理条件としてFunctional Imagingが実行されるので、選択部24aは、位置ズレ補正対象として各々のコントラスト画像を選択し、この選択結果を位置ズレ算出部24bに入力する。
位置ズレ算出部24bは、マスク画像データと、各時相のコントラスト画像データとを投影データ記憶部28から取得する。位置ズレ補正対象が各コントラスト画像であるので、位置ズレ算出部24bは、前述の(4)式を最小化するように、コントラスト画像データと、マスク画像データとの位置ズレを規定するΔi,Δjを時相毎に算出及び記憶する(図5参照)。位置ズレ算出部24bは、Δi,Δjを画像生成部24cに入力する。
画像生成部24cは、Δi,Δjと、(5)式とに基づいて、各コントラスト画像を位置ズレ補正対象としてシフトさせつつ、各コントラスト画像と、マスク画像との対数差分を算出する。これにより、画像生成部24cは、コントラスト画像の各時相にそれぞれ対応する時系列的な複数のDSA画像の画像データ(動き補正済)を生成する。
この後、ステップS9に進む。
[ステップS9]画像生成部24cは、ステップS8で生成した動き補正後の各時相のDSA画像の画像データを血流解析部24d(図1参照)に入力する。
血流解析部24dは、前述のように、時系列的なDSA画像の同位置の画素毎に、造影剤濃度の時間変化曲線を算出及び記憶する(図2参照)。
この後、ステップS10に進む。
[ステップS10]血流解析部24dは、ステップS9で算出した造影剤濃度の時間変化に基づいて、各画素に対して前述の血流解析パラメータを算出する。この後、ステップS11に進む。
[ステップS11]血流解析部24dは、Functional Imagingとして、例えばTTPに基づくパラメトリック画像などの血流解析結果を生成し、血流解析結果をGUI24eに表示させる。
以上が第1の実施形態のX線診断装置10の動作説明である。以下、従来技術と第1の実施形態との違いについて説明する。
従来技術(ピクセルシフト)では、コントラスト画像をシフトさせるとDSA画像における血管情報がぼけるという理由で、DSA画像生成の差分演算の実行時には、マスク画像をシフトすることで体動アーチファクトを抑制していた。しかし、上記手法では、図4で説明したように、DSA画像としての同位置の画素毎に造影剤濃度の時間変化を算出する場合に、被検体の異なる領域の造影剤濃度が反映される。
そこで第1の実施形態では、画像処理条件としてFunctional Imagingが実行される場合、DSA画像生成の差分演算においてコントラスト画像をシフトさせる前提の下、(4)式を最小化する位置ズレが時相毎に算出される。そして、画像生成部24cは、時相毎の位置ズレ量に応じてコントラスト画像をシフトさせつつ、全時相に亘ってマスク画像を固定して(5)式の差分演算を実行することで、動き補正済のDSA画像を生成する(ステップS8)。
このように生成されるDSA画像の場合、全時相に亘って同位置の画素毎に画素値の時相変化を算出すれば、被検体の同一領域の造影剤濃度の時間変化が正確に得られる。
第1の実施形態では、被検体における同一領域の造影剤濃度の時間変化が正確に得られる結果、Functional Imagingの各血流解析パラメータも正確に算出される(ステップS10)。従って、Functional Imagingの精度を従来よりも向上することができる。このように高精度の血流解析結果を表示できる結果(ステップS11)、画像診断の精度も向上することができる。
また、第1の実施形態では、Functional Imagingが実行されない場合には、DSA画像生成の差分演算の実行時において、マスク画像をシフトすることで体動アーチファクトを抑制する。
このように第1の実施形態によれば、造影剤投与前後の被検体の動きによるアーチファクトを、従来とは異なる手法により、例えば画像処理条件に応じて適正に抑制することができる。
なお、第1の実施形態では、画像処理条件に応じて、マスク画像、コントラスト画像の内の一方を選択部24aが自動的に位置ズレ補正対象(DSA画像生成時の差分演算におけるシフト対象)として選択する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。
例えばステップS5において、マスク画像、コントラスト画像のどちらが位置ズレ補正対象(シフト対象)とされるかを、GUI24eを介して操作者の入力により選択する構成でもよい。或いは、次の第2の実施形態のように、撮影条件に応じて、マスク画像、コントラスト画像の内の一方を選択部24aが位置ズレ補正対象(シフト対象)として選択する構成でもよい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、撮影条件の一例として、撮影プログラムの種類に応じて、マスク画像、コントラスト画像の内の一方が位置ズレ補正対象(シフト対象)として選択される。X線診断装置10のハードウェア上の構成や、その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図7は、第2の実施形態のX線診断装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図7に示すフローチャートのステップ番号に従って、第2の実施形態のX線診断装置10の動作を説明する。
[ステップS21]システム制御部26(図1参照)は、操作部22を介して入力された撮影領域、管電流、管電圧、X線パルス幅等の撮影条件に基づいて、造影剤投与の前後における各時相での全撮影条件を設定する。この撮影条件には、撮影プログラムの選択も含まれる。
例えばFunctional Imagingのように血流解析を前提とする撮影プログラムでは、DSA画像の画素毎の造影剤濃度の時間変化が正確に得られるように、各コントラスト画像の撮影間隔等の撮影条件がシステム制御部26によって適正に設定される。具体的には空間分解能より時間分解能が優先され、例えば512×512[pixel2]、15[fps]で撮影されるようなプログラムが構成される。
一方、血流解析を前提としない撮影プログラムでは、十分な解像度のDSA画像が得られるような撮影条件がシステム制御部26によって適正に設定される。具体的には時間分解能より空間分解能が優先され、例えば1024×1024[pixel2]、7.5[fps]で撮影されるようなプログラムが構成される。この後、ステップS22に進む。
[ステップS22〜S24]第1の実施形態の図6のステップS2〜S4とそれぞれ同様であるので、重複する説明を省略する。
[ステップS25]選択部24aは、マスク画像データ、コントラスト画像データを投影データ記憶部28から取得し、これらの画像の撮影時に用いられた撮影プログラムの種類を例えば画像データの付帯情報から判別する。なお、撮影プログラムの種類について、選択部24aは、システム制御部26からその情報を取得してもよい。
これらマスク画像データ、コントラスト画像データが血流解析を前提とする撮影プログラムによりステップS22で撮影されたものである場合、選択部24eは、ステップS28に画像処理装置24の処理を移行させる。それ以外の場合、ステップS26に進む。
[ステップS26〜S31]第1の実施形態の図6のステップS6〜S11とそれぞれ同様であるので、重複する説明を省略する。
以上が第2の実施形態のX線診断装置10の動作説明である。このように第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態及び第2の実施形態では、画像処理機能や撮影プログラムに応じて動き補正の手法が選択される例を述べた。これに対し第3の実施形態の動き補正では、条件に拘らず(2)式、(3)式に基づいてマスク画像をシフトさせることでDSA画像が生成される。その場合、全時相に亘るDSA画像の同位置の画素の画素値の時間変化は、図4で述べたように、被検体の同位置の造影剤濃度の時間変化とはならない。
そこで第3の実施形態の画像処理装置24は、Functional Imagingが実行される場合、マスク画像をシフトさせることで生成されたDSA画像に対して動き補正を適用することで、被検体の同一領域の造影剤濃度の時間変化を取得する。
具体的には、例えば動脈が最も多く投影された1つのDSA画像が基準時相として選択される。次に、他の時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像との差分画像の合算画素値を最小化するシフト量が、位置ズレ量として時相毎に算出される。このようにして算出された時相毎の位置ズレ量と、DSA画像とに基づいて、被検体の同一領域毎に、造影剤濃度の時間変化が算出される。以下、より詳細に説明する。
図8は、第3の実施形態において、全時相のDSA画像から1つの基準時相のDSA画像を選択する画像処理装置24のアルゴリズムの一例を示す模式図である。図8では、第1の実施形態の(2)式、(3)式に基づいて生成された5個のDSA画像の模式図を左から順に示す。最も左は時相1のDSA画像であり、その右隣が時相10のDSA画像であり、その右隣が時相20のDSA画像であり、その右隣が時相30のDSA画像であり、最も右が時相40のDSA画像である。煩雑となるので、途中の時相のDSA画像は省略する。
ここでは一例として、血流解析部24dは、主幹動脈が最も強く表れた時相のDSA画像を1つ選択する。その選択アルゴリズムとしては、血流解析部24dは例えば、各DSA画像において共通位置となる判定領域JUDを設定する。判定領域JUDは、図8では、一点鎖線の枠で示す。また、図8の各時相のDSA画像の模式図では、動脈を実線で示し、静脈を点線で示す。
判定領域JUDの設定方法としては、血流解析部24dは例えば、DSA画像の生成元となったマスク画像から、人体の各組織領域を抽出するセグメンテーション処理を実行後、セグメンテーション処理の結果に基づいて推定動脈領域を判定する。セグメンテーション処理は、頭蓋骨の形状、大きさ等を含む標準的な人体組織モデルに基づいてマスク画像とのテンプレートマッチングを行う、といった画像処理によって可能である。
次に、血流解析部24dは、人体組織モデルに基づいて、マスク画像の推定動脈領域において、血液の走行方向を判定し、動脈の末端側を判定領域JUDとして設定する。
次に、血流解析部24dは、DSA画像の判定領域JUDの全画素値の合算値を時相毎にそれぞれ算出する。そして、血流解析部24dは、例えば判定領域JUDの合算画素値が閾値を超えた最先の時相を基準時相として選択する。或いは、判定領域JUDの合算画素値が極大値となる最先の時相、又は、最大値となる時相を基準時相として選択してもよい。なお、判定領域JUDの合算画素値の代わりに、判定領域JUDの平均画素値を用いてもよい。
撮影領域が頭部の場合、血流解析部24dは例えば、人体組織モデルに基づいて頭頂部を判定し、DSA画像における頭頂部近辺の画素値の変化が所定値以上のなった最先の時相を基準時相として選択してもよい。
また、基準時相の選択に際しては、全時相のDSA画像をGUI24eに表示し、GUI24eに対するユーザの入力によって選択する構成でもよい。或いは、全時相のDSA画像をGUI24eに表示し、GUI24eを介してユーザが判定領域JUDを設定後、上記のように血流解析部24dが閾値処理等によって基準時相を選択してもよい。
図9は、第3の実施形態において、各時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像DSAcrとのシフト量の規定方法の一例を示す模式図である。図9の左側は基準時相のDSA画像DSAcrを示し、図9の右側は、基準時相のDSA画像DSAcrを実線で、時相1のDSA画像DSAを破線で示す。また、図9の右側において、基準時相のDSA画像DSAcrと、時相1のDSA画像DSAをとの重複領域はハッチング領域で示す。
血流解析部24dは、次式により、基準時相以外の各時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像DSAcrとのシフト量をそれぞれ算出する。
(6)式におけるNは、DSA画像の行数、列数であり、nは時相を示す。即ち、時相1のDSA画像DSAに対しては、(6)式の左辺であるMR(Δi,Δj)を最小化するΔi,Δjが、時相1のDSA画像DSAの行方向、列方向の各シフト量Δi,Δjとして算出される。
時相2のDSA画像DSAに対しては、(6)式の左辺であるMR(Δi,Δj)を最小化するΔi,Δjが、時相2のDSA画像DSAの行方向、列方向の各シフト量Δi,Δjとして算出される。他の時相についても同様である。
なお、(6)式のMRn(Δi,Δj)は、上記のように差分画像の画素値の二乗の総和ではなく、差分画像の各画素値の絶対値の総和でもよいし、差分画像の各画素値の絶対値の平均値でもよい。
図10は、第3の実施形態における造影剤濃度の時間変化曲線の生成アルゴリズムの一例を示す模式図である。図10の上側は、図8と同様の時相1,10,20,30,40の各DSA画像の模式図であり、ここでは一例として、時相20が基準時相として選択された場合を考える。
図10の下側は、(6)式で算出される時相毎のシフト量に基づいて、基準時相のDSA画像DSAcrの3行目3列目の画素と同一の被検体領域に該当する画素の画素値の時間変化曲線である。即ち、図10の下側が、同一の被検体領域の造影剤濃度の時間変化曲線である。
ここでは一例として、時相1のシフト量がΔi=2,Δj=2であり、時相10のシフト量がΔi10=1,Δj10=1であり、時相30のシフト量がΔi30=−1,Δj30=−1であり、時相40のシフト量がΔi40=−2,Δj40=−2であるものとする。この場合、基準時相のDSA画像DSAcrについては、シフト量はないので、3行目3列目の画素について、その画素値が時相20の時点の造影剤濃度としてプロットされる。
基準時相のDSA画像DSAcrの3行目3列目の画素と同一の被検体領域に該当する画素は、時相1のDSA画像DSA1では、3+Δi行目、3+Δj列目の画素であり、この画素の画素値が時相1の造影剤濃度としてプロットされる。他の時相の画像についても、同様である。血流解析部24dは、このようなにして得られる造影剤濃度の時間変化曲線を、基準時相の画素毎に算出する。
シフト量が多い程、基準時相のDSA画像と、他の時相のDSA画像との重複領域が少なくなるので、造影剤濃度の時間変化曲線の数は、1つのDSA画像の画素数より少なくなる(ここでの「重複」とは、被検体Pの同一領域に該当する、という意味である)。
なお、ここでは一例として、図8のDSA画像において静脈のみが投影された時相40まで造影剤濃度の時間変化曲線を得ているが、これは一例にすぎない。DSA画像において動脈の投影量ある程度多い時相まで、造影剤濃度の時間変化曲線を得る構成でもよい。
図11は、第3の実施形態のX線診断装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、前述の各図を参照しながら、図11に示すフローチャートのステップ番号に従って、第3の実施形態のX線診断装置10の動作を説明する。
[ステップS41〜S44]第1の実施形態の図6のステップS1〜S4と同様であるので、重複する説明を省略する。
[ステップS45]ステップS45に到達する場合、ステップS43において動き補正の実行が選択されている。従って、画像生成部24c(図1参照)は、条件に拘らず、(2)式、(3)式に基づいてマスク画像をシフトさせることでDSA画像を生成及び記憶する。この後、ステップS46に進む。
[ステップS46]GUI24eを介して、Functional Imagingを実行することが操作者の入力により選択された場合、ステップS48に進む。それ以外の場合、ステップS47に進む。
[ステップS47]GUI24eは、ステップS45で生成されたDSA画像を表示する。Functional Imagingが実行されない場合、これで終了する。
[ステップS48]血流解析部24dは、全時相のDSA画像の画像データを画像生成部24cから取得する。次に、血流解析部24dは、判定領域JUDを設定して閾値処理を行う等の手法により、基準時相のDSA画像を選択する。この選択方法は、図8で説明済みであり、ユーザの選択入力によって選択してもよい。
この後、ステップS49に進む。
[ステップS49]血流解析部24dは、図9で説明したように、基準時相以外の各時相のDSA画像と、基準時相のDSA画像DSAcrとのシフト量を(6)式に基づいてそれぞれ算出する。この後、ステップS50に進む。
[ステップS50]血流解析部24dは、図10で説明したように、ステップS49で得られた各シフト量に基づいて、DSA画像の各時相に亘って同一の被検体領域に該当する画素毎に造影剤濃度の時間変化曲線を算出する。この後、ステップS51に進む。
[ステップS51〜S52]第1の実施形態の図6のステップS10、S11とそれぞれ同様であるので、重複する説明を省略する。
以上が第3の実施形態のX線診断装置10の動作説明である。このように第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
<第4の実施形態>
図12は、第4の実施形態における画像保管通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)200の構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、画像保管通信システム200では、複数の表示端末300と、ワークステーション400と、X線診断装置10、磁気共鳴イメージング装置500などの複数のモダリティとがネットワークケーブルNCを介して互いに接続されている。
X線診断装置10や磁気共鳴イメージング500は、撮影により生成した医用の画像データをネットワークケーブルNC経由で例えばDICOM型式のファイルとしてワークステーション400に転送する。画像データは、例えばDICOM型式のファイルとして保管され、そのファイルの付帯情報には、被検体である患者を特定する情報や撮影条件などが含まれる。なお、DICOMは、ネットワーク規格である「Digital Imaging and Communications in Medicine」のことである。
表示端末300は、入力部304と、モニタ308とを有する。操作者は、入力部304を介して、サーバ300に保管された画像データをネットワークケーブルNC経由でモニタ308に転送させ、モニタ308に表示させることができる。
また、操作者は、入力部304を介して、サーバ300に保管された画像データに対して、サーバ300内の画像処理装置24により画像処理を実行させ、画像処理後の画像を同様にモニタ308に表示させることができる。
ワークステーション400は、ここでは一例として、画像処理機能を提供するものである。なお、本明細書でのワークステーションとは、例えば、科学技術計算などの業務上の高度に専門的で処理負荷の高い作業を実行するために、一般向けのパーソナルコンピュータよりも高性能に組み上げられたコンピュータの意味である。
ワークステーション400は、CPU(Central Processor Unit)402と、通信部404と、画像保管部406と、操作部408と、上記第1〜第3の実施形態の画像処理装置24とがシステムバス430により相互接続された構成である。
CPU402は、システムバス430を介して、ワークステーション400の各部を制御し、そのシステム制御を行う。
通信部404は、例えばEthernet(登録商標) Cardなどのネットワークインターフェースに対応する。通信部404は、CPU402の制御の下、各モダリティや表示端末300と、ワークステーション400との間でデータ送受信等の交信を行う。
画像保管部406は、X線診断装置10や磁気共鳴イメージング500などのモダリティから転送される画像データを原画像の画像データとして保管する。従って、ワークステーション400は、画像サーバ或いは画像処理サーバとして捉えてもよい。なお、サーバとは例えば、コンピュータネットワークにおいて、クライアントコンピュータに対し、自身の持つ機能やデータを提供するコンピュータであり、ワークステーションの上位概念であるものとする。
画像処理装置24は、例えば、画像保管部406に保管されたマスク画像データ、コントラスト画像データを取得して、第1〜第3の実施形態と同様にDSA画像の生成及び表示、や、DSA画像に基づく血流解析を実行する。
操作部408は、ワークステーション400に対するユーザの直接の指示入力を受け付けるキーボード、モニタ等を有する。
ユーザは、操作部408を介して、ワークステーション400(の画像処理装置24)を第1の実施形態と同様に機能させることを選択できる。
或いは、ユーザは、操作部408を介して、ワークステーション400(の画像処理装置24)を第2の実施形態と同様に機能させることを選択できる。
或いは、ユーザは、操作部408を介して、ワークステーション400(の画像処理装置24)を第3の実施形態と同様に機能させることを選択できる。
従って、第4の実施形態においても、第1〜第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。以上説明した各実施形態によれば、DSAにおいて、造影剤投与の前と後における被検体の動きによるアーチファクトを、従来とは異なる技術によって抑制することができる。
<実施形態の補足事項>
[1]第1〜第3の実施形態では、X線診断装置10に画像処理装置24が搭載される例を述べ、第4の実施形態では画像保管通信システム200のワークステーション400に画像処理装置24が搭載される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。画像処理装置24は、造影剤投与の前後の血流像の撮影(撮像)が可能なX線CT装置(X-ray Computed Tomography Apparatus)や磁気共鳴イメージング装置などの他の画像診断装置に搭載されてもよい。
[2]請求項の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
位置ズレ補正対象(シフト対象)を選択するための情報を表示する不図示のモニタを含むと共に、位置ズレ補正対象の選択入力を受け付けるGUI24eの機能は、請求項記載の入力部の一例である。
[3]本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10:X線診断装置,24:画像処理装置,
24a:選択部,24b:位置ズレ算出部,24c:画像生成部,
24d:血流解析部,24e:GUI,
200:画像保管通信システム,400:ワークステーション

Claims (8)

  1. 造影剤投与前の被検体の画像データであるマスク画像データと、同一の前記被検体に対する造影剤投与後の時系列的な複数の画像データである複数のコントラスト画像データとに基づいてDSA画像を生成するとともに、時系列的な複数の前記DSA画像の画素ごとの画素値の時間変化に応じた血流解析処理が可能な画像処理装置であって、
    像処理条件に前記血流解析処理が含まれ、又は、撮影条件が前記血流解析処理を前提とした撮影条件である場合において、複数の前記コントラスト画像データを前記DSA画像の生成時の位置ズレ補正対象として選択し、画像処理条件に前記血流解析処理が含まれず、かつ、撮影条件が前記血流解析処理を前提とした撮影条件でない場合において、前記マスク画像データを前記DSA画像の生成時の前記位置ズレ補正対象として選択する選択部と、
    複数の前記コントラスト画像データと前記マスク画像データとの間に、造影剤投与の前後の前記被検体の動きにより発生した位置ズレを、複数の前記コントラスト画像データ及び前記マスク画像データに基づいて算出する位置ズレ算出部と、
    複数の前記コントラスト画像データ又は前記マスク画像データの内、前記選択部により選択された前記位置ズレ補正対象を前記位置ズレに基づいてシフトさせつつ、各々の前記コントラスト画像データと前記マスク画像データとの各差分を算出することで、時系列的な複数の前記DSA画像の画像データを生成する画像生成部と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項記載の画像処理装置において、
    前記血流解析処理として、複数の前記コントラスト画像データを前記位置ズレ補正対象として生成された時系列的な複数の前記DSA画像の画素ごとに、画素値の時間変化によって決まる特徴量を求める血流解析部をさらに備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置において、
    前記血流解析部は、前記画素ごとに決定した前記特徴量にもとづいてパラメータ画像の画像データを生成する、
    画像処理装置。
  4. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記選択部が前記マスク画像データを前記位置ズレ補正対象として選択した場合、前記位置ズレ算出部は、任意の暫定シフト量で位置的にずらした前記マスク画像データと、前記コントラスト画像データとの差分画像データにおける、画素値の二乗の合算値又は画素値の絶対値の合算値を最小化させる前記暫定シフト量を前記位置ズレとして算出する処理を、各時相の前記コントラスト画像データに対してそれぞれ実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記選択部が複数の前記コントラスト画像データを前記位置ズレ補正対象として選択した場合、前記位置ズレ算出部は、任意の暫定シフト量で位置的にずらした前記コントラスト画像データと、前記マスク画像データとの差分画像データにおける、画素値の二乗の合算値又は画素値の絶対値の合算値を最小化させる前記暫定シフト量を前記位置ズレとして算出する処理を、各時相の前記コントラスト画像データに対してそれぞれ実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  6. 造影剤投与前の被検体の画像データであるマスク画像データと、同一の前記被検体に対する造影剤投与後の時系列的な複数の画像データである複数のコントラスト画像データとに基づいてDSA画像を生成する画像処理装置であって、
    各々の前記コントラスト画像データと、前記マスク画像データとの各差分に基づいて、時系列的な複数の前記DSA画像の画像データを生成する画像生成部と、
    複数の前記DSA画像に含まれる動脈情報量を解析するか、又は、画像処理装置に対する選択入力を取得することで、複数の前記DSA画像の1つを基準時相として選択し、各時相の前記DSA画像と、前記基準時相の前記DSA画像との差分画像における、画素値の二乗の合算値又は画素値の絶対値の合算値を最小化するように、各時相の前記DSA画像に対するシフト量をそれぞれ算出し、前記シフト量に基づいて画素位置を時相毎にシフトさせ、このシフト後の時系列的な複数の前記DSA画像の画素ごとに、画素値の時間変化によって決まる特徴量を求める血流解析部と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  7. 造影剤投与前の被検体の画像データであるマスク画像データと、同一の前記被検体に対する造影剤投与後の時系列的な複数の画像データである複数のコントラスト画像データとに基づいてDSA画像を生成する画像処理装置であって、
    各々の前記コントラスト画像データと、前記マスク画像データとの各差分に基づいて、時系列的な複数の前記DSA画像の画像データを生成する画像生成部と、
    複数の前記DSA画像に含まれる動脈情報量を解析するか、又は、画像処理装置に対する選択入力を取得することで、複数の前記DSA画像の1つを基準時相として選択し、各時相の前記DSA画像と、前記基準時相の前記DSA画像との差分画像における、画素値の二乗の合算値又は画素値の絶対値の合算値を最小化するように、各時相の前記DSA画像に対するシフト量をそれぞれ算出し、前記シフト量に基づいて画素位置を時相毎にシフトさせつつ、時系列的な複数の前記DSA画像に亘って前記被検体の同位置に対応する画素毎の造影剤濃度の時間変化を算出する血流解析部と
    を備え
    前記血流解析部は、時系列的な複数の前記DSA画像に対して共通の判定領域を設定し、前記判定領域の合算画素値に対する閾値処理を前記DSA画像毎に実行することで、前記動脈情報量が所定量以上の1の前記DSA画像を前記基準時相として選択する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 造影剤投与の前後において前記被検体を透過したX線を検出することで、造影剤投与前のX線画像を示す前記マスク画像データと、造影剤投与後の時系列的な複数のX線画像をそれぞれ示す複数の前記コントラスト画像データとを生成するX線撮影部と、
    複数の前記コントラスト画像データと前記マスク画像データとに基づいて複数の前記DSA画像の画像データを生成する請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の画像処理装置と
    を備えることを特徴とするX線診断装置。
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