JP6369408B2 - 路面の冠水推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の実際の加速度に基づいて前記車両が走行中の路面が冠水しているか否かを推定する路面の冠水推定装置に関する。
大量の降雨又は他の場所に降った雨水の流入によって路面(道路の一部)が冠水する場合がある。冠水した路面(冠水路)に車両が進入すると車両の車輪と路面との間にスリップが発生したり、車両に搭載されたエンジンが停止したりする等の問題が発生する虞がある。そこで、車両の走行ルートに冠水路が含まれる場合、車室内に備えられたナビゲーション装置を介して車両の運転者に迂回路を提示して冠水していない路面(非冠水路)の走行を促す冠水路予測システムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
この冠水路予測システム(以下、「従来システム」とも称呼される。)に係る車両は、車両が備えるワイパーの拭き取り速度と、その速度にてワイパーが作動した時間と、に基づいて車両が走行している位置の降雨量を推定する。更に、この車両は、その推定された降雨量(推定降雨量)を自車の位置情報と共に複数の他の車両に送信し、更に、複数の他の車両のそれぞれから推定降雨量をその推定降雨量を送信してきた他の車両の位置情報と共に受信する。従来システムに係る車両のそれぞれは、自車の走行ルートを先に走行した他車からの推定降雨量に基づいて走行ルート上の冠水路の有無を判断する。
特開2012−216103号公報
しかしながら、降雨量が同一であっても運転者が異なればワイパーの拭き取り速度が異なる場合が多い。加えて、運転者が同一であっても車両を運転する時間帯が異なればワイパーの拭き取り速度が異なる場合が多い。例えば、ある運転手が車両を夜間に運転するとき、夜間よりも車両前方の路面及び他車を確認しやすい昼間に運転するときと比較して降雨量が同一であってもワイパーの拭き取り速度を上昇させる場合がある。従って、ワイパーの拭き取り速度に基づいて推定された降雨量は大きな誤差を含み得る。
加えて、立体交差路の下側を通る道路及び鉄道線路の下をくぐる道路等の窪地を通過する道路の路面は、平坦な道路の路面と比較して少ない降雨量であっても冠水し易い。よって、降水量が推定できたとしても、その地点の路面が冠水しているか否かを推定することは一般に困難である。従って、従来システムよって路面が冠水しているか否かを精度よく推定することは困難であると考えられる。
そこで、本発明の目的の一つは、車両が走行している路面が冠水しているか否かをより正確に推定することができる「路面の冠水推定装置」を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る路面の冠水推定装置(以下、「本発明装置」とも称呼される。)は、
車両の実際の加速度(実加速度)を取得する加速度取得部と、
前記車両に搭載された駆動源から同車両の車輪に伝達される実際のトルク(実トルク)を取得するトルク取得部と、
前記取得される実際の加速度及び前記取得される実際のトルクを用いて所定の冠水判定条件が成立しているか否かを判定し、前記冠水判定条件が成立していると判定した場合に前記車両が走行している路面が冠水していると推定する推定部と、
を備える。
ところで、車両が走行している路面が冠水していない平坦な路面(以下、「乾燥路」又は「非冠水路」と称呼する。)である場合、車両の実際の加速度は、「車両に搭載された駆動源(例えば、エンジン及び/又は電動機)から車輪に伝達されるトルク(実トルク)」が大きいほど大きくなる。しかし、車両が冠水路を走行するとき、「路面に溜まった水が車輪の回転及び移動(即ち、車両の走行)を妨げる抗力(即ち、水抗力)」が車両(具体的には、車輪)に対して作用する。従って、車両が冠水路を走行するときと乾燥路を走行するときとにおいて実トルクが同一であっても、車両が冠水路を走行する場合の車両の加速度は車両が乾燥路を走行するときの加速度よりも小さくなる。即ち、車両が冠水路を走行しているとき、水抗力によって理論加速度と実加速度との間に比較的大きな差分が発生する。
そこで、本発明装置の前記推定部は、更に、
前記取得される実際のトルクに基づいて前記車両が冠水していない平坦な路面を走行している場合における同車両の加速度である理論加速度を求め、前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分が大きいほど大きくなり且つ当該差分の所定期間における増加量が大きいほど大きくなる第1パラメータを求め、少なくとも前記第1パラメータが所定の第1閾値よりも大きいという第1条件、が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定するように構成されている。
この結果、本発明装置は、「理論加速度と前記実加速度との間の差分が大きいほど大きくなり且つ当該差分の所定期間における増加量が大きいほど大きくなる第1パラメータ」を用いて、車両が走行している路面が冠水しているか否かを正確に推定することができる。
本発明装置の態様の一つにおいて、
前記推定部は、
前記第1パラメータとして、前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分(即ち、加速度差分値)を求めるように構成される。
例えば、図2に示したように、車両が時刻t2にて冠水路を走行し始めると、水抗力の影響を受けて「曲線Crにより示した実加速度Ar」が低下し、前記理論加速度と前記実加速度との間の差分(加速度差分値)である第1パラメータが大きくなる。従って、この第1パラメータに基づば、車両が走行している路面が冠水しているか否かを正確に推定することができる。
本発明装置の態様の一つにおいて、
前記推定部は、
前記第1パラメータとして、前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分である加速度差分値を求めるとともに、前記加速度差分値の前記所定期間における分散と、前記加速度差分値の現時点における値と、の積を求めるように構成される。
例えば、車両が、路面の段差、小さい水たまり及びマンホール蓋等を越える場合、実加速度が一時的に変動し、その結果、加速度差分値が一時的に増減する。このため、加速度差分値のみを用いて路面が冠水しているか否かを推定する場合、その推定精度が低下することがある。しかしながら、このような場合における加速度差分値の増減は一時的であるから、加速度差分値の所定期間における分散は相対的には大きくならない。従って、このような場合における「加速度差分値の所定期間における分散と、加速度差分値の現時点における値と、の積」として求められる第1パラメータは、加速度差分値の現時点における値が大きい値となったとしても相対的には大きな値にならない。
これに対し、車両が冠水路に進入し始めた場合、加速度差分値が急激に増大するので、所定期間における加速度差分値の分散は大きくなる。従って、車両が冠水路に進入し始めた場合、「加速度差分値の所定期間における分散と、加速度差分値の現時点における値と、の積」として求められる第1パラメータは、相対的には大きな値になる。従って、上記態様によれば、一時的な路面状況の変化があった場合に、その路面が冠水していると誤判定する可能性を低減することができる。
本発明装置の態様の一つにおいて、
前記推定部は、
前記第1条件に加えて、前記理論加速度の所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分が大きくなったときに大きくなる第2パラメータを求め、前記第2パラメータが所定の第2閾値よりも大きいという第2条件が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定するように構成される。
例えば、車両が登坂路を走行しているとき(即ち、車両が坂を上っているとき)、重力によって車両の進行方向と反対向きの力(重力抗力)が車両に対して作用する。従って、この場合、加速度差分値は、水抗力のみならず重力抗力によっても増加し得る。そのため、加速度差分値が大きいとき、その加速度差分値の増加原因が路面の冠水及び路面の勾配のいずれであるのかが判別出来ない。
ところで、水抗力の大きさは、「車両を進行方向正面から見たときの車両(具体的には、車輪)の水に浸かっている部分の面積である前面投影面積」に比例し且つ「路面に溜まった水と車両との間の速度差(具体的には、車速)」の2乗に比例する。従って、冠水路の水深が大きくなるほど前面投影面積が大きくなるので水抗力が大きくなる。加えて、車速が大きくなるほど水抗力が大きくなる。
従って、車両が冠水路を走行中に実トルクが増加した場合(即ち、理論加速度が増加した場合)、車速が上昇し、その車速の上昇に伴って水抗力が急激に増加する。よって、実加速度の増加量は理論加速度の増加量よりも小さくなる。即ち、この場合、「理論加速度の所定時間あたりの変化量と、実際の加速度の所定時間あたりの変化量と、の間の差分が大きくなったときに大きくなる第2パラメータ」が増加する。
一方、重力抗力は、車両の総重量に比例し且つ登坂路の勾配(傾斜角度)が大きくなるほど増加する。しかし、重力抗力は、車速が変化しても変わらない。従って、車両が勾配のある乾燥路を登坂中に理論加速度が増加した場合、理論加速度と実加速度との間の差分は変化しない。即ち、この場合、上述の第2パラメータは変化しない。
以上のことから、上述の態様の一つによれば、上述の第2パラメータに基づいて、車両が冠水していない登坂路を走行中に路面が冠水していると誤って推定する可能性を低減することができる。
本発明装置の態様の一つにおいて、
前記推定部は、
前記第2パラメータとして、前記理論加速度の前記所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分を求めるように構成され得る。
これによれば、前記第2パラメータを簡単に算出することができる。
更に、本発明装置の態様の一つにおいて、
前記推定部は、
前記第2パラメータとして、前記理論加速度の前記所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分の所定期間における分散を求めるように構成され得る。

車両が冠水路に進入し始めた場合、実際の加速度の所定時間あたりの変化量が小さくなるので、「理論加速度の所定時間あたりの変化量と、実際の加速度の所定時間あたりの変化量と、の間の差分」が急激に増大する。このため、その差分の分散は比較的大きくなる。これに対し、車両が小さい水たまり及びマンホール蓋等を越える場合等のように、一時的に路面状況が変化した場合、実際の加速度の変化は一時的であるので、「理論加速度の所定時間あたりの変化量と、実際の加速度の所定時間あたりの変化量と、の間の差分」の分散は比較的小さい。従って、上記態様によれば、一時的な路面状況の変化があった場合に、その路面が冠水していると誤判定する可能性を低減することができる。
なお、本発明は、上記路面の冠水推定装置を搭載する車両、上記路面の冠水推定装置にて使用される方法、並びに、上記路面の冠水推定装置を搭載する車両を含むシステムにも及ぶ。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る路面の冠水推定装置(第1推定装置)として作動する情報提供装置の概略図である。 時間の経過に対する理論加速度及び実加速度の変化を表したタイムチャートである。 第1推定装置に係る演算部が実行する冠水判定処理ルーチンを表したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る路面の冠水推定装置(第2推定装置)として作動する情報提供装置の演算部が実行する冠水判定処理ルーチンを表したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る路面の冠水推定システム(本推定システム)の概略図である。 本推定システムに係る情報提供装置の演算部が実行する冠水判定結果送信処理ルーチンを表したフローチャートである。 本推定システムに係る冠水地点推定サーバの中央処理部が実行する冠水情報集計処理ルーチンを表したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る路面の冠水推定装置(以下、「第1推定装置」とも称呼される。)について説明する。第1推定装置は、道路上の冠水地点の推定装置でもある。第1推定装置は、図1に示される車両10に搭載される情報提供装置21により具現化される。車両10は、駆動源として内燃機関(エンジン)を搭載している。但し、車両10は、駆動源として「エンジン及び電動機」の両方を搭載したハイブリッド車両であってもよく、駆動源として「電動機」を搭載した電気自動車であってもよい。
情報提供装置21は、演算部31、GPS受信部32、データベース33、表示装置34、車速センサ35、トルクセンサ36、アクセルペダルセンサ37及びブレーキペダルセンサ38等を含んでいる。なお、情報提供装置21は外部と通信するための図示しない通信装置を備えていてもよい。
演算部31は、周知のマイクロコンピュータを含む電子回路である。演算部31は、CPU、CPUが実行するプログラム及びマップ(ルックアップテーブル)等を記憶するROM並びにデータを一時的に記憶するRAMを備えている。
GPS受信部32は、GPS(Global Positioning System)衛星40からの信号(電波)に基づいて車両10の現在位置Psを取得し、現在位置Psを表す信号を演算部31に対して出力する。
データベース(DB)33は、地図データベースを記憶している。地図データベースは、交差点及び行き止まり等の「節点」、節点どうしを接続する「道路」並びに道路沿いにある建物及び駐車場等の「施設」に関する情報(地図情報)を含んでいる。データベース33は、ハードディスクドライブ(HDD)又はフラッシュメモリ等の記憶媒体によって構成されている。なお、情報提供装置21は図示しない通信装置を用いて外部のセンターから地図情報及び後述する案内ルート情報等を取得してもよい。
表示装置34は、車両10の車室内に設けられた図示しないセンターコンソールに配設されている。表示装置34は、車両10の運転者の操作によって、データベース33に記憶された地図情報を現在位置Psと共に表示することができる。更に、表示装置34は図示しない発音装置を含んでいる。表示装置34は演算部31の指示に従って警告音の再生及びアナウンス等を行うことができる。
車速センサ35は、車両10の車軸(図示省略)の回転速度を検出し、車両10の走行速度(車速)Vsを表す信号を演算部31に対して出力する。演算部31は、車速Vsを時間に関して微分することにより車両10の実際の加速度(実加速度)Ar(=dVs/dt)を取得する。
トルクセンサ36は、車軸(図示省略)に備えられ、車両10に搭載されたエンジン(駆動源)が発生させ、パワートレーン(変速機、ドライブシャフト及びディファレンシャルギア等)を介して車輪に伝達される実際のトルク(実トルク)Tqを表す信号を演算部31に対して出力する。
アクセルペダルセンサ37は、車両10の運転者が操作する図示しないアクセルペダルの踏み込み量であるアクセルペダル操作量Acpを表す信号を演算部31に対して出力する。
ブレーキペダルセンサ38は、車両10の運転者が操作する図示しないブレーキペダルの踏み込み量であるブレーキペダル操作量Bkpを表す信号を演算部31に対して出力する。
<路面の冠水推定処理の概要>
次に、情報提供装置21の演算部31が実行する路面の冠水推定処理の概要について、図2のタイムチャートを参照しながら説明する。図2は、車両10が平坦な路面を走行している場合における「理論加速度At及び実加速度Ar」の時間に対する変化を示す。理論加速度Atについては後述する。なお、図2のタイムチャートは、車両10が、時刻t1にて乾燥路にて走行を開始し、時刻t2から時刻t4までの期間において冠水路を走行し、時刻t4以降において再び乾燥路を走行する例を示している。理論加速度At及び実加速度Arは、曲線Ct及び曲線Crによりそれぞれ示される。
演算部31は、周知のナビゲーションシステムと同様、「車両10の運転者の操作によって設定された目的地」までの経路(案内ルート)を表示装置34に現在位置Psと共に表示する。更に、演算部31は、表示装置34の発音装置から再生される音声によって同経路を運転者に案内する。
加えて、演算部31は、現在位置Psに冠水が発生しているか否かを推定する。より具体的に述べると、演算部31は、所定時間Δt(本例において、10ミリ秒)が経過する毎に走行データDtrを生成し、その走行データDtrをデータIDと共にRAMに記憶させる。走行データDtrは、現在位置Ps、実トルクTq、車速Vs、実加速度Ar、アクセルペダル操作量Acp及びブレーキペダル操作量Bkpを含んでいる。データIDは、走行データDtrが生成される度に「1」だけ加算される数値である。
以下、特に説明の無い場合、演算部31によって生成された最新の走行データDtrに対応するデータIDは「i」と表記される。更に、データID=iに対応する走行データDtrはDtr(i)とも表記される。同様に、走行データDtrに含まれるデータ要素のそれぞれも、データ要素の後ろに括弧付きのデータIDを付して表記される場合がある(例えば、Tq(i)及び実加速度Ar(i)等)。
演算部31は、車両10が平坦な(即ち、勾配の無い)乾燥路を走行していると仮定した場合の車両10の加速度である理論加速度Atを算出する。具体的には、演算部31は、データID=iに対応する理論加速度At(i)を下式(1)に基づいて算出する。

At(i)=Tq(i)/(M×r) ・・・・(1)

ここで、Mは、車両10の乗員及び積み荷を含む総重量mに相関を有する重量係数
であり、
rは、車両10の車輪の半径である。
なお、演算部31は、車両10が停止している際に「図示しない車高センサにより計測される車高」に基づいて周知の手法により乗員及び積み荷を含むバネ上構成部材の重量m0を取得する。演算部31は、更に、この重量m0と予めROMに記憶している車輪の重量等とに基づいて重量係数Mを算出する。加えて、演算部31は、車輪の半径rを予めROMに記憶している。
更に、演算部31は、エンジンの始動直後に車両10が冠水路から走行を開始する可能性が低いことから、車両10が走行を開始した直後の時点において、重量係数Mを下式(2)に基づいて算出し、その重量係数MをRAMに記憶させてもよい。

M=Tq(i)/(Ar(i)×r) ・・・(2)
更に、演算部31は、理論加速度Atと実加速度Arとの差分である加速度差分値Zを算出し、この加速度差分値Zも車両10が冠水路を走行しているか否かの判定に利用する。具体的には、演算部31は、データID=iに対応する加速度差分値Z(i)を下式(3)に基づいて算出する。加速度差分値Zは、便宜上、第1パラメータとも称呼される。

Z(i)=At(i)−Ar(i) ・・・(3)
図2から理解されるように、加速度差分値Zは、車両10が乾燥路を走行している時刻t1から時刻t2までの期間において小さい値(略「0」)になる。しかし、車両10が冠水路に進入する時刻t2以降において、加速度差分値Zは急激に上昇している。従って、加速度差分値Zが閾値を超えた場合、車両10が冠水路を走行している可能性が高いと判断できる。なお、この加速度差分値Zの上昇は、車両10が時刻t2にて冠水路に進入し、更に、時刻t3に至るまで水深が増加し、以て、車両10の車輪に作用する水抗力Fwが増加していることに起因している。
従って、演算部31は、少なくとも、加速度差分値Z(i)が所定の閾値Zth1より大きくなるという条件、が成立したとき、車両10が冠水路を走行していると判定することが可能である。
ところが、実際には車両10が登坂路を走行し始めると(坂道を登り始めると)、重力加速度の影響を受けて実加速度Arが低下し、その結果、加速度差分値Z(i)も大きくなるので、車両10が冠水路を走行しているのか登坂路を走行しているのかの区別をし難い場合が生じる。
そこで、演算部31は、理論加速度Atの所定時間Δtあたりの変化量と、実加速度Arの所定時間Δtあたりの変化量と、の差分である加速度変化差分値Dを算出する。具体的には、演算部31は、データID=iに対応する加速度変化差分値D(i)を下式(4)に基づいて算出する。加速度変化差分値Dは、便宜上、第2パラメータとも称呼される。

D(i)=(At(i)−At(i−1))
−(Ar(i)−Ar(i−1)) ・・・(4)
なお、理論加速度Atの単位時間あたりの変化量と、実加速度Arの単位時間あたりの変化量と、の差分D0を求める場合には、(4)式の右辺第1項及び第2項をそれぞれ所定時間Δtにより除することにより求めればよい。即ち、D0=D(i)/Δtである。
以下、この加速度変化差分値Dを用いることにより、登坂路走行中と冠水路走行中とを区別することが可能な理由について説明する。
水抗力Fwによって時刻t2以降、実加速度Arが減少しているので、車両10の運転者は実加速度Arを維持すべく時刻t3の直前からアクセルペダル操作量Acpを増加させている。その結果、実トルクTqが増加するので理論加速度Atが増加し、それに伴って時刻t3以降において実加速度Arが上昇に転じている。
時刻t3における加速度変化差分値D(以下、「加速度変化差分値d3」と称呼する。)は、下式(5)により算出される。

d3=(ΔAt3−ΔAr3) ・・・・(5)

ここで、ΔAt3は、時刻(t3−Δt)から時刻t3における理論加速度Atの
変化量であり、
ΔAr3は、時刻(t3−Δt)から時刻t3における実加速度Arの
変化量である。
加速度変化差分値d3は、車両10の運転者が理論加速度Atを増加させ、それに伴って実加速度Arが上昇を開始したときの加速度変化差分値Dである。図2から理解されるように、ΔAt3−ΔAr3>0であるから、加速度変化差分値d3は「0」より大きい。
即ち、時刻t3において、理論加速度Atの変化率(理論加速度Atの所定時間Δtあたりの変化量)は、実加速度Arの変化率(実加速度Arの所定時間Δtあたりの変化量)よりも大きくなっている。これらの変化率の差分は、車速Vsが大きくなるほど水抗力Fwが大きくなることに起因している。
水抗力Fwは、下式(6)に基づいて算出することができる。
Figure 0006369408

ここで、ρは、水の密度であり、
Sは、進行方向正面から見たときの車両10の車輪の水に浸かっている
部分の面積(前面投影面積)であり、
Cdは、所定の係数(抗力係数)である。
式(6)から理解されるように、水抗力Fwは、車速Vsの2乗に比例する。
一方、仮に、車両10が登坂路を走行しているとき、重力によって車両10の進行方向と反対向きの力である重力抗力Fgが車両10に対して作用する。重力抗力Fgは、下式(7)に基づいて算出することができる。

Fg=m×g×sinθ ・・・・(7)

ここで、mは、前述した車両10の乗員及び積み荷を含む総重量であり、
gは、重力加速度であり、
θは、登坂路の傾斜角度である。
式(7)から理解されるように、重力抗力Fgは、車速Vsが変化しても変わらない。従って、車両10に重力抗力Fgが作用し且つ水抗力Fwが作用していないとき、理論加速度Atの変化率と実加速度Arの変化率とは略等しくなる。従って、加速度変化差分値Dは略「0」である。
以上から、加速度変化差分値Dが正の値になった場合、車両10に水抗力Fwが作用していると推定できる。
そこで、演算部31は、加速度差分値Z及び加速度変化差分値Dに基づいて現在位置Psが冠水しているか否か(車両10が現時点において冠水路を走行しているか否か)を推定/判定する。ただし、車両10に所謂エンジンブレーキを含むブレーキ力が作用しているとき、水抗力Fw及び重力抗力Fg以外の要因(即ち、ブレーキ力)によって加速度差分値Z及び加速度変化差分値Dが変化する。そこで、演算部31は、車両10にブレーキ力が作用している場合には現在位置Psが冠水しているか否かの判定(以下、単に「冠水有無の判定」と表現される場合がある。)を行わない。なお、演算部31が冠水有無の判定のために用いる具体的な条件は、「冠水判定条件」とも称呼される。
第1推定装置が用いる冠水判定条件は、以下の総ての条件が成立しているときに成立する条件である。なお、下記の条件(B1)は省略してもよい。
(A1)加速度差分値Z(i)が所定の閾値Zth1より大きい。
(即ち、Z(i)>Zth1)。
(B1)加速度変化差分値D(i)が所定の閾値Dth1より大きい。
(即ち、D(i)>Dth1)。
(C)車両10が前進し且つ加速している。
ここで、条件(C)は、以下の総ての条件が成立しているときに成立する条件である。
(c1)車速Vsが「0」より大きい(即ち、Vs>0)。
(c2)アクセルペダル操作量Acpが「0」より大きい(即ち、Acp>0)。
(c3)ブレーキペダル操作量Bkpが「0」である(即ち、Bkp=0)。
(c4)実トルクTqが正の値である(即ち、Tq(i)>0)。
(c5)実トルクTqが上昇中である(即ち、Tq(i)−Tq(i−1)>0)。
なお、図2には、閾値Zth1及び閾値Dth1に相当するグラフ上の長さが示されている。
<具体的作動>
次に、冠水判定処理の実行時における演算部31が備えるCPUの具体的な作動を図3にフローチャートにより表された「冠水判定処理ルーチン」を参照しながら説明する。CPUは、本ルーチンを所定時間Δtが経過する毎に実行する。
即ち、適当なタイミングになると、CPUは、ステップ300から処理を開始してステップ305に進み、データID=iに係る走行データDtr(i)(即ち、Ps(i)、Tq(i)、Vs(i)、Acp(i)及びBkp(i)等)を取得する。このとき、CPUは、車速Vs(i)の所定時間Δtにおける変化量dVs(=Vs(i)−Vs(i−1))を計算し、その値を所定時間Δtにより除することによって車両10の実際の加速度(実加速度)Ar(i)(=dVs/Δt)を取得する。次いでCPUは、ステップ310に進み、現在位置Ps(i)が冠水判定の対象地点であるか否かを判定する。
例えば、車両10が走行している道路が未舗装であれば、上記冠水判定条件に基づいて冠水発生の有無を正確に推定することが困難である。よって、CPUは車両10が走行している道路が未舗装であるか否かのデータを用いて現在位置Ps(i)が冠水判定の対象地点であるか否かを判定する。CPUは車両10が走行している道路が未舗装であると判定するとき、ステップ310にて「No」と判定してステップ395に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。即ち、未舗装道路走行中には冠水判定処理が行われない。
現在位置Ps(i)が冠水判定の対象地点であれば、CPUはステップ310にて「Yes」と判定してステップ315に進む。ステップ315にてCPUは、理論加速度At(i)、加速度差分値Z(i)及び加速度変化差分値D(i)を上記式(1)、式(3)及び式(4)のそれぞれに従って算出する。次いで、CPUは、ステップ320に進み、上記冠水判定条件が成立しているか否かを判定する。
冠水判定条件が成立していれば、CPUは、現在位置Ps(i)が冠水していると判定(推定)し、ステップ320からステップ325に進んで以下の冠水時処理を行う。
(1)CPUは、表示装置34に走行中の路面が冠水していることを表示させる。
(2)CPUは、表示装置34に走行中の路面が冠水していることを示す警報音及び/又はアナウンスを発生させる。
(3)CPUは、現在位置Ps(i)が冠水したという事実を日時とともにデータベース33に記憶させる。
その後、CPUは、ステップ395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ320にて冠水判定条件が成立していないと判定すると、ステップ320にて「No」と判定してステップ330に進み、以下の非冠水時処理を行う。
(1)CPUは、表示装置34に走行中の路面が冠水していることを表示させている場合、その表示を消去する。
(2)CPUは、表示装置34に走行中の路面が冠水していることを示す警報音及び/又はアナウンスを発生せている場合、その発生を停止する。
その後、CPUは、ステップ395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上説明したように、第1推定装置(情報提供装置21)は、
車両(10)の実際の加速度(Ar(i))を取得する加速度取得部(車速センサ35及びステップ305)と、
車両(10)に搭載された駆動源(エンジン)から同車両の車輪に伝達される実際のトルク(実トルクTq(i))を取得するトルク取得部(トルクセンサ36及びステップ305)と、
前記取得される実際の加速度(Ar(i))及び前記取得される実際のトルク(Tq(i))を用いて所定の冠水判定条件が成立しているか否かを判定し(ステップ315及びステップ320)、前記冠水判定条件が成立していると判定した場合に前記車両が走行している路面が冠水していると推定する推定部(ステップ320及びステップ325)と、
を備える。
更に、前記推定部は、
前記取得される実際のトルク(Tq(i))に基づいて前記車両が冠水していない平坦な路面を走行している場合における同車両の加速度である理論加速度(At(i))を求め(ステップ315)、前記理論加速度(At(i))と前記実際の加速度(Ar(i))との間の差分が大きいほど大きくなる第1パラメータ(加速度差分値Z(i))を求め、少なくとも前記第1パラメータが所定の第1閾値(Zth1)よりも大きいという第1条件(冠水判定条件の(A1)を参照。)、が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定する(ステップ320乃至ステップ330)。
加えて、前記推定部は、
前記第1条件に加えて、前記理論加速度の所定時間(Δt)あたりの変化量(At(i)−At(i−1))と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量(Ar(i)−Ar(i−1))と、の間の差分が大きくなるほど大きくなる第2パラメータ(加速度変化差分値D(i))を求め、前記第2パラメータが所定の第2閾値(Dth1)よりも大きいという第2条件(冠水判定条件の(B1)を参照。)が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定する(ステップ320乃至ステップ330)。
従って、第1推定装置は、第1パラメータとしての加速度差分値Z(i)に基づいて、車両10が冠水している路面を走行中であるか否かを判定している。その結果、第1推定装置は、ワイパー作動速度等を用いて路面冠水の有無を判定する従来システムに比較して、車両10が冠水した路面を走行しているか否かをより正確に判定することができる。
更に、第1推定装置は、第2パラメータとしての加速度変化差分値D(i)に基づいて、車両10が冠水している路面を走行中であるか否かを判定している。その結果、第1推定装置は、登坂路を走行中に路面が冠水していると誤って判定する可能性を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る路面の推定装置(以下、「第2推定装置」とも称呼される。)について説明する。ところで、第1推定装置の情報提供装置21は、第1パラメータとしての加速度差分値Zと、第2パラメータとしての加速度変化差分値Dと、に基づいて冠水有無の判定を行っていた。これに対し、第2推定装置の情報提供装置22は、第1パラメータとして後述する加速度差分指標値Izを用い、第2パラメータとして後述する加速度変化指標値Idを使用して冠水有無の判定を行う点のみにおいて、情報提供装置21と相違する。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
加速度差分指標値Iz(i)及び加速度変化指標値Id(i)は、「データIDが『i−k−1』から『i』までの走行データDtr(即ち、所定数k個の走行データDtr)」のそれぞれに基づいて算出される。本例において、所定数kは「200」である。
より具体的に述べると、情報提供装置22の演算部31は、データID=iに対応する加速度差分指標値Iz(i)を下式(8)に基づいて算出する。
Figure 0006369408

ここで、Az(i)は、加速度差分値Z(i−k−1)から加速度差分値Z(i)
までの各加速度差分値Zの平均である。
より具体的には、平均Azは、「所定時間Δt毎に取得される加速度差分値Z」の所定数k個の値の平均である。即ち、平均Azは、本例においては(10ミリ秒×200個=)2秒間における加速度差分値Zの平均値である。
式(8)から理解されるように、加速度差分指標値Izは、加速度差分値Zと、加速度差分値Zの所定期間Du(本例において、2秒間)における分散(以下、分散Dzとも表記される。)と、の積である(即ち、Iz=Z×Dz)。分散Dz(i)は、平均Az(i)と、加速度差分値Z(i−k−1)から加速度差分値Z(i)までの各加速度差分値Zと、の間の差分が大きいほど大きくなる。従って、所定期間Du内に加速度差分値Zが急激に増加すれば、分散Dzは大きな値となる。
一方、所定期間Du内に車両10が路面の段差、小さい水たまり及びマンホール蓋等を越えて走行した場合(即ち、路面状況が一時的に変化した場合)、加速度差分値Zは一時的に変動する。しかし、この場合の分散Dzと、路面状況の一時的な変化が無かったと仮定した場合の分散Dzと、の間の差分は比較的小さい。
即ち、分散Dzは、所定期間Duにおける路面状況の一時的な変化による影響を排除した上で加速度差分値Zの増加量の大小を表す指標として用いることができる。従って、加速度差分指標値Izは、加速度差分値Zと分散Dzとの積であるので、元々の加速度差分値Zが大きく且つ所定期間Du内に加速度差分値Zが急激に上昇したときに大きな値となる一方、路面状況の一時的な変化による影響は小さい。
加えて、演算部31は、データID=iに対応する加速度変化指標値Id(i)を下式(9)に基づいて算出する。
Figure 0006369408

ここで、Ad(i−k)は、加速度変化差分値D(i−k−1)から加速度変化差分
値D(i)までの各加速度変化差分値Dの平均である。
式(9)から理解されるように、加速度変化指標値Idは、各加速度変化差分値Dの所定期間Duにおける分散である。従って、加速度差分指標値Izと同様に、加速度変化指標値Idは、所定期間Du内に加速度変化差分値Dが急激に上昇したときに大きな値となる一方、路面状況の一時的な変化による影響は小さい。
第2推定装置が用いる冠水判定条件は、以下の総ての条件が成立しているときに成立する条件である。なお、下記の条件(B2)は省略してもよい。
(A2)加速度差分指標値Iz(i)が所定の閾値Zth2より大きく
(即ち、Iz(i)>Zth2)、
(B2)加速度変化指標値Id(i)が所定の閾値Dth2より大きく
(即ち、Id(i)>Dth2)、且つ、
(C)車両10が前進し且つ加速している、
ときに成立する。
<具体的作動>
情報提供装置22に係る演算部31が備えるCPUの具体的な作動を図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4のフローチャートに示されたステップであって図3のフローチャートに示されたステップと同様の処理が実行されるステップには図3と同一のステップ符号が付されている。
CPUは、図4にフローチャートにより表された「冠水判定処理ルーチン」を所定時間Δtが経過する毎に実行する。即ち、適当なタイミングとなると、CPUは、ステップ400から処理を開始してステップ305に進む。
CPUは、ステップ310にて「Yes」と判定したとき、ステップ415に進む。
ステップ415にてCPUは、理論加速度At(i)、加速度差分指標値Iz(i)及び加速度変化指標値Id(i)を上記式(1)、式(8)及び式(9)のそれぞれに従って算出する。次いで、CPUは、ステップ420に進み、上記冠水判定条件が成立しているか否かを判定する。
冠水判定条件が成立していれば、CPUは、現在位置Ps(i)が冠水していると判定(推定)し、ステップ420からステップ325に進んで冠水時処理を行う。
その後、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ420にて冠水判定条件が成立していないと判定すると、ステップ420にて「No」と判定してステップ330に進み、非冠水時処理を行う。
その後、CPUは、ステップ495に進む。
なお、CPUは、ステップ310にて「No」と判定すると、ステップ495に直接進む。
以上説明したように、第2推定装置(情報提供装置22)は、
前記第1パラメータとして、前記理論加速度(At(i))と前記実際の加速度(Ar(i))との間の差分である加速度差分値(Z(i))を求めるとともに、前記加速度差分値の所定期間(Du)における分散(Dz(i))と、前記加速度差分値の現時点における値と、の積(加速度差分指標値Iz(i))を求めるように構成されている(ステップ415)。
加えて、第2推定装置(情報提供装置22)は、
前記第2パラメータとして、前記理論加速度の所定時間(Δt)あたりの変化量と、前記車両の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分(加速度変化差分値D(i))の所定期間における分散(加速度変化指標値Id(i))を求めるように構成されている(ステップ415)。
従って、第2推定装置は、第1パラメータとしての加速度差分指標値Iz(i)に基づいて、車両が冠水している路面を走行中であるか否かを判定している。加えて、第2推定装置は、第2パラメータとしての加速度変化指標値Id(i)に基づいて、車両が冠水している路面を走行中であるか否かを判定している。その結果、一時的な路面状況の変化があった場合であっても車両10が冠水した路面を走行しているか否かをより正確に判定することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る路面の冠水推定システム(以下、「本推定システム」とも称呼される。)について説明する。第1実施形態の情報提供装置21は、冠水判定条件が成立したとき、車両10の走行位置(現在位置Ps)に冠水が発生していると推定していた。これに対し、第3実施形態の情報提供装置23は、冠水判定条件が成立しているか否か(即ち、冠水判定結果)を冠水地点推定サーバ60にて推定する。冠水地点推定サーバ60は、複数の車両10から受信した情報に基づいて地図データベース上の各地点に冠水が発生しているか否かを推定する。以下、この相違点を中心に説明する。
本推定システムは、図5に示される車両10に搭載される情報提供装置23、及び、車両10のそれぞれと通信を行う冠水地点推定サーバ60により具現化される。
第3実施形態に係る情報提供装置23は、第1実施形態に係る情報提供装置21と異なり、通信部39を備えている。
通信部39は、ネットワーク50を介して冠水地点推定サーバ60とデータ通信を行うようになっている。ネットワーク50は、携帯電話網(無線データ通信網を含む)及びインターネット網を含む周知の広域通信網である。
冠水地点推定サーバ60は、中央処理部71、中央通信部72及びデータベース73を含んでいる。
中央処理部71は、周知の汎用コンピュータを含む電子回路であり、CPU、HDD、RAM及びインターフェース(I/F)等を含んでいる。中央処理部71のHDDは、CPUが実行するプログラムを記憶している。
中央通信部72は、ネットワーク50を介して車両10のそれぞれとデータ通信を行う。
データベース73は、データベース33と同様に、地図データベースを記憶している。データベース73は、更に、車両10から受信した冠水推定結果の集合である冠水推定情報データベース、及び、冠水が発生していると推定された地点の集合である冠水地点データベースを記憶している。
<冠水情報集計処理の概要>
車両10のそれぞれは、所定時間Δtが経過する毎に上記冠水判定条件が成立しているか否かを判定し、判定結果を冠水判定位置である現在位置Psと共に冠水地点推定サーバ60へ送信する。
中央処理部71は、車両10のそれぞれから受信した冠水判定結果及び冠水判定位置の組合せを冠水判定結果Faとして冠水推定情報データベースへ追加する。
中央処理部71は、新たに追加された冠水判定結果Faを所定の集計間隔Di(本例において、15分)毎に集計する冠水情報集計処理を実行する。データベース73に記憶された地図データベースに含まれる道路上の地点Pa1を例に、冠水情報集計処理の概要を説明する。
中央処理部71は、前回、冠水情報集計処理が実行された後に車両10から送信された地点Pa1に関する冠水判定結果Faをデータベース73から抽出する。中央処理部71は、「抽出された冠水判定結果Faの総数Faa」に対する「冠水判定条件が成立していた冠水判定結果Faの数Fap」の割合を冠水検出率Frとして算出する(即ち、Fr=Fap/Faa)。中央処理部71は、冠水検出率Frを地点毎、世代毎にデータベース73に記憶させる。
最新の冠水検出率FrはFr1、1世代前(即ち、前回、冠水情報集計処理が実行されたときに算出された冠水検出率Fr)の冠水検出率FrはFr2、そして、2世代前の冠水検出率FrはFr3とも表記される。冠水検出率Fr3<冠水検出率Fr2<冠水検出率Fr1の関係が成立していれば、即ち、冠水検出率Frが継続して増加していれば、中央処理部71は、地点Pa1に冠水が発生したと判定する。
その後、中央処理部71が冠水情報集計処理を実行したとき、地点Pa1に関する冠水検出率Frが所定の閾値Frthよりも小さければ(即ち、Fr<Frthであれば)、中央処理部71は、地点Pa1に冠水が発生していない(冠水が解消された)と判定する。
中央処理部71は、地点Pa1に冠水が発生したと判定したとき及び地点Pa1の冠水が解消されたと判定したとき、冠水地点データベースを更新する。
中央処理部71は、地図データベースに含まれる道路上の地点Pa1以外の各地点に対しても同様に冠水情報集計処理を実行する。加えて、中央処理部71は、車両10のそれぞれに対して冠水地点データベースの内容(冠水発生地点の集合)を配信する。
車両10のそれぞれが備える情報提供装置23の演算部31は、受信した冠水地点データベースの内容をデータベース33に記憶させる。加えて、演算部31は、目的地までの経路(案内ルート)に冠水発生地点が含まれていれば、冠水地点を通らない迂回路を取得し、その迂回路を新たな案内ルートとして運転者に案内する。
<車両側の具体的作動>
情報提供装置23に係る演算部31が備えるCPUの具体的な作動を図6のフローチャートを参照しながら説明する。図6のフローチャートに示されたステップであって図3のフローチャートに示されたステップと同様の処理が実行されるステップには図3と同一のステップ符号が付されている。
なお、情報提供装置23が実行する上述した「冠水地点推定サーバ60から冠水発生地点情報を受信し、その情報をデータベース33に記憶させる処理」及び「冠水発生地点情報に基づいて冠水発生地点を迂回するルートを運転者に案内する処理」については詳細な説明を割愛する。
CPUは、図6にフローチャートにより表された「冠水判定処理ルーチン」を所定時間Δtが経過する毎に実行する。即ち、適当なタイミングとなると、CPUは、ステップ600から処理を開始してステップ305に進む。
CPUは、ステップ315を実行した後、ステップ620に進んで図3のステップ320と同様の処理により冠水判定条件が成立しているか否かを判定する。次いで、CPUは、ステップ625に進んで判定結果(即ち、冠水判定条件が成立しているか否か)及び現在位置Ps(i)を冠水地点推定サーバ60へ送信する。次いで、CPUは、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPUは、ステップ310にて「No」と判定したとき、ステップ695に直接進む。
<サーバ側の具体的作動>
冠水情報集計処理の実行時における中央処理部71が備えるCPUの具体的な作動を図7にフローチャートにより表された「冠水情報集計処理ルーチン」を参照しながら説明する。CPUは、本ルーチンを集計間隔Diが経過する毎に実行する。
即ち、適当なタイミングとなると、CPUは、ステップ700から処理を開始して以下に述べるステップ705乃至ステップ715の処理を順に実行する。
ステップ705:CPUは、冠水発生の有無を判定する地点(冠水判定地点)Paを地図データベースから抽出する。
ステップ710:CPUは、本ルーチンが前回実行された後に冠水推定情報データベースに追加された冠水判定地点Paに関する冠水判定結果Faを抽出する。
ステップ715:CPUは、抽出された冠水判定結果Faに基づいて冠水検出率Fr(即ち、冠水検出率Fr1)を算出し、その冠水検出率Frを冠水判定地点Paと共にデータベース73に記憶させる。
次いで、CPUは、ステップ720に進んで冠水判定地点Paが冠水地点データベースに冠水発生地点として登録されていないか否かを判定する。冠水判定地点Paが冠水発生地点として登録されていなければ、CPUは、ステップ720にて「Yes」と判定してステップ725に進み、冠水判定地点Paに関する冠水検出率Fr2及び冠水検出率Fr3をデータベース73から抽出する。
次いで、CPUは、ステップ730に進み、冠水検出率Fr1、冠水検出率Fr2及び冠水検出率Fr3に基づいて冠水検出率Frが継続して増加しているか否か(即ち、Fr3<Fr2<Fr1の関係が成立しているか否か)を判定する。冠水検出率Frが継続して増加していれば、CPUは、ステップ730にて「Yes」と判定してステップ735に進み、冠水判定地点Paにて冠水が発生したと判定する。更に、CPUは、冠水が発生したと判定された冠水判定地点Paを冠水地点データベースに追加する。次いで、CPUは、ステップ740に進む。
一方、冠水検出率Frが継続して増加していなければ、CPUは、ステップ730にて「No」と判定してステップ740に直接進む。
ステップ740にてCPUは、冠水発生を判定すべき全ての地点について冠水情報の集計処理が完了したか否かを判定する。全ての対象地点について処理が完了していれば、CPUは、ステップ740にて「Yes」と判定してステップ745に進み、更新された冠水地点データベースを車両10のそれぞれに配信する。次いで、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、全ての地点について処理が完了していなければ、CPUは、ステップ740にて「No」と判定してステップ705に戻り、処理が完了していない他の地点を冠水判定地点Paとして選択する。
或いは、冠水判定地点Paが冠水地点データベースに冠水発生地点として登録されていれば、CPUは、ステップ720にて「No」と判定してステップ750に進み、冠水検出率Frが閾値Frthよりも小さいか否かを判定する。冠水検出率Frが閾値Frthよりも小さければ、CPUは、ステップ750にて「Yes」と判定してステップ755に進み、冠水判定地点Paにおける冠水が解消したと判定する。更に、CPUは、冠水が解消したと判定された冠水判定地点Paを冠水地点データベースから削除する。次いで、CPUは、ステップ740に進む。
一方、冠水検出率Frが閾値Frth以上であれば、CPUは、ステップ750にて「No」と判定してステップ740に直接進む。
本推定システムによれば、多数の地点に関して(即ち、広域における)冠水発生の有無を正確に推定することが可能となる。加えて、各車両の情報提供装置は、走行経路上に冠水地点が含まれているか否かを事前に認識し、冠水地点を含まない迂回ルートを運転者に案内することができる。
以上、本発明に係る路面の冠水推定装置及び路面の冠水推定システムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る情報提供装置は、車両10の運転者に対して案内ルートを案内する経路案内機能を提供していた。しかし、各情報提供装置は、経路案内機能を備えていなくても良い。
加えて、各実施形態に係る情報提供装置はトルクセンサ36を用いて実トルクTqを取得していた。しかし、各情報提供装置は、他の方法により実トルクTqを取得しても良い。例えば、各情報提供装置は、「車両10の駆動源(エンジン)に吸入された空気量」及び「吸入空気内に噴射された燃料量」に基づいて実トルクTqを取得しても良い。
加えて、各実施形態に係る情報提供装置は、車速Vsに基づいて実加速度Arを取得していた。各情報提供装置は、加速度センサを備え、その加速度センサの出力に基づいて実加速度Arを取得しても良い。
加えて、各実施形態に係る情報提供装置は、GPS衛星40からの信号に基づいて現在位置Psを取得していた。しかし、各情報提供装置は、GPS衛星40からの信号に加えて、車速Vsも用いて現在位置Psを取得しても良い。即ち、各情報提供装置は、GPS衛星40からの信号に基づいて算出される現在位置Psを車速Vsに基づいて補正しても良い。
加えて、各実施形態に係る情報提供装置は、冠水判定条件に条件(C)を含んでいた。しかし、各情報提供装置は、冠水判定条件における条件(C)を割愛しても良い。或いは、各情報提供装置は、条件(C)に含まれる条件(c1)から条件(c5)の一部を割愛しても良い。加えて、各情報提供装置は、条件(c3)に替わり、「条件(c3’)車両10が備えるストップランプが点灯していない」を冠水判定条件に加えても良い。
加えて、各実施形態に係る情報提供装置は、冠水判定条件が成立しているか否かを判定していた。しかし、各情報提供装置は、走行データDtr(i)をデータ通信によって結ばれたサーバに送信し、そのサーバが冠水判定条件が成立しているか否かを判定しても良い。即ち、各情報提供装置が実行していた演算処理の一部は、サーバによって実行されても良い。
加えて、第3実施形態に係る情報提供装置23は、第1実施形態と同様に、加速度差分値Z及び加速度変化差分値Dに基づく冠水判定条件を用いていた。しかし、情報提供装置23は、第2実施形態と同様に、加速度差分指標値Iz及び加速度変化指標値Idに基づく冠水判定条件を用いても良い。
加えて、第3実施形態に係る冠水地点推定サーバ60は、冠水検出率Frが継続して増加していれば(即ち、Fr3<Fr2<Fr1の関係が成立していれば)、冠水判定地点Paが冠水していると推定していた。しかし、冠水地点推定サーバ60は、冠水検出率Fr1が所定の閾値Frth0よりも大きければ、冠水判定地点Paが冠水していると推定しても良い。
車両…10、情報提供装置…21、演算部…31、受信部…32、データベース…33、表示装置…34、車速センサ…35、トルクセンサ…36、アクセルペダルセンサ…37、ブレーキペダルセンサ…38、通信部…39、GPS衛星…40。

Claims (5)

  1. 車両の実際の加速度を取得する加速度取得部と、
    前記車両に搭載された駆動源から同車両の車輪に伝達される実際のトルクを取得するトルク取得部と、
    前記取得される実際の加速度及び前記取得される実際のトルクを用いて所定の冠水判定条件が成立しているか否かを判定し、前記冠水判定条件が成立していると判定した場合に前記車両が走行している路面が冠水していると推定する推定部と、
    を備え、
    前記推定部は、
    前記取得される実際のトルクに基づいて前記車両が冠水していない平坦な路面を走行している場合における同車両の加速度である理論加速度を求め、前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分が大きいほど大きくなり且つ当該差分の所定期間における増加量が大きいほど大きくなる第1パラメータを求め、少なくとも前記第1パラメータが所定の第1閾値よりも大きいという第1条件、が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定するように構成された、
    路面の冠水推定装置。
  2. 請求項1に記載の路面の冠水推定装置において、
    前記推定部は、
    前記第1パラメータとして、前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分である加速度差分値を求めるとともに、前記加速度差分値の前記所定期間における分散と、前記加速度差分値の現時点における値と、の積を求めるように構成された路面の冠水推定装置。
  3. 車両の実際の加速度を取得する加速度取得部と、
    前記車両に搭載された駆動源から同車両の車輪に伝達される実際のトルクを取得するトルク取得部と、
    前記取得される実際の加速度及び前記取得される実際のトルクを用いて所定の冠水判定条件が成立しているか否かを判定し、前記冠水判定条件が成立していると判定した場合に前記車両が走行している路面が冠水していると推定する推定部と、
    を備え、
    前記推定部は、
    前記取得される実際のトルクに基づいて前記車両が冠水していない平坦な路面を走行している場合における同車両の加速度である理論加速度を求め、
    前記理論加速度と前記実際の加速度との間の差分が大きくなったときに大きくなる第1パラメータ、及び、前記理論加速度の所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分が大きくなったときに大きくなる第2パラメータを求め、
    少なくとも前記第1パラメータが所定の第1閾値よりも大きいという第1条件、及び、前記第2パラメータが所定の第2閾値よりも大きいという第2条件が成立するときに前記冠水判定条件が成立していると判定する、
    ように構成された路面の冠水推定装置。
  4. 請求項3に記載の路面の冠水推定装置において、
    前記推定部は、
    前記第2パラメータとして、前記理論加速度の前記所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分を求めるように構成された路面の冠水推定装置。
  5. 請求項3に記載の路面の冠水推定装置において、
    前記推定部は、
    前記第2パラメータとして、前記理論加速度の前記所定時間あたりの変化量と、前記実際の加速度の前記所定時間あたりの変化量と、の間の差分の所定期間における分散を求めるように構成された路面の冠水推定装置。
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