発明の詳細な説明
本願は、それぞれ参照としてその全体が本書に組み込まれる、2012年10月24日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第61/718、169号、および2013年5月6日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第61/820、035の優先権を主張する。
〔政府の利権]
本発明はアメリカ合衆国保健福祉省の一機関である国立衛生研究所との共同研究開発協定の実施により作成された。アメリカ合衆国政府は本発明に一定の権利を有する。
〔1.技術分野〕
ある観点において、本書に記載されるのは、IL−15を介した免疫機能を強化するための、インターロイキン15レセプターα(“IL−15Ra”)に共有結合または非共有結合で結合されたインターロイキン15(“IL−15”)を含んでいる複合体の患者への投与のための周期性の投与計画である。ある観点において、これらの周期性の投与計画は、IL−15投与に関連する毒性を最小化させながら、基底レベルを超えるIL−15の血漿レベルを達成する。特定の観点において、周期性の投与計画は、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益である疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、およびリンパ球の減少など)を予防、処置、および/または管理において有効である。また、本明細書に記載されているのは、精製された可溶型のIL−15Ra、可溶型のIL−15Raを組み換え発現する細胞、および可溶型のIL−15Raに共有結合または非共有結合されたIL−15の複合体を含んでいる組成物である。本明細書にさらに記載されているのは、細胞外ドメインの切断部位において変異または欠失を含んでいるIL−15Ra派生体(IL−15Raの細胞外ドメインおよび異種分子の膜貫通ドメインを含んでいるIL−15Ra派生体が挙げられる)を組み換え発現する宿主細胞である。さらに、本明細書に記載されているのは、IL−15応答性の細胞を増殖、活性化および/または分化させる方法であって(複数の)IL−15反応性細胞を、IL−15Raを組み換え発現する(複数の)宿主細胞と共に、ある期間共培養すること、およびIL−15Ra反応性細胞を当該(複数の)宿主細胞から単離することを包含している、方法である。免疫細胞であるIL−15反応性細胞は種々の疾患(癌、感染症、免疫不全およびリンパ球減少が挙げられる)の予防、処置および/または管理のために投与され得る。さらに本明細書に記載されているのは、IL−15に仲介された免疫機能を強化する方法、ならびに、IL−15に仲介された免疫機能を強化することが有益である、対象における癌などの疾患の予防、処置および/または管理のための方法であって、本明細書に記載されているIL−15Raを組み換え発現している宿主細胞を対象へ投与することを包含している、方法である。
〔2.背景技術〕
サイトカインであるインターロイキン15(IL−15)は、体内の多くの細胞で生産される、リンホカインの4αヘリックスバンドルファミリーの一員である。IL−15は、自然免疫システムおよび獲得免疫システムの双方(例えば侵入した病原体に応答する記憶T細胞の反応の維持、アポトーシスの阻害、樹状細胞の活性化、ならびにナチュラルキラー(NK)細胞増殖および細胞毒性活性の誘導など)の活性の調節において中心的な役割を担っている。
IL−15レセプターは3つのポリペプチド、すなわちタイプ特異的IL−15レセプター(“IL−15Ra”)、IL−2/IL−15レセプターβ(またはCD122)(“β”)、および複数のサイトカインレセプターによって共有されるγ鎖(またはCD132)(“γ”)からなる。IL−15Raは幅広い種類の細胞型において発現すると考えられるが、βおよびγとの結合においては必須ではない。IL−15のシグナリングは、肥満細胞に見られる、IL−15Ra、β、およびγのヘテロダイマー複合体を通じて、;βおよびγのヘテロダイマー複合体を通じて;またはサブユニットであるIL−15RXを通じて示されている。
IL−15は可溶性タンパク質であるが、内在性IL−15は血清または体液中において容易に検出可能ではない。そのかわり、主に、いくつかのタイプの補助細胞によって発現または獲得される膜に結合した形態として生ずる。例えば、IL−15mRNAは造血細胞および非造血細胞の両方の系統で検出されるが、T細胞はIL−15を生産しない。そのかわり、IL−15はIL−15Raに結合し、T細胞において細胞表面複合体を形成する。IL−15は、レセプターの細胞外ドメインのエクソン2における“sushiドメイン”を介して、高い親和性でIL−15Raに特異的に結合する。エンドソーム経由の再生および細胞表面へ戻る移動の後、これらのIL−15複合体は、隣接するIL−15Rβγ低親和性レセプター複合体を発現しているバイスタンダー細胞を活性化するための特性を獲得し、Jak/Stat経路介したIL−15に仲介されるシグナリングを誘導する。レセプターの膜貫通ドメインの末端すぐの細胞外ドメインにおける切断部位で切断される、天然に生じる可溶型のIL−15Ra(“sIL−15Ra”)が観察されている。腫瘍壊死因子α変換酵素(TACE/ADAM17)が、このプロセスに関与するプロテアーゼとして示唆されている。
存在するデータの他の解釈は、IL−15RaはIL−15に対して非常に高い親和性を発達させており、常に同一の細胞においてIL−15と共発現しているというものである。前記2つの分子は、小胞体においてヘテロダイマー複合体を形成し、細胞膜へ輸送される(Bergamaschi et al., 2012, Blood120:e1-e8.等を参照)。このヘテロダイマー複合体は、IL−2/IL−15βγレセプターに結合し、Jac/Stat経路を通じて細胞を活性化することができる。それゆえ、データのこの解釈に基づくと、IL−15Raおよび可溶型のsIL−15Raはサイトカインの一部であって、レセプターの一部ではない(同上)。
免疫システムにおけるその広範な役割に基づき、IL−15が仲介した機能を調節するよう設計された様々な治療法が探究された。例えば、外来性のIL−15の投与は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者の免疫機能を強化することができる。その免疫強化活性と調和して、内在性IL−15の発現の増加が、自己免疫疾患(例えば関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、および乾癬)の患者において観察される。いくつかの研究において、可溶型のIL−15Ra(sIL−15Ra)はIL−15に仲介されるシグナリングのアンタゴニストであることが報告されているため、sIL−15Raは自己免疫炎症性疾患の処置のために調査されている。それにもかかわらず、近年の研究は、IL−15は、sIL−15Raまたはsushiドメインと複合化したときに免疫強化活性を維持していることを示唆している。
IL−15の機能の理解においてなされた進歩の程度にも関わらず、どれほど様々な形態のIL−15Raが単独でまたはIL−15と複合化して、IL−15の機能を調節するために治療計画の一部として使用できるかは明らかではない。
〔3.概要〕
1つの観点において、本書に記載されるのは、精製された可溶型のヒトIL−15Raである。特定の実施形態において、本書に記載されるのは、精製された可溶型のヒトIL−15Raであって、(a)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(b)ヒトIL−15Raの可溶型のC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(c)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列のC末端に存在する、(d)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列のC末端に存在する、(e)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列のC末端に存在する、または(f))可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列のC末端に存在する、可溶型のヒトIL−15Raである。いくつかの実施形態において、精製された可溶型のヒトIL−15Raのは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。
特定の実施形態において、本明細書に提供されているのは、グリコシル化がIL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上、または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにまたはグリコシル化されている、精製された可溶型のIL−15Raである。一実施形態において、IL−15Raの精製された可溶型は、精製された可溶型のヒトIL−15Raである。特定の実施形態において、精製された、グリコシル化された可溶型のヒトIL−15Raは、IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/またはIL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている。特定の実施形態において、精製され、グリコシル化された可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。
いくつかの実施形態において、精製された可溶型のヒトIL−15Raは、IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/またはIL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている。特定の実施形態において、精製された可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。
ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、本明細書記載の任意の可溶型のIL−15Raを含んでいる組成物である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、本明細書に記載されている任意の可溶型のIL−15RaのIL−15との複合体を含んでいる組成物である。一実施形態において、組成物のIL−15は、ヒトIL−15である。特定の実施形態において、組成物のヒトIL−15は、配列番号1のアミノ酸配列を含んでいるか、配列番号1の49〜162番目のアミノ酸残基を含んでいる。いくつかの実施形態において、組成物は医薬組成物である。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒトIL−15Raを切断する内在性のプロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸の置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含んでいる、IL−15Ra派生体である。ある実施形態において、IL−15Ra派生体は、(i)ヒトIL−15Raを切断する内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26番)において、1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメイン、および(ii)ヒトIL−15Raの膜貫通ドメインの全体または断片の代わりに異種分子の膜貫通ドメインの全体または断片を含んでいる、IL−15Ra派生体である。膜貫通ドメインを有する異種分子の特定の例はCD4およびCD8を含んでいる。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、本明細書に記載されているいずれかの形態のIL−15Ra(例えば単独で、またはIL−15と組み合わせて)を組み換え発現する宿主細胞である。ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、本明細書に記載のいずれかの形態のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞であって、(a)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(b)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(c)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列のC末端に存在する、(d)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列のC末端に存在する、(e)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列のC末端に存在する、または(f)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列のC末端に存在する、本明細書に記載のいずれかの形態のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞である。特定の実施形態において、本明細書に提供されているのは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞である。
ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、グリコシル化がIL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上、または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにグリコシル化されている、IL−15Raを組み換え発現する宿主細胞である。一実施形態において、グリコシル化された可溶型のIL−15Raは、可溶型のヒトIL−15Raである。ある実施形態において、グリコシル化された可溶型のヒトIL−15Raは、IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/またはIL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている。特定の実施形態において、グリコシル化された可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞であって、IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/またはIL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている、可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞である。特定の実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raの派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、IL−15Ra派生体は、ヒトIL−15Raを切断する内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含んでいる、宿主細胞である。ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、IL−15Ra派生体は(i)内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメイン、および(ii)ヒトIL−15Raの膜貫通ドメインの全体または断片の代わりに異種分子の膜貫通ドメインの全体または断片を含んでいる、宿主細胞である。膜貫通ドメインを有する異種分子の特定の例はCD4およびCD8を含んでいる。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチドを組み換え発現する宿主細胞を、IL−15反応性細胞を刺激するためのフィーダー細胞として使用する方法である。ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する宿主細胞を、IL−15の存在下で、IL−15反応性細胞と共に、ある期間共培養すること、および宿主細胞からIL−15Ra反応性細胞を単離することを包含している、IL−15反応性細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する、放射線照射された宿主細胞を、IL−15反応性細胞と共に、ある期間共培養すること、および宿主細胞からIL−15Ra反応性細胞を単離することを包含している、IL−15反応性細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法である。特定の実施形態において、IL−15反応性細胞は免疫細胞、ストロマ細胞、または内皮細胞(リンパ球、単球、NK細胞、骨髄性細胞および樹状細胞等)である。ある実施形態において、IL−15反応性細胞は関心対象の治療薬(例えば抗体、キメラ抗原レセプター、サイトカイン、または成長因子を発現するよう改変されている。宿主細胞からの単離後のIL−15反応性細胞は、IL−15を介した免疫機能を強化することが有益である疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、またはリンパ球の減少)を予防、処置、および/または管理するため、または免疫細胞を対象に投与することが有益である他の疾患を予防、処置、および/または管理するために、IL−15RaをIL−15に仲介される免疫機能を強化するために治療的に使用することができる。いくつかの実施形態において、IL−15反応性細胞は、IL−15反応性細胞が宿主細胞からの単離後投与される対象にとって自己由来である。
ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)およびIL−15を組み換え発現する宿主細胞を、IL−15の存在下で、IL−15反応性細胞と共に、ある期間共培養すること、および宿主細胞からIL−15Ra反応性細胞を単離することを包含している、IL−15反応性細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)およびIL−15を組み換え発現する、放射線照射された宿主細胞を、IL−15の存在下でIL−15反応性細胞と共に、ある期間共培養すること、および宿主細胞からIL−15Ra反応性細胞を単離することを包含する、IL−15反応性細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法である。特定の実施形態において、IL−15反応性細胞は、免疫細胞(リンパ球、単球、NK細胞、骨髄細胞および樹状細胞等)である。ある実施形態において、IL−15反応性細胞は関心対象の治療薬(例えば抗体、キメラ抗原レセプター、サイトカイン、または成長因子を発現するよう改変されている。宿主細胞からの単離後のIL−15反応性免疫細胞は、IL−15を仲介した免疫機能を強化することが有益である疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、またはリンパ球の減少)を予防、処置、および/または管理するため、または免疫細胞を対象に投与することが有益である他の疾患を予防、処置、および/または管理するために、IL−15に仲介される免疫機能を強化するために、治療的に使用することができる。いくつかの実施形態において、IL−15反応性細胞は、IL−15反応性細胞が宿主細胞からの単離の後投与される対象にとって自己由来である。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する宿主細胞を投与することによってIL−15に仲介される免疫機能を強化する方法である。ある実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する宿主細胞(例えば有効量の宿主細胞)を投与することを含含している方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)およびIL−15ポリペプチドを組み換え発現する宿主細胞(例えば有効量の宿主細胞)を投与することを包含している方法である。ある実施形態において、対象は癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症に罹患している、または罹患していると診断されている。特定の実施形態において、対象は黒色腫、腎細胞癌腫、肺癌(例えば非小細胞性肺癌)または結腸癌に罹患している、または罹患していると診断されている。他の特定の実施形態において、対象は転移性黒色腫、転移性腎細胞癌腫、転移性肺癌(例えば転移性非小細胞性肺癌)または転移性結腸癌に罹患している、または罹患していると診断されている。他の特定の実施形態において、対象はAIDS等の免疫不全に罹患している、または罹患していると診断されている。特定の実施形態において、対象はヒトである。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する宿主細胞(例えば有効量の宿主細胞)を投与することによって、IL−15に仲介される免疫機能の強化が有益である疾患を予防、処置および/または管理する方法である。特定の実施形態において本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)を組み換え発現する宿主細胞(例えば有効量の宿主細胞)を投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益である疾患を、予防、処置および/または管理する方法である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15Raポリペプチド(例えば本明細書に記載されているIL−15Raポリペプチド)およびIL−15ポリペプチドを組み換え発現する宿主細胞(例えば有効量の宿主細胞)を投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益である疾患を、予防、処置および/または管理する方法である。疾患の非限定的な例としては、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症が挙げられる。特定の実施形態において、疾患は黒色腫、腎細胞癌腫、肺癌(例えば非小細胞性肺癌)または結腸癌である。他の特定の実施形態において、疾患は転移性黒色腫、転移性腎細胞癌腫、転移性肺癌(例えば転移性非小細胞性肺癌)または転移性結腸癌である。他の特定の実施形態において、疾患はAIDS等の免疫不全である。特定の実施形態において、対象はヒトである。
特定の実施形態において、本明細書に開示されている方法に従って対象に投与される宿主細胞は、可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞であって、(a)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(b)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列のC末端に存在する、(c)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列のC末端に存在する、(d)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列のC末端に存在する(e)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列のC末端に存在する、または(f)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列のC末端に存在する、可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている方法に従って対象に投与される宿主細胞は、可溶型のIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞であって、可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる。特定の実施形態において、本明細書に開示されている方法に従って対象に投与される宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、当該可溶型のIL−15Ra派生体は、ヒトIL−15Raを切断する内在性のプロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸の置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含んでいる、宿主細胞である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている方法に従って対象に投与される宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、IL−15Raは、(i)ヒトIL−15Raを切断する内在性のプロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインおよび(ii)ヒトIL−15Raの膜貫通ドメインの代わりに異種分子の膜貫通ドメインを含んでいる、宿主細胞である。膜貫通ドメインを有する異種分子の特定の例は、CD4およびCD8を含んでいる。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、IL−15のシグナル変換を誘導し、IL−15に仲介される免疫機能を強化する薬剤を対象に投与することを包含する、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法である。さらに、とりわけ本明細書に提供されているのは、IL−15レセプターのβγサブユニットに結合し、IL−15のシグナル変換を誘導し、IL−15に仲介される免疫機能を強化する複合体を対象に投与ことを包含する、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、前記複合体(“IL−15/IL−15Ra複合体”または“治療薬”)はインターロイキン15レセプターα(“IL−15Ra”)に、共有結合または非共有結合されたIL−15を含んでいる、方法である。IL−15に仲介される免疫機能を強化することは、特定の疾患の予防、処置および/または管理に有益であるので、本明細書に提供されているのは、IL−15/IL−15Ra複合体を、それを必要とする対象へ投与することを包含している、当該疾患を予防、処置および/または管理するための方法である。
本明細書に記載されている方法は、一部において、IL−15/IL−15Ra複合体の皮下投与によって、複合体の静脈投与に関連する高いピーク血漿レベルおよび毒性を回避することができるという驚くべき発見に基づく。IL−15/IL−15Ra複合体の皮下投与は血漿レベルを維持しながら、血圧の低下および体温の上昇等の副作用を最小化にする。IL−15/IL−15Ra複合体の皮下投与は、副作用を最小限にしつつ、(局所作用のみならず)全身作用を達成することができる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は血圧または体温を変化させない。驚くべきことに、高い用量(50μg/kgなど)の対象への皮下投与は、最小限の毒性という結果をもたらした(例えば以下の第6節の実施例を参照)。
1つの観点において、本明細書に記載されている方法は、IL−15/IL−15Raの投与後におよそ18〜24時間またはおよそ24〜36時間、またはおよそ36〜38時間にわたって基底レベルを越えるIL−15の血漿レベルを維持する。IL−15の基底血漿レベルはヒトにおいておよそ1pg/mL、サル(例えばマカクザル)においておよそ8〜10pg/ml、およびげっ歯類(例えばマウス)において12pg/mLである。それゆえ、特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法は、血漿レベルをヒトにおいておよそ1pg/mLより高く、サル(例えばマカク)においておよそ8〜10pg/mlより高く、およびげっ歯類(例えばマウス)において12pg/mLより高く維持する。いずれの理論にも拘束されるものではないが、IL−15の血漿レベルの安定性は、リンパ球の増殖および活性化を最大化しつつ、IL−15の投与に関連するあらゆる副作用を最小限にする。一実施形態において、本明細書に記載されている方法は、およそ0.1μg/kg〜およそ10μg/kgのIL−15/IL−15Raを対象へ皮下投与することによって、基底血漿レベルを超えるIL−15の安定した血漿レベルを達成する。他の実施形態において、本明細書に記載されている方法は、およそ0.1μg/kg〜およそ20μg/kg、およそ10μg/kg〜およそ20μg/kg、およそ20μg/kg〜およそ40μg/kg、またはおよそ25μg/kg〜50μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、対象に皮下投与することによって、高いIL−15の血漿レベルを達成する。言い換えれば、本明細書に記載されているのは、IL−15に仲介される免疫機能の強化、ならびに、有効量のIL−15/IL−15Ra複合体をそれを必要とする対象に皮下投与することを包含する、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益である疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、リンパ球減少症および外傷)を予防、処置、および/または管理する方法である。
1つの観点において、本明細書に提供されているのは、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該周期性計画の各周期は、(a)第1の期間について、特定の頻度で、ある用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;および(b)第2の期間についてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを包含している、方法である。ある実施形態において、周期性の計画は2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6毎または7日毎の頻度で投与される。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、1週間に1、2、3、4、5、6、または7日投与される。いくつかの実施形態において、第1および第2の期間は同一の期間である。他の特定の実施形態において、第1および第2の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間にわたる。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1週間〜2ヶ月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、1〜2週間、3週間、2週間または1週間にわたる。特定の実施形態において、第一の周期および後続の各周期の用量は0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜5μg/kg、または5μg/kg〜10μg/kgである。他の実施形態において、第1の周期および後続の各周期の第1の用量は0.1μg/kg〜0.5μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、1μg/kg〜3μg/kg、2μg/kg〜5μg/kg、または2μg/kg〜4μg/kgである。他の特定の実施形態において、第1の周期および後続の各周期の用量は0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg、2μg/kg、2.25μg/kg、2.5μg/kg、2.75μg/kg、3μg/kg、3.25μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.25μg/kg、4.5μg/kg、4.75μg/kg、または5μg/kgである。ある実施形態において、第1の周期の用量は、周期性の計画における1つ以上の後続の周期における用量と異なる。
一実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15/IL−15Ra複合体を周期性の計画において皮下投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該周期性計画の各周期は、(a)第1の期間について、1週間あたり特定の回数、ある用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;および(b)第2の期間についてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを包含している、方法である。ある実施形態において、周期性の計画における第1の周期に投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量は連続的に漸増される。例えば、IL−15/IL−15Ra複合体が2週間にわたり、1週間に3回対象に投与される場合、周期性の計画の第1の周期において2回目に対象に投与される用量は、1回目に投与される用量と比較して増加しており、周期性の計画の第1の周期に3回目に対象に投与される用量は、2回目に投与される用量と比較して増加しており、4回目に対象に投与される用量は、3回目に投与される用量と比較して増加しており、5回目に対象に投与される用量は、4回目に投与される用量と比較して増加しており、6回目に対象に投与される用量は、5回目に投与される用量と比較して増加している。ある実施形態において、IL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は監視される。いくつかの実施形態において、対象は副作用(血圧の低下、体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)について監視される。ある実施形態において、対象にいかなる副作用も無い場合、周期性の計画の第1の周期におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は連続的に漸増される。いくつかの実施形態において、対象が任意の有害事象(グレード3もしくは4のリンパ球減少症、グレード3の顆粒球減少症、グレード3の白血球増加症(WBC>100,000/mm3)または臓器不全)などを経験しない場合、周期性の計画の第1の期間におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は連続的に漸増される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は1週間あたり1、2、3、4、5、6、または7日投与される。ある実施形態において、周期性の計画は2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、第1および第2の期間は同一である。他の実施形態において、第1および第2の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、1〜2週間、3週間、2週間または1週間にわたる。ある実施形態において、周期性の計画の第1の周期の間の用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、または5μg/kgである。他の実施形態において、周期性の計画の第1の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、2μg/kg〜4μg/kgまたは3〜5μg/kgである。ある実施形態において、周期性の計画の第1の周期に続く周期の間に用いられる用量は、周期性の計画の第1の周期に用いられる用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kgまたは20μg/kg高い。他の実施形態において、周期性の計画の第1の周期に続く周期の間に用いられる用量は、周期性の計画の第1の周期に用いられる用量よりも0.1μg/kg〜1μg/kg、1〜5μg/kg、5μg/kg〜10μg/kg、または10〜20μg/kg高い。
特定の実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15/IL−15Ra複合体を周期性の計画において皮下投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該周期性計画の各周期は、(a)第1の期間について、特定の頻度で、第1の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;(b)第2の期間について、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないこと;および(c)第3の期間について、特定の頻度で、第2の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含している、方法である。ある実施形態において、周期性の計画は2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎または7日毎の頻度で投与される。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、1週間あたり3日投与される。いくつかの実施形態において、第1、第2および第3の期間は同一である。他の特定の実施形態において、第1、第2および第3の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1および第3の期間は1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間にわたる。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1および第3の期間は1週間、2週間、3週間、または4週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1週間〜2ヶ月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、1〜2週間、2週間または1週間にわたる。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第1および第2の用量は同一である。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第1および第2の用量は異なる。特定の実施形態において第1の用量は0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kgまたは5μg/kgである。他の実施形態において、第1の用量は0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、2μg/kg〜4μg/kg、または3μg/kg〜5μg/kgである。ある実施形態において、第2の用量は、第1の用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、5μg/kg、5.5μg/kg、6μg/kg、6.5μg/kg、7μg/kg、7.5μg/kg、8μg/kg、8.5μg/kg、9μg/kg、9.5μg/kg、または10μg/kg高い。他の特定の実施形態において、第2の用量は、第1の用量よりも0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、2μg/kg〜5μg/kg、5μg/kg〜10μg/kg、10μg/kg〜15μg/kg、15μg/kg〜20μg/kg、20μg/kg〜25μg/kg高い。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第2の用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、または3μg/kgである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第2の用量は、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、または25μg/kgである。
特定の観点において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該方法は1週間〜3週間の、IL−15/IL−15Ra複合体の対象への皮下投与の第1の期間、それに続く1週間から〜2ヶ月間の、IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない第2の期間、それに続く1週間〜3週間の、IL−15/IL−15Ra複合体の対象への皮下投与の第3の期間を含んでいる周期性の投与計画を伴っている、方法である。ある実施形態において、0.1〜10μg/kg、0.1〜8μg/kg、0.1〜5μg/kg、または0.1〜2μg/kg、または約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約1.5μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、または約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体が、周期性の投与計画の第1および第3の期間の1〜7日毎、1〜5日毎、または1〜3日毎皮下投与される。周期性の投与計画は1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回もしくはそれ以上の回数、または2〜5回、5〜10回、10〜15回、15〜20回、20〜25回もしくはそれ以上の回数実施され得る。ある実施形態において、周期性の投与計画は少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも1年間またはそれより長い期間反復される。いくつかの実施形態において周期性の投与計画は、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約1年間またはそれ以上の期間反復される。ある実施形態において、周期性の投与計画は3〜6ヶ月間、6〜9ヶ月間、6〜12ヶ月間、1〜1.5年間、1〜2年間、1.5〜2年間、またはそれ以上の期間反復される。いくつかの実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、および/または第3の期間における投与前に監視される。ある実施形態において、対象は副作用(血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)について監視される。
さらなる特定の実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該方法は、周期性の投与計画を伴っており、当該周期性の投与計画は、(i)IL−15/IL−15Ra複合体の、2週間の第1の期間の対象への皮下投与、それに続く、(ii)IL−15/IL15Ra複合体の対象に投与されない、2週間の第2の期間、それに続く(iii)IL−15/IL−15Ra複合体の2週間の第3の期間の対象への皮下投与を包含している、方法である。ある実施形態において、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体が、第1および第3の期間、1〜5日毎、1〜3日毎、または1〜3日毎に、皮下投与される。この周期性の投与計画は、1回、2回、3回、またはそれ以上の回数、実施され得る。いくつかの実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、および/または第3の期間の投与前に監視される。ある実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
一実施形態において、本明細書に提供されているのは、周期性の投与計画を利用してIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを包含している、それを必要とする対象においてIL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該周期性の投与計画は、(a)1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1〜7日毎に、1〜4日毎に、1〜3日毎に、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること;および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が投与されない1週間〜2ヶ月間の第2の期間の後、1週間〜3週間の第3の期間にわたって、1〜7日毎に、1〜5日毎に、1〜4日毎に、1〜3日毎に、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを包含している、方法である。他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、周期性の投与計画を利用してIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを包含している、それを必要とする対象においてIL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該周期性の投与計画は(a)1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1、2、3、4、5、6または7日毎に、0.1〜10μg/kg、0.1〜8μg/kg、0.1〜5μg/kg、0.1〜2.5μg/kg、0.1〜2μg/kg、または0.1〜1μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が投与されない1週間〜2ヶ月間の第2の期間の後、1週間〜3週間の第3の期間にわたって、1、2、3、4、5、6または7日毎に、0.1〜10μg/kg、0.1〜8μg/kg、0.1〜5μg/kg、0.1〜2.5μg/kg、0.1〜2μg/kgまたは0.1〜1μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含している方法である。周期性の投与計画は1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、もしくはそれ以上の回数、または2〜5回、5〜10回、10〜15回、15〜20回、20〜25回もしくはそれ以上の回数、実施される。ある実施形態において、周期性の投与計画は、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、少なくとも1年間またはそれ以上の期間反復される。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画は、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約1年間またはそれ以上の期間反復される。ある実施形態において、周期性の投与計画は、3〜6ヶ月間、6〜9ヶ月間、6〜12ヶ月間、1〜1.5年間、1〜2年間、1.5〜2年間、またはそれより以上の期間反復される。いくつかの実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、周期性の投与計画の工程(a)および(b)の各投与の後、周期性の投与計画の工程(a)および(b)の一回おきの投与の後、および/または周期性の投与計画の工程(b)の第3の期間におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与の前に監視される。ある実施形態において、対象は、周期性の投与計画の間、および/または周期性投与の中断の後に、副作用(血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)について監視される。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg〜およそ10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が対象に投与されない、12〜14日間の第2の期間の後、0.1〜10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12〜14日間の第3の期間にわたって1、2または3日毎に、対象に皮下投与することを包含している、方法である。いくつかの実施形態において、工程(a)〜(c)は2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはそれ以上の回数、反復される。ある実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、工程(a)〜(c)は2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはそれ以上の回数、反復される。ある実施形態において、対象のIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含している、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益な疾患(例えば癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理する方法であって、当該周期性の計画の各周期は、(a)第1の期間について、ある頻度で、ある用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;および(b)第2の期間について、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを包含している、方法である。ある実施形態において、周期性の計画は2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎または7日毎の頻度で投与される。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、1週間あたり1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日の頻度で投与される。ある実施形態において、第1および第2の期間は同一である。他の実施形態において、第1および第2の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体が投与される第1の期間は1週間〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1週間〜2ヶ月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、1〜2週間、3週間、2週間または1週間にわたる。特定の実施形態において、第1の周期およびそれに続く各周期における用量は0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜5μg/kg、または5μg/kg〜10μg/kgである。他の実施形態において、第1の周期およびに続く各周期における用量は、0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜5μg/kg、または5μg/kg〜10μg/kgである。他の実施形態において、第1の周期およびそれに続く各周期の用量は0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg、2μg/kg、2.25μg/kg、2.5μg/kg、2.75μg/kg、3μg/kg、3.25μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.25μg/kg、4.5μg/kg、4.75μg/kg、または5μg/kgである。ある実施形態において、第1の周期において使用される用量は、周期性の計画の続く1周期以上において使用される用量と異なる。
一実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益である疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理する方法であって、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含しており、当該周期性の計画の各周期は、(a)第1の期間について、1週間あたり特定の回数、ある用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;および(b)第2の期間について、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを包含している、方法である。特定の実施形態において、周期性の計画における第1の期間に投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量は連続的に漸増される。例えば、IL−15/IL−15Ra複合体が2週間にわたり、1週間あたり3回対象に皮下投与される場合、第1の期間において対象に2回目に投与される用量は、一回目に投与される用量と比較して増加しており、第1の期間において対象に3回目に投与される用量は、2回目に投与される用量と比較して増加しており、対象に4回目に投与される用量は、3回目に投与される用量と比較して増加しており、対象に5回目に投与される用量は、4回目に投与される用量と比較して増加しており、対象に6回目に投与される用量は、5回目に投与される用量と比較して増加している。ある実施形態において、IL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は監視される。いくつかの実施形態において、対象は副作用(血圧の低下、体温の上昇および/または血漿中サイトカインの増加など)について監視される。ある実施形態において、対象にいかなる副作用も無い場合、周期性の計画の第1の期間におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は連続的に漸増される。いくつかの実施形態において、対象が任意の有害事象(例えばグレード3もしくは4のリンパ球減少症、グレード3の顆粒球減少症、グレード3の白血球増加症(WBC>100,000/mm3)または臓器不全など)を経験しない場合、周期性の計画の第1の期間におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は連続的に漸増される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は1週間に1、2、3、4、5、6または7日投与される。ある実施形態において、周期性の計画は2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、第1および第2の期間は同一である。他の実施形態において、第1および第2の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間にわたる。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1週間〜2ヶ月、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、1〜2週間、3週間、2週間または1週間にわたる。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の間の用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、または5μg/kgである。他の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、2μg/kg〜4μg/kgまたは3〜5μg/kgである。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期に続く周期の間に用いられる用量は、周期性の計画の第1の周期の間に用いられる用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kgまたは20μg/kg高い。他の実施形態において、周期性の計画の第1の周期に続く周期の間に用いられる用量は、周期性の投与計画の第1の周期の間に用いられる用量よりも0.1μg/kg〜1μg/kg、1〜5μg/kg、5μg/kg〜10μg/kgまたは10〜20μg/kg高い。
他の観点において、本明細書に提供されているのは、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含しておりIL−15に仲介される免疫機能を強化することが有益な疾患(例えば癌、感染症、免疫不全、またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理する方法であって、当該周期性の計画は(a)第1の期間について、1週間あたり特定の回数特定の頻度で、第1の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること;(b)第2の期間について、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないこと;および(c)第3の期間について、特定の頻度で、第2の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを包含している、方法である。ある実施形態において、周期性の投与計画は2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上の回数、反復される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎または7日毎の頻度で投与される。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、1週間あたり1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日投与される。ある実施形態において、第1、第2および第3の期間は同一である。他の実施形態において、第1、第2および第3の期間は異なる。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1および第3の期間は1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間にわたる。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の投与のための第1および第3の期間は1週間、2週間、3週間または4週間にわたる。いくつかの実施形態において、第2の期間は1週間〜2ヶ月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、1〜3週間、2週間または1週間にわたる。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第1および第2の用量は同一である。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第1および第2の用量は異なる。特定の実施形態において、第1の用量は0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kgまたは3μg/kgである。ある実施形態において、第2の用量は、第1の用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.5μg/kg、5μg/kg、5.5μg/kg、6μg/kg、6.5μg/kg、7μg/kg、7.5μg/kg、8μg/kg、8.5μg/kg、9μg/kg、9.5μg/kgまたは10μg/kg高い。他の特定の実施形態において、第2の用量は、第1の用量よりも0.1μg/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜2μg/kg、2μg/kg〜5μg/kg、5μg/kg〜10μg/kg、10μg/kg〜15μg/kg、15μg/kg〜20μg/kg、20μg/kg〜25μg/kg高い。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第2の用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kgまたは3μg/kgである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の第2の用量は、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kgまたは25μg/kgである。
特定の局面において、本明細書に提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患を予防、処置および/または管理する方法であって、当該方法は、周期性の投与計画を伴っており、当該周期性の投与計画は、(i)IL−15/IL−15Ra複合体の、1週間〜3週間の第1の期間の前記対象への皮下投与、それに続く、(ii)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、1週間〜2か月の第2の期間、それに続く(iii)、IL−15/IL−15Ra複合体の、1週間〜3週間の第3の期間の前記対象への皮下投与を包含している、方法である。特定の実施形態において、0.1〜10μg/kg、0.1〜8μg/kg、0.1〜5μg/kg、もしくは0.1〜2μg/kg、または約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約1.5μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kgもしくは約5μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体が、周期性の投与計画の第1および第3の期間の、1〜5日毎、1〜3日毎、または1〜3日毎に、皮下投与される。周期性の投与計画は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、もしくはそれ以上、または2〜5回、5〜10回、10〜15回、15〜20回、20〜25回もしくはそれ以上、行われ得る。特定の実施形態において、周期性の投与計画は、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年またはそれ以上の間、反復される。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画は、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約1年またはそれ以上の間、反復される。特定の実施形態において、周期性の投与計画は、3〜6か月、6〜9か月、6〜12か月、1〜1.5年、1〜2年、1.5〜2年、またはそれ以上の間、反復される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、および/または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
特定に局面において、本明細書に提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患を予防、処置および/または管理する方法であって、当該方法は、周期性の投与計画を伴っており、当該周期性の投与計画は、(i)IL−15/IL−15Ra複合体の、2週間の第1の期間の前記対象への皮下投与、それに続く、(ii)IL−15/IL15Ra複合体の前記対象に投与されない、2週間の第2の期間、それに続く(iii)IL−15/IL−15Ra複合体の2週間の第3の期間の前記対象への皮下投与を包含している、方法である。特定の実施形態において、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体が、周期性の投与計画の第1および第3の期間の、1〜5日毎、1〜3日毎、または1〜3日毎に、皮下投与される。この周期性の投与計画は、1回、2回、3回またはそれ以上、行われ得る。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、および/または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患の非限定的な例としては、癌、リンパ球減少症、免疫不全、感染症および外傷が挙げられる。特定の実施形態においてIL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患は癌であり、転移性癌が挙げられる。別の実施形態において、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患は黒色腫、腎細胞癌腫、非小細胞肺癌または結腸癌である。
特定の局面において、本明細書に提供されているのは、周期性の投与計画を利用して対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを包含している、それを必要とする対象におけるIL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患(例えば、癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理する方法であって、前記周期性の投与計画は、(a)0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1〜7日毎、1〜5日毎、1〜4日毎、1〜3日毎に前記対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、1週間〜2か月の第2の期間の後、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第3の期間にわたって1〜7日毎、1〜5日毎、1〜4日毎、1〜3日毎に、前記対象に皮下投与することを包含している、方法である。別の実施形態において、本明細書に提供されているのは、周期性の投与計画を利用して対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを包含している、それを必要とする対象におけるIL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患(例えば、癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理する方法であって、前記周期性の投与計画は、(a)0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1、2、3、4、5、6または7日毎に前記対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、1週間〜2か月の第2の期間の後、0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第3の期間にわたって1、2、3、4、5、6または7日毎に、前記対象に皮下投与することを包含している、方法である。周期性の投与計画は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回もしくはそれ以上、または2〜5回、5〜10回、10〜15回、15〜20回、20〜25回もしくはそれ以上、行われ得る。特定の実施形態において、周期性の投与計画は、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年またはそれ以上の間、反復される。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画は、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約1年またはそれ以上の間、反復される。特定の実施形態において、周期性の投与計画は、3〜6か月、6〜9か月、6〜12か月、1〜1.5年、1〜2年、1.5〜2年、またはそれ以上の間、反復される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、周期性の投与計画の段階(a)および/または段階(b)の各投与後、周期性の投与計画の段階(a)および/または段階(b)の一回おきの投与後、および/または周期性の投与計画の段階(b)におけるIL−15/IL−15Ra複合体の投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は、周期性の投与計画の間、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される、および/または臨床的な投与の中止を続いて行う。
別の実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患を予防、処置および/または管理する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg〜およそ10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、12〜14日間の第2の期間の後、0.1〜10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12〜14日間の第3の期間にわたって1、2または3日毎に、前記対象に皮下投与することを包含している、方法である。いくつかの実施形態において、段階(a)〜(c)は2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回またはそれ以上の回数、反復される。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数はIL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
他に実施形態において、本明細書に提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患を予防、処置および/または管理する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、段階(a)〜(c)は2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回またはそれ以上の回数、反復される。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数はIL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後、一回おきの投与後、または第3の期間における投与前に監視される。特定の実施形態において、対象は血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿におけるサイトカインの増加などの副作用を監視される。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒトの対象における癌を処置または管理している方法であって、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している、方法である。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または結腸癌である。特定の実施形態において、癌は転移性である。特定の実施形態において、癌は転移性黒色腫、転移性腎細胞癌腫、転移性肺癌(例えば、転移性非小細胞肺癌)または転移性結腸癌である。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象における感染症を予防、処置および/または管理している方法であって、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している、方法である。特定の実施形態において、感染症は、ウイルス性、細菌性、真菌性または寄生虫の感染である。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象における免疫不全を予防、処置および/または管理している方法であって、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している、方法である。特定の実施形態において免疫不全はAIDSにより引き起こされるか、疾患(たとえば遺伝的な疾患)によって引き起こされる。
他の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象におけるリンパ球減少を予防、処置および/または管理している方法であって、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後、12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している、方法である。特定の実施形態において、リンパ球減少は治療(例えば化学療法、抗ウイルス療法または免疫抑制剤)によって引き起こされるか、末梢を循環しているリンパ球の欠乏を引き起こす疾病によって引き起こされる。
別の局面において、本明細書において提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を向上させる方法であって、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg〜およそ10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後に、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数を評価すること、および(c)12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している、方法である。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。
別の局面において、本明細書に提供されているのは、IL−15を仲介した免疫機能を促進することが有益な疾患を処置および/または管理する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg〜およそ10μg/kg(特定の実施形態において、およそ0.1μg/kg〜およそ5μg/kg、およそ0.1μg/kg〜およそ2μg/kg、またはおよそ0.1μg/kg〜およそ1μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後に、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数を評価すること、および(c)12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)おいて投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。
別の局面において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象における癌を処置または管理する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後に、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数を評価すること、および(c)12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)おいて投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌腫、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)または結腸癌である。特定の実施形態において、癌は転移性である。特定の実施形態において、癌は転移性黒色腫、転移性腎細胞癌腫、転移性肺癌(例えば、転移性非小細胞肺癌)または転移性結腸癌である。
別の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象における感染症を予防、処置および/または管理する方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後に、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数を評価すること、および(c)12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)において投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。特定の実施形態において、感染症は、ウイルス性、細菌性、真菌性または寄生虫の感染である。
別の実施形態において、本明細書に提供されているのは、ヒト対象における免疫不全を処置および/または管理している方法であって、当該方法は、(a)12〜14日間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎におよそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kgまたはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL−15Ra複合体が対象に投与されない12〜14日の第2の期間の後に、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数を評価すること、および(c)12〜14日間の第3の期間にわたって、1、2または3日毎にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与すること、を包含している。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。いくつかの実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも高い。別の実施形態において、段階(c)に記載されているIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、段階(a)において投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同一である。特定の実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の第1回目の投与の前に監視される。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベルおよび/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の各投与後または一回おきの投与後に監視される。特定の実施形態において対象は副作用(血圧の減少および/または体温上昇および/または血漿中のサイトカインの増加など)を監視される。特定の実施形態において免疫不全はAIDSにより引き起こされるか、疾患(たとえば遺伝的な疾患)によって引き起こされる。
別の実施形態において、本明細書では、以下の工程を含む、ヒト対象におけるリンパ球減少症を予防、処置および/または管理するための方法が提供される:(a)12〜14日間の第1の期間にわたって1、2または3日ごとに、およそ0.1μg/kg、およそ0.25μg/kg、およそ0.5μg/kg、およそ1μg/kg、およそ2μg/kg、およそ3μg/kg、およそ4μg/kg、またはおよそ5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を1回分の用量として、上記対象へ皮下投与する工程;(b)IL−15/IL−15Ra複合体が上記対象へ投与されない12〜14日間の第2の期間の後に、上記対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数を評価する工程;並びに(c)12〜14日間の第3の期間にわたって1、2または3日毎に、1回分の用量の上記IL−15/IL−15Ra複合体を、上記対象へ皮下投与する工程。いくつかの実施形態において、上記工程(c)に記載のIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、上記工程(a)に記載のIL−15/IL−15Ra複合体の用量よりも多い。他の実施形態において、上記工程(c)に記載のIL−15/IL−15Ra複合体の用量は、上記工程(a)において投与されたIL−15/IL−15Ra複合体の用量と同じである。特定の実施形態において、上記対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与の前に、監視される。いくつかの実施形態において、上記対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、毎回の投与の後に、または1回おきの投与の後に、監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用について、監視される。特定の実施形態において、上記リンパ球減少症は、治療(例えば、化学療法、抗ウイルス薬、または免疫抑制剤)または末梢循環リンパ球の減少を引き起こす疾病によって、引き起こされる。
別の側面において、本明細書では、IL−15に仲介される免疫機能を促進するための方法が提供され、当該方法は、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与する工程を含み、上記周期性の計画の各周期は、以下の工程を含む:(a)第1の期間において、特定の頻度にて、対象へ1回分の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程;および(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない工程。ここで、上記周期性の計画は、特定の回数にて繰り返され、上記用量は、上記投与計画が繰り返されるにつれて、連続して増加する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、特定の頻度にて(例えば毎回の投与の後に、および/または1回おきの投与の後に)監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用について、監視される。特定の実施形態において、周期性の計画は、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の回数にて繰り返される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎の頻度にて投与される。特定の実施形態において、第1の期間および第2の期間は同じである。他の実施形態において、第1の期間および第2の期間は異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間である。特定の実施形態において、第2の期間は、1週間〜2か月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間または1〜2週間である。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間である。特定の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、または3μg/kgである。別の実施形態において、周期性の計画の2回目の周期における用量は、当該周期性の計画の1回目の周期にて使用された用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、または3μg/kg多い。別の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、または1μg/kgであり、当該周期性の計画におけるその後のそれぞれの周期における用量は、その前の周期にて使用された用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kgまたは10μg/kg多い。特定の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は0.1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期における用量は0.25μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期における用量は0.5μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期における用量は1μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期における用量は2μg/kgである。他の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は0.1μg/kg〜0.25μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期における用量は0.5μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期における用量は1μg/kg〜3μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期における用量は4μg/kg〜6μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期における用量は7μg/kg〜10μg/kgである。
一実施形態において、本明細書では、IL−15に仲介される免疫機能を促進するための方法が提供され、当該方法は、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与する工程を含み、上記周期性の計画の各周期は、以下の工程を含む:(a)第1の期間において、特定の頻度にて、対象へ1回分の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程;および(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない工程。ここで、上記周期性の計画は、少なくとも5回繰り返され、周期性の計画の1回目の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期の間の用量は2μg/kg〜5μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期の間の用量は5μg/kg〜10μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期の間の用量は10μg/kg〜20μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期の間の用量は20μg/kg〜30μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎の頻度にて投与される。特定の実施形態において、第1の期間および第2の期間は同じである。他の実施形態において、第1の期間および第2の期間は異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間である。特定の実施形態において、第2の期間は、1週間〜2か月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間または1〜2週間である。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、特定の頻度にて(例えば毎回の投与の後に、および/または1回おきの投与の後に)監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用について、監視される。
別の側面において、本明細書では、IL−15に仲介される免疫機能を促進することが有益である疾患(例えば、癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理するための方法が提供され、当該方法は、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与する工程を含み、上記周期性の計画の各周期は、以下の工程を含む:(a)第1の期間において、特定の頻度にて、対象へ1回分の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程;および(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない工程。ここで、上記周期性の計画は、特定の回数にて繰り返され、上記用量は、上記投与計画が繰り返されるにつれて、連続して増加する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、特定の頻度にて(例えば毎回の投与の後に、および/または1回おきの投与の後に)監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用について、監視される。特定の実施形態において、周期性の計画は、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の回数にて繰り返される。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎の頻度にて投与される。特定の実施形態において、第1の期間および第2の期間は同じである。他の実施形態において、第1の期間および第2の期間は異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間である。特定の実施形態において、第2の期間は、1週間〜2か月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間または1〜2週間である。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間である。特定の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、または3μg/kgである。別の実施形態において、周期性の計画の2回目の周期における用量は、当該周期性の計画の1回目の周期にて使用された用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、または3μg/kg多い。別の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、または1μg/kgであり、当該周期性の計画におけるその後のそれぞれの周期における用量は、その前の周期にて使用された用量よりも0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kgまたは10μg/kg多い。特定の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は0.1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期における用量は0.25μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期における用量は0.5μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期における用量は1μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期における用量は2μg/kgである。他の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期における用量は0.1μg/kg〜0.25μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期における用量は0.5μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期における用量は1μg/kg〜3μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期における用量は4μg/kg〜6μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期における用量は7μg/kg〜10μg/kgである。
一実施形態において、本明細書では、IL−15に仲介される免疫機能を促進することが有益である疾患(例えば、癌、感染症、免疫不全またはリンパ球減少症)を予防、処置および/または管理するための方法が提供され、当該方法は、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与する工程を含み、上記周期性の計画の各周期は、以下の工程を含む:(a)第1の期間において、特定の頻度にて、対象へ1回分の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程;および(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない工程。ここで、上記周期性の計画は、少なくとも5回繰り返され、周期性の計画の1回目の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期の間の用量は2μg/kg〜5μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期の間の用量は5μg/kg〜10μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期の間の用量は10μg/kg〜20μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期の間の用量は20μg/kg〜30μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎の頻度にて投与される。特定の実施形態において、第1の期間および第2の期間は同じである。他の実施形態において、第1の期間および第2の期間は異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間である。特定の実施形態において、第2の期間は、1週間〜2か月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間または1〜2週間である。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、特定の頻度にて(例えば毎回の投与の後に、および/または1回おきの投与の後に)監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用について、監視される。
別の実施形態において、本明細書では、IL−15に仲介される免疫機能を促進することが有益である疾患を予防、処置および/または管理するための方法が提供され、当該方法は、周期性の計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象へ皮下投与する工程を含み、上記周期性の計画の各周期は、以下の工程を含む:(a)第1の期間において、特定の頻度にて、対象へ1回分の用量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程;および(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない工程。ここで、上記周期性の計画は繰り返され、各周期の間の用量は、最大耐量に達するまで、または対象が有害事象を示すまで、連続して増加する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿濃度および/またはリンパ球数は、特定の頻度にて(例えば毎回の投与の後に、および/または1回おきの投与の後に)監視される。特定の実施形態において、上記対象は、血圧の低下および/または体温の上昇および/または血漿中のサイトカインの増加等の副作用、並びにグレード3もしくは4のリンパ球減少症、グレード3の顆粒球減少症、グレード3の白血球増加症(WBC>100,000/mm3)、または臓器不全等の有害事象について、監視される。特定の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期の間の用量は2μg/kg〜5μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期の間の用量は5μg/kg〜10μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期の間の用量は10μg/kg〜20μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期の間の用量は20μg/kg〜30μg/kgである。他の実施形態において、周期性の計画の1回目の周期の間の用量は0.1μg/kg〜1μg/kgであり、当該周期性の計画の2回目の周期の間の用量は2μg/kg〜5μg/kgであり、当該周期性の計画の3回目の周期の間の用量は5μg/kg〜15μg/kgであり、当該周期性の計画の4回目の周期の間の用量は15μg/kg〜30μg/kgであり、当該周期性の計画の5回目の周期の間の用量は30μg/kg〜50μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、毎日、1日おき、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎の頻度にて投与される。特定の実施形態において、第1の期間および第2の期間は同じである。他の実施形態において、第1の期間および第2の期間は異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間、または1〜2週間である。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与するための第1の期間は、1週間、2週間、3週間または4週間である。特定の実施形態において、第2の期間は、1週間〜2か月間、1〜8週間、2〜8週間、1〜6週間、2〜6週間、1〜5週間、2〜5週間、1〜4週間、2〜4週間、2〜3週間または1〜2週間である。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間である。特定の実施形態において、上記疾患は感染症である。
本明細書に記載される方法に従って対象へ投与されるIL−15/IL−15Ra複合体は、未変性のIL−15RaまたはIL−15Ra派生体へ共有結合または非共有結合する未変性のIL−15またはIL−15派生体を含み得る。一実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、未変性のIL−15および未変性のIL−15Raを含む。別の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、IL−15派生体および未変性のIL−15Raを含む。別の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、未変性のヘテロ二量体の形態である。別の実施形態において、IL−15はヒトIL−15であり、IL−15RaはヒトIL−15Raである。特定の実施形態において、ヒトIL−15は、配列番号1のアミノ酸配列または配列番号1のアミノ酸残基49〜162を含み、ヒトIL−15Raは、配列番号3のアミノ酸配列またはその断片を含む。別の実施形態において、IL−15は、配列番号1のアミノ酸配列または配列番号1のアミノ酸残基49〜162を含み、IL−15Raは、配列番号4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41または45を含む。他の実施形態において、IL−15Raは、グリコシル化がIL−15Raの質量の少なくとも20%、30%、40%もしくは50%、またはそれ以上を占めるようにグリコシル化されている。
別の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、未変性のIL−15およびIL−15Ra派生体を含む。別の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、IL−15派生体およびIL−15Ra派生体を含む。一実施形態において、IL−15Ra派生体は、未変性のIL−15Raの可溶型である。別の実施形態において、IL−15Ra派生体は、内在性プロテアーゼによる切断を阻害する変異を含む。特定の実施形態において、IL−15Raの細胞外ドメイン切断部位は、異種のプロテアーゼによって特異的に認識される切断部位へと置換されている。一実施形態において、IL−15Raの細胞外ドメイン切断部位は、異種の細胞外ドメイン切断部位(例えば、IL−15Raを切断する内在性のプロセシング酵素とは無関係の別の酵素によって認識および切断される異種の膜貫通ドメイン)へと置換されている。
いくつかの実施形態において、ヒトIL−15Raは、以下のように同時に、または択一的に修飾されている:IL−15Ra中のアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8におけるN−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;IL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;および/またはIL−15Ra中のアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。
いくつかの実施形態において、IL−15Raは、可溶型のIL−15Raである。特定の実施形態において、可溶型のIL−15Raは、可溶型のヒトIL−15Raである。特定の実施形態において、ヒトIL−15Raは、配列番号3を含んでいる。一実施形態において、可溶型のヒトIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQGHSDTT(配列番号26)からなり、ここで、Tは、アミノ酸配列のC末端に存在する。一実施形態において、可溶型のヒトIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQGHSDT(配列番号27)からなり、ここで、Tは、アミノ酸配列のC末端に存在する。一実施形態において、可溶型のヒトIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQGHSD(配列番号28)からなり、ここで、Dは、アミノ酸配列のC末端に存在する。一実施形態において、可溶型のIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQGHS(配列番号29)からなり、ここで、Sは、アミノ酸配列のC末端に存在する。一実施形態において、可溶型のヒトIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQGH(配列番号30)からなり、ここで、Hは、アミノ酸配列のC末端に存在する。一実施形態において、可溶型のヒトIL−15RaのC末端における末尾のアミノ酸は、アミノ酸残基PQG(配列番号31)からなり、ここで、Gは、アミノ酸配列のC末端に存在する。いくつかの実施形態において、IL−15は、ヒトIL−15である。本明細書にて提供される方法の特定の実施形態において、ヒトIL−15は、配列番号1、または配列番号1のアミノ酸残基49〜162を含む。特定の実施形態において、本明細書にて提供される方法に従って処置される対象は、ヒトである。
特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、細胞に結合されている。特定の実施形態において、内在性のプロセシング酵素によって切断されるIL−15Raの細胞外ドメイン切断部位は、異種のドメイン(例えば、異種の膜貫通ドメイン)、または、可溶型のIL−15Raの切断および生成が不可能な合成アミノ酸配列へと置換されている。特定の実施形態において、内在性のプロセシング酵素によって切断されるIL−15Raの細胞外ドメイン切断部位は、可溶型のIL−15Raの切断および生成を阻害するように変異させられている。
IL−15およびIL−15Raに加えて、IL−15/IL−15Ra複合体は、異種の分子を含み得る。異種の分子は、IL−15および/またはIL−15Raへと結合されていてもよい。異種の分子は、IL−15およびIL−15Raが互いに結合することを阻害または防止しない方法、並びに、IL−15/IL−15Ra複合体とIL−15レセプターのβγサブユニットとの間の相互作用を阻害または防止しない方法にて、IL−15またはIL−15Raへと結合される。いくつかの実施形態において、異種の分子は、予防、処置および/または管理しようと意図される疾病と関連した抗原である。当該抗原の非限定的な例としては、ウイルス抗原、細菌性抗原、寄生虫抗原、および腫瘍抗原が挙げられる。他の実施形態において、異種の分子は、予防、処置および/または管理しようと意図される疾病と関連した抗原に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、標的とすることが望まれている細胞によって発現されている細胞性抗原(例えば、レセプター)に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、異種の分子は、タンパク質の安定性を向上させる。特定の実施形態において、異種の分子は、免疫グロブリンのFcドメインまたはその断片である。特定の実施形態において、IL−15Raは、免疫グロブリン(IgG1)のFcドメインへと結合/融合する。他の実施形態において、異種の分子は、免疫グロブリン分子のFcドメインまたはその断片ではない。
[3.1 用語]
本明細書において、用語「約」および「およそ」は、数値または数値範囲を修正するために用いられる場合、当該数値または数値範囲、並びに当該数値または数値範囲からの妥当な偏差(典型的には当該数値または数値範囲から5%または10%以上、5%または10%以下)が、記載された数値または数値範囲の意図された意味に含まれることを示している。
本明細書において使用される場合、用語「疾病」および「疾患」は、状態(特に病的状態)を示すために交換可能に使用される。特定の実施形態において、用語「疾病」および「疾患」は、IL−15シグナル変換によって影響される疾病を示すために交換可能に使用される。他の実施形態において、用語「疾病」および「疾患」は、免疫細胞の投与が有益である疾病を示すために交換可能に使用される。
本明細書において使用される場合、用語「特異的に結合」、「特異的に認識」、および、レセプター(例えば、未変性のIL−15RaまたはIL−15レセプターβγ)とリガンドとの相互作用に関連した類似の用語は、リガンドとレセプターとの間の特異的な結合または会合を指す。特に、リガンドは、他の分子に比べて、レセプターに対して高い親和性を有する。特定の実施形態において、リガンドは未変性のIL−15であり、未変性のレセプターはIL−15Raである。別の特定の実施形態において、リガンドは未変性のIL−15/IL−15Ra複合体であり、未変性のレセプターはβγレセプター複合体である。さらなる実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、βγレセプター複合体へと結合し、IL−15に仲介されるシグナル変換を活性化する。レセプターへ特異的に結合するリガンドは、例えば、免疫学的検定、BIAcore、または当業者に知られた他の技術によって、同定され得る。
本明細書において使用される場合、用語「未変性のIL−15」および「未変性のインターロイキン−15」は、タンパク質またはポリペプチドとの関連において、天然に存在する任意の哺乳類インターロイキン−15のアミノ酸配列を指し、未熟型または前駆体型、並びに成熟型を含む。様々な種の未変性の哺乳類インターロイキン−15のアミノ酸配列に対するGeneBankアクセッション番号の非限定的な例としては、NP_000576(ヒト、未熟型)、CAA62616(ヒト、未熟型)、NP_001009207(ネコ、未熟型)、AAB94536(ラット、未熟型)、AAB41697(ラット、未熟型)、NP_032383(ハツカネズミ、未熟型)、AAR19080(イヌ)、AAB60398(アカゲザル、未熟型)、AAI00964(ヒト、未熟型)、AAH23698(ハツカネズミ、未熟型)、およびAAH18149(ヒト)が挙げられる。長鎖シグナルペプチド(下線部)およびヒトの成熟型の未変性のIL−15(イタリック体)を含む、未変性のヒトIL−15の未熟型/前駆体型のアミノ酸配列が以下に提供される:
いくつかの実施形態において、未変性のIL−15は、天然に存在する哺乳類IL−15の未熟型または前駆体型である。他の実施形態において、未変性のIL−15は、天然に存在する哺乳類IL−15の成熟型である。特定の実施形態において、未変性のIL−15は、天然に存在するヒトIL−15の前駆体型である。別の実施形態において、未変性のIL−15は、天然に存在するヒトIL−15の成熟型である。一実施形態において、未変性のIL−15タンパク質/ポリペプチドは、単離または精製されている。
本明細書において使用される場合、用語「未変性のIL−15」および「未変性のインターロイキン−15」は、核酸との関連において、哺乳類インターロイキン−15をコードする、天然に存在する任意の核酸配列を指し、未熟型または前駆体型、並びに成熟型を含む。様々な種の未変性の哺乳類IL−15の核酸配列に対するGeneBankアクセッション番号の非限定的な例としては、NM_000585(ヒト)、NM_008357(ハツカネズミ)、およびRNU69272(ドブネズミ)が挙げられる。長鎖シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)およびヒトの成熟型の未変性のIL−15をコードするヌクレオチド配列(イタリック体)を含む、未変性のヒトIL−15の未熟型/前駆体型をコードするヌクレオチド配列が以下に提供される:
特定の実施形態において、核酸は、単離または精製された核酸である。いくつかの実施形態において、核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15の未熟型または前駆体型をコードする。他の実施形態において、核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15の成熟型をコードする。特定の実施形態において、未変性のIL−15をコードする核酸は、天然に存在するヒトIL−15の前駆体型をコードする。別の実施形態において、未変性のIL−15をコードする核酸は、天然に存在するヒトIL−15の成熟型をコードする。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15派生体」および「インターロイキン−15派生体」は、タンパク質またはポリペプチドとの関連において、以下を指す:(a)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドと少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるポリペプチド;(b)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である核酸配列によってコードされるポリペプチド;(c)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドに対して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個またはそれ以上のアミノ酸の変異(すなわち、付加、欠失および/または置換)を含むポリペプチド;(d)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズし得る核酸によってコードされるポリペプチド;(e)少なくとも20個の連続したアミノ酸、少なくとも30個の連続したアミノ酸、少なくとも40個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸、または少なくとも150個の連続したアミノ酸からなる未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの断片をコードする核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズし得る核酸配列によってコードされるポリペプチド;および/または(f)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの断片。IL−15派生体はまた、哺乳類IL−15ポリペプチドの天然に存在する成熟型のアミノ酸配列および異種のシグナルペプチドアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態において、IL−15派生体は、未変性のヒトIL−15ポリペプチドの派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの未熟型または前駆体型の派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの成熟型の派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、Zhu et al., 2009, J. Immunol. 183: 3598または米国特許第8,163,879号に記載のIL−15N72Dである。別の実施形態において、IL−15派生体は、米国特許第8,163,879号に記載のIL−15変異体の1つである。一実施形態において、IL−15派生体は、単離または精製されている。
好ましい実施形態において、IL−15派生体は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、ELISA、Biacore、共免疫沈降)によって測定された場合に、IL−15Raポリペプチドに結合する未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持している。別の好ましい実施形態において、IL−15派生体は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ、ELISAおよび他の免疫学的検定)によって測定された場合に、IL−15に仲介されるシグナル変換を誘導する未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持している。特定の実施形態において、IL−15派生体は、例えば当該分野においてよく知られたリガンド/レセプター結合アッセイによって評価された場合に、IL−15Raおよび/またはIL−15Rβγに結合する。
同一性パーセントは、当業者に知られた任意の方法を用いて決定され得る。特定の実施形態において、同一性パーセントは、Sequence Analysis Software Package(Version 10; Genetics Computer Group, Inc., University of Wisconsin Biotechnology Center, Madison, Wisconsin)の「Best Fit」プログラムまたは「Gap」プログラムを用いて決定される。ハイブリダイゼーション条件に関する情報(高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシー条件)は、例えば、米国特許出願公開US2005/0048549(例えば段落72〜73)に記載されている。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15派生体」および「インターロイキン−15派生体」は、核酸との関連において、以下を指す:(a)哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である核酸配列;(b)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるポリペプチドをコードする核酸配列;(c)哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列に対して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個またはそれ以上の核酸塩基の変異(すなわち、付加、欠失および/または置換)を含む核酸配列;(d)哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズする核酸配列;(e)哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列の断片に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズする核酸配列;および/または(f)哺乳類IL−15ポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列の断片をコードする核酸配列。特定の実施形態において、IL−15派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15派生体をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15ポリペプチドの未熟型または前駆体型をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15ポリペプチドの成熟型をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。別の実施形態において、IL−15派生体は、核酸との関連において、例えばZhu et al., 2009, J. Immunol. 183: 3598または米国特許第8,163,879号に記載のIL−15N72Dをコードする核酸配列である。別の実施形態において、IL−15派生体は、核酸との関連において、米国特許第8,163,879号に記載のIL−15変異体の1つをコードする核酸配列である。
IL−15派生体の核酸配列は、未変性の哺乳類IL−15ポリペプチド(IL−15ポリペプチドの成熟型および未熟型を含む)をコードするコドン最適化核酸配列を含む。他の実施形態において、IL−15派生体の核酸配列は、哺乳類IL−15RNA転写産物の安定性を増加させるアミノ酸配列には影響せずに、潜在的なスプライス部位および不安定な要素(例えばA/TまたはA/Uに富んだ要素)を排除する変異を含んでいる哺乳類IL−15RNA転写産物をコードする核酸を含む。特定の実施形態において、IL−15派生体の核酸配列は、配列番号9中のコドン最適化核酸配列を含む(このような核酸配列によってコードされるアミノ酸配列は、配列番号10にて提供される)。
好ましい実施形態において、IL−15派生体の核酸配列は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、ELISA、Biacore、共免疫沈降)によって測定された場合に、IL−15Raに結合する未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持しているタンパク質またはポリペプチドをコードする。別の好ましい実施形態において、IL−15派生体の核酸配列は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ、ELISAおよび他の免疫学的検定)によって測定された場合に、IL−15に仲介されるシグナル変換を誘導する未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持しているタンパク質またはポリペプチドをコードする。特定の実施形態において、IL−15派生体の核酸配列は、例えば当該分野においてよく知られたリガンド/レセプターアッセイによって評価された場合に、IL−15Raおよび/またはIL−15Rβγに結合するタンパク質またはポリペプチドをコードする。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15」および「インターロイキン−15」は、未変性のIL−15、IL−15派生体、または、未変性のIL−15およびIL−15派生体を指す。
本明細書において使用される場合、用語「未変性のIL−15Ra」および「未変性のインターロイキン−15レセプターアルファ」は、タンパク質またはポリペプチドとの関連において、天然に存在する任意の哺乳類インターロイキン−15レセプターアルファ(IL−15Ra)のアミノ酸配列を指し、未熟型または前駆体型、および、成熟型、並びに天然に存在するアイソフォームを含む。種々の未変性の哺乳類IL−15Raのアミノ酸配列に対するGeneBankアクセッション番号の非限定的な例としては、NP_002180(ヒト)、ABK41438(アカゲザル)、NP_032384(ハツカネズミ)、Q60819(ハツカネズミ)、CAI41082(ヒト)が挙げられる。シグナルペプチド(下線部)およびヒトの成熟型の未変性のIL−15Ra(イタリック体)を含む、未変性の全長ヒトIL−15Raの未熟型のアミノ酸配列が以下に提供される:
シグナルペプチド(下線部)およびヒトの成熟型の未変性の可溶型のIL−15Ra(イタリック体)を含む、未変性の可溶型のヒトIL−15Raの未熟型のアミノ酸配列が以下に提供される:
ヒトの未変性の可溶型のIL−15Raの未熟型および成熟型に関する更なる議論については、後述のセクション5.1および6(特にセクション6.4)を参照されたい。いくつかの実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの未熟型である。他の実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの成熟型である。特定の実施形態において、未変性のIL−15Raは、哺乳類IL−15Raポリペプチドの天然に存在する可溶型のである。他の実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの全長型である。特定の実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在するヒトIL−15Raポリペプチドの未熟型である。別の実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在するヒトIL−15Raポリペプチドの成熟型である。特定の実施形態において、未変性のIL−15Raは、ヒトIL−15Raポリペプチドの天然に存在する可溶型のである。他の実施形態において、未変性のIL−15Raは、天然に存在するヒトIL−15Raポリペプチドの全長型である。一実施形態において、未変性のIL−15Raタンパク質またはポリペプチドは、単離または精製されている。
本明細書において使用される場合、用語「未変性のIL−15Ra」および「未変性のインターロイキン−15レセプターアルファ」は、核酸との関連において、哺乳類インターロイキン−15レセプターアルファをコードする、天然に存在する任意の核酸配列を指し、未熟型または前駆体型、並びに成熟型を含む。様々な種の未変性の哺乳類IL−15Raの核酸配列に対するGeneBankアクセッション番号の非限定的な例としては、NM_002189(ヒト)、EF033114(アカゲザル)、およびNM_008358(ハツカネズミ)が挙げられる。シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)およびヒトの成熟型の未変性のIL−15Raをコードするヌクレオチド配列(イタリック体)を含む、未変性のヒトIL−15Raの未熟型をコードするヌクレオチド配列が以下に提供される:
シグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)および成熟型のヒトの可溶型の未変性のIL−15Raをコードするヌクレオチド配列(イタリック体)を含む、未変性の可溶型のヒトIL−15Raの未熟型をコードするヌクレオチド配列が以下に提供される:
特定の実施形態において、核酸は、単離または精製された核酸である。いくつかの実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの未熟型をコードする。他の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの成熟型をコードする。特定の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの可溶型のをコードする。他の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在する哺乳類IL−15Raポリペプチドの全長型をコードする。特定の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの前駆体型をコードする。別の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの成熟型をコードする。特定の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在するヒトIL−15Raポリペプチドの可溶型をコードする。他の実施形態において、天然に存在する核酸は、天然に存在するヒトIL−15Raポリペプチドの全長型をコードする。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15Ra派生体」および「インターロイキン−15レセプターアルファ派生体」は、タンパク質またはポリペプチドとの関連において、以下を指す:(a)未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドと少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるポリペプチド;(b)未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である核酸配列によってコードされるポリペプチド;(c)未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドに対して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個またはそれ以上のアミノ酸の変異(すなわち、付加、欠失および/または置換)を含むポリペプチド;(d)未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズし得る核酸配列によってコードされるポリペプチド;(e)少なくとも20個の連続したアミノ酸、少なくとも30個の連続したアミノ酸、少なくとも40個の連続したアミノ酸、少なくとも50個の連続したアミノ酸、少なくとも100個の連続したアミノ酸、または少なくとも150個の連続したアミノ酸からなる未変性の哺乳類IL−15ポリペプチドの断片をコードする核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズし得る核酸配列によってコードされるポリペプチド;(f)未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドの断片;および/または(g)本明細書に記載された特定のIL−15Ra派生体。IL−15Ra派生体はまた、哺乳類IL−15Raポリペプチドの天然に存在する成熟型のアミノ酸配列および異種のシグナルペプチドアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、未変性のヒトIL−15Raポリペプチドの派生体である。別の実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの未熟型の派生体である。別の実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然に存在するヒトIL−15ポリペプチドの成熟型の派生体である。一実施形態において、IL−15Ra派生体は、未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドの可溶型である。換言すれば、特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、未変性の哺乳類IL−15Raの可溶型であり、当該可溶型は、天然に存在しない。未変性のヒトIL−15Raの未熟型の切断された可溶型のアミノ酸配列の例は、以下のシグナルペプチド(下線部)および以下のヒトの未変性のIL−15Raの切断型(イタリック体)を含む:
IL−15Ra派生体の他の例は、後述のセクション5.1に記載される未変性のヒトIL−15Raの切断された可溶型を含む。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、精製または単離されている。
好ましい実施形態において、IL−15Ra派生体は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、ELISA、Biacore、共免疫沈降)によって測定された場合に、IL−15ポリペプチドに結合する未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持している。別の好ましい実施形態において、IL−15Ra派生体は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ、ELISAおよび他の免疫学的検定)によって測定された場合に、IL−15に仲介されるシグナル変換を誘導する未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持している。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、例えばELISA等の当該分野においてよく知られた方法によって評価された場合に、IL−15に結合する。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15Ra派生体」および「インターロイキン−15レセプターアルファ派生体」は、核酸との関連において、以下を指す:(a)哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一である核酸配列;(b)未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%同一であるポリペプチドをコードする核酸配列;(c)哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列に対して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個またはそれ以上の核酸の変異(すなわち、付加、欠失および/または置換)を含む核酸配列;(d)哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズする核酸配列;(e)哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列の断片に、高い、中程度の、または、典型的なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズする核酸配列;(f)哺乳類IL−15Raポリペプチドをコードする、天然に存在する核酸配列の断片をコードする核酸配列;および/または(g)本明細書に記載された特定のIL−15Ra派生体をコードする核酸配列。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15Ra派生体をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。別の実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15Raポリペプチドの未熟型をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。別の実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15Raポリペプチドの成熟型をコードする、天然に存在する核酸配列の派生体である。一実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、可溶型のである哺乳類IL−15Raポリペプチドの派生体をコードする核酸配列を指す。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、未変性の哺乳類IL−15Raの可溶型をコードする核酸配列であり、当該可溶型は、天然に存在しない。いくつかの実施形態において、IL−15Ra派生体は、核酸との関連において、ヒトIL−15Raの派生体をコードする核酸配列を指し、当該ヒトIL−15Raの派生体は、天然に存在しないIL−15Raの可溶型のである。IL−15Ra派生体の核酸配列の例は、以下のシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列(下線部)および以下の成熟型のヒトの未変性のIL−15Raの切断型をコードするヌクレオチド配列(イタリック体)を含む未変性のヒトIL−15Raタンパク質またはポリペプチドの切断された可溶性の未熟型をコードするヌクレオチド配列である:
特定の実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、単離または精製されている。
IL−15Ra派生体の核酸配列は、未変性のIL−15Raポリペプチド(IL−15Raポリペプチドの成熟型および未熟型を含む)をコードするコドン最適化核酸配列を含む。他の実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、IL−15RaRNA転写産物の安定性を増加させるアミノ酸配列には影響せずに、潜在的なスプライス部位および不安定な要素(例えばA/TまたはA/Uに富んだ要素)を排除する変異を含んでいるIL−15RaRNA転写産物をコードする核酸を含む。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、配列番号11、13、15または17中のコドン最適化核酸配列である(このような核酸配列によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号12、14、16および19にて提供される)。
好ましい実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、ELISA、Biacore、共免疫沈降)によって測定された場合に、IL−15に結合する未変性の哺乳類IL−15Raポリペプチドの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持しているタンパク質またはポリペプチドをコードする。別の好ましい実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ、ELISAおよび他の免疫学的検定)によって測定された場合に、IL−15に仲介されるシグナル変換を誘導する未変性の哺乳類IL−15Raの機能の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%を保持しているタンパク質またはポリペプチドをコードする。特定の実施形態において、IL−15Ra派生体の核酸配列は、例えばELISA等の当該分野においてよく知られたリガンド/レセプターアッセイによって評価された場合に、IL−15に結合するタンパク質またはポリペプチドをコードする。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15Ra」および「インターロイキン−15レセプターアルファ」は、未変性のIL−15Ra、IL−15Ra派生体、または、未変性のIL−15RaおよびIL−15Ra派生体を指す。
本明細書において使用される場合、用語「IL−15/IL−15Ra複合体」は、互いに共有結合または非共有結合をしているIL−15およびIL−15Raを含む複合体を指す。好ましい実施形態において、IL−15Raは、IL−15に対して比較的高い親和性を有し、例えば、当該分野において知られた技術(例えば、KinExアッセイ、プラズマ表面共鳴(例えば、BIAcoreアッセイ))によって測定された場合に10〜50pMのKdを示す。別の好ましい実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、当該分野においてよく知られたアッセイ(例えば、電気泳動移動度シフトアッセイ、ELISAおよび他の免疫学的検定)によって測定された場合に、IL−15に仲介されるシグナル変換を誘導する。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、βγ鎖に特異的に結合する能力を保持している。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、細胞から単離されている。
本明細書において使用される場合、用語「対象」および「患者」は交換可能に使用され、例えば非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット等)および霊長類(例えば、サルおよびヒト)等の哺乳類を指し、最も好ましくはヒトである。
本明細書において使用される場合、用語「精製された」および「単離された」は、化学的に合成された化合物または薬剤(例えば、タンパク性の薬剤)との関連において、化学的に合成された場合に、化学的な前駆体または他の化学物質が実質的に取り除かれている化合物または薬剤を指す。特定の実施形態において、化合物または薬剤では、他の異なる化合物または薬剤が(乾燥重量において)60%、65%、75%、80%、85%、90%、95%または99%取り除かれている。
本明細書において使用される場合、用語「精製された」および「単離された」は、天然の供給源(例えば細胞)から得られる化合物または薬剤(ポリペプチド等のタンパク性の薬剤を含む)と関連した使用において、天然の供給源に由来する汚染物質(例えば、環境に由来する土壌粒子、鉱物、化学物質)および/または天然の供給源に由来する細胞物質(例えば、これらに限定されないが、細胞内に存在する細胞片、細胞壁物質、細胞膜、細胞小器官、核酸の大部分、糖質、タンパク質および/または脂質)が実質的に取り除かれている化合物または薬剤を指す。「天然の供給源の物質が実質的に取り除かれている」という語句は、単離される元の物質(例えば、細胞における細胞成分)から分離された化合物または薬剤の調製物を指す。従って、単離された化合物または薬剤は、細胞物質および/または汚染物質を(乾燥重量において)約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、または約1%未満含んでいる化合物または薬剤の調製物を含む。
「単離された」核酸配列またはヌクレオチド配列は、核酸配列またはヌクレオチド配列の天然の供給源中に存在する他の核酸分子から分離されたものである。さらに、「単離された」核酸配列またはヌクレオチド配列(例えばcDNA分子)は、組換え技術によって作製された場合に他の細胞物質または培地が実質的に取り除かれているか、あるいは、化学的に合成された場合に化学的な前駆体が実質的に取り除かれていてもよい。特定の実施形態において、「単離された」核酸配列またはヌクレオチド配列は、組換え技術によって異種の細胞内に発現された核酸配列またはヌクレオチド配列である。
いくつかの実施形態において、用語「核酸」、「ヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリボ核酸、リボヌクレオチドおよびリボ核酸、並びにそれらの重合体を指し、一本鎖型または二本鎖型を含む。特定の実施形態において、当該用語は、天然のヌクレオチドの既知の類似物(例えば、参照される核酸と同様の結合特性を有する、ペプチド核酸(PNA))を含む。いくつかの実施形態において、当該用語は、デオキシリボ核酸(例えば、cDNAまたはDNA)を指す。他の実施形態において、当該用語は、リボ核酸(例えば、mRNAまたはRNA)を指す。
本明細書において使用される場合、用語「治療(複数または単数)」は、疾病(例えば、癌、感染症、リンパ球減少症、免疫不全)またはそれに関連した症状の予防、処置、管理、または改善において使用され得るプロトコル、方法、組成物、処方、および/または薬剤を指していてもよい。特定の実施形態において、用語「治療(複数または単数)」は、生物療法、支持療法、および/または当業者に知られた疾病またはそれに関連した症状の処置、管理、予防または改善において有用な他の治療を指す。一実施形態において、治療は、治療剤を含む。別の実施形態において、治療は、治療剤を含まない。
本明細書において使用される場合、用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって結合したアミノ酸の鎖を指すために交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって結合したアミノ酸を含む高分子を指す。
本明細書において使用される場合、用語「断片」は、ヌクレオチド配列との関連において、興味のある遺伝子(例えば、IL−15またはIL−15Ra)のヌクレオチド配列の、少なくとも5個の連続した核酸塩基、少なくとも10個の連続した核酸塩基、少なくとも15個の連続した核酸塩基、少なくとも20個の連続した核酸塩基、少なくとも25個の連続した核酸塩基、少なくとも40個の連続した核酸塩基、少なくとも50個の連続した核酸塩基、少なくとも60個の連続した核酸塩基、少なくとも70個の連続した核酸塩基、少なくとも80個の連続した核酸塩基、少なくとも90個の連続した核酸塩基、少なくとも100個の連続した核酸塩基、少なくとも125個の連続した核酸塩基、少なくとも150個の連続した核酸塩基、少なくとも175個の連続した核酸塩基、少なくとも200個の連続した核酸塩基、少なくとも250個の連続した核酸塩基からなる核酸配列を含むヌクレオチド配列を指す。核酸は、RNA、DNA、またはそれらの化学的に修飾された変異体であり得る。特定の実施形態において、断片は、IL−15またはIL−15Raの断片である。
本明細書において使用される場合、用語「断片」は、タンパク性の薬剤(タンパク質またはポリペプチド)との関連において、タンパク性の薬剤(例えば、IL−15およびIL−15Raポリペプチド)の、8個以上の連続したアミノ酸、10個以上の連続したアミノ酸、15個以上の連続したアミノ酸、20個以上の連続したアミノ酸、25個以上の連続したアミノ酸、50個以上の連続したアミノ酸、75個以上の連続したアミノ酸、100個以上の連続したアミノ酸、150個以上の連続したアミノ酸、200個以上の連続したアミノ酸、10〜150個の連続したアミノ酸、10〜200個の連続したアミノ酸、10〜250個の連続したアミノ酸、10〜300個の連続したアミノ酸、50〜100個の連続したアミノ酸、50〜150個の連続したアミノ酸、50〜200個の連続したアミノ酸、50〜250個の連続したアミノ酸、または50〜300個の連続したアミノ酸から構成される断片を指す。
本明細書において使用される場合、用語「組み合わせて」は、2つ以上の治療の使用(例えば、2つ以上の予防剤および/または治療剤)を指す。用語「組み合わせて」の使用は、疾病または疾患を有する対象へ治療が施される順番を制限するものではない。第1の治療(例えば、予防剤および/または治療剤)は、第2の治療(例えば、予防剤および/または治療剤)を施す前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、または12週間前)、第2の治療を施すと同時、または第2の治療を施した後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間前後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、または12週間後)に、疾病もしくは疾患、またはそれらの症状を有する対象へ施され得る。
本明細書において使用される場合、用語「宿主細胞」は、任意のタイプの細胞(例えば、初代細胞または細胞株に由来する細胞)を指す。特定の実施形態において、用語「宿主細胞」は、核酸分子を用いてトランスフェクションされた細胞、並びに、当該細胞の子孫または潜在的な子孫を指す。当該細胞の子孫は、継代、または宿主細胞への核酸分子の組込みにおいて生じ得る、変異または環境的な影響のため、核酸分子を用いてトランスフェクションされた親細胞と同一でなくてもよい。
本明細書において使用される場合、用語「改変された細胞」は、組換え技術によって、本明細書に記載されたIL−15Raポリペプチドを発現する宿主細胞(例えば、前述のセクション3.1、後述のセクション5.1および/またはセクション5.2)、または、組換え技術によって、IL−15ポリペプチドおよび本明細書に記載されたIL−15Raポリペプチドを発現する宿主細胞(例えば、前述のセクション3.1、後述のセクション5.1および/またはセクション5.2)を指す。改変された細胞は、後述のセクション5.3.2に記載されるように作製されてもよい。また、改変された細胞は、後述のセクション5.3.2、5.6〜5.9、および5.11に記載されるように使用されてもよい。
本明細書において使用される場合、用語「未熟なヒトの幼児」は、37週未満の在胎期間にて生まれたヒトの幼児を指す。
本明細書において使用される場合、用語「ヒトの幼児」は、新生児〜1歳のヒトを指す。
本明細書において使用される場合、用語「ヒトの子供」は、1〜18歳のヒトを指す。
本明細書において使用される場合、用語「ヒトの成人」は、18歳以上のヒトを指す。
本明細書において使用される場合、用語「高齢のヒト」は、65歳以上のヒトを指す。
本明細書において使用される場合、用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」および「処置(treatment)」は、対象への治療の適用との関連において、対象が治療から受ける有益な効果を指す。このような利益の非限定的な例としては、1つ以上の治療を施した結果もたらされる、疾病もしくは疾患の進行、拡大および/もしくは期間の減少もしくは抑制、疾病もしくは疾患の重症度の減少もしくは改善、疾病もしくは疾患の1つ以上の症状の改善、並びに/または、疾病もしくは疾患の1つ以上の症状の期間の減少、が挙げられる。
本明細書において使用される場合、用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」および「予防(prevention)」は、対象への治療の適用との関連において、対象における疾病または疾患の発症または再発の抑制を指す。
本明細書において使用される場合、用語「管理する(manage)」、「管理すること(managing)」および「管理(management)」は、対象への治療の適用との関連において、対象が治療から受ける有益な効果を指し、疾病および疾患の治癒には至らない。特定の実施形態において、対象は、疾病または疾患を「管理」し、疾病または疾患と関連した症状の進行または悪化を予防するために、1つ以上の治療を施される。
本明細書において使用される場合、用語「免疫特異的に結合する」および「特異的に結合する」は、抗体との関連において、抗原(例えば、エピトープまたは免疫複合体)に特異的に結合し、かつ、別の分子には特異的に結合しない分子を指す。抗原に特異的に結合する分子は、免疫学的検定、BIAcore、または当該分野において知られた他のアッセイによって決定される低い親和性にて他の抗原に結合し得る。特定の実施形態において、抗原に結合する分子は、他の抗原と交差反応しない。
IL−15/IL−15Ra複合体の用量が本明細書において参照される場合、当該用量は、一本鎖IL−15の質量に準ずる。一本鎖IL−15当量は、(i)アミノ酸分析によるIL−15/IL−15Ra複合体の質量、および、(ii)RP−HPLCまたはアミノ酸分析によって実験的に決定された、特定の調製物中のIL−15Ra(例えば、可溶型のIL−15Ra)に対するIL−15の比、から算出される。
〔4.図面の簡単な説明〕
図1A−B:未変性のヒトIL−15の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図1A)(配列番号2)およびアミノ酸配列(図1B)(配列番号1)が示されている。長鎖シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図2A−B:全長の未変性のヒトIL−15Raの核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図2A)(配列番号5)およびアミノ酸配列(図2B)(配列番号3)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図3A−B:ヒトIL−15の可溶型の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図3A)(配列番号6)およびアミノ酸配列(図3B)(配列番号4)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図4A−D。静脈注射および皮下注射の後の、経時的な血漿濃度の減少、および、血漿IL−15濃度に対するAUC。(A)静脈注射後の、経時的なIL−15の血漿濃度の減少。3匹のマカクザルに、E.coli由来の単量体性のIL−15(三角形を伴う線)またはヘテロ二量体性のIL−15/IL−15Ra(四角形を伴う線)を、示された用量にて、静脈注射した。示された時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。(B)皮下注射後の、経時的なIL−15の血漿濃度の減少。2匹のマカクザルに、ヘテロ二量体性のIL−15/sIL−15Raを、5μg/Kgの用量にて皮下注射した。示された時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。(C)静脈注射および皮下注射の場合の、血漿IL−15濃度に対するAUC。示されたIL−15の製剤を5μg/Kgの用量にて注射された4匹のマカクザルについてAUCを決定した。最初の3つのバーは、皮下注射または静脈注射のいずれかにてIL−15/IL−15Raヘテロ二量体を投与されたマカクザルを示す。最後のバーは、静脈注射にて単量体性のIL−15を投与されたマカクザルを示す。注射後の72時間の間に血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。AUCは、Prism Software Packageを用いて算出された。(D)マカクザルにおける静脈注射および皮下注射による送達の対比(5μg/Kg)。同じ量のIL−15ヘテロ二量体を静脈注射によって投与した場合と比較した、IL−15ヘテロ二量体を皮下注射によって投与した場合の薬物動態。E.coliから産生されたIL−15を同じ濃度にて投与した場合もまた示されている(三角形を伴う線)。
図5。マカクザルにおいてIL−15/sIL−15RaまたはIL−15/IL−15RaFcを皮下注射にて5回投与する処置の2周期分を示した研究計画。
図6。IL−15/IL−15Raを反復静注した後の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザル(P571およびM575)に、2μg/Kgの用量にて、IL−15/IL−15Raの静脈注射を12日間毎日行った。最初の投与および2回目の投与の後の異なる時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。
図7。IL−15/IL−15Ra型を皮下注射した後の血漿IL−15濃度。5μg/Kgを皮下注射にて投与した場合の、マカクザルにおけるヘテロ二量体性のIL−15型の薬物動態。
図8。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザル(P572およびM695)に、5μg/Kgの用量にて、IL−15/IL−15Raの皮下注射5回を3日毎に行った。2か月の休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。矢印は、IL−15/IL−15Raの注射の時間を示している。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、1回目の処置周期の開始後の時間の関数としてプロットした。
図9。IL−15/IL−15RaFcを反復皮下注射した場合の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザルにおいて、皮下注射後、ELISAによって測定されたIL−15の血漿濃度。2匹のマカクザル(P570およびP574)に、5μg/Kg体重のIL−15ヘテロ二量体を3日毎に投与した(5回の皮下注射)。2週間の処置周期2回を完了させた。矢印は、IL−15/IL−15RaFcの注射の時間を示している。
図10。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、NK細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞およびガンマデルタT細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695およびP572に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、NK細胞(CD3−CD16+)サブセット、CD4+T細胞(CD3+CD4+)サブセット、CD8+T細胞(CD3+CD8+)サブセットおよびガンマデルタT細胞(CD3+ガンマデルタ+)サブセット内における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図11。IL−15/sIL−15RaおよびIL−15/IL−15RaFcは、NK細胞およびT細胞の同様の増殖を誘導する。2週間の周期1回に、IL−15の皮下注射を(図1で示されているように3日毎に)行った後の、リンパ球サブセットの増殖の増加。2匹の動物に、未変性の精製されたIL−15ヘテロ二量体を注射し、2匹の動物に、IL−15Raを介した二量体のIgG1Fc融合を行った(マカクザルM695、P572、P574およびP570が用いられた)。示されているように、0日目、2日目、7日目および14日目にマルチパラメータフローサイトメトリーによってリンパ球サブセットを分析した。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図12。IL−15/sIL−15Raを用いた反復処置周期は、NK細胞において同様のピークの拡大をもたらす。皮下注射の2周期後におけるIL−15二量体の生物活性。両方の周期において、循環するNK細胞のレベルは、7日目および13日目または14日目において増加した。NK細胞の循環は、2回目のIL−15投与計画(2日目)の初期に誘導された。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図13。IL−15/IL−15RaFcの1回目および2回目の周期の後のNK細胞の増殖は、血漿IL−15濃度を反映している。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図14A−C。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、CD8+およびCD4+の、Tナイーブ(TN)細胞、T中央記憶(TCM)細胞、およびTエフェクター記憶(TEM)細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695(四角形)およびP572(三角形)に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、CD4+およびCD8+の、TN(CD95−CD28+)、TCM(CD95+CD28+)およびTEM(CD95+CD28−)における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。(A)3日毎に、5μg/KgのIL−15/IL−15Raヘテロ二量体を5回皮下注射したマカクザルM695におけるCD8+T細胞から得られた代表的なデータ。左のパネルは、CD8+の、TNサブセット、TCMサブセットおよびTEMサブセットの処置前の分布を示している。右のパネルは、最初のIL−15/sIL−15Raの注射後の7日目における同じ分布を示している。中央のパネルは、囲まれた各集団におけるKi−67+細胞の処置前かつ7日目の頻度を示している。(B)示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。(C)IL−15ヘテロ二量体は、中央記憶CD8T細胞およびエフェクター記憶CD8T細胞の両方を標的とし、主にエフェクター記憶CD4T細胞を標的とする。マカクザルM695、P572、P570およびP574から得られたデータが提示されている。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図15A−B。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、抗ヒトIL−15Ra抗体の発達(AおよびB参照)。示された量のIL−15/IL−15Raを12%ポリアクリルアミドゲルへとロードし、変性したタンパク質をニトロセルロース膜へと転写した。処置前のサンプルおよび2回目のIL−15/IL−15Ra処置周期後の22日目に対応するサンプルを用いて、示された希釈率にて、当該膜を、サル血漿によってプローブした。
図16。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、血漿IL−15濃度。8匹のマカクザルに、0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および12日目において、5μg/KgのIL−15/IL−15Raの皮下注射を6回行った。1か月の休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、処置の開始後の時間の関数としてプロットした。ダイヤモンド形の線は中央値を表している。
図17。血漿IL−15ヘテロ二量体のピーク濃度およびトラフ濃度。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を用いて接種した8匹のマカクザルの血漿濃度。ピーク濃度は注射から6時間後であった。0は、最初の注射より前の濃度を示している。接種から2日後のトラフ濃度は、経時的に減少した。
図18。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を、2日毎に注射された8匹のマカクザルにおける平均動脈圧。丸を伴う線=IL−15ヘテロ二量体。四角形を伴う線=コントロール。
図19。IL−15ヘテロ二量体を注射した後のマカクザルの体温(5μgの皮下注射)。5μg/kgのIL−15ヘテロ二量体を、2日毎に皮下注射された8匹のマカクザルの体温。8匹のマカクザルのグループを、生理食塩水を注射した8匹のコントロールと比較した。注射時(0)および6時間後(6)におけるIL−15(+)およびコントロール(−)の全ての測定は、グループ化された。下にはIL−15グループおよびコントロールグループについて、連続的な注射が示されている。一貫した差分は検出されなかった。
図20。成熟したIL−15Rαの略図。成熟したIL−15Rαの異なるドメインが示されている(シグナルペプチドは含まれていない)。スシドメインは2つのジスルフィド結合を形成しており、いくつかのN−グリコシル化部位およびO−グリコシル化部位によって特徴付けられる(図26および29に報告されているような、Ser8、18、20、23および31におけるHexNAc)。Pro/Thrに富んだドメインは、Thr156またはSer158におけるO−グリコシル化を含む(図28に報告されているように)。切断されたsIL−15Rαは、175aaを含む。クローン19.7および1.5の両方に由来する自然に切断されたsIL−15Rαは、170aaを含む;矢印は、細胞膜上にIL−15Rαが発現した場合の切断部位を示している。
図21。クローン19.7からのIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の安定的な産生。A.クローン19.7からの毎日の収集を、ELISAによって、IL−15の量について評価した。ELISAの結果は、培養物における150日間にわたるIL−15/sIL−15Rαの安定的な産生を示している。B.クローン19.7の上清の経時的なRP−HPLC分析。矢印は、sIL−15RαおよびIL−15に対応するピークを示している。
図22。ヒトIL−15/sIL−15Raの産生および精製。A.HEK293由来ヒト細胞株19.7から得られたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の、HPLCによる精製。B.タンパク質をカラムから溶出させ、SDS−PAGEによって分析した。C.最終的な精製の後(図23A、B、CおよびDを参照)、IL−15、sIL−15Rα、および、再構成されたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体(1:1のモル比)を、ネイティブPAGEによって視覚化した。
図23。クローン19.7から得られたsIL−15RαおよびIL−15の追加の精製。sIL−15RαFx1−3(図22)およびIL−15Fx4−13(図22)のHPLCによる精製を、16×100mm POROS R2/10カラム上で行い(それぞれAおよびC)、溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分析した(それぞれBおよびD)。
図24。自然に切断され、精製されたsIL−15RαをLysCによって消化した後の、非還元条件におけるHPLCによるペプチドの分離。細胞クローン19.7に由来するsIL−15RαをLys−Cプロテアーゼによって消化し、ペプチドをHPLCによって分離した。分画を、Applied Biosystems社の477 Aプロテインシーケンサーによって分析した。挿入によって示される同定された配列はまた、MALDI−TOF MSによって確認した。
図25。sIL−15RαのC末端ペプチドを含むHPLC分画のMS分析。当該分画のタンパク質配列分析によって決定された配列NWELTASASHQPPGVYPQGを有するペプチドに対して予測される値(理論的な[M+H]+ 2038.962)に近いm/z(2020.927)またはそれよりも大きいm/z(2056.934、2308.082、2365.108、2455.138、2770.224)を有するいくつかのペプチドの存在が、MALDI−TOF MSによって明らかになった。
図26。C末端ペプチドを含む分画において検出されたペプチドのMALDI−TOF MS/MS分析。m/zが2020.927(A)、2056.934(B)、2365.108(C)、2770.224(D)(示されていないが、同様に、2308.082および2455.138)であるフラグメントスペクトルは、異なる翻訳後修飾(おそらく、Thr5(156)およびSer7(158)におけるO−グリコシル化)を有する同じペプチドに対応していることが示唆される共通のbイオンフラグメントおよびyイオンフラグメントを含んでいる。これら全てのペプチドは修飾されているため、実験によるm/zの代わりに、予測される未修飾のペプチドNWELTASASHQPPGVYPQG(2038.962)の理論的質量を「親」イオンとして用いて、タンパク質データベースのMascot MS/MS Ion Search(Swissprot)を行った。酵素特異性を「セミトリプシン」として設定した。パネルDは、N−アセチルヘキソサミン(NAc)およびヘキソース(Hex)の質量と等しい質量差を有するイオンフラグメントを示している。これらのイオンフラグメントの存在は、ペプチドが実際にはO−グリコシル化されていることを示唆している。
図27。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15Rαの分子量の決定。マトリクスとしてシナピン酸を用いたCovalX HM−1高質量検出器を備えたVoyager De−Pro上の、精製されたsIL−15RαのMALDI−TOF MSスペクトル。
図28。sIL−15Raの会合は、マウスにおいて、ヒトIL−15のin vivoにおける半減期を増加させる。1グループあたり5匹のマウスに、等モル量のE.coli一本鎖IL−15、ヒトHEK293細胞に由来する一本鎖IL−15またはIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体を注射した(3μgのIL−15当量/マウス、腹腔内)。経時的にマウスから採血し(処置から0.5、2、6および24時間後)、ELISAによって血漿IL−15濃度を評価し、平均±SDとして報告した。
図29。自然に切断されたsIL−15RaのN末端ペプチド(ITCPPPMSVEHADIWVK)におけるHexNAc修飾の同定。分画39に由来するm/zが2126.150のMALDI−TOF MS/MSスペクトル。A.1922.950として設定された親イオンを用いたMascot MS/MSイオンサーチによって、ペプチドITCPPPMSVEHADIWVKに対応するN末端およびC末端の断片が同定された。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。A.修飾なし;B.Ser8におけるHexNAc修飾;C.Ser18におけるHexNAc修飾;D.Ser20におけるHexNAc修飾;E.Ser23におけるHexNAc修飾;F.Ser31におけるHexNAc修飾。
図31。IL−15/sIL−15Raヘテロ二量体は、in vivoで生物活性を有する。A.IL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体は、一本鎖IL−15に比べて、より有効である:in vivoにおけるリンパ球の増殖。CFSEによって標識された脾細胞(20×106)を移した12時間後、以下を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した:PBS(3匹のマウス);3μgのIL−15(3匹のマウス);または等モル量のIL−15/sIL−15Rα(3匹のマウス、一本鎖IL−15中の3μg)。CFSE蛍光についてのフローサイトメトリーによって、4日目に、CD8+T細胞(上のパネル)およびNK細胞(下のパネル)を分析した。1グループあたり1匹の代表的なマウスを示している。B.IL−15Rαは、IL−15ヘテロ二量体の優れた活性に寄与している。PBS(3匹のマウス)、E.coli由来の3μgの一本鎖IL−15(5匹のマウス)、ヒトHEK293細胞に由来する3μgの一本鎖IL−15(5匹のマウス)、または等モル量のIL−15/sIL−15Rα(5匹のマウス、一本鎖IL−15中の3μg)、を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した。増殖性マーカーKi−67を発現するCD8+T細胞(左のパネル)およびNK細胞(右のパネル)の頻度が示されている。個々の動物および平均が各グループについて示されている。**、p<0.01;***、p<0.001;ns、有意差なし。C.クローン1.5に由来する精製されたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の異なるロットが、脾臓のCD8+T細胞における増殖について同様のレベルを誘導した。PBS、3μgのIL−15/sIL−15Rα(クローン1.5、ロットA)、または3μgのIL−15/sIL−15Rα(クローン1.5、ロットB)、を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した。単離された脾細胞について、増殖性マーカーKi67の存在をフローサイトメトリーによって3日目に評価した。CD8+T細胞集団中のKi67+細胞のパーセンテージが示されている。1グループあたり1匹の代表的なマウスが示されている。
図32。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を反復皮下注射した前および後の8匹のマカクザルと、生理食塩水を反復皮下注射した前および後のコントロールとしての8匹のマカクザルとの、体温および平均動脈圧の対比。16匹のマカクザルに対して、0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および11日目に、5μg/kgの用量のIL−15/IL−15Raまたは生理食塩水を6回皮下注射した。休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。繰り返す前および後の血圧および体温を測定し、プロットした。
図33。IL−15ヘテロ二量体を注射した8匹のマカクザルにおける2回の処置の間の血漿IL−15濃度。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、処置開始後の時間の関数としてプロットした。
図34。IL−15ヘテロ二量体を反復注射した後のNK細胞およびCD8T細胞の数。IL−15の投与前、投与している間および投与後のマカクザルからPBMCのサンプルを採取し、CD3、CD4、CD8およびCD16に結合する抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーによって調べた。CD3+CD8+T細胞(図34A)およびCD3−CD16+CD8+NK細胞(図34B)についてのデータが、示された時間における血液1μlあたりの各サブセットの絶対的な細胞数として示されている。三角形:IL−15ヘテロ二量体;四角形:コントロール。
図35。検視の日(41日目/42日目および73/74日目)における血液および種々の組織(骨髄、脾臓、肝臓、鼠径部LC、腸管膜LNを含む)中のCD8/CD4T細胞の比。
図36。1μg/kg、20μg/kgおよび50μg/kgと段階的に増加する用量にてIL−15ヘテロ二量体を注射された6匹のマカクザルにおける血漿IL−15濃度。6匹のマカクザルに、1μg/Kg、20μg/Kgまたは50μg/Kgの用量にて(0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および11日目に)IL−15/IL−15Raを6回皮下注射した。グループ1:50μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ2:20μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ3:1μg/kgのIL−15/sIL−15Ra。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図37。1μg/kg、20μg/kgおよび50μg/kgと段階的に増加する用量にてIL−15ヘテロ二量体を注射された6匹のマカクザルにおける末梢血中のNK細胞およびCD8T細胞の、ベースラインに対する倍率の増加。グループ1:50μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ2:20μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ3:1μg/kgのIL−15/sIL−15Ra。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図38。IL−15ヘテロ二量体を皮下注射した場合の、種々の組織(リンパ節、肝臓、PBMC、脾臓)における、用量に依存したリンパ球の増殖。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図39。IL−15は、マウスにおけるB16黒色腫細胞の肺腫瘍生着を減少させた。9μgの、IL−15またはIL−15/可溶型のIL−15Ra複合体を、腹腔内注射によって1日目、6日目および11日目にマウスへ投与した。
図40。野生型およびIL−15−/−C57BL/6マウスに、3×105個のMC38結腸癌細胞を皮下注射し、腫瘍の増殖を継時的に追跡した。
図41。野生型C57BL/6マウスに、3×105個のMC38結腸癌細胞を皮下注射し、1週間後に2つの異なるIL−15製剤を用いて処置した。腫瘍の増殖を継時的に追跡した。三角形:E.coli由来のIL−15;四角形:PBS;丸:IL−15/可溶型のIL−15Ra。
〔5.詳細な説明〕
[5.1 IL−15Raの型]
天然の可溶型のヒトIL−15Raについてここで説明する。また、短縮した可溶型のヒトIL−15Raである、特定のIL−15Ra派生体についてここで説明する。これらの特定のIL−15Ra派生体及び天然の可溶型のヒトIL−15Raは、ヒトIL−15Raのタンパク質分解切断部位の同定に、ある程度基づく。さらに、IL−15Raのグリコシル化により特徴づけられた可溶型のIL−15Raについてここで説明する。
以下の実施例4に示すように、本発明者らは、ヒトIL−15RaのGly170とHis171との間の位置に生じる、膜結合型ヒトIL−15Raのタンパク質分解切断を見出した。それゆえに、ここに提供した天然の全長ヒトIL−15Raの未成熟型のアミノ酸配列において、残基間(たとえばGly170とHis170との間)に生じるヒトIL−15Raのタンパク質分解切断を太字で示し、下線を付して示す。
したがって、一つの局面において、天然の膜結合型ヒトIL−15Raのタンパク質分解切断部位においてアミノ酸配列が終了した可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)のアミノ酸配列をここに提供する。特に、GがGly170であるPQG(配列番号31)においてアミノ酸配列が終了する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。具体的な実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQG(配列番号32)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号32と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQG(配列番号31)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。他の具体的な実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQG(配列番号33)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、配列番号33と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、任意で、PQG(配列番号31)においてアミノ酸配列が終了する可溶型のヒトIL−15Ra派生体である、IL−15Ra派生体(たとえば、精製及び/又は可溶型のヒトIL−15Ra派生体)をここで提供する。
他の局面において、天然の短縮した可溶型のヒトIL−15Raである、IL−15Ra派生体をここで提供する。ある実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raのアミノ酸配列が、Hが配列番号45のHis171であるPQGH(配列番号30)において終了した、可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGH(配列番号34)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここで提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号34と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGH(配列番号30)において終了するポリペプチドであるIL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここで提供する。他の特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGH(配列番号35)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここで提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号35と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)PQGH(配列番号30)において終了した可溶型のIL−15Ra派生体のアミノ酸配列を有するポリペプチドであるIL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。
ある実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raのアミノ酸配列が、Sが配列番号45のSer172であるPQGHS(配列番号29)において終了した可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHS(配列番号36)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製したヒト可溶型のIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号36と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHS(配列番号29)において終了するポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。他の特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHS(配列番号37)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号37と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHS(配列番号29)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。
ある実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raのアミノ酸配列が、Dが配列番号45のAsp173であるPQGHSD(配列番号28)において終了した、可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSD(配列番号38)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号38と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSD(配列番号28)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。他の特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSD(配列番号39)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号39と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSD(配列番号28)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。
ある実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raのアミノ酸配列が、Tが配列番号45のThr174であるPQGHSDT(配列番号27)において終了した、可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSDT(配列番号40)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号40と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSDT(配列番号27)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。他の特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSDT(配列番号41)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号41と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSDT(配列番号27)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。
ある実施形態において、可溶型のヒトIL−15Raのアミノ酸配列が、Tが配列番号45のThr175であるPQGHSDTT(配列番号26)において終了した、可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:MAPRRARGCR TLGLPALLLL LLLRPPATRG ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSDTT(配列番号4)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号4と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。他の特定の実施形態において、以下のアミノ酸配列:ITCPPPMSVE HADIWVKSYS LYSRERYICN SGFKRKAGTS SLTECVLNKA TNVAHWTTPS LKCIRDPALV HQRPAPPSTV TTAGVTPQPE SLSPSGKEPA ASSPSSNNTA ATTAAIVPGS QLMPSKSPST GTTEISSHES SHGTPSQTTA KNWELTASAS HQPPGVYPQGHSDTT(配列番号45)を有する可溶型のヒトIL−15Ra(たとえば、精製した可溶型のヒトIL−15Ra)をここに提供する。いくつかの実施形態において、(I)配列番号45と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であり、かつ、(II)アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において終了したポリペプチドである、IL−15Ra派生体(たとえば、精製した及び/又は可溶型のIL−15Ra派生体)をここに提供する。
いくつかの実施形態において、天然のヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体をここに提供し、IL−15Ra派生体は可溶型であり、かつ、(A)IL−15Ra派生体のC末端における最終アミノ酸が、アミノ酸配列のC末端がTであるアミノ酸残基PQGHSDTT(配列番号26)からなる;(B) IL−15Ra派生体のC末端における最終アミノ酸が、アミノ酸配列のc末端がtである、アミノ酸残基PQGHSDT(配列番号27)からなる;(C)IL−15Ra派生体のc末端における最終アミノ酸が、アミノ酸配列のC末端がDである、PQGHSD(配列番号28)からなる;(D)IL−15Ra派生体のC末端における最終アミノ酸が、アミノ酸配列のC末端がSである、PQGHS(配列番号29)からなる;又は(E)IL−15Ra派生体のc末端における最終アミノ酸が、アミノ酸配列のC末端がHである、PQGH(配列番号30)からなる。ある実施形態において、これらのIL−15Ra派生体のアミノ酸配列は、配列番号45のアミノ酸配列と、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一である。いくつかの実施形態において、天然のヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体であって、(I)可溶型であり、(II)配列番号45のアミノ酸配列と、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、かつ、(III)IL−15Ra派生体のアミノ酸配列のC末端がGである、アミノ酸配列PQG(配列番号31)において終了した、IL−15Ra派生体をここに提供する。いくつかの実施形態において、IL−15Ra派生体は精製されている。
もう一つの局面において、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Ra派生体をここに提供する。一実施形態において、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するような、IL−15Raの細胞外ドメイン切断部位における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基が欠失又は置換されているというような、付加、欠失又は置換)を含む、IL−15Ra派生体をここに提供する。上述したように、膜結合型ヒトIL−15Raのタンパク質分解切断は、ヒトIL−15RaのGly170とHis171との間において起こる。一実施形態において、これらのアミノ酸残基又は周囲のアミノ酸残基は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するように、変異している。ある実施形態において、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)は、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するように変異している。特定の実施形態において、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸の置換及び/又は欠失(1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基の置換及び/又は欠失のような)は、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)に導入されている。ある実施形態において、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)は、異種プロテアーゼにより認識及び切断される切断部位に置換されている。このような異種プロテアーゼ切断部位の限定されない例には、フーリンプロテアーゼにより認識及び切断されるArg−X−X−Arg(配列番号7)、A−B−Pro−Arg−X−Y(配列番号8)(A及びBは疎水性アミノ酸であり、X及びYは非酸性アミノ酸である)、並びに、トロンビンアミノ酸により認識及び切断されるGly−Arg−Glyが含まれる。
もう一つの局面において、IL−15Ra派生体をここに提供し、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるように変異した細胞外切断部位を含み、かつ、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部が欠失している。ある実施形態において、IL−15Ra派生体をここに提供し、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するような、IL−15Raの細胞外切断部位における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、置換及び/又は欠失)、並びに、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部の代わりに異種分子の膜貫通ドメインの全て又は一部、を含む。いくつかの実施形態において、IL−15Ra派生体をここに提供し、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するような、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、置換及び/又は欠失)、並びに、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部の代わりに異種分子の膜貫通ドメインの全て又は一部、を含む。これらの実施形態に基づき、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raの細胞質尾部の全て又は一部を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。ある実施形態において、異種分子は、CD4、CD8又は主要組織適合複合体(MHC)である。
もう一つの局面において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、精製したグリコシル化IL−15Ra)をここに提供し、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、又は、20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%、若しくは、25%から50%がグリコシル化されている。IL−15Raに占める、グリコシル化されたIL−15Ra(たとえば、精製されたIL−15Ra)の質量(分子量)の比率は、例示であって限定されないが、ゲル電気泳動及びゲル定量法を用い、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、精製されたグリコシル化IL−15Ra)に対する非グリコシル化IL−15Ra(たとえば、精製された非グリコシル化IL−15Ra)の平均質量を比較することにより決定することができる。一実施形態において、IL−15Ra(たとえば、精製したIL−15Ra)の平均質量(分子量)は、シナピン酸を基質として用いるCovalX HM-1高質量検出器を備えたVoyager De-ProにおけるMALDI-TOF MSスペクトラムを用いて決定することができ、また、グリコシル化が占める質量の比率を決定するために、IL−15Raのグリコシル化質量(たとえば精製したグリコシル化IL−15Ra)を、非グリコシル化IL−15Ra(たとえば、精製された非グリコシル化IL−15Ra)の質量と比較することができる(たとえば、図27参照のこと)。
ある実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)をここに提供し、そのグリコシル化は、IL−15Raの質量(分子量)の少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%を占める。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)をここに提供し、そのグリコシル化は、IL−15Raの質量(分子量)の20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%、又は、25%から50%を占める。ある実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)をここに提供し、そのグリコシル化は、IL−15Raの質量(分子量)の約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%又は約50%を占める。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは天然のIL−15Ra(たとえば、天然のヒトIL−15Ra)である。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、IL−15Ra派生体(たとえば、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体)である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような、天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%。85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てにおいてグリコシル化されている:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8及びIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iv)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。ある実施形態において、グリコシル化IL−15Raは精製又は単離されている。
ある実施形態において、IL−15とグリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)とを含む組成物をここに提供し、IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%又は少なくとも50%を占める。いくつかの実施形態において、IL−15とグリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)とを含む組成物をここに提供し、IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%又は25%から50%を占める。他の実施形態において、IL−1とグリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)とを含む組成物をここに提供し、IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%又は約50%を占める。ある実施形態において、IL−15はグリコシル化されている。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然のIL−15Ra(たとえば、天然のヒトIL−15Ra)である。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15RaはIL−15Ra派生体(たとえば、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体)である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、38、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てがグリコシル化されている;(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8又はIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iv)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。
ある実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)を含むIL−15/IL−15Ra複合体をここに提供し、当該IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%又は少なくとも50%を占める。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)を含むIL−15/IL−15Ra複合体をここに提供し、当該IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%又は25%から50%を占める。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)を含むIL−15/IL−15Ra複合体をここに提供し、当該IL−15Raのグリコシル化は、当業者に知られた技術により評価したとき、IL−15Raの質量(分子量)の約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%又は約50%を占める。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然のIL−15Ra(たとえば、天然のヒトIL−15Ra)である。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、IL−15Ra派生体(たとえば、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体)である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような、天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てにおいてグリコシル化されている:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8又はIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iV)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列TCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は精製又は単離されている。
もうひとつの局面において、グリコシル化IL−15Raをここに提供し、当該IL−15Raは特定のアミノ酸残基においてグリコシル化(N−又はO−グリコシル化)されている。ある実施形態において、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てにおいてグリコシル化されたヒトIL−15Raをここに提供する:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK (配列番号43)のSer8又はIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iv)IL−15Raのアミノ酸配列のITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは天然のヒトIL−15Raである。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有する。ある実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、精製又は単離されている。
ある実施形態において、IL−15とヒトIL−15Raとを含む組成物をここに提供し、当該ヒトIL−15Raは、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てにおいてグリコシル化されている:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8又はIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iV)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列TCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは天然のヒトIL−15Raである。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一である。ある実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、精製又は単離されている。
ある実施形態において、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又は全てにおいてグリコシル化されたヒトIL−15Raを含むIL−15/IL−15Ra複合体をここに提供する:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8又はIL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iv)IL−15Raのアミノ酸配列のITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23におけるN−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31におけるN−グリコシル化。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然のヒトIL−15Raである。他の特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、天然に生じるヒトIL−15RaのIL−15Ra派生体である。いくつかの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号32又は33のような天然の可溶型のヒトIL−15Raである。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、可溶型のヒトIL−15RaであるIL−15Ra派生体である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号4、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一のアミノ酸配列を有する。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、精製又は単離されている。
ある実施形態において、グリコシル化IL−15Ra(たとえば、ヒトIL−15Ra)をここに提供し、そのグリコシル化は、IL−15Raの質量(分子量)の少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、又は、20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%若しくは25%から50%を占め、以下のグリコシル化部位の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ若しくは少なくとも7つにおいてグリコシル化されている:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5(たとえば、O−グリコシル化);(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7(たとえば、O−グリコシル化);(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)若しくはアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8(たとえば、N−グリコシル化);(iv)IL−15Raのアミノ酸配列のITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18(たとえば、N−グリコシル化);(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20(たとえば、N−グリコシル化);(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23(たとえば、N−グリコシル化);(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31(たとえば、N−グリコシル化)。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列含む。もう一つの実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、(i)可溶型であり、かつ、(ii)(a)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQGHSDTT(配列番号26)からなり、Tがアミノ酸配列のC末端である;(b)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQGHSDT(配列番号27)からなり、Tがアミノ酸配列のC末端である;(c)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQGHSD(配列番号28)からなり、Dがアミノ酸配列のC末端である;(d)可溶型のIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQGHS(配列番号29)からなり、Sがアミノ酸配列のC末端である;(e)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQGH(配列番号30)からなり、Hがアミノ酸配列のC末端である;又は(f)可溶型のヒトIL−15RaのC末端の最終アミノ酸がアミノ酸残基PQG(配列番号31)からなり、Gがアミノ酸配列のC末端である。特定の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、精製又は単離されている。他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、IL−15を含む組成物の一部である。さらに他の実施形態において、グリコシル化IL−15Raは、IL−15/IL−15Ra複合体の一部である。
[5.2 治療剤]
IL−15レセプターのβγサブユニットに結合する複合体をここに提供し、当該複合体は、IL−15情報伝達(たとえば、Jak/Stat情報伝達)を誘引及びIL−15に仲介される免疫機能を増強し、インターロイキン−15レセプターアルファ(“IL−15Ra”)(“IL−15/IL−15Ra複合体”又は“治療剤”)に共有結合又は非共有結合するIL−15を含む。IL−15/IL−15Ra複合体は、βγレセプター複合体に結合し得る。
IL−15/IL−15Ra複合体は、IL−15又はIL−15派生体と、天然のIL−15Ra又はIL−15Ra派生体とから構成されてもよい。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、天然のIL−15又はIL−15派生体と、上記項目5.1に記載したIL−15Raと、を含む。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、天然のIL−15又はIL−15派生体と、配列番号33、35、37、39、41又は45のアミノ酸配列を有するIL−15Raと、を含む。もうひとつの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、天然のIL−15又はIL−15派生体と、上記項目5.1の項目に記載したグリコシル化IL−15Raと、を含む。IL−15/IL−15Ra複合体の例は、上記項目5.1にも記載されている。
特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、天然のIL−15又はIL−15Ra派生体と、天然の可溶型のIL−15Ra(たとえば、天然の可溶型のヒトIL−15Ra)と、を含む。もう一つ特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、IL−15派生体とIL−15Ra派生体とから構成される。もうひとつの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、天然のIL−15とIL−15Ra派生体とから構成される。一実施形態において、IL−15Ra派生体は可溶型のIL−15Raである。可溶型のIL−15Raの特定の例は、上記項目5.1に記載されている。特定の実施形態において、可溶型のIL−15Raは、天然のIL−15Raの膜貫通領域が欠失しており、また任意で、天然のIL−15Raの細胞外ドメインが欠失している。もう一つの実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raの細胞外ドメイン又はその断片である。ある実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raのsushiドメイン又はexon2を含む細胞外ドメインの断片である。いくつかの実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raのsushiドメイン又はexon2を含む細胞外ドメインの断片と、exon3によりコードされる少なくとも1つのアミノ酸と、を含む。ある実施形態において、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raのsushiドメイン又はexon2を含む細胞外ドメインの断片と、IL−15Raヒンジ領域又はその断片と、を含む。ある実施形態において、IL−15Raは、配列番号19又は20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、IL−15Raは、配列番号33、35、37、39、41又は45のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、IL−15Raは、天然の可溶型のヒトIL−15Raである。
もう一つの実施形態において、IL−15Ra派生体は、細胞外ドメイン切断部位に、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制する変異を含む。上記項目5.1に記載したように、天然のIL−15Raの細胞外切断部位は、本発明者らにより同定された。特定の実施形態において、IL−15Raの細胞外切断部位は、公知の異種プロテアーゼにより認識及び切断される切断部位に置換されている。そのような異種プロテアーゼ切断部位の限定されない例には、フーリンプロテアーゼにより認識及び切断されるArg-X-X-Arg(配列番号7)、並びに、トロンビンプロテアーゼにより認識及び切断されるA-B-Pro-Arg-X-Y(配列番号8)(A及びBは疎水性アミノ酸並びにX及びYは非酸性アミノ酸)及びGly-Arg-Glyが含まれる。
特定の実施形態において、IL−15Raは、IL−15Raの発現を促進するように最適化された核酸配列によりコードされており、その最適化は、例えば、2006年6月9日に出願された米国仮出願番号No. 60/812,566、国際特許出願公報番号WO 2007/084342及びWO 2010/020047、並びに、米国特許番号5,965,726、6,174,666、6,291,664、6,414,132及び6,794,498に記載された方法を用い、これらの文献を、参照としてその全体をここに組み込む。もう一つの実施形態において、IL−15は、IL−15の発現を促進するように最適化された核酸配列によってコードされており、その最適化は、例えば、2006年6月9日に出願された米国仮出願番号No. 60/812,566及び2006年1月13日に出願された米国仮出願番号60/758,819、国際特許出願公報番号WO 2007/084342及びWO 2010/020047、並びに、米国特許番号5,965,726、6,174,666、6,291,664、6,414,132及び6,794,498に記載された方法を用い、これらの文献を、参照としてその全体をここに組み込む。
IL−15/IL−15Ra複合体は、IL−15及びIL−15Raに加えて、異種分子を含み得る。いくつかの実施形態において、異種分子は、ヒトが予防、処置及び/又は管理することを意図する病気に結びつく抗原である(たとえば、ウイルス抗原、バクテリア抗原、寄生虫抗原又は癌抗原)。そのような抗原の限定されない例には、フラビウイルス;たとえばC、M及びEのような構造タンパク質と、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B及びNS5のような非構造タンパク質とを含む西ナイルウイルス(WNV);ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原gp41、gp120、gp160、Nef、Gag及びRev、Tat、Vif、Vpu、Vpr又はvpx;インフルエンザウイルス血球凝集素;ヒト呼吸器合胞体ウイルスG糖タンパク;デング熱ウイルスのコアタンパク質、間質タンパク質又は他のタンパク質;麻疹ウイルス血球凝集素;単純疱疹ウイルス2型糖タンパクgB;ポリオウイルスIVP1(Emini et al., 1983, Nature 304:699);HIVIの外膜糖タンパク;B型肝炎表面抗原;ジフテリア毒素;連鎖球菌24Mエピトープ;淋菌性ピリン;仮性狂犬病ウイルスg50(gpD);仮性狂犬病ウイルスII(gpB);仮性狂犬病ウイルスgIII(gpC);仮性狂犬病ウイルス糖タンパクH;仮性狂犬病ウイルス糖タンパクE;伝染性胃腸炎糖タンパク195;伝染性胃腸炎間質タンパク質;ブタロタウイルス糖タンパク38;ブタパルボウイルス核タンパク質;セルプリナ・ハイオディセンテリア感染防御抗原;ウシウイルス性下痢糖タンパク55;ニューキャッスル病ウイルス血球凝集素ノイラミニダーゼ;ブタインフルエンザ血球凝集素;ブタインフルエンザノイラミニダーゼ;足口病ウイルスの抗原;豚コレラウイルスの抗原;ブタインフルエンザウイルスの抗原;アフリカブタ熱ウイルスの抗原;マイコプラズマヒオヒューモニエ;感染性ウシ鼻気管炎ウイルスの抗原(たとえば、感染性ウシ鼻気管炎ウイルス糖タンパクE又は糖タンパクG);感染性咽頭気管炎ウイルスの抗原(たとえば、感染性咽頭気管炎ウイルス糖タンパクG又は糖タンパクI);ラ・クロスウイルスの糖タンパク;ウシ新生児下痢ウイルスの抗原;ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス;プンタトロウイルス;ネズミ白血病ウイルス;マウス乳癌ウイルス;B型肝炎ウイルスコアタンパク質及び/又はB型肝炎ウイルス表面抗原又はその断片又はその派生体(たとえば、U.K. Patent Publication No. GB 2034323A published June 4, 1980; Ganem and Varmus, 1987, Ann. Rev. Biochem. 56:651-693; Tiollais et al., 1985, Nature 317:489-495参照のこと);ウマインフルエンザ又はウマヘルペスウイルスの抗原(たとえば、ウマインフルエンザウイルスA型/アラスカ91ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA型/マイアミ63ノイラミニダーゼ;ウマインフルエンザウイルスA型/ケンタッキー81ノイラミニダーゼ;ウマヘルペスウイルス1型糖タンパクB;ウマヘルペスウイルス1型糖タンパクD); ウシ呼吸器合胞体ウイルス又はウシパラインフルエンザウイルス(たとえば、ウシ呼吸器合胞体ウイルス付着タンパク質(BRSV G);ウシ呼吸器合胞体ウイルス融合タンパク質(BRSV F);ウシ呼吸器合胞体ウイルス ヌクレオカプシドタンパク質(BRSV N);ウシパラインフルエンザウイルス3型融合タンパク質;ウシパラインフルエンザウイルス3型血球凝集素ノイラミニダーゼ);ウシウイルス性下痢ウイルス糖タンパク48又は糖タンパク53、のような抗原が含まれる。
このような抗原の限定されない他の例には、KS1/4全身性癌抗原、卵巣癌抗原(CA125)、前立腺酸性リン酸塩、前立腺特異抗原、黒色腫関連抗原p97、黒色腫抗原gp75、高分子量黒色腫抗原(HMW−MAA)、前立腺特異膜抗原、癌胎児性抗原(CEA)、多形性上皮粘液素抗原、ヒト乳脂肪小球抗原、CEA、TAG-72、CO17-1A、GICA 19-9、CTA-1及びLEAのような結腸直腸関連抗原、バーキット(Burkitt’s)リンパ腫抗原−38.13、CD19、ヒトBリンパ腫抗原−CD20,CD33、ガングリオシドGD2、ガングリオシドGD3、ガングリオシドGM2、ガングリオシドGM3のような黒色腫特異抗原、T抗原DNA腫瘍ウイルス及びRNAの外皮抗原腫瘍ウイルスを含むウイルス誘引腫瘍抗原のような細胞表面の腫瘍特異移植型抗原(TSTA)、結腸のCEAのような腫瘍胎児抗原−アルファ‐フェトプロテイン、ヒト肺癌抗原L6、L20のような分化抗原、線維肉腫の抗原、ヒト白血病T細胞抗原−Gp37、ネオ糖タンパク、スフィンゴ脂質、EGFR(上皮成長因子レセプター)のような乳癌抗原、HER2抗原(p185HER2)、EphA2レセプター、EphA2レセプター、多形性上皮粘質(PEM)、悪性ヒトリンパ球抗原−APO−1、胎児赤血球及び初期内胚葉において見つかったI抗原のような分化抗原、胃腺癌において見つかったI(Ma)、乳房上皮において見つかったM18及びM39、骨髄性細胞において見つかったSSEA−1、結腸直腸癌において見つかったVEP8、VEP9、My1、VIM−D5及びD156−22、TRA−1−85(血液型H)、大腸腺癌において見つかったC14、肺腺癌において見つかったF3、胃癌において見つかったAH6、Yハプテン、胎児癌細胞において見つかったLey、TL5(血液型A)EGFレセプター、膵臓癌において見つかったE1系(血液型B)、胎児癌細胞において見つかったFC10.2、胃腺癌、腺癌において見つかったCO−514(血液型Lea)、腺癌において見つかったNS−10、CO−43(血液型Leb)、G49、結腸癌において見つかった19.9、胃癌粘液、骨髄性細胞において見つかったT5A7、黒色腫において見つかったR24、4.2、GD3,D1.1、OFA−1、GM2、OFA−2、GD2、胎児癌細胞において見つかったM1:22:25:8、並びに、4−8−細胞分裂段階胚において見つかったSSEA−3及びSSEA−4、が含まれる。
他の実施形態において、異種分子は、ヒトが予防、処置及び/又は管理しようとする病気に結びつく抗原に特異的に結合する抗体である(たとえば、ウイルス抗原、バクテリア抗原、寄生虫抗原又は癌抗原に特異的に結合する抗体)。このような抗体の限定されない例には、抗CD34抗体、抗CD56抗体、抗CD8抗体、抗CD22抗体、抗CD20抗体、抗CD19抗体、抗CD3抗体、抗EGFR抗体、抗HER2抗体、抗CD34抗体、抗ckit抗体、抗flt3抗体、抗血球凝集素抗体、抗gp41抗体、抗gp120抗体、及び、抗HSV−II糖タンパクgB抗体が含まれる。他の実施形態において、抗体は、上記列挙した抗原の1つに免疫特異的に結合する。いくつかの実施形態において、抗体は、ヒトが標的として望む細胞において発現した細胞抗原(たとえば、レセプター又は細胞表面抗原)に、免疫特異的に結合する。たとえば、IL−15/IL−15Ra複合体は、抗CD34抗体を有するCD34+前駆細胞の標的になり得、そのような細胞のCD56+NK細胞への進化を誘引する。IL−15/IL−15Ra複合体は、抗CD56抗体を有するCD56+NK細胞の標的になり得、そのような細胞の増殖を誘引する。
いくつかの実施形態において、異種分子はタンパク質安定性を向上させる。このような分子の限定されない例には、ポリエチレングリコール(PEG)、IgG免疫グロブリンのFcドメイン若しくはその断片、又は、in vivoにおけるIL−15若しくはIL−15Raの半減期を増大させるアルブミンが含まれる。ある実施形態において、IL−15Raは、免疫グロブリン(たとえば、IgG1)のFcドメイン又はその断片に結合/融合している。特定の実施形態において、IL−15Ra/Fc融合タンパク質は、配列番号21又は22のアミノ酸配列を含む。もう一つの実施形態において、IL−15Ra融合タンパク質は、Han et al., 20011, Cytokine 56: 804-810、米国特許番号8,507,222又は米国特許番号8,124,084に記載されたIL−15Ra/Fc融合タンパク質である。ある実施形態において、異種分子は、免疫グロブリン分子のFcドメイン又はそのフラグメントではない。
異種分子を含むこれらのIL−15/IL−15Ra複合体において、異種分子は、IL−15及び/又はIL−15Raに結合していてもよい。一実施形態において、異種分子は、IL−15Raに結合している。もう一つの実施形態において、異種分子は、IL−15に結合している。
IL−15/IL−15Ra複合体の構成要素は、非共有結合又は共有結合のいずれかにより直接融合していてもよく(たとえば、ペプチド結合を介してアミノ酸配列を結合することによって、)、及び/又は、1以上のリンカーを用いて結合していてもよい。特定の実施形態において、IL−15とIL−15Raとは、非共有結合又は共有結合のいずれかにより互いに直接融合しており(たとえば、ペプチド結合を介してアミノ酸配列を結合することによって)、及び/又は、1つ以上のリンカーを用いて結合していてもよい。特定の実施形態において、非共有結合又は共有結合のいずれかにより互いに直接融合したIL−15とIL−15Raとを含むポリペプチドは、機能的である(たとえば、IL−15R βγ複合体に特異的に結合することができる、並びに、IL−15に仲介される情報伝達及び/又はIL−15に仲介される免疫機能を誘引することができる)。IL−15/IL−15Ra複合体の調製に適したリンカーには、ペプチド、アルキル基、化学的に置換されたアルキル基、ポリマー、又は、1以上の構成要素を共に結合することが可能な、他のいずれかの共有結合若しくは非共有結合化学物質が含まれる。ポリマーリンカーには、ポリエチレングリコール(“PEG”)を含む公知のいずれかのポリマーが含まれる。いくつかの実施形態において、リンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20若しくはそれ以上のアミノ酸長のペプチドである。特定の実施形態において、リンカーは、IL−15Raに結合するIL−15の能力を維持するために十分な長さである。他の実施形態において、リンカーは、βγレセプター複合体に結合するIL−15/IL−15Ra複合体の能力を維持するため、及び、IL−15情報伝達を媒介するアゴニストとして作用するために十分な長さである。
特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、ここに記載した方法において使用する前(たとえば、IL−15/IL−15Ra複合体と細胞とを接触させる前、又は、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する前)に予め連結されている。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、ここに記載された方法において使用する前に予め連結されていない。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体は、ワクチン組成物を対象に投与することによって誘引される免疫反応を増強するために、ワクチン組成物と組み合わせて投与する。特定の実施形態において、互いに直接融合したIL−15とIL−15Raとを含む治療剤を、ワクチン組成物を対象に投与することによって誘引される免疫反応を増強するために、ワクチン組成物と組み合わせて投与する。
特定の実施形態において、治療剤は、たとえば、ELISPOT、ELISA及び細胞増殖試験のような公知の評価方法を用いたとき、当該治療剤を投与していない対象における免疫機能に対して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%又は少なくとも10%、対象における免疫機能を誘引又は誘発する。特定の実施形態において、免疫機能は、サイトカイン放出(たとえば、インターフェロン−ガンマ、IL−2、IL−5、IL−10、IL−12又は形質転換成長因子(TGF)−ベータ)である。一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、NK細胞増殖であり、当該NK細胞増殖は、たとえばフローサイトメトリーにより、NK細胞(たとえばCD56)の細胞発現マーカーの数を検出することによって、評価し得る。もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえばELISAにより評価し得る、抗体生産である。いくつかの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえば細胞毒性試験又は他の公知の試験によって評価し得る、エフェクター機能である。
特定の実施形態において、治療剤により増強される免疫機能の例には、リンパ球の増殖/拡張(たとえば、リンパ球数の増加)、リンパ球のアポトーシスの抑制、樹状細胞(又は抗原提示細胞)の活性化、及び、抗原提示が含まれる。特定の実施形態において、治療剤によって増強される免疫機能は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞障害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、形質細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化数の増大/拡張である。一実施形態において、治療剤は、リンパ球前駆細胞の増殖/拡張を増強する、又は、数を増大させる。いくつかの実施形態において、治療剤は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞障害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、形質細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を、ネガティブコントロール(たとえば、治療剤と共に治療していない、培養していない又は接触していないそれぞれの細胞の数)に対して、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍又はそれ以上増大させる。
[5.3 IL−15及びIL−15Raの発現]
5.3.1 核酸
IL−15及びIL−15Raをコードする核酸をここに提供する。IL−15及びIL−15Raをコードする核酸は、上記項目5.2に記載したIL−15/IL−15Ra複合体を形成するために、互いに共有又は非共有結合することができる。そのようなIL−15/IL−15Ra複合体は、βγレセプター複合体に結合することが可能であり、IL−15に仲介される情報伝達を誘引する。
天然のIL−15をコードする核酸配列は、公知であり、確認のために参照するFehniger and Caligiuri, Blood, 2001, 97:14-32に記載されており、当該文献の全体を参照のためにここに組み込む。たとえば、天然のIL−15をコードする核酸配列は、たとえば、ncbi.nlm.nih.govにおける全米バイオテクノロジー情報センターのような、公共に利用可能な出版物及びデータベースにおいて容易に見つけることができる。天然のIL−15Raをコードする核酸配列は、たとえば国際公報番号WO 95/30695を参照すれば、記載されており、たとえば、ncbi.nlm.nih.govにおける全米バイオテクノロジー情報センターのような、公共に利用可能な出版物及びデータベースにおいて容易に見つけることができる。当業者に公知のクローン技術を、IL−15及びIL−15Raをコードする核酸を生成するために用いることができる。たとえば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc. (1995)、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2d ed.), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)、Birren et al., Genome Analysis: A Laboratory Manual, volumes 1 through 4, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1997-1999)を参照のこと。
特定の実施形態において、ここに記載したIL−15及びIL−15Raのポリペプチドをコードする核酸を、ここに提供する。特定の実施形態において、上記項目5.1又は5.2に記載されたIL−15Raポリペプチドをコードする核酸配列を、ここに提供する。もう一つの実施形態において、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を含むIL−15Raポリペプチドをコードする核酸配列を、ここに提供する。もう一つの実施形態において、IL−15Raポリペプチドをコードする核酸配列をここに提供し、当該核酸配列は配列番号5又は6を含む。もう一つの実施形態において、配列番号1のアミノ酸配列又は配列番号1のアミノ酸残基49から162までを含むIL−15ポリペプチドをコードする核酸配列を、ここに提供する。もう一つの実施形態において、IL−15ポリペプチドをコードする核酸配列をここに提供し、当該核酸配列は配列番号2を含む。
もう一つの実施形態において、IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸は、たとえば、コドン/RNA最適化、異種シグナル配列による置換、及び、mRNA不安定因子の除去により最適化されている。コドン変化を誘導する、及び/又は、mRNAにおける抑制領域を除去することによって、発現のためにIL−15及びIL−15Raをコードする最適化された核酸を生成する方法は、たとえば、米国特許番号5,965,726、6,174,666、6,291,664、6,414,132及び6,794,498にL−15及びIL−15Raのために記載されている。これらの参照文献のそれぞれの内容を、参照としてその全体をここに組み込む。また、米国仮出願番号60/812,566(2006年6月9日出願)及び60/758,819(2007年1月13日出願)、並びに、国際特許出願公報番号WO 2007/084342及びWO 2010/020047を、参照としてその全体をここに組み込む。たとえば、IL−15及びIL−15RaのRNA内の、潜在的なスプライシング部位及び不安定因子(たとえば、A/T又はA/Uリッチ因子)は、核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を変化させることなく変異し、発現のためのRNAの安定性を高めることができる。この変異は、たとえば同一アミノ酸の代替コドンを用いるように、遺伝子コードの変質を利用する。いくつかの実施形態において、たとえば、元のアミノ酸同様の化学構造並びに性質及び/又は機能を有する同様のアミノ酸のように、保存される変異をコードする1以上のコドンの変化が望ましいかもしれない。このような方法は、天然の核酸配列にコードされたIL−15及び/又はIL−15Raのタンパク質発現に対して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍又はそれ以上、IL−15及び/又はIL−15Raのタンパク質発現を増大させ得る。
さらに、IL−15及び/又はIL−15Raの天然のシグナルペプチド配列は、たとえば、ヒトGM−CSFのシグナルペプチド(図8A〜Dを参照)、組織プラズミノゲンアクチベータ(tPA)(図5A〜Dを参照)、プリプロラクチン、成長ホルモン又は免疫グロブリンタンパク質(たとえば、IgE)のような異種シグナルペプチドに置換し得る。特定の実施形態において、IL−15のシグナルペプチドは、tPAのシグナル配列に置換されている。他の特定の実施形態において、IL−15のシグナルペプチドは、ヒトGM−CSFのシグナルペプチドに置換されている。そのような改変は、たとえばELISAのような当業者に公知の技術により測定/検出したとき、対応する天然のシグナルペプチドを有するIL−15及び/又はIL−15Raタンパク質の発現に対して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍又はそれ以上、IL−15及び/又はIL−15Raタンパク質/ポリペプチドの発現を増大させることができる。
いくつかの実施形態において、IL−15又はIL−15Raをコードする最適化された核酸配列は、天然のIL−15又はIL−15Raをコードする核酸配列に、それぞれハイブリダイズされている。特定の実施形態において、IL−15又はIL−15Raをコードする最適化された核酸配列は、高ストリンジェンシー条件下で天然のIL−15又はIL−15Raをコードする核酸配列又はその断片に、それぞれハイブリダイズされている。特定の実施形態において、IL−15又はIL−15Raをコードする最適化された核酸配列は、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー又は低ストリンジェンシーなハイブリダイズ条件下で、天然のIL−15又はIL−15Raをコードする核酸配列又はその断片に、それぞれハイブリダイズされている。ハイブリダイズ条件に関する情報は、たとえば、参照する米国出願公報番号US 2005/0048549(たとえば、パラグラフ72〜73)に記載されている。
また、IL−15/IL−15Ra複合体を形成するために、IL−15をIL−15Raに共有結合又は非共有結合することを可能にする形式で、IL−15、IL−15Ra及び異種分子をコードする核酸を、ここに提供する。いくつかの実施形態において、異種分子は、ヒトが予防、処置及び/又は管理することを意図する病気に結びつく抗原である。このような抗原の限定されない例には、上記項目5.2に列挙したものが含まれる。他の実施形態において、異種分子は、ヒトが予防、処置及び/又は管理することを意図する病気に結びつく抗原に特異的に結合する抗体である。このような抗体の限定されない例には、上記項目5.2に列挙したもの、及び、公知のものが含まれる。いくつかの実施形態において、抗体は、ヒトが対象として望む細胞に発現した細胞表面抗原(たとえば、レセプター)に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、異種分子は、タンパク質安定性を向上させる。このような分子の限定されない例には、ポリエチレングリコール(PEG)、IgG免疫グロブリンのFcドメイン若しくはその断片、又は、in vivoでのIL−15若しくはIL−15Raの半減期を増大させるアルブミンが含まれる。ある実施形態において、異種分子は、免疫グロブリン分子のFcドメイン又はその断片ではない。
異種分子を含むこれらのIL−15/IL−15Ra複合体中では、異種分子はIL−15及び/又はIL−15Raに結合していてもよい。一実施形態において、異種分子はIL−15Raに結合している。もう一つの実施形態において、異種分子はIL−15に結合している。
特定の実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、1つの核酸構築物(たとえば、バイシストロニック構築物)によってコードされている。いくつかの実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、単一のオープンリーディングフレームを有する1つの核酸構築物によりコードされている。いくつかの実施形態において、核酸構築物によりコードされたIL−15又はIL−15Raは、目的の抗原又は抗体のような異種分子をコードする核酸に結合し得る。他の実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、2つの核酸構築物によりコードされており、第1の核酸構築物はIL−15をコードし、第2の核酸構築物はIL−15Raをコードしている。第1核酸構築物によりコードされたIL−15は、目的の抗原又は抗体のような異種分子をコードする核酸に結合され得る。代替として又は加えて、第2核酸構築物によりコードされたIL−15Raは、目的の抗原又は抗体のような異種分子をコードする核酸に結合され得る。
ここに記載した核酸は、遺伝子治療プロトコルの一部として、対象(好ましくはヒトの対象)に投与し得る。特定の実施形態において、ここ(たとえば項目3.1、5.1及び/又は5.2を参照)に記載したIL−15Raポリペプチドをコードする核酸を、遺伝子治療プロトコルの一部として、対象(好ましくはヒトの対象)に投与し得る。ある実施形態において、ここ(たとえば項目3.1、5.1及び/又は5.2を参照)に記載したIL−15Raポリペプチドをコードする核酸、並びに、IL−15ポリペプチドをコードする核酸を、遺伝子治療プロトコルの一部として、対象(好ましくはヒトの対象)に投与し得る。特定の実施形態において、核酸は、上記項目5.1に記載したIL−15Raをコードする。対象に投与するIL−15Raポリペプチド及びIL−15ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター、プラスミド又は下記項目5.3.2に記載されたような他の構築物の一部であり得る。IL−15Raポリペプチド及びIL−15ポリペプチドをコードする核酸は、IL−15に仲介される免疫機能を増強する、及び/又は、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効な疾患を予防、処置及び/又は管理するために、対象に投与され得、このような疾患は、たとえば、癌、感染症、免疫不全及び/又はリンパ球減少のような疾患である。
5.3.2 構築物及び細胞
IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸は、哺乳動物細胞、バクテリア、酵母及びウイルス中における発現のために、核酸構築物に挿入され得る。IL−15及びIL−15Raは、同一の核酸構築物から(たとえば、バイシストロニック核酸構築物を用いて)、又は、異なる核酸構築物から(たとえば、モノシストロニック核酸構築物を用いて)、組み換え的に発現することが可能である。一実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、IL−15及びIL−15Raの単一のオープンリーディングフレーム(ORF)を含む単一の核酸構築物から、組み換え的に発現することができる。
核酸構築物は、IL−15及び/又はIL−15Raのコード配列に作動可能に連結された1以上の転写調節因子を含み得る。転写調節因子は、典型的には、5’からコード配列までであり、IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸の転写を導く。いくつかの実施形態において、天然のIL−15遺伝子及び/又は天然のIL−15Ra遺伝子の転写を調節するために、天然で見つかる1以上の転写調節因子を、転写のコントロールとして使用する。他の実施形態において、天然のIL−15遺伝子及び/又は天然のIL−15Ra遺伝子に対して異種の、1つ以上の転写調節因子を、転写のコントロールとして使用する。当業者に知られたいずれかの転写調節因子を使用し得る。転写調節因子の型の限定されない例には、構造性プロモーター、組織特異的プロモーター及び誘導プロモーターが含まれる。特定の実施形態において、転写は、少なくとも部分的に、哺乳動物(いくつかの実施形態においては、ヒト)の転写調節因子により制御される。特定の実施形態において、転写は、少なくとも部分的に、たとえばCMVのような強力なプロモーターにより制御される。
転写を制御するために用いられ得るプロモーターの特定の例には、特に限定されないが、SV40初期プロモーター領域(Bernoist & Chambon, 1981, Nature 290:304-310)、ラウス肉腫ウイルスの3’末端の長い反復領域を含むプロモーター(Yamamoto et al., 1980, Cell 22:787-797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagner et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 78:1441-1445)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinster et al., 1982, Nature 296:39-42)、アデノウイルス(ADV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ウシパピローマウイルス(BPV)、パロウイルスB19p6プロモーター、ベータ−ラクタマーゼプロモーター(Villa-Kamaroff et al., 1978, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 75:3727-3731)又はtacプロモーター(DeBoer et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:21-25)(“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242:74-94も参照のこと)のような原核生物発現ベクター、ノパリンシンセターゼプロモーター領域(Herrera-Estrella et al., Nature 303:209-213)又はカリフラワーモザイクウイルス35S RNAプロモーター(Gardner, et al., 1981, Nucl. Acids Res. 9:2871)を含む植物発現ベクター、光合成関連酵素リブロースビスリン酸カルボキシラーゼのプロモーター(Herrera-Estrella et al., 1984, Nature 310:115-120)、Gal4プロモーターのような、酵母又は菌類からのプロモーター因子、ADC(アルコール脱水素酵素)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター、並びに、組織特異的に提示され、形質転換動物において使用される以下の動物転写調節領域が含まれる:膵臓腺房細胞において活性化するエラスターゼI遺伝子制御領域(Swift et al., 1984, Cell 38:639-646; Ornitz et al., 1986, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 50:399-409; MacDonald, 1987, Hepatology 7:425-515)、膵臓ベータ細胞において活性化するインスリン遺伝子制御領域(Hanahan, 1985, Nature 315:115-122)、リンパ球様細胞において活性化する免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedl et al., 1984, Cell 38:647-658; Adames et al., 1985, Nature 318:533-538; Alexander et al., 1987, Mol. Cell. Biol. 7:1436-1444)、精巣細胞、乳房細胞、リンパ球様細胞及び肥満細胞において活性化するマウス乳房腫瘍ウイルス制御領域(Leder et al., 1986, Cell 45:485-495)、肝臓において活性化するアルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al., 1987, Genes and Devel. 1:268-276)、肝臓において活性化するアルファ−フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlauf et al., 1985, Mol. Cell. Biol. 5:1639-1648; Hammer et al., 1987, Science 235:53-58)、肝臓において活性化するアルファ1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al., 1987, Genes and Devel. 1:161-171)、骨髄性細胞において活性化するベータ−グロブリン遺伝子制御領域(Mogram et al., 1985, Nature 315:338-340; Kollias et al., 1986, Cell 46:89-94)、脳における希突起膠細胞において活性化するミエリン塩基性タンパク遺伝子制御領域(Readhead et al., 1987, Cell 48:703-712)、骨格筋において活性化するミオシン短鎖−2遺伝子制御領域(Sani, 1985, Nature 314:283-286)、並びに、視床下部において活性化する性腺刺激放出ホルモン遺伝子制御領域(Mason et al., 1986, Science 234:1372-1378)。他の局面において、誘導可能なプロモーターを使用し得る。
核酸構築物は、また、IL−15及び/又はIL−15Raのコード配列に作動可能に連結された1以上の転写後調節因子を含んでいてもよい。転写後調節因子は、5’及び/又は3’からコード配列までであってもよく、IL−15及び/又はIL−15RaをコードするRNAコピーの翻訳の転写後調節を導く。
もう一つの局面において、核酸構築物は、異なる遺伝子から単離した調節配列又は新規の調節配列により遺伝子が存在する調節領域を置換した、遺伝子ターゲッティングベクターになり得、このような調節配列は、たとえば、国際公報番号WO 94/12650及びWO 01/68882に記載されており、当該文献の全体を参照としてここに組み込む。。ある実施形態において、たとえば内因性IL−15及び/又はIL−15Ra遺伝子の調節領域を変更すること等によって、内因性IL−15及び/又はIL−15Raの生成を増大させるように、宿主細胞を設計し得る。
核酸構築物の選択は、転写調節因子の強さ並びにIL−15及び/又はIL−15Raの発現に用いる宿主細胞を含むが、これに限定されない因子の種類に依存するだろう。核酸構築物は、プラスミド、ファージミド、コスミド、ウイルスベクター、ファージ、人工染色体等であり得る。一つの局面において、ベクターは、エピソーム組み込みベクター又は非同種組み込みベクターになり得、いずれかの適切な方法(形質転換、トランスフェクション、接合、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈降、直接マイクロインジェクション等)により、適切な宿主細胞中に導入し、それを形質転換する。
核酸構築物は、IL−15及び/又はIL−15Raの一過性発現又は安定発現のための、プラスミド又は安定した組み込みベクターになり得る。安定発現のために、ベクターは、標的部位又は任意の染色体部位において染色体組み込みを媒介し得る。IL−15及び/又はIL−15Raの発現に用いられ得る宿主細胞−ベクターシステムの限定されない例には、ウイルス(たとえば、ワクチンウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス等)に感染した哺乳動物細胞システム、ウイルス(たとえば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞システム、酵母ベクターを含む酵母又はバクテリオファージで形質転換したバクテリアのような細菌ウイルス、DNA、プラスミドDNA、コスミドDNA、並びに、選択マーカーを用いて形質転換することによって生成される安定した細胞株が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸構築物は、neo、gpt、dhfr、ada、pac、hyg、CAD及びhisDを含むがこれに限定されない、選択マーカー遺伝子を含む。
核酸構築物は、モノシストロニック又はマルチシストロニックになり得る。マルチシストロニック核酸構築物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上、又は、2〜5、5〜10又は10〜20の範囲内の遺伝子/ヌクレオチド配列をコードしてもよい。たとえば、バイシストロニック核酸構築物は、以下の順に、プロモーター、第1遺伝子(たとえばIL−15)及び第2遺伝子(たとえばIL−15Ra)を含み得る。そのような核酸構築物において、両方の遺伝子の転写は、プロモーターにより操作される一方で、第1遺伝子からmRNAへの翻訳は、キャップ依存スキャンメカニズムにより操作され、第2遺伝子からmRNAへの翻訳は、IRESのような、キャップ非依存メカニズムにより操作される。
これらの局面を実行するための技術として、特に明示しない限り、分子生物学、微生物学、並びに、組み換えDNA操作及び生成の従来の技術であって、当業者が日常的に実施する技術を採用するだろう。たとえば、以下の文献を参照のこと:Sambrook, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second Edition;DNA Cloning, Volumes I and II (Glover, Ed. 1985);Oligonucleotide Synthesis (Gait, Ed. 1984);Nucleic Acid Hybridization (Hames & Higgins, Eds. 1984);Transcription and Translation (Hames & Higgins, Eds. 1984);Animal Cell Culture (Freshney, Ed. 1986);Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press, 1986);Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Miller & Calos, Eds. 1987, Cold Spring Harbor Laboratory);Methods in Enzymology, Volumes 154 and 155 (Wu & Grossman, and Wu, Eds., respectively), (Mayer & Walker, Eds., 1987);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Academic Press, London, Scopes, 1987);Expression of Proteins in Mammalian Cells Using Vaccinia Viral Vectors in Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2 (Ausubel et al., Eds., 1991)。
IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸を含む核酸構築物は、in vivoで哺乳動物に投与する、又は、培養中に初期細胞又は不死化細胞にトランスフェクトすることができる。このような核酸構築物は、IL−15に仲介される機能を増強するために、並びに/又は、下記の項目5.7から5.9に記載された病気のように、IL−15に仲介される機能の増強が有効であるような病気を予防、処置及び/若しくは管理するために用いることができる。IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸を含む核酸構築物は、IL−15及び/又はIL−15Raを発現する細胞を生成するために用いることができる。いくつかの実施形態において、細胞は、初代細胞(たとえば、患者から単離した腫瘍細胞)である。他の実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞株である。
核酸の発現のための宿主細胞の選択は、細胞の使用目的に依存するだろう。たとえばIL−15及び/又はIL−15Raを内生的に発現する細胞と同様に、細胞がグリコシル化するかどうかのような因子は、宿主の選択において考慮されてもよい。
本明細書に記載した核酸構築物がコードするタンパク質の発現に用いることができる宿主細胞の限定されない例には、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、初期細胞、不死化細胞、植物細胞、及び、昆虫細胞が含まれる。特定の実施形態において、宿主細胞は哺乳動物細胞株である。哺乳動物細胞株の例には、COS、CHO、HeLa、NIH3T3、HepG2、MCF7、HEK 293、HEK 293T、RD、PC12、ハイブリドーマ、B前駆細胞、293、293H、K562、SkBr3、BT474、A204、M07Sb、TFβ1、Raji、Jurkat、MOLT−4、CTLL−2、MC−IXC、SK−N−MC、SK−N−MC、SK−N−DZ、SH−SY5Y、C127、N0、及び、BE(2)−C細胞が含まれるが、これに限定されない。発現のための宿主細胞として使用可能な他の哺乳動物細胞株は、当業者に公知であり、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が含まれる。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、対象由来の不死化細胞株である。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、対象からの初代又は二次細胞である。特定の実施形態において、宿主細胞は、癌細胞である。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、放射線照射細胞である。特定の実施形態において、宿主細胞は、放射線照射哺乳動物細胞株又は対象からの初代細胞である。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、上皮細胞又は内皮細胞である。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、胎児/胚細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、前駆細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、リンパ球(たとえば、T細胞及びB細胞)である。さらにもう一つの実施形態において、ここに記載した核酸構築物を発現するように設計された宿主細胞は、成人由来である。
いくつかの実施形態において、単離した細胞をここで利用する。特定の実施形態において、単離した細胞は、フローサイトメトリーのような当業者に公知の技術により測定したとき、異なる細胞系を少なくとも80%、90%、95%又は98%含んでいない。言い換えると、単離した細胞の少なくとも80%、90%、95%又は98%が同一の細胞系である。
特定の実施形態において、IL−15又はIL−15Raをコードする核酸構築物を、同一の宿主細胞又は異なる宿主細胞に、共に又はそれぞれトランスフェクトすることができる。任意で、選択マーカー遺伝子をコードする核酸を含む核酸構築物を、また、トランスフェクトした細胞を選択するために、同一の細胞にトランスフェクトすることができる。IL−15及びIL−15Raをコードする核酸を含む核酸構築物を異なる細胞にトランスフェクトした場合、異なる細胞により発現したIL−15及びIL−15Raを単離し、上記項目5.2に記載したようにIL−15/IL−15Ra複合体を形成するために適した条件下において互いに接触させることができる。たとえば、形質転換、トランスフェクション、結合、プロトプラスト誘導、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈降、直接マイクロインジェクション、並びに、アデノウイルス、レンチウイルス及びレトロウイルスが含まれるがこれに限定されないウイルス感染を含む、当業者に公知のいずれかの技術を、宿主細胞に核酸をトランスフェクト又は形質導入するために用いることができる。
長期間、多量の組み換えIL−15及びIL−15Raポリペプチドを生産するために、安定した細胞株を生成することができる。たとえば、細胞株は、同一の又は分離した核酸構築物上の選択マーカー遺伝子を含み得る、ここに記載した核酸構築物を用いた形質転換が可能である。選択マーカー遺伝子は、共にトランスフェクトすることによって、同一の細胞に導入され得る。ベクターの導入の後、細胞を濃縮培地において1〜2日間成長させた後、選択培地に移して、導入した核酸を首尾よく発現するように、細胞を成長及び回復させてもよい。安定的に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞株に適した当業者に公知の組織培養技術を用いて増殖させてもよい。特定の実施形態において、細胞株は、無血清培地において成長させるのに適している。一実施形態において、細胞株は、シェイカーフラスコ中の無血清培地において成長させるのに適している。一実施形態において、細胞株は、攪拌フラスコ又は回転フラスコ中で成長させるのに適している。ある実施形態において、細胞株を、懸濁液中において培養する。特定の実施形態において、細胞株は、粘着性ではない、又は、非粘着性細胞として成長するのに適している。ある実施形態において、細胞株は、低カルシウム条件において成長させるのに適している。いくつかの実施形態において、細胞株は、低血清培地中で培養する又は成長させるのに適している。
特定の実施形態において、本発明の組み換えポリペプチドを高収量生産するために特に好ましい方法は、DHFR欠損CHO細胞におけるジヒドロフォレート還元酵素の利用を通した方法であり、当該方法は、米国特許番号4,889,803に記載されたメトトレキセートレベルが首尾よく上昇することを利用したものであり、当該文献の全てを参照としてここに組み込む。このような細胞から得られたポリペプチドは、グリコシル化されていてもよい。
特定の実施形態において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する宿主細胞を、下記項目6.4に記載の技術を利用して生成する。他の実施形態において、宿主細胞は、下記項目6.4に記載のHEK293細胞である。
一実施形態において、宿主細胞は、あるアミノ酸残基においてグリコシル化(N−又はO−グリコシル化)されたIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、グリコシル化されたIL−15Raポリペプチド(例えば、ヒトIL−15Raポリペプチド)を組み換え的に発現し、IL−15Raポリペプチドのグリコシル化は、IL−15Raポリペプチドの質量(分子量)の、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、若しくは、20%から25%、20%から30%、25%から30%、25%から35%、30%から35%、30%から40%、35%から40%、35%から45%、40%から50%、45%から50%、20%から40%、又は25%から50%を占める。ある実施形態において、宿主細胞は、以下のグリコシル化部位の1、2、3、4、5、6、7つ又はその全てにおいてグリコシル化されたヒトIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する:(i)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5におけるO−グリコシル化;(ii)IL−15Raのアミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7におけるO−グリコシル化;(iii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK (配列番号43)のSer8、若しくは、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8におけるN−グリコシル化;(iv)IL−15Raのアミノ酸配列のITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18におけるN−グリコシル化;(v)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20におけるN−グリコシル化;(vi)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23における、N−グリコシル化;及び/又は(vii)IL−15Raのアミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31における、N−グリコシル化。
一実施形態において、細胞株を、IL−15及び可溶型のIL−15Raの両方を発現するように設計し、IL−15及び可溶型のIL−15Raの精製した安定異質二量体は、in vitro又はin vivoで使用可能であり、たとえば、ヒトに投与し得る。ある実施形態において、細胞株を、天然のヒトIL−15及び天然のヒトIL−15Raの両方を発現するように設計し、形成した天然のヒトIL−15及び天然のヒトIL−15Raの安定した異質二量体を精製し、当該精製した異質二量体はヒトに投与するために用いることができる。一実施形態において、IL−15及びIL−15Raの両方を組み換え的に発現する細胞株から生成されたとき、IL−15の安定性は向上している。
特定の実施形態において、宿主細胞は、IL−15及び全長IL−15Raを組み換え的に発現する。もう一つの特定の実施形態において、宿主細胞は、IL−15及び可溶型のIL−15Raを組み換え的に発現する。もう一つの実施形態において、宿主細胞は、IL−15及び膜結合型IL−15Raを組み換え的に発現し、当該IL−15Raは、細胞表面から分離せず、細胞に結合した状態である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、IL−15及び/又はIL−15Ra(全長又は可溶型の)を組み換え的に発現し、また、他のポリペプチド(たとえば、サイトカイン又はその断片)も組み換え的に発現する。
ある実施形態において、宿主細胞は、ここに記載したIL−15Raポリペプチド(たとえば、上記項目3.1、5.1及び/又は5.2を参照のこと)を組み換え的に発現する。特定の実施形態において、宿主細胞は、アミノ酸配列3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を含むIL−15Raポリペプチドを、組み換え的に発現する。もう一つ特定の実施形態において、宿主細胞は、ここに記載したグリコシル化IL−15Raポリペプチド(たとえば、上記項目5.1を参照のこと)を組み換え的に発現する。ある実施形態において、このような宿主細胞は、IL−15Raポリペプチドに加えて、IL−15ポリペプチドを組み換え的に発現する。
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、ここに記載したIL−15Raポリペプチド(たとえば、上記項目3.1、5.1及び/又は5.2を参照のこと)、並びに、IL−15(たとえば、上記項目3.1に記載したIL−15)を組み換え的に発現する。特定の実施形態において、宿主細胞は、配列番号3、4、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は45のアミノ酸配列を含むIL−15Raポリペプチド、及び、IL−15(たとえば、上記項目3.1に記載したIL−15)を組み換え的に発現する。もう一つの特定の実施形態において宿主細胞は、ここに記載したグリコシル化IL−15Raポリペプチド(たとえば、上記項目5.1を参照のこと)、及び、IL−15(たとえば、上記項目3.1に記載したIL−15)を組み換え的に発現する。
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドを、組み換え的に発現する。一実施形態において、宿主細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断を抑制するような、IL−15Raの細胞外ドメイン切断部位における、1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異を含むIL−15Ra派生体を、組み換え的に発現する。ある実施形態において、宿主細胞は、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するようにアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)が変異した、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。特定の実施形態において、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するような、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸の置換及び/又は欠失が、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)に導入されている。ある実施形態において、宿主細胞は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸配列が、異種プロテアーゼにより認識及び切断される切断部位に置換されたIL−15Ra派生体を、組み換え的に発現する。そのような異種プロテアーゼの切断部位の限定されない例には、フーリンプロテアーゼにより認識及び切断されるArg-X-X-Arg(配列番号7)、並びに、トロンビンプロテアーゼにより認識及び切断されるA-B-Pro-Arg-X-Y(配列番号8)(A及びBは疎水性アミノ酸並びにX及びYは非酸性アミノ酸)及びGly-Arg-Gly、が含まれる。
もう一つの実施形態において、宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現し、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するように変異した細胞外切断部位を含み、さらに、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部が欠失している。ある実施形態において、宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現し、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断を抑制するような、IL−15Raの細胞外切断部位における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(置換及び/又は欠失)を含み、また、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は一部を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現し、当該IL−15Ra派生体は、(i)アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断が抑制されるような、1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、置換及び/又は欠失)を含み、また、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は一部の位置に、異種分子の膜貫通ドメインの全て又は一部を含む。これらの実施形態に基づき、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raの細胞質尾部の全て又は一部を含んでいてもよいし、又は、含んでいなくてもよい。ある実施形態において、異種分子は、CD4、CD8又はMHCである。
IL−15及び/又はIL−15Raをコードする核酸は、哺乳動物細胞を生成するために用いることができ、当該哺乳動物細胞は、IL−15及びIL−15Raを単離及び生成するために、高収量でIL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現し、好ましくは、IL−15及びIL−15Raは、IL−15/IL−15Ra複合体として結合している。一実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の高収量とは、細胞において発現したIL−15/IL−15Ra複合体の量が、コントロール細胞(たとえばIL−15、IL−15Ra、若しくは、IL−15とIL−15Raとの両方を組み換え的に発現するように遺伝学的に設計されていない細胞、又は、空のベクターを有する細胞)により内生的に発現したIL−15/IL−15Ra複合体の量よりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍又は20倍以上であることに関する。いくつかの実施形態において、ここに記載した宿主細胞は、当業者に公知の技術(たとえば、ELISA)により測定したとき、約0.1pgから25pg、0.1pgから20pg、0.1pgから15pg、0.1pgから10pg、0.1pgから5pg、0.1pgから2pg、2pgから10pgまたは5から20pgのIL−15を発現する。ある実施形態において、ここに記載した宿主細胞は、当業者に公知の技術(たとえば、ELISA)により測定したとき、1日に約0.1から0.25pg、0.25から0.5pg、0.5から1pg、1から2pg、2から5pg又は5から10pgのIL−15を発現する。ある実施形態において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する宿主細胞の個体群は、100万細胞あたり一日に、200ngから20,000ng、200ngから15,000ng、200ngから10,000ng、200ngから5,000ng、200ngから2,000ng、200ngから1,000ng、200ngから600ng、200ngから500ng、300ngから600ngのIL−15を発現する。いくつかの実施形態において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する宿主細胞の個体群は、100万細胞あたり1日に、約200ng、約300ng、約400ng、約500ng、約600ng、約700ng、約800ng、約900ng、約1,000ng、約1,500ng、約2,000ng、約5,000ng、約10,000ng、約15,000ng、約20,000ngのIL−15を発現する。特定の実施形態において、IL−15Raは、可溶型のIL−15Raである。特定の実施形態において、IL−15Raは、安定した異質二量体のIL−15に結合する可溶型のIL−15Raであり、収量を増大させるとともに、生物活性異質二量体IL−15/可溶型のIL−15Raサイトカインの生産及び精製を簡略化する。
組み換えIL−15及びIL−15Raは、たとえば国際公報番号07/070488に参照されるように、当業者に公知の組み換えタンパク質生産及び精製方法を用いて精製してもよく、当該文献の全体を参照としてここに組み込む。簡潔に言うと、ポリペプチドは、細胞内のペリプラズム空間において生成するか、又は、培地中に直接分泌させることが可能である。ポリペプチドを含む細胞溶解物又は上清は、たとえば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び、アフィニティクロマトグラフィーを用いて精製することができる。イオン交換カラムを用いた分留、エタノール沈降、逆相HPLC、シリカを用いたクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(登録商標)(ゲル濾過物質;Pharmacia Inc., Piscataway, New Jersey)を用いたクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラム等)、を用いたクロマトグラフィー、色素集束、SDS−PAGE、及び、硫酸アンモニウム沈降のようなタンパク質を精製する他の技術も、利用可能である。
いくつかの実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、異なる細胞において合成又は組み換え的に発現し、続いて、IL−15/IL−15Ra複合体を形成するためにin vitroで単離及び結合させた後に、対象に投与する。他の実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、異なる細胞において合成又は組み換え的に発現し、続いて、単離すると同時に、in situ又はin vivoで対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する。さらに他の実施形態において、IL−15及びIL−15Raは、同じ細胞において共に合成又は発現し、形成したIL−15/IL−15Ra複合体を単離する。このような精製技術については、下記項目6.4を参照のこと。
ある局面において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する宿主細胞を、遺伝子治療プロトコルの一部として、対象(好ましくは、ヒト対象)に投与する。これについては、以下の項目5.6を参照のこと。
[5.4 組成物]
たとえば、上記項目5.1に記載したような可溶型のIL−15Raのように、ここに記載したIL−15Raを含む組成物をここに提供する。上記治療剤を含む組成物も、ここに提供する。この組成物は、薬学組成物(たとえば、不純物を含む組成物又は無菌ではない組成物)、及び、投薬単位型の調製に用いることができる薬学組成物(たとえば、対象又は患者への投与に適した組成物)の製造に有益なバルク薬剤組成物を含む。組成物(たとえば、薬学組成物)は、効果的な量の治療剤又は治療剤の組み合わせ、及び、薬学的に許容される担体を含む。特定の実施形態において、組成物(たとえば、薬学組成物)は、効果的な量の1以上の治療剤と、薬学的に許容される担体とを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、さらに、たとえば、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、アジュバントのような、追加の治療剤を含む。このような治療剤の限定されない例を、以下に提供する。
特定の実施形態において、用語「薬学的に許容される」は、連邦若しくは州政府規制当局に承認されたこと、米国薬局方に列挙されたこと、又は、他の一般に認識された薬局方に、動物及びより具体的にはヒトに使用することを承認されたことを意味する。用語「担体」は、希釈剤、アジュバント(たとえば、完全及び不完全フロインドアジュバント、又は、より好ましくはChironから得られるMF59C.1アジュバント(Emeryville, CA))、賦形剤、又は、治療剤が投与されたビヒクルに関する。そのような薬学担体は、水及び油のような殺菌した液体であってもよく、このような油には、ピーナツ油、大豆油、鉱油、ごま油のような、石油、動物油、植物油若しくは合成油が含まれる。一実施形態において、水は、薬学組成物を静脈内投与するとき、担体になる。食塩水及び水性デキストロース及びグリセロール溶液もまた、特に注入可能溶液として、液体担体として採用することができる。適切な薬学賦形剤には、でんぷん、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦、石灰粉末、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脂肪粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等が含まれる。必要であれば、組成物は、少量の湿潤剤、乳化剤、又はpH緩衝剤もまた含む。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、ピル、カプセル、粉、徐放性形態等の形式をとることができる。
薬学組成物は、1以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を用いて、従来のいずれかの方法により形成してもよい。特定の実施形態において、ここに記載した方法により対象に投与する治療剤は、薬学組成物として投与される。
一般に、治療剤を含む薬学組成物の構成要素は、単位投薬型において別々又は共に混合してのいずれかで供給され、たとえば、活性剤の量を示すアンプル又は袋のような密閉された容器内に、乾燥凍結粉体又は無水濃縮物として供給される。治療剤を注入によって投与するとき、滅菌された薬学的等級の水又は食塩水(たとえば、PBS)を含む注入ボトルで調剤することができる。治療剤を注入によって投与するとき、滅菌した注入用の水又は食塩水のアンプルを提供し、それにより含有物を投与前に混合してもよい。
いくつかの実施形態において、治療剤を、非経口的(たとえば、皮下、静脈又は筋内)投与を含むがこれに限定されない、当業者に公知のいずれかの方法により投与するために、形成してもよい。一実施形態において、治療剤を、局所又は全身非経口投与のために形成してもよい。特定の実施形態において、治療剤を、皮下又は静脈投与のために形成してもよい。一実施形態において、治療剤を、薬学的に互換性のある溶液中に形成してもよい。
治療剤を、たとえば、静脈内ボーラス又は連続注入のように、注入により非経口投与するように形成することができる。注入の形態は、たとえば、アンプル又はマルチ投薬容器内に、添加された防腐剤と共に、単位投薬型で与えられてもよい。組成物は、油性担体又は水性担体中で、懸濁液、溶液又はエマルションのような形態をとってもよく、懸濁化剤、分解防止剤及び/又は分散剤のような形成剤を含んでもよい。代替的に、活性成分(たとえば、治療剤)が、使用前に、たとえば、発熱物質を含まない殺菌した水のような適切な担体と共に構成した粉体形態であってもよい。
[5.5 IL−15/IL−15Ra複合体の周期的投与に関する予防及び治療方法]
1つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強方法 を提供し、当該方法は、IL−15レセプターのβγサブユニットに結合する複合体を対象に投与して、IL−15情報伝達を誘引及びIL−15に仲介される免疫機能を増強するものであり、この複合体は、インターロイキン15レセプターアルファ(“IL−15Ra”)に共有又は非共有結合するIL−15を含む(“IL−15/IL−15Ra複合体”又は“治療剤”)。増強したIL−15に仲介される免疫機能は、ある疾患の予防、処置及び/又は管理に有効であるので、それを必要とする対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを含む、そのような疾患の予防、処置及び/又は管理のための方法、をここに提供する。IL−15に仲介される免疫機能増強が有効である疾患の限定されない例には、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症、及び、けがが含まれる。
特定の局面において、ここに記載した方法は、IL−15/IL−15Ra複合体を投与した後、約18から24時間、約24から36時間、又は、約36から38時間、基準レベル以上のIL−15の血漿レベルを維持する。IL−15の基準血漿レベルは、ヒトにおいて約1pg/ml、サル(サル科マカク属のサルのような)において約8〜10pg/ml、及び、齧歯類(マウスのような)において約12pg/mlである。それゆえに、特定の実施形態において、ここに記載した方法は、血漿レベルを、ヒトにおいて約1pg/ml、サル(サル科マカク属のサルのような)において約8〜10pg/ml、及び、齧歯類(マウスのような)において約12pg/mlに維持する。いずれの理論にも束縛されることなく、IL−15の血漿レベルの安定性は、IL−15投与に関連するいずれの副作用も最小化する一方で、リンパ球の成長と活性化とを最大化する。一実施形態において、ここに記載した方法は、約0.1μg/kgから約10μg/kgの量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することによって、基準血漿レベルを超えるIL−15の安定した血漿レベルを達成する。他の実施形態において、ここに記載した方法は、約0.1μg/kgから約20μg/kg、約10μg/kgから約20μg/kg、約20μg/kgから約40μg/kg、約25μg/kgから約50μg/kgの量のIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することによって、IL−15の高い血漿レベルを達成する。
一実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも28時間、少なくとも30時間、少なくとも32時間、少なくとも34時間、少なくとも36時間、少なくとも38時間、少なくとも40時間、少なくとも42時間、少なくとも44時間、少なくとも46時間又は少なくとも48時間、基準レベルを超えるように維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約26時間、約28時間、約30時間、約32時間、約34時間、約36時間、約38時間、約40時間、約42時間、約44時間、約46時間又は約48時間、基準レベルを超えるように維持する。特定の実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18から24時間、約22から24時間、約24から28時間、約24から30時間、約26から32時間、約28から32時間、約30から36時間、約32から38時間、約34から38時間、約36から42時間、約38から45時間、約38時間又は約40から48時間、基準レベルを超えるように維持する。ELISAのような当業者に公知の技術を、IL−15血漿レベルの測定に利用することができる。
特定の実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも28時間、少なくとも30時間、少なくとも32時間、少なくとも34時間、少なくとも36時間、少なくとも38時間、少なくとも40時間、少なくとも42時間、少なくとも44時間、少なくとも46時間又は少なくとも48時間、1pg/mlから10000mg/ml(ある実施形態においては、5000pg/mlから10000pg/ml、1000pg/mlから5000pg/ml、1000pg/mlから2500pg/ml、1000pg/mlから2000pg/ml、100pg/mlから1000pg/ml、1pg/mlから1000pg/ml、又は、100pg/mlから1000pg/ml)に維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約26時間、約28時間、約30時間、約32時間、約34時間、約36時間、約38時間、約40時間、約42時間、約44時間、約46時間又は約48時間、10pg/mlから1000pg/ml 1pg/mlから10000mg/ml(ある実施形態においては、5000pg/mlから10000pg/ml、1000pg/mlから5000pg/ml、1000pg/mlから2500pg/ml、1000pg/mlから2000pg/ml、100pg/mlから1000pg/ml、1pg/mlから1000pg/ml、又は、100pg/mlから1000pg/ml)に維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18から24時間、約22から24時間、約24から28時間、約24から30時間、約26から32時間、約28から32時間、約30から36時間、約32から38時間、約34から38時間、約36から42時間、約38から45時間、約38時間又は約40から48時間、1pg/mlから10000mg/ml(ある実施形態においては、5000pg/mlから10000pg/ml、1000pg/mlから5000pg/ml、1000pg/mlから2500pg/ml、1000pg/mlから2000pg/ml、100pg/mlから1000pg/ml、1pg/mlから1000pg/ml、又は、100pg/mlから1000pg/ml)に維持する。ELISAのような当業者に公知の技術を、IL−15血漿レベルを測定するために利用可能である。
もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも28時間、少なくとも30時間、少なくとも32時間、少なくとも34時間、少なくとも36時間、少なくとも38時間、少なくとも40時間、少なくとも42時間、少なくとも44時間、少なくとも46時間又は少なくとも48時間、少なくとも10pg/ml、少なくとも20pg/ml、少なくとも30pg/ml、少なくとも40pg/ml、少なくとも50pg/ml、少なくとも60pg/ml、少なくとも70pg/ml、少なくとも80pg/ml、少なくとも90pg/ml、少なくとも100pg/ml、少なくとも200pg/ml、少なくとも300pg/ml、少なくとも400pg/ml、又は、少なくとも500pg/mlに維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも22時間、少なくとも24時間、少なくとも28時間、少なくとも30時間、少なくとも32時間、少なくとも34時間、少なくとも36時間、少なくとも38時間、少なくとも40時間、少なくとも42時間、少なくとも44時間、少なくとも46時間又は少なくとも48時間、少なくとも600pg/ml、少なくとも700pg/ml、少なくとも800pg/ml、少なくとも1000pg/ml、少なくとも1200pg/ml、少なくとも1500pg/ml、少なくとも1750pg/ml、少なくとも2000pg/ml、少なくとも5000pg/ml、少なくとも7500pg/ml、又は、少なくとも10000pg/mlに維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約26時間、約28時間、約30時間、約32時間、約34時間、約36時間、約38時間、約40時間、約42時間、約44時間、約46時間又は約48時間、少なくとも10pg/ml、少なくとも20pg/ml、少なくとも30pg/ml、少なくとも40pg/ml、少なくとも50pg/ml、少なくとも60pg/ml、少なくとも70pg/ml、少なくとも80pg/ml、少なくとも90pg/ml、少なくとも100pg/ml、少なくとも200pg/ml、少なくとも300pg/ml、少なくとも400pg/ml、又は、少なくとも500pg/mlに維持する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法は、IL−15の血漿レベルを、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約26時間、約28時間、約30時間、約32時間、約34時間、約36時間、約38時間、約40時間、約42時間、約44時間、約46時間又は約48時間、少なくとも600pg/ml、少なくとも700pg/ml、少なくとも800pg/ml、少なくとも1000pg/ml、少なくとも1200pg/ml、少なくとも1500pg/ml、少なくとも1750pg/ml、少なくとも2000pg/ml、少なくとも5000pg/ml、少なくとも7500pg/ml、又は、少なくとも10000pg/mlに維持する。ELISAのような当業者に公知の技術を、IL−15の血漿レベルの測定に用いることができる。
ある実施形態において、ここに記載した方法にしたがって治療剤として投与したプラズマIL−15の濃度曲線下面積は、1pg/mlから10000mg/ml(ある実施形態においては、5000pg/mlから10000pg/ml、1000pg/mlから5000pg/ml、1000pg/mlから2500pg/ml、1000pg/mlから2000pg/ml、100pg/mlから1000pg/ml、1pg/mlから1000pg/ml、又は、100pg/mlから1000pg/ml)である。
もう一つの局面において、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを含む、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法を提供し、当該周期性の投与計画のそれぞれの周期は、;(a)第1の期間において、ある頻度で、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投薬により投与し、(b)第2の期間においてIL−15/IL−15Ra複合体を投薬しないことを含む。ある実施形態において、周期性の投与計画は、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上の回数繰り返す。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を、毎日、一日おき、3、4、5、6、又は7日おきの頻度で投与する。ある実施形態において、第1及び第2の期間は同一である。他の実施形態において、第1及び第2の期間は異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与の第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与の第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間、又は1週間の長さである。特定の実施形態において、第1の周期及びその後の周期のそれぞれの投与量は、0.1μg/kgから1μg/kg、1μg/kgから5μg/kg、又は、5μg/kgから10μg/kgである。もう一つの実施形態において、第1の周期及びその後の周期のそれぞれの投与量は、0.1μg/kgから0.5μg/kg、1μg/kgから2μg/kg、1μg/kgから3μg/kg、2μg/kgから5μg/kg、又は、2μg/kgから4μg/kgである。もう一つの実施形態において、第1の周期及びその後の周期のそれぞれの投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg、2μg/kg、2.25μg/kg、2.5μg/kg、2.75μg/kg、3μg/kg、3.25μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.25μg/kg、4.5μg/kg、4.75μg/kg、又は、5μg/kgである。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の間に使用する投与量は、周期性の投与計画のその後の周期の間に使用する投与量とは異なる。いくつかの実施形態において、投薬計画の周期中に使用する投与量は変化する。たとえば、周期性の投与計画の周期内で又は異なる周期において使用する投与量は、たとえば、患者の状態に応じて変化し得る。
一実施形態において、周期性の投与計画中にIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することを含む、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、周期性の投与計画のそれぞれの周期には:(a)第1の周期として、1週間あたりある回数、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与により投薬すること;及び(b)第2の周期として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないこと、が含まれる。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Raの投与量は、連続して段階的に増加する。たとえば、1週間あたり3回のIL−15/IL−15Ra複合体の対象への投与を2週間行う場合、その後、周期性の投与計画の第1の周期中の2回目に対象に投与する投与量は、1回目の投与の投与量に対して増加し、周期性の投与計画の第1の周期中の3回目に対象に投与する投与量は、2回目の投与の投与量に対して増加し、4回目に対象に投与する投与量は、3回目に投与する投与量に対して増加し、5回目に対象に投与する投与量は、4回目に投与する投与量に対して増加し、さらに、6回目に対象に投与する投与量は、5回目に投与する投与する投与量に対して増加する。ある実施形態において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、血圧の低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、対象がいずれの副作用も有していない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、グレード3若しくは4のリンパ球減少、グレード3の顆粒球減少、グレード3の白血球増加(WBC>100,000/mm3)又は臓器機能障害のような、いずれの有害事象も対象に起こっていない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Raを、1週間あたり1、2、3、4、5、6又は7日投与する。ある実施形態において、周期性の投与計画を2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量と同じ量のままにする。他の実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量に対して増加又は減少させる。いくつかの実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同じである。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間又は1週間の長さである。
もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画において、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含み、当該周期性の投与計画の各周期には:(a)第1の期間として2週間以上、1週間あたり3回対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること;及び(b)第2の期間としてIL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを含み、第1の期間中に対象が複合体を受け取るたび毎に、IL−15/IL−15Ra複合体の投与量を連続して段階的に増加させる。ある実施形態において、投与されるIL−15/IL−15Raの投与量について、周期性の投与計画の第1の周期中に対象に投与する投与量は、0.1μg/kgから0.5μg/kg、周期性の投与計画の第1の周期中の2回目に対象に投与する投与量は、5μg/kgから15μg/kg、周期性の投与計画の第1の周期中の3回目に対象に投与する投与量は、15μg/kgから25μg/kg、周期性の投与計画の第1の周期の4回目に対象に投与する投与量は、25μg/kgから35μg/kg、周期性の投与計画の第1の周期の5回目に対象に投与する投与量は、35μg/kgから45μg/kg、周期性の投与計画の第1の周期の6回目に対象に投与する投与量は、50μg/kg又はそれ以上である。ある実施形態において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、血圧の低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、対象がいずれの副作用も有していないとき、周期性の投与計画の第1の周期中に投与されるIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、グレード3若しくは4のリンパ球減少、グレード3の顆粒球減少、グレード3の白血球増加(WBC>100,000/mm3)又は臓器機能障害のような、いずれの有害事象も対象に起こっていない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Raを、1週間あたり1、2、3、4、5、6又は7日間投与する。ある実施形態において、周期性の投与計画を2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量と同じ量のままにする。他の実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量に対して増加又は減少させる。いくつかの実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同じである。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間又は1週間の長さである。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する第1の期間、その後IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与しない第2の期間、その後IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する第3の期間を含む、周期性の投与計画を包含する。この周期性の投与計画を繰り返すか否か、及び、何回繰り返すかは、たとえば、症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び各患者又は対象の状況によって決定すべきである。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、この周期性の投与計画を、2から5回、5から8回、5から10回、8から10回、10から15回、10から20回、15から20回、20から30回又は25から30回繰り返す。ある実施形態において、周期性の投与計画を、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回又はそれ以上、繰り返す。特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも12か月、少なくとも1.5年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。他の特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約1.5年、約2年、約3年、約4年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、約10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。ある特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、1から3か月、1から5か月、2から5か月、2から6か月、3から6か月、5から10か月、6から10か月、6から12か月、10から12か月、1年から1.5年、1から2年、1から3年、2から4年、2から5年又は5から10年の時間の長さ繰り返す。IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する期間中、複合体を1、2、3、4、5、6又は7日ごとに投与することができる。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、0.1から10μg/kg、0.1から5μg/kg、0.1から2.5μg/kg、0.1から2μg/kg、0.1から1μg/kg、又は0.1から0.5μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、又は約10μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、各投与後、すべての他の投与後、又は、第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、監視する。
ある実施形態において、周期性の投与計画を包含する、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該周期性の投与計画は、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する1から3週間(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、1週間、12日間、2週間又は3週間)の第1の期間と、その後の、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない1週間から2か月(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、2から4週間、3から4週間、4から6週間、4から8週間、6から8週間、1週間、12日間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間又は8週間)の第2の期間と、その後の、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する1週間から3週間(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、1週間、12日間、2週間、又は3週間)の第3の期間と、を含む。この周期性の投与計画を繰り返すか否か、及び、何回繰り返すかは、たとえば症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び各患者又は対象の状況に応じて決定されるべきである。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上、繰り返す。いくつかの実施形態において、この周期性の投与計画を、2から5回、5から8回、5から10回、8から10回、10から15回、10から20回、15から20回、20から30回、又は25から30回繰り返す。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回又はそれ以上繰り返す。特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも12か月、少なくとも1.5年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。他の特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約1.5年、約2年、約3年、約4年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、約10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。ある特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、1から3か月、1から5か月、2から5か月、2から6か月、3から6か月、5から10か月、6から10か月、6から12か月、10から12か月、1年から1.5年、1から2年、1から3年、2から4年、2から5年又は5から10年の時間の長さ繰り返す。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する期間の間、複合体を1、2、3、4、5、6又は7日ごとに投与することができる。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、0.1から10μg/kg、0.1から5μg/kg、0.1から2.5μg/kg、0.1から2μg/kg、0.1から1μg/kg、又は0.1から0.5μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、又は約10μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、各投与後、すべての他の投与後、又は、第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、監視する。
特定の局面において、周期性の投与計画を包含する、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該周期性の投与計画は、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第1の2週間と、その後、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない第2の2週間と、その後、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第3の2週間とを含む。この周期性の投与計画を繰り返すか否か、及び、何回繰り返すかは、たとえば症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び各患者又は対象の状況に応じて決定されるべきである。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3回又はそれ以上、繰り返す。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上、繰り返す。いくつかの実施形態において、この周期性の投与計画を、2から5回、5から8回、5から10回、8から10回、10から15回、10から20回、15から20回、20から30回、又は25から30回繰り返す。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回又はそれ以上繰り返す。特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも12か月、少なくとも1.5年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。他の特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約1.5年、約2年、約3年、約4年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、約10年又はそれ以上の時間の長さ繰り返す。ある特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、1から3か月、1から5か月、2から5か月、2から6か月、3から6か月、5から10か月、6から10か月、6から12か月、10から12か月、1年から1.5年、1から2年、1から3年、2から4年、2から5年又は5から10年の時間の長さ繰り返す。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する期間の間、複合体を1、2、3、4、5、6又は7日ごとに投与することができる。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、0.1から10μg/kg、0.1から5μg/kg、0.1から2.5μg/kg、0.1から2μg/kg、0.1から1μg/kg、又は0.1から0.5μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、又は約10μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、各投与後、1回おきの投与後、又は、第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、監視する。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg、たとえば約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg又は約5μg/kg)の投与量で、1週間から3週間の第1の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない1週間から2か月(又は8週間)の第2の期間後、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg、たとえば約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg又は約5μg/kg)の投与量で、1週間から3週間の第3の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、を含んでいる。いくつかの実施形態において、工程(a)から(b)を、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg、たとえば約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg又は約5μg/kg)の投与量で、12日間から14日間の第1の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない1週間から2か月(又は8週間)の第2の期間後、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)の投与量で、12日間から14日間の第3の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、を含んでいる。いくつかの実施形態において、工程(a)から(b)を、2、3、4又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgの投与量で、12日間から14日間の第1の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない12日間から14日間の第2の期間後、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgの投与量で、12日間から14日間の第3の期間を通して1、2又は3日ごとに、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程と、を含んでいる。いくつかの実施形態において、工程(a)から(c)を、2、3、4又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少) を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を含み、周期性の投与計画の各周期は、a)ある頻度で対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第1の期間、及び、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない第2の期間を含む。ある実施形態において、周期性の投与計画を、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を、毎日、一日おき、3、4、5、6又は7日おきの頻度で投与する。ある実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間又は1週間の長さである。特定の実施形態において、第1の周期及びその後の各周期の投与量は、0.1μg/kgから1μg/kg、1μg/kgから5μg/kg又は5μg/kgから10μg/kgである。もう一つの実施形態において、第1の周期及びその後の各周期の投与量は、0.1μg/kgから0.5μg/kg、1μg/kgから2μg/kg、1μg/kgから3μg/kg、2μg/kgから5μg/kg又は2μg/kgから4μg/kgである。もう一つの実施形態において、第1の周期及びその後の各周期の投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg、1.75μg/kg、2μg/kg、2.25μg/kg、2.5μg/kg、2.75μg/kg、3μg/kg、3.25μg/kg、3.5μg/kg、4μg/kg、4.25μg/kg、4.5μg/kg、4.75μg/kg又は5μg/kgである。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期中に使用する投与量は、周期性の投与計画のその後の周期中に使用する投与量とは異なる。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画中に使用する投与量は変化する。たとえば、周期性の投与計画のある周期又は異なる周期中に使用する投与量は、たとえば患者の状態に依存して変化し得る。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少) を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を含み、周期性の投与計画の各周期は、(a)1週間あたりある回数対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第1の周期、及び(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない第2の周期を含む。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Raの投与量は、連続して段階的に増加する。たとえば、1週間あたり3回、2週間にわたって、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与するとき、周期性の投与計画の第1の周期中の2回目に対象に投与する投与量を、1回目に投与する投与量に対して増加させ、周期性の投与計画の第1の周期中の3回目に対象に投与する投与量を、2回目に投与する投与量に対して増加させ、4回目に対象に投与する投与量を、3回目に投与する投与量に対して増加させ、5回目に対象に投与する投与量を、4回目に投与する投与量に対して増加させ、さらに、6回目に対象に投与する投与量を、5回目に投与する投与量に対して増加させる。ある実施形態において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、血圧の低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、対象がいずれの副作用も有していない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、グレード3若しくは4のリンパ球減少、グレード3の顆粒球減少、グレード3の白血球増加(WBC>100,000/mm3)又は臓器機能障害のような、いずれの有害事象も対象に起こっていない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Raを、1週間あたり1、2、3、4、5、6又は7日投与する。ある実施形態において、周期性の投与計画を2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量と同じ量のままにする。他の実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量に対して増加又は減少させる。いくつかの実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同じである。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間又は1週間の長さである。
もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少) を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を含み、周期性の投与計画の各周期は、(a)1週間あたり3回、2週間以上にわたり、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第1の期間、及び(b)IL−15/IL−15Ra複合体を投与しない第2の期間を含み、IL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、第1の期間中に対象が複合体を受け取る度に、連続して段階的に増加させる。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期中に対象に投与する投与量を投与するIL−15/IL−15Raの投与量は、0.1μg/kgから5μg/kgであり、周期性の投与計画の第1の周期中の2回目に対象に投与する投与量は、5μg/kgから15μg/kgであり、周期性の投与計画の第1の周期の3回目に対象に投与する投与量は、15μg/kgから25μg/kgであり、周期性の投与計画の第1の周期の4回目に対象に投与する投与量は、25μg/kgから35μg/kgであり、周期性の投与計画の第1の周期の5回目に対象に投与する投与量は、35μg/kgから45μg/kgからであり、6回目に対象に投与する投与量は、50μg/kg又はそれ以上である。ある実施形態において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、血圧の低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、対象がいずれの副作用も有していない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、グレード3若しくは4のリンパ球減少、グレード3の顆粒球減少、グレード3の白血球増加(WBC>100,000/mm3)又は臓器機能障害のような、いずれの有害事象も対象に起こっていない場合、周期性の投与計画の第1の周期中に投与するIL−15/IL−15Ra複合体の投与量を、連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Raを、1週間あたり1、2、3、4、5、6又は7日投与する。ある実施形態において、周期性の投与計画を2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量と同じ量のままにする。他の実施形態において、第2の周期及び/又はその後の他の周期中に対象に投与するIL−15/IL−15Raの投与量を、第1の周期中に最後に対象に投与した投与量に対して増加又は減少させる。いくつかの実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同じである。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。特定の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体投与のための第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間、1から2週間、3週間、2週間又は1週間の長さである。特定の実施形態において、疾患は感染症である。ある実施形態において、疾患はHIVを原因とする感染症である。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は外傷) を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画を含み、周期性の投与計画は、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する第1の期間(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、1週間、12日間、2週間又は3週間)と、その後、IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与しない、1週間から2か月の第2の期間(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、2から4週間、3から4週間、4から6週間。4から8週間、6から8週間、1週間、12日間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間又は8週間)と、その後、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する、1週間から3週間の第3の期間(ある実施形態において、1から2週間、2から3週間、1週間、12日間、2週間又は3週間)とを含む。この周期性の投与計画を繰り返すか否か及び何回繰り返すかは、たとえば症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び各患者又は対象の状況に応じて決定すべきである。ある実施形態において、周期性の投与計画を1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画を、2から5回、5から8回、5から10回、8から10回、10から15回、10から20回、15から20回、20から30回又は25から30回繰り返す。ある実施形態において、周期性の投与計画を、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回又はそれ以上繰り返す。特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも12か月、少なくとも1.5年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又はそれ以上の長さの期間繰り返す。他の特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約1.5年、約2年、約3年、約4年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、約10年又はそれ以上の長さの期間繰り返す。ある特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、1から3か月、1から5か月、2から5か月、2から6か月、3から6か月、5から10か月、6から10か月、6から12か月、10から12か月、1年から1.5年、1から2年、1から3年、2から4年、2から5年又は5から10年の時間の長さ繰り返す。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する期間の間、複合体を1、2、3、4、5、6又は7日ごとに投与することができる。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、0.1から10μg/kg、0.1から5μg/kg、0.1から2.5μg/kg、0.1から2μg/kg、0.1から1μg/kg、又は0.1から0.5μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、又は約10μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与後、1回おきの投与後、又は、第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、監視する。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は外傷) を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画を含み、周期性の投与計画は、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する、2週間の第1の期間と、その後、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない2週間の第2の期間と、その後、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する2週間の第3の期間とを含む。この周期性の投与計画を繰り返すか否か及び何回繰り返すかは、たとえば症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び各患者又は対象の状況に応じて決定すべきである。ある実施形態において、周期性の投与計画を1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、周期性の投与計画を、2から5回、5から8回、5から10回、8から10回、10から15回、10から20回、15から20回、20から30回又は25から30回繰り返す。ある実施形態において、周期性の投与計画を、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回又はそれ以上繰り返す。特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも12か月、少なくとも1.5年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年又はそれ以上の長さの期間繰り返す。他の特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約12か月、約1.5年、約2年、約3年、約4年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、約10年又はそれ以上の長さの期間繰り返す。ある特定の実施形態において、この周期性の投与計画を、1から3か月、1から5か月、2から5か月、2から6か月、3から6か月、5から10か月、6から10か月、6から12か月、10から12か月、1年から1.5年、1から2年、1から3年、2から4年、2から5年又は5から10年の時間の長さ繰り返す。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与する期間の間、複合体を1、2、3、4、5、6又は7日ごとに投与することができる。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、0.1から10μg/kg、0.1から5μg/kg、0.1から2.5μg/kg、0.1から2μg/kg、0.1から1μg/kg、又は0.1から0.5μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、第1の期間及び/又は第3の期間中、投与ごとのIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約0.75μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、又は約10μg/kgの範囲である。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与後、1回おきの投与後、又は、第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、監視する。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は外傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg、たとえば、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、又は約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月(又は8週間)の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg、たとえば、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、又は約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、(a)から(b)の工程を、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は外傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、(a)から(c)の工程を、2、3、4又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は外傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、(a)から(c)の工程を、2、3、4又はそれ以上繰り返す。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。いくつかの実施形態において、各投与後、1回おきの投与後、又は第3の期間にIL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの実施形態において、ヒト対象において癌を処置又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月間(又は8週間)の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌、肺癌(たとえば、非小細胞肺癌)又は結腸癌である。ある実施形態において、癌は転移性である。特定の実施形態において、癌は、転移性黒色腫、転移性腎細胞癌、転移性肺癌(たとえば、転移性非小細胞肺癌)又は転移性結腸癌である。
特定の実施形態において、ヒト対象における癌を処置又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌、肺癌(たとえば、非小細胞肺癌)又は結腸癌である。ある実施形態において、癌は転移性である。特定の実施形態において、癌は、転移性黒色腫、転移性腎細胞癌、転移性肺癌(たとえば、転移性非小細胞肺癌)又は転移性結腸癌である。
もう一つの実施形態において、ヒト対象における感染症を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月(又は、8週間)の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、感染症は、ウイルス、細菌、真菌又は寄生虫感染によりもたらされる。
特定の実施形態において、ヒト対象における感染症を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、感染症は、ウイルス、細菌、真菌又は寄生虫感染によりもたらされる。
もうひとつの実施形態において、ヒト対象における免疫不全を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月(又は、8週間)の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、免疫不全は、AIDS又は疾患(たとえば、遺伝病)によりもたらされる。
特定の実施形態において、ヒト対象における免疫不全を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、免疫不全は、AIDS又は疾患(たとえば、遺伝病)によりもたらされる。
もう一つの実施形態において、ヒト対象におけるリンパ球減少を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月(又は8週間)の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、リンパ球減少は、治療(たとえば、化学療法、抗ウイルス薬又は免疫抑制薬)又は末梢循環リンパ球の減少を引き起こす病気によりもたらされる。
特定の実施形態において、ヒト対象におけるリンパ球減少を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の後、対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。ある実施形態において、リンパ球減少は、治療(たとえば、化学療法、抗ウイルス薬又は免疫抑制薬)又は末梢循環リンパ球の減少を引き起こす病気によりもたらされる。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月(又は8週間)の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、2回目の投与量は、1回目の投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体 の投与量は、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、2回目の投与量は、1回目の投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の最初の投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)の第1投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、第2投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程とを含み、第2投与量は、第1の期間中に投与された第1投与量により達したIL−15の血漿レベルと同一のIL−15血漿レベルを維持する。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体 の第2投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第1投与量よりも多い。ある実施形態において、第2投与量は、第1投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgの第1投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、;対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体の第2投与量を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程とを含み、第2投与量は、第1の期間中に投与された第1投与量により達したIL−15の血漿レベルと同一のIL−15血漿レベルを維持する。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第2投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第1投与量よりも多い。ある実施形態において、第2投与量は、第1投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は損傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、1週間から2か月間(又は8週間)の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、1週間から3週間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、第2投与量は、第1投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患を予防、処置及び/又は管理する方法は、癌を処置又は管理する方法である。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌、肺癌(たとえば、非小細胞肺癌)又は結腸癌である。もう一つ特定の実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効な疾患を予防、処置及び/又は管理する方法は、感染症を予防、処置及び/又は管理する方法である。もう一つ特定の実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効な疾患を予防、処置及び/又は管理する方法は、免疫不全を予防、処置及び/又は管理する方法である。もう一つ特定の実施形態においてIL−15に仲介される免疫機能の増強が有効な疾患を予防、処置及び/又は管理する方法は、リンパ球減少を予防、処置及び/又は管理する方法である。
特定の実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は損傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は損傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kgから約10μg/kg(ある実施形態においては、約0.1μg/kgから約5μg/kg)の第1投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、第2投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程とを含み、第2投与量は、第1の期間中に投与された第1投与量により達したIL−15の血漿レベルと同一のIL−15血漿レベルを維持する。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第2投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第1投与量よりも多い。ある実施形態において、第2投与量は、第1投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、リンパ球減少、免疫不全、感染症又は損傷)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg又は約10μg/kgの第1投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、第2投与量のIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程とを含み、第2投与量は、第1の期間中に投与された第1投与量により達したIL−15の血漿レベルと同一のIL−15血漿レベルを維持する。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第2投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の第1投与量よりも多い。ある実施形態において、第2投与量は、第1投与量よりも多い、0.01μg/kg、0.02μg/kg、0.03μg/kg、0.05μg/kg、0.075μg/kg、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.25μg/kg、1.5μg/kg又は1.75μg/kgである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。特定の実施形態において、対象はヒトである。
もう一つの実施形態において、ヒト対象における癌を処置又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎細胞癌、肺癌(たとえば、非小細胞肺癌)又は結腸癌である。ある実施形態において、癌は転移性である。特定の実施形態において、癌は、転移性黒色腫、転移性腎細胞癌、転移性肺癌(たとえば、転移性非小細胞肺癌)又は転移性結腸癌である。
もう一つの実施形態において、ヒト対象における感染症を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、感染症は、ウイルス、細菌、菌類又は寄生虫感染によりもたらされる。
もう一つの実施形態において、ヒト対象における免疫不全を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、免疫不全は、AIDS又は疾患(たとえば、遺伝病)によりもたらされる。
もう一つの実施形態において、ヒト対象におけるリンパ球減少を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、(a)対象の皮下に、約0.1μg/kg、約0.25μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、又は約5μg/kgのIL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第1の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、(b)対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与しない、12から14日間の第2の期間の前に、対象において、IL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を評価する工程と、(c)対象の皮下に、IL−15/IL−15Ra複合体を、12から14日間の第3の期間にわたって、1、2又は3日ごとに投与する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、工程(c)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量は、工程(a)に記載されたIL−15/IL−15Ra複合体の投与量よりも多い。ある実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、IL−15/IL−15Ra複合体の第1投与前に監視する。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、投与毎に又は1回おきの投与毎に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、リンパ球減少は、治療(たとえば、化学療法、抗ウイルス薬、免疫抑制薬)又は末梢循環リンパ球の減少を引き起こす病気によりもたらされる。
上記方法のある実施形態において、1、2又は3日おきに皮下投与するIL−15/IL−15Ra複合体の量は、約0.1μg/kg、約0.2μg/kg、約0.25μg/kg、約0.3μg/kg、約0.4μg/kg、約0.5μg/kg、約0.6μg/kg、約0.7μg/kg、約0.8μg/kg、約0.9μg/kg、約1μg/kg、約1.25μg/kg、約1.5μg/kg、約1.75μg/kg、約2μg/kg、約2.25μg/kg、約2.5μg/kg、約2.75μg/kg、約3μg/kg、約3.25μg/kg、約3.5μg/kg、約3.75μg/kg、約4μg/kg、約4.25μg/kg、約4.5μg/kg、約4.75μg/kg、約5μg/kg、約5.5μg/kg、約6μg/kg、約6.5μg/kg、約7μg/kg、約7.5μg/kg、約8μg/kg、約8.5μg/kg、約9μg/kg、約9.5μg/kg又は約10μg/kgである。一実施形態において、ここに記載した方法は、1、2又は3日おきに、0.1μg/kgから5μg/kg、0.1μg/kgから4μg/kg、0.1μg/kgから3μg/kg、0.1μg/kgから2.5μg/kg、0.1μg/kgから2μg/kg、0.1μg/kgから1μg/kg、0.1μg/kgから0.5μg/kg、0.5μg/kgから5μg/kg、0.5μg/kgから4μg/kg、0.5μg/kgから3μg/kg、0.5μg/kgから2.5μg/kg、0.1μg/kgから2μg/kg、0.5μg/kgから1μg/kg、1μg/kgから5μg/kg、1μg/kgから4μg/kg、1μg/kgから3μg/kg、1μg/kgから2.5μg/kg、1μg/kgから2μg/kg、2μg/kgから5μg/kg、2μg/kgから4μg/kg、2μg/kgから3μg/kg、2。5μg/kgから5μg/kg、又は、3μg/kgから5μg/kgの量のIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含む。
ある実施形態において、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与する方法をここに提供し、当該周期性の投与計画には、(a)7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日又は21日の期間(たとえば、この期間中1、2又は3日おきに)、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含む第1の期間と、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与しない、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日、60日、61日又は62日の第2の期間と、(c)7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日又は21日の期間(たとえば、この期間中1、2又は3日おきに)、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含む第3の期間と、が含まれる。ここに記載した方法のある実施形態において、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を投与し、当該周期性の投与計画は、(a)7日から21日、7日から14日、7日から10日、7日から18日、10日から21日、10日から18日、10日から14日、12日から21日、12日から18日、12日から16日、12日から14日の期間(たとえば、この期間中1、2又は3日おきに)、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含む第1の期間と、(b)IL−15/IL−15Ra複合体を対象に投与しない、1週間から2週間、1週間から3週間、1週間から4週間、1週間から5週間、1週間から6週間、1週間から7週間、1週間から8週間、2週間から3週間、2週間から4週間、2週間から5週間、2週間から6週間、2週間から7週間、2週間から8週間、3週間から4週間、3週間から5週間、3週間から6週間、3週間から7週間、3週間から8週間、4週間から5週間、4週間から6週間、4週間から7週間、4週間から8週間、5週間から6週間、5週間から7週間、5週間から8週間、6週間から7週間、6週間から8週間、7週間から8週間の第2の期間と、(c)7日から21日、7日から14日、7日から10日、7日から18日、10日から21日、10日から18日、10日から14日、12日から21日、12日から18日、12日から16日、12日から14日の期間(たとえば、この期間中1、2又は3日おきに)、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与することを含む第3の期間と、を含む。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を含み、当該周期性の投与計画の各周期は、(a)第1の期間として、ある頻度でIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与することと、(b)第2の期間として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことと、を含み、当該周期性の投与計画をある回数繰り返し、投薬計画を繰り返すときに、投与量を連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、たとえば、各投与後及び/又は1回おきの投与後のような、ある頻度で、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上、周期性の投与計画を繰り返す。いくつかの実施形態において、毎日、一日おき、3、4、5、6日おきの頻度で、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する。ある実施形態において、第1の期間中1週間あたり1、2、3、4、5、6又は7日、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する。いくつかの実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。ある実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間又は6週間の長さである。特定の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg又は3μg/kgである。もう一つの実施形態において、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は、第1の周期において使用した投与量よりも多い、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg又は3μg/kgである。もう一つの実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg又は1μg/kgであり、その後の各周期の投与量は、周期性の投与計画の前の周期において使用した第1投与量及び第2投与量よりも多い、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg又は10μg/kgである。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は0.25μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は0.5μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は1μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は2μg/kgである。他の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから0.25μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は0.5μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は1μg/kgから3μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は4μg/kgから6μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は7μg/kgから10μg/kgである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画において、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程を包含し、周期性の投与計画の各周期は、(a)第1の期間として、ある頻度で対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること、及び、(b)第2の期間として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを含み、周期性の投与計画を少なくとも5回繰り返し、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は2μg/kgから5μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は5μg/kgから10μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は10μg/kgから20μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は20μg/kgから30μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を、毎日、一日おき、3、4、5、6日おきの頻度で投与する。ある実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間である。ある実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間又は6週間の長さである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、たとえば、各投与後及び/又は1回おきの投与後のような、ある頻度で監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。
もう一つの局面において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画においてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を包含し、周期性の投与計画の各周期は、(a)第1の期間として、ある頻度で対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること、及び、(b)第2の期間として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを含み、周期性の投与計画をある回数繰り返し、投薬計画を繰り返す時に、投与量を連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、たとえば、各投与後及び/又は1回おきの投与後のような、ある頻度で、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカインの増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上、周期性の投与計画を繰り返す。いくつかの実施形態において、毎日、一日おき、3、4、5、6日おきの頻度で、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する。ある実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なっている。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間の長さである。ある実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間又は6週間の長さである。特定の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg又は3μg/kgである。もう一つの実施形態において、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は、周期性の投与計画の第1の周期において使用した投与量よりも多い、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg又は3μg/kgである。もう一つの実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg又は1μg/kgであり、その後の各周期の投与量は、周期性の投与計画の前の周期において使用した投与量よりも多い、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、0.75μg/kg、1μg/kg、1.5μg/kg、2μg/kg、2.5μg/kg、3μg/kg、4μg/kg、5μg/kg、6μg/kg、7μg/kg、8μg/kg、9μg/kg又は10μg/kgである。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は0.25μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は0.5μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は1μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は2μg/kgである。他の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから0.25μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は0.5μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は1μg/kgから3μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は4μg/kgから6μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は7μg/kgから10μg/kgである。
一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患(たとえば、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少)を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画において、対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程を包含し、周期性の投与計画の各周期は、(a)第1の期間として、ある頻度で対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること、及び、(b)第2の期間として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを含み、周期性の投与計画を少なくとも5回繰り返し、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は2μg/kgから5μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は5μg/kgから10μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は10μg/kgから20μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は20μg/kgから30μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を、毎日、一日おき、3、4、5、6日おきの頻度で投与する。ある実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間である。ある実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間又は6週間の長さである。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、各投与後及び/又は1回おきの投与後に監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、対象を監視する。ある実施形態において、疾患は感染症である。いくつかの実施形態において、疾患はAIDSであり、HIVを根絶するために投薬計画を用いる。
もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、周期性の投与計画としてIL−15/IL−15Ra複合体を対象に皮下投与する工程を包含し、当該周期性の投与計画の各周期は、(a)第1の期間として、ある頻度で対象にIL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与すること、及び、(b)第2の期間として、IL−15/IL−15Ra複合体を投与しないことを含み、周期性の投与計画を繰り返し、最大耐量に達するまで又は対象が1以上の有害事象を表すまで、各周期の投与量を連続して段階的に増加させる。いくつかの実施形態において、対象におけるIL−15の血漿レベル及び/又はリンパ球数を、たとえば、各投与後及び/又は1回おきの投与後のように、ある頻度で監視する。ある実施形態において、血圧低下及び/又は体温上昇及び/又は血漿中のサイトカイン増加のような副作用について、並びに、グレード3若しくは4のリンパ球減少、グレード3の顆粒球減少、グレード3の白血球増加(WBC>100,000/mm3)又は臓器機能障害のような、有害事象について、対象を監視する。ある実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は2μg/kgから5μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は5μg/kgから10μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は10μg/kgから20μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は20μg/kgから30μg/kgである。他の実施形態において、周期性の投与計画の第1の周期の投与量は0.1μg/kgから1μg/kgであり、周期性の投与計画の第2の周期の投与量は2μg/kgから5μg/kgであり、周期性の投与計画の第3の周期の投与量は5μg/kgから15μg/kgであり、周期性の投与計画の第4周期の投与量は15μg/kgから30μg/kgであり、周期性の投与計画の第5周期の投与量は30μg/kgから50μg/kgである。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を、毎日、一日おき、3、4、5、6日おきの頻度で投与する。ある実施形態において、第1の期間と第2の期間とは同一である。他の実施形態において、第1の期間と第2の期間とは異なる。いくつかの実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する第1の期間は、1週間、2週間、3週間又は4週間である。ある実施形態において、第2の期間は、1週間から2か月、1から8週間、2から8週間、1から6週間、2から6週間、1から5週間、2から5週間、1から4週間、2から4週間、2から3週間又は1から2週間の長さである。いくつかの実施形態において、第2の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間又は6週間の長さである。ある実施形態において、疾患は感染症である。いくつかの実施形態において、疾患はHIVによりもたらされ、HIVを根絶するために投与計画を使用する。
ここに記載した方法によれば、治療剤を薬学組成物中で対象に投与してもよい。ある実施形態において、治療剤は、単独/単一で対象に投与される。他の実施形態において、治療剤は、1以上の他の治療薬(たとえば、Her2、PD−1又はPD−1のリガンド(たとえばPD−L1)に免疫特異的に結合する抗体)と組み合わせて投与される。組み合わせ治療には、治療剤及び他の治療薬を同時に及び連続して投与することを含む。本明細書で使用する場合、治療剤及び他の治療薬を、同じ日に、たとえば同時に又は1、2、3、4、5、6、7又は8時間間隔をあけて患者に投与したとき、治療剤及び他の治療薬を同時に投与したと言える。一方、たとえば治療剤及び他の治療薬を1日、2日又は3日間隔で投与し得るように、異なる日に患者に治療剤及び他の治療薬を投与するとき、治療剤及び他の治療薬を連続して投与したと言える。ここに記載した方法において、治療剤の投与を、第2治療薬の投与より優先させるまたは投与前に行う。同時に投与するとき、治療剤及び他の治療薬は、同じ薬学組成物中又は異なる薬学組成物中であってもよい。
限定されない例として、治療剤及び他の治療薬を、第1の期間に同時に投与した後、第2の期間に、治療剤及び他の治療薬を交互に投与することができる。ある実施形態において、治療剤及び他の治療薬を以下の周期性の投与計画を用いて投与することができる:(a)1、2又は3日ごとに1週間から3週間、対象に治療剤を皮下投与する;(b)1、2、3、5又は7日ごとに約1週間から3週間、対象に他の治療薬を投与する;及び(c)1、2又は3日ごとに1週間から3週間、対象に治療剤を皮下投与する。この周期性の投与計画を繰り返すか否か、及び、何回繰り返すかは、たとえば、症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び患者又は対象の状況により決定されるべきである。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3、4、5、6、7、8、9、10回又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、対象に投与する治療剤の投与量は、対象の約0.1μg/kgから10μg/kgの投与量である。
たとえば、治療剤及び他の治療薬を、以下の周期性の投与計画を用いて投与することができる:(a)1、2又は3日ごとに約2週間、対象に治療剤を皮下投与する;(b)1、2、3、5又は7日ごとに約2週間、対象に他の治療薬を投与する;(c)1、2又は3日ごとに2週間、対象に治療剤を皮下投与する。この周期性の投与計画を繰り返すか否か、及び、何回繰り返すかは、たとえば、症状のタイプ及び症状の深刻さに依存し得、実行者の判断及び患者又は対象の状況により決定されるべきである。ある実施形態において、この周期性の投与計画を、1回、2回、3回又はそれ以上繰り返す。いくつかの実施形態において、対象に投与する治療剤の投与量は、対象の約0.1μg/kgから10μg/kgの投与量である。ある実施形態において、他の治療薬は、PD−1又はそのリガンド(たとえばPD−L1)に免疫特異的に結合する抗体である。他の実施形態において、他の治療薬は、Her2に免疫特異的に結合する抗体である。
たとえば、治療剤の投与前又は投与と同時に、癌細胞を標的とするモノクローナル抗体を投与することができる。特定の実施形態において、モノクローナル抗体を治療剤の投与前に与え、ここに記載した周期性の投与計画に従って、治療剤を投与する。特定の実施形態において、このモノクローナル抗体は、Her2(たとえばHerceptin(登録商標))に免疫特異的に結合する。
もう一つの限定されない例において、治療剤を、他の治療薬の投与後に対象に投与することもできる。たとえば、化学療法薬又は免疫抑制薬を、治療剤の投与前に投与することができる。特定の実施形態において、化学療法薬又は免疫抑制薬を治療剤の投与前の期間に投与し、治療剤を、ここに記載した周期的予防計画に従って投与する。
特定の実施形態において、ここに記載した方法により増強される免疫機能の例には、リンパ球の増殖/拡張(たとえばリンパ球数の増加)、リンパ球のアポトーシスの抑制、樹状細胞(又は抗原提示細胞)の活性化、並びに、抗原提示が含まれる。特定の実施形態において、ここに記載した方法により増強される免疫機能は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞傷害性リンパ球、アルファ/ベータT細胞、及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、プラズマ細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化数の増加又は拡張である。一実施形態において、ここに記載した方法は、リンパ球前駆細胞の増加/拡張、又は、リンパ球前駆細胞の数を強調する。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞傷害性リンパ球、アルファ/ベータT細胞、及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、プラズマ細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を、ネガティブコントロール(たとえば、治療剤による治療、培養又は接触をしていないそれぞれの細胞の数)に対して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍又はそれ以上増加させる。
特定の実施形態において、ここに記載した方法は、たとえばELISPOT、ELISA及び細胞増殖試験のような当業者に公知の試験を用いたとき、治療剤を投与していない対象における免疫機能に対して、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%又は少なくとも10%、対象における免疫機能を増強又は誘引する。特定の実施形態において、免疫機能は、サイトカイン放出(たとえば、インターフェロン−ガンマ、IL−2、IL−5、IL−10、IL−12又は形質転換成長因子(TGF)−ベータ)である。一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえば、NK細胞(たとえばCD56)の細胞発現マーカーの数を検出するフローサイトメトリーにより評価することができる、NK細胞増殖である。もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえばELISAにより評価することができる、抗体生産である。いくつかの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえば、細胞傷害性試験又は当業者に公知の他の試験により評価することができる、エフェクター機能である。
末梢血リンパ球に対する、1以上のIL−15/IL−15Ra複合体の1回以上の投与の効果を、当業者に公知の標準的な技術を用いて、監視/評価することができる。哺乳動物における末梢血リンパ球数は、たとえば、上記哺乳動物から末梢血のサンプルを取得し、血漿のような末梢血の他の成分とリンパ球とを、たとえばFicoll-Hypaque(Pharmacia)濃度勾配遠心分離を利用して分離し、トリパンブルーを用いてリンパ球の数を数えることによって決定することができる。哺乳動物における末梢血T細胞の数は、たとえば、血漿のような末梢血の他の成分とリンパ球とを、たとえばFicoll-Hypaque(Pharmacia)濃度勾配遠心分離を利用して分離し、FITC又はフィコエリトリンに結合する、CD3、CD4及びCD8のようなT細胞抗原に対する抗体でT細胞を標識し、FACSによりT細胞数を測定する、ことによって決定することができる。さらに、T細胞(たとえば、CD2+、CD4+、CD8+、CD4+RO+、CD8+RO+、CD4+RA+又はCD8+RA+)又はNK細胞の特定のサブセットに対する効果は、FACSのような当業者に公知の標準的な技術を用いて決定することができる。
IL−15の血漿レベルは、当業者に公知の標準的な技術を用いて評価することができる。たとえば、血漿は、対象から得た血液サンプルから得ることが可能であり、血漿中のIL−15レベルをELISAにより測定することができる。
[5.6 養子細胞移植]
一つの局面において、ここに記載した、IL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞を、対象に投与して、IL−15に仲介される免疫機能を増強する、及び/又は、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少のような疾患を、予防、処置及び/又は管理する。特定の実施形態において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する、ここに記載した宿主細胞を対象に投与して、IL−15に仲介される免疫機能を増強させる。ある特定の実施形態において、IL−15及びIL−15Raを組み換え的に発現する、ここに記載した宿主細胞を対象に投与して、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である、癌、感染症、免疫不全又はリンパ球減少のような疾患を、予防、処置及び/又は管理する。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能を増強する方法をここに提供し、当該方法は、ここに記載した、IL−15Raペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞を、対象に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である方法をここに提供し、当該方法は、ここに記載した、IL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞を含む組成物を、対象に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、宿主細胞によって発現するIL−15Raポリペプチドは、上記項目5.1に記載されている。ある実施形態において、宿主細胞は、IL−15Raポリペプチドに加えて、IL−15ポリペプチドも組み換え的に発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、対象から得られる又は対象由来の免疫細胞のような、免疫細胞である。ある実施形態において、宿主細胞は、対象から得られた又は対象由来のリンパ球(たとえば、Tリンパ球)、単球、樹状細胞又はナチュラルキラー細胞のような、リンパ球(たとえば、Tリンパ球)、単球、樹状細胞又はナチュラルキラー細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、対象から得た又は対象由来の末梢血単核球又は腫瘍浸潤リンパ球のような、末梢血単核球又は腫瘍浸潤リンパ球である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、対象からの末梢血サンプルから単離し、細胞培地で培養し、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においては、IL−15ポリペプチド)を組み換え的に発現するよう設計した、免疫細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞を受け取る対象由来である。他の実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞を受け取る対象とは異なる対象由来である。
ある実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、ここに記載した、IL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞を対象に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、ここに記載した、IL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞を含む組成物を対象に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、宿主細胞により発現したIL−15Raポリペプチドは、上記項目5.1に記載されたIL−15Raポリペプチドである。ある実施形態において、宿主細胞は、IL−15Raポリペプチドに加えて、IL−15ポリペプチドを組み換え的に発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、末梢血単核球又は腫瘍浸潤リンパ球である。特定の実施形態において、宿主細胞は免疫細胞である。ある実施形態において、宿主細胞は、リンパ球(たとえば、CD4+Tリンパ球又はCD8+リンパ球のようなTリンパ球)、単球、樹状細胞又はナチュラルキラー細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞を受け取る対象由来である。他の実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞を受け取る対象とは異なる対象由来である。いくつかの実施形態において、対象に投与する宿主細胞は、宿主細胞を受け取る対象又は異なる対象の末梢血サンプルから単離し、細胞培地において培養し、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においては、IL−15ポリペプチド)を組み換え的に発現するように設計した、免疫細胞である。IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患の議論については、下記項目5.7から5.9を参照のこと。
IL−15Ra(及び、ある実施形態においては、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を、当業者に公知のいずれかの経路を介して、局所的に又は全身に投与してもよい。ある実施形態において、IL−15Ra(及び、ある実施形態においては、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を、対象に埋め込む又は注入する。いくつかの実施形態において、IL−15Ra(及び、ある実施形態においては、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を対象に埋め込み、当該埋め込みには、宿主細胞に加えて、シリコン膜又は繊維のような、多孔性、無孔性又は粘着性材料が含まれる。
IL−15Ra(及び、ある実施形態においては、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を局所的に投与するいくつかの実施形態において、宿主細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドを、組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所的に投与される宿主細胞は、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するような、配列番号26における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基の付加、置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含む、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。一実施形態において、局所的に投与される宿主細胞は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含む、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所的に投与される宿主細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現し、当該IL−15Ra派生体は(i)天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断を抑制するような、配列番号26における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基の付加、置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含むIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含む。さらに他の実施形態において、局所的に投与される宿主細胞は、上記項目5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかを組み換え的に発現するように設計されており、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位は、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるように、変異(たとえば、欠失)している。さらに他の実施形態において、局所的に投与される宿主細胞は、上記項目5.1又は5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかを、組み換え的に発現するように設計されている。
ある実施形態において、IL−15Ra(および、ある実施形態においは、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を、組成物の一部として対象に投与する。特定の実施形態において、このような組成物には、宿主細胞に加えて、ポリマーが含まれる。ある実施形態において、IL−15Ra(および、ある実施形態においは、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞の、対象に投与するに適した投与量は、少なくとも、100、200、300、400、500、700、1,000、5,000、10,000、25,000、50,000、100,000、1×106、1×107又は1×108個であってもよい。特定の実施形態において、IL−15Ra(および、ある実施形態においは、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞の、対象に投与するに適した投与量は、100から10,000、500から10,000、1,000から5,000、5,000から10,000、5,000から20,000、10,000から20,000、25,000から50,000、50,000から100,000、1×104から1×105、1×105から1×106、1×105から1×107、1×106から1×108個の間である。IL−15Ra(および、ある実施形態においは、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を、1、2、3、4、5、6、7、8回又はそれ以上投与してもよい。IL−15Ra(および、ある実施形態においは、IL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞を対象に投与する頻度及び投与量は、たとえば患者の状態を含む複数の要因に依存して変化するだろう。
特定の実施形態において、ここに記載した方法により増強する免疫機能の例には、リンパ球の増殖/拡張(たとえば、リンパ球数の増加)、リンパ球のアポトーシスの抑制、樹状細胞(又は抗原提示細胞)の活性化、及び、抗原提示が含まれる。特定の実施形態において、ここに記載した方法により増強する免疫機能は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞障害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、形質細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化数の増大/拡張である。一実施形態において、ここに記載した方法は、リンパ球前駆細胞の増殖/拡張を増強する、又は、リンパ球前駆細胞数を増大させる。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法は、CD4+T細胞(たとえば、Th1及びTh2ヘルパーT細胞)、CD8+T細胞(たとえば、細胞障害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞及びガンマ/デルタT細胞)、B細胞(たとえば、形質細胞)、メモリT細胞、メモリB細胞、樹状細胞(未成熟又は成熟)、抗原提示細胞、マクロファージ、肥満細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、腫瘍内在T細胞、CD122+T細胞、又は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を、ネガティブコントロールに対して、約1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍又はそれ以上、増加させる。
特定の実施形態において、ここに記載した方法は、たとえば、ELISPOT、ELISA及び細胞増殖試験のような、当業者に公知の試験を用いたとき、改変細胞を投与していない対象に対して、改変細胞を投与した対象における免疫機能を、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%又は少なくとも10%、増強又は誘引する。特定の実施形態において、免疫機能はサイトカイン放出(たとえば、インターフェロン−ガンマ、IL−2、IL−5、IL−10、IL−12又は形質転換成長因子(TGF)−ベータ)である。一実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、NK細胞増殖であり、当該NK細胞増殖は、たとえばNK細胞のマーカー(たとえばCD56)を発現した細胞数を検出する、フローサイトメトリーにより評価することができる。もう一つの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえばELISAにより評価することができる、抗体生産である。いくつかの実施形態において、IL−15に仲介される免疫機能は、たとえば、細胞傷害性試験又は他の当業者に公知の試験により評価することができる、エフェクター機能である。
末梢血リンパ球数における、改変細胞の1以上の投与の効果は、当業者に公知の標準的な技術を用いて、監視/分析することができる。哺乳動物における末梢血リンパ球数は、たとえば、上記哺乳動物から末梢血サンプルを得て、たとえばFicoll-Hypaque(Pharmacia)濃度勾配遠心分離を用いて、血漿のような末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、トリパンブルーを用いてリンパ球数を数える、ことによって決定することができる。哺乳動物における末梢血T細胞数は、たとえば、Ficoll-Hypaque(Pharmacia)濃度勾配遠心分離を用いて、血漿のような末梢血の他の成分からリンパ球を分離し、FITC又はフィコエリトリンに結合するCD3、CD4及びCD8のようなT細胞抗原に対する抗体を用いて、T細胞を標識し、FACSによりT細胞数を測定することによって、決定することができる。さらに、T細胞(たとえば、CD2+、CD4+、CD8+、CD4+RO+、CD8+RO+、CD4+RA+又はCD8+RA+)又はNK細胞における効果は、FACSのような、当業者に公知の標準的な技術を用いて決定することができる。
[5.7 癌治療]
癌を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、治療剤又は治療剤を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする対象に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、治療剤を皮下に投与する。特定の実施形態において、ここに記載した周期性の投与計画を、癌を予防、処置及び/又は管理するために用いる。
また、癌を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、改変細胞又は改変細胞を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする患者に投与する工程を包含する。
癌細胞の増殖に対する治療剤又は改変細胞の効果は、放射性同位体で標識したチミジンの吸収測定試験のような、慣例的な評価により決定することができる。代替として、乳酸脱水素酵素(LDH)、細胞溶解物から放出される安定した細胞質酵素、又は、細胞溶解物における[51Cr]から放出されるもの、を測定する試験により、細胞の生存能力を測定することができる。一実施形態において、ネクローシスは、ニュートラルレッド、トリパンブルー又はALAMARTMブルーのような色素を吸収する細胞の可能性又は無能性により測定される(Page et al., 1993, Intl. J. of Oncology 3:473 476)。そのような試験において、細胞を、上記色素を含む培地と共にインキュベートし、当該細胞を洗浄し、残った色素、反射する色素の細胞取り込み、を分光光度法で測定する。
もう一つの実施形態において、色素はスルホローダミンB(SRB)であり、そのタンパク質への結合は、細胞傷害性測定として使用することができる(Skehan., et al 1990, J. Nat'l Cancer Inst. 82:1107 12)。さらにもう一つの実施形態において、生存しており死滅していない細胞を検出することによる、哺乳動物細胞の生存及び増殖のための定量的比色法において、MTTのようなテトラゾリウム塩を使用する(たとえば、Mosmann, 1983, J. Immunol. Methods 65:55 63参照のこと)。
他の実施形態において、培地の接着及び“浮遊”区画の両方において、アポトーシス細胞を測定する。上清を除去し、接着した細胞をトリプシン処理し、両方の調製物を混合した後、遠心分離洗浄工程(10分間、2000rpm)を行うことによって、両方の区画を回収する。顕著な量のアポトーシスを得るために、スリンダク及び関連する化合物を用いて腫瘍細胞培養物を処置する手順は、文献に記載されている(たとえば、Piazza et al., 1995, Cancer Research 55:3110 16参照のこと)。この方法の骨子には、浮遊細胞及び接着細胞の両方を回収すること、アポトーシスを観察するために適した処置時間及び投与範囲を同定すること、並びに、適切な細胞培養条件を同定することが含まれる。
もう一つの実施形態において、アポトーシスを、DNA分解を測定することにより定量化することができる。in vitroでのDNA分解を定量化するための商業的な測光法を用いることができる。TUNEL(断片化DNAにおける標識化ヌクレオチドの結合を検出する)及びELISAに基づく試験を含む、このような試験の例は、Biochemica, 1999, no. 2, pp. 34 37(Roche Molecular Biochemicals)に記載されている。
さらにもう一つの実施形態において、アポトーシスを形態学的に観察することができる。
このような試験を行い得る癌細胞株は、当業者に公知である。アポトーシス、ネクローシス及び増殖試験は、たとえば組織外植片のような、初期細胞において行うこともできる。
特定の実施形態において、たとえば、CSFE、BrdU及び3H−チミジン取り込みを用いた細胞増殖試験のような、当業者に公知の試験により測定したとき、治療剤又は治療剤を含む組成物に接触した癌細胞の増殖又は生存能力は、ネガティブコントロールに接触した癌細胞の増殖に対して、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍又は少なくとも10倍、抑制される又は減少する。もう一つの実施形態において、たとえば、CSFE、BrdU及び3H−チミジン取り込みを用いた細胞増殖試験のような、当業者に公知の試験により測定したとき、治療剤又は治療剤を含む組成物に接触した癌細胞の増殖は、ネガティブコントロールに接触した癌細胞に対して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%、抑制される又は減少する。一つの局面において、治療剤を含む組成物は、IL−15情報伝達に応答し、癌細胞における細胞傷害性効果の標的になり得る又は影響を及ぼし得る、細胞(たとえば、NK細胞又は細胞傷害性T細胞)をさらに含む。
特定の実施形態において、たとえば、CSFE、BrdU及び3H−チミジン取り込みを用いた細胞増殖試験のような、当業者に公知の試験により測定したとき、改変細胞又は改変細胞を含む組成物の投与後の癌細胞の増加又は生存能力は、ネガティブコントロール投与後の癌細胞の増殖に対して、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍又は少なくとも10倍、抑制される又は減少する。もう一つの実施形態において、たとえば、CSFE、BrdU及び3H−チミジン取り込みを用いた細胞増殖試験または、上述した試験のような、当業者に公知の試験により測定したとき、改変細胞又は改変細胞を含む組成物に投与後の癌細胞の増殖は、ネガティブコントロール投与後の癌細胞に対して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%、抑制される又は減少する。
特定の実施形態において、ここに記載した方法による対象への治療剤又は改変細胞の投与は、以下の1、2、3つ又はそれ以上の結果をもたらす:(1)腫瘍又は新生物成長の減退;(2)腫瘍形成の減少;(3)初期の局所性癌及び/又は転移性癌の根絶、除去又はコントロール;(4)転移拡大の減退;(5)死亡率の低下;(6)生存率の向上;(7)生存期間の延長;(8)寛解中の患者数の増加;(9)入院率の減少;(10)入院期間の短縮、及び、(11)腫瘍サイズが10%以上、8%以上、6%以上、4%以上拡大しないような腫瘍サイズの保全であり、好ましくは腫瘍サイズが2%以上拡大しない。
特定の実施形態において、ここに記載した方法に従う、治療剤若しくは改変細胞、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組成物の、癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の動物モデル)への投与は、当業者に公知の試験を用いて測定したとき、ネガティブコントロールを投与した癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の同じ動物モデル)における細胞成長に対して、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍又は少なくとも10倍、細胞成長を抑制又は低減する。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法に従う、治療剤若しくは改変細胞、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組成物の、癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の動物モデル)への投与は、当業者に公知の試験を用いて測定したとき、ネガティブコントロールを投与した癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の同じ動物モデル)における細胞成長に対して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%、細胞成長を抑制又は低減する。
特定の実施形態において、ここに記載した方法に従う、治療剤若しくは改変細胞、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組成物の、癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の動物モデル)への投与は、当業者に公知の試験を用いて測定したとき、ここに記載した方法に従ってネガティブコントロールを投与した癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の同じ動物モデル)における腫瘍成長に対して、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍又は少なくとも10倍、腫瘍サイズを縮小する。もう一つの実施形態において、治療剤若しくは改変細胞、又は、治療剤若しくは改変細胞を有する組成物の、癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の動物モデル)への投与は、当業者に公知の試験を用いて測定したとき、ネガティブコントロール(たとえば、食塩水又はPBS)を投与した癌を有する対象(いくつかの実施形態においては、癌の同じ動物モデル)における腫瘍成長に対して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%。少なくとも90%、又は、少なくとも95%腫瘍サイズを縮小する。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、腎臓癌、結腸癌又は前立腺癌である。もう一つの実施形態において、癌は転移性である。
治療剤又は改変細胞を、癌を処置及び/又は管理するために、たとえば、抗癌剤、サイトカイン又は抗ホルモン剤のような1以上の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。抗癌剤の限定されない例は以下に記載されている。下記項目5.10、特に下記項目5.10.1を参照のこと。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、追加の治療効果を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、1以上の追加の治療効果を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、相乗作用の治療効果を提供する。
一実施形態において、1以上の治療薬には、たとえば、インターロイキン(IL)−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、TNF−β、GM−CSF及びインターフェロン−γのような、サイトカイン/増殖因子が含まれるが、これに限定されない。一実施形態において、1以上の治療薬には、レセプター、抗体、又は、サイトカイン/増殖因子に結合する他の結合因子が含まれるがこれに限定されず、サイトカイン/増殖因子は、たとえば、インターロイキン(IL)1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−11、IL−12、TNF−α、TNF−β、TGF−β、GM−CSF、インターフェロン−α、インターフェロン−β及びインターフェロン−γである。いくつかの実施形態において、1以上の治療薬には、たとえば、サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、又は、その断片若しくは誘導体のような、細胞組み換え的に発現した治療用タンパク質(又はポリペプチド)が含まれるがこれに限定されない。特定の実施形態において、1以上の治療薬には、細胞組み換え的に発現したIL−12、IL−6、GM−CSF、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ又はTNF−αが含まれるが、これに限定されない。ある実施形態において、このような治療薬を、治療剤又は改変細胞の投与前、投与と同時に、又は、投与後に投与し、治療剤又は改変細胞を、ここに記載した方法に従って投与する。いくつかの実施形態において、そのような治療薬を、改変細胞の投与前、投与と同時に、又は、投与後に投与し、改変細胞を、ここに記載した方法に従って投与する。
治療剤又は改変細胞を、たとえば、X線、ガンマ線及び癌細胞を破壊する他の放射線源を含む放射線治療と組み合わせて投与することもできる。特定の実施形態において、放射線処置を、外部ビーム放射線、又は、遠隔源から直接送られる遠隔放射線治療として行う。一実施形態において、放射線源が癌細胞又は腫瘍塊近傍の体内に位置する、内部治療又は近接照射療法として、放射線処置を行う。特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞を、ここに記載した方法に従って、放射線治療の前、間又は後に投与することができる。一つの局面において、治療剤又は改変細胞は、抗癌治療のために免疫不全となった癌患者の免疫機能を増強することができる。治療剤又は改変細胞は、化学療法と組み合わせて投与することもできる。一実施形態において、治療剤又は改変細胞は、ここに記載した方法に従って、放射線治療又は化学療法の前、間又は後に、投与することができる。一実施形態において、治療剤又は改変細胞は、手術前、間又は後に使用することができる。一実施形態において、ここに記載した方法には、移植と治療剤若しくは改変細胞との組み合わせが含まれる。
抗ホルモン剤の限定されない例は、たとえば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェン)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTONトレミフェンを含む、抗エストロゲン及び選択的エストロゲンレセプターモジュレータ(SERMs)のような、腫瘍におけるホルモン作用の調節又は抑制に作用する抗ホルモン剤;たとえば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)、酢酸メゲストロール、AROMASIN(登録商標)Vエキセメスタン、フォルメスタン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾール、及び、ARIMIDEX(登録商標)Dアナストロゾールのような、副腎におけるエストロゲン生成を調節する酵素アロマターゼを抑制するアロマターゼ阻害剤;トロキサシタビン(1,3−ジオキソラン ヌクレオシド シトシン類似物)と同様に、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド及びゴセレリンのような抗アンドロゲン;たとえば、PKC−アルファ、Raf及びH−Rasのような、特に異常細胞増殖に関与する情報伝達経路内の遺伝子発現を抑制する、アンチセンスオリゴヌクレオチド;VEGF発現抑制剤(たとえば、ANGIOZYME(登録商標)リボザイム)及びHER2発現抑制剤のようなリボザイム;たとえば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン及びVAXID(登録商標)ワクチンのような、遺伝子治療ワクチンのようなワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1抑制剤;ABARELX(登録商標)rmRH;ビノレルビン及びエスペラミシン(米国特許番号4,675,187);並びに、薬学的に許容される上記いずれかの塩、酸又は誘導体である。
特定の実施形態において、治療剤を、プログラム細胞死(PD−1)又はそのリガンド(たとえばPD−L1)に免疫特異的に結合する抗体と組み合わせて、対象に投与する。もう一つ特定の実施形態において、癌を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、IL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程と、PD−1又はそのリガンドに免疫特異的に結合する抗体を投与する工程と、を包含する。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与した後に、抗体を投与する。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、抗体を投与する。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、前立腺癌又は肺癌である。
もう一つの実施形態において、治療剤を、Her2(たとえばHerceptin(登録商標))に免疫特異的に結合する抗体と組み合わせて、対象に投与する。もう一つ特定の実施形態において、癌を予防、処置及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、IL−15/IL−15Ra複合体を皮下投与する工程と、Her2(たとえばHerceptin(登録商標))に免疫特異的に結合する抗体を投与する工程と、を包含する。ある実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与した後に、抗体を投与する。他の実施形態において、IL−15/IL−15Ra複合体を投与する前に、抗体を投与する。特定の実施形態において、癌は乳癌である。
ここに記載した方法により予防、処置又は管理することができる癌及び関連する疾患には、以下のものが含まれるが、これに限定されない:急性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病及び骨髄異形成症候群のような急性骨髄性白血病、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病及び慢性リンパ球性白血病を含むが、これに限定されない慢性白血病、並びに、ヘアリー細胞白血病を含むが、これに限定されない白血病;真正赤血球増加症;ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫のような、これに限定されないリンパ腫;くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫、及び、髄外形質細胞腫のような、これに限定されない多発性骨髄腫;Waldenstrom’sマクログロブリン血症;意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症;良性単クローン性免疫グロブリン血症;重鎖病;骨の肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫(血管の肉腫)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、及び、滑膜肉腫のような、これに限定されない骨及び結合組織肉腫;神経膠、星状細胞腫、脳幹膠腫、上衣細胞腫、乏突起膠腫、非グリア腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、及び、初期脳リンパ腫を含むが、これに限定されない脳腫瘍;腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、髄質乳癌、粘液性乳癌、管状乳癌、乳頭状乳癌、パジェット病、及び、炎症性乳癌を含むが、これに限定されない乳癌;褐色細胞腫及び副腎皮質癌を含むが、これに限定されない副腎癌;乳頭又は濾胞腺甲状腺癌、髄性甲状腺癌、及び、未熟型甲状腺癌のような、これに限定されない甲状腺癌;インスリノーマ、ガストリン産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ビポーマ、ソマトスタチン産生腫瘍、及び、カルチノイド又は島細胞腫を含むが、これに限定されない膵臓癌;クッシング病、プロラクチン産生腫、末端肥大症、及び、尿崩症を含むが、これに限定されない下垂体癌;虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、及び毛様体黒色腫のような眼の黒色腫、並びに、網膜芽腫を含むが、これに限定されない目の癌;扁平上皮癌、腺癌、及び、黒色腫を含むが、これに限定されない膣癌;扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、及び、パジェット病を含むが、これに限定されない外陰癌;扁平上皮癌及び腺癌を含むが、これに限定されない子宮頸癌;子宮内膜癌及び子宮肉腫を含むが、これに限定されない子宮癌;卵巣上皮癌、境界型腫瘍、胚細胞腫瘍、及び、間質性腫瘍を含むが、これに限定されない卵巣癌;扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣状癌、及び、燕麦細胞(小細胞)癌を含むが、これに限定されない食道癌;腺癌、菌状(ポリープ状)、潰瘍状、表在拡大型、拡散性拡張型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、及び、癌肉腫を含むが、これに限定されない胃癌;結腸癌;直腸癌;肝細胞癌及び肝芽腫を含むが、これに限定されない肝臓癌;腺癌を含むが、これに限定されない胆嚢癌;乳頭状、結節性及び拡散性を含むが、これに限定されない胆管癌;非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、及び、小細胞癌を含むが、これに限定されない肺癌;胚腫瘍、精上皮腫、未分化、精母細胞、非精上皮腫、胎児性癌、奇形腫、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍);睾丸癌;腺癌、平滑筋肉腫、及び、横紋筋肉腫を含むが、これに限定されない前立腺癌;penal cancers;扁平上皮細胞癌を含むが、これに限定されない口頭癌;基底癌;腺癌、粘液性類表皮癌、及び、咽頭嚢胞性癌を含むが、これに限定されない唾液腺癌;扁平上皮細胞癌及び疣状を含むが、これに限定されない咽頭癌;基底細胞癌及び黒色腫、並びに、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、悪性黒子黒色腫、末端性黒子性黒色腫を含むが、これに限定されない皮膚癌;腎細胞癌、腎癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、及び、移行上皮癌(腎盂及び/又は子宮)を含むが、これに限定されない腎臓癌;ウィルム腫瘍;移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、及び、癌肉腫を含むが、これに限定されない膀胱癌。さらに、癌には、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮性癌、リンパ管内皮性癌、中皮腫、骨膜性腫瘍、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌及び乳頭腺癌が含まれる。(このような疾患の再確認のために、以下を参照のこと。Fishman et al., 1985, Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphia and Murphy et al., 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of America).。
一実施形態において、癌は、良性の、たとえばポリープ、及び良性病変である。他の実施形態において、癌は転移性である。治療剤又は改変細胞を、悪性状態と同様に、前癌性の状態の処置に用いることができる。前癌性の状態には、過形成、化生及び異形成が含まれる。悪性状態の処置には、転移性腫瘍と同様に、初期腫瘍の処置も含まれる。特定の実施形態において、癌は、黒色腫、結腸癌、腎細胞癌又は肺癌(たとえば非小細胞肺癌)である。ある実施形態において、癌は、転移性黒色腫、転移性結腸癌、転移性腎細胞癌又は転移性肺癌(非小細胞肺癌)である。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌に苦しむ又は癌と診断された対象に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌にかかりやすい又は感染しやすい対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌の発症率の高い地域在住の患者に投与する。特定の実施形態において、癌は、前癌性腫瘍又は悪性腫瘍により特徴づけられる。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、0から6か月齢、6から12か月齢、1から5歳、5から10歳、10から15歳、15から20歳、20から25歳、25から30歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は、95から100歳、の哺乳動物に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌にかかるリスクのあるヒトに投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、0から6か月齢、6から12か月齢、1から5歳、5から10歳、5から12歳、10から15歳、15から20歳、13から19歳、20から25歳、25から30歳、20から65歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は、95から100歳、のヒトに投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト乳児又はヒト早産児に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト小児に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト成人に投与する。さらに他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト老人に投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、たとえばイヌ又はネコのようなペットに投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、たとえばブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等のような、家畜又は畜類に投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫無防備若しくは免疫抑制状態、又は、免疫無防備若しくは免疫抑制になるリスクのある、好ましくはヒト、又はブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ及び齧歯類のような他の哺乳動物である、霊長類に、投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫抑制治療を受けている又は免疫抑制治療から回復している対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、AIDS、ウイルス感染又は細菌感染した又は感染リスクのある対象に投与する。ある実施形態において、対象は、手術、化学療法及び/又は放射線治療を受ける予定がある、又は、受けている最中である。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、療養施設、グループホーム(たとえば、10人以上の対象のための療養所)又は刑務所に居住する対象に投与する。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療剤又は改変細胞以外の治療の悪影響若しくは不耐性が現れる前に、患者に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、難治性患者に投与する。ある実施形態において、難治性患者は、標準的な抗癌治療の効果が出にくい患者である。ある実施形態において、癌患者は、癌が著しくは根絶されない、治療に対して効果が出にくい癌を有しており、及び/又は、その症状は著しくは緩和されない。患者の難治性か否かの決定は、このような文脈で技術分野において許容される「難治性」の意味を用いて、当業者に公知のいずれかの方法により、in vivo又はin vitroのいずれかで行うことができる。種々の実施形態において、癌患者は、癌腫瘍が縮小していない又は拡大しているときに、難治性である。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌が進行するリスクのある患者において、このような癌による攻撃又は再発を防ぐために、投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、従来の治療の悪影響を受けやすい患者に投与する。
いくつかの実施形態において、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療剤又は改変細胞以外の治療に対して難治性であることが証明され、これらの治療をもはや行わない患者に投与する。ある実施形態において、ここに記載した方法に従って管理又は処置する患者は、抗生剤、抗癌剤又は他の生物学的療法/免疫療法により既に治療した患者である。これらの患者は共通して、難治性患者、従来の療法に対して若すぎる患者、及び、既存の療法により管理又は処置するにも関わらず、ウイルス感染が再発した患者である。
いくつかの実施形態において、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを投与する対象は、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを投与する前に、治療を受けていない。他の実施形態において、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせの投与前に治療を受けている対象に投与する。いくつかの実施形態において、1以上の、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを投与する対象は、事前の治療に対して難治性である若しくは不利な副作用が生じた、又は、毒性が許容レベル外のために事前の治療を続けることができない、対象である。
ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及びある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、治療剤及び改変細胞に対して項目5.7に記載された患者に投与する。言い換えると、この項目5.7に記載された患者に投与する治療剤又は改変細胞に換えて、核酸を患者に投与する。ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたような、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、項目5.7に記載された癌を有する患者に投与する。いくつかの実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においては、IL−15)をコードする核酸を、この項目5.7及び以下の項目5.10に記載されたような、追加の治療薬と組み合わせて投与する。
ある実施形態において、改変細胞を患者の局所に(たとえば、患者の腫瘍中に)投与する。改変細胞を局所投与する実施形態のいくつかにおいて、そのような改変細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドを、組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所投与する改変細胞は、配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基が置換又は欠失しているような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制された、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体を、組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所投与する改変細胞は、(i)天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるような、配列番号26における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基が置換又は欠失しているような、付加、置換又は欠失)を含む、IL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。さらに他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断が抑制されるように、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異(たとえば、欠失)した、上記項目5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかを、組み換え的に発現するように設計されている。さらに他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、上記項目5.1又は5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかを組み換え的に発現するように設計されている。
ある実施形態において、IL−15Ra派生体をコードする核酸を、患者に局所(たとえば、患者の癌細胞中)投与する。IL−15Ra派生体をコードするかくさんを局所投与する実施形態のいくつかにおいて、核酸は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドをコードする。特定の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基が置換又は欠失しているような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制された、IL−15Ra派生体をコードする。他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体をコードする。特定の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、(i)天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるような、配列番号26における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8つのアミノ酸残基が置換又は欠失しているような、付加、置換又は欠失)を含む、IL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体をコードする。さらに他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、上記5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかをコードし、当該IL−15Raポリペプチドは、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるように、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異(たとえば、欠失)している。さらに他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、上記項目5.1又は5.3.2に記載されたIL−15Raポリペプチドのいずれかをコードする。
[5.8 感染症処置]
対象における感染症を処置、予防及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、治療剤又は治療剤を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする対象に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、治療剤を皮下投与する。特定の実施形態において、ここに記載した周期性の投与計画を、感染症の予防、処置又は管理するために用いる。
また、改変細胞又は改変細胞を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、対象における感染症を予防、処置及び/又は管理する方法も、ここに提供する。
特定の実施形態において、ここに記載した方法に従って、患者に治療剤又は改変細胞を投与することによって誘引された又は増強した免疫反応は、患者において、感染細胞又は病原体の抗原に対する抗体生産の増大である。特定の実施形態において、ここに記載した方法に従って、治療剤又は改変細胞を患者に投与することによって誘引された又は増強した免疫反応は、病原体に対する抗体生産の増大である。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法に従って治療剤又は改変細胞を患者に投与することによって誘引された又は増強した免疫反応は、たとえば、病原体及び/又は患者における病原体に感染した細胞に対する、抗体依存細胞性細胞毒素(ADCC)のような、エフェクター細胞機能の増強である。いくつかの実施形態において、ここに記載した方法に従って治療剤又は改変細胞を患者に投与することによって誘引された又は増強した免疫反応は、リンパ球数、リンパ球増殖及び/又はリンパ球活性の向上である。もう一つの実施形態において、ここに記載した方法に従って治療剤又は改変細胞を患者に投与することによって誘引された又は増強した免疫反応は、患者における感染した細胞に対する、たとえば細胞傷害性細胞又は抗体依存細胞性細胞毒素(ADCC)のような、エフェクター細胞機能の増強である。
他の実施形態において、治療剤又は改変細胞を、1以上の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。治療剤又は改変細胞と組み合わせて使用することができる他の治療薬の限定されない例を、ここに記載する。下記項目5.10、特に下記項目5.10.2及び5.10.3を参照のこと。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、追加の治療効果を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、追加の治療効果以上を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、相乗作用の治療効果を提供する。
治療剤により処置、予防及び/又は管理することができる感染症は、細菌、菌類、原虫及びウイルスを含むがこれに限定されない病原菌により引き起こされる。改変細胞により処置、予防及び/又は管理することができる感染症は、細菌、菌類、原虫及びウイルスを含むがこれに限定されない病原菌により引き起こされる。
ここに記載した方法に従って予防、処置及び/又は管理することができるウイルス病には、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザ、水痘ウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV−I)ウイルス、単純ヘルペスII型(HSV−II)ウイルス、牛疫ウイルス、ライのウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、乳頭腫ウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、echinovirus、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、痘瘡ウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−I)、ヒト免疫不全ウイルスII型(HIV−II)、及び、ウイルス性髄膜炎、脳炎、デング熱又は痘瘡のようなウイルス病の原因ウイルス、により引き起こされるものが含まれるが、これに限定されない。
ここに記載した方法に従って予防、処置及び/又は管理することができる細菌(たとえば、大腸菌、肺炎桿菌、黄色ブドウ球菌、エンテロコッカスファエシアルス(Enterococcus faecials)、カンジダアルビカンス、プロテウスブルガリス、スタフィロコッカスビリダンス、及び、緑膿菌) により引き起こされる細菌性疾患には、マイコバクテリアリケッチア(mycobacteria rickettsia)、マイコプラズマ、双球菌、S.スーモニア、ボレリアブルグドルフェリー(ライム病)、バチルスアントラシス(炭疽菌)、破傷風菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、マイコバクテリウム、ペルティサス(pertissus)、コレラ、ペスト、ジフテリア、クラミジア、S.アウレアス、及び、レジオネラ菌が含まれるが、これに限定されない。
ここに記載された方法に従って予防、処置及び/又は管理することができる原虫により引き起こされる原虫病には、リーシュマニア、コクジジオア(kokzidioa)、トリパノソーマ又はマラリアが含まれるが、これに限定されない。
ここに記載された方法に従って予防、処置及び/又は管理することができる寄生虫により引き起こされる寄生虫病には、クラミジア及びリケッチアが含まれるが、これに限定されない。
ある実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、ネガティブコントロールに対して、少なくとも20%から25%、少なくとも25%から30%、少なくとも30%から35%、少なくとも35%から40%、少なくとも40%から45%、少なくとも45%から50%、少なくとも50%から55%、少なくとも55%から60%、少なくとも60%から65%、少なくとも65%から70%、少なくとも70%から75%、少なくとも75%から80%、又は、少なくとも最大85%まで、病原菌の複製を抑制又は減少させる。いくつかの実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、ネガティブコントロールに対して、少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、8倍、10倍、15倍、20倍、又は、2から5倍、2から10倍、5から10倍若しくは5から20倍、病原菌の複製を抑制又は減少させる。他の実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、3.5log、4log、5log、又は、それ以上、病原菌の複製を抑制又は減少させる。
ある実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、少なくとも20%から25%、少なくとも25%から30%、少なくとも30%から35%、少なくとも35%から40%、少なくとも40%から45%、少なくとも45%から50%、少なくとも50%から55%、少なくとも55%から60%、少なくとも60%から65%、少なくとも65%から70%、少なくとも70%から75%、少なくとも75%から80%、又は、最大85%まで、病原菌の力価を減少させる。いくつかの実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、ネガティブコントロールに対して、少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、8倍、10倍、15倍、20倍、又は、2から5倍、2から10倍、5から10倍若しくは5から20倍、病原菌の力価を減少させる。他の実施形態において、ここに記載された試験又は当業者に公知の他の試験を用いて決定したとき、ここに記載された方法に従って、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は、改変細胞を含む組成物を、病原菌に感染した対象(いくつかの実施形態において、動物モデル)に投与することによって、1log、1.5log、2log、2.5log、3log、3.5log、4log、5log、又は、それ以上、病原菌の力価を減少させる。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、細菌、真菌、原虫及びウイルスを含むがこれらに限定されない病原菌により引き起こされる感染症に苦しむ対象に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、感染症に感染しやすい又はかかりやすい対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、病原菌による感染症が発生している又は発生し得る地域に居住している対象に投与する。いくつかの実施形態において、感染症は潜在期の感染症である。他の実施形態においては、病原菌による感染は、活動性感染症である。さらに他の実施形態において、病原菌による感染症は、慢性ウイルス感染症である。特定の実施形態において、感染症は、ウイルス感染症である。特定の実施形態において、ウイルスはヒトに感染する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、0から6月齢、6から12月齢、1から5歳、5から10歳、10から15歳、15から20歳、20から25歳、25から30歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45歳から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は95歳から100歳の哺乳動物に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ウイルス感染のリスクのあるヒトに投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ウイルス感染したヒトに投与する。ある実施形態において、患者は、0から6月齢、6から12月齢、1から5歳、5から10歳、5から12歳、10から15歳、15から20歳、13から19歳、20から25歳、25から30歳、20から65歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45歳から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は95歳から100歳のヒトである。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト乳児又はヒト早産児に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト小児に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト成人に投与する。さらに他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト老人に投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、イヌ又はネコのようなペットに投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等の家畜又は畜類に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、カモ類又はニワトリのようなトリに投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫無防備若しくは免疫抑制状態、又は、免疫無防備若しくは免疫抑制になるリスクのある、好ましくはヒト、又はブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ及び齧歯類のような他の哺乳動物である、霊長類に、投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫抑制治療を受けている又は免疫抑制治療から回復している対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌、AIDS、他のウイルス感染又は細菌感染を有している又はそのリスクのある対象に投与する。ある実施形態において、対象は、手術、化学療法及び/又は放射線治療を受ける予定がある、又は、受けている最中である。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、嚢胞性線維症、肺線維症又は対象を感染症に感染させやすくする他の疾患を有する対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、組織移植を受ける、受ける予定のある、又は、受けた対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、療養施設、グループホーム(たとえば、10人以上の対象のための療養所)又は刑務所に居住する対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、学校(たとえば、小学校、中等学校、中学校、高校又は大学)又はデイケアに通う対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、医者又は看護師として、ヘルスケア分野又は病院において労働する対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、妊娠中又は妊娠する予定のある対象に投与する。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療剤又は改変細胞の以外の治療に対する悪影響又は不耐性が現れる前に、患者に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、難治性患者に投与する。ある実施形態において、難治性患者は、標準的な治療では手におえない患者である。ある実施形態において、感染した患者は、その感染をはっきりと根絶することができない、及び/又は、その症状をはっきりと軽減することができないとき、治療に対して難治性である。in vivo又はin vitroのいずれかにおける、感染の処置の効果を試験する当業者に公知のいずれかの方法によって、そのような文脈において、その分野で許容される「難治性」の意味を用いて、患者が難治性か否かを決定することができる。種々の実施形態において、感染した患者は、病原菌の複製が減少しない又は増加するとき、難治性である。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、感染が発生するリスクのある患者において、感染(たとえばウイルス感染)の発生又は再開を予防するために、患者に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、従来の治療の悪影響が生じやすい患者に投与する。
いくつかの実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療薬又は改変細胞以外の治療に対して難治性であることが証明され、そのような治療をもはや行わない患者に投与する。ある実施形態において、本発明の方法に従って管理又は処置する患者は、抗生剤、抗ウイルス剤、抗菌剤又は他の生物学的治療/免疫治療によりすでに処置した患者である。これらの患者は共通して、難治性患者、従来の治療には若すぎる患者、及び、現在の治療による管理又は処置にも関わらず、ウイルス感染が再発した患者である。
いくつかの実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを投与する対象は、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせの投与前に、治療を受けない。他の実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、1以上の治療剤若しくは1以上の治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせの投与前に治療を受けた対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は改変細胞を含む組成物を投与する対象は、事前の治療に対して難治性である、又は、事前の治療において不利な副作用が生じた、又は、対象の毒性レベルが許容範囲を超えたために事前の治療を続けられない。
ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、治療剤及び改変細胞に関して、この項目5.8に記載された患者に投与する。言い換えると、この項目5.8に記載された患者に投与する治療剤又は改変細胞に換えて、核酸を患者に投与する。ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたような、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、この項目5.8に記載された感染症の患者に投与する。いくつかの実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、この項目5.8及び下記項目5.10に記載されたように、追加の治療薬と組み合わせて投与する。
ある実施形態において、改変細胞を患者の局所(たとえば、感染部位中)に投与する。改変細胞を局所投与するいくつかの実施形態において、そのような改変細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所投与する改変細胞は、配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8のアミノ酸残基の置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されたIL−15Ra派生体を、組み換え的に発現する。他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。特定の実施形態において、局所投与する改変細胞は、(i)配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8のアミノ酸残基の置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されたIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する。さらに他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、上記項目5.3.2に記載されたいずれかのIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現するように設計されており、当該IL−15Raポリペプチドは、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるように、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異(たとえば欠失)している。さらに他の実施形態において、局所投与する改変細胞は、上記項目5.1又は項目5.3.2に記載されたいずれかのIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する。
ある実施形態において、IL−15Ra派生体をコードする核酸を、患者の局所(たとえば、患者の感染部位又は感染細胞中)に投与する。IL−15Ra派生体をコードする核酸を局所投与する実施形態のいくつかにおいて、核酸は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドをコードする。特定の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8のアミノ酸残基の置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されたIL−15Ra派生体をコードする。他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体をコードする。特定の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、(i)配列番号26に1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、1、2、3、4、5、6、7又は8のアミノ酸残基の置換又は欠失のような、付加、置換又は欠失)を含むことによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されたIL−15Raの細胞外ドメインと、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の膜貫通ドメインの全て又は断片と、を含むIL−15Ra派生体をコードする。さらに他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、上記項目5.3.2に記載されたいずれかのIL−15Raポリペプチドをコードし、当該IL−15Raポリペプチドは、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されるように、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異(たとえば欠失)している。さらに他の実施形態において、局所投与するIL−15Ra派生体をコードする核酸は、上記項目5.1又は項目5.3.2に記載されたいずれかのIL−15Raポリペプチドをコードする。
[5.9 免疫不全及びリンパ球減少]
対象における免疫不全又はリンパ球減少を処置、予防及び/又は管理する方法をここに提供し、当該方法は、治療剤又は治療剤を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする対象に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、治療剤を皮下投与する。特定の実施形態において、ここに記載した周期性の投与計画を、免疫不全又はリンパ球減少を予防、処置及び/又は管理するために用いる。
また、改変細胞又は改変細胞を含む組成物の効果的な量を、それを必要とする対象に投与する工程を包含する、対象における免疫不全又はリンパ球減少を予防、処置及び/又は管理する方法もここに提供する。
他の実施形態において、治療剤又は改変細胞を、1以上の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。治療剤又は改変細胞と組み合わせて使用できる他の治療薬の限定されない例は、ここに記載されている。下記項目5.10を参照のこと。一実施形態において、治療剤又は改変細胞及び1以上の他の治療薬の組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、追加の治療効果を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、追加の治療効果以上の効果を提供する。一実施形態において、治療剤又は改変細胞と1以上の他の治療薬との組み合わせは、治療剤若しくは改変細胞単独、又は、1以上の他の治療薬単独の治療効果に対して、相乗作用の治療効果を提供する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、0から6月齢、6から12月齢、1から5歳、5から10歳、10から15歳、15から20歳、20から25歳、25から30歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45歳から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は95歳から100歳の哺乳動物に投与する。ある実施形態において、患者は、0から6月齢、6から12月齢、1から5歳、5から10歳、5から12歳、10から15歳、15から20歳、13から19歳、20から25歳、25から30歳、20から65歳、30から35歳、35から40歳、40から45歳、45歳から50歳、50から55歳、55から60歳、60から65歳、65から70歳、70から75歳、75から80歳、80から85歳、85から90歳、90から95歳、又は95歳から100歳のヒトである。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト乳児又はヒト早産児に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト小児に投与する。他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト成人に投与する。さらに他の実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ヒト老人に投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、イヌ又はネコのようなペットに投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等の家畜又は畜類に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、カモ類又はニワトリのようなトリに投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫無防備若しくは免疫抑制状態、又は、免疫無防備若しくは免疫抑制になるリスクのある、好ましくはヒト、又はブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ及び齧歯類のような他の哺乳動物である、霊長類に、投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫不全の、好ましくはヒト、又はブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ及び齧歯類のような他の哺乳動物である、霊長類に、投与する。ある実施形態において、ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、免疫抑制治療を受けている又は免疫抑制治療から回復している対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、癌、AIDS、他のウイルス感染又は細菌感染を有している又はそのリスクのある対象に投与する。ある実施形態において、対象は、手術、化学療法及び/又は放射線治療を受ける予定がある、又は、受けている最中である。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、組織移植を受ける、受ける予定のある、又は、受けた対象に投与する。嚢胞性線維症、肺線維症又は対象を感染症に感染させやすくする他の疾患を有する対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、療養施設、グループホーム(たとえば、10人以上の対象のための療養所)又は刑務所に居住する対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、学校(たとえば、小学校、中等学校、中学校、高校又は大学)又はデイケアに通う対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、医者又は看護師として、ヘルスケア分野又は病院において労働する対象に投与する。ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、妊娠中又は妊娠する予定のある対象に投与する。
ある実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、リンパ球減少であると診断された対象に投与する。用語「リンパ球減少」又は「リンパ球細胞減少」又は「リンパ性白血病」は、循環血液中又は末端循環中のリンパ球数が、異常なほど少ないことに、交換可能に言及する。リンパ球減少は、種々の分画により定量的に表現することができる。いくつかの実施形態において、患者は、その循環血液総リンパ球数が約600/mm3を下回ったとき、リンパ球減少に苦しむ。いくつかの実施形態において、リンパ球減少に苦しむ患者は、誕生時の総循環リンパ球数が約2000/μLを下回り、約9か月齢時の総循環リンパ球数が約4500/μLを下回り、又は、約9か月齢を超える患者の総循環リンパ球数が約1000/μLを下回る。
リンパ球減少は、可能性のある原因の範囲が広く、その原因には、ウイルス感染(たとえば、HIV又は肝炎感染)、細菌感染(たとえば、活性化結核感染)、真菌感染、心臓の右心室の慢性的な欠陥、ホジキン病、リンパ系の癌、白血病、胸管における漏れ又は破裂、抗癌剤、抗ウイルス剤及びグルココルチコイドを含む処方薬の副作用、低タンパク質ダイエットの結果として起こる栄養失調、放射線治療、尿毒症、自己免疫疾患、免疫不全症候群、高レベルのストレス、並びに、トラウマ、が含まれる。リンパ球減少には、病因が未知のもの(たとえば、突発性リンパ球減少)もあり得る。リンパ球の全ての型又はリンパ球の小集団(たとえば、CD4+T細胞)の末梢循環は、リンパ球減少に苦しむ患者において消耗している又は異常なほど低いかもしれない。たとえば、The Merck Manual, 18th Edition, 2006, Merck & Co.を参照のこと。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療剤又は改変細胞以外の治療薬によるいずれかの悪影響又は不耐性が生じる前に、患者に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、難治性患者に投与する。ある実施形態において、難治性患者は、標準的な治療では手におえない患者である。ある実施形態において、免疫不全又はリンパ球減少症の患者は、その感染をはっきりと根絶することができない、及び/又は、その症状をはっきりと軽減することができないとき、治療に対して難治性である。in vivo又はin vitroのいずれかにおける、感染の処置の効果を試験する当業者に公知のいずれかの方法によって、そのような文脈において、その分野で許容される「難治性」の意味を用いて、患者が難治性か否かを決定することができる。種々の実施形態において、感染した患者は、病原菌の複製が減少しない又は増加するとき、難治性である。
いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞若しくは改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、感染が発生するリスクのある患者において、免疫不全又はリンパ球減少の発生又は再開を予防するために、患者に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、従来の治療の悪影響が生じやすい患者に投与する。いくつかの実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、治療剤又は改変細胞以外の治療に対して難治性であることが証明され、そのような治療をもはや行わない患者に投与する。
いくつかの実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを投与する対象は、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせの投与前に、治療を受けない。他の実施形態において、1以上の治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせを、1以上の治療剤若しくは1以上の治療剤を含む組成物、改変細胞、改変細胞を含む組成物、又は、治療薬との組み合わせの投与前に治療を受けた対象に投与する。いくつかの実施形態において、治療剤、治療剤を含む組成物、改変細胞、又は改変細胞を含む組成物を投与する対象は、事前の治療に対して難治性である、又は、事前の治療において不利な副作用が生じた、又は、対象の毒性レベルが許容範囲を超えたために事前の治療を続けられない。
ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、治療剤及び改変細胞に関して、この項目5.9に記載された患者に投与する。言い換えると、この項目5.9に記載された患者に投与する治療剤又は改変細胞に換えて、核酸を患者に投与する。ある実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたような、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、この項目5.9に記載された免疫不全又はリンパ球減少症の患者に投与する。いくつかの実施形態において、上記項目5.3.2に記載されたようなIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15)をコードする核酸を、この項目5.9及び下記項目5.10に記載されたように、追加の治療薬と組み合わせて投与する。
[5.10 追加の/組み合わせた治療薬]
IL−15の機能/情報伝達に影響を及ぼす、たとえば、癌、感染症、リンパ球減少、免疫不全及び損傷のような疾患の予防、処置及び/又は管理のために、治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用することができる他の治療薬には、小分子、合成ドラッグ、ペプチド(環状ペプチドを含む)、ポリペプチド、タンパク質、核酸(たとえば、アンチセンスヌクレオチド配列、三重螺旋、RNAi、及び、生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチド又はペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むが、これに限定されないDNA及びRNAヌクレオチド)、抗体、合成又は天然無機分子、擬態因子、並びに、合成又は天然有機分子が含まれるが、これらに限定されない。そのような治療薬の特定の例には、免疫調節剤(たとえば、インターフェロン)、抗炎症剤(たとえば、アデノコルチコイド、コルチコステロイド(たとえば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカソン、トリアムシノロン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソン、ハイドロコルチソン)、グルココルチコイド、ステロイド及び非ステロイド抗炎症剤(たとえば、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク及びCOX−2 抑制剤)、鎮痛剤、ロイコトリエンアンタゴニスト(たとえば、モンテルカスト、メチルキサンチン、ザフィルカスト及びジレウトン)、ベータ2−アゴニスト(たとえば、アルブテロール、ビテロール、フェノテロール、イソエタリン、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、テルブタリンフォルモテロール、サルメテロール及びサルブタモールテルブタリン)、抗コリン作用剤(たとえば、臭化イプラトロピウム及び臭化オキシトロピウム)、スルファサラジン、ペニシラミン、ダプソン、抗ヒスタミン、抗マラリア剤(たとえば、ヒドロキシクロロキン)、抗ウイルス剤(たとえば、ヌクレオシド類似物(たとえば、ジドブジン、アシクロビル、ガングシクロビル、ビダラビン、イドクスウリジン、トリフルリジン及びリバビリン)、フォスカルネト、アマンタジン、リマンタジン、サクイナビル、インジナビル、リトナビル及びAZT)及び抗生剤(たとえば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、ミスラマイシン及びアンスラマイシン(AMC))が含まれるが、これに限定されない。
IL−15の機能/情報伝達に影響を及ぼす疾患の予防、管理及び/又は処置に有用であることが知られている、用いられていた、又は、現在用いられている治療薬のいずれかを、治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用することができる。IL−15の機能/情報伝達に影響を及ぼす、たとえば、癌、感染症、リンパ球減少、免疫不全及び損傷のような疾患を、予防、処置及び/又は管理するために従来用いられている、又は、現在用いられている治療薬(たとえば、予防薬又は治療薬)に関する情報については、たとえば、Gilman et al., Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th ed., McGraw-Hill, New York, 2001;The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Berkow, M.D. et al. (eds.), 17th Ed., Merck Sharp & Dohme Research Laboratories, Rahway, NJ, 1999;Cecil Textbook of Medicine, 20th Ed., Bennett and Plum (eds.), W.B. Saunders, Philadelphia, 1996及びPhysicians’ Desk Reference (66th ed. 2012)、を参照のこと。
5.10.1 抗癌剤
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用することができる、1以上の他の治療薬の限定されない例には、化学治療剤及び非化学治療免疫抑制剤が含まれるがこれに限定されない免疫調節剤が含まれる。化学治療剤の限定されない例には、メトトレキサーと、シクロスポリンA、レフルノミド、シスプラチン、イフォスファミド、タクソール及びパクリタクソールのようなタキサン、トポイソメラーゼI抑制剤(たとえば、CPT−11、トポテカン、9−AC及びGG−211)、ゲムシタビン、ビノレルビン、オキサリプラチン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ルコボリン、ビノレルビン、テモダル、サイトカラシンB、グラミシジンD、エメチン、ミトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスシン、ビンブラスシン、コルチシン、ドクソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアンスラシンジオン、ミトキサントロン、ミスラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール及びプロマイシンホモログ、並びに、サイトキサンが含まれる。非化学治療面得調節剤の例には、抗T細胞レセプター抗体(たとえば、抗CD4抗体(たとえば、cM-T412(Boeringer)、IDEC-CE9.1(登録商標)(IDEC及びSKB)、mAB 4162W94、オーソクローン及びOKTcdr4a(Janssen-Cilag))、抗CD3抗体(たとえば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson & Johnson)又はリツキサン(IDEC))、抗CD5抗体(たとえば、抗CD5リシン連結免疫結合)、抗CD7抗体(たとえば、CHH-380(Novartis))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(たとえば、IDEC-131(IDEC))、抗CD52抗体(たとえば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体(たとえば、MEDI-507(MedImmune, Inc., 国際公報番号WO 02/098370及びWO 02/069904)、抗CD11a抗体(たとえば、Xanelim (Genentech))及び抗B7抗体(たとえば、IDEC-114(IDEC));抗サイトカインレセプター抗体(たとえば、抗IFNレセプター抗体、抗IL−2レセプター抗体(たとえば、Zenapax(Protein Design Labs))、抗IL−4レセプター抗体、抗IL−6レセプター抗体、抗IL−10レセプター抗体、及び、抗IL−12レセプター抗体);抗サイトカイン抗体(たとえば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(たとえば、ABX-IL-8(Abgenix))、抗IL−12抗体及び抗IL−23抗体));CTLA4免疫グロブリン;LFA-3TIP (Biogen、国際公報番号WO 93/08656及び米国特許番号6,162,432);可溶型のサイトカインレセプター(たとえば、TNF−αレセプター若しくはその断片の細胞外ドメイン、IL−1βレセプター若しくはその断片の細胞外ドメイン、又は、及び、IL−6レセプター若しくはその断片の細胞外ドメイン);サイトカイン又はその断片(たとえば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、IL−23、TNF−α、TNF−β、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、及びGM−CSF);及び、抗サイトカイン抗体(たとえば、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−6抗体、抗IL−10抗体、抗IL−12抗体、抗IL−15抗体、抗TNFα抗体及び抗IFN−γ抗体)、ならびに、腫瘍に付属する抗原に免疫特異的に結合する抗体(たとえば、Herceptin(登録商標))が含まれるが、これに限定されない。ある実施形態において、免疫調節剤は、化学治療剤以外の免疫調節剤である。ある実施形態において、免疫調節剤は、IL−1、IL−2、IL−4、IL−12、IL−15、TNF、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、M−CSF、G−CSF、IL−3又はエリスロポイエチンのようなサイトカイン又は造血因子以外の免疫調節剤である。さらに他の実施形態において、免疫調節剤は、化学治療剤及びサイトカイン若しくは造血因子以外の薬剤である。
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせる治療薬として使用することができる抗癌剤の限定されない例には、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドレゼシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロン酢酸塩;アムサクリン;アナストロゾール;アンスラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタト;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレクイナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;ゼデフィンゴル;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン、クリスナトールメシレート;シクロフォスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デクソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドクソルビシン;ドクソルビシン塩酸塩;ドロロキフェン;ドロロキフェンクエン酸塩;ドロモスタノロンプロピオン酸塩;ヅアゾマイシン;エダトレキセート;エフロルニシン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメイト;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸塩ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドリン酸塩;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フルクスリジン;フルダラビンリン酸塩;フルオロウラシル;フルロシタビン;フォスクイドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イフォスファミド;イルモフォシン;インターロイキンII(組み換えインターロイキンII又はrIL2を含む)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−Ia;インターフェロンガンマ−Ib;イプロプラチン;イリノテカン塩酸塩;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;ルプロライド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロール酢酸塩;;メレンゲストロール酢酸塩;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;マイコフェノリック酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガセ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ロギレチミド;サフィンゴル;サフィンゴル塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフル;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキセート;トリメトレキセートグルクロン酸塩;トリプトレリン;チュブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンルロシン硫酸塩;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩が含まれるが、これに限定されない。他の抗癌剤には、以下のものが含まれるが、これに限定されない:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリニック酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管形成阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗ドルサリジン形態形成タンパク質1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子調節剤;アポトーシス調節剤;アプリニック酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バクカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタト;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレシン;ベータクラマイシンB;ベツリニック酸;bFGF抑制剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルマイン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリマイン;ブドチタン;ブチオナイン スルフォキシマイン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトセシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキシアミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨誘導抑制剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ抑制剤(ICOS);カスタノスペルマイン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルフォンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似物;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似物;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタンスラキノン;シクロプラタン;シペマイシン;シタラビンオクフォスフェイト;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシフォスファミド;デキシラゾキサン;デキシベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルマイン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタクソール,9;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニシン;エレメン;エミテファー;エピルビシン;エプリステライド;エストラムスチン類似物;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドリン酸塩;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチン;フィナステライド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;フォルフェニメックス;フォルメスタン;フォルトリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;ガリウム硝酸塩;ガロシタビン;ガニレリックス;ゲラチナーゼ抑制剤;ゲムシタビン;グルタチオン抑制剤;ヘプスルファン;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ハイペリシン;イバンドロニック酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタト;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活剤ペプチド;インスリン様成長因子−1レセプター抑制剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドクソルビシン;イポメアノール,4;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリンN三酢酸塩;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチン;レンチナン硫酸塩;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミン類似物;親油性ジサッカライドペプチド;親油性プラチナ化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレクソール;ロニダミン;ロソキサントロン;HMG−CoA還元抑制剤(これに限定されないが、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、シムバスタチン及びアトルバスタチンのような);ロキソリビン;ルルトレカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;リシンペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタト;マソプロコール;マスピン;マトリリシン抑制剤;マトリックスメタロプロテナーゼ抑制剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF抑制剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチン;不適合二重螺旋RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似物;ミトナフィド;ミトトキシン繊維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチン;モノクローナル抗体、ヒト繊毛性性腺刺激ホルモン;モノフォスフォリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子抑制剤;多発性腫瘍抑制1−基準療法;マスタード抗癌剤;マイカペロキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチン;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロニク酸;中性エンドペプチターゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節剤;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;口腔サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似物;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロニック酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガセ;ペルデシン;ペントサンポリスルフェイトマグネシウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;フォスファターゼ抑制剤;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシン、プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化抑制剤;プラチナ複合体;プラチナ化合物;プラチナ−トリアミン複合体;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソム抑制剤;タンパク質A基準免疫調節剤;プロテインキナーゼC抑制剤;プロテインキナーゼC抑制剤、マイクロアルガル;タンパク質チロシンフォスファターゼ抑制剤;プリンヌクレオシドフォスフォリラーゼ抑制剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシレートヘモグロビンポリオキシエチレン配合体;rafアンタゴニスト
;ラルチトレキシド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質転移酵素抑制剤;ras抑制剤;ras−GAP抑制剤;レテリプチンデメチレート;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロクイノメクス;ルビジノンB1;ルボキシル;サフィンゴル;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1擬態物;セムスチン;老化誘導抑制剤1;センスオリゴヌクレオチド;情報伝達抑制剤;情報伝達調節剤;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニルアセテートナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシック酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞抑制剤;幹細胞分裂抑制剤、スチピアミド;ストロメリシン抑制剤;スルフィノシン;過度活動性血管作用腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランソジウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ抑制剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;スロンボポイエチン;スロンボポイエチン擬態物;チマルファシン;チモポイエチンレセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;チンエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセン二塩化物;トプセンチン;トレミフェン;トチポテント幹細胞因子;翻訳抑制剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステライド;チロシンキナーゼ抑制剤;チルフォスチン;UBC抑制剤;ウベニメックス;尿生殖洞誘導成長抑制因子;ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、エリスロサイト遺伝子治療薬;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン; Vitaxin(登録商標);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラメル。追加の抗癌剤は、5−フルオロウラシル及びロイコボリンである。これらの2つの薬剤は、タリドミド及びトポイソメラーゼ抑制剤を採用した方法を用いるとき、特に有用である。特定の実施形態において、抗癌剤は化学治療薬ではない。
5.10.2 抗ウイルス剤
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用できる抗ウイルス剤には、非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤、ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤、プロテアーゼ抑制剤及び融合抑制剤が含まれるが、これに限定されない。一実施形態において、抗ウイルス剤は、アマンタジン、オセルタミビルリン酸塩、リマンタジン及びザナミビルからなる群より選択される。もう一つの実施形態において、抗ウイルス剤は、デラビルジン、エファビレンズ及びネビラピンからなる群より選択される非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤である。もう一つの実施形態において、抗ウイルス剤は、アバカリル、ジダノシン、エムトリシタビン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノフォビルDF、サルシタビン及びジドブジンからなる群より選択される、ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤である。もう一つの実施形態において、抗ウイルス剤は、アムプレナビル、アタザナビル、フォサムプレナブ、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル及びサクイナビルからなる群より選択される、プロテアーゼ抑制剤である。もう一つの実施形態において、抗ウイルス剤は、エンフビルチドのような融合抑制剤である。
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用する抗ウイルス剤の限定されない追加の例には、以下のものが含まれる:リファムピシン、ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤(たとえば、AZT、ddI、ddC、3TC、d4T)、非ヌクレオシド逆転写酵素抑制剤(たとえば、デラビルジンエファビレンズ、ネビラピン)、プロテアーゼ抑制剤(たとえば、アプレナビル、インジナビル、リトナビル及びサクイナビル)、イドクスウリジン、シドフォビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、アマンタジン、及びパリビツマブ。抗ウイルス剤の他の例には、アセマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデフォビル;アロブジン;アルビルセプトスドトックス;アマンタジン塩酸塩(SYMMETRELTM);アラノチン;アリルドン;アテビルジンメシレート;アビリジン;シドフォビル;シパムフィリン;シタラビン塩酸塩;デラビルジンメシレート;デスシクロビル;ジダノシン;ジソキサリル;エドクスジン;エンビラデン;エンビロキシメ;ファムシクロビル;ファモチン塩酸塩;フィアシタビン;フィアルリジン;フォサリレート;フォスカメトナトリウム;フォスフォネトナトリウム;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドクスウリジン;エトキサル;ラミブジン;ロブカビル;メモチン塩酸塩;メチサゾン;ネビラピン;オセルタミビルリン酸塩(TAMIFLUTM);ペンシクロビル;ピロダビル;リバビリン;リマンタジン塩酸塩(FLUMADINETM);サクイナビルメシレート;ソマンタジン塩酸塩;ソリブジン;スタトロン;スタブジン;チロロン塩酸塩;トリフルリジン;バラシクロビル塩酸塩;ビダラビン;ビダラビンリン酸塩;ビダラビンナトリウムリン酸塩;ビロキシム;ザルシタビン;ザナミビル(RELENZATM);ジドブジン;及びジンビロキシムが含まれるが、これに限定されない。
5.10.3 抗菌剤
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせてもしいることができる、抗生剤を含む抗菌剤には、アミノグリコシド系抗生物質、グリコペプチド、アンフェニコール系抗生物質、アンサマイシン系抗生物質, セファロスポリン、セファマイシンオキサゾリジノン、ペニシリン、クイノロン、ストレプトガミン、テトラシクリン、及びこれらの類似体が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、細菌感染を予防及び/又は処置するために、治療剤と組み合わせて抗生剤を投与する。
特定の実施形態において、治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸を、ストレプトマイシン、ネオマイシン、エリスロマイシン、カルボマイシン及びスピラマイシンを含むがこれらに限定されない他のタンパク質合成抑制剤と、組み合わせて用いる。
一実施形態において、抗菌剤は、アンピシリン、アモキシシリン、チプロフロキサシン、ゲタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリンG、ストレプトマイシン、スルファニラミド及びバンコマイシンからなる群より選択される。もう一つの実施形態において、抗菌剤は、アジスロマイシン、セフォニシド、セフォテタン、セファロシン、セファマイシン、クロルテトラサイクリン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、シクロセリン、ダルフォプリスチン;ドキシサイクリン、エリスロマイシン、リネゾリド、ムピロシン、オキシテトラサイクリン、クイヌプリスチン、リファムピン、スペクチノマイシン、及びトリメトプリムからなる群より選択される。
治療剤、改変細胞、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸と組み合わせて使用する抗菌剤の、限定されない追加の例には、以下のものが含まれる:アミノグリコシド系抗生物質(たとえば、アプラマイシン、アルベカシン、バムベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレネイト、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン及びスペクチノマイシン)、アンフェニコール系抗生物質(たとえば、アジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール及びチアムフェニコール)、アンサマイシン系抗生物質(たとえば、リファミド及びリファムピン)、カルバセフェム(たとえば、ロラカルベフ)、カルバペネム(たとえば、ビアペネム及びイミペネム)、セファロスポリン(たとえば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドル、セファトリジン、セファゼドン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド及びセフピロム)、セファマイシン(たとえば、セフブペラゾン、セフメタゾール及びセフミノックス)、葉酸類似物(たとえば、トリメトプリム)、グリコペプチド(たとえば、バンコマイシン)、リンコサミド(たとえば、クリンダマイシン及びリンコマイシン)、マクロリド(たとえば、アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン及びエリスロマイシンアシストラート)、モノバクタム(たとえば、アズトレオナム、カルモナム及びチゲモナム)、ニトロフラン(たとえば、フラルタドン及びフラゾリウム塩化物)、オキサセフェム(たとえば、フロモキセフ及びモキサラクタム)、オキサゾリジノン(たとえば、リネゾリド)、ペニシリン(たとえば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカムピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ペナムシリン、ペネタメイト塩酸塩、ペニシリンoベネタミン、ペニシリン0、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンヒドラバミン、クイノロン及びその類似物(たとえば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、フルメクイン、グレパグロキサシン、レボフロキサシン及びモキシフロキサシン)、ストレプトグラミン(たとえば、クイヌプリスチン及びダルフォプリスチン)、スルホンアミド(たとえば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド;スルファクリソイジン及びスルファシチン)、スルホン(たとえば、ジアチモスルフォン、グルコスルフォンナトリウム及びソラスルフォン)、並びに、テトラサイクリン(たとえば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン及びデメクロサイクリン)。追加の例には、シクロセリン、ムピロシン、ツベリンアムフォマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンヅラシジン、エンビノマイシン及び2,4ジアミノピリミジン(たとえば、ブロヂモプリム)が含まれる。
[5.11 IL−15Raを発現する宿主細胞の、支持細胞としての利用]
一つの局面において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、IL−15に反応する他の細胞と、改変細胞とを接触させる工程を包含する。ある実施形態において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、IL−15に反応する他の細胞と、改変細胞とを接触させる工程と、IL−15に反応する細胞を改変細胞から単離する工程と、を包含する。特定の実施形態において、改変細胞がIL−15ポリペプチドを発現しないときには、IL−15ポリペプチドの存在下において、改変細胞とIL−15反応性細胞とを接触させる。IL−15に反応する細胞は、たとえばFACSを含む当業者に公知の技術を用いて、改変細胞から単離することができる。
いくつかの実施形態において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、改変細胞と、IL−15に反応する他の細胞とを共培養する工程を包含する。いくつかの実施形態において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、改変細胞とIL−15に反応する他の細胞とを共培養する工程と、IL−15に反応する細胞を改変細胞から単離する工程と、を包含する。ある実施形態において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、放射線照射した改変細胞と、IL−15に反応する他の細胞とを共培養する工程を包含する。ある実施形態において、細胞を増殖、活性化及び/又は分化させるための方法をここに提供し、当該方法は、放射線照射した改変細胞とIL−15に反応する他の細胞とを共培養する工程と、IL−15に反応する細胞を改変細胞から単離する工程と、を包含する。特定の実施形態において、改変細胞がIL−15ポリペプチドを発現しない場合、改変細胞を、IL−15ポリペプチドの存在下において、IL−15反応性細胞と共培養する。改変細胞とIL−15に反応する細胞とを、IL−15に反応する細胞の増殖、活性化及び/又は分化をもたらすに十分な期間、ex vivoで共培養する。ある実施形態において、改変細胞とIL−15に反応する細胞とを、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間又は72時間、ex vivoで共培養する。いくつかの実施形態において、改変細胞とIL−15に反応する細胞とを、1から2時間、2から4時間、4から6時間、6から12時間、12から18時間、18から24時間、12から24時間、24から36時間、36から48時間、24から48時間、48から72時間、2から3日間、3から5日間、5から8日間、1から2週間、又は、2から3週間、ex vivoで共培養する。IL−15に反応する細胞は、たとえば、蛍光発色セルソーティング(FACS)又は抗体被覆磁気ビーズを用いた磁気分離を含む、当業者に公知の技術を用いて、改変細胞から単離することができる。
いくつかの実施形態において、改変細胞は、単球、マクロファージ、リンパ球又は樹状細胞のような免疫細胞である。他の実施形態において、改変細胞は、上記項目5.3.2に記載されたような細胞株である。ある実施形態において、改変細胞は、一連の細胞分裂の限定された回数のみ放射線照射されている。
ある実施形態において、改変細胞は、上記項目5.3.2又は5.6に記載された宿主細胞である。いくつかの実施形態において、改変細胞は、IL−15Raポリペプチド及びIL−15ポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞である。他の実施形態において、改変細胞は、IL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現するが、IL−15ポリペプチドは発現しない宿主細胞である。特定の実施形態において、改変細胞は、上記項目5.1及び/又は5.2に記載されたIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞である。いくつかの実施形態において、改変細胞は、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼの切断部位が変異したIL−15Raポリペプチドを組み換え的に発現する宿主細胞である。一実施形態において、改変細胞は、IL−15Raの細胞外ドメイン切断部位において、1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異を含むことによって、天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断が抑制されたIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞である。ある実施形態において、改変細胞は、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)が変異することによって、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制された、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞である。特定の実施形態において、1、2、3、4、5、6、7、又は8つのアミノ酸の置換及び/又は欠失が、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)に導入されており、それにより、天然のヒトIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制されている。ある実施形態において、改変細胞は、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)が異種プロテアーゼにより認識及び切断される切断部位に置き換えられたIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞である。このような異種プロテアーゼ切断部位の限定されない例には、フーリンプロテアーゼにより認識及び切断されるArg-X-X-Arg(配列番号7)、並びに、トロンビンプロテアーゼにより認識及び切断されるA-B-Pro-Arg-X-Y (配列番号8)(A及びBは疎水性アミノ酸、X及びYは非酸性アミノ酸)及びGly-Arg-Gly が含まれる。ある実施形態において、改変細胞は、IL−15Raに加えて、IL−15を組み換え的に発現する宿主細胞である。
もう一つの実施形態において、改変細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞であり、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然のIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによる切断が抑制される、変異した細胞外切断部位を含み、(ii)天然のIL−15Raの膜貫通ドメインの全て又は断片が欠失している。ある実施形態において、改変細胞はIL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞であり、当該IL−15Ra派生体は、(i)天然ンおIL−15Raを切断する内因性プロテアーゼによるIL−15Raの切断が抑制されるような、IL−15Raの細胞外切断部位における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異 (たとえば、置換及び/又は欠失)と、(ii)天然のIL−15Raの細胞外ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の細胞外ドメインの全て又は断片と、を含む。いくつかの実施形態において、改変細胞は、IL−15Ra派生体を組み換え的に発現する宿主細胞であり、当該IL−15Ra派生体は、(i)アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)における1、2、3、4、5、6、7又は8つの変異(たとえば、置換及び/又は欠失)と、(ii)天然のIL−15Raの細胞外ドメインの全て又は断片に位置する異種分子の細胞外ドメインの全て又は断片と、を含む。これらの実施形態に基づいて、IL−15Ra派生体は、天然のIL−15Raの細胞質尾部の全て又は断片を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。ある実施形態において、異種分子は、CD4、CD8又はMHCである。IL-15Ra.ある実施形態において、改変細胞は、IL−15Raに加えて、IL−15を組み換え的に発現する宿主細胞である。
いくつかの実施形態において、IL−15に反応する細胞は、NK細胞、単球、骨髄性細胞、樹状細胞又はリンパ球(たとえば、CD4+又はCD8+細胞のようなTリンパ球)のような免疫細胞である。ある実施形態において、IL−15に反応する細胞(たとえば、IL−15反応性細胞)は、末梢血単核球又は腫瘍浸潤リンパ球である。特定の実施形態において、IL−15に反応する細胞は、IL−15に反応して増殖、活性化及び/又は分化する、下記項目6に記載された細胞である。他の実施形態において、IL−15に反応する細胞(たとえば、IL−15反応性細胞)は、間質細胞又は内皮細胞である。ある実施形態において、IL−15に反応する細胞を、抗体、キメラ抗原レセプター、サイトカイン又は成長因子のような、目的のペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を発現するように設計する。
いくつかの実施形態において、改変細胞とのex vivoにおける共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、疾患を予防、処置及び/又は管理するために、対象に投与する。ある実施形態において、対象に投与するIL−15反応性細胞は、対象由来である(たとえば、IL−15反応性細胞は自家細胞である)。他の実施形態において、対象に投与するIL−15反応性細胞は、異なる対象由来である。
ある実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離した免疫細胞を、免疫機能を増強するため、又は、免疫細胞の投与が有効である疾患の予防、処置及び/若しくは管理するために、対象に投与する。いくつかの実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、IL−15に仲介される免疫機能を増強するために、対象に投与する。特定の実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、癌、感染症(たとえば、ウイルス、細菌、真菌又は寄生虫感染に起因する又は関連する感染症)、免疫不全(たとえばAIDS)又はリンパ球減少のような、IL−15に仲介される免疫機能の増強が有効である疾患を、予防、処置又は管理するために、対象に投与する。
改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、上記項目5.7から5.9に記載された状況のいずれかを処置するために用いることができる。特定の実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌、結腸癌又は上記項目5.7に記載された他の癌のような、癌を予防、処置及び/又は管理するために利用する。改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、当業者に公知のいずれかの経路を介して、患者に局所投与又は全身性投与してもよい(たとえば、皮下、静脈若しくは筋内投与のような非経口投与、又は、腫瘍内投与)。ある実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、対象に埋め込む又は注入する。いくつかの実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、対象に埋め込み、当該埋め込みには、宿主細胞に加えて、シリコン膜又は繊維のような、多孔性、無孔性又は粘着性材料が含まれる。ある実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、組成物の一部として対象に投与し、当該組成物には、宿主細胞に加えて、ポリマーが含まれる。ある実施形態において、改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞の、対象に投与するに適した量は、少なくとも100、200、300、400、500、700、1,000、5,000、10,000、25,000、50,000、100,000、1×106、1×107又は1×108個であり得る。特定の実施形態において、IL−15Ra(及び、ある実施形態においてIL−15)を組み換え的に発現する宿主細胞の、対象に投与するに適した量は、100から10,000、500から10,000、1,000から5,000、5,000から10,000、5,000から20,000、10,000から20,000、25,000から50,000、50,000から100,000、1×104から1×105、1×105から1×106、1×105から1×107、1×106から1×108個の間である。改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞を、1、2、3、4、5、6、7、8回又はそれ以上投与してもよい。改変細胞とのex vivoでの共培養に続いて単離したIL−15反応性細胞の、対象に投与する頻度及び量は、たとえば、患者の状態を含むいくつかの要因に依存して変化するだろう。
[5.12 生物活性]
5.12.1 治療剤又は改変細胞の機能試験の分析
IL−15/IL−15Ra複合体の活性を調節する作用因子を同定する方法を、ここに提供する。作用因子の活性は、たとえば、CRLL−2細胞、マウス細胞傷害性Tリンパ球細胞株(ATCC Accession No. TIB-214)又はTF1−β細胞のような、IL−15感受性細胞株を用いて評価することができる。たとえば、国際公報番号WO 05/085282を参照のこと。
治療剤の活性を評価するために、1以上の治療剤の存在下又は不在下において培養したCTLL−2細胞又はTF1−β細胞の増殖を、国際公報番号WO 05/085282に記載された、当業者に公知の、3H−チミジン取り込み試験により評価することができる。
一つの局面において、治療剤又は改変細胞は、たとえば、抗体反応(液性反応)、又は、たとえばサイトカイン分泌(たとえばインターフェロン−ガンマ)、ヘルパー活性若しくは細胞毒性のような細胞性免疫反応、のような免疫反応を増強する。一実施形態において、増強した免疫反応は、サイトカイン分泌、抗体生産、エフェクター機能、T細胞増殖及び/又はNK細胞増殖を、増強する。このような活性を測定する種々の試験は、当業者に公知であり、このような試験の例示を以下に提供する。
例として、酵素免疫測定法(ELISA)は当業者に公知であり、たとえば、Current Protocols in Immunology, Coligan et al. (eds.), John Wiley and Sons, Inc. 1997の項目2.1に記載されている。ELISAを、たとえば、IL−15又はIL−15Raポリペプチドの量又は濃度を評価するために用いることができる。
他の方法において、“四量体染色”法(Altman et al., 1996, Science 274: 94-96)を、抗原特異的T細胞を同定するため、及び、治療剤がどのように抗原特異的T細胞反応を調節(たとえば、増強又は抑制)するかを評価するために、使用してもよい。たとえば、腫瘍特異的抗原のような、特異的ペプチド抗原を含むMHC分子を、可溶型のペプチド四量体を形成するためにマルチマー化し、さらに、たとえば ストレプトビジンと複合体化することによって標識する。その後、MHCペプチド抗原複合体を、免疫原性組成物を単独で又は治療剤と組み合わせて投与する対象から得たT細胞の集団と混合する。そして、ビオチンを用いて、目的の腫瘍特異的抗原を発現するT細胞を染色する。
さらに、混合リンパ球標的培養試験を用いて、T細胞の細胞毒性を、たとえばPalladino et al., 1987, Cancer Res. 47:5074-5079に記載された51Cr放出試験により、試験することができる。簡単に述べると、混合リンパ球培地を、標的細胞懸濁液に添加し、エフェクター対標的(E:T)の比率(通常1:1から40:1)を異ならせる。標的細胞を、1mlあたり500μCiの51Crを含む培養培地中において、1×106個の標的細胞を、37℃で1時間インキュベートすることで、事前標識する。各試験ポイント(E:T比率)において、3回試験を行うと共に、自然発生する51Cr放出(リンパ球を試験に加えない)及び100%放出(界面活性剤により溶解した細胞)を測定するために組み込んだ適切なコントロールについても試験する。細胞混合物を4時間インキュベートした後、200gで5分間遠心分離することでペレット化する。上清中への51Cr放出の量を、ガンマカウンターにより測定する。細胞毒性率を、試験サンプルのcpmから自然放出cpmを引いた値を、界面活性剤放出総cpmから自然放出cpmを引いた値で割ることによって、測定する。
もう一つの実施形態において、治療剤又は改変細胞の効果的な量を対象に投与した後、in vivoでのT細胞によるサイトカイン放出を測定するために、ELISPOT試験を、用いることができる。サイトカイン放出は、たとえば、インターロイキン2、腫瘍壊死因子γ又はインターフェロン−γのような特定のサイトカインに特異的な抗体により検出される(たとえば、Scheibenbogen et al., 1997, Int. J. Cancer 71:932-936参照のこと)。この試験を、目的のサイトカインに特異的な抗体により事前に被覆したマイクロ滴定プレートにおいて行い、T細胞により分泌されるサイトカインを捕捉する。被覆したウエル中において、T細胞を24〜48時間インキュベートした後、T細胞を除去し、サイトカインにおける異なるエピトープを認識する第2の標識抗体と交換する。結合していない抗体を取り除くための入念な線状の後、着色した反応生成物を生成する酵素基質をプレートに添加する。サイトカイン精製細胞の数を顕微鏡下でカウントする。この方法は、短時間の試験という利点と、細胞傷害性T細胞を多く必要としない感度とを有している。
いくつかの局面において、治療剤又は改変細胞により誘引又は増強される免疫反応は、当業者に公知のいずれかの試験により決定するとき、ネガティブコントロールにより導かれる免疫反応に対して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍又は12倍、増強又は増大される。ある実施形態において、治療剤又は改変細胞により誘引される免疫反応は、当業者に公知の方法により評価するとき、ネガティブコントロールにより誘導される免疫反応に対して、少なくとも0.5〜2倍、少なくとも2〜5倍、少なくとも5〜10倍、少なくとも10〜50倍、少なくとも50〜100倍、少なくとも100〜200倍、少なくとも200〜300倍、少なくとも300〜400倍、又は400〜500倍増強される。特定の実施形態において、免疫反応を評価するために用いられる試験は、抗体生産レベル、サイトカイン生産レベル又は細胞毒性レベルを測定し、このような試験は当業者に公知である。いくつかの実施形態において、免疫反応を測定するために用いる試験は、抗体又はサイトカインレベルを決定する酵素免疫測定法(ELISA)、サイトカイン放出を決定するELISPOT、又は、細胞毒性を決定する51Cr放出試験である。
特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞は、対象の血清中の抗体力価により測定したとき、ネガティブコントロールを投与した対象の血清中の抗体力価と比較して、少なくとも0.2から5倍、5から20倍、10から30倍、20から50倍、50から200倍、100から500倍、200から1000倍、又は500から2000倍高く、対象における免疫反応を誘引又は増強する。特定の実施形態において、当業者に公知の方法により決定したとき、治療剤又は改変細胞を投与した対象における抗原に対する平均血清抗体力価は、ネガティブコントロールを投与した対象における平均血清抗体力価に対して、少なくとも0.5から2倍、少なくとも2から5倍、少なくとも5から10倍、少なくとも10から50倍、少なくとも50から100倍、少なくとも100から200倍、少なくとも200から300倍、少なくとも300から400倍、又は少なくとも400から500倍増加する。
もう一つ特定の実施形態において、たとえばインターフェロン−γのようなサイトカインの生産又は分泌レベルを、ネガティブコントロールサンプルにおけるサイトカイン生産又は分泌レベルと比較して誘引又は増強する(0.5から500倍高くしてもよい)ために、治療剤又は改変細胞を投与する方法をここに提供する。特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞は、増加したサイトカイン放出を測定したとき、免疫反応を誘引又は増強し、そのサイトカイン濃度は、ネガティブコントロールのサイトカイン濃度と比較して、0.2から5倍、5から20倍、10から30倍、20から50倍、50から200倍、100から500倍、200から1000倍、又は500から2000倍高い。特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞を投与した対象から得たサンプルの平均血清サイトカイン濃度は、当業者に公知の方法により決定したとき、ネガティブコントロールを投与した対象から得たサンプルの平均血清サイトカイン濃度に対して、少なくとも0.5から2倍、少なくとも2から5倍、少なくとも5から10倍、少なくとも10から50倍、少なくとも50から100倍、少なくとも100から200倍、少なくとも200から300倍、少なくとも300から400倍、又は少なくとも400から500倍増加する。いくつかの実施形態において、ネガティブコントロールは、治療剤又は改変細胞の投与前の対象からのサンプルであり得る。
特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞は、対象におけるNK細胞増殖を、ネガティブコントロールのNK細胞増殖と比較して、少なくとも0.2から5倍、5から20倍、10から30倍、20から50倍、50から200倍、100から500、200から1000倍、又は500から2000倍誘引又は増強する。特定の実施形態において、治療剤又は改変細胞は、たとえばフローサイトメトリー、CSFE染色、3H−チミジン取り込みのような当業者に公知の方法により決定したとき、対象におけるT細胞増殖を、ネガティブコントロールにおけるT細胞増殖と比較して、少なくとも0.2から5倍、5から20倍、10から30倍、20から50倍、50から200倍、100から500倍、200から1000倍、又は500から2000倍多く誘引又は増強する。
効果的な量の治療剤又は改変細胞により誘引される抗体(液性)又は細胞性免疫反応の増強は、当業者に公知の種々の方法を用いて評価することができる。
5.12.2 動物モデル
治療剤、改変細胞、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸について、ヒトにおいて使用する前に、望ましい治療又は予防活性を、in vivoで好ましくは評価する。たとえば、ある実施形態において、治療剤を、動物における病気又は疾患の発症と同時に、動物に投与してもよい。もう一つの実施形態において、治療剤を、動物の病気又は疾患の発症前に、動物に投与してもよい。もう一つの実施形態において、治療剤を、動物の病気又は疾患の発症に続いて、動物に投与してもよい。特定の実施形態において、治療剤を、1回以上動物に投与する。もう一つの実施形態において、治療剤を他の治療薬と組み合わせて投与する。
治療剤、改変細胞、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸を、ラット、マウス、トリ、ウシ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ウサギ、ギニーピッグ等が含まれるが、これに限定されない動物モデル系において試験することができる。特定の実施形態において、治療剤を、マウスモデル系において試験する。そのようなモデル系は、当該技術分野で広く利用されており、公知である。
治療剤、改変細胞、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)、又はIL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸の抗癌活性は、たとえば以下に文献に記載のように、当業者に公知の癌研究のための種々の実験動物モデルを用いて決定することができ、これらの文献の全体を参照としてここに組み込む:Relevance of Tumor Models for Anticancer Drug Development (1999, eds. Fiebig and Burger);Contributions to Oncology (1999, Karger);The Nude Mouse in Oncology Research (1991, eds. Boven and Winograd);及びAnticancer Drug Development Guide (1997 ed. Teicher)。
癌のための動物モデルを、治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、IL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸、又は、治療剤又は改変細胞を含む組み合わせ治療薬の効果を評価するために用いることができる。肺癌のための動物モデルの限定されない例には、Zhang & Roth (1994, In vivo 8(5):755-69)に記載された肺癌動物モデル、及び、p53機能が破壊された形質転換マウスモデル(たとえば、Morris et al., 1998, J La State Med Soc 150(4):179-85参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。乳癌のための動物モデルの例には、サイクリンD1を過剰発現した形質転換マウス(たとえば、Hosokawa et al., 2001, Transgenic Res 10(5):471-8を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。結腸癌のための動物モデルの例には、TCR−β及びp53ダブルノックアウトマウス(たとえば、Kado et al., 2001, Cancer Res 61(6):2395-8を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。膵臓癌のための動物モデルの例には、Panc02マウス膵臓腺癌の転移性モデル(たとえば、Wang et al., 2001, Int J Pancreatol 29(1):37-46を参照のこと)、及び、皮下膵臓腫瘍において生成されたヌーヌマウス(たとえば、Ghaneh et al., 2001, Gene Ther 8(3):199-208を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。非ホジキンリンパ腫のための動物モデルの例には、重症複合型免疫不全(“SCID”)マウス(たとえば、Bryant et al., 2000, Lab Invest 80(4):553-73を参照のこと)、及び、IgHmu-HOX11形質転換マウス(たとえば、Hough et al., 1998, Proc Natl Acad Sci USA 95(23):13853-8を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。食道癌のための動物モデルの例には、ヒトパピローマウイルス16 E7型癌遺伝子(たとえば、Herber et al., 1996, J Virol 70(3):1873-81を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。結腸直腸悪性腫瘍のための動物モデルの例には、Apcマウスモデル(たとえば、Fodde & Smits, 2001, Trends Mol Med 7(8):369-73 and Kuraguchi et al., 2000, Oncogene 19(50):5755-63を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。
治療剤、改変細胞、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)、IL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸の、ネガティブコントロールと比較した、感染病の動物モデルに対する効果は、ウイルス感染した動物において評価することができる。これらの動物から得たサンプル(たとえば、血清、尿、痰、精液、唾液、血漿又は組織サンプル)を、たとえば、サイトカイン放出の増大、抗体生産の増大、T細胞増殖、NK細胞増殖のような、免疫機能の増強のために、当業者に公知のここに記載された方法を用いて、試験することができる。また、これらの動物から得たサンプル(たとえば、血清、尿、痰、精液、唾液、血漿又は組織サンプル)を、たとえば、ウイルス複製の変化の測定(たとえばプラーク形成により決定する)、又は、ウイルスタンパク質(たとえば、ウエスタンブロット、ELISA又はフローサイトメトリー分析により決定する)若しくはウイルス核酸(たとえば、RT−PCR、ノーザンブロット分析又はサザンブロットにより決定する)の生産の測定のような、当業者に公知の方法を介して、ウイルス複製の減少を試験してもよい。組織サンプル中のウイルス定量化のために、組織サンプルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中においてホモジナイズし、除濁したホモジェネートの希釈物を、37℃で1時間、細胞(たとえば、Vero、CEF又はMDCK細胞)の単層上に 吸着させる。他の分析において、組織病理学評価を感染後に行い、好ましくは器官の評価であり、ウイルスは感染の標的として知られている。ウイルス免疫組織化学を、ウイルス特異的モノクローナル抗体を用いて行うことができる。以下に記載された例示の動物モデルは、他のウイルス系にも適合させることができる。
以下に例示するような当業者に公知の種々の感染症動物モデルを、感染症を予防、処置及び/又は管理する場合における、治療剤、改変細胞、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)、IL−15Ra(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸の効果の分析に採用することができる:たとえば、単純ヘルペスウイルス(HSV)のマウスモデルは、Crute et al., Nature Medicine, 2002, 8:386-391 and Bolger et al., Antiviral Res., 1997, 35:157-165に記載されている;HSVのギニーピッグモデルは、Chen et al., Virol. J, 2004 Nov 23, 1:11に記載されている;マウスサイトメガロウイルス(MCMV)及びヒトサイトメガロウイルス(HCMV)の動物モデルは、Kern et al., Antimicrob. Agents Chemother., 2004, 48:4745-4753に記載されている;CMVのギニーピッグモデルは、Bourne et al., Antiviral Res., 2000, 47:103-109、Bravo et al., Antiviral Res., 2003, 60:41-49及びBravo et al, J. Infectious Diseases, 2006, 193:591-597に記載されている;インフルエンザウイルスの動物モデルは、Sidwell et al., Antiviral Res., 2000, 48:1-16及びMcCauley et al.Antiviral Res., 1995, 27:179-186に記載されている;B型肝炎ウイルス(HBV)のマウスモデルは、Cavanaugh et al., J. Virol., 1997, 71:3236-3243及びGuidotti et al., J. Virol., 1995, 69:6158-6169に記載されている;C型肝炎ウイルス(HCV)のマウスモデルは、Zhu et al., Antimicrobial Agents and Chemother., 2006, 50:3260-3268、Bright et al., Nature, 2005, 436:973-978、Hsu et al., Nat. Biotechnol., 2003, 21:519-525、Ilan et al., J. Infect. Dis. 2002, 185:153-161、Kneteman et al., Hepatology, 2006, 43:1346-1353、Mercer et al., Nat. Med., 2001, 7:927-933及びWu et al., Gastroenterology, 2005, 128:1416-1423に記載されている;HIVの動物モデルは、Ayash-Rashkovsky et al., FASEB J., 2005, 19:1149-1151、Mosier et al., Semin. Immunol., 1996, 8:255-262、Mosier et al., Hosp. Pract. (Off Ed)., 1996, 31:41-48, 53-55, 59-60、Bonyhadi et al., Mol. Med. Today, 1997, 3:246-253、Jolicoeur et al., Leukemia, 1999, 13:S78-S80、Browning et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997, 94:14637-14641、Sawada et al., J. Exp. Med., 1998, 187:1439-1449及びSchito et al., Curr. HIV Res., 2006, 4:379-386に記載されている。
ウイルス感染のための他の動物モデルもまた、治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型 (たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組み合わせ治療薬の効果を評価するために用いることができ、このようなウイルス感染のための動物モデルとして、たとえば、EBV関連疾患、ガンマヘルペスウイルス感染、感染性単核球症、サル免疫不全ウイルス(“SIV”)、ボルナ病ウイルス感染、肝炎、水痘ウイルス感染、ウイルス性肺炎、エプスタインバーウイルス病原、ネコ免疫不全ウイルス(“FIV”)、HTLV1型感染、ヒトロタウイルス、及び 、陰部ヘルペスのようなウイルス感染のためのモデルが開発されている。(たとえば、Hayashi et al., 2002, Histol Histopathol 17(4):1293-310、Arico et al., 2002, J Interferon Cytokine Res 22(11):1081-8、Flano et al., 2002, Immunol Res 25(3):201-17、Sauermann, 2001, Curr Mol Med 1(4):515-22、Pletnikov et al., 2002, Front Biosci 7:d593-607、Engler et al., 2001, Mol Immunol 38(6):457-65、White et al., 2001, Brain Pathol 11(4):475-9、Davis & Matalon, 2001, News Physiol Sci 16:185-90、Wang, 2001, Curr Top Microbiol Immunol. 258:201-19、Phillips et al., 2000, J Psychopharmacol. 14(3):244-50、Kazanji, 2000, AIDS Res Hum Retroviruses. 16(16):1741-6、Saif et al., 1996, Arch Virol Suppl. 12:153-61、及び、Hsiung et al., 1984, Rev Infect Dis. 6(1):33-50を参照のこと)。
ウイルス呼吸器感染のための他の動物モデルには、PIV(たとえば、Shephard et al., 2003 Res Vet Sci 74(2): 187-190; Ottolini et al., 2002 J Infect Dis 186(12): 1713-1717を参照のこと)及びRSV(たとえば、Culley et al., 2002 J Exp Med 196(10): 1381-1386、及び、Curtis et al., 2002 Exp Biol Med 227(9): 799-802を参照のこと)が含まれるが、これに限定されない。
治療剤、その組成物、又は治療剤を含む組み合わせ治療薬は、そのウイルス感染の時間的経過を低減させる能力を試験することができる。改変細胞、その組成物、又は改変細胞を含む組み合わせ治療薬は、そのウイルス感染の時間的経過を低減させる能力を試験することができる。IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)又はIL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸は、そのウイルス感染の時間的経過を低減させる能力を試験することができる。
細菌感染のための動物モデルもまた、治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組み合わせ治療薬の効果を評価するために用いることができる。H.ピロリ菌感染、性器マイコプラズマ病、原発性硬化症胆管炎、コレラのような細菌感染、緑膿菌による慢性肺感染症、レジオネラ症、胃十二指腸潰瘍症、細菌性髄膜炎、胃ヘリコバクタ感染、肺炎球菌性中耳炎、実験的アレルギー性神経炎、癩性神経障害、マイコバクテリア感染、心内膜炎、アエロモナス関連腸炎、バクテロイデスフラジリス感染、梅毒、連鎖球菌心内膜炎、急性血行性骨髄炎、ヒト草原熱、毒素性ショック症候群、嫌気性感染、大腸菌感染、及び、マイコプラズマスーモニアエ感染のための動物モデルも、開発されている(たとえば、Sugiyama et al., 2002, J Gastroenterol. 37 Suppl 13:6-9、Brown et al., 2001, Am J Reprod Immunol. 46(3):232-41、Vierling, 2001, Best Pract Res Clin Gastroenterol. 15(4):591-610、Klose, 2000, Trends Microbiol. 8(4):189-91、Stotland et al., 2000, Pediatr Pulmonol. 30(5):413-24、Brieland et al., 2000, Immunopharmacology 48(3):249-52、Lee, 2000, Baillieres Best Pract Res Clin Gastroenterol. 14(1):75-96、Koedel & Pfister, 1999, Infect Dis Clin North Am. 13(3):549-77、Nedrud, 1999, FEMS Immunol Med Microbiol. 24(2):243-50、Prellner et al., 1999, Microb Drug Resist. 5(1):73-82、Vriesendorp, 1997, J Infect Dis. 176 Suppl 2:S164-8、Shetty & Antia, 1996, Indian J Lepr. 68(1):95-104、Balasubramanian et al., 1994, Immunobiology 191(4-5):395-401、Carbon et al., 1994, Int J Biomed Comput. 36(1-2):59-67、Haberberger et al., 1991, Experientia. 47(5):426-9、Onderdonk et al., 1990, Rev Infect Dis. 12 Suppl 2:S169-77、Wicher & Wicher, 1989, Crit Rev Microbiol. 16(3):181-234、Scheld, 1987, J Antimicrob Chemother. 20 Suppl A:71-85、Emslie & Nade, 1986, Rev Infect Dis. 8(6):841-9、Ridgway et al., 1986, Lab Anim Sci. 36(5):481-5、Quimby & Nguyen, 1985, Crit Rev Microbiol. 12(1):1-44、Onderdonk et al., 1979, Rev Infect Dis. 1(2):291-301、Smith, 1976, Ciba Found Symp. (42):45-72、及び、Taylor-Robinson, 1976, Infection. 4(1 Suppl):4-8を参照のこと)。
治療剤若しくはその組成物、又は、治療剤を含む組み合わせ治療薬を、細菌感染の時間的経過を低減するその可能性について試験することができ、たとえば、当業者に公知の方法を用いたとき、細菌呼吸器感染の時間的経過を、ネガティブコントロールに対して少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、又は少なくとも99%低減する。
治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、IL−15Raポリペプチド(及び、ある実施形態においてはIL−15ポリペプチド)をコードする核酸、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組み合わせ治療薬の、真菌感染を予防、処置及び/又は管理するための効果を、そのような感染のための動物モデルにおいて評価することができる。カンジダ感染、接合菌症、カンジダ乳腺炎、潜在的トリコスポロネミアを伴う発展的播種性トリコスポロン症、播種性カンジダ症、肺パラコクシジオイデス症、肺アスペルギルス症、ニューモシスティスカリニ肺炎、クリプトコックス髄膜炎、コクシジオイダル髄膜脳炎及び脳脊髄血管炎、黒色アスペルギルス感染、フザリウム角膜炎、副鼻腔真菌症、アスペルギルス燻煙心内膜炎、脛骨軟骨発育不全症、カンジダ無毛膣炎、口腔咽頭カンジダ症、X連鎖慢性肉芽腫症、足白癬、皮膚カンジダ症、播種性トリコスポロン症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、真菌性角膜炎、クリプトコックスネオフォルマンス感染、真菌性腹膜炎、カルブラリア膝状関節感染、ブドウ球菌眼内炎、スポロトリクム症、及び、皮膚糸状菌症のような真菌感染のための動物モデルが開発されている(たとえば、Arendrup et al., 2002, Infection 30(5):286-91、Kamei, 2001, Mycopathologia 152(1):5-13、Guhad et al., 2000, FEMS Microbiol Lett.192(1):27-31、Yamagata et al., 2000, J Clin Microbiol. 38(9):32606、Andrutis et al., 2000, J Clin Microbiol. 38(6):2317-23、Cock et al., 2000, Rev Inst Med Trop Sao Paulo 42(2):59-66、Shibuya et al., 1999, Microb Pathog. 27(3):123-31、Beers et al., 1999, J Lab Clin Med. 133(5):423-33、Najvar et al., 1999, Antimicrob Agents Chemother.43(2):413-4、Williams et al., 1988, J Infect Dis. 178(4):1217-21、Yoshida, 1988, Kansenshogaku Zasshi. 1998 Jun、72(6):621-30、Alexandrakis et al., 1998, Br J Ophthalmol. 82(3):306-11、Chakrabarti et al., 1997, J Med Vet Mycol. 35(4):295-7、Martin et al., 1997, Antimicrob Agents Chemother. 41(1):13-6、Chu et al., 1996, Avian Dis. 40(3):715-9、Fidel et al., 1996, J Infect Dis. 173(2):425-31、Cole et al., 1995, FEMS Microbiol Lett. 15126(2):177-80、Pollock et al., 1995, Nat Genet. 9(2):202-9、Uchida et al., 1994, Jpn J Antibiot. 47(10):1407-12、Maebashi et al., 1994, J Med Vet Mycol. 32(5):349-59、Jensen & Schonheyder, 1993, J Exp Anim Sci. 35(4):155-60、Gokaslan & Anaissie, 1992, Infect Immun. 60(8):3339-44、Kurup et al., 1992, J Immunol. 148(12):3783-8、Singh et al., 1990, Mycopathologia. 112(3):127-37、Salkowski & Balish, 1990, Infect Immun. 58(10):3300-6、Ahmad et al., 1986, Am J Kidney Dis. 7(2):153-6、Alture-Werber E, Edberg SC, 1985, Mycopathologia. 89(2):69-73、Kane et al., 1981, Antimicrob Agents Chemother. 20(5):595-9、Barbee et al., 1977, Am J Pathol. 86(1):281-4、及び、Maestrone et al., 1973, Am J Vet Res. 34(6):833-6)を参照のこと)。カンジダアルビカンス、アスペルギルスフミガーツス、侵襲性肺アスペルギルス症、ニューモシスティスカリニ、肺クリプトコックス症、緑膿菌、カニングハメラベルトレチア、のような真菌呼吸器感染の動物モデル(たとえば、Aratani et al., 2002 Med Mycol 40(6):557-563、Bozza et al., 2002 Microbes Infect 4(13): 1281-1290、Kurup et al., 2002 Int Arch Allergy Immunol 129(2):129-137、Hori et al., 2002 Eur J Immuno 32(5): 1282-1291、Rivera et al., 2002 J Immuno 168(7): 3419-3427、Vassallo et al., 2001, Am J Respir Cell Mol Biol 25(2): 203-211、Wilder et al., 2002 Am J Respir Cell Mol Biol 26(3): 304-314、Yonezawa et al., 2000 J Infect Chemother 6(3): 155-161、Cacciapuoti et al., 2000 Antimicrob Agents Chemother 44(8): 2017-2022、及び、Honda et al., 1998 Mycopathologia 144(3):141-146参照のこと)。
治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組み合わせ治療薬は、その真菌呼吸器感染の時間的経過を、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%又は少なくとも99%低減する可能性について試験することができる。当業者に公知の技術を、治療剤若しくはその組成物、改変細胞若しくはその組成物、IL−15Raの精製した型(たとえば、精製した可溶型のIL−15Ra)若しくはその組成物、又は、治療剤若しくは改変細胞を含む組み合わせ治療薬の機能を評価するために用いることができる。
〔6.実施例〕
以下に示された実施例1〜3のいくつかの局面において、IL−15/IL−15Ra複合体を以下のように構築した:IL−15Ra(例えば配列番号25)またはIL−15Ra−Fcのための核酸発現コンストラクトと組み合わせて、IL−15(例えば配列番号23)のための核酸発現コンストラクトを用いて、ヒトHEK293T細胞をトランスフェクトした。IL−15(例えばシグナルペプチド無しの配列番号24または配列番号1)およびIL−15Ra(例えば配列番号32などの、可溶型の配列番号3)またはIL−15Ra−Fc融合タンパク質(例えば配列番号21または22)から構築された、IL−15/IL−15Ra複合体を精製した。特定の実施形態では、IL−15(シグナルペプチド無しの配列番号1)および可溶性IL−15Ra(シグナルペプチド無しの配列番号32)から、実施例5〜9に参照されたIL−15/可溶性IL−15Ra複合体を構成する。
[6.1 実施例1.非ヒト霊長類の前臨床研究における、単回投与後のIL−15/IL−15Raヘテロダイマーの安全性および薬物動態特性の調査]
単回投与後のIL−15/IL−15Raヘテロダイマーの安全性および薬物動態特性を評価するために、表1において略述された通りに5個体のアカゲザルを処理した。E. coli由来のIL−15を、5μg/Kgで、静脈内注射によって投与した(サブスタディ2);IL−15/IL−15Raヘテロダイマーを、5μg/Kgおよび2μg/Kgで、静脈内注射によって投与し(それぞれサブスタディ3および4)、また、IL−15/IL−15Raヘテロダイマーを、5μg/Kg、皮下注射で投与した(サブスタディ5)。1個体のアカゲザルには静脈内注射で生理食塩水を与え、コントロールとして扱った(サブスタディ1)。
アカゲザルに麻酔をかけ、異なる調合物(それぞれ、生理食塩水中の1mlまたは0.5ml)を静脈内または皮下に注射した。血圧および体温を、ある期間にわたって追跡した。IL−15/IL−15Ra(5μg/Kg)を静脈内注入した18分後、アカゲザルM710(サブスタディ3)は低血圧を発現し、ヘタスターチ5mlの静脈内液体およびボーラスを必要とした。合計200mlの液体を投与した。次の動物、M092(サブスタディ4)に、低用量のIL−15/IL−15Raヘテロダイマー(3μg/Kg)を静脈内に注射した。また、低用量のIL−15/sIL−15Raヘテロダイマーは静脈内注射した30分後に血圧低下をもたらした。上記動物に、50mlまたはLRSの迅速な注入および5mlのボーラスのヘタスターチを与えた。合計200mlの液体を投与した。両方の動物は麻酔から回復し、さらなる処置の必要としなかった。5μg/kgのIL−15/IL−15Raの皮下注射後、M572およびM703の動物(群/サブスタディ5)において低血圧は発症しなかった。動物の体温において有意な変化は観察されなかった。
また、動物を、以下の血清値(グルコース、血中尿素窒素、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アルカリトランスアミナーゼ、アミノトランスフェラーゼ、コレステロール、カルシウム、リン酸塩、ナトリウム、カリウム、塩化物、グロブリン、クレアチンホスホキナーゼ):および以下の血液学的なパラメータ(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC、RBC、平均赤血球体積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモグロビン濃度、血小板、好中球、リンパ球、単球、好酸球および好塩基球):についても監視した。全ての値は、CPKを除いて生理学的範囲内であった。すべての動物(コントロールを含む)は、麻酔に起因したCPKのレベルにおいて、急性および一過性の増加を示した。一回の一用量の任意のIL−15製剤の投与から24〜48時間後に、総WBCおよび総リンパ球数におけるわずかな減少が観察された。これらの動物に対して、その後の時点で測定は行わなかった。
静脈内注射の0、10、20、30、45、60分、2、4、8、24および48時間後(群/サブスタディ1、2、3および4)、ならびに皮下注射の、0、1、2、4、6、8、24、48および72時間後(群/サブスタディ5)に採血し、製造業者の指示書に従って、ELISA(QuantiGlo, R&DSystems, Q1500B)によって、血漿IL−15のレベルを測定した。5μg/Kgの用量を静脈内に注射した10分後、IL−15/IL−15Raを受容している動物はおよそ50ng/mlのIL−15の血漿ピークレベルを示したが、単量体IL−15を受容している動物はおよそ30ng/mlのIL−15の血漿ピークレベルを示した(図4A)。この相違は、IL−15/IL−15Raヘテロダイマーは、循環から迅速に排除される単量体のIL−15よりも、より安定した分子であることを示唆している。一段階指数関数型減衰分析によると、IL−15/IL−15Raのヘテロダイマーは50〜60分の半減期を有していたが、単量体のIL−15は12分の半減期を有していた。より少ない用量のIL−15/sIL−15Raの注射は、10分後により低いピークレベル(およそ15ng/ml)が生じたが、経時的血漿IL−15濃度の減退の反応速度は同様であった(図4A)。
IL−15/IL−15Raの皮下注射に際して、注射の4時間後に、4〜5ng/mlの血漿ピークレベルのIL−15が検出された。時間経過に伴うIL−15の血漿濃度における低下は、静脈内注射と比較して緩やかであった。アカゲザルは、注射の24時間後に、〜1ng/mlの血漿IL−15レベルを維持した(図4B)。興味深いことに、IL−15/IL−15Raヘテロダイマーの一回の単回皮下注射によって得られるIL−15レベルは、20μg/Kgで与えられた単量体のIL−15のCIV注入の2日目において得られたIL−15レベルに匹敵した。単量体IL−15(20または40μg/Kgにおける)の皮下注射は、従来の研究において、注射の24時間後におよそ0.1ng/mlのレベルでより急速な減衰を有していると特徴づけられていた(例えばSneller et al., Blood, 2011 Dec 22,118(26):6845-6848を参照のこと)。
また、注射したアカゲザルにおいて、血漿IL−15についての曲線下の面積(The Area Under the Curve)も測定した。静脈内注射または皮下注射のいずれでも、5μg/KgのIL−15/sIL−15Raの投与に際して、同様のAUCs(時間経過に伴う血漿IL−15レベルについての)観察された。これは、ヘテロダイマーのIL−15/sIL−15Raの長い半減期の結果であった。ヘテロダイマーによって得られたAUC値は、5μg/Kgの用量の静脈内注射における単量体のIL−15のAUCよりも、4〜5倍大きかった(図4C)。
皮下注射を介して送達されるIL−15/sIL−15Raの薬物動態特性を、i)静脈内注射を介して送達されるIL−15/sIL−15Raの特性、およびii)、これらの搬送方法を介している同様の濃度(5μg/Kg)のIL−15/sIL−15Ra(またはIL−15)を投与することによる静脈内注射を介して送達されるE. coliが生産したIL−15の特性と比較し、様々な時点におけるIL−15の血漿レベルを評価した。結果は図4Dにおいて示されている。
[結果]
まとめると、これらのデータは、E. coli由来の単量体のIL−15と比べてIL−15/sIL−15Raヘテロダイマーが、より長い血漿半減期を有していることを示唆している。IL−15/IL−15Ra(5μg/Kgおよび2μg/Kg)のボーラスの静脈内注射の用量は、静脈内注射の流体の担体によって処理された、血圧における一過性の低下を引き起こした。同量のIL−15/IL−15Raヘテロダイマーの皮下における投与によって、静脈内注射と比較して、より低い急性的なピークであるが、より長期にわたる血漿レベルのIL−15が生じた。皮下注射の後、血圧に変化は観察されなかった。したがって、皮下注射によって静脈内注射に伴う薬物副作用を最小化し、より持続した生物活性レベルの循環しているIL−15が生じた。
[6.2 実施例2.反復注射後におけるヒトIL−15/sIL−15Raの免疫系ホメオスタシスにおける毒性、抗原性、および影響を評価する調査]
IL−15/IL−15Raの単回投与後に得られた結果に基づき、反復注射後のヒトIL−15/sIL−15Raの免疫系ホメオスタシスにおける毒性、抗原性、および影響を評価するためにさらなる調査を行った。表2において記載されているように、群1はは、2μg/Kgの用量におけるIL−15/sIL−15Raの静脈内注射を毎日12回受けた2個体のアカゲザルを包含していた。グループ2はは5μg/Kgの用量におけるIL−15/sIL−15Raの皮下注射を5回(3日毎に1回)受けた2個体のアカゲザルを包含していた。群2は、第1の処置周期と同一の第2の処置周期を受けた。第1の周期の完結の60日後、かつ、これらのアカゲザルの血液学的なパラメータが通常レベルに戻った後、この第2の周期を行った。
図5は表2において概説されている調査の構想を示し、また、5μg/Kgの用量におけるIL−15/sIL−15Raの5回の皮下注射(3日毎に一回)を受けた2個体のアカゲザルの試験(すなわちP572およびM695)の試験(群2)に加え、また5μg/Kgの用量でIL−15/sIL−15RaFcの5回の皮下注射(3日毎に1回)を受けた追加の2個体のアカゲザルの試験を包含している(すなわちP570およびM574)(群3)。
調査に組み込まれた動物を、臨床的な毒性のために異なる時点で検査をし、化学分析および血液学的な実験分析を行い、IL−15/IL−15Ra投与の結果としての免疫学的パラメータを評価した。ヒトIL−15およびIL−15Raのための、特異的な自己抗体の発生も評価した。これらの動物を処置の完了後に殺処分せず、病理学的データを得なかった。完全な検死はこれから実行される(以下参照)。
(群1)
アカゲザルP571およびP575を鎮静させ、1mlの生理食塩水中のIL−15/IL−15Ra(2μg/Kg)を静脈内投与した。血圧および体温をある期間にわたって追跡した。各注射の後、両方のアカゲザルは、IL−15/IL−15Raを静脈内注射で注入した15分後低血圧を発症し、総計50〜60mlの静脈内注射の液体を必要とした。動物の体温の変化は見られなかった。すべての動物は注入の後1時間で麻酔から覚め、正常に回復した。第1回および第2回目静脈内注射の後0、15、30分、1、4、および24時間後、ならびに処置の開始後7、12、14、21、28、および47日目に、採血した。化学発光免疫アッセイ(Quantiglo Q1500B, R&D Systems)を製造業者の指示書に従い用いて、アカゲザルの血漿におけるヒトIL−15の濃度を評価した。IL−15/IL−15Raの2μg/Kgの静脈内注射の注入は、およそ10ng/mlのピーク血漿IL−15レベル、および24時間におけるベースラインと同様のレベルのおよそ1時間の半減期を生じた。静脈内注射の注入の反復は、各注入の後に得られたIL−15のピーク血漿レベル、または減衰の反応速度いずれにも影響を与えなかった(図6)。
0、2、7、12、14、21、28および47日目に回収したサンプルに対して、末梢血単核細胞(PBMC)をフィコール密度勾配遠心分離法によって単離し、10%のDMSOを加えたウシ胎児血清中で細胞を凍結し、分析まで液体窒素中で保存した。直接共役型抗ヒト抗体の混合物(APC−Cy7 CD3、AmCyan CD4、AF405−CD8、FITC−CD95、PerCpCy5.5−CD28、AF700−CD45RA、APC−CCR7、PECy7−CD16、PE−NKp44、PE−NKp46、PE−ガンマデルタ、PE−CD25、V450−CD20、APC−CD27、AF700−CD40)を用いて、免疫表現型分析を行った。Tregsの検出のために、細胞の表面染色に続けてFoxp3 Staining Buffer Set(eBioscience)を用いるFITC-Foxp3 Abによる細胞内染色を行った。標識化された細胞サンプルのデータを、LSR II Flow Cytometer (BD)において取得し、FlowJo software (Tree Star, San Carlos, CA)を用いて解析した。
ヒトIL−15/IL−15Ra調合物の抗原性を測定するために、ヒトIL−15またはヒトIL−15Raに対する抗体の存在について、アカゲザルの血漿サンプルをウエスタンブロット法を用いてスクリーニングした。SDSを含んでいる緩衝液中に20および50ngのヒトIL−15/ヒトIL−15Raを溶解し、ポリアクリルアミドゲルにロードし、ニトロセルロース膜に転写した。ヒトIL−15またはヒトIL−15Raに対して反応している抗体の存在を、処置周期の開始前および28日目に、サルの血漿を用いて評価した。両方のアカゲザルは、抗ヒトIL−15抗体または抗ヒトIL−15Ra抗体どちらも産出しなかった(希釈:2000)。
(群2および3)
アカゲザルP572およびM695を鎮静させ、0.5mlの生理食塩水皮下注射でIL−15/sIL−15Ra(5μg/Kg)を投与した(群2)。血液および体温をある期間にわたって追跡した。動物の血圧および体温の変化は見られなかった。すべての動物は注入の後1時間で麻酔から覚め、正常に回復した。所定の臨床化学および血液学パラメータパラメータを、各処置周期の後0、7および14日目に測定した。第1および第2の皮下注射の0、1、2、4、6、8、24および48時間後、ならびに3回目および4回目の皮下注射の0、4、および24時間後、ならびに第1の処置周期の最後の皮下注射の0、4、24および48時間後に採血をした。およそ2カ月の休止期間の後、第2第2の処置周期を行った。第1回目の皮下注射の0、2、4、6、8、24および48時間後、ならびに2回目、3回目および4回目の皮下注射の0、4および24時間後、ならびに第2第2の処置周期の最後の皮下注射の後0、4、24、および72時間後に採血をした。血液サンプルを、第2第2の処置周期の開始後22、39および60日目に回収した。IL−15/sIL−15Raの代わりにIL−15/sIL−15RaFc(5μg/Kg)(群3)を受容したアカゲザルP570およびP574に、実質的に同様の処置を行った。
アカゲザルの血漿中のヒトIL−15の濃度を、製造業者の推奨に従い化学発光の免疫アッセイ(Quantiglo Q1500B, R&D Systems)を用いて評価した。5μg/Kgにおいて皮下に投与されたアカゲザル(群2および3)におけるIL−15のヘテロダイマー型の薬物動態を、第1の注射後ELISAによって評価した(図7)。さらに、1〜2ng/mlのピーク血漿IL−15レベルを、各皮下注射の2〜6時間後に測定した。また200pg/mlより高い全身のIL−15レベルは24時間まで保たれたが、72時間での測定はベースラインのレベルに戻った濃度を示した(図8は群2の結果を示し、図9は群3の結果を示す)。重要なことに、E. coli由来のIL−15について以前に報告されたことに反して(例えばSneller et al., Blood, 2011 Dec 22,118(26):6845-6848参照)、IL−15/IL−15Raを用いた反復処置周期は、各注射後に達成されたIL−15の血漿レベルに影響を及ぼさなかった。
第1の処置周期の開始後0、2、7、および14日目、ならびに第2の処置周期の開始後6時間後、および1、2、7、13、15、22、39および60日目に回収されたサンプルに対して、フィコール密度勾配遠心分離法によって末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。10%のDMSOを加えたウシ胎児血清中で細胞を凍結し、分析まで液体窒素中で保存した。直接共役型抗ヒト抗体の混合物(APC−Cy7 CD3、AmCyan CD4、AF405−CD8、FITC−CD95、PerCpCy5.5−CD28、AF700−CD45RA、PECy7−CD16、PE−NKp44、PE−NKp46、PE−ガンマデルタ、APC−CD20、FITC−アネキシン)を用いて、免疫表現型の分析を行った。増殖している細胞の検出のために、細胞の表面染色に続けて、Foxp3 Staining Buffer Set(eBioscience)を用いているAF700−Ki67 Ab(BD Pharmingen)による細胞内染色を行った。標識化された細胞サンプルのデータを、LSR II Flow Cytometer(BD)において取得し、FlowJo software(Tree Star, San Carlos,
CA)を用いて解析した。
ベースラインにおいて、Ki67を発現するCD16+NK細胞の割合は、アカゲザルM695について5%未満であり、アカゲザルP572についておよそ15%であった。CD4+、CD8+およびガンマデルタT細胞のパーセンテージは、IL−15s/IL−15Ra投与の前は10%未満であった。IL−15/sIL−15Raの処置は、第1回目の注射後7日目(2個体のアカゲザルについて80%)および14日目(M695アカゲザルについて40%およびP572アカゲザルについて60%)にCD16+NK細胞の増殖の増加をもたらした(図10はIL−15/sIL−15Raによって処置された群2の結果を示し、図11はそれぞれIL−15/sIL−15RaおよびIL−15/sIL−15RaFcによって処置された群2および3の結果を示す)。同様に、IL−15/sIL−15Raは、第1の注射後7日目にピークに達した14日目において上昇を維持した、CD8+T細胞(30〜53%の細胞はKi−67+であった)およびガンマデルタT細胞(45〜84%の細胞はKi−67+であった)の堅調な増殖を誘発した(図10は群2の結果を示し、ならびに図11は群2および3の結果を示す)。また、増殖しているCD4+T細胞の割合におけるより小幅な上昇が、第1回目の注射後7日目に観察された(図10は群2の結果を示し、ならびに図11は群2および3の結果を示す)。
IL−15/sIL−15Ra(群2)による反復処置周期は、NK細胞(図12)の同様のピーク増殖、ならびに血漿IL−15レベルを反映したIL−15/sIL−15RaFcによる第2の処置第1および第2の処置周期(群3)の後のNK細胞の増殖をもたらした(図13)。群2において、両方の周期の間、循環しているNK細胞のレベルは7および13または14日目に増加し、NK細胞の循環は、第2の投与計画(2日目)の間早期に誘導された。
またIL−15/IL−15Ra処置に応じた増殖能力について、CD8+およびCD4+T細胞のうちの異なるサブセットを試験した。ナイーブT細胞(TN)をCD95−CD28+、T細胞中心性記憶T細胞(TCM)をCD95+CD28+、およびエフェクター記憶T細胞(TEM)をCD95+CD28−と定義した。IL−15/sIL−15Raの投与前、各区画内の少数の細胞はKi−67+であった。第1回目の注射後7日目に、Ki−67+細胞のパーセンテージにおいて5〜15倍に増加するとともに、CD4+およびCD8+TEMの両方がIL−15/IL−15Ra処置に際して迅速に増大する。同様に、CD4+およびCD8+TEM両方が、IL−15/IL−15RaFc処置に際し増大する。エフェクター記憶CD4T細胞ならびに中心性およびエフェクター記憶CD8細胞T細胞におけるIL−15/sIL−15Ra(群2)およびIL−15/sIL−15RaFc(群3)の影響は、図14A〜Cに示されている。また、反復したIL−15/sIL−15Ra皮下注射は、7日目にCD8+およびCD4+TCM増殖においてそれぞれ5倍および2倍の増加を誘導した。また、増殖可能なCD8+TN細胞の頻度の実質的増加は、7および14日目に観察されたが、一方CD4+TN細胞はIL−15/IL−15Raに反応しなかった(図14)。重要なことに、各サブセット内で観察されたKi−67+細胞の頻度は、12回の毎日の静脈内注射またはE. coli由来のIL−15のCIVについて以前に報告されたものと同様である(例えばSneller et al., Blood, 2011 Dec 22,118(26):6845-6848; Lugli et al., Blood, 2010 Oct 28, 116(17):3238-3248; Lugli et al., Blood, 2011 Sep 1, 118(9):2520-2529参照)。
ヒトIL−15/IL−15Ra調合物の抗原性を測定するために、ヒトIL−15またはヒトIL−15Raに対する抗体の存在について、アカゲザルの血漿サンプルをウエスタンブロット法によってスクリーニングした。SDSを含んでいる緩衝液中に20および50ngのヒトIL−15またはヒトIL−15Raを溶解し、ポリアクリルアミドゲルにロードし、ニトロセルロース膜に転写した。ヒトIL−15またはヒトIL−15Raに対して反応している抗体の存在を、第2の処置第1の処置周期の開始前および第2の処置周期の開始後22日目に、サルの血漿を用いて評価した。抗IL−15抗体を生成した動物はいなかった(図15B)。アカゲザルP572について、処理前のサンプルは1:500、1:2000および1:8000の希釈で陰性反応が出た。22日目のサンプルはヒトIL−15Ra(およそ42KDa)に対して反応したが、ヒトIL−15(およそ15KDa)を検出することはできなかった(図15A)。アカゲザルM695は、抗ヒトIL−15および抗ヒトIL−15Ra抗体(希釈1:2000)のどちらも生成しなかった(図15B)。処置されたアカゲザルのうちの1個体におけるヒトIL−15Raに対するAbの生成は、ヒトIL−15RaとアカゲザルIL−15Raとの間の差異の結果であり得る。IL−15/IL−15RaFcを受容している両方の動物(P574およびP570)は、抗IL−15Ra抗体を生成した(図15B)。ヒトIL−15とアカゲザルIL−15との間の相同性のパーセンテージが97.5%であるのに対し、2種の成熟した分泌IL−15Raの間での相同性のパーセンテージは91%である。
[6.3 実施例3.IL−15/sIL−15Raのアカゲザルへの反復した皮下注射後の、毒性、IL−15の血漿レベルおよび他のパラメータパラメータを評価する調査]
実施例2において示された結果に基づき、反復した注射後の、毒性、抗原性、およびヒトIL−15/sIL−15Raの免疫システムのホメオスタシスにおける、影響を評価するために、さらなる調査を行った。表3において略述されているように、群1は、0、2、4、7、9および12日目に、5μg/Kgの量で、IL−15/sIL−15Raの6回の皮下注射を受けた8個体のアカゲザルを含んでいた。群2は、コントロールとして扱った8個体のアカゲザルを含んでいた(同日に食塩水を皮下注射で6回受けた)。両方の群は、第1の周期と同一の第2の処置周期を受けた。この第2の周期を第1の周期が完結した2週間後、およびこれらのアカゲザルの血液学的なパラメータパラメータが通常レベルに戻った後、行った。4個体のアカゲザル/群を、第2の処置周期の開始後14および30日目に殺処分にした。
アカゲザルを鎮静させ、0.5mlの生理食塩水中のIL−15/sIL−15Ra(5μg/Kg)または生理食塩水のいずれかを皮下に投与した。血液および体温をある期間にわたって追跡した。動物の血圧および体温の変化は観察されなかった。すべての動物は注射後1時間で麻酔から覚め、正常に回復した。各処置周期の後、0、7、および14日目に、所定の臨床化学および血液学パラメータパラメータを測定した。皮下注射の注入後、異なる時点で採血をした。化学発光免疫アッセイ(Quantiglo Q1500B, R&D Systems)を製造業者の推奨に従い用いて、アカゲザルの血漿におけるヒトIL−15の濃度を評価した。各皮下注射の6時間後、1〜2ng/mlのピーク血漿IL−15レベルを測定した。結果は、図16および17において示されている。興味深いことに、各皮下注射の48時間後のIL−15のレベルは、各処置周期における第2回目の注射後より低く、IL−15を消費する細胞の付随的な増大を示唆している。重要なことに、E. coli由来のIL−15について以前に報告されたことに反して(例えばSneller et al., Blood, 2011 Dec 22,118(26):6845-6848参照)、IL−15/IL−15Raを用いた反復した処置周期は、各注射後に達成されたIL−15の血漿レベルに影響を及ぼさなかった(図16)。図17は、血漿IL−15ヘテロダイマーのピークレベルおよびトラフレベルを示している。図18は、IL−15ヘテロダイマーを注射された8個体のアカゲザル対コントロールにおける平均動脈圧を示し、および図19は、IL−15ヘテロダイマーを注射された8個体のアカゲザル対コントロールにおける平均体温を示している。図18および19は、5μg/Kgの量では、皮下注射をされたアカゲザルの血圧または体温において、コントロールに比較して実際に違いがないことを、示している。
(実施例2および3についての結論)
実施例2および3において示されているデータは、特に:(1)隔日で皮下投与されたIL−15ヘテロダイマーは、血漿IL−15の持続した上昇したレベルを導くこと;(2)IL−15の持続した血漿レベルは、皮下注射投与の2週間オン状態、2週間オフ状態の全期間において持続したIL−15活性を導くこと;(3)一連のIL−15のトラフ血漿レベルは、皮下投与の期間にわたり低下しており、このことは、体中に増大しているリンパ球によるIL−15のより高利用性を示唆していること;および(4)皮下注射投与は、静脈内注射投与と関連した高いピークレベルおよび毒性を回避すること、を示している。さらに、体重あたり5μg/kgの用量では、皮下注射したアカゲザルの血圧および体温において変化はなく、一方静脈内ボーラス注射によって投与された同一の用量のIL−15ヘテロダイマーは、血圧低下を導く。したがって、IL−15活性は維持されるが、観察される副作用は皮下注射投与によって低下する。さらに、2日毎の皮下注射投与後、IL−15ヘテロダイマーの蓄積はない;これに反して、IL−15ヘテロダイマーを結合する、分裂しているリンパ球の増大している数に起因して、IL−15の消費は増加しているように見える。
これらのデータに基づいて、本書に記載されているのは、特に、注射のためのIL−15ヘテロダイマーの調合物の場合、血漿レベルは4時間後にピークレベルに達し、上記血漿レベルは、単回投与後少なくとも24時間の間は基底血漿レベルを越えるレベルを維持するということである。これは、所望のレベルのリンパ球刺激に依存した、1日1回、2日に1回、または3日に1回の投与を容易にする。
ヒトにおいてこれらの仕様を達成する調合物は、例えば、生理食塩水中の1〜10mg/mlの濃度のIL−15ヘテロダイマーの滅菌溶液である。生理食塩水における皮下注射投与は、所望の範囲の血漿濃度を達成する。加えて、IL−15の生物学的利用能および安定性をさらに増加させるために、異なる調合物を適用することが可能である。ヒトにおける所望の血漿レベルは、standard human IL-15 ELISA(Quantiglo Q1500B, R&D Systems、製造業者の指示書に従って行った)を用いて、10,000pg/ml血漿と1pg/ml血漿との間である。より好ましくは、所望の血漿レベルは1,000pg/ml血漿と1pg/ml血漿との間である。最も好ましくは、所望の血漿レベルは1,000pg/ml血漿と10pg/ml血漿との間である。これらのレベルは、副作用を最小限にし、リンパ球の増殖および活性化を最大化することが予測される。
ヒトにおいて、細胞との結合を増加させ且つ血漿レベルを低下させるリンパ球の増大に起因して、検出される血漿レベルはある期間にわたって減少するであろうことが予測される。安定した血漿レベルを保つある方法は、一定期間にわたるヘテロダイマーのIL−15用量の増加である。
本書において示されているデータはIL−15/IL−15Raの反復投与が非毒性および免疫原性であることを示唆していると、さらに結論づけることができる。IL−15/sIL−15Ra処置によってCD16+NK細胞の増加した増殖、CD8+T細胞およびガンマデルタT細胞の誘導された堅調な増殖、ならびにCD4+T細胞の割合における若干の増加が生じた。重要なことに、E. coli由来のIL−15について以前に報告されたことに反して、IL−15/IL−15Raを用いた反復処置周期は、各注射後に達成されたIL−15の血漿レベルに影響を及ぼさなかった。データはさらに、皮下に投与したIL−15/IL−15Raにおける周期性の処置計画は毒性を最小限にするが、基底レベルを越えるIL−15の血漿レベルを達成することを示唆している。本書で示された結果はi)第1の処置周期において、特に、2日または3日毎(例えば2週間)に、IL−15/IL−15Raが皮下投与され、その後、ii)IL−15/IL−15Raが投与されない「オフ処置」周期(特に、2週間〜2か月間、例えば2週間または2か月)が続いて、その後iii)特に2日または3日毎(例えば2週間)IL−15/IL−15Raが皮下投与される第2の処置周期が続く、望ましい周期性の処置計画を示唆している。
[6.4 実施例4.HEK293細胞株によって安定的に発現されるIL−15/IL−15Raヘテロダイマーの生成および性質決定]
本実施例では非共有的に結合されているが、安定的であるIL−15/可溶性IL−15Rα(sIL−15Rα)ヘテロダイマーのクローンのヒトHEK293細胞における効率的な生産、およびプロセシングされたIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの、培地における放出を、実証する。本書において実証されているように、IL−15およびsIL−15Rαポリペプチドの精製は、IL−15Rαのタンパク質分解性の切断部位の同定、および複数のグリコシル化部位の性質決定を可能にした。さらに、精製され再構成されたIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの投与は、持続した血漿レベル、ならびにマウスにおけるNKおよびT細胞の堅調な増大をもたらし、E. coli由来の単鎖IL−15よりも優れた薬物動能およびインビボ生体活性を示している。これらのヘテロダイマーIL−15の同定された特性は、臨床上の適用のためのこの分子の使用について強力な正当性を提供する。
以前は、細胞表面からヘテロダイマーの分断の原因となるメカニズムは十分に理解されておらず、天然に切断されたsIL−15RαのC末端配列は知られていなかった。これらの理由のため、生物活性のあるヘテロダイマーのサイトカインの分子の性質決定は重要である。循環しているサイトカインが少量であるため、ヒト組織からのヘテロダイマーの単離は困難である(Dudley et al., J. Clin. Oncol., 2008, 26:5233-5239)。この実施例では、遺伝子移入後のヒト細胞によって合成、プロセシング、および分泌されたIL−15/IL−15Rαヘテロダイマーの生産および精製のための方法の開発を記載している。特に、天然にプロセシングされたIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーを過剰生産している、安定したクローンのHEK293由来ヒト細胞株、および生物学的に活性型のヘテロダイマーIL−15/sIL−15Rαサイトカインを産出するための効率的な精製法を開発した。またこのことにより、IL−15/sIL−15Rα複合体の性質決定、sIL−15Rαのアミノ酸配列およびタンパク質分解性の切断部位の決定、全体的なグリコシル化の分析、ならびに薬物動能およびインビボの生理活性の評価を可能となった。
6.4.1 実験方法
ヘテロダイマーIL−15/IL−15Rαを過剰生産する哺乳動物細胞株の生成。
ヒトIL−15および全長IL−15Rαの効率的な発現のために最適化されたDNAベクター(Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199; Jalah et al., DNA Cell Biol., 2007, 26:827-840)を、安定したクローンの細胞株の生成のために、用いた。高度に精製されたエンドトキシンフリーのDNAプラスミド(Qiagen EndoFree Giga kit; Hilden, Germany)を、制限酵素消化によって線状にし、Nucleotide Removal Kit(Qiagen)を用いて精製し、無菌条件下でエタノール沈殿させた。HEK293細胞(Life Technologies,#11631017)を、最適化されたプラスミドを用いて、リン酸カルシウム共沈法によって安定的にトランスフェクトした。クローン19.7および1.5は、IL−15/sIL−15Rαを最も多く産出するもののうちのひとつであった。IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーを生産している別のHEK293由来のヒト細胞株(クローン2.66)を、IL−15およびIL−15Rαの細胞外領域を発現しているDNAベクターを用いて産出した成熟分子の1〜175番目のアミノ酸(Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199; Mortier et al., J. Immunol., 2004, 173:1681-1688)としてトランケートされたsIL−15Rα)。細胞を増大させ、中空糸システム(FiberCell Systems Inc)内の無血清培地に播種した。グルコース消費を毎日測定し、グルコース濃度が100mg/dL未満に低下したときに無血清培地を入れ替えた。細胞上清(20ml)を5か月まで毎日採取し、ELISA(R&D Systems)を用いてIL−15レベルについてアッセイした。
IL−15ヘテロダイマーの逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)分離および解析。
分析的なRP−HPLCのために、サンプルを遠心分離して細胞破片をペレットにし、アセトニトリル水溶液/トリフルオロ酢酸溶剤、ならびにLC−10ADポンプ、SCL−10Aシステムコントローラー、CTO−10ACオーブン、FRC−10Aフラクションコレクタ、および55℃のSPD−M10AVダイオードアレイ検出器が装備された島津HPLCシステムを用いて、0.3mL/minの流速で、2.1x100mm Poros(登録商標)R2/10 column(ABI, USA)上において、非還元条件下で、RP−HPLCによって、IL−15/sIL−15Rα複合体を含んでいる100mlの媒体を分離した。緩衝液Aは0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)の水溶液であった。カラムを、10%緩衝液B(0.1%TFAのアセトニトリル溶液)を用いて平衡化した。緩衝液Bの勾配は:10〜43%、9分;43〜44%、12分;44〜85%、4分;85%、5分であった。ピークを、206および280nmにおけるUV吸収によって検出した。精製したタンパク質の定量を、日立高速アミノ酸分析計L−8800形を用いてアミノ酸分析により行った。精製IL−15およびsIL−15Rαサブユニットをモル比1:1で混合し、複合体を再会合させた。IL−15/sIL−15Rα複合体分析を、ポリアクリルアミドゲル(それぞれ12%および4〜20%勾配)上で変性および非変性条件両方で行い、クマシーブルー染色により可視化した。複合体の形成を、抗ヒトIL−15抗体または抗ヒトIL−15Rα抗体(それぞれAF315およびAF247、R&D Systems)を用いてウエスタンブロット分析により確認した。
分取RP−HPLCは、Ultimate 3000 Binary pumps Model #HPG-3400A、Ultimate 3000 Photodiode Array Detector Model #PDA-3000、Ultimate 3000 Column Compartment Model #TCC-3000、Ultimate 3000 Solvent RackおよびDegasser Model #SRD-3400、Isco Fraction Collector、Model #Foxy 200を装備したDionex HPLCシステムを用いて行った。概して、細胞片を取り除くための遠心分離後、1ランにつき20mlをカラムに直接ロードした。
最初の精製を、室温において5mL/分の流速および5ml/分の流速で、Waters RCM 25x100mm uBondapak-C18 column上で行った。緩衝液Aは0.1%TFA水溶液であった。緩衝液Bの勾配は:20%〜32%、60分;32%〜47%、40分;47%〜55%、1時間20分;および55%〜65%、20分;65%〜90%、20分;ならびに90%、10分であった。sIL−15RαおよびIL−15に対応している画分を、別個にプールし、非還元条件下でRP−HPLCによってさらに精製した。sIL−15Raのさらなる精製を、26.0°Cおよび5mL/分の流速で、16x100mm POROSR2/10 columnを用いて行った。緩衝液Bの勾配は:5%〜15%、10分;15%〜32%、120分;32%〜100%、20分;100%、10分であった。
IL−15のさらなる精製のために、IL−15に対応している画分を、プールし、26°C、5mL/分の流速で初めに16x100mm POROSR2/10上で、再精製した。緩衝液Bの勾配は:20%〜36%、30分;36%〜50%、150分;50%〜90%、20分;90%、10分であった。ピークは206nmおよび280nmにおいて検出され、automated Applied Biosystems Inc.477 Protein Sequencerを用いた配列決定;SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、およびEnhanced ChemiLuminescence (ECL) procedure (Amersham Life Science, Arlington Heights, IL)を用いたウエスタンブロット解析によって解析した。混合物中または精製したサブユニット中の総タンパク質の定量を、日立高速アミノ酸分析計L−8800形を用いたアミノ酸分析により行った。sIL−15RαおよびIL−15のプールを、等モル量で混合し、凍結乾燥した。
sIL−15RαのC−末端を同定するためのタンパク質分解。
天然に切断されたsIL−15Rαの60μgの0.02MのTris−HCl、pH8.5(20:1w/wのタンパク質−プロテアーゼ)中に溶解し、Lys−Cエンドプロテアーゼ(Boehringer Mannheim Gmbh, Mannheim, Germany)を添加し、37℃で22時間インキュベートした。消化後、Lys−C断片の逆相HPLC分離を、島津HPLCシステムを用いて、0.3mL/分で、2.1x100mmVydac C18カラム上で、非還元条件下で行った。緩衝液Bの勾配は:55°Cで、7〜30%、25分;30〜70%、5分;70%、5分であった。ピークを206nmおよび280nmにおいて検出し、automated Applied Biosystems Inc.477 A protein sequencerを用いた配列決定によって解析した。
HPLC画分のMALDI−TOF MS分取を、等量のマトリックス溶液(α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸)と混合し、1.5mlの混合物をターゲットプレート上にスポットし、Ultraflex III TOF/TOF(Bruker Daltonics,Billerica,MA,USA)上のMALDI−TOF MS(マトリックス支援レーザー離脱イオン化法飛行時間型質量分析計)を用いて分析した。スペクトルを、Bruker Peptide Calibration Standard IIを用いてリフレクターモードにおいて外部校正した。モノアイソトピック質量を、SNAPピークピッキングアルゴリズムによるFlexAnalysis 3.3(Bruker Daltonics)を用いて決定した。スペクトルを、BioTools 3.2 ソフトウェア(Bruker Daltonics)を用いて分析した。特定のペプチドの質量分析による配列決定を、前駆イオンの手動選択を用いた“LIFT”モードにおけるMALDI−TOF MS/MS分析により行った。フラグメントイオンスペクトルを、ウェブサイトbiospec.nih.gov/における、NIH Mascotサーバー上の、Mascot MS/MSイオン検索プログラム(ウェブサイトmatrixscience.comにおける)によるSwissProtタンパク質データベース検索のために用いた。得られた同定物を、BioToolsで生成した断片イオンシリーズを実験的なMS/MSデータと比較することによって、確認した。同定における信頼度を、Mascotタンパク質または*Log(P)であるイオンスコア−10に基づいて評価した。ここで、Pは観察されたマッチがランダムな事象である確率である。無処理のHPLCで精製されたsIL−15RaのISD−MALDI−TOF分析をBruker’s Technical Note # TN-36“Automated Acquisition of MALDI-ISD Spectra for the N- and C-terminal Sequence Determination of Intact Proteins.”によって示唆されているとおり、マトリックスとして1、5−ジアミノナフタレン(DAN)を用いて行った。。BioToolsを用いたISDスペクトルの分析におけるMS/MS許容量は、1.5Daであった。陽イオン条件下でリニアモードにおいて作動させた、Applied Biosytems Voyager-DE Pro time-of-flight mass spectrometerを用いてsIL−15Rα調製物の質量分析を行った。典型的な電圧は、25kV加速、ガイドワイヤ0.15%および格子電圧91.5%であった。窒素レーザーを、スペクトルあたり平均化した250レーザーショットと共に、337nmにおいて用いた。CovalX HM-1 high mass detectorを、2.5kVに設定されたHV−1および20kVにおけるHV−2で用いた。ウシ血清アルブミンおよびアポミオグロビンを、外部校正のための標準として用いた。シナピン酸をマトリックスとして用いた。データ分析を、Voyager質量分析計に常駐している“Data Explorer”ソフトウェアを用いて行った。
マウスにおけるIL−15処理。
6週齢の雌のC57BL/6マウスを、Charles River Laboratories, Inc.(Frederick, MD)から入手した。3μgのIL−15当量/マウスの用量で、E. coli由来の単量体IL−15および精製したIL−15ヘテロダイマーを腹腔内注射した。マウスを、タンパク質の注射の後、異なる時点で採血し、血清IL−15レベルをヒトIL−15化学発光免疫アッセイ(Quanti-Glo, R&D Sytems)を用いて測定した。
細胞のCFSE標識およびマウスにおける細胞養子移植。
単細胞懸濁液を作るために、6週齢の雌のC57BL/6マウスから得た脾臓を100-μm Cell Strainer (Thomas)を通じて緩やかに圧搾し、すべての残留している器官間質を取り除くためにRPMI 1640medium (Invitrogen)中で洗浄した。細胞をCFSE(2μM;分子プローブ)と共に37℃において10分間インキュベートし、2回洗浄した。CFSE−標識化細胞(20x106)をPBS中に再懸濁し、遺伝子導入マウスに静脈内注射した。IL−15処理を、細胞注入の翌日に行った。4日目に、マウスを殺処分し、脾臓細胞をマルチパラメータフローサイトメトリーにより分析してIL−15の生物活性を評価した。簡潔には、細胞を0.2%のウシ胎児血清を含んでいるFACS緩衝液中で洗浄し、共役型ラット抗−マウス抗体:CD3−APCCy7、CD4−PerCP、CD8−Pacific Blue、NK1.1−PeCy7または−APC(BD Biosciences)のパネルを用いて染色した。IL−15処理に応じて除算した元の集団の細胞のパーセンテージを、CFSE強度に基づいて計算した。サンプルを、FACSAriahフローサイトメーター(BD Biosciences)を用いて入手し、データをFlowJoソフトウェア(Tree Star, San Carlos、CA)により解析した。いくつかの実験において、細胞の表面染色に続けて、増殖している細胞の検出のためにKi67抗体(BD Biosciences)を用いた細胞内染色を行った。
6.4.2 結果
高レベルのIL−15/sIL−15Rαを生産するヒト細胞株の生成。
上記されているように、ヒトヘテロダイマーサイトカインIL−15/IL−15Rαの2つの鎖の協調的発現のための、最適化された組み合わせベクターを生成した。これらのプラスミドにより達成された、分泌された生物活性型IL−15の収量は、wt IL−15のcDNAsと比較して1、000倍を越えていた(Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199; Jalah et al., DNA Cell Biol., 2007, 26:827-840)。これらのプラスミドを、安定したクローンのIL−15/sIL−15Rα生産ヒトHEK293細胞株を開発するために用いた。IL−15の無処理の遺伝子およびIL−15Rαを、これらの細胞株を生成するために用いた。膜結合型IL−15Rαは、5つのドメイン(IL−15への結合のために必要なsushiドメイン、リンカー領域、Pro/Thr リッチドメイン、貫膜ドメインおよび細胞質内の尾部)からなる(Anderson et al., J. Biol. Chem., 1995, 270:29862-29869; Dubois et al., J. Biol. Chem., 1999, 274:26978-26984)(図20)。HEK293細胞株への遺伝子の安定的な導入に際し、胞膜IL−15/IL−15Rαの輸送および細胞酵素によるIL−15Rαの細胞外部分のタンパク質分解性の切断後、ヘテロダイマーを可溶型で培養上清中に得た。成熟した分泌IL−15Rα分子は、図20において示されている。クローン19.7および1.5を、IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーを最も多く産出するものとして選択した。両方の安定したクローンを、中空糸培養システムを用いて無血清培地において連続培養で培養し、上清を毎日回収した。クローン19.7は、5ヵ月までの間70mgのIL−15/Lt(ELISAによって単量体のIL−15として計算される)を生産した(図21A)。バイオリアクターにおいて29日〜137日に回収した、クローン19.7により生産された上清の週毎のサンプルの非還元条件下でのHPLC分析によって、この間のIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの安定した生産が証明された(図21B)。クローン1.5についても同様の結果が得られた。これらの結果は、高レベルのIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーサイトカインの生産は、安定したヒトHEK293由来の細胞株において達成されることを、証明した。IL−15Rαの細胞外部分(シグナルペプチドおよび175アミノ酸の成熟したIL−15Rαをコードしている、トランケートされたsIL−15Rα)をコードしているDNAベクターが生成されている(Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199)。IL−15をコードする遺伝子およびトランケートされたsIL−15Rα型をコードしている遺伝子の遺伝子移入の後、改変したIL−15/sIL−15Rα複合体を生産するさらなる細胞株(クローン2.66)を確立した。クローン2.66(図20)から生成されたトランケートされたsIL−15Rαの既知のC−末端配列を、細胞膜における全長分子の発現後のIL−15Rαにおける天然の切断部位の同定のためのコントロールとして用いた(以下を参照)。
非還元条件下HPLCによるIL−15/sIL−15Rαの精製。
非共有的に結合した、IL−15およびsIL−15Rαサブユニットのジスルフィド結合を保ちながらも、お互いからサブユニットを解離させる、非還元条件下で複合体を精製するために逆相HPLC(RP−HPLC)を用いた。鎖を、別々に精製および性質決定し、続いて1:1のモル比でインビトロにおいて再結合させて、無処理のヘテロダイマーサイトカインを再生成した。第一の精製工程を、Waters RCM 25x100mm mBondapak−C18カラムを用いて、分離のために用いられたアセトニトリル含有緩衝液中で解離しているIL−15およびsIL−15Rαサブユニットを用いて行った。図22Aは、クローン19.7から生産されたヘテロダイマーの典型的なRP−HPLC溶出プロファイルを示している。sIL−15RαおよびIL−15ピークの含有量をSDS−PAGE(図22B)により分析し、免疫ブロット解析(図示せず)により両方のタンパク質の同一性を確認した。sIL−15RαおよびIL−15を、いくつかの部分(Fx)(IL−15RαについてはFx1〜3およびIL−15についてはFx4〜13)において幅広いピークとして溶出した。異なる画分の比較によって、溶出されたタンパク質の間のサイズにおける、おそらく、翻訳後修飾(例えばグリコシル化)における差違によるものである、わずかな差違が明らかとなった(図22)。sIL−15Rαについて95%を超える純度を達成するために、Fx1〜3のプールを、16x100mm POROS R2/10カラムにおけるクロマトグラフィーに供した(図23Aおよび23B)。Fx4〜13部分を含んでいるIL−15も、同一のカラムにおいて再精製した(補足図23Cおよび23D)。両方のタンパク質における天然のジスルフィド結合を維持するために、全ての精製を非還元条件下で行った。IL−15Rα(図23A−B、Fx1〜3)およびIL−15(図23C−D、Fx2〜5)の最終的なプールを、N端末エドマン配列決定により分析し、各タンパク質の量を定量アミノ酸分析により決定した。HPLC分離から再生した精製タンパク質のモル比は、おおよそ1:1であった。sIL−15RαおよびIL−15を、PBS中で当量モル量で混合し、再結合させて、ネイティブPAGEによって分析した。図22Cに、非変性条件下でクマシーブルー染色により可視化されたsIL−15Rα(レーン1)、IL−15(レーン2)およびIL−15/sIL−15Rα複合体(レーン3)が、示す。IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーをロードした場合、レーン内で検出可能な単鎖IL−15またはsIL−15Rαに対するバンドはなく(図22C、レーン3)、このことは、IL−15/sIL−15Rα複合体の本質的に定量的な生成を示唆している。未変性の条件下で、3種類のすべての分子種、sIL−15Rα、IL−15およびヘテロダイマーは拡散バンドとして検出された。これは、おそらく、ヒトHEK293細胞におけるグリコシル化の不均質性によるものである。
sIL−15RαのC−末端配列の測定。
天然に切断されたsIL−15RαのC−末端配列を測定するために、精製したsIL−15Rα(クローン19.7から)をLys−Cエンドプロテアーゼで消化し、N−末端配列決定および質量分光分析(MS)の解析のために好適なペプチドを生成した。また、クローン2.66から産出されたトランケートされたsIL−15Rαを、クローン19.7について上述したように精製し、そのC−末端配列が公知であるため参照として用いた。トランケートされたsIL−15Rα_2.66からのLys−Cエンドプロテアーゼ消化後に予測されるペプチドが、表4において示されている。天然に切断されたsIL−15Rα_19.7から得たLys−C消化後に生成されたペプチドを非還元条件下でRP−HPLCにより分離し、さらなる分析のためのより少数のペプチドを生成させた。C−末端ペプチドは、RP−HPLCにおいて早期に溶出され、いくつかの画分において回収された、幅広いピークを産出した(図24、Fx21〜23)。Lys−Cタンパク質分解およびRP−HPLCの後に得た、画分22のN−末端タンパク質シーケンシングによる分析(図24)は、IL−15Rα貫膜ドメインの前の最後のLys残基である、Lys151の以降の配列と対応している19−merのNWELXAXASHQPPGVYPQGに加えて、成熟したIL−15Rαの63〜85残基(成熟したアミノ酸配列に従って番号付けされた残基)に対応している、23アミノ酸残基XIRDPALVHQRPAPPS(T)VXXAGVを明らかにした(表5)。これは、C−末端ペプチドの[M+H]+は、少なくとも2038.962(N−末端シーケンシングにより同定されたペプチドNWELTASASHQPPGVYPQGの理論上の[M+H]+)であるはずであるということを示唆した。MALDI−TOF MSによる画分22の分析によって、2038.962Daに近似したまたはそれより大きい[M+H]+を有するいくつかのペプチドの存在が、明らかとなった(図25)。画分22(NWELXAXASHQPPGVYPQG)のタンパク質配列分析において、予測されたThr5(156)およびSer7(158)は検出されなかったが、Ser9(160)は検出された。これは、Thr5およびSer7が、おそらくO結合型グリコシル化によって修飾された可能性が最も高いことを示唆していた。MS/MSモードにおけるm/z2020.927、2056.934、2308.082、2365.108、2455.138および2770.224の分析は、低質量領域(1225Daまで)において非常に類似したフラグメンテーションスペクトルを示し、これらのペプチドが、同一のペプチド配列であるが、異なる翻訳後修飾をしめすペプチド配列から派生した可能性が最も高いことを示唆している。m/z2020.927、2056.943、2365.108および2770.224のフラグメンテーションスペクトルならびにそれらの分析は、図26において示されている。O結合型グリコシル化はThr5およびSer7に存在し得るため、これらの残基に先行する非修飾N−末端のb−イオンおよびC−末端のy−イオンの形成が予測され、対応しているペプチドの同定を、Mascot search of protein sequences database(Matrix Science)を用いた対応するペプチドの同定を潜在的に可能にする。Mascot MS/MSイオン検索によって、すべてのケース(m/z2020.927、2056.934、2308.082、2365.108、2455.138および2770.224)において、タンパク質配列決定により得られたIL−15Rαと同一の配列の同定という結果を得た。NWELTASASHQPPGVYPQG配列が、天然に切断されたsIL−15Rα_19.7のC−末端ペプチド全体に対応していることを示している。クローン1.5から精製した天然に切断されたsIL−15Rαにおいて同様の分析を行い、同様の結論を導いた。まとめると、これらのデータは、膜結合IL−15Rαのタンパク質分解の切断は、2つの異なる細胞クローンにおいてGly170とHis171との間で行われることを証明した。クローン2.66から産出された、トランケートされた改変sIL−15Rαは、C−末端においてさらなる5つのアミノ酸を含む(図20)。
sIL−15Rαの翻訳後修飾の同定。
安定したヒト細胞株から発現される、天然に切断されたsIL−15RαのMALDI−TOF MSによる分析は、多数の翻訳後修飾の存在を明らかにした(図20)。sIL−15Rα(170アミノ酸、IL−15Rαタンパク質の残基31〜200、)のポリペプチド鎖の予測される分子量は17839.86Daである(図20)。精製したsIL−15RαのMALDI−TOF MS分析は、34910Daに中心を有する幅広いピークを明らかにし(図27)、その分子量のおよそ半分が、O−結合型およびN−結合型グリコシル化の可能性が最も高い翻訳後修飾によるものだということを示唆している。天然に切断されたsIL−15RαのC−およびN−末端部位における翻訳後修飾の性質を詳細な分析によって決定した。m/z2020.927を有するC−末端ペプチド(図25)は18Daであって、予測されたm/z2038.962を有するNWELTASASHQPPGVYPQGペプチドよりもより低く、水の損失を示唆している。O−結合型グリコシル化は、おそらくsIL−15RαのC−末端部位における修飾であるため、2020.927は、Lys−C消化による精製したsIL−15Rαのタンパク質分解の間の、ベータ脱離反応の生成物である可能性がある。それに対応して、O−結合型グリコシル化SerおよびThr残基におけるベータ脱離反応は、デヒドロアラニンおよびデヒドロアミノ酪酸の生成と共に水の損失を招く可能性がある。反応性二重結合を含有するデヒドロアミノ酸残基を有するペプチドは、安定しておらず、利用可能な求核性化合物と迅速に反応する。m/z2020.927を有するペプチドは安定しており、2−アミノエタンチオールと反応しなかったように見え、上記の二重結合はおそらく隣接したSerまたはThr残基のヒドロキシ基と分子内で反応したことを示唆している。親イオン2020.927のイオンフラグメントスペクトルが、図26Aに示されている。m/z2056.934を有するペプチドは、36Daだけ2020.927と異なっており、初めにベータ脱離により水を失いデヒドロアミノ酸の二重結合にHClを付加されている、同様のNWELTASASHQPPGVYPQGペプチドのm/zを示している。親イオン2056.934のイオンフラグメントスペクトルが、図26Bにおいて示されている。Thr5およびSer7における修飾(クロリン付加)を用いたBioToolsにおけるこのスペクトルの分析は、これらの部位において等しい確率でO−結合型グリコシル化が起こったことを示唆している。親イオン2308.082、2365.108、2455.138および2770.224のイオンフラグメントスペクトルの分析は、それらがm/z2038.962を有するペプチドに結合したO−結合型オリゴ糖を有することを示唆した(図26C−D)。
sIL−15RαのN末端領域の詳細な性質決定。m/z1922.963のMALDI−TOF MS/MSを行い(図24、画分40)、sIL−15RαのN末端ペプチドITCPPPMSVEHADIWVKを同定した。しかし、画分39のm/z2126.150は、同様のフラグメントイオンスペクトルを生じ、両方のイオンが同一のペプチドに対応していることを示していた。親イオンが1922.950(修飾されていないペプチドの理論上のm/zに一致する)として設定されている場合に2126.150由来のフラグメントイオンを用いた、フラグメントイオンMascotMS/MSイオン検索は、同一の配列ITCPPPMSVEHADIWVK(図29A)を確信的に同定した。これらのm/zの間の質量差は、N−アセチルヘキソサミン(HexNAc;N−アセチルガラクトサミンまたはN−アセチルグルコサミン)の質量に近似している、203.187である。Ser8(図29B)およびThr2(図29C)における修飾セットを用いたスペクトルの解析は、修飾された残基は修飾がThr2において配置された場合に予測される修飾された追加のb−イオンが検出されないため、修飾された残基はほとんどSer8であったことを示唆していた。Ser8以外にも、IL15RαのN末端配列においていくつかのSer残基が存在している。これらの残基のいくつかもまた、修飾されるかどうかを検出するために、精製したsIL−15RaをIn-Source Decay (ISD) MALDI-TOF MSによって分析した。スペクトルを、IL−15Rαの成熟したN−末端配列の同定を可能にする、SprotヒトデータベースのトップダウンMascot検索を用いて分析した(図30A)。スペクトルの分析によって、Ser8は、Ser18、20、23および31と共に、N−アセチルヘキソサミン(HexNac)によって部分的に修飾されることを確認した(図30B〜F)。
結論として、データは、ヒト細胞から生産された、天然に切断されたsIL−15Raは、当該タンパク質のN−末端領域およびC−末端領域の両方においてN−結合型N−結合型グリコシル化およびO−結合型グリコシル化を伴って強くグリコシル化されることを示していた(図20)。
IL−15の異なる形態のインビボの半減期の測定。
ヒト細胞株から生産されたIL−15−IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーはすべての翻訳後修飾(ジスルフィド結合およびN−結合型グリコシル化およびO−結合型グリコシル化の両方など)を維持している(図20)。これらの翻訳後修飾はE. coli由来のモノマーのIL−15には存在しておらず(Vyas et al., Biotechnol. Prog., 2012, 28:497-507)、IL−15Rαサブユニットの欠損と共に、IL−15サイトカインの安定性、薬物動態および生物活性に影響を及ぼし得る。
精製されたIL−15鎖およびsIL−15Rα鎖を上述のとおり再構成し(図22C)、E. coliにおいて生産され、従来のクロマトグラフィー(Vyas et al., Biotechnol. Prog., 2012, 28:497-507)によって精製されたグリコシル化されていない単鎖のIL−15、およびヒトHEK293細胞によって生産され、上述のように精製された、グリコシル化された単鎖のIL−15(図22)の両方との比較においてそれら薬物動態および薬力学特性を同定するための、インビトロの実験において用いた。単鎖のIL−15との比較においてIL−15/sIL−15Rαのヘテロダイマーのインビボの半減期を評価するために、マウス(5個体/群)を、3μgのヒトのE. coli.由来の単鎖IL−15、3μgのヒトのHEK293由来の単鎖IL−15または等モル量の精製したヒトIL−15/sIL−15Rα(3μgのIL−15モノマー、クローン1.5ロット1に対応する)を用いて、腹腔内(i.p.)に注射した。血清を注射後さまざまな時点で回収し、IL−15レベルをELISAによって測定した(図28)。両方の単鎖のIL−15は、タンパク質投与後30分でピーク血漿レベルに到達した(E. coli.由来のIL−15およびヒトHEK293由来のIL−15について、それぞれ〜70ng/mlおよび〜25ng/ml)。これらの2つの調製物間のIL−15の血漿レベルにおける相違は、ほとんど、グリコシル化されていないIL−15およびグリコシル化されたIL−15を検出するためのELISA抗体の異なる性能の結果であった(データは示していない)。対照的にIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの投与は、注射の2時間後のより高いピークレベルを生じた(〜120ng/ml)。両方の単鎖のIL−15の調製物の半減期は、類似しており、30分未満であったが、IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーは、著しく拡大した半減期を有していた(およそ4時間)(図28)。24時間の期間についての曲線下面積は何れの単鎖のIL−15調製物と比較しても、ヘテロダイマーに対して20倍高かった。同様の結果は皮下または静脈内投与後に得られた(データは示していない)。したがって、IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーを生産するヒト細胞は、単鎖のIL−15と比較して、マウスにおいて好ましい薬学動態プロファイルを有している。
インビボのヘテロダイマーIL−15/sIL−15Rαの生物活性。
IL−15の異なる形態の生物活性をマウスにおいて比較した。CFSEラベルした脾細胞をC57BL/6マウスに移植した。続いて、マウスを、PBS、3μgのヒトのE. coli.由来の単鎖IL−15、または等モル量のIL−15/sIL−15Rαの何れかで処理した。移植した細胞の増殖を処理後4日目に評価した。単鎖のIL−15と比較して、IL−15/sIL−15RαヘテロダイマーをドナーCD8+T細胞(図21A、上のパネル)およびNK細胞(図31A、下のパネル)のより増大した増殖をより高出現率の増殖細胞、および、より周期性の多い細胞分化を伴って誘導した。単鎖のIL−15の注射に際し、CD8+T細胞はほとんどが一回も分化しなかったが、IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーは複数回の分化を誘導し、脾臓におけるCD8+T細胞の出現率において有意な増加をもたらした。IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーは、単鎖のIL−15と比較して、インビボでより安定であり、より長い血清半減期を有しており、モルベースでより生物活性があった。血漿レベルのIL−15は、移植した細胞のCFSE希釈によって測定されたように、生物学的な活性と相関があった(図31A)。記憶CD4+T細胞の異なるサブセットの解析は、以前に報告されているように(Picker et al., J. Clin. Invest., 2006, 116:1514-1524)、エフェクター記憶細胞の増加を示していた(データは示していない)。また、IL−15の投与によるCD8+T細胞の増加した増殖を、増殖マーカーKi−67を発現している細胞の出現率を測定することによって確認した。マウス(5個体/群)に、3μgのヒトのE. coli.由来の単鎖IL−15、3μgのヒトのHEK293由来の単鎖IL−15または等モル量の精製したヒトIL−15/sIL−15Rαを、腹腔内(i.p.)に注射した。タンパク質投与後4日目に、すべてのIL−15処理したマウスはPBS処理したマウスと比較してKi−67+CD8+T細胞およびNK細胞の増加した出現率を示した。IL−15ヘテロダイマーは、それらの同様の薬物動態プロファイルに一致して、同様の生物活性によって特徴づけられた両方の単鎖IL−15調製物と比較して、これらのリンパ球のサブセットのより高い増殖を誘導した(図31B)。
IL−15ヘテロダイマー調合物の生物活性は異なる精製ロット間で比較可能である。マウスを2つの別個の精製ロットから得た3μgのヒトIL−15/sIL−15Rαを腹腔内または静脈内注射し、注射後3日目に殺処分した(図31C)。マウスにおけるヒトIL−15/sIL−15Rαの投与によって、腹腔内および静脈内の両方の送達後の無処理のマウスと比較して、増殖しているCD8+T細胞(Ki−67+として規定されている)の出現率の増加が生じた。異なる生産/精製ロットから得られたIL−15/sIL−15Rαを比較して、生物活性(CD8+T細胞の増殖として測定される)における差違は観察されなかった(図31C)。
6.4.3 議論
IL−15はリンパ球の成長および活性化因子として潜在朗直のある臨床適用を有する重要なサイトカインである(Waldmann et al., Nat. Rev. Immunol., 2006, 6:595-601)。E. coliにおいて産生される組み換えヒトIL−15は〜12kDaのグリコシル化されていないモノマーとして生産された(Vyas et al., Biotechnol. Prog., 2012, 28:497-507)。モノマーのヒトIL−15の安全性、毒性、薬学動態および薬力学を評価するための前臨床研究はアカゲザルにおいて行われ、NK細胞およびCD8+T細胞の絶対数および増殖の増大を示した(Berger et al., Blood, 2009, 114:2417-2426; Lugli et al., Blood, 2010, 116:3238-3248; Sneller et al., Blood, 2011, 118:6845-6848; Waldmann et al., Blood, 2011, 117:4787-4795)。モノマーのE. coliにおいて生産されたIL−15は臨床試験の初期段階にあるが、この形態の分子にはその不安定性および急速な血漿クリアランスのために臨床的な使用に対し複数の問題が生じている(Sneller et al., Blood, 2011, 118:6845-6848; Waldmann et al., Blood, 2011, 117:4787-4795)。IL−15の発現は、転写レベルならびにいくつかの転写後および翻訳後のステップ(mRNAの安定性、選択的にスプライスされたアイソフォームの産生、細胞内輸送、IL−15Rαと分泌物との相互作用など)で厳重に制御されている(Bergamaschi et al., J. Immunol., 2009, 183:3064-3072; Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199; Mortier et al., J. Exp. Med., 2008, 205:1213-1225; Bamford et al., J. Immunol., 1998, 160:4418-4426; Onu et al., J. Immunol., 1997, 158:255-262; Tagaya et al., Immunity, 1996, 4:329-336; Tagaya et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997, 94:14444-14449; Waldmann et al., Annu. Rev. Immunol., 1999, 17:19-49; Duitman et al., Mol. Cell. Biol., 2008, 28:4851-4861)。
本実施例で示された調査では、体系的な手法を、IL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの産生およびプロセシングの天然の段階を改変されたヒト細胞において再生産するために用い、結果として、モノマーの形態の分子を生産した原核生物に重要な潜在的な利点を付与させると思われる生物活性型のIL−15ヘテロダイマーの効果的な生産および精製をもたらした。IL−15Rαとの共発現によるIL−15の安定化(Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199)を利用して、ヘテロダイマーのサイトカインであるIL−15/IL−15Rαを発現し、収率における著しい向上をもたらす、組み合わせベクター(Bergamaschi et al., J. Immunol., 2009, 183:3064-3072; Bergamaschi et al., J. Biol. Chem., 2008, 283:4189-4199)を、本実施例において示されている調査において生産した。本実施例では、生産されたベクターを、血清フリー培地で増殖し、高レベル(70mgIL−15/Ltまで)のヒトIL−15/sIL−15Rα複合体を発現および分泌する、安定性のクローンのヒトHEK細胞を開発するために用いた。したがって、非還元RP−HPCLに基づいて、生物学的に活性型のIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの精製について効率的な手順を開発した。IL−15ヘテロダイマーのサイトカインのIL−15鎖およびしl−15Rα鎖は非共有的に結合しており、それらはpH<3.5などの特定の条件下で分離し得る(Dubois et al., Immunity, 2002, 17:537-547)。このことによって、発明者らは本実施例に示されているような単鎖のIL−5および単鎖のsIL−15Rαの純粋な調製物を生産することができた。重要なことには、RP−HPLCを非還元条件下で行い、精製後のタンパク質のリフォールディングの必要性を回避した。2つの鎖のKsは〜10〜11Mであるため(Anderson et al., J. Biol. Chem., 1995, 270:29862-29869; Giri et al., Embo. J., 1995, 14:3654-3663)、精製されたIL−15およびsIL−15Rαのサブユニットを、PBS中で、1:1のモル比において、インビトロで再結合し、生物活性型のヘテロダイマーのサイトカインを形成するための自然発生的な結合をさせた。IL−15はIl−15Rαの存在下で安定化され、ヘテロダイマーサイトカインとしてのIL−15の産生は、より安定的な構造となるというさらなる利点を有しており、変性および不活性化を防ぎ、免疫原性の形態を作る可能性を低減させる。
HEK293ヒト細胞は正しくフォールディングされ、プロセシングされ、グリコシル化されたヒトIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーサイトカインを生産する。ヘテロダイマーサイトカインのIL−15サブユニットおよびsIL−15Raサブユニットの両方は、分子内ジスルフィド結合を含んでおり、著しくグリコシル化されている(図20)。IL−15は3つの潜在的なN−結合型グリコシル化部位を有している(Kurys et al., J. Biol. Chem., 2000, 275:30653-30659)。従来文献(Dubois et al., J. Biol. Chem., 1999, 274:26978-26984)と一致して、本実施例に存在するデータは、sIL−15Raは分子のN−部分およびC−部分の両方において、N−結合型およびО−結合型の両方の含水炭素を含んでいることを示している。いくつかの研究は、他のサイトカインおよび成長因子の効果に対するグリコシル化の貢献を実証している(レビューとして(Sola et al., J. Pharm. Sci., 2009, 98:1223-1245; Chamorey et al., Eur. Cytokine Netw., 2002, 13:154-160))。グリコシル化されたインターフェロン−β(Karpusas et al., Cell. Mol. Life Sci., 1998, 54:1203-1216)、エリスロポエチン (Takeuchi et al., Glycobiology, 1991, 1:337-346; Gribben et al., Lancet, 1990, 335:434-437)、顆粒球コロニー刺激因子(Querol et al., Haematologica, 1999, 84:493-498)およびIL−7(Beq et al., Blood, 2009, 114:816-825)は、グリコシル化されていない形態と比較してより安定である。また、IL−7が、グリコシル化されていないIL−7Rαよりも300倍強く、グリコシル化されたIL−7αと結合することが可能であることのように、グリコシル化は特異的なレセプターとの相互作用に影響を及ぼすことが報告されている(McElroy et al., Structure, 2009, 17:54-65)。さらに、ヒト細胞における臨床的な使用のための因子の生産は、免疫原性のリスクの低減をし得る。組み換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子は組み換えタンパク質に対する抗体の発生と関連していた。これらの抗体は、O−結合型含水炭素によって正常に保護されたタンパク質上の部位に対して反応することが見出されていた(Gribben et al., Lancet, 1990, 335:434-437)。同様に、ヒトにおけるE. coli由来のヒトIL−7の投与は、組み換えタンパク質に対する抗体を誘導したが(Rosenberg et al., J. Immunother., 2006, 29:313-319)、一方で、抗−IL−7抗体はグリコシル化されたサイトカイン(CYT107)を用いて見いだされなかった(Perales et al., Blood, 2012, 120:4882-4891)。E. coli由来の単鎖ヒトIL−15の免疫原性は抗IL−15抗体の発生が皮下投与において観察されたマカクザルにおいて報告されている(Sneller et al., Blood, 2011, 118:6845-6848)。
本実施例では、精製された、グリコシル化されたヒトIL−15ヘテロダイマーの薬物動態特性および薬物力学特性をマウスにおいて調査した。E. coli.およびヒトのHEK293細胞の両方において生産された単鎖のIL−15と比較して、IL−15/sIL−15Rα複合体はより長い血清半減期を示し、モルベースでより生物活性化していた(上記のデータを参照)。ヘテロダイマーの調合物におけるIL−15の優れた生物活性は、主に、インビボでのタンパク質の上昇した安定性に貢献しているIL−15Rαの存在の結果である。これらの特性は患者と介護者との両方に対して向上した簡便性と共に、より低用量かつより低頻度の投薬、およびより単純化した送達方法を可能にする潜在能力を提供する。
ヘテロダイマーIL−15/IL−15Ra複合体の結晶構造および4量体のIL−15/IL−15Rα/IL−2Rβ−γc複合体の結晶構造が報告されている(Chirifu et al., 2007, Nat Immunol. 8:1001-1007; Ring et al., 2012, Nat Immunol 13:1187-1195)。これらの文献では、著者らは、サブユニット間の結合に関与しているアミノ酸およびドメインを詳細に記載している。重要なことに、IL−15はIL−2Rβへの結合のためのsiteIおよびγcへの結合のためのsiteIIという2つの異なる部位を有している。対照的に、IL−15Raはそれらの最も近い箇所でサブユニットを分離している15Åという距離よりも長い距離を有して、IL−2Rβに接触していない。また、IL−15/IL−15Rαヘテロダイマーは単鎖IL−15のものよりおよそ150倍高い親和性でIL−2Rβと結合しており、このことは、IL−15の安定性はIL−15Rαの主要な機能であることを示唆している(Ring et al., 2012, Nat Immunol 13:1187-1195)。
IgG1のFc領域に連結されるIL−15Rαのsushiドメインと結合するIL−15の生産および精製は以前に報告されている(Han et al., Cytokine, 2011, 56:804-810)。しかし、発明者らによって生産および精製され、本実施例において示されているように、確実にプロセシングされ、グリコシル化されているIL−15/sIL−15Rαは、ヒト体内において生産され、血漿中を循環しているIL−15に最も近似したものであるという利点を有しており(Bergamaschi et al., Blood, 2012, 120:e1-8)、最も免疫原性の小さい形態であり得る。
天然に切断された、精製されたsIL−15Rαの利用可能性は、細胞表面からのIL−15Rαのプロセシングおよび分断(shedding)への調査を可能にした。本実施例において得られたデータは、MALDI−TOF MS分析の結果を実証しており、タンパク質のシーケンシングおよびタンパク質配列データベースのMascot検索によって、IL−15Rαの成熟した膜関連型の形態の、Gly170およびHis171との間の膜結合型IL−15Rαのタンパク質分解性の切断部位を確実に同定した(図20)。IL−15Rαにおける切断部位に対応する配列および成熟したsIL−15Rαのアミノ酸配列の発明者らによる決定はプロセスの制御の決定という、重要な発見を示している。IL−15/IL−15Rαの細胞表面からの異常制御された分断は、特定の条件(すなわち、リンパ球枯渇処理)(Bergamaschi et al., Blood, 2012, 120:e1-8; Dudley et al., J. Clin. Oncol., 2008, 26:5233-5239)、および自己免疫疾患(セリアック病などの自己免疫疾患(DePaolo et al., Nature, 2011, 471:220-224)、リューマチ性関節炎(Gonzalez-Alvaro et al., Clin. Exp. Rheumatol., 2003, 21:639-642)および多発性硬化症(Rentzos et al., J. Neurol. Sci., 2006, 241:25-29)など)において循環しているIL−15の変化したレベルを導く。
要約すれば、本実施例に示されている調査は、確実にプロセシングされ、グリコシル化されたヒトIL−15/sIL−15Rαヘテロダイマーの高レベル生産は、ヒト細胞において達成され、非還元条件下でのRP−HPLCは生物学的に活性型のヘテロダイマーの精製を可能にし、タンパク質のリフォ−ルディングを防ぐことを実証している。精製されグリコシル化されたIL−15ヘテロダイマーはインビボでの向上した安定性および向上した生物活性という利点を有しており、それゆえ、治療上の適用のために有利に用いられ得る。
[6.5 実施例5.IL−15/sIL−15Raのアカゲザルへの反復の皮下注射後の、毒性、IL−15の血漿レベルおよび免疫学的なパラメータを評価する調査]
本調査は、反復した注射後のヒトIL−15/sIL−15Raの免疫システムのホメオスタシスにおける毒性、免疫原性および効果を評価するために行った。表6に略述されているように、群1は、0、2、4、7、9および11日目に5μg/kgの用量でIL−15/sIL−15Raの6回の皮下注射を受けた8個体のアカゲザルを包含していた。群2は、コントロール(同一の日に生理食塩水を6回皮下注射した)として扱った8個体のアカゲザルを包含していた。両方の群は、第1のものと同一の第2の処理周期を受けた。この第2の周期は、第1の周期の開始の4週間後に行った。8個体のマカクザル(4個体/群)を、41/42日目に(第2の処理の完了後ただちに)殺処分し、残りのマカクザルは、73/74日目に(最後のIL−15ヘテロダイマーの注射の5週間後に)殺処分した。
本調査に組み込まれている動物は、臨床的な毒性について異なる時点で試験し、化学分析および血液学的な実験分析を行い、IL−15/IL−15Ra投与の結果としての免疫学的パラメータを評価した。また、動物を、以下の血清値(グルコース、血中尿素窒素、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、ビリルビン、アルカリホスファターゼ、アルカリトランスアミナーゼ、アミノトランスフェラーゼ、コレステロール、カルシウム、リン酸塩、ナトリウム、カリウム、塩化物、グロブリン、クレアチンホスホキナーゼ)、および以下の血液学的なパラメータ(ヘモグロビン、ヘマトクリット、WBC、RBC、平均赤血球体積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモグロビン濃度、血小板、好中球、リンパ球、単球、好酸球および好塩基球):について監視した。
アカゲザルを鎮静させ、0.5mlの生理食塩水中のIL−15/IL−15Ra(2μg/Kg)または生理食塩水のいずれかを皮下投与した。血圧および体温をある期間にわたって追跡した。血圧および動物の体温の変化は観察されなかった。すべての動物は注射後1時間で麻酔から覚め、正常に回復した。各処理について、最初および最後の皮下注射の0、6、8、12および24時間後、およびすべての他の注射の0、6および24時間後に採血した。化学発光免疫アッセイ(Quantiglo Q1500B, R&D Systems)を製造業者の指示書に従い用いて、アカゲザルの血漿におけるヒトIL−15の濃度を評価した。結果は図32および33に示されている。図32は、IL−15ヘテロダイマーを注射した8個体のアカゲザル対コントロールにおける体温および平均動脈圧を示している。図33はIL−15ヘテロダイマーを注射した8個体における2つの処理の間の血漿IL−15レベルを示している。図32に示されているように、5μg/Kgの用量では皮下注射したアカゲザルの血圧または体温にはコントロールに対して実質的に変化はなかった。IL−15/sIL−15Raヘテロダイマーを受容している8個体のアカゲザルの血液サンプルの分析によって、一つ目および2つ目の処理間の統計学的に異なる点であった第1の注射後の最低値の排除することで、2つの処理間のIL−15血漿レベルは類似していることが示された(図33)。また、両方の処理の間、第1の注射後の血漿IL−15の最低値は、正常なレベルと同様である続く注射後に観察された最低値よりも、高かった。減少している最低値はCD8+T細胞およびNK細胞などのIL−15の標的集団の増大の動態を次々に反映する、反復された注射後に循環しているIL−15の増加した消費に起因し得る。興味深いことに、NK細胞は第2の処理の間の早期に(2日目くらいの早期に)増殖し始めており、NK細胞はIL−15に応答するそれらの能力に関し、異なる活性化状態にあり得ることを示唆していた。
すべての動物の血球数および白血球のサブセットを監視し、IL−15ヘテロダイマーの投与前、投与中および投与後に評価した。PBMCのサンプルをIL−15ヘテロダイマーの投与前、投与中および投与後のマカクザルから採取し、CD3、CD4、CD8およびCD16に結合する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって試験した。結果を図34に示す。CD3+CD8+T細胞(図34A)およびCD3−CD16+CD8+NK細胞(図34B)についてのデータは、示された時点における血液1μl当たりの各サブセットの絶対細胞数として示されている。第一の処理の間、IL−15ヘテロダイマーの投与は2日目におけるCD8+T細胞およびCD8+NK細胞の絶対数において一過性の減少を生じ、続いて、これらのサブセットのIL−15ヘテロダイマー誘導性の増加を生じた。CD8+T細胞およびCD8+NK細胞の絶対数は7日目においてピークとなり、14日目までにベースラインのレベルまで低下した。2日目におけるCD8+T細胞の緩やかな減少を除いて、コントロールの動物において有意な変化は観察されなかった。第2の処理の間は、CD8+T細胞の絶対数において変化は観察されず、このことはIL−15への応答における末梢への移動の可能性を示唆していた。CD8+NK細胞の絶対数は、第一の処理の間に得られたものと同様のレベルまで、第2の処理後7日目において減少したが、第2の処理の間の2日目においてリンパ球数減少は観察されなかった。図34は、IL−15の反復の投与がNK細胞およびCD8T細胞を増加させることを示している。
また、検死の日(41/42日目および73/74日目)において、血中ならびに異なる組織におけるCD8/CD4の比率を測定した。結果を図35に示す。IL−15ヘテロダイマー処理したマカクザルの血中のCD8/CD4の比率は、コントロール動物において観察されたものと同様であり、このことは、血液はIL−15によって誘導される生物学的な効果を探索するためには理想的な場所ではない可能性があることを示唆していた。6回の注射の第2セットの完了後ただちに、IL−15ヘテロダイマー処理したマカクザルは脾臓および骨髄の両方において、CD8細胞の増殖によるものである可能性が最も高いと思われる、コントロールと比較して逆転したCD8/CD4の比率を示した。しかし処理の完了の1か月後に両方の組織で比率は正常化した。興味深いことに、CD8/CD4の比率における逆転は、公開されているデータと一致して、鼠蹊部リンパ節において観察され、両方の時点において維持されていた(Lugli et al. Blood 2010;116:3238)。
また、IL−15の生物活性を、血中および組織中のリンパ球の増殖の解析を通じて評価した。ヘテロダイマーのIL−5による処理はCD8+、ガンマデルタTCRT細胞およびNK細胞の著しい増加を誘導した。
5μg/Kgの用量でのIL−15/sIL−15Raの12回の皮下注射は、マカクザルにおいて十分に許容されるということが結論付けられ得る。データは、第2の2週の投与の反復において、IL−15の蓄積およびさらなる毒性の証拠がないことを示している。
[6.6 実施例6.段階的に増加させた用量におけるIL−15/IL−15Raによるアカゲザルの皮下注射後の、毒性、IL−15の血漿レベルおよび免疫学的パラメータを評価する調査]
本実施例は皮下注射後のヒトIL−15/sIL−15Raの免疫システムホメオスタシスにおける、毒性、免疫原性および効果を評価するために行った。表7に略述されているように、群1は、は、0、2、4、7、9および11日目に、1μg/Kgの量で、IL−15/可溶型のIL−15Raの6回の皮下注射を受けた2個体のアカゲザルを含んでいた。群2は、0、2、4、7、9および11日目に、20μg/Kgの量で、IL−15/sIL−15Raの6回の皮下注射を受けた2個体のアカゲザルを含んでいた。グループ3は、0、2、4、7、9および11日目に、50μg/Kgの量で、IL−15/可溶性のIL−15Raの6回の皮下注射を受けた2個体のアカゲザルを含んでいた。
6個体のアカゲザルを鎮静させ、0.5mlの生理食塩水(PBS)中のIL−15/sIL−15Ra(2個体の動物/用量)を皮下に投与した。血液および体温をある期間にわたって追跡した。動物の血圧および体温の変化は以下を除いて観察されなかった:
50μg/kgを受容した一個体の動物(P995)は第3回目の注射後に体温が上昇しており、処理の6時間後において華氏105度に達し、24時間後でもまだ華氏104度に上昇していた。すべての動物は注射後1時間で麻酔から覚め、正常に回復した。
第1回目のおよび最後の皮下注射の0、6、8、12および24時間後、ならびに第2、第3および第4回目の皮下注射の0および6時間後に採血した。アカゲザルの血漿におけるヒトIL−15の濃度を、比色免疫アッセイ(Quantikine human IL-15 R&D Systems)を製造業者の推奨に従い用いて評価した。結果を表8よび図36に示す。図36は、段階的に増加させた用量でIL−15ヘテロダイマーを注射した、6個体のマカクザルにおける血漿IL−15レベルを示している。
すべての動物の血球数および白血球のサブセットを監視し、IL−15ヘテロダイマーの投与前、投与中および投与後に評価した。PBMCのサンプルをIL−15ヘテロダイマーの投与前、投与中および投与後のマカクザルから採取し、CD3、CD4、CD8およびCD16に結合する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって試験した。結果を図37に示す。すべての用量のIL−15ヘテロダイマーは処理の開始後7日目および14日目の間にピークとなったNK細胞の絶対数において、4〜8倍の増加を生じた。これらの結果は、NK細胞は低レベルのIL−15に応答し、1μg/kgの用量でさえ顕著な増加を誘導するのに十分であることを示唆している。また、末梢血中のCD8+T細胞の絶対数も、用量依存性の形であるが、増加した。10ng/mlより多いピーク血漿レベルを生じた最高用量のIL−15はCD8T細胞の絶対数において10倍の増加を示した。図37は、1μg/kg、20μg/kgおよび50μg/kgの段階的に増加させた用量でIL−15ヘテロダイマーを注射された6匹のマカクザルにおける末梢血中のNK細胞およびCD8T細胞の、ベースラインに対する倍率の増加を示している。
動物を、第1回目の注射後14日目に(最後の注射の3日後)殺処分し、異なる組織において免疫表現型解析を行った。結果を図38に示す。図38は、IL−15ヘテロダイマーの皮下投与における異なる組織中のリンパ球の用量依存性の増殖を示している。IL−15ヘテロダイマー処理によって、リンパ節、末梢血、肝臓および脾臓におけるCD8、NKおよびガンマデルタTCRT細胞の著しい増加が生じた。解析されたすべての組織において、すべてのリンパ球のサブセットは用量依存性の形でIL−15に応答した(図38)。
ヘテロダイマーのIL−15の1、5、20および50μg/kgの皮下投与を用いた用量の段階的な増加は、ヘテロダイマーのIL−15はマカクザルにおいて十分に許容され、主要な副作用は観察されなかったことを示した。50μg/kgの用量のIL−15のヘテロダイマーを受容した2個体のマカクザルのうちの1個体は、検死において、拡張したリンパ節(脇窩および腸間膜)を示した。
[6.7 実施例7.黒色腫を処置するためのIL−15/1L−15Ra複合体の有効性を評価するための調査]
本実施例は、黒色腫の処置および予防のためのIL−15/1L−15Ra複合体の有効性を実証する。
方法:マウス(8〜12週齢、雌)を無作為に動物10個体の3つの群に振り分けた。0.2mlのPBS中の105の黒色細胞のB16細胞を静脈内注射した。処理をPBS、9μgの精製したヒトIL−15/可溶型のIL−15Ra(モル比1:1)、または9μgのヒトIL−15(E. coli由来)の腹腔内注射によって1、6および11日目に行った。マウスを腫瘍細胞の注射後21日目に殺処分し、肺における腫瘍結節の存在についてスコアをつけた。
結果:PBS処理したマウスは、多数の大きな肺黒色腫の集団を発症したが、IL−15処理したマウスは有意に減少した数の肺結節によって特徴づけられた(図39、p=0.003、分散分析)。グラフ中に示されているように、異なるIL−15調合物を、105の黒色細胞のB16細胞の静脈内注射後、1、6および11日目に腹腔内投与した。マウスを細胞注射後21日目に殺処分し、肺における腫瘍結節の存在についてスコアをつけた。データを以下の図39に示す。図39に示されている上記結果は、腫瘍の移植を防ぐためのIL−15/可溶型のIL−15Raヘテロダイマーの潜在的な治療上の価値を示している。
[6.8 実施例8:結腸癌を処置するためのIL−15/IL−15Raの有効性を評価する調査]
本実施例は結腸癌の処置および予防のためのIL−15/1L−15Ra複合体の有効性を実証する。
確立されたマウスの結腸癌のモデルを腫瘍の治療におけるIL−15/1L−15Raの効果を調査するために用いた。以下の図40は、MC38結腸癌腫細胞を注射した、野生型およびIL−15欠乏(IL−15−/−)マウス(C57BL/6)は20日間で腫瘍を発症することを示しており、このうち、IL−15欠乏マウスは野生型よりもやや早く腫瘍を発症した。これらの結果はIL−15に少なくとも部分的に依存する腫瘍制御のメカニズムを支持する。
上記MC38結腸癌腫のマウスモデルへの皮下注射を用いて腫瘍の発発症を遅らせることにおける、2つの異なるIL−15調合物、単鎖のE. coli由来のIL−15、対、HEK293細胞由来のIL−15/可溶性のIL‐15Raのヘテロダイマーの有効性を評価した。
方法:野生型のC57BL/6マウスにMC38結腸癌腫細胞を皮下注射し、一週間後に異なるIL−15の形態を処理した。マウスに3μgIL−15/用量の腹腔内注射を毎日10回行った。
結果:データは、MC38腫瘍成長を遅らせることにおける単鎖のIL−15の有効性を実証している。また、データは、IL−15/IL−15Raヘテロダイマーが、MC38腫瘍マウスにおける腫瘍量を有意に低減することを実証している(図41)。同様の結果は、処理を、3μgのIL−15/用量で毎日5回の腹腔内注射に低減した場合に得られた。IL−15の形態は、恐らく、マウスにおけるそれらの異なる安定性により、異なる毒性に関係していた。特に、体重減少および悪液質は、IL−15/可溶型のIL‐15Raの毎日5回より多い反復された投与と関連していた。体重減少は可逆性であり、マウスはIL−15処理の中断後に回復した。
図41に示されている結果は、腫瘍の成長を遅らせるためのIL−15/可溶型のIL‐15Raヘテロダイマーの潜在的な治療上の利点を示している。投与の経路(毎日10回の腹腔内注射)およびマウスあたり3μgの用量(150μg/kgと同等)は体重減少において重要な因子であった。
[6.9 実施例9.転移癌を有する成人における組み換えヒトIL−15/sIL−15Raの第1相試験]
本実施例は、治療手段または緩和手段の何れかが存在しないか、生存上の優位性に関係しない、転移性の切除できない癌を有するヒトの患者に投与される、皮下投与のヘテロダイマーのIL−15(ヒトHEK293細胞において生産された組み換えヘテロダイマーIL−15/sIL−15Ra)の安全性、毒性プロファイル、用量制限毒性(DLT)および最大許容用量(MTD)を決定するための調査を記載している。また、調査は、(i)ヘテロダイマーIL−15の薬学動態を決定する;(ii)フローサイトメトリーにより、マーカー(CD56、CD4、CD8、CD45RO、CD45RA、CD28、CD95、CCR7およびCD62Lなど)の発現に基づいてパーセンテージでのヘテロダイマーのIL−15の生物学的効果、ならびに循環するリンパ球のセットおよびT細胞のサブセット(無感作、中心性および/またはエフェクター記憶サブセット)の絶対数を性質決定する;(iii)炎症誘発性サイトカインの血漿レベルを性質決定する;(iv)例えば、臨床反応速度および進行までの時間を評価することによって、ヒトのヘテロダイマーIL15の潜在的な抗腫瘍活性を評価する;および/または(v)例えば、容易に評価可能な腫瘍結節(tumor deposit)を有する患者から得られた穿刺生検の処置前および処置後の解析によって、T細胞の浸潤および免疫学的遺伝子発現の性質の評価をすること、が可能である。
本調査に組み込まれるヒト患者は以下の基準のすべてを満たす:
・18歳以上の年齢。
・患者は、当該腫瘍に対して標準的な治療手段または緩和手段が存在しないか、最低限の患者の生存上の優位性(患者および/または研究医によって定義される)に関係する、組織学的に確認された(NCIの病理部門によって)進行性または切除不可能な固体腫瘍の悪性腫瘍を有している。安全に生検され得る腫瘍を有している患者の組み込みが推奨される。
さらにまた、本調査への組み込みのために選択されるヒト患者は以下の基準のうちの一つ以上、またはすべてを満たし得る:
・従来技術で20mm以上として、または螺旋状CTスキャンで10mm以上として、少なくとも一つの寸法(非結節性の病変について記録される最大の直径および結節性の病変についての短軸)において正確に測定され得る少なくとも一つの病変として定義される、評価可能または測定可能な疾患を有する患者
・従来の化学療法または生物学的治療の毒性からグレード1CTCAEv4未満まで回復し、4週間(ニトロソウレアまたはマイトマイシン Cについては6週間、UCN−01については8週間)以内に従来の化学療法または生物学的治療を受ける必要がなかった患者。
・患者が任意の従来の放射線照射または主要な外科手術を受けてから、少なくとも1か月である。
・肺の機能試験において予測されるものの50%より大きいDLCO/VAおよびFEV−1.0。
・正常の上限の1.5倍以下の血清クレアチニン。
・正常の上限の2.5倍未満のASTおよびALT。
・1,500/mm3以上の絶対好中球数および1,00,000/mm3以上の血小板
・70%以上のカルノフスキー病態指数または1以下のECOG
・CNS転移:脳水種の兆候を伴わない処置の完了後少なくとも3カ月においてMRISキャンで安定したまたは向上したX線撮影像を示す、脳の転移の成功した完全な処置(すなわち外科的手術、治療用の脳全体の放射線照射、定位的な放射線照射治療、またはこれらの組み合わせ)の後に無症候を維持している患者が適格である。
以下の基準のうちの一つ以上、またはすべてを満たす患者は本調査のための患者として選択され得ない:
・本調査の前の3週間以内に任意の全身性のコルチコステロイド治療を受けた患者。
・本調査の開始前の4週間以内に、任意の細胞毒性治療、免疫治療、抗腫瘍ワクチンまたはモノクローナル抗体を受けた患者。
・予想寿命3カ月未満である患者。
・証明されたHIV、活性型細菌感染、急性または慢性の肝炎B、肝炎C、またはHTLV−I感染を有する患者。
・以前の免疫化を示す肝炎Bポジティブの血清学的検査(すなわち、HBsAbポジティブおよびHBcAbネガティブ)または、十分に寛解した肝炎B感染を有する患者は排除された基準ではない。
・肝炎Cポジティブの血清学的検査を有する患者。
・前立腺癌のホルモン治療を除く、同時の抗癌治療(例えば、免疫療法、免疫抑制療法、放射線療法、化学療法、全身性のコルチコステロイドおよび他の治験薬が挙げられる)を受けている患者。
・重症の喘息の病歴を有しているか、現在長期間吸入のコルチコステロイドの投薬を受けている患者。
・4週間以上完全に寛解した以前のイピリムマブ(抗CTLA−4)に関係する自己免疫事象を除く、自己免疫疾患の病歴を有する患者。
・治療の間有効な避妊を実行することが不可能であるもしくは拒絶する患者、または妊娠している患者もしくは授乳中の患者。
表9は、本調査のためのヘテロダイマーのIL−15の計画された用量レベルを示している。患者は、彼らの本調査への参加の順番に基づいて、順次用量レベルへ割り当てられる。3〜6人の患者の群は6週間の期間にわたってヘテロダイマーのIL−15の12回の皮下注射を受けている(1、2、5および6週間について、月曜日/水曜日/金曜日)。開始用量は0.1μg/kg/日であり、一有意な毒性の非存在下で、用量の段階的な増加を0.25、0.5、1および2μg/kg/日の用量レベルを評価するために続行する。処理関連性の毒性に対する回復以外の要因を許容する追加の7日間を含め、処置を72日間に延長する(6週間のヘテロダイマーIL−15療法に加えて、30日間の観察)。
処置の6週間の第1の周期に進行している反応の証明のない患者はヘテロダイマーのIL−15注射を中断し、疾患の進行が立証されるか、彼らが他の理由のために調査をやめるまで追跡する(進行中の反応は、マーカー病変の合計において15%を超える減少および/またはいくつかの測定不可能な病変の改善または消失および/または腫瘍マーカーにおける10%を超える現象:として定義される)。処置に対し完全反応(CR)を実証する患者は、CRが最初に立証された周期の後で、同一の用量のヘテロダイマーのIL−15にて、2つのさらなる周期を受ける。安全性および毒性の結果に依存して、2μg/kg/日よりも高い用量が、薬学動態および薬力学データの評価後に続く試みにおいて考慮され得る。
相関的な調査のためのサンプルは、ヘテロダイマーのIL−15の薬学動態、免疫細胞サブセット集団と末梢血中の炎症誘導性サイトカインレベルとにおけるヘテロダイマーのIL−15の効果を評価するため、ならびに抗IL−15抗体または抗IL−15レセプターα抗体の中和の開発のために、処置の前、処置の間および処理後の特定の時点において得られる。
〔7.特定の実施形態、引用文献および参照文献〕
本発明は本明細書に記載されている特定の実施形態による範囲に限定されない。実際、本明細書に記載されているものに加えた種々の変更は上述および添付する図面から当業者にとって明らかとなるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範疇であることが意図されている。
親出願、特許および科学文献を包含する種々の参照文献が本明細書に引用されている。これにより、各々の当該参照文献の開示は、その全文が参照によって本明細書に援用されている。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]
周期性の投与計画を利用して対象にインターロイキン−15(IL−15)/IL−15レセプターα(IL−15Ra)を投与することを包含している、それを必要とする前記対象におけるIL−15免疫機能を強化する方法であって、前記周期性の投与計画は、(a)0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎に前記対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、1週間〜2か月の第2の期間の後、0.1〜10μg/kgの用量の前記IL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第3の期間にわたって1、2または3日毎に、前記対象に皮下投与することを包含している、方法。
[2]
周期性の投与計画を利用して対象にIL−15/IL−15Ra複合体を投与することを包含している、それを必要とする前記対象における癌を治療または管理する方法であって、前記周期性の投与計画は、(a)0.1〜10μg/kgの用量のIL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第1の期間にわたって、1、2または3日毎に前記対象に皮下投与すること、および(b)IL−15/IL15Ra複合体が前記対象に投与されない、1週間〜2か月の第2の期間の後、0.1〜10μg/kgの用量の前記IL−15/IL−15Ra複合体を、1週間〜3週間の第3の期間にわたって1、2または3日毎に、前記対象に皮下投与することを包含している、方法。
[3]
前記癌は、黒色腫、腎細胞癌腫、非小細胞肺癌または結腸癌である、[2]に記載の方法。
[4]
前記癌は、転移性癌である、[2]または[3]に記載の方法。
[5]
前記第1の期間および前記第3の期間において投与される前記IL−15/IL−15Ra複合体の用量は、0.1μg/kg、0.25μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、2μg/kgまたは5μg/kgである、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記第1の期間、前記第2の期間および/または前記第3の期間は、12〜14日間である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記周期性の投与計画は、少なくとも5回または少なくとも10回反復される、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記周期性の投与計画は、少なくとも6か月または少なくとも1年間反復される、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記IL−15/IL−15Ra複合体は、未変性のIL−15と未変性の可溶性のIL−15Raとのヘテロダイマーの複合体である、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
前記IL−15は、ヒトIL−15であり、IL−15Raは可溶型のヒトIL−15Raである、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[11]
前記未変性のIL−15は、ヒトIL−15であり、前記未変性の可溶性のIL−15Raは、可溶性のヒトIL−15Raである、[9]に記載の方法。
[12]
(a)ヒトIL−15は、配列番号1のアミノ酸配列の49〜162番目のアミノ酸残基を含んでおり、かつ
(b)ヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[13]
(a)ヒトIL−15は、配列番号1のアミノ酸配列の49〜162番目のアミノ酸残基を含み、かつ
(b)ヒトIL−15Raは、配列番号33のアミノ酸配列を含んでいる、[11]に記載の方法。
[14]
前記IL−15Raは、グリコシル化が前記IL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにグリコシル化されている、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[15]
前記ヒトIL−15Raは、グリコシル化が前記ヒトIL−15Raの質量の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%の割合を占めるようにグリコシル化されている、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[16]
前記IL−15Raは、
(a)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;
(b)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;
(c)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(d)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(e)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;
(f)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;
(g)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/または
(h)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている、[15]に記載の方法。
[17]
(a)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(b)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(c)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(d)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(e)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;または
(f)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列の前記C末端に存在する、[10]に記載の方法。
[18]
前記対象は、ヒトである、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
精製された可溶型のヒトIL−15Raであって、
(a)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(b)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(c)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(d)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(e)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;または
(f)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列の前記C末端に存在する、精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[20]
前記可溶型のヒトIL−15Raは、グリコシル化が前記IL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上、または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにグリコシル化されている、[19]に記載の精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[21]
前記可溶型のヒトIL−15Raは:
(a)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;
(b)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;
(c)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(d)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(e)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;
(f)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;
(g)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/または (h)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている、[19]または[20]に記載の精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[22]
グリコシル化が前記IL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにグリコシル化されている、精製された可溶型のIL−15Ra。
[23]
前記可溶型のIL−15Raは、可溶型のヒトIL−15Raである、[22]に記載の精製された可溶型のIL−15Ra。
[24]
前記可溶型のヒトIL−15Raは、
(a)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;
(b)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のSer7においてO−グリコシル化されている;
(c)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(d)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(e)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;
(f)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;
(g)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/または
(h)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている、[23]に記載の精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[25]
前記可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる、[22]、[23]または[24]のいずれかに記載の精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[26]
配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる、精製された可溶型のヒトIL−15Ra。
[27]
ヒトIL−15Raを切断する内在性のプロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸の置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含んでいる、IL−15Ra派生体。
[28]
(i)ヒトIL−15Raを切断する内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個の置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインおよび(ii)ヒトIL−15Raの膜貫通ドメインの代わりに異種分子の膜貫通ドメインを含んでいる、IL−15Ra派生体。
[29]
前記異種分子はCD4またはCD8である、[27]または[28]に記載のIL−15Ra派生体。
[30]
[19]〜[26]のいずれかに記載の前記可溶型のIL−15Raの、IL−15との複合体を含んでいる、組成物。
[31]
前記IL−15は、ヒトIL−15である、[30]に記載の組成物。
[32]
前記ヒトIL−15は、配列番号1のアミノ酸配列の49〜162番目のアミノ酸残基を含んでいる、[31]に記載の組成物。
[33]
医薬組成物である、[30]〜[32]のいずれかに記載の組成物。
[34]
可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞であって、
(a)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDTT(配列番号26)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(b)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSDT(配列番号27)のアミノ酸残基からなり、Tはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(c)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHSD(配列番号28)のアミノ酸残基からなり、Dはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(d)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGHS(配列番号29)のアミノ酸残基からなり、Sはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;
(e)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQGH(配列番号30)のアミノ酸残基からなり、Hはアミノ酸配列の前記C末端に存在する;または
(f)前記可溶型のヒトIL−15RaのC末端の末尾のアミノ酸は、PQG(配列番号31)のアミノ酸残基からなり、Gはアミノ酸配列の前記C末端に存在する、可溶型のヒトIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞。
[35]
前記可溶型のヒトIL−15Raは、グリコシル化が前記IL−15Raの質量の少なくとも20%もしくはそれ以上、少なくとも30%もしくはそれ以上、少なくとも40%もしくはそれ以上または少なくとも50%もしくはそれ以上の割合を占めるようにグリコシル化されている、[34]に記載の宿主細胞。
[36]
前記可溶型のヒトIL−15Raは、
(a)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42)のThr5においてO−グリコシル化されている;
(b)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列NWELTASASHQPPGVYPQG(配列番号42番)のSer7においてO−グリコシル化されている;
(c)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVK(配列番号43)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(d)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer8においてN−グリコシル化されている;
(e)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer18においてN−グリコシル化されている;
(f)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer20においてN−グリコシル化されている;
(g)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer23においてN−グリコシル化されている;および/または
(h)前記IL−15Raにおける、アミノ酸配列ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNS(配列番号44)のSer31においてN−グリコシル化されている、[34]または[35]に記載の宿主細胞。
[37]
可溶型のヒトIL−15Raは、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41または配列番号45のアミノ酸配列を含んでいる、可溶型のIL−15Raを組み換え発現する宿主細胞。
[38]
IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、前記IL−15Ra派生体は、ヒトIL−15Raを切断する内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、ヒトIL−15Raのアミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含んでいる、IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞。
[39]
IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞であって、前記IL−15Ra派生体は、(i)ヒトIL−15Raを切断する内在性プロテアーゼによる切断が阻害されるように、アミノ酸配列PQGHSDTT(配列番号26)において、1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸置換および/または欠失を有する、ヒトIL−15Raの細胞外ドメイン、および(ii)ヒトIL−15Raの膜貫通ドメインの代わりに異種分子の膜貫通ドメインを含んでいる、IL−15Ra派生体を組み換え発現する宿主細胞。
[40]
前記異種分子は、CD4またはCD8である、[39]に記載の宿主細胞。
[41]
IL−15をさらに組み換え発現する、[34]〜[40]のいずれかに記載の宿主細胞。
[42]
前記IL−15は、ヒトIL−15である、[41]に記載の宿主細胞。
[43]
[34]〜[40]のいずれかに記載の宿主細胞を、IL−15反応性免疫細胞と共に、ある期間IL−15の存在下で共培養すること、および前記宿主細胞からIL−15Ra反応性免疫細胞を単離することを包含している、IL−15反応性免疫細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法。
[44]
[41]または[42]に記載の宿主細胞を、IL−15反応性免疫細胞と共に、ある期間共培養すること、および前記宿主細胞からIL−15Ra反応性免疫細胞を単離することを包含している、IL−15反応性免疫細胞を増殖、活性化、および/または分化させる方法。
[45]
前記宿主細胞は、放射線照射される、[43]または[44]に記載の方法。
[46]
[34]〜[42]のいずれかに記載の宿主細胞を対象へ投与することを包含している、それを必要とする前記対象におけるIL−15に仲介された免疫機能を強化する方法。[47]
前記対象は免疫不全である、またはリンパ球が減少している、[46]に記載の方法。
[48]
前記対象はAIDSに罹患しているまたは骨髄移植を受けた、[46]に記載の方法。
[49]
[34]〜[42]のいずれかに記載の細胞を対象に投与することを包含している、それを必要とする前記対象における癌を治療または管理する方法。
[50]
前記癌は、黒色腫、腎細胞癌腫、非小細胞肺癌または結腸癌である、[49]に記載の方法。
[51]
前記癌は、転移性癌である、[50]に記載の方法。
[52]
前記宿主細胞は、前記対象にとって自己由来である、[49]〜[51]のいずれかに記載の方法。
[53]
前記宿主細胞は、局所的に投与される、[49]〜[51]のいずれかに記載の方法。
[54]
前記宿主細胞は、前記対象における腫瘍中に局所的に投与される、[49]〜[52]のいずれかに記載の方法。
[55]
前記対象は、ヒトである、[49]〜[54]のいずれかに記載の方法。
[56]
他の治療薬を投与することをさらに包含している、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[57]
前記他の治療薬は、PD−1に免疫特異的に結合する抗体またはPD−L1に免疫特異的に結合する抗体である、[56]に記載の方法。
[58]
前記他の治療薬は、Her2に免疫特異的に結合する抗体である、[56]に記載の方法。
図1A−B:未変性のヒトIL−15の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図1A)(配列番号2)およびアミノ酸配列(図1B)(配列番号1)が示されている。長鎖シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図1A−B:未変性のヒトIL−15の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図1A)(配列番号2)およびアミノ酸配列(図1B)(配列番号1)が示されている。長鎖シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図2A−B:全長の未変性のヒトIL−15Raの核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図2A)(配列番号5)およびアミノ酸配列(図2B)(配列番号3)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図2A−B:全長の未変性のヒトIL−15Raの核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図2A)(配列番号5)およびアミノ酸配列(図2B)(配列番号3)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図3A−B:ヒトIL−15の可溶型の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図3A)(配列番号6)およびアミノ酸配列(図3B)(配列番号4)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図3A−B:ヒトIL−15の可溶型の核酸配列およびアミノ酸配列。核酸配列(図3A)(配列番号6)およびアミノ酸配列(図3B)(配列番号4)が示されている。シグナルペプチド(下線部)および成熟型(イタリック体)のアミノ酸配列および核酸配列が示されている。
図4A−D。静脈注射および皮下注射の後の、経時的な血漿濃度の減少、および、血漿IL−15濃度に対するAUC。(A)静脈注射後の、経時的なIL−15の血漿濃度の減少。3匹のマカクザルに、E.coli由来の単量体性のIL−15(三角形を伴う線)またはヘテロ二量体性のIL−15/IL−15Ra(四角形を伴う線)を、示された用量にて、静脈注射した。示された時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。
図4A−D。静脈注射および皮下注射の後の、経時的な血漿濃度の減少、および、血漿IL−15濃度に対するAUC。(B)皮下注射後の、経時的なIL−15の血漿濃度の減少。2匹のマカクザルに、ヘテロ二量体性のIL−15/sIL−15Raを、5μg/Kgの用量にて皮下注射した。示された時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。
図4A−D。静脈注射および皮下注射の後の、経時的な血漿濃度の減少、および、血漿IL−15濃度に対するAUC。(C)静脈注射および皮下注射の場合の、血漿IL−15濃度に対するAUC。示されたIL−15の製剤を5μg/Kgの用量にて注射された4匹のマカクザルについてAUCを決定した。最初の3つのバーは、皮下注射または静脈注射のいずれかにてIL−15/IL−15Raヘテロ二量体を投与されたマカクザルを示す。最後のバーは、静脈注射にて単量体性のIL−15を投与されたマカクザルを示す。注射後の72時間の間に血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。AUCは、Prism Software Packageを用いて算出された。
図4A−D。静脈注射および皮下注射の後の、経時的な血漿濃度の減少、および、血漿IL−15濃度に対するAUC。(D)マカクザルにおける静脈注射および皮下注射による送達の対比(5μg/Kg)。同じ量のIL−15ヘテロ二量体を静脈注射によって投与した場合と比較した、IL−15ヘテロ二量体を皮下注射によって投与した場合の薬物動態。E.coliから産生されたIL−15を同じ濃度にて投与した場合もまた示されている(三角形を伴う線)。
図5。マカクザルにおいてIL−15/sIL−15RaまたはIL−15/IL−15RaFcを皮下注射にて5回投与する処置の2周期分を示した研究計画。
図6。IL−15/IL−15Raを反復静注した後の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザル(P571およびM575)に、2μg/Kgの用量にて、IL−15/IL−15Raの静脈注射を12日間毎日行った。最初の投与および2回目の投与の後の異なる時点にて血液を採取し、ELISAによって血漿IL−15濃度を決定した。
図7。IL−15/IL−15Ra型を皮下注射した後の血漿IL−15濃度。5μg/Kgを皮下注射にて投与した場合の、マカクザルにおけるヘテロ二量体性のIL−15型の薬物動態。
図8。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザル(P572およびM695)に、5μg/Kgの用量にて、IL−15/IL−15Raの皮下注射5回を3日毎に行った。2か月の休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。矢印は、IL−15/IL−15Raの注射の時間を示している。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、1回目の処置周期の開始後の時間の関数としてプロットした。
図9。IL−15/IL−15RaFcを反復皮下注射した場合の血漿IL−15濃度。2匹のマカクザルにおいて、皮下注射後、ELISAによって測定されたIL−15の血漿濃度。2匹のマカクザル(P570およびP574)に、5μg/Kg体重のIL−15ヘテロ二量体を3日毎に投与した(5回の皮下注射)。2週間の処置周期2回を完了させた。矢印は、IL−15/IL−15RaFcの注射の時間を示している。
図10。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、NK細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞およびガンマデルタT細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695およびP572に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、NK細胞(CD3−CD16+)サブセット、CD4+T細胞(CD3+CD4+)サブセット、CD8+T細胞(CD3+CD8+)サブセットおよびガンマデルタT細胞(CD3+ガンマデルタ+)サブセット内における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図11。IL−15/sIL−15RaおよびIL−15/IL−15RaFcは、NK細胞およびT細胞の同様の増殖を誘導する。2週間の周期1回に、IL−15の皮下注射を(図1で示されているように3日毎に)行った後の、リンパ球サブセットの増殖の増加。2匹の動物に、未変性の精製されたIL−15ヘテロ二量体を注射し、2匹の動物に、IL−15Raを介した二量体のIgG1Fc融合を行った(マカクザルM695、P572、P574およびP570が用いられた)。示されているように、0日目、2日目、7日目および14日目にマルチパラメータフローサイトメトリーによってリンパ球サブセットを分析した。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図12。IL−15/sIL−15Raを用いた反復処置周期は、NK細胞において同様のピークの拡大をもたらす。皮下注射の2周期後におけるIL−15二量体の生物活性。両方の周期において、循環するNK細胞のレベルは、7日目および13日目または14日目において増加した。NK細胞の循環は、2回目のIL−15投与計画(2日目)の初期に誘導された。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図13。IL−15/IL−15RaFcの1回目および2回目の周期の後のNK細胞の増殖は、血漿IL−15濃度を反映している。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図14A−C。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、CD8+およびCD4+の、Tナイーブ(TN)細胞、T中央記憶(TCM)細胞、およびTエフェクター記憶(TEM)細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695(四角形)およびP572(三角形)に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、CD4+およびCD8+の、TN(CD95−CD28+)、TCM(CD95+CD28+)およびTEM(CD95+CD28−)における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。(A)3日毎に、5μg/KgのIL−15/IL−15Raヘテロ二量体を5回皮下注射したマカクザルM695におけるCD8+T細胞から得られた代表的なデータ。左のパネルは、CD8+の、TNサブセット、TCMサブセットおよびTEMサブセットの処置前の分布を示している。右のパネルは、最初のIL−15/sIL−15Raの注射後の7日目における同じ分布を示している。中央のパネルは、囲まれた各集団におけるKi−67+細胞の処置前かつ7日目の頻度を示している。
図14A−C。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、CD8+およびCD4+の、Tナイーブ(TN)細胞、T中央記憶(TCM)細胞、およびTエフェクター記憶(TEM)細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695(四角形)およびP572(三角形)に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、CD4+およびCD8+の、TN(CD95−CD28+)、TCM(CD95+CD28+)およびTEM(CD95+CD28−)における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。(B)示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図14A−C。5μg/KgのIL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、CD8+およびCD4+の、Tナイーブ(TN)細胞、T中央記憶(TCM)細胞、およびTエフェクター記憶(TEM)細胞におけるKi−67の発現。マカクザルM695(四角形)およびP572(三角形)に由来するPBMCを、1回目の処置周期の開始後の示された時点にて得て、CD4+およびCD8+の、TN(CD95−CD28+)、TCM(CD95+CD28+)およびTEM(CD95+CD28−)における増殖性マーカーKi−67の細胞内発現について調べた。(C)IL−15ヘテロ二量体は、中央記憶CD8T細胞およびエフェクター記憶CD8T細胞の両方を標的とし、主にエフェクター記憶CD4T細胞を標的とする。マカクザルM695、P572、P570およびP574から得られたデータが提示されている。示された時点における各サブセット中のKi−67+細胞のパーセンテージ(%)が示されている。
図15A−B。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、抗ヒトIL−15Ra抗体の発達(AおよびB参照)。示された量のIL−15/IL−15Raを12%ポリアクリルアミドゲルへとロードし、変性したタンパク質をニトロセルロース膜へと転写した。処置前のサンプルおよび2回目のIL−15/IL−15Ra処置周期後の22日目に対応するサンプルを用いて、示された希釈率にて、当該膜を、サル血漿によってプローブした。
図15A−B。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、抗ヒトIL−15Ra抗体の発達(AおよびB参照)。示された量のIL−15/IL−15Raを12%ポリアクリルアミドゲルへとロードし、変性したタンパク質をニトロセルロース膜へと転写した。処置前のサンプルおよび2回目のIL−15/IL−15Ra処置周期後の22日目に対応するサンプルを用いて、示された希釈率にて、当該膜を、サル血漿によってプローブした。
図16。IL−15/IL−15Raを反復皮下注射した後の、血漿IL−15濃度。8匹のマカクザルに、0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および12日目において、5μg/KgのIL−15/IL−15Raの皮下注射を6回行った。1か月の休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、処置の開始後の時間の関数としてプロットした。ダイヤモンド形の線は中央値を表している。
図17。血漿IL−15ヘテロ二量体のピーク濃度およびトラフ濃度。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を用いて接種した8匹のマカクザルの血漿濃度。ピーク濃度は注射から6時間後であった。0は、最初の注射より前の濃度を示している。接種から2日後のトラフ濃度は、経時的に減少した。
図18。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を、2日毎に注射された8匹のマカクザルにおける平均動脈圧。丸を伴う線=IL−15ヘテロ二量体。四角形を伴う線=コントロール。
図19。IL−15ヘテロ二量体を注射した後のマカクザルの体温(5μgの皮下注射)。5μg/kgのIL−15ヘテロ二量体を、2日毎に皮下注射された8匹のマカクザルの体温。8匹のマカクザルのグループを、生理食塩水を注射した8匹のコントロールと比較した。注射時(0)および6時間後(6)におけるIL−15(+)およびコントロール(−)の全ての測定は、グループ化された。下にはIL−15グループおよびコントロールグループについて、連続的な注射が示されている。一貫した差分は検出されなかった。
図20。成熟したIL−15Rαの略図。成熟したIL−15Rαの異なるドメインが示されている(シグナルペプチドは含まれていない)。スシドメインは2つのジスルフィド結合を形成しており、いくつかのN−グリコシル化部位およびO−グリコシル化部位によって特徴付けられる(図26および29に報告されているような、Ser8、18、20、23および31におけるHexNAc)。Pro/Thrに富んだドメインは、Thr156またはSer158におけるO−グリコシル化を含む(図28に報告されているように)。切断されたsIL−15Rαは、175aaを含む。クローン19.7および1.5の両方に由来する自然に切断されたsIL−15Rαは、170aaを含む;矢印は、細胞膜上にIL−15Rαが発現した場合の切断部位を示している。
図21。クローン19.7からのIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の安定的な産生。A.クローン19.7からの毎日の収集を、ELISAによって、IL−15の量について評価した。ELISAの結果は、培養物における150日間にわたるIL−15/sIL−15Rαの安定的な産生を示している。B.クローン19.7の上清の経時的なRP−HPLC分析。矢印は、sIL−15RαおよびIL−15に対応するピークを示している。
図22。ヒトIL−15/sIL−15Raの産生および精製。A.HEK293由来ヒト細胞株19.7から得られたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の、HPLCによる精製。B.タンパク質をカラムから溶出させ、SDS−PAGEによって分析した。C.最終的な精製の後(図23A、B、CおよびDを参照)、IL−15、sIL−15Rα、および、再構成されたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体(1:1のモル比)を、ネイティブPAGEによって視覚化した。
図23。クローン19.7から得られたsIL−15RαおよびIL−15の追加の精製。sIL−15RαFx1−3(図22)およびIL−15Fx4−13(図22)のHPLCによる精製を、16×100mm POROS R2/10カラム上で行い(それぞれAおよびC)、溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分析した(それぞれBおよびD)。
図23。クローン19.7から得られたsIL−15RαおよびIL−15の追加の精製。sIL−15RαFx1−3(図22)およびIL−15Fx4−13(図22)のHPLCによる精製を、16×100mm POROS R2/10カラム上で行い(それぞれAおよびC)、溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分析した(それぞれBおよびD)。
図23。クローン19.7から得られたsIL−15RαおよびIL−15の追加の精製。sIL−15RαFx1−3(図22)およびIL−15Fx4−13(図22)のHPLCによる精製を、16×100mm POROS R2/10カラム上で行い(それぞれAおよびC)、溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分析した(それぞれBおよびD)。
図23。クローン19.7から得られたsIL−15RαおよびIL−15の追加の精製。sIL−15RαFx1−3(図22)およびIL−15Fx4−13(図22)のHPLCによる精製を、16×100mm POROS R2/10カラム上で行い(それぞれAおよびC)、溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分析した(それぞれBおよびD)。
図24。自然に切断され、精製されたsIL−15RαをLysCによって消化した後の、非還元条件におけるHPLCによるペプチドの分離。細胞クローン19.7に由来するsIL−15RαをLys−Cプロテアーゼによって消化し、ペプチドをHPLCによって分離した。分画を、Applied Biosystems社の477 Aプロテインシーケンサーによって分析した。挿入によって示される同定された配列はまた、MALDI−TOF MSによって確認した。
図25。sIL−15RαのC末端ペプチドを含むHPLC分画のMS分析。当該分画のタンパク質配列分析によって決定された配列NWELTASASHQPPGVYPQGを有するペプチドに対して予測される値(理論的な[M+H]+ 2038.962)に近いm/z(2020.927)またはそれよりも大きいm/z(2056.934、2308.082、2365.108、2455.138、2770.224)を有するいくつかのペプチドの存在が、MALDI−TOF MSによって明らかになった。
図26。C末端ペプチドを含む分画において検出されたペプチドのMALDI−TOF MS/MS分析。m/zが2020.927(A)、2056.934(B)、2365.108(C)、2770.224(D)(示されていないが、同様に、2308.082および2455.138)であるフラグメントスペクトルは、異なる翻訳後修飾(おそらく、Thr5(156)およびSer7(158)におけるO−グリコシル化)を有する同じペプチドに対応していることが示唆される共通のbイオンフラグメントおよびyイオンフラグメントを含んでいる。これら全てのペプチドは修飾されているため、実験によるm/zの代わりに、予測される未修飾のペプチドNWELTASASHQPPGVYPQG(2038.962)の理論的質量を「親」イオンとして用いて、タンパク質データベースのMascot MS/MS Ion Search(Swissprot)を行った。酵素特異性を「セミトリプシン」として設定した。パネルDは、N−アセチルヘキソサミン(NAc)およびヘキソース(Hex)の質量と等しい質量差を有するイオンフラグメントを示している。これらのイオンフラグメントの存在は、ペプチドが実際にはO−グリコシル化されていることを示唆している。
図26。C末端ペプチドを含む分画において検出されたペプチドのMALDI−TOF MS/MS分析。m/zが2020.927(A)、2056.934(B)、2365.108(C)、2770.224(D)(示されていないが、同様に、2308.082および2455.138)であるフラグメントスペクトルは、異なる翻訳後修飾(おそらく、Thr5(156)およびSer7(158)におけるO−グリコシル化)を有する同じペプチドに対応していることが示唆される共通のbイオンフラグメントおよびyイオンフラグメントを含んでいる。これら全てのペプチドは修飾されているため、実験によるm/zの代わりに、予測される未修飾のペプチドNWELTASASHQPPGVYPQG(2038.962)の理論的質量を「親」イオンとして用いて、タンパク質データベースのMascot MS/MS Ion Search(Swissprot)を行った。酵素特異性を「セミトリプシン」として設定した。パネルDは、N−アセチルヘキソサミン(NAc)およびヘキソース(Hex)の質量と等しい質量差を有するイオンフラグメントを示している。これらのイオンフラグメントの存在は、ペプチドが実際にはO−グリコシル化されていることを示唆している。
図26。C末端ペプチドを含む分画において検出されたペプチドのMALDI−TOF MS/MS分析。m/zが2020.927(A)、2056.934(B)、2365.108(C)、2770.224(D)(示されていないが、同様に、2308.082および2455.138)であるフラグメントスペクトルは、異なる翻訳後修飾(おそらく、Thr5(156)およびSer7(158)におけるO−グリコシル化)を有する同じペプチドに対応していることが示唆される共通のbイオンフラグメントおよびyイオンフラグメントを含んでいる。これら全てのペプチドは修飾されているため、実験によるm/zの代わりに、予測される未修飾のペプチドNWELTASASHQPPGVYPQG(2038.962)の理論的質量を「親」イオンとして用いて、タンパク質データベースのMascot MS/MS Ion Search(Swissprot)を行った。酵素特異性を「セミトリプシン」として設定した。パネルDは、N−アセチルヘキソサミン(NAc)およびヘキソース(Hex)の質量と等しい質量差を有するイオンフラグメントを示している。これらのイオンフラグメントの存在は、ペプチドが実際にはO−グリコシル化されていることを示唆している。
図26。C末端ペプチドを含む分画において検出されたペプチドのMALDI−TOF MS/MS分析。m/zが2020.927(A)、2056.934(B)、2365.108(C)、2770.224(D)(示されていないが、同様に、2308.082および2455.138)であるフラグメントスペクトルは、異なる翻訳後修飾(おそらく、Thr5(156)およびSer7(158)におけるO−グリコシル化)を有する同じペプチドに対応していることが示唆される共通のbイオンフラグメントおよびyイオンフラグメントを含んでいる。これら全てのペプチドは修飾されているため、実験によるm/zの代わりに、予測される未修飾のペプチドNWELTASASHQPPGVYPQG(2038.962)の理論的質量を「親」イオンとして用いて、タンパク質データベースのMascot MS/MS Ion Search(Swissprot)を行った。酵素特異性を「セミトリプシン」として設定した。パネルDは、N−アセチルヘキソサミン(NAc)およびヘキソース(Hex)の質量と等しい質量差を有するイオンフラグメントを示している。これらのイオンフラグメントの存在は、ペプチドが実際にはO−グリコシル化されていることを示唆している。
図27。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15Rαの分子量の決定。マトリクスとしてシナピン酸を用いたCovalX HM−1高質量検出器を備えたVoyager De−Pro上の、精製されたsIL−15RαのMALDI−TOF MSスペクトル。
図28。sIL−15Raの会合は、マウスにおいて、ヒトIL−15のin vivoにおける半減期を増加させる。1グループあたり5匹のマウスに、等モル量のE.coli一本鎖IL−15、ヒトHEK293細胞に由来する一本鎖IL−15またはIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体を注射した(3μgのIL−15当量/マウス、腹腔内)。経時的にマウスから採血し(処置から0.5、2、6および24時間後)、ELISAによって血漿IL−15濃度を評価し、平均±SDとして報告した。
図29。自然に切断されたsIL−15RaのN末端ペプチド(ITCPPPMSVEHADIWVK)におけるHexNAc修飾の同定。分画39に由来するm/zが2126.150のMALDI−TOF MS/MSスペクトル。A.1922.950として設定された親イオンを用いたMascot MS/MSイオンサーチによって、ペプチドITCPPPMSVEHADIWVKに対応するN末端およびC末端の断片が同定された。
図29。自然に切断されたsIL−15RaのN末端ペプチド(ITCPPPMSVEHADIWVK)におけるHexNAc修飾の同定。分画39に由来するm/zが2126.150のMALDI−TOF MS/MSスペクトル。B.Ser8におけるHexNAc修飾を用いた、Biotoolsにおけるスペクトルの分析。
図29。自然に切断されたsIL−15RaのN末端ペプチド(ITCPPPMSVEHADIWVK)におけるHexNAc修飾の同定。分画39に由来するm/zが2126.150のMALDI−TOF MS/MSスペクトル。C.Thr2におけるHexNAc修飾を用いた、スペクトルの分析。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。A.修飾なし。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。B.Ser8におけるHexNAc修飾。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。C.Ser18におけるHexNAc修飾。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。D.Ser20におけるHexNAc修飾。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。E.Ser23におけるHexNAc修飾。
図30。HexNAcによって修飾され、自然に切断されたsIL−15RαのN末端部分におけるSer残基の同定。HPLCによって精製された、自然に切断されたsIL−15RαのISD MALDI−TOF MSスペクトルの分析。F.Ser31におけるHexNAc修飾。
図31。IL−15/sIL−15Raヘテロ二量体は、in vivoで生物活性を有する。A.IL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体は、一本鎖IL−15に比べて、より有効である:in vivoにおけるリンパ球の増殖。CFSEによって標識された脾細胞(20×106)を移した12時間後、以下を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した:PBS(3匹のマウス);3μgのIL−15(3匹のマウス);または等モル量のIL−15/sIL−15Rα(3匹のマウス、一本鎖IL−15中の3μg)。CFSE蛍光についてのフローサイトメトリーによって、4日目に、CD8+T細胞(上のパネル)およびNK細胞(下のパネル)を分析した。1グループあたり1匹の代表的なマウスを示している。
図31。IL−15/sIL−15Raヘテロ二量体は、in vivoで生物活性を有する。B.IL−15Rαは、IL−15ヘテロ二量体の優れた活性に寄与している。PBS(3匹のマウス)、E.coli由来の3μgの一本鎖IL−15(5匹のマウス)、ヒトHEK293細胞に由来する3μgの一本鎖IL−15(5匹のマウス)、または等モル量のIL−15/sIL−15Rα(5匹のマウス、一本鎖IL−15中の3μg)、を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した。増殖性マーカーKi−67を発現するCD8+T細胞(左のパネル)およびNK細胞(右のパネル)の頻度が示されている。個々の動物および平均が各グループについて示されている。**、p<0.01;***、p<0.001;ns、有意差なし。
図31。IL−15/sIL−15Raヘテロ二量体は、in vivoで生物活性を有する。C.クローン1.5に由来する精製されたIL−15/sIL−15Rαヘテロ二量体の異なるロットが、脾臓のCD8+T細胞における増殖について同様のレベルを誘導した。PBS、3μgのIL−15/sIL−15Rα(クローン1.5、ロットA)、または3μgのIL−15/sIL−15Rα(クローン1.5、ロットB)、を用いた腹腔内注射によってマウスを処置した。単離された脾細胞について、増殖性マーカーKi67の存在をフローサイトメトリーによって3日目に評価した。CD8+T細胞集団中のKi67+細胞のパーセンテージが示されている。1グループあたり1匹の代表的なマウスが示されている。
図32。5μg/kg体重のIL−15ヘテロ二量体を反復皮下注射した前および後の8匹のマカクザルと、生理食塩水を反復皮下注射した前および後のコントロールとしての8匹のマカクザルとの、体温および平均動脈圧の対比。16匹のマカクザルに対して、0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および11日目に、5μg/kgの用量のIL−15/IL−15Raまたは生理食塩水を6回皮下注射した。休息期間の後、1回目と同じ2回目の周期の処置を行った。繰り返す前および後の血圧および体温を測定し、プロットした。
図33。IL−15ヘテロ二量体を注射した8匹のマカクザルにおける2回の処置の間の血漿IL−15濃度。各注射後の異なる時点にて血液を採取した。ELISAによって血漿IL−15濃度を決定し、処置開始後の時間の関数としてプロットした。
図34。IL−15ヘテロ二量体を反復注射した後のNK細胞およびCD8T細胞の数。IL−15の投与前、投与している間および投与後のマカクザルからPBMCのサンプルを採取し、CD3、CD4、CD8およびCD16に結合する抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーによって調べた。CD3+CD8+T細胞(図34A)およびCD3−CD16+CD8+NK細胞(図34B)についてのデータが、示された時間における血液1μlあたりの各サブセットの絶対的な細胞数として示されている。三角形:IL−15ヘテロ二量体;四角形:コントロール。
図34。IL−15ヘテロ二量体を反復注射した後のNK細胞およびCD8T細胞の数。IL−15の投与前、投与している間および投与後のマカクザルからPBMCのサンプルを採取し、CD3、CD4、CD8およびCD16に結合する抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーによって調べた。CD3+CD8+T細胞(図34A)およびCD3−CD16+CD8+NK細胞(図34B)についてのデータが、示された時間における血液1μlあたりの各サブセットの絶対的な細胞数として示されている。三角形:IL−15ヘテロ二量体;四角形:コントロール。
図35。検視の日(41日目/42日目および73/74日目)における血液および種々の組織(骨髄、脾臓、肝臓、鼠径部LC、腸管膜LNを含む)中のCD8/CD4T細胞の比。
図36。1μg/kg、20μg/kgおよび50μg/kgと段階的に増加する用量にてIL−15ヘテロ二量体を注射された6匹のマカクザルにおける血漿IL−15濃度。6匹のマカクザルに、1μg/Kg、20μg/Kgまたは50μg/Kgの用量にて(0日目、2日目、4日目、7日目、9日目および11日目に)IL−15/IL−15Raを6回皮下注射した。グループ1:50μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ2:20μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ3:1μg/kgのIL−15/sIL−15Ra。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図37。1μg/kg、20μg/kgおよび50μg/kgと段階的に増加する用量にてIL−15ヘテロ二量体を注射された6匹のマカクザルにおける末梢血中のNK細胞およびCD8T細胞の、ベースラインに対する倍率の増加。グループ1:50μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ2:20μg/kgのIL−15/sIL−15Ra;グループ3:1μg/kgのIL−15/sIL−15Ra。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図38。IL−15ヘテロ二量体を皮下注射した場合の、種々の組織(リンパ節、肝臓、PBMC、脾臓)における、用量に依存したリンパ球の増殖。四角形:50μg/kg;三角形:20μg/kg;丸:1μg/kg。
図39。IL−15は、マウスにおけるB16黒色腫細胞の肺腫瘍生着を減少させた。9μgの、IL−15またはIL−15/可溶型のIL−15Ra複合体を、腹腔内注射によって1日目、6日目および11日目にマウスへ投与した。
図40。野生型およびIL−15−/−C57BL/6マウスに、3×105個のMC38結腸癌細胞を皮下注射し、腫瘍の増殖を継時的に追跡した。
図41。野生型C57BL/6マウスに、3×105個のMC38結腸癌細胞を皮下注射し、1週間後に2つの異なるIL−15製剤を用いて処置した。腫瘍の増殖を継時的に追跡した。三角形:E.coli由来のIL−15;四角形:PBS;丸:IL−15/可溶型のIL−15Ra。