JP6354171B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
シリコン基板と前記シリコン基板上に設けられた金属層を含み、かつ前記金属層を有する一面に前記シリコン基板に到達する凹部が設けられたウェハを準備する工程と、
前記ウェハの前記一面に対して膜形成材料を塗布することにより、樹脂膜を形成する工程と、
を備え、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記膜形成材料を塗布する方法は、インクジェット塗布法であり、
前記樹脂膜の膜厚は、1μm以上20μm以下であり、
前記ウェハの前記一面は、前記凹部が形成された第1領域と、前記凹部が形成されていない第2領域と、を有しており、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量は、前記第2領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量よりも多い半導体装置の製造方法が提供される。
図1は、本実施形態に係る構造体100を示す断面図である。図2は、図1に示す構造体100を示す平面図である。なお、図1は、図2中のA−A'断面を示す。
本実施形態に係る膜形成方法は、一面に凹部22を有する基材1の上記一面に対してインクジェット塗布法を用いて膜形成材料を塗布することにより、樹脂膜10を形成する工程を備える。また、基材1の一面は、凹部22が形成された第1領域30と、第1領域30とは異なる第2領域32と、を有している。また、樹脂膜10を形成する上記工程において、第1領域30の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量は、第2領域32の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量よりも多い。
構造体100は、基材1と、基材1の一面に設けられた樹脂膜10と、を備える。基材1は、凹部22を一面上に有する。樹脂膜10は、基材1に設けられた凹部22を埋め込むように、基材1の一面上に設けられている。
基材1の一面は、凹部22が形成された第1領域30と、第1領域30とは異なる第2領域32と、を有する。すなわち、第2領域32は、基材1の一面のうち凹部22が形成されていない領域であり、当該一面のうちの第1領域30以外の領域を指す。第1領域30は、たとえば基材1の一面のうち平面視において凹部22と一致する領域である。
図1においては、基材1がウェハである場合が例示されている。この場合、ウェハである基材1は、たとえばシリコン基板20と、シリコン基板20上に設けられた金属層26と、を含む。金属層26は、たとえばAl等を主成分とする金属材料により構成される。シリコン基板20上には、複数の配線層が互いに積層された多層配線構造が形成されていてもよい。この場合、金属層26は、たとえば多層配線構造の最上層に設けられる。また、シリコン基板20の一面には、トランジスタ等の半導体素子が形成されていてもよい。
凹部22の幅(W)は、とくに限定されないが、たとえば10μm以上100μm以下とすることができる。なお、凹部22の幅(W)とは、基材1の一面に平行な面内方向における長さである。凹部22が溝状である場合には溝の延在方向と直交する方向における長さを、凹部22が孔状である場合には短手方向における長さを、それぞれ凹部22の幅(W)とすることができる。
図2においては、凹部22が、基材1を貫通しない孔状である場合が例示されている。この場合、孔状である凹部22の平面形状はとくに限定されず、たとえば円形、楕円形、または多角形とすることができる。一方で、凹部22は、溝状であってもよい。
以下、膜形成材料について詳細に説明する。
膜形成材料は、アルカリ可溶性樹脂(A)を含む。アルカリ可溶性樹脂(A)としては、主鎖または側鎖に、水酸基、特にフェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有するものであり、たとえばフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、およびアミド結合を有する前駆体が挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、またはアミド結合を有する前駆体を含むことが好ましく、耐熱性や膜靭性を向上させる観点からはポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体を含むことがとくに好ましい。アルカリ可溶性樹脂(A)は、これらのうちの1種または2種以上を含むことができる。
なお、一般式(1)により示されるアミド結合を有する前駆体において、X、Y、R1〜R3、mおよびnは、それぞれ繰り返し単位毎に同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
一般式(1)により示されるアミド結合を有する前駆体がポリベンゾオキサゾール前駆体である場合、R1の少なくとも一つは水酸基である。この場合、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応により、R1とアミド構造との間において脱水閉環が起こり、オキサゾール環を有するポリベンゾオキサゾール樹脂が生成される。また、一般式(1)により示されるアミド結合を有する前駆体がポリイミド前駆体である場合、R2の少なくとも一つはカルボキシル基である。この場合、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応により、R2とアミド構造との間において脱水閉環(イミド化)が起こり、ポリイミド樹脂が生成される。
なお、以下に示すもののうちテトラカルボン酸二無水物由来の構造については、一般式(1)におけるC=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
アルケニル基、アルキニル基および水酸基の内から選ばれる有機基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物またはモノカルボン酸としては、たとえばマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、イタコン酸無水物、ヘット酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4―ヒドロキシフタル酸無水物、4―ヒドロキシ安息香酸、および3−ヒドロキシ安息香酸を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよく、末端封止したアミド部分の一部が脱水閉環していてもよい。
本実施形態においては、たとえば上記フェノール化合物と上記アルデヒド化合物を酸触媒の下で反応させ合成することにより、アルカリ可溶性樹脂(A)であるフェノール樹脂が得られる。酸触媒としては、とくに限定されないが、たとえばシュウ酸、硝酸、硫酸、硫酸ジエチル、酢酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、またはベンゼンスルホン酸を用いることができる。
なお、膜形成材料中における不揮発成分の割合(重量%)は、たとえば次のように測定することができる。まず、重量(w0)を測定したアルミカップ中に、試料として膜形成材料を1.0g量り取る。このとき、試料とアルミカップの全重量をw1とする。次いで、アルミカップを、210℃に調整した熱風乾燥機中で常圧下、1時間保持した後、熱風乾燥機から取り出して室温まで冷却する。次いで、冷却した試料とアルミカップの全重量(w2)を測定する。そして、以下の式から膜形成材料中における不揮発成分の割合(重量%)を算出する。
不揮発成分(重量%)=(w2−w0)/(w1−w0)×100
感光剤(B)としては、光により酸を発生する化合物を用いることができ、たとえば感光性ジアゾキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、またはジヒドロピリジン化合物を用いることができる。この中でも、感度や溶剤溶解性に優れる感光性ジアゾキノン化合物を用いることがとくに好ましい。
膜形成材料がポジ型の感光性樹脂組成物である場合、未露光部のレリーフパターン中に残存する感光剤は、硬化時における熱で分解し酸を発生させると考えられ、反応促進剤としても感光剤は重要な役割を果たす。このような役割を有する感光性ジアゾキノン化合物としては、より熱で分解し易い1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸のエステルを用いることがとくに好ましい。
膜形成材料は、たとえば界面活性剤(C)を含むことができる。界面活性剤(C)としては、たとえばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、もしくはポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、もしくはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジラウレート、もしくはポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、エフトップEF303、エフトップEF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF177、メガファックF444、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF475、メガファックF482、メガファックF477(DIC(株)製)、フロラードFC−430、フロラードFC−431、ノベックFC4430、ノベックFC4432(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−381、サーフロンS−382、サーフロンS−383、サーフロンS−393、サーフロンSC−101、サーフロンSC−102、サーフロンSC−103、サーフロンSC−104、サーフロンSC−105、サーフロンSC−106、(AGCセイミケミカル(株)製)等に代表されるフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等に代表されるシリコーン系界面活性剤、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)等が挙げられる。これらの中でも、フッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を用いることがとくに好ましい。また、フッ素系界面活性剤の中でも、パーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤を用いることがとくに好ましい。界面活性剤(C)については、フッ素を含有させるなどにより表面張力を下げるなど、構成原子や置換基によってその表面張力を適切に制御することができる。
膜形成材料は、たとえばカップリング剤(D)を含むことができる。カップリング剤(D)としては、とくに限定されないが、たとえばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、またはスルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。これにより、とくにシリコン基板等の基材を構成する部材に対する密着性や濡れ性を向上させることができる。これらの中でも、膜形成材料を用いて形成される樹脂膜の基材への密着性を向上させる観点からは、アクリルシランまたはエポキシシランを用いることがとくに好ましい。
アミノシランとしては、たとえばビス(2―ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、またはN―フェニル−γ―アミノ−プロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシシランとしては、たとえばγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはβ―(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。アクリルシランとしては、たとえばγ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、またはγ―(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランが挙げられる。メルカプトシランとしては、たとえばγ―メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ビニルシランとしては、たとえばビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシランが挙げられる。ウレイドシランとしては、たとえば3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。スルフィドシランとしては、たとえばビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、またはビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
膜形成材料は、たとえば溶解促進剤(E)を含むことができる。溶解促進剤(E)は、膜形成材料を用いて形成された樹脂膜の現像液に対する溶解性を向上させ、パターニング時のスカムを改善することが可能な成分である。溶解促進剤(E)としては、とくに限定されないが、たとえばフェノール性水酸基を有する化合物、アルキロール化合物、メチロール化合物、またはアクリレート化合物等を用いることができる。中でも永久膜内において架橋することにより永久膜の機械特性を向上させることができる二官能以上のアルキロール化合物、メチロール化合物、およびアクリレート化合物が好ましい。
膜形成材料は、たとえば上述の各成分を溶剤(F)に溶解し、ワニス状にして使用される。溶剤(F)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
膜形成材料は、必要に応じて、架橋剤、酸化防止剤、フィラー、または増感剤等の添加物のうち1種または2種以上を含んでいてもよい。
本実施形態においては、ワニス状である膜形成材料の25℃における粘度が、7mPa・s以上20mPa・s以下であることがより好ましい。膜形成材料の粘度を上記上限値以下とすることにより、インク詰まり等による不具合の抑制や、凹部22に対する埋め込み性および樹脂膜10の平坦性の向上を、より効果的に実現することができる。一方で、膜形成材料の粘度を上記下限値以上とすることにより、基材1の側面や下面へのワニスの液だれを抑制し、作業性の向上を図ることが可能となる。なお、膜形成材料の25℃における粘度は、膜形成材料を構成する各成分の種類や配合量等を適切に選択することにより制御することができる。
まず、一面に凹部22が設けられた基材1を準備する。基材1としては、上記において例示したものを使用することが可能である。図1に示す例では、シリコン基板20とシリコン基板20上に設けられた金属層26を含み、かつ金属層26を有する一面にシリコン基板20に到達する凹部22が設けられたウェハが、基材1として準備される。
これにより、一面に凹部22を有する基材1と、基材1の一面上に設けられた樹脂膜10と、を備える構造体100が形成されることとなる。
インクジェット塗布法による膜形成材料の塗布は、基材1に対して一回または複数回行うことができる。膜形成材料を塗布する回数を選択することにより、基材1上に形成される樹脂膜10の膜厚を調整することが可能となる。また、膜形成材料を塗布する回数は、基材1上の各領域において、それぞれ独立して選択することができる。
図4に示す例においては、複数個の吐出口が配列されたインクジェットヘッドを、スキャン方向(図4中左右方向)にスキャンさせつつ、吐出口から液滴80を吐出することにより、基材1上に膜形成材料が塗布されて塗布膜が形成される。インクジェットヘッドに設けられる複数の吐出口は、一列に配列されていてもよく、複数列に配列されていてもよい。複数列に配列される場合には、たとえば千鳥状に配列することができる。なお、図4においては、各液滴80は互いに離間しているように示されているが、各液滴80は基材1表面を濡れ広がり互いに接触して一の塗布膜を構成する。このため、膜形成材料を塗布する上記工程後において、基材1のうち樹脂膜10が形成されることとなる領域(塗布領域)上には、当該塗布領域全体において連続した一の塗布膜が形成されることとなる。
なお、本実施形態において、液適量は、たとえば5ng以上200ng以下とすることができる。また、吐出回数は、1〜10回とすることができる。
また、第1領域30および第2領域32における液適量および吐出回数を同時に制御することにより、より高度な樹脂膜10の平坦性を実現することが可能である。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
一面に凹部を有する基材の前記一面に対してインクジェット塗布法を用いて膜形成材料を塗布することにより、樹脂膜を形成する工程を備え、
前記基材の前記一面は、前記凹部が形成された第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域と、を有しており、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量は、前記第2領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量よりも多い膜形成方法。
2.
1.に記載の膜形成方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域に対して吐出される前記膜形成材料の液滴量は、前記第2領域に対して吐出される前記膜形成材料の液滴量よりも多い膜形成方法。
3.
1.または2.に記載の膜形成方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積当たりにおける前記膜形成材料の吐出回数が、前記第2領域の単位面積当たりにおける前記膜形成材料の吐出回数よりも多い膜形成方法。
4.
1.〜3.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程の後において、前記樹脂膜に対して露光、現像を行うことにより前記樹脂膜をパターニングする工程をさらに備える膜形成方法。
5.
1.〜4.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記凹部の縁に対して前記膜形成材料の液滴が吐出される膜形成方法。
6.
1.〜5.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記基材は、シリコン基板を含んでおり、
前記凹部内には、前記シリコン基板の一部が露出している膜形成方法。
7.
1.〜6.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記凹部の深さは、20μm以上150μm以下である膜形成方法。
8.
1.〜7.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記凹部の幅に対する前記凹部の深さの比は、1以上3以下である膜形成方法。
9.
1.〜8.いずれか一つに記載の膜形成方法において、
前記膜形成材料のシリコン基板に対する接触角は、10度未満である膜形成方法。
10.
シリコン基板と前記シリコン基板上に設けられた金属層を含み、かつ前記金属層を有する一面に前記シリコン基板に到達する凹部が設けられたウェハを準備する工程と、
前記ウェハの前記一面に対してインクジェット塗布法を用いて膜形成材料を塗布することにより、樹脂膜を形成する工程と、
を備え、
前記ウェハの前記一面は、前記凹部が形成された第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域と、を有しており、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量は、前記第2領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量よりも多い半導体装置の製造方法。
ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸21.4g(0.08モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール・一水和物22.4g(0.16モル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物40.8g(0.08モル)と、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン36.6g(0.10モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン296.9gを加えて溶解させた。その後、オイルバスを用いて75℃にて15時間反応させた。この反応混合物にN−メチル−2−ピロリドン34.8gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.9g(0.04モル)を加え、さらに3時間攪拌して反応を終了させて、ポリベンゾオキサゾール前駆体(アルカリ可溶性樹脂(A−1))を合成させた。
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン44.9g(0.16モル)と2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン58.6g(0.16モル)とN−メチル−2−ピロリドン75.0gとを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、γ−ブチロラクトン230.5gを加えて溶解させた。この混合溶液に4,4'−オキシジフタル酸無水物93.1g(0.30モル)をγ−ブチロラクトン120gと共に添加した後、室温で60分間撹拌した。その後、オイルバスを用いて125℃にて8時間撹拌して反応させた。この反応混合物の温度を60℃に冷却した後、5−エチニル−イソベンゾフラン−1,3−ジオン5.2g(0.030モル)をγ−ブチロラクトン40gと共に添加し、80℃にて3時間撹拌して反応を終了させて、ポリイミド前駆体(アルカリ可溶性樹脂(A−2))を合成させた。
メタクレゾール680.4g(6.3モル)、パラクレゾール399.6g(3.7モル)、ホルムアルデヒド(8.0モル)の38%水溶液680g、しゅう酸6.3g(0.05モル)の混合物を100℃で4時間反応後、常圧で反応混合物の温度が120℃になるまで蒸留して水を除去し、更に0.008MPaの減圧下で反応混合物の温度が240℃になるまで蒸留して未反応クレゾールを除去し、遊離クレゾールが0.2重量%のノボラック樹脂(アルカリ可溶性樹脂(A−3))を得た。
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、式(B−1)で表されるフェノール11.04g(0.026モル)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド18.81g(0.070モル)と、アセトン170gと、を入れて撹拌し、溶解させた。次いで、反応溶液の温度が35℃以上にならないようにウォーターバスでフラスコを冷やしながら、トリエチルアミン7.78g(0.077モル)とアセトン5.5gの混合溶液をゆっくり滴下した。そのまま室温で3時間反応させた後、酢酸1.05g(0.017モル)を添加し、さらに30分反応させた。次いで、反応混合物をろ過した後、ろ液を水/酢酸(990ml/10ml)の混合溶液に投入した。次いで、沈殿物を濾集して水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。これにより、式(B−2)の構造で表される感光剤(B)を得た。
(膜形成材料の調整)
アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性樹脂(A−1)13.2重量部と、感光剤(B)2.4重量部と、カップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.7重量部と、溶解促進剤としてp−キシリレングリコール1.1重量部と、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(FC4432、住友3M(株)製)0.1重量部と、を溶剤であるγ−ブチロラクトン82.5重量部に混合して溶解した後、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾過してワニス状の膜形成材料を得た。得られた膜形成材料の粘度は、25℃において11.5mPa・sであった。また、膜形成材料のシリコン基板に対する接触角は、4.8度であった。
得られた膜形成材料を、シリコン基板と、シリコン基板上に設けられたAl層と、を含むウェハのうちの塗布領域上にインクジェット塗布法を用いて塗布した。ウェハには、Al層を貫通してシリコン基板に到達する凹部が設けられていた。また、この凹部は、深さが100μm、幅(W)と深さ(D)の比(W:D)が1:2であった。インクジェット塗布法による塗布は、128個の吐出口が一列に配列されたインクジェットヘッドを備えるIP3040((株)石井表記製)を用いて、吐出周波数2kHz、塗布速度64mm/s、滴下ピッチ35μm×35μmの条件下により行った。また、塗布領域のうちの上記凹部が形成された第1領域に対して吐出される膜形成材料の液滴量を85ngとし、塗布領域のうちの凹部が形成されていない第2領域に対して吐出される膜形成材料の液適量を60ngとした。また、ウェハに対する膜形成材料の塗布回数は一回とした。このため、上記第1領域および上記第2領域における単位面積当たりの膜形成材料の吐出回数は1回であった。ここで、単位面積は、35μm×35μmの正方形の面積に一致するものとした(以下、実施例2〜6、比較例1〜2において同様)。また、塗布領域のうち、第1領域は凹部と平面視で一致する領域を、第2領域は第1領域以外の領域を、それぞれ指す(以下、実施例2〜6、比較例1〜2において同様)。このように、実施例1においては、第1領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量を、第2領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量よりも多くした。その後、120℃、4分でウェハ上の膜形成材料を乾燥し、樹脂膜を形成した。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は5μmであった。
これにより、ウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。
インクジェット塗布法による塗布において、ウェハに対する膜形成材料の塗布回数を2回とした以外は、実施例1と同様にしてウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。このように、実施例2においては、第1領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量を、第2領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量よりも多くした。また、Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は10μmであった。
インクジェット塗布法による塗布において、第1領域に対して吐出される膜形成材料の液滴量を55ngとし、第2領域に対して吐出される膜形成材料の液適量を40ngとし、ウェハに対する膜形成材料の塗布回数を4回とした以外は、実施例1と同様にしてウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。このように、実施例2においては、第1領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量を、第2領域の単位面積に対して吐出される吐出量よりも多くした。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は13μmであった。
インクジェット塗布法による塗布において、第1領域および第2領域に対して吐出される膜形成材料の液適量を60ngとした。また、ウェハに対する膜形成材料の塗布回数は、4回とした。このうち、2回を第1領域および第2領域に対して行い、残りを第1領域のみに対して行った。すなわち、第1領域の単位面積当たりにおける膜形成材料の吐出回数が4回であり、第2領域の単位面積当たりにおける膜形成材料の吐出回数が2回であった。実施例4では、これらの点を除き、実施例1と同様にしてウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。
このように、実施例4においては、第1領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量を、第2領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量よりも多くした。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は13μmであった。
アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性樹脂(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は5μmであった。
アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性樹脂(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は5μmであった。
(膜形成材料の調整)
アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性樹脂(A−1)33.7重量部と、感光剤(B)6.1重量部と、カップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.7重量部と、溶解促進剤としてp−キシリレングリコール2.7重量部と、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(FC4432、住友3M(株)製)0.1重量部と、を溶剤であるγ−ブチロラクトン54.7重量部に混合して溶解した後、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾過してワニス状の膜形成材料を得た。得られたワニス状の膜形成材料の粘度は、25℃において1000mPa・sであった。また、膜形成材料のシリコン基板に対する接触角は、28.5度であった。
得られた膜形成材料を、シリコン基板と、シリコン基板上に設けられたAl層と、を含むウェハのうちの塗布領域上にスピンコート法を用いて塗布した。ウェハは、実施例1と同様のものを用いた。また、スピンコート法による塗布は、滴下量5.0g、回転数2200rpmの条件下において行った。その後、120℃、4分でウェハ上の膜形成材料を乾燥し、樹脂膜を形成した。Al層上に形成された上記樹脂膜の膜厚は5μmであった。
これにより、ウェハ上に樹脂膜が設けられた構造体を得た。
膜形成材料をウェハ上へ塗布する際に、ウェハ上の塗布領域全体において吐出される液滴量を60ngとした以外は、実施例1と同様にして構造体を得た。このように、比較例2では、第1領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量を、第2領域の単位面積に対して吐出される膜形成材料の吐出量と等しくした。
各実施例および各比較例について、得られた構造体を構成する樹脂膜の、上記凹部上における表面高さと、凹部以外の他の領域における表面高さと、の差の最大値を、三次元測定器を用いて測定した。ここでは、ウェハ裏面を基準とした樹脂膜表面の高さを、樹脂膜の表面高さとして算出した。0.5μm未満を○とし、0.5μm以上を×とした。
各実施例および各比較例について、得られた構造体の上記凹部を含む断面を、走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscopy))により観察した。得られたSEM写真から、凹部に対する樹脂膜の埋め込み性を評価した。凹部内に空隙が存在しないものを○とし、凹部内に空隙が存在するものを×とした。
10 樹脂膜
1 基材
20 シリコン基板
22、220、221 凹部
26 金属層
28 外周端
30 第1領域
32 第2領域
80 液滴
Claims (10)
- シリコン基板と前記シリコン基板上に設けられた金属層を含み、かつ前記金属層を有する一面に前記シリコン基板に到達する凹部が設けられたウェハを準備する工程と、
前記ウェハの前記一面に対して膜形成材料を塗布することにより、樹脂膜を形成する工程と、
を備え、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記膜形成材料を塗布する方法は、インクジェット塗布法であり、
前記樹脂膜の膜厚は、1μm以上20μm以下であり、
前記ウェハの前記一面は、前記凹部が形成された第1領域と、前記凹部が形成されていない第2領域と、を有しており、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量は、前記第2領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の吐出量よりも多い半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域に対して吐出される前記膜形成材料の液滴量は、前記第2領域に対して吐出される前記膜形成材料の液滴量よりも多い半導体装置の製造方法。 - 請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積当たりにおける前記膜形成材料の吐出回数が、前記第2領域の単位面積当たりにおける前記膜形成材料の吐出回数よりも多い半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜3いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程の後において、前記樹脂膜に対して露光、現像を行うことにより前記樹脂膜をパターニングする工程をさらに備える半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜4いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記凹部の縁に対して前記膜形成材料の液滴が吐出される半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜5いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記凹部の深さは、20μm以上150μm以下である半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜6いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記膜形成材料の粘度は、25℃において、7mPa・s以上100mPa・s以下であり、
前記凹部の幅に対する前記凹部の深さの比は、1以上3以下である半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜7いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記膜形成材料の前記シリコン基板に対する接触角は、10度未満である半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜8いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記膜形成材料は、アルカリ可溶性樹脂と、感光剤とを含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜9いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記樹脂膜を形成する前記工程において、前記第1領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の前記吐出量をV1、前記第2領域の単位面積に対して吐出される前記膜形成材料の前記吐出量をV2としたとき、V1:V2=1.1:1.0〜3.0:1.0である半導体装置の製造方法。
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